JP4787987B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は遊技機に関し、詳細には遊技者に有利な遊技状態を連続発生させることが可能な遊技機に関する。
従来、遊技機においては、遊技者に対して賞球を払いだす役物の動作を各種制御することで、遊技者が賞球を大量獲得できるようにして、遊技の興趣を向上させることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
具体的に、従来の「一般電役機」(普通電役機とも呼ばれる)とよばれるパチンコ機では、普通電動役物を最高4個使用して、各種役物との組み合わせにより遊技を構成している。そして、所定領域に遊技球が入賞すると、各種の乱数を読み込んで抽選を行い、この抽選結果に基づいて当たりか否かの判定を行う。当たりの場合には、表示画面に所定の図柄配列を形成して普通電動役物を実行し、規定入賞個数以内の遊技球を入賞させると、他の役物に規定入賞数の遊技球が入賞して、遊技者は最大の賞球数を獲得できる。
一方で、遊技の興趣を向上させるために各種役物を無制限に連続動作させると、遊技者が過剰に大量の賞球を獲得できてしまい遊技の健全性が損なわれるおそれがある。そのため、従来の遊技機では個々の役物の作動条件を細かく制限しており、例えば、「一般電役機」では開放時間は6秒以内又は遊技球が10個入賞すると閉鎖するという一律な制限が設定されている。このように、従来の遊技機では、役物の動作によって遊技者が最大限に得られる賞球数(総獲得賞球数)を限定することで、遊技の健全性を実現している。
特開2000−342818号公報
しかしながら、従来の遊技機、例えば「一般電役機」では、遊技者が1回の大当たりでの多くの賞球を獲得できるように、1回の大当たりでの払出賞球数を増加させればさせるほど、大当たりの連続発生回数が制限されることになる。逆に、大当たりを連続して発生させるためには、1回の大当たりでの払出賞球数を制限する必要がある。このように、役物の動作による総獲得賞球数を制限すると、1回の大当たりでの払出賞球数が限定され、又は大当たりの連続発生回数が限定されて、遊技の興趣が低下する問題があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、連続当たりを適切に制御して遊技内容に変化をもたせることで、遊技者に満足感及び期待感を与えるとともに、遊技性を向上させることができる遊技機の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、請求項に係る発明の遊技機は、遊技球が通過する通過ゲートと、開閉部材を有し、該開閉部材が開かれると遊技球が入賞可能となる始動入賞口と、開閉部材を有し、該開閉部材が開かれると遊技球が入賞可能となる大入賞口と、前記通過ゲートへの遊技球の通過を契機に第1乱数の取得を行う第1乱数取得手段と、前記第1乱数に基づいて、前記始動入賞口の開閉部材が開かれる普通当たり状態とするか否かの判定を行う普通当たり判定手段と、前記普通当たり判定手段の判定結果を報知する図柄である普通図柄を決定する普通図柄決定手段と、前記普通図柄が変動表示される普通図柄表示手段と、前記始動入賞口への入賞を契機に第2乱数の取得を行う第2乱数取得手段と、前記第2乱数取得手段が取得した前記第2乱数を複数個記憶可能な大当たり関係情報記憶手段と、前記大当たり関係情報記憶手段に記憶された前記第2乱数に基づいて、前記大入賞口の開閉部材が開かれる大当たり状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、前記大当たり判定手段の判定結果を報知する図柄である特別図柄を決定する特別図柄決定手段と、前記特別図柄が変動表示される特別図柄表示手段と、普通当たりの発生確率が低い低確率状態と、普通当たりの発生確率が高い高確率状態とに制御可能であって、前記大当たり判定手段により大当たりと判定された場合は前記大当たり状態の実行後に前記高確率状態に変動させる一方、前記大当たり判定手段によりはずれと判定された場合は前記低確率状態に変動させる確率変動制御手段とを備え、前記普通当たり状態において前記始動入賞口に複数の遊技球が入賞し、該複数の入賞に基づいて前記大当たり関係情報記憶手段に複数の前記第2乱数が記憶されると、該複数の第2乱数に対する複数の大当たり判定結果に基づく特別図柄が前記特別図柄表示手段に順次変動表示される遊技機であって、前記大当たり関係情報記憶手段に記憶された複数の前記第2乱数の全てについて、前記特別図柄表示手段に特別図柄が順次変動表示された後に、普通図柄が変動開始することを特徴とする。
また、請求項に係る発明の遊技機は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記大入賞口を複数備え、前記大当たり状態になると、前記複数の大入賞口が順次解放されることを特徴とする。
求項に係る発明の遊技機では、普通当たりによって開放された始動入賞口に複数の遊技球が入賞し、複数の大当たり判定結果に基づいて特別図柄が順次変動表示されるものであって、複数の大当たり判定結果の全てについて特別図柄が順次変動表示された後に、普通図柄が変動開始するようにした。すなわち、大当たり判定結果の全てについて特別図柄が変動表示された後に次の普通図柄が変動開始するので、最後の特別図柄が当たりを示す場合には高確率状態に遷移して、次の普通当たり判定がその高確率状態のもとで行われる一方、最後の特別図柄がはずれを示す場合には低確率状態に遷移して、次の普通当たり判定がその低確率状態のもとで行われ、連続当たりが適切に制御される。よって、連続当たりの制御により遊技内容に変化をもたせて、遊技者に満足感及び期待感を与えるとともに、遊技性を向上させることができる。
また、請求項に係る発明の遊技機では、請求項1に記載の発明の効果に加え、特別図柄表示手段に特別図柄が確定表示されると複数の大入賞口が順次解放される。よって、特別電動役物として複数の大入賞口が順次解放されるようにして、大当たり時の遊技の興趣を向上させることができる。
以下、本発明に係る遊技機を具体化したパチンコ機1の実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1はパチンコ機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠11で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、上皿5と下皿6との間にはスピーカ(図示外)がそれぞれ設けられている。また、上皿5の中央部左側に半円形をなすボタン式のスイッチ90が設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、後述の表示画面28,各種ランプ,LEDなどを備えた図柄表示装置8が設けられている。図柄表示装置8の左右上方には、電飾風車9,10がそれぞれ設けられている。図柄表示装置8の左右両側には、それぞれ普通図柄始動ゲート12,13が設けられており、普通図柄始動ゲート12,13の各々の直下に、始動入賞口14,15が設けられている。図柄表示装置8の下側には、2つの大入賞口16a,16bが上下に並べて設けられている。大入賞口16a,16bの左右両側には、普通入賞口19,20がそれぞれ設けられている。普通入賞口20の上方には、7セグメントLEDから構成される特別図柄表示部18が設けられている。なお、遊技盤2には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図3参照)、その他の電飾用のLED62(図3参照)、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
ここで、始動入賞口14,15及び大入賞口16a,16bは、所定のタイミングで開閉させる開閉部材を備えており、開閉部材が開放された場合のみ遊技球が入賞可能となっている。本実施の形態では、普通図柄始動ゲート12,13を遊技球が通過すると普通当たりかはずれかが判定されて、普通図柄表示部24に普通当たりを示す普通図柄を表示されると、普通電動役物として始動入賞口14,15が開放される。また、始動入賞口14,15に入賞すると大当たりかはずれかが判定されて、特別図柄表示部18に大当たりを示す特別図柄を表示されると、特別電動役物として大入賞口16a,16bが開放される。
そして、図柄表示装置8は、表示画面28、特別図柄記憶数表示LED60、普通図柄表示部24、普通図柄記憶数表示LED59の他、図示外の各種ランプやLEDなどにより構成される。図柄表示装置8の中央部には、正面視横長の長方形状のLCDで構成された表示画面28が配置されている。表示画面28の上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24と、4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59が設けられている。普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12,13に入賞し、普通図柄表示部24に普通当たり判定結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を4個まで表示することができる。また、表示画面28の直下には、4個のLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、始動入賞口14,15に入賞し、特別図柄表示部18に大当たり判定結果が表示されていない遊技球の個数、いわゆる特別図柄作動保留球数を4個までLEDの点灯で表示することができるようになっている。
図柄表示装置8に設けられた表示画面28には、デモ図柄表示部D1,デモ図柄表示部D3,デモ図柄表示部D2が左から順に並んで形成されている。デモ図柄表示部D1〜D3は数字や図柄等から成る複数種類のデモ図柄を表示可能であり、遊技者の目を惹くように広い領域を占めている。また、普通図柄表示部24及び特別図柄表示部18には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。なお、遊技盤2は、その裏面に図柄表示基板44(図3参照)を備えている。
本実施の形態のパチンコ機1では、遊技球が普通図柄始動ゲート12,13の何れを通過すると普通当たり判定が行われる。この普通当たり判定結果が当たりであれば、パチンコ機1が普通当たり状態となって始動入賞口14,15が開放され、遊技者は遊技球を始動入賞口14,15に入賞させることができる。ここで、普通図柄始動ゲート12,13の入賞についての普通当たり抽選結果は普通図柄表示部24に表示され、さらに表示画面28のデモ図柄表示部D1〜D3に表示される。デモ図柄表示部D1〜D3は、普通図柄表示部24よりも遊技者の目を惹くように構成されており、さらに、表示画面28の背景画面やその他の種々の電飾ランプ63やスピーカー48から出力される効果音等の演出と同期して普通当たり判定結果が報知されて、遊技者の関心や期待感を高める働きをしている。
ここで、普通図柄表示部24及び特別図柄表示部18での表示態様について説明する。普通図柄表示部24では、普通図柄始動ゲート12,13の入賞に基づく普通当たり判定結果を報知するための普通図柄が変動表示される。また、特別図柄表示部18では、始動入賞口14,15の入賞に基づく大当たり判定結果を報知するための特別図柄が変動表示される。本実施の形態では、普通図柄は「当たり(普通当たり)」又は「はずれ」のいずれかを示し、特別図柄は「当たり(大当たり)」又は「はずれ」のいずれかを示すものとする。
次に、表示画面28での表示態様について説明する。表示画面28は、普通当たり判定の報知を普通図柄表示部24で行うよりも、自由度をもたせて行うためのものである。この表示画面28では、デモ図柄表示部D1〜D3に後述するデモ図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、順に停止するようになっている。また、デモ図柄表示部D1〜D3の背景にも画像が表示されており、また、常にデモ図柄表示部D1〜D3に図柄が表示されているわけではなく、表示画面28に動画やメッセージ等も表示できるようになっている。なお、このデモ図柄表示部D1〜D3の配置、停止表示させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できることはいうまでもない。
