以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1はパチンコ機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図であり、図3は図柄表示装置8の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、上皿5と下皿6との間にはスピーカ(図示外)がそれぞれ設けられている。また、上皿5の中央部左側に半円形をなすボタン式のスイッチ90が設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面28や普通図柄表示部24、各種ランプ、LEDを備えた図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられている。また、図柄表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられている。そして、その特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。そして、特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられており、大入賞口16の左右にも普通入賞口17,18がそれぞれ設けられている。
また、図柄表示装置8の左右両肩にはワープ入口22,23がそれぞれ設けられている。さらに、図柄表示装置8の下部にはワープ出口21(図3参照)が設けられ、これらのワープ入口22,23を通過した遊技球は図柄表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってワープ出口21へ現出するようになっている。ワープ出口21に現出した遊技球は、ワープ出口21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下するので、特別図柄始動電動役物15に入賞しやすい。
また、図3に示すように、図柄表示装置8の上部には4個のLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、特別図柄始動電動役物15に入賞し、図柄表示装置8の表示画面28に大当たり判定の結果が表示されていない遊技球の個数、いわゆる作動保留球数を4個まで、LEDの点灯で表示することができるようになっている。さらに、特別図柄記憶数表示LED60の上方に設けられた4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12(図2参照)に入賞し、普通図柄表示部24に普通当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を、特別図柄作動保留球数同様4個まで、LEDの点灯で表示することができる。尚、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他の電飾用のLED62(図4参照)、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
次に、図柄表示装置8の構造およびそこに表示される画面について説明する。図柄表示装置8は、中央に表示画面28を備え、左下方に特別図柄表示部L1が設けられ、表示画面28の中央にデモ図柄表示部D1,デモ図柄表示部D3,デモ図柄表示部D2が左から順に並んで設けられている。尚、デモ図柄表示部D1〜D3は、数字や図柄等から成る複数種類のデモ図柄を表示可能であり、遊技者の目を惹くように、特別図柄表示部L1よりも広い領域を占めている。また、表示画面28上には、特別図柄表示部L1、デモ図柄表示部D1〜D3には常にデモ図柄が表示されているわけではなく、これらの表示に代えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。また、表示画面28の上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられている。普通図柄表示部24には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。また、図柄表示装置8は、その裏面に図柄表示基板44(図4参照)を備えている。
本実施の形態のパチンコ機1では、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると大当たり抽選が行われる。この大当たり抽選の結果が大当たりとなると、パチンコ機1が特別遊技状態となり、大入賞口16が開放され、遊技者は多数の遊技球を獲得することができる。また、この大当たり抽選の結果は特別図柄表示部L1に表示され、さらに、デモ図柄表示部D1〜D3にも表示される。デモ図柄表示部D1〜D3は、特別図柄表示部L1よりも遊技者の目を惹くように構成されており、さらに、表示画面28の背景画面やその他の種々の電飾ランプ63やスピーカ48から出力される効果音等の演出と同期して、大当たり判定の結果報知を行い、遊技者の大当たり判定結果への関心や期待感を高める働きをしている。
そこで、特別図柄表示部L1について説明する。特別図柄表示部L1は、1桁の数字や1文字のアルファベット、マーク等の図柄を表示できるように構成されている。特別図柄表示部L1に表示される特別図柄としては、本実施の形態の例では第1特図(数字)の「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「水色−(カラーバー)」,「緑−(カラーバー)」及び「白−(カラーバー)」の5種類の数字と3種類のカラーバーがあり、また、第2特図(背景色)として、「赤」,「橙」,「灰」,「緑」,「水色」,「青」,「紫」,「桃」の8種類の色が用意されている。すなわち、特別図柄は第1特図(5種類の数字と3種類のカラーバー)と第2特図(8種類の背景色)との組み合わせにより、合計64種類の図柄がある。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、これら64種類の特別図柄が順次表示され、判定結果が表示される。また、大当たりである場合には、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率(大当たり確率)が高くなる高確率状態に移行する確率変動当たりであるか否かの判定も行われ、特別図柄表示部L1にはその判定結果も報知される。つまり、特別図柄表示部L1に表示される結果は、「大当たり(確率変動当たり)」,「大当たり(確率変動はずれ)」,「はずれ」の3種類である。
