JP4512720B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球や遊技メダルなどの遊技媒体を用いて遊技を行うパチンコ機や回胴式遊技機などの遊技機に関する。
パチンコ機や回胴式遊技機などの遊技機は、通常、遊技に必要な遊技球や遊技メダル等の遊技媒体を貸し出す貸出機と隣接して島設備に設置される。貸出機としては、例えば、パチンコ機に用いる遊技球を貸し出す球貸出機や、回胴式遊技機に用いる遊技メダルを貸し出すメダル貸出機がある。また、球貸出機やメダル貸出機には、島設備に貯留されている遊技球や遊技メダルを現金によって貸し出す現金ユニットと、遊技機内に貯留されている遊技球や遊技メダルをプリペイドカード等の記録媒体によって貸し出すCRユニットが存在する。
球貸出機にCRユニットを用いる遊技機においては、プリペイドカードをカード読み取り機に挿入して球貸ボタンを操作すると、所定数ずつの遊技球が上皿部に貸し出される。このような遊技機には、プリペイドカードの残り度数を表示する表示部や遊技球を貸し出す球貸ボタン、プリペイドカードを返却する返却ボタンが、遊技者にとって操作しやすい箇所(例えば、遊技機の上皿部や遊技盤の下方の前板部など)に設けられている。
しかしながらCRユニットを用いて遊技球の貸し出しを受けるためには、遊技者は予めプリペイドカードを購入する必要があり、このことが遊技者にとって煩雑となっている。そこで、近年では、CRユニットを用いず現金ユニットを球貸機として用い、現金を球貸出機に投入して遊技球の貸し出しを受けることも多くなっている。こうすれば、遊技者にとっては予めプリペイドカードを購入しておかなくても遊技を開始することができる。
CRユニットを用いた遊技球の貸し出しが可能な遊技機が、このような使われ方をした場合には、プリペイドカードの残り度数を表示するための表示部や、球貸ボタン、返却ボタンは不要なものとなる。すなわち、使用されることのない表示部や球貸ボタン、返却ボタンが設けられた状態となっている。そこで、このような場合には、表示部やこれらのボタンを、シールを貼付した前面カバーで覆う方法も提案されている(特許文献1)。
特開2000−107409公報
しかし、CRユニットを用いた遊技球の貸し出しが可能な遊技機を、現金ユニットを用いた遊技球の貸し出しが可能な遊技機として用いた場合、前面カバーを覆うシールを貼付したり、取り外したりしなければならないのでは、手間がかかって面倒であるという問題があった。
また、遊技機は、前面側の大部分が遊技盤面で占められており、残りの僅かなスペースに上皿や下皿、発射ハンドル等を操作性と意匠面とを考慮しながら、配置しなければならないことから、使われることのない表示部やボタン類を設けることは、操作性あるいは意匠上の大きな制約事項になってしまうという問題があった。特に、遊技中に遊技の条件を遊技者に選択させる演出ボタンを備えた遊技機においては、なおさらであった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、意匠面を損なうことなく、CRユニット、現金ユニットのいずれにも対応可能な遊技機を提供することを目的とする。
前述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
所定数ずつ貸し出される遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機において、
遊技の進行に応じた各種演出を行うための演出処理を実行する演出制御手段と、
前記所定数の遊技媒体を遊技者に貸し出す遊技媒体貸出処理を行う払出制御手段と、
前記遊技媒体の貸し出しに必要な有価価値に関する情報を表示する有価価値情報表示手段と、
前記演出制御手段が演出を実行していることを示す演出フラグがセットされていない場合に、前記有価価値情報表示手段の表示内容視認容易な状態に設定し、前記演出フラグがセットされている場合に、前記有価価値情報表示手段の表示内容を視認困難な状態に設定する視認状態変更手段と、
遊技機前面側に設けられる貸出ボタンの操作時に、当該貸出ボタンの操作に対応して行われる遊技処理を決定する遊技処理決定手段と
を備え、
前記遊技処理決定手段は、
前記貸出ボタンの操作時に前記有価価値情報表示手段の表示内容が前記視認容易な状態のときは、前記払出制御手段による前記遊技媒体貸出処理を前記遊技処理として決定し、前記視認困難な状態のときは、前記演出制御手段による前記演出処理を前記遊技処理として決定することを特徴とする。
かかる本発明の遊技機においては、遊技媒体の貸し出しに必要な有価価値に関する情報を表示する有価価値情報表示手段が設けられている。そして、この有価価値情報表示手段による表示内容は、演出制御手段が演出を実行していることを示す演出フラグがセットされていない場合には視認容易な状態となり、演出フラグがセットされている場合には、表示内容が視認困難な状態となる。ここで、視認困難な状態とは、容易には視認できない状態であれば足り、例えば目を凝らせば表示内容を僅かに視認できるが、一見した限りでは分からないような状態も含まれる。そして、有価価値情報表示手段の表示内容が視認容易な状態の時に貸出ボタンが操作された場合には、遊技媒体を遊技者に貸し出す処理を行い、有価価値情報表示手段の表示内容が視認困難な状態の時に貸出ボタンが操作された場合には、遊技の演出を行うための処理を開始する。
このように、演出が実行されておらず、従って遊技媒体の貸し出しを受けられる場合には、有価価値に関する表示内容が視認容易な状態となるようにしておけば、有価価値に関する情報を必要な場合にだけ表示することができるので、遊技者は、貸し出しを受けられるか否かを容易に認識することが可能となり、操作を間違えるおそれを防止することができる。このため、従来のように前面カバーにシールを貼付したり、取り外すという面倒な手間が生じることがない。有価価値情報表示手段の表示内容が不必要なときに、有価価値に関する情報が表示されることがないので、意匠面を損なってしまうことがない。

なお、プリペイドカードなど、有価価値に関する情報が記録された記録媒体は、遊技機に挿入して使用するものでも良いし、遊技機と一対に設けられた遊技媒体貸出装置に挿入して使用するものとすることも可能である。また、記録媒体に記録された有価価値に関する情報を表示する部分は、遊技者が視認し易い箇所に設けることが望ましい。例えばパチンコ機であれば、遊技媒体としての遊技球を一時的に貯留する上皿部や、遊技盤の下方の前面枠、遊技盤面などに設けることが望ましい。特に、上皿部に設けておけば、遊技盤面のみを取り替える場合(いわゆる面替えの場合)に、表示部分は、そのまま残しておくことができるので、好適である。一方、回胴式遊技機であれば、例えばスタートレバーや停止ボタンが設けられる操作パネル部や、回胴リールを臨む表示窓の周囲、更には各種演出に用いられる液晶表示部の周囲になどに好適に設けることができる。
加えて、記録媒体に記録された有価価値に関する情報を表示する部分は、その周囲を囲む部分とほぼ平面状となるように(すなわち、情報を表示する部分と周囲との間に段差が生じないように)設けておくことが望ましい。こうすれば、表示部分と周囲とが一体化されて、表示部分が目立ち難くなる。その結果、有価価値に関する情報の表示内容を視認可能な状態と視認困難な状態とに切り換えることにより、表示が現れたり消えたりするように見せることができ、この点でも意匠面での大きな効果を得ることができる。また、このように表示部分と周囲とが一体化されている状態で残り度数の表示が消えると、表示部分の存在自体が分かり難くなるので、表示部分と周囲とをスッキリした意匠に仕上げることができる。更に、その状態から残り度数を表示させると、あたかも何もない所から表示が浮き出て来たように感じられるので、演出的な効果も生じさせることができる。尚、情報の表示部分を周囲と面位置に設けることに加えて、表示部分の色を周囲の色と略同一にしておくことがより望ましい。こうすれば、有価価値に関する情報を表示していない場合に、表示部分を周囲とより一体化することができるので、上述した効果をより大きなものとすることができる。
また、視認状態変更手段は、視認可能な状態と、視認困難な状態とに切り換え可能なものであれば、どのようなものでも良く、例えば電圧の印加状況よって光の透過率が切り換わる液晶材料による部材を用いて構成することも可能である。
このような遊技機においては、有価価値情報表示手段が有価価値に関する情報を表示する部分を照明する照明手段を備えておき、有価価値に関する情報を表示する部分を照明手段で照明することによって、表示内容を視認可能な状態に制御することとしても良い。
情報の表示部分を照明するか否かという簡単な制御によって、表示内容を視認可能な状態と視認不可能な状態とに切り換えることができる。
尚、このような構成は、例えば次のようにすることで実現することができる。先ず、有価価値に関する情報を表示する部分を、カバー部材で覆っておき、このカバー部材の内側に照明手段を設けておく。すなわち、カバー部材によって隔てられた一方の側と他方の側とで明るさが異なる場合には、暗い側から明るい側の様子は視認可能であるが、明るい側から暗い側の様子は視認が困難となるような構成とする。このような構成を実現するカバー部材としては、例えば、いわゆるマジックミラーや、ハーフミラー、自動車の後部座席用の窓ガラスとして使用されているプライバシーガラス(スモークガラスともいう)などを用いることができる。そして、有価価値に関する情報を記録した記録媒体に対して、遊技媒体の貸し出しや記録媒体の返却などの操作を行う場合には、情報が表示される側を照明することによって、表示内容が視認可能な状態としても良い。なお、照明に際しては、情報が表示される部分を直接照らすようにしても良いが、表示される部分が設けられた側を単に明るくするようなものであっても構わない。
なお、マジックミラー、ハーフミラーとしては、略半分の光を反射するとともに、残余の光を透過させる部材であれば、好適に用いることができる。また、プライバシーガラスとしては、所定率(例えば20%〜80%程度)の光を透過する部材であれば、ガラスに限らず、アクリル樹脂や、これらにフィルムを貼付した部材など、種々の部材を用いることができる。
また、有価価値に関する情報が記録された記録媒体を利用して、遊技媒体の貸し出しを受ける際に操作される球貸操作手段と、記録媒体の返却を受ける際に操作される返却操作手段とを備えた遊技機においては、表示される情報の内容が視認可能な状態、または視認困難な状態のいずれの状態に制御されているかを判断し、視認困難な状態にあると判断された場合には、球貸操作手段および返却操作手段の操作の各々を、有価価値に関する情報が記録された記録媒体に対する操作以外の所定の操作と判定することにしても良い。ここで、「有価価値に関する情報が記録された記録媒体に対する操作以外の所定の操作」とは、例えば遊技中に遊技の条件を遊技者に選択させる演出選択手段の操作とすることができる。
こうすれば、球貸操作手段および返却操作手段の操作の各々を、記録媒体に対する操作と、それ以外の所定の操作とに兼用しても、情報の表示内容が視認可能な状態にあるか視認困難な状態にあるかに基づいて、各々の操作を適切に判定することができる。しかも、遊技者は、情報の表示内容が視認可能な状態か否かに応じて、各々の操作手段を操作すれば良いので、誤操作するおそれがない。また、球貸操作手段および返却操作手段で複数の操作を兼用して行うことから、例えば、操作ボタンや、スイッチ類、配線等、種々の部品を省略することができる。このため、遊技機の製造コストを抑制することができるとともに、遊技機の製造工程を省略することができる。しかも、兼用によってボタンなどの操作手段が省略された部分に、新たな意匠を施すことも可能となるので、多彩な意匠を遊技機に施すことができる。
また、有価価値に関する情報が記録された記録媒体から遊技媒体の貸し出しを受ける際に操作される球貸操作手段と、記録媒体の返却を受ける際に操作される返却操作手段とを備えた遊技機においては、球貸操作手段および返却操作手段が所定の態様で操作された場合には、該球貸操作手段および該返却操作手段の操作の各々を、記録媒体に対する操作以外の所定の操作と判定することとしても良い。ここで、所定の操作態様としては、例えば球貸操作手段が操作されたままの状態で返却操作手段が操作された場合や、これとは逆に返却操作手段が操作されたままの状態で球貸操作手段が操作された場合などが挙げられる。
このように操作手段の操作態様に応じて操作の内容を判定することとすれば、球貸操作手段および返却操作手段を異なる操作を行うための操作手段として用いることができる。しかも、複数種類の操作態様を設けておけば、これら操作手段を用いて、複数種類の操作を行うことも可能となるという利点もある。
こうした遊技機においては、球貸操作手段および返却操作手段の操作が記録媒体に対する操作と判定される状態と、該記録媒体に対する操作以外の所定の操作と判定される状態との間で切り換わるに際して、該球貸操作手段および該返却操作手段の操作を所定の期間だけ無効とすることとしてもよい。
例えば、球貸操作手段を他の操作手段としても兼用した場合には、次のようなことが起こり得る。すなわち、遊技者が球貸操作手段を操作して遊技球の貸し出しを受けた後、既に操作の判定内容が切り換わったことに気が付かず、続けて貸し出しを受けようとして球貸操作手段を操作したために、遊技機が遊技者の意図に反して動作してしまうことが起こり得る。これに対して、操作の判定内容が切り換わる際に、操作が無効になる期間を設けておけば、その期間内行われた操作は無効になるものの、遊技機が遊技者の意図に反した動作を行うことを回避することが可能となる。
尚、本願発明の遊技機は、次の態様として把握することも可能である。すなわち、
所定数ずつ貸し出される遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機において、
前記遊技媒体の貸し出し可能な回数が記憶された記録媒体から該遊技媒体の貸し出しを受ける場合には、該記録媒体に記憶された貸し出し可能な回数を残り度数として表示する度数表示装置と、
前記度数表示装置が前記残り度数を表示する部分を覆うように設けられて、該残り度数の表示が視認可能な状態と、該残り度数の表示が少なくとも視認困難な状態とに切り換え可能な視認状態切換カバーと、
前記記録媒体に対する操作を行う場合には、前記視認状態切換カバーの状態を切り換えることにより、前記残り度数の表示が視認可能な状態に制御するカバー状態制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技機として把握することも可能である。
このような遊技機においては、記録媒体の残り度数を表示する度数表示部が視認状態切換カバーで覆われており、この視認状態切換カバーは、残り度数の表示が視認可能な状態と、残り度数の表示が少なくとも視認困難な状態とに切り換えることが可能となっている。そして、記録媒体に対する操作を行う場合には、残り度数の表示が視認可能となるように、視認状態切換カバーの状態を切り換えてやる。こうすれば、記録媒体に対する操作を行わない場合には、残り度数の表示を視認困難な状態とし、記録媒体に対する操作を行う場合には、残り度数の表示を視認可能な状態とすることができる。その結果、記録媒体を用いて遊技が行われる場合にだけ、残り度数の表示を視認可能な状態とすることができるので、前面カバーにシールを貼付するといった面倒な手間が生じることもない。また、残り度数の表示が不要なときに残り度数が視認されることがないので、意匠面を損なってしまうことがない。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.遊技機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.装置裏面側の構成:
A−4.制御回路の構成:
A−5.遊技の概要:
B.遊技機の制御内容:
B−1.遊技制御の概要:
B−1−1.ウォッチドッグタイマリセット処理:
B−1−2.賞球関連処理:
B−1−3.普通図柄遊技開始判断処理:
B−1−4.普通図柄遊技処理:
B−1−5.普通電動役物遊技処理:
B−1−6.特別図柄遊技開始判断処理:
B−1−7.特別図柄遊技処理:
B−1−8.特別図柄変動パターン設定処理:
B−1−9.特別電動役物遊技処理:
C.第1実施例:
C−1.CR表示部の構造:
C−2.内部照明LEDの点滅制御および残り度数の表示制御:
D.第2実施例:
D−1.装置前面側の構成および制御回路の構成:
D−2.球貸ボタンおよび返却ボタンの制御処理:
E.変形例:
E−1.演出フラグ処理:
E−2.内部照明LEDの点滅制御および残り度数の表示制御:
E−3.球貸ボタンおよび返却ボタンの制御処理:
A.遊技機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿部5、下皿部6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は、中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開口部4aが形成されている。この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、遊技効果を高めるための各種ランプ類4b〜4fが設けられている。更に、前面枠4の上部には、2つの賞球表示LED表示部4gと、エラーLED表示部4hとが設けられている。本実施例のエラーLED表示部4hは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。ここで、重度のエラーとは、例えば復旧のために前面枠4を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合のエラーであり、軽度のエラーとは、それ以外のエラーである。
また、前面枠4の下方には、上皿部5が設けられており、上皿部5の下方には下皿部6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側には球貸装置13(CRユニット1301、現金ユニット1302いずれか一つでもよいし、両方をそなえてもよい)が設けられている。
上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニットに供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸ボタン5b、返却ボタン5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1スピーカ5yが設けられている。また、上皿部5の前面側には、2つの演出ボタンSW1,SW2が設けられている。遊技者は、これらの演出ボタンSW1,SW2を押すことによって、遊技中にキャラクタ図柄や遊技条件を選択するなど、遊技の進行に介入することが可能となっている。
下皿部6には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿部6内に貯留される。また、下皿部6には、図示しない下皿満タンスイッチ6sが設けられており(図6参照)、下皿部6が遊技球で一杯になると、これを検出して遊技球の払い出しが中断されるようになっている。下皿部6に貯まった遊技球を排出するために、下皿部6の底面には、下皿部6内から遊技球を排出するための図示しない球抜き穴が設けられており、下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは通常時は直立状態であるが、下端を奥側に押圧すると上端を回転軸として回転し、球抜き穴が開放状態となって、下皿部6に貯まった遊技球を排出することが可能となっている。また、排出ノブ6bの左右には、第2スピーカ6cが設けられている。
