以下、本発明に係る遊技機を具体化したパチンコ機1の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1はパチンコ機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図であり、図3は図柄表示装置8の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠14で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、上皿5と下皿6との間にはスピーカ(図示外)がそれぞれ設けられている。また、上皿5の中央部左側に半円形をなすボタン式のスイッチ90が設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には図柄表示装置8が設けられており、図柄表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられている。図柄表示装置8の下側には始動入賞口15Lが設けられており、その直下には所定のタイミングで開閉部材を開閉させる始動入賞口15Rが設けられている。さらに、その始動入賞口15Rの下方に大入賞口16が設けられている。そして、始動入賞口15L,15Rの左右両側には、それぞれ普通図柄始動ゲート12,13が設けられている。また、普通図柄始動ゲート12の左側には普通入賞口19が設けられ、普通図柄始動ゲート13の右側には普通入賞口20がそれぞれ設けられている。普通入賞口20の上方には、7セグメントLEDから構成される2つの特別図柄表示部18L,18Rが設けられている。なお、遊技盤2には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他の電飾用のLED62(図4参照)、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
そして、図柄表示装置8は、表示画面28L,28R、特別図柄記憶数表示LED60L,60R、普通図柄表示部24、普通図柄記憶数表示LED59の他、図示外の各種ランプやLEDなどにより構成される。図柄表示装置8の中央部には、正面視縦長の長方形状のLCDで構成された2つの表示画面28L,28Rが左右に並べて配置されている。表示画面28Lの直下には、4個のLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60Lが設けられており、始動入賞口15Lに入賞し、表示画面28Lに大当たり判定の結果が表示されていない遊技球の個数、いわゆる作動保留球数を4個までLEDの点灯で表示することができるようになっている。同様に、表示画面28Rの直下にも、4個のLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60Rが設けられており、始動入賞口15Rに入賞し、表示画面28Rに大当たり判定の結果が表示されていない作動保留球数を表示することができるようになっている。
また、表示画面28L,28Rの上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24と、4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59が設けられている。普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12,13に入賞し、普通図柄表示部24に普通当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を、特別図柄作動保留球数同様4個まで、LEDの点灯で表示することができる。
そして、図3に示すように、図柄表示装置8に設けられた表示画面28L,28Rには、デモ図柄表示部D1,デモ図柄表示部D3,デモ図柄表示部D2が左から順に並んで形成されており、デモ図柄表示部D1〜D3は数字や図柄等から成る複数種類のデモ図柄を表示可能であり、遊技者の目を惹くように広い領域を占めている。また、デモ図柄表示部D1〜D3には常にデモ図柄が表示されているわけではなく、これらの表示に代えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。なお、表示画面28Lと表示画面28Rとは、それぞれ独立して画面制御されるが、両者が連動するような画面制御を行ってもよい。また、普通図柄表示部24及び特別図柄表示部18L,18Rには、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。なお、遊技盤2は、その裏面に図柄表示基板44(図4参照)を備えている。
本実施の形態のパチンコ機1では、遊技球が始動入賞口15L,15Rの何れかへ入賞すると大当たり抽選が行われる。この大当たり抽選の結果が大当たりとなると、パチンコ機1が大当たり状態となり、大入賞口16が開放され、遊技者は多数の遊技球を獲得することができる。ここで、始動入賞口15Lへの入賞についての大当たり抽選結果は特別図柄表示部18Lに表示され、さらに表示画面28Lのデモ図柄表示部D1〜D3に表示される。一方、始動入賞口15Rへの入賞についての大当たり抽選結果は特別図柄表示部18Rに表示され、さらに表示画面28Rのデモ図柄表示部D1〜D3に表示される。なお、表示画面28L,28Rのデモ図柄表示部D1〜D3は、特別図柄表示部18L,18Rよりも遊技者の目を惹くように構成されており、さらに、表示画面28L,28Rの背景画面やその他の種々の電飾ランプ63やスピーカー48から出力される効果音等の演出と同期して、大当たり判定の結果報知を行い、遊技者の大当たり判定結果への関心や期待感を高める働きをしている。
ここで、特別図柄表示部18L,18Rでの表示態様について説明する。特別図柄表示部18L,18Rは、それぞれ始動入賞口15L,15Rに遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、その判定結果を報知するために特別図柄が変動表示される。本実施の形態では、特別図柄表示部18L,18Rに表示される特別図柄は、「確率変動大当たり」,「通常大当たり」,「はずれ」の3種類のいずれかを示すものとする。そして、ROM53の特別図柄パターン記憶エリア534(図5参照)には、大当たりである場合に表示される40種類とはずれである場合に表示される40種類との合計80種類の特別図柄が、それぞれ後述の特別図柄乱数と対応付けて記憶されている。
ところで、本実施の形態において、「確率変動大当たり」は、大当たり状態終了後の遊技状態(以下、大当たり後遊技状態という)として、大当たり確率が高確率(1/100)であって、かつ普通図柄表示部24に表示される普通図柄の変動時間が短縮される時短処理が実行される遊技状態(以下、確率変動状態という。)を実行するものである。また、「通常大当たり」は、大当たり後遊技状態として大当たり確率が低確率(1/300)の遊技状態(以下、通常状態という。)を実行するものである。なお、パチンコ機1では、電源ON時(初期状態時)などにデフォルトの遊技状態として「通常状態」が実行される。