この64種類の特別図柄を構成する図柄と背景色の組み合わせを(第1特図,第2特図)で示すと、次のようになる。「大当たり(確率変動当たり)」の組み合わせは、(1,橙),(1,灰),(1,緑),(1,青),(1,桃),(2,赤),(2,灰),(2,緑),(2,水色),(2,青),(2,紫),(3,橙),(3,灰),(3,緑),(3,桃),(4,赤),(4,水色),(4,青),(4,紫),(4,桃),(5,橙),(5,灰),(5,青),(5,紫)の24種類である。また、「大当たり(確率変動はずれ)」の組み合わせは、(1,赤),(1,水色),(1,紫),(2,橙),(2,桃),(3,赤),(3,水色),(3,青),(3,紫),(4,橙),(4,灰),(4,緑),(5,赤),(5,緑),(5,水色),(5,桃)の16種類である。尚、大当たりであると判定された場合に、これらの40種類の図柄と背景色の組み合わせが、特別図柄表示部L1に出現する割合は等しくなっている。つまり、大当たりと判定された場合に、どの特別図柄が表示されるかの確率はそれぞれ40分の1である。また、確率変動当たりの組み合わせが24種類、確率変動はずれの組み合わせが16種類であるので、大当たりである場合に、確率変動当たりとなる確率は60%である。また、全組み合わせは64種類となり、「はずれ」となる組み合わせは上記40種類以外の組み合わせとなり、すなわち第1特図がカラーバー(水色−,緑−,白−)の場合である24種類となる。これらの組み合わせに基づいて、第1特図及び第2特図の指定により、サブ統合基板58側で対応するデモ図柄が指定される。
次に、デモ図柄表示部D1〜D3について説明する。このデモ図柄表示部D1〜D3は、大当たり判定の報知を、特別図柄表示部L1で行うよりも、自由度をもたせて行うためのものである。図3に示すように、表示画面28には、左から、デモ図柄表示部D1,デモ図柄表示部D3,デモ図柄表示部D2の順に、3つのデモ図柄表示部が横一列に配置されている。このデモ図柄表示部D1〜D3には、後述するデモ図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、デモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3の順に停止するようになっている。また、表示画面28には、デモ図柄表示部D1〜D3の背景にも画像が表示されており、また、常にデモ図柄表示部D1〜D3に図柄が表示されているわけではなく、表示画面28の全体にデモ図柄表示部D1〜D3に替えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。尚、このデモ図柄表示部D1〜D3の配置、停止表示させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できることはいうまでもない。
デモ図柄表示部D1〜D3に各々表示されるデモ図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類があり、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、特別図柄表示部L1と同様に、これら10種類の図柄が順次表示される。そして、大当たりである場合には、横1列に表示された3つのデモ図柄が同じ数字の図柄で揃った状態(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)で大当たり図柄が構成されて表示され、遊技者に大当たりが報知され、大当たりでない場合には、横1列に表示された3つのデモ図柄が同じ数字で揃っていないはずれ図柄となる。尚、大当たりを報知する図柄の種類やその組み合わせは、これに限られるものではなく、自由に定めることができる。また、確率変動当たりである場合には、デモ図柄表示部D1〜D3も最終的には確率変動当たりを示す確率変動図柄が揃って表示された状態となる。本実施の形態では、「1」,「3」,「5」,「7」及び「9」を確率変動図柄とし、それ以外の「2」,「4」,「6」,「8」及び「0」を非確率変動図柄とする。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の制御部40の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続している。さらに、音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46の総合的な制御を行っており、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は表示画面28及び普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。
尚、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられている。そして、音基板43にはCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、図柄表示基板44にはCPU44aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。さらに、払出制御基板45にはCPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、電飾基板46にはCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。また、サブ統合基板58には、遊技者が操作するスイッチ90が接続されており、スイッチ90の内部にはLED91が設けられている。