下皿部6の左端には灰皿7が設けられており、下皿部6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿部6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニットに接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニットに伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータ8m(図8参照)が回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ8bは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ8aと電気的に接続されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、また、遊技領域11の下方部分には変動入賞装置18が設けられている。そして、中央装置26と変動入賞装置18との間には始動口(普通電動役物)17が設けられている。始動口(普通電動役物)17は、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の始動口である。始動口17の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物)スイッチ17s(図6参照)と、翼片部を作動させるための普通電動役物(始動口)ソレノイド17m(図6参照)とが備えられている。一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が直立すると、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
中央装置26には、演出表示装置27が設けられている。演出表示装置27は、液晶画面を搭載しており、キャラクタ図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄を変動停止表示することが可能となっている。
また、中央装置26の左下には、図柄表示装置28が設けられている。図柄表示装置28では普通図柄や特別図柄などを変動停止表示することが可能となっている。
遊技領域11の左端には、普通図柄作動ゲート36が設けられており、このゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36s(図6参照)が設けられている。更に、普通図柄作動ゲート36と中央装置26との間には、ランプ風車24が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
変動入賞装置18のほぼ中央には、大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31は、略長方形状に大きく開口する大入賞口31dと、大入賞口31dを開放あるいは閉鎖する開閉板(図示略)と、その開閉板を開閉するための大入賞口ソレノイド31m(図6参照)と、図示しない連動杆などから構成されている。大入賞口31dは、所定の条件が成立すると開放状態となる。大入賞口31dが開放すると、遊技球は高い確率で入球することとなり、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技が開始される。尚、大入賞口31dの内部には、大入賞口スイッチ31s(図6参照)が設けられており、大入賞口31dに入賞した遊技球を検出することが可能となっている。
遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられている。パック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。一方、内レール15の先端部には、図示しないファール球防止部材が取り付けられ、ファール球防止部材と略正反対側(遊技盤10の右半分側)には、図示しない返しゴムが外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
図3は、本実施例の遊技機1に搭載された図柄表示装置28の構成を示す説明図である。本実施例の図柄表示装置28は、大きくは、普通図柄表示部29と、特別図柄表示部30とから構成されている。普通図柄表示部29は、左普通図柄表示部29aと右普通図柄表示部29bとから構成されており、特別図柄表示部30は、左特別図柄表示部30aと右特別図柄表示部30bとから構成されている。2つの普通図柄表示部29a,29bは、いわゆるLED(発光ダイオード)を用いて構成されており、左普通図柄表示部29aは赤色の光を点灯し、右普通図柄表示部29bは緑色の光を点灯することが可能となっている。また、特別図柄表示部30には、いわゆる7セグメントLEDが用いられており、このうちの7セグメント部分が左特別図柄表示部30aを構成し、コンマ部分が右特別図柄表示部30bを構成している。この7セグメント部分およびコンマ部分は、赤色、橙色、緑色のいずれかの光を点灯可能となっている。また、図柄表示装置28には、普通図柄保留表示部29c、および特別図柄保留表示部30cも設けられている。これらは、それぞれ4つのLEDで構成されている。
図4は、本実施例の遊技機1に搭載された演出表示装置27の構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置27は、主に液晶表示画面を用いて構成されており、液晶画面上には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cと、その背景に表示される背景図柄27dとが表示されている。このうち、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、図3に示した特別図柄30の表示に合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出することが可能となっている。
以上、遊技機1の前面側の構成について説明したが、最後に上皿部5の前面左端部に設けられた2つの演出ボタンSW1,SW2(図1参照)の働きについて説明しておく。演出ボタンSW1、SW2は、演出表示装置27の液晶画面上で表示される演出の形態を選択する機能を有している。つまり、遊技者が、所定の条件の下で演出ボタンSW1、SW2を操作すると、液晶画面上で行われる演出の形態や、背景図柄27dなどを変更することができる。このため、遊技者は、あたかも、演出表示装置27で表示される演出に参加しているような気分を味わうことが可能となっている。
A−3.装置裏面側の構成 :
次に、遊技機1の裏面構造について説明する。図5は、本実施例の遊技機1の裏面構造を示した説明図である。裏機構盤102には、遊技機1の上部付近から右端中央部付近にかけて、賞球タンク105、タンクレール106、賞球払出装置109が設けられている。賞球タンク105は、遊技球を蓄えるためのものである。また、タンクレール106は、賞球タンク105から賞球払出装置109に対して遊技球を供給するためのものである。そして、賞球払出装置109は、遊技球を遊技者に対して払い出すためのものである。この賞球払出装置109による払出し動作は、後述する払出制御基板によって制御される。この払出制御基板は、払出制御基板ケース118に収容されている。また、払出制御基板ケース118は、裏機構盤102の右下部付近に設けられている。
裏機構盤102の下部付近には、発射制御基板ケース130、電源基板ケース132、主制御基板ケース112などが設けられている。ここで、発射基板ケース130には、発射基板が収容されている。この発射制御基板は、遊技球の発射を司る制御基板であり、発射ハンドル8の操作に応じて発射動作を制御するように構成されている。次に、電源基板ケース132には、電源基板が収容されている。この電源基板は、遊技機1内の各装置に対する電源供給を司る基板である。また、主制御基板ケース112には、主制御基板が収容されている。この主制御基板は、遊技の進行を司る制御基板である。
また、裏機構盤102の中央部付近においては、演出表示基板ケース114、アンプ基板ケース115、装飾駆動基板ケース116、サブ制御基板ケース117などが設けられている。演出表示基板ケース114は、演出表示装置27を駆動する演出表示基板を収容している。アンプ基板ケース115は、各種スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板を収容している。装飾駆動基板ケース116は、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板を収容している。サブ制御基板ケース117は、これら演出表示基板、アンプ基板や装飾駆動基板などを制御するサブ制御基板を収容している。なお、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
A−4.制御回路の構成 :
次に、本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。図6は、本実施例の遊技機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板220と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU201,221,241,261や、これらのCPU201〜261で実行される各種プログラムやデータを記憶しているROM(図示略)、プログラムの実行に際してCPU201〜261が一時的なデータを記憶するRAM202,222,242,262、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPU201〜261が演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPU201〜261の暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図6中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。
図示されているように主制御基板200は、始動口スイッチ17sや、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ36sなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって、各種コマンドを出力する。また、主制御基板200には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。更に、主制御基板200は、始動口17に設けられた一対の翼片部を開閉させるための普通電動役物ソレノイド17mや、大入賞口31dを開閉させるための大入賞口ソレノイド31m、普通図柄や特別図柄の変動停止表示を行う図柄表示装置28に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
サブ制御基板220は、主制御基板200からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、前述した演出表示装置27を駆動する演出表示基板224や、各種スピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板226、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板228に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。また、前述した演出ボタンSW1,SW2からの操作信号は、演出ボタン基板230を介してサブ制御基板220に入力される。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部5に設けられた球貸ボタン5bや返却ボタン5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板245から球貸装置13に伝達される。このため、球貸ボタン5bを操作すると、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって球貸の払い出しが行われる。このとき、球貸ボタン5bの押下に基づいて、球貸装置13はプリペイドカードの度数を減算した後、プリペイドカードの残り度数を示す信号が球貸表示基板245を介してCR表示部50に伝達され、その結果、CR表示部50には、プリペイドカードの残り度数が表示される。また、返却ボタン5cを操作すると、球貸装置13に挿入されているプリペイドカードが返却される。また、主制御基板200が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御基板240が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109j、後側払出スイッチ109k)によって検出され、払出制御基板240に入力される。また、払い出された賞球数はカウントスイッチ8sによっても検出されて、主制御基板200でも計数されている。
更に、前述した賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御基板240に入力されている。このため、払出制御基板240は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。また、下皿部6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御基板240に入力されている。このため、下皿部6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御基板240が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。加えて、前面枠4が開放状態となっていることを検出する前面枠スイッチ4sからの信号も、払出制御基板240に入力されている。このため、何らかの理由で前面枠4が明けられた場合には、賞球の払い出し、あるいは遊技球の球貸し等の動作を中止することが可能となっている。また、払出制御基板240は、主制御基板200からの制御の元で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御基板260に向かって出力しており、発射制御基板260は、この発射許可信号を受けて、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
次に、サブ制御基板220に対する信号あるいはコマンドの入出力関係について説明する。図7は、サブ制御基板220についての入出力関係を示したブロック図である。図示されているように、サブ制御基板220には、演出表示基板224と、アンプ基板226、装飾駆動基板228、演出ボタン基板230などの各種基板が接続されている。
サブ制御基板220は、前述したように主制御基板200から各種の演出コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、前述した演出表示装置27での具体的な表示内容や、各種スピーカ5y,6cで出力する効果音、更には、各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯もしくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出表示装置27の駆動信号を演出表示基板224に出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、演出表示装置27あるいは演出表示基板224に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。また、演出用図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板226に出力することによって、各種スピーカ5y,6cから効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板228に信号を供給し、装飾駆動基板228から各種LEDやランプ類4b〜4fの駆動信号を出力することによって、各種LEDやランプ類の点灯・点滅動作を制御する。更に、前述したように、上皿部5の前面側に設けられた演出ボタンSW1,SW2を、遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御基板220に供給される。サブ制御基板220は、供給された操作信号に基づいて、上述した演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
図8は、発射制御基板260についての入出力関係を示したブロック図である。図6を用いて前述したように、発射制御基板260は払出制御基板240に接続されており、払出制御基板240からのコマンドを受けて、遊技球を発射するための各種動作、具体的には、遊技球を発射するための発射モータ8mを駆動するとともに、遊技球を1球ずつ発射位置に供給するための球送りソレノイド8tを駆動する動作を制御する。このうち、遊技球の発射に関わる信号は、発射駆動基板264を経由して入出力される。すなわち、発射制御基板260と発射モータ8mとの間で行われる信号のやり取りは、発射駆動基板264を介して行われる。また、遊技者が発射ハンドル8(図1参照)に触れていることを検出するタッチスイッチ8aや、遊技球の発射を一時的に停止するときに操作する発射停止スイッチ8bからの信号は、発射駆動基板264を介して発射制御基板260に供給される。一方、球送りソレノイド8tに対する駆動信号は、発射制御基板260から球送りソレノイド8tに直接供給される。
A−5.遊技の概要 :
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機1で行われる制御の内容について説明するが、その準備として、先ず初めに、遊技の概要について簡単に説明しておく。
本実施例の遊技機1では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿部5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニットに供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球が打ち出される強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左側に設けられた普通図柄作動ゲート36を通過すると、図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。図3を用いて前述したように、図柄表示装置28には左普通図柄表示部29aと、右普通図柄表示部29bとが設けられている。左普通図柄表示部29aは赤色の光を点灯可能に構成されており、右普通図柄表示部29bは緑色の光を点灯可能に構成されている。普通図柄の変動表示が開始されると、左右の普通図柄表示部29a,29bが点滅表示を行う。
