以下では、本発明の実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.遊技機の構成
図1は、本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技領域4を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、遊技機の前面において遊技領域4を取り囲むように形成された前枠10(遊技機の前面)を備えている。そして前枠10は、遊技領域4を遊技者が視認可能となるように遊技領域4に対応する範囲の前枠開口11を形成しつつ、前枠開口11を塞ぐようにして背面側からガラスユニット8が取り付けられることにより、ガラスユニット8とともに遊技機の前面を形成している。
そして前枠10の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10には、前枠開口11の左下部および右下部には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカー14が設けられている。
また前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16(貯留手段)が設けられており、上皿16の内側面の奥側の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
そして上皿16の内側面の奥側の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
また上皿16の手前側の中央部には、ボタンやハンドルなどにより構成される演出入力装置26(演出操作手段)が設けられており、遊技者が演出入力装置26を操作すると、遊技機で行われる演出(遊技演出)が変化する。また上皿16の手前側の右部には、スイッチやキーなどにより構成される設定入力装置27(設定操作手段)が設けられており、遊技者が設定入力装置27を操作すると、遊技機で行われる演出の設定を変更することができる。
図2は、図1で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図2に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
また遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像などを表示する液晶ディスプレイ31(演出画像表示手段)と、液晶ディスプレイ31の表示領域を囲むように形成された装飾部32を備える演出ユニット33が設けられている。ここで装飾部32は、光が透過する半透明の素材により構成された部分を有しており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の装飾部ランプ34が設けられている。
そして本実施形態では、演出ユニット33の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、演出ユニット33の左側の遊技領域4か演出ユニット33の右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
また装飾部32の左部には、演出ユニット33の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる左開口40が形成されており、この左開口40を通過した遊技球は装飾部32の内部に設けられている通路42を通過して、装飾部32の下部に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
そしてステージ44の中央部の下方には、ステージ44の中央部付近から下方に落下した遊技球が進入可能な第1始動入賞口46が設けられている。この第1始動入賞口46は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(検出手段)を内蔵し、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収されるように構成されており、第1始動入賞口46に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が遊技機内部に回収されずに通過する通過ゲート48が設けられている。この通過ゲート48は、遊技球が通過したことを検出するセンサを内蔵し、通過ゲート48を遊技球が通過するたびに、乱数値を取得して普通当たりの当否を決定する普通抽選が行われる。
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、通過ゲート48の下方に、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50は、遊技球が進入したことを検出するセンサ(遊技媒体検出手段)を内蔵するとともに、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52(補助手段)が設けられている。そして普通役物52は、補助部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、普通抽選で普通当たりが当選すると所定条件下で拡大状態となるように制御される。そして第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに、遊技者に対して所定個数(1個以上の規定数、例えば3個)の遊技球が払い出されるとともに、乱数値を取得して大当たりの当否を決定する特別抽選が行われる。
