以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1乃至図3を参照して説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、パチンコ機1における遊技盤2の正面図であり、図3は、図柄表示装置8の拡大図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠11で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、上皿5と下皿6との間にはスピーカ(図示外)が設けられると共に、前面枠11の上部の左右の角にもスピーカ32,33がそれぞれ設けられている。また、前面枠11には、遊技盤2の上部を取り囲むように、正面視略三日月状の照明装置35が設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、後述の表示画面28、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8の下方には、第一特別図柄始動入賞口15及び大入賞口16が上下に並べて設けられており、第一特別図柄始動入賞口15及び大入賞口16の左右両側には、普通入賞口19,20がそれぞれ設けられている。そして、図柄表示装置8の左には左普通図柄始動ゲート12aが、右には右普通図柄始動ゲート12bが設けられている。さらに、左普通図柄始動ゲート12aの直下には左第二普通電動役物13aが、右普通図柄始動ゲート12bの直下には右第二普通電動役物13bがそれぞれ設けられている。尚、遊技盤2には、上記以外に風車及び多数の障害釘等が設けられている。
また、左第二普通電動役物13a、右第二普通電動役物13bは、所定のタイミングで開閉される開閉部材をそれぞれ備えている。そして、この開閉部材が開放された場合(第二普通電動役物13a,13bが開放された場合)のみ、左右の第二普通電動役物13a,13bへの遊技球の入賞が可能となっている。本実施の形態では、左右の普通図柄始動ゲート12a,12bを遊技球が通過すると、普通図柄が始動して、普通当たりか否かが判定される。そして、後述する普通図柄表示部24に普通当たりが表示されると、左右の第二普通電動役物13a,13bが所定時間開放されて、遊技球の入賞が可能となる。一方で、第一特別図柄始動入賞口15には開閉部材が備えられておらず、すぐ上方に2本の障害釘が備えられているのみであり、障害釘の間を通過した遊技球は常に第一特別図柄始動入賞口15への入賞が可能となっている。従って、左右の第二普通電動役物13a,13bへ遊技球が入賞する頻度よりも、第一特別図柄始動入賞口15へ遊技球が入賞する頻度の方が高くなっている。
次に、図3を参照して、図柄表示装置8について説明する。図3に示すように、図柄表示装置8の中央部には、正面視横長の長方形状のLCDにより構成された表示画面28が設けられている。そして、表示画面28の上方には、1つのLEDからなる普通図柄表示部24と、4個のLEDからなる普通図柄記憶数表示LED59とが設けられている。普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12a,12bを通過した遊技球の中で、普通図柄表示部24に普通当たりか否かの判定結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂普通図柄作動保留球数を4個まで表示することができる。そして、普通図柄表示部24は、普通当たり時には点灯し、はずれ時には消灯し、普通図柄の変動中には点滅する。
また、普通図柄表示部24の左方には、第一特別図柄表示部25が設けられている。この第一特別図柄表示部25は2つの11セグメントLEDから構成され、2文字のアルファベットの第一特別図柄を表示する。ここで、本実施の形態では特別図柄としてアルファベットの組み合わせを用いているため、第一特別図柄表示部25には全てのアルファベットを表示可能な11セグメントLEDを備えているが、これに限られない。例えば、特別図柄として7セグメントLEDで表示可能なアルファベットや数字、またはこれらの組み合わせを用いる場合には7セグメントを使用できる。また、第一特別図柄表示部25の左方には、2個のLEDから成る第一特別図柄記憶数表示LED37が設けられている。第一特別図柄記憶数表示LED37は、第一特別図柄始動入賞口15に入賞した遊技球の中で、第一特別図柄表示部25に大当たりか否かの判定結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂第一特別図柄作動保留球数を4個まで表示することができる。そして、2つのLEDはそれぞれ点灯・点滅・消灯の3つの態様をとることができ、第一特別図柄作動保留球数が「0」の場合は「消灯・消灯」、「1」の場合は「点灯・消灯」、「2」の場合は「点灯・点灯」、「3」の場合は「点滅・点灯」、「4」の場合は「点滅・点滅」となる。
また、普通図柄表示部24の右方には、第二特別図柄表示部26が設けられている。この第二特別図柄表示部26も第一特別図柄表示部25と同様に2つの11セグメントLEDから構成され、2文字のアルファベットの第二特別図柄を表示する。また、第二特別図柄表示部26の右方には、3個のLEDから成る第二特別図柄記憶数表示LED38が設けられており、点灯させるLEDの数によって第二特別図柄作動保留球数を3個まで表示することができる。尚、表示画面28内の一部に第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26を設けてもよい。
次に、図3を参照して、図柄表示装置8の中央部に設けられている表示画面28について説明する。LCDである表示画面28は、遊技者の目を惹くように広い領域を占めており、左、右、中の順でデモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3が並んで形成されている。デモ図柄表示部D1〜D3は、数字や図柄等から成る複数種類のデモ図柄を表示し、上から下方向にスクロールするように変動表示させて、順に停止させる。尚、このデモ図柄表示部D1〜D3の配置、停止表示させる順序、スクロールする方向等は任意に変更できることは言うまでもない。
また、表示画面28の下部には、第一特別図柄記憶数表示部60が設けられており、先述した第一特別図柄記憶数表示LED37と同様に、第一特別図柄作動保留球数を丸いマークで4個まで表示することができる。さらに、表示画面28の上部には第二特別図柄記憶数表示部61が設けられており、第二特別図柄記憶数表示LED38と同様に、第二特別図柄作動保留球数を矩形のマークで3個まで表示することができる。また、表示画面28には、デモ図柄以外にも動画やメッセージ等の様々な映像が表示される。
ここで、本実施の形態のパチンコ機1の遊技及び演出について説明する。パチンコ機1では、第一特別図柄始動入賞口15へ遊技球が入賞すると、大当たり乱数が取得されて、第一大当たり判定が行われる。第一大当たり判定では、取得された大当たり乱数が、あらかじめ大当たりと定められた特定の乱数である第一大当たり乱数であるか否かにより、第一大当たりとするか否かが判定される。第一大当たりと判定された場合には、所定回数大入賞口16が開放される「大当たり遊技」が実施される。そして、第一大当たり判定の判定結果は、第一特別図柄表示部25及びデモ図柄表示部D1〜D3に表示される。
そして、第一大当たりと判定された場合には、同時に、大当たりと判定される確率が通常状態よりも高くなる確率変動状態を生起させるか否かの判定である確率変動当否判定と、デモ図柄表示部D1〜D3、第一特別図柄表示部25、第二特別図柄表示部26に表示される図柄の変動時間が短縮される時短遊技状態を生起させるか否かの判定である時短当否判定とが行われており、これらの判定結果に従って大当たり遊技の終了後の遊技状態が制御されるが、この詳細は後述する。
また、遊技球が普通図柄始動ゲート12a,12bを通過すると普通当たりとするか否かの判定が行われ、普通当たりと判定されると、第二普通電動役物13a,13bが所定時間開放される。そして、開放された第二普通電動役物13a,13bへ遊技球が入賞すると、大当たり乱数が取得されて、第二大当たり判定が行われる。第二大当たり判定では、第一大当たり判定と同様に、取得された大当たり乱数があらかじめ大当たりと定められた第二大当たり乱数であるか否かにより、第二大当たりとするか否かが判定される。第二大当たりと判定された場合には、第一大当たりと判定された場合と同様の「大当たり遊技」が実施される。そして、第二大当たり判定の結果は、第二特別図柄表示部26及びデモ図柄表示部D1〜D3に表示される。
そして、第二大当たりと判定された場合にも、第一大当たりと判定された場合と同様に、確率変動状態を生起させるか否かの確率変動当否判定と、時短遊技状態を生起させるか否かの時短当否判定とが同時に行われており、これらの判定結果に従って、大当たり遊技の終了後の遊技状態が制御される。尚、デモ図柄表示部D1〜D3には、遊技球が入賞した順に第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定結果が表示されるが、判定結果を表示する順序は変更することもできる。
次に、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26に表示される大当たり判定の結果について説明する。本実施の形態では、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26に表示される特別図柄の組み合わせは共通であり、全部で676種類の組み合わせが設けられている。図3に示すように、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26には2桁の図柄が表示可能であり、A〜Zまでの26種類のアルファベットの組み合わせが表示されるようになっている。そして、本実施の形態では、A、C、E、F、H、J、L、P、U、Yの10種類のアルファベットの組み合わせ100種が「当たり特別図柄」とされており、その他の組み合わせ576種は「はずれ特別図柄」とされている。そして、「当たり特別図柄」はその組み合わせ毎に「確率変動・時短図柄」、「確率変動・非時短図柄」、「非確率変動・時短図柄」、「非確率変動・非時短図柄」の4種類の当たり特別図柄に区分けされており、大当たりと判定された場合には、第一大当たり判定及び第二大当たり判定と同時に行われる確率変動当否判定及び時短当否判定の判定結果に対応した特別図柄が決定される。
次に、デモ図柄表示部D1〜D3に表示される大当たり判定の結果について説明する。先述したように、デモ図柄表示部D1〜D3には、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定結果が、遊技球が入賞した順に表示される。デモ図柄表示部D1〜D3には、0から9までの数字とキャラクターの図柄とからなるデモ図柄が表示されており、上から下方向にスクロールするように変動表示された後に、デモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3の順に停止するようになっている。そして、3つのデモ図柄表示部D1〜D3の全てに同じデモ図柄を表示させることで、第一大当たり判定若しくは第二大当たり判定により大当たりと判定されたことを示す。さらに、大当たり遊技の終了後に100回の時短遊技状態を生起させる時短大当たりを示す場合には奇数のデモ図柄若しくはキャラクターの図柄を揃えて表示させ、時短遊技状態を生起させない非時短大当たりを示す場合には偶数のデモ図柄を揃えて表示させる。尚、第一の実施形態では、第一大当たり判定及び第二大当たり判定と同時に行われる確率変動状態当否判定の判定結果はデモ図柄表示部D1〜D3では表示されない、すなわち、デモ図柄からは確率変動大当たりか非確率変動大当たりかは判別できない構成となっている。
次に、図4を参照して、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド、大当たり判定、確率変動当否判定、時短当否判定を行う際に用いられる判定テーブル等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムに従ってパチンコ機1の制御を行う。また、CPU51では時刻が計時されている。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、図柄表示基板44、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続している。また、I/Oインタフェイス54は、第一特別図柄始動入賞口15に入賞した遊技球を検出する第一始動口スイッチ70、左第二普通電動役物13aに入賞した遊技球を検出する左第二始動口スイッチ71、右第二普通電動役物13bに入賞した遊技球を検出する右第二始動口スイッチ72と接続している。さらに、演出制御基板43及び電飾基板46はサブ統合基板58に接続している。尚、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられており、スピーカ32,33が接続されている。そして、演出制御基板43にはCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。さらに、払出制御基板45にはCPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、電飾基板46にもCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
