以下、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1〜図4に示すように、パチンコ機1は、枠部材2、遊技盤3、皿形成体4、発射駆動機構(図示略)、発射ハンドル7、複数の操作ボタン6、8a、8bなどを備えている。
枠部材2に裏側から遊技盤3が着脱可能に装着され、その遊技盤3の前面側に遊技領域12が形成され、遊技領域12の前側は開閉可能な窓部9aを有するガラス扉9で覆われている。このガラス扉9の前面には、複数の装飾ランプ10と複数のスピーカ11とが設けられている。遊技領域12の下側には、遊技領域12に遊技球Pを発射する発射機構47が配置されている(図6参照)。発射機構47は、遊技球Pを打撃する打撃槌(図示略)と、この打撃槌を作動させる発射ソレノイドアクチュエータ50などを有する。
図4に示すように、鉛直な盤面を形成する遊技盤3にはガイドレール13がほぼ環状に設けられ、ガイドレール13の内側に遊技領域12が形成され、遊技者が発射ハンドル7を右回しに所定角度回動操作して遊技球Pの発射強度を調整しつつ、発射機構47の発射ソレノイドアクチュエータ50の駆動により遊技球P(遊技媒体)が発射され、ガイドレール13により遊技球Pが遊技領域12に案内される。
遊技領域12には、多数の障害釘(図示略)、風車14、液晶ディスプレイ(演出表示手段)15、複数の普通入賞口16、開閉式の特別図柄始動入賞口17、特別図柄表示部(図柄表示手段)18、大入賞口19や球排出口20などが配置されている。遊技領域12の上部へ発射された遊技球Pは、遊技領域12の複数の障害釘や風車14に当たって方向を換えながら落下していき、普通入賞口16、特別図柄始動入賞口17、大入賞口19の何れかに入賞するか、最下端まで落下して球排出口20から排出される。
特別図柄始動入賞口17に入賞した遊技球Pを検出した場合には、特別図柄表示部18の特別図柄が変動表示される。液晶ディスプレイ15の表示画面には、キャラクタ等による動画像、背景画像などの演出画像や複数の図柄列からなる演出図柄が表示される。この演出図柄は、リーチや大当りに対する遊技者の期待感を喚起する為に演出目的で表示されるものである。遊技者は、この演出図柄の停止態様を見て特別図柄表示部18の特別図柄の停止態様が当りか否かを認識することができる。つまり、演出図柄は、特別図柄の変動表示に連動して変動表示され、特別図柄の停止タイミングに合わせて停止表示され、特別図柄が遊技者に有利となる利益状態を発生させる大当り態様で停止したとき、演出図柄の停止図柄も大当り態様(例えば、「777」)で表示される。
大当り中は、例えば、大入賞口19は最大で設定ラウンド数(作動数)(例えば、15ラウンド)まで作動し、複数ラウンドに亙って開閉動作を繰返し行う。大入賞口19の各作動は、その大入賞口19に所定数(例えば、10個)の遊技球Pが入球するか、その開放時から所定時間(例えば、30秒間)経過するまで維持される。
図4、図5に示すように、枠部材2の下部前面には合成樹脂製の皿形成体4が設けられ、この皿形成体4が遊技者側に膨出するように形成されている。皿形成体4には、貯留皿(貯留手段)21、第1,第2球抜き機構、球抜き/演出指令ボタン6、球貸しボタン8a、カード返却ボタン8b、複数の装飾ランプ23などが設けられている。
貯留皿21の底部には、第1,第2球抜き孔24,27が形成されている。第1球抜き孔24は、遊技球Pが通過可能な大きさで貯留皿21の底部における上方の部位に形成されている。主に、大当り中など貯留皿21の遊技球Pが満杯状態のとき、貯留皿21の遊技球Pが第1球抜き孔24から下方へ落下して球抜きされる。第2球抜き孔27は、遊技球Pが通過可能な大きさで貯留皿21の底部における球送り機構5の直前の部位に形成されている。遊技終了後に、貯留皿21の遊技球Pが第2球抜き孔27から下方へ落下して球抜きされる。
第1球抜き機構は、第1球抜き孔24を開閉可能な第1開閉部材25と、ソレノイドアクチュエータ又は電動モータとを備え第1開閉部材25を駆動する第1駆動手段26などを有する。第2球抜き機構は、第2球抜き孔27を開閉可能な第2開閉部材28と、ソレノイドアクチュエータ又は電動モータとを備え第2開閉部材28を駆動する第2駆動手段31などを有する。
図1,図4に示すように、球抜き/演出指令ボタン(操作手段)6は、遊技者が操作可能な十字状の突部を有する十字キーで形成され、皿形成体4の前面の上半部の右側に設けられている。この球抜き/演出指令ボタン6は、光透過性を有する材料、即ち、透明又は半透明状の樹脂材料で構成され、その内部には遊技者に操作指示を報知する為のカラーLED(報知手段)60が設けられている。
球抜き/演出指令ボタン6は、第1,2開閉部材25,28を開いて遊技球Pを第1,第2球抜き孔24,27から球抜き(排出)させる球抜き指令機能(第1機能)と、演出手段(液晶ディスプレイ15、複数の装飾ランプ10、23、スピーカ11)にボタン演出出力を指令する演出指令機能(第2機能)とを有する。なお、球抜き/演出指令ボタン6の球抜き機能において、第1開閉部材25だけを開いて遊技球Pを第1球抜き穴24から球抜きさせるように構成してもよい。
この場合、皿形成体4の下部に第2球抜き操作ボタン(図示略)を別途設け、遊技者がその第2球抜き操作ボタンを操作した場合、第2駆動手段31により第2開閉部材28が駆動され、貯留皿21上の遊技球Pが第2球抜き孔27から落下して外部へ球抜きされるようにしてもよい。即ち、同種の機能については複数の操作ボタン(球抜き/演出指令ボタン6と第2球抜き操作ボタン)を設けるようにしてもよい。但し、本実施例を効果的に実施する為には、異なる部位からの球抜き動作も単一の操作ボタンを操作することにより実現可能とするのが望ましい。この場合、遊技状態、即ち遊技者による発射ハンドル7の操作有無と、球抜き/演出指令ボタン6の操作信号とに基づき、第1駆動手段26と第2駆動手段31の少なくとも一方を駆動制御するようにしてもよい。