次に、表示画面28L,28Rでの表示態様について説明する。表示画面28L,28Rは、大当たり判定の報知を、それぞれ特別図柄表示部18L,18Rで行うよりも、自由度をもたせて行うためのものである。この表示画面28L,28Rでは、それぞれのデモ図柄表示部D1〜D3に後述するデモ図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、順に停止するようになっている。また、デモ図柄表示部D1〜D3の背景にも画像が表示されており、また、常にデモ図柄表示部D1〜D3に図柄が表示されているわけではなく、表示画面28L,28Rに動画やメッセージ等も表示できるようになっている。なお、このデモ図柄表示部D1〜D3の配置、停止表示させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できることはいうまでもない。
デモ図柄表示部D1〜D3に各々表示されるデモ図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類があり、始動入賞口15L,15Rに遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、特別図柄表示部18L,18Rと同様に、これら10種類の図柄が順次表示される。そして、大当たりである場合には、横1列に表示された3つのデモ図柄が同じ数字の図柄で揃った状態(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)で大当たり図柄が構成されて表示され、遊技者に大当たりが報知され、大当たりでない場合には、横1列に表示された3つのデモ図柄が同じ数字で揃っていないはずれ図柄となる。なお、大当たりを報知する図柄の種類やその組み合わせは、これに限られるものではなく、自由に定めることができる。また、確率変動当たりである場合には、デモ図柄表示部D1〜D3も最終的には確率変動当たりを示す確変大当たり図柄が揃って表示された状態となる。本実施の形態では、「1」,「3」,「5」,「7」及び「9」を確変大当たり図柄とし、それ以外の「2」,「4」,「6」,「8」及び「0」を通常大当たり図柄とする。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の制御部40の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続している。さらに、音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43,図柄表示基板44,電飾基板46の総合的な制御を行っており、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は表示画面28及び普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。
なお、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられている。そして、音基板43にはCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、図柄表示基板44にはCPU44aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。さらに、払出制御基板45にはCPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、電飾基板46にはCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。また、図示しないが、サブ統合基板58には、遊技者が操作するスイッチ90が接続される。
電飾基板46には、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60L,60R、電飾用のLED62及び電飾ランプ63が接続されている。図柄表示基板44には表示画面28L,28R、特別図柄表示部18L,18R及び普通図柄表示部24が接続されている。音基板43には、スピーカー48が接続されている。払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、始動入賞口15Rの開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、始動入賞口15L,15Rに各々入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72L,72R、普通図柄始動ゲート12,13に入賞した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口19,20に入賞した遊技球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。なお、始動入賞口15L,15R、大入賞口16、普通入賞口19,20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46及びサブ統合基板58に各々接続し、直流の安定化した電力を供給している。なお、電源基板42には交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を各基板へ供給できるようになっている。なお、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
また、パチンコ機1では、一定間隔の時間(本実施例では2ms)に割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号によって、主基板41のCPU51が図9に示すメインルーチン処理を繰り返し実行しており、2ms以内に終了するようにプログラミングされている。このメインルーチン処理が繰り返し実行されることにより、パチンコ機1の主要動作が実施される。メインルーチン処理は主基板のCPU51が実施しており、メインルーチン処理の中でサブ統合基板58のCPU581へ様々なコマンド(例えば、特別図柄表示部L1の変動を開始するコマンドや停止するコマンド、大入賞口16を開放するコマンドや閉鎖するコマンド等)を送信している。サブ統合基板58のCPU581では、主基板41のCPU51から送信されてきたコマンドに基づいて、表示画面28L,28Rに表示される図柄やキャラクターなどを決定したり、その出現タイミングを決定したり、スピーカー48から出力される効果音を決定したり、その出力タイミングを決定したり、その他の電飾ランプ63を点滅させるタイミングを決定したりして、図柄表示基板44のCPU44a、音基板43のCPU43a、電飾基板46のCPU46aへの指示を行っている。
