以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。尚、本発明の一実施の形態であるパチンコ機1では、大当たり遊技状態の終了後に、普通図柄の変動時間を短縮する時短状態が設定され、特別図柄の変動回数のA回目(例えば、70回)までにリーチ状態又は大当たり状態が1度も発生しない場合は、乱数取得により強制リーチ設定値k2に第2の所定回数B(例えば、20回)を設定し、特別図柄の変動回数の(A+k2)回目(70+20=90回目)にリーチ状態を強制的に発生させることにより、遊技者の遊技意欲を喚起させることができることを特徴とするものである。
まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、パチンコ機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。図3は、特別図柄表示装置8の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり、前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、下皿6の上にはスピーカー48がそれぞれ設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2前面中央に位置する遊技領域4の略中央には、LCDから構成された特別図柄表示画面28や各種ランプ、LEDを備えた特別図柄表示装置8が設けられている。この特別図柄表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられている。また、特別図柄表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、特別図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられている。そして、その特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。そして、特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられており、大入賞口16の左右にも普通入賞口17,18がそれぞれ設けられている。尚、図2に示す遊技盤2に設けられた普通図柄始動ゲート12が「通過ゲート」に相当し、特別図柄始動電動役物15が、「始動入賞口」に相当する。
また、特別図柄表示装置8の下部には、遊技盤2の表面から遊技盤2の奥方向に向かって遊技球を暫時載置可能なステージ21が略水平に設けられ、また、特別図柄表示装置8の左右両肩にはワープ口22,23がそれぞれ設けられている。これらのワープ口22,23を通過した遊技球は特別図柄表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってステージ21へ現出するようになっており、ステージ21に現出した遊技球が、ステージ21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下しやすくなるように、ステージ21に若干の勾配が設けられている。
また、図3に示すように、特別図柄表示装置8の特別図柄表示画面28の上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられている。この普通図柄表示部24には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。また、特別図柄表示装置8の上部には4個のLEDからなる特別図柄記憶数表示LED60が設けられている。この特別図柄記憶数表示LED60には、特別図柄始動電動役物15(図2参照)に入賞し、特別図柄表示画面28に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる特別図柄作動保留球数を4個まで、LEDの点灯で表示することができるようになっている。さらに、特別図柄記憶数表示LED60の下方に設けられた4個のLEDからなる普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12(図2参照)に入賞し、普通図柄表示部24に当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を、特別図柄作動保留球数同様4個まで、LEDの点灯で表示することができる。また、特別図柄表示画面28の左右には、それぞれ3個の電飾用のLED62が列設されている。尚、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他のLED、風車及び多数の障害釘等が設けられている。尚、図3に示す普通図柄表示部24は、「普通図柄表示手段」に相当する。
次に、特別図柄表示装置8に表示される画面について説明する。図3に示すように、特別図柄表示画面28には、左から、特別図柄表示部L1,特別図柄表示部L3,特別図柄表示部L2の順に、3つの特別図柄表示部が横一列に配置されている。この特別図柄表示部L1〜L3には、後述する特別図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L2、特別図柄表示部L3の順に停止するようになっている。尚、この特別図柄表示部L1〜L3の配置、停止表示させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できる。また、特別図柄表示画面28上には、特別図柄表示部L1〜L3の背景に画像やキャラクターやメッセージ等も表示されるようになっている。さらに、特別図柄表示部L1〜L3には特別図柄が常に表示されているわけではなく、これらの表示に代えて画像やキャラクターやメッセージ等を表示できるようになっている。尚、特別図柄表示装置8は、その裏面に図柄表示基板44(図4参照)を備えている。
次に、特別図柄表示部L1〜L3に各々表示される図柄について説明する。本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類の図柄が表示される。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞すると、大当たりの判定が行われ、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示される。停止した時に特別図柄表示部L1〜L3に表示されている図柄が全て同じ図柄で揃った場合(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)には、「大当たり」となり大入賞口16が開放される「大当たり遊技状態」が生起される。全て同じ図柄で揃わなかった場合には「はずれ」となる。したがって、特別図柄表示部L1及びL2が停止した段階で同じ図柄が表示されている状態(リーチ状態)では、「大当たり」となる可能性があるために遊技者は「大当たり」への期待感が高まる。尚、図3に示す特別図柄表示装置8に設けられた特別図柄表示部L1〜L3が、「特別図柄表示部」に相当する。
