次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例である振分装置を有するパチンコ遊技機に適用した構成を説明するが、振分装置を有するアレンジボール遊技機についても本発明を適用できる。また、振分装置を有しないパチンコ遊技機においても、可変式の始動口を有するものであれば適用できる。
図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図2では、遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット150(図11参照)、遊技球を発射装置ユニット150に供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板4bを備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5dや球貸ボタン5e等が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット150(図11参照)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ156が設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ(発射停止手段)158が配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、遊技盤の表面構造について説明する。
図2に示すように、遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、普通図柄作動ゲート24、入球口25、始動口26、大入賞装置(特別電動役物)29、中央装置100等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には、各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘(図示省略)が配設されている。
中央装置(センター役物)100は、遊技領域21の略中央部に配置されている。中央装置100の構成については後述する。
普通図柄作動ゲート24は、中央装置100の下方に設けられている。普通図柄作動ゲート24の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ24s(図5参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート24を通過することで、普通図柄が変動開始する。普通図柄作動ゲート24の下方には、入球口25が設けられており、普通図柄作動ゲート24を通過した遊技球が入球可能となっている。この入球口25に遊技球が入球すると所定個数(例えば、3個)の賞球が遊技者に払い出される。
始動口26は、中央装置100の左方に設けられ、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口として構成されている。始動口26はいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部26aを備えており、この一対の翼片部26aの上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部26aは、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、一対の翼片部26aの遊技球受入口の大きさが変化する。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部26aが開動作して始動口26の遊技球受入口が拡大され、始動口26は普通電動役物として機能する。
始動口26の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ26s(図5参照)と、翼片部26aを作動させるための始動口ソレノイド26c(図5参照)とが備えられている。この一対の翼片部26aが左右に開動作した場合には、始動口26の遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、始動口26は遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部26aが立設された場合には、始動口26は遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。遊技球が始動口26に入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。開放状態の始動口26は、遊技球が入球するか、あるいは開放状態となってから所定時間(本実施形態では5秒)が経過することで通常状態に移行する。
遊技領域21における中央装置100の右下には、図柄表示装置27が設けられている。図柄表示装置27は、例えば7セグ等を用いて構成することができ、「1」〜「9」の数字図柄や「−」の記号図柄を表示可能な2つの表示領域を備えている。本実施形態の図柄表示装置27では、左側が普通図柄を表示する普通図柄表示装置27aとなっており、右側が特別図柄を表示する特別図柄表示装置27bとなっている。なお、普通図柄が本発明の第1図柄に相当し、特別図柄が本発明の第2図柄に相当している。また、第1図柄表示部としての普通図柄表示装置27aで行われる普通図柄の変動表示、および第2図柄表示部としての特別図柄表示装置27bで行われる特別図柄の変動表示は、主制御基板200のCPU(発射強度テーブル記憶手段)200aによる制御によって実行される。
普通図柄表示装置27aでは、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示装置27aでは、普通図柄作動ゲート24を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、始動口26が所定時間(例えば5秒)だけ開放される。普通図柄が変動表示する際に設定される変動パターンには、当り図柄で停止表示する当り変動パターンと、外れ図柄で停止表示する外れ変動パターンとがある。本実施形態では、普通図柄の当り変動パターンとして、当り変動パターンAと当り変動パターンBの2種類を用意している。
本実施形態では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、遊技球が普通図柄作動ゲート24を通過した際に、始動口26を作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート24を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示装置27aで停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様(例えば「7」)に決定される。一方、外れと判定された場合には、普通図柄表示装置27aで停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様(例えば「−」)に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。
図柄表示装置27の下方には、保留表示装置28が設けられている。保留表示装置28は、普通図柄保留数を表示するもので、本実施形態では、変動中に普通図柄作動ゲート24を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施形態では4個)まで保留可能としている。普通図柄保留数は、普通図柄保留数を表示するものである。次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に未始動回数(保留数)が消化され、これに伴い普通図柄保留数が1個ずつ減少する。保留表示装置28は、4つのLEDからなり。これらのLEDを消灯または点灯させることで、4個を上限として保留数を表示することができる。なお、特別図柄の保留も同様に普通図柄の保留表示装置の下に設けられている。
大入賞装置29は、入球口25の下方に設けられている。大入賞装置29は、帯状に開口された大入賞口29aと、この大入賞口29aを開放・閉鎖する開閉板29bと、この開閉板29bを開閉するための大入賞口ソレノイド29c(図5参照)と、遊技球の入球を検知する大入賞口入球検知スイッチ29s(図5参照)と、から主に構成されている。
図柄表示装置27の特別図柄表示装置27bでは、特別図柄の変動表示及び停止表示が行われる。特別図柄表示装置27bでは、始動口26に遊技球が入球することにより特別図柄が変動表示を開始し、所定の変動表示時間経過後に特別図柄が当り特別図柄の組合せの表示態様あるいは外れ特別図柄の組合せの表示態様(例えば「−」)で所定の停止表示時間(本実施形態では5秒)だけ停止表示される。本実施形態の当り特別図柄の表示態様には、大当り図柄表示態様(例えば「7」)と小当り図柄表示態様(例えば「3」)の2種類が用意されている。
本実施形態では、特別図柄当否判定用乱数が用意されている。特別図柄当否判定用乱数は、遊技球が始動口26に入球した際に取得され、特別遊技状態を発生させるか否かの特別図柄当否判定に用いられる。具体的には、特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口26に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、特別図柄表示装置27bで停止表示される特別図柄は、大当り図柄表示態様または小当り図柄表示態様のいずれかに決定される。一方、外れと判定された場合には、特別図柄表示装置27bで停止表示される特別図柄は、外れ特別図柄の表示態様に決定される。特別図柄当否判定用乱数の取得、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様(変動表示時間)の決定、特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われるように構成されている。
特別図柄表示装置27bで停止表示された特別図柄の表示態様が、大当り図柄表示態様であった場合には、直ちに特別遊技状態が発生する。このように、特別図柄の組合せが大当り図柄表示態様で停止表示した場合には、直ちに特別遊技状態が発生することから「直撃当り」という。大当りの設計値にもよるが、「直撃当り」することは、通常、きわめて少ない。本実施例では、1/399に設定されている。
また、小当り図柄表示態様だった場合には、遊技球が中央装置100の特別入球口104から中央装置100の内部に入球可能になり、中央装置100に入球した遊技球が特定領域113b(図4参照)を通過した場合に特別遊技状態が発生する。このように、通常、小当りを経由して、特定領域に入球することにより特別遊技状態(大当り)が発生する。そのため、小当りした場合に、いかに回転体113a(図4参照)の振分装置の特定領域に入球させるかが、遊技者の関心事になる。
特別遊技状態発生中は、大入賞装置29が作動し、大入賞口29aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益が付与される。具体的には、特別遊技状態の発生により、大入賞装置29を連続して作動させ、大入賞口29aを連続して開放状態とする。大入賞装置29の作動開始(特別遊技状態の開始)により、大入賞口29aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口29aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口29aの開放時間が所定時間(本実施形態では30秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口29aに入球した遊技球数が所定数(本実施形態では10個)に達したときとすることができる。