例えば、大当り中などのように遊技者が発射ハンドル7を操作し遊技を継続している場合には、第1駆動手段26のみを駆動させ第1開閉部材25を開いて遊技球Pを第1球抜き孔24から球抜き(排出)させるようにすればよい。又、遊技終了時のように遊技者が発射ハンドル7から手を離している場合には、第1駆動手段26及び第2駆動手段31を駆動させ第1開閉部材25及び第2開閉部材28を開いて遊技球Pを第1球抜き孔24及び第2球抜き孔27から球抜き(排出)させるか、第2駆動手段31のみを駆動させ第2開閉部材28を開いて遊技球Pを第2球抜き孔27から球抜き(排出)させるようにすればよい。
球抜き/演出指令ボタン6のボタン演出出力機能においては、大当り中以外の通常の遊技状態、例えば、演出図柄の変動開始から変動停止までの間において、内部抽選により特定演出を実行させる当選状態となった場合に、液晶ディスプレイ15の表示画面にボタン操作を指示する旨が報知され、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を押圧操作すると、ボタン演出が行われる。このボタン演出は、遊技者のリーチや大当りへの期待感を高める為の特定演出の一部である。例えば、液晶ディスプレイ15の表示画面に表示される特殊キャラクタによる特定演出中において、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作すると、その特殊キャラクタの会話を表示させる。この場合、その会話内容が大当りへの期待度を表示する。また、複数の装飾ランプ10、23が高速点滅表示され、スピーカ11から変動中の演出図柄や動画像に対応したサウンドが出力される。
球貸しボタン8aとカード返却ボタン8bは、皿形成体4の前面の上半部の左側に設けられている。遊技者が球貸しボタン8aを操作すると、所定金額分の遊技球Pの球貸し処理が実行される。また、遊技者がカード返却ボタン8bを操作すると、カードの返却処理が実行される。
図3に示すように、枠部材2の裏側には裏機構板44が着脱自在に装着され、その上部側に、外部から遊技球Pが供給される賞球タンク71と、賞球タンク71から延びるタンクレール72が設けられている。タンクレール72に通路ユニット73が接続され、通路ユニット73の上流側部分に遊技球Pの入賞に応じた賞球を貯留皿21に払出す払出機構74が設けられている。
次に、パチンコ機の制御系について説明する。
図2、図3、図6に示すように、パチンコ機1の枠部材2の裏側には、パチンコ機1を制御する各種制御手段(主制御手段、払出制御手段、演出制御手段、液晶表示制御手段、電源手段)が装備された基板として、主制御基板33、払出制御基板34、演出制御基板35、液晶表示制御基板36、電源基板37が夫々所定位置に配設されている。これら制御基板33〜37は別体に構成されて電気的に接続され、主制御基板33と払出制御基板34と演出制御基板35と液晶表示制御基板36には、夫々、CPUとROMとRAMからなるマイクロコンピュータと入出力インターフェースが夫々設けられている。
図3に示すように、演出制御基板35には、演出設定/音量調整スイッチ(第2操作手段)32が配設されている。演出設定/音量調整スイッチ32は、液晶ディスプレイ15の表示画面に表示される演出モードを設定変更可能な演出設定指令機能(第3機能)と、スピーカ11から出力される音声の音量を調整可能な音量調整指令機能(第4機能)とを有する。電源基板37には、電源スイッチ75と初期化スイッチ76とが配設されている。例えば、営業開始前に、ホール側の従業員が電源スイッチ75を操作してパチンコ機1の電源がオンされ、主制御基板33の主制御手段33aのRAMに記憶されている前日の遊技に関連するデータが初期化される。また、ホール側の従業員が演出設定/音量調整スイッチ32を操作して、液晶ディスプレイ15の表示画面に表示される演出モードと、その出現率に応じてスピーカ11から出力される音声の音量とが設定される。
図6に示すように、主制御基板33には、普通入賞口SW群38、特別図柄始動入賞口SW39、大入賞口SW40、特別図柄始動入賞口17の開閉SOL41、大入賞口19の開閉SOL42、払出制御基板34、演出制御基板35、図柄表示基板43などが接続されている。
主制御基板33の主制御手段33aは、これらSW38〜40からのSW信号に基づいて、特別図柄始動入賞口17の開閉SOL41、大入賞口19の開閉SOL42、図柄表示基板43の特別図柄表示部18を直接的に制御すると共に、払出制御基板34の払出制御手段34aと、演出制御基板35の演出制御手段35aに制御コマンドを出力し、これら制御基板34、35の制御手段34a、35aを介して他の制御機器を間接的に制御する。尚、SWはスイッチを意味し、SOLはソレノイドアクチュエータのことである。
払出制御基板34の払出制御手段34aには、貯留皿21上の遊技球Pの満杯状態を検知する貯留皿満杯SW52が接続されている。払出制御手段34aは、貯留皿満杯SW52からのSW信号に基づいて主制御手段33aに貯留皿21上の遊技球Pに関する制御コマンドを出力する。
普通入賞口16、特別図柄始動入賞口17、大入賞口19への遊技球Pの入賞に応じた賞球を払出す為の払出機構74が設けられ、払出制御基板34の払出制御手段34aは、主制御手段33aから受信した賞球に関する制御コマンドを入力し、払出機構74の払出モータ45へ駆動制御信号を出力し、払出機構74の払出計数SW46から検出信号を入力する。
遊技領域12へ遊技球Pを発射する発射機構47が設けられ、遊技者が発射ハンドル7を握って発射SW48をオンすると、発射制御基板49の発射制御手段を介して発射機構47の発射SOL50へ駆動制御信号が出力される。ここで、発射機構47において、発射制御手段から発射制御許可信号が入力された場合にだけ、発射SOL50への駆動制御信号の出力が許可される。