電飾基板46には、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、電飾用のLED62、電飾ランプ63及びLED91が接続されている。また、図柄表示基板44には図柄表示装置8及び普通図柄表示部24が接続され、音基板43にはスピーカ48が接続され、払出制御基板45には賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。尚、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46及びサブ統合基板58に各々接続し、直流の安定化した電力を供給している。尚、電源基板42には交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を各基板へ供給できるようになっている。尚、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンに関する情報が記憶されている変動パターン記憶エリア5304等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄始作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、大当たり遊技状態であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示部L1〜L3の状態を示す表示状態フラグ、高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグ等のフラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208等が設けられている。尚、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。図7は、メインルーチン処理のフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302(図5参照)に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメインルーチン処理は、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込み信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メインルーチン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。尚、パチンコ機1の電源切断時には、RAM52のチェックサムの計算や、例えばハッシュ関数を利用したパスワードの生成が行われる。そして、次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51はROM53の初期設定記憶エリア5301(図5参照)に記憶された値を使用して、例えば、各カウンタの値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われる。
図7に示すように、割込信号の感知によってメインルーチン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58に出力される。制御コマンドとは、例えば、特別図柄作動保留球数を示す特別図柄作動保留コマンド、普通図柄作動保留球数を示す普通図柄作動保留コマンド、大当たり判定結果を報知する際に使用される変動パターンコマンド,特別図柄指定コマンド,全図柄停止コマンド、普通当たりの判定結果を報知する際に使用される普通図柄指定コマンド,普通図柄停止コマンド,大当たり遊技状態の際に使用される大当たり開始デモコマンド,大入賞口開放コマンド,大入賞口閉鎖コマンド,大当たり終了デモコマンド等である。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207(図6参照)に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。なお、電源投入時及び復電時には、主基板41からサブ統合基板58に、RAMクリアコマンド,復電コマンド,図柄指定コマンド,図柄停止コマンド等が送信され、サブ統合基板58において所定の初期処理を実行させる。
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20等の入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202(図6参照)に記憶された各スイッチに対応したフラグに「1」が記憶されて「ON」とされる。
尚、スイッチ読込処理を行っているメインルーチン処理はCPU51が割込信号を受信する間隔、すなわち2ms毎に実行されている。そこで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202(図6参照)の全てのフラグがリセットされる。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201(図6参照)に各々記憶されている普通当たり判定カウンタ,大当たり判定カウンタ,特別図柄作成第1カウンタ,特別図柄作成第2カウンタ,変動パターン決定カウンタ,特別図柄変動時間カウンタ,特別図柄停止時間カウンタ等の各種カウンタ値が更新される。
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口16を開閉する大当たり遊技状態の動作の制御が行われる。具体的には、大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖表示コマンド、大当たり開始デモコマンド、大当たり終了デモコマンド等の制御コマンドがサブ統合基板58へ送信される。この特別電動役物処理は、RAM52のフラグ関係記憶エリア5208(図6参照)に記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際に特別図柄処理(S14)でセットされる。そして、次のメインルーチン処理の実施時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態の動作を終了させる際に「0」が記憶されて「OFF」となる。