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、特別遊技状態は、所定ラウンドが終了したときに終了する。大入賞装置29では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口29aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような開始から終了までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施形態では15ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。なお、特別遊技状態は、主制御基板200のCPU200aによる制御で発生するように構成されている。
次に、中央装置100の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、中央装置100は、周壁部材101、102、103、振分装置109、誘導経路構成部材110、111、遊技球移送装置112、特別遊技装置113を備えている。中央装置100の各構成要素は、遊技者から視認可能になっている。
周壁部材101、102、103は、中央装置100の上側領域において、前方(遊技者側)に突出するように設けられている。第1周壁部材101は、正面から見て略逆U字状になっており、中央装置100の最上部に配置されている。第1周壁部材101の左下には、第2周壁部材102が設けられ、第1周壁部材101の右下には、第3周壁部材103が設けられている。第2周壁部材102は、右上から左下に向かって傾斜しており、第3周壁部材103は左上から右下に向かって傾斜している。
第1周壁部材101の左側下端部と、第2周壁部材102の右端部との間には、所定幅(遊技球の直径の約2〜4倍の幅)の隙間が設けられ、中央装置100の内部に遊技球を導入可能な第1特別入球口104として構成されている。第1周壁部材101の右側下端部と、第3周壁部材103の左端部との間にも、所定幅(遊技球の直径の約2〜4倍の幅)の隙間が設けられ、中央装置100の内部に遊技球を導入可能な第2特別入球口105として構成されている。また、第2周壁部材102の右端部と、第3周壁部材103の左端部との間には、所定幅(遊技球の直径の約3〜5倍の幅)の隙間が設けられ、遊技球を左右に振り分ける振分部106を構成している。なお、本実施例では、小当り時は、右側に多く振り分けられるように設計されている。左側1/20、右側19/20である。
第1特別入球口104および第2特別入球口104には、開閉部材107、108がそれぞれ設けられている。開閉部材107、108は、略羽根状の部材によって構成されるとともに、その下端部を回転軸として中央装置100の外方に向かって回動可能となっている。つまり、この開閉部材107、108は、下端部の回転軸を中心として回動することで、直立状態となって、特別入球口104、105を閉鎖する閉鎖状態と、中央装置100の外方に向かって傾斜して、特別入球口104、105を開放する開放状態とに変化することができる。第1開閉部材107と第2開閉部材108は、連動して開閉する。
開閉部材107、108が閉鎖状態となると、特別入球口104、105が閉鎖され、遊技領域21を流下する遊技球が特別入球口104、105を介して中央装置100内に入球することが不可能となる。一方、開閉部材107、108が開放姿勢となると、特別入球口104、105が開放され、特別入球口104、105を介して、中央装置100内に入球することが可能となる。開閉部材107、108が開放状態となったとき、開閉部材107、108の傾斜面が、遊技球を特別入球口104、105に誘導するための誘導面を構成する。
これらの開閉部材107、108は、開閉ソレノイド107c、108c(図5参照)により開閉動作するように構成されている。開閉部材107、108の開閉制御は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われるように構成されている。上述のように、特別図柄が小当り図柄表示態様で停止表示した場合に、開閉ソレノイド107c、108cにより開閉部材107、108が開動作して、特別入球口104、105が開放状態となる。
振分部106には、振分部材109が設けられている。振分部材109は、特別入球口104、105を介して中央装置100内に進入した遊技球を、右方向または左方向にいずれかに振り分けるための装置である。振分部材109は、いわゆるシーソー形の振分装置として構成されており、遊技球が転動可能な板面を有する1枚の板状部材から構成されている。振分部材109は、揺動可能になっており、中央付近の回転軸を中心として両端が互いに反対方向に移動可能となっている。小当り時には、前述の確率でほぼ右側に傾くように制御されている。
2つの誘導経路構成部材110、111は、内部を遊技球が通過可能な筒状部材として構成されている。誘導経路構成部材110、111の上端側開口部は、振分部材109の近傍に位置している。振分部材109によって左側に振り分けられた遊技球は、第1誘導経路構成部材110に入球し、第1誘導経路構成部材110の内部を通過して中央装置100の左下方に誘導される。振分部材109によって右側に振り分けられた遊技球は、第2誘導経路構成部材111に入球し、第2誘導経路構成部材111の内部を通過して中央装置100の右下方に誘導される。
中央装置100の最下端には、左側に遊技球移送装置112が設けられ、右側に特別遊技装置113が設けられている。このため、第1誘導経路構成部材110にて誘導された遊技球は遊技球移送装置112に供給され、第2誘導経路構成部材111にて誘導された遊技球は特別遊技装置113に供給される。なお、中央装置100には、遊技球が特別入球口104、105に入球したことを示す特別入球口検知スイッチ(図示せず)、振分部材109によって遊技球がいずれの誘導経路構成部材110、111に振り分けられたかを検知する誘導経路通過検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
図4は、遊技球移送装置112と特別遊技装置113の斜視図である。遊技球移送装置112は、遊技球を特別遊技装置113に移送するか、あるいは遊技球を中央装置100の外部に排出するように構成されている。特別遊技装置113は、複数の遊技球通過領域を備えており、遊技球が複数の遊技球通過領域のうち特定の遊技球通過領域を通過した場合に、遊技者に相対的に有利な特別遊技状態が発生するように構成されている。
上述のように、第1誘導経路構成部材110を通過した遊技球は、遊技球移送装置112に供給され、さらに遊技球移送装置112を介して特別遊技装置113に供給される。一方、第2誘導経路構成部材111を通過した遊技球は、特別遊技装置113に直接供給される。このため、遊技球が第1誘導経路構成部材110を通過したときより、遊技球が第2誘導経路構成部材111を通過したときの方が、特別遊技状態が発生しやすくなる。
遊技球移送装置112は、ローラ部材112a、転動部112b、傾斜誘導部112dを備えている。ローラ部材112aは、円柱形状であり、軸方向が水平に配置されている。ローラ部材112aは、移送ローラ用モータ112m(図5参照)によって所定速度で回転駆動される。ローラ部材112aは、外周面が手前側から上方に移動し、奥側に移動するように回動する。つまり、図4における右側からみた場合には、ローラ部材112aは時計方向に回動する。
ローラ部材112aの手前側は、転動部112bが設けられている。転動部112bは、上面を遊技球が転動可能となっており、中央付近に手前側(遊技者側)に向かって下方に傾斜する傾斜面を有している。ローラ部材112aの表面には、複数の吸着片112cが設けられている。吸着片112cは、遊技球を吸着可能な永久磁石から構成されている。
転動部112bにおいて、吸着片112cに吸着されなかった遊技球は、中央装置100の手前側から下方に落下し、中央装置100から排出される。転動部112bに位置する遊技球が、吸着片112cに吸着された場合には、ローラ部材112aの外表面の回転に伴ってローラ部材112aの奥側に設けられた傾斜誘導部112dに移送される。傾斜誘導部112dは、図4における左上から右下に向かって傾斜しており、傾斜誘導部112dに供給された遊技球は、遊技球移送装置112の右側に位置する特別遊技装置113に誘導される。
特別遊技装置113は、円板状の回転体(演出役物)113aが設けられている。回転体113aは、板面が水平に配置され、回転体用モータ113m(図5参照)にて一定速度で回転駆動される。回転体113aの外周部には、遊技球が通過可能な複数の凹部が形成されている。複数の凹部のうち1つの凹部が特定領域(入賞部)113bとして構成され、他の3つの凹部が非特定領域113cとして構成されている。特別遊技装置113に供給された遊技球は、回転体113aの特定領域113bまたは非特定領域113cのいずれかを通過して中央装置100から排出される。
中央装置100には、特定領域113bを通過した遊技球を検知する特定領域検知スイッチ114(図5参照)が設けられている。さらに中央装置100には、特定領域113bを通過することなく中央装置100から排出される遊技球、つまり非特定領域113cを通過した遊技球または遊技球移送装置112にて落下した遊技球を検知する排出検知スイッチ115(図5参照)が設けられている。排出検知スイッチ115で、遊技球が特定領域113bを通過しないことが確定したことを検知できる。
特別遊技装置113に供給された遊技球が特定領域113bを通過した場合には、主制御基板200のCPU200aは特別遊技状態を発生させる。
図3に戻り、中央装置100には、演出表示装置116が設けられている。本実施形態では、演出表示装置116として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置116の表示領域には演出図柄が表示される演出図柄表示領域(図示せず)が設けられている。図柄表示装置27で表示される普通図柄と特別図柄は、それぞれ普通図柄当否判定と特別図柄当否判定の結果を表示する抽選図柄として機能し、演出図柄は普通図柄と特別図柄の表示に連動して演出表示を行う。なお、演出表示装置116での演出図柄の表示制御は、サブ制御基板260のCPU260aによって行われる。したがって、サブ制御基板260のCPU260aは、本発明の演出図柄表示制御手段に相当している。
演出表示装置116の演出図柄表示領域には、左図柄が表示される左図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、右図柄が表示される右図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域が設けられている。また、演出表示装置116の表示画面のうち、演出図柄表示領域を除く部位は、文字、図形、記号、キャラクタ等を含む種々の背景図柄が表示される背景表示領域となっている。
演出図柄表示領域の各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。演出図柄表示領域の各図柄表示領域は、「1」〜「9」からなる数字図柄をそれぞれ変動表示可能となっており、演出図柄は3桁の数字図柄として構成されている。本実施形態の演出図柄は、3桁同一の奇数図柄の組合せ(例えば「7−7−7」など)が大当り図柄となっており、3桁の奇数図柄の組合せ(例えば「7−7−5」)は小当り図柄となっている。そして、それら以外の図柄の組合せが外れ図柄となっている。演出図柄の演出表示態様および停止図柄の決定は、主制御基板200のCPU200aから送信されるコマンドに基づいてサブ制御基板260のCPU260aによって行われるように構成されている。
普通図柄が当ることにより始動口26が開放し、始動口26への入球により特別図柄27bの変動表示が開始される。演出図柄は、特別図柄の変動表示開始に連動して変動表示が開始される。特別図柄27bが外れの特別図柄表示態様(例:「−」)で停止表示した場合には、演出図柄が外れ図柄の組合せで停止表示する。また、特別図柄27bが小当りの特別図柄表示態様(例:「3」)で停止表示した場合は、演出図柄は「775」を停止表示する。そして、開閉部材107、108が所定時間(例:3秒)開放する。さらに、中央装置100に入球した遊技球が特定領域113bを通過した場合には、液晶116で「大当り」の表示がされる。なお、特別図柄27bが大当りの特別図柄表示態様(例:「7」)で停止表示した場合は、演出図柄は「777」を表示し、「直撃当り」となる。