また、前記10図柄のうち「1」,「3」,「5」,「7」,「9」を確率変動図柄(特定図柄)とし、これらのうちの何れかの図柄が横1列に同じ図柄で揃うことにより大当たりが報知された場合には、「確率変動当たり」となり、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率(大当たり確率)が高くなる。尚、本実施の形態では、この大当たり確率が高くなっている状態を「高確率状態」とし、通常の確率である状態を「低確率状態」とする。また、高確率状態での大当たり確率は63分の1であり、低確率状態での大当たり確率は315分の1とするが、必ずしもこの値に限られるものではない。尚、確率変動図柄以外の図柄である「0」,「2」,「4」,「6」,「8」は非確率変動図柄(非特定図柄)であり、これらのうちの何れかの図柄が横1列に同じ図柄で揃うことにより大当たりが報知された場合には、低確率状態となり、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率は通常の確率となる。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶さている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続している。さらに、音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46の総合的な制御を行っており、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は特別図柄表示画面28及び普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。尚、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられている。そして、音基板43にはCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、図柄表示基板44にはCPU44aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。さらに、払出制御基板45にはCPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、電飾基板46にはCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
電飾基板46には、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、電飾用のLED62、及び電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には、特別図柄表示装置8、及び普通図柄表示部24が接続され、音基板43には、スピーカー48が接続され、払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。尚、普通入賞口17,18,19,20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46及びサブ統合基板58に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。尚、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を供給できるようになっている。尚、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、全てアースラインで接続されている。尚、パチンコ機1には、図示外の発射手段が設けられ、発射手段には上述の発射ハンドル7(図1参照)が接続されている。そして発射手段では、発射ハンドル7の回転角度によって遊技球が打ち出される強さが変化するように遊技球が発射されるようになっている。発射された遊技球は、遊技盤2を流下し、各入賞口に入賞するようになっている。
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンに関する情報が記憶されている変動パターン記憶エリア5304等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12へ遊技球が入賞した場合に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞数のうち、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞数のうち、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、大当たり遊技状態であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示部L1〜L3の変動状態を示す特別図柄変動フラグ、高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグ等のフラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208、普通図柄の時短状態が設定されている否かを示す時短設定フラグを記憶する時短設定フラグ記憶エリア5209、強制リーチが設定されているか否かを示す強制リーチフラグを記憶する強制リーチフラグ記憶エリア5210、時短状態中の特別図柄の変動を計数する変動回数カウンタk1の値を記憶する時短中変動回数カウンタ記憶エリア5211、時短状態中のリーチ回数を記憶するリーチカウンタ記憶エリア5212、時短状態中強制リーチを発生させるために、後述する強制リーチ乱数カウンタLC7から取得された乱数の値を記憶する強制リーチ乱数記憶エリア5213が設けられている。尚、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。尚、強制リーチフラグ記憶エリア5210に記憶されている強制リーチフラグは、強制リーチを発生させる条件が成立されている場合に「ON」され、リーチを発生させた際に「OFF」され、時短状態が終了した際にも「OFF」される。
次に、図7を参照して、カウンタ記憶エリア5201について説明する。図7は、RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。図7に示すように、カウンタ記憶エリア5201には普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3、特別図柄作成第2カウンタLC4、特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6、強制リーチ乱数カウンタLC7、特別図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄停止時間カウンタTC2等が各々記憶されている。尚、強制リーチ乱数カウンタLC7は、強制リーチ処理において、第2の所定回数Bの値を設定するために記憶されている。そして、カウンタ記憶エリア5201には普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3、特別図柄作成第2カウンタLC4、特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6、強制リーチ乱数カウンタLC7、特別図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄停止時間カウンタTC2等の値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて、普通当たり関係情報記憶エリア5203や大当たり関係情報記憶エリア5205などに各々取り込まれて格納されるようになっている。
尚、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3、特別図柄作成第2カウンタLC4、特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の値は、割込信号発生回路57(図4参照)からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1の制御プログラムのメインルーチンのカウンタ更新処理(図10参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。また、特別図柄変動時間カウンタTC1及び特別図柄停止時間カウンタTC2は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理(図10参照)にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。
