JP2004236670A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】権利発生状態に制御することが可能であり、確変判定図柄を使用する遊技機において、確変状態にするか否かを制御する際に矛盾が生じないようにする。
【解決手段】普通図柄の表示結果が当り図柄であって普通電動役物が開放状態になり、その後、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチで検出される。権利発生状態である期間中において、再度、普通図柄が変動を開始し、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチで検出された場合には、権利発生状態となっている期間中に再度遊技球が特別領域に誘導されたので、その時点で権利発生状態は消滅する。普通図柄の変動開始時(2回目)に確変判定図柄が変動している状態であれば、普通図柄の変動時間が延長される。よって、権利発生状態が早く消滅してしまう場合にも、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることができる。
【選択図】 図11
【解決手段】普通図柄の表示結果が当り図柄であって普通電動役物が開放状態になり、その後、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチで検出される。権利発生状態である期間中において、再度、普通図柄が変動を開始し、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチで検出された場合には、権利発生状態となっている期間中に再度遊技球が特別領域に誘導されたので、その時点で権利発生状態は消滅する。普通図柄の変動開始時(2回目)に確変判定図柄が変動している状態であれば、普通図柄の変動時間が延長される。よって、権利発生状態が早く消滅してしまう場合にも、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることができる。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技領域に遊技球が打ち込まれることにより遊技が行われ、特別領域に設けられた特別検出手段で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。また、遊技球が特別装置作動領域(特別領域)に入賞した場合に権利発生状態を生起させるものがある。権利発生状態中に、例えば、始動口に遊技球が入賞したことにもとづいて、さらに所定の遊技価値(有利な状態)が遊技者に与えられる。このようなパチンコ遊技機は、一般に第3種パチンコ遊技機と呼ばれる。
【0003】
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた大入賞口などの可変入賞球装置の状態が、遊技球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、景品としての遊技球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0004】
第3種パチンコ遊技機には、遊技球が普通図柄表示装置作動口に入賞すると普通図柄表示装置が普通図柄の変動(変動を可変表示ともいう。)を開始し、停止図柄が所定の図柄である場合には普通電動役物が作動して特定入賞口が開放し、遊技球が特定入賞口に入賞し特別装置作動判定図柄ゲートに到達したことがセンサによって検知されると、特別装置作動判定図柄表示装置(以下、判定図柄表示装置または可変表示装置という。)において判定図柄の変動(識別情報の可変表示)が開始されるように構成されたものがある。そして、可変表示装置の表示結果があらかじめ定められた特定表示態様(以下、当り図柄ともいう。)の組合せとなることを、通常、「当り」という。なお、可変表示装置における図柄の変動中では、遊技球は、特別装置作動判定図柄ゲートの検出位置に貯留されている。
【0005】
当りが発生すると、貯留されていた遊技球が誘導装置によって特別装置作動領域に誘導され、特別装置作動領域に設けられているセンサによって検知されると権利が発生し、権利発生状態において始動口に遊技球が入賞すると大入賞口が開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、開放期間において、所定個(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞すると大入賞口は閉成する。そして、権利発生状態が継続している限り、再度、大入賞口が開放する。権利は、始動口に例えば16個の遊技球が入賞するまで継続する。ただし、権利発生状態の継続中に、再度権利を発生させるための動作(特別装置作動領域への遊技球の入賞)が行われた場合には、権利発生状態は消滅する。なお、各開放について開放時間(例えば9.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。
【0006】
遊技球を用いる遊技機には、例えば可変表示装置における停止図柄が当り図柄のうち特定図柄であった場合に、権利発生状態が終了したとき等に、「当り」になる確率が向上する確率変動状態(確変状態=高確率状態)に移行するように構成されたものがある。また、確率変動状態に移行することが可能な遊技機において、「当り」とするか否かを決定するための判定図柄の他に、確率変動状態に移行するか否かを決定するための確変判定図柄を用い、特定遊技状態(大当り遊技中)において確変判定図柄を可変表示し、確変判定図柄の可変表示結果(停止図柄)にもとづいて確率変動状態に移行するか否か決めるものがある(例えば特許文献1。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−107380号公報(段落0073〜0078、図28)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第3種パチンコ遊技機において確変判定図柄を用いた場合には、以下のような問題がある。すなわち、権利発生状態においても遊技球が普通図柄表示装置作動口に入賞すると普通図柄表示装置が普通図柄の変動を開始し、停止図柄が所定の図柄である場合には普通電動役物が作動して特定入賞口が開放し、遊技球が特定入賞口に入賞すると可変表示装置において判定図柄の変動が開始される。そのときの状態が権利発生状態であれば、判定図柄の表示結果が「当り」である場合には上述したように権利発生状態が消滅するのであるが、権利発生状態が消滅するときに確変判定図柄の可変表示が行われていたときには、権利発生状態の消滅後に確変判定図柄の表示結果が導出される。通常状態から確変状態への切替は大当り遊技の終了時または権利発生状態の終了時になされる。すると、権利発生状態が消滅したときに確変判定図柄の可変表示が終了していない場合には、遊技進行を制御する遊技制御手段が、確変判定図柄の可変表示が終了していないにもかかわらず確変状態へ切り替えるか否か決定しなければならない。つまり、遊技制御上の矛盾が生ずる。例えば、確変状態であるか否かを報知するように構成した場合に、確変判定図柄の可変表示が終了していないうちに確変状態に関する報知を行わなくてはならない。
【0009】
そこで、本発明は、特別領域に設けられた特別検出手段で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態となり、確変状態などの特別遊技状態とするための条件である特別遊技状態判定図柄を使用する遊技機において、特別遊技状態にするか否かを制御する際に矛盾が生じない遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技を行い、表示状態が変化可能な可変表示手段(例えば普通図柄表示器10)を含み、遊技領域に設けられている作動領域(例えば通過ゲート11)に設けられた作動検出手段(例えばゲートスイッチ11a)で遊技球が検出されたことに応じて可変表示手段における表示結果導出動作としての可変表示(例えば普通図柄の変動)が開始され、可変表示手段における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果(例えば当り図柄)となったことを条件に特定可変入賞手段(例えば普通電動役物50、振分部材35および誘導部40)に遊技球が進入しにくい状態または進入不能な状態である第2の状態から、第2の状態に比べて遊技球が進入しやすい状態または進入可能な状態である第1の状態に制御可能であり、特定可変入賞手段に設けられている特別領域(例えば特別領域スイッチ48を含む領域)に設けられた特別検出手段(例えば特別領域スイッチ48)で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態に制御可能となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域(例えば始動入賞装置20)に設けられた始動検出手段(例えば始動口スイッチ20a)により遊技球が検出されたことにもとづいて、可変入賞装置(例えば開閉板51によって開閉される大入賞口)を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能な遊技機であって、権利発生状態となっている期間中に所定数(例えば10)の遊技球が始動検出手段により検出されたこと、または権利発生状態となっている期間中に特別検出手段(例えば特別領域スイッチ48)により遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態を終了させる権利発生制御手段(例えば遊技制御手段におけるステップS77の遊技球誘導処理を実行する部分)と、特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果(例えば確変図柄)と特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段(例えば確変判定図柄表示器13)と、遊技状態を、通常状態(例えば非確変状態)と、可変表示手段における可変表示結果として特定の表示結果が導出表示される確率が通常状態に比べて高い特別遊技状態(例えば確変状態)とのいずれかの状態に設定する制御を行い、所定の特別遊技状態発生条件の成立(例えば確変決定用乱数の値があらかじめ決められている確変判定値と一致した)にもとづいて特別遊技状態判定図柄表示手段に特別表示結果が導出表示され、権利発生状態が終了した後に、遊技状態を、通常状態から特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立(例えば、確変状態に移行してから普通電動役物50が所定回(例えば10回)開放するか、または、普通図柄の変動が所定回(例えば10回)行われた場合)にもとづいて、遊技状態を、特別遊技状態から通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段(例えば遊技制御手段におけるステップS70,S300の確変フラグ確認処理を実行する部分)と、可変表示手段における可変表示と特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS712〜S720を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明による他の態様の遊技機は、遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技を行い、表示状態が変化可能な可変表示手段(例えば例えば可変表示装置8)を含み、特定領域(例えば特定入賞口32以降の領域)に設けられた特定検出手段(例えば図柄ゲートスイッチ41a)で遊技球が検出されたことに応じて可変表示手段における表示結果導出動作としての可変表示(例えば判定図柄の変動)が開始され、可変表示手段における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果(例えば当り図柄)となり特別領域(例えば特別領域スイッチ48を含む領域)に設けられた特別検出手段(例えば特別領域スイッチ48)により遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態に制御可能となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域(例えば始動入賞装置20)に設けられた始動検出手段(例えば始動口スイッチ20a)により遊技球が検出されたことにもとづいて、可変入賞装置(例えば開閉板51によって開閉される大入賞口)を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能な遊技機であって、権利発生状態となっている期間中に所定数(例えば10)の遊技球が始動検出手段により検出されたこと、または権利発生状態となっている期間中に特別検出手段により遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態を終了させる権利発生制御手段(例えば遊技制御手段におけるステップS77の遊技球誘導処理を実行する部分)と、特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果(例えば確変図柄)と特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段(例えば確変判定図柄表示器13)と、遊技状態を、通常状態(例えば非確変状態)と、可変表示手段における可変表示結果として特定の表示結果が導出表示される確率が通常状態に比べて高い特別遊技状態(例えば確変状態)とのいずれかの状態に設定する制御を行い、所定の特別遊技状態発生条件の成立(例えば確変決定用乱数の値があらかじめ決められている確変判定値と一致した)にもとづいて特別遊技状態判定図柄表示手段に特別表示結果が導出表示され、権利発生状態が終了した後に、遊技状態を、通常状態から特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立(例えば、確変状態に移行してから普通電動役物50が所定回(例えば10回)開放するか、または、判定図柄の変動が所定回(例えば10回)行われた場合)にもとづいて、遊技状態を、特別遊技状態から通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段(例えば遊技制御手段におけるステップS70,S300の確変フラグ確認処理を実行する部分)と、可変表示手段における可変表示と特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS712〜S720(ただし、普通図柄ではなく判定図柄に対して制御を行う)を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。
【0012】
特別遊技状態判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータを含むデータが設定された第1のデータ群(例えば普通図柄に関する第1テーブル)と、特別遊技状態判定図柄の可変表示期間以上の時間を示すデータのみが設定された第2のデータ群(例えば普通図柄に関する第2テーブル)とを備え、可変表示期間調整手段が、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されているときには第2のデータ群を用い、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されていないときには第1のデータ群を用いて可変表示手段における可変表示期間を選択する(例えばステップS713〜S720ように構成されていてもよい。
【0013】
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等からなる遊技制御手段)と、遊技制御手段からのコマンドの受信にもとづいて可変表示手段の表示状態を制御する表示制御手段(例えば表示制御基板80に搭載されている表示制御手段)とを備え、可変表示期間調整手段は、遊技制御手段に含まれ、可変表示期間調整手段が、可変表示手段における可変表示期間を変化させるコマンド(例えば普通図柄変動パターン延長コマンドや判定図柄変動パターン延長コマンド)を表示制御手段に送信することによって、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させるように構成されていてもよい。
【0014】
可変表示期間調整手段が、可変表示手段の表示結果が特定の表示結果(例えば普通図柄の当り図柄や判定図柄の当り図柄)となるときにのみ、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させるように構成されていてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1には、通過ゲートの遊技球通過にもとづいて普通図柄の可変表示(変動)が開始され、普通図柄の可変表示結果(停止図柄)が特定の図柄である場合に普通電動役物が開放し、普通電動役物に遊技球が入賞し特別装置作動判定図柄ゲートを通過したことにもとづいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになり遊技球が特別領域に入賞すると所定の権利発生状態となる(特別装置が作動)パチンコ遊技機(第3種パチンコ遊技機)の正面図が示されている。
【0016】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた遊技球を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0017】
遊技領域7の中央付近の上方には、複数種類の図柄を変動表示するための可変表示装置(特別装置作動判定図柄表示装置)8が設けられている。可変表示装置8には、例えば「左」、「右」の2つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の下部には、普通電動役物50、振分部材35および誘導部40が設けられている。誘導部40の下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられている。
【0018】
さらに、可変表示装置8を含む部材には、遊技状態を特別遊技状態としての確変状態にするか否かを決めるための確変図柄可変表示器13が設けられている。確変図柄可変表示器13は2つのLEDからなり、一方のLEDは点灯時に識別情報(図柄)としての〇を表示し、他方のLEDは点灯時に識別情報としての×を表示する。そして、可変表示中では、2つのLEDが交互に点灯する。可変表示期間(変動時間)が終了して交互の点灯が終了したときに点灯されている方の識別情報が、表示結果としての停止識別情報(停止図柄)である。そして、例えば〇が確変図柄である。
【0019】
遊技領域7における左側下部には、普通図柄表示装置作動口(通過ゲート)11が設けられている。また、遊技領域7における右側上部には、始動入賞装置20が設けられている。始動入賞装置20は回転体21を有し、始動入賞装置20における回転体21の下部には、特別電動役物を形成する大入賞口を開放するための開閉板51が設けられている。さらに、遊技領域7には、複数の普通入賞口17,18,19,24が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられ、遊技領域7の外周には、遊技効果ランプが設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット150も示されている。
【0020】
図2は、パチンコ遊技機1の機構盤を背面からみた背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の裏面では、機構板の上部に球貯留タンク138が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク138に供給される。球貯留タンク138内の遊技球は、誘導樋139を通って球払出装置97に至る。遊技機裏面側では、可変表示装置8を制御する回路が搭載された表示制御基板80を内蔵する可変表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等による遊技制御手段が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37や、遊技機内の各制御基板および機構部品等が使用する電圧を生成する電源基板910等が設置されている。
【0021】
図3は、遊技盤6を正面から見た正面図である。打球発射装置から発射された遊技球は、外レール201と内レール202との間を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通って普通図柄表示装置作動口スイッチ(ゲートスイッチ)11aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動が開始され、停止図柄が当り図柄である場合には普通電動役物50が作動して特定入賞口32が開放した状態になる。すなわち、特定可変入賞手段としての普通電動役物50等に対して遊技球が進入しにくい第2の状態から、遊技球が進入しやすい第1の状態に変化する。なお、第2の状態は遊技球が全く進入できない状態であってもよく、その場合には、遊技球が進入不能な第2の状態から進入可能な第1の状態に変化する。遊技球が特定入賞口32に入賞すると、遊技球は特定入賞口スイッチ32aで検出されるとともに、振分部材35に入る。その後、誘導部40における特別装置作動判定図柄ゲート41を通過すると、可変表示装置8において図柄(判定図柄)が変動を始める。なお、特別装置作動判定図柄ゲート41の部分には、特別装置作動判定図柄ゲート41を通過した遊技球を検出する作動検出手段としての図柄ゲートスイッチ41aが設けられている。
【0022】
遊技領域7において、普通入賞口17,18,19,24に入賞した遊技球は、それぞれ、入賞口スイッチ17a,18a,19a,24aで検出される。入賞口スイッチ17a,18a,19a,20a,24aおよび特定入賞口スイッチ32aで遊技球が検出されると、所定個の遊技球が景品として払い出される。また、権利発生中において大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ51aによって検出される。カウントスイッチ51aで遊技球が検出されると、所定個の遊技球が景品として払い出される。そして、カウントスイッチ51aによる遊技球の検出数が所定数(例えば16)になると大入賞口は閉鎖する。また、権利発生中において、遊技球が特別装置作動判定図柄ゲート41を通過すると、権利発生状態は消滅する。
【0023】
図4は、普通電動役物50、振分部材35および誘導部40の構成を詳細に示す正面図である。普通電動役物50には左右の開閉翼片33,34が設けられ、開閉翼片33,34が外側に倒れることによって特定入賞口32が入賞しやすい状態になる。すなわち、普通電動役物50が作動している状態になる。なお、普通電動役物50は、普通図柄の表示結果が当り図柄であった場合に作動開始する。また、開閉翼片33,34は、ソレノイド(図示せず:以下、普通電役ソレノイドという。)によって外側に倒れる。
【0024】
なお、普通電動役物50、振分部材35および誘導部40からなる構造において、特定入賞口32以降の領域が特定領域を形成する。また、この実施の形態では、普通電動役物50、振分部材35および誘導部40の各部材が分かれて設けられているが、それらの部材が一体として形成されていてもよい。
【0025】
特定入賞口32に遊技球が入賞すると、遊技球は特定入賞口スイッチ32aで検出される。特定入賞口スイッチ32aで遊技球が検出されると、所定個の遊技球が景品として払い出される。特定入賞口32に入賞した遊技球は、振分部材35に進入する。この実施の形態では、振分部材35として、3つの穴を有し、揺動可能な、いわゆる3穴クルーンが用いられている。3穴クルーンに進入した遊技球は3穴のうちのいずれかに入る。3穴のうちの一つは、誘導部40に至る連通穴36である。他の穴39に入った遊技球は排出される。
【0026】
連通穴36を流下した遊技球は、作動判定手段としての特別装置作動判定図柄ゲート41の部分を通過して、誘導動作手段としての誘導部材42に至る。誘導部材42は遊技球を受けるような凹部を有する。特別装置作動判定図柄ゲート41の部分に設けられている図柄ゲートスイッチ41aで遊技球が検出されると、可変表示装置8において図柄の変動が開始される。また、遊技球は誘導部材42に貯留される。図4に示す構造から明らかなように、誘導部材42に遊技球が貯留される場合、その遊技球は特別装置作動判定図柄ゲート41の部分に停留しない。すなわち、遊技球貯留中では、作動判定手段が遊技球を検出することになる位置に遊技球は存在しない。
【0027】
なお、遊技球が特別装置作動判定図柄ゲート41の部分を通った後では、図柄ゲートスイッチ41aの検出がソフトウェア的に無効にされる。ソフトウェア的に無効にされるとは、遊技制御手段が、図柄ゲートスイッチ41aの検出信号を無視することである。また、特別装置作動判定図柄ゲート41の部分の上部には、遊技球を作動検出手段に対して進入可能な経路と進入不可能な経路とに振り分ける振分手段としてのシャッター45が設けられている。シャッター45は、ソレノイド(図示せず:以下、シャッターソレノイドという。)によって、図柄ゲートスイッチ41aの検出が無効にされるのと同タイミングで閉状態になる。シャッター45によって、後続の遊技球が特定入賞口32に入賞したとしても、誘導部材42にまで導かれることが防止される。すなわち、シャッター45によって流下が阻止され、左右に設けられている排出口47に導かれる。また、図柄ゲートスイッチ41aの検出が無効にされることによって、後続の遊技球によって可変表示装置8における変動開始の条件が再度成立してしまうことが防止される。
【0028】
なお、図柄ゲートスイッチ41aの検出のソフトウェア的な無効期間は、例えば、誘導部材42の回転動作終了時まで継続する。また、誘導部材42の回転終了時には、シャッター45が開状態にされる。すなわち、誘導部材42の動作終了に関連して、図柄ゲートスイッチ41aの検出の無効が解除され、シャッター45はシャッターソレノイドによって開状態にされる。
【0029】
可変表示装置8における図柄の変動は、あらかじめ決められている所定時間が経過すると停止する。すると、誘導部材42は、ステッピングモータである誘導部材駆動モータ(図示せず)によって、左方向または右方向に回転する。可変表示装置8における停止図柄が当り図柄(例えば左右図柄が揃った図柄の組み合わせ)であった場合には誘導部材42は右回りに回転して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を特別排出口43側に誘導する。特別排出口43に誘導された遊技球が特別領域スイッチ48によって検出されると、遊技状態が権利発生状態になる。
【0030】
可変表示装置8における停止図柄が当り図柄でなかった場合には誘導部材42は左回りに回転して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を排出口44側に誘導する。なお、回転体21は、ステッピングモータである回転体モータ(図示せず)によって回転する。
【0031】
誘導部材42の右側方には、誘導部材42が右回転すると、誘導部材42に貯留されている遊技球を検出する特別領域スイッチ(特別検出手段)48が設けられている。また、誘導部材42の左側方には、誘導部材42が左回転すると、誘導部材42に貯留されている遊技球を検出する通常領域スイッチ(排出検出手段)49が設けられている。なお、特別領域とは特別領域スイッチ48の側に誘導される遊技球のみが進入可能な領域であり、特別領域スイッチ48が設置されている位置は特別領域に含まれ、通常領域スイッチ49が設置されている位置は通常領域に含まれる。
【0032】
特別領域スイッチ48および通常領域スイッチ49の存在によって、誘導部材42が回転を開始した後、遊技球は早めに検出される。すなわち、当りである場合には、遊技球は、特別領域スイッチ48で、誘導部材42が回転を開始してから短時間で検出される。
【0033】
主基板31に搭載されている遊技制御手段は、特別領域スイッチ48の検出信号にもとづいて、早めに権利の発生を認識することができる。なお、さらに、特別排出口43にスイッチを設け、特別領域スイッチ48で遊技球が検出された後、特別排出口43のスイッチが遊技球を検出したら、遊技制御手段は、遊技状態を権利発生状態とするようにしてもよい。
【0034】
権利発生状態において、遊技球が始動入賞装置20における始動口に入賞すると、その遊技球は始動口スイッチ20a(図3参照)で検出される。遊技制御手段は、始動口スイッチ20aの検出結果に応じて大入賞口を開放するために開閉板51を駆動する。なお、開閉板51は、ソレノイド(図示せず:以下、大入賞口ソレノイドという。)によって駆動される。
【0035】
なお、ゲートスイッチ11a、特定入賞口スイッチ32a、カウントスイッチ51a、始動口スイッチ20a、図柄ゲートスイッチ41a、入賞口スイッチ17a,17b,18a,24aとして、マイクロスイッチや遊技球通過を検知可能な近接スイッチ等を用いることができる。
【0036】
図5は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御手段が搭載された払出制御基板37、ランプ制御手段が搭載されたランプ制御基板135、音制御手段が搭載された音制御基板170、発射制御基板91、および表示制御手段が搭載された表示制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ11a、特定入賞口スイッチ32a、カウントスイッチ51a、始動口スイッチ20a、図柄ゲートスイッチ41a、入賞口スイッチ17a,17b,18a,24a、特別領域スイッチ48、通常領域スイッチ49からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58が備えられている。
【0037】
なお、図5には示されていないが、スイッチ回路58には、下皿満タンを検知するための満タンスイッチ、補給球の不足を検知するための球切れスイッチ、賞球として実際に払い出された遊技球を検知するための賞球カウントスイッチ等からの信号も入力されている。
【0038】
また、主基板31には、普通電役ソレノイド、シャッターソレノイドおよび大入賞口ソレノイドを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、誘導部材駆動モータおよび回転体モータを基本回路53からの指令に従って駆動するモータ回路64が搭載されている。
【0039】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0040】
また、CPU56等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAM55の少なくとも一部は、電源基板910から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電力供給が停止しても内容は保存される。そして、RAM55の電源バックアップされている領域(バックアップRAM)には、遊技状態を復元するために必要なデータが記憶される。そして、+5V電源が復旧すると、CPU56は動作状態に復帰するが、そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保存されているので、停電等からの復旧時に停電等の発生時の遊技状態に復旧させることができる。例えば、遊技進行状態を示す内部フラグや、スイッチの検出状態を示す内部フラグは、バックアップRAMに保存されている。なお、RAM55の全領域が電源バックアップされていてもよい。
【0041】
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路65が設けられている。
【0042】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0043】
なお、この実施の形態では、ランプ制御基板135に搭載されているランプ制御手段が、装飾ランプ25の点灯制御を行うが、遊技機に設けられているその他の発光体例えば賞球ランプや球切れランプ等の点灯制御も行う。また、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、判定図柄を変動表示する可変表示装置8および確変判定図柄を変動表示する確変判定図柄表示器13に関する表示制御は、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
【0044】
実施の形態1.