次に、本実施形態の遊技機1の電子制御装置について説明する。
図5に示すように、電子制御装置は、主制御基板200と、その主制御基板200に接続された副制御基板230、260、280とを含んで構成されている。副制御基板は、払出制御基板(賞球制御基板)230、サブ制御基板260及び演出表示制御基板280から構成される。
各制御基板200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御基板200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御基板200及び払出制御基板230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御基板200及び払出制御基板230のRAMデータが保持される。
主制御基板200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御基板230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御基板230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御基板200のCPU200aは、CPUコア、内蔵RAM((発射強度テーブル記憶手段)以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御基板200は、CPU200aが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定手段を構成している。また、主制御基板200のCPU200aは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御基板200のCPU200aの制御周期は4msに設定されている。
主制御基板200のCPU200aは、遊技中に、発射制御基板(第1遊技球発射制御手段、第2遊技球発射制御手段、遊技球発射選択手段、発射強度検知手段)250から払出制御基板230を介して発射停止スイッチ158(図14参照)がONされたことを示すON信号を受けた後(発射停止スイッチ158が作動した後(遊技球の発射が停止した後))、発射停止スイッチ158がOFFされたことを示すOFF信号を受けた場合(発射停止スイッチ158の作動が停止した場合(遊技球の発射停止が解除された場合))に、変則発射機能が作動する。変則発射機能では、CPU200aが乱数の抽選処理を開始する。そして、CPU200aは、抽選処理により所定の乱数を取得して、取得した乱数に対応する発射強度のテーブルを選択する。そして、選択した発射強度テーブルに規定された発射強度で遊技球を発射するために、抵抗切換スイッチ(遊技球発射選択手段)250f(図12参照)を切り換えるための制御コマンド(発射強度を規定した切換制御コマンド)を、払出制御基板230を介して発射制御基板250に対して送信する。
具体的には、各発射強度テーブルは、順番に発射される3球の遊技球の発射強度がそれぞれ規定されているものであるが、1球の遊技球の発射強度に対応した切換制御コマンドを送信する。このため、3球の遊技球の発射強度が規定された発射強度テーブルでは、3種類の切換制御コマンドが連続して送信される。このようにして、パチンコ遊技で遊技球を発射している状態で、発射停止スイッチ158が作動して遊技球の発射が停止した後、発射停止スイッチ158の作動が停止して遊技球の発射停止が解除された場合に、変則発射機能が作動する。変則発射機能では、最初に発射される遊技球から3球目に発射される遊技球の発射強度は、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づかず、選択された発射強度テーブルに規定された発射強度に基づくものになる。このため、遊技者の発射ハンドル8の回動操作と関係なく、遊技者が意図しない発射強度で遊技球が発射されることになる。つまり、遊技者が意図する発射強度で遊技球を発射するためには、発射停止スイッチ158を使用せず、発射を続ける必要がある。このため、回転体113a(図4参照)の振分装置の特定領域の位置を確認しながら、タイミングを見計らって、狙い打ちすることはできなくなる。
ここで、「遊技球の発射強度に対応した切換制御コマンド」とは、図12及び図14に示すように、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗(第2遊技球発射制御手段)250d側に接続することを指示するコマンドと、抵抗切換スイッチ250fが第2固定抵抗(第2遊技球発射制御手段)250e側に接続することを指示するコマンドと、を含むものである。なお、第1固定抵抗250d側及び第2固定抵抗250e側の詳細な説明については、後述する。
特に、上記変則発射機能が作動するための条件として、上記した内容の他に、遊技球の発射強度が所定以上である条件を付加することが好ましい。すなわち、図14に示すように、上記変則発射機能が作動するための条件は、遊技中に、発射制御基板250から払出制御基板230を介して発射停止スイッチ158がONされたことを示すON信号を受けた後(発射停止スイッチ158が作動した後(遊技球の発射が停止した後))、発射停止スイッチ158がOFFされたことを示すOFF信号を受けた場合(発射停止スイッチ158の作動が停止した場合(遊技球の発射停止が解除された場合))であって、かつ最初に発射される遊技球の発射強度が基準強度以上の強い強度で発射されようとしている場合になる。
「遊技球の発射強度が基準強度以上である」とは、遊技領域21に打ち出された遊技球が中央装置100の特別入球口104に到達する程度以上の発射強度と定義する。また、「遊技球の発射強度が基準強度以上の強い強度で発射される」とは、遊技領域21に打ち出された遊技球が中央装置100の特別入球口104に到達する発射強度以上の強い発射強度を意味し、具体的には、遊技球が中央装置100の特別入球口104の上方を越えて中央装置100の右側の遊技領域21(右側領域21R)に到達することを意味する。
ここで、主制御基板200のCPU200aが遊技球の発射強度を認識するための手段について説明する。通常発射機能では、抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗(第1遊技球発射制御手段)250c側に電気的に接続されているため(図12参照)、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づいて発射強度を調整することができる。具体的には、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が大きくなればなるほど、発射強度が強くなり、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が小さくなればなるほど、発射強度が弱くなる。なお、この発射強度を調整するための技術的解決手段の詳細については、後述する。このとき、図14に示すように、発射制御基板250は、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づいた抵抗値信号を、払出制御基板230を介して主制御基板200に対して送信する。主制御基板200のCPU200aは、この抵抗値信号を受け取ることにより、その抵抗値から遊技球の発射強度を特定する。これにより、主制御基板200のCPU200aは、発射ハンドル8の回動量(回動角度)と発射強度とが比例関係にある通常発射機能において、発射されるようとしている遊技球の発射強度を容易に認識することができる。そして、「発射されようとしている遊技球の発射強度が基準強度以上である」という内容を変則発射機能が作動するための条件に付加した場合には、主制御基板200のCPU200aは、受信した抵抗値信号の内容により遊技球の発射強度を特定して、遊技球の発射強度が基準強度以上であるか否かを判断する。この結果、主制御基板200のCPU200aが遊技球の発射強度が基準強度以上であると判断した場合には、遊技中に、発射制御基板250から払出制御基板230を介して発射停止スイッチ158がONされたことを示すON信号を受けた後(発射停止スイッチ158が作動した後(遊技球の発射が停止した後))、発射停止スイッチ158がOFFされたことを示すOFF信号を受けた場合(発射停止スイッチ158の作動が停止した場合(遊技球の発射停止が解除された場合))であって、かつ、最初に発射される遊技球の発射強度が基準強度以上の強い強度で発射されようとしている場合に該当し、変則発射機能が作動する。一方、主制御基板200のCPU200aが遊技球の発射強度が基準強度未満であると判断した場合には、変則発射機能は作動しない。
主制御基板200のCPU200aの内蔵ROMには、遊技球の変則発射機能において、遊技球の発射強度を規定した複数の発射強度テーブルが記憶されている。各発射強度テーブルは、CPU200aにより取得される乱数と対応付けされている。ここで、発射強度テーブルの一例として、順番に発射される3球の遊技球の発射強度が規定されたもので、テーブル1からテーブル8までが記憶されている。図13に示すように、テーブル1は、1発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」であり、2発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」であり、3発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」である。テーブル2は、1発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」であり、2発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」であり、3発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」である。テーブル3は、1発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」であり、2発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」であり、3発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」である。テーブル4は、1発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」であり、2発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」であり、3発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」である。テーブル5は、1発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」であり、2発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」であり、3発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」である。テーブル6は、1発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」であり、2発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」であり、3発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」である。テーブル7は、1発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」であり、2発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」であり、3発目に発射される遊技球の発射強度が「強目」である。テーブル8は、1発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」であり、2発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」であり、3発目に発射される遊技球の発射強度が「弱目」である。