以下、各カウンタについて詳述する。普通当たり判定カウンタLC1の値は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たりの判定は、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞を契機に行われる。そして、普通当たりと判定されると、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を所定時間(例えば、30秒)開放する。普通当たり判定カウンタLC1の最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までの何れかの値を取り、1周期は、512msとなる。
大当たり判定カウンタLC2の値は、大当たりを判定するために使用される。大当たり判定カウンタLC2の最大値は「314」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「315」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、大当たり判定カウンタLC2の値は「0」から「314」までの何れかの値を取り、1周期は630msとなる。また、パチンコ機1の起動時に、大当たり判定カウンタLC2には、初期値として「0」がセットされており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると、新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メインルーチン処理(図10参照)を行わない間(メインルーチン処理が終了し、次の割込信号によりメインルーチン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。例えば、初期値乱数処理により生成された乱数が「18」であった場合には、更新により「19」、「20」と加算され、「314」となったら、「0」へ戻り、「1」、「2」と加算され、「18」となったら、新たな初期値を取得する。尚、大当たり判定カウンタLC2の最大値は、単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
特別図柄作成第1カウンタLC3の値は、大当たりである場合に、特別図柄表示部L1,L2,L3に表示される大当たり図柄を決定するために使用される。また、リーチとなるはずれの場合には、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)及び、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。さらに、リーチとならないはずれの場合には、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第1カウンタLC3の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄作成第1カウンタLC3の値は「0」から「9」までの何れかの値を取り、1周期は20msとなる。
特別図柄作成第2カウンタLC4の値は、リーチとなるはずれの場合には、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。また、リーチとならないはずれの場合には、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第2カウンタLC4の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、10割込毎(20ms毎、特別図柄作成第1カウンタLC3の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄作成第2カウンタLC4の値は「0」から「9」までの何れかの値を取り、1周期は、200msとなる。
特別図柄作成第3カウンタLC5の値は、リーチとならないはずれの場合に、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第3カウンタLC5の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、100割込毎(200ms毎、特別図柄作成第2カウンタLC4の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄作成第3カウンタLC5の値は「0」から「9」までの何れかの値を取り、1周期は、2000msとなる。
変動パターン決定カウンタLC6の値は変動パターンを決定するために使用される。変動パターンは、大当たり判定の結果を報知する際の演出様態の種類であり、変動パターン決定カウンタLC6の値や大当たり判定の結果により選択される。選択された変動パターンは、変動パターン指定コマンドとしてサブ統合基板58へ送信され、サブ統合基板58からさらに音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46へ送信される。尚、特別図柄表示部L1〜L3の変動開始から全図柄停止までの時間はこの変動パターン毎に決定されており、ROM53の変動パターン記憶エリア5304に記憶されている。また、本実施の形態では変動パターンは62種類設けられている。そして、この変動パターン決定カウンタLC6の最大値は「65535」、最小値は「0」であり、10割込毎(2ms毎)に「1」加算され「65535」より大きくなった際に「0」へ戻る。そして、大当たりである場合、はずれで特別図柄の変動短縮を行う場合、行わない場合の3つの変動パターン決定テーブル(図示外)が設けられており、それぞれ「0」〜「65535」の値に対して、62種類の変動パターンの何れかが割り振られている。
強制リーチ乱数カウンタLC7は、時短状態中の強制リーチ処理の第2の所定回数Bを決定するために使用される。第2の所定回数Bは、時短状態中の特別図柄変動回数A回目までにリーチがn回発生しなかった場合に設定される。強制リーチ乱数カウンタLC7は(100−A−1)個の値からなり、例えばA=70の場合において、強制リーチ乱数カウンタLC7の最大値「30」、最少値「1」であり、29個の強制リーチ乱数が設けられている。
特別図柄変動時間カウンタTC1は、特別図柄表示部L1〜L3が変動を開始してから、全ての図柄が停止するまでの時間(変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動を終了させるタイミングを判断する。例えば、変動時間が10秒である場合には、初期値として「5000」をセットする。尚、変動時間は変動パターン毎に決められている。
特別図柄停止時間カウンタTC2は、特別図柄表示部L1〜L3に図柄が停止表示される時間(停止表示時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として停止時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで停止表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、停止表示時間が5秒である場合には、初期値として「2500」をセットする。