次に遊技機の動作について説明する。
ここでは、作動検出手段で遊技球が検出されたことに応じて可変表示手段としての普通図柄表示器10において普通図柄の可変表示が開始され、普通図柄表示器10における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果(当り図柄)となったことにもとづいて特定入賞口(可変入賞口)が開放状態になり、特定入賞口に入賞した遊技球がさらに特別領域に入賞すると権利発生状態に制御可能となる、いわゆる普通図柄タイプの遊技機について説明する。
【0045】
従って、ここでは、図1等に示された可変表示装置8、シャッター45および排出口47は不要である。すなわち、普通電動役物50に入賞した遊技球は、誘導部40に進入したら誘導部材42に導かれる。そして、誘導部材42に導かれた遊技球は、特別排出口43側に誘導される。なお、シャッター45および排出口47を不要とせず、遊技球が図柄ゲートスイッチ41a(但し、スイッチ41aは、この場合には判定図柄変動開始の条件を成立させるのではなく、単に遊技球を検知するものとして使用される。)によって検出されたら所定期間シャッター45を閉じるようにしてもよい。
【0046】
図6は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびその周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が投入されると、メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0047】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
【0048】
そして、電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の停電発生NMI処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。この実施の形態では、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。バックアップなしを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。
【0049】
この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電源断時にバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0050】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0051】
チェック結果が正常であれば(ステップS8)、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS9)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0052】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域に初期値を設定する初期値設定処理も行われる。さらに、サブ基板(ランプ制御基板135、払出制御基板37、音制御基板170、表示制御基板80)を初期化するための処理を実行する(ステップS13)。サブ基板を初期化する処理とは、例えば初期設定コマンドを送出する処理である。
【0053】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、CPU56の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、図7に示すように、CPU56は、遊技制御処理を実行する(ステップS21〜33)。
【0054】
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理ではループ処理に移行する。なお、ループ内では、割込禁止の状態で表示用乱数更新処理(ステップS15,S16,S17)が実行される。
【0055】
図7は、2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。CPU56は、タイマ割込が発生すると、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図7に示すステップS21〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、各スイッチや検出器の状態を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0056】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報を発するための制御を行う(エラー処理:ステップS22)。
【0057】
次に、遊技制御に用いられる当り判定用の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、普通図柄表示器10および可変表示装置8における停止図柄の種類を決定する乱数等の表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0058】
また、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0059】
さらに、CPU56は、役物プロセス処理を行う(ステップS26)。役物プロセス処理では、遊技状態に応じて普通電動役物50、振分部材35および誘導部40の作動状態を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0060】
また、確変判定図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。確変判定図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて確変判定図柄表示器13の表示状態を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0061】
次いで、CPU56は、表示制御手段に対する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS28)。
【0062】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
【0063】
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を与える(ソレノイド出力処理:ステップS31)。ソレノイド回路59は、駆動指令に応じて普通電役ソレノイド、シャッターソレノイドおよび大入賞口ソレノイドを駆動する。さらに、所定の条件が成立したときにモータ回路64に駆動指令を与える(モータ制御処理:ステップS32)。モータ回路64は、駆動指令に応じて誘導部材駆動モータおよび回転体モータを駆動する。
【0064】
そして、CPU56は、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチ17a,18a,19a,24a,32a,51aの検出出力にもとづく賞球数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS33)。具体的には、入賞検出に応じて払出制御基板37に払出制御コマンドを出力する。また、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。レジスタの内容を復帰させ(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステップS35)。
【0065】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されたが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0066】
図8は、遊技制御処理におけるCPU56が実行する普通図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、普通図柄プロセス処理において、確変フラグ確認処理(ステップS70)を実行した後、内部状態(具体的にはRAM55に形成されている普通図柄プロセスフラグの状態)に応じて、ステップS71〜S77のうちのいずれかの処理を行う。なお、確変フラグ確認処理(ステップS70)は、確変状態終了条件が成立していたら確変フラグをリセットして遊技状態を確変状態から通常状態(非確変状態)に戻す処理である。例えば、確変状態に移行してから普通電動役物50が所定回(例えば10回)開放するか、または、普通図柄の変動が所定回(例えば10回)行われた場合に確変状態は終了する。
【0067】
普通図柄通常処理(ステップS71):普通図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。普通図柄の可変表示が開始できる状態になると、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS72に移行するように更新する。普通図柄の可変表示を開始できる状態とは、普通図柄の変動中ではなく、かつ、遊技球が通過ゲート11を通過した場合である。なお、普通図柄は、権利発生状態および権利発生状態が発生した後の大当り遊技状態(特定遊技状態)においても、可変表示可能である。
【0068】
普通図柄停止図柄設定処理(ステップS72):所定の乱数を抽出し、普通図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、普通図柄の変動時間を決めるためのタイマをスタートさせ、普通図柄の変動が開始されるように制御する。そして、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS73に移行するように更新する。なお、普通図柄の変動が開始されるように制御する場合に、CPU56は、普通図柄変動開始を示す表示制御コマンドおよび停止図柄を示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載されている表示制御用CPU等からなる表示制御手段は、普通図柄変動開始を示す表示制御コマンドを受信すると、普通図柄表示器10の表示状態を、普通図柄が変動していくように制御する。
【0069】
普通図柄変動処理(ステップS73):所定時間(ステップS72においてスタートした普通図柄の変動時間を決めるためのタイマがタイムアップするまでの時間)が経過すると、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS74に移行するように更新する。
【0070】
普通図柄停止処理(ステップS74):普通図柄表示器10において可変表示されている図柄が停止されるように制御する。具体的には、普通図柄停止を示す表示制御コマンドが表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。そして、停止図柄が当り図柄である場合には、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS75に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS71に移行するように更新する。なお、表示制御手段は、普通図柄停止を示す表示制御コマンドを受信すると、普通図柄表示器10の表示状態を、停止図柄を示す表示制御コマンドによって指定された図柄が表示される状態にする。
【0071】
普通電動役物開放前処理(ステップS75):普通電動役物50の開放時間と開放回数とを設定する。具体的には、あらかじめ決められている開放時間と開放回数とをRAM55の所定の領域に設定する。確変状態では、開放時間が、通常状態(確変状態でない状態)に比べて長くなっている。従って、遊技状態が確変状態であれば、普通電動役物50の開放時間として、通常状態よりも長いあらかじめ決められた時間を設定する。すなわち、遊技状態が特別状態に制御されているときに、普通電動役物50の開放条件が成立すると、普通電動役物50は、第1の状態よりもさらに遊技球が進入しやすい有利状態に制御される。なお、確変状態では、開放回数を通常状態に比べて多くしてもよいし、開放時間を長くするとともに、開放回数を多くしてもよい。そして、普通電動役物50の開放時間を決めるためのタイマをスタートさせ、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS76に移行するように更新する。
【0072】
普通電動役物開放中処理(ステップS76):所定時間(ステップS75においてスタートした普通電動役物50の開放時間を決めるためのタイマがタイムアップするまでの時間)が経過すると、普通電動役物50を閉鎖する。1回の開放において普通電動役物50を、複数回、開状態に制御する場合には、最終回の開放が行われていないときには、次回の普通電動役物50の開放までのインターバル時間が経過するのを待つ。インターバル時間が経過していれば、再び普通電動役物50を開放し、普通電動役物50の開放時間を決めるためのタイマをスタートさせる。最終回の開放が行われた場合には(開放回数が1回であれば、1回目の開放が最終回の開放に相当)、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS77に移行するように更新する。なお、普通電動役物50を開放するということは、具体的には、開閉翼片33,34を開放状態にするために、普通電役ソレノイドを駆動状態にすることである。
【0073】
遊技球誘導処理(ステップS77):誘導部材に遊技球が貯留されていたら、誘導部材42が右回りに回転するように制御して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を特別排出口43側に誘導する。また、特別領域スイッチ(特別検出手段)48で遊技球が検出されたら権利発生状態を発生させる。具体的には、権利発生状態フラグをセット状態にする。そして、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS71に移行するように更新する。
【0074】
図9は、遊技制御処理におけるCPU56が実行する役物プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、役物プロセス処理において、内部状態(具体的にはRAM55に形成されている役物プロセスフラグの状態)に応じて、ステップS401〜S404のうちのいずれかの処理を行う。
【0075】
始動口入賞待ち処理(ステップS401):権利発生状態フラグがセットされている状態であれば、始動口スイッチ20aが遊技球を検出したか否か、または、始動口スイッチ20aによって遊技球を検出されたことが記憶されているか否か確認する。権利発生状態フラグがセットされていなければ、処理を終了する。権利発生状態フラグがセットされている状態において、始動口スイッチ20aが遊技球を検出した場合、または始動口スイッチ20aによって遊技球が検出されたことが記憶されている場合には、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS402に移行するように更新する。なお、所定時間内に始動口スイッチ20aが遊技球を検出しない場合には、権利発生状態フラグをリセットするようにしてもよい。なお、この間、特別領域スイッチ48が遊技球を検出したら、権利発生状態フラグをリセットする。また、大入賞口の開放回数を決めるためのカウンタのカウント値が1になっていれば(すなわち最終ラウンド開始時)、権利発生状態フラグをリセットしてから、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS402に移行するように更新する。
【0076】
大入賞口開放前処理(ステップS402):大入賞口を開放するために大入賞口ソレノイドを駆動して開閉板51を開放状態にする。また、開放時間(例えば9.5s)を決めるためのタイマをスタートさせる。そして、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS403に移行するように更新する。
【0077】
大入賞口開放中処理(ステップS403):開放時間を決めるためのタイマがタイムアップしたら、または、カウントスイッチ51aによる遊技球の検出数が所定数(例えば10個)になると、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS404に移行するように更新する。なお、この間、特別領域スイッチ48が遊技球を検出したら、権利発生状態フラグをリセットして、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS404に移行するように更新する。また、始動口スイッチ20aが遊技球を検出した場合には、その旨を記憶する。その旨の記憶は、大入賞口の開放回数を決めるためのカウンタのカウント値−1まで累積記憶される。
【0078】
大入賞口開放後処理(ステップS404):大入賞口の開放回数を決めるためのカウンタのカウント値を−1する。カウント値が0になっていなければ、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS401に移行するように更新する。カウント値が0になっていれば、後述する確変発生フラグがセットされているか否か確認する。確変発生フラグがセットされている場合には、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に変化させる。確変状態では、普通図柄の停止図柄が当り図柄に決定される確率が向上する。なお、確変発生フラグは、確変判定図柄プロセス処理における確変判定図柄通常処理において、確変決定用乱数にもとづいて確変状態にすることに決定された場合にセットされる。
【0079】
図10は、遊技制御処理におけるCPU56が実行する確変判定図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、内部状態(具体的にはRAM55に形成されている確変判定図柄プロセスフラグの状態)に応じて、ステップS601〜S605のうちのいずれかの処理を行う。
【0080】
確変判定図柄通常処理(ステップS601):遊技球が特別領域に入賞して権利発生状態になるのを待つ。権利発生状態になると、所定の乱数を抽出し、確変状態にするか否かを決定する。また、確変判定図柄の変動時間を決めるためのタイマをスタートさせ、確変判定図柄の変動が開始されるように制御する。そして、内部状態(確変判定図柄プロセスフラグ)をステップS602に移行するように更新する。なお、判定図柄の変動が開始されるように制御する場合に、CPU56は、確変判定図柄変動開始を示す表示制御コマンドおよび確変状態にするか否かを示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、確変判定図柄変動開始を示す表示制御コマンドを受信すると、確変判定図柄表示器13の表示状態を、確変判定図柄が変動していくように制御する。
【0081】
確変判定図柄変動中処理(ステップS602):所定時間(ステップS601においてスタートした確変判定図柄の変動時間を決めるためのタイマがタイムアップするまでの時間)が経過すると、内部状態(確変判定図柄プロセスフラグ)をステップS603に移行するように更新する。
【0082】
確変判定図柄停止処理(ステップS603):確変判定図柄表示器13において可変表示されている図柄が停止されるように制御する。具体的には、確変判定図柄停止を示す表示制御コマンドが表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。そして、内部状態(確変判定図柄プロセスフラグ)をステップS601に移行するように更新する。なお、表示制御手段は、確変判定図柄停止を示す表示制御コマンドを受信すると、確変判定図柄表示器13の表示状態を、確変状態にするか否かを示す表示制御コマンドによって指定される図柄が表示される状態にする。
【0083】
図11は、この実施の形態における普通図柄と権利発生状態等との関係の一例を示すタイミング図である。図11には、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞して特定入賞口スイッチ32aで検出され、さらに、普通電動役物50が閉鎖状態になった後に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(a参照)。
【0084】
従って、権利発生状態が発生し、確変判定図柄表示器13において確変図柄の変動が行われる。
【0085】
また、図11には、権利発生状態である期間中において、再度、普通図柄が変動を開始し、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞して特定入賞口スイッチ32aで検出され、さらに、普通電動役物50が閉鎖状態になった後に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(b参照)。権利発生状態となっている期間中に、再度遊技球が特別領域に誘導されたので、権利発生状態終了条件が成立し、その時点で権利発生状態は消滅する。
【0086】
この実施の形態で特徴的なことは、普通図柄の変動開始時(図11に示す例では2回目の変動開始時)に確変判定図柄が変動している状態であれば、普通図柄の変動時間が延長されることである。普通図柄の変動時間を延長することによって、権利発生状態が早く消滅してしまう場合にも、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることができる。
【0087】
このような制御を行わない場合には、図12に示すように、権利発生状態終了条件の成立タイミングが、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも早い場合が生ずる。そのような場合には、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が終了したときに、既に権利発生状態が消滅してしまっている。換言すれば、権利発生状態が消滅するときに、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が継続されている状態が生ずる。すると、遊技制御手段は、権利発生状態の消滅に応じて確変判定図柄の変動を停止すべきか否か判断に苦しむ。また、確変判定図柄の変動が終了したときに、確変判定図柄の停止図柄が確変状態の発生に応じた図柄であった場合には、遊技状態を確変状態に移行させるべきか否か判断に苦しむ(確変判定図柄の変動開始の契機となった権利発生状態が既に消滅しているので)。また、遊技機の内部では、確変状態とするか否かは確変判定図柄の変動の開始時に既に決定されているので(確変発生フラグをセットするか否か決定されているので)、確変判定図柄の変動が終了していなくても、権利発生状態が消滅したときに確変発生フラグがセットされていた場合には、確変状態に移行するように制御することはできる。しかし、遊技機が確変状態に移行したことを遊技者に報知するように構成されている場合には、そのような制御を行うと、確変判定図柄の変動が終了していないのに確変状態に移行したことを報知することになり、やはり矛盾が生ずる。
【0088】
しかし、図11に示されたように、遊技制御手段が、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするように制御すれば、図12に示された状態における問題は生じない。つまり、確変判定図柄の変動停止の時点では権利発生状態は継続しているので、遊技制御手段は、確変判定図柄の停止図柄に応じて、迷うことなく遊技状態を制御することができる。
【0089】
以下、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするための制御に関わる処理について説明する。
【0090】
図13は、普通図柄プロセス処理における普通図柄停止図柄設定処理(ステップS72)を示すフローチャートである。普通図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、まず、普通図柄の当り決定用乱数を抽出する(ステップS711)。そして、抽出した乱数があらかじめ決められている当り判定値と一致するか否かによって当りとするか否かを決定する(ステップS712)。当りとしないことに決定した場合にはステップS714に移行する。当りとすることに決定した場合には、確変判定図柄が変動中であるか否かを、例えば確変判定図柄プロセスフラグによって確認する(ステップS713)。
【0091】
確変判定図柄が変動中であれば、普通図柄の変動時間を決めるためのテーブルとして、確変判定図柄の可変表示期間以上の時間を示すデータのみが設定された第2のデータ群としての第2のテーブルを選択する(ステップS715)。確変判定図柄が変動中でなければ、判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータを含むデータが設定された第1のデータ群としての第1のテーブルを選択する(ステップS714)。そして、普通図柄変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS720)、ステップS714またはステップS715で選択したテーブルに設定されているデータと、抽出した普通図柄変動パターン決定用乱数とにもとづいて普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS721)。変動パターンを決定することによって、可変表示(変動)の可変表示期間(変動時間)が決定されたことになる。
【0092】
また、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数(普通図柄停止図柄決定用乱数)を抽出し(ステップS722)、抽出した乱数にもとづいて普通図柄の停止図柄を決定する(ステップS723)。具体的には、各図柄に対応して設定されているそれぞれの判定値と抽出した乱数値とを比較し、乱数値に一致する判定値に対応する図柄を、停止図柄として決定する。
【0093】
そして、変動パターンを示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する(ステップS724)。また、停止図柄を示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する(ステップS725)。表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、変動パターンを示す表示制御コマンドを受信すると、普通図柄表示器10の表示状態を、変動パターンを示す表示制御コマンドで指定される時間だけ、普通図柄が変動表示される状態にする。その後、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS73)に対応した値に更新する(ステップS726)。
【0094】
なお、普通図柄変動中処理に移行する前に、普通図柄の変動時間に対応した変動時間タイマをスタートさせる。そして、普通図柄変動中処理において、変動時間タイマがタイムアップしたことを検出したら、普通図柄停止処理において、表示制御基板80に対して、普通図柄の変動停止を示す表示制御コマンドを送信する。
【0095】
図14は、第1テーブルおよび第2テーブルの構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1テーブルおよび第2テーブルには、普通図柄変動パターン決定用乱数に対応した各変動パターン(変動時間)が設定されている。第2テーブルに設定されている各変動時間(秒)は、確変判定図柄の変動時間の最大値よりも大きい。また、第1テーブルに設定されている各変動時間(秒)の中には、確変判定図柄の変動時間の最大値よりも小さいものがある。
【0096】
以上のような制御によって、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の可変表示と普通図柄表示器10おける普通図柄の可変表示とが同時に実行されるようなときに、普通図柄の変動時間を長くすることによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることが可能になる。
【0097】
なお、図13に示された普通図柄停止図柄設定処理において、当りとすることに決定された場合に、確変判定図柄が変動中であるときには第2テーブルから普通図柄の変動時間を選択するのであるが、その際に、乱数値に応じて変動時間を選択するのではなく、確変判定図柄の変動の残り時間よりも長い変動時間から変動時間を選択するようにしてもよい。そのようにした場合には、第2テーブルに設定されている普通図柄の変動時間のうちに、確変判定図柄の変動時間の最大値(あらかじめ決められている幾つかの変動パターンのうち変動期間が最も長い変動パターンの変動時間)よりも短いものがあってもよい。確変判定図柄の変動時間の最大値よりも短いものが存在しても、確変判定図柄の変動の残り時間に応じて普通図柄の変動時間を選択するようにすれば、確実に、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる。
【0098】
また、図13に示された普通図柄停止図柄設定処理において、当りとすることに決定された場合には、確変判定図柄が変動中か否かに関わらず、第2のテーブルを用いるようにしてもよい。その場合には、普通図柄の変動開始時には確変判定図柄が変動開始していなかったが、普通図柄の変動開始後に確変判定図柄が変動を開始したような場合でも、普通図柄の変動の変動時間を延長することによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる可能性がより高くなる。
【0099】
実施の形態2.
