はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段1.遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記主制御手段から前記払出指令情報を入力するとともに、遊技機内又は遊技機外の貸出手段(球貸装置Y)から出力される貸出指令情報(貸球要求信号)を入力し、当該払出指令情報又は当該貸出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報を記憶し、さらに自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、
前記払出指令情報に対応した払出数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞払出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞数特定処理を実行する機能)と、
前記貸出指令情報に対応した貸出数の情報又はそれに対応した情報を特定する貸出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1907の貸球要求信号を入力する機能)と、
前記賞払出数情報特定手段に特定された払出数の情報又はそれに対応した情報として賞払出数情報を記憶するとともに、前記貸出数情報特定手段に特定された貸出数の情報又はそれに対応した情報として貸出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない払出側記憶手段(払出側RAM333の賞球数記憶エリア374)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御するとともに、前記払出側記憶手段に記憶されている前記貸出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出情報設定処理を実行する機能)と、
前記払出側記憶手段に前記賞払出数情報が記憶されたことに基づいて開始された遊技媒体の払出が継続されている場合であって、前記主側記憶手段に前記賞情報が記憶されている場合及び払い出すべき遊技媒体の数が予め定められた規定数以上である場合に、前記貸出指令情報を入力しないよう制限する貸出制限手段(払出側CPU331における貸球設定処理のステップS1904、ステップS1905の処理を実行する機能)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は、入力した払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。これにより、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する遊技媒体の払出が実行される。また、貸出手段から貸出指令情報が出力される。当該貸出指令情報を入力したことに基づいて、払出制御手段は当該貸出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。
当該構成において、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。このため、遊技機が電断状態となるとそれまでの払出側記憶手段の未払出の情報が全て消去されてしまう。電断状態となった場合に払出側記憶手段に未払出の情報が大量に記憶されていると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。これに対して本手段では、賞払出数情報が記憶されたことに基づいて開始された遊技媒体の払出が継続されている場合であって、賞情報が記憶されている場合及び払い出すべき遊技媒体の数が予め定められた規定数以上である場合に、貸出指令情報を入力しない。これにより、賞払出数情報に基づいて遊技媒体の払出が行われている場合であって、賞情報が記憶されている場合及び規定数以上の賞払出数情報が記憶されている場合に貸出数情報が払出側記憶手段に記憶されることを抑制でき、払出側記憶手段に未払出の情報が過度に記憶されることを抑制することができる。よって、電断状態になったとしても消去されてしまう未払出の情報を最小限なものとすることが可能となる。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されること又は貸出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技媒体が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技媒体の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
また、「払出側記憶手段」は、払出制御手段が有する情報記憶機能のうちの全部又は一部であってもよく、一部とした場合、賞払出数情報を記憶する機能を有する構成であってもよい。また、この場合、払出制御手段がセキュリティに関する情報を記憶する機能を有していて、当該機能を有する手段に対しては電断時電力が供給される構成としてもよい。これは以下も同様である。
手段2.手段1において、前記貸出手段は、前記貸出指令情報を出力する前に、貸出確認情報(貸球状態信号)を出力するものであり、
前記貸出制限手段は、前記貸出確認情報を入力したことに基づいて、前記賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われているか否かを判定する払出判定手段(払出側CPU331における貸球設定処理のステップS1902、ステップS1904の処理を実行する機能)を備え、
前記払出判定手段により、前記賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われていると判定された場合に、前記貸出指令情報を入力しないように制限することを特徴とする遊技機。
手段2によれば、貸出確認情報が出力された場合に、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われているか否かを判定する。
一般的に、貸出指令情報に基づいた遊技球の払出は、遊技者が任意のタイミングにて行わせようとするものであり、所持している遊技媒体がなくなった又はほぼなくなった場合に遊技者は貸出指令情報に基づいた遊技媒体の払出を行わせようとすることが考えられる。これに対して賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出は払出遊技内容となった場合に行われる。一度貸出指令情報に基づいた遊技媒体の払出が行われた場合には当該遊技媒体を使用してしまう前に複数回の払出遊技内容が発生することが考えられる。これにより、払出遊技内容が発生する頻度と貸出指令情報に基づいた遊技媒体の払出が発生する頻度とでは、払出遊技内容が発生する頻度の方が多いことが考えられる。本手段によれば、貸出指令情報が出力される前に出力される貸出確認情報を入力した場合に、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われているか否かを判定するため、賞払出数情報に対応した払出が行われているか否かを判定し当該払出が行われていないと判定した場合に貸出確認情報を入力しているか否かを判定する構成と比して、遊技機にかかる処理負荷を軽減することが可能となる。
手段3.手段1又は2において、前記払出制御手段は、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記主制御手段において特定可能なように当該主制御手段に許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定用情報に基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力するものであることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、払出制御手段は主制御手段に許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて主制御手段にて払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが特定され、出力許可状態である場合に払出指令情報が出力される。これにより、出力許可状態とならなければ新たな払出指令情報が出力されないため、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、払出遊技内容に対する払出であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、払出側記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを一層阻止することが可能となる。
なお、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
手段4.手段3において、前記許可特定用情報出力手段は、前記払出側記憶手段に遊技媒体を払い出すべく前記貸出数情報が記憶されている場合、前記許可特定用情報の出力状態を、前記払出指令情報の出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能な出力状態に設定するものであることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、払出側記憶手段に遊技媒体を払い出すべく貸出数情報が記憶されている場合には、主制御手段にて払出指令情報の出力不許可状態であることが特定される。これにより、貸出数情報に基づいて遊技媒体の払出を行っている場合に、払出指令情報が出力されてしまい、賞払出数情報が払出側記憶手段に記憶されてしまうことを抑制することが可能となる。
仮に、貸出数情報に基づいた遊技媒体の払出が行われている場合にも、払出指令情報が出力され賞払出数情報が払出側記憶手段に記憶されてしまう遊技機の場合、払出側記憶手段に賞払出数情報及び貸出数情報の両方が記憶されることとなる。この場合、電断状態になると当該貸出数情報及び賞払出数情報の両方が消去されてしまうおそれがある。本手段によれば、貸出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合には払出指令情報が出力されないために賞払出数情報が払出側記憶手段に記憶されることがなくなる。
手段5.手段3又は4において、前記許可特定用情報出力手段は、前記貸出指令情報を入力している場合、前記許可特定用情報の出力状態を、前記払出指令情報の出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能な出力状態に設定するものであることを特徴とする遊技機。
手段5によれば、貸出指令情報を入力している場合には、主制御手段にて払出指令情報の出力不許可状態であることが特定される。これにより、貸出指令情報を入力している場合に、払出指令情報が出力されてしまい、払出側記憶手段に当該貸出指令情報に基づいた貸出数情報及び当該払出指令情報に基づいた賞払出数情報の両方が記憶されてしまうことを抑制することが可能となる。よって、仮に、電断状態になったとしても、賞払出数情報及び貸出数情報の両方が消去されてしまうことを抑制することが可能となる。
また本手段によれば、貸出指令情報を入力しているタイミングにて、払出指令情報が出力されること抑制できる。これにより、貸出指令情報が出力されてから当該貸出指令情報に基づいて払出側記憶手段に貸出数情報が記憶されるまでの間に払出指令情報が出力されてしまうことを抑制できる。よって、払出側記憶手段に未払出の貸出数情報が記憶されているか否かによって払出指令情報の出力不許可状態とするか否かを決定する構成と比して、未払出の貸出数情報及び賞払出数情報の両方が払出側記憶手段に記憶されてしまうことを一層抑制できる。
手段6.手段3乃至5のいずれか1において、前記許可特定用情報出力手段は、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記特定用情報の出力状態を変更するものであり、前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数より大きい場合に、前記払出指令情報の出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記特定用情報の出力状態を変更するものであることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数を超えている状況においては出力不許可状態となり、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力されない。これにより、払出遊技内容に対する払出であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。また、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数以下となることで出力許可状態となる。これにより、払出側記憶手段への賞払出数情報の補充が円滑に行われ、それに伴って遊技媒体の払出が円滑に行われる。
手段7.手段6において、前記払出制御手段は、前記払出指令情報を入力した場合に、その払出指令情報に対応した遊技媒体数が反映されるように前記払出側記憶手段の情報を更新する入力時更新手段(払出側CPU331におけるステップS1809の処理を実行する機能)を備えており、
前記主側記憶手段に前記賞情報が記憶されている状況において前記払出側記憶手段の前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数以下となった場合、その許可基準数の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前までに、前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、払出手段により遊技媒体の払出が実行されている状況において、遊技内容が新たに払出遊技内容となった場合又は既に主側記憶手段に賞情報が記憶されている場合には、現状行われている払出に関して払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前のタイミングで、主制御手段から払出指令情報が出力され払出記憶手段の賞払出数情報に新たな遊技媒体数の情報が加算される。よって、遊技媒体の払出を連続的なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
この場合、賞払出数情報に基づいた遊技媒体の払出が開始された場合には、主側記憶手段に記憶されている賞情報及び払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が全て行われることとなる。すなわち、賞払出数情報に基づいて遊技媒体の払出が開始されており、主側記憶手段に賞情報が記憶されている場合には、主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいた払出指令情報の出力が全て行われるまで貸出指令情報を入力することがない。仮に、払出指令情報及び貸出指令情報を同時に入力した場合、払出側記憶手段に遊技媒体を払い出すべく賞払出数情報及び貸出数情報の両方が記憶されてしまい、電断状態となった場合に当該賞払出数情報及び貸出数情報の両方が消去されてしまうこととなる。本手段によれば、賞払出数情報に基づいた遊技媒体の払出が開始された場合には、主側記憶手段に記憶されている賞情報及び払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が全て行われるため、当該遊技媒体の払出が全て行われた後に貸出指令情報を入力することとなる。これにより、払出指令情報が出力されなくなった後に貸出指令情報を入力するため、払出指令情報及び貸出指令情報を同時に入力してしまうことを抑制することが可能となる。
また、払出指令情報は払出遊技内容となり賞情報が記憶されていることによって出力されるものである。これに対して貸出指令情報は貸出手段から出力されるものである。一般的に貸出指令情報に基づいた遊技媒体の払出は遊技者が任意のタイミングで行えるものであり、所持している遊技媒体がなくなった場合又はほぼなくなった場合に遊技者は貸出指令情報に基づいた遊技媒体の払出を行わせようとすることが考えられ、貸出指令情報に基づいた遊技媒体の払出が行われた場合には、再度貸出指令情報に基づいた遊技媒体の払出が行われるまでに複数回の払出遊技内容が発生することが考えられる。これにより、貸出指令情報を入力し貸出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われる頻度よりも、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われる頻度は高いことが考えられる。本手段によれば、賞払出数情報に基づいた遊技媒体の払出が開始された場合には未払出の賞情報が全てなくなるまで、賞払出数情報に基づいた遊技媒体の払出が行われるため、主側記憶手段に記憶されている賞情報が膨大なものとなってしまうことを抑制することが可能となる。
なお、「前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されている」としては、前記払出指令情報出力手段にて前記出力許可状態であることを特定し前記払出指令情報を出力する上で要する処理時間、及び当該払出指令情報が出力されてから前記入力時更新手段にて前記賞払出数情報が更新されるまでに要する処理時間の各処理時間を合わせた時間が、許可基準数の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなるまでに要する時間よりも短くなるように設定されている構成が考えられる。
手段8.手段3乃至7のいずれか1において、前記払出駆動制御手段は、
前記払出手段による遊技媒体の払出を阻害する阻害状況であることを特定する阻害状況特定手段(払出側CPU331におけるステップS2201の処理を実行する機能)と、
当該阻害状況特定手段により前記阻害状況であることが特定された場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記許可特定用情報出力手段は、前記阻害状況である場合、前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能に前記許可特定用情報の出力状態を設定するものであることを特徴とする遊技機。
手段8によれば、遊技媒体の払出を阻害する阻害状況に応じて払出手段による遊技媒体の払出が制限されることがある。この場合に、阻害状況では、払出指令情報が主制御手段から払出制御手段に出力されないように出力不許可状態に設定するようにした。これにより、阻害状況において新たな払出指令情報が出力されないようにすることができる。阻害状況において払出指令情報が出力されると、その阻害状況が解消されず払出手段による遊技媒体の払出が制限されたまま遊技機の電源が遮断された場合には、その新たに出力された払出指令情報に対応した賞払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
また、「阻害状況」としては、前記払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部をさらに備えた構成においては、当該外側貯留部が満タン状態となることを阻害状況としてもよい。また、遊技機内部にて遊技媒体を貯留する内側貯留部をさらに備え、前記払出手段は前記内側貯留部に貯留された遊技媒体を払い出す構成においては、前記内側貯留部に貯留されている遊技媒体がなくなることを阻害状況としてもよい。
手段9.手段1乃至8のいずれか1において、前記払出駆動制御手段は、
前記払出手段による遊技媒体の払出を阻害する阻害状況であることを特定する阻害状況特定手段(払出側CPU331におけるステップS1903の処理を実行する機能)と、
当該阻害状況特定手段により前記阻害状況であることが特定された場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記貸出制限手段は、前記阻害状況である場合に前記貸出指令情報を入力しないように制限するものであることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、遊技媒体の払出を阻害する阻害状況に応じて払出手段による遊技媒体の払出が制限されることがある。本手段では、阻害状況では貸出指令情報を入力しないように制限した。阻害状況において貸出指令情報を入力してしまうと、その阻害状況が解消されず払出手段による遊技媒体の払出が制限されたまま遊技機の電源が遮断された場合には、その貸出指令情報に対応した貸出数情報は、当該貸出数情報に基づいた遊技媒体の払出が行われることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
なお、手段8に適用する場合、手段8における「阻害状況特定手段」及び「駆動制御制限手段」と、本手段における「阻害状況特定手段」及び「駆動制御制限手段」とはそれぞれ同一のものを用いてもよい。
手段10.手段1乃至9のいずれか1において、前記払出手段が設置された遊技機本体(本体枠13及び裏パックユニット15)と、
当該遊技機本体に対して遊技機前方に開閉可能に設けられ、前記遊技内容を遊技機前方から視認可能とする表示部(窓部21)及び前記払出手段から払い出された遊技媒体を貯留する外側貯留部(下皿34)が一体化された遊技機前面体(前扉枠14)と、
をさらに備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記遊技機前面体が開放されている場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)を備えており、
前記主制御手段は、
前記遊技機前面体が開放状態であることを特定する開放状態特定手段(主側CPU311における前扉枠開放信号監視処理を実行する機能)を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合には、前記払出指令情報を出力しないものであることを特徴とする遊技機。
手段10の遊技機では、遊技機前面体に対して表示部と外側貯留部とが一体化されている。これにより、遊技機前面において表示部と外側貯留部との間に、遊技機本体側へ通じる境界が生じることはなく、当該境界を利用した不正行為を阻止することが可能となる。また、遊技機前面体が開放されている場合には、払出手段から遊技媒体が払い出されたとしてもそれが外側貯留部にて受けられないため、払出手段による遊技媒体の払出が制限される。
この場合に、遊技機前面体が開放されている場合には、払出指令情報は出力されない。これにより、遊技機前面体が開放されている場合に新たな払出指令情報が出力されないようにすることができる。遊技機前面体が開放されている場合に払出指令情報が出力されると、遊技機前面体が閉鎖されず払出手段による遊技媒体の払出が制限されたまま遊技機の電源が遮断された場合には、その新たに出力された払出指令情報に対応した賞払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
なお、手段8又は9を備えた構成においては、「駆動制御制限手段」と「駆動制御停止手段」とが同一のものであってもよい。この場合、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合には前記払出手段の駆動制御を停止する構成とする。
手段11.手段1乃至10のいずれか1において、前記払出手段が設置された遊技機本体(本体枠13及び裏パックユニット15)と、
当該遊技機本体に対して遊技機前方に開閉可能に設けられ、前記払出手段から払い出された遊技媒体を貯留する外側貯留部(下皿34)を有した遊技機前面体(前扉枠14)と、
を備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記遊技機前面体が開放されている場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)を備えており、
前記払出制御手段は、
前記遊技機前面体が開放状態であることを特定する払出側開放状態特定手段(払出側CPU331による貸球設定処理におけるステップS1903の処理を実行する機能)を備えており、
前記貸出制限手段は、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合には、前記貸出指令情報を入力しないよう制限することを特徴とする遊技機。
手段11の遊技機では、遊技機前面体が開放されている場合には、払出手段から遊技媒体が払い出されたとしてもそれが外側貯留部にて受けられないため、払出手段による遊技媒体の払出が制限される。
この場合に、遊技機前面体が開放されている場合には、貸出指令情報を入力しない。遊技機前面体が開放されている場合に貸出指令情報を入力すると、遊技機前面体が閉鎖されず払出手段による遊技媒体の払出が制限されたまま遊技機の電源が遮断された場合には、その入力した貸出指令情報に対応した貸出数情報に対応した遊技媒体は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
なお、手段8又は9を備えた構成においては、「駆動制御制限手段」と「駆動制御停止手段」とが同一のものであってもよい。この場合、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合には前記払出手段の駆動制御を停止する構成とする。また、手段10に適用する場合、手段10における「駆動制御制限手段」、「遊技機本体」、「外側貯留部」及び「遊技機前面体」と、本手段における「駆動制御制限手段」、「遊技機本体」、「外側貯留部」及び「遊技機前面体」とはそれぞれ同一のものを用いてもよい。
手段12.手段1乃至11のいずれか1において、前記貸出手段に保持されている貸出数の情報は、遊技機が電断状態になったとしても、保持されるものであり、
前記貸出制限手段は、前記賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合には、前記貸出指令情報の出力を停止させることを特徴とする遊技機。
手段12によれば、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合には、貸出指令情報の出力が停止される。これにより、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合に貸出指令情報を入力することがなくなる。よって、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合に貸出指令情報を入力してしまい、払出側記憶手段に遊技媒体を払い出すべく貸出数情報と賞払出数情報との両方が記憶されてしまうことを抑制することが可能となる。
また、前記貸出手段は遊技機が電断状態になったとしても情報を記憶保持できるため、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合、貸出指令情報の出力を停止されたとしても、貸出手段にその情報を記憶保持させることが可能となる。この場合に電断状態となったとしても、その情報は消去されないため、電断状態となったとしても遊技者に発生する被害を軽減することが可能となる。
手段13.遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記主制御手段から前記払出指令情報を入力するとともに、遊技機内又は遊技機外の貸出手段(球貸装置Y)から出力される貸出指令情報(貸球要求信号)を入力し、当該払出指令情報又は当該貸出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報を記憶し、さらに自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、
前記払出指令情報に対応した払出数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞払出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞球数特定処理を実行する機能)と、
前記貸出指令情報に対応した貸出数の情報又はそれに対応した情報を特定する貸出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1907の貸球要求信号を入力する機能)と、
当該賞払出数情報特定手段に特定された払出数の情報又はそれに対応した情報として賞払出数情報を記憶するとともに、前記貸出数情報特定手段に特定された貸出数の情報又はそれに対応した情報として貸出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない払出側記憶手段(払出側RAM333の賞球数記憶エリア374)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御するとともに、前記払出側記憶手段に記憶されている前記貸出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出情報設定処理を実行する機能)と、
前記賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合には、前記貸出指令情報を入力しないよう制限する貸出制限手段(払出側CPU331における貸球設定処理のステップS1904、ステップS1905の処理を実行する機能)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段13によれば、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は、入力した払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。これにより、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する遊技媒体の払出が実行される。また、貸出手段から貸出指令情報が出力される。当該貸出指令情報を入力したことに基づいて、払出制御手段は当該貸出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。
当該構成において、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。このため、遊技機が電断状態となるとそれまでの払出側記憶手段の未払出の情報が全て消去されてしまう。電断状態となった場合に払出側記憶手段に未払出の情報が大量に記憶されていると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。これに対して本手段では、賞払出数情報に基づいて遊技媒体の払出が行われている場合には、貸出指令情報を入力しない。これにより、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合に貸出数情報が払出側記憶手段に記憶されることを抑制でき、払出側記憶手段に未払出の情報が過度に記憶されることを抑制することができる。よって、電断状態になったとしても消去されてしまう未払出の情報を最小限なものとすることが可能となる。
仮に、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合に貸出指令情報を入力する遊技機の場合、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われているにも関わらず、貸出数情報を記憶していることとなる。払出指令情報は遊技内容に基づいて出力されるものであるのに対して、貸出指令情報は貸出手段から出力される。払出指令情報及び貸出指令情報の出力契機がそれぞれ独立したものであるために払出指令情報に基づいて遊技媒体の払出を行っている場合に貸出指令情報を入力し貸出数情報を記憶することが起こり得る。この場合に電断状態となると、未払出の賞払出数情報だけでなく、未払出の貸出数情報の全てが消去されてしまうこととなる。また、賞払出数情報に対応した遊技媒体の払出が行われており、貸出数情報が記憶された場合に当該貸出数情報に対応した遊技媒体の払出を優先的に行ったとしても、未払出の貸出数情報及び賞払出数情報の全てが消去されてしまうこととなる。
これに対して、本手段によれば、賞払出数情報に対応した払出が行われている場合には、貸出指令情報を入力しないために、貸出数情報が記憶されることがない。これにより、賞払出数情報に対応した払出が行われている場合に電断状態となったとしても、未払出の貸出数情報が消去されてしまうことを抑制することができる。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されること又は貸出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技媒体が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技媒体の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
なお、手段13について、上記手段2乃至手段12のいずれかを適用してもよい。
手段14.遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
遊技媒体の貸出を行わせるべく操作される貸出操作手段(球貸しボタン37)と、
前記主制御手段から前記払出指令情報を入力するとともに、前記貸出操作手段が操作されたことに基づいて遊技機内又は遊技機外の貸出手段から出力される貸出指令情報を入力し、当該払出指令情報又は当該貸出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞球情報を記憶し、さらに自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞球情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、
前記払出指令情報に対応した賞球数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞球数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞球数特定処理を実行する機能)と、
前記貸出指令情報に対応した貸出数の情報又はそれに対応した情報を特定する貸出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1907の貸球要求信号を入力する機能)と、
前記賞球数情報特定手段に特定された賞球数の情報又はそれに対応した情報として賞球数情報を記憶するとともに、前記貸出数情報特定手段に特定された貸出数の情報又はそれに対応した情報として貸出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない払出側記憶手段(払出側RAM333の賞球数記憶エリア374)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている前記賞球数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御するとともに、前記払出側記憶手段に記憶されている前記貸出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出情報設定処理を実行する機能)と、
前記賞球数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合には、前記貸出指令情報を入力しないよう制限する貸出制限手段(払出側CPU331における貸球設定処理のステップS1904、ステップS1905の処理を実行する機能)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は、入力した払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。これにより、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する遊技媒体の払出が実行される。また、貸出操作手段が操作された場合に貸出指令情報が出力される。当該貸出指令情報を入力したことに基づいて、払出制御手段は当該貸出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。
当該構成において、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。このため、遊技機が電断状態となるとそれまでの払出側記憶手段の未払出の情報が全て消去されてしまう。電断状態となった場合に払出側記憶手段に未払出の情報が大量に記憶されていると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。これに対して本手段では、賞球数情報に基づいて遊技媒体の払出が行われている場合には、貸出指令情報を入力しない。これにより、賞球数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合に貸出数情報が払出側記憶手段に記憶されることを抑制でき、払出側記憶手段に未払出の情報が過度に記憶されることを抑制することができる。よって、電断状態になったとしても消去されてしまう未払出の情報を最小限なものとすることが可能となる。
仮に、賞球数情報に対応した遊技媒体の払出が行われている場合に貸出指令情報を入力する遊技機の場合、賞球数情報に対応した遊技媒体の払出が行われているにも関わらず、貸出数情報を記憶していることとなる。払出指令情報は遊技内容に基づいて出力されるものであるのに対して、貸出指令情報は払出操作手段が操作されたことに基づいて出力される。払出指令情報及び貸出指令情報の出力契機がそれぞれ独立したものであるために払出指令情報に基づいて遊技媒体の払出を行っている場合に貸出指令情報を入力し貸出数情報を記憶することが起こり得る。この場合に電断状態となると、未払出の賞球数情報だけでなく、未払出の貸出数情報の全てが消去されてしまうこととなる。また、賞球数情報に対応した遊技媒体の払出が行われており、貸出数情報が記憶された場合に当該貸出数情報に対応した遊技媒体の払出を優先的に行ったとしても、未払出の貸出数情報及び賞球数情報の全てが消去されてしまうこととなる。
これに対して、本手段によれば、賞球数情報に対応した払出が行われている場合には、貸出指令情報を入力しないために、貸出数情報が記憶されることがない。これにより、賞球数情報に対応した払出が行われている場合に電断状態となったとしても、未払出の貸出数情報が消去されてしまうことを抑制することができる。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されること又は貸出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、手段14について、上記手段2乃至手段13のいずれかを適用してもよい。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内,外レール部101,102)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(各種センサ152〜155)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
外枠11の側方には図1に示すように、球貸装置(例えばCRユニット)Yが設けられている。球貸装置Yの前面側にはカード挿入口Hが設けられ、そのカード挿入口Hへのカードの挿入によりカードに記憶された金額に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。なお、遊技球の貸し出しを受ける上で球貸装置Yに挿入されるものはカードに限定されることはなく、現金であってもよく、また現金情報が記憶されたコインであってもよい。
遊技機主部12は、本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上記のように本パチンコ機10では、前扉枠14に対して窓部21、上皿33、及び下皿34が一体化されている。従来のパチンコ機においては、少なくとも窓部と下皿とがそれぞれ別ユニットとして設けられており、窓部が下皿に対して独立して回動可能となっていたため、パチンコ機の前面部には上記各ユニット間に境界が生じていた。この場合、当該境界から不正用治具などを挿入して行う不正行為が想定される。また、かかる不正行為を抑制すべく各ユニット間の境界に対して不正抑制構造を設けることもできるが、そうすると構成の複雑化を招いてしまう。さらに、パチンコ機の前面部において境界が生じるのは、デザイン上好ましくない。これに対して、上記のとおり前扉枠14に対して窓部21、上皿33及び下皿34が一体化されているので、窓部21と下皿34との間に境界が生じることはなく、上記不都合が抑制される。
上側膨出部31には、図1に示すように、球貸操作装置36が配設されている。球貸操作装置36には球貸しボタン37と、返却ボタン38と、度数表示部39とが設けられている。球貸装置Yにカード等を挿入した状態で、球貸操作装置36によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン37は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン38は、球貸装置Yに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部39はカード等の残額情報を表示するものである。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
通路形成ユニット50には、図5に示すように、前扉側下皿通路52を通る遊技球を検知するように満タン検知センサ59が設けられている。満タン検知センサ59は、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、満タン検知センサ59は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
満タン検知センサ59は後述する払出制御装置242に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
払出制御装置242では、満タン検知センサ59の検知結果に基づいて下皿214が満タン状態であるか否かを特定する。具体的には、満タン検知センサ59における遊技球の検知状態が予め定められた期間が経過するまで継続された場合には、下皿214が満タン状態であると特定する。払出制御装置242において下皿214が満タン状態であると特定された場合、払出装置224による遊技球の払出が停止される。これにより、下皿214が満タン状態となり、前扉側下皿通路52において満タン検知センサ59の位置まで遊技球が連なった場合には、それ以上の遊技球の払出が停止される。かかる払出の停止は、下皿214の満タン状態が解除され満タン検知センサ59にて遊技球が検知されなくなることに基づいて解除される。また、払出制御装置242において下皿214が満タン状態であると特定された場合、それに対応した報知処理が実行される。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の上部には、図2及び図6に示すように、前扉枠14が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する前扉枠開放スイッチ(前面体開放検知手段)78が設けられている。前扉枠開放スイッチ78は、樹脂ベース71の前面から出没可能なピンを有しており、本体枠13に対して前扉枠14を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠14の閉鎖が検知され、本体枠13に対して前扉枠14を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠14の開放が検知されるようになっている。
ちなみに、前扉枠開放スイッチ78は、前扉枠14が開放状態の場合に後述する主制御装置162に対して前扉枠開放信号を出力し、前扉枠14が閉鎖状態の場合には当該前扉枠開放信号の出力を停止する。但し、信号の出力態様はこれに限定されることはなく、前扉枠14が開放状態の場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、閉鎖状態の場合に他方を出力する構成としてもよい。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,上作動口84a,下作動口84b,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82は、遊技盤81の左側に2個及び遊技盤81の右側に1個の合計3個設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84a,84bに遊技球が入ると、それが後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84a,84bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84a,84bへの入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には下作動口84bに付随する電動役物89が所定時間だけ開放状態となる。
ちなみに、下作動口(抽選契機通過部又は抽選契機入球部)84bは、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物89が開放状態(補助状態)の場合に入球が可能となる若しくは入球し易くなり、閉鎖状態(非補助状態)の場合に入球が不可となる若しくは入球しがたくなる。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)83は、開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が通常は遊技球が入賞(入球)できない又は入賞(入球)しがたい閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞(入球)しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84a,84bの遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の各一般入賞口82と対応する位置にそれぞれ入賞口センサ152a〜152cが設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置にカウントセンサ153が設けられ、各作動口84a,84bに対応する位置にそれぞれ作動口センサ154a,154bが設けられている。また、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートセンサ155が設けられている。これら球検知センサ(遊技媒体検知手段)としてのセンサ152〜155により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。これらセンサ152〜155は後述する主制御装置162に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
ベース部211には、外部端子板213よりも外側に、本体枠13が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する本体枠開放スイッチ(本体開放検知手段)217が設けられている。外枠11に対して本体枠13を閉じた状態では当該スイッチ217の金属接点が閉じて本体枠13の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠13を開いた状態では金属接点が開いて本体枠13の開放が検知されるようになっている。
ちなみに、本体枠開放スイッチ217は、本体枠13が開放状態の場合に後述する主制御装置162に対して本体枠開放信号を出力し、本体枠13が閉鎖状態の場合には当該本体枠開放信号の出力を停止する。但し、信号の出力態様はこれに限定されることはなく、本体枠13が開放状態の場合にHIレベル信号又はLOWレベル信号の一方を出力し、閉鎖状態の場合に他方を出力する構成としてもよい。
また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。また、ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。
ケースレール223には、図12に示すように、当該ケースレール223内の通路を通じてタンク221から払出装置224まで連なった遊技球を検知するように球無検知センサ223aが設けられている。球無検知センサ223aは、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、球無検知センサ223aは磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
球無検知センサ223aは後述する払出制御装置242に対して電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよく、また遊技球を検知している状態においてのみ電気信号を出力する構成としてもよい。
払出制御装置242では、球無検知センサ223aの検知結果に基づいてタンク221が球無状態であるか否かを特定する。具体的には、予め定められた期間が経過するまで球無検知センサ223aにおける遊技球の非検知状態が継続された場合には、タンク221が球無状態であると特定する。払出制御装置242においてタンク221が球無状態であると特定された場合、払出装置224による遊技球の払出が停止される。これにより、タンク221が球無状態であるにも係らず、払出装置224が動作し続けることが防止される。かかる払出動作の停止は、タンク221の球無状態が解除され球無検知センサ223aにて遊技球が検知され出すことにより解除される。また、払出制御装置242においてタンク221が球無状態であると特定された場合、それに対応した報知処理が実行される。なお、タンク221において球詰まりが発生し、払出装置224側へ遊技球が流れていかない場合も球無状態であると特定される。
また、ケースレール223には、球抜き操作スイッチ223bが設けられている。例えば、タンク221に貯留されている遊技球のパチンコ機10外への排出に際して、ケースレール223にある遊技球も全て排出する場合に球抜き操作スイッチ223bが押され、ケースレール223及びその下流側に貯留されている遊技球の排出が可能となる。なお、球抜き操作スイッチ223bの設置箇所はケースレール223に限定されることはなく、例えば払出制御装置242に設置してもよい。
払出装置224では遊技球の払出が実行される。ここで、払出装置224の構成について図14を用いて説明する。図14は払出装置224内部に形成された通路構造を示す縦断面図である。なお、図14においては払出装置224内部を流下する遊技球を二点鎖線で示す。
払出装置224のハウジング251には、その上端にケースレール223から供給される遊技球を内部に取り込むための遊技球入口252が形成されており、さらに内部にこの遊技球入口252から入球した遊技球を通過させるための遊技球通路253が設けられている。
遊技球通路253はハウジング251の下端に形成された遊技球出口254に通じており、遊技球入口252から入球した遊技球は遊技球出口254に向けて1個ずつ流下する。遊技球通路253の中間部分には通路幅が左右に広がった収容部255が設けられており、同収容部255に回転体256が収容されている。回転体256はその中心が払出モータ257の出力軸257aに固定されている。
払出モータ257は、ステッピングモータにより構成されており、出力軸257aは所定方向(図14で見て時計回り方向又は反時計回り方向)に回転駆動される。出力軸257aは、1パルスの駆動信号を与えることにより1step進み、360パルスの駆動信号を与えることにより1回転するように設定されている。なお、払出モータ257はハウジング251内に収容されている。
回転体256の周縁には、180°間隔で2箇所に、凹部256aが形成されている。凹部256aは、曲面状となっておりその曲率は遊技球の曲率と同程度となっている。また、回転体256の周縁における凹部256a間の部位と収容部255の通路壁との間の距離が遊技球の直径寸法よりも短くなっているのに対して、凹部256aと収容部255の通路壁との間の距離は遊技球の直径寸法よりも長くなっている。これにより、遊技球通路253を流下してきた遊技球が回転体256の凹部256aに到達すると、当該遊技球は回転体256の回転に伴って下流側に導出される。
遊技球通路253には、収容部255よりも下流側の位置に略平板状をした払出球検知センサ258が設置されている。払出球検知センサ258は、周知の磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、貫通孔を遊技球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して出力する。この払出球検知センサ258により、払出装置224を介して払い出された遊技球の数が確認できるようになっている。
なお、図示による説明は省略するが、上記遊技球通路253は入口側が2列となるように形成されているのに対して、出口側が1列となるように形成されている。そして、回転体256は、2列の入口側の通路に対して個別に設けられている。この場合、凹部256aは、一の通路についてそれぞれ180°間隔で形成されているが、一対の通路間では、その凹部256aの位置が相互に90°ずらして形成されている。したがって、上記のように入口側の通路が2列並設された構成であっても、各入口側の通路からは出口側の通路に対して1個の遊技球が交互に払い出される。その交互に払い出される遊技球の払出周期は、払出モータ257の駆動速度に応じて一定となる。そして、その1個ずつ交互に払い出される遊技球は、出口側の通路に設けられた払出球検知センサ258により検知される。
払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243と球貸用接続端子板249が搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243と球貸用接続端子板249は、払出制御装置242及び球貸用接続端子板249がパチンコ機10後方となり電源及び発射制御装置243がパチンコ機10前方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、無色透明の基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。また、払出制御基板には7セグ表示器242aが搭載されており、本体枠13を外枠11に対して開放することで、基板ボックス244を通じて7セグ表示器242aの表示内容が視認可能となっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
球貸用接続端子板249は、球貸装置Y、払出制御装置242及びパチンコ機10前面の貸球操作装置36に電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置242に出力するものである。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図15のブロック図に基づいて説明する。図15では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、CPU311、ROM312及びRAM313の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321から記憶保持用電力が供給されて情報が記憶保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他センサ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御回路302に停電信号を送信する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球などの払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。なお、CPU331、ROM332及びRAM333の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電入時用電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電入時用電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部321aは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板321には、電断時用電源部321cが搭載されている。電断時用電源部321cはコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部321aから供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部321cから放電され主制御基板301のRAM313に対して記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部321cから記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ちなみに、電断時用電源部321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源部は、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、電源及び発射制御基板321には、上記電断時用電源部321cとは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源及び発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御回路302などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
次に、図柄表示装置91の表示内容について、図16に基づいて説明する。
図柄表示装置91には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。各主図柄及び副図柄がそれぞれ第1図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間に副図柄が配されている。すなわち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の第1図柄が備えられている。そして、図柄表示装置91には、各図柄列毎に20個の第1図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示されるようになっている。図柄表示装置91には、各図柄列毎に上・中・下の3段の第1図柄が表示されるようになっている。従って、図柄表示装置91には、3段×3列の計9個の第1図柄が表示される。また、図柄表示装置91には、5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置162内のCPU311は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選、第1特定ランプ部93の発光色の設定や、図柄表示装置91の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図17に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置91が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置91の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU311内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM313の所定領域に設定されたカウンタ用エリアに適宜格納される。RAM313には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、作動口84a,84bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84a,84bに入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84a,84bに入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が作動口84a,84bに入賞したタイミングでRAM313の保留球格納エリアに格納される。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置91の表示態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定される。また、この切替表示時間は、図柄表示装置91の図柄の変動時間に相当する。従って、当該第2変動種別カウンタCS2によって、図柄表示装置91においてリーチが発生した後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様も決定されることとなる。つまり、図柄表示装置91に関しては、これらの両変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置91による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のエリア値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU311に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM313の前後外れリーチ図柄エリア、前後外れ以外リーチ図柄エリア及び完全外れ図柄エリアの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄エリア、前後外れ以外リーチ図柄エリア及び完全外れ図柄エリアの何れかのエリア値が取得される。
なお、図示は省略するが、第2特定ランプ部94の抽選には第2特定ランプ乱数カウンタが用いられる。第2図柄乱数カウンタは、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2特定ランプ乱数カウンタは定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート85を通過したことが検知された時に取得される。
次に、主制御基板301のCPU311により実行される各制御処理を図18〜図22のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図18は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグを格納し、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグが格納されていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
次に、タイマ割込み処理について図19のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、入賞口センサ152a〜152c、カウントセンサ153、作動口センサ154a,154b及びゲートセンサ155等といった遊技球の入賞に関するセンサからの信号読み込み処理を実行する。信号読み込み処理の詳細については後に説明する。
その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。続くステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、図20のフローチャートに示すように、先ずステップS301にて、RAM313の作動口フラグ格納エリアに作動口フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口84a,84bに入賞(始動入賞)したか否かを判定する。遊技球が作動口84a,84bに入賞したと判定すると、続くステップS302において、第1特定ランプ部93及び図柄表示装置91の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。作動口84a,84bへの入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS303に進み、作動保留球数Nを1加算する。なお、ステップS303の処理後に作動口フラグを消去する。続くステップS304では、前記ステップS203で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM313の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図21のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS401では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば500msec程度待機する。
続くステップS402では、ステップS401の立ち上げ処理後から許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。1sec経過していない場合にはステップS402の処理を再度実行する。この時間の測定は、ステップS402の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS402にて否定判定してから再度ステップS402の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が10000回となることで、ステップS401の立ち上げ処理後から1sec経過したと判定する。なお、時間の測定の具体的な構成は任意であり、例えばリアルタイムクロックを用いて時間の測定を行うようにしてもよい。ステップS402にて1sec経過したと判定した場合には、ステップS403に進む。
ステップS403では、RAM313のアクセスを許可する。その後、ステップS404では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定し、続くステップS405ではRAM313の停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS406ではRAM判定値を算出し、続くステップS407では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ247を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ247が押されていれば、ステップS408〜S409の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS408〜S409の処理に移行する。
ステップS408では、RAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS409ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS410にて払出制御基板322に初期コマンドを出力するとともに、ステップS411にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。払出制御基板322のCPU331では主制御基板301から初期コマンドを入力することで、主制御基板301との通信が正常に行われていることを認識する。
一方、RAM消去スイッチ247が押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS412にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS410にて初期コマンドを出力するとともにステップS411にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図22のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S509の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS511,S512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。続くステップS502では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理では、左・中・右図柄列のいずれかの更新時期か否かを判定し、更新時期となった図柄列の外れ図柄カウンタCL,CM,CRを更新する。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、重複することなく1回の通常処理で1つずつ順に更新され、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。そして、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、前後外れリーチとなる外れリーチ図柄の組合せである場合、前後外れ以外リーチ図柄の組合せである場合、リーチとならない完全外れ図柄の組合せである場合には、その組合せがそれぞれに対応したエリア内に格納される。なお、更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せである場合には、そのまま更新処理を終了する。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理の後は、ステップS503にて第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部93に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。また、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判定し、さらに大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類を決定する(いわゆる、確変大当たりか否かを決定する)。なお、この際、第1図柄における大当たり図柄の種類及び大当たり図柄の組合せの停止ラインも決定し、停止図柄コマンドとして設定する。また、大当たりが発生しないと判定された場合には、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて第1図柄における外れ図柄の組合せの態様を決定する。かかる場合に、上記外れ図柄カウンタ更新処理にて更新されエリア内に格納された図柄の組合せを停止図柄コマンドとして設定する。さらに、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、第1特定ランプ部93に表示される色の切替表示時間、及び第1図柄の変動表示時間を決定する。さらに、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1図柄におけるリーチ種別やその大まかな図柄変動態様を決定し、変動態様コマンドとして設定する。なお、当該第1特定ランプ部制御処理にて第1特定ランプ部93のオンオフ制御が開始される毎に作動保留球数Nが1減算され、作動保留球数Nが0の場合にはオンオフ制御が開始されない。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS504にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置83の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。
その後、ステップS505では、第2特定ランプ部94に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ部制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部94における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。また、既に取得されている第2特定ランプ乱数カウンタの値に基づいて停止表示する色を設定する。この停止表示される色として所定の色が設定された場合には、その色の停止表示後に、下作動口84bに付随する電動役物89が所定時間開放される。
ちなみに、本パチンコ機10では、特別遊技状態の一種として、電動役物89が開放状態となる単位時間当たりの頻度が高くなる頻度向上状態が設定されている。頻度向上状態では、下作動口84bへの入賞が発生し易くなる。換言すれば、電動役物89が開放状態となる単位時間当たりの頻度を高くする手段を有しており、当該手段により頻度が高められている状態では遊技者は下作動口84bへの入賞が発生し易くなるという利益が得られる。
頻度向上状態の具体的な内容としては、大当たり状態終了後の予め定められた遊技回数(図柄表示装置91における図柄の変動表示回数)又は次回の大当たりが発生するまで継続するものであり、頻度向上状態では、電動役物89を開放状態とするか否かの抽選間隔が通常遊技状態(頻度向上状態ではない状態)よりも短くなるとともに、抽選において当選となった場合には電動役物89が開放状態となる回数が通常遊技状態よりも多くなり、且つ開放状態となった場合の継続時間が通常遊技状態よりも長くなる。なお、頻度向上状態における条件として上記全てのものが成立している必要はなく、いずれか1つの条件又は所定の組合せの条件が成立する構成としてもよい。また、頻度向上状態における開放状態当選とするか否かの確率は、通常遊技状態における確率と同一に設定されているが、通常遊技状態よりも高く設定されていてもよい。
ステップS505の後は、ステップS506にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板321の発射制御部321bから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS506の後は、ステップS507にて入力状態監視処理を実行し、ステップS508にて払出用出力処理を実行する。これらの処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS509にて、RAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS510にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS511では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。また、ステップS512では、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、両変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、両変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM313の該当するエリアに格納する。
一方、ステップS509にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS513以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS513では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS514にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS515にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技球の払出に関する電気的構成>
次に、遊技球の払出に関する電気的構成及び処理構成について詳細に説明する。先ず、電気的構成について、図23のブロック図を参照しながら説明する。図23では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御基板301と払出制御基板322とはハーネスなどの電気配線(信号線)を介して電気的に接続されており、主制御基板301から払出制御基板322に指令情報としてのコマンドが出力されるとともに、払出制御基板322から主制御基板301には各種の電気信号が出力される。
主制御基板301のCPU311は第1入力ポート(第1入力部)351と第2入力ポート(第2入力部)352とを備えており、これら入力ポート351,352において払出制御基板322からの電気信号を入力するとともに各種センサ等からの電気信号を入力する。ここで、第1入力ポート351の構成を、図24を用いて説明する。図24は、第1入力ポート351を説明するための説明図である。
第1入力ポート351は、各入力情報を格納するための信号入力用バッファBを備えている。信号入力用バッファBは、1バイトで構成されており、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。これら第0ビットD0〜第7ビットD7は、それぞれ異なる信号出力元との間に信号経路が形成されており、これら信号出力元から入力した信号に基づいて情報が格納される。
詳細には、第0ビットD0は下作動口センサ154bとの間に信号経路が形成されており、第1ビットD1は上作動口センサ154aとの間に信号経路が形成されており、第2ビットD2はカウントセンサ153との間に信号経路が形成されており、第3ビットD3はゲートセンサ155との間に信号経路が形成されており、第4ビットD4は第1入賞口センサ152aとの間に信号経路が形成されており、第5ビットD5は第2入賞口センサ152bとの間に信号経路が形成されており、第6ビットD6は第3入賞口センサ152cとの間に信号経路が形成されており、第7ビットD7は払出制御基板322との間に信号経路が形成されている。なお、この第7ビットD7には、払出制御基板322から出力される賞球許可信号が入力される。この賞球許可信号の詳細については後に説明する。
下作動口センサ154b、上作動口センサ154a、カウントセンサ153、ゲートセンサ155及び各入賞口センサ152a〜152cは、上述したように、遊技領域を流下し下作動口84b、上作動口84a、可変入賞装置83、一般入賞口82及びスルーゲート85を通過した遊技球を検知するためのものであり、遊技球を検知していない間はHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している間はLOWレベル信号を出力するよう構成されている。但し、主制御基板301は反転回路を有している。したがって、第0ビットD0〜第6ビットD6には、対応するセンサ154b,154a,153,155,152a〜152cからHIレベル信号が出力されている間は「0」の情報(データ0)が格納され、LOWレベル信号が出力されている間は「1」の情報(データ1)が格納される。
なお、上記センサ152〜155が遊技球を検知していない間はLOWレベル信号を出力するとともに遊技球を検知している間はHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とし、さらには第0ビットD0〜第6ビットD6には、対応するセンサ152〜155からLOWレベル信号が出力されている間は「0」が格納され、HIレベル信号が出力されている間は「1」が格納されるようにする。
一方、賞球許可信号については反転回路の対象となっておらず、賞球許可信号について払出制御基板322からLOWレベル信号が出力されている間は第7ビットD7に「0」が格納され、HIレベル信号(これが、本パチンコ機10において賞球許可信号に相当する)が出力されている間は第7ビットD7に「1」が格納される。
主制御基板301のCPU311では、第1入力ポート351の各ビットD0〜D7に格納された情報に基づいて入賞の有無(遊技領域に設けられ通過検知対象の通過部を遊技球が通過したか否か)などを判定する。また、第2入力ポート352は、図示による説明は省略するが、第1入力ポート351と同様に1バイトで構成されており、各ビットには前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217からの電気信号や払出制御基板322から出力される信号のうち上記賞球許可信号以外の信号などが入力される。つまり、第2入力ポート352の各ビットにはCPU311において処理を実行する上で用いられる何らかの信号が入力される。
なお、前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217から出力された電気信号は、電源及び発射制御基板321と払出制御基板322とに中継された後に主制御基板301に入力される。この場合、払出制御基板322においては、これら前扉枠開放スイッチ78及び本体枠開放スイッチ217からの電気信号を中継するだけであり、払出制御基板322のCPU331には入力されない。これは電源及び発射制御基板321についても同様である。また、第1入力ポート351及び第2入力ポート352に代えて、第1入出力ポート及び第2入出力ポートを備え、CPUにおいて入出力が適宜変更される構成としてもよい。
また、第1入力ポート351及び第2入力ポート352がCPU311ではなく、ドライバICとしてCPU311のチップとは別に主制御基板301に設置された構成としてもよい。この場合、CPU311は、単一の入力ポート又は入出力ポートを有する構成とすればよい。
主制御基板301のRAM313の構成について説明する。なお、以下の説明では、図25を適宜参照する。図25はRAM313の構成を説明するための説明図である。
主制御基板301のRAM313には個別に情報を記憶する手段としての賞球用カウンタエリア361が設けられている。賞球用カウンタエリア361には、図25に示すように、15個賞球用カウンタエリア361aと、10個賞球用カウンタエリア361bと、4個賞球用カウンタエリア361cと、3個賞球用カウンタエリア361dとが設けられている。
ここで、本パチンコ機10には既に説明したように、賞球用入球部(又は賞払出用通過部)として、一般入賞口82、可変入賞装置83、上作動口84a及び下作動口84bが設けられており、各賞球用入球部ごとに入球に対する賞球個数(払い出される遊技球の個数)が異なっている。具体的には、一般入賞口82に入球した場合の賞球個数は10個であり、可変入賞装置83に入球した場合の賞球個数は15個であり、上作動口84aに入球した場合の賞球個数は3個であり、下作動口84bに入球した場合の賞球個数は4個である。
当該構成において、15個賞球用カウンタエリア361aは可変入賞装置83への入球に対する15個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(可変入賞装置83への入球に対する15個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、10個賞球用カウンタエリア361bは一般入賞口82への入球に対する10個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(一般入賞口82への入球に対する10個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、4個賞球用カウンタエリア361cは下作動口84bへの入球に対する4個賞球をあと何回行うかを記憶するものであり(下作動口84bへの入球に対する4個賞球の未実施回数を記憶するものであり)、3個賞球用カウンタエリア361dは上作動口84aへの入球に対する3個賞球をあと何回行うかを記憶するものである(上作動口84aへの入球に対する3個賞球の未実施回数を記憶するものである)。各賞球用カウンタエリア361a〜361dは、それぞれ1バイトで構成されており、賞球の未実施回数を最大で255回まで覚えることができる。
なお、上記賞球個数パターンは一例であり、各個数は任意である。また、賞球数のパターンも上記の4種類に限定されることはなく、2種類、3種類又は5種類以上であってもよい。また、各賞球用カウンタエリア361a〜361dは1バイトに限定されることはなく、2バイト又は3バイト以上であってもよい。さらには各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶可能な賞球の未実施回数は、最大で255回であることは必須ではなく、複数回が記憶可能であれば、255回よりも少なく又は多くてもよい。
主制御基板301のCPU311では、上記各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている情報(賞情報)に基づいて、入賞発生の有無を判定し、入賞発生有りと判定した場合にはその入賞の種類に対応した賞球コマンドを払出制御基板322に出力する。
ここで、賞球コマンドの情報形態について図25(b)を用いて説明する。
賞球コマンドは、主制御基板301のROM312のコマンド記憶エリア312aに予め記憶されている。賞球コマンドとしては、15個賞球コマンドと、10個賞球コマンドと、4個賞球コマンドと、3個賞球コマンドとが設定されている。15個賞球用カウンタエリア361aに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には15個賞球コマンドが出力され、10個賞球用カウンタエリア361bに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には10個賞球コマンドが出力され、4個賞球用カウンタエリア361cに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には4個賞球コマンドが出力され、3個賞球用カウンタエリア361dに記憶されている賞球情報に基づいて賞球コマンドが出力される場合には3個賞球コマンドが出力される。
各賞球コマンドは2バイトで構成されている。すなわち、各賞球コマンドは上位情報と下位情報とを備えており、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。つまり、上位情報と下位情報とは同数のビット数で構成されている。これら上位情報及び下位情報のうち、上位情報には払出制御基板322のCPU331において本コマンドが賞球コマンドであることを特定するための情報が設定されており、下位情報には払出制御基板322のCPU331において本賞球コマンドの賞球数の情報が設定されている。
各賞球コマンドの具体的な情報形態は図25(b)に示すとおりである。この場合に、任意の一の賞球コマンドは、上位情報と下位情報との加算処理を実行した場合の1バイトからなる情報の形態が「11111111」(16進数にて「FF」)となるように設定されている。例えば、15個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11110000」となっており、下位情報が「00001111」となっている。そして、これらの加算処理を実行すると、「11111111」となる。また、3個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11111100」となっており、下位情報が「00000011」となっている。そして、これらの加算処理を実行すると、「11111111」となる。賞球コマンドが上記のような情報形態となっていることにより、払出制御基板322のCPU331では、主制御基板301から入力した賞球コマンドが正常か否かの判定を行うことができるようになっている。
また、本実施の形態では、コマンドを入力した場合に、入力した情報の一部のビットを参照することによってそのコマンドがいずれのコマンドに対応しているかを特定している。上述したように、払出制御基板322のRAM333には、主制御基板301のCPU311からコマンドを入力した場合にそのコマンドを一時的に格納しておくためのリングバッファが設けられている。リングバッファは複数の記憶領域を備えているとともに、読み込みポインタと読み出しポインタとが設定されている。読み込みポインタに基づき各記憶領域にコマンドが順次読み込まれていくとともに、読み出しポインタに基づき各記憶領域に記憶されたコマンドが順次読み出されていく。具体的には、読み出しポインタに基づき、読み出した情報の上位情報における上位4ビットを参照し、「1111」となっている場合にそのコマンドが賞球コマンドであると特定している。すなわち、上位情報の一部のビットを参照することによってそのコマンドが賞球コマンドであることを特定している。このように入力したコマンドの一部の情報を参照することによって入力したコマンドがいずれのコマンドに対応しているかを特定することによって、コマンドを入力した場合に下位情報及び上位情報の全てを参照する必要がなくなる。
また、入力した情報の一部のビットを参照することによって賞球コマンドに対応した払出数情報としての賞球数を特定している。具体的には、入力した賞球コマンドの下位情報における下位4ビットを参照して、当該賞球コマンドに対応した賞球数を特定している。このように入力した賞球コマンドの一部の情報を参照することによって当該賞球コマンドに対応した賞球数を特定できるため、賞球数を特定するために上位情報及び下位情報の全てを参照する必要がなくなる。