電飾基板46には照明装置35が接続されており、演出制御基板43には表示画面28が接続されている。また、図柄表示基板44には第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26が接続され、払出制御基板45には賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド74、左右の第二普通電動役物13a,13bの開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド76a,76b、左右の普通図柄始動ゲート12a,12bに入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73a,73b、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、1つのLEDで構成された普通図柄表示部24、2個のLEDから構成された第一特別図柄記憶数表示LED37及び3個のLEDから構成された第二特別図柄記憶数表示LED38が接続されている。
そして、払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継、主基板41から直接制御を受ける普通図柄記憶数表示LED59、普通図柄表示部24等への中継を行っている。また、サブ統合基板58は演出制御基板43、電飾基板46、スピーカ32,33の総合的な制御を行っており、演出制御基板43はサブ統合基板58からの各種コマンドを受けて、表示画面28に表示される映像やデモ図柄表示部D1〜D3、第一特別図柄記憶数表示部60、第二特別図柄記憶数表示部61等の制御を行っている。また、図柄表示基板44は主基板41からの各種コマンドを受けて、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26に表示される特別図柄の制御を行っている。
また、電源基板42は、パチンコ機1に直流の安定化した電力を供給している。電源基板42には、電源回路65、バックアップ電池66、電源監視回路67が設けられている。電源回路65には交流24Vが供給されており、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を生成して各基板へ供給できるようになっている。また、バックアップ電池66はコンデンサからなるものであり、電源回路65で生成された直流の5Vを充電し、パチンコ機1に電源が供給されていない場合に、バックアップ対象(主基板41のRAM52やサブ統合基板58のRAM582等)にバックアップ用の電源を供給する。これにより、パチンコ機1は電源遮断時の種々の内容を記憶しておくことができる。また、電源監視回路67は、電源回路65に供給されている電源の電圧が遊技中に所定電圧以下(本実施の形態では12V以下)まで降下すると、主基板41及びサブ統合基板58に電源断信号を出力する。そして、バックアップ電池66からバックアップ対象へ、バックアップ用の電源(5V)の供給が開始され、パチンコ機1の記憶内容がバックアップされる。一方、電圧が所定電圧以上に上昇すると、電源断信号の出力が停止される。尚、図4では特に図示しないが、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、全てアースラインで接続されている。
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、主基板41のROM53の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26に表示する特別図柄の組み合わせを記憶した特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26に表示される特別図柄の変動パターンを記憶した特別図柄変動パターン記憶エリア5305、第一大当たり判定と、第一大当たりの際の確率変動当否判定及び時短当否判定とが行われる際に参照される第一判定テーブルを記憶した第一判定テーブル記憶エリア5306、第二大当たり判定と、第二大当たりの際の確率変動当否判定及び時短当否判定とが行われる際に参照される第二判定テーブルを記憶した第二判定テーブル記憶エリア5307等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、左右の普通図柄始動ゲート12a,12bへの遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、第一特別図柄始動入賞口15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する第一大当たり関係情報記憶エリア5205、左右の第二普通電動役物13a,13bへの遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する第二大当たり関係情報記憶エリア5206、第一特別図柄作動保留球数を記憶する第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5207、第二特別図柄作動保留球数を記憶する第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208、主基板41からサブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5209、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5210等が設けられている。さらに、RAM52には、図示外の各種記憶エリアが設けられている。
次に、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶される各カウンタについて説明する。カウンタ記憶エリア5201には、普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、当たり特別図柄作成カウンタ、はずれ特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタ、特別図柄変動時間カウンタ、特別図柄停止時間カウンタ、大当たり開始画面表示時間カウンタ等が各々記憶されている。
尚、普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、当たり特別図柄作成カウンタ、はずれ特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタの値は、割込信号発生回路57(図4参照)からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1の制御プログラムにより行われるメイン処理のカウンタ更新処理(S12、図11参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値までの範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。これらの値は、後述するメイン処理(図11参照)で実施される普通図柄処理や特別図柄処理等において使用され、普通当たり関係情報記憶エリア5203や第一大当たり関係情報記憶エリア5205、第二大当たり関係情報記憶エリア5206等に格納される。
また、特別図柄変動時間カウンタ、特別図柄停止時間カウンタ、大当たり開始画面表示時間カウンタは、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理(S12、図11参照)にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。
以下、各カウンタについて詳述する。普通当たり判定カウンタの値は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たりの判定は、普通図柄始動ゲート12a,12bへの遊技球の入賞を契機に行われる。そして、普通当たりと判定されると、左右の第二普通電動役物13a,13bの開閉部材を所定時間(例えば、0.5秒)開放する。普通当たり判定カウンタの最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され、「256」以上となった際に「0」へ戻る。そして、メイン処理(図11参照)において「普通当たり乱数」としてこの普通当たり判定カウンタの値が読み出されて、普通当たり関係情報記憶エリア5203の普通当たり乱数欄に記憶される。尚、本実施の形態では、普通当たり乱数が「64」から「255」の場合は普通当たりとし、「0」から「63」の場合ははずれとする。
大当たり判定カウンタの値は、第一大当たり及び第二大当たりを判定するために使用される。大当たり判定カウンタの最大値は「301139」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され、「301140」以上となった際に「0」へ戻る。そして、メイン処理(図11参照)において「大当たり乱数」としてこの大当たり判定カウンタの値が読み出されて、後述する第一大当たり関係情報記憶エリア5205の大当たり乱数欄(図7参照)、若しくは第二大当たり関係情報記憶エリア5206の大当たり乱数欄(図8参照)に記憶される。そして、第一大当たり判定では、ROM53の第一判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている第一判定テーブルが、第二大当たり判定では、第二判定テーブル記憶エリア5307に記憶されている第二判定テーブルが参照され、記憶されている大当たり乱数があらかじめ大当たりとして設定されている値であるか否かにより大当たり判定が行われるが、この詳細は図9及び図10を参照して後述する。
また、パチンコ機1の起動時に、大当たり判定カウンタには初期値として「0」が記憶されており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると、新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メイン処理(図11参照)を行わない間(メイン処理が終了し、割込信号により新たなメイン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。例えば、初期値乱数処理により生成された乱数が「18」であった場合には、更新により「19」、「20」と加算され、「301140」となった際に「0」へ戻り、「1」、「2」と加算され、「18」となったら新たな初期値を取得する。尚、大当たり判定カウンタの最大値は、単一の設定値としても良いし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
そして、当たり特別図柄作成カウンタは、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に、それを報知するために第一特別図柄表示部25若しくは第二特別図柄表示部26に表示される図柄を決定するために使用される。また、はずれ特別図柄作成カウンタは、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果が「はずれ」であった場合に、それを報知するために第一特別図柄表示部25若しくは第二特別図柄表示部26に表示される図柄を決定するために使用される。
当たり特別図柄作成カウンタの値は、本実施の形態では、最大値「99」、最小値「0」とされている。そして、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され、「100」以上となった際に「0」へ戻る。当たり特別図柄作成カウンタの値は、第一特別図柄始動入賞口15への遊技球の入賞を契機に読み出されて、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の当たり特別図柄決定乱数欄(図7参照)に記憶される。また、左右の第二普通電動役物13a,13bへ遊技球が入賞した場合にも当たり特別図柄作成カウンタの値が読み出されて、第二大当たり関係情報記憶エリア5206の当たり特別図柄決定乱数欄(図8参照)へ記憶される。また、ROM53の特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304には、「確率変動・時短図柄」、「確率変動・非時短図柄」、「非確率変動・時短図柄」、「非確率変動・非時短図柄」の4種類の大当たり図柄のそれぞれに、当たり特別図柄決定乱数の0〜99の値が割り振られて記憶されている。そして、大当たり判定の結果が大当たりであった場合には、大当たりの種類に応じて、特別図柄決定乱数に対応した特別図柄の組み合わせが「当たり特別図柄」として決定される。
また、はずれ特別図柄作成カウンタの値は、最大値「575」、最小値「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され、「576」以上となった際に「0」へ戻る。このはずれ特別図柄作成カウンタの値も、第一特別図柄始動入賞口15及び左右の第二普通電動役物13a,13bへの遊技球の入賞を契機に読み出されて、第一大当たり関係情報記憶エリア5205のはずれ特別図柄決定乱数欄(図7参照)、若しくは第二大当たり関係情報記憶エリア5206のはずれ特別図柄決定乱数欄(図8参照)に記憶される。そして、大当たり判定の結果が「はずれ」であった場合に、記憶されたその値に対応した特別図柄の組み合わせが「はずれ特別図柄」として決定される。