図15は、本発明の第2の実施形態における普通図柄プロセス処理における普通図柄停止図柄設定処理(ステップS72)を示すフローチャートである。この実施の形態は、普通図柄停止図柄設定処理および普通図柄変動中処理の処理内容が第1の実施の形態とは異なるが、その他の処理は第1の実施の形態と同じである。この実施の形態では、普通図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、普通図柄の当り決定用乱数を抽出し、抽出した乱数にもとづいて当りとすることに決定した場合には、当りフラグをセットする(ステップS711,S712,S713)。そして、普通図柄変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS720)、第1テーブル(図14参照)に設定されているデータと、抽出した普通図柄変動パターン決定用乱数とにもとづいて普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS721A)。以降の処理(ステップS722〜S726)は第1の実施の形態の場合と同じである。
【0100】
図16は、この実施の形態における普通図柄変動中処理(ステップS73)を示すフローチャートである。普通図柄変動中処理において、CPU56は、変動期間が終了したときには(ステップS731)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS74)に対応した値に更新する(ステップS735)。
【0101】
変動期間が終了していない場合には、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の変動が行われているか、または、開始されたか否か確認する(ステップS732)。
【0102】
ステップS732の判定において、確変判定図柄の変動が行われていること、または、開始されたことを確認したら、CPU56は、当りフラグ(普通図柄により当りとすることが決定されていることを示す示すフラグ)がセットされていれば(ステップS733)、表示制御基板80に、普通図柄変動パターン延長コマンドの表示制御コマンドを送信する(ステップS734)。なお、普通図柄変動中処理は変動期間が終了するまで2ms毎に繰り返し実行されるが、一度、確変判定図柄の変動が行われていること、または、開始されたことを確認したら、以後、CPU56は、変動期間が終了するまでステップS732〜S734の処理を実行しない。
【0103】
表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、普通図柄変動パターン延長コマンドを受信すると、そのときに実行されている普通図柄の変動期間を延長する。延長の程度は、例えば、図14に示す第2テーブルに設定されているような時間にまでである。この実施の形態では、遊技制御手段および表示制御手段は、図14に示されたような第1テーブルと第2テーブルとを有する。そして、表示制御手段は、普通図柄変動パターン延長コマンドを受信した場合には、そのときに実行している普通図柄の変動パターンに応じた第2テーブル側の設定値による変動時間で普通図柄の変動が行われるように制御する。
【0104】
例えば、表示制御手段は、変動開始時に、9.0秒の変動時間の変動パターン(図14に示す第1テーブルの上から4番目のパターンに相当)を示す表示制御コマンドを受信して普通図柄の変動制御を開始し、変動開始から3.0秒後に普通図柄変動パターン延長コマンドを受信した場合には、変動時間を18.0秒(図14に示す第2テーブルの上から4番目のパターンに相当)にするために、変動終了時を決めるためのタイマに、18.0−3.0=15.0秒分を加算する。なお、遊技制御手段も、変動時間を決めるための変動時間タイマに、18.0−3.0=15.0秒分を加算する。
【0105】
このような制御によっても、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の可変表示と普通図柄表示器10おける普通図柄の可変表示とが同時に実行されるようなときに、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることが可能になる。
【0106】
特に、確変判定図柄の変動が開始されたときに、既に普通図柄が変動中であっても、普通図柄変動パターン延長コマンドが表示制御基板80に送信される。そして、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、普通図柄変動パターン延長コマンドを受信したときに、普通図柄の変動時間を延長する。従って、普通図柄の変動開始時には確変判定図柄が変動開始していなかったが、普通図柄の変動開始後に確変判定図柄が変動を開始したような場合でも、普通図柄の変動の変動時間を延長することによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる可能性がより高くなる。
【0107】
なお、この実施の形態では、当りフラグがセットされている場合に、確変判定図柄が既に変動中であった場合でも、新たに確変判定図柄の変動が開始された場合でも、普通図柄変動パターン延長コマンドが送信されるが、確変判定図柄が既に変動中であって普通図柄の変動が開始された場合(初めて普通図柄変動中処理が実行され、そのときにステップS732でYである場合)には、確変判定図柄の変動の残り時間に応じて普通図柄変動パターン延長コマンドを送信するか否か決定するようにしてもよい。すなわち、確変判定図柄の変動の残り時間を確認し、確変判定図柄の変動の残り時間が普通図柄の変動時間よりも長い場合には普通図柄変動パターン延長コマンドを送信し、確変判定図柄の変動の残り時間が普通図柄の変動時間よりも長くない場合には普通図柄変動パターン延長コマンドを送信しないようにしてもよい。そのように構成した場合には、確実に確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができるとともに、普通図柄変動パターン延長コマンドの送信機会を減らすことができる。
【0108】
また、第1および第2の実施の形態では、普通図柄の変動時間を延長することによって確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも前に権利発生状態が終了してしまう機会を低減したが、普通図柄が停止してから普通電動役物50の開放開始までの時間を長くすることによって、そのような機会を低減するようにしてもよい。また、普通図柄と確変判定図柄が同時に変動している場合には、普通電動役物50の開放時間を短くして特定入賞口に遊技球が入賞しにくい(すなわち遊技球が特別領域に入賞しがたい)ようにしてもよい。
【0109】
実施の形態3.
第1および第2の実施の形態では、普通図柄の変動時間を延長することによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる可能性を高くしたが、確変判定図柄の変動時間を短縮するようにしてもよい。
【0110】
図17は、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させるために、確変判定図柄の変動時間を短縮する場合の動作例を示すタイミング図である。図17には、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞して特定入賞口スイッチ32aで検出され、さらに、普通電動役物50が閉鎖状態になった後に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(a参照)。
【0111】
従って、権利発生状態が発生し、確変判定図柄表示器13において確変図柄の変動が行われる。
【0112】
また、図17には、確変判定図柄が変動している状態において、再度、普通図柄が変動を開始し、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞して特定入賞口スイッチ32aで検出され、さらに、普通電動役物50が閉鎖状態になった後に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(b参照)。権利発生状態となっている期間中に、再度遊技球が特別領域に誘導されたので、権利発生状態終了条件が成立し、その時点で権利発生状態は消滅する。
【0113】
この実施の形態で特徴的なことは、確変判定図柄の変動開始時に、普通図柄による当りとすることが決定されていれば、確変判定図柄の変動時間を、普通図柄の変動時間よりも短くすることである。確変判定図柄の変動時間を短縮することによって、権利発生状態が早く消滅してしまう場合にも、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることができる。なお、普通図柄の表示結果を当り図柄とするかはずれ図柄とするかは、普通図柄の変動開始時に決定されている。
【0114】
このような制御を行わない場合には、権利発生状態終了条件の成立タイミングが、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも早い場合が生ずる。そのような場合には、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が終了したときに、既に権利発生状態が消滅してしまっている。換言すれば、権利発生状態が消滅するときに、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が継続されている状態が生ずるという問題が生ずる。また、遊技機の内部では、確変状態とするか否かは確変判定図柄の変動の開始時に既に決定されているので(確変発生フラグをセットするか否か決定されているので)、確変判定図柄の変動が終了していなくても、権利発生状態が消滅したときに確変発生フラグがセットされていた場合には、確変状態に移行するように制御することはできる。しかし、遊技機が確変状態に移行したことを遊技者に報知するように構成されている場合には、そのような制御を行うと、確変判定図柄の変動が終了していないのに確変状態に移行したことを報知することになり、やはり矛盾が生ずる。
【0115】
しかし、図17に示されたように、遊技制御手段が、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするように制御すれば、そのような問題は生じない。つまり、確変判定図柄の変動停止の時点では権利発生状態は継続しているので、遊技制御手段は、確変判定図柄の停止図柄に応じて、迷うことなく遊技状態を制御することができる。
【0116】
以下、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするための制御に関わる処理について説明する。この実施の形態は、確変判定図柄プロセス処理における確変判定図柄通常処理が第1および第2の実施の形態とは異なる。また、第1および第2の実施の形態とは異なり、普通図柄プロセス処理における普通図柄停止図柄設定処理において、普通図柄の変動時間を延長する制御を行う必要はない。
【0117】
図18は、確変判定図柄プロセス処理における確変判定図柄通常処理(ステップS601)を示すフローチャートである。確変判定図柄通常処理において、CPU56は、まず、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことによって権利発生状態が発生したか否か確認する(ステップS611)。権利発生状態が発生した場合には、確変決定用乱数を抽出する(ステップS612)。そして、抽出した乱数があらかじめ決められている確変判定値と一致するか否かによって遊技状態を確変状態に移行させるか否かを決定する(ステップS613)。確変状態に移行させることに決定した場合には確変発生フラグをセットする(ステップS614)。確変発生フラグは、権利発生状態の終了時、または、権利発生状態にもとづく遊技者にとって有利な状態である大当り遊技状態におけるあらかじめ決められている回数の所定の遊技(例えば10ラウンド)が完了したとき等において参照され、そのときに、確変発生フラグがセットされていれば、遊技制御手段は、遊技状態を確変状態に移行させる。
【0118】
そして、普通図柄が変動中であって、かつ、普通図柄の表示結果が当り図柄とすることに決定されている場合には(ステップS615,S616)、確変判定図柄の変動時間を決めるためのテーブルとして、普通図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータのみが設定された第1のデータ群としての第1のテーブルを選択する(ステップS617)。その他の場合には、普通図柄の可変表示期間よりも長い時間を示すデータを含むデータが設定された第2のデータ群としての第2のテーブルを選択する(ステップS618)。そして、確変判定図柄変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS619)、ステップS617またはステップS618で選択したテーブルに設定されているデータと、抽出した確変判定図柄変動パターン決定用乱数とにもとづいて確変判定図柄の変動パターンを決定する(ステップS620)。変動パターンを決定することによって、確変判定図柄の可変表示(変動)の可変表示期間(変動時間)が決定されたことになる。
【0119】
次いで、確変判定図柄の変動パターンを示す表示制御コマンドと当り/はずれを示す表示制御コマンドとを表示制御基板80に送信する(ステップS621,S622)。そして、変動時間を決めるための、すなわち変動終了のタイミングを決めるための変動時間タイマをスタートさせる(ステップS623)。その後、確変判定図柄プロセスフラグの値を確変判定図柄変動中処理(ステップS602)に対応した値に更新する(ステップS624)。表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、確変判定図柄の変動パターンを示す表示制御コマンドを受信すると、確変判定図柄表示器13の表示状態を、変動パターンを示す表示制御コマンドで指定される時間だけ、確変判定図柄が変動表示される状態にする。そして、当りを示す表示制御コマンドを受信していた場合には、変動時間終了時の確変判定図柄表示器13の表示状態を〇にする。はずれを示す表示制御コマンドを受信していた場合には、変動時間終了時の確変判定図柄表示器13の表示状態を×にする。
【0120】
な確変判定図柄変動中処理において、変動時間タイマがタイムアップしたら、表示制御基板80に対して、確変判定図柄停止処理において、確変判定図柄の変動停止を示す表示制御コマンドを送信する。
【0121】
図19は、第1テーブルおよび第2テーブルの構成例を示す説明図である。図19に示すように、第1テーブルおよび第2テーブルには、確変判定図柄変動パターン決定用乱数に対応した確変判定図柄の各変動パターン(変動時間)が設定されている。第1テーブルに設定されている各変動時間(秒)は、普通図柄の変動時間の最小値よりも小さい。また、第2テーブルに設定されている各変動時間(秒)の中には、普通図柄の変動時間の最小値よりも大きいものがある。
【0122】
以上のような制御によって、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の可変表示と普通図柄表示器10おける普通図柄の可変表示とが同時に実行されるようなときに、確変判定図柄の変動時間を短くすることによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることが可能になる。
【0123】
なお、図18に示された確変判定図柄通常処理において、普通図柄が変動中である場合、当りとすることに決定されているときには、第1テーブルから確変判定図柄の変動時間を選択するのであるが、その際に、乱数値に応じて変動時間を選択するのではなく、普通図柄の変動の残り時間よりも短い変動時間から変動時間を選択するようにしてもよい。そのようにした場合には、第1テーブルに設定されている確変判定図柄の変動時間のうちに、普通図柄の変動時間の最小値(あらかじめ決められている幾つかの変動パターンのうち変動期間が最も短い変動パターンの変動時間)よりも長いものがあってもよい。普通図柄の変動時間の最小値よりも長いものが存在しても、普通図柄の変動の残り時間に応じて確変判定図柄の変動時間を選択するようにすれば、確実に、普通図柄表示器10おける可変表示の終了時よりも前に確変判定図柄表示器13における可変表示を終了させることができる。
【0124】
実施の形態4.
図20は、本発明の第4の実施形態における確変判定図柄プロセス処理における確変判定図柄通常処理(ステップS601)を示すフローチャートである。この実施の形態は、確変判定図柄通常処理および確変図柄変動中処理の処理内容が第3の実施の形態とは異なるが、その他の処理は第3の実施の形態と同じである。この実施の形態では、確変判定図柄通常処理において、CPU56は、権利発生状態が発生した場合には確変決定用乱数を抽出し(ステップS611,S612)、抽出した乱数にもとづいて遊技状態を確変状態に移行させるか否かを決定し(ステップS613)、確変状態に移行させることに決定した場合には確変発生フラグをセットする(ステップS614)。
【0125】
そして、確変判定図柄変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS619)、第2テーブル(図19参照)に設定されているデータと、抽出した確変判定図柄変動パターン決定用乱数とにもとづいて確変判定図柄の変動パターンを決定する(ステップS620A)。その後、第3の実施の形態の場合と同様に、ステップS621〜S624の処理を実行する。
【0126】
図21は、この実施の形態における確変判定図柄変動中処理(ステップS602)を示すフローチャートである。確変判定図柄変動中処理において、CPU56は、変動期間が終了したときには(ステップS631)、確変判定図柄プロセスフラグの値を確変判定図柄停止処理(ステップS603)に対応した値に更新する(ステップS636)。
【0127】
変動期間が終了していない場合には、普通図柄表示器10における普通図柄の変動が行われているか、または、開始されたか否か確認する(ステップS632)。
【0128】
ステップS632の判定において、普通図柄の変動が行われていること、または、開始されたことを確認したら、CPU56は、当りフラグ(普通図柄により当りとすることが決定されていることを示す示すフラグ)がセットされていれば(ステップS633)、確変判定図柄の変動開始からの経過時間が、変動期間を短縮した場合の変動時間を越えていなければ、表示制御基板80に、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドの表示制御コマンドを送信する(ステップS634,S635)。なお、確変判定図柄変動中処理は変動期間が終了するまで2ms毎に繰り返し実行されるが、ステップS632の判定において、一度、普通図柄の変動が行われていること、または、開始されたことを確認したら、以後、CPU56は、確変判定図柄の変動期間が終了するまでステップS632〜S635の処理を実行しない。
【0129】
表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを受信すると、そのときに実行されている確変判定図柄の変動期間を短縮する。短縮の程度は、例えば、図19に示す第1テーブルに設定されているような時間にまでである。この実施の形態では、遊技制御手段および表示制御手段は、図19に示されたような第1テーブルと第2テーブルとを有する。そして、表示制御手段は、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを受信した場合には、そのときに実行している確変判定図柄の変動パターンに応じた第1テーブル側の設定値による変動時間で普通図柄の変動が行われるように制御する。
【0130】
例えば、表示制御手段は、変動開始時に、16.0秒の変動時間の変動パターン(図19に示す第2テーブルの上から3番目のパターンに相当)を示す表示制御コマンドを受信して確変判定図柄の変動制御を開始し、その後に確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを受信した場合には、変動時間を7.0秒(図19に示す第1テーブルの上から3番目のパターンに相当)にするために、変動終了時を決めるためのタイマから、16.0−7.0=9.0秒分を減算する。なお、遊技制御手段も、変動時間を決めるための変動時間タイマから、16.0−7.0=9.0秒分を減算する。
【0131】
このような制御によっても、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の可変表示と普通図柄表示器10おける普通図柄の可変表示とが同時に実行されるようなときに、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示が終了する可能が高くなる。
【0132】
特に、普通図柄の変動開始時に普通図柄により当りとすることに決定した場合に、既に確変判定図柄が変動中であっても、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドが表示制御基板80に送信される。そして、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを受信したときに、確変判定図柄の変動開始からの時間が第2テーブルに設定されているような時間にまで達していない場合には、確変判定図柄の変動時間を短縮する。従って、確変判定図柄の変動開始時には普通図柄が変動開始していなかったが、確変判定図柄の変動開始後に普通図柄が変動を開始したような場合でも、確変判定図柄の変動の変動時間を短縮することによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる可能性がより高くなる。
【0133】
また、この実施の形態では、ステップS634,S635において、普通図柄の変動開始からの経過時間が、確変判定図柄の変動を短縮した場合の変動時間を越えていなければ常に確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを送信したが、普通図柄の変動が既に開始されているときに確変判定図柄の変動が開始された場合(初めて確変判定図柄変動中処理が実行され、そのときにステップS632でYである場合)、普通図柄で当たりとなっていたことを確認したら、普通図柄の変動の残り時間が確変判定図柄の変動時間よりも長い場合にのみ、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成した場合には、確実に普通図柄表示器10おける可変表示の終了時よりも前に確変判定図柄表示器13における可変表示を終了させることができるとともに、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドの送信機会を減らすことができる。
【0134】
実施の形態5.