具体的には、3個賞球コマンドの場合、上位情報「11110000」の上位4ビットの「1111」によってそのコマンドが賞球コマンドであることが特定され、下位情報「00000011」の下位4ビットの「0011」によってその賞球コマンドの賞球数が3個であることが特定される。
また、上位情報における下位4ビットと下位情報の上位4ビットとはそれぞれ、上位情報と下位情報との加算処理を実行した場合に、その加算結果が「11111111」とするための情報として機能している。すなわち、コマンドを特定するのに参照する必要がなく、かつ下位情報の賞球情報を特定する部分に対応した上位情報のビットと、賞球数を特定するのに参照する必要がなく、かつ上位情報のコマンドを特定する部分に対応した下位情報のビットとが、加算処理の結果を「11111111」とするための情報に該当する。これにより、いずれの賞球数に対応した賞球コマンドであっても、加算処理の結果が「11111111」となった場合に、その賞球コマンドが正常なものであったことを特定することが可能となる。
また、主制御基板301のRAM313には、図23に示すように、前回用エリア362及び前々回用エリア363が設けられている。これらのエリア362,363は、主制御基板301のCPU311において第1入力ポート351に格納された情報に基づいて入賞の有無を判定する場合に用いられる。
その他、主制御基板301のRAM313には、前扉枠カウンタエリア364、賞球許可カウンタエリア365及び各種フラグ格納エリア366が設けられている。前扉枠カウンタエリア364は、主制御基板301のCPU311において前扉枠14の開閉の有無を判定する場合に用いられる。また、賞球許可カウンタエリア365は、主制御基板301のCPU311において賞球許可信号に関する処理を実行する上で用いられる。また、各種フラグ格納エリア366は、主制御基板301のCPU311において各種の制御処理を実行する上で用いられる。
払出制御基板322は払出装置224と電気的に接続されており、払出制御基板322のCPU331は、払出モータ257に駆動信号を出力するとともに、払出球検知センサ258から遊技球の検知の有無を示す電気信号を入力する。また、払出制御基板322は球貸用接続端子板249を介して球貸装置Yと電気的に接続されており、払出制御基板322のCPU331は、球貸装置Yとの間で電気信号の入出力を行うことで貸球の制御を実行する。
また、払出制御基板322のCPU331は、満タン検知センサ59及び球無検知センサ223aから電気信号を入力し、下皿34が満タン状態となっているか否かの特定や、タンク221が球無状態となっているか否かの特定を行う。これら満タン検知センサ59及び球無検知センサ223aのうち満タン検知センサ59から出力された電気信号は、電源及び発射制御基板321に中継された後に払出制御基板322に入力される。なお、払出制御基板322のCPU331は、下皿34が満タン状態となっているか否かの特定結果を主制御基板301のCPU311に出力する。これにより、下皿34が満タン状態となっているか否かを主制御基板301のCPU311において把握することができるようになっている。
払出制御基板322のRAM333の構成について説明する。なお、以下の説明では、図26を適宜参照する。図26はRAM333の構成を説明するための説明図である。
払出制御基板322のRAM333には満タンカウンタエリア371が設けられている。満タンカウンタエリア371は、払出制御基板322のCPU331において下皿34が満タン状態であるか否かを特定する上で用いられる。また、払出制御基板322のRAM333には球無カウンタエリア372が設けられている。球無カウンタエリア372は、払出制御基板322のCPU331においてタンク221が球無状態であるか否かを特定する上で用いられる。また、払出制御基板322のRAM333にはコマンド格納エリア373が設けられている。コマンド格納エリア373は、主制御基板301のCPU311から入力した賞球コマンドを一時的に格納しておく上で用いられる。
また、払出制御基板322のRAM333には賞球数記憶エリア374が設けられている。賞球数記憶エリア374は、図26(a)に示すように複数のビット(8ビット)が列状に並べられてなる1バイトで構成されており、各ビットには「0」(データ0又は無情報)又は「1」(データ1又は有情報)が設定される。そして、賞球数記憶エリア374は、払出制御基板322のCPU331において賞球コマンドを解析することで特定した賞球数の情報を記憶しておくための機能を有している。この場合、賞球数の情報(賞球数情報又は賞払出数情報)は、所定の遊技媒体数の範囲内において各ビットのデータ1の設定パターンと遊技媒体数とが1対1で対応した情報である。具体的には、下位のビット(図26(a)において右端のビット)から上位のビット(図26(a)において左端のビット)に向けて予め定められた順序(右側のビットから左側のビットに向けて)で各ビットに「1」(データ1又は有情報)が設定され、上位側のビットに「1」が設定されているほど対応する賞球数が大きい数となるように2進数で表される情報である。
ここで、賞球コマンドから賞球数の情報を特定する場合には、払出制御基板322のROM332に設けられた賞球テーブル記憶エリア332aが参照される。賞球テーブル記憶エリア332aには、図26(d)に示すように、主制御基板301のCPU311から入力する賞球コマンドと、賞球数との対応関係が記憶されている。
また、払出制御基板322のRAM333には貸球数記憶エリア375が設けられている。貸球数記憶エリア375は、図26(b)に示すように1バイトで構成されており、払出制御基板322のCPU331において球貸装置Yから入力した貸球数の情報を記憶しておくための機能を有している。また、払出制御基板322のRAM333には払出個数カウンタエリア376が設けられている。払出個数カウンタエリア376は、図26(c)に示すように1バイトで構成されており、払出制御基板322のCPU331において遊技球の払出を実行する上での実行エリアとしての機能を有する。
なお、賞球数記憶エリア374、貸球数記憶エリア375及び払出個数カウンタエリア376は、1バイトに限定されることはなく、2バイト又は3バイト以上であってもよい。また、これら各エリア374〜376が同一のバイト数である必要はない。
その他、払出制御基板322のRAM333には各種フラグ格納エリア377が設けられている。各種フラグ格納エリア377は、払出制御基板322のCPU331において各種の制御処理を実行する上で用いられる。
なお、払出制御基板322のRAM333には、上記各エリア371〜377の他に、主制御基板301のCPU311からコマンドを入力した場合にそのコマンドを一時的に格納しておくためのリングバッファが設けられている。リングバッファは複数の記憶領域を備えているとともに、読み込みポインタと読み出しポインタとが設定されている。読み込みポインタに基づき各記憶領域にコマンドが順次読み込まれていくとともに、読み出しポインタに基づき各記憶領域に記憶されたコマンドが順次読み出されていく。
電源及び発射制御基板321の電入時用電源部321aからの電力は、主制御基板301のCPU311のVCC端子、及び払出制御基板322のCPU331のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が行われている状況において、各CPU311,331にて各種制御処理が実行されるとともに、各RAM313,333にて情報の記憶保持が行われる。
また、電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のCPU311のVBB端子に供給される。つまり、電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のRAM313に供給されるが、払出制御基板322のRAM333には供給されない。VBB端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において、主制御基板301のRAM313にて情報の記憶保持が行われる。なお、既に説明したように、電入時用電源部321a及び電断時用電源部321cから主制御基板301のCPU311に供給される電力は、停電監視回路303にて中継される。また、払出制御基板331のVBB端子(図示略)は、アースされている又はいずれの電気配線とも接続されていない。
<遊技球の払出に関する処理構成であって主制御基板301のCPU311における処理構成>
次に、遊技球の払出に関する、主制御基板301のCPU311における処理構成について説明する。なお、以下の説明において、カウンタエリアの値とは、バイト単位で構成されたカウンタエリアの値を仮想的に10進数で表現した値のことをいう。
<読み込み処理>
先ず、タイマ割込み処理(図19)のステップS201にて実行される読み込み処理について、図27のフローチャート及び図28の説明図を参照しながら説明する。
読み込み処理では、先ずステップS601にて、第1入力ポート351の情報を今回入力情報として取得する処理を実行する。当該処理について詳細に説明する。CPU311には今回用レジスタ(演算用の今回記憶手段)381が設けられている(図28参照)。この今回用レジスタ381は、第1入力ポート351と同一のビット数で構成されている。つまり、今回用レジスタ381は1バイトで構成されている。ステップS601の処理では、第1入力ポート351の第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている「0」又は「1」の情報を、今回用レジスタ381における上記第0〜第7ビットD0〜D7に対応する各ビットに格納する。
例えば、下作動口センサ154b、カウントセンサ153、第2入賞口センサ152b及び賞球許可信号がONとなっており、それ以外がOFFとなっている場合には、今回用レジスタ381に記憶されている今回入力情報の情報形態は図28(a)に示すように、「10100101」となる。
続くステップS602では、今回入力情報のマスク処理を実行する。このマスク処理では、主制御基板301のROM312に予め記憶された入力情報用マスクと、今回用レジスト381に記憶されている今回入力情報との論理積を演算(AND処理)し、その演算後の情報を今回用レジスタ381に更新する。具体的には、入力情報用マスクは、「01111111」となっている。つまり、入力情報用マスクは、今回入力情報のうち、入賞の有無の情報を格納するビット以外のビットを「0」クリアするためのマスクである。したがって、ステップS602の処理を実行した後は、入賞の有無の情報とは無関係である賞球許可信号の情報に対応したビット(第7番目のビット)が「0」クリアされる。
例えば、図28の例においては、ステップS602の処理後における今回入力情報の情報形態は図28(b)に示すように、「00100101」となる。
続くステップS603では、RAM313の前回用エリア362に記憶されている情報を前回入力情報として取得するとともに、及びRAM313の前々回用エリア363に記憶されている情報を前々回入力情報として取得する処理を実行する。
ここで、前回入力情報とは、前回の読み込み処理において、第1入力ポート351に格納されていた情報のことをいい、前々回入力情報とは、前々回の読み込み処理において、第1入力ポート351に格納されていた情報のことをいう。但し、上記のとおりステップS602の処理が実行されているため、入賞の有無の情報とは無関係である情報については「0」クリアされている。
ステップS603の処理について詳細に説明する。CPU311には、今回用レジスタの他に、前回用レジスタ(演算用の前回記憶手段)382が設けられているとともに、前々回用レジスタ(演算用の前々回記憶手段)383が設けられている。前回用レジスタ382は、今回用レジスタ381及びRAM313の前回用エリア362と同一のビット数で構成されている。つまり、前回用レジスタ382は1バイトで構成されている。また、前々回用レジスタ383は、今回用レジスタ381、前回用レジスタ382及びRAM313の前々回用エリア363と同一のビット数で構成されている。つまり、前々回用レジスタ383は1バイトで構成されている。ステップS603の処理では、前回用エリア362の各ビットに格納されている「0」又は「1」の情報を、前回用レジスタ382における対応する各ビットに格納する。また、前々回用エリア363の各ビットに格納されている「0」又は「1」の情報を、前々回用レジスタ383における対応する各ビットに格納する。
例えば、前回の読み込み処理において、下作動口センサ154b、カウントセンサ153、第2入賞口センサ152b及び第3入賞口センサ152cがONとなっており、それ以外がOFFとなっていた場合には、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報の情報形態は図28(c)に示すように、「01100101」となる。また、前々回の読み込み処理において、第2入賞口センサ152bがONとなっており、それ以外がOFFとなっていた場合には、前々回用レジスタ383に記憶されている前々回入力情報の情報形態は図28(d)に示すように、「00100000」となる。
続くステップS604では、次回用書き込み処理を実行する。次回用書き込み処理では、次回の読み込み処理のために、RAM313の前回用エリア362及び前々回用エリア363を更新する処理を実行する。つまり、前回用エリア362の情報を、今回用レジスタ381に記憶されている情報に更新するとともに、前々回用エリア363の情報を、前回用レジスタ382に記憶されている情報に更新する。
続くステップS605では、前々回入力情報の反転処理を実行する。具体的には、前々回用レジスタ383の各ビットの値を反転させる。例えば、前々回入力情報が図28(d)に示すように「00100000」である場合には、反転させた情報は図28(e)に示すように「11011111」となる。
続くステップS606では、ステップS605にて反転させた前々回用レジスタ383の情報と、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS605にて反転させた前々回用レジスタ383の情報と、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報との論理積を演算する。そして、その演算結果の情報を、前回用レジスタ382の情報として更新する。
例えば、反転させた情報が図28(e)に示すように「11011111」であり、前回入力情報が図28(c)に示すように「01100101」である場合には、ステップS606にてAND処理した結果の情報は図28(f)に示すように「01000101」となる。
なお、演算結果の情報を、前々回用レジスタ383の情報として更新してもよい。但し、この場合、ステップS607の処理では、前々回用レジスタ383に記憶されている情報を用いる必要がある。
続くステップS607では、ステップS606にてAND処理した結果の情報と、今回用レジスタ381に記憶されているマスク処理後の今回入力情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS606にて得た前回用レジスタ382の情報と、ステップS602にて得た今回用レジスタ381の情報との論理積を演算する。そして、その演算の結果を、今回用レジスタ381の情報として更新する。
例えば、ステップS606にて得た前回用レジスタ382の情報が図28(f)に示すように「01000101」であり、ステップS602にて得た今回用レジスタ381の情報が図28(b)に示すように「00100101」である場合には、ステップS607にてAND処理した結果の情報は図28(g)に示すように「00000101」となる。
続くステップS608では、情報判定処理を実行する。ここで、情報判定処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
情報判定処理では、先ずステップS701にて、今回用レジスタ381の第0ビットW0に入賞情報があるか否か、すなわち、第0ビットW0に「1」が格納されているか否かを判定する。第0ビットW0に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS703に進む。第0ビットW0に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS702にて第1格納処理を実行した後に、ステップS703に進む。第1格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における4個賞球用カウンタエリア361cの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第0ビットW0に入賞情報があるということは、下作動口84bへの入賞が発生したことを意味するからである。
ちなみに、第1格納処理では、RAM313の作動口フラグ格納エリア(抽選契機情報記憶手段)に作動口フラグ(抽選契機情報)を格納する。この作動口フラグは、上述した始動入賞処理(図20)において下作動口84bへの入賞が発生したか否かを判定する上で用いられる。なお、作動口として上作動口84a及び下作動口84bの2つが設けられているため、作動口フラグ格納エリアは各作動口84a,84bに1対1で対応させて設けられている。つまり、抽選契機情報記憶手段として第1抽選契機情報記憶手段と第2抽選契機情報記憶手段とが設けられている。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図28(g)に示すように「00000101」である場合には、第0ビットW0に「1」が格納されているため、4個賞球用カウンタエリア361cの値を1加算する。また、作動口フラグを格納する。
続くステップS703では、今回用レジスタ381の第1ビットW1に入賞情報があるか否か、すなわち、第1ビットW1に「1」が格納されているか否かを判定する。第1ビットW1に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS705に進む。第1ビットW1に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS704にて第2格納処理を実行した後に、ステップS705に進む。第2格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における3個賞球用カウンタエリア361dの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第1ビットW1に入賞情報があるということは、上作動口84aへの入賞が発生したことを意味するからである。ちなみに、第2格納処理では、RAM313における上作動口84aに対応した作動口フラグ格納エリアに作動口フラグを格納する。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図28(g)に示すように「00000101」である場合には、第1ビットW1に「0」が格納されているため、3個賞球用カウンタエリア361dの値の加算は行わない。また、作動口フラグの格納は行わない。
続くステップS705では、今回用レジスタ381の第2ビットW2に入賞情報があるか否か、すなわち、第2ビットW2に「1」が格納されているか否かを判定する。第2ビットW2に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS707に進む。第2ビットW2に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS706にて第3格納処理を実行した後に、ステップS707に進む。第3格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における15個賞球用カウンタエリア361aの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第2ビットW2に入賞情報があるということは、可変入賞装置83への入賞が発生したことを意味するからである。ちなみに、第3格納処理では、RAM313に設けられた大入賞口フラグ格納エリア(特別入賞情報記憶手段)に大入賞口フラグ(特別入賞情報)を格納する。この大入賞口フラグは、上述した大入賞口開閉処理(図22のステップS504)において可変入賞装置83への入賞が発生したか否かを判定する上で用いられる。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図28(g)に示すように「00000101」である場合には、第2ビットW2に「1」が格納されているため、15個賞球用カウンタエリア361aの値を1加算する。
続くステップS707では、今回用レジスタ381の第3ビットW3に入賞情報があるか否か、すなわち、第3ビットW3に「1」が格納されているか否かを判定する。第3ビットW3に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS709に進む。第3ビットW3に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS708にて第4格納処理を実行した後に、ステップS709に進む。第4格納処理では、RAM313に設けられたスルーフラグ格納エリアにスルーフラグを格納する。このスルーフラグは、上述した第2特定ランプ部制御処理(図22のステップS505)においてスルーゲート85を遊技球が通過したか否かを判定する上で用いられる。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第3ビットW3に入賞情報があるということは、スルーゲート85を遊技球が通過したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図28(g)に示すように「00000101」である場合には、第3ビットW3に「0」が格納されているため、スルーフラグの格納は行わない。
続くステップS709では、今回用レジスタ381の第4ビットW4に入賞情報があるか否か、すなわち、第4ビットW4に「1」が格納されているか否かを判定する。第4ビットW4に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS711に進む。第4ビットW4に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS710にて第5格納処理を実行した後に、ステップS711に進む。第5格納処理では、RAM313の賞球用カウンタエリア361における10個賞球用カウンタエリア361bの値を1加算する。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第4ビットW4に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口82のうちの1の一般入賞口82への入賞が発生したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図28(g)に示すように「00000101」である場合には、第4ビットW4に「0」が格納されているため、10個賞球用カウンタエリア361bの値の加算は行わない。
続くステップS711では、今回用レジスタ381の第5ビットW5に入賞情報があるか否か、すなわち、第5ビットW5に「1」が格納されているか否かを判定する。第5ビットW5に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのままステップS713に進む。第5ビットW5に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS712にて第5格納処理を実行した後に、ステップS713に進む。第5格納処理については、既に説明したとおりである。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第5ビットW5に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口82のうちの1の一般入賞口82への入賞が発生したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図28(g)に示すように「00000101」である場合には、第5ビットW5に「0」が格納されているため、10個賞球用カウンタエリア361bの値の加算は行わない。
続くステップS713では、今回用レジスタ381の第6ビットW6に入賞情報があるか否か、すなわち、第6ビットW6に「1」が格納されているか否かを判定する。第6ビットW6に入賞情報がない場合(「0」が格納されている場合)には、そのまま本情報判定処理を終了する。第6ビットW6に入賞情報がある場合(「1」が格納されている場合)には、ステップS714にて第5格納処理を実行した後に、情報判定処理を終了する。第5格納処理については、既に説明したとおりである。情報判定処理の段階において今回用レジスタ381の第6ビットW6に入賞情報があるということは、複数ある一般入賞口82のうちの1の一般入賞口82への入賞が発生したことを意味するからである。
例えば、今回用レジスタ381の情報が図28(g)に示すように「00000101」である場合には、第6ビットW6に「0」が格納されているため、10個賞球用カウンタエリア361bの値の加算は行わない。
以上のように、本パチンコ機10では、一般入賞口82、可変入賞装置83、上作動口84a、下作動口84b及びスルーゲート85といった通過部(遊技領域に設けられた賞球用入球部と非賞球用ゲート部とを含めたもの)における入賞発生の有無の判定は、予め定められた周期(具体的には、2msec)で実行される読み込み処理において第1入力ポート351を確認することにより行われる。
この場合に、入賞発生有りと判定される条件(以下、入賞判定条件ともいう)は、複数回として設定された基準連続回数の範囲内において、球検知センサから遊技球を検知していない旨を示す非検知情報が出力されていることが確認された後に、球検知センサから遊技球を検知している旨を示す検知情報が出力されていることが複数回として設定された入賞基準回数だけ連続して確認された場合となっている。具体的には、図28に示すように、本パチンコ機10では基準連続回数が3回として設定されており、各種演算処理の前の状態で、前々回用レジスタ383の第0ビットに非検知情報である「0」が格納されており、前回用レジスタ382の第0ビットに検知情報である「1」が格納されており、今回用レジスタ381の第0ビットに検知情報である「1」が格納されている場合に、各種演算処理後の今回用レジスタ381の第0ビットW0には入賞情報である「1」が格納されている。
上記入賞判定条件とすることで、CPU311において入賞の発生を正確に把握することができる。つまり、遊技球を検知する各種センサ152〜155が所定の検知範囲を有しているのに対して、CPU311の処理実行タイミングはセンサ152〜155が遊技球の検知を開始してから終了するまでの間に多数回発生するように設定されている。そうすると、1回の入賞の発生に対して既に入賞有りの判定をしたにも関わらず、その後もCPU311において検知情報を確認することで、再度、入賞有りの判定をしてしまうことが懸念される。これに対して、上記入賞判定条件では判定基準数回数の範囲内において非検知情報の後に検知情報を確認する必要があるため、1回の入賞の発生に対して入賞有りの判定を1度行った後に、その入賞について再度、入賞有りの判定をすることがない。
図28の場合を例にとって説明すると、第2入賞口センサ152bの検知結果に対応した各レジスタ381〜383の第5ビットには、各種演算処理の前の状態で全てに「1」が格納されている。この場合、前回及び今回において検知情報を確認することとなるが、前々回においても検知情報を確認しているため、入賞発生有りとは判定されない。ちなみに、これは前々回入力情報の各ビットを反転させた上で、各入力情報の論理積を演算するという比較的負荷の少ない処理にて実現されている。
また、検知情報が入賞基準回数連続して確認されることを入賞判定条件として設定したことにより、ノイズなどによって第1入力ポート351のビットD0〜D7に単発的に検知情報が格納されたとしても、それに対してCPU311が入賞有りと判定しないようにすることができる。
図28の場合を例にとって説明すると、第3入賞口センサ152cの検知結果に対応した前回用レジスタ382の第6ビットには、各種演算処理の前の状態で、「1」が格納されている。しかしながら、今回用レジスタ381及び前々回用レジスタ383の第6ビットには、各種演算処理の前の状態で、「0」が格納されている。この場合、前回用レジスタ382の第6ビットには、ノイズなどの原因で「1」が格納されていることとなり、CPU311において入賞有りとは判定されない。ちなみに、これは前々回入力情報の各ビットを反転させた上で、各入力情報の論理積を演算するという比較的負荷の少ない処理にて実現されている。
また、第1入力ポート351及び各レジスタ381〜383は同一のバイト単位で構成されており、それらには入賞判定用の球検知センサ152〜155からの情報が全て入力される。そして、入賞発生の有無の判定に際しては、各レジスタ381〜383のバイト単位の入力情報について各種演算処理が実行される。これにより、各球検知センサ152〜155について、入賞発生の有無を判定するための入賞情報の生成をまとめて行うことができる。パチンコ機10においては、同一の遊技領域内に一般入賞口82、可変入賞装置83、上作動口84a、下作動口84b及びスルーゲート85が設置されているとともに、遊技領域を多数の遊技球が同時に流下することとなるため、各通過部への入賞が同時に発生することがある。この場合に入賞情報の生成を行うための処理を、各球検知センサ152〜155ごとに個別に行わなければならないとすると、その処理負荷は相当過大なものとなってしまう。また、例えば、入賞判定用のカウンタを設け、読み込み処理が実行される度にカウントすることで入賞情報の生成を行う構成を想定すると、上記カウンタを各球検知センサ152〜155ごとに個別に設け、読み込み処理を実行する度に全てのカウンタの加算及びリセット用の処理を実行する必要が生じる。これに対して、本構成によれば、入賞情報の生成をまとめて行うことができるため、CPU311の処理負荷及び記憶容量の増加を抑えつつ、上記優れた効果を得ることができる。
また、第1入力ポート351には、球検知センサ152〜155からの信号だけでなく払出制御基板322からの賞球許可信号も入力するようにした。本パチンコ機10では球検知センサ152〜155の数が7個であるのに対して、第1入力ポート351は8ビットで構成されている。そうすると、第1入力ポート351において1ビット分、入賞判定用以外の領域として使用することが可能であり、当該ビットに対して賞球許可信号を入力することでその領域を有効活用することができる。この場合に、読み込み処理においてはステップS602にて今回入力情報のマスク処理が実行されるため、入賞発生の有無の判定に際してはその賞球許可信号の情報を無視することができる。
<入力状態監視処理>
次に、通常処理(図22)のステップS507にて実行される入力状態監視処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
入力状態監視処理では、先ずステップS801にて、第2入力ポート352から入力情報を取得する。具体的には、CPU311に設けられた1バイト単位の汎用レジスタに、第2入力ポート352の入力情報を格納する。
続くステップS802では、遊技球の払出に関して異常が発生しているか否かを特定するための払出異常信号監視処理を実行する。詳細には、払出異常信号監視処理では、払出制御基板322から異常信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、払出異常の発生を主制御基板301のCPU311において特定する。そして、払出異常の発生を特定した場合には、音声ランプ制御基板324に払出異常コマンド(払出異常情報)を出力し、異常報知を実行させる。この異常報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置91の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板213を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に異常信号を出力するようにしてもよい。なお、ここでいう払出異常には、タンク221の球無状態や、払出装置224の故障などが含まれる。
続くステップS803では、下皿34が満タン状態となっているか否かを特定するための満タン信号監視処理を実行する。詳細には、満タン信号監視処理では、払出制御基板322から満タン信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、下皿34が満タン状態であることを主制御基板301のCPU311において特定する。そして、下皿34が満タン状態であることを特定した場合には、音声ランプ制御基板324に満タン状態コマンド(満タン状態情報)を出力し、満タン報知を実行させる。この満タン報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置91の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板213を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に満タン信号を出力するようにしてもよい。
続くステップS804では、本体枠13が開放状態となっているか否かを特定するための本体枠開放信号監視処理を実行する。詳細には、本体枠開放信号監視処理では、本体枠開放スイッチ217から本体枠開放信号を入力している旨の情報が汎用レジスタに格納されている場合に、本体枠13が開放状態であることを主制御基板301のCPU311において特定する。そして、本体枠13が開放状態であることを特定した場合には、音声ランプ制御基板324に本体枠開放状態コマンド(本体開放報知用情報)を出力し、本体開放報知を実行させる。この本体開放報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置91の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板213を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に本体開放信号を出力するようにしてもよい。
その後、ステップS805にて前扉枠開放信号監視処理を実行するとともに、ステップS806にて賞球許可信号監視処理を実行した後に、本入力状態監視処理を終了する。
<前扉枠開放信号監視処理>
次に、上記ステップS805の前扉枠開放信号監視処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、前扉枠開放信号監視処理は、(1)前扉枠14が閉鎖状態であることが特定された後であって当該閉鎖状態が継続されている場合の処理、(2)前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでの処理、(3)前扉枠14が開放状態であることが特定された後であって当該開放状態が継続されている場合の処理、(4)前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態であることが特定されるまでの処理、に大別される。そこで、これら状況の処理を個別に説明する。
先ず、上記(1)の前扉枠14が閉鎖状態であることが特定された後であって当該閉鎖状態が継続されている場合の処理について説明する。
先ずステップS901では、前扉枠14が開放状態であることを示す前扉枠開放信号を入力している旨の前扉枠開放情報が汎用レジスタに格納されているか否かを判定する。今回は前扉枠14が閉鎖状態である場合であるため、ステップS901にて否定判定をし、ステップS902に進む。
ステップS902では、RAM313の前扉枠カウンタエリア364における第1前扉枠カウンタエリア(開放特定契機把握用手段)に、開放特定基準回数を格納する。具体的には、前扉枠カウンタエリア364に「3」を格納する。第1前扉枠カウンタエリアは、閉鎖状態の前扉枠14が開放状態となった場合に、CPU311において前扉枠14が開放状態となったことを特定する場合に用いられるカウンタである。
続くステップS903では、RAM313の前扉枠カウンタエリア364における第2前扉枠カウンタエリア(閉鎖特定契機把握用手段)が「0」となっているか否かを判定する。第2前扉枠カウンタエリアは、開放状態の前扉枠14が閉鎖状態となった場合に、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態となったことを特定する場合に用いられるカウンタである。当該第2前扉枠カウンタエリアは、前扉枠14が閉鎖状態となったことを特定した後は、「0」の状態で維持される。したがって、前扉枠14が閉鎖状態であることが特定された後であって当該閉鎖状態が継続されている場合には、第2前扉枠カウンタエリアは「0」であり、ステップS903にて肯定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
次に、上記(2)の前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでの処理について説明する。
今回は前扉枠14が開放状態である場合であるため、ステップS901に肯定判定をし、ステップS911に進む。ステップS911では、RAM313の第2前扉枠カウンタエリアに、閉鎖特定基準値情報を格納する。具体的には、第2前扉枠カウンタエリアに「250」を格納する。
続くステップS912では、第1前扉枠カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。今回は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでの処理であるため、前扉枠14が閉鎖状態の場合にステップS902にて第1前扉枠カウンタエリアに格納された開放特定基準値情報が未だ「0」となっていない状態である。したがって、ステップS912にて否定判定をし、ステップS913に進む。
ステップS913では、第1前扉枠カウンタエリアの値を1減算する。続くステップS914では、第1前扉枠カウンタエリアの値が「0」か否かを判定する。つまり、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となった場合であって開放状態であることが特定されるまでは、前扉枠開放信号監視処理が実行される度に第1前扉枠カウンタエリアの値が1減算される。また、前扉枠開放信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。また、前扉枠14が閉鎖状態の場合には、ステップS902にて第1前扉枠カウンタエリアに「3」が格納される。したがって、ステップS914では、前扉枠14が開放操作され閉鎖状態から開放状態となった時点(前扉枠開放スイッチ78から前扉枠開放信号が出力された時点)から12msecが経過したか否かを判定していることとなる。
第1前扉枠カウンタエリアの値が「0」でない場合には、ステップS914にて否定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。第1前扉枠カウンタエリアの値が「0」である場合には、ステップS914にて肯定判定をし、ステップS915に進む。ステップS915では、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、ステップS916に進む。
ステップS916では、前扉枠開放フラグ格納エリア(前面体開放情報記憶手段)に前扉枠開放フラグ(前面体開放情報)を格納する。これにより、CPU311において前扉枠14が開放状態であることが特定される。続くステップS917では、RAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグを格納する。これにより、CPU311において前扉枠14が開放状態であることを特定したタイミングであることが特定される。続くステップS918では、前扉枠開放コマンドをセットする。当該前扉枠開放コマンドは、後述する払出用出力処理にて払出制御基板322に出力され、払出制御基板322のCPU331では前扉枠開放コマンドを入力することで、前扉枠14が開放状態であることを特定する。
その後、ステップS910ではサブコマンド設定処理を実行する。サブコマンド設定処理では、音声ランプ制御基板324に前扉枠開放状態コマンド(前面体開放報知用情報)を出力し、前面体開放報知を実行させる。この前面体開放報知の態様は任意であり、例えば、エラー表示ランプ部24の点灯や、スピーカ部26からの報知音の出力や、図柄表示装置91の表示画面における報知表示などが考えられる。また、外部端子板213を通じて遊技ホールの管理コンピュータ(ホールコンピュータ)に前面体開放信号を出力するようにしてもよい。その後、本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
以上のように、本パチンコ機10では、CPU311の汎用レジスタに前扉枠開放情報が格納されていたとしても、前扉枠14が開放状態となったと即座に判定することはなく、複数回として設定された開放特定基準回数だけ連続して前扉枠開放情報が確認された場合、すなわち、開放特定基準期間に亘って前扉枠開放情報が確認された場合に、前扉枠14が開放状態となったと判定する。これにより、前扉枠14が開放状態ではないにも関わらず、ノイズなどにより第2入力ポート352又は汎用レジスタに前扉枠開放情報が格納された場合に、CPU311において前扉枠14が開放状態となったと特定してしまうことが防止される。
本パチンコ機10では、前扉枠14に対して窓部21、上皿33及び下皿34が一体化されていることに伴って、前扉枠14が開放された場合には遊技球の払出を停止するようにしている。払出を停止しないと本体枠13の開閉部材124の位置から払出装置224の位置まで遊技球が連なり、払出装置224の故障が懸念されるからである。この場合に、実際には前扉枠14が開放状態となっていないにも関わらず、CPU311において前扉枠14が開放状態であると特定されるのは好ましくない。また、ノイズ等の影響で前扉枠開放コマンドが払出制御基板322に出力されると、それを解除するためのコマンドは出力されない。そうすると遊技球の払出が停止された状態が維持され続けてしまうこととなり、遊技者に不利益を及ぼしてしまうおそれがある。これに対して、本構成によれば、このような不都合が発生する可能性を低減することができる。
次に、上記(3)の前扉枠14が開放状態であることが特定された後であって当該開放状態が継続されている場合の処理について説明する。
今回は前扉枠14が開放状態である場合であるため、ステップS901にて肯定判定をし、ステップS911に進み、RAM313の第2前扉枠カウンタエリアに「250」を格納する。続くステップS912では、第1前扉枠カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。今回は前扉枠14が開放状態であることが特定された後であって当該開放状態が継続されている場合であるため、第1前扉枠カウンタエリアが「0」の状態が維持されている。したがって、ステップS912にて肯定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
次に、上記(4)の前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態であることが特定されるまでの処理について説明する。
今回は前扉枠14が閉鎖状態である場合であるため、ステップS901にて否定判定をし、ステップS902に進み、RAM313の第1前扉枠カウンタエリアに「3」を格納する。
続くステップS903では、RAM313の第2前扉枠カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。今回は、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態が特定されるまでの処理であるため、前扉枠14が開放状態の場合にステップS911にて第2前扉枠カウンタエリアに格納された閉鎖特定基準回数が未だ「0」となっていない状態である。したがって、ステップS903にて否定判定をし、ステップS904に進む。
ステップS904では、第2前扉枠カウンタエリアの値を1減算する。続くステップS905では、第2前扉枠カウンタエリアの値が「0」か否かを判定する。つまり、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となった場合であって閉鎖状態であることが特定されるまでは、前扉枠開放信号監視処理が実行される度に第2前扉枠カウンタエリアの値が1減算される。また、前扉枠開放信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。また、前扉枠14が開放状態の場合には、ステップS911にて第2前扉枠カウンタエリアに「250」が格納される。したがって、ステップS905では、前扉枠14が閉鎖操作され開放状態から閉鎖状態となった時点(前扉枠開放スイッチ78からの前扉枠開放信号の出力が停止された時点)から1secが経過したか否かを判定していることとなる。
第2前扉枠カウンタエリアの値が「0」でない場合には、ステップS905にて否定判定をし、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。第2前扉枠カウンタエリアの値が「0」である場合には、ステップS905にて肯定判定をし、ステップS906に進む。ステップS906では、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、そのまま本前扉枠開放信号監視処理を終了する。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、ステップS907に進む。
ステップS907では、前扉枠開放フラグ格納エリアに格納されている前扉枠開放フラグを消去する。これにより、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態であることが特定される。続くステップS908では、RAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグを格納する。これにより、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態であることを特定したタイミングであることが特定される。続くステップS909では、前扉枠閉鎖コマンドをセットする。当該前扉枠閉鎖コマンドは、後述する払出用出力処理にて払出制御基板322に出力され、払出制御基板322のCPU331では前扉枠閉鎖コマンドを入力することで、前扉枠14が閉鎖状態であることを特定する。
その後、ステップS910ではサブコマンド設定処理を実行する。今回のサブコマンド設定処理では、音声ランプ制御基板324に前扉枠閉鎖状態コマンド(前面体閉鎖報知用情報)を出力し、前面体開放報知を終了させる。その後、本前扉枠開放信号監視処理を終了する。
以上のように、本パチンコ機10では、CPU311の汎用レジスタから前扉枠開放情報が消去されたとしても、前扉枠14が閉鎖状態となったと即座に判定することはなく、複数回として設定された閉鎖基準連続回数だけ連続して前扉枠開放情報のない状態が確認された場合、すなわち、閉鎖特定基準期間に亘って前扉枠開放情報のない状態が確認された場合に、前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。これにより、前扉枠14が閉鎖状態となっていないにも関わらず、ノイズなどにより第2入力ポート352又は汎用レジスタから前扉枠開放情報が消去された場合に、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態となったと特定してしまうことが防止される。
本パチンコ機10は前扉枠14が開放状態となると遊技球の払出が停止されるとともに前扉枠14が閉鎖状態となると遊技球の払出が再開される構成であるため、実際には前扉枠14が閉鎖状態となっていないにも関わらず、CPU311において前扉枠14が閉鎖状態であると特定されるのは好ましくない。また、ノイズ等の影響で前扉枠閉鎖コマンドが払出制御基板322に出力されると、前扉枠14が開放状態であるにも関わらず遊技球の払出が再開されてしまうこととなる。そうすると、本体枠13の開閉部材124の位置から払出装置224の位置まで遊技球が連なり、払出装置224の故障が懸念される。これに対して、本構成によれば、このような不都合が発生する可能性が低減される。
また、前扉枠14が閉鎖されたと特定されるまでの期間(具体的には、1sec)は、開放されたと判定されるまでの期間(具体的には、12msec)よりも長くなっている。これは、以下の理由による。つまり、本パチンコ機10では、既に説明したように、前扉枠14に対して窓部21、上皿33及び下皿34が一体化されていることに伴って、上記のとおり前扉枠14が開放された場合には遊技球の払出を停止するようにしている。払出を停止しないと本体枠13に設けられた開閉部材124の位置から払出装置224の位置まで遊技球が連なり、払出装置224の故障が懸念されるからである。したがって、前扉枠14が開放された場合には払出装置224からの遊技球の払出を極力早い段階で停止する必要がある。その一方、前扉枠14を開放状態から閉鎖状態とする場合、例えば、前扉枠14と本体枠13との間に遊技球が挟まった場合などには、前扉枠14の開閉を繰り返し行うことが考えられる。この場合に、前扉枠14が閉鎖されたと特定されるまでの期間が短いと、繰り返し開閉される度に、払出装置224に設けられた払出モータ257の駆動の開始及び停止を繰り返す必要が生じ、球詰まりや払出モータ257の故障の原因となりかねない。これに対して、上記構成とすることにより、このような不都合が発生する可能性が低減される。
また、入賞発生の有無の判定については、図27及び図28に示すように、バイト単位の各入力情報を演算することにより行うようにしたのに対して、前扉枠14が開放状態となったか否かの判定及び閉鎖状態となったか否かの判定に関しては前扉枠カウンタエリア364を用いて開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の経過を判定することにより行うようにした。これは以下の理由による。つまり、本パチンコ機10では、開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の方が入賞発生有りと判定されるまでの期間よりも長く設定されている。この場合に、前扉枠14の開放状態及び閉鎖状態の判定に関して入賞発生有無の判定方法を適用すると、今回用レジスタ381といった判定用の記憶領域を多く設ける必要が生じる。そうすると記憶容量の極端な増大化を招くこととなり、好ましくない。特に、CPU311のレジスタの記憶容量は比較的小さいため、当該レジスタを用いて行うことは困難である。さらには、読み込み処理(図27)のステップS604に示すように情報のシフト処理を行う必要があるため、判定用の記憶領域を多く設けると、それだけシフト処理に際しての処理負荷が増大してしまう。これに対して、開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の経過の判定に関して、前扉枠カウンタエリア364を用いるようにすることで、開放特定基準期間及び閉鎖特定基準期間の経過の判定を良好に行うことができる。
なお、ステップS804の本体枠開放信号監視処理では、本体枠13の開放状態及び閉鎖状態の特定を行うための具体的な処理内容の説明を省略したが、基本的に前扉枠開放信号監視処理と同様の処理を実行する。
<賞球許可信号監視処理>
次に、上記ステップS806の賞球許可信号監視処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず賞球許可信号について説明する。
本パチンコ機10では、既に説明したように、電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力は、主制御基板301のRAM313に供給されるが、払出制御基板322のRAM333には供給されない。当該構成とすることにより、電断時用電源部321cの小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からのパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は全て消去されてしまう(破壊されてしまう)。この場合、従来のパチンコ機のように未払出の賞球数の情報を全て払出制御基板322のRAM333に記憶しておく構成とすると、未払出の賞球数がある状況でパチンコ機10への電力供給が停止された場合にはその未払出の賞球数の全てが払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、未払出の賞球情報は基本的に主制御基板301のRAM313の賞球用カウンタエリア361に記憶し、主制御基板301のCPU311は払出制御基板322のCPU331から賞球許可信号を入力している場合に当該CPU331に対して賞球コマンドを出力する。そして、払出制御基板322のCPU331では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶される賞球数の情報が、最大でも、1回の入賞に対する最大賞球数(15個賞球)と、後述する許可基準数との和となるように賞球許可信号の出力開始タイミング及び出力停止タイミングを設定する。なお、この許可基準数は、1回の入賞に対する最小賞球数又はそれ未満となっている。これにより、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電力供給が停止されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。つまり、賞球許可信号とは、主制御基板301のCPU311において賞球コマンドの出力タイミングを特定するために、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に出力される情報である。
さて、賞球許可信号監視処理では先ずステップS1001にて、賞球許可信号を入力している旨の賞球許可情報が第1入力ポート351の第7ビットD7に格納されているか否かを判定する。なお、賞球許可信号監視処理に際して、第1入力ポート351の情報をCPU311の汎用レジスタや専用レジスタに格納する構成としてもよく、この場合、そのレジスタに賞球許可情報が格納されているか否かを判定する構成とする。
賞球許可情報が格納されている場合には、ステップS1002にて、主制御基板301のRAM311の賞球許可カウンタエリア(許可契機把握用手段)365に格納されている値が「5」であるか否かを判定する。賞球許可カウンタエリア365とは、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されている場合に、それが払出制御基板322から実際に賞球許可信号が出力されていることに起因して格納されたものか、ノイズなどの原因により格納されたものかをCPU311において特定するためのものである。
賞球許可カウンタエリア365の値が「5」以上の場合には、ステップS1002にて肯定判定をし、そのまま本賞球許可信号監視処理を終了する。一方、賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、ステップS1002にて否定判定をし、ステップS1003に進む。ステップS1003では、賞球許可カウンタエリア365の値を1加算した後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。
ここで、賞球許可信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。したがって、払出制御基板322から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、約4msec周期で賞球許可カウンタエリア365の値が1加算される。また、ステップS1002の処理が実行されることにより、払出制御基板322からの賞球許可信号の出力が継続されている状況であっても賞球許可カウンタエリア365の値が「5」以上となった場合には、当該賞球許可カウンタエリア365の値の加算処理は実行しない。
また、ステップS1002にて、賞球許可情報が格納されていないと判定した場合には、ステップS1004にて賞球許可カウンタエリア365の値を「0」クリアした後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。つまり、払出制御基板322から賞球許可信号が出力されていない状況では、賞球許可カウンタエリア365の値は「0」に維持される。
<払出用出力処理>
次に、通常処理(図22)のステップS508にて実行される払出用出力処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。払出用出力処理とは、主制御基板301のCPU301から払出制御基板322のCPU332に各種コマンドを出力するための処理である。
払出用出力処理では、先ずステップS1101にて、主制御基板301のRAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠状態変化フラグが格納されている場合には、ステップS1102にて前扉枠状態変化フラグを消去するとともに、ステップS1103にて前扉枠開放コマンド又は前扉枠閉鎖コマンドを払出制御基板322に出力した後に本払出用出力処理を終了する。
一方、ステップS1101において、RAM313の前扉枠状態変化フラグ格納エリアに前扉枠状態変化フラグが格納されていない場合には否定判定をし、ステップS1104に進む。ステップS1104では、RAM313の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定する。前扉枠開放フラグが格納されている場合には、そのまま払出用出力処理を終了する。
前扉枠開放フラグが格納されていない場合には、ステップS1105にて、RAM313の賞球許可カウンタエリア365の値が出力許可基準回数としての「5」となっているか否かを判定する。ここで、上記のとおり、賞球許可カウンタエリア365の値は、払出制御基板322のCPU331から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、約4msec周期で1加算される。また、賞球許可カウンタエリア365の値は、払出制御基板322のCPU331からの賞球許可信号の出力が停止された場合には「0」クリアされる。したがって、ステップS1105では、払出制御基板322のCPU331からの賞球許可信号の出力が継続して出力許可継続期間としての20msecとなったか否かを判定している。
賞球許可カウンタエリア365の値が「5」でない場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。賞球許可カウンタエリア365の値が「5」である場合には、ステップS1106にて、RAM313の賞球用カウンタエリア361における各種カウンタエリア361a〜361dのいずれかに賞球情報が記憶されているか否かを判定する。いずれにも賞球情報が記憶されていない場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。
各種賞球用カウンタエリア361a〜361dのいずれかに賞球情報が記憶されている場合には、ステップS1107にて賞球許可カウンタエリア365の値を「0」クリアする。その後、ステップS1108にて賞球コマンド出力処理を実行し、本払出用出力処理を終了する。
ここで、賞球コマンド出力処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1201では、RAM313の15個賞球用カウンタエリア361aの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、15個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS1202にて、15個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、15個賞球用カウンタエリア361aの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS1201において、15個賞球用カウンタエリア361aの値が「0」である場合には、ステップS1203に進む。ステップS1203では、RAM313の4個賞球用カウンタエリア361cの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、4個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS1204にて、4個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、4個賞球用カウンタエリア361cの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS1203において、4個賞球用カウンタエリア361cの値が「0」である場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では、RAM313の3個賞球用カウンタエリア361dの値が「0」か否かを判定する。「0」でない場合には、3個賞球について賞球の未実施情報が記憶されていることを意味するため、ステップS1206にて、3個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、3個賞球用カウンタエリア361dの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
ステップS1205において、3個賞球用カウンタエリア361dの値が「0」である場合には、ステップS1207に進む。ステップS1207では、10個賞球コマンドを払出制御基板322のCPU331に出力するとともに、10個賞球用カウンタエリア361bの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
以上のように、主制御基板301のCPU311は、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されたとしても、払出制御基板322において賞球コマンドの出力が許可されたと即座に特定することはなく、複数回として設定された出力許可基準回数だけ連続して賞球許可情報が確認された場合、すなわち、出力許可基準期間である20msecに亘って賞球許可信号が出力されている状態が確認された場合に、賞球コマンドの出力が許可されたと特定する(出力許可状態であると特定する)。そして、賞球コマンドの出力が許可されたと特定することで、払出制御基板322のCPU331に1回の入賞に対応した1個の賞球コマンドを出力する。このように出力許可基準期間が設定されていることにより、既に説明したように、第1入力ポート351に賞球許可情報が格納されている場合に、それが払出制御基板322から賞球許可信号が出力されていることに起因して格納されたものか、ノイズなどの原因により格納されたものかをCPU311において特定することができる。よって、ノイズなどの原因で賞球許可情報が格納された場合に、それに対して賞球コマンドが出力されてしまうことを阻止することができる。
特に、後述するように払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374には、予め定められた最大基準数を超える賞球数を記憶することができないようになっている。この場合に、ノイズなどの原因で賞球許可情報が格納され、それに対して賞球コマンドが出力されてしまうと、その賞球コマンドに対応した賞球数は実際に払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に不利益を及ぼすこととなってしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を防止することができる。
ここで、入賞発生の有無の判定については、図27及び図28に示すように、バイト単位の各入力情報を演算することにより行うようにしたのに対して、賞球コマンドを出力するか否かの判定に関しては賞球許可カウンタエリア365を用いて出力許可基準期間の経過を判定することにより行うようにした。これは以下の理由による。つまり、本パチンコ機10では、出力許可基準期間の方が入賞発生有りと判定されるまでの期間よりも長く設定されている。この場合に、賞球許可信号に関して入賞発生有無の判定方法を適用すると、今回用レジスタ381といった判定用の記憶領域を多く設ける必要が生じる。そうすると記憶容量の極端な増大化を招くこととなり、好ましくない。特に、CPU311のレジスタの記憶容量は比較的小さいため、当該レジスタを用いて行うことは困難である。さらには、読み込み処理(図27)のステップS604に示すように情報のシフト処理を行う必要があるため、判定用の記憶領域を多く設けると、それだけシフト処理に際しての処理負荷が増大してしまう。これに対して、出力許可基準期間の経過の判定に際しては、賞球許可カウンタエリア365を用いるようにすることで、出力許可基準期間の経過の判定を良好に行うことができる。
また、払出用出力処理(図33)においてステップS1104の処理が実行されることにより、前扉枠14が開放状態の場合には賞球許可信号を入力している期間が出力許可基準期間に達しているとしても賞球コマンドは出力されない。本パチンコ機10では、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払出は停止される。この場合、前扉枠14が開放状態である場合に賞球コマンドを出力しないようにすることで、遊技球の払出が停止されている状況において新たに賞球コマンドが出力されないようにすることが可能となる。
本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまうため、遊技球の払出が停止されている状況において賞球コマンドが出力されると、前扉枠14を開放状態としたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。なお、前扉枠14が開放状態の場合に賞球コマンドの出力を禁止することは必須の構成ではなく、前扉枠14が開放状態の場合に賞球コマンドを出力するようにしてもよい。
また、賞球コマンド出力処理(図34)においては、複数種類設定された賞球情報についてコマンド出力に関して以下のように優先度を設定した。つまり、(1)15個賞球情報→(2)4個賞球情報→(3)3個賞球情報→(4)10個賞球情報の順序で優先度を設定した((1)が最も優先度が高く、(4)が最も優先度が低い)。
本パチンコ機10では、主制御基板301のRAM313の賞球用カウンタエリア361a〜361dは、1バイトで構成されており、記憶可能な賞球情報の数には上限があり、各上限数は一定となっている。その一方、前扉枠14が開放状態となった場合のように、賞球コマンドの出力が禁止されることがある。これに対して、上記のように賞球コマンドの出力に関して優先度を設定することで、入賞が発生したにも関わらずその入賞に対応した賞球情報が賞球用カウンタエリア361a〜361dに加算されないまま消去されてしまうといった不都合が発生する可能性が低減される。
つまり、一般入賞口82、可変入賞装置83、上作動口84a及び下作動口84bのうち、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高いのは、可変入賞装置83→下作動口84b→上作動口84a→一般入賞口82である(可変入賞装置83の可能性が最も高く、一般入賞口82の可能性が最も低い)。そして、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高いものほど、上記のような不都合が発生する可能性が高いと言える。これに対して、上記のように優先度を設定することで、短時間で多数の入賞が発生する可能性が高い入賞に対応した賞球情報から優先して賞球コマンドとして出力されることとなり、上記のような不都合が発生する可能性が低減される。
なお、可変入賞装置83は、大当たり状態の場合に開放状態となるものであり、開放状態となると短時間で多数の入賞が発生する。また、下作動口84bは、頻度向上状態の場合に開放状態となるものであり、開放状態となると短時間で多数の入賞が発生する。但し、開放状態となった場合の単位時間当たりの入賞数は、可変入賞装置83の方が多くなっている。また、上作動口84aは、常に入賞が可能な状態となっているが、可変入賞装置83や下作動口84bのように入賞をサポートする部材は不具備であり、可変入賞装置83や下作動口84bが開放状態となった場合の単位時間当たりの入賞数は、これら可変入賞装置83及び下作動口84bよりも上作動口84aの方が少なくなっている。さらには、一般入賞口82は、常に入賞が可能な状態となっているが、釘88により上作動口84aよりも入賞しづらい状態となっている。
<払出制御基板322のCPU331における処理構成>
次に、払出制御基板322のCPU331における処理構成について説明する。かかるCPU331の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力により起動される入力時割込み処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
メイン処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS1301では、電源投入に伴う初期設定を実行する。続くステップS1302では、初期表示処理を実行する。初期表示処理では、払出制御基板322に設けられた7セグ表示器242aに初期表示として「0」を表示させる。
続くステップS1303では、RAMアクセスを許可すると共に、ステップS1304で外部割込みベクタの設定を行う。その後、ステップS1305にてRAM333の全領域を「0」にクリアし、ステップS1306にてCPU周辺デバイスの初期設定を行う。続くステップS1307では割込みを許可する。以上のステップS1301〜ステップS1307の一連の処理が払出制御基板322のCPU331における立ち上げ処理に該当し、当該立ち上げ処理が完了するまでに、例えば300msecを要する。なお、この立ち上げ処理に要する時間は300msecに限定されることはなく、主制御基板301のCPU311において立ち上げ処理に要する時間よりも短いのであれば任意である。
その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで、ステップS1307の処理を繰り返し実行する。なお、このようにステップS1307の割込み許可の設定処理を繰り返し実行することで、仮にノイズ等の影響で割込み許可の設定が解除されて不許可の設定となったとしても、割込み許可の状態に再度設定しなおすことができる。
<入力時割込み処理>
次に、払出制御基板322のCPU331により実行される入力時割込み処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、入力時割込み処理は、上記のとおり主制御基板301のCPU311からのコマンドの入力により起動されるものである。この場合に、CPU311から入力したコマンドは、払出制御基板322のRAM333に設けられたリングバッファに一時的に記憶されている。入力時割込み処理では、リングバッファに記憶されているコマンドを読み出し、その読み出したコマンドに対応した処理を実行する。
さて、入力時割込み処理では、先ずステップS1401にて入力したコマンドが初期コマンドか否かを判定する。初期コマンドである場合には、ステップS1402にて初期表示解除処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。初期表示解除処理では、7セグ表示器242aにおける初期表示を終了させる。
入力したコマンドが初期コマンドでない場合には、ステップS1403にて賞球コマンドか否かを判定する。賞球コマンドである場合には、ステップS1404にてコマンド格納処理を実行した後に、本入力時割込み処理を終了する。コマンド格納処理では、払出制御基板322のRAM333のコマンド格納エリア373に、今回入力した賞球コマンドを格納する。
入力したコマンドが賞球コマンドでない場合には、ステップS1405にて前扉枠開放コマンドか否かを判定する。前扉枠開放コマンドである場合には、ステップS1406にてRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリア(払出側の前面体開放情報記憶手段)に前扉枠開放フラグ(払出側の前面体開放情報)を格納した後に、本入力時割込み処理を終了する。
入力したコマンドが前扉枠開放コマンドでない場合には、ステップS1407にて前扉枠閉鎖コマンドか否かを判定する。前扉枠閉鎖コマンドである場合には、ステップS1408にてRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリアから前扉枠開放フラグを消去した後に、本入力時割込み処理を終了する。前扉枠開放コマンドでない場合には、そのまま本入力時割込み処理を終了する。
なお、入力時割込み処理の処理内容を、後述するタイマ割込み処理においてコマンド判定処理として実行し、入力時割込み処理ではリングバッファへのコマンドの読み込みのみを行う構成としてもよい。
<タイマ割込み処理>
次に、払出制御基板322のCPU331により例えば2msec毎に起動されるタイマ割込み処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1501にて状態復帰スイッチ245をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。その後、ステップS1502にて下皿34の満タン状態に関する処理として満タン用処理を実行し、ステップS1503にてタンク221の球無状態に関する処理として球無用処理を実行し、ステップS1504にて賞球数の設定に関する処理として賞球設定処理を実行し、ステップS1505にて貸球の設定に関する処理として貸球設定処理を実行し、ステップS1506にて払出個数の設定に関する処理として払出個数設定処理を実行し、ステップS1507にて遊技球の払出に関する処理として払出制御処理を実行し、ステップS1508にて賞球許可信号の設定に関する処理として賞球許可信号設定処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
以下、ステップS1502の満タン用処理、ステップS1503の球無用処理、ステップS1504の賞球設定処理、ステップS1505の貸球設定処理、ステップS1506の払出個数設定処理、ステップS1507の払出制御処理及びステップS1508の賞球許可信号設定処理を詳細に説明する。
<満タン用処理>
先ずステップS1502の満タン用処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。満タン用処理では、下皿34への前扉側下皿52に設けられた満タン検知センサ59の検知結果に基づいて下皿34が満タン状態か否かが判定され各種処理が実行される。そして、満タン検知センサ59にて遊技球が検知されていない場合にはステップS1602以降の処理が実行され、遊技球が検知されている場合にはステップS1609以降の処理が実行される。以下の説明では、便宜上、ステップS1609以降の処理を説明した後にステップS1602以降の処理を説明する。
満タン用処理において先ずステップS1601では、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、払出制御基板322のCPU331の入力ポートに満タン検知信号を入力している旨を示す満タン検知情報が格納されているか否かを判定する。
満タン検知信号を入力している場合には、ステップS1609にて、払出制御基板322のRAM333の満タンカウンタエリア371における第2満タンカウンタエリアを「0」クリアする。第2満タンカウンタエリアは、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力していない期間を計測するためのカウンタである。その後、ステップS1610にて、満タンカウンタエリア371における第1満タンカウンタエリアの値を1加算する。第1満タンカウンタエリアは、満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力している期間を計測するためのカウンタである。
ステップS1610の後は、ステップS1611にて第1満タンカウンタエリアが第1満タン特定基準期間に対応したカウント値としての「850」となっているか否かを特定する。ここで、本満タン用処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、タイマ割込み処理は上記のとおり2msec周期で起動される。よって、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力している場合には第1満タンカウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1611では満タン検知信号を約1.7sec(第1満タン特定基準期間)に亘って継続しているか否かを判定している。
第1満タンカウンタエリアが「850」の場合には、下皿34が満タン状態であると特定しステップS1612に進む。つまり、下皿34が満タン状態である場合には前扉側下皿52内にて遊技球が並ぶため、満タン検知センサ59によって遊技球が継続して検知され満タン検知信号の出力が継続される。そして、この状態で約1.7secが継続することにより、下皿34が満タン状態であると特定される。このように、下皿34が満タン状態であると特定される期間を1.7secと設定したのは、当該期間が極端に長いと払出装置224の位置まで遊技球が連なり払出モータ257などが故障してしまうおそれがあるからであり、当該期間が極端に短いと下皿34が満タン状態でないにも関わらず満タン状態であると特定されるおそれがあるからである。
ステップS1612では、RAM333の満タンフラグ格納エリア(満タン状態情報記憶手段)に満タンフラグ(満タン状態情報)が格納されているか否かを判定する。満タンフラグが格納されている場合には、そのまま本満タン用処理を終了する。満タンフラグが格納されていない場合には、ステップS1613にて満タンフラグを格納するとともに満タン状態に設定した後に本満タン用処理を終了する。満タン状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に満タン信号の出力が開始されるとともに、満タン状態が設定されている間は満タン信号の出力状態が維持される。
一方、ステップS1611にて、第1満タンカウンタエリアの値が「850」でない場合には、ステップS1614にて第1満タンカウンタエリアが第2満タン特定基準期間に対応したカウント値としての「400」となっているか否かを判定する。上述したとおり、第1満タンカウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1614では満タン検知信号を継続して約0.8sec(第2満タン特定基準期間)入力しているか否かを判定している。
第1満タンカウンタエリアが「400」でない場合にはそのまま本満タン用処理を終了する。第1満タンカウンタエリアが「400」の場合には、下皿34が満タン状態であるおそれがあると特定し、ステップS1615に進む。ステップS1615では、RAM333の満タン低速フラグ格納エリア(満タン低速情報記憶手段)に満タン低速フラグ(満タン低速情報)を格納する。その後、本満タン用処理を終了する。
満タン低速フラグが格納されることにより、CPU331では後述するように払出モータ257の払出速度の設定を、それまでの通常周期(具体的には、60msec間隔で遊技球を払い出す)から低速周期(具体的には、800msec間隔で遊技球を払い出す)に変更する。
このように払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えるのは以下の理由による。すなわち、満タン検知センサ59は遊技球を検知している間は継続して満タン検知信号を出力する構成であるため、連続して払い出される遊技球の間隔が狭くなると、満タン検知センサ59から見ると、1の遊技球の検知期間の終期が次の遊技球の検知期間の始期よりも後となる。そうすると、下皿34が満タン状態となっていないにも関わらず満タン検知センサ59から継続して満タン検知信号が出力されることとなる。そして、この状態が継続すると下皿34が満タン状態であると特定されてしまう。
これに対して、上記のとおり、払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えることで、前扉側下皿52内を連続して通過する各遊技球の間隔が広くなる。より詳細には、この間隔は満タン検知センサ59の検知範囲を越える間隔となる。よって、継続されていた満タン検知信号の出力が途切れるため、下皿34が満タン状態となっていないにも関わらず満タン状態となっていると特定されることを防止することができる。
満タン用処理の説明に戻り、ステップS1601にて満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない場合には、ステップS1602にて第1満タンカウンタエリアを「0」クリアする。その後、ステップS1603にて、RAM333の満タン低速フラグ格納エリアに満タン低速フラグが格納されているか否かを判定する。満タン低速フラグが格納されていない場合には、そのままステップS1605に進み、満タン低速フラグが格納されている場合には、ステップS1604にて満タン低速フラグを消去した後にステップS1605に進む。
満タン低速フラグが消去されることにより、CPU331では基本的に払出モータ257の払出速度の設定を、低速周期から通常周期に変更する。つまり、満タン検知センサ59から継続して満タン検知信号が出力されている状況下において払出モータ257の払出速度を低速周期に変更することで満タン検知信号の出力が途切れた場合には、即座に払出速度が通常周期に復帰する。これにより、払出モータ257の払出速度を必要に応じて低速周期に変更するようにした構成において、遊技球の払出に要する時間が極端に長くなることが防止される。
続くステップS1605では、第2満タンカウンタエリアを1加算する。その後、ステップS1606にて第2満タンカウンタエリアが「250」となっているか否かを判定する。ここで、第2満タンカウンタエリアは、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していない場合には約2msec周期で1加算される。よって、ステップS1606では満タン検知信号を入力していない状態が継続して約0.5secとなっているか否かを判定している。
第2満タンカウンタエリアが「250」でない場合にはそのまま本満タン用処理を終了する。一方、第2満タンカウンタエリアが「250」である場合には、ステップS1607にてRAM333の満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定する。満タンフラグが格納されていない場合にはそのまま本満タン用処理を終了する。満タンフラグが格納されている場合には、ステップS1608にて満タンフラグを消去するとともに満タン解除状態を設定した後に本満タン用処理を終了する。満タン解除状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への満タン信号の出力が停止されるとともに、満タン解除状態が設定されている間は満タン信号の出力停止状態が維持される。
ここで、ステップS1606にて満タン検知センサ59からの満タン検知信号の出力が停止されてから約0.5sec経過するのを待ってステップS1608の処理を実行するようにしたことで、ノイズなどの影響で実際には満タン検知センサ59の検知範囲に遊技球が待機しているのに満タン状態が解除されたと判定されないようにことができる。
なお、ステップS1606、ステップS1611及びステップS1614において、それぞれ判定値以上であるか否かを判定する構成としてもよい。
<球無用処理>
次に、ステップS1503の球無用処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。球無用処理では、ケースレール223に設けられた球無検知センサ223aの検知結果に基づいてタンク221が球無状態か否かが判定され各種処理が実行される。そして、球無検知センサ223aにて遊技球が検知されている場合にはステップS1702以降の処理が実行され、遊技球が検知されていない場合にはステップS1708以降の処理が実行される。以下の説明では、便宜上、ステップS1708以降の処理を説明した後にステップS1702以降の処理を説明する。
球無用処理において先ずステップS1701では、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力しているか否かを判定する。具体的には、払出制御基板322のCPU331の入力ポートに球無検知信号を入力している旨を示す球無検知情報が格納されているか否かを判定する。
球無検知信号を入力している場合には、ステップS1708にて、払出制御基板322のRAM333の球無カウンタエリア372における第2球無カウンタエリアを「0」クリアする。第2球無カウンタエリアは、球無検知センサ223aから球無検知信号を継続して入力していない期間を計測するためのカウンタである。その後、ステップS1709にて、球無カウンタエリア372における第1球無カウンタエリアの値を1加算する。第1球無カウンタエリアは、球無検知センサ223aから球無検知信号を継続して入力している期間を計測するためのカウンタである。
ステップS1709の後は、ステップS1710にて第1球無カウンタエリアが第1球無特定基準期間に対応したカウント値としての「5000」となっているか否かを特定する。ここで、本球無用処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、タイマ割込み処理は上記のとおり2msec周期で起動される。よって、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力している場合には第1球無カウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1710では球無検知信号を約10sec(第1球無特定基準期間)に亘って継続しているか否かを判定している。
第1満球無カウンタエリアが「5000」の場合には、タンク221が球無状態であると特定しステップS1711に進む。つまり、タンク221が球無状態である場合にはケースレール223内にて遊技球が並ばなくなるため、球無検知センサ223aによって遊技球が継続して検知されなくなり球無検知信号の出力が継続される。そして、この状態で約10secが継続することにより、タンク221が球無状態であると特定される。
ステップS1711では、RAM333の球無フラグ格納エリア(球無状態情報記憶手段)に球無フラグ(球無状態情報)が格納されているか否かを判定する。球無フラグが格納されている場合には、そのまま本球無用処理を終了する。球無フラグが格納されていない場合には、ステップS1712にて球無フラグを格納するとともに球無状態に設定した後に本球無用処理を終了する。球無状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に払出異常信号の出力が開始されるとともに、球無状態が設定されている間は払出異常信号の出力状態が維持される。
一方、ステップS1710にて、第1球無カウンタエリアの値が「5000」でない場合には、ステップS1713にて第1球無カウンタエリアが第2球無特定基準期間に対応したカウント値としての「500」となっているか否かを判定する。上述したとおり、第1球無カウンタエリアは約2msec周期で1加算されるため、ステップS1713では球無検知信号を継続して約1.0sec(第2球無特定基準期間)入力しているか否かを判定している。
第1球無カウンタエリアが「500」でない場合にはそのまま本球無用処理を終了する。第1球無カウンタエリアが「500」である場合には、タンク221が球無状態であるおそれがあると特定し、ステップS1714に進む。ステップS1714では、RAM333の球無低速フラグ格納エリア(球無低速情報記憶手段)に球無低速フラグ(球無低速情報)を格納する。その後、本球無用処理を終了する。
球無低速フラグが格納されることにより、CPU331では後述するように払出モータ257の払出速度の設定を、それまでの通常周期(具体的には、60msec間隔で遊技球を払い出す)から低速周期(具体的には、800msec間隔で遊技球を払い出す)に変更する。
このように払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えるのは以下の理由による。すなわち、タンク221においては球詰まりが発生することがある。これに対して、タンク221には、上記球詰まりが発生した際に当該球詰まりを解消すべく、タンク221を振動させるための振動モータが設けられている。球詰まりが重度のものでなければ、振動モータによりタンク221を振動させることで当該球詰まりは解消する。そして、この球詰まりの解消は10sec以内に完了するものと考えられる。