ところで、本実施の形態パチンコ機1では、大当たり判定において「当たり」と判定される確率が高確率(21/22)に設定されている。また、普通当たり判定において「当たり」と判定される確率は、通常状態では低確率(1/256)に設定される一方、確率変動状態では高確率(65535/65536)に設定される。なお、「通常状態」は、電源ON時(初期状態時)などに制御されるデフォルトの遊技状態である。また、「確率変動状態」は特別電動役物の実行後に制御される遊技状態であるが、詳細は後述する。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について説明する。図3は、パチンコ機1の制御部40の電気的回路構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインターフェース54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続している。さらに、音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46の総合的な制御を行っており、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は表示画面28及び普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。
なお、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられている。そして、音基板43にはCPU43aや図示外の入力インターフェース、RAM及びROMが内蔵されており、図柄表示基板44にはCPU44aや図示外の入力インターフェース、RAM及びROMが内蔵されている。さらに、払出制御基板45にはCPU45aや図示外の入力インターフェース、RAM及びROMが内蔵されており、電飾基板46にはCPU46aや図示外の入力インターフェース、RAM及びROMが内蔵されている。また、主基板41のI/Oインターフェース54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。また、図示しないが、サブ統合基板58には、遊技者が操作するスイッチ90が接続される。
電飾基板46には、電飾風車9,10、普通図柄記憶数表示LED59、特別図柄記憶数表示LED60、LED62及び電飾ランプ63が接続されている。図柄表示基板44には、表示画面28、特別図柄表示部18及び普通図柄表示部24が接続されている。音基板43には、スピーカー48が接続されている。払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16a,16bの開閉部材を各々開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、始動入賞口14,15の開閉部材を各々開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、始動入賞口14,15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12,13に入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16a,16bに入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口19,20に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。なお、始動入賞口14,15、大入賞口16a,16b、普通入賞口19,20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46及びサブ統合基板58に各々接続し、直流の安定化した電力を供給している。なお、電源基板42には交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を各基板へ供給できるようになっている。なお、図3では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
また、パチンコ機1では、一定間隔の時間(本実施例では2ms)に割込信号発生回路57が発生する割込信号によって、主基板41のCPU51がメインルーチン処理(図9参照)を繰り返し実行しており、2ms以内に終了するようにプログラミングされている。このメインルーチン処理が繰り返し実行されることにより、パチンコ機1の主要動作が実施される。そして、メインルーチン処理の中でサブ統合基板58のCPU581へ様々なコマンド(例えば、特別図柄表示部18の変動を開始するコマンドや停止するコマンド、大入賞口16a,16bを開放するコマンドや閉鎖するコマンド等)を送信している。サブ統合基板58のCPU581では、主基板41のCPU51から送信されてきたコマンドに基づいて、表示画面28に表示される図柄やキャラクターなどを決定したり、その出現タイミングを決定したり、スピーカー48から出力される効果音を決定したり、その出力タイミングを決定したり、その他の電飾ランプ63を点滅させるタイミングを決定したりして、図柄表示基板44のCPU44a、音基板43のCPU43a、電飾基板46のCPU46aへの指示を行っている。
次に、ROM53の記憶エリアについて説明する。図4は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。図4に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア531、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア532、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア533、普通当たり判定結果を報知する際の普通図柄や、大当たり判定結果を報知する際の特別図柄が複数記憶されている図柄パターン記憶エリア534等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、RAM52の記憶エリアについて説明する。図5は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア521、各ゲートや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア522、普通図柄始動ゲート12,13への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア523、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア524、始動入賞口14,15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア525、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア526、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係情報記憶エリア527が設けられている。
さらに、RAM52には、大当たり状態であるか否かを示す大当たり状態フラグ、普通当たり状態であるか否かを示す普通当たり状態フラグ、高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグ等を記憶するフラグ情報記憶エリア528等が設けられている。また、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。なお、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、カウンタ記憶エリア521について説明する。図6は、カウンタ記憶エリア521の記憶エリアを示す概念図である。図6に示すように、カウンタ記憶エリア521には、普通当たり判定カウンタLC1記憶エリア521a、大当たり判定カウンタLC2記憶エリア521b、普通図柄選択カウンタLC3記憶エリア521c、特別図柄選択カウンタLC4記憶エリア521d、普通図柄変動時間カウンタTC1記憶エリア521e、特別図柄変動時間カウンタTC2記憶エリア521f、始動入賞口開放時間カウンタTC3記憶エリア521g、大入賞口開放時間カウンタTC4記憶エリア521h等が設けられており、種々のカウンタの値が記憶されている。これらの値は、後述する普通図柄処理(図10参照)や特別図柄処理(図12参照)などにおいて、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア523や大当たり関係情報記憶エリア525などに各々取り込まれて格納されたり、タイマカウンタとして使用されたりする。
普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、普通図柄選択カウンタLC3、特別図柄選択カウンタLC4の各値は、割込信号発生回路57からの割込信号に基づいて実行されるメインルーチン処理(図9参照)のカウンタ更新処理(S5)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。また、普通図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄変動時間カウンタTC2、始動入賞口開放時間カウンタTC3、大入賞口開放時間カウンタTC4は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理(S5)にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。
以下、各カウンタについて詳述する。普通当たり判定カウンタLC1の値(乱数)は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たり判定は普通図柄始動ゲート12,13への遊技球の通過を契機に行われ、「当たり」と判定されると始動入賞口14,15の開閉部材が所定時間開かれる。普通当たり判定カウンタLC1の最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上となった際に「0」へ戻る。従って、普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までのいずれかの値を取り、1周期は、512msとなる。
大当たり判定カウンタLC2の値は、大当たりを判定するために使用される。大当たり判定は始動入賞口14,15への遊技球の通過を契機に行われ、「当たり」と判定されると大入賞口16a,16bの開閉部材が所定時間開かれる。大当たり判定カウンタLC2の最大値は「299」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「299」以上となった際に「0」へ戻る。従って、大当たり判定カウンタLC2の値は「0」から「299」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。
普通図柄選択カウンタLC3の値は、普通図柄表示部24に表示される普通図柄を決定するために使用される。この普通図柄選択カウンタLC3の最大値は「39」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「40」以上となった際に「0」へ戻る。従って、普通図柄選択カウンタLC3の値は「0」から「39」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
特別図柄選択カウンタLC4の値は、特別図柄表示部18に表示される特別図柄を決定するために使用される。この特別図柄選択カウンタLC4の最大値は「39」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「40」以上となった際に「0」へ戻る。従って、特別図柄選択カウンタLC4の値は「0」から「39」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
