以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1はパチンコ機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図であり、図3は表示装置8の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持したガラス枠13で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、上皿5と下皿6との間にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。また、下皿6には押しボタン式のスイッチ90が設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面28や普通図柄表示部24、各種ランプ、LEDを備えた表示装置8が設けられている。この表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられている。また、表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられている。そして、その特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。そして、特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられており、大入賞口16の左右にも普通入賞口17,18がそれぞれ設けられている。
また、表示装置8の左右両肩にはワープ入口22,23がそれぞれ設けられている。さらに、表示装置8の下部にはワープ出口21(図3参照)が設けられ、これらのワープ入口22,23を通過した遊技球は表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってワープ出口21へ現出するようになっている。ワープ出口21に現出した遊技球は、ワープ出口21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下するので、特別図柄始動電動役物15に入賞しやすい。
また、図3に示すように、表示装置8の上部には4個のLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、特別図柄始動電動役物15に入賞し、表示装置8の表示画面28に大当たり判定の結果が表示されていない遊技球の個数、いわゆる作動保留球数を4個まで、LEDの点灯で表示することができるようになっている。さらに、特別図柄記憶数表示LED60の上方に設けられた4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12(図2参照)に入賞し、普通図柄表示部24に普通当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を、特別図柄作動保留球数同様4個まで、LEDの点灯で表示することができる。尚、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他の電飾用のLED62(図4参照)、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
次に、表示装置8の構造およびそこに表示される画面について説明する。表示装置8は、中央に表示画面28を備え、左下方に特別図柄表示部L1が設けられ、表示画面28の中央にデモ図柄表示部D1,デモ図柄表示部D3,デモ図柄表示部D2が左から順に並んで設けられている。尚、デモ図柄表示部D1〜D3は、数字や図柄等から成る複数種類のデモ図柄を表示可能であり、遊技者の目を惹くように、特別図柄表示部L1よりも広い領域を占めている。また、表示画面28上には、特別図柄表示部L1、デモ図柄表示部D1〜D3には常にデモ図柄が表示されているわけではなく、これらの表示に代えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。また、表示画面28の上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられている。普通図柄表示部24には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。また、表示装置8は、その裏面に図柄表示基板44(図4参照)を備えている。
本実施の形態のパチンコ機1では、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると大当たり抽選が行われる。この大当たり抽選の結果が大当たりとなると、パチンコ機1が特別遊技状態となり、大入賞口16が開放され、遊技者は多数の遊技球を獲得することができる。また、この大当たり抽選の結果は特別図柄表示部L1に表示され、さらに、デモ図柄表示部D1〜D3にも表示される。デモ図柄表示部D1〜D3は、特別図柄表示部L1よりも遊技者の目を惹くように構成されており、さらに、表示画面28の背景画面やその他の種々の電飾ランプ63やスピーカ48から出力される効果音等の演出と同期して、大当たり判定の結果報知を行い、遊技者の大当たり判定結果への関心や期待感を高める働きをしている。
そこで、特別図柄表示部L1について説明する。特別図柄表示部L1は、1桁の数字や1文字のアルファベット、マーク等の図柄を表示できるように構成されている。特別図柄表示部L1に表示される特別図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」及び「9」の10種類があり、また、図柄の背景色として、「赤」,「橙」,「黄」,「緑」,「水色」,「青」,「紫」,「白」の8種類の色が用意されている。すなわち、特別図柄は10種類の数字と8種類の背景色の組み合わせにより、合計80種類の図柄がある。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、これら80種類の特別図柄が順次表示され、判定結果が表示される。また、大当たりである場合には、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率(大当たり確率)が高くなる高確率状態に移行する確率変動当たりであるか否かの判定も行われ、特別図柄表示部L1にはその判定結果も報知される。つまり、特別図柄表示部L1に表示される結果は、「大当たり(確率変動当たり)」,「大当たり(確率変動はずれ)」,「はずれ」の3種類である。例えば、本実施の形態では、以下のように構成されている。
図柄と背景色の組み合わせを(図柄,背景色)と示すと、「大当たり(確率変動当たり)」である組み合わせは、(0,赤),(0,橙),(1,橙),(1,黄),(2,黄),(2,緑),(3,緑),(3,水色),(4,水色),(4,青),(5,青),(5,紫),(6,紫),(6,白),(7,白),(7,赤),(8,赤),(8,橙),(9,橙),(9,黄)の20種類である。また、「大当たり(確率変動はずれ)」である組み合わせは、(0,黄),(0,緑),(1,緑),(1,水色),(2,水色),(2,青),(3,青),(3,紫),(4,紫),(4,白),(5,白),(5,赤),(6,赤),(6,橙),(7,橙),(7,黄),(8,黄),(8,緑),(9,緑),(9,水色)の20種類である。尚、大当たりであると判定された場合に、これらの40種類の図柄と背景色の組み合わせが、特別図柄表示部L1に出現する割合は等しくなっている。つまり、大当たりと判定された場合に、どの特別図柄が表示されるかの確率はそれぞれ40分の1である。また、確率変動当たりの組み合わせが20種類、確率変動はずれの組み合わせが20種類であるので、大当たりである場合に、確率変動当たりとなる確率は2分の1である。また、数字10種類、背景色8種類なので、全組み合わせは80種類となり、「はずれ」となる組み合わせは上記40種類以外の組み合わせとなり、40種類となる。これらの組み合わせは、後述するROM53の特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されている。
次に、デモ図柄表示部D1〜D3について説明する。このデモ図柄表示部D1〜D3は、大当たり判定の報知を、特別図柄表示部L1で行うよりも、自由度をもたせて行うためのものである。図3に示すように、表示画面28には、左から、デモ図柄表示部D1,デモ図柄表示部D3,デモ図柄表示部D2の順に、3つのデモ図柄表示部が横一列に配置されている。このデモ図柄表示部D1〜D3には、後述するデモ図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、デモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3の順に停止するようになっている。また、表示画面28には、デモ図柄表示部D1〜D3の背景にも画像が表示されており、また、常にデモ図柄表示部D1〜D3に図柄が表示されているわけではなく、表示画面28の全体にデモ図柄表示部D1〜D3に替えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。尚、このデモ図柄表示部D1〜D3の配置、停止表示させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できることはいうまでもない。
デモ図柄表示部D1〜D3に各々表示されるデモ図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類があり、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、特別図柄表示部L1と同様に、これら10種類の図柄が順次表示される。そして、大当たりである場合には、横1列に表示された3つのデモ図柄が同じ数字の図柄で揃った状態(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)で大当たり図柄が構成されて表示され、遊技者に大当たりが報知され、大当たりでない場合には、横1列に表示された3つのデモ図柄が同じ数字で揃っていないはずれ図柄となる。尚、大当たりを報知する図柄の種類やその組み合わせは、これに限られるものではなく、自由に定めることができる。また、確率変動当たりである場合には、デモ図柄表示部D1〜D3も最終的には確率変動当たりを示す確率変動図柄が揃って表示された状態となる。本実施の形態では、「1」,「3」,「5」,「7」及び「9」を確率変動図柄とし、それ以外の「2」,「4」,「6」,「8」及び「0」を非確率変動図柄とする。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の制御部40の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続している。さらに、音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46の総合的な制御を行っており、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は表示画面28及び普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。
尚、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられている。そして、音基板43にはCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、図柄表示基板44にはCPU44aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。さらに、払出制御基板45にはCPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、電飾基板46にはCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。また、サブ統合基板58には、遊技者が操作するスイッチ90が接続している。
