JP2004008320A - 貸出制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技媒体を適切に貸し出すことができる遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】払出制御基板Hが、カード読取ユニット15からの貸出要求信号40を受信することで貸球払出カウンタ33bに貸出個数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号41をカード読取ユニット15に出力し、遊技状態に応じた球の払出の要求があるときには、球の貸出よりも優先して払出を行うように制御するとともに、球の払出の要求がないときに、貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸出個数の分だけ、球の貸出を行うように制御しているので、遊技媒体である球を適切に貸し出すことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】払出制御基板Hが、カード読取ユニット15からの貸出要求信号40を受信することで貸球払出カウンタ33bに貸出個数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号41をカード読取ユニット15に出力し、遊技状態に応じた球の払出の要求があるときには、球の貸出よりも優先して払出を行うように制御するとともに、球の払出の要求がないときに、貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸出個数の分だけ、球の貸出を行うように制御しているので、遊技媒体である球を適切に貸し出すことができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシンあるいはコイン遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として一般的に知られているものに、例えばパチンコ機がある。パチンコ機における遊技は、遊技者が遊技場(例えばパチンコホール)から遊技媒体として球を借りて、換言すれば、遊技場が遊技者に球を貸し出して、その貸し出された球によって行われる。
【0003】
特に、最近のパチンコ機における球の貸出は、貸し出す球の個数が記憶された記憶媒体(例えばカード)を、パチンコ機の傍らに取り付けられた読取装置(例えばカード読取ユニット)に挿入して、挿入した状態でパチンコ機に配設された貸出ボタンを遊技者が押すことで行われる。
【0004】
貸出ボタンが押されると、球の貸出を要求する信号(以下、この信号を『貸出要求信号』とする)が、カード読取ユニットから球の払出を制御するための払出制御基板に出力され、球の貸出が実行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遊技媒体(パチンコ機の場合には球)を実際に貸し出す際に、払出制御基板が別の動作を行っていれば、その動作または貸出動作のいずれを行うかを選択することができずに、その結果、パチンコ機に不具合が発生する場合がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊技媒体を適切に貸し出すことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技媒体の払出を制御するための払出制御手段を備えた遊技機であって、前記払出制御手段は、前記遊技媒体の貸出を制御するための貸出制御装置から遊技媒体の貸出を要求する貸出要求信号を受信するたびに、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数を累積して記憶する貸出個数記憶手段を備え、さらに、前記払出制御手段は、前記貸出個数記憶手段に貸出個数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号を貸出制御装置に出力するように構成することを特徴とするものである。
【0008】
〔作用・効果〕請求項1に記載の発明によれば、遊技媒体の貸出を制御するための貸出制御装置から遊技媒体の貸出を要求する貸出要求信号を、遊技媒体の払出を制御するための払出制御手段が受信すると、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数が、その受信ごとに累積されて、貸出個数記憶手段に記憶される。払出制御手段は、貸出個数記憶手段に貸出個数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号を貸出制御装置に出力するように構成しているので、払出制御手段が別の動作を行っていたとしても、受付完了信号を貸出制御装置に出力することで、その動作または貸出動作のいずれかを選択することができ、遊技機に不具合が発生することなく、遊技媒体を適切に貸し出すことができる。
【0009】
なお、本明細書は、次のような遊技機およびそれに用いられる貸出制御装置に係る発明も開示している。
【0010】
(1)請求項1に記載の遊技機において、前記遊技機は、前記貸出制御装置を備えることを特徴とする遊技機。
【0011】
前記(1)の発明によれば、遊技機は、払出制御手段,貸出個数記憶手段の他に、貸出制御装置を備えているので、一連の遊技媒体の貸出を効率良く制御することができる。
【0012】
(2)請求項1に記載の遊技機において、前記貸出制御装置は、前記遊技機に着脱自在に取り付けられるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0013】
前記(2)の発明によれば、貸出制御装置は、遊技機に着脱自在に取り付けられるように構成されているので、前記(2)の発明は、貸出制御装置を有しない遊技機にも、貸出制御装置を有する遊技機にも適用することができるなど、汎用性の高い遊技機を実現することができる。
【0014】
(3)請求項1、前記(1)、または前記(2)のいずれかに記載の遊技機において、前記払出制御手段は、前記遊技媒体の貸出を所望するときのみ、前記貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ、遊技媒体の貸出を行うように制御することを特徴とする遊技機。
【0015】
前記(3)の発明によれば、遊技媒体の貸出を所望するときのみ、貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ、遊技媒体の貸出を行うように制御しているので、遊技媒体の貸出は、その遊技媒体の貸出を所望するときのみに行うことができ、払出制御手段は、貸出要求信号の受信および受付完了信号の出力のたびに貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数を正確に貸し出すことができる。
【0016】
(4)前記(3)に記載の遊技機において、前記払出制御手段は、遊技状態に応じた遊技媒体の払出の要求があるときには、前記遊技媒体の貸出よりも優先して払出を行うように制御するとともに、前記遊技媒体の払出の要求がないときに、貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ、遊技媒体の貸出を行うように制御することを特徴とする遊技機。
【0017】
従来、遊技媒体の払出と遊技媒体の貸出とを、遊技機に配設された1つの払出用のモータで行う場合には、球の払出を要求する信号(以下、この信号を『払出要求信号』とする)が貸出制御装置から払出制御手段に出力されるのと同時に、上述した貸出要求信号が貸出制御装置から払出制御手段に出力されると、払出制御手段は払出・貸出を区別することができずに、その結果、払出制御手段からエラー信号が出力されてしまう。前記(4)の発明によれば、遊技状態に応じた遊技媒体の払出の要求があるときには、遊技媒体の貸出よりも優先して払出を行うように制御しており、遊技媒体の払出の要求がないときに、貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ、遊技媒体の貸出を行うように制御しているので、遊技媒体の払出の要求と同時に貸出の要求がある場合においても、遊技媒体の貸出よりも優先して払出を行うとともに、貸出要求の信号の受信後に払出制御手段から受付完了信号の出力を行っている。従って、遊技媒体の払出時において、貸出制御装置から払出制御手段に出力される貸出要求信号によって、払出制御手段からエラー信号が出力されることなく、遊技媒体を適切に貸し出すことができる。
【0018】
(5)請求項1、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機は、遊技の制御をするための主制御手段を備えるとともに、前記主制御手段または払出制御手段または貸出制御装置は、手段あるいは装置内のデータの少なくとも一部を初期化またはクリアさせる操作を受けた場合にも、前記データを初期化またはクリアさせることなく保持するバックアップ保持手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0019】
前記(5)の発明によれば、データを初期化またはクリアさせることなく保持するバックアップ保持手段を、主制御手段または払出制御手段または貸出制御装置に備えることで、データの少なくとも一部を初期化またはクリアさせる操作を受けた場合にも、データを保持(バックアップ)することができる。なお、初期化またはクリアは、停電など遊技機の電源の切断によってデータが消去される場合を含む。かかる場合を防止するには、バックアップ保持手段を備えるのが有用である。記憶されるデータの種類としては、例えば以下のようなものが挙げられる。すなわち、払出制御手段内の貸出個数記憶手段に記憶される貸出個数を別途バックアップとして、バックアップ保持手段にも記憶してよいし、後述する(6)の発明において、払出制御手段内に記憶される払出個数を別途バックアップとして、バックアップ保持手段にも記憶してよい。
【0020】
(6)請求項1、前記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機は、遊技の制御をするための主制御手段を備えるとともに、前記払出制御手段は、前記主制御手段から遊技媒体の払出を要求する払出要求信号を受信するたびに、払出要求に応じた遊技媒体の払出個数を累積して記憶するとともに、遊技媒体を払い出すたびに払い出された個数の分だけ、払出個数を減算して記憶する払出個数記憶手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0021】
前記(6)の発明によれば、払出要求に応じて払出個数を累積して記憶し、払い出された個数の分だけ払出個数を減算して記憶する払出個数記憶手段を備えているので、停電など遊技機の電源の切断があっても払出個数記憶手段に記憶された払出個数のデータを保持して、遊技機の再起動後に払出個数の分だけ、遊技媒体を適切に払い出すことができる。
【0022】
(7)前記(6)に記載の遊技機において、前記貸出個数記憶手段と払出個数記憶手段とは、遊技媒体の貸出および払出個数の全個数を記憶する貸出・払出個数記憶手段から構成され、遊技媒体の貸出および払出を区別せずに遊技媒体の貸出および払出を行うことを特徴とする遊技機。
【0023】
前記(7)の発明によれば、貸出個数記憶手段と払出個数記憶手段とを貸出・払出個数記憶手段で構成し、貸出・払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の貸出および払出個数の全個数から、遊技媒体の貸出および払出を区別せずに遊技媒体の貸出および払出を行っているので、個々の記憶手段からなる記憶手段の全容量を低減させることができる。また、遊技者は、個々の遊技媒体について貸出・払出の区別をしていないので、貸出および払出が適切に行われていれば遊技に支障をきたすこともない。
【0024】
(8)請求項1、または前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、前記払出制御手段は、前記貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ遊技媒体を貸し出した後に、貸出を終了した貸出終了信号を前記貸出制御装置に出力することを特徴とする遊技機。
【0025】
前記(8)の発明によれば、払出制御手段が、貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ遊技媒体を貸し出した後に、貸出を終了した貸出終了信号を貸出制御装置に出力しているので、貸出の終了のタイミングを貸出制御装置が把握することができる。
【0026】
(9)請求項1、または前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機は、遊技媒体の貸出の指示を実行させるための貸出実行手段を備え、前記貸出実行手段を操作するたびに、前記貸出制御装置は、前記貸出要求信号を前記払出制御手段に出力することを特徴とする遊技機。
【0027】
前記(9)の発明によれば、遊技者が貸出実行手段を操作することで、その操作のたびに貸出制御装置から払出制御手段に貸出要求信号が出力されるので、貸出実行手段の操作によって貸出の要求のタイミングを払出制御手段が把握することができる。
【0028】
(10)請求項1、または前記(1)から(9)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0029】
前記(10)の発明によれば、遊技媒体を適切に貸し出すことができる遊技機を提供することができる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0030】
(11)請求項1、または前記(1)から(10)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0031】
前記(11)の発明によれば、遊技媒体を適切に貸し出すことができるスロットマシンを提供することができる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0032】
(12)請求項1、または前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0033】
前記(12)の発明によれば、遊技媒体を適切に貸し出すことができる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供することができる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0034】
(13)請求項1、または前記(1)から(12)のいずれかに記載の遊技機に用いられる貸出制御装置において、前記貸出制御装置は、遊技媒体の貸出個数が記憶された記憶媒体を読み取る読取手段を備えていることを特徴とする貸出制御装置。