演出制御基板35には、演出設定/音量調整SW32が配設されると共に、スピーカ11、装飾ランプ群10,23、球抜き/演出指令SW51、球抜き/演出指令ボタンLED60、第1球抜き機構の球抜きSOL53又は球抜きモータ54などが接続されている。演出制御基板35の演出制御手段35aは、主制御手段33aからの貯留皿21の遊技球Pに関する制御コマンド(例えば、満杯エラーコマンドなど)と球抜き/演出指令SW51からの指令信号に基づいて、球抜き機構の球抜きSOL53又は球抜きモータ54を駆動制御する。
また、演出制御手段35aは、主制御手段33aから当り外れの情報を含んだ特別図柄の変動パターンコマンドや特別図柄の停止図柄コマンドなどを受信し、それらのコマンドに基づいて演出図柄の変動パターンや通常の演出パターン、球抜き/演出指令SW51からの指令信号に基づいて特定演出パターンなどを決定し、決定された変動パターン、演出パターンや特定演出パターンに応じてスピーカ11、装飾ランプ群10,23、LED60を駆動制御する。
液晶表示制御基板36の液晶表示制御手段36aは、演出制御手段35aからの演出図柄変動パターンコマンド、通常の演出表示コマンド、特定演出表示コマンドを受信し、それらコマンドに基づいて液晶ディスプレイ15を有する液晶ディスプレイユニットへ駆動制御信号を出力する。
次に、パチンコ機1の主制御手段33aに予め格納した制御プログラムにより達成される種々の機能(手段)のうち主要なものは図7に示すとおりである。
図7に示すように、主制御手段33aは、各手段61〜65を有する。抽選手段61は、特別図柄始動入賞口17に入賞した遊技球Pが検出された際、抽選カウンタを用いて複数の抽選用数値(乱数値)(例えば、0〜299)のうちから1つの数値を抽出する。判定手段62は、抽選手段61により抽出された抽選値が予め設定された大当り数値(例えば、71)の場合に大当りと判定し、大当り数値以外の数値の場合に外れと判定する。
特別図柄決定手段63は、判定手段62の判定結果に応じて、特別図柄の図柄態様に関し、乱数抽選により、「大当り」のときには大当り特定図柄態様を決定し、「外れ」のときには外れ図柄態様決定をすると共に、特別図柄変動パターンテーブルから特別図柄変動パターンを決定する。利益状態発生手段64は、判定手段62の判定結果を受けて、大当りの場合には、特別図柄が予め設定された大当り図柄態様になった場合に、所定の入賞条件に基づいて大入賞口19を開閉するように、大入賞口19の開閉SOL42を制御して、遊技者に有利な利益状態を発生させる。
確率変動手段65は、判定手段62が利益状態の終了時から所定回数(例えば、4回)判定するまでの間又は次回の大当りまで、大当りと判定する抽選確率を通常確率よりも高確率に変動させる。例えば、大当り判定の確率を通常状態で1/400であるのに対し、大当り数値を1個から10個に増やすことで1/40にする。
次に、演出制御手段35aに予め格納した制御プログラムにより達成される種々の機能(手段)のうち主要なものは図8に示すとおりである。
図8に示すように、演出制御手段35aは、各手段66〜70を有する。演出図柄決定手段66は、主制御手段33aから受信した当り外れの情報を含んだ特別図柄の変動パターンコマンド及び停止図柄コマンドに基づいて、特別図柄の変動停止時のタイミングに合わせて停止表示させる演出図柄を決定すると共に、演出図柄変動パターンテーブルから演出図柄変動パターンを決定する。
球抜き/演出処理設定手段67(設定手段に相当する)は、遊技状態に応じて球抜き/演出指令ボタン6の操作に基づいて実行される球抜き処理と演出処理の優先順位を設定する。例えば、大当り中に遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作した場合には球抜き処理を演出処理よりも優先させるよう設定する一方、大当り中以外に遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作した場合には演出処理を球抜き処理よりも優先させるよう設定する。
ボタン演出指令有効期間設定手段68は、演出図柄変動途中や大当り中において特定演出中におけるボタン演出を実行する為の球抜き/演出指令ボタン6の操作有効期間を設定する。タイマ設定手段69は、計時手段により計時される遊技者の球抜き/演出指令ボタン6の操作時間を設定する。演出表示/音声音量設定手段70は、演出設定/音量調整SW32の操作に基づいて、図9に示す演出表示/音量テーブルに記憶されている複数のモードの中から1つの演出モードと音量に関する音量モードとを設定する。本実施例では演出モードとは、所定の演出の選択率を異ならせたものであるが、特にこれに限定されず演出態様の全く異なるモード、遊技者に対する利益状態の異なるモード等としてもよい。このテーブルには、特定演出表示の出現率データと、その出現率データに対応付けた音声音量データとがモード毎に区別して記憶されている。例えば、ホール側の従業員が、演出設定/音量調整SW32を操作してモードIが設定された場合、遊技中において高い出現頻度で特定演出表示が実行される一方、スピーカ11から出力される音声の音量は小さい。
次に、演出制御基板35の演出制御手段35aが実行する、球抜き/演出指令ボタン6の操作に基づく球抜き/演出処理制御について、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=1,2・・・)は各ステップである。尚、この制御プログラムは、演出制御手段35aのROMに予め格納されている。