なお、上記各テーブルは、順番に発射される3球の遊技球の発射強度を規定したものであるが、3球に限られるものではなく、順番に発射される4球以上の遊技球の発射強度を規定したものでもよい。また、逆に、3球未満の発射強度を規定したテーブルでもよい。
ここで、遊技球の発射強度が「強目」とは、発射された遊技球が中央装置100の上部と外レール22との間を通過して中央装置100の右側(遊技者から見て右側)に位置する遊技領域21(右側領域21R)に至る程度の発射強度である。「強目」の発射強度で発射された遊技球は、例えば、図2中の転動軌跡Xを描くように、右側領域21Rに発射される。また、遊技球の発射強度が「弱目」とは、発射された遊技球が中央装置100と内レール23との間を通過して中央装置100の左側(遊技者から見て左側)に位置する遊技領域21(左側領域21L)に至る程度の発射強度である。「弱目」の発射強度で発射された遊技球は、例えば、図2中の転動軌跡Yを描くように、左側領域21Lに発射される。
なお、上記した主制御基板200の機能のうち、通常発射機能又は変則発射機能の決定処理、及び切換制御コマンドの作成・送信処理については、CPUが搭載された払出制御基板230やCPUが搭載された発射制御基板250に持たせるように設計変更してもよい。
図5及び図14に示すように、主制御基板200には、変則機能切換スイッチ(作動切換手段)160が電気的に接続されている。なお、変則機能切換スイッチ160の機能は、後述する。また、変則機能切換スイッチ160は、主制御基板200に接続されている構成に限られるものではなく、通常発射機能又は変則発射機能の決定処理及び切換制御コマンドの作成・送信処理を実行する払出制御基板230や、通常発射機能又は変則発射機能の決定処理及び切換制御コマンドの作成・送信処理を実行する発射制御基板250に対して、電気的に接続されている構成でもよい。
主制御基板200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ24s、始動口入球検知スイッチ26s、大入賞口入球検知スイッチ29s、特定領域検知スイッチ114、排出検知スイッチ115が接続されており、これらの信号が主制御基板200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、図柄表示装置27、始動口ソレノイド26c、大入賞口ソレノイド29c、開閉部材ソレノイド107c、108c、移送ローラ用モータ112m、回転体用モータ113mが接続されており、主制御基板200からの制御信号が送信される。
払出制御基板230は、主制御基板200のCPU200aと同様の構成を有するCPUを備えている。払出制御基板230には、発射制御基板250、CRユニット13等が接続されている。主制御基板200から払出制御基板230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
図12に示すように、発射制御基板250には、主として、発射モータ制御回路250aと、駆動回路250bと、が搭載されている。なお、発射モータ制御回路250a及び駆動回路250bの詳細については、後述する。また、図5に示すように、発射制御基板250には、発射停止スイッチ158と、タッチスイッチ156と、発射モータ154とが電気的に接続されている。なお、発射停止スイッチ158及びタッチスイッチ156の機能については、後述する。
サブ制御基板260には、CPU260aや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御基板200に接続されている。サブ制御基板260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置116による演出図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御基板200からサブ制御基板260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御基板200から演出表示制御基板280には、サブ制御基板260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。サブ制御基板260から演出表示制御基板280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
サブ制御基板260には、演出表示制御基板280が接続されている。演出表示制御基板280には、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御基板260に接続されている。演出表示制御基板280には演出表示装置116が接続されている。演出表示制御基板280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置116の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御基板280のROMには、演出表示装置116で表示される演出用の図柄画像データが格納されている。
サブ制御基板260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、サブ制御基板260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10dが接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、サブ制御基板260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御基板260のCPU260aは、主制御基板200や演出ボタン5dからの各種指令(演出パターン指定コマンドの受信)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置116での演出表示のパターンの選択・実行処理等を行う。
次に、本実施例の遊技機1の一般的な遊技処理を図6から図10のフローチャートに基づいて説明する。図6は、主制御基板200のCPUがROMに格納されたプログラムに基づいてCPU200aが実行するメインジョブの一例を示している。図6に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S700は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
次に、普通図柄遊技処理S300を図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、普通図柄作動ゲート検知スイッチ24sにより、遊技球が普通図柄作動ゲート24を通過したか否かを判定する(S301)。この結果、遊技球が普通図柄作動ゲート24を通過したと判定された場合には(S301:YES)、普通図柄保留数が4未満であるか否かを判定し(S302)、普通図柄保留数が4未満の場合には(S302:YES)、普通図柄当否判定用の乱数を記憶する(S303)。
次に、始動口26が作動中か否かを判定し(S304)、始動口26が作動中であると判定された場合には(S304:YES)、そのままリターンし、始動口26が作動中でないと判定された場合には(S304:NO)、普通図柄が変動中か否かを判定する(S305)。この結果、普通図柄が変動中でないと判定された場合には(S305:NO)、普通図柄の停止表示時間中か否かを判定し(S306)、普通図柄表示時間中であると判定された場合には(S306:YES)、後述のS314の処理に移行し、普通図柄表示時間中でないと判定された場合には(S306:NO)、普通図柄保留数がゼロか否かを判定する(S307)。
この結果、普通図柄保留数がゼロであると判定された場合は(S307:YES)、そのままリターンし、普通図柄保留数がゼロでないと判定された場合は(S307:NO)、普通図柄当否判定を行い(S308)、普通図柄当否判定の結果に基づいて普通図柄の変動時間(普通図柄の変動パターン)を設定する(S309)。ここで、普通図柄変動パターンは、普通図柄の変動時間を規定するものであり、主制御基板200のCPU200aがROMに記憶されている普通図柄の変動パターンテーブルから特定の普通図柄変動パターンをS308における普通図柄当否判定の判定結果に基づいて決定する。普通図柄当否判定の結果が当りである場合には、当り用の停止図柄(当り普通図柄表示態様)と当り用の普通図柄変動パターン(当り変動パターンA,Bなど)を決定する。それら以外の場合には、普通図柄当否判定の結果が外れであり、外れ用の停止図柄(外れ普通図柄表示態様)と外れ用の普通図柄変動パターンを決定する。
そして、普通図柄表示装置27aで普通図柄の変動を開始する(S310)。このとき、主制御基板200のCPU200aは、サブ制御基板260のCPU260aに対して、普通図柄の変動パターンを示す普通図柄変動パターン指定コマンドを送信する。
上記S305で普通図柄が変動中であると判定された場合には(S305:YES)、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S311)、普通図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S311:NO)、そのままリターンする。一方、普通図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S311:YES)、普通図柄の変動を停止し(S312)、普通図柄の停止表示間を設定する(S313)。
次に、普通図柄の停止表示間が経過したか否かを判定し(S314)、普通図柄の停止表示間が経過していないと判定された場合には(S314:NO)、そのままリターンし、普通図柄の停止表示間が経過していると判定された場合には(S314:YES)、普通図柄の停止図柄が始動口26を作動させることとなる当り図柄表示態様か否かを判定する(S315)。この結果、普通図柄の停止図柄が当り図柄表示態様でないと判定された場合には(S315:NO)、普通図柄の停止図柄は外れ普通図柄であるので、そのままリターンする。
普通図柄の停止図柄が当り図柄表示態様であると判定された場合には(S315:YES)、始動口26の作動時間(本実施例では5秒)を設定する(S316)。そして、始動口26の作動を開始させる(S317)。このとき、主制御基板200のCPU200aは、サブ制御基板260のCPU260aに始動口26が開放したことを示す始動口開放信号を送信する。
次に、普通電動役物遊技処理S400を図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口26が作動中であるか否かを判定し(S401)、始動口26が作動中でないと判定された場合には(S401:NO)、そのままリターンする。一方、始動口26が作動中であると判定された場合には(S401:YES)、始動口26の作動時間(5秒)が経過したか否かを判定し(S402)、始動口26の作動時間が経過していないと判定された場合には(S402:NO)、始動口26に規定入賞数(1個)の入賞があったか否かを判定する(S403)。
この結果、始動口26に規定入賞数の入賞がないと判定された場合は(S403:NO)、そのままリターンし、始動口26に規定入賞数の入賞があったと判定された場合と(S403:YES)、始動口26の作動時間が経過していると判定された場合には(S402:YES)、始動口26の作動を停止する(S404)。このとき、主制御基板200のCPU200aは、サブ制御基板260のCPU260aに始動口26が閉鎖したことを示す始動口閉鎖信号を送信する。