【0035】
前記(13)の発明によれば、遊技者が、遊技媒体の貸出個数が記憶された記憶媒体を入手して、その記憶媒体を貸出制御装置に備えられた読取手段に読み取らすことで、遊技媒体の貸出個数分に応じた貸出要求を払出制御手段に実行させて、貸出を実行させることができる。また、遊技媒体の貸出個数分に応じて複数種類の記憶媒体を用意することで、遊技者は、遊技媒体の貸出個数分に応じて遊技を行うことができる。
【0036】
(14)前記(13)に記載の貸出制御装置において、前記貸出制御装置は、前記払出制御手段から前記受付完了信号を受信するたびに、前記記憶媒体に記憶された遊技媒体の貸出個数から、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数を減算して、減算された貸出個数に書き換えて記憶媒体に記憶するように制御することを特徴とする貸出制御装置。
【0037】
前記(14)の発明によれば、貸出制御装置が払出制御手段から受付完了信号を受信するたびに、記憶媒体に記憶された遊技媒体の貸出個数から、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数を減算して、減算された貸出個数に書き換えて記憶媒体に記憶するので、記憶媒体には貸出個数が常に適切に記憶される。
【0038】
(15)前記(14)に記載の貸出制御装置において、前記貸出制御装置は、前記記憶媒体に記憶された遊技媒体の貸出個数を記憶する貸出制御装置用の貸出個数記憶手段を備え、前記読取手段が記憶媒体を読み取ると記憶媒体に記憶された遊技媒体の貸出個数を読み出して、その個数分を前記貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に記憶し、前記払出制御手段から前記受付完了信号を受信するたびに、貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の貸出個数から、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数を減算して、減算された貸出個数に書き換えて貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に記憶することを特徴とする貸出制御装置。
【0039】
前記(15)の発明によれば、記憶媒体の読取時において貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に遊技媒体の貸出個数を記憶されているので、記憶媒体が破損しても貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に記憶された貸出個数のデータを保持して、遊技媒体を適切に貸し出すことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0041】
図1は、本実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれたポリカーボネート製の透明板1bに覆われている。
【0042】
図2に示すように、遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の普通入賞口5が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄等を表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)6が設けられている。このLCD6の表示画面は、例えば、縦方向に3分割されており、つまり、上段,中段,下段の3段で構成されており、3分割された各段の表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
【0043】
LCD6の上方には、表面に「○」と「×」との普通図柄が表示された2つのLED(発光ダイオード)9a,9bで構成された普通図柄表示装置9が配設されている。この普通図柄表示装置9では、遊技領域に打ち込まれた球がLCD6の両側に配設されたゲート10を通過した場合に、「○」と「×」とのLED9a,9bを交互に点灯させる変動表示が行われる。かかる変動表示が「○」のLED9aで終了した場合には、当りとなってLCD6の下方の普通電動役物7が所定時間(例えば0.5秒間)二点鎖線で示すように開放され、この普通電動役物7に球が入り易くなる。
【0044】
LCD6の下方に配設された普通電動役物7には、図柄作動口(第1種始動口)7aが設けられ、球がこの図柄作動口7aを通過することにより、前記したLCD6の変動表示が開始される。図柄作動口7aの下方には、特定入賞口(大入賞口)8が設けられている。この特定入賞口8は、LCD6の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
【0045】
この特定入賞口8内には、Vゾーン8aが設けられており、特定入賞口8の開放中に、球がVゾーン8a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口8の閉鎖後、再度、その特定入賞口8が所定時間(又は、特定入賞口8に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口8の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
【0046】
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD6の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0047】
また、図1に示すように、上受け皿2の上部中央には、後述するカード読取ユニット15により読み取られたカードの残高金額を表示する3つの7セグメントLEDにより構成された残高表示器11が配設されている。この残高表示器11の右側には、カード読取ユニット15のカード挿入口16に挿入されているカードを取り出すための返却ボタン12が配設され、残高表示器11の左側には、球の貸出(貸球)を開始するための貸出ボタン13が配設されている。この貸出ボタン13が遊技者により押下されると、カード読取ユニット15から後述するパチンコ機Pの払出制御基板Hへ貸出要求信号が出力される。貸出要求信号とは、カード読取ユニット15から球の貸出(貸球)を要求する信号である。この貸出ボタン13は、本発明における貸出実行手段に相当する。
【0048】
貸出ボタン13の左側上方には貸出が可能であるか否かを表示する貸出ボタンランプ14が配設されている。この貸出ボタンランプ14は、貸出が可能である場合、すなわち貸出ボタン13が押下可能な状態である場合に点灯され、貸出ができない場合、すなわち貸出ボタン13が押下不可能な状態である場合に消灯されるように構成されている。
【0049】
上記のように構成されたパチンコ機Pの左側には、正面視縦長の長方形状のカード読取ユニット15が並設されている。カード読取ユニット15は、カードに記憶された残高金額のデータを読み取るためのものであり、その上下方向における中央部分には、金額と同等の有価価値を有する(本実施例では球1個で4円分)カードを挿入するためのカード挿入口16が配設されている。カード読取ユニット15は、本発明における貸出制御装置、さらには読取手段にも相当し、カードは、本発明における記憶媒体に相当する。
【0050】
このカード挿入口16の上側には、カード挿入中ランプ17が、このカード挿入中ランプ17の上側には、三角形状に形成された上下1対の連結台方向表示ランプ18が、この1対の連結台方向表示ランプ18の上側には、LEDで構成されたカード利用可能ランプ19がそれぞれ配設されている。このカード挿入中ランプ17は、カードがカード挿入口16に挿入されている場合には点灯され、カードがカード挿入口16に挿入されていない場合には消灯される。また、1対の連結台方向表示ランプ18は、カード読取ユニット15が接続されているパチンコ機Pの配設(並設)方向を示すためのものである。よって、例えば、カード読取ユニット15が右側に並設されるパチンコ機Pに接続される場合には下側のLEDが点灯され、カード読取ユニット15が左側に並設されるパチンコ機Pに接続される場合には上側のLEDが点灯される。また、カード利用可能ランプ19は、例えば、カード挿入口16へカードが挿入可能である場合に点灯され、カード挿入口16へカードが挿入不可能である場合に消灯される。
【0051】
また、パチンコ機Pは、図3に示すように、このパチンコ機P全体を制御する主制御基板Cと、この主制御基板Cからの送信コマンドに従って動作する各種のサブ制御基板(例えば、払出制御基板H等)とを備えている。図3は、パチンコ機の電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ機の遊技内容の制御を行う主制御基板と、球の払出(賞球)や球の貸出(貸球)制御を行う払出制御基板と、遊技者によるカードの投入によりそのカードの残高を読み取って払出制御基板に球の貸出要求を行うカード読取ユニットとの電気的構成を示したブロック図である。なお、この主制御基板Cは、本発明における主制御手段に、この払出制御基板Hは、本発明における払出制御手段にそれぞれ相当する。
【0052】
パチンコ機Pの主制御基板Cは、演算装置であるワンチップマイコンとしてMPU20が搭載されている。このMPU20には、そのMPU20により実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM21と、そのROM21内に記憶される制御プログラムの実行に当って各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM22と、割込回路やタイマ回路やデータ送受信回路等の各種回路とが内蔵されている。
【0053】
MPU20は入出力ポート23に接続されている。入出力ポート23は、払出用モータ24によって賞球および貸球の払出制御を行う、すなわち球の払出および貸出を行う払出制御基板Hに、複数本の信号線を介して、主制御基板Cから払出制御基板Hへの方向のみ通信可能に接続されている。その他、入出力ポート23は、複数の普通入賞スイッチ25、第1種始動口スイッチ26、Vカウントスイッチ27、10カウントスイッチ28、他の入出力装置29、賞球カウントスイッチ30にそれぞれ接続されている。なお、払出制御基板Hのみならず、本実施例のパチンコ機は、主制御基板Cからサブ制御基板への方向のみ通信可能に構成されている。
【0054】
複数の普通入賞スイッチ25は、遊技盤1に設けられた複数の普通入賞口5へ入賞した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、各普通入賞口5の入口近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ26は、図柄作動口(第1種始動口)7aを通過した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口7aの近傍に設けられている。普通入賞スイッチ25のいずれかまたは第1種始動口スイッチ26によって球が検出されると、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払出に関するコマンドである払出要求信号が送信され、払出制御基板Hによって5個の賞球が払い出される。
【0055】
Vカウントスイッチ27は、特定入賞口8内のVゾーン8aへ入賞した球を検出するためのスイッチである。また、10カウントスイッチ28は、特定入賞口8内のVゾーン8a以外へ入賞した球を検出するためのスイッチである。Vカウントスイッチ27または10カウントスイッチ28により球が検出されると、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払出に関するコマンド(払出要求信号)が送信され、払出制御基板Hによって15個の賞球が払い出される。
【0056】
賞球カウントスイッチ30は、払出用モータ24によって払い出された賞球を検出するためのスイッチであり、払出用モータ24および後述する貸球カウントスイッチ30とともに払出ユニットSに搭載されている。払出用モータ24は賞球や貸球を払い出すためのモータ、すなわち球の払出および貸出を兼用するように構成されているモータであり、払出用モータ24の駆動は、払出制御基板Hによって制御される。
【0057】
払出制御基板Hは、演算装置であるワンチップマイコンとしてMPU31が搭載されている。MPU31には、そのMPU31により実行される制御プログラムや固定値データなどを記憶したROM32と、ワークメモリ等として使用されるRAM33と、割込回路やタイマ回路やデータ送受信回路等の各種回路とが内蔵されている。図6〜図9に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM32内に記憶されている。また、RAM33には、後述する賞球払出カウンタ33aと貸球払出カウンタ33bとが内蔵されている。
【0058】
MPU31は入出力ポート34に接続されている。入出力ポート34は、上述した主制御基板C、カード読取ユニット15に接続されている。その他、入出力ポート34は、他の入出力装置29、および払出ユニットSに搭載された払出用モータ24と賞球カウントスイッチ30と貸球カウントスイッチ35とに接続されている。
【0059】
カード読取ユニット15は、カードに記憶された残高金額のデータをカード挿入口16のカード読取部16aによって読み取るためのものであり、演算装置であるワンチップマイコンとしてMPU36が搭載されている。MPU36には、そのMPU36により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM37と、ワークメモリ等として使用されるRAM38と、割込回路やタイマ回路やデータ送受信回路等の各種回路とが内蔵されている。図4,および図5に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM37内に記憶されている。
【0060】
MPU36は入出力ポート39に接続されている。入出力ポート39は、上述した払出制御基板Hに接続されている。その他、入出力ポート39は、残高表示器11、返却ボタン12、貸出ボタン13、貸出ボタンランプ14、カード読取部16a、カード挿入中ランプ17、連結台方向表示ランプ18、カード利用可能ランプ19、貸球カウントスイッチ35にそれぞれ接続されている。
【0061】