普通図柄変動時間カウンタTC1は、普通図柄表示部24が変動を開始してから、全ての図柄が停止するまでの時間(変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動を終了させるタイミングを判断する。例えば、変動時間が10秒である場合には、初期値として「5000」がセットされる。
特別図柄変動時間カウンタTC2は、特別図柄表示部18が変動を開始してから、全ての図柄が停止するまでの時間(変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動を終了させるタイミングを判断する。例えば、変動時間が10秒である場合には、初期値として「5000」がセットされる。
始動入賞口開放時間カウンタTC3は、始動入賞口14,15を開放している時間を計測するためのタイマカウンタである。始動入賞口開放時間カウンタTC3は始動入賞口14,15の開放時に値が記憶され、カウンタ更新処理で1割込毎に「1」ずつ減算され、「0」となると開放時間が終了したと判断される。
大入賞口開放時間カウンタTC4は、大入賞口16a,16bを開放している時間を計測するためのタイマカウンタである。大入賞口開放時間カウンタTC4は大入賞口16a,16bの開放時に値が記憶され、カウンタ更新処理で1割込毎に「1」ずつ減算され、「0」となると開放時間が終了したと判断される。
次に、普通当たり関係情報記憶エリア523について説明する。図7は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア523を示す概念図である。図7に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア523には、判定エリア及び記憶エリア1〜4が設けられている。この普通当たり関係情報記憶エリア523は、後述する普通図柄処理(図10参照)で使用される。記憶エリア1〜4には、普通図柄始動ゲート12,13を遊技球が通過し、まだ普通当たり判定結果が報知されていない遊技球(普通図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。判定エリアには、現在行われている普通当たり判定結果の報知や普通当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
普通図柄処理(図10参照)において、普通図柄始動ゲート12,13の遊技球の通過が確認された場合には、記憶エリア1〜4の中で、普通図柄作動保留球数記憶エリア524の値(普通図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、普通図柄作動保留球数が「3」であれば、記憶エリア3に記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の普通図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、記憶エリア1に記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて普通当たり判定結果の報知が実行される。また、記憶エリア1が判定エリアにシフトされたことに伴い、記憶エリア2の値が記憶エリア1へ、記憶エリア3の値が記憶エリア2へ、記憶エリア4の値が記憶エリア3へと順にシフトされ、記憶エリア4の値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。すなわち、普通図柄始動ゲート12,13を通過した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、普通図柄作動保留球数の上限は4個であり、普通図柄作動保留球数記憶エリア524の値も「4」より大きい値を取ることはない。
なお、この判定エリア及び記憶エリア1〜4のそれぞれには、普通当たり乱数欄と普通図柄乱数欄が設けられており、普通当たり乱数と普通図柄乱数の各値が記憶される。具体的には、普通当たり乱数欄には普通当たり判定カウンタLC1の値が、普通図柄乱数欄には普通図柄選択カウンタLC3の値がそれぞれ記憶される。
次に、大当たり関係情報記憶エリア525について説明する。図8は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア525を示す概念図である。図8に示すように、大当たり関係情報記憶エリア525には、判定エリア及び記憶エリア1〜4が設けられている。この大当たり関係情報記憶エリア525は、後述する特別図柄処理(図12参照)において使用される。記憶エリア1〜4には、始動入賞口14,15へ遊技球が入賞し、まだ大当たり判定結果が報知されていない遊技球(特別図柄作動保留球)が取得した大当たり判定カウンタLC2の値が大当たり乱数として記憶される。判定エリアには、現在行われている大当たり判定結果の報知や大当たり遊技の基になった大当たり乱数が記憶されている。
特別図柄処理において、始動入賞口14,15への遊技球の入賞が確認された場合には、記憶エリア1〜4の中で、特別図柄作動保留球数記憶エリア526の値(特別図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が「3」であれば、記憶エリア3に記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、記憶エリア1に記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて大当たり判定結果の報知が実行される。また、記憶エリア1が判定エリアにシフトされたことに伴い、記憶エリア2の値が記憶エリア1へ、記憶エリア3の値が記憶エリア2へ、記憶エリア4の値が記憶エリア3へと順にシフトされ、記憶エリア4の値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。すなわち、始動入賞口14,15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、特別図柄作動保留球数の上限は4個であり、特別図柄作動保留球数記憶エリア526の値も「4」より大きい値を取ることはない。
なお、この判定エリア及び記憶エリア1〜4のそれぞれには、大当たり乱数欄と特別図柄乱数欄が設けられており、大当たり乱数と特別図柄乱数の各値が記憶される。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタLC2の値が、特別図柄乱数欄には特別図柄選択カウンタLC4の値がそれぞれ記憶される。
ここで、本実施の形態に係るパチンコ機1のメインルーチン処理について説明する。図9は、メインルーチン処理を示すフローチャートである。図9に示すように、割込みによってメインルーチン処理の処理が開始されると、まず制御コマンドをサブ基板に出力するコマンド出力処理が行なわれる(S1)。このコマンド出力処理では、表示装置8の表示制御,スピーカー48からの効果音の発生制御,その他各種ランプの点滅制御等をサブ統合基板58に行わせるコマンド、賞品球払出装置49の制御を指示するコマンド、中継基板を介して大入賞口16の開閉を制御するコマンド等の各種制御コマンドが、I/Oインターフェース54を介してサブ統合基板58,払出制御基板45,中継基板47に各々出力される。具体的には、メインルーチン処理のS3以降の各処理にて、サブ統合基板58に対して出力させる制御コマンドに対応したフラグと、その制御コマンドの変数がRAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される。すると、メインルーチン処理の次の巡目のコマンド出力処理にて、これらのフラグに対応した制御コマンドがROM53の制御コマンドテーブル記憶エリア533より選択され、その制御コマンドの変数とともにサブ統合基板58等に出力される。
次に、各種入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチ読込処理が行われる(S3)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12,13、始動入賞口14,15、大入賞口16a,16b、普通入賞口19,20等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、始動入賞口14,15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12,13に設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16a,16bに設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口19,20等の入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76等が遊技球の入賞を検出した場合に、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア522に各スイッチに対応したフラグが立てられる。尚、スイッチ読込処理はメインルーチン処理の割込み間隔、すなわち2ms毎に実行されることになるので、遊技球が各スイッチを通過する速度を考慮すると遊技球の入賞が検出された次のスイッチ読込処理の際にも入賞が検出されてしまう。このため、これらのフラグは、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて成立されるようになっている。また、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア522の各フラグがリセットされる。
次に、カウンタ記憶エリア521に記憶されているカウンタ値を更新するカウンタ更新処理(S5)が行われる。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア521に各々記憶されている普通当たり判定カウンタLC1,大当たり判定カウンタLC2,普通図柄選択カウンタLC3,特別図柄選択カウンタLC4(図6参照)の各値が上記の所定量だけ増加される。尚、更新されたカウンタ値が各ループカウンタに設定されている最大値(上限値)を越える場合には、各ループカウンタの値は「0」に戻るようにプログラムされている。また、普通図柄変動時間カウンタTC1,特別図柄変動時間カウンタTC2,始動入賞口開放時間カウンタTC3,大入賞口開放時間カウンタTC4の値は上記の所定量だけ減算される。
次に、普通当たり判定を行ってその結果を普通図柄表示部24に表示する普通図柄処理が行われる(S7)。普通図柄処理では、普通図柄始動ゲート12,13を通過した遊技球がある場合に、カウンタ記憶エリア521に記憶されているカウンタ値を普通当たり関係情報記憶エリア523に取り込んで普通当たりかどうかを判定する。そして、普通図柄表示部24への表示態様を決定したり、普通図柄表示部24の変動開始指示や停止指示をサブ統合基板58へ与えたりしている。この普通図柄処理の詳細については、図10のフローチャートを参照して後述する。
次に、普通当たり状態の遊技制御を行う普通電動役物処理が行われる(S9)。この普通電動役物処理では、普通当たりである場合の始動入賞口14,15の開放や閉鎖の制御が行われる。本処理は、普通図柄始動ゲート12,13を遊技球が通過し、その判定結果が「当たり」であった場合に、その判定結果の報知終了後に普通電動役物処理フラグが「ON」となると実施される。普通電動役物処理フラグが「OFF」である間は何も処理が行われない。この普通電動役物処理については、図11のフローチャートを参照して後述する。
次に、大当たり判定を行ってその結果を特別図柄表示部18に表示する特別図柄処理が行われる(S11)。特別図柄処理では、始動入賞口14,15に入賞した遊技球がある場合に、カウンタ記憶エリア521に記憶されているカウンタ値を大当たり関係情報記憶エリア525に取り込んで大当たりかどうかを判定する。そして、特別図柄表示部18への表示態様を決定したり、特別図柄表示部18の変動開始指示や停止指示をサブ統合基板58へ与えたりしている。この特別図柄処理の詳細については、図12のフローチャートを参照して後述する。