なお、第1始動入賞口46に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数と、第2始動入賞口50に遊技球が進入するごとに遊技者に払い出される遊技球の個数は、同一の個数であっても異なる個数であってもよい。
また演出ユニット33の右側の遊技領域4には、遊技球が進入すると遊技球が遊技機内部に回収される大入賞口54が設けられている。この大入賞口54は、遊技球が進入したことを検出するセンサを内蔵するとともに、大入賞口54を塞ぐ板状部材を備える特別役物56が設けられており、特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態(第1状態、進入可能状態)と遊技球が進入不可能な閉状態(第2状態、進入不可状態)との間で動作可能に構成されている。そして特別役物56は、板状部材を動作させるソレノイドなどの駆動装置を内蔵しており、特別抽選で大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。そして大入賞口54に遊技球が進入するたびに、遊技者に対して所定個数(例えば15個)の遊技球が払い出される。
また遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機内部に回収するアウト口62が設けられている。
そして遊技球の発射装置は、図1で示したグリップユニット20の回転量を調節することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には演出ユニット33の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には演出ユニット33の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
従って遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調節し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは左開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に入賞するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が入賞するように、あるいは大入賞口54に遊技球が入賞するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
なお本実施形態の遊技機では、遊技球が左側の遊技領域4を落下する場合には、通過ゲート48を遊技球が通過することがなく、第2始動入賞口50や大入賞口54に遊技球が入賞することがなく、また遊技球が右側の遊技領域4を落下する場合には、第1始動入賞口46に遊技球が入賞することがないようになっている。
また遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、普通抽選の結果、特別抽選の結果、遊技状態など、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示すメイン表示装置70が設けられている。
また図3に示すように、本実施形態の演出ユニット33は、円形の部材の中央部に勾玉の形状を模した特殊レンズ100(透過体)が設けられた第1可動物102を備えており、第1可動物102は、図3に示すようにメイン液晶ディスプレイ31の表示領域の一部を覆い、遊技者から視認可能となる出現状態(第1状態)と、図2に示すようにメイン液晶ディスプレイ31の下方に収納されて、遊技者から視認不能となる収納状態(第2状態)との間で上下に往復移動可能に設けられている。そして第1可動物102は、演出ユニット33の内部に設けられた第1可動物102用のモーターによって、出現状態と収納状態との間で動作するようになっている。
また第1可動物102は、特殊レンズ100が設けられている本体部104に対して、本体部104の外縁を構成する外縁部106が、回転軸108を中心として左右に回転可能に設けられている。そして外縁部106は、本体部104の内部に設けられた外縁部106用のモーターによって、本体部104に対して回転軸108を中心として左右に回転するようになっている。
また本体部104の内部には、特殊レンズ100の背面側に、演出画像などを表示するサブ液晶ディスプレイ110(演出画像表示手段)が設けられており、サブ液晶ディスプレイ110に表示された画像は特殊レンズ100を透過して、遊技者が特殊レンズ100を介してサブ液晶ディスプレイ110に表示された画像を視認可能となっている。
また外縁部106の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、演出光を出力する複数の第1可動物ランプ112が設けられている。