当該事情において、球無検知センサ223aにて遊技球を検知していない期間が第1球無特定基準期間である約1.0secが経過した時点で、払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えることで、払出装置224の回転体256よりも上流側に待機している遊技球が全てなくなってしまう前のタイミングで球詰まりが解消される可能性が高められる。払出装置224の回転体256よりも上流側に待機している遊技球が全てなくなってしまうと、再度、タンク221側から回転体256に向けて遊技球が補充された際に、その遊技球がケースレール223を通じて落下し回転体256に直接衝突することとなり、回転体256の故障の発生等が懸念される。これに対して、上記のように払出速度を低速周期に切り換えることで、このような不都合が発生する可能性が低減される。
球無用処理の説明に戻り、ステップS1701にて球無検知センサ223aから球無検知信号を入力していない場合には、ステップS1702にて第1球無カウンタエリアを「0」クリアする。その後、ステップS1703にて、第2球無カウンタエリアを1加算する。その後、ステップS1704にて第2球無カウンタエリアが「1500」となっているか否かを判定する。ここで、第2球無カウンタエリアは、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力していない場合には約2msec周期で1加算される。よって、ステップS1704では球無検知信号を入力していない状態が継続して約3.0secとなっているか否かを判定している。
第2球無カウンタエリアが「1500」でない場合にはそのまま本球無用処理を終了する。一方、第2球無カウンタエリアが「1500」である場合には、ステップS1705にてRAM333の球無低速フラグ格納エリアから球無低速フラグを消去する。球無低速フラグが消去されることにより、CPU331では基本的に払出モータ257の払出速度の設定を、低速周期から通常周期に変更する。
続くステップS1706では、RAM333の球無フラグ格納エリアに球無フラグが格納されているか否かを判定する。球無フラグが格納されていない場合にはそのまま本球無用処理を終了する。球無フラグが格納されている場合には、ステップS1707にて球無フラグを消去するとともに球無解除状態を設定した後に本球無用処理を終了する。球無解除状態が設定されることにより、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への払出異常信号の出力が停止されるとともに、球無解除状態が設定されている間は払出異常信号の出力停止状態が維持される。
ここで、ステップS1704にて球無検知センサ223aからの球無検知信号の出力が停止されてから約3.0sec経過するのを待ってステップS1705及びステップS1707の処理を実行するようにしたことで、ノイズなどの影響で実際には球無検知センサ223aの検知範囲に遊技球が待機していないのに球無状態が解除されたと判定されないようにことができる。
<賞球設定処理>
次に、ステップS1504の賞球設定処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。賞球設定処理では、主制御基板301のCPU331から入力した賞球コマンドから賞球数を特定し、その特定した賞球数を払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374に加算する処理が実行される。
賞球設定処理では先ずステップS1801にて、RAM333のコマンド格納エリア373に賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。賞球コマンドが格納されていない場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。賞球コマンドが格納されている場合には、ステップS1802に進む。
ステップS1802では、賞球コマンド用の演算処理を実行する。具体的には、賞球コマンドの加算処理を実行する。ここで、既に説明したように賞球コマンドは、3個賞球コマンド、4個賞球コマンド、10個賞球コマンド、15個賞球コマンドの4種類が設定されており、これら各賞球コマンドは、図25(b)に示すように、上位情報と下位情報とからなる2バイトで構成されている。そして、各賞球コマンドは、上位情報と下位情報との加算処理を実行した場合の1バイトから情報の形態が「11111111」となるように設定されている。
ステップS1802では、RAM333のコマンド格納エリア373に格納されている賞球コマンドについて、上記加算処理を実行する。具体的には、CPU331には、被加算用レジスタと、加算用レジスタとが設定されている。ステップS1802では、コマンド格納エリア373に格納されている賞球コマンドの上位情報及び下位情報のうち、上位情報が被加算用レジスタに読み出され、下位情報が加算用レジスタに読み出される。そして、加算用レジスタに記憶されている情報を被加算用レジスタに記憶されている情報に加算する加算処理を行う。その加算結果は被加算用レジスタに記憶保持される。なお、下位情報が被加算用レジスタに読み出され、上位情報が加算用レジスタに読み出されるようにしてもよい。
続くステップS1803では、コマンド格納エリア373に格納されている賞球コマンドを消去する。続くステップS1804では、上記加算処理の結果が正常であるか否かを判定する。具体的には、ステップS1802にてCPU331の被加算用レジスタに記憶されている情報が「11111111」(16進数で「FF」)になっているか否かを判定する。より詳細には全てのビットに「1」が格納されているか否かを判定する。なお、判定の方法は上記の方法に限定されるものではなく、被加算用レジスタに記憶されている全ビットについて論理積の演算を行って、その演算結果である1ビットの情報が「1」であるかを判定するようにしてもよい。
ステップS1802にて演算した結果が「11111111」(16進数にて「FF」)となっているか否かを判定する。「11111111」となっている場合には、今回の賞球コマンドが正常なものであることを意味するため、ステップS1805に進む。
一方、「11111111」となっていない場合には、今回の賞球コマンドは、主制御基板301のCPU311から払出制御基板322のCPU331へのコマンド伝送経路の途中でノイズ等の影響で書き換えられてしまったことを意味するため、そのまま本賞球設定処理を終了する。この場合、今回の賞球コマンドは、賞球数の情報としてRAM333の賞球数記憶エリア374に加算されることなく消去される。これにより、ノイズ等の影響で賞球コマンドが書き換えられてしまった場合に、遊技ホール等が受ける被害を低減することができる。つまり、賞球コマンドは下位情報が賞球数の情報に相当しているが、当該下位情報が書き換えられ、例えば、本来なら賞球数が3個であるはずなのに賞球数が100個となってしまうおそれがある。これに対して、上記のように当該賞球コマンドを賞球数の情報としてRAM333の賞球数記憶エリア374に加算しないようにすることで、上記ノイズ等で書き換えられてしまった情報が加算されなくなり、遊技ホール等が受ける被害が低減される。
賞球設定処理の説明に戻り、ステップS1805では、賞球数特定処理を実行する。具体的には、ROM332の賞球テーブル記憶エリア332aに記憶されている情報に基づいて、今回入力した賞球コマンドがいずれの賞球数に対応しているかを特定する。この場合、賞球コマンドの下位情報と賞球テーブル記憶エリア332aとが照らし合わされ、賞球数の特定が行われる。ここで特定された賞球数は、賞球コマンドの情報に代えて、CPU331の汎用レジスタに格納される。
続くステップS1806では、加算時マスク処理を実行する。当該加算時マスク処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が予め定められた加算時修正用賞球数以下となるように論理積の演算を実行する。
ここで、後述するように払出制御基板322のCPU331は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数としての3個以下となることで賞球許可信号の出力を開始し、それに対する賞球コマンドを主制御基板301のCPU311から入力して賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が4個以上となることにより賞球許可信号の出力を停止する。したがって、主制御基板301のCPU311から賞球コマンドを入力し、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報を加算する際には、賞球数記憶エリア374に記憶されている許可基準数以下(具体的には、3個以下)となっているはずである。
但し、パチンコ機10においては様々なタイミングでノイズ等が発生する可能性があり、払出制御基板322のCPU331において賞球許可信号の出力を開始してから賞球数の加算処理を実行するまでに賞球数記憶エリア374の情報が書き換えられてしまうおそれがある。そして、例えば、賞球数記憶エリア374の情報が本来は3個であったのに対して、131個などに書き換えられてしまった場合には遊技ホールに多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、ステップS1806の加算時マスク処理では、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が加算時修正用賞球数としての3個以下となるように論理積の演算を実行する。なお、本構成では、加算時修正用賞球数は、許可基準数と一致している。
具体的には、払出制御基板322のROM332には、賞球数記憶エリア374と同一のバイト単位である1バイトで構成された加算時修正用情報が予め記憶されている。加算時修正用情報は、「00000011」となっている。これを10進数で表すと「3」である。加算時マスク処理では、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報をCPU331におけるマスク処理用の専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報について上記加算時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を、賞球数記憶エリア374に記憶させる。
この場合、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が3個に相当する「00000011」である場合には、加算時修正用情報との論理積の演算結果は「000000011」となり3個のままである。また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が2個に相当する「00000010」である場合には、加算時修正用情報との論理積の演算結果は「00000010」となり2個のままである。このように賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持されるのは、1個及び0個の場合も同様である。
一方、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がノイズ等の影響で書き換えられ、131個に相当する「10000011」となったとしても、加算時修正用情報との論理積の演算を行うことで、「00000011」となる。
以上のように、賞球数の加算を行う場合に、ノイズの影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が許可基準数を超えていたとしても、それを許可基準数以下とすることができる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、許可基準数を超えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、加算時修正用情報と論理積の演算をした数となるため、遊技者が不利益を被ってしまうことも抑制できる。
ちなみに、賞球許可信号の出力開始のタイミングが上記のものと異なり、例えば賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が5個以下となることで賞球許可信号の出力が開始される場合には、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報を加算する際には、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報は5個以下となる。この場合には、加算時修正用情報を、「00000111」としてもよい。本構成の場合、加算時修正用賞球数は許可基準数の5個よりも多い7個となるが、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が5個以下の場合には、加算時マスク処理の後においてその記憶されていた賞球数の情報はそのまま維持される。よって、加算時マスク処理により遊技者が不利益を被ってしまうことはない。また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が131個といった7個を大きく超える数であった場合には、それを7個以下に修正することができるため、ノイズ等の影響で賞球数の情報が書き換えられてしまったとしても遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できる。
つまり、加算時修正用情報は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数以下である場合に加算時マスク処理後においてその賞球数の情報が維持されるとともに、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数を超えている場合に当該許可基準数以下とする又は許可基準数に近付けることが可能なように設定されていればよい。より詳細には、加算時修正用情報がバイト単位で構成されている場合には、下位側のビットから上位側のビットに亘って連続して「1」が格納されているとともに、10進数で表した場合に許可基準数に達した又は超えた直後のビットまで「1」が格納された情報であればよい。
なお、上記のように許可基準数が5個である場合には、加算時修正用情報として、「00000011」(3個に相当)、「00000100」(4個に相当)、「00000101」(5個に相当)の各情報を記憶しておくようにしてもよい。この場合、加算時マスク処理では、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報をCPU331の専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報について上記各加算時修正用情報とを個別に論理積の演算をする。そして、演算したもののうち、最大賞球数となるものを賞球数記憶エリア374に記憶させるようにしてもよい。この場合、許可基準数が5個であったとしても、許可基準数と加算時修正用賞球数とを一致させることができる。
賞球設定処理の説明に戻り、ステップS1806にて加算時マスク処理を実行した後は、ステップS1807にて加算すべき賞球数の情報、すなわち、ステップS1805にて特定した賞球数の情報が1以上か否かを判定する。加算すべき賞球数の情報が「0」である場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。加算すべき賞球数の情報が「0」でない場合には、ステップS1808に進む。
ステップS1808では、上記加算すべき賞球数の情報が「16」未満であるか否かを判定する。加算すべき賞球数の情報が「16」以上である場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。加算すべき賞球数の情報が「16」未満である場合には、ステップS1809に進む。上記のようにステップS1807及びステップS1808の処理を実行することにより、加算すべき賞球数の情報が異常である場合には、それを無効化することができる。
続くステップS1809では、賞球数の加算処理を実行する。当該加算処理では、ステップS1805にて特定した賞球数の情報を、ステップS1806の加算時マスク処理後の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報に加算する。
続くステップS1810では、ステップS1809にて加算処理を実行した後の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が、払出制御基板322のROM332に予め記憶された賞球数記憶エリア374の上限賞球数を超えているか否かを判定する。具体的には、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が「19」以上であるか否かを判定する。
賞球数の情報が「19」未満である場合には、そのままステップS1812に進む。賞球数の情報が「19」以上である場合には、ステップS1811に進む。ステップS1811では、加算後修正処理を実行する。具体的には、賞球数記憶エリア374の賞球数の情報を「18」に修正する。これにより、ノイズ等の影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が上限賞球数を超えている場合には、それを上限賞球数に修正することができる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、上限賞球数を超えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、上限賞球数に修正することで、遊技者が不利益を被ってしまうこともない。
なお、ステップS1806、ステップS1807、ステップS1808及びステップS1811の各処理を実行することで、賞球数の異常を入念に解消することができる。但し、これら全ての処理を実行することは必須のことではなく、例えば、ステップS1807及びステップS1808の処理を実行しなくともよい。この場合であっても、ステップS1806及びステップS1811の処理が実行されることで、賞球数の異常を解消することができる。
続くステップS1812では、RAM333の賞球低速フラグ格納エリア(賞球低速情報記憶手段)に賞球低速フラグ(賞球低速情報)が格納されているか否かを判定する。賞球低速フラグとは、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が、払出制御基板322のROM332に予め記憶された切換基準数(具体的には、「2」)となった場合に格納され、切換基準数を超えることにより消去されるフラグである。
ここで、本パチンコ機10は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合には、払出モータ257の払出速度の設定をそれまでの通常周期から低速周期に変更するように構成されている。これは以下の理由による。つまり、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されていない状況では、節電のため払出モータ257の駆動は停止される。この場合に、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生すると、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止を繰り返し行う必要が生じる。払出モータ257の駆動開始には払出モータ257の駆動状態を維持する場合よりも大きな駆動力を必要とするため、上記のように払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われることは好ましくない。これに対して、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合に、払出モータ257の払出速度を低速周期に切り換えることで、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生したとしても、切換基準数の賞球を低速周期で実行している間に次の入賞が発生する可能性が高まり、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われてしまう可能性が低減される。
なお、払出モータ257の払出速度を常に低速とする構成も考えられるが、この場合、遊技球の払出速度が慢性的に遅くなり、遊技者にとっては入賞が発生したにも関わらずそれに対する賞球を受けるのに相当な時間を要することとなり好ましくない。
ステップS1812にて、賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されていない場合には、そのままステップS1814に進む。一方、賞球低速フラグが格納されている場合には、ステップS1813にて賞球低速フラグ格納エリアから賞球低速フラグを消去した後に、ステップS1814に進む。賞球低速フラグが消去されることで、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が切換基準数となることで低速周期に設定された払出モータ257の払出速度が通常周期に復帰することとなる。
ステップS1814では、エラーフラグの消去処理を実行する。エラーフラグは、例えば、主制御基板301のCPU311から解析不能なコマンドを入力した場合や主制御基板301のCPU311からコマンドを所定の期間に亘って入力していない場合に格納されるフラグである。当該エラーフラグは、賞球コマンドを正常に入力し、その賞球コマンドに対する賞球設定処理が実行されることで、ステップS1814にて消去される。ステップS1814にてエラーフラグの消去処理を実行した後は本賞球設定処理を終了する。
本実施の形態では、ステップS1802にて上位情報と下位情報とを用いて加算処理を行った。上位情報と下位情報とを用いて論理和や論理積を実行してもよいが、この場合、ノイズ等の影響によって賞球コマンドが書き換えられてしまったとしても、その賞球コマンドが正常なものであると判定されるおそれがある。
例えば、論理和を用いて賞球コマンドが正常であるか否かを判定し、その論理和の結果が「11111111」となった場合に正常な賞球コマンドであると判定する遊技機が考えられる。この場合、仮に、10個賞球コマンドの下位情報が「00001010」から「00001011」と書き換えられてしまったとしても、論理和の結果は「11111111」となってしまい、賞球コマンドが正常なものであると判定されるおそれがあった。
さらに、例えば、論理積を用いて賞球コマンドが正常であるか否かを判定し、その論理積の結果が「00000000」となった場合に正常な賞球コマンドであると判定する遊技機が考えられる。この場合、仮に、10個賞球コマンドの下位情報が「00001010」から「00000011」と書き換えられてしまったとしても、論理積の結果は「00000000」となってしまい、賞球コマンドが正常なものであると判定されるおそれがあった。
本実施の形態では、加算処理を用いて賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定した。ノイズの影響によっていずれかのビットが書き換えられてしまった場合には加算処理の結果が「11111111」(16進数で「FF」)とならないために、論理和や論理積を用いて賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定する場合と比して、賞球コマンドが書き換えられてしまったことを発見し易くすることが可能となる。
しかしながら加算処理を用いて賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定したとしても、ノイズ等の影響によって複数箇所のビットが書き換えられてしまい、偶然上位情報と下位情報との加算結果が「11111111」(16進数にて「FF」)となってしまうことが考えられる。例えば、3個賞球コマンドにおける上位情報が「11111100」から「11101100」に書き換えられてしまい、下位情報が「00000011」から「00010011」に書き換えられてしまった場合に加算処理の結果が「11111111」(16進数にて「FF」)となってしまい、正常な賞球コマンドであると判定されてしまい、賞球コマンドが書き換えられてしまっているにも関わらず当該賞球コマンドに基づいた遊技球の払出が行われることが考えられる。そこで本実施の形態では、さらに、一の賞球コマンドにて出力される賞球数の最大数である15以下であるか、すなわち16未満であるか否かを判定した(ステップS1808)。これにより、上位情報と下位情報との加算処理の結果が偶然「11111111」となってしまったとしてもその賞球数が16未満でなければ正常な賞球コマンドとは判定されない。このように、加算処理の結果と、賞球数の個数とから賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定したために、賞球コマンドがノイズによって書き換えられてしまったことをより発見し易くしている。よって、遊技球の払出をより良好に行うことが可能となる。
仮に、賞球数のみを判定してその賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定する遊技機の場合、賞球コマンドが書き換えられてしまったとしても、その賞球コマンドから特定された賞球数が16未満の場合には正常な賞球コマンドであると判定される。このため、例えば、3個賞球用コマンドが出力された場合に下位情報が書き換えられてしまい、その賞球コマンドから特定された賞球数が15個となってしまっても、そのまま遊技球が15個払い出されてしまうために遊技球の払出が正常に行われない可能性が発生する。
このため本実施の形態では、加算処理の結果と、さらに、賞球数の個数とから賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定した。このように賞球コマンドが正常であるか否かを2種類の方法によって判定したことによって、賞球コマンドがノイズ等の影響によって書き換えられてしまったとしても、その書き換えられたことを発見し易くすることが可能となる。
<貸球設定処理>
次に、ステップS1505の貸球設定処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。貸球設定処理では、球貸用接続端子板249を通じて球貸装置Yから入力した貸球要求信号に基づいて貸球数を特定し、その特定した貸球数を払出制御基板322のRAM333の貸球数記憶エリア375に加算する処理が実行される。
貸球設定処理では先ずステップS1901にて、RAM333の貸球状態フラグ格納エリア(貸球状態情報記憶手段)に貸球状態フラグ(貸球状態情報)が格納されているか否かを判定する。貸球状態フラグは、払出制御基板322のCPU331において、球貸装置Yからの貸球要求信号の入力待機状態であるか否かを特定する上で用いられるフラグであり、入力待機状態となることで格納され、貸球要求信号を受ける必要がなくなった場合に消去される。
貸球状態フラグが格納されていない場合には、ステップS1902〜ステップS1906の貸球状態設定用処理を実行し、貸球状態フラグが格納されている場合には、ステップS1907〜ステップS1911の貸球状態中処理を実行する。
貸球状態設定用処理では、先ずステップS1902にて、球貸装置Yから貸球状態信号を入力しているか否かを判定する。球貸しボタン37が操作された場合(すなわち、一の球貸操作がされた場合)にパチンコ機10は球貸しボタン操作信号を出力する。当該球貸しボタン操作信号を入力した場合に、カード挿入口Hにカードが挿入されているか否かと、カードが挿入されている場合には遊技球を貸し出すべく金額が記憶されているか否かとを球貸装置Yは判定する。そして、カード挿入口Hにカードが挿入されており、当該カードに遊技球を貸し出すべく金額が記憶されている場合に貸球状態信号を出力する。すなわち、貸球状態信号は、球貸しボタン37が操作され、遊技球を払い出すべく金額が記憶されているカードが挿入されている場合に球貸装置Yから出力されるものである。
ステップS1902にて貸球状態信号を入力していない場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。一方、貸球状態信号を入力している場合には、ステップS1903にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態とは、前扉枠開放状態、下皿満タン状態、タンク球無状態又は払出装置異常状態のいずれかに該当している状態のことである。
当該判定は、前扉枠開放状態についてはRAM333の前扉枠開放フラグ格納エリアに前扉枠開放フラグが格納されているか否かを判定することで行われ、下皿満タン状態についてはRAM333の満タンフラグ格納エリアに満タンフラグが格納されているか否かを判定することで行われ、タンク球無状態についてはRAM333の球無フラグ格納エリアに球無フラグが格納されているか否かを判定することで行われ、払出装置異常状態についてはRAM333の払出装置異常フラグ格納エリアに払出装置異常フラグが格納されているか否かを判定することで行われる。
払出エラー状態である場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。払出エラー状態でない場合には、ステップS1904にて払出動作中か否かを判定する。具体的には、払出モータ257が停止中か否かを判定する。貸球状態フラグが格納されていない状況であって払出モータ257が動作中である状況は、賞球の払出が実行されている状況であることを意味する。つまり、ステップS1904では賞球動作中であるか否かを判定していると言える。また、払出動作中か否かを判定することは払出カウンタエリア376の値か0か否かを判定しているということもでき、さらには、少なくとも賞球記憶エリア375の値が0となっている場合に、払出動作が行われていないとされるともいうことができる。
払出動作中である場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。払出動作中でない場合には、ステップS1905にて貸球要求出力許可信号の出力状態を設定する。これにより、払出制御基板322のCPU331から球貸装置Yに貸球要求出力許可信号の出力が開始される。球貸装置Yでは、当該貸球要求出力許可信号を入力することによって、貸球状態信号がパチンコ機10に受信されたことを認識するとともに、当該貸球要求出力許可信号を入力している間は貸球要求信号の出力が許可されている状態であると認識する。その後、ステップS1906にてRAM333の貸球状態フラグ格納エリアに貸球状態フラグを格納した後に、本貸球設定処理を終了する。
すなわち、球貸しボタン37が操作されたことに基づいて球貸装置Yから貸球状態信号が出力されたとしても、払出エラー状態ではなく、かつ払出動作中でもなくなるまでは、パチンコ機10は貸球要求出力許可信号を球貸装置Yに出力しない。また、本実施形態では、球貸装置Yは貸球要求出力許可信号を入力するまで貸球状態信号を出力し続け、球貸装置Yは貸球要求出力許可信号を入力することによって貸球状態信号の出力を停止する。これにより、球貸しボタン37が操作された場合に、例えば、払出エラー状態であったとしても、その球貸しボタン37を操作したことが無効となってしまうことがなく、払出エラー状態が解消された場合にはその球貸しボタン37の操作に基づいた貸球の払出が開始されることとなる。
なお、払出エラー状態又は払出動作中(ステップS1903又はステップS1904のいずれかがYES)には球貸しボタン37の操作が無効にされてもよい。この場合、球貸しボタン37が操作されたことに基づいて球貸装置Yは球貸状態信号を一定期間に亘り出力し、その期間において貸球要求信号出力許可信号を球貸装置Yが入力しなかった場合に、その球貸しボタン37の操作が無効とすればよい。球貸しボタン37の操作が無効になったとしても、球貸装置Yに挿入されているカードに記憶されている金額が減少するわけではないため、球貸しボタン37の操作が無効になるとしても遊技者に不利益が発生しない。
ステップS1907〜ステップS1911の貸球状態中処理では、先ずステップS1907にて、球貸装置Yから貸球要求信号を入力しているか否かを判定する。貸球要求信号は球貸装置Yから貸球の払出を要求する場合に出力される信号であり、球貸装置Yは貸球要求許可信号を入力している場合に貸球要求信号を出力する。貸球要求信号を入力していない場合には、そのままステップS1909に進む。貸球要求信号を入力している場合には、ステップS1908にて、RAM333の貸球数記憶エリア375への加算処理を実行した後に、ステップS1909に進む。当該加算処理では、100円分に相当する25個に相当する貸球数の情報を貸球数記憶エリア375に加算する。つまり、球貸装置Yは、貸球状態においては球貸操作に応じて貸球要求信号を定期的に出力し、払出制御基板322のCPU331は貸球要求信号を入力するごとに予め定められた単位数に相当する貸球数の情報を貸球数記憶エリア375に加算する。なお、球貸装置Yに挿入中のカード等に記憶される残高金額は、ステップS1907及びステップS1908の処理が正常に行われたことに基づいて減算されて更新される。
ステップS1909では、球貸装置Yから終了信号を入力しているか否かを判定する。終了信号は、一の球貸操作が行われ貸球要求信号が5回出力された場合に出力される信号であり、一の球貸操作に対する貸球要求信号の出力が終了したことを払出制御基板322のCPU331において認識させるための信号である。終了信号を入力していない場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。終了信号を入力している場合には、ステップS1910にてRAM333の貸球状態フラグ格納エリアから貸球状態フラグを消去するとともに、ステップS1911にて貸球要求出力許可信号の出力停止状態を設定した後に、本貸球設定処理を終了する。
以上のように、払出制御基板322のCPU331は、球貸装置Yから貸球状態信号を入力した状況において、払出エラー状態でなく且つ払出動作中でない場合に、貸球状態に設定される。特に、払出動作中においては貸球状態への設定が行われないようにすることで、賞球の払出が実行されている間は仮に球貸操作装置36において球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることができる。
賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われた場合に当該球貸を優先させる構成を想定すると、払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されているにも関わらず、賞球の払出を停止させる必要が生じる。この場合に、パチンコ機10が電源遮断状態となると、既に説明したように払出制御基板322のRAM333に電断時用電力が供給されないことに伴って、賞球数の情報は消去されてしまう。その一方、球貸装置Yは独自に情報の電断時記憶保持機能を有しているため、賞球の払出が実行されている状況では球貸装置Yから貸球要求信号を入力しないようにすることで、貸球数の情報は球貸装置Yにて記憶保持され、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても貸球数の情報が消去されることはない。上記事情において、賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることで、賞球数の情報が実際に払い出されないまま消去されてしまうことが防止される。
<払出個数設定処理>
次に、ステップS1506の払出個数設定処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。払出個数設定処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374又は貸球数記憶エリア375に記憶されている情報を、遊技球の払出に際しての実行エリアであるRAM333の払出個数カウンタエリアに格納する処理が実行される。
払出個数設定処理では先ずステップS2001にて、払出設定時マスク処理を実行する。当該払出設定時マスク処理では、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が予め定められた払出時修正用賞球数以下となるように論理積の演算を実行する。
ここで、後述するように払出制御基板322のCPU331は、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下となることで賞球許可信号の出力を開始し、それに対する賞球コマンドを主制御基板301のCPU311から入力して賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が不許可基準数としての4個以上となることにより賞球許可信号の出力を停止する。また、本パチンコ機10では、1の入賞に対する最大賞球数は15個となっている。上記構成においては、賞球数記憶エリア374の上限賞球数は、許可基準数と入賞対応最大賞球数との和である18個となる。
但し、パチンコ機10においては様々なタイミングでノイズ等が発生する可能性があり、賞球設定処理(図40)にてRAM333の賞球数記憶エリア374に賞球数の情報を設定した後であってその賞球数分の遊技球の払出が完了する前の段階で賞球数記憶エリア374の情報が書き換えられてしまうおそれがある。そして、例えば、賞球数記憶エリア374の情報が本来は10個であったのに対して、131個などに書き換えられてしまった場合には遊技ホールに多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、ステップS2001の払出設定時マスク処理では、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が払出時修正用賞球数としての31個以下となるように論理積の演算を実行する。
具体的には、払出制御基板322のROM332には、賞球数記憶エリア374と同一のバイト単位である1バイトで構成された払出時修正用情報が予め記憶されている。払出時修正用情報は、「00011111」となっている。これを10進数で表すと「31」である。払出設定時マスク処理では、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報をCPU331におけるマスク処理用の専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報について上記払出時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を、賞球数記憶エリア374に記憶させる。
この場合、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が17個に相当する「00010001」である場合には、払出時修正用情報との論理積の演算結果は「00010001」となり17個のままである。また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が5個に相当する「00000101」である場合には、払出時修正用情報との論理積の演算結果は「00000101」となり5個のままである。このように賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持されるのは、上限賞球数である18個以下全てについて同様である。
一方、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がノイズ等の影響で書き換えられ、131個に相当する「10000011」となったとしても、払出時修正用情報との論理積の演算を行うことで「00000011」となる。
以上のように、払出個数カウンタエリア376への設定を行う場合に、ノイズの影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が払出時修正用情報を超えていたとしても、それを払出時修正用情報以下とすることができる。よって、遊技ホールが多大な不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、上限賞球数を超えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、払出時修正用情報と論理積の演算をした数となるため、遊技者が不利益を被ってしまうことも抑制できる。
ちなみに、タイマ割込み処理は払出制御基板322のCPU331により2msec毎に起動され、払出設定時マスク処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行される。したがって、払出設定時マスク処理は、2msec毎に実行されることとなる。つまり、払出設定時マスク処理は、定期的に実行されることとなる。また、遊技球の払出は基本的に60msec周期で実行されるのに対して、払出設定時マスク処理は上記のとおり2msec毎に実行される。したがって、遊技球が払い出される場合、1個の遊技球が払い出されるまでに払出設定時マスク処理は複数回実行されることとなり、ノイズの影響を良好に低減することができる。また、払出設定時マスク処理は、遊技球の払出が実行されている状況か否かに関係なく実行される。
払出個数設定処理の説明に戻り、続くステップS2002では、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作とは、タンク221に貯留されている遊技球をパチンコ機10外部に排出するための動作のことをいう。
ここで、球抜き動作の手順について説明する。先ず島設備からタンク221への補給を止める。その後、前扉枠14を開放状態とし、可変入賞装置83内に多数の遊技球を手で入れる。その後、前扉枠14を閉鎖状態とすることで、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311に賞球許可信号が出力されるのに応じて主制御基板301のCPU311から払出制御基板322のCPU331に賞球コマンドが出力され、払出装置224による遊技球の払出が実行される。
その後、タンク221に貯留されている遊技球が無くなることで、球無検知センサ223aから球無検知信号が出力され、払出装置224による遊技球の払出が停止される。この場合に、ケースレール223に設けられた球抜き操作スイッチ223bを操作することで、払出制御基板322のCPU331において球抜き状態に設定される。具体的には、RAM333の球抜き状態フラグ格納エリアに球抜き状態フラグを格納する。これにより、球無検知センサ223aから球無検知信号が出力されている状況であっても払出装置224による遊技球の払出が再開され、球抜き操作スイッチ223bよりも下流側であって払出装置224の払出モータ257の位置まで連なっている遊技球の排出が行われる。そして、当該遊技球の排出が行われることで、タンク221の球抜きが完了する。この際、球抜き状態の設定が解除される。すなわち、RAM333の球抜き状態フラグ格納エリアに格納されている球抜き状態フラグが消去される。
ステップS2002では、上記球抜き状態が設定されているか否かを判定する。球抜き状態が設定されていない場合には、ステップS2003にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態については既に説明したとおりである。払出エラー状態である場合には、そのまま本払出個数設定処理を終了する。これにより、払出エラー状態において遊技球の払出が実行されることが阻止される。
払出エラー状態でない場合には、ステップS2004にてリトライ動作中か否かを判定する。リトライ動作とは、払出装置224において遊技球の球詰まりが発生した場合などにおいて回転体256を通常とは逆に回転させたりする処理である。リトライ動作中である場合にはそのまま本払出個数設定処理を終了し、リトライ動作中でない場合にはステップS2005に進む。
ステップS2005では、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中とは、RAM333の貸球状態フラグ格納エリアに貸球状態フラグが格納されている状態、又はRAM333の貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されている状態のことをいう。貸球状態フラグが格納されている又は貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されている場合には、ステップS2006にて、貸球数記憶エリア375の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
一方、貸球状態フラグが格納されておらず且つ貸球数記憶エリア375に貸球数の情報が記憶されていない場合には、ステップS2007にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。また、ステップS2002において、球抜き状態が設定されている場合にも、ステップS2007にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の情報をRAM333の払出個数カウンタエリア376に更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
<払出制御処理>
次に、ステップS1507の払出制御処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。払出制御処理では、RAM333の払出個数カウンタエリア376に記憶されている情報に基づいて遊技球の払出を行う処理が実行される。
払出制御処理では先ずステップS2101にて、払出状態設定処理を実行する。ここで、払出状態設定処理について図44のフローチャートを参照しながら説明する。
払出状態設定処理では、先ずステップS2201にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態については既に説明したとおりである。払出エラー状態である場合には、ステップS2206にて、払出モータ257を停止状態に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。これにより、払出制御基板322のCPU331から払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、払出装置224による遊技球の払出が停止される。なお、既に遊技球の払出が停止されている場合にはその状態が維持される。
ステップS2201にて、払出エラー状態でない場合には、ステップS2202にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値が「0」か否かを判定する。払出個数カウンタエリア376の値が「0」である場合には、払出を実行すべき遊技球が存在しないことを意味するため、ステップS2206にて払出モータ257を停止状態に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。
ステップS2202にて、払出個数カウンタエリア376の値が「0」でない場合には、ステップS2203にて、RAM333のいずれかの低速フラグ格納エリアに低速フラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、満タン低速フラグ格納エリアに満タン低速フラグが格納されているか否かを判定し、球無低速フラグ格納エリアに球無低速フラグが格納されているか否かを判定し、賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されているか否かを判定する。
いずれの低速フラグも格納されていない場合には、ステップS2205にて、払出モータ257の払出速度を通常周期に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。払出モータ257の払出速度が通常周期に設定されることで、払出装置224から60msec毎に1個の遊技球が払い出される。なお、既に通常周期に設定されている場合にはその状態が維持される。
一方、いずれかの低速フラグが格納されている場合には、ステップS2204にて、払出モータ257の払出速度を低速周期に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。払出モータ257の払出速度が低速周期に設定されることで、払出装置224から800msec毎に1個の遊技球が払い出される。なお、既に低速周期に設定されている場合にはその状態が維持される。
払出制御処理(図43)の説明に戻り、ステップS2101にて払出状態設定処理を実行した後は、ステップS2102に進む。ステップS2102では、払出装置224の払出球検知センサ258にて遊技球を検知しているか否かを判定する。具体的には、払出球検知センサ258から払出球検知信号を入力しているか否かを判定する。この判定は、払出球検知信号の入力継続期間が払出検知継続期間に達しているか否かを判定することにより行われる。払出球検知信号を入力していない場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。払出球検知信号を入力している場合には、ステップS2103に進む。
ステップS2103では、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中でない場合には、ステップS2104〜ステップS2108の賞球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。一方、貸球動作中である場合には、ステップS2109〜ステップS2110の貸球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。
賞球用減算処理では、先ずステップS2104にて、RAM333の賞球数記憶エリア374の値を1減算し、続くステップS2105にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値を1減算する。その後、ステップS2106では、賞球数記憶エリア374の値が「2」以下か否かを判定する。「2」以下でない場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。「2」以下である場合には、ステップS2107にて、RAM333の賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグが格納されているか否かを判定する。賞球低速フラグが格納されている場合にはそのまま本払出制御処理を終了し、賞球低速フラグが格納されていない場合にはステップS2108にて賞球低速フラグ格納エリアに賞球低速フラグを格納した後に本払出制御処理を終了する。
また、貸球用減算処理では、先ずステップS2109にて、RAM333の貸球数記憶エリア375の値を1減算し、続くステップS2110にて、RAM333の払出個数カウンタエリア376の値を1減算した後に、本払出制御処理を終了する。
<賞球許可信号設定処理>
次に、ステップS1508の賞球許可信号設定処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。賞球許可信号設定処理では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力停止及び出力開始の設定を行う処理が実行される。
賞球許可信号設定処理では、先ずステップS2301にて、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下か否かを判定する。4個以上である場合には、ステップS2307にて賞球不許可状態(出力不許可状態)の設定をした後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球不許可状態の設定について具体的には、RAM333の賞球許可状態フラグ格納エリア(賞球許可情報記憶手段又は出力許可情報記憶手段)に賞球許可状態フラグ(賞球許可情報又は出力許可情報)が格納されている場合に、その賞球許可状態フラグを消去して、賞球許可信号の出力を停止する(賞球許可信号を出力するための出力手段からの賞球許可信号の出力を停止させる)。賞球許可状態フラグが消去されている状態では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力が停止され、その状態が維持される。
なお、本パチンコ機10では、賞球許可信号が出力されている状態がHIレベル信号の出力状態であるため、賞球許可信号の出力が停止されている状態はLOWレベル信号の出力状態となる。但し、賞球許可信号が出力されている状態がLOWレベル信号の出力状態とした場合には、賞球許可信号の出力が停止されている状態をHIレベル信号の出力状態としてもよい。さらには、賞球許可信号の出力が停止されている状態を、当該信号経路について何ら信号が出力されていない状態としてもよい。
一方、ステップS2301にて、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下である場合には、ステップS2302にて、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作中でない場合には、ステップS2303にて、払出エラー状態か否かを判定する。
払出エラー状態である場合には、ステップS2307にて賞球不許可状態を設定した後に本賞球許可信号設定処理を終了する。このように払出エラー状態である場合に賞球不許可状態を設定することで、払出エラー状態では賞球許可信号の出力が停止され、賞球コマンドの出力が禁止される。
既に説明したように、払出エラー状態では遊技球の払出が停止される。また、本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまう。したがって、払出エラー状態において賞球コマンドが出力されると、払出エラー状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、払出エラー状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
ステップS2303において、払出エラー状態でない場合には、ステップS2304にて、RAM333の満タン低速フラグ格納エリアに満タン低速フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2305では、RAM333の球無低速フラグ格納エリアに球無低速フラグが格納されているか否かを判定する。
満タン低速フラグ又は球無低速フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS2307にて賞球不許可状態を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。このように満タン低速状態又は球無低速状態である場合に賞球不許可状態を設定することで、満タン低速状態又は球無低速状態では賞球許可信号の出力が停止され、賞球コマンドの出力が禁止される。
既に説明したように、満タン低速状態又は球無低速状態は、その後、払出エラー状態となる可能性が高い場合にその前段階として設定される状態である。そして、払出エラー状態では遊技球の払出が停止される。また、本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出制御基板322のRAM333に記憶されている情報は消去されてしまう。したがって、払出エラー状態において賞球コマンドが出力されると、払出エラー状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、払出エラー状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成のように、払出エラー状態となる可能性が高いと判定した段階で、賞球許可信号の出力を停止して賞球コマンドの出力を禁止することで、払出エラー状態となる前に賞球コマンドの出力を禁止することができ、上記のような不都合が発生する可能性が飛躍的に低減される。
ステップS2304にて満タン低速フラグが格納されておらず、さらにはステップS2305にて球無低速フラグが格納されていない場合には、ステップS2306にて賞球許可状態(出力許可状態)を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。また、ステップS2303にて球抜き動作中である場合にも、ステップS2306にて賞球許可状態を設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球許可状態の設定について具体的には、RAM333の賞球許可状態フラグ格納エリアに賞球許可状態フラグが格納されていない場合に、賞球許可状態フラグを格納し、賞球許可信号の出力を開始する(賞球許可信号を出力するための出力手段からの賞球許可信号の出力を開始させる)。賞球許可状態フラグが格納されている状態では、払出制御基板322のCPU331から主制御基板301のCPU311への賞球許可信号の出力が開始され、その状態が維持される。つまり、球抜き動作中でない状態においては、RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下であり、さらには払出エラー状態、満タン低速状態及び球無低速状態でない場合に、賞球許可信号の出力が継続される。
<賞球許可信号に対する賞球コマンドの出力の様子について>
次に、賞球許可信号に対する賞球コマンドの出力の様子について、図46のタイムチャートを参照して説明する。なお、以下のタイムチャートを用いた説明では、主制御基板301のCPU311を主側CPU311といい、払出制御基板322のCPU331を払出側CPU331という。また、主制御基板301のRAM313を主側RAM313といい、払出制御基板322のRAM333を払出側RAM333という。また、図46を用いた説明においては、説明の便宜上、複数種ある入賞のうち4個賞球に対応した入賞のみが発生するものとする。
先ず、単発的に入賞が発生する場合について説明する。
払出側CPU331から主側CPU311に既に賞球許可信号が出力されている状況において、t1のタイミングで入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に4個の賞球数の情報が記憶されて許可基準数を超えること(不許可基準数に達すること)により賞球許可信号の出力が停止されるとともに、遊技球の払出が開始される。
その後、t2のタイミングで1個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となる。これにより、賞球許可信号の出力が開始される。その後、t3のタイミングで1個の遊技球の払出がさらに実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は切換基準数の2個となる。これにより、払出モータ257の払出速度がそれまでの通常周期から低速周期に切り換えられる。その後、t4のタイミングまでに2個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は0個となる。これにより、払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、賞球の払出が終了される。
次に、単発的な入賞が発生した後に、払出モータ257の払出速度が低速周期である状況で再度、入賞が発生する場合について説明する。
払出側CPU331から主側CPU311に既に賞球許可信号が出力されている状況において、t5のタイミングで入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に4個の賞球数の情報が記憶されて許可基準数を超えることにより賞球許可信号の出力が停止されるとともに、遊技球の払出が開始される。
その後、t6のタイミングで1個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となる。これにより、賞球許可信号の出力が開始される。その後、t7のタイミングで1個の遊技球の払出がさらに実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は切換基準数の2個となる。これにより、払出モータ257の払出速度がそれまでの通常周期から低速周期に切り換えられる。
その後、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が0個とならない範囲内であるt8のタイミングで、新たな入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に4個の賞球数の情報が記憶されて許可基準数を超えることにより賞球許可信号の出力が停止されるとともに、切換基準数を超えることにより払出モータ257の払出速度が低速周期から通常周期に復帰される。
次に、入賞が連続して発生した場合について説明する。
上記のようにt8のタイミングで、新たな入賞が発生することにより、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。これにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は、それまで記憶されていた賞球数に対して新たな賞球数が加算されることで5個となる。
その後、t9のタイミングまでに2個の遊技球の払出が実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となる。これにより、賞球許可信号の出力が開始される。この場合に、t9のタイミングまでに入賞が連続して発生しており、主側RAM313には4個賞球の情報が複数記憶されている。その後、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングであるt10のタイミングで、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。また、t11のタイミングで払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。その後、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングであるt12のタイミングで、主側CPU311から払出側CPU331に4個賞球コマンドが出力される。
つまり、主側RAM313に既に賞球情報が記憶されている状況において、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となり賞球許可信号の出力が開始された場合には、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングで主側CPU311から払出側CPU331に賞球コマンドが出力され、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数を超えることとなる。
これは以下の理由による。払出モータ257の通常周期による払出速度は60msec間隔で1個の遊技球の払出が実行されるように設定されている。これに対して、払出側CPU331において、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となり賞球許可信号の出力が開始されるまでに要する時間は、タイマ割込み処理の実行時間の範囲内である2msecの範囲内である。また、主側CPU311において、賞球許可信号の入力に基づいて賞球コマンドの出力が許可されていると特定される賞球コマンドが出力されるまでに要する時間は20msec〜24msecの範囲内である。また、払出側CPU331において、主側CPU311から賞球コマンドを入力し、その賞球コマンドに対応した賞球数の情報が払出側RAM333に加算されるまでに要する時間は、タイマ割込み処理の実行時間の範囲内である2msecの範囲内である。その他、賞球許可信号及び賞球コマンドの伝送に要する時間や処理時間の誤差等を含めても、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となってから、その後の賞球コマンドの入力により払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数を超えるまでに要する時間は最大でも40msec程度である。これは1個の遊技球の払出が実行されるまでに要する時間である60msecよりも短い。すなわち、主側RAM313に既に賞球情報が記憶されている状況において賞球許可信号の出力が開始された場合には、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングで賞球コマンドが出力され払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数を超えるように、主側CPU311及び払出CPU331における賞球に関する処理時間が設定されている。
また、以上のような構成において、払出側CPU331から主側CPU311への賞球許可信号の出力開始契機となる許可基準数は、払出モータ257の払出速度を通常周期から低速周期へ切り換える契機となる切換基準数よりも、遊技球1個分多く設定されている。これにより、主側RAM313に賞球情報が複数記憶されている状況においては、それら賞球情報に対応した各賞球コマンドの出力が全て実行されるまでは、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が切換基準数に達することはない。よって、払出側CPU331から主側CPU311へ賞球許可信号を出力するとともに、それに対して主側CPU311から払出側CPU331へ1回の入賞に対応した1個の賞球コマンドのみを出力するようにした構成において、主側RAM313に賞球情報が記憶されているにも関わらず払出モータ257の払出速度が通常周期から低速周期に切り換えられてしまうことを防止することができ、遊技球の払出を円滑に行うことができる。
図46の説明に戻り、その後、t13のタイミングで払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。また、t14のタイミングで1個の遊技球の払出がさらに実行されることにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は切換基準数の2個となり、払出モータ257の払出速度がそれまでの通常周期から低速周期に切り換えられる。その後、t15のタイミングで払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は0個となり、払出モータ257への駆動信号の出力が停止され、賞球の払出が終了される。
<所定制限状況に対する賞球許可信号の出力の様子について>
次に、下皿34の満タン状態やタンク221の球無状態といった所定制限状況に対する賞球許可信号の出力の様子について、図47のタイムチャートを参照して説明する。
先ず、下皿34の満タン状態による所定制限状況に対する賞球許可信号の出力の様子について説明する。
払出モータ257が通常周期の払出速度で遊技球の払出を実行している状況において、t21のタイミングで満タン検知センサ59の検知範囲内に遊技球が待機し、満タン検知センサ59からの満タン検知信号の出力が開始される。但し、この時点では払出モータ257における通常周期の払出速度での遊技球の払出は継続される。その後、t22のタイミングで、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。
その後、t23のタイミングで、満タン検知信号の出力継続期間が第2満タン特定基準期間である約0.8secに達することで、払出モータ257の払出速度が通常周期から低速周期に切り換えられるとともに、賞球許可信号の出力が停止される。その後、t24のタイミングで、満タン検知信号の出力継続期間が第1満タン特定基準期間である約1.7secに達することで、払出モータ257への駆動信号の出力が停止されて遊技球の払出が停止される。
上記のように第1満タン特定基準期間が経過した場合ではなくそれよりも短い第2満タン特定基準期間が経過した場合に賞球許可信号の出力を停止することにより、下皿34が満タン状態となる可能性が高いと判定された段階で賞球許可信号の出力が停止されることとなる。下皿34の満タン状態において賞球コマンドが出力されると、下皿34の満タン状態では遊技球の払出が実行されないため、満タン状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、下皿34が満タン状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成のように、下皿34が満タン状態となる可能性が高いと判定された段階で、賞球許可信号の出力が停止され賞球コマンドの出力が禁止されることで、上記のような不都合が発生する可能性を飛躍的に低減することができる。
また、満タン検知信号の出力継続期間が第2満タン特定基準期間に達し、賞球コマンドが出力されないように規制されたとしても、低速周期での遊技球の払出は継続される。これにより、第2満タン特定基準期間の経過後から第1満タン特定基準期間が経過するまでは、新たな賞球コマンドが出力されない状況において遊技球の払出が行われる期間となる。よって、第2満タン特定基準期間が経過した時点で払出側RAM333に賞球数情報が記憶されている場合には、遊技球の払出が停止される前までにその賞球数情報に対応した遊技球数を極力少なくすることが可能となる。
なお、払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶される上限賞球数は、既に説明したように、「18」となっている。一方、払出装置224の低速周期では、800msec間隔で遊技球が払い出されるのに対して、第1満タン特定基準期間と第2満タン特定基準期間との差は、900msecとなっている。したがって、賞球数記憶エリア374に上限賞球数に対応した賞球数情報が記憶されている場合には、第2満タン特定基準期間の経過後から第1満タン特定基準期間が経過するまでの間に、その賞球数の全てが払い出されることはない。
その後、t25のタイミングで、下皿34の満タン状態が解除されて、満タン検知信号の出力が停止される。但し、この時点では払出モータ257への駆動信号の出力は再開されず、さらには賞球許可信号の出力も再開されない。その後、t26のタイミングで、出力停止継続期間が満タン解除特定基準期間である約0.5secに達することで、払出モータ257の払出速度が通常周期に設定され遊技球の払出が再開されるとともに、賞球許可信号の出力も再開される。
このように満タン検知信号の出力が停止されたとしても即座に満タン状態が解除されたと特定するのではなく、満タン解除特定基準期間が経過することで満タン状態が解除されたと特定することにより、ノイズなどの影響で実際には満タン検知センサ59の検知範囲に遊技球が待機しているのに満タン状態が解除されたと判定されないようにことができる。
また、下皿34の満タン状態が発生するとそれが解消されたとしても直後に満タン状態となってしまうことが考えられる。この場合に、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止を繰り返すと、大きな駆動力を要し好ましくない。これに対して、満タン検知センサ59からの満タン検知信号の出力が停止されてから満タン解除特定基準期間が経過するまで、払出モータ257の駆動を開始しないようにすることで、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返される可能性が低減される。
また、満タン状態が解除された直後に賞球許可信号が出力され、それに応じて賞球コマンドが出力されると、その賞球コマンドに対応した賞球数情報が全て払い出される前のタイミングで、下皿34の満タン状態が再度発生してしまうおそれがある。そして、この状態で電源が遮断されると、その賞球数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、満タン検知センサ59からの満タン検知信号の出力が停止されてから満タン解除特定基準期間が経過するまで賞球許可信号の出力停止を維持するように規制された状態を解除しないようにすることで、上記のような状況が発生する可能性が低減される。
次に、下皿34が満タン状態でない状況において満タン状態となる可能性があると判定された場合における賞球許可信号の出力の様子について説明する。
払出モータ257が通常周期の払出速度で遊技球の払出を実行している状況において、t27のタイミングで満タン検知センサ59からの満タン検知信号の出力が開始される。その後、t28のタイミングで、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。
その後、t29のタイミングで、満タン検知信号の出力継続期間が第2満タン特定基準期間である約0.8secに達することで、払出モータ257の払出速度が通常周期から低速周期に切り換えられるとともに、賞球許可信号の出力が停止される。その後、満タン検知信号の出力継続期間が第1満タン特定基準期間に達しない範囲内であるt30のタイミングで満タン検知信号の出力が停止される。これにより、払出モータ257の払出速度が通常周期に設定され遊技球の払出が再開されるとともに、賞球許可信号の出力も再開される。
つまり、下皿34が満タン状態となる可能性が高いと判定された段階で賞球許可信号の出力が停止されたとしても、下皿34が満タン状態となる可能性がないと判定された段階で賞球許可信号の出力が再開される。よって、上記構成において、賞球コマンドの出力禁止期間が極端に長くなってしまうことが抑制される。
次に、タンク221の球無状態による所定制限状況に対する賞球許可信号の出力の様子について説明する。
払出モータ257が通常周期の払出速度で遊技球の払出を実行している状況において、t31のタイミングで球無検知センサ223aの検知範囲内に遊技球が存在しなくなり、球無検知センサ223aからの球無検知信号の出力が開始される。但し、この時点では払出モータ257における通常周期の払出速度での遊技球の払出は継続される。その後、t32のタイミングで、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。
その後、t33のタイミングで、球無検知信号の出力継続期間が第2球無特定基準期間である約1.0secに達することで、払出モータ257の払出速度が通常周期から低速周期に切り換えられるとともに、賞球許可信号の出力が停止される。その後、t34のタイミングで、球無検知信号の出力継続期間が第1球無特定基準期間である約10secに達することで、払出モータ257への駆動信号の出力が停止されて遊技球の払出が停止される。
上記のように第1球無特定基準期間が経過した場合ではなくそれよりも短い第2球無特定基準期間が経過した場合に賞球許可信号の出力を停止することにより、タンク221が球無状態となる可能性が高いと判定された段階で賞球許可信号の出力が停止されることとなる。タンク221の球無状態において賞球コマンドが出力されると、タンク221の球無状態では遊技球の払出が実行されないため、球無状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、タンク221が球無状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成のように、タンク221が球無状態となる可能性が高いと判定された段階で、賞球許可信号の出力が停止され賞球コマンドの出力が禁止されることで、上記のような不都合が発生する可能性を飛躍的に低減することができる。
また、球無検知信号の出力継続期間が第2球無特定基準期間に達し、賞球コマンドが出力されないように規制されたとしても、低速周期での遊技球の払出は継続される。これにより、第2球無特定基準期間の経過後から第1球無特定基準期間が経過するまでは、新たな賞球コマンドが出力されない状況において遊技球の払出が行われる期間となる。よって、第2球無特定基準期間が経過した時点で払出側RAM333に賞球数情報が記憶されている場合には、遊技球の払出が停止される前までにその賞球数情報に対応した遊技球数を極力少なくすることが可能となる。
なお、払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶される上限賞球数は、既に説明したように、「18」となっている。一方、払出装置224の低速周期では、800msec間隔で遊技球が払い出されるのに対して、第1球無特定基準期間と第2球無特定基準期間との差は、9secとなっている。したがって、賞球数記憶エリア374に上限賞球数に対応した賞球数情報が記憶されている場合には、第2球無特定基準期間の経過後から第1球無特定基準期間が経過するまでの間に、その賞球数の全てが払い出されることはない。
その後、t35のタイミングで、タンク221の球無状態が解除されて、球無検知信号の出力が停止される。但し、この時点では払出モータ257への駆動信号の出力は再開されず、さらには賞球許可信号の出力も再開されない。その後、t36のタイミングで、出力停止継続期間が球無解除特定基準期間である約3.0secに達することで、払出モータ257の払出速度が通常周期に設定され遊技球の払出が再開されるとともに、賞球許可信号の出力も再開される。
このように球無検知信号の出力が停止されたとしても即座に球無状態が解除されたと特定するのではなく、球無解除特定基準期間が経過することで球無状態が解除されたと特定することにより、ノイズなどの影響で実際には球無検知センサ223aの検知範囲に遊技球が待機していないのに球無状態が解除されたと判定されないようにことができる。
また、タンク221の球無状態が発生するとそれが解消されたとしても直後に球無状態となってしまうことが考えられる。この場合に、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止を繰り返すと、大きな駆動力を要し好ましくない。これに対して、球無検知センサ223aからの球無検知信号の出力が停止されてから球無解除特定基準期間が経過するまで、払出モータ257の駆動を開始しないようにすることで、払出モータ257の駆動開始及び駆動停止が繰り返される可能性が低減される。
また、球無状態が解除された直後に賞球許可信号が出力され、それに応じて賞球コマンドが出力されると、その賞球コマンドに対応した賞球数情報が全て払い出される前のタイミングで、タンク221の球無状態が再度発生してしまうおそれがある。そして、この状態で電源が遮断されると、その賞球数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、球無検知センサ223aからの球無検知信号の出力が停止されてから球無解除特定基準期間が経過するまで賞球許可信号の出力停止を維持するように規制された状態を解除しないようにすることで、上記のような状況が発生する可能性が低減される。
次に、タンク221が球無状態でない状況において球無状態となる可能性があると判定された場合における賞球許可信号の出力の様子について説明する。
払出モータ257が通常周期の払出速度で遊技球の払出を実行している状況において、t37のタイミングで球無検知センサ223aからの球無検知信号の出力が開始される。その後、t38のタイミングで、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報は許可基準数の3個となり、賞球許可信号の出力が開始される。
その後、t39のタイミングで、球無検知信号の出力継続期間が第2球無特定基準期間である約1.0secに達することで、払出モータ257の払出速度が通常周期から低速周期に切り換えられるとともに、賞球許可信号の出力が停止される。その後、球無検知信号の出力継続期間が第1球無特定基準期間に達しない範囲内であるt40のタイミングで球無検知信号の出力が停止される。その後、t41のタイミングで、出力停止継続期間が球無解除特定基準期間である約3.0secに達することで、払出モータ257の払出速度が通常周期に設定され遊技球の払出が再開されるとともに、賞球許可信号の出力も再開される。
<満タン状態で電力供給が開始された場合の賞球情報の取り扱いについて>
次に、下皿34が満タン状態で外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始された場合の賞球情報の取り扱いについて、図48のタイムチャートを参照して説明する。
先ず、主側CPU311において立ち上げ処理後の待機処理がある場合について、図48(a)を参照して説明する。
t51のタイミングで、外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されることで、主側CPU311及び払出側CPU331のそれぞれにおいて立ち上げ処理が開始される。その後、t52のタイミングで、払出側CPU331の立ち上げ処理が完了する。この場合、下皿34が満タン状態で外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されているため、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していることが払出側CPU331において特定される。但し、この時点では、満タン検知信号を入力していることを払出側CPU331において特定した段階であるため、賞球許可信号の出力が開始される。
その後、t53のタイミングで、主側CPU311の立ち上げ処理が完了する。但し、主側CPU311ではこの時点から1sec経過するまで各種処理の実行を開始することなく待機する。その後、主側CPU311において各種処理の実行を開始することなく待機している状況であるt54のタイミングで、払出側CPU331において満タン検知信号の出力継続期間が第2満タン特定基準期間である約0.8secに達することで、賞球許可信号の出力が停止される。
その後、t55のタイミングで、主側CPU311において立ち上げ処理後から1sec経過することで、各種処理の実行を開始する。但し、既に賞球許可信号の出力が停止されているため、主側RAM313に賞球情報が記憶されていたとしても、賞球コマンドの出力は行われず、払出側RAM333への賞球数の情報の記憶は行われない。その後、t56のタイミングで、電源が遮断状態となる。
上記のとおり、本構成によれば、下皿34が満タン状態で電源が投入され、その後の比較的早い段階で電源が遮断されたとしても、賞球コマンドの出力は行われないため、実際に遊技球の払出が実行されないまま賞球情報が消去されてしまうという不都合が発生することが防止される。これは、主側CPU311において立ち上げ処理後から1sec経過するまで各種処理の実行を開始することなく待機するようにしたことによる。なお、下皿34が満タン状態で電源が投入され、その後の比較的早い段階で電源が遮断される場合や、それが繰り返される場合としては、電源スイッチのON・OFF操作が繰り返し行われる場合や、ノイズにより上記状態が擬似的に発生する場合が考えられる。また、本構成においては、主側CPU311において立ち上げ処理が完了するタイミングを払出側CPU331において立ち上げ処理が開始するタイミングと同一としてもよく、0.2secの範囲内において主側CPU311の方が早く完了する構成としてもよい。
ここで、主側CPU311において上記のような待機処理がない場合について、図48(b)を参照して説明する。
t61のタイミングで、外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されることで、主側CPU311及び払出側CPU331のそれぞれにおいて立ち上げ処理が開始される。その後、t62のタイミングで、払出側CPU331の立ち上げ処理が完了する。この場合、下皿34が満タン状態で外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されているため、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力していることが払出側CPU331において特定される。但し、この時点では、満タン検知信号を入力していることを払出側CPU331において特定した段階であるため、賞球許可信号の出力が開始される。
その後、t63のタイミングで、主側CPU311の立ち上げ処理が完了する。この場合、主側CPU311において各種処理の実行が開始される。そして、主側RAM313に賞球情報が記憶されている状況において払出側CPU331から賞球許可信号を入力していることにより、t64のタイミングで、主側CPU311から払出側CPU331に賞球コマンドが出力される。これにより、払出側CPU331では、賞球許可信号の出力を停止するとともに、払出側RAM333に賞球数の情報を記憶させる。
その後、t65のタイミングで、払出側RAM333に賞球数の情報が記憶されている状況において電源が遮断状態となる。そうすると、払出側RAM333には電断時用電力が供給されないため、払出側RAM333に記憶されていた賞球数の情報は実際に遊技球の払出が実行されることなく消去される。そして、t66のタイミングからt67のタイミングのように、t61のタイミングからt65のタイミングの動作が繰り返されることにより、主側RAM313に記憶されていた賞球情報は実際に遊技球の払出が実行されることなく繰り返し消去されていく。この場合、遊技者に多大な不利益を及ぼしてしまう。これに対して、本パチンコ機10では、既に説明したように図48(a)に示す態様であるため、上記のような不都合が発生することが防止されている。
<球無状態で電力供給が開始された場合の賞球情報の取り扱いについて>
次に、タンク221が球無状態で外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始された場合の賞球情報の取り扱いについて、図49のタイムチャートを参照して説明する。
先ず、主側CPU311において立ち上げ処理後の待機処理がある場合について、図49(a)を参照して説明する。
t71のタイミングで、外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されることで、主側CPU311及び払出側CPU331のそれぞれにおいて立ち上げ処理が開始される。その後、t72のタイミングで、払出側CPU331の立ち上げ処理が完了する。この場合、タンク221が球無状態で外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されているため、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力していることが払出側CPU331において特定される。但し、この時点では、球無検知信号を入力していることを払出側CPU331において特定した段階であるため、賞球許可信号の出力が開始される。
その後、t73のタイミングで、主側CPU311の立ち上げ処理が完了する。但し、主側CPU311ではこの時点から1sec経過するまで各種処理の実行を開始することなく待機する。その後、主側CPU311において各種処理の実行を開始することなく待機している状況であるt74のタイミングで、払出側CPU331において球無検知信号の出力継続期間が第2球無特定基準期間である約1.0secに達することで、賞球許可信号の出力が停止される。
その後、t75のタイミングで、主側CPU311において立ち上げ処理後から1sec経過することで、各種処理の実行を開始する。但し、既に賞球許可信号の出力が停止されているため、主側RAM313に賞球情報が記憶されていたとしても、賞球コマンドの出力は行われず、払出側RAM333への賞球数の情報の記憶は行われない。その後、t76のタイミングで、電源が遮断状態となる。
上記のとおり、本構成によれば、タンク221が球無状態で電源が投入され、その後の比較的早い段階で電源が遮断されたとしても、賞球コマンドの出力は行われないため、実際に遊技球の払出が実行されないまま賞球情報が消去されてしまうという不都合が発生することが防止される。これは、主側CPU311において立ち上げ処理が完了するタイミングを払出側CPU331において立ち上げ処理が完了するタイミングよりも後としたともに、主側CPU311において立ち上げ処理後から1sec経過するまで各種処理の実行を開始することなく待機するようにしたことによる。
ここで、主側CPU311において上記のような待機処理がない場合について、図49(b)を参照して説明する。
t81のタイミングで、外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されることで、主側CPU311及び払出側CPU331のそれぞれにおいて立ち上げ処理が開始される。その後、t82のタイミングで、払出側CPU331の立ち上げ処理が完了する。この場合、タンク221が球無状態で外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されているため、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力していることが払出側CPU331において特定される。但し、この時点では、球無検知信号を入力していることを払出側CPU331において特定した段階であるため、賞球許可信号の出力が開始される。
その後、t83のタイミングで、主側CPU311の立ち上げ処理が完了する。この場合、主側CPU311において各種処理の実行が開始される。そして、主側RAM313に賞球情報が記憶されている状況において払出側CPU331から賞球許可信号を入力していることにより、t84のタイミングで、主側CPU311から払出側CPU331に賞球コマンドが出力される。これにより、払出側CPU331では、賞球許可信号の出力を停止するとともに、払出側RAM333に賞球数の情報を記憶させる。