球抜き/演出処理が開始されると、先ず、球抜き/演出指令ボタン6が操作されたか否か判定される(S1)。球抜き/演出指令ボタン6が操作されていない場合(S1;No)、即ち、演出制御手段35aに球抜き/演出指令SW51からのSW信号が入力されていない場合、球抜きフラグがセットされているか否か判定される(S2)。判定の結果、球抜きフラグがセットされていない場合(S2;OFF)、球抜き/演出処理を終了する。
一方、球抜き/演出指令ボタン6が操作された場合(S1;Yes)、即ち、演出制御手段35aに球抜き/演出指令SW51からのSW信号が入力された場合、球抜きフラグがセットされているか否か判定される(S3)。判定の結果、球抜きフラグがセットされていない場合(S3;No)、遊技状態が大当り中であるか否か判定される(S4)。
大当り中の場合(S4;Yes)、球抜きフラグがセットされ(S5)、球抜きソレノイド53又は球抜きモータ54を駆動させる(S6)。即ち、大当り中において球抜き/演出指令操作ボタン6が操作されると、第1球抜き機構の球抜きソレノイド53又は球抜きモータ54により第1開閉部材25が駆動して第1球抜き孔24を開いて、貯留皿21上の遊技球Pが第1球抜き孔24から下方へ落下して外部へ球抜きされる。
ここで、第1球抜き機構を球抜きソレノイド53ではなく球抜きモータ54とした場合、球抜き/演出指令ボタン6の操作に基づいて球抜きモータ54が駆動制御されることで、第1開閉部材25が複数段階に分けて駆動制御可能となるので、第1球抜き孔24を複数の大きさの開放孔として設定することができる。これにより球抜き量を調節可能となる。第2球抜き機構についても同様である。特に第2球抜き機構においてモータを使用した場合、遊技球Pの直径よりも若干大きい開放孔となるように設定すれば、球抜きされる遊技球Pの後続の遊技球Pは、球送り機構5へ誘導される圧力により球抜きされず球送り機構5へ誘導される場合もあり、発射を行いつつ球抜きを行なうことも可能となる。勿論、発射不能となるような開放孔(例えば、遊技球Pの直径3個分の大きさ)に設定するようにして完全に球抜きを行うことも可能である。
S6の処理後も、球抜き/演出指令ボタン6が所定時間操作され続け(S1;Yes)、球抜きフラグもセットされている場合(S3)、その球抜き処理が継続して実行される。
一方、S6の処理後、球抜き/演出指令ボタン6が操作されておらず(S1;No)、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6から手を離した状態で球抜きフラグがセットされている場合(S2;ON)、球抜きフラグがリセットされ(S7)、球抜きソレノイド53又は球抜きモータ54の駆動を停止させ(S8)、球抜き処理を終了させる。
他方、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作し、大当り中でない場合(S4;No)、即ち、演出図柄の変動開始後、その演出図柄の変動途中の遊技状態において、球抜き/演出指令ボタン6の操作による特定演出を実行させる為のボタン演出指令有効期間(T)が演算される(S9)。このボタン演出指令有効期間とは、遊技球Pが特別図柄始動入賞口17に入賞し、内部抽選により特定演出を実行させる当選状態となった場合に、特定演出の発生によるボタン操作指示を報知する期間であって球抜き/演出指令ボタン6操作によるボタン演出指令が有効となる期間のことである。
ボタン演出指令有効期間演算後、演出図柄変動途中においてその演算結果に基づいて、S1の球抜き/演出指令ボタン6の操作がボタン演出指令有効期間中であるか否か判定される(S10)。判定の結果、ボタン演出指令有効期間中の場合(S10;Yes)、特定演出処理が実行される(S11)。このボタン演出処理が実行されると、液晶ディスプレイ15の表示画面に表示される特殊キャラクタによる特定演出中において、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作すると、その特殊キャラクタの会話を表示させると共に、複数の装飾ランプ10,23を高速点滅表示させ、スピーカ11から音声を出力させる処理が実行される。S11の処理終了後、球抜き/演出処理を終了する。
一方、S10において、球抜き/演出ボタン6の操作がボタン演出指令有効期間中でない場合(S10;No)、球抜き/演出指令ボタン6の操作時間のタイマ設定フラグがセットされているか否か判定される(S12)。判定の結果、タイマ設定フラグがセットされていない場合(S12;OFF)、タイマ設定フラグがセットされ(S13)、遊技者の球抜き/演出指令ボタン6の操作時間の計時が開始される(S14)。なお、タイマ設定時間は、例えば、2秒〜3秒に設定される。
S12において、タイマ設定フラグがセットされている場合(S12;ON)、タイマ設定時間が経過したか否か判定される(S15)。判定の結果、タイマ設定時間が経過している場合(S15;Yes)、タイマ設定フラグがリセットされると共に(S16)、球抜きフラグがセットされ(S5)、球抜きソレノイド53又は球抜きモータ54を駆動させ(S6)、球抜き処理が実行される。即ち、大当り中以外の通常の遊技状態において、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を設定時間(2秒〜3秒)以上操作した場合、球抜き処理を実行するよう第1球抜き機構を制御する。一方、S15において、タイマ設定時間が経過していない場合(S15;No)、球抜き/演出処理を終了する。
このように、上述の球抜き/演出指令ボタン操作による球抜き/演出処理制御が実行された場合、図11に示すように、大当り中においては、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作すると、球抜きソレノイド53又は球抜きモータ54が駆動制御され、第1開閉部材25を開いて第1球抜き孔24が開放され、貯留皿21上の遊技球Pを外部へ球抜きする球抜き処理が実行される。