また、変動パターン決定カウンタの値は、特別図柄の変動パターンを決定するために使用される。変動パターンは、大当たり判定の結果を報知する際の演出態様の種類であり、この変動パターンによって、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26の変動開始から停止までの時間も決められている。変動パターン決定カウンタの値は、最大値「99」、最小値「0」とされており、1割込毎(2ms毎)に「1」加算されて、「100」以上となった際に「0」へ戻る。変動パターンは、大当たり時に使用する大当たり変動パターンと、はずれ時に使用するはずれ変動パターンとが設けられており、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリア5305において、「大当たり」である場合と「はずれ」である場合とでそれぞれ各変動パターンに対応して「0」〜「99」の値が割り振られて記憶されている。そして、大当たり判定の結果及び遊技状態に応じて、変動パターン決定カウンタの値が用いられて変動パターンが決定される。
次に、図7及び図8を参照して、第一大当たり関係情報記憶エリア5205及び第二大当たり関係情報記憶エリア5206について説明する。図7は、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図であり、図8は、RAM52の第二大当たり関係情報記憶エリア5206を示す概念図である。この2つの大当たり関係情報記憶エリア5205,5206は、後述するメイン処理の特別図柄処理(S14、図11参照)において使用される。
まず、第一大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図7に示すように、第一大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリア、第一記憶エリア、第二記憶エリア、第三記憶エリア、第四記憶エリアが設けられている。特別図柄処理において第一特別図柄始動入賞口15への遊技球の入賞が確認された場合には、第一大当たり関係情報記憶エリア5205における第一記憶エリア〜第四記憶エリアの中で、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5207の値(第一特別図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。判定エリア及び第一記憶エリア〜第四記憶エリアのそれぞれには、大当たり乱数欄、当たり特別図柄決定乱数欄、はずれ特別図柄決定乱数欄、変動パターン決定乱数欄、入賞時間記憶欄が設けられており、大当たり乱数、当たり特別図柄決定乱数、はずれ特別図柄決定乱数、変動パターン決定乱数、入賞時間の各値が記憶される。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が記憶され、当たり特別図柄決定乱数欄には当たり特別図柄作成カウンタの値が記憶され、はずれ特別図柄決定乱数欄にははずれ特別図柄作成カウンタの値が記憶され、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が記憶され、入賞時間記憶欄には遊技球が第一特別図柄始動入賞口15へ入賞した際にCPU51により計時されている時刻が記憶される。
次に、第二大当たり関係情報記憶エリア5206について説明する。図8に示すように、第二大当たり関係情報記憶エリア5206には、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリアとは異なり第四記憶エリアが設けられていない。従って、記憶できる各種乱数及び入賞時間の数は、第一大当たり関係情報記憶エリア5205よりも1つ少ない。そして、左第二普通電動役物13a及び右第二普通電動役物13bのどちらかへ遊技球が入賞した場合には、第二大当たり関係情報記憶エリア5206における第一記憶エリア〜第三記憶エリアの中で、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値(第二特別図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに、第一大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶される各値と同様の値が記憶される。
そして、第一大当たり関係情報記憶エリア5205及び第二大当たり関係情報記憶エリア5206の判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。本実施の形態では、始動口へ遊技球が入賞した順に第一大当たり判定及び第二大当たり判定の判定結果が報知されるため、第一大当たり関係情報記憶エリア5205及び第二大当たり関係情報記憶エリア5206のどちらか一方のみに乱数等の各値が記憶されている(保留球が記憶されている)場合には、単純に第一記憶エリアに記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて大当たりの判定結果の報知が実行される。そして、第一記憶エリアが判定エリアにシフトされたことに伴い、第二記憶エリアの値が第一記憶エリアへ、第三記憶エリアの値が第二記憶エリアへ、さらに第一大当たり関係情報記憶エリア5205では第四記憶エリアの値が第三記憶エリアへと順にシフトされ、最も大きい番号の記憶エリアの値がクリアされる。一方で、第一大当たり関係情報記憶エリア5205及び第二大当たり関係情報記憶エリア5206の両方に保留球が記憶されている場合には、2つの第一記憶エリアに記憶されている入賞時間を比較して、入賞時間が早いほうの乱数についての判定結果が報知される。この詳細は、図11乃至図14のフローチャートを参照して後述する。
また、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリアの数は4つである。すなわち、第一特別図柄始動入賞口15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。一方で、第二大当たり関係情報記憶エリア5206の記憶エリアの数は3つであるため、左右の第二普通電動役物13a,13bへ入賞した遊技球に対して記憶できる保留球の数は3つである。従って、特別図柄作動保留球数の上限は7個であり、これは、2つの大当たり関係情報記憶エリア5205,5206の全ての記憶エリアに各値が記憶された状態である。
また、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203においても、判定エリア、第一記憶エリア、第二記憶エリア、第三記憶エリア、第四記憶エリアが設けられており、4球の遊技球の情報(普通当たり乱数等)を保留できるようになっている。
次に、図9及び図10を参照して、本発明の要部である、パチンコ機1のROM53の第一判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている第一判定テーブル、及び第二判定テーブル記憶エリア5307に記憶されている第二判定テーブルについて説明する。図9は、パチンコ機1のROM53の第一判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている第一判定テーブルを示す概念図であり、図10は、パチンコ機1のROM53の第二判定テーブル記憶エリア5307に記憶されている第二判定テーブルを示す概念図である。
尚、第一判定テーブルとは、第一特別図柄始動入賞口15へ遊技球が入賞した際に大当たりか否かを判定する第一大当たり判定の際に参照される。さらに、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合に、大当たり遊技後に確率変動状態を生起させるか否かの判定、及び時短遊技状態を生起させるか否かの判定を行う際にも参照される。また、第二判定テーブルとは、左右の第二普通電動役物13a,13bへ遊技球が入賞した際に大当たりか否かを判定する第二大当たり判定、さらに、第二大当たり判定で大当たりと判定された場合の確率変動当否判定及び時短当否判定を行う際に参照される。
図9に示すように、第一判定テーブルは、大当たりと判定される確率が約300分の1の確率である通常状態において用いられる第一通常判定テーブルと、大当たりと判定される確率が約150分の1の確率である確率変動状態において用いられる第一高確率判定テーブルとに分けられる。そして、0から301139までの大当たり判定カウンタの値(大当たり乱数)のそれぞれに「大当たり」又は「はずれ」のいずれかが設定されている。さらに、「大当たり」と設定されている大当たり乱数には、確率変動状態の当否、及び時短遊技状態の当否がそれぞれ設定されている。ここで、第一通常判定テーブルと第一高確率判定テーブルとは大当たりと判定される確率が異なるのみであり、大当たりと判定された際に確率変動状態を生起させると判定される確率、及び大当たりと判定された際に時短遊技状態を生起させると判定される確率は共に等しい。そして、確率変動状態を生起させると判定される確率は2分の1であり、時短遊技状態を生起させると判定される確率も2分の1である。
また、図10に示すように、第二判定テーブルも第二通常判定テーブルと第二高確率判定テーブルとに分けられている。そして、各大当たり乱数のそれぞれに大当たりの当否が設定され、大当たりと判定される確率は第一判定テーブルと同じである。また、「大当たり」と判定された際に確率変動状態を生起させると判定される確率も第一判定テーブルと同じ2分の1であるが、大当たりと判定された際に時短遊技状態を生起させると判定される確率は第一判定テーブルとは異なり4分の3に設定されており、この点に本発明の特徴を有する。
ここで、第一の実施形態のパチンコ機1では、確率変動当否判定と時短当否判定とが別々に行われるため、大当たり遊技後の遊技状態は「確率変動・時短状態」、「確率変動・非時短状態」、「非確率変動・時短状態」、「非確率変動・非時短状態」の4つの遊技状態のいずれかが生起されることになる。従って、確率変動状態を生起させる際に必ず時短遊技状態を生起させる遊技機に比べて、遊技内容を多様化させることができる。また、第一の実施形態では、第二判定テーブルが参照されて大当たりと判定された場合には、時短状態の当否判定で落選した場合でも確率変動状態には当選しているので、遊技者を落胆させずに遊技を続行させることができる。
次に、第一の実施形態のパチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図11乃至図14に示すフローチャートを参照して説明する。図11は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートであり、図12乃至図14は、第一の実施形態のメイン処理の中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、図11を参照して、主基板41で行われるメイン処理について説明する。図11に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や中継基板47、図柄表示基板44、払出制御基板45に出力される。制御コマンドには、特別図柄作動保留球数を示す特別図柄作動保留コマンド、普通図柄作動保留球数を示す普通図柄作動保留コマンド、大入賞口16の開閉タイミングを指示する大入賞口開放コマンド及び大入賞口閉鎖コマンド、特別図柄を停止させるタイミングを指示する特別図柄停止コマンド、大当たり開始画面を表示させる大当たり開始画面表示コマンド、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド等がある。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてコマンド関係記憶エリア5209に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、左右の普通図柄始動ゲート12a,12b、第一特別図柄始動入賞口15、左右の第二普通電動役物13a,13b、大入賞口16、普通入賞口19,20への遊技球の入賞を検知するものである。具体的には、第一特別図柄始動入賞口15に設けられている第一始動口スイッチ70、左第二普通電動役物13aに設けられている左第二始動口スイッチ71、右第二普通電動役物13bに設けられている右第二始動口スイッチ72、左右の普通図柄始動ゲート12a,12bに設けられている普通図柄作動スイッチ73a,73b、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口19,20に設けられている入賞口スイッチが用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグがONとされる。