その後、t85のタイミングで、払出側RAM333に賞球数の情報が記憶されている状況において電源が遮断状態となる。そうすると、払出側RAM333には電断時用電力が供給されないため、払出側RAM333に記憶されていた賞球数の情報は実際に遊技球の払出が実行されることなく消去される。そして、t86のタイミングからt87のタイミングのように、t81のタイミングからt85のタイミングの動作が繰り返されることにより、主側RAM313に記憶されていた賞球情報は実際に遊技球の払出が実行されることなく繰り返し消去されていく。この場合、遊技者に多大な不利益を及ぼしてしまう。これに対して、本パチンコ機10では、既に説明したように図49(a)に示す態様であるため、上記のような不都合が発生することが防止されている。
<前扉枠14が開放状態で電力供給が開始された場合の賞球情報の取り扱いについて>
次に、前扉枠14が開放状態で外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始された場合の賞球情報の取り扱いについて、図50のタイムチャートを参照して説明する。
先ず、主側CPU311において、払出側CPU331の賞球許可信号を入力してから賞球コマンドの出力が許可されていると特定するまでの期間(出力許可基準期間)が、前扉枠開放スイッチ78の前扉枠開放信号を入力してから前扉枠14が開放状態であると特定するまでの期間(開放特定基準期間)よりも長い場合について、図50(a)を参照して説明する。
t91のタイミングで、外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されることで、主側CPU311において立ち上げ処理が開始されるとともに立ち上げ処理後には待機処理が実行される。その後、t92のタイミングで、主側CPU311において立ち上げ処理後から1sec経過することで、各種処理の実行を開始する。この場合、払出側CPU331から既に賞球許可信号が出力されているため、出力許可基準期間の計測が開始される。また、今回は前扉枠14が開放状態で電源投入がなされているため、開放特定基準期間の計測が開始される。
その後、t93のタイミングで、出力許可基準期間及び開放特定基準期間のうち、開放特定基準期間の計測が完了することで、主側CPU311において賞球コマンドの出力不可状態となる。その後、t94のタイミングで、出力許可基準期間の計測が完了する。但し、既にt93のタイミングにおいて賞球コマンドの出力不可状態となっているため、主側RAM313に賞球情報が記憶されていたとしても賞球コマンドの出力は行われず、払出側RAM333への賞球数の情報の記憶は行われない。その後、t95のタイミングで、電源が遮断状態となる。
上記のとおり、本構成によれば、前扉枠14が開放状態で電源が投入され、その後の比較的早い段階で電源が遮断されたとしても、賞球コマンドの出力は行われないため、実際に遊技球の払出が実行されないまま賞球情報が消去されてしまうという不都合が発生することが防止される。これは、出力許可基準期間を開放特定基準期間よりも長く設定したことによる。
ここで、主側CPU311において、出力許可基準期間が開放特定基準期間よりも短い場合について、図50(b)を参照して説明する。
t101のタイミングで、外部電源からパチンコ機10へ電力供給が開始されることで、主側CPU311において立ち上げ処理が開始されるとともに立ち上げ処理後には待機処理が実行される。その後、t102のタイミングで、主側CPU311において立ち上げ処理後から1sec経過することで、各種処理の実行が開始される。この場合、払出側CPU331から既に賞球許可信号が出力されているため、出力許可基準期間の計測が開始される。また、今回は前扉枠14が開放状態で電源投入がなされているため、開放特定基準期間の計測が開始される。
その後、t103のタイミングで、出力許可基準期間及び開放特定基準期間のうち、出力許可基準期間の計測が完了することで、主側CPU311から払出側CPU331へ賞球コマンドが出力される。その後、t104のタイミングで、開放特定基準期間の計測が完了することで、主側CPU311において賞球コマンドの出力不可状態となる。また、この場合、主側CPU311から払出側CPU331へ前扉枠開放コマンドが出力されることで、払出側CPU331において遊技球の払出不可状態となる。したがって、t103のタイミングで出力された賞球コマンドに基づく遊技球の払出は停止され、払出側RAM333において賞球数の情報が記憶された状態が維持される。
その後、t105のタイミングで、払出側RAM333に賞球数の情報が記憶されている状況において電源が遮断状態となる。そうすると、払出側RAM333には電断時用電力が供給されないため、払出側RAM333に記憶されていた賞球数の情報は実際に遊技球の払出が実行されることなく消去される。そして、t106のタイミングからt107のタイミングのように、t101のタイミングからt105のタイミングの動作が繰り返されることにより、主側RAM313に記憶されていた賞球情報は払出側RAM333に賞球数の情報として記憶され、実際に遊技球の払出が実行されることなく繰り返し消去されていく。この場合、遊技者に多大な不利益を及ぼしてしまう。これに対して、本パチンコ機10では、既に説明したように図50(a)に示す態様であるため、上記のような不都合が発生することが防止されている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電源及び発射制御基板321の電断時用電源部321cからの電力を、主側RAM313に供給するが、払出側RAM333には供給しないようにした。これにより、電断時用電源部321cの小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出側RAM333に記憶されている情報は全て消去されてしまう。これに対して、未払出の賞球情報は基本的に主側RAM313に記憶し、主側CPU311は払出側CPU331から賞球許可信号を入力している場合に当該CPU331に対して一の入賞に対応した賞球コマンドを出力するようにした。そして、払出側CPU331では、入力した賞球コマンドに対応した賞球数の情報を払出側RAM333に記憶し、当該払出側RAM333に記憶された賞球数の情報に基づいて払出装置224を駆動制御するようにした。これにより、未払出の賞球数が多数ある場合には、その一部のみが払出側RAM333に記憶され、残りが主側RAM313にて記憶されることとなる。よって、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電源が遮断されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。
ちなみに、払出側RAM333に賞球数の情報を記憶させずに、主側RAM313に記憶した賞球数の情報を払出装置224により遊技球の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主側CPU311の処理負荷が極端に高められてしまい、主側CPU311とは別に払出側CPU331を設けることで主側CPU311の処理負荷を低減するようにした効果が消失してしまう。これに対して、本実施の形態における構成によれば、主側CPU311とは別に払出側CPU331を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が許可基準数となることで払出側CPU331から主側CPU311への賞球許可信号の出力を開始し、賞球コマンドの出力許可状態に設定するようにした。これにより、払出側RAM333への賞球数の情報の補充が円滑に行われ、それに伴って遊技球の払出が円滑に行われる。
また、払出側RAM333に記憶されている賞球数が許可基準数に達している場合に賞球コマンドが出力され許可基準数を超えた場合(不許可基準数に達した場合)には、払出側CPU331から主側CPU311への賞球許可信号の出力を停止し、出力不許可状態に設定するようにした。これにより、未払出の賞球数は、その一部が払出側RAM333に記憶され、残りが主側RAM313に記憶される。よって、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10の電源が遮断された際に消去されてしまう賞球数を少なくすることが可能となる。
また、許可基準数を1以上の数である「3」に設定したことにより、払出側RAM333に記憶されている賞球数が「0」となってしまう前のタイミングで出力許可状態とすることができる。また、主側RAM313に既に賞球情報が記憶されている状況において賞球許可信号の出力が開始された場合には、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングで主側CPU311から払出側CPU331に賞球コマンドが出力され、払出側RAM333に記憶されている賞球数が許可基準数を超えるようにした。これにより、例えば、遊技球の払出が実行されている状況において、新たな入賞が発生した場合には、払出側RAM333に記憶されている賞球数の払出が全て完了する前のタイミングで、主側CPU311から賞球コマンドを出力し払出側RAM333に新たな賞球数を加算することが可能となる。よって、遊技球の払出を連続的なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
特に、本パチンコ機10では、節電のために払出側RAM333に記憶されている賞球数が「0」となった場合には払出装置224を停止するようにしている。この場合に、主側RAM313に賞球情報が記憶されている状況において遊技球の払出が連続的に行われないとすると、払出装置224の駆動開始及び駆動停止を繰り返し行う必要が生じる。そうすると、払出装置224の駆動開始には払出装置224の駆動状態を維持する場合よりも大きな駆動力を必要とするため好ましくない。これに対して、主側RAM313に賞球情報が記憶されている状況においては上記のとおり遊技球の払出が連続的なものとなるため、払出装置224の駆動開始及び駆動停止を繰り返し行われる可能性が低減される。
その一方、許可基準数を、入賞に対する賞球個数として複数種類設定された賞球個数のうち最小の賞球個数以下とした。これにより、上記のように遊技球の払出を連続的なものとした構成において、払出側RAM333に記憶される賞球数を極力少なくすることが可能となる。よって、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10の電源が遮断された際に消去されてしまう賞球数を極力少なくすることが可能となる。
さらに、賞球情報に対応した遊技球の払出が開始された場合には、主側RAM313に記憶されている賞球情報及び払出側RAM333に記憶されている賞球数に対応した遊技球の払出が全て行われることとなる。また、賞球情報に対応した遊技球の払出が行われている場合には貸球要求信号を入力しない。これらにより、賞球情報に対応した遊技球の払出が開始され、主側RAM313に賞球情報が記憶されている場合には、当該賞球情報に基づいた遊技球の払出が全て行われるまで貸球要求信号が入力されない。仮に、払出制御基板322のCPU331において賞球コマンド及び貸球要求信号の入力が同時に行なわれた場合、払出側RAM333の貸球数記憶エリア375及び賞球数記憶エリア374の両方に遊技球を払い出すべく情報が記憶されてしまい、電源遮断状態となった場合に貸球数記憶エリア375及び賞球数記憶エリア374の両方の情報が消去されてしまうこととなる。上記実施の形態によれば、賞球情報に対応した遊技球の払出が開始された場合には、主側RAM313に記憶されている賞球情報及び払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報に対応した遊技球の払出が全て行われるため、払出制御基板322のCPU331が賞球コマンドを入力しなくなった後に貸球要求信号を入力するともいえる。よって、払出制御基板322のCPU331が賞球コマンドと貸球要求信号とを同時に入力することを抑制することが可能となる。
払出制御基板322のCPU331は、球貸装置Yから貸球状態信号を入力している状況において、払出動作中でない場合に貸球状態に設定される。特に、払出動作中においては貸球状態への設定が行われないようにすることで、賞球の払出が実行されている間は仮に球貸操作装置36において球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることができる。
賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われた場合に当該球貸操作に基づいた遊技球の払出を優先させる構成を想定すると、払出制御基板322のRAM333の賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されているにも関わらず、賞球の払出を停止させる必要が生じる。この場合に、パチンコ機10が電源遮断状態となると、既に説明したように払出制御基板322のRAM333に電断時用電力が供給されないことに伴って、賞球数の情報は消去されてしまう。その一方、球貸装置Yは独自に情報の電断時記憶保持機能を有しているため、賞球の払出が実行されている状況では球貸装置Yから貸球要求信号を入力しないようにすることで、貸球数の情報は球貸装置Yにて記憶保持され、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても貸球数の情報が消去されることはない。上記事情において、賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることで、賞球数の情報が実際に払い出されないまま消去されてしまうことが防止される。
また、払出制御基板322のCPU331は、球貸装置Yから貸球状態信号を入力している状況において、払出エラー状態でない場合に貸球状態に設定する。すなわち、球貸操作が行われたとしても、払出エラー状態である場合には貸球要求信号を入力しない。仮に、払出エラー状態おいて貸球要求信号を入力してしまうと、その払出エラー状態が解消されず遊技球の払出が制限されたままパチンコ機10の電源が遮断された場合には、その貸球要求信号に対応した貸出数の情報は、当該貸出数の情報に基づいた遊技球の払出が行われることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
また、球貸操作は遊技者によって行われるものであり、所持している遊技球がなくなった又はほぼなくなった場合に遊技者は球貸操作を行うことが考えられる。これに対して賞球数の情報に対応した遊技球の払出は入球部に遊技球が入球したことに基づいて行われる。一度球貸操作が行われたことに基づいて遊技球が払い出された場合には、当該遊技球がなくなるまでに複数回の賞球数の情報に対応した遊技球の払出が行われることが考えられる。これにより、賞球数の情報に対応した遊技球の払出と、球貸操作が行われたことに基づいた遊技球の払出とでは、賞球数の情報に対応した遊技球の払出が行われる頻度の方が多いことが考えられる。本実施の形態では、球貸操作が行われた場合に賞球数の情報に対応した遊技球の払出が行われているか否かを判定するため、賞球数の情報に対応した払出が行われているか否かを判定し、当該払出が行われていないと判定した場合に球貸操作が行われているか否かを判定する構成と比して、パチンコ機10にかかる処理負荷を軽減することが可能となる。
払出側RAM333に記憶されている賞球数が切換基準数となった場合には、払出装置224の払出速度の設定をそれまでの通常周期から低速周期に変更するようにした。本パチンコ機10では上記のとおり、払出側RAM333に賞球数が記憶されていない状況では、節電のため払出装置224の駆動は停止される。この場合に、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生した場合に、払出装置224の駆動開始及び駆動停止を繰り返し行う必要が生じると、払出装置224の駆動開始には払出装置224の駆動状態を維持する場合よりも大きな駆動力を必要とするため好ましくない。これに対して、払出側RAM333に記憶されている賞球数が切換基準数となった場合に、払出装置224の払出速度を低速周期に切り換えることで、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生したとしても、切換基準数の賞球を低速周期で実行している間に次の入賞が発生する可能性が高まり、払出装置224の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われてしまう可能性が低減される。
当該構成において、賞球コマンドの出力不許可状態から出力許可状態への設定変更契機となる許可基準数を、払出装置224の低速周期への切換契機となる切換基準数よりも多い数に設定した。また、主側RAM313に既に賞球情報が記憶されている状況において賞球許可信号の出力が開始された場合には、新たな遊技球の払出が実行される前のタイミングで主側CPU311から払出側CPU331に賞球コマンドが出力され、払出側RAM333に記憶されている賞球数が許可基準数を超えるように構成した。これにより、主側RAM313に賞球情報が複数記憶されている状況においては、それら賞球情報に対応した各賞球コマンドの出力が全て実行されるまでは、払出側RAM333に記憶されている賞球数の情報が切換基準数に達することはない。よって、主側RAM313に賞球情報が記憶されているにも関わらず払出装置224の払出速度が通常周期から低速周期に切り換えられてしまうことを防止することができ、遊技球の払出を円滑に行うことができる。
特に、許可基準数を切換基準数よりも1個分多い数に設定した(許可基準数=切換基準数+1)。これにより、許可基準数が切換基準数よりも2個分以上多い数に設定された構成に比べ、払出側RAM333に記憶される賞球数を少なくすることができる。そして、このように払出側RAM333に記憶される賞球数を少なくすることで、パチンコ機10の電源が遮断された場合に消去されてしまう賞球数を極力少なくすることが可能となる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、主側CPU311におけるメイン処理、情報判定処理及び賞球許可信号監視処理の各処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、これらの異なる処理構成について以下に説明する。
先ず、本実施の形態におけるメイン処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
メイン処理では、先ずステップS2401にて電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば500msec程度待機する。ここで、上記第1の実施の形態におけるメイン処理(図21)では、立ち上げ処理を実行した後にステップS402の処理を実行することで1sec間待機するようにしたが、本実施の形態におけるメイン処理では当該処理を実行しない。
その後、ステップS2402〜ステップS2412の処理を実行した後に、本メイン処理を終了する。この場合、ステップS2402〜ステップS2409及びステップS2411〜ステップS2412の各処理は、上記第1の実施の形態におけるメイン処理(図21)のステップS403〜ステップS412の各処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
但し、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と異なり、割込み許可の設定(ステップS2411)を実行する前にステップS2410の処理を実行する。ステップS2410では、主側RAM313に設けられた不許可フラグ格納エリア(主側不許可情報記憶手段)に不許可フラグ(主側不許可情報)を格納する。この不許可フラグは、電源投入後において賞球コマンドの出力禁止状態であることを主側CPU311において特定するためのフラグである。
次に、本実施の形態における情報判定処理について、図52のフローチャートを参照しながら説明する。
情報判定処理では、先ずステップS2501にて、主側CPU311における今回用レジスタ381のいずれかのビットW0〜W6に入賞情報が格納されているか否かを判定する。いずれのビットW0〜W6にも入賞情報が格納されていない場合には、そのまま本情報判定処理を終了する。いすれかのビットW0〜W6に入賞情報が格納されている場合には、ステップS2502に進む。
ステップS2502では、主側RAM313の不許可フラグ格納エリアに不許可フラグが格納されているか否かを判定する。不許可フラグが格納されていない場合には、そのままステップS2504に進む。一方、不許可フラグが格納されている場合には、ステップS2503にて不許可フラグを消去した後にステップS2504に進む。
その後、ステップS2504以降の処理を実行した後に、本情報判定処理を終了する。ステップS2504〜ステップS2517の各処理は、上記第1の実施の形態における情報判定処理(図52)のステップS701〜ステップS714の各処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
次に、本実施の形態における賞球許可信号監視処理について、図53のフローチャートを参照しながら説明する。
賞球許可信号監視処理では、先ずステップS2601にて、主側RAM313の不許可フラグ格納エリアに不許可フラグが格納されているか否かを判定する。不許可フラグが格納されている場合には、ステップS2605にて賞球許可カウンタエリア365の値を「0」クリアした後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。これにより、不許可フラグが格納されている間は、払出側CPU331から賞球許可信号を入力していたとしても賞球コマンドの出力は禁止される。そして、この不許可フラグは、上記のとおり電源が投入された場合に主側CPU311にて実行されるメイン処理にて格納され、その後に入賞が発生し主側RAM313に賞球情報が格納される場合に消去される。したがって、電源投入後に遊技が開始され入賞が発生するまでは、電源投入に際して主側RAM313に賞球情報が記憶されていたとしても賞球コマンドは出力されない。
一方、不許可フラグが格納されている場合には、ステップS2602にて賞球許可信号を入力している旨の賞球許可情報が第1入力ポート351の第7ビットD7に格納されているか否かを判定する。賞球許可情報が格納されている場合には、ステップS2603にて、主側RAM311の賞球許可カウンタエリア(許可契機把握用手段)365に格納されている値が「5」であるか否かを判定する。賞球許可カウンタエリア365の値が「5」以上の場合には、そのまま本賞球許可信号監視処理を終了する。賞球許可カウンタエリア365の値が「5」未満の場合には、ステップS2604にて賞球許可カウンタエリア365の値を1加算した後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。
以上のように本実施の形態では、電源が投入された場合に主側RAM313に不許可フラグが格納されることにより、電源投入に際して主側RAM313に賞球情報が記憶されていたとしても賞球コマンドは出力されない。そして、この賞球コマンドの出力が禁止された状態は、電源投入後に遊技が開始され入賞が発生するまで維持される。よって、電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に、遊技球の払出が実行されることなく主側RAM313に記憶されている賞球情報が消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
特に、本実施の形態における構成では、遊技球の払出が制限される制限状況であるか非制限状況であるかに関わらず、上記のとおり不許可フラグを用いているため、電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に、遊技球の払出が実行されることなく主側RAM313に記憶されている賞球情報が消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
また、賞球コマンドの出力が禁止された状態を、電源投入後に遊技が開始され入賞が発生すること(遊技内容が払出遊技内容となること又は遊技領域に設けられた通過検知対象の通過部を遊技球が通過すること)で解除するようにした。電源投入及び電源遮断の繰り返しは遊技が行われていない又は遊技を行うことができない状況において発生するものと考えられるため、賞球コマンドの出力禁止状態の解除条件を上記のように設定することで、遊技球の払出が実行されることなく主側RAM313に記憶されている賞球情報が消去されてしまうことを確実に阻止することが可能となる。
なお、賞球コマンドの出力禁止状態の解除条件は、上記のものに限定されることはなく、例えば、遊技球発射ハンドル41が操作されたことを解除条件としてもよい。この場合、遊技球発射ハンドル41に設けられたタッチセンサやハンドル操作センサの検知結果に基づいて出力禁止状態を解除するとよい。また、遊技球が発射されたこと、遊技領域から遊技球が排出されたこと、又はパチンコ機10から遊技球が排出されたことを解除条件としてもよい。この場合、遊技領域の入口若しくは出口、又はパチンコ機10における島設備への排出口に球検知センサを設け、当該球検知センサの検知結果に基づいて出力禁止状態を解除するとよい。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、主側CPU311における読み込み処理の処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。具体的には、上記第1の実施の形態では、球検知センサ152〜155にて遊技球が検知される場合、主側CPU311では、球検知センサ152〜155における検知開始タイミングを基準として、遊技球の通過有りの特定を行う構成としたが、本実施の形態では、球検知センサ152〜155における検知終了タイミングを基準として、遊技球の通過有りの特定を行う。そこで、当該処理構成について、図54のフローチャート及び図55の説明図を参照しながら説明する。
なお、本実施の形態では、第1入力ポート351の第7ビットD7には賞球許可信号が入力されておらず、ブランクとなっている。これに伴って、読み込み処理では、上記第1の実施の形態における今回入力情報のマスク処理(ステップS602)は実行されない。
読み込み処理では、先ずステップS2701にて、第1入力ポート351の情報を今回入力情報として取得する処理を実行する。具体的には、上記第1の実施の形態と同様に、第1入力ポート351の情報を主側CPU311の今回用レジスタ381に格納する。
例えば、第2入賞口センサ152bがONとなっており、それ以外がOFFとなっている場合には、今回用レジスタ381に記憶されている今回入力情報の情報形態は図55(a)に示すように、「00100000」となる。
続くステップS2702では、主側RAM313の前回用エリア362に記憶されている情報を前回入力情報として取得するとともに、主側RAM313の前々回用エリア363に記憶されている情報を前々回入力情報として取得する処理を実行する。具体的には、上記第1の実施の形態と同様に、前回用エリア362の情報を主側CPU311の前回用レジスタ382に格納するとともに、前々回用エリア363の情報を主側CPU311の前々回用レジスタ383に格納する。
例えば、前回の読み込み処理において、下作動口センサ154b、カウントセンサ153、第2入賞口センサ152b及び第3入賞口センサ152cがONとなっており、それ以外がOFFとなっていた場合には、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報の情報形態は図55(b)に示すように、「01100101」となる。また、前々回の読み込み処理において、下作動口センサ154b、カウントセンサ153及び第2入賞口センサ152bがONとなっており、それ以外がOFFとなっている場合には、前々回用レジスタ383に記憶されている前々回入力情報の情報形態は図55(c)に示すように、「00100101」となる。
続くステップS2703では、次回用書き込み処理を実行する。これについては上記第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
続くステップS2704では、今回入力情報の反転処理を実行する。具体的には、今回用レジスタ381の各ビットの値を反転させる。例えば、今回入力情報が図55(a)に示すように「00100000」である場合には、反転させた情報は図55(d)に示すように「11011111」となる。
続くステップS2705では、ステップS2704にて反転させた今回用レジスタ381の情報と、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS2704にて反転させた今回用レジスタ381の情報と、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報との論理積を演算する。そして、その演算結果の情報を、今回用レジスタ381の情報として更新する。
例えば、反転させた情報が図55(d)に示すように「11011111」であり、前回入力情報が図55(b)に示すように「01100101」である場合には、ステップS2705にてAND処理した結果の情報は図55(e)に示すように「01000101」となる。
続くステップS2706では、ステップS2705にてAND処理した結果の情報と、前々回用レジスタ383に記憶されている前々回入力情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS2705にて得た今回用レジスタ381の情報と、ステップS2702にて得た前々回用レジスタ383の情報との論理積を演算する。そして、その演算の結果を、今回用レジスタ381の情報として更新する。
例えば、ステップS2705にて得た今回用レジスタ381の情報が図55(e)に示すように「01000101」であり、ステップS2702にて得た前々回用レジスタ383の情報が図55(c)に示すように「00100101」である場合には、ステップS2706にてAND処理した結果の情報は図55(f)に示すように「00000101」となる。
続くステップS2707では、情報判定処理を実行する。これについては上記第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。その後、本読み込み処理を終了する。
以上のように、図55に示す態様では、下作動口センサ154b及びカウントセンサ153について、前回及び前々回において遊技球を検知している旨の検知情報が確認されており、今回において遊技球を検知していない旨の非検知情報が確認されている。つまり、下作動口センサ154b及びカウントセンサ153における遊技球の検知終了タイミングが今回の読み込み処理のタイミングに該当する。したがって、今回の読み込み処理後には、今回用レジスタ381の下作動口センサ154b及びカウントセンサ153に対応したビットに入賞情報が格納されることとなる。
一方、前回入力情報の第3入賞口センサ152cに対応したビットにはノイズ等の影響で単発的に「1」が格納されているが、それに対しては入賞情報が格納されていない。また、前々回から引き続き第2入賞口センサ152bから検知情報を入力しており、前々回、前回及び今回において、第2入賞口センサ152bに対応したビットには全て「1」が格納されているが、これに対しては入賞情報が格納されていない。
以上より、球検知センサ152〜155における検知終了タイミングを基準としたとしても、上記演算処理を実行することで、遊技球の通過有りの特定を行うことができる。但し、通過有りの特定を極力早く行うようにするという点においては、上記第1の実施の形態における処理構成が好ましい。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、主側CPU311における読み込み処理の処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。具体的には、上記第1の実施の形態では、球検知センサ152〜155から遊技球を検知している旨の検知情報を入力している場合には、第1入力ポート351の対応するビットに「1」を格納する構成としたが、本実施の形態では、球検知センサ152〜155から遊技球を検知している旨の検知情報を入力している場合には、第1入力ポート351の対応するビットに「0」を格納する。そして、この変更に伴って、読み込み処理の処理構成が変更されている。そこで、当該処理構成について、図56のフローチャート及び図57の説明図を参照しながら説明する。
なお、本実施の形態では、第1入力ポート351の第7ビットD7には賞球許可信号が入力されておらず、ブランクとなっている。これに伴って、読み込み処理では、上記第1の実施の形態における今回入力情報のマスク処理(ステップS602)は実行されない。
読み込み処理では、先ずステップS2801にて、第1入力ポート351の情報を今回入力情報として取得する処理を実行する。具体的には、上記第1の実施の形態と同様に、第1入力ポート351の情報を主側CPU311の今回用レジスタ381に格納する。
例えば、下作動口センサ154b、カウントセンサ153及び第2入賞口センサ152bがONとなっており、それ以外がOFFとなっている場合には、今回用レジスタ381に記憶されている今回入力情報の情報形態は図57(a)に示すように、「01011010」となる。
続くステップS2802では、主側RAM313の前回用エリア362に記憶されている情報を前回入力情報として取得するとともに、主側RAM313の前々回用エリア363に記憶されている情報を前々回入力情報として取得する処理を実行する。具体的には、上記第1の実施の形態と同様に、前回用エリア362の情報を主側CPU311の前回用レジスタ382に格納するとともに、前々回用エリア363の情報を主側CPU311の前々回用レジスタ383に格納する。
例えば、前回の読み込み処理において、下作動口センサ154b、カウントセンサ153、第2入賞口センサ152b及び第3入賞口センサ152cがONとなっており、それ以外がOFFとなっていた場合には、前回用レジスタ382に記憶されている前回入力情報の情報形態は図57(b)に示すように、「00011010」となる。また、前々回の読み込み処理において、第2入賞口センサ152bがONとなっており、それ以外がOFFとなっていた場合には、前々回用レジスタ383に記憶されている前々回入力情報の情報形態は図57(c)に示すように、「01011111」となる。
続くステップS2803では、次回用書き込み処理を実行する。これについては上記第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
続くステップS2804では、今回入力情報及び前回入力情報の反転処理を実行する。具体的には、今回用レジスタ381の各ビットの値を反転させる。例えば、今回入力情報が図57(a)に示すように「01011010」である場合には、反転させた情報は図57(d)に示すように「10100101」となる。また、前回用レジスタ382の各ビットの値を反転させる。例えば、前回入力情報が図57(b)に示すように「00011010」である場合には、反転させた情報は図57(e)に示すように「11100101」となる。
続くステップS2805では、ステップS2804にて反転させた今回用レジスタ381の情報と、同じく反転させた前回用レジスタ382の情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS2804にて反転させた今回用レジスタ381の情報と、同じく反転させた前回用レジスタ382の情報との論理積を演算する。そして、その演算結果の情報を、今回用レジスタ381の情報として更新する。
例えば、今回入力情報の反転させた情報が図57(d)に示すように「10100101」であり、前回入力情報の反転させた情報が図57(e)に示すように「11100101」である場合には、ステップS2805にてAND処理した結果の情報は図57(f)に示すように「10100101」となる。
続くステップS2806では、ステップS2805にてAND処理した結果の情報と、前々回用レジスタ383に記憶されている前々回入力情報とのAND処理を実行する。つまり、ステップS2805にて得た今回用レジスタ381の情報と、ステップS2802にて得た前々回用レジスタ383の情報との論理積を演算する。そして、その演算の結果を、今回用レジスタ381の情報として更新する。
例えば、ステップS2805にて得た今回用レジスタ381の情報が図57(f)に示すように「10100101」であり、ステップS2802にて得た前々回用レジスタ383の情報が図57(c)に示すように「01011111」である場合には、ステップS2806にてAND処理した結果の情報は図57(g)に示すように「00000101」となる。
続くステップS2807では、情報判定処理を実行する。これについては上記第1の実施の形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。その後、本読み込み処理を終了する。
以上のように、図57に示す態様では、下作動口センサ154b及びカウントセンサ153について、今回及び前回において遊技球を検知している旨の検知情報が確認されており、前々回において遊技球を検知していない旨の非検知情報が確認されている。したがって、今回の読み込み処理後には、今回用レジスタ381の下作動口センサ154b及びカウントセンサ153に対応したビットに入賞情報が格納されることとなる。
一方、前回入力情報の第3入賞口センサ152cに対応したビットにはノイズ等の影響で単発的に「0」が格納されているが、それに対しては入賞情報が格納されていない。また、前々回から引き続き第2入賞口センサ152bから検知情報を入力しており、前々回、前回及び今回において、第2入賞口センサ152bに対応したビットには全て「0」が格納されているが、これに対しては入賞情報が格納されていない。
以上より、球検知センサ152〜155から遊技球を検知している旨の検知情報を入力している場合には、第1入力ポート351の対応するビットに「0」を格納する構成としたとしても、上記演算処理を実行することで、遊技球の通過有りの特定を行うことができる。但し、反転させる情報の数を極力少なくするという点においては、上記第1の実施の形態における処理構成が好ましい。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、許可基準数が上記第1の実施の形態と異なっており、それに伴って払出側CPU331による加算時マスク処理の処理構成も異なっている。そこで、以下にこの相違点について説明する。図58は、本実施の形態における加算時マスク処理を示すフローチャートである。
本実施の形態では、賞球許可信号の出力開始のタイミングが上記第1の実施の形態と異なり、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が5個以下となることで賞球許可信号の出力が開始される。したがって、賞球数の情報を加算する際には、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報は5個以下である。
このように許可基準数が5個に設定された構成において、払出側ROM332には、加算時修正用情報として、第1加算時修正用情報に相当する「00000011」(3個に相当)と、第2加算時修正用情報に相当する「00000100」(4個に相当)と、第3加算時修正用情報に相当する「00000101」(5個に相当)との各情報が記憶されている。ちなみに、第1加算時修正用情報がメイン修正用情報に該当し、第2加算時修正用情報及び第3加算時修正用情報がサブ修正用情報に該当する。
さて、加算時マスク処理では、先ずステップS2901にて、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報を払出側CPU331の第1専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報に対して上記第1加算時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を第1専用レジスタに記憶させておく。
その後、ステップS2902にて、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報を払出側CPU331の第2専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報に対して上記第2加算時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を第2専用レジスタに記憶させておく。
その後、ステップS2903にて、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報を払出側CPU331の第3専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報に対して上記第3加算時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を第3専用レジスタに記憶させておく。
その後、ステップS2904にて、比較処理を実行する。具体的には、払出側CPU331の第1専用レジスタ、第2専用レジスタ及び第3専用レジスタに記憶されている情報について、いずれが最大遊技球数に対応した情報であるか否かを特定する。その後、ステップS2905にて、ステップS2904にて特定した最大遊技球数の情報を、賞球数記憶エリア374に更新する。その後、本加算時マスク処理を終了する。
本構成によれば、許可基準数が5個であったとしても、許可基準数と加算時修正用賞球数(加算時修正基準数)とを一致させることができる。つまり、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が3個に相当する「00000011」である場合には、ステップS2901における演算結果が「00000011」(3個に相当)であり、ステップS2902における演算結果が「00000000」(0個に相当)であり、ステップS2903における演算結果が「00000001」(1個に相当)である。そうすると、ステップS2901における演算結果が最大となり、当該演算結果に対応した情報が賞球数記憶エリア374に更新される。この情報は、マスク処理の前に記憶されていた賞球数の情報と同一である。
また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が5個に相当する「00000101」である場合には、ステップS2901における演算結果が「00000001」(1個に相当)であり、ステップS2902における演算結果が「00000100」(4個に相当)であり、ステップS2903における演算結果が「00000101」(5個に相当)である。そうすると、ステップS2903における演算結果が最大となり、当該演算結果に対応した情報が賞球数記憶エリア374に更新される。この情報は、マスク処理の前に記憶されていた賞球数の情報と同一である。
上記のように賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持されるのは、5個以下の場合は全て同様である。
一方、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた5個に相当する賞球数の情報(「00000101」)についてノイズ等の影響で最上位のビットにデータ1が設定され、133個に相当する「10000101」となることが考えられる。この場合には、ステップS2901における演算結果が「00000001」(1個に相当)であり、ステップS2902における演算結果が「00000100」(4個に相当)であり、ステップS2903における演算結果が「00000101」(5個に相当)である。そうすると、ステップS2903における演算結果が最大となり、当該演算結果に対応した情報が賞球数記憶エリア374に更新される。この情報は、ノイズにより書き換えられる前に記憶されていた賞球数の情報と同一である。
以上のように、賞球数の加算を行う場合に、ノイズの影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が許可基準数を超えていたとしても、それを許可基準数以下であってノイズの影響で書き換えられてしまう前の情報に戻すことが可能となる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できるとともに、遊技者が不利益を被ってしまうことも抑制できる。
特に、上記構成では、加算時修正用情報として、下位のビットから特定順番目のビットまでのそれぞれに「1」(データ1)が設定され、それ以外のビットに「0」(データ0)が設定された第1加算時修正用情報(メイン修正用情報)を有する構成としたことにより、許可基準数分の加算時修正用情報を有していなくても上記優れた効果を得ることができる。つまり、払出側ROM332の記憶容量の縮小化及び払出側CPU331の処理負荷の軽減化を図りつつ、上記優れた効果を得ることができる。
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、払出側CPU331による払出設定時マスク処理の処理構成が異なっている。そこで、以下にこの相違点について説明する。図59は、本実施の形態における払出設定時マスク処理を示すフローチャートである。
本実施の形態では、賞球数記憶エリア374の上限賞球数は、上記第1の実施の形態と同様に、許可基準数と入賞対応最大賞球数との和の18個である。この場合に、払出側ROM332には、払出時修正用情報として、第1払出時修正用情報に相当する「00001111」(15個に相当)と、第2払出時修正用情報に相当する「00010000」(16個に相当)と、第3払出時修正用情報に相当する「00010001」(17個に相当)と、第4払出時修正用情報に相当する「00010010」(18個に相当)との各情報が記憶されている。ちなみに、第1払出時修正用情報がメイン修正用情報に該当し、第2払出時修正用情報、第3払出時修正用情報及び第4払出時修正用情報がサブ修正用情報に該当する。
さて、払出設定時マスク処理では、先ずステップS3001にて、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報を払出側CPU331の第1専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報に対して上記第1払出時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を第1専用レジスタに記憶させておく。
その後、ステップS3002にて、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報を払出側CPU331の第2専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報に対して上記第2払出時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を第2専用レジスタに記憶させておく。
その後、ステップS3003にて、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報を払出側CPU331の第3専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報に対して上記第3払出時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を第3専用レジスタに記憶させておく。
その後、ステップS3004にて、1バイト構成の賞球数記憶エリア374の情報を払出側CPU331の第4専用レジスタに呼び出し、その呼び出した情報に対して上記第4払出時修正用情報との論理積を演算する。そして、その演算結果を第4専用レジスタに記憶させておく。
その後、ステップS3005にて、比較処理を実行する。具体的には、払出側CPU331の第1専用レジスタ、第2専用レジスタ、第3専用レジスタ及び第4専用レジスタに記憶されている情報について、いずれが最大遊技球数に対応した情報であるか否かを特定する。その後、ステップS3006にて、ステップS3005にて特定した最大遊技球数の情報を、賞球数記憶エリア374に更新する。その後、本払出設定時マスク処理を終了する。
本構成によれば、上限賞球数と払出時修正用賞球数(払出時修正基準数)とを一致させることができる。つまり、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が18個に相当する「00010010」である場合には、ステップS3001における演算結果が「00000010」(2個に相当)であり、ステップS3002における演算結果が「00010000」(16個に相当)であり、ステップS3003における演算結果が「00010000」(16個に相当)であり、ステップS3004における演算結果が「00010010」(18個に相当)である。そうすると、ステップS3004における演算結果が最大となり、当該演算結果に対応した情報が賞球数記憶エリア374に更新される。この情報は、マスク処理の前に記憶されていた賞球数の情報と同一である。
また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が5個に相当する「00000101」である場合には、ステップS3001における演算結果が「00000101」(5個に相当)であり、ステップS3002における演算結果が「00000000」(0個に相当)であり、ステップS3003における演算結果が「00000001」(1個に相当)であり、ステップS3004における演算結果が「00000000」(0個に相当)である。そうすると、ステップS3001における演算結果が最大となり、当該演算結果に対応した情報が賞球数記憶エリア374に更新される。この情報は、マスク処理の前に記憶されていた賞球数の情報と同一である。
上記のように賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報がそのまま維持されるのは、18個以下の場合は全て同様である。
一方、例えば、賞球数記憶エリア374に記憶されていた5個に相当する賞球数の情報(「00000101」)についてノイズ等の影響で最上位のビットにデータ1が設定され、133個に相当する「10000101」となることが考えられる。この場合には、ステップS3001における演算結果が「00000101」(5個に相当)であり、ステップS3002における演算結果が「00000000」(0個に相当)であり、ステップS3003における演算結果が「00000001」(1個に相当)であり、ステップS3004における演算結果が「00000000」(0個に相当)である。そうすると、ステップS3001における演算結果が最大となり、当該演算結果に対応した情報が賞球数記憶エリア374に更新される。この情報は、ノイズにより書き換えられる前に記憶されていた賞球数の情報と同一である。
以上のように、遊技球の払出が行われている場合に、ノイズの影響で賞球数記憶エリア374に記憶されている情報が上限賞球数を超えていたとしても、それを上限基準数以下であってノイズの影響で書き換えられてしまう前の情報に戻すことが可能となる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できるとともに、遊技者が不利益を被ってしまうことも抑制できる。
特に、上記構成では、払出時修正用情報として、下位のビットから特定順番目のビットまでのそれぞれにデータ1が設定され、それ以外のビットにデータ0が設定された第1払出時修正用情報(メイン修正用情報)を有する構成としたことにより、許可基準数分の払出時修正用情報を有していなくても上記優れた効果を得ることができる。つまり、払出側ROM332の記憶容量の縮小化及び払出側CPU331の処理負荷の軽減化を図りつつ、上記優れた効果を得ることができる。
<第7の実施の形態>
本実施の形態では、賞球用カウンタエリア361に記憶されている情報数が基準情報数を上回った場合に、情報数が基準情報数を上回っていることを教示する。これらの処理について説明する。
上述したように、一般入賞口82、可変入賞装置83、上作動口84a及び下作動口84bが設けられており、それぞれの入球部に遊技球が入球した場合に、それぞれの入球部に対応して設けられた各賞球用カウンタエリア361a〜361dに遊技球が入球した情報がカウントされることとなる。各賞球用カウンタエリア361a〜361dは8ビットによって構成されているため、記憶可能な賞球の未実施回数は255回ということとなる。
しかしながら、賞球の未実施回数が255回と記憶されているにも関わらず、255回と記憶されている賞球用カウンタエリア361a〜361dに対応した入球部に遊技球が入球した場合、その入球したことが無効となってしまう又は255回と記憶されていた状態が0回となってしまう等の問題が考えられる。この場合、遊技球の払出が行われないために遊技者に不利益が発生しているといえる。
ここで、本実施形態における賞球の未実施回数が255回となってしまい易い状態について説明する。上述したように、本パチンコ機10では、特別遊技状態の一種として、電動役物89が開放状態となる単位時間当たりの頻度が高くなる頻度向上状態が設定されている。この頻度向上状態では、下作動口84bへの入賞が発生し易くなる。下作動口84bへの入賞が発生し易いために4個賞球用カウンタエリア361cにおける賞球の未実施回数が255回となってしまい易い。
本実施の形態における電動役物89にて行われる制御について説明しつつ、頻度向上状態について詳細に説明する。
先ず、本実施の形態では、図60に示すように、上述した各カウンタの他に電動役物開放カウンタC4が設けられている。電動役物開放カウンタC4は他のカウンタと同様ループカウンタとなっており、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算される。また、電動役物初期値カウンタが設けられており、上述した大当たり乱数カウンタC1と同様に電動役物開放カウンタC4の値が最大値となった場合には、その時点の電動役物初期値カウンタの値が電動役物開放カウンタC4の初期値として読み込まれる。詳細は後述するが、電動役物89を開放状態に制御するか否かの抽選を行う場合があり、その抽選には電動役物開放カウンタC4を用いて電動役物89を開放状態に制御するか否かを決定している。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物89を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物89を開放状態に制御しない。電動役物開放カウンタC4の値は定期的に更新され、遊技球がスルーゲート85を通過したタイミングで主側RAM313の役物保留球格納エリアに格納される。なお、電動役物開放カウンタC4は他カウンタと同様、タイマ割込み処理におけるステップS203にて更新される。
次に、本実施の形態における始動入賞処理について図61を用いて説明する。本実施の形態では、上記実施の形態におけるステップS301〜ステップS304の処理を行った後に、ステップS305〜ステップS308の役物保留カウンタ取得処理を行う。
ステップS305では、スルーゲート85を遊技球が通過したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート85を通過した場合には、ステップS306に進み、ゲート保留球数(以下、役物保留球数N2という)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。スルーゲート85を遊技球が通過し、且つ、役物保留球数N2<4であることを条件にステップS307に進み、役物保留球数N2を1インクリメントする。続く、ステップS308では、上述した電動役物開放カウンタC4の値を主側RAM313の役物保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち一番小さい記憶エリアに格納する。具体的には、役物保留球格納エリアには、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリア、実行エリアが設けられており、スルーゲート85を遊技球が通過した場合に、第1〜第4エリアのうち情報が格納されていない最も番号の小さいエリアに電動役物開放カウンタC4の値が記憶される。ステップS305でスルーゲート85を遊技球が通過したと判定されなかった場合、ステップS306にて役物保留球数N2の値が上限値と判定された場合には電動役物開放カウンタ4の値を格納することなく、本始動入賞処理を終了する。
次に、上記実施の形態におけるステップS505の第2特定ランプ部制御処理にて行われる電動役物89の開閉処理について図62、63を用いて詳細に説明する。
先ず、ステップS3101にて開放フラグが有るか、すなわち、主側RAM313に設けられた開放フラグ格納エリアに開放フラグがセットされているかを判定する。開放フラグとは、電動役物89を開放状態に制御することを意味するフラグである。開放フラグがセットされていない場合にはステップS3102に進み、開放当選フラグが有るか、すなわち、主側RAM313に設けられた開放当選フラグ格納エリアに開放当選フラグがセットされているか否かを判定する。開放当選フラグとは、電動役物89を開放状態に制御する抽選に当選していることを意味するフラグである。開放当選フラグがセットされていない場合にはステップS3103に進み、役物タイマt2の値が0か否かを判定する。役物タイマt2とは主側RAM313に設けられたカウンタであり、電動役物89を制御する場合に用いる。
ステップS3103にて役物タイマt2の値が0である場合には、ステップ3104に進み、役物保留球格納エリアN2の値が0より大きいか否か、すなわち、役物保留球格納エリアN2に値が記憶されているかを判定する。役物保留球格納エリアに値が記憶されている場合にはステップS3105〜ステップS3113の電動役物開放抽選処理を行う。
先ず、ステップS3105にて遊技状態が頻度向上状態であるか否かを判定する。ステップS3105にて遊技状態が頻度向上状態と判定された場合には、ステップS3106にて開放抽選を行う。開放抽選には上述した電動役物開放カウンタC4を用いる。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に役物タイマt2に750をセットする。
なお、役物タイマt2は0.2msec周期にて減算される。すなわち、750がセットされた場合には1.5秒にて0になる。また、役物保留球格納エリアに記憶されている値のシフトとは、役物保留球格納エリア記憶されている情報を1つ下位のエリアにシフトすることである。そして、第1エリアの値がシフトされた場合には、その値が実行エリアにシフトされることとなる。
ステップS3107では、役物タイマt2にセットした値と、開放抽選の抽選結果とを表示制御装置325にコマンドとして送信する。表示制御装置325は、当該コマンドを受信することによって図柄表示装置91の右下端部にて電動役物89を開放するか否かの変動表示を行う。具体的には、変動表示中においては貝が開いた図柄と、貝が閉じた図柄とが交互に表示されており、開放抽選に当選していた場合には変動表示が停止する場合に貝が開いた図柄が停止することとなり、開放抽選に当選していなかった場合には変動表示が停止する場合に貝が閉じた図柄が停止することとなる。
ステップS3107の処理を行ったらステップS3108に進み、ステップS3106の開放抽選が当選であったか否かを判定する。開放抽選に当選していた場合には、ステップS3109にて開放当選フラグを開放当選フラグ格納エリアにセットし、主側RAM313に設けられた開放回数カウンタに3をセットする。開放回数カウンタは、電動役物89が開放した回数をカウントするために用いるカウンタである。すなわち、頻度向上状態において開放抽選に当選した場合には、電動役物89は3回開放される。ステップS3108にて開放抽選に当選していないと判定された場合又はステップS3109の処理を行った場合、本電動役物開放処理を終了する。
一方、ステップS3105にて頻度向上状態と判定されなかった場合、ステップS3110に進む。ステップS3110では、ステップS3106と同様開放抽選を行う。また、役物タイマt2に14750をセットする。ステップS3111では、ステップS3110において行われた開放抽選の結果と、役物タイマt2にセットした値とを表示制御装置325に送信する。ステップS3111の処理を行ったらステップS3112に進み、ステップS3110の抽選結果が当選であったか否かを判定し、当該抽選結果が当選であった場合には、ステップS3113にて開放当選フラグをセットし、開放回数カウンタに1をセットする。例えば、通常状態にて開放抽選に当選した場合には電動役物89は1回開放されることとなる。
ステップS3102にて、開放当選フラグがセットされている場合には、ステップS3114に進み、役物タイマt2の値が0であるか否かを判定する。役物タイマt2の値が0でなかった場合には、電動役物89を開放するか否かの変動表示が行われている最中であることを意味するため本役物開放処理を終了する。ステップS3114にて役物タイマt2の値が0と判定された場合には、ステップS3115に進み、主側RAM313に設けられた開放フラグ格納エリアに開放フラグをセットし、開放当選フラグをクリアする。ステップS3115の処理を行ったら本電動役物開放処理を終了する。
ステップS3101にて開放フラグがセットされている場合にはステップS3116に進み、電動役物開閉処理を行う。電動役物開閉処理とは、具体的に電動役物89を遊技球が入球し易い開放状態に制御したり、遊技球が入球しにくい閉鎖状態に制御したりするものである。
この電動役物開閉処理について図63を用いて詳細に説明する。
先ず、ステップS3201にて電動役物89が開放中であるか否かを判定する。電動役物89が開放中であるか否かは、電動役物89に設けられた電動役物ソレノイドが励起状態であるか否かで判定する。電動役物ソレノイドが励起状態になることによって電動役物89が開放状態になる。電動役物89が開放されている場合にはステップS3202に進み、役物タイマt2の値が0か否かを判定する。役物タイマt2の値が0である場合にはステップS3203に進み、電動役物89を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、役物タイマt2に250をセットする。役物タイマt2をセットしたら、ステップS3204に進み、開放カウンタの値を1ディクリメントする。その後、ステップS3205に進み、開放カウンタの値が0であるか否かを判定する。開放カウンタの値が0である場合には、ステップS3206に進み、開放フラグをクリアする。ステップS3202にて役物タイマt2が0でなかった場合、ステップS3205にて開放カウンタが0でなかった場合又はステップS3206にて開放フラグをクリアした場合、本電動役物開閉処理を終了する。
一方、ステップS3201にて電動役物89が開放中ではないと判定された場合、ステップS3207に進み、役物タイマt2の値が0か否かを判定する。すなわち、電動役物開放処理におけるステップS3106,ステップS3110にて役物抽選に当選しており、それぞれのステップでセットされた役物タイマt2の値が0になっているか否か又は電動役物開閉処理におけるステップS3203にてセットされた役物タイマt2の値が0になっているか否かを判定する。ステップS3207にて役物タイマt2の値が0でないと判定された場合には本電動役物開閉処理を終了する。役物タイマt2の値が0であった場合にはステップS3208に進み、電動役物89を開放状態に制御する電動役物開放処理を行う。
すなわち、頻度向上状態にて開放抽選に当選した場合には役物タイマt2に750がセットされるため、1.5秒後に電動役物89が開放状態となるが、通常状態にて開放抽選に当選したとしても役物タイマt2に14750がセットされるため、29.5秒が経過しないと電動役物89が開放状態とはならない。また、一度電動役物89が閉鎖状態に制御された場合、役物タイマt2に250がセットされ、その値が0になるまで電動役物89は開放状態に制御されない。これにより、電動役物89が閉鎖状態に制御された場合には少なくとも0.5秒の間は閉鎖状態が維持されることとなる。
電動役物89を開放状態に制御したらステップS3209に進み、遊技状態を判定する。ステップS3209にて遊技状態が頻度向上状態と判定された場合にはステップS3210にて役物タイマt2に800をセットし、ステップS3209にて遊技状態が頻度向上状態ではないと判定された場合には役物タイマt2に100をセットする。すなわち、頻度向上状態の場合、電動役物89は開放状態に1.6秒の間維持され、頻度向上状態ではない場合、電動役物89は開放状態に0.2秒の間維持される。さらに、上述したように、頻度向上状態では開放抽選に当選した場合、1.5秒にて電動役物89が開放されるのに対して通常状態では29.5秒が経過しないと電動役物89が開放されない。これにより、頻度向上状態において電動役物89は開放状態に維持される時間が長く設定されているため、下作動口84bに遊技球が入球し易くなるということがいえる。ステップS3210又はステップS3211にて役物タイマt2に値をセットしたら本電動役物開閉処理及び電動役物開放処理を終了する。
なお、第1の実施形態にて説明したように、頻度向上状態は、大当たり状態終了後の予め定められた遊技回数(図柄表示装置91における図柄の変動表示回数)又は次回の大当たりが発生するまで継続するものであるが、頻度向上状態の継続回数は任意である。さらに、頻度向上状態として大当たりが発生する確率が通常状態よりも高くなる高確率状態を設定してもよい。
また、電動役物開放処理と平行して、主制御装置162では、上述した第2特定ランプ部94に表示される色の切り替え処理を行い、電動役物89の開放抽選に当選であった場合には所定時間経過後に赤色を表示させる。
ここで、電動役物89が開放状態又は閉鎖状態に制御されている状態について図64を用いて詳細に説明する。
図64(a)は、電動役物89が閉鎖状態に制御されている状態である。この場合、遊技球はほぼ真上方向からのみ入球が可能となる。
図64(b)は、電動役物89が開放状態に制御されている状態である。この場合、電動役物89が閉鎖状態制御されている場合と比して、電動役物89が開放状態に制御されている分だけ遊技球が下作動口84bに入球可能な角度が大きくなる。これにより、電動役物89が開放状態に制御されている場合には、遊技球はほぼ真上方向からのみならず、左上方向や右上方向からも入球可能となる。
頻度向上状態において、通常状態よりも長期間に亘り、電動役物89は開放状態に制御されるために、通常状態と比して、頻度向上状態では下作動口84bに遊技球が入球し易くなる。
ここで、それぞれの遊技状態における入球部への入球の発生する頻度について説明する。
可変入賞装置83には大当たり状態において、約1.5秒に1個の割合で入球し、通常状態及び頻度向上状態において入球することはない。また、下作動口84bには頻度向上状態においては2秒に1個の割合で入球し、通常状態及び大当たり状態においてほとんど入球することはない。また、上作動口84aにはいずれの遊技状態であったとしても約10秒の1個の割合で入球する。さらに、一般入賞口82にはいずれの遊技状態であったとしても約300秒に1個の割合で入球するようになっている。一般入賞口82は遊技領域に3個設けられているため、合算すると約100秒に1個の割合で入球することとなる。このように、大当たり状態においては可変入賞装置83に遊技球が入球し易く、頻度向上状態において下作動口84bに遊技球が入球し易い。すなわち、大当たり状態では、15個賞球用カウンタエリア361aに情報が記憶され易く、頻度向上状態においては4個賞球用カウンタエリア361dに情報が記憶され易くなっている。なお、遊技球が入球する割合は以上のものに限られることはなく、入球する割合をどのように設定されていてもよいのはいうまでもない。
以上のように、頻度向上状態においては、通常状態よりも下作動口84bに遊技球が入球し易く、大当たり状態においては可変入賞装置83に遊技球が入球易い。例えば、頻度向上状態において、払出エラー状態となっているにも関わらず遊技を続けていると4個賞球用カウンタエリア361cに記憶されている賞球情報の未実施回数が255回分以上となってしまい、上記遊技球の払出が行われないことによる遊技者への不利益が発生することが考えられる。そこで本実施の形態では、各賞球用カウンタエリア361a〜361dに未実施の賞球情報が予め定められた回数よりも多く記憶されている場合に遊技を中断するように遊技者に警告音を発生させる。ここで警告音を発生させる具体的な処理について図65、66を用いて詳細に説明する。
先ず、本実施形態における主制御基板301のCPU312による読み込み処理について、図65を用いて説明する。
本実施の形態では、上記各実施の形態とは異なりステップS608の情報判定処理を行った後にステップS609に進み、賞球情報記憶数確認処理を行う。賞球情報記憶数確認処理を行ったら本読み込み処理を終了する。
ここで、賞球情報記憶数確認処理について図66を用いて詳細に説明する。
先ずステップS3301では、警告状態であるか否かを判定する。具体的には主側RAM313に設けられた警告フラグ格納エリアに警告フラグがセットされているか否かを判定する。警告フラグがセットされていない場合にはステップS3302に進み、15個賞球用カウンタエリア361aの値が150より大きいか否かを判定する。ステップS3302にて150以下と判定された場合、ステップS3303に進み、4個賞球用カウンタエリア361cの値が150より大きいか否かを判定する。ステップS3303にて150以下と判定された場合、ステップS3304に進み、3個賞球用カウンタエリア361dの値が150より大きいか否かを判定する。ステップS3304にて150以下と判定された場合、ステップS3305に進み、10個賞球用カウンタエリア361bの値が150より大きいか否かを判定する。ステップS3305にて150以下と判定された場合には、本賞球情報記憶数確認処理を終了する。なお、ステップS3302〜ステップS3305の150より大きいか否かとは各カウンタエリア361a〜361dに入力されている値が「10010110」より大きいか否かによって判定している。
一方、ステップS3302〜ステップS3305のいずれかにて150より大きいと判定された場合(ステップS3302〜ステップS3305のいずれかがYES)、ステップS3306に進み、警告フラグを警告フラグ格納エリアにセットし、警告音発生処理を行う。具体的には、警告音発生処理にて警告音発生コマンドを音声ランプ制御基板324に送信する。音声ランプ制御基板324は警告音発生コマンドを受信することによって、スピーカ部26から警告音を発生させる(本実施の形態では、異常を解消することを指示する旨の音声が発生される)。本実施の形態では、各賞球用カウンタエリア361a〜361dのうちいずれかのに記憶されている値が150より大きい場合には、このまま遊技を続行すると各賞球用カウンタエリア361a〜361dのいずれかに記憶されている値が255(各カウンタエリア361a〜361dの値が「11111111」)となってしまう可能性が高いと判定し警告音が発生されることとなる。
ステップS3301にて警告状態であると判定された場合、ステップS3307に進み、15個賞球用カウンタエリア361aの値が100未満であるか否かを判定する。ステップS3307にて100未満と判定された場合、ステップS3308に進み、4個賞球用カウンタエリア361cの値が100未満であるか否かを判定する。ステップS3308にて100未満と判定された場合、ステップS3309に進み、3個賞球用カウンタエリア361dの値が100未満であるか否かを判定する。ステップS3309にて100未満と判定された場合、ステップS3310に進み、10個賞球用カウンタエリア361bの値が100未満であるか否かを判定する。ステップS3310にて100未満と判定された場合、ステップS3311に進み、警告フラグ格納エリアに格納されている警告フラグをクリアするとともに、警告音停止処理を行う。具体的には、警告音停止処理にて警告音停止コマンドを音声ランプ制御基板324に送信する。音声ランプ制御基板324は警告音停止コマンドを受信することによって、スピーカ部26から発生させている警告音を停止する。本実施の形態では一度警告状態となった場合には、各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている値が100未満となった場合に警告状態が解除されたと判定し、警告音を停止することとなる。なお、ステップS3302〜ステップS3305の100より小さいか否かとは各カウンタエリア361a〜361dに入力されている値が「1100100」より大きいか否かによって判定している。
一方、ステップS3307〜ステップS3310のいずれかにて100以上と判定された場合(ステップS3307〜ステップS3310のいずれかがNO)、警告状態が続いていると判定され、そのまま本賞球数情報記憶数確認処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
賞球コマンドが出力される場合、15個賞球用カウンタエリア361aに遊技球を払い出すべく賞球情報が記憶されていない場合、15個賞球コマンドに次いで4個賞球コマンドが優先的に出力される構成とした。4個賞球コマンドは下作動口84bに遊技球が入球したことに基づいて出力されるものであり、頻度向上状態において最も出力され易い賞球コマンドである。例えば、4個賞球コマンドが優先的に出力されない遊技機の場合、頻度向上状態において、4個賞球コマンドが出力される前に下作動口84bへの遊技球の入球が複数回発生してしまい、4個賞球用カウンタエリア361cに記憶される賞球情報が多くなってしまうことが考えられる。この場合、4個賞球用カウンタエリア361cにカウントされている未実施回数が255回となってしまうことが考えられる。未実施回数が255回の場合に下作動口84bに遊技球が入球した場合、当該下作動口84bに遊技球が入球したことによる遊技球の払出が行われなかったり、4個賞球用カウンタエリア361cの値が0になってしまったりすることが考えられ、遊技者に不利益が発生することが考えられる。これに対して本実施の形態によれば、4個賞球コマンドが優先的に出力されるため、4個賞球用カウンタエリア361cにカウントされている未実施回数が255回となってしまうことを抑制することが可能となる。
さらに、上作動口84aは、常に入球可能な状態となっているが、下作動口84bのように入賞をサポートする部材は不具備であり、可変入賞装置83や電動役物89が開放状態となった場合の単位時間当たりの入球数は、可変入賞装置83及び下作動口84bよりも上作動口84aの方が少なくなっている。さらには、一般入賞口82は、常に入賞が可能な状態となっているが、釘88により上作動口84aよりも入賞しづらい状態となっているため、4個賞球コマンドに次いで3個賞球コマンドが優先して出力され、3個賞球コマンドに次いで10個賞球コマンドが出力される。このように、入球しにくい入球部に入球したことに基づいた賞球コマンドを、入球し易い入球部に入球したことに基づいた賞球コマンドよりも優先度を低くしたことよって、遊技球の払出を良好に行うことが可能となる。
以上のように、賞球コマンドを出力する順番に優先順位を設けたことによって、入球部への入球が発生した順番に賞球コマンドを出力する構成と比して、遊技球の払出を良好に行うことが可能となる。
賞球用カウンタエリア361はそれぞれの入球部に対応して設けられた各賞球用カウンタエリア361a〜361dに遊技球が入球した賞球情報がカウントされるため、ノイズ等によって情報が書き換えられてしまうことに対するリスクを分散することができる。このため、賞球数カウンタエリア374よりも、賞球用カウンタエリア361a〜361dに多くの情報を記憶しておくことが望ましい。本実施の形態では、賞球許可状態とならなければ、新たな賞球コマンドが出力されず賞球数記憶エリア374に賞球数情報が加算されないのに対し、賞球用カウンタエリア361には入球部に遊技球が入球することによって、新たな賞球情報が記憶されることとなる。このため、賞球数カウンタエリアよりも、賞球用カウンタエリア361に多くの情報を記憶することが可能となる。
また、一の出力コマンドにて一の賞球情報に対応した情報を出力した。これにより、賞球数記憶エリア374に記憶されている未払出の賞球数情報の最大値は、許可基準数に一の出力コマンドにて出力される賞球数の最大値を加算した合計となる。また、許可基準数は一の賞球コマンドにて出力される賞球数情報以下とした(本実施形態では10進数で「3」)。これらにより、賞球数記憶エリア374にノイズが発生したとしてもその影響を最小限なものとすることができる。
各賞球用カウンタエリア361〜361dのいずれかにカウントされている未実施回数が150回より多い場合に、当該賞球情報が基準情報量に達していることを教示する警告音が発生される。仮に、4個賞球用カウンタエリア361cにカウントされている未実施回数が255回の場合に、さらに下作動口84bに遊技球が入球した場合、当該下作動口84bに遊技球が入球したことに対応した遊技媒体の払出が行われない等の不利益が遊技者に発生することが考えられる。しかしながら、上記実施の形態によれば、各賞球用カウンタエリア361a〜361dにカウントされている未実施回数が150回より大きくなった場合には、警告音が発生される。これにより、上記不利益が発生しないように遊技者に対処することを促すことが可能となり、上記不利益の発生を抑制することが可能となる。
また、例えば、遊技球の払出に関して異常が発生し、遊技を行うことは可能であるにも関わらず遊技球の払出が行われない場合、賞球コマンドが出力されることなく各賞球数カウンタエリア361a〜361dにカウントされている未実施回数が増加していくことが考えられる。この場合、各カウンタエリア361a〜361dに記憶される情報量が膨大なものとなってしまい、記憶されている未実施回数が255回の場合にさらに、そのカウンタエリアに対応した入球部に遊技球が入球することも考えられる。これに対して、本実施の形態によれば、この場合においても、警告音が発生されるため、上記不利益が発生しないように遊技者に対処することを促すことが可能となる。
さらに、一度警告音が発生された場合、各カウンタエリア361a〜361dにカウントされている未実施回数が100回未満となるまで警告音の発生が続けられる。すなわち、警告音の発生を開始する情報量よりも警告音の発生を解除する情報量が少なくなるように、警告音の発生を開始する情報量と、警告音の発生を解除する情報量とを個別に設けた。仮に、未実施回数が150回以上となることで当該教示が開始され、150未満となることで警告音の発生が解除される遊技機の場合、150未満となり当該警告音の発生が解除されたとしても、すぐさま未実施回数が150回となった場合、再び当該警告音の発生が開始されることとなる。この場合、当該警告音の開始及び当該警告音の解除が繰り返し行われることとなり、遊技機に余計な処理負荷がかかることが考えられる。これに対して、本実施の形態によれば、未実施回数が150回より大きくなった場合に警告音が開始され、100回未満となるまで当該警告音が解除されないために、上記警告音の開始及び警告音の解除が連続して発生することを抑制できる。
一般入賞口82、可変入賞装置83、上作動口84a及び下作動口84bが設けられており、それぞれの入球部に遊技球が入球した場合に、それぞれの入球部に対応して設けられた各賞球用カウンタエリア361a〜361dに遊技球が入球した賞球情報がカウントされる構成とした。これにより、各賞球用カウンタエリア361a〜361dのいずれかの賞球情報がノイズ等の影響によって消去されてしまったとしても、他の賞球用カウンタエリアには影響がでないため、ノイズ等の影響によって賞球情報が消去されてしまうことに対するリスクを分散することができる。
また、主制御装置162の主制御基板302と、払出制御装置242の払出制御基板322とによって遊技球の払出に関する制御を行う構成とした。さらに、各制御装置162,242にそれぞれカウンタエリア361,376を設けたことによって、いずれか一方の制御装置にノイズが発生し情報が書き換えられてしまったとしてもその影響を一方のカウンタエリアに抑えることができる。よって、ノイズ等が発生することによって情報が書き換えられてしまうリスクを分散する効果を高めることが可能となる。
賞球コマンドが出力される場合、15個賞球用カウンタエリア361aに賞球情報がカウントされている場合には15個賞球コマンドを最も優先して出力する。15個賞球コマンドが出力された場合、本実施形態における一の賞球コマンドにて払い出される遊技球の数が最も多い15個の遊技球が払い出される。仮に、15個賞球用カウンタエリア361aに大量に未実施の賞球情報が記憶されている場合に、当該情報がノイズ等の影響によって書き換えられてしまうとその影響が多大なものとなってしまう。これに対して本実施の形態によれば、遊技球の払出が多い15個賞球コマンドが優先的に出力されるため、15個賞球用カウンタエリア361aに未実施の賞球情報が大量に記憶されることを抑制できる。これにより、ノイズ等の影響によって15個賞球用カウンタエリア361aにカウントされている情報が書き換えられてしまったとしてもその影響を最小限なものとすることが可能となる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記各実施の形態では、払出側CPU331における賞球コマンドの出力許可状態において当該払出側CPU331から主側CPU311へHIレベル信号である賞球許可信号が出力され、出力不許可状態において賞球許可信号の出力が停止されてLOWレベル信号が出力される構成としたが、主側CPU311において払出側CPU331が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが特定できるのであれば、賞球許可信号の出力態様は上記のものに限定されない。例えば、出力許可状態においてLOWレベル信号を出力し、払出不許可状態においてHIレベル信号を出力するようにしてもよい。また、払出側CPU331は出力許可状態において主側CPU311にON信号を出力し、出力不許可状態においてその出力を停止するようにしてもよい。また、これとは逆に、払出側CPU331は出力不許可状態において主側CPU311にON信号を出力し、出力許可状態においてその出力を停止するようにしてもよい。
(2)上記各実施の形態では、賞球許可信号の出力不許可状態から出力許可状態への切換契機となる許可基準数を「3」としたが、これに限定されることはない。例えば、許可基準数を「0」としてもよい。この場合、遊技球の払出が不連続となるおそれがあるものの、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電源が遮断されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることは可能である。
また、許可基準数を、一の入賞に対する賞球数の最小単位である3個の賞球数よりも多い数となる4個以上としてもよい。また、許可基準数を、払出装置224の払出速度を通常周期から低速周期へ切り換える場合の切換契機となる切換基準数よりも2個以上多い数としてもよい。但し、払出側RAM333に記憶する賞球数を極力少なくするという観点からは、上記実施の形態における構成が好ましい。
(3)上記各実施の形態では、賞球コマンドを単一の入賞に対応した賞球数の情報が含まれたものとしたが、これを変更してもよい。例えば、一の賞球コマンドには、最大で2個又は3個の入賞情報に対応した賞球数の和の情報が含まれる構成としてもよい。当該構成であっても、賞球コマンドには、主側RAM313に記憶されている賞球情報のうち全部ではなく一部の情報に対応した賞球数の情報が含まれる構成とすることで、未払出の賞球数のうち一部が払出側RAM333に記憶され、その他が主側RAM313に記憶されることとなる。
また、例えば、主側RAM313においては賞球情報を総賞球数の情報として記憶し、賞球コマンドには、その総賞球数の情報のうち予め定められた出力単位数以下の賞球数の情報が含まれる構成としてもよい。つまり、出力単位数が15個である構成において、主側RAM313に記憶されている総賞球数が100個の場合には、一の賞球コマンドを出力するごとに15個の賞球数の情報を出力し、7回目の賞球コマンドの出力に際しては残り10個の賞球数の情報を出力する構成とする。本構成であっても、未払出の賞球数のうち一部が払出側RAM333に記憶され、その他が主側RAM313に記憶されることとなる。
但し、上記各実施の形態のように、主側RAM313の賞球用カウンタエリア361において、賞球数が異なる入賞ごとに賞球情報を個別に記憶する構成においては、電気的なノイズに対するリスクが分散される。つまり、主側RAM313において総賞球数として記憶する構成においては、その記憶しているエリアが電気的なノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合には総賞球数全てに対して影響が及ぶが、上記実施の形態における構成によれば、例えば、3個賞球用カウンタエリア361dが書き換えられてしまったとしても、それが15個賞球用カウンタエリア361aにまで及ぶ可能性が低減される。
(4)上記各実施の形態では、遊技球の払出が行われ払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数が切換基準数に達することで払出装置224の払出速度を通常周期から低速周期に切り換える構成としたが、当該払出速度の切り換えが行われない構成としてもよい。
また、払出装置224の払出速度として第1低速周期とそれよりも低速な第2低速周期とを設定し、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数が許可基準数に達することで第1低速周期に切り換えるとともに、切換基準数に達することで第2低速周期に切り換える構成としてもよい。
(5)上記各実施の形態では、遊技球の払出が行われ払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数が切換基準数に達した場合に切り換えられる払出装置224の払出速度と、下皿34が満タン状態であると特定される前段階及びタンク221が球無状態であると特定される前段階で切り換えられる払出装置224の払出速度とが同一である構成としたが、これに限定されることはない。例えば、払出装置224の払出速度として第1低速周期とそれよりも低速な第2低速周期とを設定し、賞球数が切換基準数に達した場合に第1低速周期に切り換えるとともに、下皿34が満タン状態であると特定される前段階及びタンク221が球無状態であると特定される前段階には第2低速周期に切り換える構成としてもよい。
(6)上記各実施の形態では、主側RAM313に賞球情報が記憶されている状況において賞球許可信号の出力が開始された場合には、1個の遊技球の払出が完了する前のタイミングで賞球コマンドが出力されるとともに払出側RAM333への賞球数の加算が行われる構成としたが、これに限定されることはない。例えば、主側RAM313に賞球情報が記憶されている状況において賞球許可信号の出力が開始された場合には、1個の遊技球の払出が完了した後のタイミングで賞球コマンドが出力されるとともに払出側RAM333への賞球数の加算が行われる構成としてもよい。この場合としては、払出装置224の通常周期が上記実施の形態よりも短く設定された場合などが考えられる。但し、当該構成であっても、払出側RAM333に記憶されている許可基準数の払出が完了する前のタイミングで、賞球コマンドが出力されるとともに払出側RAM333への賞球数の加算が行われる構成とすることが好ましい。当該構成とすることで、主側RAM313に賞球情報が記憶されているにも関わらず、遊技球の払出が不連続となることは阻止される。
(7)上記各実施の形態では、払出側RAM333に記憶されている賞球数が許可基準数となり賞球許可信号の出力が開始された場合には、主側CPU311から賞球コマンドが出力されて払出側RAM333に記憶されている賞球数が許可基準数を上回った場合に賞球許可信号の出力が停止される構成としたが、これを変更してもよい。例えば、払出側CPU331において主側CPU311から賞球コマンドを入力したタイミングで賞球許可信号の出力を停止する構成としてもよい。この場合、賞球許可信号の出力を停止するタイミングを上記実施の形態よりも早めることができる。
但し、本構成においては、その賞球コマンドが伝送中の電気的なノイズ等により解析不可なものであったとしても、賞球許可信号の出力が停止されてしまう。そうすると、賞球許可信号の出力開始及び出力停止が繰り返され、払出側RAM333に賞球数が加算されるタイミングが遅くなってしまう可能性がある。この点、上記実施の形態のように主側CPU311から賞球コマンドが出力されて払出側RAM333に記憶されている賞球数が許可基準数を上回った場合に賞球許可信号の出力を停止することで、上記のような不都合は生じない。
(8)上記各実施の形態では、払出側CPU331が出力許可状態か否かを賞球許可信号の入力に基づいて主側CPU311が特定する場合、主側RAM313に設けられた賞球許可カウンタエリア365を用いて出力許可基準期間を計測する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、主制御基板301にリアルタイムクロックを設け、当該リアルタイムクロックにて上記出力許可基準期間を計測する構成としてもよい。また、上記実施の形態における各種球検知センサ152〜155の入賞判定の構成を適用してもよい。
(9)上記各実施の形態では賞球許可信号を各種球検知センサ152〜155と同じ第1入力ポート351に入力するようにしたが、これに代えて、前扉枠開放スイッチ78などと同じ第2入力ポート352に入力するようにしてもよい。また、主側CPU311に賞球許可信号専用の入力ポートを設け、当該入力ポートに賞球許可信号を入力するようにしてもよい。
(10)上記各実施の形態では、下皿34の満タン状態やタンク221の球無状態といった所定制限状況では賞球許可信号の出力を停止する構成としたが、これに代えて、上記所定制限状況であっても賞球許可信号の出力を停止しない構成としてもよい。但し、パチンコ機10の電源が遮断された際に消去されてしまう賞球数を極力少なくする上では、上記実施の形態のように所定制限状況では賞球許可信号の出力を停止することが好ましい。