次に、図8、図9を参照して、普通当たり関係情報記憶エリア5203及び大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図8は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。図9は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。
まず、普通当たり関係情報記憶エリア5203について説明する。図9に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア5203には、判定エリア及び記憶エリア1〜4が設けられている。この普通当たり関係情報記憶エリア5203は、メインルーチン処理の普通図柄処理(図10、S16参照)において使用される。記憶エリア1〜4には、普通図柄始動ゲート12へ遊技球が入賞し、まだ普通当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(普通図柄作動保留球)が取得した普通当たり判定カウンタLC1の値を普通当たり乱数として記憶する。判定エリアには、現在行われている、普通当たり判定の結果報知又は普通当たり遊技の動作の基になった普通当たり乱数が記憶されている。
普通図柄処理において普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞が確認された場合には、記憶エリア1〜4の中で、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値(普通図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、普通図柄作動保留球数が「3」であれば、記憶エリア3に記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の普通図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、記憶エリア1に記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて普通当たりの判定結果の報知が実行される。また、記憶エリア1が判定エリアにシフトされたことに伴い、記憶エリア2の値を記憶エリア1へ、記憶エリア3の値を記憶エリア2へ、記憶エリア4の値を記憶エリア3へと順にシフトさせ、記憶エリア4の値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。即ち、普通図柄始動ゲート12へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、普通図柄作動保留球数の上限は4個であり、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値も「4」より大きい値を取ることはない。
次に、大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図9に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリア及び記憶エリア1〜4が設けられている。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメインルーチン処理の特別図柄処理(図10、S14参照)において使用される。記憶エリア1〜4には、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞し、まだ大当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(特別図柄作動保留球)が取得した乱数を記憶する。判定エリアには、現在行われている大当たり判定の結果報知又は大当たり遊技の動作の基になった乱数が記憶されている。
特別図柄処理において特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が確認された場合には、記憶エリア1〜4の中で、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(特別図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が「3」であれば、記憶エリア3に記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、記憶エリア1に記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて大当たりの判定結果の報知が実行される。また、記憶エリア1が判定エリアにシフトされたことに伴い、記憶エリア2の値を記憶エリア1へ、記憶エリア3の値を記憶エリア2へ、記憶エリア4の値を記憶エリア3へと順にシフトさせ、記憶エリア4の値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。即ち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、特別図柄作動保留球数の上限は4個であり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値も「4」より大きい値を取ることはない。
この判定エリア及び記憶エリア1〜4のそれぞれには、大当たり乱数カラムCLM1、変動パターン乱数カラムCLM2、特別図柄第1乱数カラムCLM3、特別図柄第2乱数カラムCLM4、特別図柄第3乱数カラムCLM5が設けられており、大当たり乱数、変動パターン乱数、第1特別図柄乱数、第2特別図柄乱数、第3特別図柄乱数の各値が記憶される。大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が、特別図柄第1乱数カラムCLM3には特別図柄作成第1カウンタLC3の値が,特別図柄第2乱数カラムCLM4には特別図柄作成第2カウンタLC4の値が,特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第3カウンタLC5の値がそれぞれ記憶される。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302(図5参照)に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメインルーチン処理は、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号を、CPU51が受け取った際に、CPU51において実行される。割込み信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メインルーチン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。尚、パチンコ機1の電源切断時にはRAM52のチェックサムの計算や例えばハッシュ関数によるパスワードの生成が行われる。そして、次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51はROM53の初期設定記憶エリア5301に記憶された値を使用して、例えば、各カウンタの値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われる。