次に、大当たり状態の遊技制御を行う特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大当たりである場合の大入賞口16a,16bの開放や閉鎖の制御が行われる。本処理は、始動入賞口14,15に遊技球が入賞し、その判定結果が「当たり」であった場合に、その判定結果の報知終了後に特別電動役物処理フラグが「ON」となると実施される。特別電動役物処理フラグが「OFF」である間は何も処理が行われない。この特別電動役物処理については、図13のフローチャートを参照して後述する。
次に、賞球の払い出しを行う払出処理が行われ(S15)、エラーチェックが行われる(S17)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示装置8にエラー表示を行わせたり、電飾ランプ63にエラー時の点灯・点滅パターンを行わせたり、スピーカー48からエラー音を発音させたりするため、コマンド出力処理(S1)にてサブ統合基板58にエラーコマンド出力させるためのフラグ(図示外)が立てられる。そして、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報,始動情報,確率変動情報,時間短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメインルーチン処理は終了し、割込信号発生回路57からの次の割込信号によって最初からメインルーチン処理が開始される。
具体的には、遊技者が遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に打ち込み、遊技球が普通図柄始動ゲート12,13を通過すると、スイッチ読込処理(S3)で入賞球フラグ記憶エリア522の対応するフラグが「ON」となる。そして、普通図柄処理(S7)で、普通当たり関係情報記憶エリア523に取り込まれたカウンタ値に基づいて、普通図柄表示部24の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示部24の変動が停止して「当たり」が報知されると、普通電動役物処理(S9)では始動入賞口14,15が開放される普通当たり状態となる。
また、普通当たり状態によって遊技球が始動入賞口14,15に入賞すると、スイッチ読込処理(S3)で入賞球フラグ記憶エリア522の対応するフラグが「ON」となる。そして、特別図柄処理(S11)で、大当たり関係情報記憶エリア525に取り込まれたカウンタ値に基づいて、特別図柄表示部18の変動表示が開始される。そして、特別図柄表示部18の変動が停止して「当たり」が報知されると、特別電動役物処理(S13)では大入賞口16a,16bが開放される大当たり状態となる。
ここで、普通図柄処理(S7)の詳細について説明する。図10は、普通図柄処理(S7)の詳細を示すフローチャートである。図10に示すように、普通図柄処理が開始されると、まず普通図柄始動ゲート12,13を遊技球が通過しているか否かが判断される(S101)。ここで、スイッチ読込処理(S3)では、普通図柄始動ゲート12,13に設けられている普通図柄作動スイッチ73が遊技球の通過を検出すると、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア522の普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」となる。そこで、S101では、この普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」かどうかの判断が行われ、「OFF」の場合には(S101:NO)、S109へ進む。普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」である場合、すなわち普通図柄始動ゲート12,13を遊技球が通過した場合(S101:YES)、普通図柄の作動保留球数が「4」か否かの判断が行われる(S103)。前述したように、パチンコ機1では、普通図柄作動保留球数は記憶エリア1〜4に対応する4個まで記憶され、それ以上の記憶は行われず破棄される仕様となっている。従って、RAM52の普通図柄作動保留球数記憶エリア524の値が「4」である場合は(S103:YES)、これ以上遊技球を保留することができないので、何もせずにS109へ進む。
普通図柄作動保留球数が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合(S103:NO)、普通図柄作動保留球数記憶エリア524の値に「1」加算される(S105)。そして、普通当たり関係情報記憶エリア523にカウンタ記憶エリア521のカウンタ値を取り込む乱数取得処理(S107)が行われる。具体的には、普通当たり関係情報記憶エリア523(図7参照)の記憶エリア1〜4のうち、普通図柄作動保留球数記憶エリア524の値に対応する番号の記憶エリアに、カウンタ記憶エリア521に記憶されている普通当たり判定カウンタLC1と普通図柄選択カウンタLC3の各値が取り込まれて、それぞれ普通当たり乱数と普通図柄乱数として記憶される。
次に、普通電動役物処理が作動中か否かの判断が行われる(S109)。具体的には、RAM52の普通電動役物作動フラグに「1」が記憶されているか否かによって判断される。普通電動役物作動フラグが「ON」であれば(S109:YES)、普通当たり状態中であるため、普通当たり判定や普通図柄表示部24への指示は行わない。一方、普通電動役物作動フラグが「OFF」である場合(S109:NO)、普通図柄表示部24が変動中か否かの判断が行われる(S111)。この判断は、普通図柄変動中フラグが「ON」であるか否かにより行われる。この普通図柄変動中フラグは、本普通図柄処理で普通図柄開始コマンドがセットされた後に「1」がセットされて「ON」となり(S137)、普通図柄停止コマンドがセットされた後に「0」が記憶され「OFF」とされる(S143)。
そして、普通電動役物処理が作動中でなく、かつ普通図柄が変動中でない場合(S109:NO、S111:NO)、以下のように普通当たり判定が行われる。まず、普通図柄作動保留球数がありか否かが判定される(S113)。普通図柄作動保留球数記憶エリア524の記憶数が「0」でなければ、普通図柄作動保留球数があるため(S113:YES)、普通当たり判定のための判定シフト処理が実行される(S115)。この判定シフト処理では、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア523の記憶エリア1に記憶された各値が判定エリアへシフトされる。同様に、記憶エリア2〜4に記憶されている各値も一つずつ記憶エリアがシフトされる。すなわち、記憶エリア2の値が記憶エリア1へ、記憶エリア3の値が記憶エリア2へ、記憶エリア4の値が記憶エリア3へ移動され、記憶エリア4の各値がクリアされる。そして、普通図柄作動保留球数記憶エリア524の記憶数が「1」減算される。
そして、判定エリアの普通当たり乱数欄(LC1)に記憶されている値を用いて、普通当たりか否かの判断が行われる(S117)。この普通当たり判定処理では、判定エリアの普通当たり乱数欄(LC1)に記憶されている値が普通当たりとして決められている特定の値であるか否かが判定される。ここで、確率変動フラグが「OFF」となっている場合、普通当たりと判定される確率が低い通常状態であり、確率変動フラグが「ON」となっている場合、普通当たりと判定される確率が高い確率変動状態である。本実施の形態では、通常状態での普通当たり確率は1/256であり、確率変動状態での普通当たり確率は65535/65536である。
その結果、普通当たりと判定された場合には(S117:YES)、判定エリアの普通図柄乱数欄(LC3)に記憶されている普通図柄乱数に基づいて、図柄パターン記憶エリア534に記憶されている「当たり」を示す普通図柄から1つを選択する(S119)。一方、普通当たりと判定されなかった場合には(S117:NO)、判定エリアの普通図柄乱数欄(LC3)に記憶されている普通図柄乱数に基づいて、図柄パターン記憶エリア534に記憶されている「はずれ」を示す普通図柄から1つを選択する(S131)。
そして、普通当たり判定結果の報知開始を指示する普通図柄開始コマンドが、S119又はS131で決定された普通図柄を示すコードと共に、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S135)。さらに、普通図柄変動中フラグに「1」が記憶され「ON」となり、普通図柄が変動中であることを示すようになる(S137)。
一方、普通図柄が変動中の場合は(S111:YES)、既に通過した遊技球についての普通当たり判定結果の変動表示中であり、これが終わるまでは次の入賞球についての処理は行わないので、変動を終了するか否かの判断が行われる(S139)。なお、この判断は、図柄変動時間がセットされている普通図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となったか否かにより行われる。本実施の形態では、普通図柄変動時間カウンタTC1には、所定の図柄変動時間(例えば、6秒)がセットされるが、後述するように、特別図柄作動保留球数がある場合は図柄変動時間として18秒がセットされる。そして、普通図柄の変動が終了するタイミングであれば(S139:YES)、普通図柄停止コマンドがRAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶され(S141)、普通図柄変動中フラグに「0」が記憶され「OFF」とされる(S143)。そして、普通当たりであれば(S144:YES)、普通電動役物作動フラグに「1」が記憶され「ON」とされる(S145)。なお、S109:YES,S113:YES,S137,S139:NO,S144:NO,S149の何れかの実行後は、普通図柄処理(図10)を終了する。
以上のようにして、普通図柄処理(図10)では、普通図柄始動ゲート12,13への入賞に基づいて、普通図柄表示部24に表示する普通図柄を決定したり、図柄変動の開始や終了の指示コマンドをサブ統合基板58へ送信したりすることができる。そして、普通図柄表示部24には、普通当たり判定結果を示す普通図柄が所定時間(ここでは、6秒あるいは18秒)変動表示された後に確定表示される。
ところで、本実施の形態のパチンコ機1では、普通図柄表示部24だけでなく、遊技者の目を惹くデモ図柄表示部D1〜D3においても普通当たり判定結果を報知している。つまり、普通図柄表示部24で表示される普通当たり判定結果と同じ内容を示すデモ図柄を、デモ図柄表示部D1〜D3に表示することで遊技者の期待感や演出の多様性を向上させている。デモ図柄表示部D1〜D3におけるデモ図柄表示は、上記の主基板41からの指示コマンドに応じてサブ統合基板58により制御される。
次に、普通電動役物処理(S9)の詳細について説明する。図11は、普通電動役物処理(S9)の詳細を示すフローチャートである。図11に示すように、普通電動役物処理が開始されると、まず普通電動役物作動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっているか否かの判断が行われる(S201)。普通電動役物作動フラグが「ON」となっている場合には(S201:YES)、始動入賞口14,15を開放する始動入賞口開放処理が実行される(S203)。始動入賞口開放処理では、始動入賞口開放コマンドのセットが行われ、始動入賞口開放フラグに「1」が記憶されて「ON」となる。そして、始動入賞口14,15の開放時間を計測するために、始動入賞口開放時間カウンタTC3に開放時間が記憶される。また、始動入賞口14,15に入賞した遊技球の数を計数するための始動入賞口入賞球カウンタに「0」が記憶されてクリアされる。その後、始動口スイッチ72が始動入賞口14,15への遊技球の入賞を検知したか否かが判断され(S205)、入賞を検知した場合には(S205:YES)、始動入賞口入賞球数カウンタに「1」が加算される(S207)。入賞を検知していない場合には(S205:NO)、何も行われない。