(11)上記各実施の形態では、前扉枠14の開放状態では賞球許可信号の出力を停止する構成としたが、これに代えて、前扉枠14の開放状態であっても賞球許可信号の出力を停止しない構成としてもよい。当該構成であっても、主側CPU311において前扉枠14の開放状態では賞球コマンドの出力が不許可とされる。また、前扉枠開放スイッチ78からの信号を払出側CPU331においても入力するようにしてもよい。
(12)上記各実施の形態において、払出装置224を複数並設し、複数の遊技球が同時に払い出される構成としてもよい。本構成において、主側RAM313に賞球情報が記憶されている状況で払出側RAM333の賞球数が許可基準数に達した場合に払出装置224の払出速度が通常周期から低速周期に切り換えられないようにするためには、許可基準数に対する切換基準数の差を上記実施の形態よりも多い数にする必要がある。
(13)上記各実施の形態において、主側RAM313には賞球用カウンタエリア361に代えて、賞球用リングバッファ(個別記憶手段)を設けてもよい。賞球用リングバッファは、1の入賞に対する1の賞球情報を個別に記憶する複数(例えば、255個)の記憶領域を有している。また、賞球用リングバッファには読み込みポインタ(読み込み特定用手段)及び読み出しポインタ(読み出し特定用手段)が設定されている。そして、読み込みポインタに基づき、上記複数の記憶領域に規則性を持って賞球情報が格納され、全ての記憶領域に賞球情報が格納された場合には、最初の記憶領域に戻り賞球情報が更新されるよう構成される。また、読み出しポインタに基づき、各記憶領域から規則性を持って、それら記憶領域に記憶されている賞球情報の読み出しが行われる。
(14)上記各実施の形態では、主側RAM313における賞球情報の記憶について、入賞が発生する度にその入賞に対応する賞球情報を加算し、賞球コマンドを出力する度にその賞球コマンドに対応した賞球情報を減算する構成としたが、主側CPU311において賞球情報が特定できるのであれば、これら加算と減算との関係を逆にしてもよい。
また、払出側RAM333における賞球数の情報の記憶について、賞球コマンドの入力に基づいてその賞球コマンドに対応した賞球数を加算し、遊技球の払出を実行する度に賞球数を減算する構成としたが、払出側CPU331において賞球数の情報が特定できるのであれば、これら加算と減算との関係を逆にしてもよい。
(15)上記各実施の形態において、払出側RAM333に払出許可フラグ格納エリア(払出許可情報記憶手段)を設け、当該払出許可フラグ格納エリアに払出許可フラグ(払出許可情報)が格納されている場合にのみ遊技球の払出が実行される構成としてもよい。この場合、電源の立ち上げに際して主側CPU311から払出側CPU331に払出許可コマンドが出力されることで、当該払出側CPU331において払出許可フラグの格納を行うようにする。これにより、主側CPU311の立ち上げ処理が完了していない段階で、例えば、貸球の払出が開始されてしまうことが防止される。
(16)上記各実施の形態において、払出側CPU331は主側CPU311から賞球コマンドを入力した場合には当該主側CPU311に対して入力完了信号を出力するようにしてもよい。この場合、賞球コマンドが払出側CPU331に正常に入力されたことを、主側CPU311において特定することが可能となる。また、主側CPU311は、上記入力完了信号を入力することで、主側RAM313に記憶された賞球情報の減算処理を実行する構成としてもよい。この場合、賞球コマンドが伝送中に電気的なノイズ等で書き換えられてしまったとしても、その賞球コマンドに対する賞球情報が未払出のまま消去されてしまうことが防止される。
(17)上記第1の実施の形態等において、前扉枠開放スイッチ78の検知結果を払出制御基板322に入力するようにし、前扉枠14が開放状態で電源が投入された場合には、主側CPU311のメイン処理において待機処理が実行されている間に、払出側CPU331において賞球許可信号の出力を停止するようにしてもよい。当該構成であっても、前扉枠14の開放状態で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われたとしても、遊技球の払出が実行されることなく主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止することができる。
(18)上記第1の実施の形態等において、満タン検知センサ59の検知結果及び球無検知センサ223aの検知結果を主制御基板301に入力するようにし、所定制限状況で電源が投入された場合には、主側CPU311において払出側CPU331が出力許可状態であることを特定する前に所定制限状況であることを特定するようにしてもよい。当該構成であっても、所定制限状況で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われたとしても、遊技球の払出が実行されることなく主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止することができる。
(19)上記第1の実施の形態等において、前扉枠14の開放状態で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われたとしても、遊技球の払出が実行されることなく主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止するための構成を、本体枠13に対して適用してもよい。これにより、本体枠13の開放状態で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われたとしても、遊技球の払出が実行されることなく主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止することができる。
(20)上記第1の実施の形態等において、払出側CPU331にて満タン検知センサ59から満タン検知信号を継続して入力している期間が第2満タン特定基準期間に達したとしても払出装置224の払出速度を低速周期に変更しない構成としてもよい。当該構成であっても、第2満タン特定基準期間に達することで賞球許可信号の出力を停止することで、主側待機期間が極端に長くなってしまうことを抑制しつつ、所定制限状況で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止することができる。
また、第2満タン特定基準期間を設定せずに、第1満タン特定基準期間に達した場合に賞球許可信号の出力を停止する構成としてもよい。但し、本構成において、所定制限状況で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止するためには、主側待機期間を上記第1の実施の形態よりも長く確保する必要が生じる。
また、第1満タン特定基準期間及び第2満タン特定基準期間の他に、第2満タン特定基準期間よりも短い第3満タン特定基準期間を設定してもよい。そして、満タン検知信号を継続して入力している期間が第3満タン特定基準期間に達することで、賞球許可信号の出力を停止するようにしてもよい。本構成では、主側待機期間を上記第1の実施の形態よりも短くすることが可能となる。
なお、上記第1の実施の形態と同様に第1満タン特定基準期間及び第2満タン特定基準期間の両方を設定する構成において、下皿34の満タン状態で電源が投入された場合に、主側待機処理が実行されている間に賞球許可信号の出力が停止されるように第2満タン特定基準期間が設定されているのであれば、それらの具体的な期間は任意である。
(21)上記第1の実施の形態等において、払出側CPU331にて球無検知センサ223aから球無検知信号を継続して入力している期間が第2球無特定基準期間に達したとしても払出装置224の払出速度を低速周期に変更しない構成としてもよい。当該構成であっても、第2球無特定基準期間に達することで賞球許可信号の出力を停止することで、主側待機期間が極端に長くなってしまうことを抑制しつつ、所定制限状況で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に、主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止することができる。
また、第2球無特定基準期間を設定せずに、第1球無特定基準期間に達した場合に賞球許可信号の出力を停止する構成としてもよい。但し、本構成において、所定制限状況で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止するためには、主側待機期間を上記第1の実施の形態よりも長く確保する必要が生じる。
また、第1球無特定基準期間及び第2球無特定基準期間の他に、第2球無特定基準期間よりも短い第3球無特定基準期間を設定してもよい。そして、球無検知信号を継続して入力している期間が第3球無特定基準期間に達することで、賞球許可信号の出力を停止するようにしてもよい。本構成では、主側待機期間を上記第1の実施の形態よりも短くすることが可能となる。
なお、上記第1の実施の形態と同様に第1球無特定基準期間及び第2球無特定基準期間の両方を設定する構成において、タンク221の球無状態で電源が投入された場合に、主側待機処理が実行されている間に賞球許可信号の出力が停止されるように第2球無特定基準期間が設定されているのであれば、それらの具体的な期間は任意である。
(22)上記第1の実施の形態等において、電源が投入された際には、前扉枠開放スイッチ78から前扉枠開放信号を入力することで即座に賞球コマンドの出力禁止状態に設定する構成としてもよい。この場合、ノイズ等の原因で賞球コマンドの出力禁止状態に設定されてしまう可能性があるものの、前扉枠14の開放状態で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に、主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止することが可能となる。
(23)上記第1の実施の形態等において、電源が投入された際には、満タン検知センサ59から満タン検知信号を入力することで即座に賞球許可信号の出力を停止する構成としてもよい。この場合、ノイズ等の原因で賞球許可信号の出力が停止されてしまう可能性があるものの、下皿34の満タン状態で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に、主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止することが可能となる。
(24)上記第1の実施の形態等において、電源が投入された際には、球無検知センサ223aから球無検知信号を入力することで即座に賞球許可信号の出力を停止する構成としてもよい。この場合、ノイズ等の原因で賞球許可信号の出力が停止されてしまう可能性があるものの、タンク221の球無状態で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に、主側RAM313に記憶されている賞球情報が繰り返し消去されていってしまうことを阻止することが可能となる。
(25)上記第2の実施の形態のように、不許可フラグを用いることで、電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に主側RAM313に記憶されている賞球情報が消去されてしまうことを阻止する構成を、払出側CPU331に対して適用してもよい。具体的には、払出側CPU331のメイン処理に際して、払出側RAM333の不許可フラグ格納エリアに不許可フラグを格納するようにする。この不許可フラグが格納されている間は、賞球許可信号の出力を禁止するようにする。そして、例えば、遊技球発射ハンドル41が操作されていることを検知する操作検知手段の検知結果を払出側CPU331に入力するようにし、払出側CPU331では操作検知手段から遊技球発射ハンドル41が操作されていることを示す検知結果を入力した場合に不許可フラグを消去するようにする。
以上のように本構成によれば、電源が投入された場合に払出側RAM333に不許可フラグが格納されることにより賞球許可信号は出力されず、それに伴って電源投入に際して主側RAM313に賞球情報が記憶されていたとしても賞球コマンドは出力されない。そして、この賞球許可信号の出力が禁止された状態は、電源投入後に遊技球発射ハンドル41が操作されるまで維持される。よって、電源投入及び電源遮断が繰り返し行われた場合に、遊技球の払出が実行されることなく主側RAM313に記憶されている賞球情報が消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
(26)前扉枠14が開放状態で電源が投入され、賞球コマンドの出力が禁止された場合に、その解除条件を上記第1の実施の形態と異なるものとしてもよい。例えば、入賞が発生すること、遊技球発射ハンドル41が操作されることを上記解除条件としてもよい。
また、下皿34が満タン状態で電源が投入され、賞球コマンドの出力が禁止された場合に、その解除条件を上記第1の実施の形態と異なるものとしてもよい。例えば、入賞が発生すること、遊技球発射ハンドル41が操作されることを上記解除条件としてもよい。
また、タンク221が球無状態で電源が投入され、賞球コマンドの出力が禁止された場合に、その解除条件を上記第1の実施の形態と異なるものとしてもよい。例えば、入賞が発生すること、遊技球発射ハンドル41が操作されることを上記解除条件としてもよい。
(27)上記第1の実施の形態等において、主側CPU311のメイン処理においてステップS402の待機処理が完了した時点では、払出側CPU331からの賞球許可信号の出力が停止されないことがあるようにその待機処理の待機期間を設定してもよい。但し、当該構成とした場合、待機処理後において出力許可基準期間が経過するよりも前に払出側CPU331からの賞球許可信号の出力が停止されるよう上記待機期間を設定することで、所定制限状況で電源が投入された場合に賞球コマンドが出力されてしまわないようにすることができる。
(28)上記各実施の形態では、払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に上限賞球数に対応した賞球数情報が記憶されている場合には、第2満タン特定基準期間の経過後から第1満タン特定基準期間が経過するまでの間に、その賞球数の一部は払い出されるものの全てが払い出されることはない構成としたが、これを変更してもよい。
例えば、払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に上限賞球数に対応した賞球数情報が記憶されている場合であっても、第2満タン特定基準期間(第2制限基準期間)の経過後から第1満タン特定基準期間(第1制限基準期間)が経過するまでの間に、その賞球数の全てが払い出される構成としてもよい。
当該構成を実現する具体的な構成としては、例えば、第2満タン特定基準期間の経過後に払出装置224の駆動速度を低速周期に変更するのではなく、通常周期を維持する構成としてもよい。但し、上記各実施の形態では、上限賞球数は「18」であり、通常周期は60msecであり、第1満タン特定基準期間と第2満タン特定基準期間との差は900msecであるため、このままでは上限賞球数の全ては払い出されない。したがって、通常周期を上記第1の実施の形態よりも速くする、第2満タン特定基準期間を上記第1の実施の形態よりも短くする、又は第1満タン特定基準期間を上記第1の実施の形態よりも長くする、の少なくとも一の修正を行う必要がある。
また、上記第1の実施の形態と同様に、第2満タン特定基準期間の経過後に払出装置224の駆動速度を低速周期に変更する構成においては、第2満タン特定基準期間の経過後から第1満タン特定基準期間が経過するまでの間に、上限賞球数の全てが払い出されるように、払出装置224の払出速度の設定、又は第1満タン特定基準期間と第2満タン特定基準期間との間の期間の設定、の少なくとも一方を行う必要がある。
上記のように、払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に上限賞球数に対応した賞球数情報が記憶されている場合であっても、第2満タン特定基準期間の経過後から第1満タン特定基準期間が経過するまでの間に、その賞球数の全てが払い出される構成とすることで、下皿34が満タン状態となり遊技球の払出が停止される場合には、遊技球の払出が停止される前の段階で払出側RAM333に記憶されている賞球数情報に対応した遊技球数の払出を完了することができる。よって、下皿34の満タン状態で電源が遮断された場合に、賞球数情報が払い出されないまま消去されてしまう可能性が低減される。
なお、上記構成に限定されることはなく、第2満タン特定基準期間の経過後から第1満タン特定基準期間が経過するまでの間に、遊技球が1個も払い出されない構成としてもよい。例えば、払出装置224の低速周期を上記第1の実施の形態よりも遅い周期とすることで実現可能である。
(29)上記各実施の形態では、払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に上限賞球数に対応した賞球数情報が記憶されている場合には、第2球無特定基準期間の経過後から第1球無特定基準期間が経過するまでの間に、その賞球数の一部は払い出されるものの全てが払い出されることはない構成としたが、これを変更してもよい。
例えば、払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に上限賞球数に対応した賞球数情報が記憶されている場合であっても、第2球無特定基準期間(第2制限基準期間)の経過後から第1球無特定基準期間(第1制限基準期間)が経過するまでの間に、その賞球数の全てが払い出される構成としてもよい。
当該構成を実現する具体的な構成としては、例えば、第2球無特定基準期間の経過後に払出装置224の駆動速度を低速周期に変更するのではなく、通常周期を維持する構成としてもよい。上記各実施の形態では、上限賞球数は「18」であり、通常周期は60msecであり、第1球無特定基準期間と第2球無特定基準期間との差は9000msecであるため、第2球無特定基準期間の経過後から第1球無特定基準期間が経過するまでの間に、上限賞球数の全てが払い出される。
また、上記第1の実施の形態と同様に、第2球無特定基準期間の経過後に払出装置224の駆動速度を低速周期に変更する構成においては、第2球無特定基準期間の経過後から第1球無特定基準期間が経過するまでの間に、上限賞球数の全てが払い出されるように、払出装置224の払出速度の設定、又は第1球無特定基準期間と第2球無特定基準期間との間の期間の設定、の少なくとも一方を行う必要がある。
上記のように、払出側RAM333の賞球数記憶エリア374に上限賞球数に対応した賞球数情報が記憶されている場合であっても、第2球無特定基準期間の経過後から第1球無特定基準期間が経過するまでの間に、その賞球数の全てが払い出される構成とすることで、タンク221が球無状態となり遊技球の払出が停止される場合には、遊技球の払出が停止される前の段階で払出側RAM333に記憶されている賞球数情報に対応した遊技球数の払出を完了することができる。よって、タンク221の球無状態で電源が遮断された場合に、賞球数情報が払い出されないまま消去されてしまう可能性が低減される。
なお、上記構成に限定されることはなく、第2球無特定基準期間の経過後から第1球無特定基準期間が経過するまでの間に、遊技球が1個も払い出されない構成としてもよい。例えば、払出装置224の低速周期を上記第1の実施の形態よりも遅い周期とすることで実現可能である。
(30)上記各実施の形態において、前扉枠14が開放状態となった場合に、払出装置224からの遊技球の払出が停止されるよりも前のタイミングで、賞球コマンドが出力されないように規制される構成としてもよい。具体的には、前扉枠開放スイッチ78から前扉枠開放信号を継続して入力している期間(開放検知継続期間)が、第1開放特定基準期間(例えば、500msec)に達した場合に前扉枠開放コマンドを払出側CPU331に出力することで遊技球の払出を停止するようにし、上記開放検知継続期間が第1開放特定基準期間よりも短い第2開放特定基準期間(例えば、100msec)に達した場合に賞球コマンドが出力されないように規制する構成とする。これにより、前扉枠14が開放状態となり遊技球の払出が停止される場合には、比較的早い段階で賞球コマンドが出力されないように規制することができ、遊技球の払出が停止されている状況において賞球コマンドが出力されてしまうことを確実に阻止することが可能となる。
また、当該構成において、払出側RAM333の賞球記憶エリア374に上限賞球数に対応した賞球数情報が記憶されている場合には、第2開放特定基準期間の経過後から第1開放特定基準期間が経過するまでの間に、その上限賞球数が払い出されない構成としてもよく、その上限賞球数の一部のみが払い出される構成としてもよく、その上限賞球数の全てが払い出される構成としてもよい。但し、上限賞球数の全てが払い出される構成とすることで、前扉枠14の開放状態で電源が遮断された場合に、賞球数情報が払い出されないまま消去されてしまう可能性が低減される。
また、上記構成において、第1開放特定基準期間が経過し遊技球の払出が停止されている状況で前扉枠開放スイッチ78からの前扉枠開放信号の入力が停止された場合には、その状態が第1非制限基準期間(例えば、1sec)に達したことに基づいて、賞球コマンドが出力されないように規制された状態を解除する構成としてもよい。また、第2開放特定基準期間が経過しているものの第1開放特定基準期間が経過していない状況で前扉枠開放スイッチ78からの前扉枠開放信号の入力が停止された場合には、即座に又は第1非制限基準期間よりも短い第2非制限基準期間(例えば、500msec)が経過したことに基づいて、賞球コマンドが出力されないように規制された状態を解除する構成としてもよい。
なお、上記のような前扉枠14の開放に関する構成を、本体枠13の開放に関する構成に対して適用してもよい。
(31)上記各実施の形態において、下皿34が満タン状態となった場合であって、第2満タン特定基準期間の経過後から第1満タン特定基準期間が経過するまでの間に満タン検知信号の入力が停止された場合に、賞球許可信号が出力されないように規制されている状態が即座に解除されるのではなく、満タン解除特定基準期間よりも短い第2満タン特定基準期間が経過した後に、賞球許可信号が出力されないように規制されている状態が解除される構成としてもよい。この場合、ノイズなどの原因で満タン検知信号の入力が停止された場合に、賞球許可信号が出力されないように規制されている状態が解除されてしまう可能性が低減される。当該構成であっても、第2満タン特定基準期間の経過後から第1満タン特定基準期間が経過するまでの間に満タン検知信号の入力が停止された場合には、満タン解除特定基準期間の経過を待つまでもなく、賞球許可信号が出力されないように規制されている状態が解除されるため、賞球コマンドの出力が規制された期間が極端に長くなってしまわないようにすることができる。
なお、このような賞球許可信号が出力されないように規制されている状態を解除する構成を、タンク221の球無状態に関して適用してもよい。一方、上記第1の実施の形態におけるタンク221の球無状態に関して賞球許可信号が出力されないように規制されている状態を、下皿34の満タン状態に関して適用してもよい。
(32)上記各実施の形態において、下皿34の満タン状態やタンク221の球無状態といった所定制限状況が発生した場合に、払出装置224の駆動速度を低速周期に変更しない構成としてもよい。また、所定制限状況が発生している場合に、払出装置224の駆動速度を低速周期に変更する構成においては、賞球許可信号が出力されないように規制されるタイミングと、払出装置224の駆動速度が低速周期に変更されるタイミングとを異ならせてもよい。さらには、賞球許可信号が出力されないように規制されている状態を解除するタイミングと、払出装置224の駆動速度を通常周期に復帰させるタイミングとを異ならせてもよい。
(33)各球検知センサ152〜155にて遊技球を検知しているか否かの特定を主側CPU311において行う場合の処理構成を、上記各実施の形態とは異なるものとしてもよい。例えば、主側ROM312に通過特定基準情報を予め記憶させておく。具体的には、通過特定基準情報として、「0」,「1」,「1」という情報をこの順で予め記憶させておく。そして、主側CPU311の読み込み処理においては、第1入力ポート351、前回用エリア362及び前々回用エリア363から、今回、前回、前々回の情報を各球検知センサ152〜155毎に読み出す。そして、その読み出した1群の情報と、上記通過特定基準情報とを比較演算することにより、遊技球を検知しているか否かの特定を行うようにする。つまり、読み出した1群の情報が、今回、前回、前々回の順で「0」,「1」,「1」の場合に、遊技球を検知していると特定するようにする。本構成であっても、各球検知センサ152〜155に対して同様の演算処理を実行することで、各球検知センサ152〜155について通過有りの特定を正確に行うことができる。また、タイマカウンタ等の期間計測手段を各球検知センサ152〜155に対して個別に設ける構成に比べ、主制御基板301のハード構成及びソフト構成の両面において好ましいものとなる。
(34)上記各実施の形態では、各球検知センサ152〜155にて遊技球を検知しているか否かの特定を主側CPU311において行う場合の基準連続回数を3回としたが、これに代えて、4回又はそれ以上としてもよい。但し、ノイズの影響を低減しつつ、且つ前回用エリア362及び前々回用エリア363といった履歴領域の数を極力少なくするという点においては、上記各実施の形態のように3回とすることが好ましい。
(35)上記各実施の形態では、読み込み処理において主側CPU311のレジスタを3個用いる構成としたが、これを変更してもよい。例えば、主側CPU311のレジスタを2個用いる構成とし、両方のレジスタを適宜更新していくことで読み込み処理を実行するようにしてもよい。また、上記各実施の形態において、読み込み処理における論理演算の具体的な内容は任意であるが、論理演算の内容を簡素化する上では上記各実施の形態のように論理積を用いることが好ましい。
(36)上記各実施の形態では、主側CPU311の第1入力ポート351に賞球許可信号を入力するようにしたが、これに代えて、第1入力ポート351には、遊技領域に対して設けられた球検知センサ152〜155以外の信号を入力しないようにしてもよい。この場合、上記各実施の形態と異なり、遊技領域に対して設けられた球検知センサ152〜155の数が8個である場合には、それら球検知センサ152〜155の信号を全て第1入力ポート351に入力するようにしてもよい。なお、第1入力ポート351及び第2入力ポート352の機能をドライバICとして主側CPU311のチップとは別に設け、主側CPU311には単一の入出力ポート(複数ビットの構成)又は入力ポート(複数ビットの構成)を設ける構成においては、賞球許可信号を第1入力ポート351としての機能を有するドライバICには入力させずに、第2入力ポート352としての機能を有するドライバICに入力させる構成としてもよい。
(37)上記各実施の形態では、主側CPU311の第1入力ポート351には、遊技領域に対して設けられた球検知センサ152〜155からの信号を全て入力する構成としたが、2以上の一部のみを第1入力ポート351に入力し、その他を第1入力ポート351とは異なる入力ポートに入力するようにしてもよい。この場合、第1入力ポート351についてのみ、上記各実施の形態における読み込み処理の演算処理を実行するようにしてもよく、第1入力ポート351及びその他の入力ポートに対して当該演算処理を実行するようにしてもよい。
なお、第1入力ポート351についてのみ、上記各実施の形態における読み込み処理の演算処理を実行する場合、他の入力ポートに信号を入力するようにした球検知センサについては、タイマカウンタなどの期間計測手段を用いて通過有りの特定を行うようにしてもよい。これは、第1入力ポート351及び第2入力ポート352の機能をドライバICとして主側CPU311のチップとは別に設け、主側CPU311には単一の入出力ポート(複数ビットの構成)又は入力ポート(複数ビットの構成)を設ける構成においても同様である。
(38)上記各実施の形態における読み込み処理の演算処理を、払出側CPU331において実行するようにしてもよい。例えば、払出装置224の払出球検知センサ258及び満タン検知センサ59に対して適用してもよい。但し、満タン検知センサ59については、遊技球の検知を開始したタイミングだけでなく遊技球の検知を終了したタイミングも特定する必要があるため、これら両方のタイミングを特定することができるように上記演算処理の処理構成を設定する必要がある。
(39)上記各実施の形態では、1バイトが8ビットとして設定された制御手段を有する遊技機に対して本発明を適用したが、1バイトが8ビット未満又は9ビット以上として設定された制御手段を有する遊技機に対して本発明を適用してもよい。
(40)上記各実施の形態では、読み込み処理における演算処理を、各球検知センサ152〜155についてのみ適用したが、これに加え、賞球許可信号や、前扉枠開放スイッチ78などに対して適用してもよい。
(41)上記各実施の形態では、遊技領域に設けられた通過部に対して1対1で対応させて球検知センサ152〜155が設けられた遊技機に対して本発明を適用したが、1の球検知センサにより複数の通過部における遊技球の通過を検知する遊技機に対して本発明を適用してもよい。
(42)上記各実施の形態では、読み込み処理はタイマ割込み処理の一部の処理として実行される構成としたが、これに代えて、通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。また、繰り返し実行される一連の処理における一部の処理として実行されるのであれば、読み込み処理は定期的に実行される必要はない。
ちなみに、上記各実施の形態における読み込み処理に関する構成を、払出側RAM333に電断時電力が供給される遊技機に対して適用してもよい。また、読み込み処理に関する構成を、払出制御基板322が不具備であり、主側CPU311により払出装置224の駆動制御を実行する遊技機に適用してもよい。
(43)賞球許可信号の出力開始のタイミングが上記第1の実施の形態と異なり、例えば賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報が5個以下となることで賞球許可信号の出力が開始される構成としてもよい。この場合、賞球数の情報を加算する際には、賞球数記憶エリア374に記憶されている賞球数の情報は5個以下となる。
このように許可基準数が5個に設定された構成においては、加算時修正用情報を、「00000111」としてもよい。本構成の場合、加算時修正用賞球数は許可基準数の5個よりも多い7個となるが、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が5個以下の場合には、加算時マスク処理の後においてその記憶されていた賞球数の情報はそのまま維持される。よって、加算時マスク処理により遊技者が不利益を被ってしまうことはない。また、賞球数記憶エリア374に記憶されていた賞球数の情報が131個といった7個を大きく超える数であった場合には、それを7個以下に修正することができるため、ノイズ等の影響で賞球数の情報が書き換えられてしまったとしても遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できる。
なお、上記のような変形例は、許可基準数が、下位のビットから上位側の所定のビットに亘って連続して「1」(データ1)が設定された情報に対応した数ではない場合に、同様に適用することができる。この場合、加算時修正用情報は、下位のビットから、10進数で表した場合に許可基準数に達した又は超えた直後のビットまで連続して「1」が設定された情報であればよい。
(44)賞球数記憶エリア374の上限賞球数を上記各実施の形態とは異なるものとしてもよい。例えば、上限賞球数を15個又は31個などといったように、下位のビットから特定順番目の上位側のビットに亘って連続して「1」(データ1)が設定された情報に対応した数としてもよい。本構成においては、払出時修正用情報を、下位のビットから上記特定順番目の上位側のビットに亘って連続して「1」が設定された情報とすることで、払出時修正基準数と上限賞球数とを一致させることができる。
(45)上記各実施の形態において、加算時マスク処理や払出設定時マスク処理にて論理積の演算を実行するのではなく、所定のタイミングにおいて賞球数記憶エリア374の所定のビットに「1」(データ1)が設定されている場合に、それを「0」(データ0)に修正する構成としてもよい。例えば、上記第1の実施の形態における加算時マスク処理において、賞球数記憶エリア374における下位のビットから連続して2個のビットに「1」が設定されていたとしてもそれを維持し、当該2個のビットよりも上位側のビットに「1」が設定されている場合にそれを「0」に修正する構成としてもよい。本構成であっても、ノイズ等により賞球数記憶エリア374の情報が書き換えられてしまったとしても、その影響を低減させることができる。
(46)上記各実施の形態において、加算時マスク処理と払出設定時マスク処理とのうち、いずれか一方のみを実行する構成としてもよい。
(47)上記各実施の形態において、加算時マスク処理を、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報を加算した後に実行する構成としてもよい。この場合、加算時修正用情報として、払出時修正用情報と同一のものを用いればよい。
(48)払出設定時マスク処理を実行するタイミングは、上記各実施の形態におけるタイミングに限定されることはなく、例えば、1個の遊技球の払出が払出球検知センサ258にて検知された直後のタイミングとしてもよい。また、払出状態設定処理(図44)の直前又は直後のタイミングとしてもよい。また、払出モータ257が動作している状況においてのみ払出設定時マスク処理が実行される構成としてもよい。また、賞球数記憶エリア374に賞球数の情報が記憶されている状況においてのみ払出時マスク処理が実行される構成としてもよい。
(49)上記各実施の形態では、加算時マスク処理及び払出設定時マスク処理において払出側CPU331のレジスタを用いる構成としたが、払出側CPU331のレジスタを用いない構成としてもよい。この場合、払出側RAM333に、加算時マスク処理及び払出設定時マスク処理を実行する上で情報を格納するための実行記憶エリアを設ける必要がある。
(50)上記各実施の形態では、加算時マスク処理及び払出設定時マスク処理を、賞球数記憶エリア374についてのみ実行する構成としたが、これらのマスク処理の両方又は一方を、貸球数記憶エリア375に対して適用してもよい。
(51)払出側RAM333において賞球数を記憶する領域に対して電断時電力は供給されないが、セキュリティに関する情報を記憶する領域に対しては電断時電力が供給される構成としてもよい。この場合であっても、払出側RAM333において賞球数を記憶する領域及びセキュリティに関する情報を記憶する領域の両方に対して電断時電力が供給される構成に比べ、低コスト化が図られる。
ちなみに、上記各実施の形態における加算時マスク処理及び払出設定時マスク処理といったマスク処理の構成を、払出側RAM333に電断時電力が供給される遊技機に対して適用してもよい。また、マスク処理の構成を、払出制御基板322が不具備であり、主側CPU311により払出装置224の駆動制御を実行する遊技機に適用してもよい。この場合、主側RAM313に賞球数記憶エリア374を設け、当該賞球数記憶エリア374に対してマスク処理が実行されることとなる。
(52)主制御基板301と払出制御基板322とが電気信号により情報の入出力を行うのではなく、光通信により情報の入出力を行う構成としてもよい。また、有線通信に限定されることはなく、電波や赤外線を用いた無線通信により情報の入出力を行う構成としてもよい。
また、上記各実施の形態では、電源及び発射制御基板321の電入時用電源部321aからの電力は、払出側CPU331のVCC端子に供給され、さらに払出側CPU331においてVCC端子とVBB端子とが電気的に接続されている構成としたことにより、電入時用電源部321aからの電力が払出側RAM333に供給される構成としたが、これを変更してもよい。例えば、払出側CPU331においてVCC端子とVBB端子とが電気的に接続されていない構成としてもよい。この場合、VBB端子からのみ払出側RAM333に電力が供給される構成であるため、パチンコ機10の電源投入中において払出側RAM333に電力が供給されるようにするためには、電入時用電源部321aと払出側CPU331のVBB端子とを電気的に接続し、電入時用電源部321aからの電気電力を払出側CPU331のVBB端子に供給するようにすればよい。
(53)上記各実施の形態では、払出エラー状態となった場合、払出装置224による遊技球の払出を停止する構成としたが、これに代えて、払出装置224による遊技球の払出速度を通常時(低速周期)よりも極端に遅くし、その払出速度を実質的に遊技球が払い出されない程度とする構成としてもよい。
(54)上記各実施の形態では、外側貯留部として上皿33と下皿34とを備えたパチンコ機10に本発明を適用したが、これに代えて、単一の外側貯留部を備えたパチンコ機に本発明を適用してもよい。この場合、満タン検知センサ59はその単一の外側貯留部が満タン状態か否かを検知するように設け、外側貯留部が満タン状態であることが特定された場合に遊技球の払出を制限するようにする。
(55)上記各実施の形態において、停電監視装置を主制御装置162とは別に設けることで、主制御基板301は主制御回路302のみの機能を有する構成としてもよい。
(56)上記各実施の形態では、音声ランプ制御装置143が表示制御装置325を制御する構成としたが、これに代えて、表示制御装置325が音声ランプ制御装置143を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置143と表示制御装置325との両機能を有する単一の制御装置を設けてもよい。
(57)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。また、球貸装置Yを通じた遊技球の貸球が行われないパチンコ機に本発明を適用してもよい。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。特に、メダルの払出が完了していない状況であっても次回の遊技回を開始することが可能なスロットマシンに本発明を適用すると、より効果的である。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。特に、遊技球の払出が完了していない状況であっても次回の遊技回を開始することが可能な遊技機に本発明を適用すると、より効果的である。
(58)上記各実施の形態では、貸球の払出が行われている場合、賞球許可状態に設定されたが、かかる構成を変更する。すなわち、貸球の払出が行われている場合には賞球不許可状態とする。この場合について図67を用いて詳細に説明する。
本構成における貸球許可信号設定処理ではステップS3401にて貸球要求信号を入力しているか否かを判定し、貸球要求信号を入力していない場合にはステップS3402に進み、貸球数記憶エリア375の値が0か否かを判定する。貸球数記憶エリア375の値が0の場合には、ステップS3403に進む。ステップS3403〜ステップS3409の処理は第1の実施の形態における賞球許可信号設定処理のステップS2301〜ステップS2307と同様の処理を行うため、説明を省略する。
一方、ステップS3401にて貸球要求信号を入力していると判定された場合、又はステップS3402にて貸球数記憶エリア375の値が0でないと判定された場合はステップS3409に進み、賞球不許可状態に設定する。貸球要求信号を入力している場合には、これから貸球の払出を開始することとなり、貸球数記憶エリア375の値が0でない場合には、貸球の払出が行われていることとなる。すなわち、貸球の払出が開始される場合及び貸球の払出が行われている場合に賞球不許可状態に設定することによって、貸球の払出が開始される場合及び貸球の払出が行われている場合に賞球数記憶エリア374に賞球の情報が記憶されることを抑制することが可能となる。貸球の払出が行われている場合に賞球の情報が賞球数記憶エリア374に記憶されてしまうと、賞球数記憶エリア374及び貸球数記憶エリア375の両方に払出に関する情報が記憶されることとなり、この場合に電源遮断状態となると、当該賞球数記憶エリア374及び貸球数記憶エリア375に未払出の情報が記憶されており、当該情報が全て消去されてしまうこととなる。
本実施の形態によれば、貸球の払出が行われている場合に賞球不許可状態に設定することによって、貸球の払出が行われている場合に賞球数エリア374に賞球の情報が記憶されてしまうことを抑制し、貸球の払出が行われている場合に電源遮断状態となったとしても、未払出の賞球の情報が全て消去されてしまうことを抑制することが可能となる。また、貸球要求信号を入力しているタイミングにて、賞球コマンドが出力されること抑制できる。これにより、貸球要求信号が出力されてから当該貸出要求信号に基づいて貸出数記憶エリア375に貸出数の情報が記憶されるまでの間に賞球コマンドが出力されてしまうことを抑制できる。
なお、ステップS3401又はステップS3402の処理のいずれか一方のみを行う構成としてもよい。但し、貸球要求信号を入力しているか否かのみによって賞球不許可状態にするか否かを判定する遊技機の場合、貸球要求信号は入力していないが、貸球数記憶エリア375が0ではなく貸球の払出が行われている場合にも賞球コマンドが出力されてしまう。また、貸出数記憶エリア375の値が0か否かのみによって賞球出力不許可状態とするか否かを判定する遊技機の場合、貸球要求信号が出力され、貸出数記憶エリア375の値が0でなくなるまでの期間には賞球コマンドが出力されることとなる。よってステップS3401及びステップS3402の両方の処理を行うのが望ましい。
(59)貸球要求信号が主制御装置162に入力され、主制御装置162から払出制御装置242に貸球要求信号が出力されてもよい。この場合、主制御装置162の主側RAM313に主側貸球用カウンタエリアが設けられており、貸球要求信号があった場合に貸球要求信号に対応した情報が主側貸球用カウンタエリアに入力される。そして、賞球コマンドに対応した遊技球の払出が行われていない場合に、主側貸球用カウンタエリアに入力されている情報を払出制御装置242に出力することによって、貸球数記憶エリア375に貸球数が加算されてもよい。
(60)球貸装置Yは挿入口Hへカードを挿入することによってカードに記憶された金額に相当する数の貸球要求信号を出力するものであったが、カードではなく直接現金を球貸装置Yに投入するものであってもよい。この場合、球貸装置Yは投入された現金に相当する貸球要求信号を出力することとなる。この場合でも球貸装置Yとパチンコ機10との電源が異なっていれば、パチンコ機10の電源が遮断されたとしても球貸装置Yの電源は遮断されないため、球貸装置Yに投入された現金の情報は消去されることを抑制できる。
なお、球貸装置Yの電源が遮断されたとしても、球貸装置Yに投入された現金の情報が消去されない構成にするのが望ましい。この場合、球貸装置Yの投入された金額を記憶する記憶領域に球貸装置Yの電源が遮断されたとしても、記憶領域の情報が消去されないよう電断時電力を供給しておけばよい。これにより、パチンコ機10及び球貸装置Yの電源が切断されているか否かに関わらず、球貸装置Yに投入された金額の情報が消去されてしまうことを抑制できる。
また、球貸装置Yに現金が投入されたことに基づいてカードやコインが球貸装置Yから放出され、そのカードやコインが球貸装置Yに投入されたことに基づいて貸球状態信号を出力するようにしてもよい。この場合、カードやコインの上記放出及び投入は自動で行われてもよい。また、現金、カードやコインが投入された場合には、球貸しボタン37が操作されたか否かを判定することなく球貸装置Yから貸球状態信号が出力されてもよいし、球貸しボタン37が操作されたことに基づいて貸球状態信号が出力されてもよい。
(61)上記実施の形態では、一の球貸操作に対して5回の貸球要求信号が出力され、一の貸球要求信号を入力した場合に25個に相当する貸球数の情報を貸球数記憶エリア375に加算したが、かかる構成に限定されるものではない。
貸球要求信号を入力した場合に3個、5個、10個、20個、50個といくつに相当する貸球数の情報が貸球数記憶エリア375に加算されてもよい。
また、一の球貸操作に対して5回の貸球要求信号が出力される必要はなく、一の球貸操作に対して一の貸球要求信号が出力されてもよい。なお、一の貸球要求信号にて大量の遊技球に相当する情報が出力される場合、当該貸球要求信号に対応した情報を主制御装置162にて記憶し、主制御装置162から当該情報を払出制御装置242に出力する構成にするのが望ましい。
(62)上記実施の形態では、賞球数の情報に基づいた遊技球の払出が行われた場合には、貸球要求信号を入力しなかったが、かかる構成に限定しない。
賞球数の情報に基づいた遊技球の払出が行われた場合には、球貸操作が行われたとしてもその操作を無効としてもよい。すなわち、賞球数の情報に基づいた遊技球の払出が行われていない場合にのみ球貸しボタン37が操作されたことに基づいて貸球状態信号が出力されることとなる。この場合、ステップS1904にて払出動作中ではないと判定された場合にのみ、球貸しボタン37が操作されたか否かを判定する構成にすればよい。
(63)上記各実施の形態では、貸球要求信号はパチンコ機10の外部に設けられた球貸装置Yから出力されるものであったが、かかる構成に限定しない。
貸球要求信号を出力する貸出手段が遊技機内部に設けられていてもよい。この場合、貸出手段がパチンコ機10に新たな装置として設けられていてもよいし、貸球要求信号を出力する機能をいずれかの装置が備えていてもよい。
例えば、主制御装置162が貸出手段としての機能を備えており、球貸しボタン37が操作されたことに基づいて主制御装置162から貸出状態信号及び貸球要求信号が出力されるものが考えられる。なお、この場合、球貸しボタン37が操作された場合に、主制御装置162がカードに遊技球を払い出すべく金額が記憶されているかを参照すればよく、上記実施の形態のように貸球装置Yにカードが挿入されていてもよいし、パチンコ機10にカードを挿入するようにしてもよい。貸球装置Yにカードを挿入する場合、貸球装置Yはカードを挿入するためのみの装置として機能することとなる。また、パチンコ機10にカードを挿入する場合、貸球装置Yが必要なくなる。
(64)上記各実施の形態では、賞球コマンドは賞球許可状態において出力されるものであったが、賞球許可状態及び賞球不許可状態が設定されておらず、主側RAM313に賞球情報が記憶されると直ちに賞球コマンドが出力されてもよい。
この構成においても、賞球情報に基づいた遊技球の払出が行われている場合には、貸球要求信号を入力しないようにしてもよい。これにより、賞球コマンドに基づいた遊技球の払出が行われている場合には、貸球要求信号を入力しないために、貸球数記憶エリア375に遊技球を払いだすべく情報が記憶されることがない。これにより、賞球コマンドに基づいた遊技球の払出が行われている場合に電断状態となったとしても、貸出数記憶エリア375に未払出の情報が記憶されているまま、当該未払出の情報が消去されてしまうことを抑制することができる。
(65)上記実施形態では、貸球状態信号を入力した場合、払出動作中でないことに基づいて(ステップS1904がNO)、貸球要求出力許可信号の出力状態に設定するものであったが、貸球状態信号を入力した場合に、賞球カウンタエリア361に遊技球の払出の未実施情報が記憶されているか、賞球数記憶エリアの値が予め定められた規定数以下であるかを判定し、その判定結果に基づいて貸球要求出力許可信号の出力状態に設定するものとしてもよい。
すなわち、ステップS1904にて、主制御装置162に設けられた賞球用カウンタエリア361に遊技球の払出の未実施情報が記憶されているか、払出制御装置242に設けられた賞球数記憶エリア374の値が3以下であるかを判定する。そして、賞球用カウンタエリア361に遊技球の払出の未実施情報が記憶されておらず、かつ賞球数記憶エリア374の値が3以下である場合に、貸球要求出力許可信号の出力状態に設定すればよい。これにより、賞球用カウンタエリア361に遊技球の払出の未実施情報が記憶されておらず、かつ賞球数記憶エリア374の値が3以下の場合に貸球要求信号を入力することとなる。本構成においても、賞球数記憶エリア374に情報が記憶されており、遊技球の払出が行われている場合には貸球要求信号を入力してしまうことを抑制できる。よって、パチンコ機10が電断状態になったとしても消去されてしまう未払出の情報を最小限なものとすることが可能となる。
なお、払出制御装置242にて主制御装置162に設けられた賞球用カウンタエリア361に遊技球の払出の未実施情報が記憶されているか否かを判定する方法は任意である。例えば、賞球用カウンタエリア361に遊技球の払出の未実施情報が記憶されていない場合には、賞球用カウンタエリア361に遊技球の払出の未実施情報が記憶されていないことを示す信号が主制御装置162から払出制御装置242に出力され、当該信号を入力することによって払出制御装置242にて賞球用カウンタエリア361に遊技球の払出の未実施情報が記憶されていないと判定されるものが考えられる。また、主制御装置162から予め定められた期間に亘って賞球コマンドを入力しないことに基づいて払出制御装置242にて賞球用カウンタエリア361に遊技球の払出の未実施情報が記憶されていないと判定されるものが考えられる。
なお、本構成における賞球数記憶エリア374の値が3以下か否かとは賞球許可状態であるか否か判定するようにしてもよい。また、本構成では、賞球数記憶エリア374の値が3以下か否かを判定するため、連続して球貸しボタン37が操作された場合には、連続して貸球要求信号を入力することとなるが、本構成におけるステップS1904にて賞球数記憶エリア374の値が3以下か否かではなく、払出個数カウンタエリアの値が3以下か否かを判定するようにすれば、貸球の払出が行われている場合に貸球要求信号を入力してしまうことを抑制できる。また、貸球要求出力許可状態となる場合の賞球数記憶エリア374の値は3以下に限定されることはなく、例えば、1以下、2以下、10以下と貸球要求出力許可状態となる場合の規定数は任意である。
(66)上記第7の実施の形態によれば、15個賞球コマンドを最も優先して出力し、次いで4個賞球コマンドを優先して出力するものであったが、かかる構成に限定しない。すなわち、優先順位はどのように定められていてもよい。この場合、賞球コマンド出力処理にて参照する賞球用カウンタエリア361a〜361dの順番を異ならせればよい。
例えば、4個賞球コマンドが最も優先して出力され、次いで15個賞球コマンドが出力されてもよい。この場合、頻度向上状態において記憶され易い4個賞球用カウンタエリア361cの値に基づいた4個賞球コマンドが最も優先して出力されることとなり、上記第7の実施の形態よりも頻度向上状態にて4個賞球用カウンタエリア361cに記憶されている賞球の未実施回数255回となってしまうことを抑制できる。
また、10個賞球コマンドを優先して出力する構成にしてもよいが、各賞球用カウンタエリア361a〜361dのデータがノイズ等の影響によって消去されてしまった場合に遊技者に発生する被害を軽減するために、上記実施の形態のように、入球し易い入球部に対応した賞球コマンドを優先して出力するのが望ましい。
さらに、遊技状態によって優先して出力される賞球コマンドが異なっていてもよい。例えば、頻度向上状態においては4個賞球コマンドが優先して出力されるものが考えられる。この場合、遊技状態毎に賞球コマンド出力処理にて参照する賞球用カウンタエリアを変更すればよい。
(67)上記第7の実施の形態によれば、各賞球用カウンタエリア361a〜361dのいずれかに記憶されている賞球の未実施回数が150回より大きい場合に警告状態とし、一度警告状態となった場合には、各賞球用カウンタエリア361a〜361dの全てに記憶されている未実施回数が100回未満とならなければ警告状態を解除しなかったが、かかる構成に限定しない。
警告状態と判定される未実施回数は150回より大きい場合に限定することはなく、警告状態と判定される未実施回数は任意である。また、警告状態が解除される場合も100回未満に限定することはなく、警告状態が解除される未実施回数は任意である。例えば、記憶されている未実施回数が200回以上にて警告状態となり、50回以下で警告状態が解除されてもよい。さらには、警告状態となる未実施回数と警告状態を解除する未実施回数とが等しくともよい。但し、警告状態となる未実施回数と警告状態を解除する未実施回数とが等しい場合、警告状態が解除されたとしても、再び入球部に遊技球が入球したことに基づいて警告状態となり、短期間にて警告音の発生と停止とが繰り返されることが考えられ、音声ランプ制御基板324に余計な処理負荷がかかることが考えられるため、警告状態となる未実施回数と警告状態が解除される未実施回数とは異なっているのが望ましい。
また、本実施の形態では、一度警告状態となった場合には、各賞球用カウンタエリア361a〜361dの全てに記憶されている賞球の未実施回数が100回未満とならなければ警告状態が解除されなかったが、警告状態となった場合に未実施回数が150回を上回っていた賞球用カウンタエリアを参照し、当該賞球用カウンタエリアに記憶されている賞球の未実施回数が100回未満となった場合に警告状態を解除してもよい。例えば、4個賞球用カウンタエリア361cに記憶されている未実施回数が150回を上回ることによって警告状態となった場合には、4個賞球用カウンタエリア361cの未実施回数のみを参照して警告状態を解除するか否かを決定すればよい。なお、この場合、ステップS3307〜ステップS3310の全ての処理を行う必要がなくステップS3307〜ステップ3310のいずれか1の処理を行えばよい。
(68)上記第7の実施の形態によれば、各賞球賞球用カウンタエリア361a〜361dのいずれかに記憶されている賞球の未実施回数によって警告状態とする場合があったが、各賞球賞球用カウンタエリア361a〜361dにどれだけの未実施回数が記憶されているとしても、警告状態にならなくともよい。
(69)上記実施の形態では、一の賞球コマンドは一の遊技球が入球部に入球したことに対応して出力されるものであったが、複数回に亘り入球部に遊技球が入球したことに対応して一の賞球コマンドが出力されてもよい。
例えば、3個賞球用カウンタエリア361dによってカウントされている未実施回数が8回の場合、3個賞球用カウンタエリア361にカウントされている値の5回分に相当する15個分の遊技球に相当する賞球コマンドが出力され、その後に9個分の遊技球に相当する賞球コマンドが出力されてもよい。さらには、一度に24個分の遊技球に相当する賞球コマンドが出力されてもよい。但し、パチンコ機10の電源が切断されてしまった場合に払出側RAM333に記憶している情報は消去されてしまう。このリスクを軽減するため、極端に払出側RAM333に未払出の賞球数の情報が記憶されるのを避けるのが望ましい。
(70)上記第7の実施形態では、遊技球が下作動口84bに入球し易い遊技状態として頻度向上状態が設定されていたが、かかる構成に限定される必要はなく、頻度向上状態が設定されていなくともよい。
(71)上記各実施の形態では、賞球コマンドは賞球許可状態において出力されるものであったが、賞球許可状態及び賞球不許可状態が設定されておらず、主側RAM313に賞球情報が記憶されると直ちに賞球コマンドが出力されてもよい。
(72)上記第7の実施形態では、いずれかの賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている値が150より大きくなった場合に警告音が発生されたが、かかる構成に限定されるものではない。すなわち、いずれかの賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている値が150より大きくなった場合に行われる警告態様は限定しない。
例えば、警告音はどのように発生されてもよく、音声が流れる以外にもサイレンが発生されてもよい。また、図柄表示装置91に異常を解消することを指示するメッセージが表示されてもよいし、エラー表示ランプ部24を用いて警告状態であることを教示してもよい。さらに、音声に合わせて図柄表示装置91にメッセージ等を表示することによって異常を解消することを遊技者に好適に促すことが可能となる。また、記憶されている値が150より大きくなってしまっている原因に対応して音声や表示されるメッセージが変更されてもよく、例えば、下皿34が満タン状態であることによって遊技球の払出が行われておらず、いずれかの賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている値が150より大きくなった場合には下皿34の遊技球を減らすことが指示されてもよい。
また、払出に関して異常が発生しており、いずれかの賞球用カウンタエリア361a〜361dの値が150より大きくなった場合には、異常を解消することを指示する旨が表示されてもよい。遊技ホール等にて異常を解消することを指示された場合、遊技者は係員を呼ぶ等して、異常を解消することが考えられる。なお、ここでいう払出に関する異常とは、タンク221の球無状態や、払出装置224の故障などが含まれる。
さらに、払出に関する異常が発生し、かつ下皿満タン状態が発生した等、いずれかの賞球用カウンタエリア361a〜361dの値が複数の原因によって150より大きくなった場合には、それぞれに対応した教示が行われてもよいし、係員を呼ぶ旨の教示が行われてもよい。
また、警告状態となったことがパチンコ機10から外部出力され、遊技ホール等のホールコンピュータにて警告状態となっていることが把握できるようにすれば、警告状態となったパチンコ機10に対しての対処を好適に行うことが可能となる。
(73)上記第7の実施の形態では、各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている値が150より大きくなった場合に警告音が発生されたが、各入球部に遊技球が入球する度に、対応した各賞球用カウンタエリア361a〜361dの値が減算されていき、予め定められた値より小さくなった場合に、警告状態としてもよい。
この場合、賞球の未実施回数が150回より多い場合に警告状態とするならば、各カウンタエリア361a〜361dに記憶されている未実施回数が100(すなわち、2進数で「1101001」)以下である場合に、警告状態とすればよい。また、賞球の未実施回数が100回より少なくなった場合に警告状態を解除するならば、各カウンタエリア361a〜361dに記憶されている値が155(すなわち、2進数で「10011011」)より大きい場合に、警告状態を解除すればよい。
(74)また、各賞球用カウンタエリア361a〜361dのいずれかに記憶されている値が150より大きくなった場合に警告音が発生されたが、各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている値の合計が所定値より大きい場合に警告音を発生させてもよい。すなわち、各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている情報量の合計が基準情報量より多い場合に警告音が発生されてもよい。この場合、各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている情報量の合計が基準情報量より少ない解除情報量となった場合に、警告音を停止すればよい。
例えば、各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている賞球の未実施回数の合計が200回を上回った場合に警告音が発生され、各賞球用カウンタエリア361a〜361dに記憶されている賞球の未実施回数の合計が150回を下回った場合に警告音が解除されればよい。但し、警告音が発生される基準情報量は、一の賞球用カウンタエリアが記憶できる未実施回数の最大値である255回を下回っているのが望ましい。
(75)上記実施の形態では、それぞれの入球部に遊技球が入球した場合、その入球部に対応した賞球カウンタエリアの値を1加算するものであったが、入球部に遊技球が入球した場合、どのようにその入球に対応した情報を記憶してもよい。
例えば、下作動口84bに遊技球が入球したことに基づいて遊技球が5個払い出され、可変入賞装置83に遊技球が入球したことに基づいて遊技球が15個払い出され、RAM313に5個賞球用カウンタエリアが設けられている遊技機において、下作動口84bへの入賞が発生した場合には5個賞球用カウンタエリアの値が1加算され、可変入賞装置83への入賞が発生した場合には5個賞球用カウンタエリアの値が3加算されるものが考えられる。この場合、5個賞球用カウンタエリアに記憶されている情報に基づいた遊技球の払出を優先的に行うようにすれば、大当たり状態において発生し易い可変入賞装置83への入賞に基づいた遊技球の払出及び頻度向上状態にて発生し易い下作動口84bへの入賞に基づいた遊技球の払出を優先的に行うことができる。
このように、遊技状態として、第1遊技状態と第2遊技状態とを備え、第1遊技状態において入球が発生し易い入球部と、第2遊技状態において入球が発生し易い入球部とが異なる構成においては、これら入球部に入球したことに対する遊技情報の記憶領域を共通のものとしてもよい。さらには、第1遊技状態において入球が発生し易い第1入球部に遊技球が入球した場合の賞球数、及び第2遊技状態において入球が発生し易い第2入球部に遊技球が入球した場合の賞球数が、異なる数であって同一の規定数を所定の自然数倍した数である場合には、前記共通の記憶領域には、第1入球部に対応した前記所定の自然数の情報又は第2入球部に対応した前記所定の自然数の情報のいずれかが、第1入球部及び第2入球部のうち、入球が発生した入球部に対応させて更新されていく構成としてもよい。
本構成とすることにより、第1入球部と第2入球部とでそれぞれ異なる記憶領域を設けるとともに、第1遊技状態及び第2遊技状態のそれぞれにおいて記憶領域の優先順位を変更する構成としなくても、前記共通の記憶領域に記憶されている遊技情報の払出の優先順位が他の記憶領域に記憶されている遊技情報よりも高く設定しておくことで、第1遊技状態においては第1入球部への入球に基づく遊技球の払出が優先され、第2遊技状態においては第2入球部への入球に基づく遊技球の払出が優先される。また、当該構成であっても、第1入球部と第2入球部とで入球が発生し易くなる遊技状態が異なっているため、前記共通の記憶領域の記憶容量を超えてしまうおそれは低減される。
また、例えば、複数種の入球部が設けられており、それぞれの入球部に遊技球が入球した場合にそれぞれ5個、10個、15個の遊技球が払い出される遊技機において、5個の遊技球が払い出される入賞が発生した場合には賞球用カウンタエリアの値が1加算され、10個,15個の遊技球が払い出される入賞が発生した場合には賞球用カウンタエリアの値がそれぞれ2,3加算されるものが考えられる。
また、5個,15個に対応した入賞が発生し易くなっており、10個に対応した入賞が発生しにくくなっている場合、5個,15個に対応した払出の情報を一の賞球用カウンタエリアに記憶し、10個に対応した払出の情報を当該賞球用カウンタエリアとは異なる賞球用カウンタエリアに記憶してもよい。さらには、3個、5個、8個の遊技球が払い出される入球部が設けられた遊技機において、3個賞球用カウンタエリアと5個賞球カウンタエリアとが設けられており、3個の遊技球が払い出される入賞が発生した場合には3個賞球用カウンタエリアの値が1加算され、5個の遊技球が払い出される入賞が発生した場合には5個賞球用カウンタエリアの値が1加算され、8個の遊技球が払い出される入賞が発生した場合には3個,5個賞球用カウンタエリアの値がそれぞれ1加算されるようにしてもよい。
(76)上記実施の形態では、一般入賞口82が複数箇所設けられており、一般入賞口82に遊技球が入球した場合、10個賞球用カウンタエリア361bの値が1加算されるものであったが、複数設けられている一般入賞口82への入賞の発生し易さがそれぞれ異る構成においては、入賞の発生し易さに対応させて個別にカウンタエリアを設けるようにしてもよい。また、上作動口84aと下作動口84bとにそれぞれ遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の数が同じ構成においては、各作動口84a,84bに対応させて個別にカウンタエリアが設けられていてもよいし、各作動口84a,84bのいずれかに遊技球が入球した場合、同じカウンタエリアの値が更新されてもよい。
(77)賞球コマンドにおける上位情報と下位情報とのうち、上位情報にそのコマンドを特定するための情報、下位情報に遊技球の賞球数の情報が記憶されていたが、かかる構成に限定しない。すなわち、上位情報と下位情報とにそれぞれどのように情報が記憶されていてもよい。
例えば、上位情報に賞球数の情報が記憶されていてもよい。また、上位情報と下位情報との両方に遊技球の賞球数に対応した情報が記憶されてもよい。この場合、賞球設定処理におけるステップS1805では上位情報と下位情報の両方から遊技球の賞球数が特定される。また、上位情報の4ビットにてそのコマンドが賞球コマンドであることを特定する必要はなく、例えば、上位2ビットにてそのコマンドが賞球コマンドであることを特定してもよい。
(78)上記実施の形態では、賞球コマンドにおける上位情報と下位情報との加算処理の結果が「11111111」とならなかった場合には遊技球の払出が行われなかったが、かかる構成に限定されるものではない。加算処理の結果が「11111111」とならなかった場合には、予め定められた補正用賞球数をRAM333の賞球数記憶エリア374に加算するようにしてもよい。この場合について図68を用いて説明する。
上記実施の形態における賞球設定処理のステップS1804にて加算処理の結果が「11111111」とならなかった場合、本実施の形態では、ステップS1815に進み、賞球数を補正用賞球数に決定する。すなわち、加算処理の結果が「11111111」とならなかった場合には賞球コマンドの情報に代えて、補正用賞球数に対応した情報がCPU331の汎用レジスタに格納される。これにより、ステップS1804にて正常な賞球コマンドではないと判定された場合に遊技球が全く払い出されずに遊技者に不利益が発生することを抑制することが可能となる。
この補正用賞球数としては、例えば、入賞に対する賞球数として実際に設定されているもののうちの最大賞球数(上記実施の形態では15個)とする構成が考えられる。この場合、賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に遊技者が不利益を受けないようにすることができる。また、入賞に対する賞球数として設定されているもののうちの最小賞球数(上記実施の形態では3個)とする構成が考えられる。この場合、賞球コマンドがノイズ等の影響で書き換えられてしまった場合に遊技者の不利益に対して、最低限の補償をすることができる。さらには、入賞に対する賞球数として設定されているもののうちの平均賞球数とする構成としてもよい。この場合も、賞球コマンドがノイズ等の影響によって書き換えられてしまった場合に、全く遊技球が遊技者に払い出されなくなり、遊技者が不利益を受けることを抑制できる。さらには、補正用賞球数として予め定められた賞球数が設けられていてもよい。この場合、一の遊技機において1種の補正用賞球数が設けられていてもよい。また、複数種の補正用賞球数が設けられていてもよく、遊技状態が複数設定されている遊技機において、遊技状態毎に補正賞球数が異なっているものが考えられる。この場合、例えば、遊技者に有利な特別遊技状態が設定されている遊技機において、特別遊技状態と通常遊技状態とにおいて補正用賞球が異なっており、特別遊技状態の方が通常遊技状態よりも補正用賞球数が多く設定されているものが考えられる。
(79)上記実施の形態では、上位情報と下位情報とを用いた加算処理の結果が「11111111」となった場合に賞球コマンドが正常なものであると判定したが、かかる構成に限定されるものではない。すなわち、上位情報と下位情報との加算処理の結果が「11111111」以外となるように設定されていてもよい。
例えば、上位情報と下位情報との加算処理の結果が「11110000」となった場合に正常な賞球コマンドであると判定してもよい。この場合、3個賞球コマンドの上位情報が「11101101」、下位情報が「00000011」となる。
また、加算処理ではなく上位情報と下位情報とを用いた減算処理によって賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定してもよい。
例えば、上位情報から下位情報を減算した結果が「11110000」となった場合に正常な賞球コマンドであると判定してもよい。この場合、3個賞球コマンドの上位情報が「11110011」、下位情報が「00000011」となる。
また、加算処理や減算処理ではなく、除算処理や乗算処理にて賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定してもよい。但し、除算処理や乗算処理を用いた場合、加算処理や減算処理と比して、ビットのシフト処理が複数回発生することが考えられるため、加算処理や減算処理を用いるのが望ましい。
また、加算処理や減算処理ではなく、論理演算を用いて賞球コマンドが正常であるか否かを判定してもよい。例えば、論理和を用いる場合、上記実施の形態における賞球コマンドを用いるならば、論理和の結果が「11111111」となった場合に正常な賞球コマンドであると判定される。また、論理積を用いる場合、論理積の結果が「00000000」となった場合に正常な賞球コマンドであると判定される。このように、論理演算を用いて正常な賞球コマンドであるか否かを判定する場合、演算をビット単位にて比較するのみにて行うことができるため、加算処理や減算処理を行う場合と比して処理速度を向上させることができる。
しかしながら、論理演算を用いた場合、ノイズ等の影響によって賞球コマンドが書き換えられてしまったとしても、論理演算の結果が正常なものと同じになってしまうことが考えられる。論理和を行う場合、例えば、3個賞球コマンドにおける下位情報が「00000011」から「00000111」と書き換えられてしまったとしても、論理和の結果は「11111111」となってしまい正常な賞球コマンドであると判定されてしまう。また、論理積の場合、3個賞球コマンドにおける下位情報が「00000011」から「00000001」に書き換えられてしまったとしても論理積の結果は「00000000」となってしまい正常な賞球コマンドであると判定されてしまう。このため、上記実施の形態のよう加算処理にて賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定するのが好ましい。
(80)また、上記論理和と論理積との両方を行ってもよい。この場合、正常な賞球コマンドである場合の論理和と論理積との結果をそれぞれ異ならせることによって、ノイズ等の影響によっていずれかのビットが書き換えられてしまったとしても、当該賞球コマンドが書き換えられてしまったことを発見し易くすることが可能となる。
具体的には、CPU331には、第1論理和用レジスタと、第2論理和用レジスタとが設定されており、ステップS1802にて、コマンド格納エリア373に格納されている賞球コマンドの上位情報及び下位情報のうち、一方が第1論理和用レジスタに読み出され、他方が第2論理和用レジスタに読み出される。そして、第1論理和用レジスタに記憶されている情報と第2論理和用レジスタに記憶されている情報とを用いてに論理和を算出する。その論理和の結果は第1論理和用レジスタに記憶保持される。さらに、CPU331には、第1論理積用レジスタと、第2論理積用レジスタとが設定されており、ステップS1802にて、コマンド格納エリア373に格納されている賞球コマンドの上位情報及び下位情報のうち、一方が第1論理積用レジスタに読み出され、他方が第2論理積用レジスタに読み出される。そして、第1論理積用レジスタに記憶されている情報と第2論理積用レジスタに記憶されている情報とを用いてに論理積を算出する。その論理積の結果は第1論理和用レジスタに記憶保持される。ステップS1802にて論理和及び論理積を行った後にステップS1804にてそれぞれ、第1論理和用レジスタの情報が「11111111」であるか否か、第1論理積用レジスタの情報が「00000000」であるか否かが判定される。そして、第1論理和用レジスタの情報が「11111111」であり、かつ第1論理積用レジスタの情報が「00000000」である場合にその賞球コマンドが正常なものであったと判定される。
仮に、論理和又は論理積の一方のみを行う場合、例えば、論理和を行う場合、3個賞球コマンドにおける下位情報が「00000011」から「00000111」と書き換えられてしまったとしても、論理和の結果は「11111111」となってしまい正常な賞球コマンドであると判定されてしまう。また、論理積を行う場合、3個賞球コマンドにおける下位情報が「00000011」から「00000001」に書き換えられてしまったとしても論理積の結果は「00000000」となってしまい正常な賞球コマンドであると判定されてしまう。このため、上記実施の形態のよう加算処理にて賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定するのが好ましい。
これに対して、論理積及び論理和の両方を行う場合には、3個賞球コマンドにおける下位情報が「00000011」から「00000111」に書き換えられてしまった場合、論理和の結果は「11111111」になってしまうとしても、論理積の結果が「00000100」となり、賞球コマンドが書き換えられてしまったと判定できる。さらに、3個賞球コマンドにおける下位情報が「00000011」から「00000001」に書き換えられてしまった場合、論理積の結果は「00000000」となってしまうとしても、論理和の結果は「11111101」となり、賞球コマンドが書き換えられてしまったと判定できる。
このように、論理和及び論理積の両方を行った場合、いずれか一方しか行わない場合と比して、賞球コマンドが書き換えられてしまったことを発見し易くすることが可能となる。
(81)上記実施の形態では、賞球数が特定された場合、特定された賞球数が1以上16未満の場合にステップS1809の処理を行ったが、かかる構成に限定されるものではない。
例えば、特定された賞球数情報が3以上18未満の場合にステップS1809の処理を行ってもよい。すなわち、ステップS1809の処理を行う賞球数情報の上限値及び下限値は限定しない。
なお、下限値は上記実施の形態の最小賞球数である3以下とし、上限値は上記実施の形態の最大賞球数である15以上としなければならない。また、特定された賞球数が予め定められた範囲内の数値ではなかった場合には賞球数の加算処理にて上記補正賞球数を加算してもよい。
また、予め定められた賞球数以下の場合にステップS1809の処理を行ってもよい。
例えば、入球部に遊技球が入球した場合に15個の遊技球が払い出されるとしても、一の賞球コマンドでは予め定められた賞球数に対応した賞球コマンドが出力される遊技機が考えられる。この場合、15個の遊技球の払出は、賞球数の情報が10個に対応した賞球コマンドが1回と、賞球数の情報が5個に対応した賞球コマンドが1回出力されることになる。このような遊技機の場合、一の賞球コマンドに対応した賞球数の情報が10個以下の場合に正常な賞球コマンドであると判定すればよい。このように、入球部に遊技球が1回入球したことに基づいた賞球数と、一の賞球コマンドに対応した賞球数とが異なっている遊技機にも適用することが可能となる。
(82)上記実施の形態では、加算処理の結果が「11111111」か否かと、賞球数が1以上15以下であるか否かとから入力した賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定したが、かかる構成に限定しない。加算処理の結果が「11111111」か否かと、賞球数が1以上15以下であるか否かとのいずれか一方からその賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定してもよい。
但し、例えば、賞球数が1以上15以下であると正常な賞球コマンドであると判定する場合、賞球数が1以上15以下になるように賞球コマンドが書き換えられてしまったとしても正常な賞球コマンドであると判定されてしまう。また、加算処理の結果が「11111111」であると正常な賞球コマンドであると判定する場合、賞球コマンドにおけるビットが複数箇所書き換えられてしまい偶然加算処理の結果が「11111111」となってしまった場合に、正常な賞球コマンドであると判定されてしまう。例えば、3個賞球コマンドにおける上位情報が「11111100」から「11101100」に書き換えられてしまい、下位情報が「00000011」から「00010011」に書き換えられてしまった場合に加算処理の結果が「11111111」となってしまい、正常な賞球コマンドであると判定されてしまい、賞球コマンドが書き換えられてしまっているにも関わらず当該賞球コマンドに基づいた遊技球の払出が行われることが考えられる。このため、加算処理の結果が「11111111」か否かと、賞球数が1以上15以下であるか否かとの両方から入力した賞球コマンドが正常なものであるか否かを判定するのが望ましい。
(83)上記「課題を解決するための手段」に記載した手段等の他に、以下の手段も適用可能である。なお、以下においては、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。ちなみに、「課題を解決するための手段」の手段1〜20に代えて、以下の各手段を適用してもよく、また「課題を解決するための手段」の手段1乃至20のいずれか1に対して、以下の各手段を適用してもよい。
手段A1.遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記払出指令情報を入力し、当該払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が前記払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、
前記主制御手段から入力した払出指令情報に対応した払出数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞払出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞球数特定処理を実行する機能)と、
当該賞払出数情報特定手段に特定された払出数の情報又はそれに対応した情報として賞払出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない払出側記憶手段(払出側RAM333)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出状態設定処理を実行する機能)と、
前記払出手段による遊技媒体の払出が行われた場合に、その払出が行われた遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に反映されるように当該賞払出数情報を更新する払出時更新手段(払出側CPU331におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記賞払出数情報に応じて、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記主制御手段において特定可能なように当該主制御手段に許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定用情報に基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力し得るものであり、
前記許可特定用情報出力手段は、少なくとも前記払出側記憶手段に前記賞払出数情報が記憶されていない場合に、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定する出力状態設定手段(払出側CPU331におけるステップS2306及びステップS2307の処理を実行する機能)を備えており、
さらに、外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合において、前記主側記憶手段に前記賞情報が記憶されていたとしても前記払出指令情報出力手段による前記払出指令情報の出力が行われないようにする規制手段(主側CPU311におけるステップS916の処理を実行する機能、又は払出側CPU331におけるステップS1615若しくはステップS1714の処理を実行する機能等)と、
前記払出指令情報の出力が行われないように規制されている状態を解除すべきか否かを特定する解除特定手段(主側CPU311におけるステップS905の処理を実行する機能、払出側CPU331におけるステップS1601若しくはステップS1704の処理を実行する機能等)と、
前記解除特定手段により解除すべきであることが特定された場合に、前記規制されている状態を解除する規制解除手段(主側CPU311におけるステップS907の処理を実行する機能、払出側CPU331におけるステップS1604若しくはステップS1705の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段A1の遊技機では、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は、入力した払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。これにより、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する遊技媒体の払出が実行される。
当該構成において、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。
これに対して、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する賞情報は主側記憶手段に記憶されるとともに、実際に払出を実行する上で参照される賞払出数情報は払出側記憶手段に記憶される。また、払出制御手段は主制御手段に許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて主制御手段にて払出制御手段が出力許可状態であるか否かが特定される。当該許可特定用情報は、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に応じて出力される。そして、払出制御手段が出力許可状態であると主制御手段において特定された場合に、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。当該構成であることにより、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
ちなみに、払出側記憶手段に賞払出数情報を記憶させずに主側記憶手段に記憶した賞情報に対応した遊技媒体数を払出手段により遊技媒体の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主制御手段の処理負荷が必要以上に高められてしまい、主制御手段とは別に払出制御手段を設けることで主制御手段の処理負荷を低減した効果が消失してしまう。これに対して、本手段A1の構成によれば、主制御手段とは別に払出制御手段を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
しかしながら、上記構成では、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状態で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われると、遊技媒体の払出が実行されることなく主側記憶手段に記憶されている賞情報が繰り返し消去されてしまうおそれがある。つまり、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状態で電力供給が開始された場合に、払出制御手段が出力許可状態となり払出指令情報が出力されるとすると、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶される。この状況で比較的早い段階で電源が遮断されると、遊技媒体の払出が実行されることなく払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報は消去されてしまう。そして、このような電源投入及び電源遮断が繰り返し行われると、遊技媒体の払出が実行されることなく主側記憶手段に記憶されている賞情報が繰り返し消去されていってしまう。
これに対して、本手段A1の構成によれば、遊技機に電力供給が開始された場合、主側記憶手段に賞情報が記憶されていたとしても払出指令情報の出力が規制されることがあり、その規制が解除されるまでは払出指令情報が出力されない。つまり、遊技機に電力供給が開始されたとしても、主側記憶手段に記憶されている賞情報は、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されることはなく主側記憶手段において維持されることがある。そして、主側記憶手段には上記のとおり電断時電力が供給されるため、当該電断時電力が供給される限り電源が遮断されたとしても賞情報が消去されることはない。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技球が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技球の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
また、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
手段A2.手段A1において、前記出力許可状態特定手段は、前記許可特定用情報の入力状態が前記出力許可状態であることを示す入力状態となっている場合、その入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段A2によれば、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が出力許可基準期間に達したことに基づいて払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
また、上記のように主制御手段において払出制御手段が出力許可状態であることの特定を即座に行うのではなく、少なくとも出力許可基準期間が経過するまでは払出制御手段が出力許可状態であることの特定を保留する構成とすることで、遊技機への電力供給が開始された場合に主制御手段において払出制御手段が出力許可状態であると特定するまでに要する期間がそれだけ確保される。これにより、例えば払出指令情報の出力を禁止するための処理が実行される場合に、当該処理を実行する上での時間的な余裕が生じる。
なお、「入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定する」には、リアルタイマを用いて上記入力継続期間を計測する構成以外にも、以下の構成が含まれる。前記出力許可状態特定手段が、前記許可特定用情報の入力状態を定期的に確認する許可特定用情報確認手段を備えた構成においては、当該許可特定用情報確認手段にて前記出力許可状態であることを示す入力状態であることが予め定められた出力許可基準回数確認されたことに基づいて前記出力許可状態であると特定する構成としてもよい。このような「期間」の取り扱いについては、以下も同様である。
手段A3.手段A1又はA2において、前記規制手段は、前記払出手段による遊技媒体の払出が制限されることとなる制限状況が発生している場合において外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記払出指令情報出力手段による前記払出指令情報の出力が行われないようにするものであることを特徴とする遊技機。
制限状況が発生している場合には、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状態で電源が遮断されることがある。この場合に、電力供給が開始され払出制御手段が出力許可状態となり払出指令情報が出力されると、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶される。但し、遊技媒体の払出は依然として制限されているため、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されたとしても遊技媒体の払出は実行されない。この状況で電源が遮断されると、遊技媒体の払出が実行されることなく払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報は消去されてしまう。そして、このような電源投入及び電源遮断が繰り返し行われると、遊技媒体の払出が実行されることなく主側記憶手段に記憶されている賞情報が繰り返し消去されていってしまう。
これに対して、本手段A3の構成によれば、制限状況で遊技機に電源供給が開始された場合、主側記憶手段に賞情報が記憶されていたとしても払出指令情報は出力されない。つまり、当該状況においては主側記憶手段に記憶されている賞情報は、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されることはなく主側記憶手段において維持される。そして、主側記憶手段には上記のとおり電断時電力が供給されるため、当該電断時電力が供給される限り電源が遮断されたとしても賞情報が消去されることはない。
なお、「前記払出手段による遊技媒体の払出が制限される」には、遊技媒体の払出が行われない状況だけでなく、払出手段による遊技媒体の払出速度が極端に遅い速度であることにより実質的に遊技媒体の払出が行われない状況も含まれる。
手段A4.手段A3において、前記規制手段は、
前記主制御手段が有し、前記制限状況として予め定められた所定制限状況が発生していることを特定する制限特定手段(主側CPU311における前扉枠開放信号監視処理を実行する機能)と、