また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、確率変動フラグのセットも行う。停止図柄が確率変動図柄であった場合、次の大当たりの確率が高くなる高確率状態となる。また、停止図柄が非確率変動図柄であった場合、次の大当たりの確率は通常の確率であり、低確率状態となる。そこで、確率変動図柄であった場合には、確率変動フラグに「1」が記憶されて確率変動フラグが「ON」となり、非確率変動図柄であった場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われる。特別図柄処理では、大当たりの判定、特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等が行われる。尚、本発明のパチンコ機1では、大当たり判定結果の報知に伴う、特別図柄表示画面でのキャラクタの動きや図柄変動の制御、効果音や各種ランプの制御の細かい制御は、サブ統合基板58のCPU581により行われている。主基板41のCPU51で実施されるメインルーチン処理では、サブ統合基板58に対し、特別図柄表示部L1〜L3へ表示する図柄の指定(特別図柄指定コマンド)、特別図柄表示部L1〜L3の変動開始の指示及び変動パターンの指定(変動パターンコマンド)、特別図柄表示部L1〜L3の全図柄停止の指示(全図柄停止コマンド)、を行っている。具体的には、大当たり判定の結果の報知を開始する際に、変動パターンコマンド及び特別図柄指定コマンドを送信し、特別図柄表示部L1〜L3を停止する際に全図柄停止コマンドを送信している。尚、サブ統合基板58ではこれらのコマンドを受信すると、種々のコマンドを付加して音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に詳細な指示を与えて、様々な演出を行いながら、大当たり判定結果の報知を行う。
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなり、その結果が普通図柄表示部24に表示された後に、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材(いわゆるチューリップ)の開閉(普通当たり状態の動作)の制御が行われる。尚、普通当たりの判定及び普通図柄表示部24への図柄の表示は、次のS16の普通図柄処理にて行われる。
次の普通図柄処理(S16)では、普通当たり乱数の取得、普通図柄当たりの判定、普通図柄当たりの判定結果の普通図柄表示部24への報知の指示等が行われる。S11のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア5202(図6参照)の普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立てられている場合には、サブ統合基板58に対して、普通図柄表示部24に判定の結果報知の指示を行うために、普通図柄指定コマンド、普通図柄停止コマンド等の制御コマンドが送信される。普通図柄表示部24に当たり図柄が表示された後には、前述した普通電動役物処理(S15)において特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開閉が行われる。
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出制御が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、図柄表示装置8にエラー表示を行わせたり、LED62や電飾ランプ63を点灯・点滅させたり、スピーカ48からエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5207(図6参照)に記憶される。次いで、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、変動短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメインルーチン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメインルーチン処理が実行される。
ここで、ある遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞し、大当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メインルーチン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。その遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、スイッチ読込処理において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202(図6参照)の対応するフラグが「ON」とされる(S11)。そして、特別図柄処理(S14)にて大当たり判定が行われ、特別図柄表示部L1〜L3の図柄の変動が開始される。繰り返しメインルーチン処理が実施される中で、変動している特別図柄表示部L1〜L3が順次停止し、大当たり図柄が停止表示される。大当たり図柄の停止表示が終了すると、フラグ関係記憶エリア5208(図6参照)の大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶され、「ON」とされるので(S14)、次に実施されるメインルーチン処理の特別電動役物処理(S13)で、大入賞口16の開放が行われ、大当たり遊技状態の動作が開始される。そして、繰り返しメインルーチン処理が実施される中で、特別電動役物処理(S13)で所定条件にしたがって大当たり遊技状態の動作が実施される。そして、大当たり遊技状態が終了する際には、大当たり遊技状態フラグに「0」が記憶され、「OFF」とされ、この遊技球に係る一連の動作が終了する。