第1〜第4の実施の形態では、いわゆる普通図柄タイプの第3種パチンコ遊技機を例にしたが、本発明は、特定領域に設けられた作動検出手段(上記の例では特別装置作動判定図柄ゲート41を通過した遊技球を検出する図柄ゲートスイッチ41a)で遊技球が検出されたことに応じて可変表示装置(特別装置作動判定図柄表示装置)8における表示結果導出動作としての可変表示が開始され、可変表示装置8における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果(当り図柄)となって遊技球が特別領域を通過したことを条件に権利発生状態に制御可能となる、いわゆる判定図柄タイプの第3種パチンコ遊技機にも本発明を適用できる。
【0135】
なお、本発明を適用可能な判定図柄タイプの第3種パチンコ遊技機には、普通図柄表示器10が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。以下、普通図柄表示器10が設けられていない場合を例にする。従って、この実施の形態では、例えば図1等に示す通過ゲート11を遊技球が通過すると、普通電動役物50が開放状態(作動検出手段に対して遊技球が進入しやすい第1の状態)に変化する。特定入賞口32に入賞した遊技球は特定入賞口スイッチ32aで検出されるとともに、振分部材35に入る。その後、誘導部40における特別装置作動判定図柄ゲート41を通過すると、可変表示装置8において図柄(判定図柄)が変動を始める。可変表示装置8における停止図柄が当り図柄(例えば左右図柄が揃った図柄の組み合わせ)であった場合には誘導部材42は右回りに回転して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を特別排出口43側に誘導する。特別排出口43に誘導された遊技球が特別領域スイッチ48によって検出されると、遊技状態が権利発生状態になる。
【0136】
図22は、この実施の形態における2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。ステップS20〜ステップS24およびステップS26〜S35の内容は、第1〜第4の実施の形態で実行される図7に示された2msタイマ割込処理におけるステップS20〜ステップS24およびステップS26〜S35の内容と同じである。
【0137】
図23は、ステップS29の判定図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、判定図柄プロセス処理において、確変フラグ確認処理(ステップS300)を実行した後、内部状態(具体的にはRAM55に形成されている判定図柄プロセスフラグの状態)に応じて、ステップS301〜S305のうちのいずれかの処理を行う。確変フラグ確認処理は、確変状態の終了条件が成立していたら、確変フラグをリセットして遊技状態を確変状態から通常状態に戻す処理である。例えば、確変状態に移行してから普通電動役物50が所定回(例えば10回)開放するか、または、判定図柄の変動が所定回(例えば10回)行われた場合に確変状態は終了する。
【0138】
判定図柄通常処理(ステップS301):判定図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。判定図柄の可変表示が開始できる状態になると、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。判定図柄の可変表示を開始できる状態とは、遊技球が特別装置作動判定図柄ゲート41を通過した場合である。なお、判定図柄は、権利発生状態および権利発生状態が発生した後の大当り遊技状態(特定遊技状態)においても、可変表示可能である。
【0139】
判定図柄停止図柄設定処理(ステップS302):所定の乱数を抽出し、判定図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、判定図柄の変動時間を決めるためのタイマをスタートさせ、判定図柄の変動が開始されるように制御する。そして、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。なお、判定図柄の変動が開始されるように制御する場合に、CPU56は、判定図柄変動開始を示す表示制御コマンドおよび停止図柄を示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、判定図柄変動開始を示す表示制御コマンドを受信すると、可変表示装置8の表示状態を、判定図柄が変動していくように制御する。
【0140】
判定図柄変動中処理(ステップS303):所定時間(ステップS302においてスタートした判定図柄の変動時間を決めるためのタイマがタイムアップするまでの時間)が経過すると、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0141】
判定図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置8において可変表示されている図柄が停止されるように制御する。具体的には、判定図柄停止を示す表示制御コマンドが表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。そして、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。なお、表示制御手段は、判定図柄停止を示す表示制御コマンドを受信すると、可変表示装置8の表示状態を、停止図柄を示す表示制御コマンドによって指定された図柄が表示される状態にする。
【0142】
遊技球誘導処理(ステップS305):可変表示装置8における停止図柄が当り図柄(例えば左右図柄が揃った図柄の組み合わせ)であった場合には、CPU56は、誘導部材42が右回りに回転するように制御して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を特別排出口43側に誘導する。また、可変表示装置8における停止図柄が当り図柄でなかった場合には誘導部材42が左回りに回転するように制御して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を排出口44側に誘導する。
【0143】
そして、特別領域スイッチ48が遊技球を検出すると、権利発生状態フラグをセットし、さらに、大入賞口の開放回数を決めるためのカウンタ(大入賞口開放回数カウンタ)に所定値(例えば10ラウンドに対応した10)を設定して、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。通常領域スイッチ49が遊技球を検出すると、権利発生状態フラグをセットせず、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。なお、大入賞口開放回数カウンタに設定される所定値は、権利発生状態にもとづく遊技者にとって有利な状態である特定遊技状態における所定の状態(この例では大入賞口開放状態)について、あらかじめ決められている回数(ラウンド数)に相当する。
【0144】
図24は、この実施の形態における判定図柄と権利発生状態等との関係の一例を示すタイミング図である。図24には、遊技球が通過ゲート11を通過したことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞した後に図柄ゲートスイッチ11aで検出されて判定図柄の変動が開始され、さらに、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(a参照)。
【0145】
従って、権利発生状態が発生し、確変判定図柄表示器13において確変図柄の変動が行われる。
【0146】
また、図24には、権利発生状態である期間中において、再度、判定図柄が変動を開始し、判定図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(b参照)。権利発生状態となっている期間中に、再度遊技球が特別領域に誘導されたので、権利発生状態終了条件が成立し、その時点で権利発生状態は消滅する。
【0147】
この実施の形態で特徴的なことは、判定図柄の変動開始時(図24に示す例では2回目の変動開始時)に確変判定図柄が変動している状態であれば、判定図柄の変動時間が延長されることである。判定図柄の変動時間を延長することによって、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることができる。
【0148】
このような制御を行わない場合には、権利発生状態終了条件の成立タイミングが、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも早い場合が生ずる。そのような場合には、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が終了したときに、既に権利発生状態が消滅してしまっているという問題が生ずる。
【0149】
しかし、遊技制御手段が、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするように制御すれば、そのような問題は生じない。つまり、確変判定図柄の変動停止の時点では権利発生状態は継続しているので、遊技制御手段は、確変判定図柄の停止図柄に応じて、迷うことなく遊技状態を制御することができる。
【0150】
このような制御を実現するために、第1の実施の形態における普通図柄についての制御と同様に、判定図柄の表示結果を当り図柄とすることが決定され、かつ、確変判定図柄が変動中であれば、判定図柄の変動時間を決めるためのテーブルとして、確変判定図柄の可変表示期間以上の時間を示すデータのみが設定された第2のデータ群としての第2のテーブルを使用し、その他の場合には、確変判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータを含むデータが設定された第1のデータ群としての第1のテーブルを使用して、判定図柄の変動時間を決めればよい(図14参照)。
【0151】
あるいは、第2の実施の形態における普通図柄についての制御と同様に、判定図柄の変動時間を決める際に第1のテーブルを使用し、確変判定図柄が変動中になったときに、判定図柄の表示結果が当り図柄とすることに決定されていれば、判定図柄について変動パターン延長コマンド(判定図柄変動パターン延長コマンド)を表示制御基板80に送信すればよい。
【0152】
または、第3の実施の形態における普通図柄についての制御と同様に、判定図柄が変動中であって、かつ、判定図柄の表示結果が当り図柄とすることに決定されている場合には、確変判定図柄の変動時間を決めるためのテーブルとして、判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータのみが設定された第1のデータ群としての第1のテーブルを選択し、その他の場合には、判定図柄の可変表示期間よりも長い時間を示すデータを含むデータが設定された第2のデータ群としての第2のテーブルを選択して、判定図柄の変動時間を決めればよい(図19参照)。
【0153】
あるいは、第4の実施の形態における普通図柄についての制御と同様に、確変判定図柄の変動時間を決める際に第2のテーブルを使用し、判定図柄が変動を開始したときに、表示制御基板80に確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを送信すればよい。
【0154】
すなわち、この実施の形態は、第1〜第4の実施の形態における普通図柄に対する制御を、判定図柄に対して適用したものに相当する。
【0155】
以上のような制御によって、従来の制御では確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも先に権利発生状態終了条件が成立するような場合でも、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることが可能になる。
【0156】
図25は、確変状態への移行タイミングの一例を示すタイミング図である。確変状態は、確変判定図柄通常処理において確変発生フラグがセットされた後(図18参照)、図25に示すように、権利発生状態の終了時または特定遊技としての大当り遊技における最終ラウンドの終了時に発生する。なお、権利発生状態であることを示す権利発生状態フラグは、特定遊技における最終ラウンドの開始時にリセットされる。また、権利発生状態である期間中に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたときにも、権利発生状態フラグはリセットされ権利発生状態は消滅する。
【0157】
以上に説明したように、上記の各実施の形態では、遊技機を、可変表示手段としての普通図柄表示器10もしくは可変表示装置8における可変表示と確変判定図柄表示器13おける可変表示とが同時に実行されたときに、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段(遊技制御手段に含まれる。)を備えた構成(実施の形態1,2,5)、または、少なくとも可変表示手段の表示結果が特定の表示結果(当り図柄)となるときに、確変判定図柄表示器13おける可変表示期間を、可変表示手段における可変表示期間よりも短くする可変表示期間調整手段(遊技制御手段に含まれる。)を備えた構成にしたので(実施の形態3,4,5)、特別領域に設けられた特別検出手段で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態となり、確変状態などの特別遊技状態とするための条件である特別遊技状態判定図柄を使用する遊技機において、特別遊技状態判定図柄の確定(停止)タイミングが可変表示手段の可変表示の停止タイミングよりも遅れる機会を低減することができる。
【0158】
なお、上記の実施の形態では、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段、ランプ制御基板135に搭載されているランプ制御手段および音制御基板170に搭載されている音制御手段が、可変表示装置8、普通図柄表示器10、確変判定図柄表示器13、ランプやLEDおよびスピーカ27等の演出手段を制御したが、1つまたは2つの基板に搭載されている各制御手段が演出手段を制御する構成であっても、本発明を適用することができる。
【0159】
また、上記の実施の形態では、最終ラウンドが終了したときに、確変状態への移行条件が成立していたら確変フラグをセットしたが、権利発生状態が終了するときに確変フラグをセットしてもよい。すなわち、特別遊技状態制御手段は、所定の特別遊技状態発生条件が成立したら、権利発生状態にもとづく遊技者にとって有利な状態である特定遊技状態におけるあらかじめ決められている回数の所定の遊技が完了したときに、または、権利発生状態の終了時に、遊技状態を特別遊技状態に移行させる。
【0160】
また、上記の実施の形態では、可変表示手段として、普通図柄表示器10を備えた遊技機、または判定図柄を可変表示する可変表示装置8を備えた遊技機を例にしたが、普通図柄表示器10と可変表示装置8との双方を備えた遊技機にも本発明を適用することができる。
【0161】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、可変表示手段における表示結果としてあらかじめ定められた特定の表示結果となったことを条件に特定可変入賞手段に遊技球が進入しやすい状態または進入可能な状態に制御可能な遊技機において、特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果と特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段と、所定の特別遊技状態発生条件の成立にもとづいて特別遊技状態判定図柄表示手段に特別表示結果が導出表示され、権利発生状態が終了した後に、遊技状態を通常状態から特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立にもとづいて、遊技状態を特別遊技状態から通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段と、可変表示手段における可変表示と特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段とを備えた構成にしたので、特別遊技状態とするための条件である特別遊技状態判定図柄を使用する場合に、特別遊技状態にするか否かの制御を円滑に実行することができる。
【0162】
請求項2記載の発明では、可変表示手段における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果となり遊技球が特別領域を通過したことを条件に権利発生状態に制御可能となる遊技機において、特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果と特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段と、所定の特別遊技状態発生条件の成立にもとづいて特別遊技状態判定図柄表示手段に特別表示結果が導出表示され、権利発生状態が終了した後に、遊技状態を通常状態から特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立にもとづいて、遊技状態を特別遊技状態から通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段と、可変表示手段における可変表示と特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段とを備えた構成にしたので、特別遊技状態とするための条件である特別遊技状態判定図柄を使用する場合に、特別遊技状態にするか否かの制御を円滑に実行することができる。
【0163】
請求項3記載の発明では、特別遊技状態判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータを含むデータが設定された第1のデータ群と、特別遊技状態判定図柄の可変表示期間以上の時間を示すデータのみが設定された第2のデータ群とを備え、可変表示期間調整手段が、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されているときには第2のデータ群を用い、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されていないときには第1のデータ群を用いて可変表示手段における可変表示期間を選択するように構成されているので、遊技状態に応じたテーブルを用いることによって容易に特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示期間と可変表示手段における可変表示期間との関係を調整することができる。
【0164】
請求項4記載の発明では、可変表示期間調整手段が、可変表示手段における可変表示期間を変化させるコマンドを表示制御手段に送信することによって、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させるように構成されているので、遊技制御手段の負担を増大させることなく、容易に特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示期間と可変表示手段における可変表示期間との関係を調整することができる。
【0165】
請求項5記載の発明では、可変表示期間調整手段が、可変表示手段の表示結果が特定の表示結果となるときにのみ、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させるように構成されているので、制御の矛盾が生じうる場合にのみ調整のための制御を行うことによって、調整のための制御の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の機構盤を背面からみた背面図である。
【図3】遊技盤を正面から見た正面図である。
【図4】普通電動役物、振分部材および誘導部の構成を詳細に示す正面図である。
【図5】遊技制御基板(主基板)の回路構成を示すブロック図である。
【図6】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図7】2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図8】普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図9】役物プロセス処理を示すフローチャートである。
【図10】確変図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図11】普通図柄と権利発生状態等との関係の一例を示すタイミング図である。
【図12】普通図柄と権利発生状態等との関係の従来例を示すタイミング図である。
【図13】普通図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図14】普通図柄に関する第1テーブルおよび第2テーブルの構成例を示す説明図である。
【図15】普通図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図16】普通図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図17】普通図柄と権利発生状態等との関係の他の例を示すタイミング図である。
【図18】確変判定図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図19】確変判定図柄に関する第1テーブルおよび第2テーブルの構成例を示す説明図である。
【図20】確変判定図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図21】確変判定図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図22】2msタイマ割込処理の他の例を示すフローチャートである。
【図23】判定図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図24】判定図柄と権利発生状態等との関係の一例を示すタイミング図である。
【図25】確変状態の発生タイミングを示すタイミング図である。
【符号の説明】
8 可変表示装置
10 普通図柄表示器
11 普通図柄表示装置作動口
11a 普通図柄表示装置作動口スイッチ(ゲートスイッチ)
13 確変判定図柄表示器
20 始動入賞装置
21 回転体
32 特定入賞口
41 特別装置作動判定図柄ゲート
41a 図柄ゲートスイッチ
42 誘導部材
43 特別排出口
44 排出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技領域に遊技球が打ち込まれることにより遊技が行われ、特別領域に設けられた特別検出手段で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。また、遊技球が特別装置作動領域(特別領域)に入賞した場合に権利発生状態を生起させるものがある。権利発生状態中に、例えば、始動口に遊技球が入賞したことにもとづいて、さらに所定の遊技価値(有利な状態)が遊技者に与えられる。このようなパチンコ遊技機は、一般に第3種パチンコ遊技機と呼ばれる。
【0003】
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた大入賞口などの可変入賞球装置の状態が、遊技球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、景品としての遊技球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0004】
第3種パチンコ遊技機には、遊技球が普通図柄表示装置作動口に入賞すると普通図柄表示装置が普通図柄の変動(変動を可変表示ともいう。)を開始し、停止図柄が所定の図柄である場合には普通電動役物が作動して特定入賞口が開放し、遊技球が特定入賞口に入賞し特別装置作動判定図柄ゲートに到達したことがセンサによって検知されると、特別装置作動判定図柄表示装置(以下、判定図柄表示装置または可変表示装置という。)において判定図柄の変動(識別情報の可変表示)が開始されるように構成されたものがある。そして、可変表示装置の表示結果があらかじめ定められた特定表示態様(以下、当り図柄ともいう。)の組合せとなることを、通常、「当り」という。なお、可変表示装置における図柄の変動中では、遊技球は、特別装置作動判定図柄ゲートの検出位置に貯留されている。
【0005】
当りが発生すると、貯留されていた遊技球が誘導装置によって特別装置作動領域に誘導され、特別装置作動領域に設けられているセンサによって検知されると権利が発生し、権利発生状態において始動口に遊技球が入賞すると大入賞口が開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、開放期間において、所定個(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞すると大入賞口は閉成する。そして、権利発生状態が継続している限り、再度、大入賞口が開放する。権利は、始動口に例えば16個の遊技球が入賞するまで継続する。ただし、権利発生状態の継続中に、再度権利を発生させるための動作(特別装置作動領域への遊技球の入賞)が行われた場合には、権利発生状態は消滅する。なお、各開放について開放時間(例えば9.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。
【0006】