前記払出指令情報出力手段が有し、前記制限特定手段により前記所定制限状況が発生していることが特定されたことに基づいて、前記払出指令情報の出力を行わないよう規制する出力規制手段(主側CPU311におけるステップS1104の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記制限特定手段は、前記出力許可状態特定手段が前記出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、前記所定制限状況であることを特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段A4によれば、所定制限状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には、主制御手段において上記状況であることが特定され、さらには当該特定が出力許可状態であることが特定される前のタイミングで行われる。これにより、上記状況において払出指令情報が出力されないようにすることができ、上記手段A3の効果を得ることができる。また、本構成によれば、払出制御手段にとっては、許可特定用情報の出力に関して遊技機への電力供給の開始に際して特別な処理を実行する必要が生じない。
手段A5.手段A4において、前記主制御手段が、前記解除特定手段及び前記規制解除手段を有しており、
前記解除特定手段は、前記所定制限状況が解除されていることを特定するものであり、
前記規制解除手段は、前記所定制限状況が解除されていることが前記解除特定手段により特定された場合に、前記払出指令情報の出力が行われないように規制されている状態を解除するものであることを特徴とする遊技機。
手段A5によれば、所定制限状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報の出力が行われなかったとしても、その後に所定制限状況が解除されることに基づいて払出指令情報の出力が行われる。よって、上記手段A4等の効果を得ることができるようにした構成において、遊技媒体の払出は円滑に行われる。
手段A6.手段A4又はA5において、前記出力許可状態特定手段は、前記許可特定用情報の入力状態が前記出力許可状態であることを示す入力状態となっている場合、その入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定するものであり、
さらに、前記所定制限状況であることを検知する制限検知手段(前扉枠開放スイッチ78)を備えており、
前記制限特定手段は、前記制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合、その制限検知継続期間が予め定められた制限基準期間に達したことに基づいて前記所定制限状況であると特定するものであり、
前記出力許可基準期間は前記制限基準期間よりも長く設定されていることを特徴とする遊技機。
手段A6によれば、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が出力許可基準期間に達したことに基づいて払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
また、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となったとしても即座に所定制限状況であると特定されるのではなく、当該検知結果となっている制限検知継続期間が制限基準期間に達したことに基づいて所定制限状況であると特定される。これにより、実際には所定制限状況でないにも関わらず、ノイズなどの原因で制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となった場合に、払出指令情報の出力が行われない状態となってしまうことを阻止することが可能となる。
また、出力許可基準期間が制限基準期間よりも長く設定されていることにより、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、所定制限状況であることが特定され、所定制限状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないようにすることができる。
なお、前記主制御手段が、外部電源から遊技機に電力供給が開始された後に、予め定められた複数の処理を一連処理として繰り返し実行する構成においては、当該一連処理の一部の処理として前記出力許可基準期間の計測処理及び前記制限検知継続期間の計測処理を実行する構成としてもよい。この場合、出力許可基準期間及び制限検知継続期間の計測開始タイミングなどを概ね同一とすることが可能となる。
手段A7.手段A4又はA5において、前記出力許可状態特定手段は、前記許可特定用情報の入力状態を確認する許可特定用情報確認手段(主側CPU311におけるステップS1001の処理を実行する機能)を備え、当該許可特定用情報確認手段にて前記出力許可状態であることを示す入力状態であることが複数回として設定された出力許可基準回数確認されたことに基づいて前記出力許可状態であると特定するものであり、
さらに、前記所定制限状況が発生していることを検知する制限検知手段(前扉枠開放スイッチ78)を備えており、
前記制限特定手段は、前記制限検知手段の検知結果を確認する制限検知結果確認手段(主側CPU311におけるステップS901の処理を実行する機能)を備え、当該制限検知結果確認手段にて前記制限される状況であることを示す検知結果であることが複数回として設定された制限検知基準回数確認されたことに基づいて前記所定制限状況であると特定するものであり、
前記出力許可基準回数が前記制限検知基準回数よりも多い数として設定されていることを特徴とする遊技機。
手段A7によれば、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が出力許可基準回数確認されたことに基づいて払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
また、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となったとしても即座に所定制限状況であると特定されるのではなく、当該検知結果となっていることが制限検知基準回数確認されたことに基づいて所定制限状況であると特定される。これにより、実際には所定制限状況でないにも関わらず、ノイズなどの原因で制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となった場合に、払出指令情報の出力が行われない状態となってしまうことを阻止することが可能となる。
また、出力許可基準回数が制限検知基準回数よりも多い数として設定されていることにより、主制御手段において、払出制御手段が払出指令情報の出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、所定制限状況であることが特定され、所定制限状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないようにすることができる。
なお、前記主制御手段が、外部電源から遊技機に電力供給が開始された後に、予め定められた複数の処理を一連処理として繰り返し実行する構成においては、当該一連処理の一部の処理として前記許可特定用情報の確認処理及び前記制限検知結果の確認処理を実行する構成としてもよい。この場合、出力許可基準回数及び制限検知基準回数の計測開始タイミングなどを概ね同一とすることが可能となる。
手段A8.手段A3において、前記払出手段が設置された遊技機本体(本体枠13及び裏パックユニット15)と、
当該遊技機本体に対して遊技機前方に開閉可能に設けられ、前記遊技内容を遊技機前方から視認可能とする表示部(窓部21)及び前記払出手段から払い出された遊技媒体を貯留する外側貯留部(下皿34)が一体化された遊技機前面体(前扉枠14)と、
をさらに備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記遊技機前面体が開放されている場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)を備えており、
前記規制手段は、
前記主制御手段が有し、前記遊技機前面体が開放状態であることを特定する開放状態特定手段(主側CPU311における前扉枠開放信号監視処理を実行する機能)と、
前記払出指令情報出力手段が有し、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合、前記払出指令情報の出力を行わない出力規制手段(主側CPU311におけるステップS1104の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記遊技機前面体が開放されている状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記開放状態特定手段は、前記出力許可状態特定手段が前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、前記開放状態であることを特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段A8の遊技機では、遊技機前面体に対して表示部と外側貯留部とが一体化されている。これにより、遊技機前面において表示部と外側貯留部との間に、遊技機本体側へ通じる境界が生じることはなく、当該境界を利用した不正行為を阻止することが可能となる。また、遊技機前面体が開放されている場合には、払出手段による遊技媒体が払い出されたとしてもそれが外側貯留部にて受けられないため、その対策として、払出手段による遊技媒体の払出が制限される。
この場合に、遊技機前面体が開放されている状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には、主制御手段において上記状況であることが特定され、さらには当該特定が出力許可状態であることが特定される前のタイミングで行われる。これにより、上記状況において払出指令情報が出力されないようにすることができ、上記手段A3の効果を得ることができる。また、本構成によれば、払出制御手段にとっては、許可特定用情報の出力に関して遊技機への電力供給の開始に際して特別な処理を実行する必要が生じない。
ちなみに、遊技機に対して不正行為が行われる場合、遊技機前面体を開放状態として行われることがある。この場合、主制御手段は遊技を統括制御する機能を有しているため、遊技機前面体が開放状態であるか否かを主制御手段において特定することが好ましい。本手段では、この主制御手段において遊技機前面体が開放状態であるか否かを特定する構成を利用して、遊技機前面体が開放されている状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には払出指令情報が出力されないようにすることができる。
なお、前記主制御手段は、前記遊技機前面体が開放状態であることが前記開放状態特定手段により特定された場合、予め定められた特定処理を実行する特定処理実行手段を備えた構成としてもよい。また、この特定処理としては、前記遊技機前面体が開放状態であることを報知するための報知処理などが考えられる。
手段A9.手段A8において、前記主制御手段が、前記解除特定手段及び前記規制解除手段を有しており、
前記解除特定手段は、前記遊技機前面体が開放されていないことを特定するものであり、
前記規制解除手段は、前記遊技機前面体が開放されていないことが前記解除特定手段により特定された場合に、前記払出指令情報の出力が行われないように規制されている状態を解除するものであることを特徴とする遊技機。
手段A9によれば、遊技機前面体が開放されている状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報の出力が行われなかったとしても、その後に遊技機前面体が閉鎖されることに基づいて払出指令情報の出力が行われる。よって、上記手段A8等の効果を得ることができるようにした構成において、遊技媒体の払出は円滑に行われる。
手段A10.手段A8又はA9において、前記出力許可状態特定手段は、前記許可特定用情報の入力状態が前記出力許可状態であることを示す入力状態となっている場合、その入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定するものであり、
さらに、前記遊技機前面体が開放されているか否かを検知する開放検知手段(前扉枠開放スイッチ78)を備えており、
前記開放状態特定手段は、前記開放検知手段の検知結果が前記開放状態であることを示す検知結果となっている場合、その開放検知継続期間が予め定められた開放特定基準期間に達したことに基づいて前記開放状態であると特定するものであり、
前記出力許可基準期間を前記開放特定基準期間よりも長く設定したことを特徴とする遊技機。
手段A10によれば、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が出力許可基準期間に達したことに基づいて払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
また、開放検知手段の検知結果が開放状態であることを示す検知結果となったとしても即座に開放状態であると特定されるのではなく、当該検知結果となっている開放検知継続期間が開放特定基準期間に達したことに基づいて開放状態であると特定される。これにより、実際には開放状態でないにも関わらず、ノイズなどの原因で開放検知手段の検知結果が開放状態であることを示す検知結果となった場合に、払出指令情報の出力が行われない状態となってしまうことを阻止することが可能となる。
また、出力許可基準期間が開放特定基準期間よりも長く設定されていることにより、主制御手段は、出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、遊技機前面体が開放状態であることを特定する。よって、開放状態であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないようにすることができる。
なお、前記主制御手段が、外部電源から遊技機に電力供給が開始された後に、予め定められた複数の処理を一連処理として繰り返し実行する構成においては、当該一連処理の一部の処理として前記出力許可基準期間の計測処理及び前記開放検知継続期間の計測処理を実行する構成としてもよい。この場合、出力許可基準期間及び開放検知継続期間の計測開始タイミングなどを概ね同一とすることが可能となる。
手段A11.手段A8又はA9において、前記出力許可状態特定手段は、前記許可特定用情報の入力状態を確認する許可特定用情報確認手段(主側CPU311におけるステップS1001の処理を実行する機能)を備え、当該許可特定用情報確認手段にて前記出力許可状態であることを示す入力状態であることが複数回として設定された出力許可基準回数確認されたことに基づいて前記出力許可状態であると特定するものであり、
さらに、前記遊技機前面体が開放されているか否かを検知する開放検知手段(前扉枠開放スイッチ78)を備えており、
前記開放状態特定手段は、前記開放検知手段の検知結果を確認する開放検知結果確認手段(主側CPU311におけるステップS901の処理を実行する機能)を備え、当該開放検知結果確認手段にて前記開放状態であることを示す検知結果であることが複数回として設定された開放検知基準回数確認されたことに基づいて前記開放状態であると特定するものであり、
前記出力許可基準回数を前記開放検知基準回数よりも多い数として設定したことを特徴とする遊技機。
手段A11によれば、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が出力許可基準回数確認されたことに基づいて払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
また、開放検知手段の検知結果が開放状態であることを示す検知結果となったとしても即座に開放状態であると特定されるのではなく、当該検知結果となっていることが開放検知基準回数確認されたことに基づいて開放状態であると特定される。これにより、実際には開放状態でないにも関わらず、ノイズなどの原因で開放検知手段の検知結果が開放状態であることを示す検知結果となった場合に、払出指令情報の出力が行われない状態となってしまうことを阻止することが可能となる。
また、出力許可基準回数が開放検知基準回数よりも多い数として設定されていることにより、主制御手段において、払出制御手段が払出指令情報の出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、遊技機前面体が開放状態であることが特定され、開放状態であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないようにすることができる。
なお、前記主制御手段が、外部電源から遊技機に電力供給が開始された後に、予め定められた複数の処理を一連処理として繰り返し実行する構成においては、当該一連処理の一部の処理として前記許可特定用情報の確認処理及び前記開放検知結果の確認処理を実行する構成としてもよい。この場合、出力許可基準回数及び開放検知基準回数の計測開始タイミングなどを概ね同一とすることが可能となる。
手段A12.手段A3において、前記主制御手段、前記払出制御手段及び前記電断時電源手段が搭載され、遊技機前方に開閉可能なように取付対象(外枠11)に取り付けられた遊技機主体(遊技機主部12)をさらに備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記遊技機主体が開放されている場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段を備えており、
前記規制手段は、
前記主制御手段が有し、前記遊技機主体が開放状態であることを特定する開放状態特定手段と、
前記払出指令情報出力手段が有し、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合、前記払出指令情報の出力を行わない出力規制手段と、
を備えており、
前記遊技機主体が開放されている状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記開放状態特定手段は、前記出力許可状態特定手段が前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、前記開放状態であることを特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段A12の遊技機では、遊技機主体が開放されている場合には、払出手段による遊技媒体の払出が制限される。
この場合に、遊技機主体が開放されている状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には、主制御手段において上記状況であることが特定され、さらには当該特定が出力許可状態であることが特定される前のタイミングで行われる。これにより、上記状況において払出指令情報が出力されないようにすることができ、上記手段A3の効果を得ることができる。また、本構成によれば、払出制御手段にとっては、許可特定用情報の出力に関して遊技機への電力供給の開始に際して特別な処理を実行する必要が生じない。
ちなみに、遊技機に対して不正行為が行われる場合、遊技機主体を開放状態として行われることがある。この場合、主制御手段は遊技を統括制御する機能を有しているため、遊技機主体が開放状態であるか否かを主制御手段において特定することが好ましい。本手段A12では、この主制御手段において遊技機主体が開放状態であるか否かを特定する構成を利用して、遊技機主体が開放されている状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には払出指令情報が出力されないようにすることができる。
なお、前記主制御手段は、前記遊技機主体が開放状態であることが前記開放状態特定手段により特定された場合、予め定められた特定処理を実行する特定処理実行手段を備えた構成としてもよい。また、この特定処理としては、前記遊技機主体が開放状態であることを報知するための報知処理などが考えられる。
手段A13.手段A3乃至A12のいずれか1において、前記規制手段は、
前記払出制御手段が有し、前記制限状況として予め定められた所定制限状況が発生していることを特定する払出側制限特定手段(払出側CPU331における満タン用処理及び球無用処理を実行する機能)と、
前記出力状態設定手段が有し、前記払出側制限特定手段により前記所定制限状況であることが特定されたことに基づいて、前記許可特定用情報の出力状態が前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能な出力状態に維持されるように規制する不許可状態規制手段(払出側CPU331におけるステップS2304、ステップS2305及びステップS2307の各処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段A13によれば、所定制限状況では、払出指令情報が主制御手段から払出制御手段に出力されないように、許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに規制される。これにより、所定制限状況において新たな払出指令情報が出力されないようにすることができる。所定制限状況において払出指令情報が出力されると、その所定制限状況が解消されず払出手段による遊技媒体の払出が制限されたまま遊技機の電源が遮断された場合には、その新たに出力された払出指令情報に対応した賞払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
また、本構成においては、所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合にも、当該所定制限状況であることが特定されることで出力不許可状態に対応したものに規制される。これにより、上記状況において払出指令情報が出力されないようにすることが可能となり、上記手段A3の効果を得ることができる。
なお、「所定制限状況」は、前記払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部をさらに備えた構成においては、当該外側貯留部が満タン状態となることを所定制限状況としてもよい。また、遊技機内部にて遊技媒体を貯留する内側貯留部をさらに備え、前記払出手段は前記内側貯留部に貯留された遊技媒体を払い出す構成においては、前記内側貯留部に貯留されている遊技媒体がなくなることを所定制限状況としてもよい。また、払出手段が故障した状況を所定制限状況としてもよい。
手段A14.手段A13において、前記払出制御手段が、前記解除特定手段及び前記規制解除手段を有しており、
前記解除特定手段は、前記所定制限状況が解除されていることを特定するものであり、
前記規制解除手段は、前記所定制限状況が解除されていることが前記解除特定手段により特定された場合に、前記払出指令情報の出力が行われないように規制されている状態を解除するものであることを特徴とする遊技機。
手段A14によれば、所定制限状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報の出力が行われなかったとしても、その後に遊技媒体の払出が制限されている状況が解除されることに基づいて払出指令情報の出力が行われる。よって、上記手段A13等の効果を得ることができるようにした構成において、遊技媒体の払出は円滑に行われる。
手段A15.手段A13又はA14において、前記所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始され、前記払出側記憶手段に前記賞払出数情報が記憶されていないことで前記出力許可状態であることが前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態が設定された場合、前記出力許可状態特定手段により前記出力許可状態であることが特定されるよりも前のタイミングで、前記払出側制限特定手段は前記所定制限状況であることを特定するとともに、前記不許可状態規制手段は前記許可特定用情報の出力状態が前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能な出力状態に維持されるように規制するものであることを特徴とする遊技機。
外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合には、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されていないため、出力許可状態であることが主制御手段にて特定可能なように特定用情報の出力状態が設定される。この場合に、手段A15によれば、所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合には、主制御手段にて出力許可状態であることが特定されるよりも前のタイミングで、払出制御手段にて所定制限状況であることが特定され、許可特定用情報の出力状態は出力不許可状態に対応した出力状態に規制される。これにより、上記状況において払出指令情報が出力されないようにすることが可能となり、上記手段A1の効果を得ることができる。
手段A16.手段A13乃至A15のいずれか1において、前記所定制限状況が発生していることを検知する払出側制限検知手段(満タン検知センサ59、球無検知センサ223a)を備えており、
前記払出側制限特定手段は、前記払出側制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合、その制限検知継続期間が予め定められた払出側制限基準期間に達したことに基づいて前記所定制限状況であることを特定するものであり、
前記主制御手段は、外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合に、予め定められた主側待機期間に亘って少なくとも前記出力許可状態特定手段による特定が行われないように待機する主側待機手段(主側CPU311におけるステップS401及びステップS402の処理を実行する機能)を備えており、
前記所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記主側待機期間が経過し前記出力許可状態特定手段による特定が行われるよりも前に、前記所定制限状況であることが前記払出側制限特定手段により特定されるとともに、前記不許可状態規制手段により前記許可特定用情報の出力状態が前記出力不許可状態に対応した出力状態に規制されるように、前記主側待機期間が設定されていることを特徴とする遊技機。
手段A16によれば、払出制御手段では、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となったとしても即座に所定制限状況であると特定するのではなく、当該検知結果となっている制限検知継続期間が払出側制限基準期間に達したことに基づいて所定制限状況であると特定される。これにより、実際には所定制限状況でないにも関わらず、ノイズなどの原因で制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となった場合に、払出指令情報の出力が行われない状態となってしまうことを阻止することが可能となる。
但し、上記構成においては、外部電源から遊技機に電力供給が開始されたとしても、少なくとも払出側制限基準期間に達するまでは、所定制限状況であることが払出制御手段において特定されない。その一方、払出側記憶手段には電断時電力が供給されないため、外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合には払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されておらず、この場合、出力許可状態であることが特定可能なように許可特定用情報の出力状態が設定される。そうすると、所定制限状況であるにも関わらず、払出指令情報が出力されてしまう可能性が高まる。
これに対して、主制御手段では、所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、許可特定用情報の特定が主側待機期間に亘って行われることはない。そして、当該主側待機期間は、主制御手段において待機している間に、所定制限状況であることが払出制御手段において特定され且つ許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応した出力状態に規制される。これにより、所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないようにすることができる。
手段A17.手段A16において、前記払出制御手段は、外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合に、予め定められた払出側待機期間に亘って、前記賞払出数情報特定手段による特定、前記払出駆動制御手段による駆動制御、前記払出時更新手段による更新及び前記許可特定用情報出力手段による前記許可特定用情報の出力が行われないように待機する払出側待機処理実行手段(払出側CPU331におけるメイン処理を実行する機能)を備えており、
前記主側待機期間は、前記払出側待機期間及び前記払出側制限基準期間を合わせた期間よりも長く設定されていることを特徴とする遊技機。
手段A17の遊技機では、外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、払出制御手段では払出側待機期間に亘って各処理の実行が待機される。この場合に、主制御手段における主側待機期間は、払出側待機期間及び払出側制限基準期間を合わせた期間よりも長く設定されている。これにより、上記のように払出制御手段において払出側待機期間が設定された構成において、所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないようにすることができる。
手段A18.手段A16又はA17において、前記出力許可状態特定手段は、前記許可特定用情報の入力状態が前記出力許可状態であることを示す入力状態となっている場合、その入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段A18によれば、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が出力許可基準期間に達したことに基づいて払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
また、上記構成によれば、外部電源から遊技機に電力供給が開始されたとしても、主側待機期間が経過した後にさらに出力許可基準期間が経過するまでは払出指令情報が出力されない。つまり、主側待機期間が経過しても、その後に出力許可基準期間が経過するまでは払出指令情報が出力されない。これにより、主側待機期間が極端に長くならないようにすることが可能となる。所定制限状況だけでなく非所定制限状況であっても、遊技機に電力供給が開始された場合には主側待機期間が経過するまで主制御手段における通常の処理が待機されるため、非所定制限状況における電源投入後の待機処理に要する期間が極端に長くならないようにするという観点からは、上記のように主側待機期間が極端に長くならないようにすることが好ましい。
手段A19.手段A16乃至A18のいずれか1において、前記払出側制限特定手段は、
前記払出側制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合、その制限検知継続期間が予め定められた第1制限基準期間に達したことに基づいて第1状況であることを特定する第1制限特定手段(払出側CPU331におけるステップS1611又はステップS1710の処理を実行する機能)と、
前記払出側制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合、その制限検知継続期間が前記第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間に達したことに基づいて第2状況であることを特定する第2制限特定手段(払出側CPU331におけるステップS1614又はステップS1713の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記第1制限特定手段により前記第1状況であることが特定されている場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)を備えており、
前記不許可状態規制手段は、前記第2制限特定手段により前記第2状況であることが特定されている場合、前記許可特定用情報の出力状態が前記出力不許可状態に対応した出力状態に維持されるように規制するものであり、
前記所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記主側待機期間が経過し前記出力許可状態特定手段による特定が行われるよりも前に、前記第2状況であることが前記第2制限特定手段により特定されるとともに、前記不許可状態規制手段により前記許可特定用情報の出力状態が前記出力不許可状態に対応した出力状態に規制されるように、前記主側待機期間が設定されていることを特徴とする遊技機。
手段A19によれば、払出側制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となってから第1制限基準期間が経過することで払出手段による遊技媒体の払出が制限される。この場合に、第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間が経過することで許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに規制される。これにより、ノイズなどの原因で遊技媒体の払出が制限されてしまうことを抑制すべく第1制限基準期間を極力長く確保しつつ、所定制限状況である場合に許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に規制されるまでの第2制限基準期間を極力短くすることができる。このように許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に規制されるまでの期間を極力短くすることで、主側待機期間をそれだけ短くすることが可能となる。所定制限状況だけでなく非所定制限状況であっても、遊技機に電力供給が開始された場合には主側待機期間が経過するまで主制御手段における通常の処理が待機されるため、非所定制限状況における電源投入後の立ち上げ処理に要する期間が極端に長くならないようにするという観点からは、上記のように主側待機期間を短くすることが好ましい。
手段A20.手段A19において、前記払出駆動制御手段は、前記第2制限特定手段により前記第2状況であることが特定されている場合に前記払出手段の払出速度をそれまでよりも遅い速度に変更する低速駆動制御手段(払出側CPU331におけるステップS2204の処理を実行する機能)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段A20によれば、払出側制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となっている検知継続期間が、第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間に達することで、払出手段の払出速度がそれまでよりも遅い速度に変更される。これにより、払出手段から払出される遊技媒体の間隔が広くなる。例えば、払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部をさらに備え、外側貯留部が満タン状態となることが所定制限状況である構成では、実際には外側貯留部が満タン状態でないにも関わらず、外側貯留部に向けて流れる遊技媒体のうち複数の遊技媒体を払出側制限検知手段にて連続して検知することに起因して外側貯留部が満タン状態であると特定されてしまうおそれがある。これに対して、第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間に達することで、払出手段の払出速度がそれまでよりも遅い速度に変更されるため、払出側制限検知手段にて連続して検知していた状態が解除され、検知継続期間が途切れる。よって、外側貯留部が満タン状態でないにも関わらず、遊技媒体の払出が制限されてしまう可能性が低減される。
上記構成において上記手段A19を備え、第2制限基準期間が経過することで許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに設定される。つまり、払出手段の払出速度をそれまでよりも遅い速度に変更する契機が、許可特定用情報の出力状態を出力不許可状態に対応したものとする契機として兼用される。よって、払出制御手段にて記憶する払出側制限基準期間に関する記憶容量の縮小化が図られる。
手段A21.遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記払出指令情報を入力し、当該払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、
前記主制御手段から入力した払出指令情報に対応した払出数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞払出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞球数特定処理を実行する機能)と、
当該賞払出数情報特定手段に特定された払出数の情報又はそれに対応した情報として賞払出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない払出側記憶手段(払出側RAM333)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出状態設定処理を実行する機能)と、
前記払出手段による遊技媒体の払出が行われた場合に、その払出が行われた遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に反映されるように当該賞払出数情報を更新する払出時更新手段(払出側CPU331におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記賞払出数情報に応じて、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記主制御手段において特定可能なように当該主制御手段に許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定用情報に基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力し得るものであり、
さらに、前記許可特定用情報出力手段は、少なくとも前記払出側記憶手段に前記賞払出数情報が記憶されていない場合に、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定する出力状態設定手段(払出側CPU331におけるステップS2306及びステップS2307の処理を実行する機能)を備えており、
前記払出手段による遊技媒体の払出が制限されることとなる制限状況として予め定められた所定制限状況が発生している場合において外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記主側記憶手段に前記賞情報が記憶されていたとしても、前記払出指令情報出力手段による前記払出指令情報の出力が行われない状態となることを特徴とする遊技機。
手段A21の遊技機では、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は、入力した払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。これにより、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する遊技媒体の払出が実行される。
当該構成において、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。
これに対して、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する賞情報は主側記憶手段に記憶されるとともに、実際に払出を実行する上で参照される賞払出数情報は払出側記憶手段に記憶される。また、払出制御手段は主制御手段に許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて主制御手段にて払出制御手段が出力許可状態であるか否かが特定される。当該許可特定用情報は、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に応じて出力される。そして、払出制御手段が出力許可状態であると主制御手段において特定された場合に、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。当該構成であることにより、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
ちなみに、払出側記憶手段に賞払出数情報を記憶させずに主側記憶手段に記憶した賞情報に対応した遊技媒体数を払出手段により遊技媒体の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主制御手段の処理負荷が必要以上に高められてしまい、主制御手段とは別に払出制御手段を設けることで主制御手段の処理負荷を低減した効果が消失してしまう。これに対して、本手段A21の構成によれば、主制御手段とは別に払出制御手段を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
また、少なくとも払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されていない場合には、出力許可状態であることが特定可能なように許可特定用情報の出力状態が設定される。上記のとおり払出側記憶手段には電断状態において電断時電力が供給されないため、遊技機への電力供給が開始された際には払出側記憶手段に賞払出数情報は記憶されていない。この場合に、出力許可状態であることが特定可能なように許可特定用情報の出力状態が設定されることにより、その後に遊技内容が払出遊技内容となることで主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力され、遊技媒体の払出が円滑に開始される。
しかしながら、当該構成では、所定制限状況において電源投入及び電源遮断が行われると、遊技媒体の払出が実行されることなく主側記憶手段に記憶されている賞情報が消去されてしまうおそれがある。つまり、所定制限状況では、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状態で電源が遮断されることがある。この場合に、電力供給が開始され払出制御手段が出力許可状態となり払出指令情報が出力されると、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶される。但し、遊技媒体の払出は依然として制限されているため、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されたとしても遊技媒体の払出は実行されない。この状況で電源が遮断されると、遊技媒体の払出が実行されることなく払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報は消去されてしまう。そして、このような電源投入及び電源遮断が繰り返し行われると、遊技媒体の払出が実行されることなく主側記憶手段に記憶されている賞情報が繰り返し消去されていってしまう。
これに対して、本手段A21の構成によれば、所定制限状況で遊技機に電力供給が開始された場合、主側記憶手段に賞情報が記憶されていたとしても払出指令情報は出力されない。つまり、当該状況においては主側記憶手段に記憶されている賞情報は、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されることはなく主側記憶手段において維持される。そして、主側記憶手段には上記のとおり電断時電力が供給されるため、当該電断時電力が供給される限り電源が遮断されたとしても賞情報が消去されることはない。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技媒体が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技媒体の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
また、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
また、「前記払出手段による遊技媒体の払出が制限される」には、遊技媒体の払出が行われない状況だけでなく、払出手段による遊技媒体の払出速度が極端に遅い速度であることにより実質的に遊技媒体の払出が行われない状況も含まれる。
手段A22.手段A21において、前記所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始され、前記払出指令情報の出力が行われない状態となったとしても、その後に前記所定制限状況が解除されたことに基づいて、前記払出指令情報出力手段による前記払出指令情報の出力が行われない状態が解除されるものであることを特徴とする遊技機。
手段A22によれば、所定制限状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報の出力が行われなかったとしても、その後に所定制限状況が解除されることに基づいて払出指令情報の出力が行われる。よって、上記手段A21等の効果を得ることができるようにした構成において、遊技媒体の払出は円滑に行われる。
手段A23.手段A21又はA22において、前記主制御手段は、前記所定制限状況が発生していることを特定する制限特定手段(主側CPU311における前扉枠開放信号監視処理を実行する機能)をさらに備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記制限特定手段により前記所定制限状況であることが特定されている場合、前記払出指令情報の出力を行わないものであり、
前記所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記制限特定手段は、前記出力許可状態特定手段が前記出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、前記所定制限状況であることを特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段A23によれば、所定制限状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には、主制御手段において上記状況であることが特定され、さらには当該特定が出力許可状態であることが特定されるよりも前のタイミングで行われる。これにより、上記状況において払出指令情報が出力されないようにすることができ、上記手段A21の効果を得ることができる。また、本構成によれば、払出制御手段にとっては、許可特定用情報の出力に関して遊技機への電力供給の開始に際して特別な処理を実行する必要が生じない。
なお、本手段A23に対して、上記手段A6又はA7にて限定した構成を適用してもよい。
手段A24.手段A21又はA22において、前記払出手段が設置された遊技機本体(本体枠13及び裏パックユニット15)と、
当該遊技機本体に対して遊技機前方に開閉可能に設けられ、前記遊技内容を遊技機前方から視認可能とする表示部(窓部21)及び前記払出手段から払い出された遊技媒体を貯留する外側貯留部(下皿34)が一体化された遊技機前面体(前扉枠14)と、
をさらに備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記遊技機前面体が開放されている場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)を備えており、
前記主制御手段は、前記遊技機前面体が開放状態であることを特定する開放状態特定手段(主側CPU311における前扉枠開放信号監視処理を実行する機能)をさらに備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合、前記払出指令情報の出力を行わないものであり、
前記遊技機前面体が開放されている状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記開放状態特定手段は、前記出力許可状態特定手段が前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、前記開放状態であることを特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段A24の遊技機では、遊技機前面体に対して表示部と外側貯留部とが一体化されている。これにより、遊技機前面において表示部と外側貯留部との間に、遊技機本体側へ通じる境界が生じることはなく、当該境界を利用した不正行為を阻止することが可能となる。また、遊技機前面体が開放されている場合には、遊技媒体が払い出されたとしてもそれが外側貯留部にて受けられないため、その対策として、払出手段による遊技媒体の払出が制限される。
この場合に、遊技機前面体が開放されている状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には、主制御手段において上記状況であることが特定され、さらには当該特定が出力許可状態であることが特定される前のタイミングで行われる。これにより、上記状況において払出指令情報が出力されないようにすることができ、上記手段A21の効果を得ることができる。また、本構成によれば、払出制御手段にとっては、許可特定用情報の出力に関して遊技機への電力供給の開始に際して特別な処理を実行する必要が生じない。
ちなみに、遊技機に対して不正行為が行われる場合、遊技機前面体を開放状態として行われることがある。この場合、主制御手段は遊技を統括制御する機能を有しているため、遊技機前面体が開放状態であるか否かを主制御手段において特定することが好ましい。本手段A24では、この主制御手段において遊技機前面体が開放状態であるか否かを特定する構成を利用して、遊技機前面体が開放されている状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には払出指令情報が出力されないようにすることができる。
なお、前記主制御手段は、前記遊技機前面体が開放状態であることが前記開放状態特定手段により特定された場合、予め定められた特定処理を実行する特定処理実行手段を備えた構成としてもよい。また、この特定処理としては、前記遊技機前面体が開放状態であることを報知するための報知処理などが考えられる。
また、本手段A24に対して、上記手段A10又はA11において限定した構成を適用してもよい。
手段A25.手段A21又はA22において、前記主制御手段、前記払出制御手段及び前記電断時電源手段が搭載され、遊技機前方に開閉可能なように取付対象(外枠11)に取り付けられた遊技機主体(遊技機主部12)をさらに備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記遊技機主体が開放されている場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段を備えており、
前記主制御手段は、前記遊技機主体が開放状態であることを特定する開放状態特定手段をさらに備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合、前記払出指令情報の出力を行わないものであり、
前記遊技機主体が開放されている状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記開放状態特定手段は、前記出力許可状態特定手段が前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、前記開放状態であることを特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段A25の遊技機では、遊技機主体が開放されている場合には、払出手段による遊技媒体の払出が制限される。
この場合に、遊技機主体が開放されている状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には、主制御手段において上記状況であることが特定され、さらには当該特定が出力許可状態であることが特定される前のタイミングで行われる。これにより、上記状況において払出指令情報が出力されないようにすることができ、上記手段A21の効果を得ることができる。また、本構成によれば、払出制御手段にとっては、許可特定用情報の出力に関して遊技機への電力供給の開始に際して特別な処理を実行する必要が生じない。
ちなみに、遊技機に対して不正行為が行われる場合、遊技機主体を開放状態として行われることがある。この場合、主制御手段は遊技を統括制御する機能を有しているため、遊技機主体が開放状態であるか否かを主制御手段において特定することが好ましい。本手段A25では、この主制御手段において遊技機主体が開放状態であるか否かを特定する構成を利用して、遊技機主体が開放されている状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合には払出指令情報が出力されないようにすることができる。
なお、前記主制御手段は、前記遊技機主体が開放状態であることが前記開放状態特定手段により特定された場合、予め定められた特定処理を実行する特定処理実行手段を備えた構成としてもよい。また、この特定処理としては、前記遊技機主体が開放状態であることを報知するための報知処理などが考えられる。
手段A26.手段A21乃至A25のいずれか1において、前記払出制御手段は、前記所定制限状況が発生していることを特定する払出側制限特定手段(払出側CPU331における満タン用処理及び球無用処理を実行する機能)をさらに備えており、
前記出力状態設定手段は、前記払出側制限特定手段により前記所定制限状況であることが特定された場合、前記許可特定用情報の出力状態が前記出力不許可状態に対応した出力状態に維持されるように規制するものであることを特徴とする遊技機。
手段A26によれば、所定制限状況では、払出指令情報が主制御手段から払出制御手段に出力されないように、許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応した出力状態に規制される。これにより、所定制限状況において新たな払出指令情報が出力されないようにすることができる。所定制限状況において払出指令情報が出力されると、その所定制限状況が解消されず払出手段による遊技媒体の払出が制限されたまま遊技機の電源が遮断された場合には、その新たに出力された払出指令情報に対応した賞払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
また、本構成においては、所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合にも、当該所定制限状況であることが特定されることで出力不許可状態に規制される。これにより、上記状況において払出指令情報が出力されないようにすることが可能となり、上記手段A21の効果を得ることができる。
なお「所定制限状況」としては、前記払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部をさらに備えた構成においては、当該外側貯留部が満タン状態となることを所定制限状況としてもよい。また、遊技機内部にて遊技媒体を貯留する内側貯留部をさらに備え、前記払出手段は前記内側貯留部に貯留された遊技媒体を払い出す構成においては、前記内側貯留部に貯留されている遊技媒体がなくなることを所定制限状況としてもよい。
(84)手段B1.遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記払出指令情報を入力し、当該払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が前記払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、
前記主制御手段から入力した払出指令情報に対応した払出数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞払出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞球数特定処理を実行する機能)と、
当該賞払出数情報特定手段に特定された払出数の情報又はそれに対応した情報として賞払出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない払出側記憶手段(払出側RAM333)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出状態設定処理を実行する機能)と、
前記払出手段による遊技媒体の払出が行われた場合に、その払出が行われた遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に反映されるように当該賞払出数情報を更新する払出時更新手段(払出側CPU331におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記賞払出数情報に応じて、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記主制御手段において特定可能なように当該主制御手段に許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定用情報に基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力するものであり、
さらに、前記払出手段による遊技媒体の払出が制限されることとなる制限状況として予め定められた所定制限状況が発生していることを特定する制限特定手段(主側CPU311におけるステップS916の処理を実行する機能、又は払出側CPU331におけるステップS1615若しくはステップS1714の処理を実行する機能等)と、
当該制限特定手段により前記所定制限状況であることが特定されたことに基づいて、前記払出指令情報出力手段による前記払出指令情報の出力が行われないようにする出力規制手段(主側CPU311におけるステップS1104の処理を実行する機能又は払出側CPU331におけるステップS2304、ステップS2305及びステップS2307の各処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段B1の遊技機では、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は、入力した払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。これにより、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する遊技媒体の払出が実行される。
当該構成において、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。
これに対して、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する賞情報は主側記憶手段に記憶されるとともに、実際に払出を実行する上で参照される賞払出数情報は払出側記憶手段に記憶される。また、払出制御手段は主制御手段に許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて主制御手段にて払出制御手段が出力許可状態であるか否かが特定される。当該許可特定用情報は、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に応じて出力される。そして、払出制御手段が出力許可状態であると主制御手段において特定された場合に、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。当該構成であることにより、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
ちなみに、払出側記憶手段に賞払出数情報を記憶させずに主側記憶手段に記憶した賞情報に対応した遊技媒体数を払出手段により遊技媒体の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主制御手段の処理負荷が必要以上に高められてしまい、主制御手段とは別に払出制御手段を設けることで主制御手段の処理負荷を低減した効果が消失してしまう。これに対して、本手段B1の構成によれば、主制御手段とは別に払出制御手段を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
また、遊技機においては遊技媒体の払出が制限されることとなる所定制限状況が発生することがある。この場合に、所定制限状況において払出指令情報が出力されると、その状況が解消されないまま遊技機の電源が遮断された場合には、払出側記憶手段に電断時電力が供給されないことに起因して、その新たに出力された払出指令情報に対応した賞払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本手段B1の構成によれば、所定制限状況では払出指令情報が出力されないように構成されているため、上記のような不都合の発生を阻止することができる。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技球が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技球の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
また、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
また、「所定制限状況」は、前記払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部をさらに備えた構成においては、当該外側貯留部が満タン状態となることを所定制限状況としてもよい。また、遊技機内部にて遊技媒体を貯留する内側貯留部をさらに備え、前記払出手段は前記内側貯留部に貯留された遊技媒体を払い出す構成においては、前記内側貯留部に貯留されている遊技媒体がなくなること又は貯留量が予め定められた下限貯留量以下となることを所定制限状況としてもよい。また、前記払出手段が設置された遊技機本体と、当該遊技機本体に対して遊技機前方に開閉可能に設けられ、前記遊技内容を遊技機前方から視認可能とする表示部及び前記払出手段から払い出された遊技媒体を貯留する外側貯留部が一体化された遊技機前面体とを備えた構成においては、遊技機前面体が開放状態となることを所定制限状況としてもよい。また、取付対象に取り付けられる遊技機主体を備えた構成においては、遊技機主体が開放状態となることを所定制限状況としてもよい。また、払出手段が故障した状況を所定制限状況としてもよい。
手段B2.手段B1において、前記出力許可状態特定手段は、前記許可特定用情報の入力状態が前記出力許可状態であることを示す入力状態となっている場合、その入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段B2によれば、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が出力許可基準期間に達したことに基づいて払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
また、上記のように主制御手段において払出制御手段が出力許可状態であることの特定を即座に行うのではなく、少なくとも出力許可基準期間が経過するまでは払出制御手段が出力許可状態であることの特定を保留する構成とすることで、所定制限状況となった場合に主制御手段において払出制御手段が出力許可状態であると特定するまでに要する期間がそれだけ確保される。これにより、例えば払出指令情報の出力を禁止するための処理が実行される場合に、当該処理を実行する上での時間的な余裕が生じる。
なお、「入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定する」には、リアルタイマを用いて上記入力継続期間を計測する構成以外にも、以下の構成が含まれる。前記出力許可状態特定手段が、前記許可特定用情報の入力状態を定期的に確認する許可特定用情報確認手段を備えた構成においては、当該許可特定用情報確認手段にて前記出力許可状態であることを示す入力状態であることが予め定められた出力許可基準回数確認されたことに基づいて前記出力許可状態であると特定する構成としてもよい。このような「期間」の取り扱いについては、以下も同様である。
手段B3.手段B1又はB2において、前記所定制限状況であることを検知する制限検知手段(前扉枠開放スイッチ78、満タン検知センサ59、球無検知センサ223a)を備えており、
前記制限特定手段は、前記制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合、その制限検知継続期間が予め定められた制限基準期間に達したことに基づいて前記所定制限状況であることを特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段B3によれば、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となったとしても即座に所定制限状況であると特定されるのではなく、当該検知結果となっている制限検知継続期間が制限基準期間に達したことに基づいて所定制限状況であると特定される。これにより、実際には所定制限状況でないにも関わらず、ノイズなどの原因で制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となった場合に、払出指令情報の出力が行われない状態となってしまうことを阻止することが可能となる。
手段B4.手段B1乃至B3のいずれか1において、前記所定制限状況であることを検知する制限検知手段(満タン検知センサ59、球無検知センサ223a)を備えており、
前記制限特定手段は、
前記制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合、その制限検知継続期間が予め定められた第1制限基準期間に達したことに基づいて第1状況であることを特定する第1制限特定手段(払出側CPU331におけるステップS1613又はステップS1712の処理を実行する機能)と、
前記制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合、その制限検知継続期間が前記第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間に達したことに基づいて第2状況であることを特定する第2制限特定手段(払出側CPU331におけるステップS1615又はステップS1714の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記第1制限特定手段により前記第1状況であることが特定されたことに基づいて、前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)を備えており、
前記出力規制手段は、前記第2制限特定手段により前記第2状況であることが特定されたことに基づいて、前記払出指令情報出力手段による前記払出指令情報の出力が行われないようにするものであることを特徴とする遊技機。
手段B4によれば、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となってから第1制限基準期間が経過することで払出手段による遊技媒体の払出が制限される。この場合に、第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間が経過することで払出指令情報の出力が行われないように規制される。これにより、ノイズなどの原因で遊技媒体の払出が制限されてしまうことを抑制すべく第1制限基準期間を極力長く確保しつつ、所定制限状況である場合に払出指令情報の出力が行われないように規制されるまでの期間を極力短くすることができる。このように払出指令情報の出力が行われないように規制されるまでの期間を極力短くすることで、遊技媒体の払出が制限される場合には比較的早い段階で払出指令情報の出力が行われないように規制することが可能となる。これにより、駆動制御制限手段により遊技媒体の払出が制限されている状況で払出指令情報が出力されてしまうことを確実に阻止することが可能となる。
また、本構成においては、第2制限基準期間が経過してから第1制限基準期間が経過するまでは、新たな払出指令情報が出力されない状況において遊技媒体の払出が継続される期間となる。したがって、駆動制御制限手段により遊技媒体の払出が制限される前の段階で、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数を極力少なくすることが可能となる。そして、このように払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数を極力少なくすることで、電源が遮断された場合に消去される未払出の賞払出数を少なくすることが可能となる。
なお、「前記払出手段の駆動制御を制限する」には、遊技媒体の払出が行われない状況だけでなく、払出手段による遊技媒体の払出速度が極端に遅い速度であることにより実質的に遊技媒体の払出が行われない状況も含まれる。
手段B5.手段B4において、前記制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況でないことを示す非制限検知結果であることに基づいて、前記払出指令情報の出力が行われないように前記出力規制手段により規制されている状態を解除する規制解除手段(払出側CPU331におけるステップS1604及びステップS1608の各処理を実行する機能)を備えており、
当該規制解除手段は、
前記第1制限特定手段により前記第1状況であると特定されている場合において前記制限検知手段の検知結果が前記非制限検知結果となっている場合、その非制限検知継続期間が予め定められた第1非制限基準期間に達したことに基づいて、前記出力規制手段により規制されている状態を解除する第1規制解除手段(払出側CPU331におけるステップS1608の処理を実行する機能)と、
前記第1制限特定手段により前記第1状況であると特定されておらず前記第2制限特定手段により前記第2状況であると特定されている場合において前記制限検知手段の検知結果が前記非制限検知結果となっている場合、前記出力規制手段により規制されている状態を解除する、又はその非制限検知継続期間が前記第1非制限基準期間よりも短い第2非制限基準期間に達したことに基づいて、前記出力規制手段により規制されている状態を解除する第2規制解除手段(払出側CPU331におけるステップS1604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段B4の構成を備えていることにより、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となってから第1制限基準期間が経過することで払出手段による遊技媒体の払出が制限される。また、遊技媒体の払出が制限された状態においては、既に払出指令情報の出力が行われないように規制されている。
この場合に、手段B5によれば、制限検知手段の検知結果が非制限検知結果となったとしても、払出指令情報の出力が規制された状態が即座に解除されることはなく、非制限検知継続期間が第1非制限基準期間に達することで、払出指令情報の出力が規制された状態が解除される。所定制限状況が発生するとそれが解消されたとしても直後に所定制限状況となってしまうことが考えられる。この場合に、所定制限状況が解消された直後に払出指令情報が出力されると、その払出指令情報に対応した賞払出数情報が全て払い出される前のタイミングで、所定制限状況が再度発生してしまうおそれがある。そして、この状態で電源が遮断されると、その賞払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、制限検知手段の検知結果が非制限検知結果となってから第1非制限基準期間が経過するまで、払出指令情報の出力が規制された状態を維持することで、上記のような状況が発生する可能性が低減される。
一方、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となってから第2制限基準期間が経過しているが第1制限基準期間が経過していない状況において、制限検知手段の検知結果が非制限検知結果となった場合は、例えば実際には所定制限状況となっていない場合に制限検知手段の検知結果が制限検知結果となったことなどを意味する。したがって、この場合には、第1非制限基準期間の経過を待つまでもなく、払出指令情報の出力が規制された状態を解除することが好ましい。これにより、払出指令情報の出力が規制された期間が極端に長くなってしまわないようにすることができる。
手段B6.手段B1乃至B3のいずれか1において、前記払出制御手段は前記制限特定手段を有しているとともに、当該払出制御手段の前記出力状態設定手段は前記出力規制手段を有しており、
当該出力規制手段は、前記制限特定手段により前記所定制限状況であることが特定されことに基づいて、前記許可特定用情報の出力状態が前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能な出力状態に維持されるように規制する不許可状態規制手段(払出側CPU331におけるステップS2304、ステップS2305及びステップS2307の各処理を実行する機能)であることを特徴とする遊技機。
手段B6によれば、所定制限状況であることが特定された場合には、払出指令情報が主制御手段から払出制御手段に出力されないように、許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に維持される。これにより、所定制限状況において新たな払出指令情報が出力されないようにすることが可能となる。
手段B7.手段B6において、前記所定制限状況であることを検知する制限検知手段(満タン検知センサ59、球無検知センサ223a)を備えており、
前記制限特定手段は、
前記制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合、その制限検知継続期間が予め定められた第1制限基準期間に達したことに基づいて第1状況であることを特定する第1制限特定手段(払出側CPU331におけるステップS1613又はステップS1712の処理を実行する機能)と、
前記制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合、その制限検知継続期間が前記第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間に達したことに基づいて第2状況であることを特定する第2制限特定手段(払出側CPU331におけるステップS1615又はステップS1714の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記第1制限特定手段により前記第1状況であることが特定されている場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)を備えており、
前記不許可状態規制手段は、前記第2制限特定手段により前記第2状況であることが特定されている場合、前記許可特定用情報の出力状態が前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能な出力状態に維持されるように規制するものであることを特徴とする遊技機。
手段B7によれば、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となってから第1制限基準期間が経過することで払出手段による遊技媒体の払出が制限される。この場合に、第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間が経過することで許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに規制される。これにより、ノイズなどの原因で遊技媒体の払出が制限されてしまうことを抑制すべく第1制限基準期間を極力長く確保しつつ、所定制限状況である場合に許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に規制されるまでの期間を極力短くすることができる。このように許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に規制されるまでの期間を極力短くすることで、遊技媒体の払出が制限される場合には比較的早い段階で許可特定用情報の出力状態を出力不許可状態に規制することが可能となる。これにより、駆動制御制限手段により遊技媒体の払出が制限されている状況で払出指令情報が出力されてしまうことを確実に阻止することが可能となる。
また、本構成においては、第2制限基準期間が経過してから第1制限基準期間が経過するまでは、新たな払出指令情報が出力されない状況において遊技媒体の払出が継続される期間となる。したがって、駆動制御制限手段により遊技媒体の払出が制限される前の段階で、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数を極力少なくすることが可能となる。そして、このように払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数を極力少なくすることで、電源が遮断された場合に消去される賞払出数を少なくすることが可能となる。
なお、「前記払出手段の駆動制御を制限する」には、遊技媒体の払出が行われない状況だけでなく、払出手段による遊技媒体の払出速度が極端に遅い速度であることにより実質的に遊技媒体の払出が行われない状況も含まれる。
手段B8.手段B7において、前記払出駆動制御手段は、前記第2制限特定手段により前記第2状況であることが特定されている場合に前記払出手段の払出速度をそれまでよりも遅い速度に変更する低速駆動制御手段(払出側CPU331におけるステップS2204の処理を実行する機能)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段B8によれば、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となっている検知継続期間が、第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間に達することで、払出手段の払出速度がそれまでよりも遅い速度に変更される。これにより、払出手段から払出される遊技媒体の間隔が広くなる。例えば、払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部をさらに備え、外側貯留部が満タン状態となることが所定制限状況である構成では、実際には外側貯留部が満タン状態でないにも関わらず、外側貯留部に向けて流れる遊技媒体のうち複数の遊技媒体を制限検知手段にて連続して検知することに起因して外側貯留部が満タン状態であると特定されてしまうおそれがある。これに対して、第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間に達することで、払出手段の払出速度がそれまでよりも遅い速度に変更されるため、制限検知手段にて連続して検知していた状態が解除され、検知継続期間が途切れる。よって、外側貯留部が満タン状態でないにも関わらず、遊技媒体の払出が制限されてしまう可能性が低減される。
上記構成において上記手段B7を備え、第2制限基準期間が経過することで許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに規制される。つまり、払出手段の払出速度をそれまでよりも遅い速度に変更する契機が、許可特定用情報の出力状態を出力不許可状態に対応したものとする契機として兼用される。よって、払出制御手段にて記憶する制限基準期間に関する記憶容量の縮小化が図られる。
手段B9.手段B7又はB8において、前記主制御手段は、外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合に、予め定められた主側待機期間に亘って少なくとも前記出力許可状態特定手段による特定が行われないように待機する主側待機手段(主側CPU311におけるステップS401及びステップS402の処理を実行する機能)を備えており、
前記所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、前記主側待機期間が経過し前記出力許可状態特定手段による特定が行われるよりも前に、前記第2状況であることが前記第2制限特定手段により特定されるとともに、前記不許可状態規制手段による前記許可特定用情報の出力状態の規制が行われるように、前記主側待機期間が設定されていることを特徴とする遊技機。
所定制限状況では、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状態で電源が遮断されることがある。この場合に、電力供給が開始され払出制御手段が出力許可状態となり払出指令情報が出力されると、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶される。但し、遊技媒体の払出は依然として制限されているため、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されたとしても遊技媒体の払出は実行されない。この状況で電源が遮断されると、遊技媒体の払出が実行されることなく払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報は消去されてしまう。そして、このような電源投入及び電源遮断が繰り返し行われると、遊技媒体の払出が実行されることなく主側記憶手段に記憶されている賞情報が繰り返し消去されていってしまう。
これに対して、手段B9によれば、主制御手段では、所定制限状況で電源が投入された場合、許可特定用情報の特定が主側待機期間に亘って行われることはない。そして、主制御手段において主側待機期間に亘って待機している間に、払出制御手段では、出力不許可状態であることが特定可能なように許可特定用情報の出力状態が規制される。これにより、所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないようにすることができる。つまり、所定制限状況で電源が投入された場合には、主側記憶手段に記憶されている賞情報は、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶されることはなく主側記憶手段において維持される。そして、主側記憶手段には上記のとおり電断時電力が供給されるため、当該電断時電力が供給される限り電源が遮断されたとしても賞情報が消去されることはない。よって、上記不都合の発生を阻止することが可能となる。
また、上記手段B7の構成を備え、第1制限基準期間よりも短い第2制限基準期間が経過することで許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに規制されるため、ノイズなどの原因で遊技媒体の払出が制限されてしまうことを抑制すべく第1制限基準期間を極力長く確保しつつ、所定制限状況である場合に許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に規制されるまでの期間が極力短くなるように設定されている。このように許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に規制されるまでの期間を極力短くすることで、主側待機期間をそれだけ短くすることが可能となる。所定制限状況だけでなく非所定制限状況であっても、遊技機に電力供給が開始された場合には主側待機期間が経過するまで主制御手段における通常の処理が待機されるため、非所定制限状況における電源投入後の立ち上げ処理に要する期間が極端に長くならないようにするという観点からは、上記のように主側待機期間を短くすることが好ましい。
手段B10.手段B9において、前記払出制御手段は、外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合に、予め定められた払出側待機期間に亘って、前記賞払出数情報特定手段による特定、前記払出駆動制御手段による駆動制御、前記払出時更新手段による更新及び前記許可特定用情報出力手段による前記許可特定用情報の出力が行われないように待機する払出側待機処理実行手段(払出側CPU331におけるメイン処理を実行する機能)を備えており、
前記主側待機期間は、前記払出側待機期間及び前記第2制限基準期間を合わせた期間よりも長く設定されていることを特徴とする遊技機。
手段B10の遊技機では、外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合、払出制御手段では払出側待機期間に亘って各処理の実行が待機される。この場合に、主制御手段における主側待機期間は、払出側待機期間及び第2制限基準期間を合わせた期間よりも長く設定されている。これにより、上記のように払出制御手段において払出側待機期間が設定された構成において、所定制限状況で外部電源から遊技機に電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないようにすることができる。
手段B11.手段B7乃至B10のいずれか1において、前記制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況でないことを示す非制限検知結果であることに基づいて、前記不許可状態規制手段により規制されている状態を解除する規制解除手段(払出側CPU331におけるステップS1604及びステップS1608の各処理を実行する機能)を備えており、
当該規制解除手段は、
前記第1制限特定手段により前記第1状況であると特定されている場合において前記制限検知手段の検知結果が前記非制限検知結果となっている場合、その非制限検知継続期間が予め定められた第1非制限基準期間に達したことに基づいて、前記不許可状態規制手段により規制されている状態を解除する第1規制解除手段(払出側CPU331におけるステップS1608の処理を実行する機能)と、
前記第1制限特定手段により前記第1状況であると特定されておらず前記第2制限特定手段により前記第2状況であると特定されている場合において前記制限検知手段の検知結果が前記非制限検知結果となっている場合、前記不許可状態規制手段により規制されている状態を解除する、又はその非制限検知継続期間が前記第1非制限基準期間よりも短い第2非制限基準期間に達したことに基づいて、前記不許可状態規制手段により規制されている状態を解除する第2規制解除手段(払出側CPU331におけるステップS1604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段B7の構成を備えていることにより、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となってから第1制限基準期間が経過することで払出手段による遊技媒体の払出が制限される。また、遊技媒体の払出が制限された状態においては、既に許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに規制されている。
この場合に、手段B11によれば、制限検知手段の検知結果が非制限検知結果となったとしても、許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに規制された状態が即座に解除されることはなく、非制限検知継続期間が第1非制限基準期間に達することで、その規制された状態が解除される。所定制限状況が発生するとそれが解消されたとしても直後に所定制限状況となってしまうことが考えられる。この場合に、所定制限状況が解消された直後に払出指令情報が出力されると、その払出指令情報に対応した賞払出数情報が全て払い出される前のタイミングで、所定制限状況が再度発生してしまうおそれがある。そして、この状態で電源が遮断されると、その賞払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、制限検知手段の検知結果が非制限検知結果となってから第1非制限基準期間が経過するまで、許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに規制された状態を維持することで、上記のような状況が発生する可能性が低減される。
一方、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となってから第2制限基準期間が経過しているが第1制限基準期間が経過していない状況において、制限検知手段の検知結果が非制限検知結果となった場合は、例えば実際には所定制限状況となっていない場合に制限検知手段の検知結果が制限検知結果となったことなどを意味する。したがって、この場合には、第1非制限基準期間の経過を待つまでもなく、許可特定用情報の出力状態が出力不許可状態に対応したものに規制された状態を解除することが好ましい。これにより、払出指令情報の出力が規制された期間が極端に長くなってしまわないようにすることができる。