次に、特別図柄遊技処理S500を図9のフローチャートに基づいて説明する。まず、特別遊技状態が発生中であるか否かを判定する(S501)。この結果、特別遊技状態発生中であると判定された場合には(S501:YES)、そのままリターンし、特別遊技状態発生中でないと判定された場合には(S501:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S502)。
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S502:YES)、後述のS509の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S502:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S503)。特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S503:YES)、後述のS512の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S503:NO)、中央装置100の特別入球口104、105が開放中であるか否かを判定する(S504)。
この結果、中央装置100の特別入球口104、105が開放中でないと判定された場合には(S504:NO)、始動口26に遊技球が入球したか否かを判定する(S505)。この結果、始動口26に遊技球が入球していないと判定された場合には(S505:NO)、そのままリターンし、始動口26に遊技球が入球したと判定された場合には(S505:YES)、特別図柄当否判定を行う(S506)。
次に、特別図柄の変動パターンの決定処理を行う(S507)。この特別図柄変動パターンは、特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無を規定するものであり、主制御基板200のCPU200aがROMに記憶されている特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンをS506における特別図柄当否判定の判定結果に基づいて決定する。特別図柄当否判定の結果が大当りである場合には、大当り用の停止図柄(大当り図柄表示態様)と大当り用の特別図柄変動パターンを決定する。また、特別図柄当否判定の結果が小当りである場合には、小当り用の停止図柄(小当り図柄表示態様)と小当り用の特別図柄変動パターンを決定する。それら以外の場合には、特別図柄当否判定の結果が外れであり、リーチ演出の有無に応じて外れ停止図柄(外れ特別図柄表示態様)とその変動パターンを決定する。
そして、特別図柄表示装置27bで特別図柄の変動表示を開始させる(S508)。このとき、主制御基板200のCPU200aは、サブ制御基板260のCPU260aに特別図柄の変動パターンを示す特別図柄変動パターン指定コマンドを送信する。
そして、上記S502で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄の変動時間が経過しているか否かを判定する(S509)。この結果、特別図柄の変動時間が経過していないと判定された場合には(S509:NO)、そのままリターンし、特別図柄の変動時間が経過していると判定された場合には(S509:YES)、特別図柄の変動を停止して、特別図柄当否判定結果に応じた停止図柄で停止表示させ(S510)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S511)。
次に、特別図柄の停止表示時間が経過したか否かを判定する(S512)。この結果、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判定された場合には(S512:NO)、そのままリターンし、特別図柄の停止表示時間が経過していると判定された場合には(S512:YES)、特別図柄の停止図柄が小当り図柄表示態様であるか否かを判定する(S513)。この結果、特別図柄の停止図柄が小当り図柄表示態様であると判定された場合には(S513:YES)、中央装置100の特別入球口104、105を開放させる(S514)。このとき、主制御基板200のCPU200aは、サブ制御基板260のCPU260aに特別入球口104、105が開放したことを示す特別入球口開放信号を送信する。
また、特別図柄の停止図柄が小当り図柄表示態様でなかった場合には(S513:NO)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄表示態様であるか否かを判定する(S515)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄表示態様であると判定された場合には(S515:YES)、所謂「直撃当り」であるので、直ちに特別遊技状態を開始する(S516)。なお、特別図柄の停止図柄が大当り図柄表示態様でないと判定された場合には(S515:NO)、特別図柄の停止図柄は外れ特別図柄表示態様であるので、そのままリターンする。
次に、上記S504で中央装置100の特別入球口104、105が開放していると判定された場合には(S504:YES)、特別入球口104、105の開放時間が経過したか否かを判定する(S517)。この結果、特別入球口104、105の開放時間が経過したと判定された場合には(S517:YES)、特別入球口104、105を閉鎖する(S518)。一方、特別入球口104、105の開放時間が経過していないと判定された場合には(S517:NO)、遊技球が特別遊技装置113の特定領域113bを通過したか否かを判定する(S519)。この結果、遊技球が特定領域113bを通過した、すなわち遊技球が特定領域検知スイッチ114で検知された場合には(S519:YES)、特別遊技状態を開始する(S516)。この場合、主制御基板200のCPU200aは、サブ制御基板260のCPU260aに特定領域通過信号を送信する。一方、遊技球が特定領域113bを通過していない、すなわち遊技球が排出検知スイッチ115にて検知された場合には(S519:NO)、そのままリターンする。この場合、主制御基板200のCPU200aは、サブ制御基板260のCPU260aに非特定領域通過信号を送信する。
また、主制御基板200のCPU200aは、特別入球口検知スイッチ(図示せず)により特別入球口104、105への遊技球入球が検知された場合に、サブ制御基板260のCPU260aに特別入球口入球信号を送信し、誘導経路通過検知スイッチ(図示せず)により遊技球が第1誘導経路構成部材110または第2誘導経路構成部材111のいずれに振り分けられたかが検知された場合に、サブ制御基板260のCPU260aに誘導経路通過信号を送信する。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図10のフローチャートに基づいて説明する。まず、特別遊技状態発生中であるか否かを判定し(S601)、特別遊技状態発生中でないと判定された場合には(S601:NO)、そのままリターンし、特別遊技状態発生中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口29aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口29aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口29aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口29aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口29aに最大入賞数の遊技球が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口29aに最大入賞数の遊技球が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、そのままリターンし、大入賞口29aに最大入賞数の遊技球が入賞していると判定された場合と(S604:YES)、大入賞口29aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口29aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口29aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、特別遊技状態のラウンド数が所定回数に達したか否かを判定する(S606)。この結果、特別遊技状態のラウンド数が所定回数に達していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口29aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口29aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、そのままリターンし、大入賞口29aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口29aを開放させる(S608)。
上記S606で、特別遊技状態のラウンド数が所定回数に達していると判定された場合には(S606:YES)、特別遊技状態を終了する(S609)。
次に、本発明の要部である発射ハンドル8、発射装置ユニット150及び発射制御基板250について詳細に説明する。なお、発射ハンドル8及び発射制御基板250は、発射装置ユニット150に組み付けられるものである。
図1及び図11に示すように、発射ハンドル8は、その後方(下皿部6の裏面側)に配置される発射装置ユニット150に接続されている。この発射装置ユニット150は、球送り装置(図示省略)から送り出される遊技球を遊技領域28に発射するためのものである。具体的には、図11に示すように、発射装置ユニット150には、主として、回転軸を中心にして往復移動して遊技球を打撃する打撃槌152と、打撃槌152を回動駆動するための発射モータ154(ステッピングモータ、図5及び図12参照)と、を備えている。
ここで、本実施形態の発射装置ユニット150は、発射ハンドル8の回動量に基づいた発射強度により遊技球を発射するための通常発射機能と、発射ハンドル8の回動量に基づかず、予め記憶された発射強度テーブルの中から任意の発射強度テーブルを選択し、そこに規定された発射強度で遊技球を発射するための変則発射機能と、を備えている。図12に示すように、発射装置ユニット150に設けられた発射制御基板250には、発射モータ制御回路250aと、発射モータ制御回路250aからの制御信号(制御コマンド)に基づいて発射モータ154の駆動を制御する駆動回路250bと、遊技球の発射強度を規定するための3つの抵抗250c〜250eと、これらと電気的に接続可能な抵抗切換スイッチ250fと、が設けられている。具体的には、3つの抵抗250c〜250eは、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づいた発射強度により遊技球を発射させるための可変抵抗250cと、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づかず、強目の発射強度で遊技球を発射させるための第1固定抵抗250dと、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づかず、弱目の発射強度で遊技球を発射させるための第2固定抵抗250eと、で構成されている。