電飾基板46には、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、電飾用のLED62、及び電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には表示装置8及び普通図柄表示部24が接続され、音基板43にはスピーカ48が接続され、払出制御基板45には賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。尚、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46及びサブ統合基板58に各々接続し、直流の安定化した電力を供給している。尚、電源基板42には交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を各基板へ供給できるようになっている。尚、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、特別図柄表示部L1に表示する図柄と背景色の組み合わせを記憶した特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304、特別図柄表示部L1の変動パターンを記憶した特別図柄変動パターン記憶エリア5305等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄始作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、大当たり遊技状態であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示部L1の状態を示す表示状態フラグ、高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグ等のフラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208等が設けられている。尚、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
カウンタ記憶エリア5201には普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、変動パターン決定カウンタLC3、特別図柄作成カウンタLC4、特別図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄停止時間カウンタTC2等が各々記憶されている。これらの値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて、普通当たり関係情報記憶エリア5203や大当たり関係情報記憶エリア5205(図7参照)などに各々取り込まれて格納されたり、タイマカウンタとして使用されたりする。
尚、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、変動パターン決定カウンタLC3、特別図柄作成カウンタLC4の値は、割込信号発生回路57(図4参照)からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1の制御プログラムのメインルーチン処理のカウンタ更新処理(図10参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。
また、特別図柄変動時間カウンタTC1及び特別図柄停止時間カウンタTC2は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理(図10参照)にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。
以下、各カウンタについて詳述する。大当たり判定カウンタLC2の値は、大当たりを判定するために使用される。大当たり判定カウンタLC2の最大値は「314」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「315」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、大当たり判定カウンタLC2の値は「0」から「314」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。また、パチンコ機1の起動時に、大当たり判定カウンタLC2には、初期値として「0」がセットされており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると、新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メインルーチン処理(図10参照)を行わない間(メインルーチン処理が終了し、割込信号により新たなメインルーチン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。例えば、初期値乱数処理により生成された乱数が「18」であった場合には、更新により「19」、「20」と加算され、「314」となったら、「0」へ戻り、「1」、「2」と加算され、「18」となったら、新たな初期値を取得する。尚、大当たり判定カウンタLC2の最大値は、単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
変動パターン決定カウンタLC3の値は特別図柄表示部L1の変動パターンを決定するために使用される。変動パターンは、大当たり判定の結果を報知する際の演出様態の種類であり、この変動パターンにより特別図柄表示部L1の変動開始から停止までの時間も決められており、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリア5305に記憶されている。尚、この変動パターンは、変動パターン決定カウンタLC3の値及び大当たり判定の結果により選択される。選択された変動パターンは、変動パターン指定コマンドとしてサブ統合基板58へ送信され、サブ統合基板58からさらに音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46へ送信される。尚、本実施の形態では変動パターンは62種類設けられている。そして、この変動パターン決定カウンタLC3の最大値は「65535」、最小値は「0」であり、10割込毎(2ms毎)に「1」加算され「65535」より大きくなった際に「0」へ戻る。そして、大当たりである場合、はずれの場合の2種類の変動パターン決定テーブル(図示外)が設けられており、それぞれ「0」〜「65535」の値に対して、62種類の変動パターンのいずれかが割り振られている。
特別図柄作成カウンタLC4の値は、大当たりである場合に、特別図柄表示部L1に表示される大当たり図柄を決定するために使用される。この特別図柄作成カウンタLC4の値は、最大値「39」、最小値「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄作成カウンタLC4の値は「0」から「39」までのいずれかの値を取り、1周期は80msとなる。
特別図柄変動時間カウンタTC1は、特別図柄表示部L1が変動を開始してから、全ての図柄が停止するまでの時間(変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動を終了させるタイミングを判断する。例えば、変動時間が10秒である場合には、初期値として「5000」をセットする。尚、変動時間は変動パターン毎に決められている。
特別図柄停止時間カウンタTC2は、特別図柄表示部L1に図柄が停止表示される時間(停止表示時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として停止時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで停止表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、停止表示時間が0.8秒である場合には、初期値として「400」をセットする。
次に、図7を参照して、大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図7は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205の概念図である。図7に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリア及び記憶エリア1〜4が設けられている。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメインルーチン処理の特別図柄処理(図10、S14参照)において使用される。記憶エリア1〜4には、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞し、まだ大当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(特別図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。判定エリアには、現在行われている大当たり判定の結果報知や大当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
特別図柄処理において特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が確認された場合には、記憶エリア1〜4の中で、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(特別図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が「3」であれば、記憶エリア3に記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、記憶エリア1に記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて大当たりの判定結果の報知が実行される。また、記憶エリア1が判定エリアにシフトされたことに伴い、記憶エリア2の値が記憶エリア1へ、記憶エリア3の値が記憶エリア2へ、記憶エリア4の値が記憶エリア3へと順にシフトされ、記憶エリア4の値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。すなわち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、特別図柄作動保留球数の上限は4個であり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値も「4」より大きい値を取ることはない。
この判定エリア及び記憶エリア1〜4のそれぞれには、大当たり乱数欄、変動パターン乱数欄、特別図柄乱数欄が設けられており、大当たり乱数、変動パターン乱数、特別図柄乱数の各値が記憶される。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタLC2の値が、変動パターン乱数欄には変動パターン決定カウンタLC3の値が、特別図柄乱数欄には特別図柄作成カウンタLC4の値がそれぞれ記憶される。