そして、所定の開放時間が経過したか否かの判断が行われる(S209)。この判断は、始動入賞口14,15が開放された時点でセットされている始動入賞口開放時間カウンタTC3の値が「0」となったか否かにより行われる。本実施の形態では、始動入賞口開放時間カウンタTC3には、始動入賞口14,15の開放時間として5.9秒がセットされる。始動入賞口開放時間カウンタTC3の値が「0」でなく、まだ開放時間が経過していない場合には(S209:NO)、規定数の遊技球が入賞したか否かの判断が行われる(S211)。この判断は、始動入賞口入賞球数カウンタの値が規定数以上であるか否かにより行われる。本実施の形態では、始動入賞口入賞球数カウンタが5球以上であれば規定数以上であると判定される。規定球以上でない場合には(S211:NO)、引き続き始動入賞口14,15を開放させておくので、S205に戻る。開放時間が経過した場合(S209:YES)、又は規定数の遊技球が入賞した場合には(S211:YES)、始動入賞口14,15を閉鎖させるための始動入賞口閉鎖処理を行う(S213)。始動入賞口閉鎖処理では、始動入賞口閉鎖コマンドのセットが行われ、始動入賞口開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる。なお、S201:NO,S213の何れかの実行後は、普通電動役物処理(図11)を終了する。
以上のようにして、普通電動役物処理(図11)では、普通当たりによって始動入賞口14,15の開放及び閉鎖を行ったり、普通電動役物の開始や終了の指示コマンドをサブ統合基板58へ送信したりすることができる。そして、本実施の形態では、1回の普通電動役物につき、5.9秒経過又は5球入賞するまで始動入賞口14,15が開放される。そして、始動入賞口14,15への1つの入賞につき15個の賞球が払い出されるように制御される。
次に、特別図柄処理(S11)の詳細について説明する。図12は、特別図柄処理(S11)の詳細を示すフローチャートである。図12に示すように、特別図柄処理が開始されると、まず始動入賞口14,15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S301)。ここで、スイッチ読込処理(S3)では、始動入賞口14,15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア522の始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となる。そこで、S301では、この始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」かどうかの判断が行われ、「OFF」の場合には(S301:NO)、S309の処理へ進む。入賞球フラグ記憶エリア522の始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」である場合、すなわち始動入賞口14,15に遊技球が入賞した場合(S301:YES)、特別図柄作動保留球数が「4」か否かの判断が行われる(S303)。前述したように、パチンコ機1では、特別図柄作動保留球数は記憶エリア1〜4に対応する4個まで記憶され、それ以上の記憶は行われず破棄される仕様となっている。従って、RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリア526の値が「4」である場合は(S303:YES)、これ以上遊技球を保留することができないので、何もせずにS309の処理へ進む。
特別図柄作動保留球数が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合(S303:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア526の値に「1」加算される(S305)。そして、大当たり関係情報記憶エリア525にカウンタ記憶エリア521のカウンタ値を取り込む乱数取得処理(S307)が行われる。具体的には、大当たり関係情報記憶エリア525(図8参照)の記憶エリア1〜4のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア526の値に対応する番号の記憶エリアに、カウンタ記憶エリア521に記憶されている大当たり判定カウンタLC2と特別図柄選択カウンタLC4の各値が取り込まれて、それぞれ大当たり乱数と特別図柄乱数として記憶される。
次に、特別電動役物処理が作動中か否かの判断が行われる(S309)。具体的には、RAM52の特別電動役物作動フラグに「1」が記憶されているか否かによって判断される。特別電動役物作動フラグが「ON」であれば(S309:YES)、大当たり状態中であるため、大当たり判定や特別図柄表示部18への指示は行わない。一方、特別電動役物作動フラグが「OFF」である場合(S309:NO)、特別図柄表示部18が変動中か否かの判断が行われる(S311)。この判断は、特別図柄変動中フラグが「ON」であるか否かにより行われる。この特別図柄変動中フラグは、本特別図柄処理で特別図柄開始コマンドがセットされた後に「1」がセットされて「ON」となり(S337)、特別図柄停止コマンドがセットされた後に「0」が記憶され「OFF」とされる(S343)。
そして、特別電動役物処理が作動中でなく、かつ特別図柄が変動中でない場合(S309:NO、S311:NO)、以下のように大当たり判定が行われる。まず、特別図柄作動保留球数がありか否かが判定される(S313)。特別図柄作動保留球数記憶エリア526の記憶数が「0」でなければ、特別図柄作動保留球数があるため(S313:YES)、大当たり判定のための判定シフト処理が実行される(S315)。この判定シフト処理では、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア525の記憶エリア1に記憶された各値が判定エリアへシフトされる。同様に、記憶エリア2〜4に記憶されている各値も一つずつ記憶エリアがシフトされる。すなわち、記憶エリア2の値が記憶エリア1へ、記憶エリア3の値が記憶エリア2へ、記憶エリア4の値が記憶エリア3へ移動され、記憶エリア4の各値がクリアされる。そして、特別図柄作動保留球数記憶エリア526の記憶数が「1」減算される。
そして、判定エリアの大当たり乱数欄(LC2)に記憶されている値を用いて、大当たりか否かの判断が行われる(S317)。この大当たり判定処理では、判定エリアの大当たり乱数欄(LC2)に記憶されている値が大当たりとして決められている特定の値であるか否かが判定される。本実施の形態では、大当たり確率は21/22である。なお、後述するように、「当たり」と判定された場合は、特別電動役物の終了後に確率変動フラグが「O」にセットされて確率変動状態となる。一方、「はずれ」と判定された場合は、確率変動フラグが「OFF」にセットされて通常状態となる。
その結果、大当たりと判定された場合には(S317:YES)、判定エリアの特別図柄乱数欄(LC4)に記憶されている特別図柄乱数に基づいて、図柄パターン記憶エリア534に記憶されている「当たり」を示す特別図柄から1つを選択する(S319)。一方、大当たりと判定されなかった場合には(S317:NO)、判定エリアの特別図柄乱数欄(LC4)に記憶されている特別図柄乱数に基づいて、図柄パターン記憶エリア534に記憶されている「はずれ」を示す特別図柄から1つを選択する(S331)。そして、確率変動フラグが「OFF」にセットされて(S333)、それ以降の遊技状態は、普通図柄処理(図10)で普通当たりと判定される確率が低い通常状態となる。
そして、大当たり判定結果の報知開始を指示する特別図柄開始コマンドが、S319又はS331で決定された特別図柄を示すコードと共に、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S335)。さらに、特別図柄変動中フラグに「1」が記憶され「ON」となり、特別図柄が変動中であることを示すようになる(S337)。
一方、特別図柄が変動中の場合は(S311:YES)、既に入賞した遊技球についての大当たり判定結果の変動表示中であり、これが終わるまでは次の入賞球についての処理は行わないので、変動を終了するか否かの判断が行われる(S339)。なお、この判断は、図柄変動時間がセットされている特別図柄変動時間カウンタTC2の値が「0」となったか否かにより行われる。本実施の形態では、特別図柄変動時間カウンタTC2には、図柄変動時間として0.2秒がセットされる。そして、特別図柄の変動が終了するタイミングであれば(S339:YES)、特別図柄停止コマンドがRAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶され(S341)、特別図柄変動中フラグに「0」が記憶され「OFF」とされる(S343)。そして、大当たりであれば(S344:YES)、特別電動役物作動フラグに「1」が記憶され「ON」とされる(S345)。なお、S309:YES,S313:YES,S337,S339:NO,S344:NO,S349の何れかの実行後は、特別図柄処理(図12)を終了する。
以上のようにして、特別図柄処理(図12)では、始動入賞口14,15への入賞に基づいて、特別図柄表示部18に表示する特別図柄を決定したり、図柄変動の開始や終了の指示コマンドをサブ統合基板58へ送信したりすることができる。そして、特別図柄表示部18には、大当たり判定結果を示す特別図柄が0.2秒変動表示された後に確定表示される。
次に、特別電動役物処理の詳細(S13)について説明する。図13は、特別電動役物処理(S13)の詳細を示すフローチャートである。図13に示すように、特別電動役物処理が開始されると、まず特別電動役物作動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっているか否かの判断が行われる(S401)。特別電動役物作動フラグが「ON」となっている場合には(S401:YES)、大入賞口16aを開放する第1大入賞口開放処理が実行される(S403)。
第1大入賞口開放処理では、大入賞口16aを開放させる第1大入賞口開放コマンドのセットが行われ、第1大入賞口開放フラグに「1」が記憶されて「ON」となる。そして、大入賞口16aの開放時間を計測するために、大入賞口開放時間カウンタTC4に開放時間が記憶される。本実施の形態では、大入賞口開放時間カウンタTC4には、大入賞口16aの開放時間として1秒がセットされる。また、大入賞口16aに入賞した遊技球の数を計数するための第1大入賞口入賞球カウンタに「0」が記憶されてクリアされる。その後、カウントスイッチ75が大入賞口16aへの遊技球の入賞を検知したか否かが判断され(S405)、入賞を検知した場合には(S405:YES)、第1大入賞口入賞球数カウンタに「1」が加算される(S407)。入賞を検知していない場合には(S405:NO)、何も行われない。
そして、所定の開放時間が経過したか否かの判断が行われる(S409)。この判断は、大入賞口16aが開放された時点でセットされている大入賞口開放時間カウンタTC4の値が「0」となったか否かにより行われる。大入賞口開放時間カウンタTC4の値が「0」でなく、まだ開放時間が経過していない場合には(S409:NO)、規定数の遊技球が入賞したか否かの判断が行われる(S411)。この判断は、第1大入賞口入賞球数カウンタの値が規定球以上であるか否かにより行われる。本実施の形態では、第1大入賞口入賞球数カウンタが1球以上であれば規定数以上であると判定される。規定球以上でない場合には(S411:NO)、引き続き大入賞口16aを開放させておくので、S403に戻る。開放時間が経過した場合(S409:YES)、又は規定数の遊技球が入賞した場合には(S411:YES)、大入賞口16aを閉鎖させるための第1大入賞口閉鎖処理を行う(S413)。第1大入賞口閉鎖処理では、第1大入賞口閉鎖コマンドのセットが行われ、第1大入賞口開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる。