図9は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。変動表示中の普通図柄は、図示されている4つの状態を取ることができる。先ず、図9(a)に示した状態は、左普通図柄表示部29aが点灯して、右普通図柄表示部29bが消灯している状態を表している。図9(b)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも点灯した状態を表している。図9(c)は、左普通図柄表示部29aが消灯し、右普通図柄表示部29bが点灯した状態を表しており、図9(d)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも消灯した状態を表している。普通図柄の変動表示中は、これら4つの表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、そして、所定時間が経過すると、4つの表示状態のいずれかの状態で停止表示される。このとき、所定の表示状態で停止表示されると、いわゆる普通図柄の当りとなって、始動口17が所定時間(例えば0.5秒間)だけ開放状態となる。本実施例では、図9(c)に示した表示状態、すなわち、左普通図柄表示部29aが消灯し、右普通図柄表示部29bが点灯している状態が、普通図柄の当りに設定されている。
尚、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過した場合は、この遊技球の通過が保留数として蓄えられて、現在の普通図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている普通図柄の保留数は、図3に示した普通図柄保留表示部29cに表示される。
次いで、開放状態となった始動口17に遊技球が入球すると、今度は、特別図柄の変動表示が開始される。特別図柄は、図3を用いて説明したように特別図柄表示部30によって表示される。尚、前述したように、本実施例の特別図柄表示部30は、7セグメントLEDからなる左特別図柄表示部30aと、コンマ部分の右特別図柄表示部30bから構成されており、これら左右の特別図柄表示部30a,30bは、赤色、橙色、緑色のいずれかで点灯可能となっている。
図10は、特別図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。特別図柄の変動表示中は、左特別図柄表示部30aでは、「A」、「Y」、「−」のいずれかの図柄が表示され、右特別図柄表示部30bでは常にコンマ「.」が表示されている。また、左特別図柄表示部30aの「A」および「Y」、右特別図柄表示部30bのコンマ「.」は、赤色、橙色、緑色の3つの状態を取ることができ、左特別図柄表示部30aの「−」は、赤色または緑色のいずれかの状態を取ることができる。本実施例の特別図柄表示部30では、これらの表示状態が組み合わされて、図10に示す12種類の状態を表示することができる。図中で7セグメントLEDあるいはコンマ部分に細かいハッチングが付されているのは、赤色の状態で点灯されていることを表している。また、少し粗いハッチングが付されているのは橙色の状態で点灯表示されていることを表しており、粗いハッチングが付されているのは緑色の状態で点灯表示されていることを表している。特別図柄の変動表示が開始されると、これら12種類の表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、所定時間が経過すると、いずれかの状態で停止表示される。
停止表示された図柄が「−」である場合は、特別図柄は外れとなるが、それ以外の図柄の組合せが停止表示された場合は特別図柄の大当りとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技が開始される。すなわち、特別図柄が大当りとなる図柄の組合せは、図10に示した12種類の図柄から、「−」を除いた10種類の組合せが存在することになる。また、本実施例の特別遊技は、大入賞口31dが所定回数だけ開放状態となる遊技状態(ラウンド)が、所定ラウンドだけ繰り返されるように構成されている。大入賞口31dは大きく開口するために、遊技球は高い確率で入球することとなる。その結果、所定回数のラウンドが繰り返される間に遊技者は多くの賞球を獲得することが可能となっている。
尚、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口17に入球した場合は、この遊技球の入球が特別図柄の保留数として蓄えられて、現在の特別図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。特別図柄の保留も最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている特別図柄の保留数は、図3に示した特別図柄保留表示部30cに表示される。
また、図10に示した特別図柄が大当りとなる10種類の組合せのうち、実線で囲った5種類の組合せは、いわゆる「確変図柄」と呼ばれる組合せであり、変動表示された特別図柄が、これら確変図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技が終了してから次の特別遊技が開始されるまでの間、大当り図柄で停止表示される確率が通常の状態よりも高くなる。このような遊技状態は、確率変動状態(若しくは、確変状態)と呼ばれる。
更に、図10に示した特別図柄が大当りとなる10種類の組合せのうち、破線で囲った5種類の組合せは、いわゆる「通常図柄」と呼ばれる組合せであり、変動表示された特別図柄が、これら通常図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技の終了後、特別図柄が所定回数(本実施例では100回)変動表示されるか、若しくは次回の特別遊技が開始されるまでの間、特別図柄の変動時間が短くなるとともに、始動口17の開放時間が若干長くなるように設定されている。このような遊技状態は、変動時間短縮状態(若しくは、時短状態)と呼ばれる。尚、本実施例の遊技機1においては、こうした時短機能は、通常図柄で停止表示された場合だけでなく、確変図柄で停止表示された場合にも作動するようになっている。結局、特別図柄が、図10に示した10種類の大当り図柄のいずれかで停止表示された場合は、特別遊技の終了後、必ず時短機能が作動することになる。
上述した特別図柄の変動停止表示に合わせて、演出表示装置27では演出用図柄を用いた各種の演出が行われる。図11は、演出表示装置27で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図4を用いて前述したように、演出表示装置27を構成する液晶表示画面には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが表示されている。前述した図柄表示装置28で特別図柄の変動表示が開始されると、これら3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、キャラクタ図柄として「0」〜「9」までの10個の数字を意匠化した図柄が用意されている。
図11(a)には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左キャラクタ図柄27aが「0」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右キャラクタ図柄27cが停止表示され、最後に中キャラクタ図柄27bが停止表示される。
これら演出表示装置27で停止表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した図柄表示装置28で停止表示される特別図柄の組合せと連動するように構成されている。たとえば、図柄表示装置28の特別図柄が大当り図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが同じ図柄で停止表示される。特に、図柄表示装置28の特別図柄が、前述した確変図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、奇数を表す同じ図柄で停止表示される。一方、図柄表示装置28の特別図柄が、前述した通常図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、偶数を表す同じ図柄で停止表示される。他方、図柄表示装置28の特別図柄が外れ図柄で停止する場合は、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは同じ図柄で揃わない任意の組合せで停止表示される。
このように、図柄表示装置28で表示される特別図柄と、演出表示装置27で表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cとは、表示内容が相互に対応しており、それぞれの表示図柄が確定するタイミングも同じに設定されているため、どちらの表示を見ながら遊技をすることも可能である。しかし、図2に示すように、図柄表示装置28よりも演出表示装置27の方が目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、更に表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置27の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、演出表示装置27の表示画面上で初めに停止表示される左キャラクタ図柄27aと、続いて停止表示される右キャラクタ図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中キャラクタ図柄27bも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り状態になるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このようなリーチ演出を行うことで、遊技者の興趣を高めることが可能となっている。また、リーチ演出にも種々の演出態様が用意されており、遊技者の興趣をより一層、効果的に高めることが可能である。尚、本実施例では、このように2つのキャラクタ図柄が同じ図柄で停止表示されて、最後のキャラクタ図柄が変動表示されている状態を「リーチ状態」と呼ぶ。
B.遊技機の制御内容 :
以下では、本実施例の遊技機1が、上述した遊技を実現するために行っている制御内容について詳しく説明する。
B−1.遊技制御の概要 :
主制御基板200に搭載されたCPU201は、図13に示した制御準備開始処理を終了すると、遊技機1の遊技制御を開始する。図12は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。図示されるように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理、普通電動役物遊技処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。
また、前述したように、CTCは約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出スイッチなどの状態を検出する処理などが行われる。図12に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理、普通電動役物遊技処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理を実施する。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種コマンドを送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、フローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
B−1−1.ウォッチドッグタイマリセット処理 :
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技制御処理を開始すると、制御基板上に搭載されたウォッチドッグタイマをリセットする処理を行う(S40)。ウォッチドッグタイマからはCPU201を初期化する信号が出力されており、ウォッチドッグタイマから初期化信号が出力される前に、ソフトウェアプログラム上でウォッチドッグタイマをリセットするようになっている。こうすれば、仮にCPU201が暴走した場合にはウォッチドッグタイマをリセットすることができなくなるので、ウォッチドッグタイマが出力する初期化信号によってCPU201が初期化され、直ちに暴走から復帰することが可能となる。そこで、CPU201はS40において、ウォッチドッグタイマをリセットする処理を行う。
B−1−2.賞球関連処理 :
次いで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S50)。図13は、CPU201が賞球の払出に関わる一連の準備を行うための賞球関連処理の流れを示したフローチャートである。賞球関連処理を開始すると、CPU201は先ず初めに、主制御基板200に接続されている各種スイッチ(始動口スイッチ17s、大入賞口スイッチ31s,31t、ゲートスイッチ36sなど。ただしRAMクリアスイッチは除く。)について、断線や故障などの異常の発生有無を検出して、異常の生じたスイッチがあれば、その情報を記憶しておく(S52)。
続いて、各種乱数(普通図柄当否判定用乱数、特別図柄当否判定用乱数、特別図柄乱数、特別図柄変動乱数、リーチ判定用乱数など)の値を更新する(S54)。更新するための乱数は、乱数発生用のプログラムによってソフトウェア的に発生させてもよいし、乱数発生用の専用ICを用いてハードウェア的に発生させてもよい。更に簡便には、発振器とカウンタとを組み合わせることによって、ハードウェア的に発生させた疑似乱数を用いることとしても良い。
各種乱数を更新したら、遊技球の入賞の有無を検出する(S56)。すなわち、異常のないことが確認された各種スイッチの中から、始動口スイッチ17sや大入賞口スイッチ31s,31tなど遊技球の入賞に関わるスイッチについて、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球したスイッチが検出された場合には(S56:YES)、遊技球がいずれのスイッチで検出されたかを示す情報(入賞情報)を記憶する(S58)。入賞情報は、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶される。一方、遊技球が入球したスイッチが検出されなかった場合には(S56:NO)、入賞情報を記憶する操作はスキップする。
次いで、記憶されている入賞情報の有無を判断する(S60)。そして、入賞情報がある場合は(S60:YES)、入賞情報を1つ選択し、選択した入賞情報に対応する賞球数指定コマンドを払出制御基板240に向かって出力する(S62)。すなわち、入賞情報は遊技球が入賞した入賞口あるいは始動口を示す情報であり、遊技球が入賞した入賞口に応じて、賞球として払い出される遊技球の個数は予め定められている。従って、入賞情報を1つ選択すれば、その入賞情報がいずれの入賞口あるいは始動口を表すかに応じて賞球の個数を決定することができるので、決定した賞球数を指定するコマンドを出力するのである。
払出制御基板240に搭載されたCPU241は、賞球数指定コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109j、後側払出スイッチ109k)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、賞球数指定コマンドで指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
以上のようにして、賞球数指定コマンドを出力したら、そのコマンドを出力するために選択した入賞情報を消去した後(S64)、図13に示した賞球関連処理を終了する。このように、賞球関連処理では、1回の処理に1つの賞球数指定コマンドしか出力することができない。このため、複数の遊技球の入賞が検出され(S56)、複数の入賞情報が記憶された場合には(S58)、1つの入賞情報についてのみ処理が行われ、残りの入賞情報については次回の処理で行われることになる。そして、入賞情報が残っていないと判断された場合は(S60:NO)、賞球数指定コマンドを出力する操作(S62)および入賞情報を消去する操作(S64)は省略して、直ちに賞球関連処理を終了し、図12に示した遊技制御処理に復帰する。
B−1−3.普通図柄遊技開始判断処理 :
図12に示したように遊技制御処理では、賞球関連処理(S50)から復帰すると、普通図柄遊技処理を行うか否かを判断する処理、すなわち普通図柄遊技開始判断処理を行う(S100)。図14は、CPU201が普通図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う処理(普通図柄遊技開始判断処理)を示したフローチャートである。普通図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっては、先ず初めに、遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過したか否かを判断する(S102)。普通図柄作動ゲート36にはゲートスイッチ36sが組み込まれており、CPU201はゲートスイッチ36sからの信号に基づいて遊技球の通過を検出することが可能である。
遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過していれば(S102:YES)、普通図柄の保留数が「4」に達しているか否かを判断する(S104)。主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスには、普通図柄保留数のデータが書き込まれており、S104では、このアドレスに設定されているデータを読み出して、この値が「4」に達しているか否かの判断を行う。そして、保留数が「4」に達していなければ(S104:NO)、普通図柄の当否判定用乱数を取得し、この乱数値をRAM202の所定アドレスに記憶するとともに、普通図柄保留数の値を1つ加算する(S106)。詳細には後述するが、普通図柄の当否判定は、こうして記憶した普通図柄当否判定用乱数を用いて行われる。また、普通図柄保留数は、上述したようにRAM202の所定アドレスに記憶されている。尚、前述したように、普通図柄の当否判定用乱数は、図12に示す遊技制御処理が1回実行されるたびに、図13に示した賞球関連処理の中で、他の乱数と同時に更新されている。