手段B12.手段B1乃至B5のいずれか1において、前記出力規制手段は、前記払出指令情報出力手段が有し、前記制限特定手段により前記所定制限状況であることが特定されたことに基づいて、前記払出指令情報の出力を禁止する出力禁止手段(主側CPU311におけるステップS1104の処理を実行する機能)であることを特徴とする遊技機。
手段B12によれば、所定制限状況であることが特定された場合には、払出指令情報の出力が主制御手段において直接的に規制される。これにより、所定制限状況であることが特定されている状況において払出指令情報が出力されてしまうことを確実に阻止することが可能となる。
(85)手段C1.予め定められた所定箇所の遊技媒体の通過を検知する通過検知手段(球検知センサ152〜155)と、
当該通過検知手段の検知結果を入力し、その入力した検知結果に基づいて、前記所定箇所の遊技媒体の通過を特定する制御手段(主制御基板301)と、
を備えた遊技機において、
前記制御手段は、
前記通過検知手段の検知結果を入力する入力手段(第1入力ポート351)と、
当該入力手段に入力されている入力情報を、確認タイミングとなる度に確認する確認手段(主側CPU311におけるステップS601の処理を実行する機能等)と、
当該確認手段により確認された前記入力情報を履歴情報として記憶するとともに、当該履歴情報を前記確認手段によるその後の複数回の確認タイミングに亘って記憶保持する履歴記憶手段(主側RAM313の一部の機能)と、
当該履歴記憶手段に記憶された前記履歴情報に基づいて前記通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知していることを特定する通過特定手段(主側CPU311におけるステップS605〜ステップS608の各処理を実行する機能等)と、
を備えており、
前記履歴記憶手段は、所定の確認タイミングを含めて3回以上の回数として定められた基準回数分の確認タイミングに対応した前記検知結果の情報を、前記履歴情報に基づいて前記通過特定手段にて把握することが可能なように前記履歴情報を記憶するものであり、
前記通過特定手段は、前記基準回数分の前記検知結果の情報のうち、最初の回又は最後の回のいずれか一方が遊技媒体を検知していない検知結果に対応した情報であり、その他が遊技媒体を検知している検知結果に対応した情報である場合に、前記通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知しているとする演算結果となる演算処理を実行する演算処理実行手段を備え、当該演算処理実行手段の演算結果に基づいて、前記通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知していることを特定するものであり、
さらに、前記入力手段は、前記入力情報を、複数の通過検知手段の検知結果に対応させて個別に入力するとともに、
前記履歴記憶手段は、前記履歴情報を、前記各入力情報に対応させて個別に記憶するものであり、
前記演算処理実行手段は、前記各通過検知手段のそれぞれについて演算結果を得るように前記演算処理を実行するものであることを特徴とする遊技機。
手段C1の遊技機では、制御手段は、通過検知手段の検知結果の情報を繰り返し確認する。この場合に、制御手段において、遊技媒体の通過を検知している旨の情報が確認されたとしても即座に通過有りと特定されることはなく、当該情報が複数回確認された場合に通過有りと特定される。これにより、実際には所定箇所を遊技媒体が通過していないにも関わらず、ノイズ等の影響で制御手段において通過有りと特定しまう可能性が低減される。
また、制御手段の入力手段には、複数の通過検知手段の検知結果が入力され、それら通過検知手段が遊技媒体の通過を検知しているか否かが特定される。そして、これら通過検知手段の検知結果の特定について、上記ノイズ等の影響が低減される。
この場合に、制御手段は、入力手段に入力された入力情報であって過去の確認タイミングにおいて確認されたものを履歴情報として記憶する。そして、履歴情報に基づいて基準回数分の検知結果の情報を把握し演算処理を実行する。この演算処理では、上記把握した各検知結果の情報のうち、最初の回又は最後の回のいずれか一方が遊技媒体を検知していない検知結果に対応した情報であり、その他が遊技媒体を検知している検知結果に対応した情報である場合に、通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知しているとする演算結果となる。そして、各通過検知手段のそれぞれについて演算結果を得るように演算処理が実行され、各通過検知手段のそれぞれについて遊技媒体の通過の有無が正確に特定される。このように複数の通過検知手段の検知結果について同様の演算処理を実行するようにしたことで、制御手段の制御処理内容として予め記憶させておく記憶容量の削減が図られる。また、本構成によれば、タイマカウンタやリアルタイマ等の期間計測手段を各通過検知手段に対して個別に設ける必要がないため、個別に期間計測手段を設ける構成に比べ、制御手段のハード構成及びソフト構成の両面において好ましいものとすることが可能となる。
ちなみに、上記のとおり演算処理は、基準回数分の検知結果の情報のうち、最初の回又は最後の回のいずれか一方が遊技媒体を検知していない検知結果に対応した情報でないと、遊技媒体の通過有りとする演算結果とならない。これにより、所定箇所を一の遊技媒体が通過する場合に、その所定箇所を遊技媒体が通過したとする特定が重複して起こらないようにすることができる。
なお、「確認タイミング」には、定期的なものが含まれるとともに、繰り返し実行される一連の処理の一部として実行されるものも含まれる。
また、「最初の回」の情報とは、基準回数分の検知結果の情報のうち最も古い回の情報のことをいい、「最後の回」の情報とは、基準回数分の検知結果の情報のうち最も新しい回の情報のことをいう。
手段C2.手段C1において、前記入力手段は複数のビットにより一まとまりとなるバイトを一単位として構成されており、前記各入力情報は対応するビットに格納され、
前記履歴記憶手段は、前記バイトを一単位として構成された履歴領域(前回用エリア362、前々回用エリア363)を前記基準回数分備えており、
それら各履歴領域のそれぞれには、対応する前記確認タイミングの回の各履歴情報が対応するビットに記憶され、
前記演算処理実行手段は、前記演算処理にて、前記各履歴領域の情報を、それぞれ前記バイト単位で論理演算し、各通過検知手段の各検知結果毎に演算結果を導出するものであることを特徴とする遊技機。
手段C2によれば、入力手段及び各履歴領域は全て、バイトを一単位として構成されている。この場合に、各履歴領域の情報がバイト単位で論理演算されることで、各通過検知手段の検知結果毎に演算結果が導き出される。これにより、ビット単位で演算処理を実行する場合に比べ、制御手段のソフト構成の簡素化を図りつつ、各通過検知手段の検知結果を正確に特定することができる。
なお、「履歴記憶手段」は、演算処理に使われない記憶領域を有する構成であってもよい。
手段C3.手段C2において、前記各入力情報は前記入力手段の各ビットに1対1で対応させて格納されるとともに、前記各履歴情報は前記各履歴領域のうち対応する履歴領域の各ビットに1対1で対応させて記憶されるものであることを特徴とする遊技機。
手段C3によれば、各入力情報は入力手段の各ビットに個別に格納される。つまり、各入力情報の情報量は1ビットである。また、各履歴領域のそれぞれについては、対応する確認タイミングの各履歴情報が各ビットに個別に記憶される。つまり、各履歴情報の情報量は1ビットである。以上の情報形態とすることにより、制御手段において必要な記憶容量の縮小化、すなわち、制御手段のハード構成の簡素化を図りつつ、各通過検知手段の検知結果を正確に特定することができる。
手段C4.手段C2又はC3において、前記各履歴領域は、それぞれ1バイトで構成されていることを特徴とする遊技機。
手段C4によれば、各通過検知手段の検知結果毎に演算結果を導き出す場合、それぞれ1バイトの各履歴領域の情報を論理演算すればよい。したがって、制御手段のソフト構成の簡素化を図りつつ、各通過検知手段の検知結果を正確に特定することができる。
手段C5.手段C2乃至C4のいずれか1において、前記制御手段は、前記確認手段により前記入力情報が確認され、前記演算処理実行手段により前記演算処理が実行される場合又は実行された後に、前記最初の回側の履歴領域に対してそれよりも前の確認タイミングの回に対応した履歴領域の各履歴情報が記憶されるように各履歴領域の情報を更新する履歴領域更新手段(主側CPU311におけるステップS604の処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段C5によれば、履歴領域に記憶される履歴情報が適宜更新されていくため、上記論理演算が良好に行われる。また、履歴領域の数を、前記基準回数の数分のみとすることができ、制御手段において必要な記憶容量の縮小化が図られる。よって、制御手段のハード構成の簡素化を図りつつ、各通過検知手段の検知結果を正確に特定することができる。
手段C6.手段C2乃至C5のいずれか1において、前記入力手段の各ビットには前記入力情報としてデータ0又はデータ1が記憶されるとともに、前記履歴領域の各ビットには前記履歴情報としてデータ0又はデータ1が記憶されるものであり、
前記演算処理実行手段は、前記基準回数分の前記検知結果の情報のうち、最初の回又は最後の回のいずれか一方が遊技媒体を検知していない検知結果に対応したものであり、その他が遊技媒体を検知している検知結果に対応した情報である場合に、前記論理演算した結果の対応するビットがデータ1となるように、前記各履歴領域の情報のうち、前記基準回数分の最初の回若しくは最後の回のいずれか一方に対応した情報、又はその他の情報について各ビットのデータ0及びデータ1を反転させるとともに、その反転させた情報と反転対象とならなかった情報との論理積を演算するものであることを特徴とする遊技機。
手段C6によれば、各通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知しているか否かの特定を、反転(否定)及び論理積という比較的簡素な論理演算を通じて行うことができる。よって、制御手段のソフト構成の簡素化を図りつつ、各通過検知手段の検知結果を正確に特定することができる。
手段C7.手段C2乃至C5のいずれか1において、前記入力手段の各ビットには前記入力情報としてデータ0又はデータ1が記憶されるとともに、前記履歴領域の各ビットには前記履歴情報としてデータ0又はデータ1が記憶され、さらに前記入力情報及び前記履歴情報が前記遊技媒体の通過を検知している検知結果に対応したものである場合にはデータ1が記憶されるものであり、
前記演算処理実行手段は、前記各履歴領域の情報のうち、前記基準回数分の最初の回又は最後の回のいずれか一方に対応した情報について各ビットのデータ0及びデータ1を反転させた情報と、前記基準回数分の残りの情報との論理積を演算するものであり、
前記通過特定手段は、前記論理積を演算した結果、データ1が格納されていることに基づいて、そのデータ1が格納されているビットに対応した通過検知手段について遊技媒体の通過を検知していると特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段C7によれば、各通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知しているか否かの特定を、反転(否定)及び論理積という比較的簡素な論理演算を通じて行うことができる。特に、本構成では反転を、各履歴領域の情報のうち、1の情報に対して行うだけでよく、反転を複数の情報に対して行う構成に比べ、ソフト構成の簡素化が図られる。よって、制御手段のソフト構成の簡素化を図りつつ、各通過検知手段の検知結果を正確に特定することができる。
手段C8.手段C1乃至C7のいずれか1において、前記履歴領域の数は、前記基準回数の数であって、前記入力手段に入力情報として検知結果が入力される通過検知手段の数よりも少なく設定されていることを特徴とする遊技機。
手段C8によれば、履歴領域の数は、入力手段に入力情報として検知結果が入力される通過検知手段の数よりも少なく設定されている。例えば、タイマカウンタ等の期間計測手段を用いて、通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知しているか否かの特定を行おうとすると、通過検知手段の数分の期間計測手段が必要となる。これに対して、本構成によれば、通過検知手段の数よりも少ない数の履歴領域により、各通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知しているか否かの特定を行うことができる。よって、制御手段において必要な記憶容量の縮小化、すなわち、制御手段のハード構成の簡素化を図りつつ、各通過検知手段の検知結果を正確に特定することができる。
手段C9.手段C1乃至C8のいずれか1において、遊技媒体が流下する遊技領域と、当該遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技媒体が通過する複数の通過部(一般入賞口82,可変入賞装置83,上作動口84a,下作動口84b,スルーゲート85)と、をさらに備えており、
前記通過部に対して前記通過検知手段が設けられており、
前記通過部に対して設けられた通過検知手段の全ての検知結果が前記入力手段に入力されることを特徴とする遊技機。
遊技領域の通過部に対して設けられる通過検知手段は、遊技領域を流下している遊技球を検知するという概ね同様の事象を検知対象としている。したがって、ノイズ等の影響を低減するために、通過有りと特定する上で必要とする確認回数を同一としたとしても、支障はないものと考えられる。この場合に、手段C9によれば、通過部に対して設けられた通過検知手段の全ての検知結果が入力手段に入力され、各通過検知手段のそれぞれについて演算結果を得るように演算処理が実行される。これにより、各通過検知手段のそれぞれについて遊技媒体の通過の有無が正確に特定される。
また、遊技領域には比較的多くの通過部が設置されることが一般的であり、それに応じて通過部に対して設けられた通過検知手段の数が比較的多くなる。この場合に、通過部に対して設けられた通過検知手段の全ての検知結果について同様の演算処理を実行するようにしたことで、制御手段の制御処理内容として予め記憶させておく記憶容量の削減が図られる。また、タイマカウンタ等の期間計測手段を各通過検知手段に対して個別に設ける必要がないため、個別に期間計測手段を設ける構成に比べ、制御手段のハード構成及びソフト構成の両面において好ましいものとなる。
手段C10.手段C1乃至C9のいずれか1において、前記演算処理実行手段は、前記基準回数分の前記結果情報の情報のうち、前記最初の回が遊技媒体を検知していない検知結果に対応した情報であり、その他が遊技媒体を検知している検知結果に対応した情報である場合に、その対応する通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知しているとする演算結果となる演算処理を実行するものであることを特徴とする遊技機。
手段C10によれば、通過検知手段にて遊技媒体の通過が検知される場合、制御手段では遊技媒体の通過の検知が通過検知手段にて開始されたタイミングにおいて、通過有りの特定が行われる。
手段C11.手段C1乃至C10のいずれか1において、前記制御手段は、前記入力手段又は当該入力手段とは別の入力手段(第2入力ポート352)に、前記通過検知手段の検知結果に対応した入力情報とは異なる特別入力情報を入力するものであり、
さらに、前記制御手段は、
前記特別入力情報を入力している場合に、その入力継続期間を計測する特別期間計測手段(前扉枠カウンタエリア364、賞球許可カウンタエリア365)と、
当該特別期間計測手段により計測された前記入力継続期間が予め定められた特別基準期間に達した場合に、前記特別入力情報を入力していると特定する特別特定手段(主側CPU311におけるステップS916の処理を実行する機能、主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段C11によれば、通過検知手段の検知結果に対応した入力情報とは異なる特別入力情報については、制御手段において特別期間計測手段を用いて特別入力情報を入力していることの特定が行われる。例えば、特別入力情報を入力していると制御手段が特定するまでに要する期間を、通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知していると制御手段が特定するまでに要する期間よりも長く確保したい場合において、特別入力情報に対して演算処理実行手段による演算処理を適用しようとすると、履歴記憶手段の記憶容量が非常に大きくなってしまうことおそれがある。また、履歴記憶手段の記憶容量が非常に大きくなるということは、1度の確認タイミングが経過する毎に履歴情報の更新処理を実行する場合において、その更新処理が煩雑となってしまう。これに対して、このように演算処理実行手段による演算処理を適用するとかえって不都合を招くおそれがあるものについては期間計測手段を用いて入力の特定を行うようにすることで、制御手段のハード構成及びソフト構成を良好なものとすることができる。
手段C12.手段C1乃至C10のいずれか1において、遊技媒体が流下する遊技領域と、当該遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技媒体が通過する複数の賞払出用通過部(一般入賞口82,可変入賞装置83,上作動口84a,下作動口84b,スルーゲート85)と、をさらに備え、
前記賞払出用通過部に対応させて前記通過検知手段が設けられているとともに、前記賞払出用通過部に対応させて設けられた通過検知手段の全ての検知結果が前記入力手段に入力され、
前記制御手段は、前記通過特定手段により前記通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知していることが特定されたことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段であり、
前記払出指令情報を入力し、その入力に基づいて所定数の遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記履歴記憶手段を有するとともに、前記通過特定手段により前記通過検知手段にて遊技媒体の通過が検知されたことが特定された場合に賞情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、
前記主制御手段から前記払出指令情報を入力したことに基づいて、払出数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞払出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞球数特定処理を実行する機能)と、
当該賞払出数情報特定手段に特定された払出数の情報又はそれに対応した情報として賞払出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない払出側記憶手段(払出側RAM333)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出状態設定処理を実行する機能)と、
前記払出手段による遊技媒体の払出が行われた場合に、その払出が行われた遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に反映されるように当該賞払出数情報を更新する払出時更新手段(払出側CPU331におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記賞払出数情報に応じて、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記主制御手段において特定可能なように当該主制御手段に許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記許可特定用情報は、前記主制御手段における前記入力手段又は当該入力手段とは別の入力手段に入力され、
前記主制御手段は、前記許可特定用情報の入力状態が前記出力許可状態であることを示す入力状態となっている場合に、その入力継続期間を計測する許可特定計測手段(賞球許可カウンタエリア365)を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定計測手段における入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力し得るものであることを特徴とする遊技機。
手段C12の遊技機では、通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知していることが特定されたことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は、払出指令情報を入力したことに基づいて所定数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。これにより、賞払出用通過部を遊技媒体が通過したことに対する遊技媒体の払出が実行される。
当該構成において、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。
これに対して、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する賞情報は主側記憶手段に記憶されるとともに、実際に払出を実行する上で参照される賞払出数情報は払出側記憶手段に記憶される。また、払出制御手段は主制御手段に許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて主制御手段にて払出制御手段が出力許可状態であるか否かが特定される。この許可特定用情報は、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に応じて出力される。そして、払出制御手段が出力許可状態であると主制御手段において特定された場合に、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。当該構成であることにより、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、賞払出用通過部を遊技媒体が通過したことに対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの賞払出数情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
ちなみに、払出側記憶手段に賞払出数情報を記憶させずに主側記憶手段に記憶した賞情報に対応した遊技媒体数を払出手段により遊技媒体の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主制御手段の処理負荷が必要以上に高められてしまい、主制御手段とは別に払出制御手段を設けることで主制御手段の処理負荷を低減した効果が消失してしまう。これに対して、本手段C12の構成によれば、主制御手段とは別に払出制御手段を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
また、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が出力許可基準期間に達したことに基づいて払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
また、遊技領域の賞払出用通過部に対して設けられる通過検知手段は、遊技領域を流下している遊技球を検知するという概ね同様の事象を検知対象としている。したがって、ノイズ等の影響を低減するために、通過有りと特定する上で必要とする確認回数を同一としたとしても、支障はないものと考えられる。この場合に、手段C12によれば、賞払出用通過部に対して設けられた通過検知手段の全ての検知結果が入力手段に入力され、各通過検知手段のそれぞれについて演算結果を得るように演算処理が実行される。これにより、各通過検知手段のそれぞれについて遊技媒体の通過の有無が正確に特定される。
また、遊技領域には比較的多くの賞払出用通過部が設置されることが一般的であり、それに応じて賞払出用通過部に対して設けられる通過検知手段の数が比較的多くなる。この場合に、賞払出用通過部に対して設けられた通過検知手段の全ての検知結果について同様の演算処理を実行するようにしたことで、主制御手段の制御処理内容として予め記憶させておく記憶容量の削減が図られる。また、タイマカウンタ等の期間計測手段を各通過検知手段に対して個別に設ける必要がないため、個別に期間計測手段を設ける構成に比べ、主制御手段のハード構成及びソフト構成の両面において好ましいものとなる。
また、賞払出用通過部の通過検知手段については期間計測手段を用いることなく上記演算処理を実行することで通過有りの特定を行うようにしたのに対して、許可特定用情報については上記演算処理を実行することなく許可特定計測手段を用いることとした。許可特定用情報は上記のとおり、主制御手段において払出制御手段が払出指令情報の出力許可状態であるか否かを特定する場合に用いられる情報であるため、当該払出指令情報の出力タイミングを調整する上では、許可特定用情報の入力状態が出力許可状態に対応したものであると特定するまでの期間をあえて長くする必要が生じることも考えられる。この場合に、許可特定用情報について上記演算処理を実行しようとすると、履歴記憶手段の記憶容量を大きく確保する必要が生じ、期間計測手段を用いる構成に比べ、主制御手段のハード構成及びソフト構成をかえって煩雑化させるおそれがある。これに対して、許可特定用情報については上記演算処理を実行することなく許可特定計測手段を用いることで、主制御手段における出力許可状態であるか否かの特定を良好に行うことができる。つまり、本手段における構成によれば、通過検知手段については上記優れた効果を得ることができるとともに、出力許可状態であるか否かの特定についても良好に行うことができる。
なお、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
また、「入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定する」には、リアルタイマを用いて上記入力継続期間を計測する構成以外にも、以下の構成が含まれる。前記出力許可状態特定手段が、前記許可特定用情報の入力状態を定期的に確認する許可特定用情報確認手段を備えた構成においては、当該許可特定用情報確認手段にて前記出力許可状態であることを示す入力状態であることが予め定められた出力許可基準回数確認されたことに基づいて前記出力許可状態であると特定する構成としてもよい。このような「期間」の取り扱いについては、以下も同様である。
手段C13.手段C12において、前記払出手段による遊技媒体の払出が制限されることとなる制限状況として予め定められた所定制限状況が発生していることを検知する制限検知手段(前扉枠開放スイッチ78)を備えており、
当該制限検知手段の検知結果は、前記主制御手段における前記入力手段又は当該入力手段とは別の入力手段(第2入力ポート352)に入力され、
前記主制御手段は、
前記制限検知手段の検知結果が前記所定制限状況であることを示す検知結果となっている場合に、その入力継続期間を計測する制限特定計測手段(前扉枠カウンタエリア364)と、
当該制限特定計測手段における入力継続期間が予め定められた制限基準期間に達したことに基づいて前記所定制限状況であることを特定する制限特定手段(主側CPU311における前扉枠開放信号監視処理を実行する機能)と、
前記出力許可基準期間は前記制限基準期間よりも長く設定されていることを特徴とする遊技機。
手段C13によれば、制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となったとしても即座に所定制限状況であると特定されるのではなく、当該検知結果となっている制限検知継続期間が制限基準期間に達したことに基づいて所定制限状況であると特定される。これにより、実際には所定制限状況でないにも関わらず、ノイズなどの原因で制限検知手段の検知結果が所定制限状況であることを示す検知結果となった場合に、払出指令情報の出力が行われない状態となってしまうことを阻止することが可能となる。
また、出力許可基準期間が制限基準期間よりも長く設定されていることにより、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態であることを特定するよりも前のタイミングで、所定制限状況であることが特定され、所定制限状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないようにすることができる。
上記のとおり払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状態で電源投入及び電源遮断が繰り返し行われると、遊技媒体の払出が実行されることなく主側記憶手段に記憶されている賞情報が繰り返し消去されてしまうおそれがある。つまり、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状態で電力供給が開始された場合に、払出制御手段が出力許可状態となり払出指令情報が出力されるとすると、払出側記憶手段に賞払出数情報が記憶される。この状況で比較的早い段階で電源が遮断されると、遊技媒体の払出が実行されることなく払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報は消去されてしまう。そして、このような電源投入及び電源遮断が繰り返し行われると、遊技媒体の払出が実行されることなく主側記憶手段に記憶されている賞情報が繰り返し消去されていってしまう。これに対して、上記のとおり、所定制限状況であって主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が開始された場合に払出指令情報が出力されないように構成されているため、上記不都合の発生が防止される。
また、本構成においては、出力許可基準期間が制限基準期間よりも長く設定する必要がある。この場合に、許可特定用情報について上記演算処理を実行しようとすると、履歴記憶手段の記憶容量を大きく確保する必要が生じ、期間計測手段を用いる構成に比べ、主制御手段のハード構成及びソフト構成をかえって煩雑化させるおそれがある。これに対して、許可特定用情報については上記演算処理を実行することなく許可特定計測手段を用いることで、主制御手段における出力許可状態であるか否かの特定を良好に行うことができる。つまり、本手段における構成によれば、通過検知手段については上記優れた効果を得ることができるとともに、出力許可状態であるか否かの特定についても良好に行うことができる。
なお、前記主制御手段が、外部電源から遊技機に電力供給が開始された後に、予め定められた複数の処理を一連処理として繰り返し実行する構成においては、当該一連処理の一部の処理として前記出力許可基準期間の計測処理及び前記制限検知継続期間の計測処理を実行する構成としてもよい。この場合、出力許可基準期間及び制限検知継続期間の計測開始タイミングなどを概ね同一とすることが可能となる。
手段C14.手段C1乃至C13のいずれか1において、前記通過検知手段は、前記遊技媒体の通過を検知していない間はHIレベル信号を出力し、前記遊技媒体の通過を検知している間はLOWレベル信号を出力するものであり、
前記入力手段には、前記通過検知手段から前記LOWレベル信号を入力している間、遊技媒体の通過を検知していることを示す情報が入力されることを特徴とする遊技機。
手段C14によれば、通過検知手段における遊技媒体の通過の検知に関して電気的なノイズの影響を低減することができる。
手段C15.予め定められた所定箇所の遊技媒体の通過を検知する通過検知手段(球検知センサ152〜155)と、
当該通過検知手段の検知結果を入力し、その入力した検知結果に基づいて、前記所定箇所の遊技媒体の通過を特定する制御手段(主制御基板301)と、
を備えた遊技機において、
前記制御手段は、
前記通過検知手段の検知結果を入力する入力手段(第1入力ポート351)と、
当該入力手段に入力されている入力情報を、確認タイミングとなる度に確認する確認手段(主側CPU311におけるステップS601の処理を実行する機能等)と、
当該確認手段により確認された前記入力情報を履歴情報として記憶するとともに、当該履歴情報を前記確認手段によるその後の複数回の確認タイミングに亘って記憶保持する履歴記憶手段(主側RAM313の一部の機能)と、
当該履歴記憶手段に記憶された前記履歴情報に基づいて前記通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知していることを特定する通過特定手段(主側CPU311におけるステップS605〜ステップS608の各処理を実行する機能等)と、
を備えており、
前記履歴記憶手段は、所定の確認タイミングを含めて3回以上の回数として定められた基準回数分の確認タイミングに対応した前記検知結果の情報を、前記履歴情報に基づいて前記通過特定手段にて把握することが可能なように前記履歴情報を記憶するものであり、
前記通過特定手段は、前記基準回数分の前記検知結果の情報のうち、最初の回又は最後の回のいずれか一方が遊技媒体を検知していない検知結果に対応した情報であり、その他が遊技媒体を検知している検知結果に対応した情報である場合に、前記通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知しているとする演算結果となる演算処理を実行する演算処理実行手段を備え、当該演算処理実行手段の演算結果に基づいて、前記通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知していることを特定するものであり、
さらに、前記通過検知手段として、第1所定箇所の遊技媒体の通過を検知する第1通過検知手段(下作動口センサ154b)と、前記第1所定箇所とは異なる第2所定箇所の遊技媒体の通過を検知する第2通過検知手段(上作動口センサ154a)と、を備えており、
前記入力手段は、前記入力情報として、前記第1通過検知手段の検知結果に対応した第1入力情報と前記第2通過検知手段の検知結果に対応した第2入力情報とを個別に入力するとともに、
前記履歴記憶手段は、前記履歴情報として、前記第1入力情報に対応した第1履歴情報と前記第2入力情報に対応した第2履歴情報とを個別に記憶し、
前記演算処理実行手段は、前記第1入力情報及び前記第1履歴情報に基づいて、前記第1通過検知手段について前記演算処理を実行するとともに、前記第2入力情報及び前記第2履歴情報に基づいて、前記第2通過検知手段について前記演算処理を実行するものであることを特徴とする遊技機。
手段C15の遊技機では、制御手段は、通過検知手段の検知結果の情報を繰り返し確認する。この場合に、制御手段において、遊技媒体の通過を検知している旨の情報が確認されたとしても、即座に通過有りと特定されることはなく、当該情報が複数回確認された場合に通過有りと特定される。これにより、実際には所定箇所を遊技媒体が通過していないにも関わらず、ノイズ等の影響で制御手段において通過有りと特定しまう可能性が低減される。
また、制御手段の入力手段には、第1通過検知手段の検知結果及び第2通過検知手段の検知結果の両方が入力され、それら第1通過検知手段及び第2通過検知手段について遊技媒体の通過を検知しているか否かが特定される。そして、これら第1通過検知手段の検知結果の特定及び第2通過検知手段の検知結果の特定のそれぞれについて、上記ノイズ等の影響が低減される。
この場合に、制御手段は、入力手段に入力された入力情報であって過去の確認タイミングにおいて確認されたものを履歴情報として記憶する。そして、履歴情報に基づいて基準回数分の検知結果の情報を把握し演算処理を実行する。この演算処理では、上記把握した各検知結果の情報のうち、最初の回又は最後の回のいずれか一方が遊技媒体を検知していない検知結果に対応した情報であり、その他が遊技媒体を検知している検知結果に対応した情報である場合に、通過検知手段にて遊技媒体の通過を検知しているとする演算結果となる。そして、第1通過検知手段の検知結果及び第2通過検知手段の検知結果のそれぞれに対して上記演算処理が実行され、第1所定箇所及び第2所定箇所のそれぞれについて遊技媒体の通過の有無が正確に特定される。このように同様の演算処理を実行するようにしたことで、制御手段の制御処理内容として予め記憶させておく記憶容量の削減が図られる。また、本構成によれば、タイマカウンタ等の期間計測手段を各通過検知手段に対して個別に設ける必要がないため、個別に期間計測手段を設ける構成に比べ、制御手段のハード構成及びソフト構成の両面において好ましいものとなる。
ちなみに、上記のとおり演算処理は、基準回数分の検知結果の情報のうち、最初の回又は最後の回のいずれか一方が遊技媒体を検知していない検知結果に対応した情報でないと、遊技媒体の通過有りとする演算結果とならないようになっている。これにより、特定箇所を一の遊技媒体が通過する場合に、その所定箇所を遊技媒体が通過したとする特定が重複して起こらないようにすることができる。
(86)手段D1.払出を行う遊技媒体数の情報を賞払出数情報として記憶する払出側記憶手段(払出側RAM333)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出状態設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記賞払出数情報は、複数ビットからなり且つそれら各ビットに設定されたデータ0及びデータ1の組合せからなる情報であるとともに、所定の遊技媒体数の範囲内において各ビットのデータ1の設定パターンと遊技媒体数とが対応したものであり、
さらに、予め定められたタイミングにて修正用処理を実行し、当該修正用処理において、前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数以下である場合には、各ビットに設定されているデータを維持させるとともに、前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が前記修正基準数を超えている場合には、前記修正基準数以下の場合にデータ1が設定されないビットに設定されているデータ1をデータ0に修正する賞払出数修正手段(払出側CPU331における加算時マスク処理を実行する機能、払出側CPU331における払出設定時マスク処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段D1の遊技機では、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出が行われるように払出手段が駆動制御される。この場合に、予め定められたタイミングにおいて賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数を超えている場合には、修正基準数以下となるように賞払出数情報が修正される。これにより、ノイズ等の影響で賞払出数情報が書き換えられ修正基準数を超えたとしても、それにより遊技ホールが不利益を被ってしまうことはない。
一方、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数以下である場合には、賞払出数情報における各ビットに設定されているデータが維持される。さらには、修正基準数を超えている場合、その賞払出数情報が無効化されるのではなく、修正基準数以下においてデータ1が設定されないビットに設定されているデータ1がデータ0に修正される。つまり、修正基準数を超えており所定のデータ1がデータ0に修正される場合であっても、修正基準数以下においてデータ1が設定され得るビットに設定されているデータ1はそのまま維持される。よって、上記修正により遊技者が受ける影響を極力低減させることができる。
特に、ノイズ等の影響で賞払出数情報が書き換えられる場合、修正基準数以下においてデータ1が設定され得るビットのデータは書き換えられず、修正基準数以下においてデータ1が設定されないビットにデータ1が設定されることが考えられる。この場合に、上記のように修正用処理を実行することで、賞払出数情報をノイズ等の影響で書き換えられる前の状態に戻すことが可能となる。よって、遊技ホール側及び遊技者側の両方にとって好都合なものとなる。
手段D2.手段D1において、複数ビットからなり且つ前記修正基準数に対応した情報となるように各ビットにデータ0又はデータ1が設定された修正用情報が予め記憶されており、
前記賞払出数修正手段は、前記修正用処理として、前記賞払出数情報と前記修正用情報との演算を実行するものであることを特徴とする遊技機。
手段D2によれば、賞払出数情報と修正用情報とを演算するという比較的簡素な処理により上記手段D1における優れた効果を得ることができる。
手段D3.手段D2において、前記賞払出数情報及び前記修正用情報は共に、所定の複数のビットにより一まとなりとなるバイトを一単位として構成された情報であることを特徴とする遊技機。
手段D3によれば、賞払出数情報及び修正用情報は共に、バイトを一単位として構成されている。したがって、修正用処理においてはバイト単位で演算を行うことができる。よって、ビット単位で演算が行われる構成に比べ、修正用処理の処理負荷の軽減化を図りつつ、上記手段D1における優れた効果を得ることができる。
手段D4.手段D2又はD3において、前記賞払出数情報は、下位のビットから上位のビットに向けて予め定められた順序で各ビットにデータ1が設定され、上位側のビットにデータ1が設定されているほど対応する遊技媒体数が大きい数となるように2進数で表される情報であり、
前記修正用情報は、前記賞払出数情報と同一のビット数からなる情報であるとともに、前記下位のビットを基準として前記予め定められた順序の特定順番目までのビットにデータ1が設定され、その他のビットにデータ0が設定された情報であり、
前記賞払出数修正手段は、前記賞払出数情報と前記修正用情報との相互に対応する各ビットの論理積を演算するものであることを特徴とする遊技機。
手段D4によれば、修正用情報は、賞払出数情報と同一のビット数からなる情報であるとともに、下位のビットを基準として特定順番目までのビットにデータ1が設定され、その他のビットにデータ0が設定された情報である。そして、修正用処理においては、賞払出数情報と修正用情報との相互に対応する各ビットの論理積が演算される。
本構成では、賞払出数情報において下位のビットを基準として特定順番目までのビットに設定されているデータは、それがデータ0及びデータ1のいずれであっても、修正用情報との論理積の演算後において維持される。よって、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数以下である場合には、修正用処理の前段階で各ビットに設定されているデータは維持される。
また、賞払出数情報において特定順番目よりも上位側のビットにデータ1が設定されている場合には、修正用情報との論理積の演算後においてその上位側のビットに設定されたデータ1はデータ0に修正される。よって、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数を超えている場合には、修正用処理において修正基準数以下となるように修正される。
また、上記のように修正基準数以下となるように修正される場合であっても、下位のビットを基準として特定順番目までのビットに設定されているデータは、それがデータ0及びデータ1のいずれであっても、修正用情報との論理積の演算後において維持される。よって、上記修正により遊技者が受ける影響を極力低減させることができる。
さらには、本構成によれば、上記比較的簡素な情報形態の修正用情報を用いて、さらには当該修正用情報と賞払出数情報との論理積の演算という比較的簡素な演算処理により、上記優れた効果を得ることができる。
手段D5.手段D4において、前記払出側記憶手段は、所定の複数のビットにより一まとまりとなるバイトを一単位として構成され、前記賞払出数情報が記憶される賞払出数記憶手段(賞球数記憶エリア374)を有しており、
前記予め定められたタイミングにて当該賞払出数記憶手段に記憶され得る賞払出数情報の遊技媒体数として特定数が定められているとともに、当該特定数が前記賞払出数記憶手段に記憶されたとしても、当該賞払出数記憶手段の全てのビットにデータ1が設定されない構成であり、
前記特定数は、前記特定順番目のビットにデータ1が設定されているとともに、当該ビットよりも下位側にはデータ0が設定されたビットを有し、さらには特定順番目のビットよりも上位側のビットにデータ0が設定された情報に対応した数であることを特徴とする遊技機。
手段D5によれば、予め定められたタイミングにて賞払出数記憶手段に記憶され得る特定数は、特定順番目のビットにデータ1が設定されているとともに、当該ビットよりも下位側にはデータ0が設定されたビットを有しており、さらには特定順番目のビットよりも上位側のビットにデータ0が設定された情報に対応した数である。これに対して、修正用情報は、下位のビットを基準として特定順番目までのビットにデータ1が設定され、その他のビットにデータ0が設定された情報である。つまり、修正基準数は、特定数よりも大きい数であり、賞払出数記憶手段に記憶可能な最大数よりも小さい数である。
本構成では、修正基準数及び特定数のそれぞれにおいてデータ1が設定される最上位のビットは同一の特定順番目のビットであるため、ノイズ等の影響で賞払出数情報が書き換えられてしまい特定数を超えたとしても、修正用処理を実行することで特定数に極力近付けることが可能となる。
その一方、予め定められたタイミングにおける修正用処理にて用いる修正用情報は、上記単一の情報で足りる。つまり、予め定められたタイミングにおける修正用処理のために修正用情報が複数種設定されているとともに修正用処理においてそれら修正用情報が全て用いられる構成に比べ、修正用処理に関して必要な記憶容量の縮小化及び処理負荷の低減化を図りながら、上記効果を得ることができる。
手段D6.手段D2又はD3において、前記賞払出数情報は、下位のビットから上位のビットに向けて予め定められた順序で各ビットにデータ1が設定され、上位側のビットにデータ1が設定されているほど対応する遊技媒体数が大きい数となるように2進数で表される情報であり、
前記修正基準数は、前記下位のビットを基準として前記予め定められた順序における特定順番目のビットにデータ1が設定されているとともに、当該ビットよりも下位側にはデータ0が設定されたビットを有し、さらには特定順番目のビットよりも上位側のビットにデータ0が設定された情報に対応した数であり、
前記修正用情報として、
前記賞払出数情報と同一のビット数からなる情報であるとともに、前記特定順番目及びそれよりも上位側のビットにデータ0が設定され、その他のビットにデータ1が設定された情報であるメイン修正用情報と、
前記賞払出数情報と同一のビット数からなる情報であるとともに、前記メイン修正用情報に対応した遊技媒体数よりも大きく前記修正基準数以下の範囲内にある遊技媒体数の賞払出数情報と1対1で対応させて設定された情報である一又は複数のサブ修正用情報と、を備えており、
前記賞払出数修正手段は、
前記賞払出数情報と前記メイン修正用情報との相互に対応する各ビットの論理積を演算する第1演算手段(払出側CPU331におけるステップS2901の処理を実行する機能、払出側CPU331におけるステップS3001の処理を実行する機能)と、
前記賞払出数情報と前記サブ修正用情報との相互に対応する各ビットの論理積を演算する第2演算手段(払出側CPU331におけるステップS2902〜ステップS2903の各処理を実行する機能、払出側CPU331におけるステップS3002〜ステップS3004の各処理を実行する機能)と、
前記第1演算手段の演算結果及び前記第2演算手段の演算結果のうち、最大となる遊技媒体数に対応した情報を前記払出側記憶手段に更新する更新手段(払出側CPU331におけるステップS2905の処理を実行する機能、払出側CPU331におけるステップS3006の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段D6によれば、修正用情報として、メイン修正用情報とサブ修正用情報とを備えている。このうちメイン修正用情報は、賞払出数情報と同一のビット数からなる情報であるとともに、修正用基準数にてデータ1が設定される最上位側のビットである特定順番目及びそれよりも上位側のビットにデータ0が設定され、その他のビットにデータ1が設定された情報である。また、サブ修正用情報は、賞払出数情報と同一のビット数からなる情報であるとともに、メイン修正用情報に対応した遊技媒体数よりも大きく修正基準数以下の範囲内にある遊技媒体数の賞払出数情報と1対1で対応させて設定された一又は複数の情報である。そして、修正用処理においては、賞払出数情報とメイン修正用情報との相互に対応する各ビットの論理積が演算されるとともに、賞払出数情報とサブ修正用情報との相互に対応する各ビットの論理積が演算され、これら論理積の演算結果のうち、最大となる遊技媒体数に対応した情報が新たな賞払出数情報として更新される。
本構成では、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数以下である場合には、当該賞払出数情報の各ビットに設定されているデータは、いずれかの修正用情報との論理積の演算後において維持されるとともに、その維持されたものが論理積の演算結果のうち最大となる遊技媒体数に対応した情報となる。よって、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数以下である場合には、修正用処理において各ビットに設定されているデータは維持される。
また、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数を超える場合には、当該賞払出数情報が修正基準数を超える要因となっているデータ1は、いずれの修正用情報との論理積の演算後においてもデータ0に修正される。よって、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数を超えている場合には、修正用処理において修正基準数以下となるように修正される。
また、上記のように修正基準数以下となるように修正される場合であっても、修正基準数以下となる場合にデータ1が設定され得るビットに設定されているデータは、いずれかの修正用情報との論理積の演算後において維持されるとともに、その維持されたものが論理積の演算結果のうち最大となる遊技媒体数に対応した情報となる。よって、上記修正により遊技者が受ける影響を極力低減させることができる。
さらには、本構成によれば、上記比較的簡素な情報形態の各修正用情報を用いて、さらには当該修正用情報と賞払出数情報との論理積の演算及び演算結果の大小の比較という比較的簡素な演算処理により、上記優れた効果を得ることができる。また、下位のビットに対して予め定められた順序における特定順番目のビットにデータ1が設定され、且つ当該ビットよりも下位側のビットにデータ0及びデータ1の両方が設定された情報に対応した数であるといったように、修正基準数の情報形態が複雑なものであっても、上記優れた効果を得ることができる。
ちなみに、修正基準数が4以上で構成に対して本手段を適用する場合、修正用処理に関して必要な記憶容量の縮小化及び処理負荷の低減化を図りながら、上記効果を得ることができる。つまり、メイン修正用情報を有していることにより、修正用情報の数を修正基準数分よりも少ない数とすることができるからである。
手段D7.手段D1乃至D6のいずれか1において、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて当該払出遊技内容に応じた情報又はそれに対応した情報を記憶する賞情報記憶手段(主側RAM313の賞球用カウンタエリア361)と、
当該賞情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて特定された情報が前記払出側記憶手段の情報に反映されるように更新処理を実行する更新手段(払出側CPU331におけるステップS1809の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記賞払出数修正手段は、前記更新手段による前記更新処理が実行される場合に、当該更新処理よりも前のタイミングで前記修正用処理を実行する記憶前修正手段(払出側CPU331における加算時マスク処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段D7の遊技機では、払出記憶手段と賞情報記憶手段とが個別に設けられているため、払出遊技内容に応じた情報が単一の記憶手段に記憶されるのではなく、複数の記憶手段に分散されることとなる。
当該構成において、更新処理が実行される場合には、当該更新処理よりも前のタイミングで修正用処理が実行される。これにより、更新処理の後のタイミングで修正用処理を実行する構成に比べ修正対象の遊技媒体数を少なくすることができる。
また、修正基準数以下の場合にデータ1が設定されないビットに、更新処理の前の段階においてノイズ等の影響によりデータ1が設定された場合には、そのデータ1を直接データ0に修正することができる。つまり、更新処理の後のタイミングにおいて修正用処理を実行する場合、更新処理により賞払出数情報の各ビットのデータ構成が更新された後に修正用処理が実行されるため、上記ノイズ等の影響により設定されたデータ1を直接修正することができない。そうすると、修正用処理を実行したとしても、上記のようにデータが書き換えられてしまった影響を十分に低減することができないおそれがある。これに対して、本手段の構成によれば、上記のとおり書き換えられてしまったデータを直接修正することができるため、データが書き換えられてしまった影響を低減することができる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技媒体が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技媒体の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。これは、以下も同様である。
手段D8.手段D7において、前記払出手段による遊技媒体の払出が行われ、前記払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が、1以上の数であって前記払出側記憶手段に記憶可能な最大遊技媒体数よりも少ない数である更新基準数となったことを特定する更新用特定手段(払出側CPU331におけるステップS2301の処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段は、前記更新用特定手段により前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が前記更新基準数となったことが特定された後に、前記更新処理を実行するものであり、
前記記憶前修正手段による前記修正用処理における前記修正基準数は、前記更新基準数以上の数であり、さらには当該更新基準数においてデータ1が設定された最上位のビットと対応したビットにデータ1が設定されており且つ当該ビットよりも上位側の全ビットにデータ0が設定された情報に対応した数であることを特徴とする遊技機。
手段D8の遊技機では、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が更新基準数に達したことに基づいて更新処理が実行されるため、賞情報記憶手段において払出遊技内容に応じた情報が記憶されている場合には遊技媒体の払出を連続的なものとすることが可能となる。
当該構成において、更新処理の前の段階において修正用処理が実行される。また、修正用処理における修正基準数が上記更新基準数以上の数であり、当該更新基準数においてデータ1が設定された最上位のビットと対応したビットにデータ1が設定されており且つ当該ビットよりも上位側の全ビットにデータ0が設定された情報に対応した数となっている。これにより、更新処理の前の段階においてノイズ等の影響により、更新基準数以下の場合にデータ1が設定されないビットにデータ1が設定された場合には、そのデータ1を直接データ0に修正することができる。
また、本構成によれば、更新処理の後の段階において修正用処理を実行するとともに、修正基準数を本手段における構成よりも大きい数とした構成に比べ、修正対象のビット数が多くなり、修正用処理を実行するようにした効果が高められる。
手段D9.手段D8において、前記記憶前修正手段による前記修正用処理における前記修正基準数は、前記更新基準数であることを特徴とする遊技機。
手段D9によれば、更新処理の前の段階においてノイズ等の影響により賞払出数情報が書き換えられ、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が更新基準数を超えたとしても、更新処理の前のタイミングにおいて修正用処理が実行され、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が更新基準数以下となるように修正される。これにより、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
手段D10.手段D1乃至D6のいずれか1において、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記払出側記憶手段、前記払出駆動制御手段及び前記賞払出数修正手段を有し、さらに前記払出指令情報を入力し、その入力した払出指令情報に対応した情報を前記賞払出数情報として前記払出側記憶手段に記憶させるとともに、前記払出駆動制御手段による前記払出手段の駆動制御により前記払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行わせる払出制御手段(払出制御基板322)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報を記憶する主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、前記払出指令情報を入力した場合に、その払出指令情報に対応した遊技媒体数が反映されるように前記払出側記憶手段の情報を更新する入力時更新処理を実行する入力時更新手段(払出側CPU331におけるステップS1809の処理を実行する機能)を備えており、
前記賞払出数修正手段は、前記入力時更新手段による前記入力時更新処理が実行される場合に、当該入力時更新処理よりも前のタイミングで前記修正用処理を実行する記憶前修正手段(払出側CPU331における加算時マスク処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段D10の遊技機では、主制御手段と払出制御手段とを備え、主制御手段の制御処理負荷が払出制御手段により低減された構成において、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力されることにより、遊技媒体の払出が円滑に行われる。
当該構成において、入力時更新処理が実行される場合には、当該入力時更新処理よりも前のタイミングで修正用処理が実行される。これにより、入力時更新処理の後のタイミングで修正用処理を実行する構成に比べ修正対象の遊技媒体数を少なくすることができる。
また、修正基準数以下の場合にデータ1が設定されないビットに、入力時更新処理の前の段階においてノイズ等の影響によりデータ1が設定された場合には、そのデータ1を直接データ0に修正することができる。つまり、入力時更新処理の後のタイミングにおいて修正用処理を実行する場合、入力時更新処理により賞払出数情報の各ビットのデータ構成が更新された後に修正用処理が実行されるため、上記ノイズ等の影響により設定されたデータ1を直接修正することができない。そうすると、修正用処理を実行したとしても、上記のようにデータが書き換えられてしまった影響を十分に低減することができないおそれがある。これに対して、本手段の構成によれば、上記のとおり書き換えられてしまったデータを直接修正することができるため、データが書き換えられてしまった影響を低減することができる。
手段D11.手段D10において、外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)を備えており、
前記主側記憶手段は、自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける構成であり、
前記払出側記憶手段は、自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない構成であり、
前記払出制御手段は、
前記払出手段による遊技媒体の払出が行われた場合に、その払出が行われた遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に反映されるように当該賞払出数情報を更新する払出時更新手段(払出側CPU331におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に応じて、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記主制御手段において特定可能なように当該主制御手段に許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定用情報に基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力し得るものであることを特徴とする遊技機。
手段D11によれば、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。
これに対して、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する賞情報は主側記憶手段に記憶されるとともに、実際に払出を実行する上で参照される賞払出数情報は払出側記憶手段に記憶される。また、払出制御手段は主制御手段に許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて主制御手段にて払出制御手段が出力許可状態であるか否かが特定される。この許可特定用情報は、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に応じて出力される。そして、払出制御手段が出力許可状態であると主制御手段において特定された場合に、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。当該構成であることにより、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
ちなみに、払出側記憶手段に賞払出数情報を記憶させずに主側記憶手段に記憶した賞情報に対応した遊技媒体数を払出手段により遊技媒体の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主制御手段の処理負荷が必要以上に高められてしまい、主制御手段とは別に払出制御手段を設けることで主制御手段の処理負荷を低減した効果が消失してしまう。これに対して、本手段D11の構成によれば、主制御手段とは別に払出制御手段を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
手段D12.手段D11において、前記許可特定用情報出力手段は、前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態が設定されている状況において、前記払出手段による遊技媒体の払出が行われ前記払出時更新手段により更新されて前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合に、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記特定用情報の出力状態を設定する出力状態設定手段(払出側CPU331におけるステップS2306及びステップS2307の処理を実行する機能)を備えており、
前記記憶前修正手段による前記修正用処理における前記修正基準数は、前記許可基準数以上の数であり、さらには当該許可基準数においてデータ1が設定された最上位のビットと対応したビットにデータ1が設定されており且つ当該ビットよりも上位側の全ビットにデータ0が設定された情報に対応した数であることを特徴とする遊技機。
手段D12によれば、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達することで出力許可状態となる。これにより、払出側記憶手段への賞払出数情報の補充が円滑に行われ、それに伴って遊技媒体の払出が円滑に行われる。
また、本構成によれば、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数を超えている状況においては出力不許可状態となり、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力されない。これにより、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。
当該構成において、入力時更新処理の前の段階において修正用処理が実行される。また、修正用処理における修正基準数が許可基準数以上の数であり、当該許可基準数においてデータ1が設定された最上位のビットと対応したビットにデータ1が設定されており且つ当該ビットよりも上位側の全ビットにデータ0が設定された情報に対応した数となっている。これにより、入力時更新処理の前の段階においてノイズ等の影響により、許可基準数以下の場合にデータ1が設定されないビットにデータ1が設定された場合には、そのデータ1を直接データ0に修正することができる。
また、本構成によれば、入力時更新処理の後の段階において修正用処理を実行するとともに修正基準数を本手段における構成よりも大きい数とした構成に比べ、修正対象のビット数が多くなり、修正用処理を実行するようにした効果が高められる。
手段D13.手段D11において、前記許可特定用情報出力手段は、前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態が設定されている状況において、前記払出手段による遊技媒体の払出が行われ前記払出時更新手段により更新されて前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合に、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記特定用情報の出力状態を設定する出力状態設定手段(払出側CPU331におけるステップS2306及びステップS2307の処理を実行する機能)を備えており、
前記記憶前修正手段による前記修正用処理における前記修正基準数は、前記許可基準数であることを特徴とする遊技機。
手段D13によれば、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達することで出力許可状態となる。これにより、払出側記憶手段への賞払出数情報の補充が円滑に行われ、それに伴って遊技媒体の払出が円滑に行われる。
また、本構成によれば、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数を超えている状況においては出力不許可状態となり、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力されない。これにより、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。
当該構成において、入力時更新処理の前の段階において修正用処理が実行されるとともに、修正用処理における修正基準数が上記許可基準数となっている。これにより、入力時更新処理の前の段階においてノイズ等の影響により、許可基準数以下の場合にデータ1が設定されないビットにデータ1が設定された場合には、そのデータ1を直接データ0に修正することができる。
また、本構成によれば、入力時更新処理の後の段階において修正用処理を実行するとともに修正基準数を許可基準数よりも大きい数とした構成に比べ、修正対象のビット数が多くなり、修正用処理を実行するようにした効果が高められる。
手段D14.手段D12又はD13において、前記主側記憶手段に前記賞情報が記憶されている状況において前記払出側記憶手段の前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が前記許可基準数に達した場合、一の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報が前記払出時更新手段により更新される前までに、前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段D14によれば、払出手段により遊技媒体の払出が実行されている状況において、遊技内容が新たに払出遊技内容となった場合又は既に主側記憶手段に賞情報が記憶されている場合には、現状行われている払出に関して払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前のタイミングで、主制御手段から払出指令情報が出力され払出記憶手段の賞払出数情報に新たな遊技媒体数の情報が加算される。よって、遊技媒体の払出を連続的なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
特に、一の遊技媒体が払い出されて賞払出数情報が更新される前までに、払出指令情報が新たに出力されるとともに賞払出数情報が更新されるようにすることで、当該賞払出数情報への新たな遊技媒体数の情報の加算を早い段階で行うことができ、連続的な遊技媒体の払出が円滑に行われることとなる。
また、上記手段D13の構成を備え、入力時更新処理が実行される場合には当該入力時更新処理の前の段階において修正用処理が実行されるとともに、修正用処理における修正基準数が許可基準数となっている。よって、入力時更新処理を実行するタイミングにおいては賞払出数情報に対応した遊技媒体数は許可基準数以下であり、賞払出数情報の更新を良好に行うことができる。
なお、「前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されている」としては、前記出力状態変更手段にて前記特定用情報の出力状態を変更する上で要する処理時間、前記払出指令情報出力手段にて前記出力許可状態であることを特定し前記払出指令情報を出力する上で要する処理時間、及び当該払出指令情報が出力されてから前記入力時更新手段にて前記賞払出数情報が更新されるまでに要する処理時間の各処理時間を合わせた時間が、一の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報が更新されるまでに要する時間よりも短くなるように設定されている構成が考えられる。
手段D15.手段D1乃至D14のいずれか1において、前記払出側記憶手段は、所定の複数のビットにより一まとまりとなるバイトを一単位として構成され、前記賞払出数情報が記憶される賞払出数記憶手段(賞球数記憶エリア374)を有しており、
当該賞払出数記憶手段に記憶され得る賞払出数情報の遊技媒体数として上限数が定められているとともに、当該上限数が前記賞払出数記憶手段に記憶されたとしても、当該賞払出数記憶手段の全てのビットにデータ1が設定されない構成であり、
前記賞払出数修正手段は、前記駆動制御手段により前記払出手段が駆動制御されている場合において前記予め定められたタイミングにて前記修正用処理を実行する払出中修正手段(払出側CPU331における払出設定時マスク処理を実行する機能)を備え、
当該払出中修正手段による前記修正用処理における前記修正基準数は、前記上限数以上の数であり、さらには当該上限数においてデータ1が設定された最上位のビットと対応したビットにデータ1が設定されており且つ当該ビットよりも上位側の全ビットにデータ0が設定された情報に対応した数であることを特徴とする遊技機。
手段D15の遊技機では、所定の複数のビットにより一まとまりとなるバイトを一単位として構成された賞払出数記憶手段に賞払出数情報が記憶される。これにより、賞払出数情報の取り扱いがバイト単位で行われる。また、賞払出数記憶手段に記憶され得る賞払出数情報の遊技媒体数として上限数が定められている。
この場合に、払出手段による遊技媒体の払出が行われている状況において、ノイズ等の影響により賞払出数記憶手段が書き換えられ、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が上限数を超えてしまうことが想定される。これに対して、払出手段が駆動制御されている場合には予め定められたタイミングで修正用処理が実行され、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数以下となるように修正される。これにより、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
手段D16.手段D15において、前記払出中修正手段による前記修正用処理における前記修正基準数は、前記上限数であることを特徴とする遊技機。
手段D16によれば、払出手段による遊技媒体の払出が行われている状況において、ノイズ等の影響により賞払出数記憶手段が書き換えられ、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が上限数を超えたとしても、払出手段が駆動制御されている場合には予め定められたタイミングで修正用処理が実行され、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が上限数以下となるように修正される。これにより、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
手段D17.手段D15又はD16において、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記払出側記憶手段、前記払出駆動制御手段及び前記賞払出数修正手段を有し、さらに前記払出指令情報を入力し、その入力した払出指令情報に対応した情報を前記賞払出数情報として前記払出側記憶手段に記憶させるとともに、前記払出駆動制御手段による前記払出手段の駆動制御により前記払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行わせる払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記払出指令情報は、対応する遊技媒体数がそれぞれ異なるように複数種類設定されており、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出側記憶手段は、自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない構成であり、
前記払出制御手段は、
前記払出指令情報を入力した場合に、その払出指令情報に対応した遊技媒体数が反映されるように前記払出側記憶手段の情報を更新する入力時更新処理を実行する入力時更新手段(払出側CPU331におけるステップS1809の処理を実行する機能)と、
前記払出手段による遊技媒体の払出が行われた場合に、その払出が行われた遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に反映されるように当該賞払出数情報を更新する払出時更新手段(払出側CPU331におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に応じて、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記主制御手段において特定可能なように当該主制御手段に許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定用情報に基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力し得るものであり、
前記許可特定用情報出力手段は、
前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記特定用情報の出力状態が設定されている状況において、前記払出手段による遊技媒体の払出が行われ前記払出時更新手段により更新されて前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合に、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定する出力許可状態設定手段(払出側CPU331におけるステップS2306の処理を実行する機能)と、
前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態が設定されている状況において、前記払出指令情報を入力したことに基づいて前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定する出力不許可状態設定手段(払出側CPU331におけるステップS2307の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記上限数は、前記許可基準数と、前記払出指令情報に対応した遊技媒体数のうち最大遊技媒体数との和の数であることを特徴とする遊技機。
手段D17によれば、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。
これに対して、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する賞情報は主側記憶手段に記憶されるとともに、実際に払出を実行する上で参照される賞払出数情報は払出側記憶手段に記憶される。また、払出制御手段は主制御手段に許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて主制御手段にて払出制御手段が出力許可状態であるか否かが特定される。この許可特定用情報は、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に応じて出力される。そして、払出制御手段が出力許可状態であると主制御手段において特定された場合に、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。当該構成であることにより、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
ちなみに、払出側記憶手段に賞払出数情報を記憶させずに主側記憶手段に記憶した賞情報に対応した遊技媒体数を払出手段により遊技媒体の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主制御手段の処理負荷が必要以上に高められてしまい、主制御手段とは別に払出制御手段を設けることで主制御手段の処理負荷を低減した効果が消失してしまう。これに対して、本手段D17の構成によれば、主制御手段とは別に払出制御手段を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達することで出力許可状態となる。これにより、払出側記憶手段への賞払出数情報の補充が円滑に行われ、それに伴って遊技媒体の払出が円滑に行われる。
また、本構成によれば、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数を超えている状況においては出力不許可状態となり、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力されない。これにより、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
また、上記構成では、賞払出数記憶手段に記憶される賞払出数情報に対応した上限数は、許可基準数と、払出指令情報に対応した遊技媒体数のうち最大遊技媒体数との和の数となる。この場合に、払出手段による遊技媒体の払出が行われている状況において、ノイズ等の影響により賞払出数記憶手段が書き換えられ、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数を超えたとしても、払出手段が駆動制御されている場合には予め定められたタイミングで修正用処理が実行され、賞払出数情報に対応した遊技媒体数が修正基準数以下となるように修正される。これにより、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
(87)手段E1.遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記払出指令情報を入力し、当該払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、
前記主制御手段から入力した払出指令情報に対応した払出数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞払出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞球数特定処理を実行する機能)と、
当該賞払出数情報特定手段に特定された払出数の情報又はそれに対応した情報として賞払出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない払出側記憶手段(払出側RAM333)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出状態設定処理を実行する機能)と、
前記払出手段による遊技媒体の払出が行われた場合に、その払出が行われた遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に反映されるように当該賞払出数情報を更新する払出時更新手段(払出側CPU331におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に応じて、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記主制御手段において特定可能なように当該主制御手段に許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定用情報に基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力し得るものであることを特徴とする遊技機。
手段E1の遊技機では、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は、入力した払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。これにより、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する遊技媒体の払出が実行される。
当該構成において、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。
これに対して、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する賞情報は主側記憶手段に記憶されるとともに、実際に払出を実行する上で参照される賞払出数情報は払出側記憶手段に記憶される。また、払出制御手段は主制御手段に許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて主制御手段にて払出制御手段が出力許可状態であるか否かが特定される。この許可特定用情報は、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に応じて出力される。そして、払出制御手段が出力許可状態であると主制御手段において特定された場合に、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。当該構成であることにより、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
ちなみに、払出側記憶手段に賞払出数情報を記憶させずに主側記憶手段に記憶した賞情報に対応した遊技媒体数を払出手段により遊技媒体の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主制御手段の処理負荷が必要以上に高められてしまい、主制御手段とは別に払出制御手段を設けることで主制御手段の処理負荷を低減した効果が消失してしまう。これに対して、本手段E1の構成によれば、主制御手段とは別に払出制御手段を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技媒体が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技媒体の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
また、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
また、「払出側記憶手段」は、払出制御手段が有する情報記憶機能のうちの全部又は一部であってもよく、一部とした場合、賞払出数情報のみを記憶する機能を有する構成であってもよい。また、この場合、払出制御手段がセキュリティに関する情報を記憶する機能を有していて、当該機能を有する手段に対しては電断時電力が供給される構成としてもよい。これは、以下も同様である。
手段E2.手段E1において、前記許可特定用情報出力手段は、前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態が設定されている状況において、前記払出手段による遊技媒体の払出が行われ前記払出時更新手段により更新されて前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合に、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定する出力状態設定手段(払出側CPU331におけるステップS2306及びステップS2307の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段E2によれば、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達することで出力許可状態となる。これにより、払出側記憶手段への賞払出数情報の補充が円滑に行われ、それに伴って遊技媒体の払出が円滑に行われる。
また、本構成によれば、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数を超えている状況においては出力不許可状態となり、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力されない。これにより、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。
手段E3.手段E2において、前記許可基準数は、一以上の遊技媒体数であることを特徴とする遊技機。
手段E3によれば、許可基準数が一以上の遊技媒体数として設定されていることにより、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前のタイミングで出力許可状態とすることができる。これにより、例えば、払出手段により遊技媒体の払出が実行されている状況において、遊技内容が新たに払出遊技内容となった場合には、現状行われている払出に関して払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前のタイミングで、主制御手段から払出指令情報を出力し払出記憶手段の賞払出数情報に新たな遊技媒体数の情報を加算することが可能となる。よって、遊技媒体の払出を連続的なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
手段E4.手段E3において、前記許可基準数は、一の前記払出遊技内容に対して払い出される遊技媒体の数以下であることを特徴とする遊技機。
手段E4によれば、上記手段E3にて説明したような効果を得ることができるようにした構成において、払出記憶手段に賞払出数情報として記憶される遊技媒体数を極力少なくすることが可能となる。よって、遊技機の電源が遮断された場合に消去されてしまう払出対象の遊技媒体数を極力少なくすることができる。
手段E5.手段E2乃至E4のいずれか1において、前記払出制御手段は、前記払出指令情報を入力した場合に、その払出指令情報に対応した遊技媒体数が反映されるように前記払出側記憶手段の情報を更新する入力時更新手段(払出側CPU331におけるステップS1809の処理を実行する機能)を備えており、
前記主側記憶手段に前記賞情報が記憶されている状況において前記払出側記憶手段の前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合、その許可基準数の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前までに、前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段E5によれば、払出手段により遊技媒体の払出が実行されている状況において、遊技内容が新たに払出遊技内容となった場合又は既に主側記憶手段に賞情報が記憶されている場合には、現状行われている払出に関して払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前のタイミングで、主制御手段から払出指令情報が出力され払出記憶手段の賞払出数情報に新たな遊技媒体数の情報が反映される。よって、遊技媒体の払出を連続的なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
なお、「前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されている」としては、前記出力状態設定手段にて前記許可特定用情報の出力状態を設定する上で要する処理時間、前記払出指令情報出力手段にて前記出力許可状態であることを特定し前記払出指令情報を出力する上で要する処理時間、及び当該払出指令情報が出力されてから前記入力時更新手段にて前記賞払出数情報が更新されるまでに要する処理時間の各処理時間を合わせた時間が、許可基準数の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなるまでに要する時間よりも短くなるように設定されている構成が考えられる。