また図4に示すように、演出ユニット33は、液晶ディスプレイ31の左方から液晶ディスプレイ31の中央部に向かって突出するように設けられている第2可動物114と、液晶ディスプレイ31の右上方から液晶ディスプレイ31の中央部に向かって突出するように設けられている第3可動物116と、液晶ディスプレイ31の右下方から液晶ディスプレイ31の中央部に向かって突出するように設けられている第4可動物118を備えており、第2可動物114、第3可動物116および第4可動物118のそれぞれは、図4に示すようにメイン液晶ディスプレイ31の表示領域の一部を覆い、遊技者から視認可能となる出現状態(第1状態)と、図2に示すようにメイン液晶ディスプレイ31の外側に収納されて、遊技者から視認不能となる収納状態(第2状態)との間で往復移動可能に設けられている。そして第2可動物114は、演出ユニット33の内部に設けられた第2可動物114用のモーターによって出現状態と収納状態との間で動作し、第3可動物116は、演出ユニット33の内部に設けられた第3可動物116用のモーターによって出現状態と収納状態との間で動作し、第4可動物118は、演出ユニット33の内部に設けられた第4可動物118用のモーターによって出現状態と収納状態との間で動作するようになっている。
また第2可動物114の一部は、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、演出光を出力する複数の第2可動物ランプ120が設けられている。また第3可動物116の一部も、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、演出光を出力する複数の第3可動物ランプ122が設けられている。更に第4可動物118の一部も、光が透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、演出光を出力する複数の第4可動物ランプ124が設けられている。
2.機能ブロック
図5は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、メイン基板500およびサブ基板600を含む制御基板によって制御される。メイン基板500は、通過ゲートセンサ502、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505、大入賞口センサ506、払出センサ508等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、普通役物駆動装置520、特別役物駆動装置522、払出装置524等の出力手段の動作制御を行う。
またサブ基板600は、メイン基板500から送られてくる信号や、演出入力装置26や設定入力装置27からの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出表示装置621、音響装置622、可動物駆動装置624等の演出装置626の動作制御を行う。またメイン基板500やサブ基板600等の各基板の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そしてメイン基板500は、乱数発生手段540、普通抽選手段542、普通駆動制御手段544、特別抽選手段546、表示制御手段547、遊技状態移行制御手段548、特別駆動制御手段550、払出制御手段552、通信制御手段554、メインメモリ570を含んで構成されている。
乱数発生手段540は、抽選用の乱数値を発生させる手段であり、ハードウェア乱数を発生させる乱数発生器や、ソフトウェア乱数を発生させるプログラムにより実現される。ソフトウェア乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
普通抽選手段542は、1個の遊技球が通過ゲート48を通過するごとに作動する通過ゲートセンサ502からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について普通当たりの当否を決定する普通抽選を行う。
普通駆動制御手段544は、普通抽選で普通当たりが当選すると、普通役物52が所定条件下で拡大状態となるように普通役物駆動装置520を制御する。
特別抽選手段546は、1個の遊技球が第1始動入賞口46に進入するごとに作動する第1始動入賞口センサ504からの検出信号に基づいて、あるいは1個の遊技球が第2始動入賞口50に進入するごとに作動する第2始動入賞口センサ505からの検出信号に基づいて、乱数発生手段540から乱数値(抽選用乱数値)を取得して、取得した乱数値について大当たりの当否を決定するとともに、大当たりが当選した場合には、複数種類の大当たり図柄のうちいずれの図柄が当選したかを判定する特別抽選を行う。
表示制御手段547は、普通抽選や特別抽選の抽選結果に基づいてメイン表示駆動装置521を制御する手段であって、普通抽選において決定された普通図柄の変動パターンに応じた変動時間が経過するまで、メイン表示装置70において普通図柄に対応するランプを点滅させることにより普通図柄を変動表示させ、普通抽選において普通当たりが当選したか否かに応じて、0.5秒間にわたって普通図柄に対応するランプを点灯または消灯させることにより普通図柄を停止表示させて、メイン表示装置70において普通抽選の結果を表示させ、また、特別抽選において決定された特別図柄の変動パターンに応じた変動時間が経過するまで、メイン表示装置70において特別図柄に対応するランプを点滅させることにより特別図柄を変動表示させ、特別抽選において大当たりが当選したか否かに応じて、2.0秒間にわたって特別図柄に対応するランプを点灯または消灯させることにより特別図柄を停止表示させて、メイン表示装置70において特別抽選の結果を表示させる。