次に、サブ統合基板58のCPU581で実施される各種処理について図8乃至図15を参照して説明する。サブ統合基板58では、主基板41から送られる制御コマンドを受けて、種々のコマンドを付加して音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に詳細な指示を与える。以下では、サブ統合基板58で実行される主要な処理を例示して、本発明を説明する。図8は、サブ統合基板58のROM583の記憶エリアを示す概念図である。図9は、サブ統合基板58のRAM582の記憶エリアを示す概念図である。図10は、復電処理の詳細を示すフローチャートである。図11は、RAMクリア処理の詳細を示すフローチャートである。図12は、変動処理の詳細を示すフローチャートである。図13は、大当たり処理の詳細を示すフローチャートである。図14は、リセット表示処理の詳細を示すフローチャートである。図15は、リセット表示の一例を示す図である。
図8を参照して、ROM583の記憶エリアについて説明する。図8に示すように、ROM583には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値を記憶する初期設定記憶エリア5831、CPU581がパチンコ機1の制御を補助するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5832、サブ統合基板58から音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5833、大当たり判定の結果報知の演出を決めている変動パターンに関する情報が記憶されている変動パターン記憶エリア5834等が設けられている。さらに、ROM583には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図9を参照してRAM582の記憶エリアについて説明する。図9に示すように、RAM582には、サブ統合基板58での各種処理で使用される各種カウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5821、サブ統合基板58での各種処理で使用される各種フラグを記憶するフラグ記憶エリア5822、大当たり判定の結果報知を行うために主基板から受け取った制御コマンド等を記憶しておく特別図柄関係記憶エリア5823等が設けられている。さらに、RAM582には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。なお、フラグ記憶エリア5822には、後述のスイッチ入力待受フラグが記憶されている。
次に、図10を参照して、サブ統合基板58のCPU581で行われる復電処理について説明する。復電処理は、主基板サブ統合基板58に電源が投入されて、RAM582やROM583の動作確認や各種フラグやカウンタ等の初期値設定等の初期処理が終了した後に実行される。
まず、フラグ記憶エリア5822(図9参照)に記憶されているスイッチ入力待受フラグに「0」が設定される(S21)。スイッチ入力待受フラグは、スイッチ90が押下された場合にその入力を受け付けるか否かを示すフラグであり、「1」が設定されていればスイッチ90からの入力を待受ける状態(以下、スイッチ入力待受状態とよぶ。)が「ON」を示し、「0」が設定されていればスイッチ入力待受状態が「OFF」を示す。なお、スイッチ入力待受状態「ON」の場合、スイッチ90の内部に設けられたLED91が点灯状態となる一方、スイッチ入力待受状態「OFF」の場合、LED91は消灯状態となるように制御される。そして、スイッチ90の内部に設けられたLED91は、遊技者がスイッチ90の外部からLED91の点灯・消滅を視認できるように設けられており、遊技者はLED91の点灯・消滅によってスイッチ入力待受状態が「ON」か「OFF」かを判別できるようになっている。
次に、電源投入後(復電後)に正常なコマンドを受信していない場合に、断線コマンドを受信すると(S22)、サブ統合基板58において所定の断線チェックが実行される。断線チェックの結果、断線異常が検知されなかった場合は、正常フラグをセットして断線処理を終了する。一方、断線異常が検知された場合は、断線コマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信して、断線エラーを報知する。なお、断線チェック中に正常なコマンドを主基板41から受信した場合は、正常フラグをセットして断線処理を終了する。一方、断線チェック中に異常なコマンドを主基板41から受信した場合は、断線コマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信して、断線エラーを報知する。
そして、状態コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S23)。状態コマンドは低・高確率中および時短中などの遊技状態を示すものである。状態コマンドを受信している場合(S23:YES)、指定された遊技状態に従って状態コマンドを作成し(S24)、その状態コマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信する(S25)。
状態コマンドを受信していない場合には(S23:NO)、図柄復電コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S26)。図柄復電コマンドは、復電時の初期図柄の表示等を指示するものである。図柄復電コマンドを受信している場合(S26:YES)、復電時の初期図柄等に従って図柄復電コマンドを作成し(S27)、その図柄復電コマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信する(S28)。