一方、S104において、保留数が「4」に達している場合は(S104:YES)、普通図柄の当否判定用乱数の取得は行わない。すなわち、普通図柄の当否判定用乱数は、最大4つまで記憶することが可能となっており、このことに対応して、普通図柄保留表示部29cにも、最大4つまでの保留を表示可能となっている(図3参照)。
最後に、図柄表示装置28の普通図柄保留表示部29cで普通図柄の保留数を表示するべく、LEDの駆動信号を出力する(S108)。すなわち、普通図柄保留数が4個であれば、普通図柄保留表示部29cに設けられた4つのLEDを全て点灯させる。また、普通図柄保留数が3個であれば3つのLEDを点灯させ、普通図柄保留数が2個であれば2つのLEDを、普通図柄保留数が1個であれば1つのLEDを点灯させる。普通図柄保留数が0個であれば、4つのLEDをすべて消灯させる。
以上のようにして、図柄表示装置28を駆動して普通図柄保留表示部29cに、普通図柄保留の個数を点灯させたら、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S110)。普通電動役物は、普通図柄遊技を行った結果として作動する役物である。従って、普通電動役物が作動中であれば(S110:YES)、重ねて普通図柄遊技を開始する必要はないので、普通図柄遊技は開始しないと判断する(すなわち、S100:NO)。一方、普通電動役物が作動中でない場合は(S110:NO)、普通図柄遊技を開始すると判断する(すなわち、S100:YES)。
図12に示した遊技制御処理のステップS100では、普通図柄遊技を開始するか否かを、以上のようにして判断する。そして、普通図柄遊技を開始すると判断した場合は(S100:YES)、以下に説明する普通図柄遊技処理を開始する(S150)。一方、普通図柄遊技を開始しないと判断した場合は(S100:NO)、普通図柄遊技処理はスキップする。
B−1−4.普通図柄遊技処理 :
図15は、普通図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。普通図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、普通図柄表示部29の普通図柄が変動中か否かを判断する(S152)。図2を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では図柄表示装置28に普通図柄表示部29が設けられており、図9に示した態様で普通図柄を変動表示することが可能となっている。図15に示す普通図柄遊技処理を開始したら、先ず初めに、普通図柄が変動表示中か否かを判断するのである。
普通図柄が変動中でない場合は(S152:NO)、普通図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかのいずれかであると考えられる。そこで、現在の状態が、普通図柄の停止表示時間中であるか否かを判断する(S154)。ここで、普通図柄の停止表示時間とは、遊技者が停止図柄を確認できるように普通図柄を停止表示するべく、予め設定されている時間である。後述するように、普通図柄の変動表示開始や変動表示の停止は、主制御基板200に搭載されたCPU201が制御している。このためCPU201は、現在の状態が普通図柄の停止表示時間中であるか否かを、内部の制御状態に基づいて容易に判断することができる。
普通図柄の停止表示時間中ではないと判断された場合は(S154:NO)、普通図柄の変動表示が既に終了しており(S152:NO)、尚且つ、遊技者が普通図柄の停止図柄を確認できるように設定された停止表示時間も終了している(S154:NO)と考えられる。そこで、このような場合は、普通図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S156)。普通図柄保留数が「0」でない場合、換言すれば、普通図柄の保留が残っている場合は(S156:NO)、普通図柄の当否判定を行う(S158)。普通図柄の当否判定は、普通図柄の保留時に記憶しておいた当否判定用乱数値が、予め定めておいた当り値と一致するか否かを判断することによって行う。すなわち、前述した図14のS106で記憶した乱数値が、所定の当り値と一致していれば普通図柄の当りと判断し、一致していなければ普通図柄の外れと判断する。
こうして普通図柄の当否判定を行ったら、主制御基板200のCPU201は、図3に示した普通図柄表示部29において普通図柄の変動表示を開始する(S160)。次いで、普通図柄保留数から1を減算したら(S162)、図15に示した普通図柄遊技処理を終了して、図12に示す遊技制御処理に復帰する。一方、S156で「YES」と判断された場合、すなわち、普通図柄の変動表示中ではなく、且つ普通図柄の停止表示時間中でもないが、普通図柄の保留数が「0」である場合は、S158ないしS162の処理を行うことなく、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図12に示す遊技制御処理に復帰する。
またS152において、普通図柄が変動中であると判断された場合は(S152:YES)、既に行われた普通図柄遊技処理の中で、普通図柄の変動表示が開始されているものと考えられる。そこで、普通図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S164)。普通図柄の変動表示時間は、変動表示が開始された段階で予め定められており、主制御基板200に搭載されたCPU201は、所定の変動時間が経過したか否かを判断する。
そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S164:NO)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して、図12に示す遊技制御処理に復帰する。一方、変動時間が経過したと判断された場合は(S164:YES)、普通図柄表示部28において変動表示している普通図柄を停止表示させる(S166)。このときの停止図柄は、普通図柄の当否判定結果に応じた図柄で停止表示させる。すなわち、S160で普通図柄の変動表示を開始するに先だって既に普通図柄の当否が決定されており(S158)、当否判定結果が当りの場合は、図9(c)に示した図柄の組合せで停止表示させ、当否判定結果が外れの場合は、それ以外の図柄の組合せで停止表示させる。更に、停止表示された図柄を遊技者が確認することができるように、停止図柄の表示時間を設定する(S168)。
次いで、停止図柄の表示時間が経過したか否かを判断し(S170)、設定された停示時間が経過していない場合は(S170:NO)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図12に示す遊技制御処理に復帰する。一方、停止図柄の表示時間が経過したと判断された場合は(S170:YES)、停止表示された図柄が普通電動役物を作動させることとなる図柄(本実施例では図9(c)に示した図柄)であるか否かを判断する(S172)。停止表示された普通図柄が普通電動役物を作動させる図柄でない場合は(S172:NO)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図12に示す遊技制御処理に復帰する。一方、停止表示された普通図柄が普通電動役物の作動図柄である場合は(S172:YES)、普通電動役物の作動を開始し(S174)、その後、普通図柄遊技処理を終了して図12に示す遊技制御処理に復帰する。本実施例の遊技機1では普通電動役物が作動すると、始動口17の内部に設けられた普通電動役物ソレノイド(始動口ソレノイド)17mが駆動され、始動口の翼片部が外側に回動して始動口17が開放状態となる。
図12に示すように、遊技制御処理では、普通図柄遊技処理から復帰すると普通電動役物が作動中か否かを判断する(S190)。主制御基板200のCPU201は、普通電動役物が作動中であれば、内部の制御状態に基づいてこれを容易に検出することができる。普通電動役物が作動中でなければ(S190:NO)、普通電動役物遊技処理(S200)はスキップするが、普通電動役物が作動中であれば(S190:YES)、以下に説明する普通電動役物遊技処理を開始する(S200)。
B−1−5.普通電動役物遊技処理 :
図16は、普通電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。普通電動役物遊技処理では、先ず初めに、普通電動役物が所定の作動時間が経過したか否かを判断する(S202)。前述したように、普通電動役物が作動すると、始動口17に設けられた一対の翼片部が外側に向かって回動し、始動口17が開放状態となるが、所定時間が経過すると、再び一対の翼片部が直立した通常の状態に復帰する。そこで、S202では、普通電動役物が予め設定しておいた作動時間に達したか否かを判断するのである。そして、作動時間に達したと判断された場合は(S202:YES)、普通電動役物の作動を停止した後(S206)、普通電動役物遊技処理を終了して図12に示した遊技制御処理に復帰する。
一方、始動口17は開放中に規定数の遊技球が入球すると、開放時間が設定時間に達していない場合でも、通常状態に復帰してしまう。このことと対応して、普通電動役物の作動時間が所定時間に達していない場合は(S202:NO)、普通電動役物に規定数の遊技球が入球したか否かを判断し(S204)、規定数の遊技球が入球したと判断された場合は(S204:YES)、普通電動役物の作動を停止して、図16に示した普通電動役物遊技処理を終了する。逆に、規定数の入球がないと判断された場合は(S204:NO)、普通電動役物を作動させたまま、図16に示した普通電動役物遊技処理を終了して、図12に示す遊技制御処理に復帰する。
図12に示すように、遊技制御処理では、図16に示す普通電動役物遊技処理から復帰すると、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S300)。その結果、特別図柄遊技処理を開始しないと判断された場合には(S300:NO)、特別図柄遊技処理(S320)をスキップし、逆に、特別図柄遊技処理を開始すると判断された場合には(S300:YES)、特別図柄遊技処理(S320)を行う。
B−1−6.特別図柄遊技開始判断処理 :
図12に示したように遊技制御処理では、普通電動役物遊技処理(S200)から復帰すると、特別図柄遊技処理を行うか否かを判断する処理、すなわち特別図柄遊技開始判断処理を行う(S300)。図17は、特別図柄遊技を行うか否かを判断する処理の流れを示したフローチャートである。図14を用いて前述した普通図柄遊技処理を開始するか否かの判断時と同様に、特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっても、先ず初めに、特別図柄の保留数に関わる処理を行う。具体的には、始動口17に遊技球が入球したか否かを判断する(S302)。前述したように、始動口17の内部には遊技球の通過を検出する始動口スイッチ17sが組み込まれており、主制御基板200のCPU201は、かかるスイッチによって始動口17に遊技球が入球したことを検出することができる。
始動口17に遊技球が入球している場合は(S302:YES)、特別図柄の保留数が4以上か否かを判断する(S304)。主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスには、特別図柄保留数のデータが書き込まれており、S304では、このアドレスに設定されているデータを読み出して、特別図柄の保留数が4以上か否かの判断を行う。そして、特別図柄保留数が4に達していなければ(S304:NO)、特別図柄の当否判定用乱数を取得して、この乱数値をRAM202の所定アドレスに記憶するとともに、特別図柄保留数を1つ加算する(S306)。特別図柄についての当否判定も、前述した普通図柄の当否判定と同様に、こうして記憶された当否判定用乱数に基づいて行われる。一方、特別図柄の保留数が4に達している場合は(S304:YES)、新たな当否判定用乱数の取得は行わない。尚、特別図柄の当否判定用乱数についても、前述した普通図柄の当否判定用乱数と同様に、先に行われた賞球関連処理の中で他の乱数とともに更新されている。
最後に、図柄表示装置28で特別図柄の保留数を表示するべく、LEDの駆動信号を出力する(S308)。図3を用いて前述したように、特別図柄保留表示部30cには4つのLEDが設けられており、特別図柄保留数が4個であれば、全てのLEDを点灯させる。また、特別図柄保留数が3個であれば3つのLEDを点灯させ、特別図柄保留数が2個であれば2つのLEDを、特別図柄保留数が1個であれば1つのLEDを点灯させる。特別図柄の保留数が0個であれば、4つのLEDをすべて消灯させる。
以上のようにして特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、条件装置が作動中か否かを判断する(S310)。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別図柄が図10に示した大当り図柄で停止表示されると作動を開始する装置である。条件装置は役物連続作動装置を作動させ、これによって、大入賞口31dが連続して開放する遊技(いわゆる特別遊技)が開始される。S310において、条件装置が作動中と判断されれば(S310:YES)、重ねて特別遊技を開始することを避けるため、特別図柄遊技は開始しないと判断する(すなわち、S300:NO)。一方、条件装置が作動中でない場合は(S310:NO)、特別図柄遊技を開始すると判断する(S300:YES)。
図12に示した遊技制御処理のステップS300では、以上のようにして、特別図柄遊技を開始するか否かを判断する。そして、特別図柄遊技を開始すると判断した場合は(S300:YES)、以下に説明する特別図柄遊技処理を開始する(S320)。
B−1−7.特別図柄遊技処理 :
図18および図19は、特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、特別図柄が変動中か否かを判断する(S322)。図3を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では図柄表示装置28に特別図柄表示部30が設けられており、特別図柄を変動表示可能となっている。
特別図柄表示部30の特別図柄が変動中でない場合は(S322:NO)、特別図柄の停止図柄を表示させる表示時間中であるか否かを判断する(S324)。すなわち、特別図柄の変動表示が終了してしばらくの期間は、遊技者が停止図柄を確認するための表示時間が設けられているので、この表示時間中か否かを判断するのである。そして、特別図柄が変動表示されておらず且つ特別図柄の停止図柄を表示している表示時間も経過していることが確認された場合は(S324:NO)、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S326)。特別図柄保留数は、主制御基板200上に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されている。S326では、このアドレスに記憶されている特別図柄保留数のデータが「0」であるか否かを判断する。特別図柄保留数が「0」でない場合、換言すれば、特別図柄の保留が残っている場合は(S326:NO)、特別図柄の当否判定を開始する。
本実施例の遊技機1では、特別図柄の当否判定に先立って、現在の遊技状態が確率変動状態(確変状態)か否かを判断する(S328)。前述したように、確変状態とは、図柄表示装置28の特別図柄が大当り図柄で停止表示される確率(すなわち、特別遊技状態が発生する確率)が、通常の確率よりも高くなる遊技状態を言う。確変状態は、図3に示した特別図柄表示部30に表示される図柄の組合せが、図10において実線で囲ったいずれかの図柄の組合せで停止した場合に、特別遊技が終了してから次の特別遊技が開始されるまで継続される。このことから、S328では、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを判断して、確変中であれば(S328:YES)、大当りの確率が高めに設定された状態で特別図柄の当否判定を行う(S330)。逆に、確変中でなければ(S328:NO)、大当りの確率が通常の値に設定された状態で特別図柄の当否判定を行う(S332)。
特別図柄の当否判定は、次のような当否判定テーブルを参照することによって行う。図20は、本実施例の特別図柄遊技処理において特別図柄の当否判定を行うために参照する当否判定テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、当否判定テーブルには、図20(b)に示す確変用のテーブルと図20(a)に示す非確変用のテーブルとが用意されており、それぞれのテーブルには、当否の判定結果が特別図柄当否判定用乱数に対応付けて記憶されている。ここで特別図柄当否判定用乱数とは、遊技球が始動口17に入球したときに取得されて、主制御基板200上のRAM202に記憶されている乱数である(図17のS306を参照のこと)。図18に示した特別図柄遊技処理のS328〜S332では、特別図柄の当否判定に先立って確変中か否かを判断し、確変中であれば、図20(b)に示した当否判定テーブルを参照して特別図柄の当否判定を行い、確変中でなければ、図20(a)の当否判定テーブルを参照して特別図柄の当否判定を行うのである。
以上のようにして、特別図柄の当否を判断したら、今度は、特別図柄の変動パターンを設定する処理を行う(S338)。詳細な処理内容については後述するが、S338では、先ず初めに、特別図柄を停止表示させる図柄を決定した後、決定した停止図柄に応じて、特別図柄の変動パターンを決定する処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄の変動パターンを設定すると、図柄表示装置28における特別図柄の変動表示を開始した後(S340)、特別図柄保留数から1を減算する処理を行う(S342)。前述したように、本実施例の図柄表示装置28は、図10に示した12種類の特別図柄を表示可能であり、これら図柄の表示を次々と切り換えることによって変動表示を行う。また、特別図柄の変動表示が開始されると特別図柄の保留数が1つ消化されるので、主制御基板200上のRAMに記憶されている特別図柄保留数のデータから1を減算しておくのである。尚、このようにして減算された特別図柄保留数は、繰り返し実行される遊技制御処理の次のループの中で図17の特別図柄遊技開始処理を実行する際に、S308の処理によって特別図柄保留表示部30cの表示内容に反映されることとなる。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄保留数から1を減算すると、サブ制御基板220に向かって変動パターンの指定コマンドを出力した後(S344)、特別図柄停止情報指定コマンドを出力する(S346)。ここで出力する変動パターン指定コマンドは、S340の特別図柄変動パターン設定処理中で設定された変動パターンを指定するコマンドである。また、特別図柄停止情報指定コマンドは、変動パターンとともに決定された特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。