ところで、本実施の形態のパチンコ機1では、特別図柄表示部L1だけでなく、特別図柄表示部L1よりも遊技者の目を惹くデモ図柄表示部D1〜D3においても大当たり判定の結果を報知している。そして、デモ図柄表示部D1〜D3が非確率変動図柄で大当たりとなった場合には、デモ図柄表示部D1〜D3を再度変動させて、最終的に特別図柄表示部L1で表示された結果と同じ内容を報知している。これは、所謂「再抽選演出」である。ここで、デモ図柄表示部D1〜D3が変動を開始することにより、遊技者には、デモ図柄表示部D1〜D3に表示されている非確率変動図柄の当たりが確率変動図柄の当たりとなること(所謂、成り上がり)への期待が生ずる。そして、所定時間(例えば、8秒間)変動後停止させ、デモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄を確定し、大当たり開始画面を表示する。
尚、本実施の形態では、デモ図柄表示部D1〜D3の最初の変動を「第1変動」と呼び、再抽選演出による2回目の変動を「第2変動」と呼ぶこととし、最初の変動でデモ図柄表示部D1〜D3に停止するデモ図柄を第1停止図柄と呼び、最終的に停止するデモ図柄を第2停止図柄と呼ぶこととする。再抽選演出が行われるのは、第1停止図柄が非確率変動図柄である場合のうちの一部であるため、第1停止図柄がはずれ図柄であったり、確率変動図柄であったりする場合には、第2停止図柄は存在しない。したがって、再抽選演出を行う際の第2停止図柄、及び、再抽選演出を行わない際の第1停止図柄がデモ図柄表示部D1〜D3の最終停止図柄(決定デモ図柄)となり、特別図柄表示部L1に表示されている内容(確率変動当たり、非確率変動当たり、はずれ)と同期するようになっており、特別図柄表示部L1は第1停止図柄が停止した際に停止している。
また、本発明のパチンコ機1では、再抽選演出の第2変動中に、表示画面28に所定時間(例えば、5秒間)、「再抽選だ!スイッチを押してみろ!!」等のスイッチ90の押下を促すメッセージが表示される。このスイッチ90は、再抽選中の当たり図柄が確率変動図柄に成り上がるかどうかを早く知りたい遊技者のためのものである。通常、デモ図柄表示部D1〜D3の変動中には全図柄が変動するが、スイッチ90が押下され、第2停止図柄が確率変動図柄である場合には、変動図柄が第2停止図柄の図柄のみとなり、第2停止図柄の予告が行われる。反対に、第2停止図柄が確率変動図柄でなく非確率変動図柄である場合には、変動図柄は全図柄のままとし、予告は行われない。しかし、スイッチ90を押下しても変動図柄が全図柄のままであることにより、非確率変動図柄であると判ってしまうので、第2停止図柄が確変図柄である場合においても、変動図柄を全図柄のままとして予告を行わない場合も設ける。
ここで、図8及び図9を参照して、デモ図柄表示部D1〜D3の動作について、主基板41から送信されるコマンドの受信タイミングに合わせて説明する。図8は、再抽選演出を行わない当たり(第1停止図柄が確率変動図柄)の動作のタイミングチャートである。図9は、再抽選演出を行う当たり(第1停止図柄が非確率変動図柄)の動作のタイミングチャートである。
再抽選演出を行わない当たりでは、図8に示すように、主基板41から「変動パターン指定コマンド」を受信すると、特別図柄表示部L1及びデモ図柄表示部D1〜D3は変動を開始する。次いで、「特別図柄指定コマンド」が送信されてくる。ここでサブ統合基板58では、「特別図柄指定コマンド」で指定されている特別図柄表示部L1に表示される特別図柄に基づいて、デモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄を決定する。そして、所定時間が経過すると「特別図柄停止コマンド」が送信されてくるので、特別図柄表示部L1を停止し、確定表示する。また、デモ図柄表示部D1〜D3に第1停止図柄を停止し、確定表示する。すると、次いで「大当たり開始画面表示コマンド」が送信されてくるので、大当たり開始画面が表示される。尚、大当たり開始画面とは、大当たりとなり、これから大入賞口16が開放される大当たり遊技状態に移行することを示す画面である。そして、「大入賞口開放(1回目)画面表示コマンド」が送信されてきたら、大入賞口開放(1回目)画面を表示する。尚、所定条件が揃った場合(例えば、前回の開放時に大入賞口16内に設けられたVゾーンを遊技球が通過し、Vスイッチ74が遊技球を検知し、かつ所定数の遊技球が大入賞口16に入賞すること)には、継続して大入賞口16は所定回数(例えば15回)開放される。この大入賞口開放(1回目)画面は1回目の大入賞口16の開放が行われていることを示す画面である。
尚、大当たり開始画面を表示する時間、つまり「大当たり開始画面表示コマンド」が送信されてきてから、「大入賞口開放(1回目)画面表示コマンド」が送信されてくるまでの時間は、一定時間(例えば、11秒)であり、主基板41により制御されている。尚、デモ図柄表示部D1〜D3の変動時間は変動パターンにより決められており、主基板41により制御されている。
また、再抽選演出を行う当たりでは、図9に示すように、主基板41から「変動パターン指定コマンド」を受信すると、特別図柄表示部L1及びデモ図柄表示部D1〜D3は変動を開始する。次いで、「特別図柄指定コマンド」が送信されてくる。ここでサブ統合基板58では、「特別図柄指定コマンド」で指定されている特別図柄表示部L1に表示される特別図柄に基づいて、デモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄を決定する。そして、所定時間が経過すると「特別図柄停止コマンド」が送信されてくるので、特別図柄表示部L1を停止し、確定表示する。また、デモ図柄表示部D1〜D3に第1停止図柄を停止し、確定表示する。すると、次いで「大当たり開始画面表示コマンド」が送信されてくるので、デモ図柄表示部D1〜D3を変動させ、さらにスイッチ90を有効としてスイッチ押下を促すメッセージを所定時間(例えば、5秒間)表示する。そして、デモ図柄表示部D1〜D3が所定時間(例えば、8秒間)変動したら、デモ図柄表示部D1〜D3に第2停止図柄を停止し、確定表示する。そして、大当たり開始画面が表示され、「大入賞口開放(1回目)画面表示コマンド」が送信されてきたら、大入賞口開放(1回目)画面を表示する。尚、大当たり開始画面が表示されてから、「大入賞口開放(1回目)画面表示コマンド」が送信されてくるまでの時間は、例えば、3秒間であり、第2変動時間の8秒と合わせて11秒となるようにサブ統合基板58で制御されている。
尚、再抽選演出を行うか否かについては、「特別図柄指定コマンド」で指定されている特別図柄表示部L1に表示される図柄に基づいて、デモ図柄表示部D1〜D3に表示する図柄を決定する際に抽選を行い、決定される。また、第2停止図柄もその際に決定される。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図10乃至図12に示すフローチャートを参照して説明する。図10は、メインルーチン処理のフローチャートである。図11及び図12は、メインルーチン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302(図5参照)に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメインルーチン処理は、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込み信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メインルーチン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。尚、パチンコ機1の電源切断時には、RAM52のチェックサムの計算や、例えばハッシュ関数を利用したパスワードの生成が行われる。そして、次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51はROM53の初期設定記憶エリア5301に記憶された値を使用して、例えば、各カウンタの値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われる。
図10に示すように、割込信号の感知によってメインルーチン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58に出力される。制御コマンドとは、例えば、変動パターン指定コマンド、特別図柄指定コマンド、特別図柄停止コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大入賞口開放(1回目)画面表示コマンド、特別図柄作動保留球数を示す特別図柄作動保留コマンド、普通図柄作動保留球数を示す普通図柄作動保留コマンド、大当たり終了画面表示コマンド等である。ここで出力される制御コマンドは、前回以前に実施されたメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20等の入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグに「1」が記憶されて「ON」とされる。
尚、スイッチ読込処理を行っているメインルーチン処理はCPU51が割込信号を受信する間隔、すなわち2ms毎に実行されている。そこで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201(図6参照)に各々記憶されている普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、変動パターン決定カウンタLC3、特別図柄作成カウンタLC4の各値が上記の所定量だけ加算され、特別図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄停止時間カウンタTC2の各値が上記の所定量だけ減算される。尚、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、変動パターン決定カウンタLC3、特別図柄作成カウンタLC4の値が各カウンタの最大値を越える場合には、各カウンタの値は最小値に戻るようにプログラムされている。また、特別図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄停止時間カウンタTC2の各値が「0」となった場合には、それ以上の減算は行わないようにプログラムされている。
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口16を開閉する大当たり遊技状態の動作の制御が行われる。具体的には、大入賞口開放ソレノイド70へ大入賞口16開放の信号が送られる。この特別電動役物処理は、RAM52のフラグ関係記憶エリア5208に記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際に特別図柄処理(S14)でセットされる。そして、次のメインルーチン処理の実施時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態の動作を終了させる際に「0」が記憶されて「OFF」となる。
また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、確率変動フラグセット処理が行われる。ここでは、特別図柄が確率変動図柄であるか非確変図柄であるかにより、その大当たりが確率変動当たりであったか、非確率変動当たりであったかの判断が行われ、確率変動フラグのセットが行われる。具体的には、確率変動図柄であった場合、すなわち大当たり関係情報記憶エリア5205の特別図柄乱数欄の値が、(0,赤),(0,橙),(1,橙),(1,黄),(2,黄),(2,緑),(3,緑),(3,水色),(4,水色),(4,青),(5,青),(5,紫),(6,紫),(6,白),(7,白),(7,赤),(8,赤),(8,橙),(9,橙),(9,黄)の20種類のいずれかを示す値である場合には、次の大当たりの確率が高くなる高確率状態となる。また、非確率変動図柄であった場合、すなわち特別図柄乱数欄の値が(0,黄),(0,緑),(1,緑),(1,水色),(2,水色),(2,青),(3,青),(3,紫),(4,紫),(4,白),(5,白),(5,赤),(6,赤),(6,橙),(7,橙),(7,黄),(8,黄),(8,緑),(9,緑),(9,水色)の20種類のいずれかを示す値である場合には、次の大当たりの確率は通常の確率であり、低確率状態となる。そこで、確率変動図柄であった場合には、確率変動フラグに「1」が記憶されて確率変動フラグが「ON」となり、非確率変動図柄であった場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われる。この特別図柄処理では、大当たりの判定、特別図柄表示部L1に表示される図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等が行われる。この特別図柄処理については、図11及び図12に示すフローチャートを参照して後述する。