図10は、メインルーチン処理のフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。割込信号を受け取ることによってメインルーチン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58に出力される。制御コマンドとは、例えば、特別図柄作動保留球数を示す特別図柄作動保留コマンド、普通図柄作動保留球数を示す普通図柄作動保留コマンド、大当たり判定結果を報知する際に使用される変動パターン指定コマンド,特別図柄指定コマンド,全図柄停止コマンド、普通当たりの判定結果を報知する際に使用される普通図柄変動パターン指定コマンド,普通図柄指定コマンド,普通図柄全図柄停止コマンド,大当たり遊技状態の際に使用される大当たり開始画面表示コマンド,大入賞口開放コマンド,大入賞口閉鎖コマンド,大当たり終了画面表示コマンド等である。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20等の入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグに「1」が記憶されて「ON」とされる。
尚、スイッチ読込処理を行っているメインルーチン処理はCPU51が割込信号を受信する間隔、即ち2ms毎に実行されている。そこで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201(図7参照)に各々記憶されている普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の各値が上記の所定量だけ加算され、特別図柄変動時間カウンタTC1の各値が上記の所定量だけ減算される。尚、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の値が各カウンタの最大値を越える場合には、各カウンタの値は最小値に戻るようにプログラムされている。
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口16を開閉する大当たり遊技状態の動作の制御が行われる。具体的には、大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖表示コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大当たり終了画面コマンド等の制御コマンドがサブ統合基板58へ送信される。この特別電動役物処理は、RAM52のフラグ関係記憶エリア5208に記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際に特別図柄処理(S14)でセットされる。そして、次のメインルーチン処理の実施時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態の動作を終了させる際に「0」が記憶されて「OFF」となる。
また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、確率変動フラグのセットも行う。停止図柄が確率変動図柄であった場合、即ち大当たり関係情報記憶エリア5205の特別図柄第1乱数カラムCLM3の値が「1」,「3」,「5」,「7」,「9」である場合には、次の大当たりの確率が高くなる高確率状態となる。また、停止図柄が非確率変動図柄であった場合、即ち特別図柄第1乱数カラムCLM3の値が「0」,「2」,「4」,「6」,「8」である場合には、次の大当たりの確率は通常の確率であり、低確率状態となる。そこで、確率変動図柄であった場合には、確率変動フラグに「1」が記憶されて確率変動フラグが「ON」となり、非確率変動図柄であった場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。尚、大当たり遊技状態の終了後には、時短状態が生起される。また、時短状態となると、本発明の要部である強制リーチ処理を行うプログラムが実行される。尚、このプログラムは図10に示すメインルーチンと平行して実行されることになる。
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われる。特別図柄処理では、大当たりの判定、特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等が行われる。尚、本発明のパチンコ機1では、大当たり判定結果の報知に伴う、特別図柄表示画面でのキャラクターの動きや図柄変動の制御、効果音や各種ランプの制御の細かい制御は、サブ統合基板58のCPU581により行われている。主基板41のCPU51で実施されるメインルーチンでは、サブ統合基板58に対し、特別図柄表示部L1〜L3へ表示する図柄の指定(特別図柄指定コマンド)、特別図柄表示部L1〜L3の変動開始の指示及び変動パターンの指定(変動パターン指定コマンド)、特別図柄表示部L1〜L3の全図柄停止の指示(全図柄停止コマンド)、を行っている。具体的には、大当たり判定の結果の報知を開始する際に、変動パターンコマンド及び特別図柄指定コマンドを送信し、特別図柄表示部L1〜L3を停止する際に全図柄停止コマンドを送信している。尚、サブ統合基板58ではこれらのコマンドを受信すると、種々のコマンドを付加して音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46に詳細な指示を与えて、様々な演出を行いながら、大当たり判定結果の報知を行う。また、これらのコマンドがサブ統合基板58へ送信される際には、強制リーチ処理へ、特別図柄の変動が開始されたことを示すために、特別図柄変動フラグが「ON」となる。尚、図10に示す特別図柄処理(S14)において、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞し、乱数を取得するCPU51が、「第1の乱数取得手段」として機能する。さらに、特別図柄処理(S14)において、取得した乱数に基づいて大当たりの判定を行うCPU51が「大当たり判定手段」として機能する。
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなり、その結果が普通図柄表示部24に表示された後に、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材(いわゆるチューリップ)の開閉(普通当たり状態の動作)の制御が行われる。そして、時短状態中は、一対の開閉部材は長く開放(例えば、通常5秒開放のところを30秒開放)するように制御される。尚、普通当たりの判定及び普通図柄表示部24への図柄の表示は、次のS16の普通図柄処理にて行われる。
次の普通図柄処理(S16)では、普通当たり乱数の取得、普通図柄当たりの判定、普通図柄当たりの判定結果の普通図柄表示部24への報知の指示等が行われる。この普通図柄処理については、図11に示すフローチャートを参照して後述する。普通図柄表示部24に当たり図柄が表示された後には、前述した普通電動役物処理(S15)において特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開閉が行われる。
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出制御が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、特別図柄表示装置8にエラー表示を行わせたり、電飾ランプ63にエラー時の点灯・点滅パターンを行わせたり、スピーカー48からエラー音を発音させたりするため、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。次いで、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメインルーチンの処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、繰り返しメインルーチン処理が実行される。