可変抵抗250cは、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に応じて、その抵抗値を変化させる。すなわち、可変抵抗250cは、その指示抵抗値により発射ハンドル8の回動量(回動角度)を示す回動量検出器として機能している。ここで、可変抵抗250cの指示抵抗値を示す抵抗値信号は、発射制御基板250から払出制御基板230を経て主制御基板200に送信される。主制御基板200のCPU200aは、発射制御基板250から送信された抵抗値信号を受信することにより、可変抵抗250cの抵抗値を特定し、この抵抗値から発射ハンドル8の回動量(回動角度)を特定する。なお、発射ハンドル8の回動量(回動角度)の値は、ROMに一時的に記憶される。これにより、主制御基板200の200aは、発射ハンドル8の回動量(回動角度)から遊技球の発射強度を認識することができる。
抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側に電気的に接続されている状態では、発射ハンドル8の回動操作により可変抵抗250cの抵抗値が変化し、その抵抗値に応じて発射制御基板250に搭載された発射モータ制御回路250aがPWM制御等により駆動回路250bを介して発射モータ154の印加電圧を調整する。この結果、発射モータ154の回転軸に連結された打撃槌152の発射力が調整される。すなわち、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が大きくなるほど、発射モータ154に供給される平均的な電流レベルが高くなり、打撃槌152による打撃力、すなわち、遊技球の発射力が強くなり、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が小さくなるほど、遊技球の発射力が弱くなる。なお、抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側に電気的に接続されている状態を発射装置ユニット150の通常発射機能と定義する。
第1固定抵抗250dの抵抗値は、発射モータ154に対する印加電圧が遊技盤上に位置する中央装置100の特別入球口104よりも右側領域21Rに向けて(中央装置100の特別入球口104を超える発射強度で)遊技球を発射できる抵抗値に設定されている。具体的には、図2に示すように、第1固定抵抗250dの抵抗値は、発射された遊技球が中央装置100の上部と外レール22との間を通過して中央装置100の右側に位置する遊技領域21(右側領域21R)に至る程度の発射強度となるように、設定されている。
抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側に電気的に接続されている状態では、発射ハンドル8の回動量(回動角度)によらず、強目の発射強度で遊技球を発射できるように設定された抵抗値に基づいて、発射モータ制御回路250a及び駆動回路250bを介して発射モータ154に電圧が印加される。この結果、発射モータ154の回転軸に連結された打撃槌152の発射力が強くなる。すなわち、発射ハンドル8の回動量(回動角度)によらず、発射モータ154に供給される平均的な電流レベルが高くなり、打撃槌152による打撃力、すなわち、遊技球の発射力が強くなる。この結果、遊技球は、中央装置100の特別入球口104の上方を超えていく強い発射強度で発射され、中央装置100の特別入球口104の上方を通って、遊技領域21の右側領域21R(遊技者からみて中央装置100の右側)に到達する。
第2固定抵抗250eの抵抗値は、発射モータ154に対する印加電圧が遊技盤上の中央装置100の特別入球口104よりも左側領域に向けて(中央装置100の特別入球口104に到達しない発射強度で)遊技球を発射できる抵抗値に設定されている。具体的には、図2に示すように、第2固定抵抗250eの抵抗値は、発射された遊技球が中央装置100の特別入球口104と内レール23との間を通過して中央装置100の左側の遊技領域21(左側領域21L)に至る程度の発射強度となるように、設定されている。
抵抗切換スイッチ250fが第2固定抵抗250e側に電気的に接続されている状態では、発射ハンドル8の回動量(回動角度)によらず、弱目の発射強度で遊技球を発射できるように設定された抵抗値に基づいて、発射モータ制御回路250a及び駆動回路250bを介して発射モータ154に電圧が印加される。この結果、発射モータ154の回転軸に連結された打撃槌152の発射力が弱くなる。すなわち、発射ハンドル8の回動量(回動角度)によらず、発射モータ154に供給される平均的な電流レベルが低くなり、打撃槌152による打撃力、すなわち、遊技球の発射力が弱くなる。この結果、遊技球は、中央装置100の特別入球口104に到達しない弱い発射強度で発射され、中央装置100の特別入球口104まで至ることなく、遊技領域21の左側領域21L(遊技者からみて中央装置100の左側)に到達する。なお、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側又は第2固定抵抗250e側に電気的に接続されている状態を発射装置ユニット150の変則発射機能と定義する。
抵抗切換スイッチ250fの切換えは、主制御基板200又は払出制御基板230からの制御コマンド(切換制御コマンド)に基づいて発射モータ制御回路250aにより制御され、3つの抵抗250c〜250eのうちいずれかの抵抗側と電気的に接続可能になっている。なお、発射モータ制御回路250aには、抵抗切換スイッチ250fの切換えを実行するための切換制御回路(図示省略)が組み込まれている。抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側に接続された状態では、発射ハンドル8の回動量に応じて遊技球の発射力が調整される通常発射制御(通常発射機能)となり、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側又は第2固定抵抗250e側に接続された状態では、発射ハンドル8の回動量(回動角度)によらず、強目又は弱目の発射強度で常に遊技球が発射される変則発射制御(変則発射機能)となる。
また、遊技盤の裏側(図示略)であって、遊技者が操作することができない位置に発射装置ユニット150の変則発射機能の有効又は無効を切り換える変則機能切換スイッチ160(図5参照)が設けられている。変則機能切換スイッチ160は、遊技ホールの店員が押圧可能ないわゆるボタン式になっており、押圧することにより発射装置ユニット150の変則発射機能の有効と無効とが切り換わる。これにより、発射装置ユニット150の変則発射機能が有効な状態で変則機能切換スイッチ160が押圧されると、発射装置ユニット150の変則発射機能が無効になる。これにより、抵抗切換スイッチ250fは、常時、可変抵抗250c側と電気的に接続された状態になり、上述したように、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づいた発射強度で遊技球が発射される。一方、発射装置ユニット150の変則発射機能が無効な状態で変則機能切換スイッチ160が押圧されると、発射装置ユニット150の変則発射機能が有効になる。これにより、抵抗切換スイッチ250fは、所定の場合に、第1固定抵抗250d側又は第2固定抵抗250e側と電気的に接続された状態になり、上述したように、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づかないで、選択された発射強度テーブルに規定された発射強度で遊技球が発射される。
ここで、発射装置ユニット150の変則発射機能が有効の状態では、抵抗切換スイッチ250fの発射モードの切換処理は、主制御基板200又は払出制御基板230からの制御コマンド(切換制御コマンド)に基づいて自動的に実行される。なお、本実施形態では、抵抗切換スイッチ250fの発射モードは、図12に示すように、抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側に接続する場合と、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側に接続する場合と、抵抗切換スイッチ250fが第2固定抵抗250e側に接続する場合の3つのモードがある。一方、発射装置ユニット150の変則発射機能が無効の状態では、抵抗切換スイッチ250fの発射モードの切換処理は、実行されない。
発射装置ユニット150の変則発射機能が有効の状態から無効の状態になる場合の切換処理について説明する。この場合には、図14に示すように、変則機能切換スイッチ160が押圧されると、変則機能切換スイッチ160から発射制御基板250に対して無効信号(切換機能OFF信号)が送信される。発射制御基板250に対して送信された無効信号(切換機能OFF信号)は、払出制御基板230を介して主制御基板200に対して送信される。主制御基板200が無効信号(切換機能OFF信号)を受け取ると、発射モータ制御回路250aに対して抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側と常時接続させるための制御コマンド(切換機能OFFコマンド)を払出制御基板230を介して発射制御基板250に対して送信する。これにより、抵抗切換スイッチ250fが発射モータ制御回路250aにより制御されて抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側と常時接続される。なお、発射制御基板250が切換機能OFFコマンドを受けたときに、抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側と接続されていた場合にはその接続が維持され、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側又は第2固定抵抗250e側と接続されていた場合には可変抵抗250c側と接続するように切り換えられる。このようにして、発射装置ユニット150の変則発射機能が有効の状態から無効の状態になり、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づいた発射強度にて遊技球が発射可能になる。
発射装置ユニット150の変則発射機能が無効の状態から有効の状態になる場合の切換処理について説明する。この場合には、変則機能切換スイッチ160が押圧されると、変則機能切換スイッチ160から発射制御基板250に対して有効信号(切換機能ON信号)が送信される。発射制御基板250に対して送信された有効信号(切換機能ON信号)は、払出制御基板230を介して主制御基板200に対して送信される。主制御基板200が有効信号(切換機能ON信号)を受け取ると、発射モータ制御回路250aに対して抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側と第1固定抵抗250d側(第2固定抵抗250e側)との間で切換可能な制御コマンド(切換機能ONコマンド)を払出制御基板230を介して発射制御基板250に対して送信する。これにより、抵抗切換スイッチ250fが発射モータ制御回路250aにより制御されて、抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側又は第1固定抵抗250d側(第2固定抵抗250e側)に接続可能になり、変則発射機能が作動する場合に、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側(第2固定抵抗250e側)と接続する。
発射ハンドル8には、遊技者が発射ハンドル8に触れていることを検出するタッチスイッチ156(図5参照)が設けられており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための上述の発射停止スイッチ158(図5参照)が設けられている。これらタッチスイッチ156および発射停止スイッチ158は発射制御基板250(図5参照)に電気的に接続されている。図14に示すように、タッチスイッチ156は、遊技者が発射ハンドル8に触れている場合に「ON」となって接触検知信号(ON信号)を発射制御基板250に送信し、遊技者が発射ハンドル8に触れていない場合に「OFF」となって接触非検知信号(OFF信号)を発射制御基板250に送信する。また、発射停止スイッチ158は、遊技者が操作していない(押していない)場合に「OFF」となって発射非停止信号(OFF信号)を発射制御基板250に送信し、遊技者が操作している(押している)場合に「ON」となって発射停止信号(ON信号)を発射制御基板250に送信する。