尚、スイッチ読込処理を行っているメイン処理はCPU51が割込信号を受信する間隔、すなわち2ms毎に実行されている。ここで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に各々記憶されている普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、当たり特別図柄作成カウンタ、はずれ特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタの各値が上記の所定量だけ加算され、特別図柄変動時間カウンタ、特別図柄停止時間カウンタ、大当たり開始画面表示時間カウンタの各値が上記の所定量だけ減算される。尚、普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、当たり特別図柄作成カウンタ、はずれ特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタが各カウンタの最大値を越える場合には、各カウンタの値は最小値に戻るようにプログラムされている。また、特別図柄変動時間カウンタ、特別図柄停止時間カウンタ、大当たり開始画面表示時間カウンタの各値が「0」となった場合には、それ以上の減算は行わないようにプログラムされている。
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大当たり遊技状態における大入賞口16の開閉動作を制御するためのコマンドに関する処理が行われる。具体的には、サブ統合基板58や中継基板47等へ送信される大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド、大当たり終了画面表示コマンド等の制御コマンドが、コマンド関係記憶エリア5209に記憶される。この特別電動役物処理は、RAM52のフラグ関係記憶エリア5210に記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際に特別図柄処理(S14)でセットされる。そして、次のメイン処理の実施時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態の動作を終了させる際に「0」が記憶されて「OFF」となる。
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われる。この特別図柄処理では、大当たりの判定、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起させるか否かの判定、大当たり遊技終了後に時短遊技状態を生起させるか否かの判定、表示画面28に表示される図柄や変動パターン、変動時間の決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等が行われる。この特別図柄処理については、図12乃至図14に示すフローチャートを参照して後述する。
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に、左右の第二普通電動役物13a,13bへの遊技球の入賞が可能となるように、第二普通電動役物13a,13bに設けられた一対の開閉部材(所謂チューリップ)の開閉(普通当たり状態の動作)を制御するためのコマンドが、コマンド関係記憶エリア5209に記憶される。尚、普通当たりの判定は次のS16の普通図柄処理にて行われる。
次の普通図柄処理(S16)では、普通当たり乱数の取得、普通当たりの判定等が行われる。S11のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア5202の普通図柄作動スイッチ73a,73bに対応したフラグが立てられている場合には、普通当たり判定カウンタの値が取得される。そして、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の普通図柄作動保留球数に「1」が加算される。そして、普通当たり判定カウンタの値が、普通当たり関係情報記憶エリア5203の第一記憶エリア〜第四記憶エリアの中の、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204に記憶されている値に対応する番号の記憶エリアに普通当たり乱数として記憶される。そして、第一記憶エリアの値が判定エリアにシフトされて、判定エリアに記憶されている普通当たり乱数に基づいて普通当たりの判定が行われ、判定結果が報知される。尚、第一記憶エリアの値の判定エリアへのシフトに伴い、第二記憶エリアの値も第一記憶エリアへシフトされる。そして、次のメイン処理の普通電動役物処理(S15)において左右の第二普通電動役物13a,13bの開閉部材の開閉が行われることとなる。ここで、後述する特別図柄処理(図12乃至図14参照)において時短状態フラグがONとされており、時短遊技状態中である場合には、普通図柄の変動時間は非時短状態よりも短くなる。
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)が行われ、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、電飾ランプ63を点灯・点滅させたり、スピーカ32,33からエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。次いで、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
ここで、ある遊技球が第一特別図柄始動入賞口15に入賞し、大当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メイン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。その遊技球が第一特別図柄始動入賞口15に入賞すると、スイッチ読込処理において、遊技球の第一特別図柄始動入賞口15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグが「ON」とされる(S11)。そして、第一特別図柄表示部25が停止し、大当たり図柄が停止表示される。大当たり図柄の停止表示が終了すると、フラグ関係記憶エリア5210の大当たり遊技状態フラグが「ON」とされるので(S14)、次に実施されるメイン処理の特別電動役物処理(S13)で、大入賞口16の開放が行われ、大当たり遊技状態の動作が開始される。そして、繰り返しメイン処理が実施される中で、特別電動役物処理(S13)で所定条件に従って大当たり遊技状態の動作が開始される。その後、大当たり遊技状態が終了する際には、大当たり遊技状態フラグが「OFF」とされ、この遊技球に係る一連の動作が終了する。
次に、第一の実施形態のメイン処理における特別図柄処理(S14)の詳細について、図12乃至図14に示すフローチャートを参照して説明する。先述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起させるか否かの判定、大当たり遊技終了後に時短遊技状態を生起させるか否かの判定、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26に表示する特別図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58等へ出力するコマンドの決定等が行われる。
初めに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。フラグ関係記憶エリア5210には、表示状態フラグ、大当たり遊技状態フラグ、確率変動フラグ、時短状態フラグ等が記憶されている。表示状態フラグは第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26の状態を示すフラグであり、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26のどちらか一方が変動している場合(変動中)には「1」、どちらか一方が停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、両方とも変動中でも停止表示中でもない場合には「0」が記憶されている。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態である場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、確率変動フラグは、確率変動状態中には「1」が記憶されて「ON」となっており、確率変動状態中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。さらに、時短状態フラグは、時短遊技状態中には「1」が記憶されて「ON」となっており、時短遊技状態中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。尚、いずれも初期値は「0」である。
図12に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、第一特別図柄始動入賞口15(フローチャート中では「始動口1」と表記する。)への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、第一特別図柄始動入賞口15へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図11参照)において、第一特別図柄始動入賞口15に設けられている第一始動口スイッチ70が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の第一始動口スイッチ70に対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S21ではこの第一始動口スイッチ70に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断が行われ、「ON」でない場合には(S21:NO)、第一特別図柄始動入賞口15に遊技球は入賞していないので、そのままS25の判断へ移行する。
第一始動口スイッチ70に対応するフラグが「ON」である場合には(S21:YES)、第一特別図柄始動入賞口15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数及び入賞時間が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶される。しかし、乱数及び入賞時間を取得して記憶することができる第一特別図柄作動保留球の数は4個である。そこで、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5207の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S22)。第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5207の値が「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS25の判断へ移行する。
第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5207の値が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5207の値に「1」が加算される(S23)。そして、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の第一記憶エリア〜第四記憶エリアのうち、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5207の値に対応する番号の記憶エリアに各乱数及び入賞時間が記憶される(S24)。すなわち、第一特別図柄始動入賞口15へ入賞した遊技球が保留球として記憶される。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が記憶され、当たり特別図柄決定乱数欄には当たり特別図柄作成カウンタの値が記憶され、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が記憶され、入賞時間欄にはその時の時刻が記憶される。
次いで、左第二普通電動役物13a(フローチャート中では「始動口2」と表記する。)への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、左第二普通電動役物13aへ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S25)。この判断は、入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶されているフラグの中の、左第二普通電動役物13aに設けられた左第二始動口スイッチ71に対応するフラグが「ON」であるか否かによって行われ、「ON」でない場合には(S25:NO)、左第二普通電動役物13aに遊技球は入賞していないので、そのままS29の判断へ移行する。左第二始動口スイッチ71に対応するフラグが「ON」である場合には(S25:YES)、第二大当たり関係情報記憶エリア5206の3つの記憶エリアに空きがあるか否かを判断するために、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「3」であるか否かの判断が行われる(S26)。「3」である場合には(S26:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS29の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「3」でない場合、すなわち「0」〜「2」のいずれかである場合には(S26:NO)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値に「1」が加算される(S27)。そして、第二大当たり関係情報記憶エリア5206の第一記憶エリア〜第三記憶エリアのうち、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値に対応する番号の記憶エリアに各乱数及び入賞時間が記憶される(S28)。