そして、大当り終了後、演出図柄の変動が開始され演出図柄変動途中において、液晶ディスプレイ15の表示画面に球抜き/演出指令ボタン6を操作指示する旨の報知が所定期間行われ、その期間中に遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作すると、ボタン演出が実行される。また、ボタン演出有効期間中には、球抜き/演出指令ボタン6のカラーLED60が発光して、遊技者にボタン操作6を指示する旨を報知する。なお、遊技状態において球抜き/演出指令ボタン6による報知態様(例えば発光色)を異ならせるようにしてもよい。即ち、ボタン演出有効期間中の報知態様と、それ以外の期間(例えば球抜き有効期間中)の報知態様を異ならせるようにしてもよい。勿論、液晶ディスプレイ15や装飾ランプ10、23やスピーカ11を用いて報知を行なうようにしてもよい。
他方、大当り終了後、演出図柄の変動が開始され演出図柄変動途中において、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を所定時間以上操作した場合、球抜きソレノイド53又は球抜きモータ54により第1開閉部材25を開いて第1球抜き孔24が開放され、球抜き処理が実行される。
以上説明したパチンコ機1の効果について説明する。
貯留皿21からの遊技球Pの球抜き処理を指令する球抜き機能と、液晶ディスプレイ15と複数の装飾ランプ10,23とスピーカ11にボタン演出を指令するボタン演出機能とを有し遊技者が操作可能な球抜き/演出指令ボタン6と、球抜き/演出指令ボタン6からの指令に基づいて球抜き機能と演出機能の少なくとも一方を達成可能な演出制御手段35aを備えたので、1つの操作ボタン6で複数の機能を発揮させることができるため、操作ボタンの数を少なくして製作コストの低減を図ることができる。
また、球抜き/演出指令ボタン6からの指令に基づいて球抜き機能と演出機能の少なくとも一方を達成できるので、複数の処理を実行する際のボタン操作の簡単化を図ることができる。操作ボタンの配置スペースを小さくでき、皿形成体4の前面のスペースを有効活用できる。さらに、操作ボタンの数を少なくすることで操作ボタンの種類の判別が容易になる。
大当り中に遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作した場合に、演出制御手段35aは球抜き指令を演出指令よりも優先させるので、例えば大当り中に貯留皿21の遊技球Pが満杯状態中にボタン演出が実行されても球抜きを優先的に行って貯留皿21の遊技球Pの満タン状態を確実且つ早期に解消できる。演出制御手段35aは、大当り中以外の図柄変動開始から変動停止までの間において、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を設定時間以上操作した場合に、球抜き処理が実行されるように制御するので、遊技者が球抜きをしたい場合にだけ球抜き処理を実行させることができる。
遊技者に球抜き/演出指令ボタン6を操作するように指示するカラーLED60を球抜き/演出指令ボタン6に設けたので、遊技者が特定演出中におけるボタン演出指令の有効期間であることを確実に認識することができる。
液晶ディスプレイ15の表示画面に表示される特定演出の出現率を設定変更可能な演出設定機能と、スピーカ11から出力される音声の音量を調整可能な音量調整機能とを有し、ホール側の従業員が操作可能な演出設定/音量調整SW32を備え、演出制御手段35aは、演出設定/音量調整SW32からの指令に基づいて演出設定機能と、音量調整機能を発揮するように制御するので、特定演出表示の設定変更と音量調整処理とを実行する際のSW操作の簡単化を図ることができる。また、操作SWの数を少なくして製作コストの低減を図ることができる。
次に、前記実施例1を部分的に変更した変更例について説明する。
1〕実施例1においては、球抜き/演出指令ボタン6の操作により、特定演出の一部としてボタン演出が行われたが、ボタン演出を行う演出図柄の1変動全てを特定演出としてもよい。
2〕球抜き/演出処理設定手段67により球抜き指令を演出指令よりも優先させるよう設定され、図12に示すように、大当り中における特定演出実行中において、大当り演出指令有効期間(Tb)中に遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作した場合に、ボタン演出が実行されず、球抜き処理が実行されると共に、特定演出が中断又は中止されるようにしてもよい。また、中断又は中止された特定演出が球抜き処理の実行後に再開されるようにしてもよい。また、球抜き処理が優先されるよう設定されている場合でも、大当り変動パターンの種類、大当り図柄の種類、特定演出実行に関連する抽選処理等に基づき、大当り中の特定演出に対してボタン演出処理(確変昇格)が優先されるようにしてもよい。これにより、本来行われるはずである球抜き動作が行われず、ボタン演出が行われるという法則崩れを実現することになり、演出に対して意外性を持たせることができる。
3〕図13に示すように、大当り中において、特定演出決定時に球抜き/演出指令ボタン6が操作されると球抜き処理が実行されずに、例えば昇格演出等のボタン演出処理が実行され、昇格演出終了後に、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作すると、球抜き処理が実行されるようにしてもよい。この場合、遊技者は昇格演出により遊技状態が大当りから確率変動大当りに昇格することを認識することができるので、遊技性を高めることができる。尚、昇格演出とは、内部抽選にて確率変動大当りに当選していることを条件に、演出図柄が非確率変動大当り態様(例えば、「444」)で停止表示され大当りが発生した後、大当り中に確率変動状態である旨を報知する一連の演出状態を指すものである。