上述した主制御基板CのRAM22、払出制御基板HのRAM33、カード読取ユニット15のRAM38は、バックアップエリアを備えており、これらのRAM22,33,38は、パチンコ機Pの電源オフ後においても、電源基板(図示省略)からバックアップ電圧が供給されており、データを保持(バックアップ)できるように構成されている。図3中では、主制御基板CにおけるRAM22のバックアップエリアの符号を22aで表すとともに、払出制御基板HにおけるRAM33のバックアップエリアの符号を33cで表し、カード読み取りユニット15におけるRAM38のバックアップエリアについては図示を省略する。なお、球の払出個数(賞球数)や球の貸出個数(貸球数)は、主制御基板CのRAM22内に常に書き込まれて記憶されているが、バックアップをとるために、後述する払出制御基板H内の賞球払出カウンタ33aおよび貸球払出カウンタ33bにも、上述した個数に関するデータがそれぞれ書き込まれて記憶される。バックアップエリア22a,33cは、本発明におけるバックアップ保持手段に相当する。
【0062】
続いて、払出制御基板H内の賞球払出カウンタ33aおよび貸球払出カウンタ33bについて、以下に説明する。
【0063】
賞球の払出に関するコマンドである払出要求信号40が主制御基板Cから払出制御基板Hに出力されるたびに、すなわち主制御基板Cが払出要求信号40を受信するたびに、払出制御基板H内の賞球払出カウンタ33aは、払出要求に応じた球の払出個数、すなわち賞球数を累積して記憶するとともに、賞球の払出のたびに払い出された個数の分だけ賞球数を減算して記憶するように構成されている。この払出制御基板H内の賞球払出カウンタ33aは、本発明における払出個数記憶手段に相当する。
【0064】
具体的に説明すると、本実施例では、普通入賞スイッチ17のいずれかまたは第1種始動口スイッチ26によって球が検出されると、5個の賞球の払出を要求する払出要求信号40が主制御基板Cから払出制御基板Hに出力され、その払出要求に応じた賞球数である『5』の値が賞球払出カウンタ33aに累積されて記憶される。また、Vカウントスイッチ27または10カウントスイッチ28により球が検出されると、15個の賞球の払出を要求する払出要求信号40が主制御基板Cから払出制御基板Hに出力され、その払出要求に応じた賞球数である『15』の値が賞球払出カウンタ33aに累積されて記憶される。賞球払出カウンタ33aに記憶された賞球数のデータは、賞球カウントスイッチ30が賞球を検出するたびに、賞球払出カウンタ33aの値を『1』ずつ減算する。
【0065】
一方、貸球の払出に関するコマンドである貸出要求信号41がカード読取ユニット15から払出制御基板Hに出力されるたびに、すなわち払出制御基板Hが貸出要求信号41を受信するたびに、払出制御基板H内の貸球払出カウンタ33bは、貸出要求に応じた球の貸出個数、すなわち貸球数を累積して記憶するように構成されている。この払出制御基板H内の貸球払出カウンタ33bは、本発明における貸出個数記憶手段に相当する。
【0066】
具体的に説明すると、本実施例では、貸出ボタン13が遊技者によって押下されると、25個の貸球の払出、すなわち25個の球の貸出を要求する貸出要求信号41がカード読取ユニット15から払出制御基板Hに出力され、その貸出要求に応じた貸球数である『25』の値が貸球払出カウンタ33bに累積されて記憶される。また、カード読取ユニット15からの貸出要求信号41を払出制御基板Hが受信することで貸球払出カウンタ33bに貸球数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号42を払出制御基板Hはカード読取ユニット15に出力する。
【0067】
賞球の払出の要求があるときには、貸球の払出よりも優先して賞球の払出を行い、賞球の払出の要求がないときに、貸球払出カウンタ33bに記憶された貸球のデータは、貸球カウントスイッチ35が貸球を検出するたびに、貸球払出カウンタ33bの値を『1』ずつ減算する。貸球払出カウンタ33bの値が『0』、つまり貸し出す球がなくなったときに、払出制御基板Hは払出動作処理を終了する。なお、本実施例では、貸出ボタン15を押下するたびに100円分の球が貸し出されるように遊技機Pは構成されている。すなわち、球1個で4円の場合には25個の球が貸し出される。
【0068】
具体的に説明すると、本実施例では、カードがカード挿入口16に挿入されると、カードに記憶されている残高金額のデータがカード読取部16aによって読み取られる。また、残高金額の値は残高表示器11に表示される。
【0069】
払出制御基板Hから上述した受付完了信号42をカード読取ユニット15が受信するたびに、カードに記憶された貸球数に相当する残高金額から、貸出要求に応じた貸球数である『25』の値に相当する金額を減算して、減算された貸球数に相当する金額に書き換えてカードに記憶する。
【0070】
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理について、図4〜図9のフローチャートを参照して説明する。図4は、カード読取ユニット15で実行される処理のフローチャートである。図4に示すように、カード読取ユニット15の電源が投入されると、カード読取ユニット15のMPU31は、RAM33の値を初期化して初期値を設定するなどの初期化処理を実行する(ステップS1)。次に、残高表示器11に残高数『00』を表示する(ステップS2)。その後は、カード読取ユニット15で常時実行されるメイン処理であるステップS3〜S14の各処理を繰り返す。
【0071】
具体的にメイン処理では、先ず、カード読取ユニット15が正常に作動するか否かを調べる(ステップS3)。使用可能状態でない場合、すなわちカード読取ユニット15が正常に作動していない場合には、貸出ボタンランプ14、連結台方向表示ランプ18、およびカード利用可能ランプ19を消灯し(ステップS4)、カード読取ユニット15が使用可能状態になるまでステップS3,S4の処理をループする。
【0072】
一方、カード読取ユニット15が使用可能状態であれば、貸出ボタンランプ14、連結台方向表示ランプ18、およびカード利用可能ランプ19を点灯し(ステップS5)、カード挿入口16にカードが挿入されているか否かを確認する(ステップS6)。確認の結果、カードが挿入されていれば、カード挿入中ランプ17を点灯し(ステップS7)、挿入されたカードの残高金額のデータをカード読取部16aにより読み込み、その残高金額の値を残高表示器11に表示する(ステップS8)。一方、カードが挿入されていなければ、カードが挿入されるまでステップS3〜S6の各処理を繰り返す。
【0073】
そして、カードの残高データがあるか否かを確認し(ステップS9)、残高データの値が『0』でなければ、貸出ボタン13が遊技者により押下されたか否かを確認する(ステップS10)。貸出ボタン13が押下されていれば、払出制御基板Hに貸球の払出、すなわち球の貸出を要求する信号出力処理(図5参照)を実行する(ステップS11)。なお、ステップS9の処理においてカードの残高金額のデータがない場合には、ステップS13の処理に跳ぶ。また、ステップS10の処理において貸出ボタン13が遊技者により押下されていない場合には、ステップS11の信号出力処理をスキップして、ステップS12の処理に跳ぶ。
【0074】
信号出力処理(ステップS11)の終了後は、返却ボタン12が遊技者により押下されたか否かを確認する(ステップS12)。返却ボタン12が押下されていれば、カード挿入口16に挿入されているカードを返却し(ステップS13)、カード挿入中ランプ17を消灯し、残高表示器11に残高数『00』を表示して(ステップS14)、ステップS3に戻る。一方、返却ボタン12が押下されていない場合には、ステップS13,14の各処理をスキップして、ステップS3に戻る。
【0075】
図5は、信号出力処理(ステップS11)のフローチャートである。この信号出力処理では、先ず、25個の貸球の払出、すなわち25個の球の貸出を要求する貸出要求信号41をカード読取ユニット15から払出制御基板Hに出力する(ステップS21)。払出制御基板Hに貸出要求信号41を出力した後、払出制御基板Hからの受付完了信号42をカード読取ユニット15が受信したか否かを確認する(ステップS22)。確認の結果、受付完了信号42を受信していれば、カードに記憶された貸球数に相当する残高金額から、貸出要求に応じた貸球数『25』に相当する金額を減算して、減算された貸球数に相当する金額に書き換えてカードに記憶する。また、書き換えられた残高金額のデータの値を残高表示器11に表示する(ステップS23)。一方、受付完了信号42を受信していなければ、受付完了信号42を受信するまでステップS22の処理をループする。
【0076】
残高金額の書き換え(ステップS23)の後、貸出ボタン13が遊技者により押下されたか否かを確認する(ステップS24)。貸出ボタン13が押下されていれば、ステップS21に戻り、この信号出力処理を繰り返す。貸出ボタン13が押下されていなければ、貸出ボタン13の押下回数と、押下回数1回当りの貸出要求に応じた貸球数(本実施例では25個)との積である貸球数分が全て貸し出されて貸出が終了したとして、この信号出力処理を終了する。
【0077】
次に、図6〜図9を参照して、払出制御基板Hで行われる賞球および貸球の払出処理、すなわち球の払出および貸出処理について説明する。図6は、払出制御基板Hが、賞球を要求する払出要求信号40および貸球を要求する貸出要求信号41を受信した際に実行される賞球および貸球の払出動作処理のフローチャートである。この払出動作処理により、賞球の払出においては、払出要求に応じた球の払出個数である賞球数が払出制御基板Hの賞球払出カウンタ33aに累積されて書き込まれ、貸球の払出、すなわち球の貸出においては、貸出要求に応じた球の貸出個数である貸球数が払出制御基板Hの貸球払出カウンタ33bが書き込まれ、さらに、貸出要求信号41を受信するたびに受付完了信号42が出力される。
【0078】
払出動作処理では、主制御基板Cから払出要求信号40を受信したか否かを確認(ステップS31)、あるいはカード読取ユニット15から貸出要求信号41を受信したか否かを確認する(ステップS32)。
【0079】
ステップS31の処理において払出要求信号40を受信していなければ、この払出動作処理を終了し、払出要求信号40を受信していれば、その払出要求に応じた賞球数の値を賞球払出カウンタ33aに累積して書き込む(ステップS33)。賞球数の値を賞球払出カウンタ33aに累積して書き込んだ後、賞球払出カウンタ33aの値が『0』であるか否かを確認する(ステップS34)。賞球払出カウンタ33aの値が『0』でない場合は、その値が『0』になるまでステップS34の処理をループする。賞球払出カウンタ33aの値が『0』になれば、カード読取ユニット15から貸出要求信号41を受信したか否かを確認する(ステップS35)。確認の結果、貸出要求信号41を受信していれば、後述するステップS36に跳ぶ。一方、貸出要求信号41を受信していなければ、この払出動作処理を終了する。
【0080】
ステップS32の処理において貸出要求信号41を受信していなければ、この払出動作処理を終了し、貸出要求信号41を受信していれば、その貸出要求に応じた貸球数の値を貸球払出カウンタ33bに累積して書き込み、カード読取ユニット15に受付完了信号42を出力する(ステップS36)。ステップS36の処理の後、主制御基板Cから払出要求信号40を受信したか否かを確認する(ステップS37)。確認の結果、払出要求信号40を受信していれば、ステップS33に跳ぶ。一方、払出要求信号40を受信していなければ、貸球払出カウンタ33bの値が『0』であるか否かを確認する(ステップS38)。貸球払出カウンタ33bの値が『0』でない場合は、その値が『0』になるまでステップS38の処理をループする。貸球払出カウンタ33bの値が『0』になれば、この払出動作処理を終了する。
【0081】
図7は、払出制御基板Hにおいて、後述する図8および図9に係るインターバルよりも短い(例えば0.5ms毎に発生する)インターバル割込処理により実行される払出用モータ駆動処理のフローチャートである。この払出用モータ駆動処理によって払出用モータ24が回転され、賞球および貸球の払出が行われる。なお、払い出された賞球数は、後述する賞球カウントスイッチ読込処理(図8参照)によってカウントされるとともに、払い出された貸球数は、後述する貸球カウンチスイッチ読込処理(図9参照)によってカウントされる。
【0082】
払出用モータ駆動処理では、賞球払出カウンタ33aの値が『0』であるか否かを確認(ステップS41)、あるいは貸球払出カウンタ33bの値が『0』であるか否かを確認する(ステップS42)。
【0083】
ステップS41の処理において賞球払出カウンタ33aの値が『0』でなければ、払出用モータ24を回転して賞球を払い出す(ステップS43)。一方、賞球払出カウンタ33aの値が『0』であれば、賞球の払出動作はすべて終了しているので、払出用モータ24を停止して(ステップS44)、この払出用モータ駆動処理を終了する。
【0084】
ステップS42の処理において貸球払出カウンタ33bの値が『0』でなければ、払出用モータ24を回転して貸球を払い出す、すなわち球を貸し出す(ステップS45)。一方、貸球払出カウンタ33bの値が『0』であれば、貸球の払出動作、すなわち球の貸出動作はすべて終了しているので、払出用モータ24を停止して(ステップS44)、この払出用モータ駆動処理を終了する。
【0085】
図8は、払出制御基板Hにおいて、図6に係るインターバルよりも長い(例えば2ms毎に発生する)インターバル割込処理により実行される賞球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。この賞球カウントスイッチ読込処理によって、実際に払い出された賞球の数がカウントされる。先ず、賞球カウントスイッチ30が賞球を検出したか否かを確認し(ステップS51)し、賞球を検出していれば、賞球払出カウンタ33aの値を『1』ずつ減算する(ステップS52)。一方、賞球カウントスイッチ30が賞球を検出していなければ、ステップS52の処理をスキップしてこの賞球カウントスイッチ読込処理を終了する。
【0086】
図9は、払出制御基板Hにおいて、図6に係るインターバルよりも長い(例えば2ms毎に発生する)インターバル割込処理により実行される貸球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。この貸球カウントスイッチ読込処理によって、実際に払い出された貸球の数がカウントされる。先ず、貸球カウントスイッチ35が貸球を検出したか否かを確認し(ステップS61)し、貸球を検出していれば、貸球払出カウンタ33bの値を『1』ずつ減算する(ステップS62)。一方、貸球カウントスイッチ35が貸球を検出していなければ、ステップS62の処理をスキップしてこの貸球カウントスイッチ読込処理を終了する。
【0087】