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなり、その結果が普通図柄表示部24に表示された後に、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材(いわゆるチューリップ)の開閉(普通当たり状態の動作)の制御が行われる。尚、普通当たりの判定及び普通図柄表示部24への図柄の表示は、次のS16の普通図柄処理にて行われる。
次の普通図柄処理(S16)では、普通当たり乱数の取得、普通図柄当たりの判定、普通図柄当たりの判定結果の普通図柄表示部24への報知の指示等が行われる。S11のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア5202の普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立てられている場合には、普通当たり判定カウンタLC1の値が取得される。そして、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の普通図柄作動保留球数に「1」が加算されている。そして、普通当たり判定カウンタLC1の値が、普通当たり関係情報記憶エリア5203に普通当たり乱数として記憶される。
普通当たり乱数の値の基となる普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までの値を取るので、普通当たり乱数も「0」から「255」までの値をとる。そこで、本実施の形態では、普通当たり乱数が「64」から「255」の場合は普通当たりとし、「0」から「63」の場合ははずれとする。そして、サブ統合基板58に対して、普通図柄表示部24に判定の結果報知の指示を行うために、普通図柄指定コマンド、普通図柄停止コマンド等の制御コマンドが送信される。普通当たりの場合には、普通図柄表示部24に当たり図柄として「7」が表示され、はずれの場合には、はずれ図柄として「−」が表示される。普通図柄表示部24に当たり図柄が表示された後には、前述した普通電動役物処理(S15)において特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開閉が行われる。
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出処理が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示装置8にエラー表示を行わせたり、LED62や電飾ランプ63を点灯・点滅させたり、スピーカ48からエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。次いで、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメインルーチン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメインルーチン処理が実行される。
ここで、ある遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞し、大当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メインルーチン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。その遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、スイッチ読込処理において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグが「ON」とされる(S11)。そして、特別図柄処理(S14)にて大当たり判定が行われ、特別図柄表示部L1の図柄の変動が開始される。繰り返しメインルーチン処理が実施される中で、変動している特別図柄表示部L1が順次停止し、大当たり図柄が停止表示される。大当たり図柄の停止表示が終了すると、フラグ関係記憶エリア5208の大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶され、「ON」とされるので(S14)、次に実施されるメインルーチン処理の特別電動役物処理(S13)で、大入賞口16の開放が行われ、大当たり遊技状態の動作が開始される。そして、繰り返しメインルーチン処理が実施される中で、特別電動役物処理(S13)で所定条件にしたがって大当たり遊技状態の動作が実施される。そして、大当たり遊技状態が終了する際には、大当たり遊技状態フラグに「0」が記憶され、「OFF」とされ、この遊技球に係る一連の動作が終了する。
次に、メインルーチン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図11及び図12に示すフローチャートを参照して説明する。前述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、表示画面28の特別図柄表示部L1に表示する特別図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58へのコマンド出力等が行われる。
初めに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。フラグ関係記憶エリア5208に記憶されている表示状態フラグには、特別図柄表示部L1が変動している場合(変動中)には「1」、特別図柄表示部L1が停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動中、停止表示中のいずれでもない場合には「0」がセットされている。また、フラグ関係記憶エリア5208に記憶されている大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態である場合には、「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。
図11に示すように、メインルーチン処理の特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。メインルーチン処理のスイッチ読込処理(図10:S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S21ではこの始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断が行われ、「ON」でない場合には(S21:NO)、特別図柄始動電動役物15に遊技球は入賞していないので、そのままS25へ進む。
始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」である場合には(S21:YES)、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は4個である。そこで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S22)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS25へ進む。
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリア1〜4のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタLC2の値が大当たり乱数として記憶される。変動パターン乱数欄には変動パターン決定カウンタLC3の値が変動パターン乱数として記憶される。特別図柄乱数欄には特別図柄作成カウンタLC4の値が特別図柄乱数として記憶される。
次いで、大当たり遊技状態フラグにより大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S25)。大当たり遊技状態である場合には、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であり、大当たり遊技状態である場合には(S25:YES)、なにもせずにメインルーチン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S25:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部L1の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグにより、特別図柄表示部L1が変動中であるか否かの判断が行われる(S26)。表示状態フラグが「1」でなく、変動中でない場合には(S26:NO)、表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S27)。表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でない場合には(S27:NO)、大当たり判定が行われる。
そこで、図12に示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S28)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S28:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチン処理へ戻る。「1」以上であれば(S28:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算され(S29)、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶されている値がシフトされる。すなわち、記憶エリア1に記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、記憶エリア2に記憶されている乱数が記憶エリア1へシフトされ、記憶エリア3に記憶されている乱数が記憶エリア2へシフトされ、記憶エリア4に記憶されている乱数が記憶エリア3へシフトされ、記憶エリア4の値がクリアされる(S30)。
次いで、大当たり判定が行われ、変動パターンの選択や特別図柄表示部L1に表示される図柄の選択が行われる(S31〜S35)。まず、判定エリアの大当たり乱数欄に記憶されている値を用いて、大当たりか否かの判断が行われる(S31)。この大当たり判定処理では、判定エリアの大当たり乱数欄に記憶されている値が大当たりとして決められている特定の値であるか否かが判定される。大当たりとして決められている値は、通常確率状態では、特定の1つの値、例えば「7」である。一方、確率変動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている高確率状態では、複数の特定の値、例えば「3」,「7」,「33」,「77」,「177」である。大当たりと判定された場合には(S31:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理(S32)、及び、特別図柄決定処理(S33)が行われる。具体的には、変動パターン決定処理では、まず、変動パターンが決定され、変動パターンを大当たりである場合の変動パターン決定テーブル(図示外)において、変動パターン乱数(判定エリアの変動パターン乱数欄の値)に対応して記憶されている変動パターンとされる。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。また、特別図柄決定処理(S33)では、判定エリアの特別図柄乱数欄に記憶されている値に基づいて、特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されている40種類の大当たりの組み合わせから1つを選択する(S33)。そしてS36へ進む。