次に、ある遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞し、大当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メインルーチン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。そして、その遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、スイッチ読込処理において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグが「ON」とされる(S11)。そして、特別図柄処理(S14)にて大当たり判定が行われ、特別図柄表示部L1〜L3の図柄の変動が開始される。そして、メインルーチン処理が繰り返し実施される中で、特別図柄表示部L1〜L3が順次停止し、大当たり図柄が停止表示される。大当たり図柄の停止表示が終了すると、フラグ関係記憶エリア5208の大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶され、「ON」とされるので(S14)、次に実施されるメインルーチン処理の特別電動役物処理(S13)で、大入賞口16の開放を行い、大当たり遊技状態の動作を開始する。そして、メインルーチン処理が繰り返し実施される中で、特別電動役物処理(S13)で所定条件にしたがって大当たり遊技状態の動作が実施される。そして、大当たり遊技状態が終了する際には、大当たり遊技状態フラグに「0」を記憶して「OFF」とされ、この遊技球に係る一連の動作が終了する。
次に、メインルーチン処理の普通図柄処理(S16)の詳細について、図11に示すフローチャートを参照して説明する。図11は、普通図柄処理のフローチャートである。上述したように、普通図柄処理では、普通当たりの判定、普通図柄表示部24に表示する図柄の決定、サブ統合基板58へのコマンド出力等が行われる。
図11に示すように、メインルーチン処理の普通図柄処理が開始されると、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過したか否かが判断される(S20)。メインルーチン処理のスイッチ読込処理(図10、S11参照)において、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ73が遊技球の通過を検出した場合には(S20:YES)、入賞球フラグ記憶エリア5202の普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている。S20ではこの普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断が行われ、「ON」でない場合には(S20:NO)、普通図柄始動ゲート12を遊技球は通過していないので、そのままS24へ進む。
普通図柄作動スイッチ73に対応するフラグが「ON」である場合には(S20:YES)、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過しているので、その遊技球についての乱数が取得され、取得された乱数が、普通当たり関係情報記憶エリア5203に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる普通図柄作動保留球の数は4個である。そこで、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S21)。普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「4」である場合には(S21:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS24へ進む。
普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「4」でない場合(S21:NO)、即ち「0」〜「3」の何れかである場合には、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値に「1」が加算される(S22)。そして、普通当たり関係情報記憶エリア5203の記憶エリア1〜4のうち、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S23)。
次いで、普通当たり状態フラグにより普通当たり状態の動作が実行中であるか否かの判断が行われる(S24)。普通当たり状態の動作が実行中である場合には(S24:YES)、普通当たり判定や判定結果の報知は行われない。即ち、普通当たり遊技状態フラグが「ON」であれば、普通当たり遊技状態であるので、何もせずにメインルーチン処理へ戻る。また、普通当たり状態フラグが「ON」でない場合は(S24:NO)、普通当たり状態の動作が行われていないので、S25に進む。
次いで、図11に示すように、普通当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S25)。普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「1」以上でなければ(S25:NO)、普通当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチン処理へ戻る。「1」以上であれば(S25:YES)、普通当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値が「1」減算され(S26)、普通当たり関係情報記憶エリア5203に記憶されている値がシフトされる。即ち、記憶エリア1に記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、記憶エリア2に記憶されている乱数が記憶エリア1へシフトされ、記憶エリア3に記憶されている乱数が記憶エリア2へシフトされ、記憶エリア4に記憶されている乱数が記憶エリア3へシフトされ、記憶エリア4の値がクリアされる(S27)。
次いで、普通当たり判定が行われ、普通図柄表示部24に表示される図柄の選択が行われ、普通当たり乱数(判定エリアに記憶されている普通当たり乱数の値)が普通当たり条件を満たすか否かにより、普通当たりか否かの判定が行われる(S28)。普通当たり乱数の値の基となる普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までの値を取るので、普通当たり乱数も「0」から「255」までの値を取る。そして、普通当たり乱数が「64」から「255」の場合は普通当たりとし、「0」から「63」の場合ははずれとなっている。尚、普通当たりの場合には、普通図柄表示部24に当たり図柄として「7」が表示され、はずれの場合には、はずれ図柄として「−」が表示されるようになっている。
次に、普通当たりであると判定された場合には(S28:YES)、時短設定フラグ記憶エリア5209に記憶されている時短設定フラグに「1」が記憶されているか否かが判断される(S29:YES)。尚、はずれと判定された場合は(S28:NO)、何もせずメインルーチン処理に戻る。次いで、時短設定フラグに「1」が記憶されて、「ON」となっているか否かが判断される(S29)。時短状態が設定されている場合は(S29:YES)、普通図柄の時短変動コマンドがサブ統合基板58へ送信され(S30)、時短状態が設定されていない場合は(S29:NO)、普通図柄の通常の変動コマンドが送信される(S31)。尚、普通図柄時短変動コマンド及び普通図柄変動コマンドは1回のメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に記憶されるが、サブ統合基板58への出力は1回のメインルーチン処理で1つのコマンドだけが送信され、順次1つずつ出力される。また、時短設定フラグは、次の大当たりが高確率となる確率変動の場合は、次の大当たりまで「ON」と設定され、高確率とならない非確率変動の場合は、特別図柄が所定回数(例えば100回)変動するまで「ON」と設定される。尚、図11に示すフローチャートのS23の処理を実行するCPU51が、「第2の乱数取得手段」として機能し、S28の処理を実行するCPU51が、「普通当たり判定手段」として機能する。