ここで、払出制御基板Hが払出要求信号40と貸出要求信号41とを同時に受信した場合に、球の払出および球の貸出(貸球の払出)を行うシーケンスについて、図10,図11を参照して説明する。図10(a)に示すように、払出制御基板Hが払出要求信号40と貸出要求信号41とを同時に受信すると、ステップS33およびステップS36でも述べたように、賞球数の値を賞球払出カウンタ33aに累積して書き込むとともに、貸球数の値を貸球払出カウンタ33bに累積して書き込んで、図10(b)に示すように、カード読取ユニット15に受付完了信号42を出力する。一方、賞球数の値を賞球払出カウンタ33aに書き込んだ後、ステップS34でも述べたように、賞球払出カウンタ33aの値が『0』であるか否かを確認する(図10(b)参照)。この賞球払出カウンタ33aの値は、上述した貸球カウンチスイッチ読込処理によるカウントによって『1』ずつ減算され(ステップS52参照)、賞球払出カウンタ33aの値が『0』になるまで、ステップS43およびステップS44でも述べたように、賞球の払出が行われる。
【0088】
上述した賞球の払出の間に、図10(c)に示すように、払出制御基板Hが貸出要求信号41を再度受信した場合には、貸球数の値を貸球払出カウンタ33bに累積して書き込んで、図10(d)に示すように、カード読取ユニット15に受付完了信号42を出力する。賞球の払出が終了するまでに、図10(c),図10(d)のような動作を繰り返す。
【0089】
賞球の払出が終了し、かつ、ステップS37でも述べたように、払出要求信号40を受信したか否かを確認して、確認の結果、受信していなければ、ステップS38でも述べたように、貸球払出カウンタ33bの値が『0』であるか否かを確認する(図11(a)参照)。
【0090】
この貸球払出カウンタ33bの値は、上述した貸球カウンチスイッチ読込処理によるカウントによって『1』ずつ減算され(ステップS62参照)、貸球払出カウンタ33bの値が『0』になるまで、ステップS44およびステップS45でも述べたように、貸球の払出、すなわち球の貸出が行われる。貸球の払出が終了すると、この貸球に関する払出動作処理を終了する(図11(b)参照)。
【0091】
上述したシーケンスから、払出の要求と貸出の要求とが同時にあっても、貸出よりも優先して(賞球の)払出を行い、(賞球の)払出がないときに貸出(貸球の払出)を行っている。
【0092】
上述したパチンコ機Pの構成によれば、カード読取ユニット15から球の貸出を要求する貸出要求信号41を払出制御基板Hが受信すると、貸出要求に応じた貸球数、すなわち球の貸出個数がその出力ごとに累積されて、貸球払出カウンタ33bに記憶される。
【0093】
払出制御基板Hは、貸球払出カウンタ33bに貸球数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号42をカード読取ユニット15に出力し、球の貸出を所望するときのみ、すなわち本実施例では賞球の払出の要求がないときに貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数の分だけ、賞球の払出、すなわち球の貸出を行うように制御しているので、払出制御基板Hが別の動作、すなわち本実施例では賞球の払出を行っていたとしても、その動作が終了した後に球の貸出を所望するときのみ球の貸出、すなわち貸球の払出を行えばよい。その結果、別の動作または貸出動作のいずれかを選択することができ、パチンコ機に不具合が発生することなく、球を適切に貸し出すことができる。
【0094】
また、球の貸出を所望するときのみ、貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数の分だけ、球の貸出を行うように制御しているので、球の貸出を所望するときのみに行うことができ、払出制御基板Hは、貸出要求信号41の受信および受付完了信号41の出力のたびに貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数を正確に貸し出すことができる。
【0095】
本実施例では、賞球の払出の要求があるときには、貸球の払出よりも優先して賞球の払出を行い、賞球の払出の要求がないときに、貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数の分だけ、賞球の払出、すなわち球の貸出を行うように制御しているので、球の払出の要求と同時に貸出の要求がある場合、すなわち、払出制御基板Hが払出要求信号40と貸出要求信号41とを同時に受信した場合においても、球の貸出よりも優先して払出を行うとともに、貸出要求信号41の受信後に払出制御基板Hから受付完了信号42の出力を行っている。従って、本実施例のように賞球および貸球の払出を1つの払出用モータ24で行う場合でも、球の払出時において、カード読取ユニット15から払出制御基板Hに出力される貸出要求信号41によって、払出制御基板Hからエラー信号が出力されることなく、球を適切に貸し出すことができる。
【0096】
また、カード読取ユニット15はパチンコ機Pに並設されており、このカード読取ユニット15はパチンコ機Pに着脱自在に取り付けられるように構成されている。従って、カード読取ユニット15を外して、カード読取ユニット15を有さないパチンコ機Pにも適用することができるし、カード読取ユニット15を取り付けたまま本実施例に係るパチンコ機Pのようにカード読取ユニット15を有ずるパチンコ機Pにも適用することができるなど、汎用性の高いパチンコ機Pを実現することができる。
【0097】
また、本実施例に係るパチンコ機Pにおいて、払出制御基板Hは、主制御基板Cから賞球の払出を要求する払出要求信号40を受信するたびに、払出要求に応じた賞球数、すなわち球の払出個数を累積して記憶するとともに、払い出された賞球数分だけ賞球数を減算して記憶する賞球払出カウンタ33aを備えているので、停電などパチンコ機Pの電源の切断があっても賞球払出カウンタ33aに記憶された賞球数のデータを保持して、パチンコ機Pの再起動後に賞球数分だけ、球を適切に払い出すことができる。
【0098】
また、本実施例に係るパチンコ機Pにおいて、パチンコ機Pは貸出ボタン13を備え、貸出ボタン13を押下するたびに、カード読取ユニット15は、貸出要求信号41を払出制御基板Hに出力しているので、貸出ボタン13の押下操作によって貸出の要求のタイミングを払出制御基板Hが把握することができる。
【0099】
また、本実施例に係るパチンコ機Pにおいて、遊技者が、貸球数(残高)が記憶されたカードを入手して、そのカードをカード読取ユニット15のカード読取部16aに読み取らすことで、貸球数に応じた貸出要求を払出制御基板Hに実行させて、貸出を実行させることができる。また、球の貸出個数(貸球数)分に応じて複数種類のカード、例えば2,000円(貸球が500個)分,10,000円(貸球が2,500個)分のカードを用意することで、遊技者は、貸球数に応じて遊技を行うことができる。
【0100】
また、本実施例に係るパチンコ機Pにおいて、カード読取ユニット15が払出制御基板Hから受付完了信号42を受信するたびに、カードに記憶された貸球数分から、貸出要求に応じた貸球数(本実施例では25個)を減算して、減算された貸球数に書き換えてカードに記憶するので、カードには貸球数が常に適切に記憶される。
【0101】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0102】
(1)上述した実施例では、パチンコ機Pは、主制御基板Cからサブ制御基板への方向のみ通信可能に構成されていたが、主制御基板Cとサブ制御基板との間で双方向に通信可能に構成されていてもよい。
【0103】
(2)上述した実施例では、1回の貸出ボタン13で押下して貸し出される貸球の数は25個であったが、貸球数の数については特に限定されない。また、貸球数を適宜変更するように構成してもよい。
【0104】
(3)上述した実施例では、球の貸出個数が記憶された本発明における記憶媒体は、カードであったが、CD−ROM等に例示されるように通常に用いられる記憶媒体であれば、特に限定されない。
【0105】
(4)上述した実施例では、バックアップをとるために、カード読取ユニット15内にも貸球払出カウンタを備えてもよい。具体的には、カード読取ユニット15がカードを読み取るとカードに記憶された球の貸出個数(貸出数)を読み出して、その個数分をカード読取ユニット15内の貸球払出カウンタに記憶し、払出制御基板Hから受付完了信号42を受信するたびに、その貸球払出カウンタに記憶された球の貸出個数から、貸出要求に応じた球の貸出個数を減算して、減算された貸出個数に書き換えて、その貸球払出カウンタに記憶してもよい。なお、貸出終了の時点においては、カードに最終的な貸球数を記憶するようにする。
【0106】
この変形例によれば、カード読取ユニット15内の貸球払出カウンタにも貸球数が記憶されるので、カードが破損しても貸球払出カウンタに記憶された貸球数のデータを保持して、球を適切に貸し出すことができる。
【0107】
(5)上述した実施例では、球の貸出を実行させるための本発明における貸出実行手段は、貸出ボタン13であったが、貸出ボタン13に限定されない。例えば、タッチパネルに接触することで貸出を実行させてもよいし、つまみを引き上げることで貸出を実行させてもよい。
【0108】
(6)上述した実施例では、貸球払出カウンタの値が0になった後、貸球の払出動作処理を終了していたが、貸出の終了のタイミングをカード読取ユニット15が把握することができるように、貸出を終了した貸出終了信号を払出制御基板Cからカード読取ユニット15に出力してもよい。
【0109】
この場合におけるカード読取ユニットで実行される信号出力処理のフローチャートは、図12に示す通りであって、払出制御基板で実行される賞球および貸球の払出動作処理のフローチャートは、図13に示す通りである。図12のフローチャートでは、図5のステップS24での貸出ボタン押下の後に、貸出終了信号の受信のステップS25が加わるとともに、図13のフローチャートでは、図6のステップS38での貸球払出カウンタの値が0の確認の後に貸出終了信号の出力のステップS39が新たに加わる。
【0110】
すなわち、図13のフローチャートでは、ステップS38で貸球払出カウンタ33bの値が『0』であるか否かを確認し、貸球払出カウンタ33bの値が『0』でない場合は、その値が『0』になるまでステップS38の処理をループする。貸球払出カウンタ33bの値が『0』になれば、払出制御基板Hは、貸出を終了する貸出終了信号をカード読取ユニット15に出力し(ステップS39)、この払出動作処理を終了する。
【0111】
一方、図12のフローチャートでは、ステップS24で貸出ボタン13が押下されていなければ、払出制御基板Hからの貸出終了信号をカード読取ユニット15が受信したか否かを確認する(ステップS25)。確認の結果、貸出終了信号を受信していれば、貸出ボタン13の押下回数と、押下回数1回当りの貸出要求に応じた貸球数(本実施例では25個)との積である貸球数分が全て貸し出されて貸出が終了したとして、この信号出力処理を終了する。一方、貸出終了信号を受信していなければ、ステップS24に戻る。
【0112】
この変形例によれば、払出制御基板Hは、貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数分だけ球を貸し出した後に、貸出を終了した貸出終了信号をカード読取ユニット15に出力しているので、貸出の終了のタイミングをカード読取ユニット15が把握することができる。
【0113】
(7)上述した実施例では、賞球払出カウンタ33aと貸球払出カウンタ33bとを個別に備え、賞球数を賞球払出カウンタ33aに、貸球数を貸球払出カウンタ33bにそれぞれ記憶させたが、貸出および払出を区別せずに賞球数および貸球数の全個数を1つのRAMに記憶させてもよい。このRAMは、本発明における貸出・払出個数記憶手段に相当する。
【0114】
貸出および払出を区別せずに賞球数および貸球数の全個数を1つのRAMに記憶させた場合に、記憶手段の全容量を低減させることができる。また、遊技者は、個々の球について貸出・払出の区別をしていないので、貸出および払出が適切に行われていれば遊技に支障をきたすこともない。
【0115】
なお、貸出・払出を区別しない場合には、賞球カウントスイッチ30および貸球カウントスイッチ35も1つのカウントスイッチで構成してもよい。この場合には、賞球・貸球の区別なくカウントスイッチが払出を検出するたびに、上述したRAMに記憶された賞球および貸球の全個数のデータから『1』ずつ減算される。
【0116】
(8)上述した実施例では、バックアップをとるために、賞球数を記憶する賞球払出カウンタ33aを払出制御基板Hに備えたが、主制御基板Cのみに賞球払出カウンタ33aを備えてもよい。
【0117】
(9)上述した実施例では、カード読取ユニット15をパチンコ機Pとは別体で備えたが、カード読取ユニット15に相当する機能を、パチンコ機P内に備えてもよい。この場合、一連の球の貸出を効率良く制御することができる。
【0118】
(10)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0119】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0120】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0121】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、払出制御手段が、貸出制御装置からの貸出要求信号を受信することで貸出個数記憶手段に貸出個数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号を貸出制御装置に出力するように構成しているので、遊技機に不具合が発生することなく、遊技媒体を適切に貸し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のカード読取ユニットを含んだパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】カード読取ユニットを含んだパチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】カード読取ユニットで実行される処理のフローチャートである。
【図5】カード読取ユニットで実行される信号出力処理のフローチャートである。
【図6】払出制御基板で実行される賞球および貸球の払出動作処理のフローチャートである。
【図7】払出制御基板で実行される払出用モータ駆動処理のフローチャートである。
【図8】払出制御基板で実行される賞球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。
【図9】払出制御基板で実行される貸球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。
【図10】(a)〜(d)は、払出制御基板が払出要求信号と貸出要求信号とを同時に受信した場合でのシーケンスを説明するための図である。
【図11】(a),(b)は、払出制御基板が払出要求信号と貸出要求信号とを同時に受信した場合でのシーケンスを説明するための図である。
【図12】貸出終了信号を受信する際におけるカード読取ユニットで実行される信号出力処理のフローチャートである。