そして、本実施形態では、遊技者が発射ハンドル8に触れており、遊技者が発射停止スイッチ158を操作していない状態(タッチスイッチ156がONで発射停止スイッチ158がOFFの状態)で、発射ハンドル8が必要量回動操作されると、通常発射機能時又は変則発射機能時を問わず、発射モータ154の回転駆動により、上述の打撃槌152に打撃力が連続的に発生する。これにより、遊技球が所定の発射強度にて遊技領域21に1球ずつ連続して発射される。一方、遊技者が発射ハンドル8に触れていない(タッチスイッチ156がOFFの状態)か、或いは、遊技者が発射停止スイッチ158を操作している場合(発射停止スイッチ158がONの状態)には、通常発射機能時又は変則発射機能時を問わず、遊技球が発射されることはない。なお、本実施形態の発射装置ユニットは、「1分間に100個の遊技球を発射する遊技球発射性能」を実現するように構成されている。
なお、図14に示すように、タッチスイッチ156から送信される検知信号(接触検知信号または接触非検知信号)は、発射制御基板250を介して払出制御基板230に受信され、さらに払出制御基板230を介して主制御基板200に受信される。そして、主制御基板200のCPU200a(図5参照)は、受信のあったタッチスイッチ156からの接触検知信号または接触非検知信号に対応する制御コマンド(接触検知コマンドまたは接触非検知コマンド)をサブ制御基板260に向けて送信し、その制御コマンドを受信したサブ制御基板260のCPU260a(図5参照)は、受信した制御コマンドに基づき遊技球の発射数を計数する発射数カウント処理(図示しない)を実行する。
次に、本発明の第1実施形態の遊技機の作用について説明する。
なお、以下の作用では、変則機能切換スイッチ160により変則機能が有効となっている状態を基準(出発点)にして説明する。
(通常発射機能の作動)
先ず、通常発射機能について説明する。図12に示すように、通常発射機能では、抵抗切換スイッチ150fが可変抵抗150c側に接続された状態になっている。
図12及び図14に示すように、遊技者が発射ハンドル8を回動操作してパチンコ遊技を実行する場合には、タッチスイッチ156の接触検知信号が発射制御基板250から払出制御基板230を介して主制御基板200に対して送信される。このとき、遊技者が発射停止スイッチ158をON操作していないため(OFFの状態であるため)、発射停止スイッチ158の発射非停止信号が発射制御基板250から払出制御基板230を介して主制御基板200に対して送信される。このとき、主制御基板200は、払出制御基板230を介して発射制御基板250に対して発射可能を指示する制御コマンドを送信する。ここで、遊技者が発射ハンドル8に触れており、遊技者が発射停止スイッチ158を操作していない状態(タッチスイッチ156がONで発射停止スイッチ158がOFFの状態)になるため、発射ハンドル8が必要量回動操作されると、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に応じて、可変抵抗250cの抵抗値が変化する。そして、その抵抗値に応じて、発射モータ制御回路250aがPWM制御等により駆動回路250bを介して発射モータ154の印加電圧が調整される。この結果、発射モータ154により回転駆動される打撃槌152(図11参照)の発射力が調整される。すなわち、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が大きくなるほど、発射モータ154に供給される平均的な電流レベルが高くなり、打撃槌152(図11参照)の発射力が強くなる。一方、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が小さくなるほど、発射モータ154に供給される平均的な電流レベルが低くなり、打撃槌152(図11参照)の発射力が弱くなる。このように、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に応じた遊技球の発射力が得られる遊技になっている。
(通常発射機能から変則発射機能に移行するための条件)
ここで、図12及び図14に示すように、所定数の遊技球の発射が継続された後、遊技者により発射停止スイッチ158がON操作された場合には、発射停止スイッチ158の発射停止信号が発射制御基板250から払出制御基板230を介して主制御基板200に対して送信される。このとき、主制御基板200は、払出制御基板230を介して発射制御基板250に対して発射不可を指示する制御コマンドを送信する。これにより、発射モータ制御回路250a及び駆動回路250bにより、発射モータ154の駆動が停止されて、遊技球が発射されなくなる。
遊技球の発射が停止された後、遊技者により発射停止スイッチ158がOFF操作された場合には、発射停止スイッチ158の発射非停止信号が発射制御基板250から払出制御基板230を介して主制御基板200に対して送信される。このとき、主制御基板200は、払出制御基板230を介して発射制御基板250に対して発射可能を指示する制御コマンドを送信する。
また、遊技者により発射停止スイッチ158がOFF操作された後、遊技者が発射ハンドル8を回動操作したことにより、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に応じて、可変抵抗250cの抵抗値が変化する。変化した後の可変抵抗250cの抵抗値を示す抵抗値信号が、発射制御基板250から払出制御基板230を介して主制御基板200に送信される。主制御基板200のCPU200aは、抵抗値信号を受信することにより、次に発射される遊技球の発射強度を特定する。そして、次に発射される遊技球の発射強度が基準強度以上であれば、主制御基板200は、変則発射機能に移行を指示するための切換制御コマンドを、払出制御基板230を介して発射制御基板250に対して送信する。
ここで、変則発射機能に移行する場合には、主制御基板200のCPU200aは、乱数の抽選処理を実行して、所定の乱数を取得する。そして、CPU200aは、取得した乱数に対応した発射強度テーブルを選択する。この発射強度テーブルとは、上述した通り、順番に発射される遊技球の発射強度を規定したものである。具体的には、図13に示すように、発射強度テーブルには、順番に発射される3球の遊技球の発射強度(「強目」か「弱目」)が規定されている。主制御基板200から送信される上記切換制御コマンドには、選択した発射強度テーブルに規定された発射強度を指示する情報が含まれている。
(変則発射機能の作動)
先ず、変則発射機能について説明する。図12及び図14に示すように、変則発射機能では、主制御基板200からの切換制御コマンドに基づいて、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側又は第2固定抵抗250e側に択一的に接続されることになる。例えば、図13に示すように、切換制御コマンドに含まれる発射強度テーブルが各テーブル1から8の発射強度テーブルである場合、3発の遊技球の発射強度に関して3種類の切換制御コマンドが主制御基板200から発射制御基板250に対して連続して送信される。具体的には、テーブル1の場合、最初(1番目)に送信される切換制御コマンドには1発目の遊技球の発射強度が「強目」である情報が含まれており、次(2番目)に送信される切換制御コマンドには2発目の遊技球の発射強度が「強目」である情報が含まれており、最後(3番目)に送信される切換制御コマンドには3発目の遊技球の発射強度が「強目」である情報が含まれている。このようにテーブル1の発射強度テーブルが選択された場合には、3種類の切換制御コマンドが主制御基板200から発射制御基板250に対して連続して送信される。なお、テーブル2からテーブル8の発射強度テーブルが選択された場合にも、テーブル2からテーブル8に規定された「強目」あるいは「弱目」の情報に基づいて、3種類の切換制御コマンドが主制御基板200から発射制御基板250に対して連続して送信される。
発射制御基板250は、主制御基板200からの切換制御コマンドを受信すると、この内容に基づいて抵抗切換スイッチ250fを切換制御する。例えば、図13のテーブル1の発射強度テーブルが選択されたときに送信される3種類の切換制御コマンドを発射制御基板250が受信した場合には、図12及び図13に示すように、1番目の切換制御コマンドにより抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側に接続される。そして、2番目の切換制御コマンドにより抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側に接続される。さらに、3番目の切換制御コマンドにより抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側に接続される。また、例えば、図13のテーブル4の発射強度テーブルが選択されたときに送信される3種類の切換制御コマンドを発射制御基板250が受信した場合には、図12及び図13に示すように、1番目の切換制御コマンドにより抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側に接続される。そして、2番目の切換制御コマンドにより抵抗切換スイッチ250fが第2固定抵抗250e側に接続される。さらに、3番目の切換制御コマンドにより抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側に接続される。このように、主制御基板200からの切換制御コマンドに基づいて、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側と第2固定抵抗250e側との間で択一的に切換制御され、第1固定抵抗250d側又は第2固定抵抗250e側のいずれかに接続される。
ここで、図12に示すように、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側と接続された状態では、遊技球の発射強度が「強目」になる。そして、遊技球は、「強目」の発射強度で発射される。具体的には、図2に示すように、「強目」の発射強度で発射された遊技球は、遊技領域21に設けられた中央装置100の特別入球口104と外レール22との間を通過して、中央装置100の右側(遊技者から見て右側)に到達する。このため、遊技球は、中央装置100の特別入球口104の上方を大きく越える転動軌跡Xを描く。一方、図12に示すように、抵抗切換スイッチ250fが第2固定抵抗250e側と接続された状態では、遊技球の発射強度が「弱目」になる。そして、遊技球は、「弱目」の発射強度で発射される。具体的には、図2に示すように、「弱目」の発射強度で発射された遊技球は、遊技領域21に設けられた中央装置100の特別入球口104と内レール23との間を通過して、中央装置100の左側(遊技者から見て左側)に到達する。このため、遊技球は、中央装置100の特別入球口104に到達しない転動軌跡Yを描く。
以上のように、選択されたテーブル1からテーブル8のいずれかの発射強度テーブルに規定された発射強度に基づいて、3球の遊技球が連続して発射される。この3球の遊技球は、遊技継続中に、一旦、発射停止スイッチ158がON操作されて作動した後に発射されるものであるが、この3球の遊技球の発射強度は、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づかないため、一部の例外を除いて、遊技者が意図する発射強度と異なるものになる。このように、遊技者が意図できない発射強度で遊技球を発射できる機能を変則発射機能という。