次いで、右第二普通電動役物13b(フローチャート中では「始動口3」と表記する。)への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、右第二普通電動役物13bに設けられた右第二始動口スイッチ72に対応するフラグの値により、右第二普通電動役物13bへ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S29)。遊技球が入賞していない場合には(S29:NO)、そのままS33(図13参照)の判断へ移行する。遊技球が入賞している場合には(S29:YES)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「3」であるか否かの判断が行われ(S30)、「3」である場合には(S30:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS33(図13参照)の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「3」でない場合には(S30:NO)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値に「1」が加算され(S31)、第二大当たり関係情報記憶エリア5206の第一記憶エリア〜第三記憶エリアのうち、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値に対応する番号の記憶エリアに各乱数及び入賞時間が記憶される(S32)。
次いで、図13のフローチャートに示すように、大当たり遊技状態フラグにより、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S33)。大当たり遊技状態である場合には、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であり、大当たり遊技状態である場合には(S33:YES)、何もせずにメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S33:NO)、大当たり遊技状態でないので、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグにより、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26のどちらかが変動中であるか否かの判断が行われる(S34)。表示状態フラグが「1」でなく、2つの特別図柄表示部25,26が共に変動中でない場合には(S34:NO)、表示状態フラグにより、2つの特別図柄表示部25,26のどちらかが停止表示中であるか否かの判断が行われる(S35)。表示状態フラグが「2」でなく、2つの特別図柄表示部25,26が共に停止表示中でない場合には(S35:NO)、大当たり判定が行われる。
そこで、図14のフローチャートに示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる。まず、RAM52の第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5207の値により、第一保留球数が「1」以上であるか否かが判断され(S41)、「1」以上である場合には(S41:YES)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値により、第二保留球数が「1」以上であるか否かの判断が行われる(S42)。第一保留球数が「1」以上であり、第二保留球数が「0」である場合には(S41:YES、S42:NO)、第一大当たり判定を行うため、S45の処理へ移行する。一方で、第一保留球数及び第二保留球数が共に「1」以上である場合には(S41:YES、S42:YES)、入賞時間の早い遊技球に関する大当たり判定から先に行うために、第一大当たり関係情報記憶エリア5205(図7参照)の第一判定エリアに記憶されている入賞時間と、第二大当たり関係情報記憶エリア5206(図8参照)の第一判定エリアに記憶されている入賞時間とが比較されて、どちらの入賞時間が早いかの判断が行われる(S43)。第一保留球の入賞時間が早い場合には(S43:YES)、第一大当たり判定を先に行うため、S45の処理へ移行する。また、第二保留球の入賞時間が早い場合には(S43:NO)、第二大当たり判定を先に行うため、S60の処理へ移行する。
一方で、第一保留球数が「0」であった場合にも(S41:NO)、第二保留球数が「1」以上であるか否かの判断が行われる(S44)。第一保留球数が「0」であり、第二保留球数が「1」以上である場合には(S41:NO、S44:YES)、第二大当たり判定を行うため、S60の処理へ移行する。また、第一保留球数及び第二保留球数が共に「0」である場合には(S41:NO、S44:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。
第一大当たり判定では、まず、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5207の値が「1」減算され(S45)、第一大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶されている値がシフトされる。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、第二記憶エリアに記憶されている乱数が第一記憶エリアへシフトされ、第三記憶エリアに記憶されている乱数が第二記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアに記憶されている乱数が第三記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる(S46)。
次いで、確率変動状態であるか否かに従って第一大当たり判定が行われる(S47〜S49)。第一大当たり判定は、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の大当たり乱数欄に記憶されている大当たり乱数により行われる。確率変動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている確率変動状態の場合には(S47:YES)、ROM53の第一判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている第一判定テーブル(図9参照)の第一高確率判定テーブルが参照されて、第一大当たり判定が行われる(S48)。確率変動フラグに「0」が記憶されて「OFF」となっている場合には(S47:NO)、第一判定テーブル(図9参照)の第一通常判定テーブルが参照されて第一大当たり判定が行われる(S49)。
次いで、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S50:YES)、第一大当たり判定の際に用いた判定テーブルにより確率変動当否判定が行われ、判定結果に応じて確率変動フラグの処理が行われる(S51)。詳細には、確率変動状態を生起させると判定された場合には、確率変動フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ、確率変動状態を生起させないと判定された場合には、確率変動フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる。
次いで、第一大当たり判定の際に用いた判定テーブルにより時短当否判定が行われ、判定結果に応じて時短状態フラグの処理が行われる(S52)。詳細には、時短遊技状態を生起させると判定された場合には、時短状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ、時短遊技状態を生起させないと判定された場合には、時短状態フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる。尚、「ON」とされた時短遊技状態フラグは、大当たり判定が100回行われるか、若しくは次に大当たりと判定された時点で「OFF」とされる。
次いで、大当たり時の変動パターン決定処理(S53)、及び大当たり特別図柄決定処理(S54)が行われる。具体的には、変動パターン決定処理(S53)では、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリア5305に記憶されている大当たり時の変動パターン決定テーブル(図示外)において、変動パターン決定乱数(判定エリアの変動パターン決定乱数)に対応する変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。この変動パターン指定コマンドは、コマンド出力処理(S10、図11参照)においてサブ統合基板58及び図柄表示基板44に送信され、変動パターンの指定と共に、指定した特別図柄の変動開始の指示を行う。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される。また、特別図柄決定処理(S54)では、判定エリアの当たり特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に基づいて、特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されている大当たりの組み合わせから1つが選択され、選択された特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。そして、S72の処理へ移行する。
一方で、第一大当たり判定によって大当たりと判定されなかった場合には(S50:NO)、はずれ時の変動パターン決定処理(S55)、及びはずれ特別図柄決定処理(S56)が行われる。具体的には、変動パターン決定処理(S55)では、はずれである場合の変動パターン決定テーブル(図示外)において、変動パターン決定乱数に対応する変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される。また、はずれ特別図柄処理(S56)では、判定エリアのはずれ特別図柄決定乱数に記憶されている値に基づいて、特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されているはずれの組み合わせから1つが選択され、選択された特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。そして、S72の処理へ移行する。
また、S41〜S44の判断において、第二大当たり判定を行うと判断された場合には、まず、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「1」減算され(S60)、第二大当たり関係情報記憶エリア5206に記憶されている値がシフトされる(S61)。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアにシフトされ、第二記憶エリア〜第三記憶エリアに記憶されている乱数が番号の1つ少ない記憶エリアに1つずつシフトされる。
次いで、第二大当たり関係情報記憶エリア5206の大当たり乱数欄に記憶されている大当たり乱数により、第二大当たり判定が行われる(S62〜S64)。確率変動フラグが「ON」となっている確率変動状態の場合には(S62:YES)、ROM53の第二判定テーブル記憶エリア5307に記憶されている第二判定テーブル(図10参照)の第二高確率判定テーブルが参照されて、第二大当たり判定が行われる(S63)。確率変動フラグに「0」が記憶されて「OFF」となっている場合には(S62:NO)、第二判定テーブル(図10参照)の第二通常判定テーブルが参照されて第二大当たり判定が行われる(S64)。
次いで、第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S65:YES)、第二大当り判定の際に用いた判定テーブルにより確率変動当否判定が行われ、判定結果に応じて確率変動フラグの処理が行われる(S66)。詳細には、確率変動状態を生起させると判定された場合には、確率変動フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ、確率変動状態を生起させないと判定された場合には、確率変動フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる。
次いで、第二大当たり判定の際に用いた判定テーブルにより時短当否判定が行われ、判定結果に応じて時短状態フラグの処理が行われる(S67)。詳細には、時短遊技状態を生起させると判定された場合には、時短状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ、時短遊技状態を生起させないと判定された場合には、時短状態フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる。