【図13】貸出終了信号を出力する際における払出制御基板で実行される賞球および貸球の払出動作処理のフローチャートである。
【符号の説明】
15 … カード読取ユニット(貸出制御装置,読取手段)
23 … 貸出ボタン(貸出実行手段)
33a … 賞球払出カウンタ(払出個数記憶手段)
33b … 貸球払出カウンタ(貸出個数記憶手段)
C … 主制御基板(主制御手段)
H … 払出制御基板(払出制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシンあるいはコイン遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として一般的に知られているものに、例えばパチンコ機がある。パチンコ機における遊技は、遊技者が遊技場(例えばパチンコホール)から遊技媒体として球を借りて、換言すれば、遊技場が遊技者に球を貸し出して、その貸し出された球によって行われる。
【0003】
特に、最近のパチンコ機における球の貸出は、貸し出す球の個数が記憶された記憶媒体(例えばカード)を、パチンコ機の傍らに取り付けられた読取装置(例えばカード読取ユニット)に挿入して、挿入した状態でパチンコ機に配設された貸出ボタンを遊技者が押すことで行われる。
【0004】
貸出ボタンが押されると、球の貸出を要求する信号(以下、この信号を『貸出要求信号』とする)が、カード読取ユニットから球の払出を制御するための払出制御基板に出力され、球の貸出が実行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遊技媒体(パチンコ機の場合には球)を実際に貸し出す際に、払出制御基板が別の動作を行っていれば、その動作または貸出動作のいずれを行うかを選択することができずに、その結果、パチンコ機に不具合が発生する場合がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊技媒体を適切に貸し出すことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技媒体の払出を制御するための払出制御手段を備えた遊技機であって、前記払出制御手段は、前記遊技媒体の貸出を制御するための貸出制御装置から遊技媒体の貸出を要求する貸出要求信号を受信するたびに、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数を累積して記憶する貸出個数記憶手段を備え、さらに、前記払出制御手段は、前記貸出個数記憶手段に貸出個数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号を貸出制御装置に出力するように構成することを特徴とするものである。
【0008】
〔作用・効果〕請求項1に記載の発明によれば、遊技媒体の貸出を制御するための貸出制御装置から遊技媒体の貸出を要求する貸出要求信号を、遊技媒体の払出を制御するための払出制御手段が受信すると、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数が、その受信ごとに累積されて、貸出個数記憶手段に記憶される。払出制御手段は、貸出個数記憶手段に貸出個数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号を貸出制御装置に出力するように構成しているので、払出制御手段が別の動作を行っていたとしても、受付完了信号を貸出制御装置に出力することで、その動作または貸出動作のいずれかを選択することができ、遊技機に不具合が発生することなく、遊技媒体を適切に貸し出すことができる。
【0009】
なお、本明細書は、次のような遊技機およびそれに用いられる貸出制御装置に係る発明も開示している。
【0010】
(1)請求項1に記載の遊技機において、前記遊技機は、前記貸出制御装置を備えることを特徴とする遊技機。
【0011】
前記(1)の発明によれば、遊技機は、払出制御手段,貸出個数記憶手段の他に、貸出制御装置を備えているので、一連の遊技媒体の貸出を効率良く制御することができる。
【0012】
(2)請求項1に記載の遊技機において、前記貸出制御装置は、前記遊技機に着脱自在に取り付けられるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0013】
前記(2)の発明によれば、貸出制御装置は、遊技機に着脱自在に取り付けられるように構成されているので、前記(2)の発明は、貸出制御装置を有しない遊技機にも、貸出制御装置を有する遊技機にも適用することができるなど、汎用性の高い遊技機を実現することができる。
【0014】
(3)請求項1、前記(1)、または前記(2)のいずれかに記載の遊技機において、前記払出制御手段は、前記遊技媒体の貸出を所望するときのみ、前記貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ、遊技媒体の貸出を行うように制御することを特徴とする遊技機。
【0015】
前記(3)の発明によれば、遊技媒体の貸出を所望するときのみ、貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ、遊技媒体の貸出を行うように制御しているので、遊技媒体の貸出は、その遊技媒体の貸出を所望するときのみに行うことができ、払出制御手段は、貸出要求信号の受信および受付完了信号の出力のたびに貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数を正確に貸し出すことができる。
【0016】
(4)前記(3)に記載の遊技機において、前記払出制御手段は、遊技状態に応じた遊技媒体の払出の要求があるときには、前記遊技媒体の貸出よりも優先して払出を行うように制御するとともに、前記遊技媒体の払出の要求がないときに、貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ、遊技媒体の貸出を行うように制御することを特徴とする遊技機。
【0017】
従来、遊技媒体の払出と遊技媒体の貸出とを、遊技機に配設された1つの払出用のモータで行う場合には、球の払出を要求する信号(以下、この信号を『払出要求信号』とする)が貸出制御装置から払出制御手段に出力されるのと同時に、上述した貸出要求信号が貸出制御装置から払出制御手段に出力されると、払出制御手段は払出・貸出を区別することができずに、その結果、払出制御手段からエラー信号が出力されてしまう。前記(4)の発明によれば、遊技状態に応じた遊技媒体の払出の要求があるときには、遊技媒体の貸出よりも優先して払出を行うように制御しており、遊技媒体の払出の要求がないときに、貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ、遊技媒体の貸出を行うように制御しているので、遊技媒体の払出の要求と同時に貸出の要求がある場合においても、遊技媒体の貸出よりも優先して払出を行うとともに、貸出要求の信号の受信後に払出制御手段から受付完了信号の出力を行っている。従って、遊技媒体の払出時において、貸出制御装置から払出制御手段に出力される貸出要求信号によって、払出制御手段からエラー信号が出力されることなく、遊技媒体を適切に貸し出すことができる。
【0018】
(5)請求項1、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機は、遊技の制御をするための主制御手段を備えるとともに、前記主制御手段または払出制御手段または貸出制御装置は、手段あるいは装置内のデータの少なくとも一部を初期化またはクリアさせる操作を受けた場合にも、前記データを初期化またはクリアさせることなく保持するバックアップ保持手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0019】
前記(5)の発明によれば、データを初期化またはクリアさせることなく保持するバックアップ保持手段を、主制御手段または払出制御手段または貸出制御装置に備えることで、データの少なくとも一部を初期化またはクリアさせる操作を受けた場合にも、データを保持(バックアップ)することができる。なお、初期化またはクリアは、停電など遊技機の電源の切断によってデータが消去される場合を含む。かかる場合を防止するには、バックアップ保持手段を備えるのが有用である。記憶されるデータの種類としては、例えば以下のようなものが挙げられる。すなわち、払出制御手段内の貸出個数記憶手段に記憶される貸出個数を別途バックアップとして、バックアップ保持手段にも記憶してよいし、後述する(6)の発明において、払出制御手段内に記憶される払出個数を別途バックアップとして、バックアップ保持手段にも記憶してよい。
【0020】
(6)請求項1、前記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機は、遊技の制御をするための主制御手段を備えるとともに、前記払出制御手段は、前記主制御手段から遊技媒体の払出を要求する払出要求信号を受信するたびに、払出要求に応じた遊技媒体の払出個数を累積して記憶するとともに、遊技媒体を払い出すたびに払い出された個数の分だけ、払出個数を減算して記憶する払出個数記憶手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0021】
前記(6)の発明によれば、払出要求に応じて払出個数を累積して記憶し、払い出された個数の分だけ払出個数を減算して記憶する払出個数記憶手段を備えているので、停電など遊技機の電源の切断があっても払出個数記憶手段に記憶された払出個数のデータを保持して、遊技機の再起動後に払出個数の分だけ、遊技媒体を適切に払い出すことができる。
【0022】
(7)前記(6)に記載の遊技機において、前記貸出個数記憶手段と払出個数記憶手段とは、遊技媒体の貸出および払出個数の全個数を記憶する貸出・払出個数記憶手段から構成され、遊技媒体の貸出および払出を区別せずに遊技媒体の貸出および払出を行うことを特徴とする遊技機。
【0023】
前記(7)の発明によれば、貸出個数記憶手段と払出個数記憶手段とを貸出・払出個数記憶手段で構成し、貸出・払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の貸出および払出個数の全個数から、遊技媒体の貸出および払出を区別せずに遊技媒体の貸出および払出を行っているので、個々の記憶手段からなる記憶手段の全容量を低減させることができる。また、遊技者は、個々の遊技媒体について貸出・払出の区別をしていないので、貸出および払出が適切に行われていれば遊技に支障をきたすこともない。
【0024】
(8)請求項1、または前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、前記払出制御手段は、前記貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ遊技媒体を貸し出した後に、貸出を終了した貸出終了信号を前記貸出制御装置に出力することを特徴とする遊技機。
【0025】
前記(8)の発明によれば、払出制御手段が、貸出個数記憶手段に累積記憶された貸出個数の分だけ遊技媒体を貸し出した後に、貸出を終了した貸出終了信号を貸出制御装置に出力しているので、貸出の終了のタイミングを貸出制御装置が把握することができる。
【0026】
(9)請求項1、または前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機は、遊技媒体の貸出の指示を実行させるための貸出実行手段を備え、前記貸出実行手段を操作するたびに、前記貸出制御装置は、前記貸出要求信号を前記払出制御手段に出力することを特徴とする遊技機。
【0027】
前記(9)の発明によれば、遊技者が貸出実行手段を操作することで、その操作のたびに貸出制御装置から払出制御手段に貸出要求信号が出力されるので、貸出実行手段の操作によって貸出の要求のタイミングを払出制御手段が把握することができる。
【0028】
(10)請求項1、または前記(1)から(9)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0029】
前記(10)の発明によれば、遊技媒体を適切に貸し出すことができる遊技機を提供することができる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0030】
(11)請求項1、または前記(1)から(10)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0031】
前記(11)の発明によれば、遊技媒体を適切に貸し出すことができるスロットマシンを提供することができる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0032】
(12)請求項1、または前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0033】
前記(12)の発明によれば、遊技媒体を適切に貸し出すことができる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供することができる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0034】
(13)請求項1、または前記(1)から(12)のいずれかに記載の遊技機に用いられる貸出制御装置において、前記貸出制御装置は、遊技媒体の貸出個数が記憶された記憶媒体を読み取る読取手段を備えていることを特徴とする貸出制御装置。
【0035】
前記(13)の発明によれば、遊技者が、遊技媒体の貸出個数が記憶された記憶媒体を入手して、その記憶媒体を貸出制御装置に備えられた読取手段に読み取らすことで、遊技媒体の貸出個数分に応じた貸出要求を払出制御手段に実行させて、貸出を実行させることができる。また、遊技媒体の貸出個数分に応じて複数種類の記憶媒体を用意することで、遊技者は、遊技媒体の貸出個数分に応じて遊技を行うことができる。
【0036】
(14)前記(13)に記載の貸出制御装置において、前記貸出制御装置は、前記払出制御手段から前記受付完了信号を受信するたびに、前記記憶媒体に記憶された遊技媒体の貸出個数から、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数を減算して、減算された貸出個数に書き換えて記憶媒体に記憶するように制御することを特徴とする貸出制御装置。
【0037】
前記(14)の発明によれば、貸出制御装置が払出制御手段から受付完了信号を受信するたびに、記憶媒体に記憶された遊技媒体の貸出個数から、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数を減算して、減算された貸出個数に書き換えて記憶媒体に記憶するので、記憶媒体には貸出個数が常に適切に記憶される。