変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドは、サブ制御基板220に向かって出力される。サブ制御基板220側のCPU221は、これらのコマンドを受け取って、コマンドの内容を解析する。詳細には後述するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が確変図柄か通常図柄か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が確変図柄で停止するのか、通常図柄で停止するのか、更には外れ図柄で停止するのかを知ることができる。サブ制御基板220に搭載されたCPU221は、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの変動・停止表示を行う。例えば、図柄表示装置28の特別図柄が確変図柄で停止表示する場合は、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの停止図柄も確変状態に対応する図柄(例えば、奇数を意匠化した同じ図柄)を選択し、あるいは、特別図柄が通常図柄で停止表示する場合は、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの停止図柄も時短状態に対応する図柄(例えば、偶数を意匠化した同じ図柄)を選択する。また、特別図柄の変動時間に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示基板224や、アンプ基板226、装飾駆動基板228などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
主制御基板200のCPU201は、以上のようにして、特別図柄の変動パターンと特別図柄の停止図柄とを決定し、これらに対応する変動パターン指定コマンドと特別図柄停止情報指定コマンドとを出力したら、図18に示した特別図柄遊技処理を終了して、図12に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、特別図柄遊技処理を開始した直後のS322の処理で、特別図柄表示部30の特別図柄が変動中であると判断された場合は(S322:YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されているものと考えられる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S348)。すなわち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S348:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図12に示す遊技制御処理に復帰する。一方、変動時間が経過したと判断された場合は(S348:YES)、サブ制御基板220に向かって演出表示装置27で変動表示されているキャラクタ図柄の図柄停止コマンドを出力する(S350)とともに、図柄表示装置28において変動表示している特別図柄表示部30の特別図柄を停止表示する(S352)。そして、図柄表示装置28上で特別図柄を停止表示させる表示時間を設定した後(S354)、設定した表示時間が経過したか否かを判断する(S356)。表示時間が経過していなければ(S356:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図12に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S356:YES)、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させることとなる図柄であるか否かを判断する(図19のS358)。ここで、条件装置を作動させることとなる図柄とは、図10に示した通常図柄(図中では太い破線の矩形で囲って表示した図柄)あるいは確変図柄(太い実線の矩形で囲って表示した図柄)である。図19のS358では、図柄表示装置28の特別図柄表示部30に停止表示された図柄が、これら通常図柄もしくは確変図柄のいずれかであるか否かを判断する。
停止表示された図柄が、条件装置を作動させることとなる図柄であった場合は(S358:YES)、条件装置および役物連続作動装置を作動させる(S360)。ここで条件装置とは、後述する役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別図柄が前述した確変図柄または通常図柄で停止表示されると作動を開始して大入賞口31dを開放させる装置である。また、役物連続作動装置とは、一旦閉鎖された大入賞口31dを再び開放させる装置である。詳細には別図を用いて説明するが、こうして条件装置および役物連続作動装置を作動させることにより、特別図柄遊技処理を抜けて図12の遊技制御処理に復帰すると特別電動役物遊技処理が開始され、特別遊技が開始されることになる。本実施例の遊技機1では、条件装置および役物連続作動装置の作動時は、確変機能や時短機能は働かないこととしている。そこで、図19のS360において条件装置および役物連続作動装置を作動させたら、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S362)。確変中であれば(S362:YES)、確変機能および時短機能が作動しているので、これら機能を停止させる(S364)。一方、現在の遊技状態が確変中ではなかった場合は(S362:NO)、時短中か否かを確認し(S368)、時短中であった場合は(S368:YES)、時短機能を停止させる(S370)。また、本実施例の遊技機1では、時短機能が作動している場合は、普通電動役物の開放時間を延長する機能も働いているので、S364あるいはS370において時短機能を停止したら、普通電動役物開放時間の延長機能も停止させた後(S366)、図18および図19に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。一方、S360で条件装置および役物連続作動装置を作動させたときの遊技状態が確変中でも時短中でもなかった場合は(S368:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて、遊技制御処理に復帰する。
以上、図柄表示装置28で停止表示された特別図柄が、条件装置を作動させることとなる図柄であった場合(S358:YES)の処理について説明したが、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させる図柄でなかった場合は(S358:NO)、次のような処理を行う。
先ず、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S372)。前述したように本実施例の遊技機1では、確変状態は、次の特別遊技状態が発生するまでは継続する設定となっている。そこで、現在の遊技状態が確変状態であると判断された場合は(S372:YES)、確変状態を維持したまま、図18および図19に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。
また、S372において現在の遊技状態が確変中ではないと判断された場合は(S372:NO)、時短中か否かを判断する(S374)。そして、時短中と判断された場合は(S374:YES)、時短中の特別図柄の変動回数を計数した後(S376)、変動回数が所定回数に達したか否かを判断する(S378)。前述したように本実施例の遊技機1では、時短状態は、次の特別遊技状態が発生するか、もしくは特別図柄が所定回数(ここでは100回)回転するまでは継続する設定となっている。そこで、現在の遊技状態が時短中であった場合は(S374:YES)、特別図柄の変動回数が所定回数に達したか否かを判断するのである(S378)。そして、所定回数に達していれば(S378:YES)、時短機能を停止させ(S380)、続いて、普通電動役物開放時間の延長機能も停止させた後(S366)、図18および図19に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の変動回数が、未だ所定回数に達していなければ(S378:NO)、時短状態を維持したまま、特別図柄遊技処理を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。
B−1−8.特別図柄変動パターン設定処理 :
ここで、図18に示した特別図柄遊技処理のS340において、特別図柄の変動パターンを設定するために行われる処理(特別図柄変動パターン設定処理)の詳細な内容について説明する。図21は、特別図柄変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。特別図柄の変動パターンは、後述するパターンテーブルを参照することによって決定されており、パターンテーブルは、特別図柄の当否判定結果や、確変中もしくは時短中か否かなどに応じて、複数のテーブルが用意されている。特別図柄の変動パターン設定処理では、これら複数のテーブルの中から適切なテーブルを参照して、変動パターンを設定する処理を行う。以下、フローチャートに従って説明する。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄変動パターン設定処理を開始すると先ず初めに、特別図柄の当否判定結果が大当りか否かを判断する(S3402)。前述したように、特別図柄の当否は、既に特別図柄当否判定用乱数に基づいて決定されていることから(図18のS330またはS332)、ここでは判定結果を読み出すだけで容易に判断することができる。
次いで、特別図柄をいずれの図柄で停止表示させるかを、特別図柄乱数に基づいて決定する処理を行う(S3404、S3410)。ここで、特別図柄乱数は、特別図柄の停止図柄を決定するために用いられる乱数であり、本実施例では図13に示した賞球関連処理の中で、普通図柄や特別図柄についての当否判定用乱数などの、他の乱数とともに予め更新されている。
特別図柄の停止図柄は、当否判定用乱数によって決定された当否判定結果と、特別図柄乱数との組合せによって決定される。図22は、特別図柄の当否判定結果と、特別図柄乱数との組合せに応じて、特別図柄の停止図柄が決定される様子を示した説明図である。図示されているように、本実施例の遊技機1では特別図柄乱数は「0」〜「9」の値を取ることができ、各々の乱数値に対して、当否判定結果が大当りの場合あるいは外れの場合の停止図柄が設定されている。図中の左側には、当否判定結果が大当りの場合に表示される停止図柄が示されており、図中の右側には、当否判定結果が大当りの場合に表示される停止図柄が示されている。図21に示した変動パターン設定処理のS3402において、当否判定の結果が大当りと判断された場合は(S3402:YES)、特別図柄乱数に対応する停止図柄を、図22の左側に示した対応関係に基づいて決定する(S3404)。逆に、当否判定の結果が外れと判断された場合は(S3402:NO)、図22の右側に示した対応関係に基づいて決定する処理を行う(S3410)。
以上のようにして、当否判定結果が大当りの場合の停止図柄を決定したら(S3404)、大当り時の変動パターンを設定するためのテーブルとして、パターンテーブルAを選択する(S3406)。後述するように、パターンテーブルには、特別図柄変動乱数と特別図柄の変動パターンとの対応関係が設定されており、かかるパターンテーブルを参照することによって変動パターンを決定することが可能となっている。S3406では、複数種類用意されているパターンテーブルの中から、当否判定結果が大当りの場合用に設定されているパターンテーブルAを選択する。
次いで、選択したパターンテーブルAを参照することにより、特別図柄の変動パターンを決定する(S3408)。決定に際しては、先ず初めに、特別図柄変動乱数を発生させる。特別図柄変動乱数とは、特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、他の乱数値と同様にして発生させることができる。次いで、先に選択しておいたパターンテーブルの中から、乱数の値に対応付けて設定されている変動パターンを選択する。
一方、特別図柄の当否判定結果が外れであった場合は(S3402:NO)、図22を参照しながら説明したようにして特別図柄の停止図柄を決定した後(S3410)、現在の遊技状態が確変中もしくは時短中か否かを判断する(S3412)。ここで、当否判定が外れの場合の変動パターンを設定するために、現在の遊技状態が確変中もしくは時短中であるか否かを判断しているのは、次の理由によるものである。特別図柄の変動時間は短いものから長いものまで種々の時間が設定されており、これらは、特別図柄の変動パターンに対応付けて予め定められている。ところが、前述したように、確変中もしくは時短中は特別図柄の変動時間が短縮されているので、図柄の変動時間があまり長くなるような変動パターンを選ぶことはできない。そこで、変動パターンを設定する際には、現在の遊技状態が確変中もしくは時短中か否かを判断しておくのである。
当否判定結果が外れで(S3402:NO)、確変中もしくは時短中であると判断された場合は(S3412:YES)、パターンテーブルBを選択する(S3414)。パターンテーブルBは、当否判定結果が外れで、確変中もしくは時短中の場合用に設定されているテーブルである。また、時短中でないと判断された場合は(S3412:NO)、パターンテーブルCを選択する(S3416)。パターンテーブルCは、当否判定結果が外れで尚且つ確変中でも時短中でもない場合、すなわち通常時の外れ用に設定されているテーブルである。
このようにして、当否判定結果が外れの場合に、確変中もしくは時短中か否かに応じてパターンテーブルBまたはパターンテーブルCのいずれか適切なテーブルを選択したら、今度は、リーチ演出の有無を決定する(S3418)。リーチ演出とは、図11を用いて前述したように、演出表示装置27に表示される3つのキャラクタ図柄のうち、2つのキャラクタ図柄が同じ図柄で停止表示されて、最後のキャラクタ図柄が変動表示されている状態の演出をいう。このようなリーチ演出を行うか否かで演出用図柄の変動時間は大きく異なり、これに連動して図柄表示装置28に表示される特別図柄の変動時間も大きく異なることから、パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する前に、リーチ演出を行うか否かを決定しておくのである。
リーチ演出を行うか否かの決定は、リーチ判定用乱数を発生させることによって行う。リーチ判定用乱数も、他の乱数と同様にして発生させることができる。S3418の処理では、こうして発生させたリーチ判定用乱数の値が、予め定められた値であればリーチ演出を行うと判断し、そうでなければリーチ演出を行わないと判断する。図23は、リーチ判定用乱数の値に応じて、リーチ演出を行うか否かが設定されている様子を示した説明図である。
次いで、選択しておいたパターンテーブルを参照することにより、特別図柄の変動パターンを決定する(S3420)。決定に際しては、先ず初めに、特別図柄変動乱数を発生させる。特別図柄変動乱数とは、特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、他の乱数値と同様にして発生させることができる。次いで、先に選択しておいたパターンテーブルの中から、乱数の値に対応付けて設定されている変動パターンを選択する。
図24は、パターンテーブルAに設定されている大当り用の変動パターンを例示した説明図である。図示されているように、パターンテーブルAには、リーチ演出ありの場合について、特別図柄変動乱数の値に対応する変動パターンが設定されている。例えば、得られた特別図柄変動乱数が「20」であれば、「パターン特2」という変動パターンが選択される。また、図25は、当否判定結果が外れで(図21のS3402:NO)、確変中もしくは時短中である場合(S3412:YES)に選択されるパターンテーブルBを例示した説明図である。パターンテーブルBについても、リーチ演出なしの場合と、ありの場合とについて、特別図柄変動乱数に対する変動パターンが設定されているが、設定内容はパターンテーブルAとは異なった変動パターンが設定されている。
図26、当否判定結果が外れで(図21のS3402:NO)、確変中もしくは時短中でもない場合(S3412:NO)に選択されるパターンテーブルCを例示した説明図である。パターンテーブルCも、パターンテーブルBと同様にリーチ演出なしの場合とリーチ演出ありの場合のそれぞれについて、特別図柄変動パターンが設定されている。図21のS3420では、以上のような各種パターンテーブルの中から、先に選択しておいたパターンテーブルを参照することにより、リーチ演出の有無の各場合について特別図柄変動乱数に対応付けられている変動パターンを決定する。
尚、図24ないし図26に例示されているように、特別図柄の変動パターンが決まれば、特別図柄の変動時間も決定される。変動時間は、変動パターンが異なれば種々の値を取るが、リーチ演出を行う場合の変動時間は、リーチ演出を行わない場合の変動時間よりも長い値となっている。このため、変動パターンが決まれば、これに対応する変動時間に基づいて、その変動パターンがリーチ演出ありのパターンか、リーチ演出無しのパターンかを判断することが可能となっている。
以上のようにして、特別図柄の変動パターンを設定したら、図21に示した特別図柄変動パターン設定処理を終了して、図18の特別図柄遊技処理に復帰する。前述した図18のS340では、以上のような処理を行うことにより、特別図柄の停止図柄と変動パターンとを決定しているのである。
B−1−9.特別電動役物遊技処理 :
図12に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、条件装置が作動中か否かを判断する(S390)。前述したように条件装置は、役物連続作動装置を作動させることにより、いわゆる特別遊技を開始させる装置である。そこで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、条件装置が作動中であれば、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する(S400)。一方、条件装置が作動中でなければ(S390:NO)、特別電動役物遊技処理(S400)はスキップする。
図27は、特別電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理が実行されることによって、いわゆる特別遊技状態が発生する。以下、図27を参照しながら特別電動役物遊技処理について説明するが、その準備として、いわゆる特別遊技状態と呼ばれる遊技の内容について簡単に説明しておく。
図2を用いて前述したように、遊技盤の下方には大入賞口31dが設けられており、この大入賞口31dは通常の遊技状態では閉鎖されている。しかし、特別遊技が開始されると、大入賞口31dが開放される。本明細書中で言う「特別電動役物」とは、大入賞口31dを開放させる装置である。大入賞口31dは他の入賞口に比べて大きく開口するため、大入賞口31dが開放されると、遊技球が高い確率で入球することになる。開放された大入賞口31dは、所定の開放時間が経過するか、あるいは所定数の遊技球が入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。本明細書中で言う「役物連続作動装置」とは、大入賞口31dを再び開放状態とする装置である。また、大入賞口31dが開放してから閉鎖するまでの遊技は、「ラウンド」と呼ばれる。こうしたラウンドを繰り返して、所定回数のラウンドを消化したら特別遊技が終了する。こうした遊技状態は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図27に示す特別電動役物遊技処理を行うことで実現されている。以下、図27を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