次いで、変動パターン決定処理(S68)において、特別図柄変動パターン記憶エリア5305に記憶されている大当たり時の変動パターン決定テーブル(図示外)が参照されて、変動パターン決定乱数(判定エリアの変動パターン決定乱数)に対応する変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される。また、大当たり特別図柄処理(S69)において、判定エリアの当たり特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に基づいて、特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されている大当たりの組み合わせから1つが選択され、選択された特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。そして、S72の処理へ移行する。
一方で、第二大当たり判定によって大当たりと判定されなかった場合には(S65:NO)、はずれ時の変動パターン決定処理(S70)において、はずれである場合の変動パターン決定テーブル(図示外)が参照されて、変動パターン決定乱数に対応する変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される。また、はずれ特別図柄処理(S71)において、判定エリアのはずれ特別図柄決定乱数欄に記憶されているはずれの組み合わせから1つが選択され、選択された特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶される。そして、S72の処理へ移行する。
そして、第一大当たり判定及び第二大当たり判定が終了し、変動パターンや特別図柄等に関する処理が終了すると、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26のどちらか一方が変動中であることを示す「1」が表示状態フラグに記憶され(S72)、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、図13のフローチャートに示すS34の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、2つの特別図柄表示部25,26のどちらか一方が変動中であると判断された場合には(S34:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S76)。この判断は、特別図柄変動時間カウンタの値によって行われる。S53,S55,S68,S70(図14参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S76:YES)、コマンド関係記憶エリア5209に特別図柄停止コマンドが記憶される(S77)。この特別図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S10、図11参照)においてサブ統合基板58及び図柄表示基板44へ送信され、第一特別図柄表示部25、第二特別図柄表示部26及びデモ図柄表示部D1〜D3の停止を指示する。そして、所定の停止表示時間(例えば、0.8秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶され(S78)、2つの特別図柄表示部25,26のどちらか一方が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶される(S79)。そして、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、S76の判断において、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S76:NO)、第一特別図柄表示部25若しくは第二特別図柄表示部26の変動が継続される。そこで、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、S35の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、2つの特別図柄表示部25,26のどちらか一方が停止表示中であると判断された場合には(S35:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S80)。この判断は、特別図柄停止時間カウンタの値により行われる。S78でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値が、カウンタ更新処理(S12、図11参照)において減算されて「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S80:YES)、2つの特別図柄表示部25,26が共に停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S81)。そして、第一大当たり判定若しくは第二大当たり判定の判定結果が大当たりである場合には(S82:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ(S83)、大当たり開始画面表示コマンドが記憶される(S84)。次いで、所定の表示時間(例えば、11秒間)が大当たり開始画面表示時間カウンタに記憶されて(S85)、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。大当たりでない場合には(S82:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。また、S80の判断において、特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していないと判断された場合には(S80:NO)、第一特別図柄表示部25若しくは第二特別図柄表示部26には引き続き図柄が停止表示される。そこで、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
そして、S51若しくはS66(図14参照)の処理において確率変動フラグが「ON」とされた場合には、大当たり遊技の終了後からは高確率での大当たり判定が行われる確率変動状態が生起される。この確率変動状態は、非確率変動大当たりに当選するまで継続する。また、S52若しくはS67の処理において時短状態フラグが「ON」とされた場合には、大当たり遊技の終了後からは時短遊技状態が生起される。時短遊技状態中は、普通図柄処理(S16、図11参照)で制御される普通図柄の変動時間、及び特別図柄処理のS53,S55,S68,S70でセットされる特別図柄の変動時間が、共に非時短遊技状態中に比べて短くなる。さらに、普通電動役物処理(S15:図11参照)で制御される左右の第二普通電動役物13a,13bの開放時間が非時短遊技状態中に比べて長くなる。従って、時短遊技状態中は所定時間内に行われる大当たり判定の回数、及び払い出される遊技球の個数が増加するため、非時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。尚、時短遊技状態中は第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26が変動した回数がカウンタによって計数され、変動回数の合計が100回に達するか、若しくは次に大当たりと判定されるかのどちらかの条件が満たされた時点で、時短状態フラグには「0」が記憶されて「OFF」とされる。
このように、遊技球が第一特別図柄始動入賞口15へ入賞すると(S21:YES)、第一大当たり関係情報記憶エリア5205に各種乱数及び入賞時間が記憶される(S24)。すなわち、保留球が記憶される。また、遊技球が左第二普通電動役物13a及び右第二普通電動役物13bへ入賞すると(S25:YES、若しくはS29:YES)、第二大当たり関係情報記憶エリア5206に各種乱数及び入賞時間が記憶される(S28、S32)。そして、入賞時間が早い順に各値が判定エリアへシフトされ(S46、S61)、第一大当たり判定及び第二大当たり判定が行われる。大当たりと判定された際には、確率変動状態の当否(S51、S66)、及び時短遊技状態の当否(S52、S67)が判定されるが、時短遊技状態とすると判定される確率は、第一大当たりの場合と第二大当たりの場合とで異なる(図9及び図10参照)。
以上説明したように、第一の実施形態のパチンコ機1では、複数の記憶エリアを有した2つの大当たり関係情報記憶エリア5205,5206を備え、第一特別図柄始動入賞口15へ遊技球が入賞した場合には第一大当たり関係情報記憶エリア5205へ、左右の第二普通電動役物13a,13bへ遊技球が入賞した場合には第二大当たり関係情報記憶エリア5206へ大当たり乱数が記憶される。そして、第一大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶された大当たり乱数に対する第一大当たり判定と、第二大当たり関係情報記憶エリア5206に記憶された大当たり乱数に対する第二大当り判定とでは、大当たり遊技終了後に時短遊技状態を生起させると判定される確率、すなわち時短遊技状態突入率が異なる。従って、どの入賞口へ遊技球が入賞したかによって遊技者に与えられる価値が異なるため、遊技球がどの入賞口へ入賞するか遊技者に興味を持たせて、遊技を楽しませることができる。
また、それぞれの大当たり乱数があらかじめ大当たりと決められた乱数であるか否かを記憶すると共に、大当たりと決められている大当たり乱数について、時短遊技状態を生起させるか否か、及び確率変動状態を生起させるか否かを判断するための情報を記憶する判定テーブルを備えている。従って、大当たりか否かを判定するための乱数、時短遊技状態を生起させるか否かを判定するための乱数、及び確率変動状態を生起させるか否かを判定するための乱数とを別々に取得する必要が無いため、制御が単純になり、遊技機への負担が軽くなる。
また、1つの大当たり乱数を用いて、時短遊技状態を生起させるか否かの判定及び確率変動状態を生起させるか否かの判定を別々に行うため、「確率変動・時短状態」、「確率変動・非時短状態」、「非確率変動・時短状態」、「非確率変動・非時短状態」の4つの遊技状態を生起させることができる。従って、確率変動状態と同時に必ず時短遊技状態を生起させる遊技機に比べて遊技内容を多様化させることができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
また、左右の第二普通電動役物13a,13bは開閉部材が開放しなければ遊技球が入賞できないため、第一特別図柄始動入賞口15よりも遊技球が入賞するための難易度が高い。すなわち、第一大当たり関係情報記憶エリア5205に乱数が記憶される頻度よりも、第二大当たり関係情報記憶エリア5206に乱数が記憶される頻度の方が低い。また、左右の第二普通電動役物13a,13bへの遊技球の入賞による大当たり乱数は3つまでしか記憶できず、一方で第一特別図柄始動入賞口15への遊技球の入賞による大当たり乱数は4つまで記憶できる。そして、乱数が記憶される頻度が低く、記憶できる乱数の個数も少ない第二大当たり関係情報記憶エリア5206に乱数が記憶されて大当たりと判定された場合の方が、時短遊技状態が生起される確率が高くなるように設定している。このように、入賞の頻度が低い(入賞の難易度が高い)入賞口へ遊技球が入賞した方が、入賞の頻度が高い(入賞の難易度が低い)入賞口へ遊技球が入賞した場合よりも遊技者に与えられる価値を高く設定することで、入賞の難易度が高い入賞口へ遊技球が入賞した際の遊技者の期待感を高めることができる。
尚、第一特別図柄始動入賞口15、左第二普通電動役物13a,右第二普通電動役物13bが本発明における「入賞口」に相当し、第一始動口スイッチ70、左第二始動口スイッチ71、右第二始動口スイッチ72が「遊技球検出手段」に相当する。また、図12に示す特別図柄処理のS24,S28,S32の処理において、大当たり乱数を取得して第一大当たり関係情報記憶エリア5205及び第二大当たり関係情報記憶エリア5206のいずれかに記憶する主基板41のCPU51が「大当たり乱数取得手段」として機能する。また、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリア5205及び第二大当たり関係情報記憶エリア5206が「大当たり乱数記憶手段」に相当する。また、図14に示すS48,S49,S63,S64の処理において、記憶された大当たり乱数があらかじめ大当たりと定められた乱数であるか否かを判定する主基板41のCPU51が「大当たり判定手段」として機能する。
また、表示画面28が本発明における「図柄表示手段」に相当し、演出制御基板43が「図柄表示制御手段」に相当する。また、大入賞口16が「可変入賞口」に相当し、ROM53の第一判定テーブル記憶エリア5306及び第二判定テーブル記憶エリア5307が「判定テーブル記憶手段」に相当する。また、図14に示すS51,S66の処理において、判定テーブル及び大当たり乱数を用いて確率変動状態を生起させるか否かを判定する主基板41のCPU51が「確率変動判定手段」として機能し、S52、S67の処理において、時短遊技状態を生起させるか否かを判定する主基板41のCPU51が「時短判定手段」として機能する。