大当たりと判定されなかった場合には(S31:NO)、はずれ時の変動パターン決定処理(S34)、及び、特別図柄決定処理(S35)が行われる。具体的には、変動パターン決定処理では、変動パターンの決定、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われ、特別図柄決定処理では、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄が決定される。具体的には、変動パターンは、はずれである場合の変動パターン決定テーブル(図示外)に従い、変動パターン乱数に対応する変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。特別図柄決定処理(S35)では、判定エリアの特別図柄乱数欄に記憶されている値に基づいて、特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されている40種類のはずれの組み合わせから1つを選択する。そして、S36へ進む。
そして、表示状態フラグに特別図柄表示部L1が変動中であることを示す「1」が記憶され(S36)、特別図柄処理を終了し、メインルーチン処理へ戻る。
また、図11に示すS26において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部L1が変動中であると判断された場合には(S26:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S40)。この判断は、特別図柄変動時間カウンタTC1の値により行われる。S32,S34でセットされた特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S40:YES)、コマンド関係記憶エリア5207に特別図柄停止コマンドが記憶される(S41)。そして、所定の停止表示時間(例えば、0.8秒間)が特別図柄停止時間カウンタTC2に記憶され(S42)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1が停止表示中であることを示す「2」が記憶される(S43)。そして特別図柄処理を終了し、メインルーチン処理へ戻る。S40にて、特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S40:NO)、特別図柄表示部L1の変動が継続される。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチン処理へ戻る。
また、S27において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部L1が停止表示中であると判断された場合には(S27:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S44)。この判断は、特別図柄停止時間カウンタTC2の値により行われる。S42でセットされた特別図柄停止時間カウンタTC2の値が、カウンタ更新処理において減算され、「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S44:YES)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が記憶される(S45)。そして特別図柄乱数の示す図柄と背景色の組み合わせが大当たりの組み合わせである場合には(S46:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となり(S47)、大当たり開始画面表示コマンドが記憶され(S48)、所定の表示時間(例えば、11秒間)が大当たり開始画面表示時間カウンタに記憶され(S49)、特別図柄処理を終了し、メインルーチン処理へ戻る。大当たりでない場合には(S46:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メインルーチン処理へ戻る。S44にて、特別図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」でなく、停止表示時間はまだ経過していない場合には(S44:NO)、特別図柄表示部L1には引き続き図柄が停止表示される。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチン処理へ戻る。
以上説明したように、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S21:YES)、各種乱数が取得され(S24)、大当たり判定が行われて変動パターンや特別図柄表示部L1に表示される図柄が決定され、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドが記憶される(S31〜S35)。そして、繰り返しメインルーチン処理が実行される中で、特別図柄処理も繰り返し実施され、変動時間が経過すると(S26:YES、S40:YES)、特別図柄停止コマンドが記憶される(S41)。さらに特別図柄処理が繰り返し実施され、停止表示時間が経過すると(S27:YES、S44:YES)、大当たり判定結果の報知を終了し、大当たりであった場合には、大当たり遊技状態へ移行するために大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ(S47)、大当たり開始画面表示コマンドが記憶され(S48)、所定の表示時間が大当たり開始画面表示時間カウンタに記憶される(S49)。そして、メインルーチン処理へ戻る。
次に、サブ統合基板58での処理について説明する。前述したように、本実施の形態のパチンコ機1では、サブ統合基板58が主基板41から各種コマンドを受信し、さらに音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46へ各種コマンドを送信しており、本発明の要部であるデモ図柄表示部D1〜D3による再抽選演出の制御や、スイッチ90の入力の制御はこのサブ統合基板58で行われている。
まず、図13乃至図18を参照して、サブ統合基板58に設けられているROM583及びRAM582の記憶エリアや各種テーブルについて説明する。図13は、サブ統合基板58のROM583の記憶エリアを示す概念図であり、図14は、サブ統合基板58のRAM582の記憶エリアを示す概念図である。図15は、サブ統合基板58のRAM582に設けられているカウンタ関係記憶エリア5827の概念図であり、図16は、再抽選演出決定テーブル5835aの概念図である。図17は、非確率変動デモ図柄決定テーブル5837aの概念図であり、図18は、確率変動デモ図柄決定テーブル5838aの概念図である。
まず、図13を参照して、ROM583の記憶エリアについて説明する。図13に示すように、ROM583には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値が記憶された初期設定記憶エリア5831、CPU581がサブ統合基板58を制御するための各種プログラムが記憶された制御プログラム記憶エリア5832、サブ統合基板58が図柄表示基板44、音基板43、電飾基板46に出力する制御コマンドのテーブルを記憶した制御コマンドテーブル記憶エリア5833、特別図柄表示部L1に表示される図柄と背景色の組み合わせのパターンやその組み合わせが大当たりであるかはずれであるかの情報が記憶されている特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5834、再抽選演出をするか否かの決定をするための再抽選演出決定テーブル記憶エリア5835、デモ図柄表示部D1〜D3のデモ図柄変動パターンが記憶されているデモ図柄変動パターン記憶エリア5836、非確率変動当たりの場合にデモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄を決定するための非確率変動デモ図柄決定テーブル記憶エリア5837、確率変動当たりの場合にデモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄を決定するための確率変動デモ図柄決定テーブル記憶エリア5838等が設けられている。さらに、ROM583には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図14を参照して、RAM582の記憶エリアについて説明する。図14に示すように、RAM582には、特別図柄表示部L1に表示される図柄と背景色の組み合わせを示す値が記憶される特別図柄記憶エリア5821、特別図柄表示部L1の変動パターンが記憶される変動パターン記憶エリア5822、再抽選演出を行うか否かの情報を記憶する再抽選演出情報記憶エリア5823、デモ図柄表示部D1〜D3の第1停止図柄を記憶する第1停止図柄記憶エリア5824、デモ図柄表示部D1〜D3の第2停止図柄を記憶する第2停止図柄記憶エリア5825、デモ図柄表示部D1〜D3の状態を示す各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5826、デモ図柄表示部D1〜D3を制御するために使用する各種カウンタを記憶するカウンタ関係記憶エリア5827等が設けられている。さらに、RAM582には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図15を参照して、サブ統合基板58のRAM582に設けられているカウンタ関係記憶エリア5827について説明する。図15に示すように、カウンタ関係記憶エリア5827には、再抽選演出の第2変動時間を計測するための第2変動時間カウンタを記憶する第2変動時間カウンタ関係記憶エリア5827a、スイッチ90の有効時間を計測するためのスイッチ有効時間カウンタを記憶するスイッチ有効時間カウンタ関係記憶エリア5827b、はずれの場合にデモ図柄表示部D1に表示する図柄を選択するための第1はずれデモ図柄決定カウンタを記憶する第1はずれデモ図柄決定カウンタ関係記憶エリア5827c、はずれの場合にデモ図柄表示部D2に表示する図柄を選択するための第2はずれデモ図柄決定カウンタを記憶する第2はずれデモ図柄決定カウンタ関係記憶エリア5827d、はずれの場合にデモ図柄表示部D3に表示する図柄を選択するための第3はずれデモ図柄決定カウンタを記憶する第3はずれデモ図柄決定カウンタ関係記憶エリア5827e、再抽選演出をするか否かを決定するための再抽選演出決定カウンタを記憶する再抽選演出決定カウンタ関係記憶エリア5827f、デモ図柄変動パターンを選択するためのデモ図柄変動パターン決定カウンタを記憶するデモ図柄変動パターン決定カウンタ関係記憶エリア5827g、大当たりの場合にデモ図柄表示部D1〜D3に表示する第1停止図柄を選択するための第1停止図柄決定カウンタを記憶する第1停止図柄決定カウンタ関係記憶エリア5827h、大当たりの場合にデモ図柄表示部D1〜D3に表示する第2停止図柄を選択するための第2停止図柄決定カウンタを記憶する第2停止図柄決定カウンタ関係記憶エリア5827i等が設けられている。
尚、第2変動時間カウンタ及びスイッチ有効時間カウンタは、図示外のカウンタ更新プログラムにより所定時間(例えば、2ms)毎に「1」ずつ減算される。尚、値が「0」となった場合には、それ以上減算されることはない。また、再抽選演出決定カウンタ、デモ図柄変動パターン決定カウンタ、第1はずれデモ図柄決定カウンタ、第2はずれデモ図柄決定カウンタ、第3はずれデモ図柄決定カウンタ、第1停止図柄決定カウンタ、第2停止図柄決定カウンタはループカウンタとなっており、加算により最大値を越えた場合には最小値を取り、最小値から最大値までの値を循環する。