CPU201は、特別電動役物遊技処理を開始すると先ず初めに、大入賞口31dが開放中か否かを判断する(S402)。大入賞口31dは、通常の遊技状態では閉鎖されており、従って、特別遊技の開始直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっている。そこで、大入賞口は開放中ではないと判断して(S402:NO)、特別電動役物の連続作動回数が所定回数に達したか否かを判断する(S404)。前述したように特別電動役物とは、大入賞口31dを開放させる装置であり、特別遊技状態が発生すると特別電動役物が所定回数だけ作動して、所定回数のラウンドが繰り返されることになっている。このことに対応して、大入賞口31dが閉鎖されている場合は(S402:NO)、特別電動役物の作動回数が所定回数に達したか否か、換言すれば、所定回数のラウンドが終了したか否かを判断するのである(S404)。
当然のことながら、特別遊技が開始された直後は、特別電動役物の作動回数が所定回数に達していないから(S404:NO)、大入賞口の閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S406)。大入賞口の閉鎖時間とは、ラウンドとラウンドとの間で大入賞口31dが閉鎖状態となっている時間である。特別遊技が開始された直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっているから、当然、大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S406:YES)、大入賞口31dを開放させた後(S408)、図27に示した特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図12の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図12に示したように、ウォッチドッグタイマリセット処理(S40)に戻って、続く一連の各種処理を行った後、再び特別電動役物遊技処理(S400)を開始する。前述したように、図12に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図27に示した特別電動役物遊技処理も、約4msec毎に実行されることになる。そして、特別遊技が開始されて、図27の特別電動役物遊技処理が初めて実行された場合には、前述したようにS406において大入賞口31dを開放して、そのまま処理を終了するが、約4msec後に2周目の処理を行う場合には、S402にて、大入賞口31dが開放中と判断されることになる。
次いで、大入賞口31dの開放時間が所定時間に達したか否かを判断する(S410)。前述したように、特別遊技では、大入賞口31dが開放状態となるが、開放時間が所定時間に達するか、または大入賞口31dに所定数の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、S410では大入賞口31dの開放時間が所定時間に達したか否かを判断するのである。そして、開放時間が所定時間に達していれば(S410:YES)、大入賞口31dを閉鎖した後(S414)、図27に示した特別電動役物遊技処理を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。一方、開放時間が所定時間に達していない場合は(S410:NO)、大入賞口31dに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S412)。そして、遊技球が規定数に達した場合は(S412:YES)、大入賞口31dを閉鎖する(S414)。これに対して、規定数に達していない場合は(S412:NO)、大入賞口31dの開放時間が未だ所定時間に達しておらず、しかも大入賞口31dに入球した遊技球も規定数に達していないと考えられるので、大入賞口31dを開放させたまま、図27の特別電動役物遊技処理を抜けて、図12の遊技制御処理に復帰する。
図12の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31dの開放時間が所定時間に達するか(図27のS410:YES)、もしくは大入賞口31dに所定数の遊技球が入球して(S412:YES)、大入賞口31dが閉鎖される(S414)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。そして、次に特別電動役物遊技処理が実行された時には、S402において大入賞口31dが閉鎖中と判断され(S402:NO)、所定回数のラウンドが終了したか否かが判断され(S404)、全てのラウンドが終了していなければ(S404:NO)、大入賞口の閉鎖時間が所定時間に達したことを確認した後(S406:YES)、再び大入賞口31dを開放状態として新たなラウンドを開始する(S408)。
一方、S404において、所定回数のラウンドが終了したと判断された場合は(S404:YES)、特別遊技を終了させるべく、条件装置および役物連続作動装置の作動を停止させる(S416)。
続いて、条件装置が作動して特別遊技が開始されることとなった特別図柄の停止図柄が、確変図柄または通常図柄のいずれであったかを判断する(S418)。前述したように本実施例の遊技機1では、確変図柄によって特別遊技が開始された場合には、特別遊技の終了後も、次の特別遊技状態が発生するまでは、確変状態が継続される設定となっている。ここで確変状態とは、図柄表示装置28で停止表示される特別図柄が図10に示した大当り図柄となる確率が、通常の状態よりも高く設定されている遊技状態である。そこで、S416において条件装置および役物連続作動装置の作動を停止して、特別遊技を終了させたら、条件装置の作動が確変図柄によるものであったか否かを判断するのである(S418)。そして、確変図柄によるものであった場合は(S418:YES)、確変機能の作動を開始し(S420)、時短機能および普通電動役物開放時間延長機能の作動を開始した後(S422,S424)、図12に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、確変図柄によるものではなかった場合は(S418:NO)、確変機能を作動させることなく、直ちに、時短機能の作動を開始する(S422)。前述したように本実施例の遊技機1では、特別遊技の終了後は、次の特別遊技状態が発生するか、特別図柄の変動回数が所定回数(本実施例では100回)に達するまでは、時短機能が作動するように設定されている。加えて、本実施例の遊技機1では、時短中は、始動口17の開放時間が若干長くなるように設定されている。そこで、S422で時短機能を作動させると、続いて、普通電動役物開放時間の延長機能の作動を開始させた後(S424)、図27に示した特別電動役物遊技処理を終了して、図12の遊技制御処理に復帰する。結局、特別遊技が確変図柄によって始まった場合は、特別遊技の終了後、確変機能と、時短機能と、普通電動役物開放時間延長機能とが作動することになり、一方、特別遊技が確変図柄ではない図柄(すなわち通常図柄)によって始まった場合は、特別遊技の終了後、時短機能と、普通電動役物開放時間延長機能とが作動することになる。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技機1の遊技を進行させることが可能となっている。
C.第1実施例 :
以上に説明したように、遊技機1では、上皿部5に投入した遊技球を、発射装置ユニットから遊技盤10の遊技領域11に向かって発射することによって遊技が行われる。上皿部5に投入する遊技球は、現金を払って所定個数単位(例えば、1000円当たり250発)で貸し出しを受けることができるが、予め購入しておいたプリペイドカードをCRユニット1301に挿入することで、所定数ずつ遊技球の貸し出しを受けて上皿部5に投入することも可能である。このような遊技機では、遊技者の目の付き易い位置に、プリペイドカードの残り度数を表示するCR表示部50が設けられている。ここで、プリペイドカードの残り度数とは、所定数ずつ貸し出す遊技球の貸し出し可能な回数を示す数値である。勿論、CRユニット1301の代わりに現金ユニット1302を用いることにより、現金を払って遊技球の貸し出しを受けて遊技することも可能であり、このような場合にはCR表示部は不要なものとなる。遊技者の目に付き易い位置に、不要なCR表示部が設けられていることは、意匠の観点から望ましいことではなく、また、遊技者を惑わせるおそれがあるので遊技機の操作性の観点からも望ましいことはではない。こうした点に鑑みて、本実施例の遊技機1では、次のようなCR表示部が搭載されており、遊技者がプリペイドカードに対する操作を行う場合には残り度数の表示を確認できるものの、それ以外の場合には残り度数の表示が目立たなくなるように制御されている。以下では、このような第1実施例の遊技機1に搭載されたCR表示部、およびCR表示部において残り度数の表示状態を制御する方法について説明する。
C−1.CR表示部の構造 :
図28は、第1実施例の遊技機1の上皿部5を、上方から見た様子を示す上面図である。図中にハッチングを付して示した側が遊技機1の本体側となり、その反対側が遊技者側となる。図示されているように、上皿部5には、遊技者側から見て左側半分に、遊技球が投入される凹部が形成されており、遊技者側から見て右方には、CR表示部50が設けられている。また、CR表示部50の手前側には、プリペイドカードから遊技球の貸し出しを受ける際に操作する球貸ボタン5bと、プリペイドカードの返却を受ける際に操作する返却ボタン5cとが設けられている。尚、図28において、CR表示部50が破線で示されているのは、CR表示部50が、マジックミラーを利用して遊技者からは目立ち難い状態で搭載されていることを表したものである。以下、この点について説明する。
図29は、上皿部5にCR表示部50が搭載されている様子を示す断面図である。図では、図28中にA−Aと示した位置での上皿部5およびCR表示部50の断面が表示されている。図示されているように、CR表示部50は、上皿部5の内部に設けられた度数表示装置51と、度数表示装置51を覆うように設けられたマジックミラー52等から構成されている。度数表示装置51の構成については、後ほど詳しく説明するが、度数表示装置51では、プリペイドカードの残り度数を表示することが可能となっている。また、マジックミラー52は、上皿部5の表面に対してほぼ面位置に設けられている。更に、上皿部5は、マジックミラー52が設けられた箇所の少なくとも周辺は、メッキ仕上げのような金属光沢を有する状態に仕上げられている。
ここで、マジックミラー52は、周知のように、暗い側から明るい側を見た場合には、透明なガラスと同様に明るい側の様子を見ることができるが、明るい側から暗い側を見た場合には、鏡のようになって暗い側の様子を見ることが困難となる性質を有している。このような性質は、略半分の光を反射するとともに、残余の光を透過させる性質を有する部材であれば、普通に発生する性質である。そして、一般に、遊技機1が設置される遊技店の店内は明るく照明されており、一方、マジックミラー52の内側は店内よりは暗いので、通常の状態では、遊技者にとってはマジックミラー52が鏡のように見え、内側に度数表示装置51が搭載されていることに気が付くことはない。加えて、マジックミラー52の周辺の上皿部5は、メッキ仕上げのように金属光沢を有した状態に仕上げられているので、マジックミラー52は上皿部5に溶け込んでしまい、遊技者にとっては一層、目立ち難くなっている。図28において、CR表示部50を破線で示したのは、CR表示部50が、このように遊技者にとっては、目立ち難い状態で搭載されていることを表したものである。なお、マジックミラーは、透過率が高くなる程、ガラスの性質に近づいて明るい側から暗い側を見たときにも暗い側の様子が分かり易くなり、逆に透過率が低くなる程、鏡の性質に近づいていくが、本実施例の遊技機1では、透過率が20%〜80%の範囲であれば、概ねマジックミラーと同様な効果を得ることができる。通常は、透過率が20%に近いもの、あるいは80%に近いものはマジックミラーとは言わないが、本実施例の遊技機1では、このような部材(例えば自動車の後部座席用窓ガラスとして使用されているプライバシーガラス(スモークガラスと呼ばれることもある))をマジックミラーの代わりに用いることもできる。
次に、度数表示装置51の構成について説明する。図29に示されているように、度数表示装置51は、図6を用いて前述した球貸表示基板245と、球貸表示基板245に搭載された残り度数表示部53と、内部照明LED55などから構成されている。図30は、球貸表示基板245上に、残り度数表示部53および内部照明LED55が搭載されている様子を示す説明図である。図示されているように、残り度数表示部53は、2桁の7セグメントLEDによって構成されており、CRユニット1301の制御の下でプリペイドカードの残り度数を表示することが可能となっている。また、内部照明LED55は、複数のLEDを並べて構成されており、払出制御基板240のCPU241の制御の下でマジックミラー52の内側(残り度数表示部53が設けられている側)を照明することが可能となっている。
図31は、払出制御基板240のCPU241からの指示信号に基づいて、度数表示装置51が球貸装置13からの制御信号を受け取って、残り度数の表示や内部照明LEDの点灯を行う様子を示すブロック図である。図示されているように、度数表示装置51に設けられた球貸表示基板245は、プリペイドカードの残り度数の表示に関する信号(残り度数表示信号)をCRユニット1301から受け取ると、この信号の内容に応じて残り度数表示部53を点灯する。また、球貸装置13から球貸が可能である旨を示す信号(球貸可能表示信号)を受け取ると、内部照明LED55は点灯する。なお、球貸装置13は、払出制御基板240とデータをやり取りすることが可能となっており、払出制御基板240の制御の下で、所定数ずつ遊技球を貸し出したり、あるいは賞球を払い出す動作を行う。従って、球貸装置13から残り度数表示信号や球貸可能表示信号が出力されたか否かに関する情報は、払出制御基板240のCPU241でも把握することが可能となっている。
以上に説明したように、本実施例の遊技機1では、上皿部5のマジックミラー52で覆われた内側にCR表示部50の度数表示装置51が設けられている。マジックミラー52の内側は、遊技機1が設置された遊技店の明るさよりは暗い状態となっているので、遊技者からはマジックミラー52が鏡のように見えて、マジックミラー52の内側に度数表示装置51が搭載されていることに気付くことはない。しかし、内部照明LED55を点灯させてマジックミラー52の内側を明るくすれば、度数表示装置51が搭載されており、プリペイドカードの残り度数が表示されていることに遊技者が気付くことになる。このように、本実施例の遊技機1では、内部照明LED55が消灯している場合には、遊技者が残り度数の表示に気付き難く、内部照明LED55が点灯している場合には、残り度数の表示に気付くようになっている。従って、本実施例のマジックミラー52および内部照明LED55は、本願発明の「視認状態変更手段」の一態様を構成し、残り度数表示部53は、本願発明の「有価価値情報表示手段」の一態様を構成している。また、内部照明LED55を点灯させた状態は、本願発明の「表示内容が視認可能な状態」の一態様を構成し、内部照明LED55を消灯させた状態は、本願発明の「表示内容が視認困難な状態」の一態様を構成している。更に、払出制御基板240のCPU241は、本願発明の「切換制御手段」を構成している。加えて、本実施例の内部照明LED55は、本願発明の「照明手段」の一態様を構成している。
C−2.内部照明LEDの点滅制御および残り度数の表示制御 :
図32は、内部照明LED55の点滅制御および残り度数の表示制御の流れを示すフローチャートである。この処理は、遊技者がプリペイドカードをCRユニット1301に挿入すると、払出制御基板240のCPU241によって実行される処理である。
まず、この処理においては、払出制御基板240のCPU241は、プリペイドカードがCRユニット1301に挿入されたか否かを判断する(S510)。プリペイドカードが挿入されたと判断した場合には(S510:YES)、払出制御基板240のCPU241は、球貸可能表示信号がONであるか否かを判断する(S520)。図31に用いて前述したように、球貸可能表示信号はCRユニット1301から出力されているが、払出制御基板240のCPU241は、CRユニット1301とデータをやり取りすることにより、CRユニット1301から球貸可能表示信号が出力されたか否かを把握することが可能となっている。
球貸可能表示信号がONである場合には(S520:YES)、払出制御基板240のCPU241は、残り度数表示部53の7セグメントLEDを残り度数表示信号に基づいて駆動することにより、プリペイドカードの残り度数を残り度数表示部53に表示する(S530)。図31を用いて前述したように、残り度数表示信号は球貸装置13から出力されているが、払出制御基板240のCPU241は、CRユニット1301とデータをやり取りすることにより、CRユニット1301から残り度数表示信号が出力されたか否かを把握することが可能となっている。また、払出制御基板240のCPU241は、マジックミラー52の内側を明るくするために、内部照明LED55を点灯する(S540)。その結果、遊技者は、プリペイドカードの残り度数が残り度数表示部53に表示されているのを確認することができる。
図33は、内部照明LED55が点灯して、プリペイドカードの残り度数が表示されたときの様子を示す説明図である。内部照明LED55が点灯しているときは、内部照明LED55から照明される光によって、マジックミラー52の内側が外部よりも明るくなるため、マジックミラー52を介して残り度数表示部53に表示されたプリペイドカードの残り度数を外部から視認することができるようになる。なお、本実施例の遊技機1では、球貸可能表示信号がONである場合には、内部照明LED55が点灯してプリペイドカードの残り度数を外部から視認可能になるとともに、返却ボタン5cを操作してCRユニット1301からプリペイドカードを返却することができるようになっている。
一方、球貸可能表示信号がONでない場合には(S520:NO)、払出制御基板240のCPU241は、内部照明LED55を消灯する(S550)。その結果、マジックミラー52の内側が外部よりも暗くなるので、外部から残り度数を視認することは困難となる。また、払出制御基板240のCPU241は、プリペイドカードの残り度数の表示を消すべく、残り度数表示部53の7セグメントLEDを消灯する(S560)。ここで、内部照明LED55を消灯すれば、プリペイドカードの残り度数の表示も見えなくなるので、残り度数表示部53も消灯している。