次に、本発明に係る遊技機の第二の実施形態であるパチンコ機100について、図15乃至19を参照して説明する。図15は、パチンコ機100の遊技盤102の正面図である。また、図16は、パチンコ機100のROM53の第一判定テーブル記憶エリア5306に記憶されている第一判定テーブルを示す概念図であり、図17は、パチンコ機100のROM53の第二判定テーブル記憶エリア5307に記憶されている第二判定テーブルを示す概念図である。また、図18は、パチンコ機100のメイン処理の中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートであり、図19は、パチンコ機100のメイン処理の中で行われる特別電動役物処理のサブルーチンのフローチャートである。
尚、第二の実施形態であるパチンコ機100は遊技盤102に2つの大入賞口(第一大入賞口17及び第二大入賞口18)を備えると共に、大当たりと判定された場合に2種類の大当たり(大当たりA及び大当たりB)を生起させることができる。そして、大当たりAが生起された場合には第一大入賞口17を15回開閉させ、大当たりBが生起された場合には第二大入賞口18を5回開閉させるため、大当たりAが生起された場合の方が、大当たりBが生起された場合よりも多くの遊技球が払い出される構成となっている。また、第一大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶された大当たり乱数に対する第一大当たり判定と、第二大当たり関係情報記憶エリア5206に記憶された大当たり乱数に対する第二大当たり判定とでは、大当たりの際に大当たりAと判定される確率、すなわち、ラウンド数選択確率が異なり、この点に特徴を有する。
まず、図15を参照して、第二の実施形態のパチンコ機100の機械的構成について説明する。図15に示すように、パチンコ機100の遊技盤102には、第一特別図柄始動入賞口15の下方に第二大入賞口18及び第一大入賞口17が上下に並べて設けられている。これらの第一大入賞口17及び第二大入賞口18には開閉部材が備えられており、開閉部材が開放された場合(大入賞口17,18が開放された場合)のみ遊技球の入賞が可能となっている。そして、その他の機械的構成は図1乃至図3に示すパチンコ機1の機械的構成と同じであるため、同一の番号を付して説明を省略する。
また、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26に表示される特別図柄の組み合わせは共通であり、全部で676種類の組み合わせが設けられている。そして、A、C、E、F、H、J、L、P、U、Yの10種類のアルファベットによる2桁の組み合わせ100種が「当たり特別図柄」とされており、その他の組み合わせ576種は「はずれ特別図柄」とされている。この「当たり特別図柄」はその組み合わせ毎に「大当たりA特別図柄」及び「大当たりB特別図柄」が設けられており、大当たりと判定された場合には、その大当たりが「大当たりA」であるか「大当たりB」であるかに従って特別図柄が決定される。また、デモ図柄表示部D1〜D3では、「大当たりA」を示す場合には奇数のデモ図柄若しくはキャラクターの図柄を揃えて表示させ、「大当たりB」を示す場合には偶数のデモ図柄を揃えて表示させる。尚、その他の機械的構成は図1乃至図3に示すパチンコ機1の機械的構成と同じであるため、同一の番号を付して説明を省略する。
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。パチンコ機100の電気的構成は、パチンコ機1の電気的構成(図4参照)において、中継基板47に接続されている大入賞口開放ソレノイド74の代わりに、第一大入賞口17の開閉部材を開放・閉鎖する第一大入賞口開放ソレノイド77と、第二大入賞口18の開閉部材を開放・閉鎖する第二大入賞口開放ソレノイド78とが備えられている。また、図4に示すカウントスイッチ75の代わりに、第一大入賞口17への遊技球の入賞を検出する第一カウントスイッチ79と、第二大入賞口18への遊技球の入賞を検出する第二カウントスイッチ80とが備えられている。そして、その他の図4に示すパチンコ機1の電気的構成は、第二の実施形態のパチンコ機100の構成と同様であるため、説明を省略する。
次に、図16及び図17を参照して、第二の実施形態のパチンコ機100における第一判定テーブル及び第二判定テーブルについて説明する。第一判定テーブルは、第一特別図柄始動入賞口15へ遊技球が入賞した際に大当たりか否かを判定する第一大当たり判定の際に参照され、第一大当たり判定により大当たりと判定された場合に、「大当たりA」及び「大当たりB」のいずれを生起させるかの判定にも用いられる。また、第二判定テーブルは、左右の第二普通電動役物13a,13bへ遊技球が入賞した際に大当たりか否かを判定する第二大当たり判定、さらに、第二大当たり判定で大当たりと判定された場合に「大当たりA」及び「大当たりB」のいずれを生起させるかの判定に用いられる。
図16に示すように、パチンコ機100の第一判定テーブルでは、0から301139までの大当たり判定カウンタの値(大当たり乱数)のそれぞれに「大当たり」又は「はずれ」のいずれかが設定されている。さらに、「大当たり」と設定されている大当たり乱数には、「大当たりA」又は「大当たりB」のどちらの種類の大当たりを生起させるかが設定されている。そして、第一判定テーブルでは大当たりと判定される確率が約300分の1に、大当たりと判定された際に「大当たりA」を生起させると判定される確率が約10分の1に設定されている。
また、図17に示すように、第二判定テーブルにおいても各大当たり乱数毎に大当たりの当否が設定されており、大当たりと判定される確率は第一判定テーブルと同様に約300分の1である。しかし、大当たりと判定された際に「大当たりA」を生起させると判定される確率は、第一判定テーブルとは異なり約10分の9に設定されており、この点に本発明の特徴を有する。この構成により、第一判定テーブルにより大当たりと判定された場合のラウンド数の平均の値は「6回」となるのに対し、第二判定テーブルにより大当たりと判定された場合のラウンド数の平均値は「14回」となる。尚、図4乃至図8に示すパチンコ機1のROM53、RAM52等の構成は、第二の実施形態のパチンコ機100の構成と同一であるため、説明を省略する。
次に、図18を参照して、第二の実施形態であるパチンコ機100のメイン処理で行われる特別図柄処理について説明する。尚、パチンコ機100の特別図柄処理は、図18に示す特別図柄処理の一部以外は図12乃至図14に示すパチンコ機1の特別図柄処理と同じであるため、図14に示すパチンコ機1の特別図柄処理と同様のステップについては図18においても同じステップ番号を付し、この説明を省略する。
パチンコ機100における特別図柄処理では、第一大当たり判定が行われる場合(S42:NO若しくはS43:YES)、第一特別図柄作動保留球数が「1」減算され(S45)、第一大当たり関係情報記憶エリア5205(図7参照)の第一記憶エリアの値が判定エリアへシフトされた後(S46)、第一判定テーブル(図16参照)により大当たり判定が行われる(S101)。そして、大当たりと判定された場合には(S50:YES)、第一判定テーブルにより、「大当たりA」若しくは「大当たりB」の大当たり種別の判定が行われる(S102)。次いで、判定された大当たり種別に対応するフラグがセットされる(S103)。詳細には、「大当たりA」を生起させると判断された場合には、RAM52のフラグ関係記憶エリア5210に記憶されている大当たりA生起フラグに、「大当たりA」を生起させていることを示す「1」が記憶されて「ON」とされる。一方で、「大当たりB」を生起させると判断された場合には、フラグ関係記憶エリア5210の大当たりA生起フラグに、「大当たりB」を生起させていることを示す「0」が記憶されて「OFF」とされる。そして、大当たり特別図柄決定処理(S54)では、「大当たりA」及び「大当たりB」のどちらを生起させるかに応じて、第一特別図柄表示部25に表示される当たり特別図柄が決定される。
また、第二大当たり判定が行われる場合には(S43:NO若しくはS44:YES)、第二特別図柄作動保留球数が「1」減算され(S60)、第二大当たり関係情報記憶エリア5206(図8参照)の第一記憶エリアの値が判定エリアへシフトされた後(S61)、第二判定テーブル(図17参照)により大当たり判定が行われる(S105)。そして、大当たりと判定された場合には、(S65:YES)、第二判定テーブルにより、「大当たりA」若しくは「大当たりB」の大当たり種別の判定が行われる(S106)。詳細には、「大当たりA」を生起させると判断された場合には、大当たりA生起フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ、「大当たりB」を生起させると判断された場合には、大当たりA生起フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる。そして、大当たり特別図柄処理(S69)では、大当たり種別に応じて第二特別図柄表示部26に表示される当たり特別図柄が決定される。
次に、図19を参照して、第二の実施形態のパチンコ機100におけるメイン処理で行われる特別電動役物処理(S13、図11参照)について説明する。この特別電動役物処理では、「大当たりA」が生起されている場合には第一大入賞口17を15回開閉させるための処理が行われ、一方で「大当たりB」が生起されている場合には第二大入賞口18を5回開閉させるための処理が行われる。尚、特別電動役物処理において用いられるフラグとして、大入賞口開放中フラグ及び大入賞口閉鎖中フラグがあり、RAM52のフラグ関係記憶エリア5210に記憶される。大入賞口開放中フラグは、2つの大入賞口17,18のいずれか一方が開放中である場合に「1」が記憶されて「ON」とされる。また、大入賞口閉鎖中フラグは、2つの大入賞口17,18が共に閉鎖されている場合に「1」が記憶されて「ON」とされる。また、5回若しくは15回のラウンド数を計数するために、ラウンド数計数カウンタが用いられる。この初期値は「0」である。
図19に示すように、メイン処理の特別電動役物処理が開始されると、大当たり遊技状態フラグにより、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S121)。大当たり遊技状態でない場合には、大入賞口17,18の開放・閉鎖は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「OFF」であり、大当たり遊技状態でない場合には(S121:NO)、何もせずにメイン処理へ戻る。
一方で、大当たり遊技状態フラグが「ON」であり、大当たり遊技状態である場合には(S121:YES)、大入賞口17,18の開放・閉鎖に関する処理が行われる。まず、大入賞口17,18の閉鎖時間中であるか否かの判断が行われる(S122)。大入賞口17,18が閉鎖していることを示す大入賞口閉鎖中フラグが「OFF」となっている場合には(S122:NO)、大入賞口17,18が開放中であるか否かの判断が行われる(S123)。大入賞口17,18のいずれかが開放していることを示す大入賞口開放中フラグが「OFF」となっている場合には(S123:NO)、大当たりの種類に応じて大入賞口17,18のいずれかを開放させる処理が行われる。大当たりA生起フラグが「ON」となっており、「大当たりA」が生起されている場合には(S124:YES)、第一大入賞口17を開放させるための第一大入賞口開放コマンドが、RAM52のコマンド関係記憶エリア5209に記憶される(S125)。一方で、大当たりA生起フラグが「OFF」となっており、「大当たりB」が生起されている場合には(S124:NO)、第二大入賞口18を開放させるための第二大入賞口開放コマンドが記憶される(S126)。次いで、大入賞口17,18の最大開放時間(30秒)を計測するための大入賞口開放時間カウンタがRAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶されると共に、大入賞口開放中フラグが「ON」とされる(S127)。
次いで、大入賞口17,18への遊技球の入賞球数が「9」であるか否かの判断が行われる(S128)。大入賞口17,18へ遊技球が入賞する毎に、スイッチ読込処理(S11、図11参照)において、大入賞口入賞球数カウンタの値に「1」が加算される。この入賞球数カウンタの値が9未満であれば(S128:NO)、S127の処理でセットされた大入賞口開放時間カウンタにより、大入賞口17,18の最大開放時間が経過したか否かの判断が行われる(S129)。30秒の最大開放時間が経過していなければ(S129:NO)、そのままメイン処理へ戻る。
そして、その後に行われるメイン処理の特別電動役物処理で、大当たり遊技状態であり(S121:YES)、大入賞口16の閉鎖時間中でなく(S122:NO)、大入賞口17,18が開放している場合には(S123:YES)、入賞球数が9となるか、若しくは大入賞口17,18の最大開放時間が経過するまで、繰り返しこれらの判断が行われる(S128:NO、S129:NO)。そして、入賞球数が9となった場合には(S128:YES)、若しくは30秒の最大開放時間が経過した場合には(S129:YES)、大入賞口17,18を閉鎖させる処理を行う。そこで、大入賞口17,18を閉鎖させるための大入賞口閉鎖コマンドが、コマンド関係記憶エリア5209に記憶される(S130)。次いで、次の大入賞口17,18の開放が行われるまでの閉鎖時間(3秒間)を計測するための大入賞口閉鎖時間カウンタがカウンタ記憶エリア5201に記憶され(S131)、大入賞口入賞球数カウンタの値が初期値である「0」に初期化される(S132)。次いで、大入賞口開放中フラグが「OFF」とされ、大入賞口閉鎖中フラグが「ON」とされて(S133)、メイン処理へ戻る。