4〕図14に示すように、演出制御手段35aが貯留皿満杯SW52からSW信号を受信した場合には、特定演出実行中でも、球抜き処理が実行される。大当り中における大当り演出指令有効期間(Tb)中に球抜き/演出指令ボタン6を操作してボタン演出が実行され、その後、貯留皿21上の遊技球Pが満杯状態になり球抜き/演出指令ボタン6を操作すると、球抜き処理が実行される。なお、貯留皿21上の遊技球Pが満杯状態になると、球抜き/演出指令ボタン6のカラーLED60が発光して、ボタン6を操作する旨が報知される。
5〕演出制御手段35aの球抜き/演出処理制御において、大当り中に遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作した場合に球抜き処理と演出処理が同時に実行されるようにしてもよい。図15に示すように、大当り中において遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を操作すると、貯留皿21上の遊技球が球抜きされている間、遊技球の球抜きに合わせて特殊音による特定演出が行われる。また、大当り中以外の通常状態において、球抜き/演出指令ボタン6を操作すると、そのボタン操作により演出が行われるようにしてもよい。
6〕演出制御手段35aの球抜き/演出処理制御において、大当り中や大当り以外の通常遊技中において、球抜き/演出指令ボタン6の操作時間に応じて球抜き処理と演出処理を実行するようにしてもよい。図16に示すように、遊技者が球抜き/演出指令ボタン6を所定時間(Ta)以上(2〜3秒以上)操作した場合には、球抜き処理が実行される一方、操作時間が所定時間未満の場合には、スピーカ11からの特殊音及び会話による音声やランプ10,23の高速点灯点滅表示などの特定演出が実行される。
7〕実施例1では、球抜き/演出指令ボタン6を設けて、このボタン6が球抜き機能と演出機能とを有したが、その他、リーチ中において遊技球Pの発射を停止させる発射停止処理を指令する機能と演出手段の演出出力を指令する機能とを有する単一の発射停止/演出指令ボタンを設けてもよい。この場合、制御手段により発射停止機能と演出出力機能の少なくとも一方が達成されるように制御される。
8〕実施例1では球貸しボタン8aとカード返却ボタン8bを別個に設けたが、球貸し指令機能とカード返却指令機能とを有する単一の球貸し/カード返却指令ボタンを設けてもよい。
9〕実施例1では遊技者による発射ハンドル7の回動操作に基づいて遊技球Pの発射強度を調整したが、発射強度指令機能と演出出力指令機能とを有する単一の発射強度/演出指令ボタンを設けてもよい。この場合、制御手段により発射強度調整処理と演出手段の演出出力の少なくとも一方が達成されるように制御される。遊技者は発射ハンドル7に触れた状態で、発射強度/演出指令ボタンを操作すれば、遊技球Pの発射強度を調整できる。
10〕実施例1では球抜き/演出指令ボタン6として十字キーを採用したが、この十字キーの上側の操作部を操作すると球抜き処理が指令され、下側の操作部を操作すると演出手段の演出出力を指令され、演出制御手段35aがその十字キーの上側/下側操作部からの操作に基づいて球抜き機能と演出出力機能を達成するように制御してもよい。
11〕実施例1では、皿形成体4に貯留皿21を1つ設けたが、貯留皿を上皿と下皿の上下2段構成とした皿形成体を設けてもよい。この場合、上皿は、払出機構74から払い出される賞球を貯留し、下皿は、上皿から溢流し又は抜き取った遊技球Pを貯留する。下皿上の遊技球は、球抜き孔から外部へ球抜きされる。
12〕球抜き/演出指令ボタン6の操作回数又は操作回数と操作時間に基づいて球抜き機能と演出出力機能を切替えるようにしてもよい。例えば、球抜き/演出指令ボタン6により演出出力機能を発揮させたい場合には単発押しが多く、球抜き機能を発揮させたい場合には長押しが多いので、この所定時間内での操作回数を監視することで球抜き機能と演出出力機能の判断が可能となる。
13〕実施例1においては、演出制御基板35の演出制御手段35aで球抜き処理とボタン演出出力処理を制御しているが、ボタン演出制御は遊技盤側の制御手段(例えば、演出制御手段35a、液晶表示制御手段36aなど)、球抜き制御は枠側の制御手段(例えば、発射制御手段)で行うようにしてもよい。この場合、ボタン入力信号は遊技盤側の制御
手段で処理もしくは優先順位に応じて信号をスルーさせ枠側の制御手段に送信するようにすればよい。
14〕大当り中のラウンド開始時に特定演出を行うか否かを決定するような場合、ラウンドインターバル間やラウンド開始時に球抜き/演出指令ボタン6が操作されていたら、特定演出を行わないようにしてもよい。
15〕大当り中に球抜き/演出指令ボタン6を操作すると、そのボタン6が押された状態のままでロックされるようにしてもよい。大当り終了後又はボタン演出発生時にそのロック状態を解除するようにしてもよい。
16〕大当り中以外の状態においては、球抜き/演出指令ボタン6が操作された場合には、ボタン演出が優先されるように設定してもよい。また、この場合、変動パターンの種類、停止図柄の種類、球抜き処理実行に関連する抽選処理等に基づき、球抜き処理が優先されるようにしてもよい。これにより、本来行われるはずであるボタン演出処理が行われず、球抜き処理が行われるという法則崩れを実現することになり、演出に対して意外性を持たせることができる。
17〕その他、当業者であれば、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更された種々の形態を包含するものである。
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。なお、実施例1と同様の内容についてはその説明を省略する。