図柄復電コマンドを受信していない場合には(S26:NO)、第1特別図柄指定コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S29)。第1特別図柄指定コマンドを受信している場合(S29:YES)、その第1特別図柄指定コマンドをさらに音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46へ送信する(S30)。一方、第1特別図柄指定コマンドを受信していない場合(S29:NO)、第2特別図柄指定コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S31)。第2特別図柄指定コマンドを受信している場合(S31:YES)、その第2特別図柄指定コマンドをさらに音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46へ送信する(S32)。
S30又はS32の後、第1特図及び第2特図の指定に基づいて、サブ統合基板58で対応するデモ図柄が指定されて、このデモ図柄に基づいてデモ図柄指定コマンドが作成され(S33)、デモ図柄指定コマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46へ送信する(S34)。
一方、第2特別図柄指定コマンドを受信していない場合(S31:NO)、全図柄停止コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S35)。この全図柄停止コマンドは、特別図柄表示部L1〜L3を停止させる際に主基板41から送信されてくる。そこで、全図柄停止コマンドを受信している場合(S35:YES)、そのコマンドをさらに音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46へ送信する(S36)。
そして、ディレー時間が800ms以上か否かの判断が行われる(S37)。ディレー時間とは、主基板41から送信された全図柄停止コマンドを受信したときからカウントされる所定の待機時間をいい、その大きさはパチンコ機1の仕様や実装によって異なるが、本実施の形態では全図柄停止コマンドの受信から800msとする。S37は、全図柄停止コマンドの送信(S36)によって変動図柄が完全に停止する前に、スイッチ入力待受状態が「ON」となってしまう事態を防ぐために設けられている。
ディレー時間が800ms以上経過している場合(S37:YES)、フラグ記憶エリア5822に記憶されているスイッチ入力待受フラグに「1」が設定され(S38)、スイッチ入力待受状態「ON」となり、スイッチ90内部のLED91が点灯状態となる。その後、音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46において、ループ表示処理(S39)が実行される。
ループ表示処理(S39)では、タイトルデモコマンドが音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信されると、所定のタイトルデモが30秒間表示された後、停止図柄が表示される。なお、タイトルデモコマンドとは、主として電源投入時又は復電時において、デモンストレーションのために最初に出力される所定の映像や音声等を出力させるコマンドである。そして、サブ統合基板58で割り込みが発生しなければ、タイトルデモコマンド送信から90秒後に、再度タイトルデモコマンドが送信される。これにより、音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46では、タイトルデモ表示(30秒)と図柄停止(60秒)が、割り込み発生まで繰り返し実行される。なお、S25,S28,S34,S35:NO,S37:NO,S39の後、復電処理(図10)は終了する。
次に、図11を参照して、サブ統合基板58のCPU581で行われるRAMクリア処理について説明する。RAMクリア処理は、サブ統合基板58のRAM582を初期化するための処理である。
まず、フラグ記憶エリア5822(図9参照)に記憶されているスイッチ入力待受フラグに「0」が設定され(S41)、主基板41から図柄電源投入コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S42)。図柄電源投入コマンドは、RAM初期化を指示するためのRAMクリアボタン(図示外)が押されながら電源投入されると、所定のRAMクリア処理を指示するために主基板41から送信されるコマンドである。
図柄電源投入コマンドを受信している場合(S42:YES)、RAM582を初期化が実行されるとともに、RAMクリアの指示に従って図柄電源投入コマンドを作成し(S43)、その図柄電源投入コマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信する(S44)。音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46では、図柄電源投入コマンドを受信すると、初期画面の表示,RAMクリア用の電飾処理,「RAMクリアしました」の音声通知などのRAMクリアの報知が30秒間実行される。
なお、図柄電源投入コマンドを受信していない場合(S42:NO)、その後の処理(S45〜S55)は復電処理(図10)におけるS29〜S39と同様であるため、説明は省略する。
次に、図12を参照して、サブ統合基板58のCPU581で行われる変動処理について説明する。変動処理は、変動パターンコマンドを受信したら図柄の変動と停止を行うための処理である。
まず、主基板41から変動パターンコマンドを受信したか否かの判断が行われる(S61)。変動パターンコマンドは、指定された変動パターンに従って大当たり判定の結果を報知させるためのコマンドである。変動パターンコマンドを受信している場合(S61:YES)、フラグ記憶エリア5822(図9参照)に記憶されているスイッチ入力待受フラグに「0」が設定される(S62)。そして、当該変動パターンで指定されている特別図柄変動時間やリーチ動作を行うか否か等の演出条件に加えて、特定のキャラクタを表示画面28に表示させるか、キャラクタにどのような動きをさせるか等の付加演出条件を抽選により決定して変動パターンコマンドを作成し(S63)。その変動パターンコマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信する(S64)。