また、大入賞口閉鎖中フラグが「ON」であり、2つの大入賞口17,18が共に閉鎖中である場合には(S122:YES)、大入賞口17,18の閉鎖時間が経過したか否かの判断が行われる(S134)。大入賞口閉鎖時間カウンタの値が「0」でなく、閉鎖時間の計測中である場合には(S134:NO)、そのままメイン処理へ戻る。一方で、大入賞口閉鎖時間カウンタの値が「0」であり、閉鎖時間が経過している場合には(S134:YES)、大入賞口閉鎖中フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ(S135)、カウンタ記憶エリア5201のラウンド数計数カウンタの値(フローチャート中では「G」と表記する。)に「1」が加算される(S136)。
次いで、大当たりの種類に応じて、大当たり遊技を終了させるか否かの判断が行われる。大当たりA生起フラグが「OFF」とされ、「大当たりB」が生起されている場合には(S137:NO)、ラウンド数計数カウンタの値が「5」となったか否かの判断が行われる(S138)。先述したように、「大当たりB」が生起された場合には、1回の第二大入賞口18の開放・閉鎖の動作を1ラウンドとして、1回の大当たり遊技中に5ラウンドの開閉動作が行われる。そして、ラウンド数計数カウンタの初期値は「0」であり、1ラウンドの開閉動作が終了する毎にラウンド数計数カウンタの値に「1」が加算されるため、ラウンド数計数カウンタの値が「5」となった時点で5ラウンドの開閉動作が終了している。従って、ラウンド数計数カウンタの値が「5」でない、すなわち「1」から「4」のいずれかの値である場合には(S138:NO)、再び大入賞口18の開閉動作を行うために、そのままメイン処理へ戻る。一方で、ラウンド数計数カウンタの値が「5」であった場合には(S138:YES)、大当たり遊技を終了させる処理が行われる。
また、大当たりA生起フラグが「ON」とされ、「大当たりA」が生起されている場合には(S137:YES)、ラウンド数計数カウンタの値が「15」となったか否かの判断が行われる。「大当たりA」が生起された場合には、第一大入賞口17を15回開閉させた後に大当たり遊技が終了されるため、ラウンド数計数カウンタの値が「15」でない場合には(S139:NO)、そのままメイン処理へ戻る。一方で、ラウンド数計数カウンタの値が「15」であった場合には(S139:YES)、大当たり遊技を終了させる処理が行われる。
大当たり遊技を終了させる処理では、まず、大当たり遊技状態フラグに大当たり遊技状態でないことを示す「0」が記憶されて「OFF」とされる(S140)。次いで、大当たり遊技が終了したことを示す画面を表示させるための大当たり終了画面表示コマンドがコマンド関係記憶エリア5209に記憶され(S141)、ラウンド数計数カウンタの値が初期値である「0」に初期化されて(S142)、特別電動役物処理を終了し、メイン処理へ戻る。
以上説明したように、第二の実施形態であるパチンコ機100では、複数の記憶エリアを有した2つの大当たり関係情報記憶エリア5205,5206を備え、第一特別図柄始動入賞口15へ遊技球が入賞した場合には第一大当たり関係情報記憶エリア5205へ、左右の第二普通電動役物13a,13bへ遊技球が入賞した場合には第二大当たり関係情報記憶エリア5206へ大当たり乱数が記憶される。そして、第一大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶された大当たり乱数に対する第一大当たり判定と、第二大当たり関係情報記憶エリア5206に記憶された大当たり乱数に対する第二大当り判定とでは、大当たりと判定される確率は同じであるが、大当たりと判定された際に、第一大入賞口17を15回開閉させる「大当たりA」を生起させると判断される確率、及び第二大入賞口18を5回開閉させる「大当たりB」を生起させると判断される確率が異なる。詳細には、第一大当たり判定により大当たりと判定された場合のラウンド数の平均は「6回」となり、第二大当たり判定により大当たりと判定された場合のラウンド数の平均は「14回」となる。すなわち、大入賞口17,18を開閉させる回数であるラウンド数の平均の値が異なる。従って、どの入賞口へ遊技球が入賞したかによって遊技者に与えられる価値が異なるため、遊技球がどの入賞口へ入賞するか遊技者に興味を持たせて、遊技を楽しませることができる。
また、第二の実施形態では、「大当たりA」が生起されている場合には第一大入賞口17を開閉させ、「大当たりB」が生起されている場合には第二大入賞口18を開閉させる。これにより、第一大入賞口17及び第二大入賞口18のどちらが開閉しているかを見ることで、遊技者は「大当たりA」及び「大当たりB」のどちらが生起されているのかを容易に判断することができる。尚、第二の実施形態のパチンコ機100における第一大入賞口17及び第二大入賞口18が、本発明における「可変入賞口」に相当する。
尚、本発明は以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、第一の実施形態では時短遊技状態突入率が、第二の実施形態ではラウンド数選択確率が、大当たり乱数が記憶される各大当たり関係情報記憶エリア毎に異なる構成としたが、確率変動状態突入率が異なる構成とすることもできる。この場合、例えば、図9及び図10に示す判定テーブルにおいて、「確率変動当否」の欄の設定を変更して、確率変動状態を生起させると判定される確率を判定テーブル毎に変えればよい。これにより、どの入賞口へ遊技球が入賞したかによって遊技者に与えられる価値が異なるため、遊技者は遊技球がどの入賞口へ入賞するのか興味を持って遊技を楽しむことができる。
また、確率変動状態突入率、時短遊技状態突入率、及びラウンド数選択確率のうちの複数の確率を大当たり関係情報記憶エリア毎に変えることもできる。そして、大当たり関係情報記憶エリア毎に異なる各確率も任意に設定することができる。例えば、第一大当たり関係情報記憶エリア5205と第二大当たり関係情報記憶エリア5206との間で、確率変動状態突入率及び時短遊技状態突入率が共に異なる構成とすることもできる。この場合、確率変動状態突入率及び時短遊技状態突入率の両方を第二大当たり関係情報記憶エリア5206の方が高くなるように設定してもよいし、確率変動状態突入率は第一大当たり関係情報記憶エリア5205の方を高くする一方で、時短遊技状態突入率は第二大当たり関係情報記憶エリア5206の方を高く設定することもできる。
また、第一、第二の実施形態では、左右の第二普通電動役物13a,13bは開閉部材が開放しなければ遊技球が入賞できないため、第一特別図柄始動入賞口15よりも入賞の頻度が低い。これにより、大当たり関係情報記憶エリア毎に対応する入賞口への入賞の難易度を決定し、この難易度に応じて各確率を変えているが、他の基準を用いて入賞の難易度を決定することもできる。例えば、単位時間あたりに所定個数の遊技球が発射装置により発射される構成のもとで、所定時間内に各入賞口へ入賞した遊技球の個数を計数し、入賞した遊技球の個数が少ない入賞口の難易度を高いと判断することもできるし、入賞口の配置位置等により難易度を決定することもできる。また、それぞれの大当たり関係情報記憶エリアに対応する入賞口の数が異なる場合に、対応する入賞口の数が少ない程乱数が記憶されるまでの難易度が高いと判断することもできる。そして、難易度が高い大当たり関係情報記憶エリアほど、遊技者に与えられる価値が高くなるように設定することで、入賞の難易度の高い入賞口へ遊技球が入賞した際の遊技者の期待感を高めることができる。
また、第一、第二の実施形態における入賞口の形態は適宜変更が可能である。例えば、入賞口の数は3つに限られないし、普通電動役物の数も2つに限られない。また、第一特別図柄始動入賞口15を普通電動役物として、左右の第二普通電動役物13a,13bを開閉部材が備えられていない入賞口とすることもできるし、左右の第二普通電動役物13a,13bのどちらか一方を開閉部材が備えられていない入賞口とすることもできる。例えば、第一大当たり関係情報記憶エリア5205には開閉部材を備えない入賞口1つと普通電動役物1つとを対応させ、第二大当たり関係情報記憶エリア5206には2つの普通電動役物を対応させることができる。この場合、開閉部材を備えない入賞口が対応している第一大当たり関係情報記憶エリア5205の方が、第二大当たり関係情報記憶エリア5206よりも遊技球の入賞の難易度(大当たり乱数が記憶される難易度)が低くなる。そして、難易度の高い第二大当たり関係情報記憶エリア5206の方が、遊技者に与えられる価値が高くなるように設定することで、入賞の難易度の高い入賞口へ遊技球が入賞した際の遊技者の期待感を高めることができる。
また、第一、第二の実施形態では、第一大当たり関係情報記憶エリア5205に1つの入賞口(第一特別図柄始動入賞口15)が、第二大当たり関係情報記憶エリア5206には2つの入賞口(左右の第二普通電動役物13a,13b)がそれぞれ対応しているが、入賞口の数と大当たり関係情報記憶エリアの数とを等しくして、1つの大当たり関係情報記憶エリアに1つの入賞口を対応させることもできる。この場合、大当たりと判定された際に遊技者に与えられる価値は、どの入賞口に遊技球が入賞したかによって異なるため、遊技内容が単純になり分かりやすい。
また、第一、第二の実施形態では、普通当たり乱数を記憶する手段を1つ、大当たり乱数を記憶する手段を2つ設けているが、これらの数も適宜変更が可能である。例えば、左右の普通図柄始動ゲート12a,12bを設けず、左右の第二普通電動役物13a,13bを共に開閉部材を備えない入賞口に変更して、普通当たり判定を行わない遊技機とすれば、普通当たり関係情報記憶エリア5203を省略することができる。一方で、左第二普通電動役物13aを開放させるか否かを判断するための普通当たり判定と、右第二普通電動役物13bを開放させるか否かを判断するための普通当たり判定とを別々に行う場合には、普通当たり乱数を記憶する手段を2つ設ければよい。
また、第二の実施形態のパチンコ機100では2つの大入賞口17,18を設け、「大当たりA」を生起させる際には第一大入賞口17を15回、「大当たりB」を生起させる際には第二大入賞口を5回開閉させる、すなわち、第一大入賞口17が「大当たりA」専用、第二大入賞口18が「大当たりB」専用となっているが、これに限られない。例えば、「大当たりA」を生起させる際には2つの大入賞口17,18を共に開放させ、「大当たりB」を生起させる際には大入賞口17,18のどちらか一方を開放させる構成としてもよいし、大当たりの際には常に2つの大入賞口17,18を共に開放させてもよい。また、大入賞口を1つにして開閉の回数のみを変化させてもよいことは言うまでもない。
また、第一大入賞口17と第二大入賞口18とで、遊技球が入賞した際に払い出される賞球の数が異なるように設定することもできる。具体的には、15回開閉される第一大入賞口17へ遊技球が入賞した場合よりも、5回開閉される第二大入賞口18へ遊技球が入賞した場合の方が、1個の遊技球の入賞に対して払い出される遊技球の個数が多くなる、若しくは少なくなるように設定することもできる。このような構成とすることで、遊技の内容をより多様化させることができると共に、払い出される賞球の数の違いにより「大当たりA」及び「大当たりB」のどちらの大当たりが生起されているかを遊技者に報知することができる。
また、第二の実施形態では「大当たりA」及び「大当たりB」の2種類の大当たりを設けることで、異なるラウンド数の大当たりが生起される構成としていたが、例えば3種類以上の大当たりを設けてそれぞれラウンド数が異なるように構成することもできるし、大当たりの種類を分けずにラウンド数を直接抽選して大当たり遊技を実施してもよい。また、「大当たりA」及び「大当たりB」のラウンド回数は15回及び5回に限られず、大当たりAのラウンド数が大当たりBのラウンド数よりも大きくなる範囲であれば適宜変更が可能であることは言うまでもない。また、大当たりAのラウンド数と大当たりBのラウンド数との差に応じてラウンド数選択確率を変化させることもできる。
また、大当たり判定、確率変動当否判定、時短当否判定、及びラウンド数判定の判定方法は適宜変更が可能である。例えば、第一、第二の実施形態では第一大当たり判定テーブル及び第二大当たり判定テーブルを別々に設け、各大当たり関係情報記憶エリア毎に別々に大当たり判定等を行っているが、大当たり判定は同じ判定テーブルを参照して判定を行うと共に、時短当否判定等の他の判定のみを各大当たり関係情報記憶エリア毎に行うこともできる。また、時短当否判定等の判定確率を、特定の遊技状態中のみ各大当たり関係情報記憶エリア毎に変えることもできる。この場合、例えば、通常状態中は時短当否判定等の判定確率を各大当たり関係情報記憶エリア毎に変え、確率変動状態中は判定確率が同じになるように設定すればよい。
また、遊技機におけるその他の形態も適宜変更が可能である。例えば、第一の実施形態では、時短遊技状態を生起させる大当たりの場合に奇数若しくはキャラクターのデモ図柄をデモ図柄表示部D1〜D3に揃えて表示させていたが、時短遊技状態でなく確率変動状態を生起させる大当たりの場合に奇数若しくはキャラクターのデモ図柄を揃えて表示させてもよいし、デモ図柄の色や模様、背景等を変えることで大当たりの種類を報知してもよい。