手段E6.手段E2乃至E4のいずれか1において、前記払出制御手段は、前記払出指令情報を入力した場合に、その払出指令情報に対応した遊技媒体数が反映されるように前記払出側記憶手段の情報を更新する入力時更新手段(払出側CPU331におけるステップS1809の処理を実行する機能)を備えており、
前記主側記憶手段に前記賞情報が記憶されている状況において前記払出側記憶手段の前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合、一の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報が前記払出時更新手段により更新される前までに、前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段E6によれば、払出手段により遊技媒体の払出が実行されている状況において、遊技内容が新たに払出遊技内容となった場合又は既に主側記憶手段に賞情報が記憶されている場合には、現状行われている払出に関して払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前のタイミングで、主制御手段から払出指令情報が出力され払出記憶手段の賞払出数情報に新たな遊技媒体数の情報が反映される。よって、遊技媒体の払出を連続的なものとしつつ、上記優れた効果を得ることができる。
特に、一の遊技媒体が払い出されて賞払出数情報が更新される前までに、払出指令情報が新たに出力されるとともに賞払出数情報が更新されるようにすることで、当該賞払出数情報への新たな遊技媒体数の情報の反映を早い段階で行うことができ、連続的な遊技媒体の払出が円滑に行われることとなる。
なお、「前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されている」としては、前記出力状態設定手段にて前記許可特定用情報の出力状態を設定する上で要する処理時間、前記払出指令情報出力手段にて前記出力許可状態であることを特定し前記払出指令情報を出力する上で要する処理時間、及び当該払出指令情報が出力されてから前記入力時更新手段にて前記賞払出数情報が更新されるまでに要する処理時間の各処理時間を合わせた時間が、一の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報が更新されるまでに要する時間よりも短くなるように設定されている構成が考えられる。
手段E7.手段E5又はE6において、前記払出駆動制御手段は、
前記払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が一以上となった場合に前記払出手段の駆動制御を開始する駆動制御開始手段(払出側CPU331におけるステップS2205の処理を実行する機能)と、
前記払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなった場合に前記払出手段の駆動制御を停止する駆動制御停止手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段E7の遊技機では、払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなった場合に払出手段の駆動制御が停止されるため、省エネ化が図られる。この場合に、払出手段の駆動制御の開始に際しては払出手段の駆動状態を維持する場合に比べ大きな駆動力を要する。したがって、払出手段の駆動制御の開始及び停止が繰り返し行われるとすると、それだけ大きな駆動力を要することとなり、好ましくない。これに対して、上記手段E5又はE6の構成を備えていることにより、遊技媒体の払出を連続的なものとすることが可能となり、払出手段の駆動制御の開始及び停止が繰り返し行われる可能性が低減される。
手段E8.手段E2乃至E7のいずれか1において、前記払出駆動制御手段は、
前記払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が一以上となった場合に、前記払出手段の駆動制御を開始する駆動制御開始手段(払出側CPU331におけるステップS2205の処理を実行する機能)と、
前記払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなった場合に、前記払出手段の駆動制御を停止する駆動制御停止手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)と、
前記払出手段による遊技媒体の払出が行われ前記払出時更新手段により更新されて前記払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が切換基準数に達した場合に、前記払出手段における遊技媒体の払出速度を、それまでの速度よりも遅い速度に変更する速度変更手段(払出側CPU331におけるステップS2204の処理を実行する機能)と、を備えており、
前記許可基準数は、前記切換基準数よりも多い数に設定されていることを特徴とする遊技機。
手段E8の遊技機では、払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなった場合に払出手段の駆動制御が停止されるため、省エネ化が図られる。
また、遊技媒体の払出が行われ払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が切換基準数に達した場合には払出手段における遊技媒体の払出速度がそれまでの速度よりも遅い速度に変更される。上記のように、払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなった場合に払出手段の駆動制御が停止される構成においては、払出遊技内容の発生が所定の間隔を置いて単発的に繰り返し発生すると、払出手段の駆動制御の開始及び停止を繰り返し行う必要が生じる。払出手段の駆動制御の開始に際しては払出手段の駆動状態を維持する場合に比べ大きな駆動力を要するため、上記のように払出手段の駆動制御の開始及び停止が繰り返し行われることは好ましくない。これに対して、遊技媒体の払出が行われ払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が切換基準数に達した場合には払出手段における遊技媒体の払出速度をそれまでの速度よりも遅い速度に変更することで、払出遊技内容の発生が所定の間隔を置いて単発的に繰り返し発生したとしても、遅い払出速度で遊技媒体の払出を実行している間に次の払出遊技内容が発生する可能性が高まり、払出手段の駆動制御の開始及び停止が繰り返し行われてしまう可能性が低減される。
また、払出指令情報の出力不許可状態から出力許可状態への設定変更契機となる許可基準数は、払出手段の払出速度の遅い速度への切換契機となる切換基準数よりも多く設定されている。これにより、払出側記憶手段の賞払出数情報に基づいて遊技媒体の払出が実行された場合に、払出手段の払出速度がそれまでよりも遅い速度に切り換えられる前のタイミングで出力許可状態とするとともに主制御手段から払出制御手段に払出指令情報を出力することが可能となる。よって、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況においては、それら賞情報に対応した払出指令情報の出力が全て実行されるまでは払出手段の払出速度が遅い速度に切り換えられてしまうことを防止することができ、遊技媒体の払出を円滑に行うことができる。
手段E9.手段E8において、前記払出制御手段は、前記払出指令情報を入力した場合に、その払出指令情報に対応した遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数に加算されるように、当該賞払出数情報を更新する入力時更新手段(払出側CPU331におけるステップS1809の処理を実行する機能)を備えており、
前記主側記憶手段に前記賞情報が記憶されている状況において前記払出側記憶手段の前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合、前記許可基準数と前記切換基準数との差の数の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報が前記払出時更新手段により更新される前までに、前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段E9によれば、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況において払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合には、払出手段の払出速度がそれまでよりも遅い速度に切り換えられる前のタイミングで、払出指令情報を出力し払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が切換基準数に達しないようにすることができる。よって、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況においては、それら賞情報に対応した払出指令情報の出力が全て実行されるまでは払出手段の払出速度が遅い速度に切り換えられてしまうことを防止することができ、遊技媒体の払出を円滑に行うことができる。
手段E10.手段E8において、前記払出制御手段は、前記払出指令情報を入力した場合に、その払出指令情報に対応した遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数に加算されるように、当該賞払出数情報を更新する入力時更新手段(払出側CPU331におけるステップS1809の処理を実行する機能)を備えており、
さらに、前記許可基準数は前記切換基準数よりも一大きい数に設定されており、
前記主側記憶手段に前記賞情報が記憶されている状況において前記払出側記憶手段の前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合、一の遊技媒体が払い出されて前記賞払出数情報が前記払出時更新手段により更新される前までに、前記払出指令情報出力手段により前記払出指令情報が新たに出力されるとともに前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段E10によれば、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況において払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合には、払出手段の払出速度がそれまでよりも遅い速度に切り換えられる前のタイミングで、払出指令情報を出力し払出側記憶手段の賞払出数情報に対応した遊技媒体数が切換基準数に達しないようにすることができる。よって、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況においては、それら賞情報に対応した払出指令情報の出力が全て実行されるまでは払出手段の払出速度が遅い速度に切り換えられてしまうことを防止することができ、遊技媒体の払出を円滑に行うことができる。
特に、許可基準数を切換基準数よりも一大きい数に設定した上で上記のような遊技媒体の払出が円滑に行われる構成としたことで、許可基準数が切換基準数よりも2以上大きい数に設定された構成に比べ、払出側記憶手段に記憶される払出対象の遊技媒体数を少なくすることができる。そして、払出側記憶手段に記憶される払出対象の遊技媒体数を少なくすることで、遊技機の電源が遮断された場合に消去されてしまう払出対象の遊技媒体数を極力少なくすることができる。
手段E11.手段E1乃至E10のいずれか1において、前記許可特定用情報出力手段は、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態が設定されている状況において、前記払出指令情報を入力したことに基づいて前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定する出力状態設定手段(払出側CPU331におけるステップS2306及びステップS2307の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段E11によれば、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況であっても、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力されることに基づいて、新たな払出指令情報の出力が一旦不可となる。これにより、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報は、その一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。
手段E12.手段E11において、前記出力状態設定手段は、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態が設定されている状況において、一の前記払出指令情報を入力したことに基づいて前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定するものであることを特徴とする遊技機。
手段E12によれば、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況であっても、主制御手段から払出制御手段に一の払出指令情報が出力されることに基づいて、新たな払出指令情報の出力が一旦不可となる。これにより、例えば、多数の払出遊技内容が連続して発生している状況において、払出側記憶手段に記憶される未払出の情報を極力少なくすることが可能となる。よって、遊技機の電源が遮断された場合に消去されてしまう払出対象の遊技媒体数を極力少なくすることができる。
手段E13.手段E11又はE12において、前記払出制御手段は、前記払出指令情報を入力した場合に、その払出指令情報に対応した払出数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に対応した遊技媒体数に加算されるように、当該賞払出数情報を更新する入力時更新手段(払出側CPU331におけるステップS1809の処理を実行する機能)を備えており、
前記出力状態設定手段は、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態が設定されている状況において、当該主制御手段から前記払出指令情報が出力され前記入力時更新手段により前記賞払出数情報が更新されることで当該賞払出数情報に対応した遊技媒体数が不許可基準数に達した場合に、前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定するものであることを特徴とする遊技機。
手段E13によれば、主側記憶手段に賞情報が記憶されている状況であっても、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力され、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に対応した遊技媒体数が不許可基準数に達したことに基づいて、新たな払出指令情報の出力が一旦不可となる。これにより、例えば、多数の払出遊技内容が連続して発生している状況において、払出側記憶手段に記憶される未払出の情報を極力少なくすることが可能となる。よって、遊技機の電源が遮断された場合に消去されてしまう払出対象の遊技媒体数を極力少なくすることができる。
手段E14.手段E2乃至E13のいずれか1において、前記払出駆動制御手段は、
前記払出手段による遊技媒体の払出を阻害する阻害状況であることを特定する阻害状況特定手段(払出側CPU331におけるステップS2201の処理を実行する機能)と、
当該阻害状況特定手段により前記阻害状況であることが特定された場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記出力状態設定手段は、前記阻害状況である場合、前記出力不許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定するものであることを特徴とする遊技機。
手段E14によれば、遊技媒体の払出を阻害する阻害状況に応じて払出手段による遊技媒体の払出が制限されることがある。この場合に、阻害状況では、払出指令情報が主制御手段から払出制御手段に出力されないように出力不許可状態に設定するようにした。これにより、阻害状況において新たな払出指令情報が出力されないようにすることができる。阻害状況において払出指令情報が出力されると、その阻害状況が解消されず払出手段による遊技媒体の払出が制限されたまま遊技機の電源が遮断された場合には、その新たに出力された払出指令情報に対応した賞払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
なお、手段E7又はE8を備えた構成においては、「駆動制御制限手段」と「駆動制御停止手段」とが同一のものであってもよい。この場合、当該阻害状況特定手段により前記阻害状況であることが特定された場合に前記払出手段の駆動制御を停止する構成とする。
また、「阻害状況」としては、前記払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部をさらに備えた構成においては、当該外側貯留部が満タン状態となることを阻害状況としてもよい。また、遊技機内部にて遊技媒体を貯留する内側貯留部をさらに備え、前記払出手段は前記内側貯留部に貯留された遊技媒体を払い出す構成においては、前記内側貯留部に貯留されている遊技媒体がなくなることを阻害状況としてもよい。
手段E15.手段E1乃至E14のいずれか1において、前記払出手段が設置された遊技機本体(本体枠13及び裏パックユニット15)と、
当該遊技機本体に対して遊技機前方に開閉可能に設けられ、前記遊技内容を遊技機前方から視認可能とする表示部(窓部21)及び前記払出手段から払い出された遊技媒体を貯留する外側貯留部(下皿34)が一体化された遊技機前面体(前扉枠14)と、
をさらに備えており、
前記払出駆動制御手段は、前記遊技機前面体が開放されている場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)を備えており、
前記主制御手段は、
前記遊技機前面体が開放状態であることを特定する開放状態特定手段(主側CPU311における前扉枠開放信号監視処理を実行する機能)を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記出力許可状態特定手段により前記出力許可状態であることが特定されている場合であっても、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合には、前記払出指令情報を出力しないものであることを特徴とする遊技機。
手段E15の遊技機では、遊技機前面体に対して表示部と外側貯留部とが一体化されている。これにより、遊技機前面において表示部と外側貯留部との間に、遊技機本体側へ通じる境界が生じることはなく、当該境界を利用した不正行為を阻止することが可能となる。また、遊技機前面体が開放されている場合には、払出手段から遊技媒体が払い出されたとしてもそれが外側貯留部にて受けられないため、払出手段による遊技媒体の払出が制限される。
この場合に、遊技機前面体が開放されている場合には、払出制御手段において払出指令情報の出力許可状態が設定されていたとしても、払出指令情報は出力されない。これにより、遊技機前面体が開放されている場合に新たな払出指令情報が出力されないようにすることができる。遊技機前面体が開放されている場合に払出指令情報が出力されると、遊技機前面体が閉鎖されず払出手段による遊技媒体の払出が制限されたまま遊技機の電源が遮断された場合には、その新たに出力された払出指令情報に対応した賞払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
なお、手段E7又はE8を備えた構成においては、「駆動制御制限手段」と「駆動制御停止手段」とが同一のものであってもよい。この場合、前記開放状態特定手段により前記開放状態であることが特定されている場合には前記払出手段の駆動制御を停止する構成とする。
手段E16.手段E1乃至E15のいずれか1において、前記出力許可状態特定手段は、前記許可特定用情報の入力状態が前記出力許可状態であることを示す入力状態となっている場合、その入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段E16によれば、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が出力許可基準期間に達したことに基づいて払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
なお、「入力継続期間が予め定められた出力許可基準期間に達したことに基づいて前記出力許可状態であると特定する」には、リアルタイマを用いて上記入力継続期間を計測する構成以外にも、以下の構成が含まれる。前記出力許可状態特定手段が、前記許可特定用情報の入力状態を定期的に確認する許可特定用情報確認手段を備えた構成においては、当該許可特定用情報確認手段にて前記出力許可状態であることを示す入力状態であることが予め定められた出力許可基準回数確認されたことに基づいて前記出力許可状態であると特定する構成としてもよい。
手段E17.手段E1乃至E15のいずれかにおいて、前記出力許可状態特定手段は、前記許可特定用情報の入力状態を確認する許可特定用情報確認手段(主側CPU311における賞球許可信号監視処理を実行する機能)を備え、当該許可特定用情報確認手段にて前記出力許可状態であることを示す入力状態であることが複数回として設定された出力許可基準回数確認された場合に前記出力許可状態であると特定するものであることを特徴とする遊技機。
手段E17によれば、主制御手段における許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となったとしても即座に払出指令情報が出力されるのではなく、出力許可状態であることを示す入力状態が複数回として設定された出力許可基準回数確認された場合に払出指令情報が出力される。これにより、実際には払出制御手段は出力不許可状態であるにも関わらず、ノイズなどの原因で許可特定用情報の入力状態が出力許可状態であることを示す入力状態となった場合に、それに対して払出指令情報が出力されてしまうことを阻止することが可能となる。
手段E18.手段E1乃至E17のいずれか1において、前記払出指令情報出力手段は、前記主側記憶手段に複数の前記払出遊技内容に対応した賞情報が記憶されている場合、一の前記払出指令情報において一部の払出遊技内容に対応した遊技媒体数の情報を出力するものであることを特徴とする遊技機。
手段E18によれば、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報は、その一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、遊技機の電源が遮断された場合に消去されてしまう払出対象の遊技媒体数を極力少なくすることができる。
手段E19.手段E1乃至E18のいずれか1において、前記払出指令情報出力手段は、一の前記払出指令情報において一の前記払出遊技内容に対応した遊技媒体数の情報を出力するものであることを特徴とする遊技機。
手段E19によれば、払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報は、その一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、遊技機の電源が遮断された場合に消去されてしまう払出対象の遊技媒体数を極力少なくすることができる。
手段E20.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技板(遊技盤81)と、
当該遊技板に設けられ、前記流下する遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口82、可変入賞装置83、上作動口84a、下作動口84b)と、
当該入球部に遊技球が入球したことに基づいて当該入球結果に対応した払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記払出指令情報を入力し、当該払出指令情報に対応した数の遊技媒体数が払い出されるように払出手段(払出装置224)を駆動制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記入球部に遊技球が入球したことを特定する入球特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該入球特定手段にて前記入球部に遊技球が入球したことが特定された場合にその特定された入球結果に対応した賞情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、
前記主制御手段から入力した払出指令情報に対応した払出数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞払出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞球数特定処理を実行する機能)と、
当該賞払出数情報特定手段に特定された払出数の情報又はそれに対応した情報として賞払出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けない払出側記憶手段(払出側RAM333)と、
当該払出側記憶手段に記憶されている情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出側CPU331における払出状態設定処理を実行する機能)と、
前記払出手段による遊技媒体の払出が行われた場合に、その払出が行われた遊技媒体数が前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に反映されるように当該賞払出数情報を更新する払出時更新手段(払出側CPU331におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記払出側記憶手段に記憶されている前記賞払出数情報に応じて、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記主制御手段において特定可能なように当該主制御手段に許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定用情報に基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力し得るものであることを特徴とする遊技機。
手段E20の遊技機では、入球部に遊技球が入球したことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は、入力した払出指令情報に対応した数の遊技媒体が払い出されるように払出手段を駆動制御する。これにより、入球部に遊技球が入球したことに対する遊技媒体の払出が実行される。
当該構成において、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出側記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。
これに対して、入球部に遊技球が入球したことに対する賞情報は主側記憶手段に記憶されるとともに、実際に払出を実行する上で参照される賞払出数情報は払出側記憶手段に記憶される。また、払出制御手段は主制御手段に許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて主制御手段にて払出制御手段が出力許可状態であるか否かが特定される。この許可特定用情報は、払出側記憶手段に記憶されている賞払出数情報に応じて出力される。そして、払出制御手段が出力許可状態であると主制御手段において特定された場合に、主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。当該構成であることにより、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、入球部への入球に対する払出数の情報であって未払出の情報はその一部を払出側記憶手段に記憶し、残りを主側記憶手段に記憶しておくことが可能となる。よって、上記のように払出側記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの入球部への入球に対する払出数の情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
ちなみに、払出側記憶手段に賞払出数情報を記憶させずに主側記憶手段に記憶した賞情報に対応した遊技媒体数を払出手段により遊技媒体の払出を行う度に減算する構成も考えられる。しかしながら、当該構成においては、主制御手段の処理負荷が必要以上に高められてしまい、主制御手段とは別に払出制御手段を設けることで主制御手段の処理負荷を低減した効果が消失してしまう。これに対して、本手段E20の構成によれば、主制御手段とは別に払出制御手段を設けた効果を得つつ、それに加えて上記優れた効果を得ることができる。
以上より、主制御手段と払出制御手段とを備え主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されることで入賞に対する遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、入賞に対する遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、主制御手段において、払出制御手段が出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
また、本手段E20に対して上記手段E2乃至E19のいずれか1において限定した構成を適用してもよい。
(88)手段F1.複数種設定されている払出遊技内容のうちいずれかの遊技内容が発生したことに基づいて遊技媒体の払出を行う払出手段(払出装置224)を備えた遊技機において、
前記払出遊技内容に応じた遊技媒体数の情報又はそれに対応した情報を前記払出遊技内容の種類別に遊技情報として記憶する払出遊技内容記憶手段(賞球用カウンタエリア361)と、
前記払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報に基づいて遊技媒体を払い出すよう前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(払出制御基板322)と、
を備え、
前記払出遊技内容記憶手段に記憶される種類別の前記遊技情報には払出対象となる優先順位が予め設定されており、
前記払出駆動制御手段による払出制御は、前記払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報のうち、前記優先順位の高い遊技情報に対応したものから行われることを特徴とする遊技機。
手段F1によれば、払出遊技内容が発生した場合に、払出遊技内容の種類別に遊技情報が払出遊技内容記憶手段に記憶される。遊技情報には優先順位が予め定められており、記憶されている遊技情報のうち優先順位の高い遊技情報から遊技媒体の払出が行われる。
例えば、払出遊技内容が発生した場合には、当該払出遊技内容に応じた遊技媒体数の情報を払出遊技内容記憶手段に累計して記憶する遊技機の場合、遊技機に異常が発生し遊技媒体の払出が行われないにも関わらず複数回に亘って払出遊技内容が発生した場合には、払出遊技内容記憶手段の記憶容量を超えてしまうことが考えられる。また、遊技機に異常が発生しておらず、遊技媒体の払出が正常に行われているとしても、払出遊技内容が大量に発生した場合には払出遊技内容記憶手段の記憶容量を超えてしまうことが考えられる。この場合、記憶容量を超えた後に発生した払出遊技内容に基づいた遊技媒体の払出が行われず、遊技者に不利益が発生することが考えられる。
これに対して本手段では、払出遊技内容記憶手段が遊技情報を払出遊技内容の種類別に記憶する。これにより、遊技情報毎に記憶領域が設けられていることとなり、払出遊技内容に応じた遊技媒体数の情報を払出遊技内容記憶手段に累計して記憶する場合と比して、払出遊技内容記憶手段の記憶容量を超えてしまうことを抑制できる。
また、記憶されている遊技情報のうち優先順位の高い遊技情報に対応したものから遊技媒体の払出が行われる。例えば、発生し易い払出遊技内容が設定されている遊技機の場合、当該払出遊技内容に基づいた遊技情報は記憶される機会が多くなり、その遊技情報を記憶するための記憶容量を超えてしまうことが考えられる。この場合に、発生し易い払出遊技内容に基づいた遊技情報の優先順位を高くすれば、当該払出遊技内容に基づいた遊技情報が大量に記憶されることを抑制し、発生し易い払出遊技内容に基づいた遊技情報を記憶する記憶領域の記憶容量を超えてしまうことを抑制できる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技媒体が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技媒体の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
また、「払出遊技内容の種類別に遊技情報として記憶する」とは、一の払出遊技内容が発生した場合に一の遊技情報を記憶するものが含まれるだけでなく、一の払出遊技内容が発生した場合に、複数の遊技情報に分けて記憶するものが含まれる。また、同じ数の遊技媒体の払出が行われる払出遊技内容が複数種設定されている遊技機において、その複数種の払出遊技内容に対応した遊技情報を個別に記憶するものが含まれる。
手段F2.手段F1において、前記払出遊技内容として、遊技媒体の払出数が最も多い第1払出遊技内容が設定されており、
前記払出遊技内容記憶手段は、前記第1払出遊技内容が発生した場合に、第1遊技情報を記憶するものであり、
前記第1遊技情報が最も優先されることとなる優先順位の情報を記憶する優先順位記憶手段(主制御基板302のCPU311による賞球コマンド出力処理におけるステップS1201,ステップS1203,ステップS1205,ステップS1207の処理を記憶したROM312)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段F2によれば、遊技媒体の払出数が最も多く設定されている払出遊技内容に対応した第1遊技情報の優先順位が最も高い。これにより、遊技媒体の払出が最も多い第1遊技情報に対応した遊技媒体の払出が優先的に行われることとなる。仮に、記憶されている第1遊技情報が膨大な量となり払出遊技内容記憶手段の記憶容量の限界量となった場合、記憶容量の限界量となった状態にて発生した第1払出遊技内容が無効となってしまうことも考えられる。第1遊技情報は最も遊技媒体の払出数が多い第1払出遊技内容に対応しているため、無効となった場合に遊技者に発生する不利益が大きくなってしまう。これに対して本手段によれば、第1遊技情報に対応した遊技媒体の払出が優先的に行われるため、記憶されている第1遊技情報が膨大な量になってしまうことを抑制できる。よって、上記第1払出遊技内容が無効となってしまうことを抑制でき、遊技媒体の払出を良好に行うことが可能となる。
また、遊技機にノイズが発生することがあり、ノイズの影響によって払出遊技内容記憶手段の記憶されている遊技情報が消去されてしまうことが考えられる。本手段によれば、遊技媒体の払出が最も多い第1遊技情報に対応した遊技媒体の払出が優先的に行われるため、ノイズ等の影響によって払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報が消去されたとしても遊技者に発生する不利益を最小限なものとすることが可能となる。
手段F3.手段F2において、前記払出遊技内容として、前記第1払出遊技内容の他に、第2払出遊技内容と第3払出遊技内容とが設定されており、
前記第3払出遊技内容は、前記第1払出遊技内容よりも遊技媒体の払出が少ないものであり、
前記第2払出遊技内容は、前記第3払出遊技内容よりも遊技媒体の払出が少なく、かつ予め定められた遊技状態において前記第3払出遊技内容よりも発生し易いものであり、
前記払出遊技内容記憶手段は、前記第2払出遊技内容が発生した場合に第2遊技情報を記憶するとともに、前記第3払出遊技内容が発生した場合に第3遊技情報を記憶し、
前記優先順位記憶手段は、前記第1遊技情報が最も優先され、さらに、前記第3遊技情報よりも前記第2遊技情報が優先されることとなる優先順位の情報を記憶していることを特徴とする遊技機。
手段F3によれば、第3払出遊技内容よりも第2払出遊技内容の方が遊技媒体の払出が少ないとしても、予め定められた遊技状態において第2払出遊技内容の方が第3払出遊技内容よりも発生し易い。すなわち、予め定められた遊技状態において、第3遊技情報よりも第2遊技情報の方が記憶され易い。
仮に、第2遊技情報よりも第3遊技情報の優先順位が高いとすると、第3遊技情報に基づいた遊技媒体の払出が行われている間に、払出遊技内容記憶手段に記憶されている第2遊技情報が膨大なものとなってしまうおそれがある。さらに、記憶されている第2遊技情報が膨大な量となり払出遊技内容記憶手段の記憶容量の限界量となってしまった場合、記憶容量の限界量となった状態にて発生した払出遊技内容が無効となってしまうことも考えられる。
これに対して本手段では、第3遊技情報よりも第2遊技情報の優先順位が高いため、第2遊技情報に基づいた遊技媒体の払出が優先的に行われることとなり、払出遊技内容記憶手段に記憶されている第2遊技情報が膨大なものとなってしまうことを抑制でき、払出遊技内容が無効となってしまうことを抑制できる。
手段F4.手段F1において、前記払出遊技内容として、遊技媒体の払出が最も多い第1払出遊技内容と、前記第1払出遊技内容より遊技媒体の払出が少なく、かつ予め定められた遊技状態において前記第1払出遊技内容よりも発生し易い第2払出遊技内容とが設定されており、
前記払出遊技内容記憶手段は、前記第1払出遊技内容が発生した場合に第1遊技情報を記憶するとともに、前記第2払出遊技内容が発生した場合に第2遊技情報を記憶するものであり、
前記第1遊技情報よりも前記第2遊技情報が優先されることとなる優先順位の情報を記憶する優先順位記憶手段を備えたことを特徴とする遊技機。
手段F4によれば、最も遊技媒体の払出が多い第1払出遊技内容よりも、予め定められた遊技状態では第2払出遊技内容の方が発生し易い。すなわち、予め定められた遊技状態においては第1遊技情報よりも第2遊技情報の方が記憶され易い。
仮に、第2遊技情報よりも第1遊技情報の優先順位が高いとすると、第1遊技情報に基づいた遊技媒体の払出が行われている間に、払出遊技内容記憶手段に記憶される第2遊技情報が膨大な量となってしまうおそれがある。さらに、記憶されている第2遊技情報が膨大なものとなり払出遊技内容記憶手段の記憶容量の限界量となってしまった場合、記憶容量の限界量となった状態にて発生した払出遊技内容が無効となってしまうことも考えられる。
これに対して本手段では、第1遊技情報よりも第2遊技情報の方が優先順位が高いため、第2遊技情報に基づいた遊技媒体の払出が優先的に行われることとなり、払出遊技内容記憶手段に記憶されている第2遊技情報が膨大なものとなってしまうことを抑制できる。
手段F5.手段F3又はF4において、遊技媒体として遊技球を用い、
遊技状態として、通常遊技状態とは異なる頻度向上状態(頻度向上状態)と特別遊技状態(大当たり状態)とが設定されており、
遊技球が入球し易い開放状態と入球しにくい又は入球できない閉鎖状態とに切り替え可能な第1特別入球手段(可変入賞装置83)と、
前記特別遊技状態において前記第1特別入球手段を前記開放状態に切り替える切替制御を実行する第1切換制御手段(大入賞口開閉処理)と、
遊技球が入球し易い開放状態と入球しにくい又は入球できない閉鎖状態とに切り替え可能であるとともに、少なくとも通常遊技状態及び前記頻度向上状態において前記開放状態と前記閉鎖状態とに切り替わる第2特別入球手段(下作動口84b,電動役物89)と、
前記頻度向上状態において通常遊技状態よりも遊技球が入球し易くなるように前記第2特別入球手段を前記開放状態に切り替える切換制御を実行する第2切換制御手段(電動役物開放処理)と、
を備え、
前記第1払出遊技内容は、前記第1特別入球手段に遊技球が入球することであり、
前記第2払出遊技内容は、前記第2特別入球手段に遊技球が入球することであることを特徴とする遊技機。
手段F5によれば、特別遊技状態において第1特別入球手段に遊技球が入球し易くなり、頻度向上状態において第2特別入球手段に遊技球が入球し易くなる。すなわち、特別遊技状態において第1遊技情報が記憶され易く、頻度向上状態において第2遊技情報が記憶され易い。
手段F3に適用した場合、第1遊技情報の優先順位が最も高い。これにより第1遊技情報に基づいた遊技球の払出が優先的に行われる。仮に、特別遊技状態においては第1払出遊技内容が最も発生し易い遊技機の場合、特別遊技状態において最も記憶され易い第1遊技情報に基づいた遊技球の払出を優先して行っているということもできる。また、頻度向上状態において記憶され易くなる第2遊技情報に基づいた遊技球の払出を第1遊技情報に次いで優先して行う。以上により、それぞれの遊技状態において記憶され易い遊技情報に基づいた遊技球の払出を優先して行うことによって遊技球の払出を良好に行うことができる。
手段F4に適用した場合、頻度向上状態において記憶され易い第2遊技情報に基づいた遊技球の払出が第1遊技情報よりも優先的に行われる。頻度向上状態が特別遊技状態よりも長期間に亘り継続する遊技機の場合、第1遊技情報よりも第2遊技情報の方が記憶される頻度が多くなることが考えられ、第2遊技情報に基づいた遊技球の払出を優先して行うことが望ましい。これに対して、頻度向上状態において記憶され易く、かつ通常遊技状態においても記憶される第2遊技情報に基づいた遊技球の払出を優先的に行うため、遊技球の払出を良好に行うことが可能となる。
以上により、遊技状態が複数設定されている遊技機においても、遊技球の払出を良好に行うことが可能となる。
手段F6.手段F1乃至F5のいずれか1において、前記払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報のうち、前記優先順位の高い遊技情報に基づいた払出指令情報を優先して出力する払出指令情報出力手段(主制御基板301)と、
前記払出指令情報が出力されたことに基づいて当該払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数の情報又はそれに対応した情報として払出数情報を記憶する払出数情報記憶手段(払出側RAM333)と、
を備え、
前記払出駆動制御手段は、前記払出数情報記憶手段に記憶されている払出数情報に基づいて遊技媒体を払い出すべく前記払出手段を駆動制御することを特徴とする遊技機。
手段F6によれば、払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報のうち優先順位の高い遊技情報に基づいた払出指令情報が優先して出力される。そして、払出指令情報が出力された場合には、当該払出指令情報に基づいた払出数情報が払出数情報記憶手段に記憶され、当該払出数情報に基づいて遊技媒体の払出が行われる。
以上の構成により、払出遊技内容となった場合には一度払出遊技内容記憶手段に記憶されることによって、払出遊技内容に対する遊技媒体の払出であって未払出の情報はその一部を払出数情報記憶手段に記憶し、残りを払出遊技内容記憶手段に記憶しておくことが可能となる。すなわち、払出遊技内容となったことに基づいた情報を記憶する記憶領域が複数設けられていることとなる。よって、遊技機に異常が発生し遊技媒体の払出が行われないにも関わらず複数回に亘って払出遊技内容が発生した場合や払出遊技内容が大量に発生した場合に、払出遊技内容となったことに基づいた情報を記憶する記憶領域の記憶容量を超えてしまい、払出遊技内容となったにも関わらずその払出遊技内容に基づいた遊技媒体の払出が行われなくなることを抑制できる。
手段F7.手段F6おいて、前記払出遊技内容記憶手段と前記払出指令情報出力手段とを有する主制御手段(主制御基板301)と、
前記払出数情報記憶手段と前記払出駆動制御手段とを有する払出制御手段(払出制御基板322)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段F7によれば、払出遊技内容記憶手段と払出指令情報出力手段とが主制御手段に設けられ、払出数情報記憶手段と払出駆動制御手段とが払出制御手段に設けられている。これにより、遊技媒体の払出を行うための機能が複数の制御手段に分けられることとなり、一の制御手段が全ての機能を有する構成と比して、各制御手段の負荷が軽減される。
また、上記各機能を一の制御手段が全て有する構成では、当該制御手段に対して電気的なノイズ等が発生すると、払出遊技内容記憶手段及び払出数情報記憶手段の両方がその影響を受けてしまうことが懸念される。これに対して、払出遊技内容記憶手段が主制御手段に設けられ、払出数情報記憶手段が払出制御手段に設けられていることにより、上記ノイズ等に対するリスクが分散される。なお、主制御手段と払出制御手段とを離して設ければ、当該リスク分散の効果を高めることができる。
また、上記構成において、払出遊技内容記憶手段に記憶されている情報のうち、一部の情報に対応した払出指令情報が主制御手段から払出制御手段へ出力され、払出制御手段ではその受け取った払出指令情報に基づいて、当該払出指令情報に対応した払出数情報を払出数情報記憶手段に記憶させる。これにより、上記のように主制御手段に払出遊技内容記憶手段を設け、払出制御手段に払出数情報記憶手段を設けた構成において、遊技媒体の払出が円滑に行われる。
手段F8.手段F6又はF7において、前記払出数情報記憶手段に記憶されている前記払出数情報に応じて、前記払出指令情報の出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが前記払出指令情報出力手段において特定可能なように許可特定用情報を出力する許可特定用情報出力手段(払出側CPU331における賞球許可信号設定処理を実行する機能)を備え、
前記払出指令情報出力手段は、前記許可特定用情報に基づいて前記払出指令情報の出力許可状態であることを特定する出力許可状態特定手段(主側CPU311におけるステップS1105の処理を実行する機能)を備えており、当該出力許可状態特定手段にて前記出力許可状態であることが特定されている場合に前記払出指令情報を出力するものであることを特徴とする遊技機。
手段F8によれば、許可特定用情報出力手段は許可特定用情報を出力し、当該許可特定用情報に基づいて払出指令情報出力手段は、払出指令情報の出力許可状態であるか否かを特定できる。この許可特定用情報は、払出数情報記憶手段に記憶されている払出数情報に応じて出力される。そして、出力許可状態であると特定された場合に、払出指令情報が出力される。当該構成であることにより、払出指令情報の出力に基づく遊技媒体の払出を可能としつつ、払出遊技内容に対する払出であって未払出の情報はその一部を払出数情報記憶手段に記憶し、残りを払出遊技内容記憶手段に記憶しておくことが可能となる。
また、払出遊技内容記憶手段は払出遊技内容の種類別に遊技情報を記憶するため、ノイズ等によって情報が書き換えられてしまうことに対するリスクを分散することができる。このため、払出数情報記憶手段よりも、払出遊技内容記憶手段に多くの情報を記憶しておくことが望ましい。これに対して本手段によれば、出力許可状態とならなければ払出指令情報が出力されない。よって、払出数情報記憶手段よりも払出遊技内容記憶手段に多くの情報を記憶することが可能となる。
また、「許可特定用情報」は、出力がON及びOFFされる情報であってもよく、HIレベル信号及びLOWレベル信号として出力される情報であってもよい。前者の場合、出力許可状態でONとし出力不許可状態でOFFとしてもよく、逆に、出力許可状態でOFFとし出力不許可状態でONとしてもよい。また、後者の場合、出力許可状態でHIレベル信号とし出力不許可状態でLOWレベル信号としてもよく、逆に、出力許可状態でLOWレベル信号とし出力不許可状態でHIレベル信号としてもよい。つまり、出力許可状態又は出力不許可状態のいずれであるかが、許可特定用情報により特定することができるのであれば、許可特定用情報の具体的な構成は任意である。
手段F9.手段F8において、前記払出数情報に基づいた遊技媒体の払出が行われた場合に、その払出が行われた遊技媒体数が前記払出数情報記憶手段に記憶されている前記払出数情報に反映されるように当該払出数情報を更新する払出時更新手段(払出側CPU331におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記許可特定用情報出力手段は、前記出力不許可状態であることを特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態が設定されている状況において、前記払出手段による遊技媒体の払出が行われ前記払出時更新手段により更新されて前記払出数情報記憶手段に記憶されている前記払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達した場合に、前記出力許可状態であることを前記主制御手段にて特定可能なように前記許可特定用情報の出力状態を設定する出力状態設定手段(払出側CPU331におけるステップS2306及びステップS2307の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
手段F9によれば、払出数情報記憶手段に記憶されている払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数に達することで出力許可状態となる。これにより、払出数情報記憶手段への払出数情報の補充が円滑に行われ、それに伴って遊技媒体の払出が円滑に行われる。
また、本手段によれば、払出数情報記憶手段に記憶されている払出数情報に対応した遊技媒体数が許可基準数を超えている状況においては出力不許可状態となり、払出指令情報が出力されない。これにより、払出遊技内容に対する払出であって未払出の情報はその一部を払出数情報記憶手段に記憶し、残りを払出遊技内容記憶手段に記憶しておくことが可能となる。
手段F10.手段F9において、前記許可基準数は、一の前記払出遊技内容に対して払い出される遊技媒体の数以下であることを特徴とする遊技機。
手段F10によれば、許可基準数が一の前記払出遊技内容に対して払い出される遊技媒体の数以下であることにより、払出数情報記憶手段に記憶されている払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前のタイミングで出力許可状態とすることができる。これにより、例えば、払出手段により遊技媒体の払出が実行されている状況において、遊技内容が新たに払出遊技内容となった場合には、現状行われている払出に関して払出数情報記憶手段に記憶されている払出数情報に対応した遊技媒体数が全てなくなる前のタイミングで、主制御手段から払出指令情報を出力し払出数情報記憶手段の払出数情報に新たな遊技媒体数の情報を加算することが可能となる。
また、払出遊技内容記憶手段は払出遊技内容の種類別に遊技情報を記憶するため、ノイズ等によって情報が書き換えられてしまうことに対するリスクを分散することができる。このため、払出数情報記憶手段よりも、払出遊技内容記憶手段に多くの情報を記憶しておくことが望ましい。これに対して本手段によれば、一の前記払出遊技内容に対して払い出される遊技媒体の数以下とならなければ、払出指令情報が出力されないため、払出数情報記憶手段に払出数情報として記憶される遊技媒体数を極力少なくすることが可能となる。よって、ノイズ等の影響によって払出数情報が消去されてしまった場合に、消去されてしまう払出対象の遊技媒体数を極力少なくすることができる。
手段F11.手段F6乃至F10のいずれか1において、外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)を備え、
前記払出遊技内容記憶手段は、前記電断状態において前記電断時電力を受けるものであり、
前記払出数情報記憶手段は、前記電断状態において前記電断時電力を受けないものであることを特徴とする遊技機。
手段F11によれば、払出遊技内容記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出数情報記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、払出遊技内容記憶手段及び払出数情報記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
但し、上記のように払出数情報記憶手段に電断時電力が供給されない構成においては、遊技機が電断状態となると、払出数情報記憶手段において情報の記憶保持を行うことができなくなる。この場合に、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する遊技媒体の払出であって未払出の情報が全て消去されてしまうとすると、遊技者に多大な不利益を及ぼしかねない。
これに対して、遊技内容が払出遊技内容となった場合、当該払出遊技内容に関する遊技情報は払出遊技内容記憶手段に記憶されるとともに、実際に払出を実行する上で参照される払出数情報は払出数情報記憶手段に記憶される。上述したように、払出遊技内容に対する遊技媒体の払出であって未払出の情報はその一部を払出数情報記憶手段に記憶し、残りを払出遊技内容記憶手段に記憶しておくことが可能なため、上記のように払出数情報記憶手段に電断時電力が供給されないようにした構成において、電断状態となるまでの払出遊技内容に対する情報であって未払出の情報が全て消去されてしまうことを阻止することが可能となる。
手段F12.手段F6乃至F11のいずれか1において、前記払出指令情報出力手段は、一の前記払出指令情報において一の遊技情報に対応した遊技媒体数の情報を出力するものであることを特徴とする遊技機。
手段F12によれば、一の払出指令情報にて一の遊技情報に対応した遊技媒体数の情報が出力されるため、払出数情報記憶手段には出力許可状態となる前に記憶されている払出数情報に一の遊技回において発生する遊技媒体の払出数の最大数を加算したものが、払出数情報記憶手段に記憶される情報の最大値になる。これにより、払出数情報記憶手段に払出数情報として記憶される遊技媒体数が多量なものとなってしまい、払出数情報記憶手段の記憶されている情報が書き換えられてしまった場合に、その影響が多大なものとなってしまうことを抑制できる。
また、払出遊技内容記憶手段は払出遊技内容の種類別に遊技情報を記憶するため、ノイズ等によって情報が書き換えられてしまうことに対するリスクを分散することができる。このため、払出数情報記憶手段よりも、払出遊技内容記憶手段に多くの情報を記憶しておくことが望ましい。これに対して本手段によれば、一の払出指令情報にて一の遊技情報に対応した遊技媒体数の情報が出力される。よって、払出数情報記憶手段よりも払出遊技内容記憶手段に多くの情報を記憶することが可能となる。
しかしながら、一の払出指令情報において一の遊技情報に対応した遊技媒体数の情報を出力するため、一の払出指令情報が出力され、当該払出指令情報に基づいた遊技媒体の払出が行われている間に複数回に亘って払出遊技内容が発生することも考えられる。このため、払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報量が膨大なものとなってしまい、払出遊技内容記憶手段の記憶容量を超えてしまうことが考えられる。これに対して、手段F3又は手段F4を適用すれば、発生し易い第2遊技情報に基づいた払出指令情報から出力されることとなる。これにより、払出遊技内容記憶手段に記憶されている第2遊技情報の量が膨大となってしまうことを抑制することができる。
なお、手段F10に適用した場合、払出数情報記憶手段に記憶される遊技媒体の払出数の最大値は一の払出遊技内容となった場合に払い出される遊技媒体の最大数の2回分となる。すなわち、払出数情報記憶手段に記憶されている払出数情報が消去されてしまったとしても、その被害を一の払出遊技内容となった場合に払い出される遊技媒体の最大数の2倍以下とすることが可能となる。
また、手段F11に適用した場合、払出数情報記憶手段は電断時電力が供給されないため、払出数情報記憶手段には大量の遊技媒体数に対応した払出数情報を記憶しないことが望ましい。これに対して本手段によれば、払出数情報記憶手段には出力許可状態となる前に記憶されている払出数情報に一の遊技回において発生する遊技媒体の払出数の最大数を加算したものが、払出数情報記憶手段に記憶される情報の最大値になるため、電断状態となった場合に消去されてしまう未払出の遊技媒体数を最小限に抑えることが可能となる。
手段F13.手段F6乃至F12のいずれか1において、前記払出駆動制御手段は、
前記払出手段による遊技媒体の払出を阻害する阻害状況であることを特定する阻害状況特定手段(払出側CPU331におけるステップS2201の処理を実行する機能)と、
当該阻害状況特定手段により前記阻害状況であることが特定された場合に前記払出手段の駆動制御を制限する駆動制御制限手段(払出側CPU331におけるステップS2206の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出指令情報出力手段は、前記阻害状況である場合、前記払出指令情報を出力しないことを特徴とする遊技機。
手段F13によれば、遊技媒体の払出を阻害する阻害状況に応じて払出手段による遊技媒体の払出が制限されることがある。本手段では、阻害状況では払出指令情報が出力されない。これにより、阻害状況において新たな払出指令情報が出力されないようにすることができる。阻害状況において払出指令情報が出力されると、遊技媒体の払出が行われていないにも関わらず、払出数情報記憶手段に記憶されている遊技媒体の払出数が多くなってしまうこととなる。この場合に払出数情報記憶手段に記憶されている情報がノイズ等の影響によって消去されてしまった場合、その新たに出力された払出指令情報に対応した払出数情報は払い出されることなく消去されてしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
また、「阻害状況」としては、前記払出手段から払い出される遊技媒体を貯留する外側貯留部をさらに備えた構成においては、当該外側貯留部が満タン状態となることを阻害状況としてもよい。また、遊技機内部にて遊技媒体を貯留する内側貯留部をさらに備え、前記払出手段は前記内側貯留部に貯留された遊技媒体を払い出す構成においては、前記内側貯留部に貯留されている遊技媒体がなくなることを阻害状況としてもよい。
手段F14.手段F1乃至F13のいずれか1において、前記払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報量が基準情報量に達したことを特定する情報量特定手段と、
所定の教示を行う教示手段(スピーカ部26)と、
前記情報量特定手段によって遊技情報量が基準情報量に達していることが特定された場合に、予め定められた特定教示を行うよう前記教示手段を教示制御する教示制御手段(主側CPU311による賞球情報記憶数確認処理におけるステップS3306)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段F14によれば、払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報量が基準情報量に達した場合に、特定教示が行われる。仮に、記憶容量限界まで遊技情報が記憶されているにも関わらず、新たな払出遊技内容が発生した場合、当該払出遊技内容に対応した遊技媒体の払出が行われない等の不利益が遊技者に発生することが考えられる。これに対して本手段によれば、遊技情報量が基準情報量に達した場合には特定教示が行われる。特定教示が行われることによって、例えば、上記不利益が発生しないように遊技者に対処することを促すことも可能となる。よって、上記不利益が遊技者に発生することを抑制できる。
また、例えば、払出制御手段に異常が発生し、遊技を行うことは可能であるにも関わらず遊技媒体の払出が行われない場合、払出指令情報が出力されることなく払出遊技内容記憶手段に新たな遊技情報が記憶されることが考えられる。この場合、払出遊技内容記憶手段に記憶される遊技情報量が膨大なものとなってしまうことも考えられる。これに対して、本手段によれば、この場合においても、特定教示が行われるため、払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報量が記憶容量を上回ってしまうことを抑制することが可能となる。
また、手段F13を適用し、さらに、阻害状態においても遊技が続行可能な場合、阻害状態において遊技媒体の払出が行われないにも関わらず、払出遊技内容記憶手段には遊技情報が記憶されることが考えられる。これに対して本手段を適用した場合、遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報が基準情報量に達した場合に特定教示が行われるため、払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報量が記憶容量を上回ってしまうことを抑制する効果を高めることが可能となる。
なお、特定教示が開始されたとしても、教示が開始されたタイミングでは遊技がまだ行われていることがあり、基準情報量に達した後にも払出遊技内容が発生してしまうことが考えられる。仮に、記憶容量の限界量になった場合に特定教示が開始されるとすると、記憶容量の限界量となっているにも関らず払出遊技内容が発生してしまい、当該払出遊技内容となったことに基づいた遊技媒体の払出が行われないことが考えられる。このため、遊技情報量が払出遊技内容記憶手段の記憶容量の限界に達する前に基準情報量に達していることを特定するのが望ましい。
手段F15.手段F1乃至手段F13のいずれか1において、前記払出遊技内容記憶手段は、前記遊技情報を払出遊技内容の種類別に記憶する複数の記憶領域(各賞球用カウンタエリア361a〜361d)を有しており、
前記記憶領域のうち少なくとも一の記憶領域に記憶されている遊技情報量が基準情報量に達したことを特定する情報量特定手段(主側CPU311による賞球情報記憶数確認処理におけるステップS3302〜ステップS3305)と、
所定の教示を行う教示手段(スピーカ部26)と、
前記情報量特定手段によって遊技情報量が基準情報量に達していることが特定された場合に、予め定められた特定教示を行うよう前記教示手段を教示制御する教示制御手段(主側CPU311による賞球情報記憶数確認処理におけるステップS3306)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段F15によれば、複数の記憶領域のうち少なくとも一の記憶領域に記憶されている遊技情報量が基準情報量に達した場合に特定教示が行われる。仮に、一の記憶領域の記憶容量限界まで遊技情報が記憶されているにも関わらず、当該一の記憶領域に対応した払出遊技内容が発生した場合、当該払出遊技内容に対応した遊技媒体の払出が行われない等の不利益が遊技者に発生することが考えられる。これに対して本手段によれば、一の記憶領域に記憶されている遊技情報量が基準情報量に達した場合には特定教示が行われる。特定教示が行われることによって、例えば、上記不利益が発生しないように遊技者に対処することを促すことも可能となる。よって、上記不利益が遊技者に発生することを抑制できる。
また、例えば、払出制御手段に異常が発生し、遊技を行うことは可能であるにも関わらず遊技媒体の払出が行われない場合、払出指令情報が出力されることなく記憶領域に新たな遊技情報が記憶されることが考えられる。この場合、それぞれの記憶領域に記憶される遊技情報量が膨大なものとなってしまうことも考えられる。これに対して、本手段によれば、この場合においても、特定教示が行われるため、記憶領域に記憶されている遊技情報量が記憶容量を上回ってしまうことを抑制することが可能となる。
また、手段F13を適用し、さらに、阻害状態においても遊技が続行可能な場合、阻害状態において遊技媒体の払出が行われないにも関わらず、記憶領域には遊技情報が記憶されることが考えられる。これに対して本手段を適用した場合、いずれかの記憶領域に記憶されている遊技情報が基準情報量に達した場合に特定教示が行われるため、記憶領域に記憶されている遊技情報量が記憶容量を上回ってしまうことを抑制する効果を高めることが可能となる。
なお、特定教示が開始されたとしても、教示が開始されたタイミングでは遊技がまだ行われていることがあり、基準情報量に達した後にも払出遊技内容が発生してしまうことが考えられる。仮に、記憶容量の限界量になった場合に特定教示が開始されるとすると、記憶容量の限界量となっているにも関らず払出遊技内容が発生してしまい、当該払出遊技内容となったことに基づいた遊技媒体の払出が行われないことが考えられる。このため、遊技情報量が記憶領域の記憶容量の限界に達する前に基準情報量に達していることを特定するのが望ましい。
手段F16.手段F14又はF15において、前記払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報量が前記基準情報量よりも少ない解除情報量以下であることを特定する解除特定手段(主側CPU311による賞球情報記憶数確認処理におけるステップS3307〜ステップS3310)と、
前記解除特定手段により前記遊技情報量が前記解除情報量以下であることが特定された場合に、前記特定教示を終了するよう前記教示手段を終了制御する教示終了制御手段(主側CPU311による賞球情報記憶数確認処理におけるステップS3311)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段F16によれば、記憶されている遊技情報量が基準情報量に達したことの教示が開始された場合、払出遊技内容記憶手段に記憶されている遊技情報量が基準情報量より少ない解除情報量以下となるまで当該教示が続けられる。すなわち、基準情報量に達したことの教示を開始する遊技情報量と、当該教示を解除する遊技情報量とが個別に設けられている。仮に、基準情報量に達することで当該教示が開始され、基準情報量以下となることで当該教示が終了される遊技機の場合、基準情報量以下となり当該教示が終了されたとしても、すぐさま払出遊技内容が発生した場合、再び当該教示が開始されることとなる。この場合、当該教示の開始及び当該教示の終了が繰り返し行われることとなり、遊技機に余計な処理負荷がかかることが考えられる。これに対して、本手段によれば、基準情報量に達し当該教示が開始された場合には、遊技情報量が解除情報量以下となるまで当該教示が終了されないために、上記教示の開始及び教示の終了が連続して発生することを抑制できる。
手段F17.手段F1乃至F16のいずれか1において、前記払出遊技内容記憶手段は、遊技情報として、発生した前記払出遊技内容の回数を種類別に記憶することを特徴とする遊技機。
手段F17によれば、発生した払出遊技内容の回数が遊技情報として記憶される。払出遊技内容が発生した場合には、複数の遊技媒体が払い出されることがある。仮に、払い出される遊技媒体の数を遊技情報として記憶している場合、払出遊技内容が大量に発生した場合には、遊技媒体の数として遊技情報を記憶しているため、その記憶している値が膨大なものとなってしまうことが考えられる。これに対して本手段によれば、払出遊技内容が発生した回数を遊技情報として記憶するため、払い出される遊技媒体の数を遊技情報として記憶する場合と比して、払出遊技内容が大量に発生したとしてもその払出遊技内容に対応した遊技情報を記憶するのに要する記憶容量を少なくすることができる。
(89)手段G1.遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて払出指令情報を出力する主制御手段(主制御基板301)と、
前記払出指令情報を入力したことに基づいて遊技媒体が払い出されるように払出手段(払出装置224)を制御する払出制御手段(払出制御基板322)と、
を備えた遊技機において、
前記払出制御手段は、
入力した払出指令情報が正常なものであるか否かを判定する情報判定手段(払出制御基板322のCPU331の賞球設定処理におけるステップS1804,ステップS1808の処理を実行する機能)と、
入力した払出指令情報が正常なものであることが前記情報判定手段により判定された場合に、当該払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数の情報又はそれに対応した情報を払出数情報として記憶する払出数記憶手段(払出側RAM333)と、
前記払出数記憶手段に記憶されている前記払出数情報に対応した遊技媒体数の払出を行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段(CPU331における払出情報設定処理を実行する機能)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段G1によれば、遊技内容が払出遊技内容となったことに基づいて主制御手段から払出制御手段に払出指令情報が出力される。払出制御手段は払出指令情報を入力したことに基づいて遊技媒体が払い出されるように払出手段を制御する。これにより、遊技内容が払出遊技内容となったことに対する遊技媒体の払出が実行される。
また、遊技機にはノイズが発生することがあり、ノイズ等の影響によって払出指令情報が書き換えられてしまうおそれがある。この場合、払出指令情報が書き換えられてしまうことによって多量の遊技媒体が遊技者に払い出され、遊技機を設置している遊技ホールにて多大な不利益が発生するおそれがある。これに対して、本手段によれば、払出指令情報が正常である場合にその払出指令情報に対応した払出数情報が記憶される。そして、その払出数情報に対応した数の遊技媒体の払出が行われる。当該構成とすることにより、ノイズ等の影響によって書き換えられてしまった払出指令情報に対応することが可能となり、遊技ホールにて多大な不利益が発生することを抑制することが可能となる。よって、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。
なお、「払出遊技内容」は、遊技球が流下するとともに当該遊技球が入球可能な払出用入球部が設置された遊技領域を有する遊技機においては、払出用入球部に遊技球が入球することとしてもよい。また、絵柄の可変表示を実行する絵柄表示手段を有し、当該絵柄表示手段の停止絵柄に応じて遊技媒体が払い出される遊技機においては、絵柄表示手段の停止絵柄が遊技媒体の払出に対応した停止絵柄となることとしてもよい。
手段G2.手段G1において、対応している遊技媒体の払出数が異なっている払出指令情報が複数種設定されており、
各払出指令情報はそれぞれ、予め定められた複数ビットからなり、
前記情報判定手段は、
一の払出指令情報が有する複数ビットの情報を用いて予め定められた演算処理を行う演算手段(払出制御基板322のCPU331による賞球設定処理のステップS1802の処理を実行する機能)を備え、
さらに、前記演算手段による演算結果が予め定められた特定結果となった場合に、入力した払出指令情報が正常なものであると判定するものであり、
前記演算手段は、複数種の払出指令情報のうちいずれの払出指令情報に対しても前記演算処理を行うものであり、
前記演算手段による演算結果は、入力した払出指令情報が正常なものである場合、いずれの払出指令情報に対しても同じ結果となることを特徴とする遊技機。
手段G2によれば、演算手段により複数ビットの情報を用いて演算が行われ、演算結果が特定結果となった場合に払出指令情報が正常なものであると特定される。また、複数設定されている払出遊技内容のうちいずれの払出指令情報に対しても演算処理が行われ、さらに、正常な払出指令情報の場合にはいずれの払出指令情報でも演算結果が同一なものとなる。複数設定されている払出指令情報においてそれぞれ正常であると判定される特定結果が異なる場合、その演算結果が正常であるかを判定するために、入力した払出指令情報がいずれの払出指令情報であるかを判定する必要があり、情報判定手段にかかる処理負荷が大きくなってしまうことが考えられる。これに対して本手段によれば、いずれの払出指令情報であっても、演算処理を行った場合に演算結果が特定結果となれば当該払出指令情報が正常なものであったと特定できる。よって、演算結果が同一の結果となるか否かを判定するのみにて払出指令情報が正常なものであったか否かを特定することが可能となり、さらに、払出指令情報毎に対応して特定結果を記憶しておく必要がなくなる。
手段G3.手段G2において、前記各払出指令情報は、
予め定められたビット数によって構成され、全ての払出指令情報において共通した第1特定情報と、
予め定められたビット数によって構成され、前記払出数情報に対応した第2特定情報と、
予め定められたビット数によって構成され、前記演算手段による演算が行われる場合に、その演算結果を同じ結果とするための第3特定情報と、
を有しており、
前記払出制御手段は、前記第1特定情報を参照することによって前記払出指令情報であると特定するものであり、さらに、前記第2特定情報を参照することによって前記払出数情報を特定するものであり、
前記演算手段は、前記第1特定情報と前記第2特定情報と前記第3特定情報とを用いて前記演算処理を行うものであることを特徴とする遊技機。
手段G3によれば、各払出指令情報は、全ての払出指令情報において共通した第1特定情報と、払出数情報に対応した第2特定情報とを有している。これにより、その情報が払出指令情報であるか否かを特定するのに第1特定情報のみを参照すればよく、その情報が払出指令情報であることを特定するために全ての特定情報を参照する必要がなくなる。また、払出数情報を特定するのに第2特定情報のみを参照すればよく、払出数情報を特定するために全ての特定情報を参照する必要がなくなる。
また、前記演算手段による演算が行われる場合に、その演算結果を同じ結果とするための第3特定情報を有しており、第1特定情報と第2特定情報と第3特定情報とを用いて演算を行うことによってその払出指令情報が正常なものか否かを特定することが可能である。これにより、払出指令情報であることを特定するための情報と、遊技媒体の払出数を特定するための情報とを用いて、その払出指令情報が正常なものであるか否かを特定することが可能としつつ、上記優れた効果を得ることが可能となる。
手段G4.手段G1乃至G3のいずれか1において、前記払出指令情報は、予め定められたビット数によって構成された複数の特定情報(上位情報,下位情報)からなり、
前記情報判定手段は、前記複数の特定情報を用いて、四則演算のうち予め定められた演算処理を行い、その演算結果が予め定められた特定結果となった場合に、入力した払出指令情報が正常なものであると判定することを特徴とする遊技機。
手段G4によれば、複数の特定情報を用いて四則演算のうち予め定められた演算処理が行われ、当該演算処理の結果が予め定められた特定結果となった場合に正式な払出指令情報であると判定される。
このように、演算処理を行うことによって、払出指令情報が正常なものであるか否かを判定した。仮に、論理演算にて払出指令情報が正常なものであるか否かを特定する場合、ノイズの発生によって一の情報が書き換えられてしまったとしても論理演算の結果が特定結果となってしまい、その払出指令情報が正常なものと判定されてしまうことが考えられる。
例えば、複数の特定情報として、「1」と「0」とが設定されており、論理和を行い「1」となった場合に正常な払出指令情報であると判定する遊技機が考えられる。この場合、ノイズ等の影響によって「0」の部分が「1」に書き換えられてしまったとしても、論理和の結果は「1」となってしまい、払出指令情報が書き換えられてしまっているにも関わらず、その払出指令情報が正常なものと判定されてしまう。
これに対して、本手段によれば、演算処理の結果によって、その払出指令情報が正常であるか否かを判定した。ノイズの影響によっていずれかのビットが書き換えられてしまった場合、演算処理の結果は異なるものとなる。このように、演算処理を用いて払出指令情報が正常なものであるか否かを特定したために、払出指令情報が正常なものであるか否かを論理演算を用いて判定する遊技機と比較して、払出指令情報が書き換えられてしまったことを発見し易くなる。
なお、各特定情報のビット数が同一でもよいし、それぞれの特定情報によって異なっていてもよい。
手段G5.手段G1乃至G4のいずれか1において、前記払出指令情報は、予め定められたビット数によって構成される複数の特定情報(上位情報,下位情報)からなり、
前記情報判定手段は、前記複数の特定情報を用いて予め定められた加算処理を行い、その加算処理の結果が予め定められた特定結果となった場合に、入力した払出指令情報が正常なものであると判定することを特徴とする遊技機。
手段G5によれば、複数の特定情報を用いて加算処理が行われ、当該加算処理の結果が予め定められた特定結果となった場合に正式な払出指令情報であると判定される。
このように、加算処理を行うことによって、払出指令情報が正常なものであるか否かを判定した。仮に、論理演算にて払出指令情報が正常なものであるか否かを特定する場合、ノイズの発生によって一の情報が書き換えられてしまったとしても論理演算の結果が特定結果となってしまい、その払出指令情報が正常なものと判定されてしまうことが考えられる。
例えば、複数の特定情報として、「1」と「0」とが設定されており、論理和を行い「1」となった場合に正常な払出指令情報であると判定する遊技機が考えられる。この場合、ノイズ等の影響によって「0」の部分が「1」に書き換えられてしまったとしても、論理和の結果は「1」となってしまい、払出指令情報が書き換えられてしまっているにも関わらず、その払出指令情報が正常なものと判定されてしまう。
これに対して、本手段によれば、加算処理の結果によって、その払出指令情報が正常であるか否かを判定した。ノイズの影響によっていずれかのビットが書き換えられてしまった場合、加算処理の結果は異なるものとなる。このように、加算処理を用いて払出指令情報が正常なものであるか否かを特定したために、払出指令情報が正常なものであるか否かを論理演算を用いて判定する遊技機と比較して、払出指令情報が書き換えられてしまったことを発見し易くなる。
手段G6.手段G1乃至G5のいずれか1において、前記払出指令情報は、予め定められたビット数によって構成される複数の特定情報(上位情報,下位情報)からなり、
前記情報判定手段は、前記複数の特定情報を用いて予め定められた論理演算を行い、その論理演算の結果が予め定められた特定結果となった場合に、入力した払出指令情報が正常なものであると判定することを特徴とする遊技機。
手段G6によれば、論理演算の結果が特定結果となった場合に、入力した払出指令情報が正常なものであると判定される。本手段によれば、論理演算を用いたために演算処理をビット単位で比較するのみにて行うことができる。また、予め定められた四則演算を行い、その演算の結果が特定結果となったかを確認する遊技機と比して、本実施の形態では論理演算を用いたためにビットのシフト処理を行う必要がなくなり、払出指令情報が正常なものであるか否かを特定する処理速度を向上させることが可能となる。
手段G7.手段G1乃至手段G6のいずれか1において、前記情報判定手段は、入力した払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数が予め定められた数以下である場合に、当該払出指令情報を正常なものであると判定することを特徴とする遊技機。
手段G7によれば、払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数が予め定められた数以下である場合に、当該払出指令情報が正常なものであると判定される。これにより、予め定められた数以上に対応した払出指令情報が正常なものであると判定されることがなくなり、一の払出指令情報が入力された場合に予め定められた数以上の遊技媒体の払出が行われることを抑制することが可能となる。よって、ノイズ等の影響のよって払出指令情報が書き換えられ、一の払出指令情報によって多量の遊技媒体が払い出されてしまい、遊技機を設置している遊技ホールにて多大な被害が発生することを抑制することが可能となる。
手段G8.手段G1乃至G7のいずれか1において、対応している遊技媒体の払出数が異なっている払出指令情報が複数種設定されており、
前記情報判定手段は、入力した払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数が、複数設定されている払出指令情報のうち一の払出指令情報によって払い出される遊技媒体の最大数以下である場合に、当該払出指令情報を正常なものであると判定することを特徴とする遊技機。
手段G8によれば、対応している遊技媒体の払出数が異なっている払出指令情報が複数種設定されており、一の払出指令情報によって払い出される遊技媒体の最大数以下である場合に、入力した払出指令情報が正常なものであると判定される。これにより、一の払出指令情報を入力したことによって最大数より多い遊技媒体の払出が行われることを抑制することが可能となる。よって、ノイズ等の影響のよって払出指令情報が書き換えられてしまい、一の払出指令情報によって多量の遊技媒体が払い出されてしまい、遊技機を設置している遊技ホールにて多大な被害が発生することを抑制することが可能となる。
手段G9.手段G1乃至G3のいずれか1において、対応している遊技媒体の払出数が異なっている払出指令情報が複数種設定されており、
各払出指令情報は、予め定められたビット数によって構成される複数の特定情報(上位情報,下位情報)からなり、
前記情報判定手段は、複数の特定情報を用いて、四則演算のうち予め定められた演算処理を行い、その演算結果が予め定められた特定結果となった場合、かつ入力した払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数が複数設定されている払出指令情報のうち一の払出指令情報によって払い出される遊技媒体の最大数以下である場合に、当該払出指令情報を正常なものであると特定することを特徴とする遊技機。
手段G9によれば、四則演算を用いた予め定められた演算処理の結果が特定結果となり、かつ払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数が一の払出指令情報によって払い出される遊技媒体の最大数以下である場合に正常な払出指令情報と判定される。
上記のように、払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数が、一の払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数の最大数よりも大きい場合に正常な払出指令情報ではないと判定することによって、ノイズ等の影響によって払出指令情報が書き換えられてしまった場合に、一の払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数の最大数よりも大量の遊技媒体を払い出してしまい、遊技機を設置している遊技ホールにて多大な被害が発生することを抑制できる。しかしながら、この場合、一の払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数の最大数以下における範囲内にて払出指令情報が書き換えられてしまった場合、当該払出指令情報が正常なものであると判定されてしまい、遊技媒体の払出が正常に行われないことが考えられる。
また、演算処理を実行し、その実行結果が予め定められたものとならなかった場合には正常な払出指令情報と判定しない構成とした。ノイズ等の影響によっていずれかのビットが書き換えられてしまった場合、演算処理の結果は異なるものとなる。これにより、ノイズ等の影響によって上記最大数以下の範囲内にて払出指令情報が書き換えられてしまったとしても、その払出指令情報が書き換えられてしまったと判定することが可能となる。しかしながら、ノイズ等の影響によって払出指令情報におけるビットが複数箇所書き換えられてしまった場合、払出指令情報が正常なものではないにも関わらず、演算処理の結果が偶然特定結果となってしまい当該払出指令情報が正常なものであると判定されることが考えられる。
これに対して本手段では、四則演算を用いた演算処理の実行と、払出指令情報に対応した遊技媒体の払出数によって当該払出指令情報が正常なものであるか否かを判定した。これにより、演算処理又は遊技媒体の払出数の判定のいずれか一方のみによって払出指令情報が正常なものであるか否かを特定する遊技機と比して、払出指令情報がノイズ等の影響によって書き換えられてしまった場合に、当該払出指令情報が書き換えられてしまったことを良好に発見できる。
手段G10.手段G1乃至G9のいずれか1において、前記払出制御手段は、前記情報判定手段によって正常な払出指令情報と判定されなかった場合に、当該払出指令情報に対応した前記払出数情報を前記払出数記憶手段に記憶させないことを特徴とする遊技機。
手段G10によれば、入力した払出指令情報が正常であると判定されなかった場合には当該払出指令情報に基づく遊技媒体の払出が行われない。これにより、ノイズ等の影響によって払出指令情報が書き換えられてしまい、多量の払出数に対応した払出指令情報が出力されたとしても、遊技機を設置している遊技ホール等にて多量の遊技媒体が払い出され被害が発生することを抑制することが可能となる。
手段G11.手段G1乃至G9のいずれか1において、対応している遊技媒体の払出数が異なっている払出指令情報が複数種設定されており、
前記払出制御手段は、前記情報判定手段によって正常な払出指令情報と判定されなかった場合に、当該払出指令情報に対応した払出数情報として予め定められた補正用払出数を前記払出数記憶手段に記憶させることを特徴とする遊技機。
手段G11によれば、払出指令情報が正常なものであると特定されなかったとしても、予め定められた補正用払出数の遊技媒体が払い出される。これにより、払出指令情報がノイズ等の影響によって書き換えられてしまったとしても、全く遊技媒体が遊技者に払い出されなくなることを抑制することが可能となる。
なお、「補正用払出数」は、一の遊技機において1種類のみ定められていてもよいし、複数種類定められていてもよい。
手段G12.手段G11において、前記補正用払出数は、複数種の払出指令情報のうち遊技媒体の払出数が最も少ない払出指令情報に設定されている遊技媒体の払出数と同数であることを特徴とする遊技機。
手段G12によれば、入力した払出指令情報が正常であると判定されなかった場合に、複数種の払出指令情報のうち遊技媒体の払出数が最も少ない払出指令情報と同数の遊技媒体が払い出される。これにより、払出指令情報がノイズ等の影響によって書き換えられてしまった場合に、遊技者に最低限の補償をすることが可能となる。
手段G13.手段G11において、前記補正用払出数は、複数種の払出指令情報に設定されている遊技媒体の払出数の平均値と同数であることを特徴とする遊技機。
手段G13によれば、入力した払出指令情報が正常であると判定されなかった場合に、複数種の払出指令情報に設定されている遊技媒体の払出数の平均値と同数の遊技媒体が払い出される。これにより、払出指令情報がノイズ等の影響によって書き換えられてしまった場合に、書き換えられる前の平均値にあたる遊技媒体数を払い出すことが可能となる。よって、払出指令情報が書き換えられてしまったとしても全く遊技媒体が遊技者に払い出されなり、遊技者に不利益が発生することを抑制できる。
手段G14.手段G11において、前記補正用払出数は、複数種の払出指令情報のうち遊技媒体の払出数が最も多い払出指令情報に設定されている遊技媒体の払出数と同数であることを特徴とする遊技機。
手段G14によれば、入力した払出指令情報が正常であると判定されなかった場合に、複数種の払出指令情報のうち遊技媒体の払出数が最も多い払出指令情報と同数の遊技媒体が払い出される。これにより、払出指令情報がノイズ等の影響によって書き換えられてしまった場合に、遊技者に最低限の補償をすることが可能となる。
手段G15.手段G1乃至G14のいずれか1において、外部電源から遊技機に電力が供給されていない電断状態において電断時電力を供給する電断時電源手段(電断時用電源部321c)を備え、
前記主制御手段は、
前記遊技内容が払出遊技内容となったことを特定する遊技内容特定手段(主側CPU311における読み込み処理を実行する機能)と、
当該遊技内容特定手段にて前記払出遊技内容となったことが特定された場合にその特定された払出遊技内容に対応した賞情報を記憶し、さらに自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受ける主側記憶手段(主側RAM313)と、
当該主側記憶手段に記憶されている賞情報に基づいて前記払出制御手段に前記払出指令情報を出力する払出指令情報出力手段(主側CPU311における払出用出力処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記払出制御手段は、前記払出数記憶手段を備えるとともに、前記払出指令情報に対応した払出数の情報又はそれに対応した情報を特定する賞払出数情報特定手段(払出側CPU331におけるステップS1805の賞球数特定処理を実行する機能)を備えており、
前記払出数記憶手段は、前記賞払出数情報特定手段に特定された払出数の情報又はそれに対応した情報として払出数情報を記憶し、さらには自身に電力が供給されている間は情報の記憶保持を可能とするとともに前記電断状態において前記電断時電力を受けないことを特徴とする遊技機。
手段G15によれば、主制御手段の主側記憶手段には電断時電力が供給されるのに対して、払出制御手段の払出側記憶手段には電断時電力が供給されない。これにより、主側記憶手段及び払出側記憶手段の両方に電断時電力が供給される構成に比べ、電断時記憶保持機能に関して低コスト化が図られる。
以上より、主制御手段から払出制御手段へ払出指令情報が出力されることで遊技媒体の払出が実行される遊技機において、払出制御手段について電断時記憶保持機能を不具備としたとしても、遊技媒体の払出を良好に行うことができる。