なお、変動パターンコマンドを受信していない場合(S61:NO)、その後の処理(S65〜S75)は復電処理(図10)におけるS29〜S39と同様であるため、説明は省略するが、全図柄停止コマンドを受信していない場合には(S71:NO)、その他のコマンド処理が行われる(S76)。S76での処理内容は、パチンコ機1の仕様や実装又は受信したコマンドによって内容は異なる。また、変動処理では、S64,S70,S73:NO,S75,S76の後はS61に戻る。
このように主基板41からは、上記の変動パターンコマンド、第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、全図柄指定コマンドの他に、特別図柄作動保留コマンド、普通図柄作動保留コマンド、普通図柄変動パターンコマンド、普通図柄指定コマンド、普通図柄停止コマンド、大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド、大当たり開始デモコマンド、大当たり開放表示コマンド、大当たり閉鎖表示コマンド、大当たり終了デモコマンド等が送信されてくる。そして変動処理では、これらのコマンドを受信した際に行われる処理、例えば音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46へのコマンド送信等が繰り返し実施されることになる。
次に、図13を参照して、サブ統合基板58のCPU581で行われる大当たり処理について説明する。大当たり処理は、大当たり開始デモコマンドを受信したら大当たり遊技状態を実行するための処理である。
まず、主基板41から大当たり開始デモコマンドを受信すると、そのコマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信して大当たり開始デモを出力させる大当たり開始処理が実行されて(S81)、フラグ記憶エリア5822(図9参照)に記憶されているスイッチ入力待受フラグに「0」が設定される(S82)。そして、大当たり開放表示コマンド又は大当たり閉鎖表示コマンドを受信すると、そのコマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信して、大入賞口16の開閉に応じた画像や音声等の出力させる大当たり中処理が実行される(S83)。そして、大当たり終了デモコマンドを受信すると、そのコマンドを音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46に送信して大当たり終了デモを出力させる大当たり終了処理が実行される(S84)。その後、他の付加コマンドを受信した場合には、それに応じた他の処理が実行されて(S85)、大当たり処理が終了する。
このようにサブ統合基板58では、上記の処理(復電処理,RAMクリア処理,変動処理,大当たり処理)が実行されて、主基板41から送られた制御コマンドを処理して、音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46への指示を行う。そして、ループ表示処理(S39,S55,S75)の実行中は、スイッチ入力待受フラグ「1」が設定されるため(S38,S54,S74)、スイッチ入力待受状態「ON」となってスイッチ90内部のLED91が点灯状態となる。一方、主基板41から各種制御コマンドを受信して図柄変動等が行われている期間は、スイッチ入力待受フラグ「0」が設定されるため(S21,S41,S61,S82)、スイッチ入力待受状態「OFF」となってLED91が消灯状態となる。
次に、図14に示すリセット表示処理について説明する。リセット表示処理は、サブ統合基板58に電源が投入されると起動され、遊技者によるスイッチ90の操作を監視して、リセット表示に関する処理を実行する。
まず、スイッチ90の入力があるか否かが判定される(S91)。遊技者がスイッチ90を押下する等の操作を行った場合は、スイッチ90の入力ありと判定され(S91:YES)、フラグ記憶エリア5822(図9参照)に記憶されているスイッチ入力待受フラグに「1」が設定されているかが判定される(S92)。スイッチ入力待受フラグに「1」が設定されている場合は(S92:YES)、スイッチ入力待受状態「ON」であるから、リセット表示コマンドが音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46へ送信される(S93)。リセット表示コマンドは、前回の遊技結果を示す停止図柄を初期設定のものに変更するリセット表示を実行させるものである。一方、スイッチ90の入力なしと判定された場合(S91:NO)、スイッチ入力待受フラグに「1」が設定されていない場合(S92:NO)及びリセット表示コマンドの送信(S93)の後は、S91に戻って遊技者によるスイッチ90の入力を待ち受ける。
上記のリセット表示処理により、LED91の点灯中に遊技者がスイッチ90を押下すると、図柄表示装置8にそれまで表示されていた前回の遊技結果を示す図柄に代えて、図15に示すように、デモ図柄表示部D1,D2,D3に初期図柄である「1」,「2」,「3」がそれぞれ表示される。この初期図柄は、電源投入時又は復電時において表示される初期画面のものと同一である。また、リセット表示が実行された旨を報知するためのメッセージ「リセットされました」が、上記初期図柄と同時に表示される。また、前回の遊技結果の図柄を初期図柄に変更する際に、電源が落ちるような暗転表示を実行し、その後に図15に示すように画面を表示してもよい。すなわち、本発明における「リセット表示」では、前回の抽選結果を示す停止図柄とは異なる画像(初期画面)を表示するのみならず、所定の画像や電飾あるいは音声等によってリセット状態を遊技者に報知してもよく、「リセット表示」の態様は設計者が任意に決定することができる。