遊技状態移行制御手段548は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、特別遊技状態、確変状態、時短状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは特別遊技状態への移行が可能となっている。
特別遊技状態は、通常状態、確変状態あるいは時短状態における特別抽選において大当たりが当選したことに基づいて開始され、大当たり図柄の種類に応じて予め定められたラウンド数(実行回数)の特別遊技が実行されると終了する。そして大当たり図柄が確変図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると確変状態に移行され、大当たり図柄が通常図柄であった場合には、特別遊技状態が終了すると時短状態に移行される。
確変状態は、通常状態よりも大当たりが当選する確率が高くなるように、あるいは大当たりが当選した場合に確変図柄が当選する確率が高くなるように、特別抽選が行われるとともに、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また確変状態では、1回の特別抽選にかかる時間および1回の普通抽選にかかる時間が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして確変状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。ただし確変状態では、特別抽選における大当たりの当選確率が約1/39に設定されるため、確変状態において特別抽選が行われた回数が9999回に達する前に特別遊技状態が開始され、確変状態から通常状態に移行することはほとんどないようになっている。
時短状態は、大当たりが当選する確率が通常状態と同一となるように特別抽選が行われるが、通常状態よりも普通当たりが当選する確率が高くなるように普通抽選が行われる遊技状態である。また時短状態では、1回の特別抽選にかかる時間(特別図柄の変動時間)および1回の普通抽選にかかる時間(普通図柄の変動時間)が通常状態よりも短縮されることにより、特別抽選および普通抽選の実行契機を頻繁に到来させることができるように制御される。そして時短状態からは特別遊技状態への移行が可能となっているが、時短状態において特別抽選が行われた回数が100回に達したことを条件に終了して通常状態に移行される。
特別駆動制御手段550は、特別遊技状態における各特別遊技において、大当たり図柄の種類に応じて予め定められた態様で特別役物56が開状態となるように特別役物駆動装置522の駆動制御を行う。
払出制御手段552は、第1始動入賞口センサ504、第2始動入賞口センサ505あるいは大入賞口センサ506からの検出信号に基づいて、検出信号ごとに予め定められている賞球数に相当する払出数の遊技球を払出装置524に払い出させる制御を行う。
通信制御手段554は、サブ基板600に信号を送信する制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、メイン基板500とサブ基板600との間では、メイン基板500からサブ基板600への単方向通信のみが可能となっており、サブ基板600からはメイン基板500へ信号を送信することができないように通信接続されている。
続いて、サブ基板600について説明する。サブ基板600は、演出制御手段640と、サブメモリ670とを含んで構成されている。
演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号や、演出入力装置26や設定入力装置27からの入力信号や、サブメモリ670に記憶されている演出データに基づいて、前枠ランプ12、装飾部ランプ34、第1可動物ランプ112、第2可動物ランプ120、第3可動物ランプ122、第4可動物ランプ124などの演出用ランプ620を制御して演出光を出力させたり、液晶ディスプレイ31やサブ液晶ディスプレイ110などの演出表示装置621を制御して演出画像を表示させたり、スピーカー14などの音響装置622を制御して演出音を出力させたり、第1可動物102用のモーター、外縁部106用のモーター、第2可動物114用のモーター、第3可動物116用のモーター、第4可動物118用のモーターなどの可動物駆動装置624を駆動して第1可動物102、外縁部106、第2可動物114、第3可動物116、第4可動物118などの可動物を動作させたりするなど、演出装置626を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助したりするための演出を実行させる。
例えば、第1始動入賞口46や第2始動入賞口50への遊技球の進入、演出入力装置26に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じて、特別抽選演出処理、状態演出処理などを行う。