再抽選演出決定カウンタは「1」〜「11」のいずれかの値を取り、カウンタ更新プログラムにより、所定時間(例えば、2ms)毎に「1」ずつ更新される。また、デモ図柄変動パターン決定カウンタは、カウンタ更新プログラムにより、所定時間(例えば、2ms)毎に「1」ずつ更新される。尚、デモ図柄変動パターン記憶エリア5836に記憶されている変動パターンは、大当たり用のデモ図柄変動パターンとはずれ用のデモ図柄変動パターンとがある。また、特別図柄表示部L1の変動時間とデモ図柄表示部D1〜D3の変動時間とは同じであるため、特別図柄表示部L1の変動パターンの変動時間と同じ変動時間のデモ図柄変動パターンを選択する必要がある。そこで、デモ図柄変動パターン記憶エリア5836には、変動時間及び大当たりかはずれかで分類されたテーブルにデモ図柄変動パターンが記憶されている。そこで、デモ図柄変動パターンを決定する際には、まず、大当たり判定の結果及び特別図柄表示部L1の変動パターンからテーブルが決定され、そのテーブルにおいてデモ図柄変動パターン決定カウンタの値に対応して記憶されているデモ図柄変動パターンが決定されることになり、デモ図柄変動パターン決定カウンタの最大値は、これらのテーブルに記憶されている変動パターンの数となっている。
第1はずれデモ図柄決定カウンタは、「0」〜「9」のいずれかの値を取り、カウンタ更新プログラムにより、所定時間(例えば、2ms)毎に「1」ずつ加算される。そして、第2はずれデモ図柄決定カウンタも、「0」〜「9」のいずれかの値を取り、カウンタ更新プログラムにより、所定時間(例えば、20ms)毎に「1」ずつ加算される。そして、第3はずれデモ図柄決定カウンタも、「0」〜「9」のいずれかの値を取り、カウンタ更新プログラムにより、所定時間(例えば、200ms)毎に「1」ずつ加算される。尚、デモ図柄表示部D1〜D3の値が同じものとなることを避けるために、第1はずれデモ図柄決定カウンタ、第2はずれデモ図柄決定カウンタ、第3はずれデモ図柄決定カウンタの加算タイミングは異なるものとしている。
また、第1停止図柄決定カウンタは「1」〜「5」の何れかの値を取り、カウンタ更新プログラムにより、所定時間(例えば、2ms)毎に「1」ずつ更新される。また、第2停止図柄決定カウンタは「1」〜「5」の何れかの値を取り、カウンタ更新プログラムにより、所定時間(例えば、20ms)毎に「1」ずつ更新される。尚、第1停止図柄と第2停止図柄との相関性を低くするために、第1停止図柄決定カウンタ、第2停止図柄決定カウンタの加算タイミングは異なるものとしている。
次に、図16を参照して、再抽選演出決定テーブル5835aについて説明する。再抽選演出決定テーブル5835aは「1」〜「11」の番号に対応して値が記憶されている。ここで、値「1」は、再抽選演出を行わないことを示しており、値「2」は、再抽選演出を行い、変動中にスイッチ90が押下された場合には変動図柄を第2停止図柄のみとして第2停止図柄の予告を行うことを示しており、値「3」は、再抽選演出を行うが、変動中にスイッチ90が押下されても変動図柄は全図柄のままとして、第2停止図柄の予告は行わないことを示している。そして、この再抽選演出決定テーブル5835aが参照される際には、再抽選演出決定カウンタに記憶されている値の番号に対応して記憶されている値が参照される。
図16に示すように、再抽選演出決定カウンタの値が「1」である場合には値「1」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「2」である場合には値「2」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「3」である場合には値「1」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「4」である場合には値「2」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「5」である場合には値「1」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「6」である場合には値「1」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「7」である場合には値「3」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「8」である場合には値「1」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「9」である場合には値「2」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「10」である場合には値「1」が参照され、再抽選演出決定カウンタの値が「11」である場合には値「1」が参照される。本実施の形態では、各値が参照される比率は、値「1」(再抽選演出しない):値「2」(再抽選演出し、スイッチ押下後第2停止図柄のみで変動):値「3」(再抽選演出し、スイッチ押下後も全図柄で変動)=7:3:1となっている。
次に、図17を参照して、非確率変動デモ図柄決定テーブルの一例である非確率変動デモ図柄決定テーブル5837aについて説明する。非確率変動デモ図柄決定テーブル5837aは「1」〜「5」の番号に対応して、非確率変動図柄を示す値が記憶されており、値欄に記憶されている数字の図柄が停止図柄とされる。そして、非確率変動デモ図柄決定テーブル5837aを参照する際には、第1停止図柄決定カウンタ又は第2停止図柄決定カウンタの値の番号に対応して記憶されている値が参照される。図17に示すように、カウンタの値が「1」である場合には値「2」が参照され、カウンタの値が「2」である場合には値「4」が参照され、カウンタの値が「3」である場合には値「6」が参照され、カウンタの値が「4」である場合には値「8」が参照され、カウンタの値が「5」である場合には値「0」が参照される。
次に、図18を参照して、確率変動デモ図柄決定テーブルの一例である確率変動デモ図柄決定テーブル5838aについて説明する。確率変動デモ図柄決定テーブル5836aも「1」〜「5」の番号に対応して、確率変動図柄を示す値が記憶されており、値欄に記憶されている数字の図柄が停止図柄とされる。そして、確率変動デモ図柄決定テーブル5838aを参照する際には、第1停止図柄決定カウンタ又は第2停止図柄決定カウンタに記憶されている値の番号に対応して記憶されている値が参照される。図18に示すように、カウンタの値が「1」である場合には値「1」が参照され、カウンタの値が「2」である場合には値「3」が参照され、カウンタの値が「3」である場合には値「5」が参照され、カウンタの値が「4」である場合には値「7」が参照され、カウンタの値が「5」である場合には値「9」が参照される。
次に、図19乃至図22を参照して、サブ統合基板58のCPU581で実施されるサブ統合基板処理について説明する。サブ統合基板処理では、主基板41からコマンドを受信すると、そのコマンドに従って処理が行われる。尚、本処理では、再抽選演出フラグ及びスイッチフラグが使用される。これらのフラグはRAM582のフラグ関係記憶エリア5826に記憶されており、「ON」である場合には「1」が記憶され、「OFF」である場合には「0」が記憶されている。図19は、サブ統合基板処理のフローチャートであり、図20は、サブ統合基板処理の中で実施されるデモ図柄決定処理のフローチャートであり、図21は、サブ統合基板処理の中で実施される大当たり開始画面表示開始処理のフローチャートであり、図22は、サブ統合基板処理の中で実施される再抽選演出処理のフローチャートである。
まず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S50)。主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したら(S50:YES)、RAM582の変動パターン記憶エリア5822に変動パターンが記憶される(S61)。そして、特別図柄変動開始コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S62)、デモ図柄変動開始コマンドが図柄表示基板44へ送信される(S63)。そして、S55へ進む。そして、図柄表示基板44において特別図柄表示部L1及びデモ図柄表示部D1〜D3の変動開始の制御が行われる。
次いで、変動パターン指定コマンドを受信していない場合には(S50:NO)、特別図柄指定コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S51)。特別図柄指定コマンドを受信したら(S51:YES)、特別図柄指定コマンドで指定されている特別図柄の図柄と背景色の組み合わせがRAM582の特別図柄記憶エリア5821に記憶され(S65)、デモ図柄決定処理が行われ(S66、図20参照)、S55へ進む。
ここで、図20を参照して、デモ図柄決定処理について説明する。このデモ図柄決定処理では、特別図柄記憶エリア5821に記憶されている特別図柄の図柄と背景色の組み合わせにより、確率変動当たりか、非確率変動当たりか、はずれかを判断し、それぞれの場合に、デモ図柄表示部D1〜D3に表示される第1停止図柄、第2停止図柄や再抽選の有無を決定する。まず、RAM582の第1停止図柄記憶エリア5824及び第2停止図柄記憶エリア5825の値がクリアされる(S601)。そして、特別図柄記憶エリア5821に記憶されている特別図柄の図柄と背景色の組み合わせが確率変動当たりの組み合わせであるか否かにより、確率変動当たりであるか否かの判断が行われる(S602)。
確率変動当たりである場合には(S602:YES)、再抽選演出を行うか否かの抽選が行われる(S604)。具体的には、再抽選演出決定テーブル5835aにおいて、再抽選演出決定カウンタの値の番号に対応して記憶されている値が参照され、再抽選演出情報記憶エリア5823にその値が再抽選演出情報として記憶される。そして、再抽選演出情報が「1」である場合には、再抽選演出を行わないと判断され(S605:NO)、デモ図柄変動パターンが決定される(S615)。そして、第1停止図柄が確率変動デモ図柄決定テーブル5838aにおいて、第1停止図柄決定カウンタの値の番号に対応して記憶されている値の図柄に決定される(S616)。そして、S630へ進み、S615で決定されたデモ図柄変動パターンを示すデモ図柄変動パターン指定コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S630)、S616で決定されたデモ図柄を示すデモ図柄指定コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S631)、デモ図柄決定処理を終えて、サブ統合基板処理へ戻り、S55へ進む。
また、再抽選演出情報が「2」又は「3」であり、再抽選演出を行うと判断された場合には(S605:YES)、デモ図柄変動パターンが決定され(S610)、第1停止図柄が非確率変動デモ図柄決定テーブル5837aにおいて、第1停止図柄決定カウンタの値の番号に対応して記憶されている値の図柄に決定され(S611)、第2停止図柄が確率変動デモ図柄決定テーブル5838aにおいて、第2停止図柄決定カウンタの値の番号に対応して記憶されている値の図柄に決定される(S612)。そして、S630へ進み、S610で決定されたデモ図柄変動パターンを示すデモ図柄変動パターン指定コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S630)、S611,S612で決定されたデモ図柄を示すデモ図柄指定コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S631)、デモ図柄決定処理を終えて、サブ統合基板処理へ戻り、S55へ進む。