次に、大入賞口16bを開放する第2大入賞口開放処理(S415)が実行される。第2大入賞口開放処理では、大入賞口16bを開放させる第2大入賞口開放コマンドのセットが行われ、第2大入賞口開放フラグに「1」が記憶されて「ON」となる。そして、大入賞口16bの開放時間を計測するために、大入賞口開放時間カウンタTC4に開放時間が記憶される。本実施の形態では、大入賞口開放時間カウンタTC4には、先述と同様に大入賞口16bの開放時間として1秒がセットされる。そして、大入賞口16bに入賞した遊技球の数を計数するための第2大入賞口入賞球カウンタに「0」が記憶されてクリアされる。その後、カウントスイッチ75が大入賞口16bへの遊技球の入賞を検知したか否かが判断され(S417)、入賞を検知した場合には(S417:YES)、第2大入賞口入賞球数カウンタに「1」が加算される(S419)。入賞を検知していない場合には(S417:NO)、何も行われない。
そして、所定の開放時間が経過したか否かの判断が行われる(S421)。この判断は、大入賞口16bが開放された時点でセットされている大入賞口開放時間カウンタTC4の値が「0」となったか否かにより行われる。大入賞口開放時間カウンタTC4の値が「0」でなく、まだ開放時間が経過していない場合には(S421:NO)、規定数の遊技球が入賞したか否かの判断が行われる(S423)。この判断は、第2大入賞口入賞球数カウンタの値が規定球以上であるか否かにより行われる。本実施の形態では、第2大入賞口入賞球数カウンタが1球以上であれば規定数以上であると判定される。規定球以上でない場合には(S423:NO)、引き続き大入賞口16bを開放させておくので、S417に戻る。開放時間が経過した場合(S421:YES)、又は規定数の遊技球が入賞した場合には(S423:YES)、大入賞口16bを閉鎖させるための第2大入賞口閉鎖処理を行う(S425)。第2大入賞口閉鎖処理では、第2大入賞口閉鎖コマンドのセットが行われ、第2大入賞口開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる。
その後、確率変動フラグが「ON」にセットされて(S427)、それ以降の遊技状態は、普通図柄処理(図10)で普通当たりと判定される確率が高い確率変動状態となる。なお、S401:NO,S427の何れかの実行後は、特別電動役物処理(図13)を終了する。ところで、本実施の形態では、始動入賞口14,15に遊技球1つの入賞につき、大入賞口16a,16bが交互に一回ずつ開放されるような特別電動役物が実行されるところ、先述のように1回の普通当たり状態につき最大保留球数が5つであるため、1回の大当たり状態につき最大開放回数は10回となる。
以上のようにして、特別電動役物処理(図13)では、大当たりによって大入賞口16a,16bの開放及び閉鎖を行ったり、特別電動役物の開始や終了の指示コマンドをサブ統合基板58へ送信したりすることができる。そして、本実施の形態では、1回の特別電動役物につき、それぞれ1秒経過又は1球入賞するまで、大入賞口16a,16bが順に開放される。そして、大入賞口16a,16bへの1つの入賞につき6個の賞球が払い出されるように制御される。
ここで、上述したパチンコ機1の遊技状態及び図柄変動の制御について、具体例を挙げて説明する。図14及び図15は、パチンコ機1での各制御を時間経過に対応付けて表したタイミングチャート図である。なお、図14及び図15では、パチンコ機1の各制御として、作動SW(普通図柄作動スイッチ73),普通図柄(普通図柄表示部24),普通電動役物(始動入賞口14,15),始動SW(始動口スイッチ72),特別図柄(普通図柄表示部24),特別電動役物(大入賞口16a,16b),条件装置,確率変動を対応付けている。「条件装置」は大当たり状態の作動・停止を示すものであり、「確率変動」は確率変動状態の作動・停止を示すものである。以下では、遊技球が普通図柄始動ゲート12,13を通過してから普通電動役物及び特別電動役物が実行されるまでのパチンコ機1の制御を例示して説明する。
まず、普通当たり及び大当たりが連続発生する場合の制御パターンの一例を説明する。図14に示すように、普通図柄始動ゲート12,13を遊技球が通過すると、普通図柄作動スイッチ73により検出される(S3)。そして、普通当たりか否かが判定されて、その判定結果を示す普通図柄が普通図柄表示部24で変動表示される(S7)。本実施の形態では、普通図柄は所定時間(例えば、6秒)で変動し、通常状態での普通当たり確率は1/256である。また、普通当たりか否かの判定結果は、表示画面28のデモ図柄表示部D1〜D3においてデモ図柄によって表示される。なお、図14では始動入賞口14,15を3つの遊技球が通過しているが、先頭の1つ以外は普通図柄作動保留球(以下、普図保留球とよぶ)となる。
最初の普通当たり判定結果(図7に示す判定エリア)が普通当たりと判定された場合は、普通図柄表示部24及び表示画面28で「当たり」を示す普通図柄が確定表示された後に、始動入賞口14,15が5.9秒開放される普通電動役物が実行される(S9)。そして、始動入賞口14,15に遊技球が入賞すると始動口スイッチ72により検出される(S3)。そして、大当たりか否かが判定されて、その判定結果を示す特別図柄が特別図柄表示部18で0.2秒変動表示される(S11)。本実施の形態では、大当たり確率は21/22である。なお、図14では、普通当たりと判定されて普通電動役物が実行され、始動入賞口14,15に5つの遊技球が入賞しているが、先頭の1つ以外は特別図柄作動保留球(以下、特図保留球とよぶ)となる。
最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)が大当たりである場合は、条件装置が作動する遊技状態(大当たり状態)となる。すなわち、特別図柄表示部18で「当たり」を示す特別図柄が確定表示された後に、大入賞口16aが1秒開放され、その0.8秒後に大入賞口16bが1秒開放される特別電動役物が実行される(S13)。そして、大入賞口16a,16bに遊技球が入賞するとカウントスイッチ75により検出され、その入賞に基づいて賞球が払い出される(S15)。なお、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)が「はずれ」である場合は、特別電動役物は実行されずに、普通当たりと判定される確率が低い遊技状態(通常状態)に遷移する(S11)。
一方、大当たり状態の終了後は、普通当たりと判定される確率が高い遊技状態(確率変動状態)に遷移する(S13)。さらに、始動入賞口14,15に入賞している場合(特図保留球がある場合)は、次の入賞について大当たりか否かが判定されて、その判定結果を示す特別図柄が特別図柄表示部18で変動表示される(S11)。ここで、本実施の形態では、普通図柄始動ゲート12,13に複数入賞した場合(普図保留球がある場合)であって、その普通電動役物によって始動入賞口14,15に複数入賞した場合は(特図保留球がある場合)、次の特図保留球(図8に示す記憶エリア1)についての図柄変動時間(特別図柄変動時間カウンタTC2)は、0.2秒ではなく2.5秒となるように制御される。その理由を以下に述べる。
この場合、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)が大当たりとなると、先述のように、その大当たりに基づいて特別電動役物が実行された後は確率変動状態に移行する。このとき、普通当たりを連続発生させるために、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)についての図柄変動を、当該確率変動状態時に行う必要がある。つまり、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)についての図柄変動を当該確率変動状態中に開始させるタイミング調整のために、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)についての変動時間(すなわち、確率変動状態の発生期間)を2.5秒と長めに設定している。
そして、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)が確定表示される前に(すなわち、確率変動状態が終了する前に)、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)についての図柄変動が開始される。詳細には、確率変動状態のもとで普通当たりか否かが判定されて、その判定結果を示す普通図柄が普通図柄表示部24で18秒変動表示される(S7)。本実施の形態では、確率変動状態での普通当たり確率は65535/65536であるが、本発明は本実施形態の確率に限定されるものではない。なお、図14は、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)が普通当たりである場合を示している。
その後、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)が確定表示されて、それが「当たり」である場合は大当たり状態に遷移して、先述と同様に特別電動役物が実行され(S13)、大当たり状態終了後に確率変動状態に遷移する(S13)。一方、「はずれ」である場合は、特別電動役物は実行されずに通常状態に遷移する(S11)。上記の処理が、他の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア2〜4)についても同様に実行される。なお、図14では、他の特図保留球(図8に示す記憶エリア2〜4)の大当たり判定結果も、全て「当たり」である場合を示している。
ここで、本実施の形態では、特図保留球がある場合の普通図柄の変動時間は、通常の普通図柄の変動時間(6秒)とは異なり、18秒と長めに設定してある。これは、特図保留球がある状態で普通図柄が変動する場合は、当該普通図柄の図柄変動が終了する前に、特図保留球に関する特別図柄変動及び特別電動役物が全て完了するようにするためである。これにより、大当たりに基づく特別電動役物と普通当たりに基づく普通電動役物とが、同じタイミングで重複して発生することが防止される。なお、図柄変動時間は任意の長さに設定可能であり、例えば、特図保留球がある場合の普通図柄の変動時間を、通常の普通図柄の変動時間と同一としてもよい。
そして、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)が普通当たりであれば、先述と同様に、「当たり」を示す普通図柄が確定表示された後に普通電動役物が実行される(S9)。そして、始動入賞口14,15に遊技球が入賞すると、大当たり判定結果を示す特別図柄が特別図柄表示部18で変動表示され(S11)、その判定結果に応じた処理が先述のように実行される。
このように、本実施の形態のパチンコ機1では、普通図柄始動ゲート12,13に入賞し、普通当たり判定結果(図7に示す判定エリア)に基づいて普通図柄が変動表示され、普通当たりであれば普通電動役物が実行される。そして、この普通電動役物によって始動入賞口14,15に複数の遊技球が入賞し、複数の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)に基づいて特別図柄が順次変動表示される。そして、普図保留球(図7に示す記憶エリア1〜4)が存在する状態で、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)として「当たり」を示す特別図柄が表示された場合は、以下のように制御される。
すなわち、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)に基づく大当たり状態の終了後(確率変動状態中)に、次の普通図柄判定結果(図7に示す記憶エリア1)について図柄変動が開始するようにしている。これにより、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)である「当たり」に基づいて確率変動状態に移行し、当該確率変動状態のもとで次の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア1)が行われるため、その後に他の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)が「はずれ」となって通常状態に移行しても、すでになされた普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)に影響を与えない。