遊技球を用いる遊技機には、例えば可変表示装置における停止図柄が当り図柄のうち特定図柄であった場合に、権利発生状態が終了したとき等に、「当り」になる確率が向上する確率変動状態(確変状態=高確率状態)に移行するように構成されたものがある。また、確率変動状態に移行することが可能な遊技機において、「当り」とするか否かを決定するための判定図柄の他に、確率変動状態に移行するか否かを決定するための確変判定図柄を用い、特定遊技状態(大当り遊技中)において確変判定図柄を可変表示し、確変判定図柄の可変表示結果(停止図柄)にもとづいて確率変動状態に移行するか否か決めるものがある(例えば特許文献1。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−107380号公報(段落0073〜0078、図28)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第3種パチンコ遊技機において確変判定図柄を用いた場合には、以下のような問題がある。すなわち、権利発生状態においても遊技球が普通図柄表示装置作動口に入賞すると普通図柄表示装置が普通図柄の変動を開始し、停止図柄が所定の図柄である場合には普通電動役物が作動して特定入賞口が開放し、遊技球が特定入賞口に入賞すると可変表示装置において判定図柄の変動が開始される。そのときの状態が権利発生状態であれば、判定図柄の表示結果が「当り」である場合には上述したように権利発生状態が消滅するのであるが、権利発生状態が消滅するときに確変判定図柄の可変表示が行われていたときには、権利発生状態の消滅後に確変判定図柄の表示結果が導出される。通常状態から確変状態への切替は大当り遊技の終了時または権利発生状態の終了時になされる。すると、権利発生状態が消滅したときに確変判定図柄の可変表示が終了していない場合には、遊技進行を制御する遊技制御手段が、確変判定図柄の可変表示が終了していないにもかかわらず確変状態へ切り替えるか否か決定しなければならない。つまり、遊技制御上の矛盾が生ずる。例えば、確変状態であるか否かを報知するように構成した場合に、確変判定図柄の可変表示が終了していないうちに確変状態に関する報知を行わなくてはならない。
【0009】
そこで、本発明は、特別領域に設けられた特別検出手段で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態となり、確変状態などの特別遊技状態とするための条件である特別遊技状態判定図柄を使用する遊技機において、特別遊技状態にするか否かを制御する際に矛盾が生じない遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技を行い、表示状態が変化可能な可変表示手段(例えば普通図柄表示器10)を含み、遊技領域に設けられている作動領域(例えば通過ゲート11)に設けられた作動検出手段(例えばゲートスイッチ11a)で遊技球が検出されたことに応じて可変表示手段における表示結果導出動作としての可変表示(例えば普通図柄の変動)が開始され、可変表示手段における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果(例えば当り図柄)となったことを条件に特定可変入賞手段(例えば普通電動役物50、振分部材35および誘導部40)に遊技球が進入しにくい状態または進入不能な状態である第2の状態から、第2の状態に比べて遊技球が進入しやすい状態または進入可能な状態である第1の状態に制御可能であり、特定可変入賞手段に設けられている特別領域(例えば特別領域スイッチ48を含む領域)に設けられた特別検出手段(例えば特別領域スイッチ48)で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態に制御可能となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域(例えば始動入賞装置20)に設けられた始動検出手段(例えば始動口スイッチ20a)により遊技球が検出されたことにもとづいて、可変入賞装置(例えば開閉板51によって開閉される大入賞口)を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能な遊技機であって、権利発生状態となっている期間中に所定数(例えば10)の遊技球が始動検出手段により検出されたこと、または権利発生状態となっている期間中に特別検出手段(例えば特別領域スイッチ48)により遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態を終了させる権利発生制御手段(例えば遊技制御手段におけるステップS77の遊技球誘導処理を実行する部分)と、特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果(例えば確変図柄)と特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段(例えば確変判定図柄表示器13)と、遊技状態を、通常状態(例えば非確変状態)と、可変表示手段における可変表示結果として特定の表示結果が導出表示される確率が通常状態に比べて高い特別遊技状態(例えば確変状態)とのいずれかの状態に設定する制御を行い、所定の特別遊技状態発生条件の成立(例えば確変決定用乱数の値があらかじめ決められている確変判定値と一致した)にもとづいて特別遊技状態判定図柄表示手段に特別表示結果が導出表示され、権利発生状態が終了した後に、遊技状態を、通常状態から特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立(例えば、確変状態に移行してから普通電動役物50が所定回(例えば10回)開放するか、または、普通図柄の変動が所定回(例えば10回)行われた場合)にもとづいて、遊技状態を、特別遊技状態から通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段(例えば遊技制御手段におけるステップS70,S300の確変フラグ確認処理を実行する部分)と、可変表示手段における可変表示と特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS712〜S720を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明による他の態様の遊技機は、遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技を行い、表示状態が変化可能な可変表示手段(例えば例えば可変表示装置8)を含み、特定領域(例えば特定入賞口32以降の領域)に設けられた特定検出手段(例えば図柄ゲートスイッチ41a)で遊技球が検出されたことに応じて可変表示手段における表示結果導出動作としての可変表示(例えば判定図柄の変動)が開始され、可変表示手段における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果(例えば当り図柄)となり特別領域(例えば特別領域スイッチ48を含む領域)に設けられた特別検出手段(例えば特別領域スイッチ48)により遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態に制御可能となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域(例えば始動入賞装置20)に設けられた始動検出手段(例えば始動口スイッチ20a)により遊技球が検出されたことにもとづいて、可変入賞装置(例えば開閉板51によって開閉される大入賞口)を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能な遊技機であって、権利発生状態となっている期間中に所定数(例えば10)の遊技球が始動検出手段により検出されたこと、または権利発生状態となっている期間中に特別検出手段により遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態を終了させる権利発生制御手段(例えば遊技制御手段におけるステップS77の遊技球誘導処理を実行する部分)と、特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果(例えば確変図柄)と特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段(例えば確変判定図柄表示器13)と、遊技状態を、通常状態(例えば非確変状態)と、可変表示手段における可変表示結果として特定の表示結果が導出表示される確率が通常状態に比べて高い特別遊技状態(例えば確変状態)とのいずれかの状態に設定する制御を行い、所定の特別遊技状態発生条件の成立(例えば確変決定用乱数の値があらかじめ決められている確変判定値と一致した)にもとづいて特別遊技状態判定図柄表示手段に特別表示結果が導出表示され、権利発生状態が終了した後に、遊技状態を、通常状態から特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立(例えば、確変状態に移行してから普通電動役物50が所定回(例えば10回)開放するか、または、判定図柄の変動が所定回(例えば10回)行われた場合)にもとづいて、遊技状態を、特別遊技状態から通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段(例えば遊技制御手段におけるステップS70,S300の確変フラグ確認処理を実行する部分)と、可変表示手段における可変表示と特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS712〜S720(ただし、普通図柄ではなく判定図柄に対して制御を行う)を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。
【0012】
特別遊技状態判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータを含むデータが設定された第1のデータ群(例えば普通図柄に関する第1テーブル)と、特別遊技状態判定図柄の可変表示期間以上の時間を示すデータのみが設定された第2のデータ群(例えば普通図柄に関する第2テーブル)とを備え、可変表示期間調整手段が、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されているときには第2のデータ群を用い、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されていないときには第1のデータ群を用いて可変表示手段における可変表示期間を選択する(例えばステップS713〜S720ように構成されていてもよい。
【0013】
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56等からなる遊技制御手段)と、遊技制御手段からのコマンドの受信にもとづいて可変表示手段の表示状態を制御する表示制御手段(例えば表示制御基板80に搭載されている表示制御手段)とを備え、可変表示期間調整手段は、遊技制御手段に含まれ、可変表示期間調整手段が、可変表示手段における可変表示期間を変化させるコマンド(例えば普通図柄変動パターン延長コマンドや判定図柄変動パターン延長コマンド)を表示制御手段に送信することによって、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させるように構成されていてもよい。
【0014】
可変表示期間調整手段が、可変表示手段の表示結果が特定の表示結果(例えば普通図柄の当り図柄や判定図柄の当り図柄)となるときにのみ、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させるように構成されていてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1には、通過ゲートの遊技球通過にもとづいて普通図柄の可変表示(変動)が開始され、普通図柄の可変表示結果(停止図柄)が特定の図柄である場合に普通電動役物が開放し、普通電動役物に遊技球が入賞し特別装置作動判定図柄ゲートを通過したことにもとづいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになり遊技球が特別領域に入賞すると所定の権利発生状態となる(特別装置が作動)パチンコ遊技機(第3種パチンコ遊技機)の正面図が示されている。
【0016】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた遊技球を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が設けられている。
【0017】
遊技領域7の中央付近の上方には、複数種類の図柄を変動表示するための可変表示装置(特別装置作動判定図柄表示装置)8が設けられている。可変表示装置8には、例えば「左」、「右」の2つの図柄表示エリアがある。可変表示装置8の下部には、普通電動役物50、振分部材35および誘導部40が設けられている。誘導部40の下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられている。
【0018】
さらに、可変表示装置8を含む部材には、遊技状態を特別遊技状態としての確変状態にするか否かを決めるための確変図柄可変表示器13が設けられている。確変図柄可変表示器13は2つのLEDからなり、一方のLEDは点灯時に識別情報(図柄)としての〇を表示し、他方のLEDは点灯時に識別情報としての×を表示する。そして、可変表示中では、2つのLEDが交互に点灯する。可変表示期間(変動時間)が終了して交互の点灯が終了したときに点灯されている方の識別情報が、表示結果としての停止識別情報(停止図柄)である。そして、例えば〇が確変図柄である。
【0019】
遊技領域7における左側下部には、普通図柄表示装置作動口(通過ゲート)11が設けられている。また、遊技領域7における右側上部には、始動入賞装置20が設けられている。始動入賞装置20は回転体21を有し、始動入賞装置20における回転体21の下部には、特別電動役物を形成する大入賞口を開放するための開閉板51が設けられている。さらに、遊技領域7には、複数の普通入賞口17,18,19,24が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられ、遊技領域7の外周には、遊技効果ランプが設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット150も示されている。
【0020】
図2は、パチンコ遊技機1の機構盤を背面からみた背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の裏面では、機構板の上部に球貯留タンク138が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク138に供給される。球貯留タンク138内の遊技球は、誘導樋139を通って球払出装置97に至る。遊技機裏面側では、可変表示装置8を制御する回路が搭載された表示制御基板80を内蔵する可変表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等による遊技制御手段が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37や、遊技機内の各制御基板および機構部品等が使用する電圧を生成する電源基板910等が設置されている。
【0021】
図3は、遊技盤6を正面から見た正面図である。打球発射装置から発射された遊技球は、外レール201と内レール202との間を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通って普通図柄表示装置作動口スイッチ(ゲートスイッチ)11aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動が開始され、停止図柄が当り図柄である場合には普通電動役物50が作動して特定入賞口32が開放した状態になる。すなわち、特定可変入賞手段としての普通電動役物50等に対して遊技球が進入しにくい第2の状態から、遊技球が進入しやすい第1の状態に変化する。なお、第2の状態は遊技球が全く進入できない状態であってもよく、その場合には、遊技球が進入不能な第2の状態から進入可能な第1の状態に変化する。遊技球が特定入賞口32に入賞すると、遊技球は特定入賞口スイッチ32aで検出されるとともに、振分部材35に入る。その後、誘導部40における特別装置作動判定図柄ゲート41を通過すると、可変表示装置8において図柄(判定図柄)が変動を始める。なお、特別装置作動判定図柄ゲート41の部分には、特別装置作動判定図柄ゲート41を通過した遊技球を検出する作動検出手段としての図柄ゲートスイッチ41aが設けられている。
【0022】
遊技領域7において、普通入賞口17,18,19,24に入賞した遊技球は、それぞれ、入賞口スイッチ17a,18a,19a,24aで検出される。入賞口スイッチ17a,18a,19a,20a,24aおよび特定入賞口スイッチ32aで遊技球が検出されると、所定個の遊技球が景品として払い出される。また、権利発生中において大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ51aによって検出される。カウントスイッチ51aで遊技球が検出されると、所定個の遊技球が景品として払い出される。そして、カウントスイッチ51aによる遊技球の検出数が所定数(例えば16)になると大入賞口は閉鎖する。また、権利発生中において、遊技球が特別装置作動判定図柄ゲート41を通過すると、権利発生状態は消滅する。
【0023】
図4は、普通電動役物50、振分部材35および誘導部40の構成を詳細に示す正面図である。普通電動役物50には左右の開閉翼片33,34が設けられ、開閉翼片33,34が外側に倒れることによって特定入賞口32が入賞しやすい状態になる。すなわち、普通電動役物50が作動している状態になる。なお、普通電動役物50は、普通図柄の表示結果が当り図柄であった場合に作動開始する。また、開閉翼片33,34は、ソレノイド(図示せず:以下、普通電役ソレノイドという。)によって外側に倒れる。
【0024】
なお、普通電動役物50、振分部材35および誘導部40からなる構造において、特定入賞口32以降の領域が特定領域を形成する。また、この実施の形態では、普通電動役物50、振分部材35および誘導部40の各部材が分かれて設けられているが、それらの部材が一体として形成されていてもよい。
【0025】
特定入賞口32に遊技球が入賞すると、遊技球は特定入賞口スイッチ32aで検出される。特定入賞口スイッチ32aで遊技球が検出されると、所定個の遊技球が景品として払い出される。特定入賞口32に入賞した遊技球は、振分部材35に進入する。この実施の形態では、振分部材35として、3つの穴を有し、揺動可能な、いわゆる3穴クルーンが用いられている。3穴クルーンに進入した遊技球は3穴のうちのいずれかに入る。3穴のうちの一つは、誘導部40に至る連通穴36である。他の穴39に入った遊技球は排出される。
【0026】
連通穴36を流下した遊技球は、作動判定手段としての特別装置作動判定図柄ゲート41の部分を通過して、誘導動作手段としての誘導部材42に至る。誘導部材42は遊技球を受けるような凹部を有する。特別装置作動判定図柄ゲート41の部分に設けられている図柄ゲートスイッチ41aで遊技球が検出されると、可変表示装置8において図柄の変動が開始される。また、遊技球は誘導部材42に貯留される。図4に示す構造から明らかなように、誘導部材42に遊技球が貯留される場合、その遊技球は特別装置作動判定図柄ゲート41の部分に停留しない。すなわち、遊技球貯留中では、作動判定手段が遊技球を検出することになる位置に遊技球は存在しない。
【0027】
なお、遊技球が特別装置作動判定図柄ゲート41の部分を通った後では、図柄ゲートスイッチ41aの検出がソフトウェア的に無効にされる。ソフトウェア的に無効にされるとは、遊技制御手段が、図柄ゲートスイッチ41aの検出信号を無視することである。また、特別装置作動判定図柄ゲート41の部分の上部には、遊技球を作動検出手段に対して進入可能な経路と進入不可能な経路とに振り分ける振分手段としてのシャッター45が設けられている。シャッター45は、ソレノイド(図示せず:以下、シャッターソレノイドという。)によって、図柄ゲートスイッチ41aの検出が無効にされるのと同タイミングで閉状態になる。シャッター45によって、後続の遊技球が特定入賞口32に入賞したとしても、誘導部材42にまで導かれることが防止される。すなわち、シャッター45によって流下が阻止され、左右に設けられている排出口47に導かれる。また、図柄ゲートスイッチ41aの検出が無効にされることによって、後続の遊技球によって可変表示装置8における変動開始の条件が再度成立してしまうことが防止される。
【0028】
なお、図柄ゲートスイッチ41aの検出のソフトウェア的な無効期間は、例えば、誘導部材42の回転動作終了時まで継続する。また、誘導部材42の回転終了時には、シャッター45が開状態にされる。すなわち、誘導部材42の動作終了に関連して、図柄ゲートスイッチ41aの検出の無効が解除され、シャッター45はシャッターソレノイドによって開状態にされる。
【0029】
可変表示装置8における図柄の変動は、あらかじめ決められている所定時間が経過すると停止する。すると、誘導部材42は、ステッピングモータである誘導部材駆動モータ(図示せず)によって、左方向または右方向に回転する。可変表示装置8における停止図柄が当り図柄(例えば左右図柄が揃った図柄の組み合わせ)であった場合には誘導部材42は右回りに回転して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を特別排出口43側に誘導する。特別排出口43に誘導された遊技球が特別領域スイッチ48によって検出されると、遊技状態が権利発生状態になる。
【0030】
可変表示装置8における停止図柄が当り図柄でなかった場合には誘導部材42は左回りに回転して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を排出口44側に誘導する。なお、回転体21は、ステッピングモータである回転体モータ(図示せず)によって回転する。
【0031】
誘導部材42の右側方には、誘導部材42が右回転すると、誘導部材42に貯留されている遊技球を検出する特別領域スイッチ(特別検出手段)48が設けられている。また、誘導部材42の左側方には、誘導部材42が左回転すると、誘導部材42に貯留されている遊技球を検出する通常領域スイッチ(排出検出手段)49が設けられている。なお、特別領域とは特別領域スイッチ48の側に誘導される遊技球のみが進入可能な領域であり、特別領域スイッチ48が設置されている位置は特別領域に含まれ、通常領域スイッチ49が設置されている位置は通常領域に含まれる。
【0032】
特別領域スイッチ48および通常領域スイッチ49の存在によって、誘導部材42が回転を開始した後、遊技球は早めに検出される。すなわち、当りである場合には、遊技球は、特別領域スイッチ48で、誘導部材42が回転を開始してから短時間で検出される。
【0033】
主基板31に搭載されている遊技制御手段は、特別領域スイッチ48の検出信号にもとづいて、早めに権利の発生を認識することができる。なお、さらに、特別排出口43にスイッチを設け、特別領域スイッチ48で遊技球が検出された後、特別排出口43のスイッチが遊技球を検出したら、遊技制御手段は、遊技状態を権利発生状態とするようにしてもよい。
【0034】
権利発生状態において、遊技球が始動入賞装置20における始動口に入賞すると、その遊技球は始動口スイッチ20a(図3参照)で検出される。遊技制御手段は、始動口スイッチ20aの検出結果に応じて大入賞口を開放するために開閉板51を駆動する。なお、開閉板51は、ソレノイド(図示せず:以下、大入賞口ソレノイドという。)によって駆動される。
【0035】
なお、ゲートスイッチ11a、特定入賞口スイッチ32a、カウントスイッチ51a、始動口スイッチ20a、図柄ゲートスイッチ41a、入賞口スイッチ17a,17b,18a,24aとして、マイクロスイッチや遊技球通過を検知可能な近接スイッチ等を用いることができる。
【0036】
図5は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御手段が搭載された払出制御基板37、ランプ制御手段が搭載されたランプ制御基板135、音制御手段が搭載された音制御基板170、発射制御基板91、および表示制御手段が搭載された表示制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ11a、特定入賞口スイッチ32a、カウントスイッチ51a、始動口スイッチ20a、図柄ゲートスイッチ41a、入賞口スイッチ17a,17b,18a,24a、特別領域スイッチ48、通常領域スイッチ49からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58が備えられている。
【0037】
なお、図5には示されていないが、スイッチ回路58には、下皿満タンを検知するための満タンスイッチ、補給球の不足を検知するための球切れスイッチ、賞球として実際に払い出された遊技球を検知するための賞球カウントスイッチ等からの信号も入力されている。
【0038】
また、主基板31には、普通電役ソレノイド、シャッターソレノイドおよび大入賞口ソレノイドを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、誘導部材駆動モータおよび回転体モータを基本回路53からの指令に従って駆動するモータ回路64が搭載されている。
【0039】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0040】
また、CPU56等の駆動電源である+5V電源から電力が供給されていない間、RAM55の少なくとも一部は、電源基板910から供給されるバックアップ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電力供給が停止しても内容は保存される。そして、RAM55の電源バックアップされている領域(バックアップRAM)には、遊技状態を復元するために必要なデータが記憶される。そして、+5V電源が復旧すると、CPU56は動作状態に復帰するが、そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保存されているので、停電等からの復旧時に停電等の発生時の遊技状態に復旧させることができる。例えば、遊技進行状態を示す内部フラグや、スイッチの検出状態を示す内部フラグは、バックアップRAMに保存されている。なお、RAM55の全領域が電源バックアップされていてもよい。
【0041】
さらに、主基板31には、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路65が設けられている。
【0042】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0043】
なお、この実施の形態では、ランプ制御基板135に搭載されているランプ制御手段が、装飾ランプ25の点灯制御を行うが、遊技機に設けられているその他の発光体例えば賞球ランプや球切れランプ等の点灯制御も行う。また、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、判定図柄を変動表示する可変表示装置8および確変判定図柄を変動表示する確変判定図柄表示器13に関する表示制御は、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
【0044】
実施の形態1.