次に、普通図柄の時短処理について説明する。メインルーチンの特別電動役物処理(図10、S13参照)において、大入賞口16が所定回数開放され、大当たり遊技が終了した後に、時短設定フラグに「1」が記憶されて「ON」となり、時短状態が設定される。尚、時短設定フラグに「0」が記憶されると「OFF」となり、時短状態は解除される。時短状態が設定されると、普通図柄表示部24の普通図柄の変動時間が短縮され、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材の開放時間が長くなり、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞がしやすくなる。この時短処理は、次の大当たりが高確率となる確率変動の場合は、次の大当たりまで行われ、高確率とならない非確率変動の場合は、特別図柄が所定回数(例えば100回)変動するまで行われる。
また、普通図柄表示部24に表示される普通図柄の変動時間は、例えば通常30秒間であるのに対して、時短状態が設定された場合は5秒間に設定される。したがって、時短状態設定中は、通常状態に比べて短時間で普通図柄表示部24に当たり判定結果が表示され、単位時間当たりの変動表示回数が増える。そして、特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放される頻度が高くなり、特別図柄始動電動役物15への入賞が増えるので、玉持ちがよくなる。尚、図10に示すフローチャートのS13の特別電動始動役物処理において、大当たり遊技が終了した後に、時短設定フラグを「ON」とするCPU51が「時短状態制御手段」として機能する。
上述したように、大当たり遊技終了後に、特別図柄表示部L1〜L3が100回変動するまでの間は時短状態が設定されるが、特別図柄表示部L1〜L3が100回変動するまでの間に1度も当たり又はリーチが発生されないと、遊技者の遊技に対する意欲を減退させ、興趣の向上がはかれない。そこで、特別図柄表示部L1〜L3の100回の変動のうち、第1の所定回数A(例えば、70回)を設定する。そして、特別図柄表示部L1〜L3に表示される特別図柄の変動回数がA回に到達するまでの間に、リーチが発生されなかった場合には、第2の所定回数B(例えば、20回)を乱数取得による抽選結果により決定し、強制リーチ設定値k2にBを設定する。そして、特別図柄表示部L1〜L3に表示される特別図柄の変動回数が、(A+k2)回の時に、強制的にリーチを発生させる。
次に、本発明の要部である時短状態中の強制リーチ処理について、図12及び図13に示すフローチャートを参照して説明する。図12は、時短状態中の強制リーチ処理のフローチャートである。図13は、時短状態中の強制リーチ処理について示すフローチャートであり、図12に示すフローチャートの続きである。
始めに、時短状態中の強制リーチ処理で使用されるフラグについて説明する。強制リーチフラグは、強制リーチを発生させる条件が成立されている場合に「ON」され、強制リーチを発生させた際に「OFF」され、時短状態が終了した際にも「OFF」される。強制リーチフラグは、強制リーチフラグ記憶エリア5210に記憶されている。
さらに、フラグ関係記憶エリア5208に記憶されている特別図柄変動フラグは、特別図柄の変動の開始を、強制リーチ処理で検知するために使用されている。メインルーチン処理で、サブ統合基板58に図柄指定コマンドが送信された時に、「1」が記憶されて「ON」とされる。そして、この変動の開始が強制リーチ処理において計数されると、特別図柄変動フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる。
時短状態中の強制リーチ処理は、メインルーチンの特別電動役物処理(図10、S13参照)で実行される大当たり遊技が終了した後に時短状態が設定され、特別図柄の変動を計数する変動回数カウンタk1の値がリセットされ、特別図柄のリーチの発生の回数を計数するリーチカウンタRの値もリセットされる(S40)。そして、特別図柄が変動を開始したか否かが判断される(S41)。ここで、メインルーチンの特別図柄処理(図10、S14参照)において、サブ統合基板58に図柄指定コマンド,変動パターン指定コマンド等のコマンドが送信されると、特別図柄変動フラグが「ON」に設定され、特別図柄の変動が開始される(S41:YES)。
そして、特別図柄が1回変動する毎に変動回数カウンタk1に1が加算される(S42)。そして、この変動については計数を終了したとして、フラグ関係記憶エリア5208に記憶されている特別図柄変動フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる(S43)。
また、特別図柄の変動が開始されてない場合、即ちフラグ関係記憶エリア5208に記憶されている特別図柄変動フラグに「0」が記憶されて「OFF」の場合は(S41:NO)、S53に進み、次に特別図柄の変動が開始するまで特別図柄の変動開始の判断が実行される。
次いで、大当たり関係情報記憶エリア5205の判定エリアの大当たり乱数カラムCLM1に記憶された大当たり乱数が、大当たりとして設定された値(例えば「7」)か否か、即ち大当たりが発生しているか否かが判断される(S44)。大当たりが発生した場合には(S44:YES)、時短状態は終了するので、強制リーチ処理は終了する。さらに、大当たりが発生していなければ(S44:NO)、変動中の図柄がリーチとなるか否かが判断される(S45)。リーチは、大当たり関係情報記憶エリア5205の判定エリアの特別図柄作成第1乱数カラムCLM3に記憶された第1特別図柄乱数と、特別図柄作成第2乱数カラムCLM4に記憶された第2特別図柄乱数とが、同じ乱数値であった時に実行される。また、リーチが発生しなかった場合(S45:NO)は、S48へ進む。また、リーチである場合は(S45:YES)、リーチの発生を計数するリーチカウンタRに1が加算され(S46)、時短状態中のリーチ回数が計数される。そして、自然にリーチが発生すれば、強制的にリーチを起こす必要がないので、強制リーチフラグは「OFF」とされる(S47)。
次に、S48では特別図柄の変動回数、即ち、変動回数カウンタk1の値がA回(例えば70回)に到達したか否かが判断される(S48)。尚、本実施の形態のパチンコ機1では、第1の所定回数Aを70回と設定したが、時短状態が100回(特別図柄の変動)と設定された場合は、100回未満の回数であれば、例えば50回、80回、又は90回でもよい。
また、変動回数カウンタk1の値がA回に到達したと判断された場合(S48:YES)、それまでにリーチがn回以下発生したか否かが判断される(S49)。例えばリーチが0回(n=0)でリーチが全く発生していない場合は(S49:YES)、遊技者の遊技意欲を起こさせるために、強制リーチを発生させるための処理を行う。尚、nは予め設定されており、時短状態中の特別図柄の変動回数がA回までに、例えばn=0ならばリーチが0回、n=1ならばリーチが1回以下、n=2ならばリーチが2回以下発生した時に、強制リーチを発生する。まず、リーチを発生させるための第2の所定回数Bを設定するために乱数が取得される(S50)。例えば時短100回において、第1の所定回数をAと設定すると、第2の所定回数Bの乱数は(100−A−1)個の値を取る。ここで、例えばAが70に設定されている場合、カウンタ記憶エリア5201内に設けられた強制リーチ乱数カウンタLC7から、強制リーチ乱数(「1」〜「30」までの値)が取得されてB(例えば、20回)が決定し、強制リーチ設定値k2にBが設定される(S51)。尚、強制リーチ設定値k2は、第1の所定回数Aからリーチを発生させるまでの回数を示す。次いで、強制リーチフラグ記憶エリア5210に記憶された強制リーチフラグに「1」が記憶され、強制リーチフラグが「ON」とされる(S52)。