なお、遊技継続中に、一旦、発射停止スイッチ158がON操作されて作動した後(遊技球の発射が停止した後)、3球の遊技球が発射された後は、発射ハンドル8の回動操作により、4球目の遊技球が発射されることになるが、図13に示すテーブル1からテーブル8のいずれかを採用する限り、この4球目以降の遊技球の発射強度は、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づくものになる。具体的には、図13に示すテーブル1からテーブル8のいずれかを採用して、3球の遊技球の発射強度をテーブル1からテーブル8のいずれかの中から選択して遊技球を発射した後は、変則発射機能が停止して、通常発射機能に移行することになる。
(変則発射機能から通常発射機能への移行)
このとき、図14に示すように、変則発射機能から通常発射機能への移行を指示する切換制御コマンドが主制御基板200から払出制御基板230を介して発射制御基板250に送信される。発射制御基板250が上記切換制御コマンドを受信すると、図12に示すように、抵抗切換スイッチ250fが可変抵抗250c側に接続される。これにより、遊技球の発射強度が発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づく通常発射機能に移行する。通常発射機能では、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づいて遊技球の発射強度が決定される。すなわち、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に応じて、可変抵抗250cの抵抗値が変化する。発射モータ制御回路250aが可変抵抗250cの抵抗値に応じてPWM制御等により駆動回路250bを介して発射モータ154の印加電圧を制御する。これにより、発射モータ154に連結された打撃槌152(図11参照)の発射力が調整される。すなわち、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が大きくなればなるほど、発射モータ154に供給される平均的な電流レベルが高くなり、打撃槌152(図11参照)の発射力が強くなり、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が小さくなるほど、遊技球の発射力が弱くなる。
以上のように、第1実施形態によれば、遊技を継続している最中に、発射停止スイッチ158がON操作されて遊技球の発射が停止された後、発射停止スイッチ158がOFF操作されて遊技球の発射が再開された場合で、かつ再開後に発射される遊技球の発射強度が基準強度以上である場合には、通常発射機能から変則発射機能に移行する。このため、再開されてから所定数(本実施形態では、3球)の遊技球の発射強度は、主制御基板200のCPU200aにより選択された発射強度テーブル(図13参照)に規定されている発射強度に基づいて変更される。このため、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に基づかないで、遊技球の発射強度が発射強度テーブルにより決定されることで、遊技者には意図(予想)できない発射強度になる。これにより、遊技球が遊技領域21のどの位置に到達するかは、遊技者には予想できない。この結果、遊技球が中央装置100の特別入球口104に進入するように発射ハンドル8の回動量を調整して、発射停止スイッチ158をON操作して遊技球の発射停止を行い、回転駆動する特別遊技装置113の特定領域113bが所定の位置にくるタイミングを見計らって、発射停止スイッチ158をOFF操作して遊技球の発射を再開させ、特定領域113bに遊技球を入賞させるという変則的な遊技(特定領域113bの攻略)の実行を阻止することができる。
特に、通常発射機能時において発射ハンドル8の回動量(回動角度)は、抵抗値信号を主制御基板200に対して送信することにより、主制御基板200により検知することが可能になる。このように、抵抗値信号の送受信により主制御基板200により発射ハンドル8の回動量(回動角度)を特定する構成では、いわゆる光センサなどの外付け的なハードウエア資源を別途設ける必要がない。この結果、既存のパチンコ機のソフトウエアの設計を変更するだけで、主制御基板200のCPU200aに発射ハンドル8の回動量(回動角度)を容易に認識させることができる。
ここで、図14に示すように、上述した変則発射機能が有効となる状態から無効となる状態に変更する場合には、変則機能切換スイッチ160を押圧する。これにより、変則機能切換スイッチ160から主制御基板200に対して切換機能OFF信号が送信される。これにより、主制御基板200から発射制御基板250に対して、変則発射機能への移行を指示する切換制御コマンドが送信されない。この結果、抵抗切換スイッチ250fが第1固定抵抗250d側又は第2固定抵抗250e側に接続されることはない。なお、上述した変則発射機能が無効となる状態から有効となる状態に変更する場合には、再度、変則機能切換スイッチ160を押圧することにより実現される。
次に、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機について説明する。なお、上述の第1実施形態に係るパチンコ機の構成と同様の構成については、同じ符号を付し、適宜、説明を省略する。
図15に示すように、発射装置ユニット150(例えば、発射ハンドル8の外面など)には、発射ハンドル8の回動量(回動角度)を検知するための光センサ(発射強度検知手段、例えば、フォトセンサ)170が設けられている。光センサ170は、発光部170aと、受光部170bと、を備えている。この光センサ170は、例えば、主制御基板200に対して電気的に接続されている。光センサ170は、発射ハンドル8の回動操作に伴い、発射ハンドル8と共に回動する。また、発射ハンドル8の近傍となる下皿部6には、光反射部材172(発射強度検知手段、光反射板、鏡板など)が取り付けられている。光反射部材172は、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が所定値以上になる部位に設けられている。これにより、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が所定値未満である領域では、光センサ170の発光部170aの光が受光部170bで受光されない。そして、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が所定値以上になる領域では、光センサ170の発光部170aの光が光反射部材172で反射されて受光部170bで受光される。
ここで、光反射部材172で反射された光が受光部170bで受光された場合には、光センサ170から受光検知信号が主制御基板200に対して送信される。また、受光部170bによる光の受光がない場合には、光センサ170から受光非検知信号が主制御基板200に対して送信される。これにより、主制御基板200のCPU200aは、受光検知信号又は受光非検知信号を受信することにより、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が所定値以上であるか否かを判断することができる。
第2実施形態によれば、通常発射機能から変則発射機能に移行するときの条件に、遊技球発射停止後に、発射が再開される遊技球の発射強度が基準強度以上であることを付加する場合には、主制御基板200のCPU200aが発射ハンドル8の回動量(回動角度)が所定値以上であるか否かを判断することにより、遊技球の発射強度が基準強度以上であるか否かを用意に判断することができる。すなわち、通常発射機能では、遊技球の発射強度は、発射ハンドル8の回動量(回動角度)に比例するものであるから、発射ハンドル8の回動量(回動角度)を検知することにより、遊技球の発射強度を特定することができる。
このように、第2実施形態によれば、光センサ170と光反射部材172を後付け的に設けることにより、主制御基板200のCPU200aが発射ハンドル8の回動量(回動角度)、すなわち遊技球の発射強度を容易に認識することができる。これにより、従来の制御システムの遊技機を用いて、光センサ170と光反射部材172を装着することにより、制御システムを変更することなく、主制御基板200のCPU200aに、発射ハンドル8の回動量(回動角度)、すなわち遊技球の発射強度を容易に認識させることができる。
なお、光反射部材172は、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が所定値未満になる部位に設けられている構成でもよい。この構成では、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が所定値未満である領域では、光センサ170の発光部170aの光が光反射部材172で反射されて受光部172bで受光される。そして、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が所定値以上になる領域では、光センサ170の発光部170aの光は受光部170bで受光されない。このようにして、光センサ170から主制御基板200に対して受光検知信号又は受光非検知信号が送信されるため、発射ハンドル8の回動量(回動角度)の所定値を境界として、発光部170aの光が受光部170bで受光されるか否かを判断することにより、主制御基板200のCPU200aが遊技球の発射強度を特定することができる。
また、光センサ170から送信される受光検知信号又は受光非検知信号は、発射制御基板250から払出制御基板230を介して主制御基板200に送信するように構成してもよい。発射制御基板250と払出制御基板230と主制御基板200とは、従来の遊技機から信号線で接続されているため、既存の信号線を通信手段に利用することにより、新たな信号線が不要となり、設計変更する必要がない。
さらに、光反射部材172が発射ハンドル8側に設けられ、光センサ170が下皿部6側に設けられている構成でもよい。この構成でも、光センサ170から主制御基板200に対して受光検知信号又は受光非検知信号を送信することにより、主制御基板200のCPU200aは、発射ハンドル8の回動量(回動角度)が所定値以上であるか否か、換言すれば、遊技球の発射強度が基準強度であるか否かを容易に判断することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、振分装置に特定入賞口のある遊技機を例示した。しかし、本願発明はこれに限られるわけではない。特定入賞口を持たない、いわゆるセブン機と呼ばれる遊技機についても適用できる。
セブン機は、特別図柄が3個揃う(例「777」)ことにより、大当りが発生するタイプの遊技機である。図16に示すように、このタイプの遊技機では、特別図柄以外に普通図柄を備えており、普通図柄作動ゲート300を通過することにより普通図柄が変動を開始し、普通図柄が揃うことにより可変式の始動口(普通電動役物)302が開口する。そして、この可変式の始動口302の開口時間は、特定の遊技状態(いわゆる時短遊技状態や確変遊技状態)では、延長される。しかも、普通図柄が変動する時間も一定であるため、普通図柄の保留がなくならないように遊技を続ければ、可変式の始動口302が開くタイミングと閉まるタイミングとを予想することができる。
このことを利用して、遊技者のなかには、可変式の始動口302に入賞しやすい発射位置に発射ハンドルの発射量を固定しておき、発射停止スイッチを使用して可変式の始動口302が開くタイミングのみ遊技球を発射し、可変式の始動口302が閉まるタイミングでは発射を停止するものがいる。無駄球を省くことができる、いわゆる止め打ちと呼ばれる変則遊技である。
本願発明は、この種の変則遊技に対しても効果的である。つまり、止め打ちの場合は、始動口302が開口するタイミングを見計らって、遊技球を発射するのであるが、遊技球の発射位置が固定されることが条件である。しかし、本願発明では、発射停止スイッチ158を使用したあとに発射を再開する場合は、発射ハンドル8による発射量(発射強度)にかかわらず、発射強度テーブルの発射強度にしたがって、所定数の遊技球が発射される。このため、可変式の始動口302を狙うつもりが、別の位置に発射されることになる。このため、遊技者は変則遊技を行い難くなる。この結果、変則的な遊技が実行されることを防止できる。