次に遊技機の動作について説明する。
ここでは、作動検出手段で遊技球が検出されたことに応じて可変表示手段としての普通図柄表示器10において普通図柄の可変表示が開始され、普通図柄表示器10における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果(当り図柄)となったことにもとづいて特定入賞口(可変入賞口)が開放状態になり、特定入賞口に入賞した遊技球がさらに特別領域に入賞すると権利発生状態に制御可能となる、いわゆる普通図柄タイプの遊技機について説明する。
【0045】
従って、ここでは、図1等に示された可変表示装置8、シャッター45および排出口47は不要である。すなわち、普通電動役物50に入賞した遊技球は、誘導部40に進入したら誘導部材42に導かれる。そして、誘導部材42に導かれた遊技球は、特別排出口43側に誘導される。なお、シャッター45および排出口47を不要とせず、遊技球が図柄ゲートスイッチ41a(但し、スイッチ41aは、この場合には判定図柄変動開始の条件を成立させるのではなく、単に遊技球を検知するものとして使用される。)によって検出されたら所定期間シャッター45を閉じるようにしてもよい。
【0046】
図6は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびその周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が投入されると、メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0047】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
【0048】
そして、電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の停電発生NMI処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。この実施の形態では、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。バックアップなしを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。
【0049】
この実施の形態では、バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、電源断時にバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0050】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の電源断が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されていたはずであるから、チェック結果は正常になる。チェック結果が正常でない場合には、内部状態を電源断時の状態に戻すことができないので、停電復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0051】
チェック結果が正常であれば(ステップS8)、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS9)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0052】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域に初期値を設定する初期値設定処理も行われる。さらに、サブ基板(ランプ制御基板135、払出制御基板37、音制御基板170、表示制御基板80)を初期化するための処理を実行する(ステップS13)。サブ基板を初期化する処理とは、例えば初期設定コマンドを送出する処理である。
【0053】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、CPU56の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、図7に示すように、CPU56は、遊技制御処理を実行する(ステップS21〜33)。
【0054】
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理ではループ処理に移行する。なお、ループ内では、割込禁止の状態で表示用乱数更新処理(ステップS15,S16,S17)が実行される。
【0055】
図7は、2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。CPU56は、タイマ割込が発生すると、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図7に示すステップS21〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、各スイッチや検出器の状態を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0056】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報を発するための制御を行う(エラー処理:ステップS22)。
【0057】
次に、遊技制御に用いられる当り判定用の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、普通図柄表示器10および可変表示装置8における停止図柄の種類を決定する乱数等の表示用乱数を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0058】
また、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0059】
さらに、CPU56は、役物プロセス処理を行う(ステップS26)。役物プロセス処理では、遊技状態に応じて普通電動役物50、振分部材35および誘導部40の作動状態を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0060】
また、確変判定図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。確変判定図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて確変判定図柄表示器13の表示状態を所定の順序で制御するためのプロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0061】
次いで、CPU56は、表示制御手段に対する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(コマンド制御処理:ステップS28)。
【0062】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
【0063】
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を与える(ソレノイド出力処理:ステップS31)。ソレノイド回路59は、駆動指令に応じて普通電役ソレノイド、シャッターソレノイドおよび大入賞口ソレノイドを駆動する。さらに、所定の条件が成立したときにモータ回路64に駆動指令を与える(モータ制御処理:ステップS32)。モータ回路64は、駆動指令に応じて誘導部材駆動モータおよび回転体モータを駆動する。
【0064】
そして、CPU56は、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチ17a,18a,19a,24a,32a,51aの検出出力にもとづく賞球数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS33)。具体的には、入賞検出に応じて払出制御基板37に払出制御コマンドを出力する。また、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。レジスタの内容を復帰させ(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステップS35)。
【0065】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されたが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0066】
図8は、遊技制御処理におけるCPU56が実行する普通図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、普通図柄プロセス処理において、確変フラグ確認処理(ステップS70)を実行した後、内部状態(具体的にはRAM55に形成されている普通図柄プロセスフラグの状態)に応じて、ステップS71〜S77のうちのいずれかの処理を行う。なお、確変フラグ確認処理(ステップS70)は、確変状態終了条件が成立していたら確変フラグをリセットして遊技状態を確変状態から通常状態(非確変状態)に戻す処理である。例えば、確変状態に移行してから普通電動役物50が所定回(例えば10回)開放するか、または、普通図柄の変動が所定回(例えば10回)行われた場合に確変状態は終了する。
【0067】
普通図柄通常処理(ステップS71):普通図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。普通図柄の可変表示が開始できる状態になると、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS72に移行するように更新する。普通図柄の可変表示を開始できる状態とは、普通図柄の変動中ではなく、かつ、遊技球が通過ゲート11を通過した場合である。なお、普通図柄は、権利発生状態および権利発生状態が発生した後の大当り遊技状態(特定遊技状態)においても、可変表示可能である。
【0068】
普通図柄停止図柄設定処理(ステップS72):所定の乱数を抽出し、普通図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、普通図柄の変動時間を決めるためのタイマをスタートさせ、普通図柄の変動が開始されるように制御する。そして、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS73に移行するように更新する。なお、普通図柄の変動が開始されるように制御する場合に、CPU56は、普通図柄変動開始を示す表示制御コマンドおよび停止図柄を示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載されている表示制御用CPU等からなる表示制御手段は、普通図柄変動開始を示す表示制御コマンドを受信すると、普通図柄表示器10の表示状態を、普通図柄が変動していくように制御する。
【0069】
普通図柄変動処理(ステップS73):所定時間(ステップS72においてスタートした普通図柄の変動時間を決めるためのタイマがタイムアップするまでの時間)が経過すると、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS74に移行するように更新する。
【0070】
普通図柄停止処理(ステップS74):普通図柄表示器10において可変表示されている図柄が停止されるように制御する。具体的には、普通図柄停止を示す表示制御コマンドが表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。そして、停止図柄が当り図柄である場合には、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS75に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS71に移行するように更新する。なお、表示制御手段は、普通図柄停止を示す表示制御コマンドを受信すると、普通図柄表示器10の表示状態を、停止図柄を示す表示制御コマンドによって指定された図柄が表示される状態にする。
【0071】
普通電動役物開放前処理(ステップS75):普通電動役物50の開放時間と開放回数とを設定する。具体的には、あらかじめ決められている開放時間と開放回数とをRAM55の所定の領域に設定する。確変状態では、開放時間が、通常状態(確変状態でない状態)に比べて長くなっている。従って、遊技状態が確変状態であれば、普通電動役物50の開放時間として、通常状態よりも長いあらかじめ決められた時間を設定する。すなわち、遊技状態が特別状態に制御されているときに、普通電動役物50の開放条件が成立すると、普通電動役物50は、第1の状態よりもさらに遊技球が進入しやすい有利状態に制御される。なお、確変状態では、開放回数を通常状態に比べて多くしてもよいし、開放時間を長くするとともに、開放回数を多くしてもよい。そして、普通電動役物50の開放時間を決めるためのタイマをスタートさせ、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS76に移行するように更新する。
【0072】
普通電動役物開放中処理(ステップS76):所定時間(ステップS75においてスタートした普通電動役物50の開放時間を決めるためのタイマがタイムアップするまでの時間)が経過すると、普通電動役物50を閉鎖する。1回の開放において普通電動役物50を、複数回、開状態に制御する場合には、最終回の開放が行われていないときには、次回の普通電動役物50の開放までのインターバル時間が経過するのを待つ。インターバル時間が経過していれば、再び普通電動役物50を開放し、普通電動役物50の開放時間を決めるためのタイマをスタートさせる。最終回の開放が行われた場合には(開放回数が1回であれば、1回目の開放が最終回の開放に相当)、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS77に移行するように更新する。なお、普通電動役物50を開放するということは、具体的には、開閉翼片33,34を開放状態にするために、普通電役ソレノイドを駆動状態にすることである。
【0073】
遊技球誘導処理(ステップS77):誘導部材に遊技球が貯留されていたら、誘導部材42が右回りに回転するように制御して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を特別排出口43側に誘導する。また、特別領域スイッチ(特別検出手段)48で遊技球が検出されたら権利発生状態を発生させる。具体的には、権利発生状態フラグをセット状態にする。そして、内部状態(普通図柄プロセスフラグ)をステップS71に移行するように更新する。
【0074】
図9は、遊技制御処理におけるCPU56が実行する役物プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、役物プロセス処理において、内部状態(具体的にはRAM55に形成されている役物プロセスフラグの状態)に応じて、ステップS401〜S404のうちのいずれかの処理を行う。
【0075】
始動口入賞待ち処理(ステップS401):権利発生状態フラグがセットされている状態であれば、始動口スイッチ20aが遊技球を検出したか否か、または、始動口スイッチ20aによって遊技球を検出されたことが記憶されているか否か確認する。権利発生状態フラグがセットされていなければ、処理を終了する。権利発生状態フラグがセットされている状態において、始動口スイッチ20aが遊技球を検出した場合、または始動口スイッチ20aによって遊技球が検出されたことが記憶されている場合には、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS402に移行するように更新する。なお、所定時間内に始動口スイッチ20aが遊技球を検出しない場合には、権利発生状態フラグをリセットするようにしてもよい。なお、この間、特別領域スイッチ48が遊技球を検出したら、権利発生状態フラグをリセットする。また、大入賞口の開放回数を決めるためのカウンタのカウント値が1になっていれば(すなわち最終ラウンド開始時)、権利発生状態フラグをリセットしてから、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS402に移行するように更新する。
【0076】
大入賞口開放前処理(ステップS402):大入賞口を開放するために大入賞口ソレノイドを駆動して開閉板51を開放状態にする。また、開放時間(例えば9.5s)を決めるためのタイマをスタートさせる。そして、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS403に移行するように更新する。
【0077】
大入賞口開放中処理(ステップS403):開放時間を決めるためのタイマがタイムアップしたら、または、カウントスイッチ51aによる遊技球の検出数が所定数(例えば10個)になると、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS404に移行するように更新する。なお、この間、特別領域スイッチ48が遊技球を検出したら、権利発生状態フラグをリセットして、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS404に移行するように更新する。また、始動口スイッチ20aが遊技球を検出した場合には、その旨を記憶する。その旨の記憶は、大入賞口の開放回数を決めるためのカウンタのカウント値−1まで累積記憶される。
【0078】
大入賞口開放後処理(ステップS404):大入賞口の開放回数を決めるためのカウンタのカウント値を−1する。カウント値が0になっていなければ、内部状態(役物プロセスフラグ)をステップS401に移行するように更新する。カウント値が0になっていれば、後述する確変発生フラグがセットされているか否か確認する。確変発生フラグがセットされている場合には、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に変化させる。確変状態では、普通図柄の停止図柄が当り図柄に決定される確率が向上する。なお、確変発生フラグは、確変判定図柄プロセス処理における確変判定図柄通常処理において、確変決定用乱数にもとづいて確変状態にすることに決定された場合にセットされる。
【0079】
図10は、遊技制御処理におけるCPU56が実行する確変判定図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、内部状態(具体的にはRAM55に形成されている確変判定図柄プロセスフラグの状態)に応じて、ステップS601〜S605のうちのいずれかの処理を行う。
【0080】
確変判定図柄通常処理(ステップS601):遊技球が特別領域に入賞して権利発生状態になるのを待つ。権利発生状態になると、所定の乱数を抽出し、確変状態にするか否かを決定する。また、確変判定図柄の変動時間を決めるためのタイマをスタートさせ、確変判定図柄の変動が開始されるように制御する。そして、内部状態(確変判定図柄プロセスフラグ)をステップS602に移行するように更新する。なお、判定図柄の変動が開始されるように制御する場合に、CPU56は、確変判定図柄変動開始を示す表示制御コマンドおよび確変状態にするか否かを示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、確変判定図柄変動開始を示す表示制御コマンドを受信すると、確変判定図柄表示器13の表示状態を、確変判定図柄が変動していくように制御する。
【0081】
確変判定図柄変動中処理(ステップS602):所定時間(ステップS601においてスタートした確変判定図柄の変動時間を決めるためのタイマがタイムアップするまでの時間)が経過すると、内部状態(確変判定図柄プロセスフラグ)をステップS603に移行するように更新する。
【0082】
確変判定図柄停止処理(ステップS603):確変判定図柄表示器13において可変表示されている図柄が停止されるように制御する。具体的には、確変判定図柄停止を示す表示制御コマンドが表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。そして、内部状態(確変判定図柄プロセスフラグ)をステップS601に移行するように更新する。なお、表示制御手段は、確変判定図柄停止を示す表示制御コマンドを受信すると、確変判定図柄表示器13の表示状態を、確変状態にするか否かを示す表示制御コマンドによって指定される図柄が表示される状態にする。
【0083】
図11は、この実施の形態における普通図柄と権利発生状態等との関係の一例を示すタイミング図である。図11には、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞して特定入賞口スイッチ32aで検出され、さらに、普通電動役物50が閉鎖状態になった後に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(a参照)。
【0084】
従って、権利発生状態が発生し、確変判定図柄表示器13において確変図柄の変動が行われる。
【0085】
また、図11には、権利発生状態である期間中において、再度、普通図柄が変動を開始し、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞して特定入賞口スイッチ32aで検出され、さらに、普通電動役物50が閉鎖状態になった後に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(b参照)。権利発生状態となっている期間中に、再度遊技球が特別領域に誘導されたので、権利発生状態終了条件が成立し、その時点で権利発生状態は消滅する。
【0086】
この実施の形態で特徴的なことは、普通図柄の変動開始時(図11に示す例では2回目の変動開始時)に確変判定図柄が変動している状態であれば、普通図柄の変動時間が延長されることである。普通図柄の変動時間を延長することによって、権利発生状態が早く消滅してしまう場合にも、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることができる。
【0087】
このような制御を行わない場合には、図12に示すように、権利発生状態終了条件の成立タイミングが、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも早い場合が生ずる。そのような場合には、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が終了したときに、既に権利発生状態が消滅してしまっている。換言すれば、権利発生状態が消滅するときに、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が継続されている状態が生ずる。すると、遊技制御手段は、権利発生状態の消滅に応じて確変判定図柄の変動を停止すべきか否か判断に苦しむ。また、確変判定図柄の変動が終了したときに、確変判定図柄の停止図柄が確変状態の発生に応じた図柄であった場合には、遊技状態を確変状態に移行させるべきか否か判断に苦しむ(確変判定図柄の変動開始の契機となった権利発生状態が既に消滅しているので)。また、遊技機の内部では、確変状態とするか否かは確変判定図柄の変動の開始時に既に決定されているので(確変発生フラグをセットするか否か決定されているので)、確変判定図柄の変動が終了していなくても、権利発生状態が消滅したときに確変発生フラグがセットされていた場合には、確変状態に移行するように制御することはできる。しかし、遊技機が確変状態に移行したことを遊技者に報知するように構成されている場合には、そのような制御を行うと、確変判定図柄の変動が終了していないのに確変状態に移行したことを報知することになり、やはり矛盾が生ずる。
【0088】
しかし、図11に示されたように、遊技制御手段が、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするように制御すれば、図12に示された状態における問題は生じない。つまり、確変判定図柄の変動停止の時点では権利発生状態は継続しているので、遊技制御手段は、確変判定図柄の停止図柄に応じて、迷うことなく遊技状態を制御することができる。
【0089】
以下、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするための制御に関わる処理について説明する。
【0090】
図13は、普通図柄プロセス処理における普通図柄停止図柄設定処理(ステップS72)を示すフローチャートである。普通図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、まず、普通図柄の当り決定用乱数を抽出する(ステップS711)。そして、抽出した乱数があらかじめ決められている当り判定値と一致するか否かによって当りとするか否かを決定する(ステップS712)。当りとしないことに決定した場合にはステップS714に移行する。当りとすることに決定した場合には、確変判定図柄が変動中であるか否かを、例えば確変判定図柄プロセスフラグによって確認する(ステップS713)。
【0091】
確変判定図柄が変動中であれば、普通図柄の変動時間を決めるためのテーブルとして、確変判定図柄の可変表示期間以上の時間を示すデータのみが設定された第2のデータ群としての第2のテーブルを選択する(ステップS715)。確変判定図柄が変動中でなければ、判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータを含むデータが設定された第1のデータ群としての第1のテーブルを選択する(ステップS714)。そして、普通図柄変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS720)、ステップS714またはステップS715で選択したテーブルに設定されているデータと、抽出した普通図柄変動パターン決定用乱数とにもとづいて普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS721)。変動パターンを決定することによって、可変表示(変動)の可変表示期間(変動時間)が決定されたことになる。
【0092】
また、普通図柄の停止図柄を決定するための乱数(普通図柄停止図柄決定用乱数)を抽出し(ステップS722)、抽出した乱数にもとづいて普通図柄の停止図柄を決定する(ステップS723)。具体的には、各図柄に対応して設定されているそれぞれの判定値と抽出した乱数値とを比較し、乱数値に一致する判定値に対応する図柄を、停止図柄として決定する。
【0093】
そして、変動パターンを示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する(ステップS724)。また、停止図柄を示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する(ステップS725)。表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、変動パターンを示す表示制御コマンドを受信すると、普通図柄表示器10の表示状態を、変動パターンを示す表示制御コマンドで指定される時間だけ、普通図柄が変動表示される状態にする。その後、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS73)に対応した値に更新する(ステップS726)。
【0094】
なお、普通図柄変動中処理に移行する前に、普通図柄の変動時間に対応した変動時間タイマをスタートさせる。そして、普通図柄変動中処理において、変動時間タイマがタイムアップしたことを検出したら、普通図柄停止処理において、表示制御基板80に対して、普通図柄の変動停止を示す表示制御コマンドを送信する。
【0095】
図14は、第1テーブルおよび第2テーブルの構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1テーブルおよび第2テーブルには、普通図柄変動パターン決定用乱数に対応した各変動パターン(変動時間)が設定されている。第2テーブルに設定されている各変動時間(秒)は、確変判定図柄の変動時間の最大値よりも大きい。また、第1テーブルに設定されている各変動時間(秒)の中には、確変判定図柄の変動時間の最大値よりも小さいものがある。
【0096】
以上のような制御によって、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の可変表示と普通図柄表示器10おける普通図柄の可変表示とが同時に実行されるようなときに、普通図柄の変動時間を長くすることによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることが可能になる。
【0097】
なお、図13に示された普通図柄停止図柄設定処理において、当りとすることに決定された場合に、確変判定図柄が変動中であるときには第2テーブルから普通図柄の変動時間を選択するのであるが、その際に、乱数値に応じて変動時間を選択するのではなく、確変判定図柄の変動の残り時間よりも長い変動時間から変動時間を選択するようにしてもよい。そのようにした場合には、第2テーブルに設定されている普通図柄の変動時間のうちに、確変判定図柄の変動時間の最大値(あらかじめ決められている幾つかの変動パターンのうち変動期間が最も長い変動パターンの変動時間)よりも短いものがあってもよい。確変判定図柄の変動時間の最大値よりも短いものが存在しても、確変判定図柄の変動の残り時間に応じて普通図柄の変動時間を選択するようにすれば、確実に、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる。
【0098】
また、図13に示された普通図柄停止図柄設定処理において、当りとすることに決定された場合には、確変判定図柄が変動中か否かに関わらず、第2のテーブルを用いるようにしてもよい。その場合には、普通図柄の変動開始時には確変判定図柄が変動開始していなかったが、普通図柄の変動開始後に確変判定図柄が変動を開始したような場合でも、普通図柄の変動の変動時間を延長することによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる可能性がより高くなる。
【0099】
実施の形態2.