図34は、内部照明LED55が消灯し、残り度数表示部53の7セグメントLEDが消灯して、プリペイドカードの残り度数が外部から視認することが困難となった様子を示す説明図である。内部照明LED55を消灯すれば、度数表示装置51がマジックミラー52の内側に設けられていることが分からないうえ、マジックミラー52の周辺は、メッキ仕上げのような金属光沢を有する状態に仕上げられているので、CR表示部50を上皿部5に設けてもスッキリとした意匠となる。また、仮にプリペイドカードの残り度数を表示する残り度数表示部53が視認可能な状態であれば、球貸ボタン5bや返却ボタン5cを操作したくなるが、プリペイドカードの残り度数が表示されないので、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cが上皿部5に設けられていても、遊技者が操作を誤るおそれはない。一方、図33を用いて前述したように、遊技機1をCR機として使用するときには、プリペイドカードの残り度数が残り度数表示部53に表示されるため、遊技者は、プリペイドカードの残り度数を容易に確認することができる。従って、このような遊技機1であれば、CRユニット1301を使用しても、現金ユニット1302を使用しても、意匠面を損なうことはない。
加えて、度数表示装置51の残り度数表示部53をマジックミラー52で覆っており、マジックミラー52の内側に内部照明LED55を設けて、残り度数表示部53および内部照明LED55を点灯することによって、あたかも何もない所からプリペイドカードの残り度数の表示が浮き出て来たような印象を遊技者に与えることができる。このため、演出的な効果を発揮させることもできる。
さらに、球貸可能表示信号がONであることに基づいて、残り度数表示部53および内部照明LED55を点灯させているので、プリペイドカードの残り度数が外部から視認可能になる。このため、残り度数が表示されているか否かによって、遊技者はプリペイドカードに対する操作が可能な時間帯であるか否かを判断することができる。従って、従来、球貸が可能である旨を遊技者に報知していたLEDを省略することができる。
D.第2実施例 :
上述した第1実施例では、遊技機に現金ユニット1302が使用される場合も起こり得ることから、度数表示装置51をマジックミラー52で覆って、現金ユニット1302を使用する場合には、プリペイドカードの残り度数を表示する残り度数表示部53が外部から視認することが困難な構成とした。しかし、遊技機には度数表示装置51に加えて、球貸ボタン5bや返却ボタン5cも設けられていることから、プリペイドカードを使用することなく遊技が行われる場合には、これら球貸ボタン5bや返却ボタン5cを、本来以外の操作を行うためのボタンとして用いることにしても良い。以下では、このような第2実施例の遊技機について説明する。
D−1.装置前面側の構成および制御回路の構成 :
図35は、第2実施例の遊技機1の正面図である。この第2実施例の遊技機1は、図1を用いて前述した第1実施例の遊技機1に対して、遊技条件を選択する演出ボタンSW1,SW2が設けられておらず、これらボタンの機能を球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cが兼ね備えている点が大きく異なっている。
図36は、第2実施例のサブ制御基板220についての入出力関係を示したブロック図である。この第2実施例の遊技機1では、サブ制御基板220には、払出制御基板240を経由し、演出ボタン基板230を介して、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cが接続されている。また、CR接続基板1303を介して、残り度数表示部53およびCRユニット1301が接続される。(なお、第2実施例では、演出ボタン基板230とCR基板1303とをそれぞれ別基板としたが、これらを1枚の基板としてもよい。)これは、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cに、演出ボタンSW1,SW2の機能を兼ね備えさせるためである。詳しくは後述するが、この第2実施例では、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cの押下態様によって、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを、球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cとして機能させるか、或いは演出ボタンとして機能させるかを判断している。以下では、この判断手法について説明する。
D−2.球貸ボタンおよび返却ボタンの制御処理 :
図37は、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cの制御処理の一部の流れを示すフローチャートである。この処理は、遊技者が球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cを押下すると、主制御基板200のCPU201、サブ制御基板220側のCPU221および払出制御基板240のCPU241によって実行される処理である。
まず、この処理において、払出制御基板240のCPU241は、球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cが押下されたか否かを判断する(S610、S620)。これは、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを、遊技条件を選択する演出ボタンとして操作する場合があるからである。判断の結果、球貸ボタン5bが押下された場合には(S610:YES)、払出制御基板240のCPU241は、球貸ボタン5bの押下している状態が維持されているかを判断する(S630)。一方、返却ボタン5cが押下された場合には(S620:YES)、図38に示すフローチャートに移行する。
続いて、払出制御基板240のCPU241は、球貸ボタン5bの押下が維持されている状態で(S630:YES)、返却ボタン5cが押下されたか否かを判断する(S630)。判断の結果、返却ボタン5cが押下された場合には(S640:YES)、払出制御基板240のCPU241は、球貸ボタン5bの本来の機能を実行する(S650)。すなわち、球貸ボタン5bが押下されたため、所定数の遊技球を遊技者に貸し出すとともに、プリペイドカードの残り度数から貸し出した遊技球に対応する度数を減算して、その余の残り度数を残り度数表示部53に表示する。
一方、球貸ボタン5bの押下状態がしばらく維持されたものの(S630:YES)、返却ボタン5cが押下されることなく(S640:NO)、最終的に球貸ボタン5bの押下状態が解除された場合には(S630:NO)、遊技中にいずれか一方の遊技状態を選択する演出において、一の遊技を選択したと判断して、一の遊技を選択する演出ボタンの機能を実行する(S660)。
ここで、図36に示したように、球貸ボタン5bは演出ボタンとして機能させるために、演出ボタン基板230を介して払出制御基板240に接続され、更にサブ制御基板220に接続されている。このため、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを演出ボタンとして機能させるためには、まず、払出制御基板240のCPU241は、この処理の権限をサブ制御基板220のCPU221に移譲する必要がある。
具体的には、例えば払出制御基板240のCPU241からサブ制御基板220のCPU221に権限を移譲することが考えられる。より具体的には、払出制御基板240のCPU241がRAM242の所定領域に移譲を示すフラグをセットすると、処理の権限を払出制御基板240のCPU241からサブ制御基板220のCPU221に移譲させる。そして、前述したように、権限が移譲されたサブ制御基板220のCPU221は、一の遊技を選択する演出ボタンの機能を実行する(S660)。
前述したように、返却ボタン5cが押下されたか否かの判断において(S620)、払出制御基板240のCPU241は、返却ボタン5cが押下されたと判断した場合には(S620:YES)、図38に示すフローチャートに移行する。図38は、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cの制御処理の残りの部分の流れを示すフローチャートである。
返却ボタン5cが押下された場合には(S720:YES)、払出制御基板240のCPU241は、返却ボタン5cの押下している状態が維持されているかを判断する(S730)。
続いて、払出制御基板240のCPU241は、返却ボタン5cの押下が維持されている状態で(S710:YES)、球貸ボタン5bが押下されたか否かを判断する(S720)。判断の結果、球貸ボタン5bが押下された場合には(S720:YES)、払出制御基板240のCPU241は、返却ボタン5cの本来の機能を実行する(S730)。すなわち、返却ボタン5cが押下されたため、CRユニット1301からプリペイドカードを返却する。
一方、返却ボタン5cの押下状態がしばらく維持されたものの(S710:YES)、球貸ボタン5bが押下されることなく(S720:NO)、最終的に返却ボタン5cの押下状態が解除された場合には(S710:NO)、遊技中にいずれか一方の遊技状態を選択する演出において、他の遊技を選択したと判断して、他の遊技を選択する演出ボタンの機能を実行する(S740)。なお、この処理を実行するときも、払出制御基板240のCPU241からサブ制御基板220のCPU221への権限の移譲を行ってから、サブ制御基板220のCPU221が、他の遊技を選択する演出ボタンの機能を実行する(S740)。なお、球貸ボタン5bが押下された状態で(S630:YES)、返却ボタン5cが押下された場合には(S640:YES)、返却ボタン5cの機能を実行する構成にしても良い。また、返却ボタン5cが押下された状態で(S710:YES)、球貸ボタン5bが押下された場合には(S720:YES)、球貸ボタン5bの機能を実行する構成にしても良い。
このように第2実施例の遊技機1では、演出ボタンSW1,SW2の機能を、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cに兼ね備えさせたため、遊技条件を選択する演出ボタンSW1,SW2を省略することができる。
しかも、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cの一方のボタンを押下したままの状態で、他方のボタンを押下するというかなり意図的な操作をしなければ、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cの機能が実行されることがないため、遊技者が球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを、本来の操作として機能させるときと、演出ボタンの操作として機能させるときに、誤操作するおそれを防止することができる。
このように構成された第2実施例の遊技機1における制御をタイミングチャートにまとめると、図39のようになる。図39は、内部照明LED55の点滅制御や、残り度数表示部53の表示制御、および球貸ボタン5b、返却ボタン5cを操作する様子を示すタイミングチャートである。従って、遊技機に現金ユニット1302を使用する場合には、同図に示すように、球貸可能表示信号がOFFであることに基づいて、内部照明LED55および残り度数表示部53が消灯されているので、マジックミラー52を介して残り度数表示部53を外部から視認することは困難である。このため、遊技者は、残り度数表示部53が外部から視認することが困難であることによって、遊技条件を選択することが可能な時間帯であることを認識することができる。
一方、球貸可能表示信号がONであることに基づいて、内部照明LED55および残り度数表示部53が点灯しているので、マジックミラー52を介してプリペイドカードの残り度数が表示された残り度数表示部53を外部から視認することができる。このため、遊技者は、残り度数表示部53を外部から視認できることによって、プリペイドカードに対する操作が可能な時間帯であることを認識することができる。
このように第2実施例では、残り度数表示部53が視認可能か否かに基づいて、遊技者は、遊技条件を選択することが可能な時間帯であるか、あるいはプリペイドカードに対する操作が可能な時間帯であるかを容易に認識することができる。このため、遊技者は、いずれの時間帯であるかを容易に認識することができるので、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cの押下態様を間違えるおそれを防止することができる。従って、本実施例の球貸ボタン5bは、本願発明の「球貸操作手段」の一態様を構成し、返却ボタン5cは「返却操作手段」の一態様を構成している。また、本実施例のCPU241は、本願発明の「操作判定手段」の一態様を構成している。更に、残り度数表示部53が視認可能か否かの判断は、サブ制御基板220に搭載されたCPU241が行っていることから、かかるCPU241は、本願発明の「視認状態判断手段」の一態様を構成している。
E.変形例 :
前述した第2実施例では、球貸可能表示信号がONであるか否かに基づいて、プリペイドカードの残り度数を表示する残り度数表示部53の表示制御やマジックミラー52の内側を照らす内部照明LED55の点滅制御を行っていた。このため、遊技者は、プリペイドカードの残り度数が外部から視認できるか否かによって、プリペイドカードに対する操作が可能な時間帯か、或いは遊技条件を選択することが可能な時間帯かを認識することができる。従って、遊技者は、プリペイドカードの残り度数が外部から視認できるか否かにより、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを押下したときに、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5c、あるいは演出ボタンのいずれの機能が実行されるかが分かる。
この変形例では、主制御基板200からの演出コマンドを解析した結果が演出中であるか否か基づいて、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cの押下されたときに、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5c、あるいは演出ボタンのいずれの機能を実行すべきかを判断する。そして、演出中か否かに基づいて、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5c、あるいは演出ボタンとして機能させる。
加えて、プリペイドカードの残り度数が外部から認識できるか否かによって、遊技条件を選択することが可能な時間帯か、或いはプリペイドカードに対する操作が可能な時間帯かを遊技者に認識させているため、これらの状態が切り換わるときに、ある程度の余裕を設けておくことも必要である。以下では、これらの点を反映した変形例について説明する。
E−1.演出フラグ処理 :
内部照明LED55の点滅制御および残り度数表示部53の表示制御は、払出制御基板240のCPU241が司っている。このため、演出中であるか否かを判断するためには、払出制御基板240は、サブ制御基板220を介して主制御基板200から演出コマンドを受け取る構成にするとともに、演出フラグを設定するための所定領域を払出制御基板240のRAM242に設けなければならない。そして、払出制御基板240は、演出コマンドを受け取って、その演出コマンドを解析したら、演出中は演出フラグをセットし、演出の終了後は演出フラグをリセットする必要がある。
図40は、演出コマンドの受信に基づいて演出フラグをセットした後、演出フラグをリセットするまでの演出フラグ処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、主制御基板200から演出コマンドを受信すると、払出制御基板240のCPU241によって実行される処理である。
まず、この処理において、払出制御基板240のCPU241は、主制御基板200から演出コマンドを受信したか否かを判断する(S810)。演出コマンドを受信すると(S810:YES)、受信した演出コマンドを解析する(S820)。この解析に基づいて、払出制御基板240のCPU241は、演出内容や演出時間等を把握する。
続いて、払出制御基板240のCPU241は、演出コマンドの受信に基づいて、演出が開始されるため、RAM242の所定領域に演出フラグをセットした後(S830)、演出コマンドの解析に基づき把握された演出時間が経過し、演出が終了したか否かを判断する(S840)。演出が終了していない場合には(S840:NO)、払出制御基板240のCPU241は、演出フラグのセットをそのまま維持する(S830)。一方、演出が終了した場合には(S840:YES)、払出制御基板240のCPU241は、演出フラグをリセットする(S850)。
このように、演出中は演出フラグがセットされ、演出が終了すると演出フラグがリセットされるため、払出制御基板240のCPU241は、この演出フラグがセットされているか否かにより、演出中であるか否かを判断することができる。
E−2.内部照明LEDの点滅制御および残り度数の表示制御 :
図41は、内部照明LED55の点滅制御および残り度数の表示制御の流れを示すフローチャートである。この処理は、遊技機1にCRユニット1301を使用するために、遊技者がプリペイドカードをCRユニット1301に挿入すると、払出制御基板240のCPU241によって実行される処理である。
まず、この処理においては、払出制御基板240のCPU241は、プリペイドカードがCRユニット1301に挿入されたか否かを判断する(S910)。プリペイドカードが挿入されたと判断した場合には(S910:YES)、払出制御基板240のCPU241は、球貸可能表示信号がONであるか否かを判断する(S920)。図31に用いて前述したように、球貸可能表示信号はCRユニット1301から出力されているが、払出制御基板240のCPU241は、CRユニット1301とデータをやり取りすることにより、CRユニット1301から球貸可能表示信号が出力されたか否かを把握することが可能となっている。
球貸可能表示信号がONである場合には(S920:YES)、払出制御基板240のCPU241は、残り度数表示部53の7セグメントLEDを残り度数表示信号に基づいて駆動することにより、プリペイドカードの残り度数を残り度数表示部53に表示する(S930)。図31を用いて前述したように、残り度数表示信号はCRユニット1301から出力されているが、払出制御基板240のCPU241は、CRユニット1301とデータをやり取りすることにより、CRユニット1301から残り度数表示信号が出力されたか否かを把握することが可能となっている。また、払出制御基板240のCPU241は、マジックミラー52の内側を明るくするために、内部照明LED55を点灯する(S940)。その結果、遊技者は、プリペイドカードの残り度数が残り度数表示部53に表示されているのを確認することができる。