特別抽選演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、特別抽選を演出する特別変動演出を演出装置626に実行させる。本実施形態では演出制御手段640は、メイン表示装置70における特別図柄の変動表示に合わせて液晶ディスプレイ31において特別図柄画像を変動表示させた後に、メイン表示装置70における特別図柄の停止表示に合わせて特別抽選の結果に応じた態様で特別図柄画像を停止表示させるとともに、液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたりする変動演出画像を表示させることにより、特別変動演出を液晶ディスプレイ31やサブ液晶ディスプレイ110において実行する。また演出制御手段640は、特別変動演出として、特別図柄画像や変動演出画像の進行に合わせて、演出用ランプ620を制御して前枠ランプ12、装飾部ランプ34、第1可動物ランプ112、第2可動物ランプ120、第3可動物ランプ122、第4可動物ランプ124などから演出光を出力させたり、音響装置622を制御してスピーカー14から演出音を出力させたり、可動物駆動装置624を制御して第1可動物102、外縁部106、第2可動物114、第3可動物116、第4可動物118などの可動物を動作させる。
ここで本実施形態では、特別変動演出の実行種別としてプレミアムリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2、ノーマルリーチ、リーチ無しが用意されており、演出制御手段640は、特別抽選の結果に基づいて、特別変動演出の実行種別を複数の実行種別のいずれにするかを決定する。そして各実行種別の特別変動演出は、特別図柄画像や変動演出画像の表示パターンや、可動物の動作パターンが異なるとともに、特別抽選の結果に応じて選択される確率や、開始から終了までにかかる実行時間が異なっている。これにより各実行種別の特別変動演出は、各実行種別の特別変動演出が実行された場合における大当たりの当選に対する期待度や、確変図柄あるいは通常図柄の当選に対する期待度が異なるようになっている。
状態演出処理では、演出制御手段640は、メイン基板500から送信された通知信号に基づいて、現在の遊技状態に応じて液晶ディスプレイ31においてキャラクター画像を動作させたり、背景画像を変化させたり、可動物を動作させたりすることにより、現在の遊技状態を遊技者に示唆する状態演出を実行する。
例えば、現在の遊技状態が通常状態である場合には、演出制御手段640は、特別抽選が行われるごとに演出状態移行抽選を行い、演出状態を複数種類の演出状態のうちいずれの演出状態に設定するかを決定する。そして演出制御手段640は、設定されている演出状態に応じた通常状態画像を液晶ディスプレイ31に表示させる。また演出制御手段640は、現在の遊技状態が確変状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が確変状態であることを示唆する確変状態画像を表示させ、現在の遊技状態が時短状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が時短状態であることを示唆するとともに、特別抽選が行われた回数が100回に達するまでの残り回数を示す時短状態画像を表示させ、現在の遊技状態が特別遊技状態である場合には、液晶ディスプレイ31に現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示すとともに、消化したラウンド数や残りラウンド数を示す特別遊技状態画像を表示させる。
また演出制御手段640は、予め定められたタイミングにおいて演出入力装置26に対する操作が行われたことに基づいて、特定の演出光を前枠ランプ12、装飾部ランプ34、第1可動物ランプ112、第2可動物ランプ120、第3可動物ランプ122、第4可動物ランプ124などから出力させたり、特定の演出画像を液晶ディスプレイ31やサブ液晶ディスプレイ110に表示させたり、特定の演出音をスピーカー14から出力したり、特定の動作を第1可動物102、外縁部106、第2可動物114、第3可動物116、第4可動物118などの可動物に行わせたりする制御を行う。
3.本実施形態の手法
以下では、本実施形態の手法の詳細を説明する。本実施形態では、通常時には、図2で示したように第1可動物102、第2可動物114、第3可動物116および第4可動物118のそれぞれが収納状態となっているが、特定のリーチ有りの特別変動演出が実行されている場合には、予め定められた特定タイミングが到来すると、演出制御手段640が、図3に示すように第1可動物102が出現状態となるように第1可動物102を上方に移動させた後、図2に示すように第1可動物102が収納状態となるように第1可動物102を下方に移動させる第1特定演出(第1遊技演出)を直ちに実行する。
そして本実施形態では、第1可動物102が出現状態となるまで移動すると、演出制御手段640は、液晶ディスプレイ31に「ボタンを押せ!」というように、遊技者に演出入力装置26を押下する操作を行うことを指示する操作指示画像を表示させ、操作指示画像が表示されるとともに開始される操作有効期間中(所定期間)に演出入力装置26を押下する操作が行われると、演出入力装置26を押下する操作を受け付けて、図4に示すように、第2可動物114、第3可動物116および第4可動物118が出現状態となるように第2可動物114、第3可動物116および第4可動物118のそれぞれを液晶ディスプレイ31の内側に移動させた後、図2に示すように第2可動物114、第3可動物116および第4可動物118のそれぞれが収納状態となるように第2可動物114、第3可動物116および第4可動物118のそれぞれを液晶ディスプレイ31の外側に移動させる第2特定演出(第2遊技演出)を直ちに実行する。また操作有効期間中に演出入力装置26を押下する操作が行われない場合には、演出制御手段640は、操作有効期間が経過すると自動的に第2特定演出を実行する。