図15は、本発明の第2の実施形態における普通図柄プロセス処理における普通図柄停止図柄設定処理(ステップS72)を示すフローチャートである。この実施の形態は、普通図柄停止図柄設定処理および普通図柄変動中処理の処理内容が第1の実施の形態とは異なるが、その他の処理は第1の実施の形態と同じである。この実施の形態では、普通図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、普通図柄の当り決定用乱数を抽出し、抽出した乱数にもとづいて当りとすることに決定した場合には、当りフラグをセットする(ステップS711,S712,S713)。そして、普通図柄変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS720)、第1テーブル(図14参照)に設定されているデータと、抽出した普通図柄変動パターン決定用乱数とにもとづいて普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS721A)。以降の処理(ステップS722〜S726)は第1の実施の形態の場合と同じである。
【0100】
図16は、この実施の形態における普通図柄変動中処理(ステップS73)を示すフローチャートである。普通図柄変動中処理において、CPU56は、変動期間が終了したときには(ステップS731)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS74)に対応した値に更新する(ステップS735)。
【0101】
変動期間が終了していない場合には、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の変動が行われているか、または、開始されたか否か確認する(ステップS732)。
【0102】
ステップS732の判定において、確変判定図柄の変動が行われていること、または、開始されたことを確認したら、CPU56は、当りフラグ(普通図柄により当りとすることが決定されていることを示す示すフラグ)がセットされていれば(ステップS733)、表示制御基板80に、普通図柄変動パターン延長コマンドの表示制御コマンドを送信する(ステップS734)。なお、普通図柄変動中処理は変動期間が終了するまで2ms毎に繰り返し実行されるが、一度、確変判定図柄の変動が行われていること、または、開始されたことを確認したら、以後、CPU56は、変動期間が終了するまでステップS732〜S734の処理を実行しない。
【0103】
表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、普通図柄変動パターン延長コマンドを受信すると、そのときに実行されている普通図柄の変動期間を延長する。延長の程度は、例えば、図14に示す第2テーブルに設定されているような時間にまでである。この実施の形態では、遊技制御手段および表示制御手段は、図14に示されたような第1テーブルと第2テーブルとを有する。そして、表示制御手段は、普通図柄変動パターン延長コマンドを受信した場合には、そのときに実行している普通図柄の変動パターンに応じた第2テーブル側の設定値による変動時間で普通図柄の変動が行われるように制御する。
【0104】
例えば、表示制御手段は、変動開始時に、9.0秒の変動時間の変動パターン(図14に示す第1テーブルの上から4番目のパターンに相当)を示す表示制御コマンドを受信して普通図柄の変動制御を開始し、変動開始から3.0秒後に普通図柄変動パターン延長コマンドを受信した場合には、変動時間を18.0秒(図14に示す第2テーブルの上から4番目のパターンに相当)にするために、変動終了時を決めるためのタイマに、18.0−3.0=15.0秒分を加算する。なお、遊技制御手段も、変動時間を決めるための変動時間タイマに、18.0−3.0=15.0秒分を加算する。
【0105】
このような制御によっても、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の可変表示と普通図柄表示器10おける普通図柄の可変表示とが同時に実行されるようなときに、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることが可能になる。
【0106】
特に、確変判定図柄の変動が開始されたときに、既に普通図柄が変動中であっても、普通図柄変動パターン延長コマンドが表示制御基板80に送信される。そして、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、普通図柄変動パターン延長コマンドを受信したときに、普通図柄の変動時間を延長する。従って、普通図柄の変動開始時には確変判定図柄が変動開始していなかったが、普通図柄の変動開始後に確変判定図柄が変動を開始したような場合でも、普通図柄の変動の変動時間を延長することによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる可能性がより高くなる。
【0107】
なお、この実施の形態では、当りフラグがセットされている場合に、確変判定図柄が既に変動中であった場合でも、新たに確変判定図柄の変動が開始された場合でも、普通図柄変動パターン延長コマンドが送信されるが、確変判定図柄が既に変動中であって普通図柄の変動が開始された場合(初めて普通図柄変動中処理が実行され、そのときにステップS732でYである場合)には、確変判定図柄の変動の残り時間に応じて普通図柄変動パターン延長コマンドを送信するか否か決定するようにしてもよい。すなわち、確変判定図柄の変動の残り時間を確認し、確変判定図柄の変動の残り時間が普通図柄の変動時間よりも長い場合には普通図柄変動パターン延長コマンドを送信し、確変判定図柄の変動の残り時間が普通図柄の変動時間よりも長くない場合には普通図柄変動パターン延長コマンドを送信しないようにしてもよい。そのように構成した場合には、確実に確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができるとともに、普通図柄変動パターン延長コマンドの送信機会を減らすことができる。
【0108】
また、第1および第2の実施の形態では、普通図柄の変動時間を延長することによって確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも前に権利発生状態が終了してしまう機会を低減したが、普通図柄が停止してから普通電動役物50の開放開始までの時間を長くすることによって、そのような機会を低減するようにしてもよい。また、普通図柄と確変判定図柄が同時に変動している場合には、普通電動役物50の開放時間を短くして特定入賞口に遊技球が入賞しにくい(すなわち遊技球が特別領域に入賞しがたい)ようにしてもよい。
【0109】
実施の形態3.
第1および第2の実施の形態では、普通図柄の変動時間を延長することによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる可能性を高くしたが、確変判定図柄の変動時間を短縮するようにしてもよい。
【0110】
図17は、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させるために、確変判定図柄の変動時間を短縮する場合の動作例を示すタイミング図である。図17には、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞して特定入賞口スイッチ32aで検出され、さらに、普通電動役物50が閉鎖状態になった後に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(a参照)。
【0111】
従って、権利発生状態が発生し、確変判定図柄表示器13において確変図柄の変動が行われる。
【0112】
また、図17には、確変判定図柄が変動している状態において、再度、普通図柄が変動を開始し、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞して特定入賞口スイッチ32aで検出され、さらに、普通電動役物50が閉鎖状態になった後に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(b参照)。権利発生状態となっている期間中に、再度遊技球が特別領域に誘導されたので、権利発生状態終了条件が成立し、その時点で権利発生状態は消滅する。
【0113】
この実施の形態で特徴的なことは、確変判定図柄の変動開始時に、普通図柄による当りとすることが決定されていれば、確変判定図柄の変動時間を、普通図柄の変動時間よりも短くすることである。確変判定図柄の変動時間を短縮することによって、権利発生状態が早く消滅してしまう場合にも、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることができる。なお、普通図柄の表示結果を当り図柄とするかはずれ図柄とするかは、普通図柄の変動開始時に決定されている。
【0114】
このような制御を行わない場合には、権利発生状態終了条件の成立タイミングが、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも早い場合が生ずる。そのような場合には、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が終了したときに、既に権利発生状態が消滅してしまっている。換言すれば、権利発生状態が消滅するときに、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が継続されている状態が生ずるという問題が生ずる。また、遊技機の内部では、確変状態とするか否かは確変判定図柄の変動の開始時に既に決定されているので(確変発生フラグをセットするか否か決定されているので)、確変判定図柄の変動が終了していなくても、権利発生状態が消滅したときに確変発生フラグがセットされていた場合には、確変状態に移行するように制御することはできる。しかし、遊技機が確変状態に移行したことを遊技者に報知するように構成されている場合には、そのような制御を行うと、確変判定図柄の変動が終了していないのに確変状態に移行したことを報知することになり、やはり矛盾が生ずる。
【0115】
しかし、図17に示されたように、遊技制御手段が、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするように制御すれば、そのような問題は生じない。つまり、確変判定図柄の変動停止の時点では権利発生状態は継続しているので、遊技制御手段は、確変判定図柄の停止図柄に応じて、迷うことなく遊技状態を制御することができる。
【0116】
以下、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするための制御に関わる処理について説明する。この実施の形態は、確変判定図柄プロセス処理における確変判定図柄通常処理が第1および第2の実施の形態とは異なる。また、第1および第2の実施の形態とは異なり、普通図柄プロセス処理における普通図柄停止図柄設定処理において、普通図柄の変動時間を延長する制御を行う必要はない。
【0117】
図18は、確変判定図柄プロセス処理における確変判定図柄通常処理(ステップS601)を示すフローチャートである。確変判定図柄通常処理において、CPU56は、まず、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことによって権利発生状態が発生したか否か確認する(ステップS611)。権利発生状態が発生した場合には、確変決定用乱数を抽出する(ステップS612)。そして、抽出した乱数があらかじめ決められている確変判定値と一致するか否かによって遊技状態を確変状態に移行させるか否かを決定する(ステップS613)。確変状態に移行させることに決定した場合には確変発生フラグをセットする(ステップS614)。確変発生フラグは、権利発生状態の終了時、または、権利発生状態にもとづく遊技者にとって有利な状態である大当り遊技状態におけるあらかじめ決められている回数の所定の遊技(例えば10ラウンド)が完了したとき等において参照され、そのときに、確変発生フラグがセットされていれば、遊技制御手段は、遊技状態を確変状態に移行させる。
【0118】
そして、普通図柄が変動中であって、かつ、普通図柄の表示結果が当り図柄とすることに決定されている場合には(ステップS615,S616)、確変判定図柄の変動時間を決めるためのテーブルとして、普通図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータのみが設定された第1のデータ群としての第1のテーブルを選択する(ステップS617)。その他の場合には、普通図柄の可変表示期間よりも長い時間を示すデータを含むデータが設定された第2のデータ群としての第2のテーブルを選択する(ステップS618)。そして、確変判定図柄変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS619)、ステップS617またはステップS618で選択したテーブルに設定されているデータと、抽出した確変判定図柄変動パターン決定用乱数とにもとづいて確変判定図柄の変動パターンを決定する(ステップS620)。変動パターンを決定することによって、確変判定図柄の可変表示(変動)の可変表示期間(変動時間)が決定されたことになる。
【0119】
次いで、確変判定図柄の変動パターンを示す表示制御コマンドと当り/はずれを示す表示制御コマンドとを表示制御基板80に送信する(ステップS621,S622)。そして、変動時間を決めるための、すなわち変動終了のタイミングを決めるための変動時間タイマをスタートさせる(ステップS623)。その後、確変判定図柄プロセスフラグの値を確変判定図柄変動中処理(ステップS602)に対応した値に更新する(ステップS624)。表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、確変判定図柄の変動パターンを示す表示制御コマンドを受信すると、確変判定図柄表示器13の表示状態を、変動パターンを示す表示制御コマンドで指定される時間だけ、確変判定図柄が変動表示される状態にする。そして、当りを示す表示制御コマンドを受信していた場合には、変動時間終了時の確変判定図柄表示器13の表示状態を〇にする。はずれを示す表示制御コマンドを受信していた場合には、変動時間終了時の確変判定図柄表示器13の表示状態を×にする。
【0120】
な確変判定図柄変動中処理において、変動時間タイマがタイムアップしたら、表示制御基板80に対して、確変判定図柄停止処理において、確変判定図柄の変動停止を示す表示制御コマンドを送信する。
【0121】
図19は、第1テーブルおよび第2テーブルの構成例を示す説明図である。図19に示すように、第1テーブルおよび第2テーブルには、確変判定図柄変動パターン決定用乱数に対応した確変判定図柄の各変動パターン(変動時間)が設定されている。第1テーブルに設定されている各変動時間(秒)は、普通図柄の変動時間の最小値よりも小さい。また、第2テーブルに設定されている各変動時間(秒)の中には、普通図柄の変動時間の最小値よりも大きいものがある。
【0122】
以上のような制御によって、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の可変表示と普通図柄表示器10おける普通図柄の可変表示とが同時に実行されるようなときに、確変判定図柄の変動時間を短くすることによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることが可能になる。
【0123】
なお、図18に示された確変判定図柄通常処理において、普通図柄が変動中である場合、当りとすることに決定されているときには、第1テーブルから確変判定図柄の変動時間を選択するのであるが、その際に、乱数値に応じて変動時間を選択するのではなく、普通図柄の変動の残り時間よりも短い変動時間から変動時間を選択するようにしてもよい。そのようにした場合には、第1テーブルに設定されている確変判定図柄の変動時間のうちに、普通図柄の変動時間の最小値(あらかじめ決められている幾つかの変動パターンのうち変動期間が最も短い変動パターンの変動時間)よりも長いものがあってもよい。普通図柄の変動時間の最小値よりも長いものが存在しても、普通図柄の変動の残り時間に応じて確変判定図柄の変動時間を選択するようにすれば、確実に、普通図柄表示器10おける可変表示の終了時よりも前に確変判定図柄表示器13における可変表示を終了させることができる。
【0124】
実施の形態4.
図20は、本発明の第4の実施形態における確変判定図柄プロセス処理における確変判定図柄通常処理(ステップS601)を示すフローチャートである。この実施の形態は、確変判定図柄通常処理および確変図柄変動中処理の処理内容が第3の実施の形態とは異なるが、その他の処理は第3の実施の形態と同じである。この実施の形態では、確変判定図柄通常処理において、CPU56は、権利発生状態が発生した場合には確変決定用乱数を抽出し(ステップS611,S612)、抽出した乱数にもとづいて遊技状態を確変状態に移行させるか否かを決定し(ステップS613)、確変状態に移行させることに決定した場合には確変発生フラグをセットする(ステップS614)。
【0125】
そして、確変判定図柄変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS619)、第2テーブル(図19参照)に設定されているデータと、抽出した確変判定図柄変動パターン決定用乱数とにもとづいて確変判定図柄の変動パターンを決定する(ステップS620A)。その後、第3の実施の形態の場合と同様に、ステップS621〜S624の処理を実行する。
【0126】
図21は、この実施の形態における確変判定図柄変動中処理(ステップS602)を示すフローチャートである。確変判定図柄変動中処理において、CPU56は、変動期間が終了したときには(ステップS631)、確変判定図柄プロセスフラグの値を確変判定図柄停止処理(ステップS603)に対応した値に更新する(ステップS636)。
【0127】
変動期間が終了していない場合には、普通図柄表示器10における普通図柄の変動が行われているか、または、開始されたか否か確認する(ステップS632)。
【0128】
ステップS632の判定において、普通図柄の変動が行われていること、または、開始されたことを確認したら、CPU56は、当りフラグ(普通図柄により当りとすることが決定されていることを示す示すフラグ)がセットされていれば(ステップS633)、確変判定図柄の変動開始からの経過時間が、変動期間を短縮した場合の変動時間を越えていなければ、表示制御基板80に、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドの表示制御コマンドを送信する(ステップS634,S635)。なお、確変判定図柄変動中処理は変動期間が終了するまで2ms毎に繰り返し実行されるが、ステップS632の判定において、一度、普通図柄の変動が行われていること、または、開始されたことを確認したら、以後、CPU56は、確変判定図柄の変動期間が終了するまでステップS632〜S635の処理を実行しない。
【0129】
表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを受信すると、そのときに実行されている確変判定図柄の変動期間を短縮する。短縮の程度は、例えば、図19に示す第1テーブルに設定されているような時間にまでである。この実施の形態では、遊技制御手段および表示制御手段は、図19に示されたような第1テーブルと第2テーブルとを有する。そして、表示制御手段は、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを受信した場合には、そのときに実行している確変判定図柄の変動パターンに応じた第1テーブル側の設定値による変動時間で普通図柄の変動が行われるように制御する。
【0130】
例えば、表示制御手段は、変動開始時に、16.0秒の変動時間の変動パターン(図19に示す第2テーブルの上から3番目のパターンに相当)を示す表示制御コマンドを受信して確変判定図柄の変動制御を開始し、その後に確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを受信した場合には、変動時間を7.0秒(図19に示す第1テーブルの上から3番目のパターンに相当)にするために、変動終了時を決めるためのタイマから、16.0−7.0=9.0秒分を減算する。なお、遊技制御手段も、変動時間を決めるための変動時間タイマから、16.0−7.0=9.0秒分を減算する。
【0131】
このような制御によっても、確変判定図柄表示器13における確変判定図柄の可変表示と普通図柄表示器10おける普通図柄の可変表示とが同時に実行されるようなときに、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示が終了する可能が高くなる。
【0132】
特に、普通図柄の変動開始時に普通図柄により当りとすることに決定した場合に、既に確変判定図柄が変動中であっても、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドが表示制御基板80に送信される。そして、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを受信したときに、確変判定図柄の変動開始からの時間が第2テーブルに設定されているような時間にまで達していない場合には、確変判定図柄の変動時間を短縮する。従って、確変判定図柄の変動開始時には普通図柄が変動開始していなかったが、確変判定図柄の変動開始後に普通図柄が変動を開始したような場合でも、確変判定図柄の変動の変動時間を短縮することによって、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に普通図柄表示器10における可変表示を終了させることができる可能性がより高くなる。
【0133】
また、この実施の形態では、ステップS634,S635において、普通図柄の変動開始からの経過時間が、確変判定図柄の変動を短縮した場合の変動時間を越えていなければ常に確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを送信したが、普通図柄の変動が既に開始されているときに確変判定図柄の変動が開始された場合(初めて確変判定図柄変動中処理が実行され、そのときにステップS632でYである場合)、普通図柄で当たりとなっていたことを確認したら、普通図柄の変動の残り時間が確変判定図柄の変動時間よりも長い場合にのみ、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成した場合には、確実に普通図柄表示器10おける可変表示の終了時よりも前に確変判定図柄表示器13における可変表示を終了させることができるとともに、確変判定図柄変動パターン短縮コマンドの送信機会を減らすことができる。
【0134】
実施の形態5.