次に、強制リーチフラグに「1」が記憶されて「ON」となっているか否かが判断される(S53)。強制リーチフラグが「ON」となっている場合は(S53:YES)、引き続き、変動回数カウンタk1の値が、(A+k2)であるか否かが判断される(S54)。例えば、A=70,k2=20である場合は、変動回数カウンタk1の値が90(70+20)回目の時に、強制リーチを発生させる。そして、変動回数カウンタk1の値が、(A+k2)に到達した場合は(S54:YES)、メインルーチンの特別図柄処理における大当たり関係情報記憶エリア5205に保留されている作動保留球の数が1個以上であるか否かが判断される(S55)。そして作動保留球が1個以上である場合は(S55:YES)、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリア1に記憶されている1個目の作動保留球の大当たり乱数が、例えば「7」であり、大当たりであるか否かが判断される(S56)。1個目の作動保留球が大当たりでない場合には(S56:NO)、1個目の作動保留球を強制的にリーチとする。そこで、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリア1に記憶されている値がリーチを発生させる値に書き換えられる(S57)。具体的には、第2特別図柄乱数の値を第1特別図柄乱数の値に変更される。このように、記憶エリア1の値を書き換えることにより、次に実施される特別図柄の変動は、必ずリーチとなる。そこで、強制リーチを発生させるための書き換え処理が実施されたので、強制リーチフラグは「OFF」される(S58)。尚、作動保留球数が1以上でなかった場合であっても(S55:NO)メインルーチンにおいて、次に特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が検知された時に、その遊技球に対する各乱数値の値が記憶エリア1に記憶されるので、その段階でS55において作動保留球数が1以上であると判断され(S55:YES)、大当たりでなければ(S56:NO)、書き換え処理が行われて(S58)、強制リーチが発生されることになる。尚、特別図柄の変動回数を示す第1の所定回数Aが、「第1の所定値」に相当し、A+k2が、「第2の所定値」に相当する。
次いで、時短状態中の特別変動図柄の変動回数が100回以上か否かが判断される(S59)。具体的には変動回数カウンタk1の値が100以上か否かが判断され(S59)、特別図柄が100回以上変動した場合には(S59:YES)、時短状態が終了する。また、時短状態が設定されてから特別図柄がまだ100回変動していない場合は(S59:NO)、S41に戻り、引き続き特別図柄の変動を計数することにより再度処理が繰り返し実行される。
尚、時短状態中の特別図柄の変動が、まだA回に到達していない場合は(S48:NO)、S53において強制リーチフラグが「ON」となっているか否かが判断される。そして、強制リーチフラグに「0」が記憶されて、「OFF」となっている場合は(S53:NO)、時短状態中の強制リーチは行われないので、特別図柄の変動が100回終了するまでは(S59:NO)、S41に戻り、強制リーチ処理が繰り返し実行される。
また、例えば、リーチが0回(n=0)でない場合(S49:NO)、即ちリーチが1回でも発生した場合は、S53に進み、強制リーチフラグが「ON」となっているか否かが判断される。そして、強制リーチフラグに「0」が記憶されて、「OFF」となっている場合は(S53:NO)、時短状態中の強制リーチは行われないので、特別図柄の変動が100回終了するまでは(S59:NO)、S41に戻り、強制リーチ処理が繰り返し実行される。尚、図12に示すフローチャートのS42の処理を実行するCPU51が、「計数手段」として機能し、S52の処理を実行するCPU51が「リーチ状態発生決定手段」として機能する。さらに、図12に示すフローチャートのS47の処理を実行するCPU51が、「リーチ状態発生決定解除手段」として機能する。
また、特別図柄の変動回数がA回を越えていて(S48:NO)、強制リーチフラグが「ON」となっていても(S53:YES)、特別図柄の変動回数が(A+k2)に到達していない場合は(S54:NO)、特別図柄の変動回数が100回までは(S59:NO)、同様にS41に戻り、特別図柄の変動開始の判断が行われる。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機1では、普通図柄の時短状態中において、変動回数カウンタk1が特別図柄の変動回数を計数する。そして、変動回数カウンタk1の値が、予め設定された第1の所定回数Aまでにリーチが発生しなかった場合には、強制リーチ設定値k2に、第2の所定回数Bを設定する。この第2の所定回数Bは、乱数取得による抽選結果に基づいて決定されるので、遊技者に強制リーチ発生を予測されることなく、より自然な形でリーチを強制的に発生させることができる。そして、変動回数カウンタk1の値が、(A+k2)に到達した場合は、強制リーチを発生させる。こうして、時短状態中の特別図柄が100回変動する間に、リーチは少なくとも1回は発生するので、遊技者の遊技に対する意欲を減退させることなく、興趣の向上をはかることができる。また、変動回数カウンタk1の値が、(A+k2)に到達する前にリーチ状態が発生した場合には、強制リーチ発生を解除することにより、設定された強制リーチを解除する。したがって、リーチを不用意に多発させることがないので、遊技者のリーチに対する信頼度を欠くことなく、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。まず、本実施の形態では遊技機として、遊技機の一種であるパチンコ機を例に挙げているが、遊技機はパチンコ機に限られず、パチコン機等の各種の遊技機に適用可能である。
また、上記実施の形態のパチンコ機1では、時短状態中に第1の所定回数Aまでに発生したリーチ回数が0回の場合は、第2の所定回数Bを設定して強制リーチ発生をさせたが、例えば、リーチが1回又は2回発生した場合に、第2の所定回数Bを設定してもよく、0以上の整数ならば任意に定めることができる。さらに、リーチの発生回数に応じて、第2の所定回数Bの設定条件を変えてもよい。
また、上記実施の形態のパチンコ機1では、第2の所定回数Bを乱数取得による抽選結果によって決定されたが、例えばその時点での発射球数に応じて決定してもよく、発射球数が多ければ早目のリーチを設定し、少なければ遅目のリーチを設定するなどしてもよい。
また、例えば、強制リーチが発生するまでの時間が長ければ長いほど遊技者のストレスは対数的に増加していると思われるので、関数計算(ルート、log等)により、遊技者の期待感を十分に喚起できると予測されるタイミングをはかって第2の所定回数Bを決定してもよい。
また、上記実施の形態のパチンコ機1では、強制リーチ設定値k2を乱数取得により決定して、第1の所定回数Aとk2との和を「第2の所定値」として設定し、変動回数カウンタk1の値が(A+k2)となった時に、強制リーチを発生させたが、例えば、変動回数カウンタk1とは別に変動回数カウンタを設けて、A回目からA+k2回まで計数させてもよい。また、例えば「第2の所定値」を乱数取得により、C(Aを越える値)として設定し、時短状態開始から特別図柄の変動回数がC回目の時に強制リーチを発生させてもよい。
また、上記実施の形態のパチンコ機1では、第1の所定回数A回までにリーチがn回以下発生した場合に強制リーチを発生させたが、例えばリーチがn回発生した場合に、強制リーチを発生させてもよい。