図17〜図20に示すように、スロットマシン80は筐体81を有し、その筐体81は、前方へ開口する筐体本体82と、筐体本体82の前側を開閉可能なドア83とを有する。筐体本体82の内部には、上下方向中央部分にリール装置84が設置され、下部にメダル払出装置85が設置されている。
リール装置84は、リール装置機枠86と、この機枠86に回転自在に支持された第1〜第3リール87a〜87cと、第1〜第3リール87a〜87cを夫々回転駆動する第1〜第3リールモータ88a〜88cと、第1〜第3リール87a〜87cの前部を前側から照らすリールフロントランプ89と、第1〜第3リール87a〜87cの前部を内部後側から照らすリールバックランプ90とを有する。第1〜第3リール87a〜87cの外周面には、夫々、複数種類の図柄が複数印されている。
メダル払出装置85は、メダルホッパ(貯留手段)91と、メダルホッパ91内のメダルを払い出すメダル払出モータ92を有するメダル払出機構93と、メダル払出機構93により払い出されたメダルを検出するメダル払出センサ94とを有する。メダル払出機構93は、メダルを前方へ飛ばして払い出すように構成されている。
ドア83の下部前面側に、メダル払出機構93により払い出されたメダルを貯留する皿95が取り付けられ、ドア83の下部後面側に、メダル払出機構93から前方へ飛ばされたメダルを受け止めて皿95に案内する払出案内部材124が取り付けられている。ドア83が閉じられた状態で、メダル払出機構93から皿95へ至るメダル払出通路が形成されるが、ドア83が開けられるとメダル払出通路が分断され、このとき、不用意にメダル払出機構93によりメダルが払い出されると、そのメダルが床へ落下してしまう。
筐体本体82の内部には、下部に電源装置96が設置され、上部に内部操作装置97が設置されている。電源装置96は、このスロットマシン80の各装置や機構や制御基板等へ電力を供給する。内部操作装置97は、内部操作SW98、履歴表示SW99を有し、これらSW98,99を介して各種内部操作を行うことができる。
ドア83には、その中央部分に矩形の主表示面部100aが形成され、主表示面部100aの下側に主表示面部100aの下端から前方へ張り出して垂下する操作部材取付部100bが形成され、主表示面部100aの左右両側に主表示面部100aよりも前方へ張り出す表示側部100cが形成されている。
主表示面部100aには矩形の表示窓100dが形成され、透明板で覆われている。表示窓100dからは、第1〜第3リール87a〜87cの前部が表示され、回転停止状態の各リール87a〜87cについては、例えば、その外周面に印された3つの図柄が上段中段下段に表示される。回転停止した第1〜第3リール87a〜87cの表示窓100dからの停止表示図柄が、予め決められた図柄の組み合わせの表示入賞図柄(例えば、「777」)になった場合、その表示入賞図柄に応じた枚数のメダルが遊技者に付与される。
主表示面部100aには、表示窓100dの下側に、インサート表示器101、マックスベッド表示器102、スタート表示器103、貯留メダル枚数表示器104、付与メダル枚数表示器105が取り付けられ、例えば、表示器101〜103は、夫々、1つのLEDからなり、表示器104,105は、夫々、2桁の数字を表示可能な7セグメントのLEDからなる。
操作部材取付部100bには、その上面から上方へ操作部が突出する、第1貯留メダル投入SW106a、第2貯留メダル投入SW106b、払出/演出指令SW107が取り付けられ、その前面から前方へ操作部が突出する、スタートSW108、第1〜第3リール停止SW109a〜109cが取り付けられ、操作部材取付部100bの右上面部にはメダル投入口110を形成する部材が取り付けられている。表示側部100cには、複数の装飾ランプ130が取り付けられている。
払出/演出指令SW(第1操作手段)107は、メダル払出機構93にメダル払出モータ82を駆動させてメダルホッパ91内のメダルの払出(排出)処理を指令する払出機能(第1機能)と、演出手段(液晶ディスプレイ119、スピーカ120,121、ランプ130)にスイッチ演出出力を指令する演出機能(第2機能)とを有する。払出/演出指令ボタン107の内部には、遊技者に操作指示を報知する為のカラーLED(報知手段)150が設けられている。
操作部材取付部100bの右前面部には、メダル貸出可否表示器111、カード度数残高表示器112が取り付けられるとともに、その前面から前方へ操作部が突出する、メダル貸出SW113、カード返却SW114が取り付けられ、例えば、表示器111は、1つのLEDからなり、表示器112は、3桁の数字を表示可能な7セグメントのLEDからなる。
ここで、操作部材取付部100bの裏側にメダル投入装置115が設置され、このメダル投入装置115は、メダル投入口110から投入されたメダルをホッパ91と皿95に択一的に案内するメダル案内部材116と、メダル案内部材116によりホッパ91に案内されて投入されるメダルを検出するメダル投入センサ117と、メダル案内部材116の一部を駆動してメダルの案内先をホッパ91と払出案内部材124の何れかに択一的に切り換えるブロッカーソレノイド118とを有する。
ドア83の上部には、ゲームの演出を表示する大型の液晶ディスプレイ119(演出表示手段)が、その画面を前面に露出させて取り付けられ、また、左右1対のスピーカ120が前方へ向けて取り付けられ、ドア83の下部には、左右1対のスピーカ121が前方へ向けて取り付けられている。ドア83には、液晶ディスプレイ119の後側に演出制御基板122が取り付けられ、演出制御基板122の後側に主制御基板123が取り付けられ、これら基板122,123はカバーケースにより覆われている。
図20に示すように、主制御基板123、演出制御基板122には、夫々、スロットマシン80を制御する主制御手段123a、演出制御手段122aが装備されている。主制御基板123aと演出制御基板122aには、夫々、CPUとROMとRAMからなるマイクロコンピュータと入出力インターフェースが夫々設けられている。