【0038】
(15)前記(14)に記載の貸出制御装置において、前記貸出制御装置は、前記記憶媒体に記憶された遊技媒体の貸出個数を記憶する貸出制御装置用の貸出個数記憶手段を備え、前記読取手段が記憶媒体を読み取ると記憶媒体に記憶された遊技媒体の貸出個数を読み出して、その個数分を前記貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に記憶し、前記払出制御手段から前記受付完了信号を受信するたびに、貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の貸出個数から、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数を減算して、減算された貸出個数に書き換えて貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に記憶することを特徴とする貸出制御装置。
【0039】
前記(15)の発明によれば、記憶媒体の読取時において貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に遊技媒体の貸出個数を記憶されているので、記憶媒体が破損しても貸出制御装置用の貸出個数記憶手段に記憶された貸出個数のデータを保持して、遊技媒体を適切に貸し出すことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0041】
図1は、本実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれたポリカーボネート製の透明板1bに覆われている。
【0042】
図2に示すように、遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の普通入賞口5が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄等を表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)6が設けられている。このLCD6の表示画面は、例えば、縦方向に3分割されており、つまり、上段,中段,下段の3段で構成されており、3分割された各段の表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
【0043】
LCD6の上方には、表面に「○」と「×」との普通図柄が表示された2つのLED(発光ダイオード)9a,9bで構成された普通図柄表示装置9が配設されている。この普通図柄表示装置9では、遊技領域に打ち込まれた球がLCD6の両側に配設されたゲート10を通過した場合に、「○」と「×」とのLED9a,9bを交互に点灯させる変動表示が行われる。かかる変動表示が「○」のLED9aで終了した場合には、当りとなってLCD6の下方の普通電動役物7が所定時間(例えば0.5秒間)二点鎖線で示すように開放され、この普通電動役物7に球が入り易くなる。
【0044】
LCD6の下方に配設された普通電動役物7には、図柄作動口(第1種始動口)7aが設けられ、球がこの図柄作動口7aを通過することにより、前記したLCD6の変動表示が開始される。図柄作動口7aの下方には、特定入賞口(大入賞口)8が設けられている。この特定入賞口8は、LCD6の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
【0045】
この特定入賞口8内には、Vゾーン8aが設けられており、特定入賞口8の開放中に、球がVゾーン8a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口8の閉鎖後、再度、その特定入賞口8が所定時間(又は、特定入賞口8に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口8の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
【0046】
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD6の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0047】
また、図1に示すように、上受け皿2の上部中央には、後述するカード読取ユニット15により読み取られたカードの残高金額を表示する3つの7セグメントLEDにより構成された残高表示器11が配設されている。この残高表示器11の右側には、カード読取ユニット15のカード挿入口16に挿入されているカードを取り出すための返却ボタン12が配設され、残高表示器11の左側には、球の貸出(貸球)を開始するための貸出ボタン13が配設されている。この貸出ボタン13が遊技者により押下されると、カード読取ユニット15から後述するパチンコ機Pの払出制御基板Hへ貸出要求信号が出力される。貸出要求信号とは、カード読取ユニット15から球の貸出(貸球)を要求する信号である。この貸出ボタン13は、本発明における貸出実行手段に相当する。
【0048】
貸出ボタン13の左側上方には貸出が可能であるか否かを表示する貸出ボタンランプ14が配設されている。この貸出ボタンランプ14は、貸出が可能である場合、すなわち貸出ボタン13が押下可能な状態である場合に点灯され、貸出ができない場合、すなわち貸出ボタン13が押下不可能な状態である場合に消灯されるように構成されている。
【0049】
上記のように構成されたパチンコ機Pの左側には、正面視縦長の長方形状のカード読取ユニット15が並設されている。カード読取ユニット15は、カードに記憶された残高金額のデータを読み取るためのものであり、その上下方向における中央部分には、金額と同等の有価価値を有する(本実施例では球1個で4円分)カードを挿入するためのカード挿入口16が配設されている。カード読取ユニット15は、本発明における貸出制御装置、さらには読取手段にも相当し、カードは、本発明における記憶媒体に相当する。
【0050】
このカード挿入口16の上側には、カード挿入中ランプ17が、このカード挿入中ランプ17の上側には、三角形状に形成された上下1対の連結台方向表示ランプ18が、この1対の連結台方向表示ランプ18の上側には、LEDで構成されたカード利用可能ランプ19がそれぞれ配設されている。このカード挿入中ランプ17は、カードがカード挿入口16に挿入されている場合には点灯され、カードがカード挿入口16に挿入されていない場合には消灯される。また、1対の連結台方向表示ランプ18は、カード読取ユニット15が接続されているパチンコ機Pの配設(並設)方向を示すためのものである。よって、例えば、カード読取ユニット15が右側に並設されるパチンコ機Pに接続される場合には下側のLEDが点灯され、カード読取ユニット15が左側に並設されるパチンコ機Pに接続される場合には上側のLEDが点灯される。また、カード利用可能ランプ19は、例えば、カード挿入口16へカードが挿入可能である場合に点灯され、カード挿入口16へカードが挿入不可能である場合に消灯される。
【0051】
また、パチンコ機Pは、図3に示すように、このパチンコ機P全体を制御する主制御基板Cと、この主制御基板Cからの送信コマンドに従って動作する各種のサブ制御基板(例えば、払出制御基板H等)とを備えている。図3は、パチンコ機の電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ機の遊技内容の制御を行う主制御基板と、球の払出(賞球)や球の貸出(貸球)制御を行う払出制御基板と、遊技者によるカードの投入によりそのカードの残高を読み取って払出制御基板に球の貸出要求を行うカード読取ユニットとの電気的構成を示したブロック図である。なお、この主制御基板Cは、本発明における主制御手段に、この払出制御基板Hは、本発明における払出制御手段にそれぞれ相当する。
【0052】
パチンコ機Pの主制御基板Cは、演算装置であるワンチップマイコンとしてMPU20が搭載されている。このMPU20には、そのMPU20により実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM21と、そのROM21内に記憶される制御プログラムの実行に当って各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM22と、割込回路やタイマ回路やデータ送受信回路等の各種回路とが内蔵されている。
【0053】
MPU20は入出力ポート23に接続されている。入出力ポート23は、払出用モータ24によって賞球および貸球の払出制御を行う、すなわち球の払出および貸出を行う払出制御基板Hに、複数本の信号線を介して、主制御基板Cから払出制御基板Hへの方向のみ通信可能に接続されている。その他、入出力ポート23は、複数の普通入賞スイッチ25、第1種始動口スイッチ26、Vカウントスイッチ27、10カウントスイッチ28、他の入出力装置29、賞球カウントスイッチ30にそれぞれ接続されている。なお、払出制御基板Hのみならず、本実施例のパチンコ機は、主制御基板Cからサブ制御基板への方向のみ通信可能に構成されている。
【0054】
複数の普通入賞スイッチ25は、遊技盤1に設けられた複数の普通入賞口5へ入賞した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、各普通入賞口5の入口近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ26は、図柄作動口(第1種始動口)7aを通過した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口7aの近傍に設けられている。普通入賞スイッチ25のいずれかまたは第1種始動口スイッチ26によって球が検出されると、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払出に関するコマンドである払出要求信号が送信され、払出制御基板Hによって5個の賞球が払い出される。
【0055】
Vカウントスイッチ27は、特定入賞口8内のVゾーン8aへ入賞した球を検出するためのスイッチである。また、10カウントスイッチ28は、特定入賞口8内のVゾーン8a以外へ入賞した球を検出するためのスイッチである。Vカウントスイッチ27または10カウントスイッチ28により球が検出されると、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払出に関するコマンド(払出要求信号)が送信され、払出制御基板Hによって15個の賞球が払い出される。
【0056】
賞球カウントスイッチ30は、払出用モータ24によって払い出された賞球を検出するためのスイッチであり、払出用モータ24および後述する貸球カウントスイッチ30とともに払出ユニットSに搭載されている。払出用モータ24は賞球や貸球を払い出すためのモータ、すなわち球の払出および貸出を兼用するように構成されているモータであり、払出用モータ24の駆動は、払出制御基板Hによって制御される。
【0057】
払出制御基板Hは、演算装置であるワンチップマイコンとしてMPU31が搭載されている。MPU31には、そのMPU31により実行される制御プログラムや固定値データなどを記憶したROM32と、ワークメモリ等として使用されるRAM33と、割込回路やタイマ回路やデータ送受信回路等の各種回路とが内蔵されている。図6〜図9に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM32内に記憶されている。また、RAM33には、後述する賞球払出カウンタ33aと貸球払出カウンタ33bとが内蔵されている。
【0058】
MPU31は入出力ポート34に接続されている。入出力ポート34は、上述した主制御基板C、カード読取ユニット15に接続されている。その他、入出力ポート34は、他の入出力装置29、および払出ユニットSに搭載された払出用モータ24と賞球カウントスイッチ30と貸球カウントスイッチ35とに接続されている。
【0059】
カード読取ユニット15は、カードに記憶された残高金額のデータをカード挿入口16のカード読取部16aによって読み取るためのものであり、演算装置であるワンチップマイコンとしてMPU36が搭載されている。MPU36には、そのMPU36により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM37と、ワークメモリ等として使用されるRAM38と、割込回路やタイマ回路やデータ送受信回路等の各種回路とが内蔵されている。図4,および図5に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM37内に記憶されている。
【0060】
MPU36は入出力ポート39に接続されている。入出力ポート39は、上述した払出制御基板Hに接続されている。その他、入出力ポート39は、残高表示器11、返却ボタン12、貸出ボタン13、貸出ボタンランプ14、カード読取部16a、カード挿入中ランプ17、連結台方向表示ランプ18、カード利用可能ランプ19、貸球カウントスイッチ35にそれぞれ接続されている。
【0061】
上述した主制御基板CのRAM22、払出制御基板HのRAM33、カード読取ユニット15のRAM38は、バックアップエリアを備えており、これらのRAM22,33,38は、パチンコ機Pの電源オフ後においても、電源基板(図示省略)からバックアップ電圧が供給されており、データを保持(バックアップ)できるように構成されている。図3中では、主制御基板CにおけるRAM22のバックアップエリアの符号を22aで表すとともに、払出制御基板HにおけるRAM33のバックアップエリアの符号を33cで表し、カード読み取りユニット15におけるRAM38のバックアップエリアについては図示を省略する。なお、球の払出個数(賞球数)や球の貸出個数(貸球数)は、主制御基板CのRAM22内に常に書き込まれて記憶されているが、バックアップをとるために、後述する払出制御基板H内の賞球払出カウンタ33aおよび貸球払出カウンタ33bにも、上述した個数に関するデータがそれぞれ書き込まれて記憶される。バックアップエリア22a,33cは、本発明におけるバックアップ保持手段に相当する。
【0062】
続いて、払出制御基板H内の賞球払出カウンタ33aおよび貸球払出カウンタ33bについて、以下に説明する。
【0063】
賞球の払出に関するコマンドである払出要求信号40が主制御基板Cから払出制御基板Hに出力されるたびに、すなわち主制御基板Cが払出要求信号40を受信するたびに、払出制御基板H内の賞球払出カウンタ33aは、払出要求に応じた球の払出個数、すなわち賞球数を累積して記憶するとともに、賞球の払出のたびに払い出された個数の分だけ賞球数を減算して記憶するように構成されている。この払出制御基板H内の賞球払出カウンタ33aは、本発明における払出個数記憶手段に相当する。
【0064】