すなわち本実施形態では、特定のリーチ有りの特別変動演出が実行されている場合には、第1特定演出の実行が開始された後に、遊技者の演出入力装置26に対する操作を契機とする第2特定演出が実行されるようにしている。
詳細には本実施形態では、第1特定演出は、実行が開始されてから2.0秒後に終了するが、第1特定演出の実行が開始されてから1.0秒が経過すると液晶ディスプレイ31に操作指示画像が表示され、操作指示画像が表示されるとともに2.0秒間の操作有効期間が開始される。また第2特定演出は、実行が開始されてから1.5秒後に終了する。
従って本実施形態では、第1特定演出の実行期間と操作有効期間が1.0秒間にわたって重なっているため、操作指示画像が表示されてから1.0秒以内に遊技者が演出入力装置26を押下する操作を行うと、第1特定演出の実行中に第2特定演出の実行契機が到来することとなり、操作指示画像が表示されてから1.0秒経過後に遊技者が演出入力装置26を押下する操作を行うと、第1特定演出の実行が終了してから第2特定演出の実行契機が到来することとなる。
ここで本実施形態では、演出制御手段640は、特定のリーチ有りの特別変動演出として、液晶ディスプレイ31に演出画像を表示させ、スピーカー14から演出音を出力させつつ、特定タイミングが到来すると、更に第1特定演出として、サブ液晶ディスプレイ110において演出画像を表示させ、スピーカー14から第1特定演出用の演出音を出力させ、第1可動物ランプ112から演出光を出力させ、外縁部106が本体部104に対して回転するように外縁部106用のモーターを駆動させながら、第1可動物102が出現状態となってから収納状態となるように第1可動物102用のモーターを駆動させる。
また演出制御手段640は、特定のリーチ有りの特別変動演出として、液晶ディスプレイ31に演出画像を表示させ、スピーカー14から演出音を出力させつつ、操作有効期間中に演出入力装置26を押下する操作が行われると、あるいは操作有効期間中に演出入力装置26を押下する操作が行われないまま操作有効期間が経過すると、更に第2特定演出として、スピーカー14から第2特定演出用の演出音を出力させ、第2可動物ランプ120、第3可動物ランプ122および第4可動物ランプ124のそれぞれから演出光を出力させながら、第2可動物114、第3可動物116および第4可動物118のそれぞれが出現状態となってから収納状態となるように、第2可動物114用のモーター、第3可動物116用のモーターおよび第4可動物118用のモーターのそれぞれを駆動させる。
このように本実施形態では、第1特定演出および第2特定演出のそれぞれは、多くの演出装置626を同時に動作させるため、第1特定演出の実行中に第2特定演出の実行が開始されることにより、第1特定演出と第2特定演出が重複して実行される期間が発生すると、消費電流値(制御負荷)が制限値を超えてしまい、第1特定演出あるいは第2特定演出の実行がリセットされてしまったり、遊技機が設置されている店舗の電源状況によってはブレーカーが落ちてしまうなどの不具合が発生するおそれがある。
そこで本実施形態では、演出制御手段640が、操作有効期間中であって第1特定演出の実行の終了後に演出入力装置26を押下する操作が行われた場合には、第1特定演出の実行期間と第2特定演出の実行期間が重複しないため、第2特定演出を実行するが、操作有効期間中であって第1特定演出の実行中に演出入力装置26を押下する操作が行われた場合には、第1特定演出の実行期間と第2特定演出の実行期間が重複するため、第2特定演出の代わりに第2特定演出よりも消費電流値が小さい第3特定演出を実行するようにしている。
具体的には本実施形態では、図6(A)で示すように、特定のリーチ有りの特別変動演出の実行中に特定タイミングが到来すると、演出制御手段640は、第1特定演出の実行を開始するとともに、第1特定演出が実行中であることを示す特定フラグをオン状態に設定する。そして特定タイミングから1.0秒が経過すると、操作有効期間を開始する。そして特定タイミングから2.0秒が経過すると、第1特定演出の実行を終了するとともに、特定フラグをオフ状態に設定する。そして操作有効期間が開始されてから2.0秒が経過すると、操作有効期間を終了する。
そして本実施形態では、操作有効期間中に演出入力装置26を押下する操作が行われると、演出制御手段640が、特定フラグがオン状態となっているか否かを判定することにより、第1特定演出と第2特定演出が重複して実行されるか否かを判定する。
例えば図6(A)に示すように、第1特定演出の実行が終了されてから操作有効期間が終了するまでの間に、演出入力装置26を押下する操作が行われる場合には、その時点で特定フラグがオフ状態となっているため、第1特定演出と第2特定演出が重複して実行されないとして、直ちに第2特定演出の実行を開始する。
一方、図6(B)に示すように、操作有効期間が開始されてから第1特定演出の実行が終了される前までの間に、演出入力装置26を押下する操作が行われる場合には、その時点で特定フラグがオン状態となっているため、第1特定演出と第2特定演出が重複して実行されるとして、第2特定演出に代えて直ちに第3特定演出の実行を開始する。
詳細には本実施形態では、第3特定演出として、図7に示すように、第2可動物ランプ120および第3可動物ランプ122のそれぞれから演出光を出力させながら、第2可動物114および第3可動物116のそれぞれが出現状態となってから収納状態となるように、第2可動物114用のモーターおよび第3可動物116用のモーターおよび第4可動物118用のモーターのそれぞれを駆動させる演出を、第2特定演出と同一の1.5秒間をかけて実行する。そして第3特定演出では、スピーカー14からは第2特定演出用の演出音を出力させる。