また、確率変動当たりでない場合には(S602:NO)、非確率変動当たりであるか否かの判断が行われる(S603)。非確率変動当たりである場合には(S603:YES)、必ず再抽選演出を行うので、デモ図柄変動パターンが決定され(S620)、第1停止図柄が非確率変動デモ図柄決定テーブル5837aにおいて、第1停止図柄決定カウンタの値の番号に対応して記憶されている値の図柄に決定され(S621)、第2停止図柄が非確率変動デモ図柄決定テーブル5837aにおいて、第2停止図柄決定カウンタの値の番号に対応して記憶されている値の図柄に決定される(S622)。そして、S620で決定されたデモ図柄変動パターンを示すS630へ進み、デモ図柄変動パターン指定コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S630)、S621,S622で決定されたデモ図柄を示すデモ図柄指定コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S631)、デモ図柄決定処理を終えて、サブ統合基板処理へ戻り、S55へ進む。
また、確率変動当たりでもなく(S602:NO)、非確率変動当たりでもない場合には(S603:NO)、はずれである。そこで、はずれのデモ図柄変動パターンが決定され(S625)、はずれ図柄第の1停止図柄が決定される(S626)。具体的には、デモ図柄表示部D1に表示されるデモ図柄は、第1はずれデモ図柄決定カウンタの値が示す図柄とされ、デモ図柄表示部D2に表示されるデモ図柄は、第2はずれデモ図柄決定カウンタの値が示す図柄とされ、デモ図柄表示部D3に表示されるデモ図柄は、第3デモ図柄決定カウンタの値が示す図柄とされる。尚、ここで、S625で選択されたデモ図柄変動パターンがリーチを示すデモ図柄変動パターンである場合には、デモ図柄表示部D1とD2が同じ図柄となるように、デモ図柄表示部D2に表示されるデモ図柄を第1はずれデモ図柄決定カウンタの値が示す図柄とする。また、第1はずれデモ図柄決定カウンタの値、第2はずれデモ図柄決定カウンタの値、第3はずれデモ図柄決定カウンタの値が全て等しくなってしまった場合には、それぞれが異なる値となるように調整する。例えば、第2はずれデモ図柄決定カウンタの値を「1」増やし、第3はずれデモ図柄決定カウンタの値を「1」減らす。また、S625で選択されたデモ図柄変動パターンがリーチを示すデモ図柄変動パターンでない場合に、第1はずれデモ図柄決定カウンタの値と、第2はずれデモ図柄決定カウンタの値とが等しくなってしまった場合にも、異なる値となるように調整する。例えば、第2はずれデモ図柄決定カウンタの値を「1」増やす。
そして、S630へ進み、S625で決定されたデモ図柄変動パターンを示すデモ図柄変動パターン指定コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S630)、S626で決定されたデモ図柄を示すデモ図柄指定コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S631)、デモ図柄決定処理を終えて、サブ統合基板処理へ戻り、S55へ進む。
また、図19に示すサブ統合基板処理において特別図柄指定コマンドを受信していない場合には(S51:NO)、特別図柄停止コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S52)。特別図柄停止コマンドを受信した場合には(S52:YES)、特別図柄停止コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S71)、デモ図柄停止コマンドが図柄表示基板44へ送信される(S72)。そして、S55へ進む。
次いで、特別図柄停止コマンドを受信していない場合には(S52:NO)、大当たり開始画面表示コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S53)。大当たり開始画面表示コマンドを受信した場合には(S53:YES)、大当たり開始画面表示開始処理が行われ(S75、図21参照)、S55へ進む。
ここで、図21を参照して、大当たり開始画面表示開始処理について説明する。この大当たり開始画面表示開始処理では、再抽選演出を行う場合には、再抽選演出のための処理が行われ、再抽選演出を行わない場合には、大当たり開始画面を表示するための処理が行われる。
まず、再抽選演出情報記憶エリア5823に記憶されている値により再抽選演出を行うか否かの判断が行われる(S701)。再抽選演出情報記憶エリア5823に記憶されている値が「1」であり再抽選演出しない場合には(S701:NO)、大当たり開始画面表示コマンドが図柄表示基板44へ送信される(S710)。そして、大当たり開始画面表示開始処理を終え、サブ統合基板処理へ戻り、S55へ進む。尚、図柄表示基板44では、大当たり開始画面表示コマンドを受信すると、大当たり開始画面の表示が開始される。
また、再抽選演出情報記憶エリア5823に記憶されている値が「2」又は「3」であり、再抽選演出する場合には(S701:YES)、デモ図柄変動開始コマンドが図柄表示基板44へ送信される(S702)。そして、第2変動時間カウンタに8秒を示す値「4000」がセットされ(S703)、再抽選演出フラグに「1」が記憶されて「ON」となる(S704)。そして、図柄表示基板44にスイッチ90の押下を促すメッセージの表示を指示するスイッチ有効表示コマンドが送信され(S705)、スイッチ有効時間カウンタに5秒を示す「2500」がセットされ(S706)、スイッチフラグに「1」が記憶されて「ON」となる(S707)。そして、大当たり開始画面表示開始処理を終え、サブ統合基板処理へ戻り、S55へ進む。
また、図19に示すサブ統合基板処理において大当たり開始画面表示コマンドを受信していない場合には(S53:NO)、その他のコマンドを受信したか否かの判断が行われる(S54)。サブ統合基板58では、その他種々のコマンドを主基板41から受信するが、本発明の要部ではないので説明を省略する。尚、その他のコマンドを受信した場合には(S54:YES)、そのコマンドにしたがった処理が行われ(S77)、S55へ進む。
そして、主基板41から上記コマンドを受信しなかった場合や(S54:NO)、主基板41から受信したコマンドの処理が終了した場合には、デモ図柄表示部D1〜D3の再抽選演出に関する再抽選演出処理が行われ(S55、図22参照)、そしてS50へ戻り、主基板41からのコマンド受信の判断が引き続き行われる。
ここで、図22を参照して、再抽選演出処理について説明する。まず、デモ図柄表示部D1〜D3が再抽選演出の第2変動中であるか否かの判断が行われる(S501)。再抽選演出フラグが「OFF」であり、第2変動中でない場合には(S501:NO)、再抽選演出処理を終え、サブ統合基板処理へ戻り、S50へ戻る。また、再抽選演出フラグが「ON」であり、第2変動中であると判断された場合には(S501:YES)、第2変動を停止する時間となったか否かの判断が行われる(S502)。
第2変動時間カウンタの値がまだ「0」以下となっておらず、第2変動を停止する時間でない場合には(S502:NO)、スイッチ90が有効であるか否かの判断が行われる(S510)。スイッチフラグが「ON」であり、スイッチ90が有効である場合には(S510:YES)、スイッチ有効時間が終了したか否かの判断が行われる(S511)。スイッチ有効時間カウンタの値が「0」以下でなく、スイッチ有効時間が終了していない場合には(S511:NO)、スイッチ90が押下されたか否かの判断がなされる(S515)。スイッチ90が押下されていない場合には(S515:NO)、そのまま再抽選演出処理を終え、サブ統合基板処理へ戻り、S50へ戻る。
また、スイッチ90が押下されれば(S515:YES)、再抽選演出情報記憶エリア5823に記憶されている値が「2」であるか否かにより、デモ図柄表示部D1〜D3で変動中の図柄を第2停止図柄のみとし、予告を行うか否かの判断が行われる(S516)。再抽選演出情報が「2」である場合には(S516:YES)、図柄表示基板44へ変動図柄を第2停止図柄のみとする旨を示す変動図柄指定コマンドが送信される(S517)。そして、スイッチ有効表示削除コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S518)、スイッチフラグが「OFF」とされる(S519)。そして、再抽選演出処理を終え、サブ統合基板処理へ戻り、S50へ戻る。また、再抽選演出情報が「3」であり、「2」でない場合には(S516:NO)、変動図柄を第2停止図柄のみとせずに、全図柄のまま変動を続けるので、そのまま再抽選演出処理を終え、サブ統合基板処理へ戻り、S50へ戻る。尚、図柄表示基板44は変動図柄指定コマンドを受信すると、変動表示されている図柄を、デモ図柄指定コマンドにて第2停止図柄とすると指定されている図柄のみとする。
また、時間が経過し、スイッチ有効時間カウンタの値が「0」以下となり、スイッチ有効時間が終了すると判断された場合には(S511:YES)、スイッチ有効表示削除コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S512)、スイッチフラグが「OFF」とされる(S513)。そして、サブ統合基板処理へ戻り、S50へ戻る。次いで、再抽選演出処理が実施された際には、S510にてスイッチフラグが「OFF」であり、スイッチ90が有効中でないと判断されるので(S510:NO)、そのまま再抽選演出処理を終え、サブ統合基板処理へ戻り、S50へ戻る
また、時間が経過し、第2変動時間カウンタの値が「0」以下となり、S502にて第2変動を停止する時間であると判断された場合には(S502:YES)、デモ図柄停止コマンドが図柄表示基板44へ送信され(S520)、さらに大当たり開始画面表示コマンドが図柄表示基板44へ送信される(S521)。そして、再抽選演出フラグに「1」が記憶されて「OFF」となり(S522)、再抽選演出処理を終え、サブ統合基板処理へ戻り、S50へ戻る。
したがって、遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、大当たり判定が行われる。そして、特別図柄表示部L1及びデモ図柄表示部D1〜D3が変動した後に、特別図柄表示部L1には大当たりを示す特別図柄が、デモ図柄表示部D1〜D3には大当たりを示すデモ図柄が確定表示されて大当たり判定の結果が報知される。そして、大当たりである場合には、確定表示の後に大当たり遊技開始画面が所定時間表示されて、大入賞口16が開放される大当たり遊技に移行する。尚、はずれであった場合の確定表示の後は、次の入賞球の判定結果の報知、又は、特別図柄始動電動役物15への入賞待ちのデモ画面に移行(次の入賞球がない場合)が行われる。
そして、本実施の形態のパチンコ機1では、非確率変動当たりである場合、確率変動当たりである場合に再抽選演出すると抽選された場合には、デモ図柄表示部D1〜D3には第1停止図柄として、非確率変動図柄が確定表示される。そして、デモ図柄表示部D1〜D3において再抽選演出が行われる。ここで、再抽選演出が行われたことにより、遊技者は非確率変動図柄で大当たりの判定結果が報知されたが、非確率変動図柄が確率変動図柄に変わる(成り上がる)可能性があることを知り、確率変動当たりへの期待感が高まる。
尚、この時点で、特別図柄表示部L1には真の大当たり判定の結果が確定表示されているが、特別図柄表示部L1はデモ図柄表示部D1〜D3に比べて表示領域も小さく、表示されている場所も表示画面28の隅の方であるため、遊技者はデモ図柄表示部D1〜D3に表示されている判定結果に注目する。また、デモ図柄表示部D1〜D3では、奇数の図柄が確率変動図柄であり、偶数の図柄が非確率変動図柄であるので、全ての図柄が奇数で揃えば確率変動当たりであり、全ての図柄が偶数で揃えば非確率変動当たりであり、確率変動当たりか非確率変動当たりかの判断が容易である。しかし、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄は、規則性のない数字と背景色の組み合わせで、はずれ,確率変動当たり,非確率変動当たりを示しているので、遊技者にとっては特別図柄表示部L1に特別図柄が確定表示されても、確率変動当たりか非確率変動当たりかの判断は容易でない。よって、遊技者はデモ図柄表示部D1〜D3での確定表示されるデモ図柄で大当たり判定の結果を知ろうとするため、特別図柄表示部L1に真の大当たり判定の結果が確定表示されていても、遊技者の遊技意欲をそぐことはない。