具体的に説明すると、本実施例では、普通入賞スイッチ17のいずれかまたは第1種始動口スイッチ26によって球が検出されると、5個の賞球の払出を要求する払出要求信号40が主制御基板Cから払出制御基板Hに出力され、その払出要求に応じた賞球数である『5』の値が賞球払出カウンタ33aに累積されて記憶される。また、Vカウントスイッチ27または10カウントスイッチ28により球が検出されると、15個の賞球の払出を要求する払出要求信号40が主制御基板Cから払出制御基板Hに出力され、その払出要求に応じた賞球数である『15』の値が賞球払出カウンタ33aに累積されて記憶される。賞球払出カウンタ33aに記憶された賞球数のデータは、賞球カウントスイッチ30が賞球を検出するたびに、賞球払出カウンタ33aの値を『1』ずつ減算する。
【0065】
一方、貸球の払出に関するコマンドである貸出要求信号41がカード読取ユニット15から払出制御基板Hに出力されるたびに、すなわち払出制御基板Hが貸出要求信号41を受信するたびに、払出制御基板H内の貸球払出カウンタ33bは、貸出要求に応じた球の貸出個数、すなわち貸球数を累積して記憶するように構成されている。この払出制御基板H内の貸球払出カウンタ33bは、本発明における貸出個数記憶手段に相当する。
【0066】
具体的に説明すると、本実施例では、貸出ボタン13が遊技者によって押下されると、25個の貸球の払出、すなわち25個の球の貸出を要求する貸出要求信号41がカード読取ユニット15から払出制御基板Hに出力され、その貸出要求に応じた貸球数である『25』の値が貸球払出カウンタ33bに累積されて記憶される。また、カード読取ユニット15からの貸出要求信号41を払出制御基板Hが受信することで貸球払出カウンタ33bに貸球数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号42を払出制御基板Hはカード読取ユニット15に出力する。
【0067】
賞球の払出の要求があるときには、貸球の払出よりも優先して賞球の払出を行い、賞球の払出の要求がないときに、貸球払出カウンタ33bに記憶された貸球のデータは、貸球カウントスイッチ35が貸球を検出するたびに、貸球払出カウンタ33bの値を『1』ずつ減算する。貸球払出カウンタ33bの値が『0』、つまり貸し出す球がなくなったときに、払出制御基板Hは払出動作処理を終了する。なお、本実施例では、貸出ボタン15を押下するたびに100円分の球が貸し出されるように遊技機Pは構成されている。すなわち、球1個で4円の場合には25個の球が貸し出される。
【0068】
具体的に説明すると、本実施例では、カードがカード挿入口16に挿入されると、カードに記憶されている残高金額のデータがカード読取部16aによって読み取られる。また、残高金額の値は残高表示器11に表示される。
【0069】
払出制御基板Hから上述した受付完了信号42をカード読取ユニット15が受信するたびに、カードに記憶された貸球数に相当する残高金額から、貸出要求に応じた貸球数である『25』の値に相当する金額を減算して、減算された貸球数に相当する金額に書き換えてカードに記憶する。
【0070】
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理について、図4〜図9のフローチャートを参照して説明する。図4は、カード読取ユニット15で実行される処理のフローチャートである。図4に示すように、カード読取ユニット15の電源が投入されると、カード読取ユニット15のMPU31は、RAM33の値を初期化して初期値を設定するなどの初期化処理を実行する(ステップS1)。次に、残高表示器11に残高数『00』を表示する(ステップS2)。その後は、カード読取ユニット15で常時実行されるメイン処理であるステップS3〜S14の各処理を繰り返す。
【0071】
具体的にメイン処理では、先ず、カード読取ユニット15が正常に作動するか否かを調べる(ステップS3)。使用可能状態でない場合、すなわちカード読取ユニット15が正常に作動していない場合には、貸出ボタンランプ14、連結台方向表示ランプ18、およびカード利用可能ランプ19を消灯し(ステップS4)、カード読取ユニット15が使用可能状態になるまでステップS3,S4の処理をループする。
【0072】
一方、カード読取ユニット15が使用可能状態であれば、貸出ボタンランプ14、連結台方向表示ランプ18、およびカード利用可能ランプ19を点灯し(ステップS5)、カード挿入口16にカードが挿入されているか否かを確認する(ステップS6)。確認の結果、カードが挿入されていれば、カード挿入中ランプ17を点灯し(ステップS7)、挿入されたカードの残高金額のデータをカード読取部16aにより読み込み、その残高金額の値を残高表示器11に表示する(ステップS8)。一方、カードが挿入されていなければ、カードが挿入されるまでステップS3〜S6の各処理を繰り返す。
【0073】
そして、カードの残高データがあるか否かを確認し(ステップS9)、残高データの値が『0』でなければ、貸出ボタン13が遊技者により押下されたか否かを確認する(ステップS10)。貸出ボタン13が押下されていれば、払出制御基板Hに貸球の払出、すなわち球の貸出を要求する信号出力処理(図5参照)を実行する(ステップS11)。なお、ステップS9の処理においてカードの残高金額のデータがない場合には、ステップS13の処理に跳ぶ。また、ステップS10の処理において貸出ボタン13が遊技者により押下されていない場合には、ステップS11の信号出力処理をスキップして、ステップS12の処理に跳ぶ。
【0074】
信号出力処理(ステップS11)の終了後は、返却ボタン12が遊技者により押下されたか否かを確認する(ステップS12)。返却ボタン12が押下されていれば、カード挿入口16に挿入されているカードを返却し(ステップS13)、カード挿入中ランプ17を消灯し、残高表示器11に残高数『00』を表示して(ステップS14)、ステップS3に戻る。一方、返却ボタン12が押下されていない場合には、ステップS13,14の各処理をスキップして、ステップS3に戻る。
【0075】
図5は、信号出力処理(ステップS11)のフローチャートである。この信号出力処理では、先ず、25個の貸球の払出、すなわち25個の球の貸出を要求する貸出要求信号41をカード読取ユニット15から払出制御基板Hに出力する(ステップS21)。払出制御基板Hに貸出要求信号41を出力した後、払出制御基板Hからの受付完了信号42をカード読取ユニット15が受信したか否かを確認する(ステップS22)。確認の結果、受付完了信号42を受信していれば、カードに記憶された貸球数に相当する残高金額から、貸出要求に応じた貸球数『25』に相当する金額を減算して、減算された貸球数に相当する金額に書き換えてカードに記憶する。また、書き換えられた残高金額のデータの値を残高表示器11に表示する(ステップS23)。一方、受付完了信号42を受信していなければ、受付完了信号42を受信するまでステップS22の処理をループする。
【0076】
残高金額の書き換え(ステップS23)の後、貸出ボタン13が遊技者により押下されたか否かを確認する(ステップS24)。貸出ボタン13が押下されていれば、ステップS21に戻り、この信号出力処理を繰り返す。貸出ボタン13が押下されていなければ、貸出ボタン13の押下回数と、押下回数1回当りの貸出要求に応じた貸球数(本実施例では25個)との積である貸球数分が全て貸し出されて貸出が終了したとして、この信号出力処理を終了する。
【0077】
次に、図6〜図9を参照して、払出制御基板Hで行われる賞球および貸球の払出処理、すなわち球の払出および貸出処理について説明する。図6は、払出制御基板Hが、賞球を要求する払出要求信号40および貸球を要求する貸出要求信号41を受信した際に実行される賞球および貸球の払出動作処理のフローチャートである。この払出動作処理により、賞球の払出においては、払出要求に応じた球の払出個数である賞球数が払出制御基板Hの賞球払出カウンタ33aに累積されて書き込まれ、貸球の払出、すなわち球の貸出においては、貸出要求に応じた球の貸出個数である貸球数が払出制御基板Hの貸球払出カウンタ33bが書き込まれ、さらに、貸出要求信号41を受信するたびに受付完了信号42が出力される。
【0078】
払出動作処理では、主制御基板Cから払出要求信号40を受信したか否かを確認(ステップS31)、あるいはカード読取ユニット15から貸出要求信号41を受信したか否かを確認する(ステップS32)。
【0079】
ステップS31の処理において払出要求信号40を受信していなければ、この払出動作処理を終了し、払出要求信号40を受信していれば、その払出要求に応じた賞球数の値を賞球払出カウンタ33aに累積して書き込む(ステップS33)。賞球数の値を賞球払出カウンタ33aに累積して書き込んだ後、賞球払出カウンタ33aの値が『0』であるか否かを確認する(ステップS34)。賞球払出カウンタ33aの値が『0』でない場合は、その値が『0』になるまでステップS34の処理をループする。賞球払出カウンタ33aの値が『0』になれば、カード読取ユニット15から貸出要求信号41を受信したか否かを確認する(ステップS35)。確認の結果、貸出要求信号41を受信していれば、後述するステップS36に跳ぶ。一方、貸出要求信号41を受信していなければ、この払出動作処理を終了する。
【0080】
ステップS32の処理において貸出要求信号41を受信していなければ、この払出動作処理を終了し、貸出要求信号41を受信していれば、その貸出要求に応じた貸球数の値を貸球払出カウンタ33bに累積して書き込み、カード読取ユニット15に受付完了信号42を出力する(ステップS36)。ステップS36の処理の後、主制御基板Cから払出要求信号40を受信したか否かを確認する(ステップS37)。確認の結果、払出要求信号40を受信していれば、ステップS33に跳ぶ。一方、払出要求信号40を受信していなければ、貸球払出カウンタ33bの値が『0』であるか否かを確認する(ステップS38)。貸球払出カウンタ33bの値が『0』でない場合は、その値が『0』になるまでステップS38の処理をループする。貸球払出カウンタ33bの値が『0』になれば、この払出動作処理を終了する。
【0081】
図7は、払出制御基板Hにおいて、後述する図8および図9に係るインターバルよりも短い(例えば0.5ms毎に発生する)インターバル割込処理により実行される払出用モータ駆動処理のフローチャートである。この払出用モータ駆動処理によって払出用モータ24が回転され、賞球および貸球の払出が行われる。なお、払い出された賞球数は、後述する賞球カウントスイッチ読込処理(図8参照)によってカウントされるとともに、払い出された貸球数は、後述する貸球カウンチスイッチ読込処理(図9参照)によってカウントされる。
【0082】
払出用モータ駆動処理では、賞球払出カウンタ33aの値が『0』であるか否かを確認(ステップS41)、あるいは貸球払出カウンタ33bの値が『0』であるか否かを確認する(ステップS42)。
【0083】
ステップS41の処理において賞球払出カウンタ33aの値が『0』でなければ、払出用モータ24を回転して賞球を払い出す(ステップS43)。一方、賞球払出カウンタ33aの値が『0』であれば、賞球の払出動作はすべて終了しているので、払出用モータ24を停止して(ステップS44)、この払出用モータ駆動処理を終了する。
【0084】
ステップS42の処理において貸球払出カウンタ33bの値が『0』でなければ、払出用モータ24を回転して貸球を払い出す、すなわち球を貸し出す(ステップS45)。一方、貸球払出カウンタ33bの値が『0』であれば、貸球の払出動作、すなわち球の貸出動作はすべて終了しているので、払出用モータ24を停止して(ステップS44)、この払出用モータ駆動処理を終了する。
【0085】
図8は、払出制御基板Hにおいて、図6に係るインターバルよりも長い(例えば2ms毎に発生する)インターバル割込処理により実行される賞球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。この賞球カウントスイッチ読込処理によって、実際に払い出された賞球の数がカウントされる。先ず、賞球カウントスイッチ30が賞球を検出したか否かを確認し(ステップS51)し、賞球を検出していれば、賞球払出カウンタ33aの値を『1』ずつ減算する(ステップS52)。一方、賞球カウントスイッチ30が賞球を検出していなければ、ステップS52の処理をスキップしてこの賞球カウントスイッチ読込処理を終了する。
【0086】
図9は、払出制御基板Hにおいて、図6に係るインターバルよりも長い(例えば2ms毎に発生する)インターバル割込処理により実行される貸球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。この貸球カウントスイッチ読込処理によって、実際に払い出された貸球の数がカウントされる。先ず、貸球カウントスイッチ35が貸球を検出したか否かを確認し(ステップS61)し、貸球を検出していれば、貸球払出カウンタ33bの値を『1』ずつ減算する(ステップS62)。一方、貸球カウントスイッチ35が貸球を検出していなければ、ステップS62の処理をスキップしてこの貸球カウントスイッチ読込処理を終了する。
【0087】
ここで、払出制御基板Hが払出要求信号40と貸出要求信号41とを同時に受信した場合に、球の払出および球の貸出(貸球の払出)を行うシーケンスについて、図10,図11を参照して説明する。図10(a)に示すように、払出制御基板Hが払出要求信号40と貸出要求信号41とを同時に受信すると、ステップS33およびステップS36でも述べたように、賞球数の値を賞球払出カウンタ33aに累積して書き込むとともに、貸球数の値を貸球払出カウンタ33bに累積して書き込んで、図10(b)に示すように、カード読取ユニット15に受付完了信号42を出力する。一方、賞球数の値を賞球払出カウンタ33aに書き込んだ後、ステップS34でも述べたように、賞球払出カウンタ33aの値が『0』であるか否かを確認する(図10(b)参照)。この賞球払出カウンタ33aの値は、上述した貸球カウンチスイッチ読込処理によるカウントによって『1』ずつ減算され(ステップS52参照)、賞球払出カウンタ33aの値が『0』になるまで、ステップS43およびステップS44でも述べたように、賞球の払出が行われる。
【0088】
上述した賞球の払出の間に、図10(c)に示すように、払出制御基板Hが貸出要求信号41を再度受信した場合には、貸球数の値を貸球払出カウンタ33bに累積して書き込んで、図10(d)に示すように、カード読取ユニット15に受付完了信号42を出力する。賞球の払出が終了するまでに、図10(c),図10(d)のような動作を繰り返す。
【0089】
賞球の払出が終了し、かつ、ステップS37でも述べたように、払出要求信号40を受信したか否かを確認して、確認の結果、受信していなければ、ステップS38でも述べたように、貸球払出カウンタ33bの値が『0』であるか否かを確認する(図11(a)参照)。
【0090】