そのため、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)が「当たり」であれば、その後の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)が「はずれ」でも、次の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア1)は確率変動状態のもとで「当たり」と判定される確率が高く、再び普通当たり状態となって連続当たりが発生する確率が高い。
次に、普通当たり及び大当たりの連続発生が終了する場合の制御パターンの一例を説明する。図15に示すように、まず図14と同様に、普通図柄始動ゲート12,13に入賞し、最初の普通当たり判定結果(図7に示す判定エリア)に基づいて普通図柄が変動表示され、普通当たりであれば普通電動役物が実行される。そして、始動入賞口14,15に複数の遊技球が入賞し、複数の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)に基づいて特別図柄が順次変動表示される。
ここで、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)がはずれである場合は、特別電動役物が実行されずに、普通当たりと判定される確率が低い遊技状態(通常状態)に遷移することになる(S11)。そのため、図15に示すように、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)として「はずれ」を示す特別図柄の確定表示後は、「特電役物」,「条件装置」,「確率変動」の各状態は変化していない。
そして、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)が確定表示される前に、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)についての図柄変動が開始される。詳細には、通常状態のもとで普通当たりか否かが判定されて、その判定結果を示す普通図柄が普通図柄表示部24で18秒変動表示される(S7)。本実施の形態では、通常状態での普通当たり確率は1/256である。なお、図15は、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)が「はずれ」である場合を示している。
ところで、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)が確定表示される前に、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)の図柄変動が開始するようにしたのは、以下の理由による。すなわち、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)が「はずれ」の場合は、次の普図保留球の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア1)を普通当たり確率が低い通常状態で行う必要がある。しかし、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)が「当たり」となって確率変動状態に移行した後に、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)が図柄変動すると、確率変動状態では普通当たり確率が高くなるため、本来「はずれ」と判定すべきところを「当たり」と判定される不具合が生じる問題がある。具体的には、本実施の形態の場合、確率変動状態では普通当たり確率が65535/65536であるから、すべて「当たり」と判定されやすくなる問題が生じる。
そこで、本実施の形態では、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)が大当たりとなって確率変動状態に移行する前(ここでは、特別図柄が確定表示される前)に、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)について図柄変動が開始されるようにしている。
その後、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)が確定表示されて、それが「当たり」である場合は大当たり状態に遷移して、先述と同様に特別電動役物が実行され(S13)、大入賞口16a,16bへの入賞に基づいて賞球が払い出され(S15)、大当たり状態の終了後に確率変動状態に遷移する(S13)。一方、「はずれ」である場合は、大当たり状態は実行されずに通常状態に遷移する(S11)。上記の処理が、他の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア2〜4)についても同様に実行される。
ところで、本実施の形態では、複数の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)が複数の「はずれ」となった場合は、普通当たり及び大当たりの連続発生を終了させるように制御される。具体的に、図15では、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)と、3つ目の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア3)とが複数「はずれ」となっている。そのため、最後(4つ目)の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア4)が大当たりと判定されても、その大当たり状態の終了後は確率変動状態ではなく通常状態に移行するように制御されている。
もし複数の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)が複数「はずれ」となった場合に、その最後の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア4)が大当たりであると、その大当たり状態の終了後は確率変動状態となる。すると、次の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)が通常状態のもとではずれと判定されても、その直後の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア2)が確率変動状態のもとで普通当たりと判定される確率が高くなり、連続当たりが発生する問題が生じる。そこで、本実施の形態では、複数の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)が複数「はずれ」であった場合は、最後の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア4)が「当たり」であるか「はずれ」であるかを問わず、その後は普通当たり確率の低い通常状態となるように制御している。これにより、その直後の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア2)が「はずれ」となる確率が高くなり、連続当たりの不適当な発生が防止される。
なお、上記実施の形態において、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)が大当たりであれば、他の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)が複数「はずれ」であっても、図14と同様に、次の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)が普通当たりと判定されて普通電動役物が実行される可能性が高い。そして、その普通電動役物で入賞した最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)に応じて確率変動状態又は通常状態が制御されて、その普通当たり確率に応じて次の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア2)が判定されることになる。
このように、本実施の形態のパチンコ機1では、普通図柄始動ゲート12,13に入賞し、普通当たり判定結果(図7に示す判定エリア)に基づいて普通図柄が変動表示され、普通当たりであれば普通電動役物が実行される。そして、この普通電動役物によって始動入賞口14,15に複数の遊技球が入賞し、複数の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)に基づいて特別図柄が順次変動表示される。そして、普図保留球(図7に示す記憶エリア1〜4)が存在する状態で、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)として「はずれ」を示す特別図柄が表示され、その後に大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)として「当たり」を示す特別図柄が表示される場合は、以下のように制御される。
すなわち、次の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)に基づいて確率変動状態に移行する前(本実施の形態では、特別図柄が確定表示される前)に、次の普通図柄判定結果(図7に示す記憶エリア1)が変動開始するようにしている。これにより、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)が「はずれ」となって通常状態に移行し、当該通常状態のもとで次の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア1)が行われるため、その後に他の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)が「当たり」となって確率変動状態に移行しても、すでになされた普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)に影響を与えない。
そのため、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)が「はずれ」であれば、その後の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)が「当たり」でも、次の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア1)は通常状態のもとで「はずれ」と判定される確率が高く、連続当たりが発生しない確率が高い。
以上、本実施の形態のパチンコ機1によれば、上記のような制御によって、連続当たりを適切に制御して遊技内容に変化をもたせることで、遊技者に満足感及び期待感を与えるとともに、遊技性を向上させることができる。さらに、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)の全てについて特別図柄が変動表示された後に、次の普通図柄判定結果(図8に示す記憶エリア2)が変動開始する。そのため、最後の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア4)が大当たりであれば確率変動状態に遷移して、次の普通当たり判定(図8に示す記憶エリア2)が大当たりと判定される確率が高い。一方、最後の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア4)が「はずれ」であれば通常状態に遷移して、次の普通当たり判定(図8に示す記憶エリア2)がはずれと判定される確率が高い。よって、連続当たりを適切に制御することができる。