なお、本実施の形態において、ループ表示処理中(S39,S55,S75)にスイッチ入力待受状態「ON」が設定されるのは、以下の理由による。ループ表示処理中(S39,S55,S75)は、図柄変動や大当たり演出等の遊技動作を伴わないため、表示画面を初期画面に変更しても(表示画面をリセットしても)、遊技状態やハード自体に不具合や誤動作を生じるおそれがない。一方、変動パターンコマンド等の制御コマンドを受信している場合、パチンコ機1は図柄変動や大当たり演出等の遊技動作を実行する状態にあるため、表示画面が初期画面に変更されると(表示画面がリセットされると)、遊技状態やハード自体に不具合や誤動作を生じるおそれがあるため、スイッチ入力待受状態を「OFF」にして、遊技者によるリセット表示の指示を受け付けないようにしている。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機1によれば、遊技者がスイッチ90を操作すると、フラグ記憶エリア5822(図9参照)に記憶されているスイッチ入力待受フラグが参照されて、スイッチ入力待受状態「ON」であれば所定のリセット表示が実行されて、図柄表示装置8に初期画面が表示される。よって、遊技者は任意に表示画面をリセットすることができる。
また、スイッチ入力待受フラグは遊技状態の変化に応じて「1」又は「0」が設定されて、スイッチ入力待受状態が「ON」又は「OFF」となる。詳細には、ループ表示処理の実行中は、スイッチ入力待受状態が「ON」に設定される。よって、リセット表示を実行しても問題がない遊技状態(ループ表示状態)にある場合にのみ、リセット表示が実行可能となるので、遊技機に誤作動や不具合を生じさせることなく、表示画面をリセットすることができる。
また、スイッチ入力待受状態が「ON」となっている場合には、スイッチ90の内部に設けられたLED91が点灯する一方、スイッチ入力待受状態が「OFF」となっている場合にはLED91が消灯する。よって、遊技者は現在のスイッチ入力待受状態を把握することができ、リセット表示が実行可能かを容易に判別可能である。
また、リセット表示は電源投入時又は復電時において表示される初期画面及びリセット状態の報知の何れか又は組み合わせとするため、遊技者は前回の遊技結果を示す停止図柄を初期画面のものに変更することができたり、所定の画像や電飾あるいは音声等の報知によってリセット状態を認識したりすることができる。
ところで、上記実施の形態において、スイッチ90が本発明の「操作手段」に相当する。リセット表示処理(図14)を実行するCPU581が「リセット判定手段」に相当する。フラグ記憶エリア5822が、本発明の「待受状態記憶手段」に相当する。サブ統合基板58において実施される各種処理(図10〜図13)を実行するCPU581が、「待受状態設定手段」に相当する。LED91が、本発明の「報知手段」に相当する。
なお、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能なことはいうまでもない。
上記実施の形態では、スイッチ90はリセット表示の指示のみに利用されているが、スイッチ90が遊技状態別に異なる他の機能の実行を指示するために共通に用いられる手段であってもよい。例えば、特定パターンのリーチ中に、リーチ動作を演出するキャラクタを選択するためのボタンとして、スイッチ90を利用できるようにしてもよい。また、大当たり中に、大当たり中にのみ行われるミニゲームの操作ボタンとして、スイッチ90を利用できるようにしてもよい。
このように、スイッチ90を複数の機能を実行可能な操作手段として兼用するためには、フラグ記憶エリア5822(図9参照)に遊技状態別の機能を示すスイッチ入力待受フラグを複数設ければよい。例えば、フラグ記憶エリア5822(図9参照)にスイッチ入力待受フラグの1つとしてキャラクタ選択待受フラグを設けて、特定のリーチパターンを指定する制御コマンドを受信した場合に「ON」とし、当該リーチの終了を示す制御コマンドを受信したら「OFF」にする。そして、キャラクタ選択待受フラグが「ON」の場合は、スイッチ90をキャラクタ選択のためにボタンとして機能させるようにすればよい。同様に、スイッチ入力待受フラグの1つとしてミニゲーム待受フラグを設け、大当たりを指定する制御コマンドを受信した場合に「ON」とし、当該大当たりの終了を示す制御コマンドを受信したら「OFF」にする。そして、ミニゲーム待受フラグが「ON」の場合は、スイッチ90をミニゲームの操作ボタンとして機能させるようにすればよい。
また、上記のようにスイッチ90を複数の機能に兼用の操作手段とする場合、現在どの機能の待受状態が「ON」となっているかを遊技者が判別できるように、各機能ごと(リセット表示、キャラクタ選択、ミニゲーム操作など)に待受状態の「ON」又は「OFF」を示すLED91をパチンコ機1に複数設けてもよいし、各機能ごとにスイッチ90内のLED91が異なる色に発光するようにしてもよい。なお、スイッチ90を複数の機能に兼用の操作手段とする必要はなく、各機能ごとにスイッチ90を複数設けてもよい。さらに、遊技者が待受状態を認識することができるのであれば、LED91に限定されず、各種手段を待受状態の通知手段として利用でき、例えば、音声によって待受状態を通知してもよいし、図柄表示装置8に待受状態を表示してもよい。
また、上記実施の形態では、ループ表示処理(S39,S55,S75)の実行中にスイッチ入力待受状態「ON」が設定されているが、どのタイミングでスイッチ入力待受状態「ON」又は「OFF」とするかは、パチンコ機1の仕様や実装に応じて設計すればよい。具体的には、スイッチ90からのリセット表示の指示については、図柄変動中以外であればスイッチ入力待受状態「ON」とすることができるから、例えば、電源投入後又は復電後、最初の制御コマンドを受信するまでの期間もスイッチ入力待受状態「ON」とするようにしてもよい。同様に、遊技状態別に設けられた他の機能(キャラクタ選択、ミニゲーム操作など)についても、どのタイミングでスイッチ入力待受状態「ON」又は「OFF」とするかは、パチンコ機1の仕様や実装に応じて任意に設定できることはいうまでもない。
また、上記実施の形態においては、リセット表示として図15に示すような画面の表示を例示したが、このリセット画面の表示の態様も、パチンコ機1の仕様や実装に応じて任意に設定できる。リセット表示においては、前回の抽選結果を示す停止図柄と異なるものが表示されればよいから、例えばリセット表示専用のデモ画面を出力してもよいし、リセット表示されたことを示す音声やアニメーションを出力する等の演出を行ってもよい。