すなわち第3特定演出では、第2特定演出における第4可動物118の動作および第4可動物ランプ124からの演出光の出力を省略することにより、第4可動物118用のモーターを駆動する際の消費電流値および第4可動物ランプ124から演出光を出力させる際の消費電流値の分だけ第2特定演出よりも消費電流値が小さくなっているため、第1特定演出の実行期間と第3特定演出の実行期間が重複しても、消費電流値が制限値を超えないようにしている。
こうして本実施形態では、第1特定演出の実行中にも演出入力装置26を押下する操作を受け付けるようにしつつ、第1特定演出の実行中に演出入力装置26を押下する操作が行われると、第2特定演出に代えて第3特定演出を実行することにより、消費電流値が制限値を超えないようにすることができる。
特に本実施形態の第3特定演出では、第2特定演出における第2可動物114、第3可動物116および第4可動物118のうち、大きさが最も小さく、かつ第1可動物102の背後に隠れる範囲が最も広い第4可動物118の動作が省略されているため、第2特定演出が第3特定演出に切り替えられても遊技者に違和感を与えないようにすることができる。
図8および図9は、本実施形態の演出制御手段640において行われる処理の流れを示すフローチャートである。まず、図8に示す特定フラグ設定処理では、第1特定演出の実行が開始されると(ステップS100でY)、特定フラグをオン状態に設定し(ステップS102)、第1特定演出の実行が終了すると(ステップS104でY)、特定フラグをオフ状態に設定する(ステップS106)。
そして図9に示す演出切替処理では、演出入力装置26を押下する操作が行われると(ステップS110でY)、操作有効期間中であるか否か判定し(ステップS112)、操作有効期間中である場合には(ステップS112でY)、特定フラグがオン状態に設定されているか否か判定する(ステップS114)。そして特定フラグがオン状態に設定されていない場合には(ステップS114でN)、第2特定演出を実行し(ステップS116)、特定フラグがオン状態に設定されている場合には(ステップS114でY)、第3特定演出を実行する(ステップS118)。
4.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
まず上記実施形態では、特定のリーチ有りの特別変動演出が実行されている場合に遊技者の大当たりに対する期待感を高めるために、第1特定演出および第2特定演出あるいは第3特定演出を実行する例を挙げて説明したが、遊技状態が特別遊技状態である場合に特別遊技状態の終了後に確変状態に移行することに対する期待感を高めるために、第1特定演出および第2特定演出あるいは第3特定演出を実行するを実行するようにしてもよい。
また上記実施形態では、特定タイミングが到来すると自動的に第1特定演出が実行される例を挙げて説明したが、特定タイミングが到来すると第1操作有効期間が開始され、第1操作有効期間中に演出入力装置26を押下する操作が行われるか、あるいは第1操作有効期間中に演出入力装置26を押下する操作が行われないまま第1操作有効期間が経過すると、第1特定演出の実行が開始され、第1特定演出の実行が開始されてから1.0秒が経過すると第2操作有効期間が開始され、第2操作有効期間中に演出入力装置26を押下する操作が行われるか、あるいは第2操作有効期間中に演出入力装置26を押下する操作が行われないまま第2操作有効期間が経過すると、第2特定演出あるいは第3特定演出の実行が開始されるようにしてもよい。
また上記実施形態では、第3特定演出では、第2特定演出における第4可動物118の動作および第4可動物ランプ124からの演出光の出力を省略することにより、第2特定演出よりも消費電流値が小さくなっている例を挙げて説明したが、第3特定演出では、第2特定演出における第4可動物118の動作および第4可動物ランプ124からの演出光の出力を省略することに加えてまたは代えて、第2可動物ランプ120あるいは第3可動物ランプ122からの演出光の出力や、スピーカー14からの第2特定演出用の演出音の出力を省略することにより、第2特定演出よりも消費電流値が小さくなっているようにしてもよい。また第3特定演出では、第2可動物114および第3可動物116を動作させるのではなく、第1可動物102〜第4可動物118とは異なるその他の可動物をソレノイドなどの駆動手段によって動作させることにより第2特定演出よりも消費電流値が小さくなっているようにしてもよい。
また上記実施形態では、第1特定演出が第1可動物102を動作させる演出であり、第2特定演出が第2可動物114〜第4可動物118を動作させる演出であり、第3特定演出が第2可動物114および第3可動物116を動作させる演出である例を挙げて説明したが、第1特定演出、第2特定演出および第3特定演出の一部または全部が可動物の動作を伴わない演出であるようにしてもよい。そしていずれの場合であっても、第3特定演出は第2特定演出よりも消費電流値が小さい演出となっていればよい。
また上記実施形態では、第3特定演出が第2特定演出よりも消費電流値が小さい演出となっていることにより、消費電流値が制限値を超えてしまうことを防止する例を挙げて説明したが、第3特定演出が第2特定演出よりも制御対象が省略されて制御の処理負担(制御負荷)が小さい演出となっていることにより、処理負担が制限値を超えてしまうことを防止するようにしてもよい。