第1〜第4の実施の形態では、いわゆる普通図柄タイプの第3種パチンコ遊技機を例にしたが、本発明は、特定領域に設けられた作動検出手段(上記の例では特別装置作動判定図柄ゲート41を通過した遊技球を検出する図柄ゲートスイッチ41a)で遊技球が検出されたことに応じて可変表示装置(特別装置作動判定図柄表示装置)8における表示結果導出動作としての可変表示が開始され、可変表示装置8における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果(当り図柄)となって遊技球が特別領域を通過したことを条件に権利発生状態に制御可能となる、いわゆる判定図柄タイプの第3種パチンコ遊技機にも本発明を適用できる。
【0135】
なお、本発明を適用可能な判定図柄タイプの第3種パチンコ遊技機には、普通図柄表示器10が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。以下、普通図柄表示器10が設けられていない場合を例にする。従って、この実施の形態では、例えば図1等に示す通過ゲート11を遊技球が通過すると、普通電動役物50が開放状態(作動検出手段に対して遊技球が進入しやすい第1の状態)に変化する。特定入賞口32に入賞した遊技球は特定入賞口スイッチ32aで検出されるとともに、振分部材35に入る。その後、誘導部40における特別装置作動判定図柄ゲート41を通過すると、可変表示装置8において図柄(判定図柄)が変動を始める。可変表示装置8における停止図柄が当り図柄(例えば左右図柄が揃った図柄の組み合わせ)であった場合には誘導部材42は右回りに回転して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を特別排出口43側に誘導する。特別排出口43に誘導された遊技球が特別領域スイッチ48によって検出されると、遊技状態が権利発生状態になる。
【0136】
図22は、この実施の形態における2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。ステップS20〜ステップS24およびステップS26〜S35の内容は、第1〜第4の実施の形態で実行される図7に示された2msタイマ割込処理におけるステップS20〜ステップS24およびステップS26〜S35の内容と同じである。
【0137】
図23は、ステップS29の判定図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。CPU56は、判定図柄プロセス処理において、確変フラグ確認処理(ステップS300)を実行した後、内部状態(具体的にはRAM55に形成されている判定図柄プロセスフラグの状態)に応じて、ステップS301〜S305のうちのいずれかの処理を行う。確変フラグ確認処理は、確変状態の終了条件が成立していたら、確変フラグをリセットして遊技状態を確変状態から通常状態に戻す処理である。例えば、確変状態に移行してから普通電動役物50が所定回(例えば10回)開放するか、または、判定図柄の変動が所定回(例えば10回)行われた場合に確変状態は終了する。
【0138】
判定図柄通常処理(ステップS301):判定図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。判定図柄の可変表示が開始できる状態になると、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。判定図柄の可変表示を開始できる状態とは、遊技球が特別装置作動判定図柄ゲート41を通過した場合である。なお、判定図柄は、権利発生状態および権利発生状態が発生した後の大当り遊技状態(特定遊技状態)においても、可変表示可能である。
【0139】
判定図柄停止図柄設定処理(ステップS302):所定の乱数を抽出し、判定図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、判定図柄の変動時間を決めるためのタイマをスタートさせ、判定図柄の変動が開始されるように制御する。そして、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。なお、判定図柄の変動が開始されるように制御する場合に、CPU56は、判定図柄変動開始を示す表示制御コマンドおよび停止図柄を示す表示制御コマンドを表示制御基板80に送信する。表示制御基板80に搭載されている表示制御手段は、判定図柄変動開始を示す表示制御コマンドを受信すると、可変表示装置8の表示状態を、判定図柄が変動していくように制御する。
【0140】
判定図柄変動中処理(ステップS303):所定時間(ステップS302においてスタートした判定図柄の変動時間を決めるためのタイマがタイムアップするまでの時間)が経過すると、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0141】
判定図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置8において可変表示されている図柄が停止されるように制御する。具体的には、判定図柄停止を示す表示制御コマンドが表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。そして、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。なお、表示制御手段は、判定図柄停止を示す表示制御コマンドを受信すると、可変表示装置8の表示状態を、停止図柄を示す表示制御コマンドによって指定された図柄が表示される状態にする。
【0142】
遊技球誘導処理(ステップS305):可変表示装置8における停止図柄が当り図柄(例えば左右図柄が揃った図柄の組み合わせ)であった場合には、CPU56は、誘導部材42が右回りに回転するように制御して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を特別排出口43側に誘導する。また、可変表示装置8における停止図柄が当り図柄でなかった場合には誘導部材42が左回りに回転するように制御して、誘導部材42に貯留されていた遊技球を排出口44側に誘導する。
【0143】
そして、特別領域スイッチ48が遊技球を検出すると、権利発生状態フラグをセットし、さらに、大入賞口の開放回数を決めるためのカウンタ(大入賞口開放回数カウンタ)に所定値(例えば10ラウンドに対応した10)を設定して、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。通常領域スイッチ49が遊技球を検出すると、権利発生状態フラグをセットせず、内部状態(判定図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。なお、大入賞口開放回数カウンタに設定される所定値は、権利発生状態にもとづく遊技者にとって有利な状態である特定遊技状態における所定の状態(この例では大入賞口開放状態)について、あらかじめ決められている回数(ラウンド数)に相当する。
【0144】
図24は、この実施の形態における判定図柄と権利発生状態等との関係の一例を示すタイミング図である。図24には、遊技球が通過ゲート11を通過したことにもとづいて普通電動役物50が開放状態になり、普通電動役物50に遊技球が入賞した後に図柄ゲートスイッチ11aで検出されて判定図柄の変動が開始され、さらに、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(a参照)。
【0145】
従って、権利発生状態が発生し、確変判定図柄表示器13において確変図柄の変動が行われる。
【0146】
また、図24には、権利発生状態である期間中において、再度、判定図柄が変動を開始し、判定図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづいて遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたことが示されている(b参照)。権利発生状態となっている期間中に、再度遊技球が特別領域に誘導されたので、権利発生状態終了条件が成立し、その時点で権利発生状態は消滅する。
【0147】
この実施の形態で特徴的なことは、判定図柄の変動開始時(図24に示す例では2回目の変動開始時)に確変判定図柄が変動している状態であれば、判定図柄の変動時間が延長されることである。判定図柄の変動時間を延長することによって、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることができる。
【0148】
このような制御を行わない場合には、権利発生状態終了条件の成立タイミングが、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも早い場合が生ずる。そのような場合には、権利発生状態にもとづく確変判定図柄の変動が終了したときに、既に権利発生状態が消滅してしまっているという問題が生ずる。
【0149】
しかし、遊技制御手段が、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くするように制御すれば、そのような問題は生じない。つまり、確変判定図柄の変動停止の時点では権利発生状態は継続しているので、遊技制御手段は、確変判定図柄の停止図柄に応じて、迷うことなく遊技状態を制御することができる。
【0150】
このような制御を実現するために、第1の実施の形態における普通図柄についての制御と同様に、判定図柄の表示結果を当り図柄とすることが決定され、かつ、確変判定図柄が変動中であれば、判定図柄の変動時間を決めるためのテーブルとして、確変判定図柄の可変表示期間以上の時間を示すデータのみが設定された第2のデータ群としての第2のテーブルを使用し、その他の場合には、確変判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータを含むデータが設定された第1のデータ群としての第1のテーブルを使用して、判定図柄の変動時間を決めればよい(図14参照)。
【0151】
あるいは、第2の実施の形態における普通図柄についての制御と同様に、判定図柄の変動時間を決める際に第1のテーブルを使用し、確変判定図柄が変動中になったときに、判定図柄の表示結果が当り図柄とすることに決定されていれば、判定図柄について変動パターン延長コマンド(判定図柄変動パターン延長コマンド)を表示制御基板80に送信すればよい。
【0152】
または、第3の実施の形態における普通図柄についての制御と同様に、判定図柄が変動中であって、かつ、判定図柄の表示結果が当り図柄とすることに決定されている場合には、確変判定図柄の変動時間を決めるためのテーブルとして、判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータのみが設定された第1のデータ群としての第1のテーブルを選択し、その他の場合には、判定図柄の可変表示期間よりも長い時間を示すデータを含むデータが設定された第2のデータ群としての第2のテーブルを選択して、判定図柄の変動時間を決めればよい(図19参照)。
【0153】
あるいは、第4の実施の形態における普通図柄についての制御と同様に、確変判定図柄の変動時間を決める際に第2のテーブルを使用し、判定図柄が変動を開始したときに、表示制御基板80に確変判定図柄変動パターン短縮コマンドを送信すればよい。
【0154】
すなわち、この実施の形態は、第1〜第4の実施の形態における普通図柄に対する制御を、判定図柄に対して適用したものに相当する。
【0155】
以上のような制御によって、従来の制御では確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも先に権利発生状態終了条件が成立するような場合でも、権利発生状態終了条件の成立タイミングを、確変判定図柄の変動終了のタイミングよりも遅くすることが可能になる。
【0156】
図25は、確変状態への移行タイミングの一例を示すタイミング図である。確変状態は、確変判定図柄通常処理において確変発生フラグがセットされた後(図18参照)、図25に示すように、権利発生状態の終了時または特定遊技としての大当り遊技における最終ラウンドの終了時に発生する。なお、権利発生状態であることを示す権利発生状態フラグは、特定遊技における最終ラウンドの開始時にリセットされる。また、権利発生状態である期間中に、遊技球が特別領域に誘導され特別領域スイッチ48で検出されたときにも、権利発生状態フラグはリセットされ権利発生状態は消滅する。
【0157】
以上に説明したように、上記の各実施の形態では、遊技機を、可変表示手段としての普通図柄表示器10もしくは可変表示装置8における可変表示と確変判定図柄表示器13おける可変表示とが同時に実行されたときに、確変判定図柄表示器13おける可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段(遊技制御手段に含まれる。)を備えた構成(実施の形態1,2,5)、または、少なくとも可変表示手段の表示結果が特定の表示結果(当り図柄)となるときに、確変判定図柄表示器13おける可変表示期間を、可変表示手段における可変表示期間よりも短くする可変表示期間調整手段(遊技制御手段に含まれる。)を備えた構成にしたので(実施の形態3,4,5)、特別領域に設けられた特別検出手段で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態となり、確変状態などの特別遊技状態とするための条件である特別遊技状態判定図柄を使用する遊技機において、特別遊技状態判定図柄の確定(停止)タイミングが可変表示手段の可変表示の停止タイミングよりも遅れる機会を低減することができる。
【0158】
なお、上記の実施の形態では、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段、ランプ制御基板135に搭載されているランプ制御手段および音制御基板170に搭載されている音制御手段が、可変表示装置8、普通図柄表示器10、確変判定図柄表示器13、ランプやLEDおよびスピーカ27等の演出手段を制御したが、1つまたは2つの基板に搭載されている各制御手段が演出手段を制御する構成であっても、本発明を適用することができる。
【0159】
また、上記の実施の形態では、最終ラウンドが終了したときに、確変状態への移行条件が成立していたら確変フラグをセットしたが、権利発生状態が終了するときに確変フラグをセットしてもよい。すなわち、特別遊技状態制御手段は、所定の特別遊技状態発生条件が成立したら、権利発生状態にもとづく遊技者にとって有利な状態である特定遊技状態におけるあらかじめ決められている回数の所定の遊技が完了したときに、または、権利発生状態の終了時に、遊技状態を特別遊技状態に移行させる。
【0160】
また、上記の実施の形態では、可変表示手段として、普通図柄表示器10を備えた遊技機、または判定図柄を可変表示する可変表示装置8を備えた遊技機を例にしたが、普通図柄表示器10と可変表示装置8との双方を備えた遊技機にも本発明を適用することができる。
【0161】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、可変表示手段における表示結果としてあらかじめ定められた特定の表示結果となったことを条件に特定可変入賞手段に遊技球が進入しやすい状態または進入可能な状態に制御可能な遊技機において、特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果と特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段と、所定の特別遊技状態発生条件の成立にもとづいて特別遊技状態判定図柄表示手段に特別表示結果が導出表示され、権利発生状態が終了した後に、遊技状態を通常状態から特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立にもとづいて、遊技状態を特別遊技状態から通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段と、可変表示手段における可変表示と特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段とを備えた構成にしたので、特別遊技状態とするための条件である特別遊技状態判定図柄を使用する場合に、特別遊技状態にするか否かの制御を円滑に実行することができる。
【0162】
請求項2記載の発明では、可変表示手段における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果となり遊技球が特別領域を通過したことを条件に権利発生状態に制御可能となる遊技機において、特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果と特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段と、所定の特別遊技状態発生条件の成立にもとづいて特別遊技状態判定図柄表示手段に特別表示結果が導出表示され、権利発生状態が終了した後に、遊技状態を通常状態から特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立にもとづいて、遊技状態を特別遊技状態から通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段と、可変表示手段における可変表示と特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段とを備えた構成にしたので、特別遊技状態とするための条件である特別遊技状態判定図柄を使用する場合に、特別遊技状態にするか否かの制御を円滑に実行することができる。
【0163】
請求項3記載の発明では、特別遊技状態判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータを含むデータが設定された第1のデータ群と、特別遊技状態判定図柄の可変表示期間以上の時間を示すデータのみが設定された第2のデータ群とを備え、可変表示期間調整手段が、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されているときには第2のデータ群を用い、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されていないときには第1のデータ群を用いて可変表示手段における可変表示期間を選択するように構成されているので、遊技状態に応じたテーブルを用いることによって容易に特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示期間と可変表示手段における可変表示期間との関係を調整することができる。
【0164】
請求項4記載の発明では、可変表示期間調整手段が、可変表示手段における可変表示期間を変化させるコマンドを表示制御手段に送信することによって、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させるように構成されているので、遊技制御手段の負担を増大させることなく、容易に特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示期間と可変表示手段における可変表示期間との関係を調整することができる。
【0165】
請求項5記載の発明では、可変表示期間調整手段が、可変表示手段の表示結果が特定の表示結果となるときにのみ、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に可変表示手段における可変表示を終了させるように構成されているので、制御の矛盾が生じうる場合にのみ調整のための制御を行うことによって、調整のための制御の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の機構盤を背面からみた背面図である。
【図3】遊技盤を正面から見た正面図である。
【図4】普通電動役物、振分部材および誘導部の構成を詳細に示す正面図である。
【図5】遊技制御基板(主基板)の回路構成を示すブロック図である。
【図6】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図7】2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図8】普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図9】役物プロセス処理を示すフローチャートである。
【図10】確変図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図11】普通図柄と権利発生状態等との関係の一例を示すタイミング図である。
【図12】普通図柄と権利発生状態等との関係の従来例を示すタイミング図である。
【図13】普通図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図14】普通図柄に関する第1テーブルおよび第2テーブルの構成例を示す説明図である。
【図15】普通図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図16】普通図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図17】普通図柄と権利発生状態等との関係の他の例を示すタイミング図である。
【図18】確変判定図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図19】確変判定図柄に関する第1テーブルおよび第2テーブルの構成例を示す説明図である。
【図20】確変判定図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図21】確変判定図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図22】2msタイマ割込処理の他の例を示すフローチャートである。
【図23】判定図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図24】判定図柄と権利発生状態等との関係の一例を示すタイミング図である。
【図25】確変状態の発生タイミングを示すタイミング図である。
【符号の説明】
8 可変表示装置
10 普通図柄表示器
11 普通図柄表示装置作動口
11a 普通図柄表示装置作動口スイッチ(ゲートスイッチ)
13 確変判定図柄表示器
20 始動入賞装置
21 回転体
32 特定入賞口
41 特別装置作動判定図柄ゲート
41a 図柄ゲートスイッチ
42 誘導部材
43 特別排出口
44 排出口
Claims (5)
- 遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技を行い、表示状態が変化可能な可変表示手段を含み、遊技領域に設けられている作動領域に設けられた作動検出手段で遊技球が検出されたことに応じて前記可変表示手段における表示結果導出動作としての可変表示が開始され、前記可変表示手段における表示結果としてあらかじめ定められた特定の表示結果となったことを条件に特定可変入賞手段に遊技球が進入しにくい状態または進入不能な状態である第2の状態から該第2の状態に比べて遊技球が進入しやすい状態または進入可能な状態である第1の状態に制御可能であり、前記特定可変入賞手段に設けられている特別領域に設けられた特別検出手段で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態に制御可能となり、該権利発生状態となっている期間中に、始動領域に設けられた始動検出手段により遊技球が検出されたことにもとづいて、可変入賞装置を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能な遊技機であって、
権利発生状態となっている期間中に所定数の遊技球が前記始動検出手段により検出されたこと、または権利発生状態となっている期間中に前記特別検出手段により遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態を終了させる権利発生制御手段と、
前記特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果と該特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段と、
遊技状態を、通常状態と、前記可変表示手段における可変表示結果として前記特定の表示結果が導出表示される確率が前記通常状態に比べて高い特別遊技状態とのいずれかの状態に設定する制御を行い、所定の特別遊技状態発生条件の成立にもとづいて前記特別遊技状態判定図柄表示手段に前記特別表示結果が導出表示され、前記権利発生状態が終了した後に、遊技状態を、前記通常状態から前記特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立にもとづいて、遊技状態を、前記特別遊技状態から前記通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段と、
前記可変表示手段における可変表示と前記特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、前記特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に前記可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技を行い、表示状態が変化可能な可変表示手段を含み、特定領域に設けられた特定検出手段で遊技球が検出されたことに応じて前記可変表示手段における表示結果導出動作としての可変表示が開始され、前記可変表示手段における表示結果があらかじめ定められた特定の表示結果となり、特別領域に設けられた特別検出手段により遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態に制御可能となり、該権利発生状態となっている期間中に、始動領域に設けられた始動検出手段により遊技球が検出されたことにもとづいて、可変入賞装置を遊技者にとって不利な状態から遊技者にとって有利な状態に変化させる制御を行うことが可能な遊技機であって、
権利発生状態となっている期間中に所定数の遊技球が前記始動検出手段により検出されたこと、または権利発生状態となっている期間中に前記特別検出手段により遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態を終了させる権利発生制御手段と、
前記特別検出手段で遊技球が検出されたときから所定期間表示状態を変化可能であり、表示結果としてあらかじめ定められた特別表示結果と該特別表示結果とは異なる非特別表示結果とのいずれかを導出表示することが可能な特別遊技状態判定図柄表示手段と、
遊技状態を、通常状態と、前記可変表示手段における可変表示結果として前記特定の表示結果が導出表示される確率が前記通常状態に比べて高い特別遊技状態とのいずれかの状態に設定する制御を行い、所定の特別遊技状態発生条件の成立にもとづいて前記特別遊技状態判定図柄表示手段に前記特別表示結果が導出表示され、前記権利発生状態が終了した後に、遊技状態を、前記通常状態から前記特別遊技状態に移行させるとともに、所定の特別遊技状態終了条件の成立にもとづいて、遊技状態を、前記特別遊技状態から前記通常状態に移行させる特別遊技状態制御手段と、
前記可変表示手段における可変表示と前記特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示とが同時に実行されたときに、前記特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に前記可変表示手段における可変表示を終了させる可変表示期間調整手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 特別遊技状態判定図柄の可変表示期間よりも短い時間を示すデータを含むデータが設定された第1のデータ群と、
前記特別遊技状態判定図柄の可変表示期間以上の時間を示すデータのみが設定された第2のデータ群とを備え、
可変表示期間調整手段は、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されているときには前記第2のデータ群を用い、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示が実行されていないときには前記第1のデータ群を用いて前記可変表示手段における可変表示期間を選択する
請求項1または請求項2記載の遊技機。 - 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段からのコマンドの受信にもとづいて可変表示手段の表示状態を制御する表示制御手段とを備え、
可変表示期間調整手段は、前記遊技制御手段に含まれ、
前記可変表示期間調整手段は、可変表示手段における可変表示期間を変化させるコマンドを前記表示制御手段に送信することによって、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に前記可変表示手段における可変表示を終了させる
請求項1または請求項2記載の遊技機。 - 可変表示期間調整手段は、可変表示手段の表示結果が特定の表示結果となるときにのみ、特別遊技状態判定図柄表示手段における可変表示の終了時よりも後に前記可変表示手段における可変表示を終了させる
請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002365614A JP2004236670A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-17 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2002365614A JP2004236670A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-17 | 遊技機 |
Publications (1)
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Family
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Family Applications (1)
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JP2002365614A Withdrawn JP2004236670A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-17 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004236670A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007075539A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Toyomaru Industry Co Ltd | 遊技機 |
JP2011143299A (ja) * | 2011-04-28 | 2011-07-28 | Toyomaru Industry Co Ltd | 遊技機 |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002365614A patent/JP2004236670A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011143299A (ja) * | 2011-04-28 | 2011-07-28 | Toyomaru Industry Co Ltd | 遊技機 |
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