また、デモ図柄表示部D1〜D3において再抽選演出が開始されると、図柄表示装置28にスイッチ90の押下を促すメッセージが所定時間表示される。そこで、スイッチ90が押されると、デモ図柄表示部D1〜D3で変動している図柄が最終的にデモ図柄表示部D1〜D3に確定表示される第2停止図柄のみとなり、第2停止図柄が予告される場合がある。これは、第2停止図柄が確率変動図柄であり確率変動当たりとなる場合であり、非確率変動当たりの場合にはスイッチ90が押されても、変動図柄を第2停止図柄のみとせず、全図柄の変動を継続させて第2停止図柄の予告を行わない。しかしながら、第2停止図柄の予告が行われずに、変動図柄が全図柄のままである場合においても、確率変動当たりである場合もある。
そこで、遊技者がスイッチ90を押下し、変動図柄が1種類の確率変動図柄のみとなり、予告が成されると、その確率変動図柄でデモ図柄表示部D1〜D3が揃い、確率変動当たりとなることへの期待感がさらに高まる。また、スイッチ90を押下するという行為が遊技への参加感を持たせる。例えば、スイッチ90を押すタイミングによりデモ図柄表示部D1〜D3に確定表示される図柄が決定されるような期待が抱かされる。また、非確率変動当たりの場合には、変動図柄が非確率変動図柄のみとなり、予告されることはないので、デモ図柄表示部D1〜D3が確定表示される前に非確率変動当たりであることを知ってしまうことがないので、遊技者の期待感を喪失させることがない。また、確率変動当たりでは変動図柄が1種類の確率変動図柄のみとなり予告され、非確率変動当たりでは変動図柄が全図柄のまま予告されないのでは、変動図柄が変化するか否かで確率変動当たりか非確率変動当たりかが遊技者に判ってしまうが、確率変動当たりであっても、変動図柄が全図柄のままであることがあるので、スイッチ90を押して変動図柄が変化しなくても、確率変動当たりとなることへの期待感は保たれる。尚、再抽選演出が行われた場合には、第2停止図柄がデモ図柄表示部D1〜D3へ確定表示された後に、大当たり遊技開始画面が表示されて、大当たり遊技へ移行する。
尚、上記実施の形態の表示装置8の表示画面28に設けられた特別図柄表示部L1が本発明における「大当たり報知手段」に相当し、デモ図柄表示部D1〜D3が本発明における「特定大当たり報知手段」及び「デモ図柄表示手段」に相当する。また、図11に示す特別図柄処理のS24の処理を実行する主基板41のCPU51が「大当たり乱数取得手段」に相当し、S48の処理を実行するCPU51が「大当たり開始画面表示制御手段」に相当し、図12に示す特別図柄処理のS31の処理を実行するCPU51が「大当たり判定手段」に相当する。また、図10に示す特別電動役物処理(S13)で実施される非確率変動フラグセット処理において、特別図柄が確率変動図柄であるか、非確率変動図柄であるかを判断するCPU51が「確率変動判定手段」に相当する。また、上記実施の形態では、遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞し、始動口スイッチ72が遊技球を検出したことが「所定の抽選条件」に相当する。また、図21に示す大当たり開始画面表示開始処理のS702〜S704の処理、及び、図22に示す再抽選演出処理のS501,S520〜S522の処理を実行するサブ統合基板58のCPU581が「特定大当たり報知制御手段」に相当する。
また、図21に示す大当たり開始画面表示開始処理のS707の処理、及び、図22に示す再抽選演出処理のS510,S513,S519の処理を実行するサブ統合基板58のCPU581が「スイッチ有効制御手段」に相当し、S705の処理を実行するサブ統合基板58のCPU581が「スイッチ有効報知手段」に相当し、S515の処理を実行するCPU581が「スイッチ判断手段」に相当する。また、S516,S517の処理を実行するCPU581が「スイッチ操作制御手段」に相当する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。以下に、本発明を適用する実施の形態の変形例について説明する。本発明の遊技機はパチンコ機1に限られず、パチコン機、パチスロ機等の各種の遊技機に適用可能である。
また、上記実施の形態では、特別図柄表示部L1をデモ図柄表示部D1〜D3が設けられている表示画面28の左下に設けたが、表示画面28内の他の場所であってもよく、大きさもさらに小さくてもよい。また、遊技領域4内の他の場所に別の表示画面を設けたり、装置を設けたりしてもよい。また、特別図柄表示部L1の表示面積をデモ図柄表示部D1〜D3よりも大きくして遊技者の視覚的注意を集めるようにしているが、遊技者の視覚的注意を集める方法はこれに限らない。例えば、表示面積に差異を持たせるのではなく、デモ図柄表示部D1〜D3は濃くはっきりと表示し、特別図柄表示部L1は薄く表示して表示に濃淡を持たせて遊技者の視覚的注意をデモ図柄表示部D1〜D3へ向かせるようにしてもよい。
また、スイッチ90はボタン型のスイッチが上皿5に設けられているが、スイッチ90の形状や設置位置は、上記実施の形態のものに限らない。触れることによりOFF−ONの切換が行われるタッチスイッチ等他のスイッチでもよく、設置場所は遊技者が操作できる位置であればよい。また、遊技機に固定されている必要はなく、赤外線通信等により遊技機本体と通信するスイッチや、遊技機本体とケーブルで繋がれているスイッチであってもよい。
また、上記実施の形態では、再抽選演出終了後に大当たり開始画面開始コマンドを図柄表示基板44へ送信して、大当たり開始画面を表示させているが、再抽選演出開始時に大当たり開始画面開始コマンドを送信して、再抽選演出中にも表示画面28の特別図柄表示部L1及びデモ図柄表示部D1〜D3の背面に大当たり開始画面を表示するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、デモ図柄表示部D1〜D3において大当たり判定の結果も報知しているが、デモ図柄表示部D1〜D3で大当たり判定の結果報知は行わず、再抽選演出のみ行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、非確率変動当たりの場合には必ず再抽選演出を行っているが、非確率変動当たりである場合でも再抽選演出を行わずに、はじめから非確率変動当たりを第1停止図柄として確定表示するようにしてもよい。また、確率変動当たりである場合には、11分の4の割合で再抽選演出を行い、その内の4分の3はスイッチ90が押下されると変動図柄が1種類の確率変動図柄のみとなり第2停止図柄の予告が行われ、残りの4分の1は変動図柄は全図柄のままで予告が行われない。しかし、これらの比率はこれに限らず、他の比率であってもよい。また、上記実施の形態においては、再抽選演出によって非確率変動当たりから確率変動当たりへの成り上がり演出を行っているが、遊技者の所持している遊技球での継続遊技を可能とする所定の図柄(所謂ラッキーナンバー制による持ち玉継続図柄)への成り上がり演出を行うようにしてもよい。また、その際には、遊技場担当者によりどの図柄を持ち玉継続図柄とするかをサブ統合基板58に接続したディップスイッチ等で設定できるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、再抽選演出中の変動図柄が第2停止図柄の一種類のみとなり、第2停止図柄の予告を行っているが、再抽選演出中にスイッチ90の操作により行われる制御はこれに限らない。
例えば、スイッチ90が操作されたら、デモ図柄停止コマンドを図柄表示基板44等へ送信してデモ図柄表示部D1〜D3の変動を停止させるようにしてもよい。また、第2停止図柄が確変図柄であったとすると、変動図柄から全ての非確率変動図柄を減らした組み合わせ(例えば、「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)を変動図柄としたり、変動図柄から第2停止図柄以外の確率変動図柄を減らした組み合わせ(例えば、「1」,「2」,「4」,「6」,「8」,「0」)としたり、変動図柄から所定数の非確率変動図柄を減らした組み合わせ(例えば、「1」,「2」,「3」,「5」,「7」,「8」,「9」)としたりしてもよい。変動図柄の種類が減ることにより、変動図柄中に占める確率変動図柄の割合が変化するため、全図柄が変動している場合に比べて、第2停止図柄が確変図柄となることの期待度が変化する。例えば、全図柄が変動している場合には、第2停止図柄が確率変動図柄となることの確率は1/2であるが、全てが確率変動図柄となれば確率は1である。また、「1」,「2」,「4」,「6」,「8」,「0」であれば、1/6であり、「1」,「2」,「3」,「5」,「7」,「8」,「9」であれば、5/7である。
また、上記実施の形態では、デモ図柄表示部D1〜D3を用いて再抽選演出を行ったが、再抽選演出を行うのはデモ図柄表示部D1〜D3に限らず、表示画面28に予め記憶されている確率変動当たり用映像又は非確率変動当たり用映像を流してキャラクター等により再抽選演出を用いて行ってもよい。例えば、準備表示としてピエロがビックリ箱を持ってステージに登場する映像が表示され、確定表示としてビックリ箱が開かれ、その中身が飛び出す映像が表示される。そして、例えば、箱の中から飛び出してきたものが、天使達や花であれば確率変動当たりであり、あかんべーをしている人形の頭部であれば非確率変動当たりとして、箱の中身により確率変動当たり・非確率変動当たりを確定表示する。尚、この映像の内容はこれに限らず、その他のキャラクターやストーリーを用いてよいことは言うまでもない。さらに、このように映像によって再抽選演出を行う場合には、スイッチ90の操作が行われたら、準備表示中に確率変動当たりの予告映像や期待度表示映像を流すようにしてもよい。このような場合には、例えば、主基板41から送信される各種コマンドやスイッチ90の操作により、サブ統合基板58が図柄表示基板44へコマンドを送信し、図柄表示基板44が表示画面28を制御して映像を表示させる。また、サブ統合基板58は、音基板43や電飾基板46にコマンドを送信し、同時に音声や各種ランプによる演出を行ってもよい。
また、遊技領域等にランプや表示画面を設けたり、表示画面28に表示領域を設けたりして、スイッチ90が操作されたら、確率変動当たりとなることの期待度を数値で表示したり、段階で表示したりする制御を行ってもよい。段階表示は、例えば、ランプを5つ設けて点灯させ、点灯数が多い方が期待度が高いとする。また、段階を数字で表示し、数字が大きい方が期待度が高いとしてもよい。
また、上記実施の形態では、スイッチ90が有効となっている際に「再抽選だ!スイッチを押してみろ!!」等のスイッチ90の押下を促すメッセージが表示されるが、スイッチ90が有効であることを報知する形態は、メッセージを表示画面28に表示するだけに限らず、音声でメッセージを流したり、スイッチ90又はスイッチ90の近傍にランプを設け、そのランプを点灯または点滅させることにより報知してもよい。また、上記実施の形態では、再抽選演出開始時からスイッチが有効となっている期間は継続しているが、再抽選演出開始時から有効とする必要はなく、また、断続的であってもよい。例えば、再抽選演出開始後1秒後に2秒間有効とし、3秒間無効とし、2秒間有効とする。
また、上記実施の形態では、再抽選演出を、大当たり判定結果の報知後大当たり遊技状態への移行前に行っているが、再抽選演出を行うタイミングはこのタイミングに限らない。例えば、大当たり遊技中に行ったり、大当たり遊技終了後次の入賞球の大当たり判定を行う前に行ってもよい。さらに、再抽選演出は1回に限らず、複数回行ってもよい。