この貸球払出カウンタ33bの値は、上述した貸球カウンチスイッチ読込処理によるカウントによって『1』ずつ減算され(ステップS62参照)、貸球払出カウンタ33bの値が『0』になるまで、ステップS44およびステップS45でも述べたように、貸球の払出、すなわち球の貸出が行われる。貸球の払出が終了すると、この貸球に関する払出動作処理を終了する(図11(b)参照)。
【0091】
上述したシーケンスから、払出の要求と貸出の要求とが同時にあっても、貸出よりも優先して(賞球の)払出を行い、(賞球の)払出がないときに貸出(貸球の払出)を行っている。
【0092】
上述したパチンコ機Pの構成によれば、カード読取ユニット15から球の貸出を要求する貸出要求信号41を払出制御基板Hが受信すると、貸出要求に応じた貸球数、すなわち球の貸出個数がその出力ごとに累積されて、貸球払出カウンタ33bに記憶される。
【0093】
払出制御基板Hは、貸球払出カウンタ33bに貸球数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号42をカード読取ユニット15に出力し、球の貸出を所望するときのみ、すなわち本実施例では賞球の払出の要求がないときに貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数の分だけ、賞球の払出、すなわち球の貸出を行うように制御しているので、払出制御基板Hが別の動作、すなわち本実施例では賞球の払出を行っていたとしても、その動作が終了した後に球の貸出を所望するときのみ球の貸出、すなわち貸球の払出を行えばよい。その結果、別の動作または貸出動作のいずれかを選択することができ、パチンコ機に不具合が発生することなく、球を適切に貸し出すことができる。
【0094】
また、球の貸出を所望するときのみ、貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数の分だけ、球の貸出を行うように制御しているので、球の貸出を所望するときのみに行うことができ、払出制御基板Hは、貸出要求信号41の受信および受付完了信号41の出力のたびに貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数を正確に貸し出すことができる。
【0095】
本実施例では、賞球の払出の要求があるときには、貸球の払出よりも優先して賞球の払出を行い、賞球の払出の要求がないときに、貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数の分だけ、賞球の払出、すなわち球の貸出を行うように制御しているので、球の払出の要求と同時に貸出の要求がある場合、すなわち、払出制御基板Hが払出要求信号40と貸出要求信号41とを同時に受信した場合においても、球の貸出よりも優先して払出を行うとともに、貸出要求信号41の受信後に払出制御基板Hから受付完了信号42の出力を行っている。従って、本実施例のように賞球および貸球の払出を1つの払出用モータ24で行う場合でも、球の払出時において、カード読取ユニット15から払出制御基板Hに出力される貸出要求信号41によって、払出制御基板Hからエラー信号が出力されることなく、球を適切に貸し出すことができる。
【0096】
また、カード読取ユニット15はパチンコ機Pに並設されており、このカード読取ユニット15はパチンコ機Pに着脱自在に取り付けられるように構成されている。従って、カード読取ユニット15を外して、カード読取ユニット15を有さないパチンコ機Pにも適用することができるし、カード読取ユニット15を取り付けたまま本実施例に係るパチンコ機Pのようにカード読取ユニット15を有ずるパチンコ機Pにも適用することができるなど、汎用性の高いパチンコ機Pを実現することができる。
【0097】
また、本実施例に係るパチンコ機Pにおいて、払出制御基板Hは、主制御基板Cから賞球の払出を要求する払出要求信号40を受信するたびに、払出要求に応じた賞球数、すなわち球の払出個数を累積して記憶するとともに、払い出された賞球数分だけ賞球数を減算して記憶する賞球払出カウンタ33aを備えているので、停電などパチンコ機Pの電源の切断があっても賞球払出カウンタ33aに記憶された賞球数のデータを保持して、パチンコ機Pの再起動後に賞球数分だけ、球を適切に払い出すことができる。
【0098】
また、本実施例に係るパチンコ機Pにおいて、パチンコ機Pは貸出ボタン13を備え、貸出ボタン13を押下するたびに、カード読取ユニット15は、貸出要求信号41を払出制御基板Hに出力しているので、貸出ボタン13の押下操作によって貸出の要求のタイミングを払出制御基板Hが把握することができる。
【0099】
また、本実施例に係るパチンコ機Pにおいて、遊技者が、貸球数(残高)が記憶されたカードを入手して、そのカードをカード読取ユニット15のカード読取部16aに読み取らすことで、貸球数に応じた貸出要求を払出制御基板Hに実行させて、貸出を実行させることができる。また、球の貸出個数(貸球数)分に応じて複数種類のカード、例えば2,000円(貸球が500個)分,10,000円(貸球が2,500個)分のカードを用意することで、遊技者は、貸球数に応じて遊技を行うことができる。
【0100】
また、本実施例に係るパチンコ機Pにおいて、カード読取ユニット15が払出制御基板Hから受付完了信号42を受信するたびに、カードに記憶された貸球数分から、貸出要求に応じた貸球数(本実施例では25個)を減算して、減算された貸球数に書き換えてカードに記憶するので、カードには貸球数が常に適切に記憶される。
【0101】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0102】
(1)上述した実施例では、パチンコ機Pは、主制御基板Cからサブ制御基板への方向のみ通信可能に構成されていたが、主制御基板Cとサブ制御基板との間で双方向に通信可能に構成されていてもよい。
【0103】
(2)上述した実施例では、1回の貸出ボタン13で押下して貸し出される貸球の数は25個であったが、貸球数の数については特に限定されない。また、貸球数を適宜変更するように構成してもよい。
【0104】
(3)上述した実施例では、球の貸出個数が記憶された本発明における記憶媒体は、カードであったが、CD−ROM等に例示されるように通常に用いられる記憶媒体であれば、特に限定されない。
【0105】
(4)上述した実施例では、バックアップをとるために、カード読取ユニット15内にも貸球払出カウンタを備えてもよい。具体的には、カード読取ユニット15がカードを読み取るとカードに記憶された球の貸出個数(貸出数)を読み出して、その個数分をカード読取ユニット15内の貸球払出カウンタに記憶し、払出制御基板Hから受付完了信号42を受信するたびに、その貸球払出カウンタに記憶された球の貸出個数から、貸出要求に応じた球の貸出個数を減算して、減算された貸出個数に書き換えて、その貸球払出カウンタに記憶してもよい。なお、貸出終了の時点においては、カードに最終的な貸球数を記憶するようにする。
【0106】
この変形例によれば、カード読取ユニット15内の貸球払出カウンタにも貸球数が記憶されるので、カードが破損しても貸球払出カウンタに記憶された貸球数のデータを保持して、球を適切に貸し出すことができる。
【0107】
(5)上述した実施例では、球の貸出を実行させるための本発明における貸出実行手段は、貸出ボタン13であったが、貸出ボタン13に限定されない。例えば、タッチパネルに接触することで貸出を実行させてもよいし、つまみを引き上げることで貸出を実行させてもよい。
【0108】
(6)上述した実施例では、貸球払出カウンタの値が0になった後、貸球の払出動作処理を終了していたが、貸出の終了のタイミングをカード読取ユニット15が把握することができるように、貸出を終了した貸出終了信号を払出制御基板Cからカード読取ユニット15に出力してもよい。
【0109】
この場合におけるカード読取ユニットで実行される信号出力処理のフローチャートは、図12に示す通りであって、払出制御基板で実行される賞球および貸球の払出動作処理のフローチャートは、図13に示す通りである。図12のフローチャートでは、図5のステップS24での貸出ボタン押下の後に、貸出終了信号の受信のステップS25が加わるとともに、図13のフローチャートでは、図6のステップS38での貸球払出カウンタの値が0の確認の後に貸出終了信号の出力のステップS39が新たに加わる。
【0110】
すなわち、図13のフローチャートでは、ステップS38で貸球払出カウンタ33bの値が『0』であるか否かを確認し、貸球払出カウンタ33bの値が『0』でない場合は、その値が『0』になるまでステップS38の処理をループする。貸球払出カウンタ33bの値が『0』になれば、払出制御基板Hは、貸出を終了する貸出終了信号をカード読取ユニット15に出力し(ステップS39)、この払出動作処理を終了する。
【0111】
一方、図12のフローチャートでは、ステップS24で貸出ボタン13が押下されていなければ、払出制御基板Hからの貸出終了信号をカード読取ユニット15が受信したか否かを確認する(ステップS25)。確認の結果、貸出終了信号を受信していれば、貸出ボタン13の押下回数と、押下回数1回当りの貸出要求に応じた貸球数(本実施例では25個)との積である貸球数分が全て貸し出されて貸出が終了したとして、この信号出力処理を終了する。一方、貸出終了信号を受信していなければ、ステップS24に戻る。
【0112】
この変形例によれば、払出制御基板Hは、貸球払出カウンタ33bに累積記憶された貸球数分だけ球を貸し出した後に、貸出を終了した貸出終了信号をカード読取ユニット15に出力しているので、貸出の終了のタイミングをカード読取ユニット15が把握することができる。
【0113】
(7)上述した実施例では、賞球払出カウンタ33aと貸球払出カウンタ33bとを個別に備え、賞球数を賞球払出カウンタ33aに、貸球数を貸球払出カウンタ33bにそれぞれ記憶させたが、貸出および払出を区別せずに賞球数および貸球数の全個数を1つのRAMに記憶させてもよい。このRAMは、本発明における貸出・払出個数記憶手段に相当する。
【0114】
貸出および払出を区別せずに賞球数および貸球数の全個数を1つのRAMに記憶させた場合に、記憶手段の全容量を低減させることができる。また、遊技者は、個々の球について貸出・払出の区別をしていないので、貸出および払出が適切に行われていれば遊技に支障をきたすこともない。
【0115】
なお、貸出・払出を区別しない場合には、賞球カウントスイッチ30および貸球カウントスイッチ35も1つのカウントスイッチで構成してもよい。この場合には、賞球・貸球の区別なくカウントスイッチが払出を検出するたびに、上述したRAMに記憶された賞球および貸球の全個数のデータから『1』ずつ減算される。
【0116】
(8)上述した実施例では、バックアップをとるために、賞球数を記憶する賞球払出カウンタ33aを払出制御基板Hに備えたが、主制御基板Cのみに賞球払出カウンタ33aを備えてもよい。
【0117】
(9)上述した実施例では、カード読取ユニット15をパチンコ機Pとは別体で備えたが、カード読取ユニット15に相当する機能を、パチンコ機P内に備えてもよい。この場合、一連の球の貸出を効率良く制御することができる。
【0118】
(10)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0119】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0120】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0121】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、払出制御手段が、貸出制御装置からの貸出要求信号を受信することで貸出個数記憶手段に貸出個数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号を貸出制御装置に出力するように構成しているので、遊技機に不具合が発生することなく、遊技媒体を適切に貸し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のカード読取ユニットを含んだパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】カード読取ユニットを含んだパチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】カード読取ユニットで実行される処理のフローチャートである。
【図5】カード読取ユニットで実行される信号出力処理のフローチャートである。
【図6】払出制御基板で実行される賞球および貸球の払出動作処理のフローチャートである。
【図7】払出制御基板で実行される払出用モータ駆動処理のフローチャートである。
【図8】払出制御基板で実行される賞球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。
【図9】払出制御基板で実行される貸球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。
【図10】(a)〜(d)は、払出制御基板が払出要求信号と貸出要求信号とを同時に受信した場合でのシーケンスを説明するための図である。
【図11】(a),(b)は、払出制御基板が払出要求信号と貸出要求信号とを同時に受信した場合でのシーケンスを説明するための図である。
【図12】貸出終了信号を受信する際におけるカード読取ユニットで実行される信号出力処理のフローチャートである。
【図13】貸出終了信号を出力する際における払出制御基板で実行される賞球および貸球の払出動作処理のフローチャートである。
【符号の説明】
15 … カード読取ユニット(貸出制御装置,読取手段)
23 … 貸出ボタン(貸出実行手段)
33a … 賞球払出カウンタ(払出個数記憶手段)
33b … 貸球払出カウンタ(貸出個数記憶手段)
C … 主制御基板(主制御手段)
H … 払出制御基板(払出制御手段)
Claims (1)
- 遊技媒体の払出を制御するための払出制御手段を備えた遊技機であって、
前記払出制御手段は、前記遊技媒体の貸出を制御するための貸出制御装置から遊技媒体の貸出を要求する貸出要求信号を受信するたびに、貸出要求に応じた遊技媒体の貸出個数を累積して記憶する貸出個数記憶手段を備え、
さらに、前記払出制御手段は、前記貸出個数記憶手段に貸出個数を累積記憶するたびに、貸出要求の受付を完了した受付完了信号を貸出制御装置に出力するように構成することを特徴とする遊技機。
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-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002162926A patent/JP2004008320A/ja active Pending
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