図33に示したように、内部照明LED55が点灯しているときは、内部照明LED55から照明される光によって、マジックミラー52の内側が外部よりも明るくなるため、マジックミラー52を介して残り度数表示部53に表示されたプリペイドカードの残り度数を外部から視認することができるようになる。なお、本変形例の遊技機1でも、球貸可能表示信号がONである場合には、内部照明LED55が点灯してプリペイドカードの残り度数を外部から視認可能になるとともに、返却ボタン5cを操作してCRユニット1301からプリペイドカードを返却することができるようになっている。
一方、球貸可能表示信号がONでない場合には(S920:NO)、払出制御基板240のCPU241は、内部照明LED55を消灯する(S950)。その結果、マジックミラー52の内側が外部よりも暗くなるので、外部から残り度数を視認することは困難となる。また、払出制御基板240のCPU241は、プリペイドカードの残り度数の表示を消すべく、残り度数表示部53の7セグメントLEDを消灯する(S960)。ここで、内部照明LED55を消灯すれば、プリペイドカードの残り度数の表示も見えなくなるので、残り度数表示部53も消灯している。従って、図34に示したように、プリペイドカードの残り度数を外部から視認することは困難となる。
続いて、払出制御基板240のCPU241は、RAM242の所定領域に設定された演出フラグがリセットされているか否かを判断する(S970)。すなわち、払出制御基板240のCPU241は、演出フラグがリセットされているか否かを判断することにより、演出中であるか否かを判断しているのである。判断の結果、演出フラグがリセットされていない場合、つまり演出中である場合には(S970:NO)、払出制御基板240のCPU241は、内部照明LED55の消灯(S950)および残り度数表示部53の消灯(S960)を維持する。一方、演出フラグがリセットされている場合、つまり演出中でない場合には(S970:YES)、払出制御基板240のCPU241は、インターバル時間を経過したか否かを判断する(S980)。ここで、インターバル時間とは、演出フラグがリセットされた場合、つまり演出が終了した場合に(S970:YES)、所定時間が経過するまで、内部照明LED55および残り度数表示部53の消灯を維持するための時間であり、インターバル時間としては、3秒〜5秒程度が好ましい。
このため、インターバル時間を経過していない場合には(S980:NO)、払出制御基板240のCPU241は、内部照明LED55の消灯(S950)および残り度数表示部53の消灯(S960)を維持する。ここで、演出フラグが一旦リセットされた後は、再度演出が開始されるまでは、演出フラグがリセットされた状態を維持するので、インターバル時間が経過するまで、内部照明LED55の消灯(S950)および残り度数表示部53の消灯(S960)が維持されることになる。一方、インターバル時間を経過した場合には(S980:YES)、この処理の先頭に戻って、プリペイドカードをCRユニット1301に挿入されているか否かを判断する(S910)。
このように球貸可能表示信号がOFFとなり(S920:NO)、演出が終了しても(S970:YES)、インターバル時間が経過するまでは(S980:NO)、内部照明LED55の消灯(S950)および残り度数表示部53の消灯(S960)が維持されることになる。しかも、インターバル時間中は、演出フラグがリセットされているとともに、球貸可能表示信号もOFFであるため、球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cが押下されても、それぞれのボタンとして機能することもなく、また演出ボタンSW1,SW2として機能することもない。すなわち、インターバル時間中に球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cが押下されても、その操作は無効になるだけである。従って、このようにインターバル時間を設けても、ボタン操作が無効になるものの、遊技機1が遊技者の意図に反した動作を行うことを回避することが可能となる。
E−3.球貸ボタンおよび返却ボタンの制御処理 :
図42は、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cの制御処理の一部の流れを示すフローチャートである。この処理は、遊技者が球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cを押下すると、サブ制御基板220のCPU221および払出制御基板240のCPU241によって実行される処理である。
まず、この処理において、払出制御基板240のCPU241は、RAM242の所定領域に設けられた演出フラグがセットされているか否かを判断する(S1010)。すなわち、払出制御基板240のCPU241は、演出フラグがセットされているか否かを判断することにより、演出中であるか否かを判断しているのである。判断の結果、演出フラグがセットされていない場合、つまり演出中でない場合には(S1010:NO)、払出制御基板240のCPU241は、球貸ボタン5bが押下されたか否かを判断する(S1020)。判断の結果、球貸ボタン5bが押下された場合には(S1020:YES)、払出制御基板240のCPU241は、球貸ボタン5bの機能を実行する(S1030)。すなわち、球貸ボタン5bが押下されたため、払出制御基板240のCPU241は、所定数の遊技球を遊技者に貸し出すとともに、プリペイドカードの残り度数から貸し出した遊技球に対応する度数を減算して、その余の残り度数を残り度数表示部53に表示する。
一方、球貸ボタン5bが押下されない場合には(S1020:NO)、払出制御基板240のCPU241は、返却ボタン5cが押下されたか否かを判断する(S1040)。判断の結果、返却ボタン5cが押下された場合には(S1040:YES)、払出制御基板240のCPU241は、返却ボタン5cの機能を実行する(S1050)。すなわち、返却ボタン5cが押下されたため、球貸装置13からプリペイドカードを返却する。
前述した演出フラグがセットされているか否かの判断において(S1010)、演出フラグがセットされている場合、つまり演出中である場合には(S1010:YES)、図43に示すフローチャートに移行する。図43は、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cの制御処理の残りの部分の流れを示すフローチャートである。この処理においては、まず、払出制御基板240のCPU241は、この処理の権限をサブ制御基板220のCPU221に移譲する。すなわち、図36に示したように、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを演出ボタンとして機能させるために、演出ボタン基板230を介して払出制御基板240を経由しサブ制御基板220に接続されている。このため、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを演出ボタンとして機能させるためには、払出制御基板240のCPU241からサブ制御基板220のCPU221への権限の移譲が必要である。
そして、移譲されたサブ制御基板220のCPU221は、球貸ボタン5bが押下されたか否かを判断する(S1110)。球貸ボタン5bが押下された場合には(S1110:YES)、サブ制御基板220のCPU221は、一の遊技選択であると判断して、一の遊技を選択する演出ボタンの機能を実行する(S1120)。すなわち、球貸ボタン5bが押下されたため、サブ制御基板220のCPU221は、一の遊技を選択する。一方、球貸ボタン5bが押下されていない場合には(S1110:NO)、サブ制御基板220のCPU221は、返却ボタン5cが押下されたか否かを判断する(S1130)。返却ボタン5cが押下された場合には(S1130:YES)、他の遊技選択であると判断して、他の遊技を選択する演出ボタンの機能を実行する(S1140)。すなわち、返却ボタン5cが押下されたため、サブ制御基板220のCPU221は、他の遊技を選択する。
一方、返却ボタン5cが押下されていない場合には(S1130:NO)、サブ制御基板220のCPU221は、処理を図37に示す先頭に戻すため、この処理の権限を払出制御基板240のCPU241に移譲する。
このように構成された変形例の遊技機1における制御をタイミングチャートにまとめると、図44のようになる。図44は、内部照明LED55の点滅制御や、残り度数表示部53の表示制御、演出フラグ、球貸ボタン5b、返却ボタン5cのタイミングチャートである。同図からも明らかなように、演出中に球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cが押下された場合は、遊技条件を選択する演出ボタンSW1,SW2として機能している。一方、演出中でない場合に球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cが押下された場合は、遊技球の貸し出す場合に球貸ボタン5bおよびプリペイドカードを返却する返却ボタン5cとして機能している。この変形例では、演出中か否かに基づいて、球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cの機能を変更させているので、遊技者は球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cの押下態様を変更する必要はない。従って、演出中は球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cが、遊技条件を選択する演出ボタンとして機能し、演出中でもインターバル時間でもないときは球貸ボタン5bまたは返却ボタン5cとして機能するので、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cに演出ボタンの機能を兼ね備えさせた場合でも、遊技者は何ら違和感を覚えることなく、操作することができる。
しかも、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを演出ボタンとして機能させる遊技選択時間(T2)から、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cをプリペイドカードに対する操作として機能させるプリペイドカード操作時間(T1)に切り換わる際には、インターバル時間(T3)を設けており、インターバル時間が経過するまでは、内部照明LED55および残り度数表示部53を消灯している。このため、内部照明LED55の消灯中であるインターバル時間中に球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cが押下されても、そのボタン操作は無効になるものの、遊技機1が遊技者の意図に反した動作を行うことはない。従って、本変形例の払出制御基板240のCPU241は、本願発明の「操作無効化手段」の一態様を構成している。
また、球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cは、遊技者側から見て、上皿部5の右方に設けられており、殆どの人の利き手である右手でこれらのボタン5b、5cを操作することができるため、操作性が向上する。また、従来、上皿部5の手前左方に設けられていた演出ボタンSW1,SW2を操作する必要がないため、遊技者が喫煙者の場合は左手で左端に設けられた灰皿7を容易に利用することができるようになる。さらに、プリペイドカードを挿入するCRユニット1301も、現金を投入する現金ユニット1302も、通常は遊技機1の左側に併設されるので、左手でこれらの操作を容易に行うことができる。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
球貸可能表示LEDの信号に代えて、演出コマンドとその演習コマンドに基づく演出フラグによって、内部照明LED55の点滅制御を行う構成にしても良い。すなわち、演出フラグがリセットされている場合には、内部照明LED55を点灯し、演出フラグがセットされている場合には、内部照明LED55を消灯する構成にしても良い。こうすれば、球貸装置13から球貸が可能である旨を示す信号(球貸可能表示信号)を受け取らなくても、内部照明LED55を点滅制御することができるので、球貸可能表示信号にかかる配線等を省略することができる。なお、演出フラグがセットからリセットに切り換わる際や、演出フラグがリセットからセットに切り換わる際には、インターバル時間を設けても良い。
球貸ボタン5bおよび返却ボタン5cを省略して、遊技球の球貸を行う球貸ボタン5bおよびプリペイドカードの返却を行う返却ボタン5cの機能を、演出ボタンSW1,SW2に兼ね備えさせた構成にしても良い。こうすれば、遊技者側から見て、上皿部5の上面右方には、CR表示部50のみが設けられる構成となるため、上皿部5の上面をスッキリとした意匠に仕上げることができるとともに、省略した部分に新たな意匠を施すこともできる。
本実施例の遊技機の正面図である。 遊技盤の盤面構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機に搭載された図柄表示装置の構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機に搭載された演出表示装置の構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機の裏面構造を示した説明図である。 本実施例の遊技機における制御回路の構成を示したブロック図である。 サブ制御基板についての入出力関係を示したブロック図である。 発射制御基板についての入出力関係を示したブロック図である。 普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。 特別図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。 演出表示装置で行われる演出の一態様を例示した説明図である。 主制御基板に搭載されたCPUが実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。 賞球関連処理の流れを示したフローチャートである。 普通図柄遊技開始判断処理を示したフローチャートである。 普通図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。 普通電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。 特別図柄遊技を行うか否かを判断する処理の流れを示したフローチャートである。 特別図柄遊技処理の一部の流れを示したフローチャートである。 特別図柄遊技処理の残りの部分の流れを示したフローチャートである。 本実施例の特別図柄遊技処理において特別図柄の当否判定を行うために参照する当否判定テーブルを概念的に示した説明図である。 特別図柄変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。 特別図柄の当否判定結果と特別図柄乱数との組合せに応じて特別図柄の停止図柄が決定される様子を示した説明図である。 リーチ判定用乱数の値に応じてリーチ演出を行うか否かが設定されている様子を示した説明図である。 パターンテーブルAに設定されている大当り用の変動パターンを例示した説明図である。 時短・確変時の外れ用の変動パターンが設定されているパターンテーブルBを例示した説明図である。 通常時の外れ用の変動パターンが設定されているパターンテーブルCを例示した説明図である。 特別電動役物遊技処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施例の遊技機の上皿部を上方から見た様子を示す上面図である。 上皿部にCR表示部が搭載されている様子を示す断面図である。 球貸表示基板上に残り度数表示部および内部照明LEDが搭載されている様子を示す説明図である。 度数表示装置が球貸装置からの制御信号を受け取って残り度数の表示や内部照明LEDの点灯を行う様子を示すブロック図である。 内部照明LEDの点滅制御および残り度数の表示制御の流れを示すフローチャートである。 内部照明LEDが点灯してプリペイドカードの残り度数が表示されたときの様子を示す説明図である。 内部照明LEDが消灯し残り度数表示部の7セグメントLEDが消灯した様子を示す説明図である。 第2実施例の遊技機の正面図である。 第2実施例のサブ制御基板についての入出力関係を示したブロック図である。 球貸ボタンおよび返却ボタンの制御処理の一部の流れを示すフローチャートである。 球貸ボタンおよび返却ボタンの制御処理の残りの部分の流れを示すフローチャートである。 内部照明LEDの点滅制御や、残り度数表示部の表示制御、および球貸ボタン、返却ボタンを操作する様子を示すタイミングチャートである。 演出フラグ処理の流れを示すフローチャートである。 内部照明LEDの点滅制御および残り度数の表示制御の流れを示すフローチャートである。 球貸ボタンおよび返却ボタンの制御処理の一部の流れを示すフローチャートである。 球貸ボタンおよび返却ボタンの制御処理の残りの部分の流れを示すフローチャートである。 内部照明LEDの点滅制御や、残り度数表示部の表示制御、および演出フラグ、球貸ボタン返却ボタンの動作を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1…遊技機、 5…上皿部、 5b…球貸ボタン(球貸操作手段)、
5c…返却ボタン(球貸操作手段)、 13…球貸装置、
51…度数表示装置、 52…マジックミラー(視認状態変更手段)、
53…残り度数表示部(有価価値情報表示手段)、
55…内部照明LED(視認状態変更手段、照明手段)、
241…CPU(切換制御手段、視認状態判断手段、操作判定手段、操作無効化手段)

Claims (1)

  1. 所定数ずつ貸し出される遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機において、
    遊技の進行に応じた各種演出を行うための演出処理を実行する演出制御手段と、
    前記所定数の遊技媒体を遊技者に貸し出す遊技媒体貸出処理を行う払出制御手段と、
    前記遊技媒体の貸し出しに必要な有価価値に関する情報を表示する有価価値情報表示手段と、
    前記演出制御手段が演出を実行していることを示す演出フラグがセットされていない場合に、前記有価価値情報表示手段の表示内容視認容易な状態に設定し、前記演出フラグがセットされている場合に、前記有価価値情報表示手段の表示内容を視認困難な状態に設定する視認状態変更手段と、
    遊技機前面側に設けられる貸出ボタンの操作時に、当該貸出ボタンの操作に対応して行われる遊技処理を決定する遊技処理決定手段と
    を備え、
    前記遊技処理決定手段は、
    前記貸出ボタンの操作時に前記有価価値情報表示手段の表示内容が前記視認容易な状態のときは、前記払出制御手段による前記遊技媒体貸出処理を前記遊技処理として決定し、前記視認困難な状態のときは、前記演出制御手段による前記演出処理を前記遊技処理として決定することを特徴とする遊技機。
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