主制御基板123には、図示のように、メダル貸出可否表示器125、カード度数残高表示器112、メダル貸出SW113、カード返却SW114以外の、前記のSW、センサ、表示器やモータ等の被制御機器が電気的に接続されている。
演出制御基板122には、履歴表示SW99、払出/演出指令SW107、払出機構93の払出モータ92、払出/演出指令SW107のカラーLED150などが接続されている。演出制御基板122の演出制御手段122aは、主制御手段123aからの当り外れコマンドを受信し、このコマンドや払出/演出指令SW107からの指令信号に基づいて特定演出パターンなどを決定し、その決定された特定演出パターンに応じて液晶ディスプレイ119、スピーカ120,121、装飾ランプ130を駆動制御する。
演出制御手段35aは、予め格納した制御プログラムにより達成される種々の機能(手段)を有する。払出/演出処理設定手段は、払出/演出指令SW107の操作に基づいて
実行される払出処理と演出処理の優先順位を設定する。リール87a〜87c回転中に遊技者が払出/演出指令SW107を操作した場合には払出機能を演出機能よりも優先させるよう設定するか、又は、演出機能を払出機能よりも優先させるよう設定する。
図21に示すように、メダルを3枚投入した状態で、スタートSW108を操作すると、ゲームが開始され、リール87a〜87cが回転を開始する。リール87a〜87c回転中に、遊技者が払出/演出指令SW107を操作すると、スピーカ120,121からの特殊音及び会話による音声や装飾ランプ130の高速点灯点滅表示などの特定演出が実行される。次に、リール停止SW109a〜109cを順次操作して、その操作順にリール87a〜87cを停止させることができるが、スタートSW108の操作後に一定時間経過しても回転しているリール87a〜87cは自動的に停止する。
リール87a〜87cが回転を停止して、リール87a〜87cの表示窓100dからの停止表示図柄が表示入賞図柄(例えば、「777」)になった場合には、その表示入賞図柄に応じた枚数のメダルが付与されて、今回のゲームが終了する。付与された枚数のメダルは、内部メモリに遊技価値として記憶されたメダル枚数が上限(50枚)になっていない場合には、内部メモリに記憶され、内部メモリに記憶されたメダル枚数が上限になった場合には、皿95に払い出される。尚、内部メモリも貯留手段に相当する。
リール87a〜87c回転停止後、内部抽選により特定演出を実行させる当選状態となった場合に、液晶ディスプレイ119の表示画面にて払出/演出指令SW107を操作するよう報知され、スイッチ演出有効期間中に遊技者が払出/演出指令SW107を操作するとスイッチ演出が行われる。例えば、液晶ディスプレイ119の表示画面に表示される特殊キャラクタによる特定演出中において、遊技者が払出/演出指令SW107を操作すると、その特殊キャラクタの会話を表示されると共に、複数の装飾ランプ130を高速点滅表示させ、スピーカ122,123から音声が出力される。また、スイッチ演出有効期間中には、払出/演出指令SW107のカラーLED150が発光して、遊技者にSW操作を指示する旨を報知する。
また、遊技者が払出/演出指令SW107を所定時間Ta(例えば、2秒〜3秒)以上操作した場合には、メダル払出機構93のメダル払出モータ92が駆動して、メダルホッパ91内のメダルが皿95に払出(排出)される。
以上説明した実施例2のスロットマシン80の効果について説明する。
メダル払出装置85のメダルホッパ91からのメダルの払出処理を指令する払出機能と、液晶ディスプレイ119とスピーカ120,121と装飾ランプ130に演出出力を指令する演出機能とを有し遊技者が操作可能な払出/演出指令SW107と、払出/演出指令SW107からの指令に基づいて払出機能と演出機能の少なくとも一方を達成可能な演出制御手段122aを備えたので、1つのスイッチによる操作で複数の機能を発揮させることができるため、スイッチの数を少なくして製作コストの低減を図ることができる。
また、払出/演出指令SW107からの指令に基づいて払出機能及び演出機能を達成できるので、複数の処理を実行する際のスイッチ操作の簡単化を図ることができる。スイッチの配置スペースを小さくでき、操作部材取付部100bのスペースを有効活用できる。さらに、スイッチの数を少なくすることでスイッチの種類の判別が容易になる。
次に、前記実施例2を部分的に変更した変更例について説明する。
1〕図22に示すように、大当り(BB,RB)中において、払出/演出指令SW107が操作された場合、特定演出が実行される一方、払出処理が実行されないようにしてもよい。この場合、演出制御手段122aは、演出機能を払出機能よりも優先させるように制御する。また、演出制御手段122aは、特定演出出力中に払出/演出指令SW107が操作されても払出機能が発揮されないように制御する。
2〕大当り中に特定演出出力中に払出/演出指令SW107を操作された場合、払出処理が実行されないようにしてもよい。この場合、演出制御手段122aは、払出/演出指令SW107が操作されても払出機能を発揮しないように制御する。
3〕実施例2では、複数の機能を有する払出/演出指令SW107を設けたが、その他、複数のリール停止SW109a〜109cのうちの少なくとも1つのリール停止SW109aが演出指令機能や払出機能を兼用してもよい。第1貯留メダル投入SW106a又は第2貯留メダル投入SW106bの何れかが演出指令機能や払出機能を兼用してもよい。
4〕その他、当業者であれば、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更された種々の形態を包含するものである。