また、大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)が複数「はずれ」の場合は、普通当たりの発生状態を終了するようにし、また次の普通当たり判定(図8に示す記憶エリア2)を通常状態で実行するようにしたので、はずれと判定される確率が高い。よって、大当たり判定結果が複数「はずれ」の場合は、連続当たりを制限することができる。
また、普通図柄表示部24に普通当たりを示す普通図柄が確定表示されると、始動入賞口14,15の開閉部材が開放されるようにした。よって、普通当たり確率を調整することで始動入賞口14,15への入賞を制御することができるため、連続当たりを適切に制御することができる。さらに、特別図柄表示部18に特別図柄が確定表示されると大入賞口16a,16bの開閉部材が順次解放される。よって、大当たり時の遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、上記実施の形態において、普通図柄始動ゲート12,13が本発明の「始動ゲート」に相当し、普通当たり乱数が本発明の「第1乱数」に相当し、普通図柄処理(S7:図10)を実行するCPU51が本発明の「第1乱数取得手段」及び「普通当たり判定手段」に相当する。また、始動入賞口14,15が本発明の「始動入賞口」に相当し、大当たり乱数が本発明の「第2乱数」に相当し、特別図柄処理(S11:図12)を実行するCPU51が本発明の「第2乱数取得手段」、「大当たり判定手段」及び「特別図柄決定手段」に相当する。また、大当たり関係情報記憶エリア525(図8)が本発明の「大当たり判定結果記憶手段」に相当し、特別図柄表示部18が本発明の「特別図柄表示手段」に相当する。
そして、特別図柄処理(S11:図12)及び特別電動役物処理(S13:図13)を実行するCPU51が、本発明の「確率変動制御手段」に相当する。また、普通図柄処理(S7:図10)を実行するCPU51が本発明の「普通図柄決定手段」に相当し、普通図柄表示部24が本発明の「特別図柄表示手段」に相当する。また、大入賞口16a,16bが本発明の「電動役物」に相当する。
なお、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では遊技機の一種であるパチンコ機1を例に挙げているが、遊技機はパチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ台等の各種の遊技機に適用可能である。
また、本発明に基づく遊技状態の制御は、上記実施の形態に例示したものに限定されるものではなく、遊技機の仕様などに応じて様々に変更可能である。図16及び図17は、本発明の変形例を示す、パチンコ機1での各制御を時間経過に対応付けて表したタイミングチャート図である。
上記実施の形態では、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)が確定表示される前に、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)についての図柄変動を開始して、複数の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)が全て確定表示された後に、その普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)を確定表示している(図14及び図15参照)。しかし、図16に示すように、複数の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア,記憶エリア1〜4)が変動表示された後に、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)についての図柄変動及び確定表示を行ってもよい。
なお、図16に示す遊技制御では、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)が「当たり」である場合を示している。当該「当たり」中に最後の大当たり判定結果が「はずれ」である場合は当該普通当たり判定の変動終了後、次回の普通当たり判定は低確率状態で行われるため、一つのはずれでも当たり発生を制限することができる。
また、図17に示すように、最初の大当たり判定結果(図8に示す判定エリア)が「はずれ」の場合は、特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)のいずれかで「はずれ」が確定表示されたら、普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)についての図柄変動をその時点で終了して確定表示する。そして、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)について図柄変動が開始する前に、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア2)についての図柄変動を開始するようにしてもよい。これにより、普通当たり確率が低い通常状態で、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア2)についての図柄変動を開始させて、連続当たりの発生を制限することができる。
なお、図17に示す遊技制御では、特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)が「はずれ」となった通常状態時に、次の普図保留球の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア2)が行われるようにしている。一方、特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1〜4)が「当たり」で特別電動役物が実行される場合であっても、その大当たり状態中(条件装置の作動中)は普通当たり確率が低い通常状態であるから、その大当たり状態中(すなわち、確率変動状態に移行する前)に、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア2)に基づく図柄変動が開始されるようにしてもよい。これにより、普通当たり確率が低い通常状態で次の普図保留球の普通当たり判定(図7に示す記憶エリア2)が行われるので、連続当たりの発生を制限することができる。
また、本発明の要旨の範囲内であれば、パチンコ機1における普通図柄始動ゲート12,13、始動入賞口14,15、大入賞口16a,16bなどの物理的構成の位置,大きさ,数量などは、パチンコ機1の仕様に応じて任意とすればよい。例えば、本実施の形態では、大入賞口16a,16bの2つを用いているが、3つ以上の大入賞口を設けておき、特別電動役物ではそれらが順番に解放・閉鎖されるようにしてもよい。
また、パチンコ機1における図柄変動時間や当たり確率などの各種制御も、パチンコ機1の仕様に応じて任意とすればよい。例えば、上記実施の形態と比べて、特別図柄変動時間を長くしたり、大当たり状態の発生期間を短くしたり、通常状態又は確率変動状態における普通当たり確率を高確率としたりすることができる。
ここで、従来のいわゆる第1種パチンコ機や、一般電役における確率変動制御を備えたパチンコ機では、条件装置の作動中(大当たり状態の実行中)では大当たり確率が低い通常状態となるような仕様となっている。そして、このような第1種パチンコ機などにも、本発明を適用することができるが、その仕様に合わせて以下のような制御が行われるようにしてもよい。
すなわち、上記実施の形態では、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)によって特別図柄が確定表示される前までに、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)について図柄変動が開始されているが、この普通図柄変動は確率変動状態に移行する前までに開始すればよい。そのため、次の特図保留球の大当たり判定結果(図8に示す記憶エリア1)による大当たり状態が終了するまでに、次の普図保留球の普通当たり判定結果(図7に示す記憶エリア1)の図柄変動が開始するように制御してもよい。
本発明の遊技機は、パチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ機等の各種の遊技機に適用可能である。
パチンコ機1の正面図である。 遊技盤2の正面図である。 パチンコ機1の制御部40の電気的回路構成を示すブロック図である。 ROM53の記憶エリアを示す概念図である。 RAM52の記憶エリアを示す概念図である。 カウンタ記憶エリア521の記憶エリアを示す概念図である。 普通当たり関係情報記憶エリア523の記憶エリアを示す概念図である。 大当たり関係情報記憶エリア525の記憶エリアを示す概念図である。 メインルーチン処理を示すフローチャートである。 普通図柄処理(S7)の詳細を示すフローチャートである。 普通電動役物処理(S9)の詳細を示すフローチャートである。 特別図柄処理(S11)の詳細を示すフローチャートである。 特別電動役物処理(S13)の詳細を示すフローチャートである。 パチンコ機1での各制御を時間経過に対応付けて表したタイミングチャート図である。 パチンコ機1での各制御を時間経過に対応付けて表したタイミングチャート図である。 本発明の変形例を示す、パチンコ機1での各制御を時間経過に対応付けて表したタイミングチャート図である。 本発明の変形例を示す、パチンコ機1での各制御を時間経過に対応付けて表したタイミングチャート図である。
1 パチンコ機
8 図柄表示装置
12,13 普通図柄始動ゲート
14,15 始動入賞口
16a,16 大入賞口
18 特別図柄表示部
24 普通図柄表示部
28 表示画面
41 主基板
51 CPU
52 RAM
53 ROM
58 サブ統合基板

Claims (2)

  1. 遊技球が通過する通過ゲートと、
    開閉部材を有し、該開閉部材が開かれると遊技球が入賞可能となる始動入賞口と、
    開閉部材を有し、該開閉部材が開かれると遊技球が入賞可能となる大入賞口と、
    前記通過ゲートへの遊技球の通過を契機に第1乱数の取得を行う第1乱数取得手段と、
    前記第1乱数に基づいて、前記始動入賞口の開閉部材が開かれる普通当たり状態とするか否かの判定を行う普通当たり判定手段と、
    前記普通当たり判定手段の判定結果を報知する図柄である普通図柄を決定する普通図柄決定手段と、
    前記普通図柄が変動表示される普通図柄表示手段と、
    前記始動入賞口への入賞を契機に第2乱数の取得を行う第2乱数取得手段と、
    前記第2乱数取得手段が取得した前記第2乱数を複数個記憶可能な大当たり関係情報記憶手段と、
    前記大当たり関係情報記憶手段に記憶された前記第2乱数に基づいて、前記大入賞口の開閉部材が開かれる大当たり状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、
    前記大当たり判定手段の判定結果を報知する図柄である特別図柄を決定する特別図柄決定手段と、
    前記特別図柄が変動表示される特別図柄表示手段と、
    普通当たりの発生確率が低い低確率状態と、普通当たりの発生確率が高い高確率状態とに制御可能であって、前記大当たり判定手段により大当たりと判定された場合は前記大当たり状態の実行後に前記高確率状態に変動させる一方、前記大当たり判定手段によりはずれと判定された場合は前記低確率状態に変動させる確率変動制御手段とを備え、
    前記普通当たり状態において前記始動入賞口に複数の遊技球が入賞し、該複数の入賞に基づいて前記大当たり関係情報記憶手段に複数の前記第2乱数が記憶されると、該複数の第2乱数に対する複数の大当たり判定結果に基づく特別図柄が前記特別図柄表示手段に順次変動表示される遊技機であって、
    前記大当たり関係情報記憶手段に記憶された複数の前記第2乱数の全てについて、前記特別図柄表示手段に特別図柄が順次変動表示された後に、普通図柄が変動開始することを特徴とする遊技機。
  2. 前記大入賞口を複数備え、
    前記大当たり状態になると、前記複数の大入賞口が順次解放されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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