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア531、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア532、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア533、特別図柄表示部18L,18Rに表示する特別図柄やその変動表示パターンを記憶した特別図柄パターン記憶エリア534等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア521、各ゲートや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア522、普通図柄始動ゲート12,13への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア523、普通図柄始作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア524、始動入賞口15L,15Rへの遊技球の入賞時に取得される乱数を各々記憶する大当たり関係情報記憶エリア525L,525R、特別図柄表示部18L,18Rの各々について特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア526L,526R、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係情報記憶エリア527が設けられている。
さらに、RAM52には、特別図柄表示部18L,18Rが変動中であるか否かを各々示す第1特別図柄変動中フラグ及び第2特別図柄変動中フラグ、後述する第1入賞及び第2入賞について特別電動役物(大当たり状態時に動作する電動役物の総称)が作動中か否かを各々示す第1特別電動役物作動フラグ及び第2特別電動役物作動フラグ、大入賞口16が開放中であるか否かを示す大入賞口開放フラグ、大入賞口16を引き続き開放するか否かを示す連続作動フラグ、高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグ、時短処理を行うか否かを示す時短設定フラグ等を記憶するフラグ情報記憶エリア528が設けられている。なお、大入賞口開放フラグ,連続作動フラグ,確率変動フラグ,時短設定フラグは、後述する第1入賞及び第2入賞について共通に用いられるものとする。また、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、図7を参照して、カウンタ記憶エリア521について説明する。図7は、カウンタ記憶エリア521の記憶エリアを示す概念図である。図7に示すように、カウンタ記憶エリア521には、普通当たり判定カウンタLC1記憶エリア521a、大当たり判定カウンタLC2記憶エリア521b、特別図柄選択カウンタLC3記憶エリア521c、特別図柄変動時間カウンタTC1L記憶エリア521d、特別図柄変動時間カウンタTC1R記憶エリア521e、大入賞口開放時間カウンタTC2記憶エリア521f、大入賞口閉鎖時間カウンタTC3記憶エリア521g等が設けられており、種々のカウンタの値が記憶されている。これらの値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア523や大当たり関係情報記憶エリア525L,525Rなどに各々取り込まれて格納されるようになっている。
普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3の値は割込信号発生回路57からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1のメインルーチン処理(図9)のカウンタ更新処理(S5)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号が発生した間隔である2msや割込信号が10回発生した間隔である20ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。各カウンタには最大値(上限値)及び最小値(下限値)が設けられており、更新の結果、最大値と同じ値になると、次は最小値に戻り、さらに加算されて、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。
なお、パチンコ機1の起動時には各カウンタの初期値には最小値がセットされている。そして、各カウンタの値の更新により値が一巡して初期値と同じ値になると、各カウンタは新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メインルーチン処理(図9参照)を行わないとき(メインルーチン処理が終了し、次の割込信号によりメインルーチン処理が開始するまでの間)に繰り返し行われている図示外の乱数初期値更新処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。また、特別図柄変動時間カウンタTC1L,TC1Rは、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用される。特別図柄変動時間カウンタTC1L,TC1R、大入賞口開放時間カウンタTC2、大入賞口閉鎖時間カウンタTC3の値は、カウンタ更新処理にて、例えば2ms毎に所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。
以下、各カウンタについて詳述する。普通当たり判定カウンタLC1の値(乱数)は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たりの判定は、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過を契機に行われ、普通当たりと判定されると、始動入賞口15Rの開閉部材が所定時間開かれる。普通当たり判定カウンタLC1の最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上となった際に「0」へ戻る。従って、普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までのいずれかの値を取り、1周期は、512msとなる。
大当たり判定カウンタLC2の値は、大当たりを判定するために使用される。大当たり判定カウンタLC2の最大値は「299」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「299」以上となった際に「0」へ戻る。従って、大当たり判定カウンタLC2の値は「0」から「299」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。
特別図柄選択カウンタLC3の値は、大当たり判定の結果を報知するために特別図柄表示部18L,18Rに表示される特別図柄を選択するために使用される。この特別図柄選択カウンタLC3の最大値は「39」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「40」以上となった際に「0」へ戻る。従って、特別図柄選択カウンタLC3の値は「0」から「39」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
特別図柄変動時間カウンタTC1L,TC1Rは、特別図柄の変動時間(図柄の変動開始から停止までの時間)を計測するために使用されるタイマカウンタであり、特別図柄変動時間カウンタTC1Lが特別図柄表示部18Lでの特別図柄の変動時間をカウントするものであり、特別図柄変動時間カウンタTC1Rが特別図柄表示部18Rでの特別図柄の変動時間をカウントする。後述するように、特別図柄処理(図10及び図11)で、各種開始コマンドとともに図柄変動時間がセットされており、特別図柄変動時間カウンタTC1L,TC1Rにはこの図柄変動時間が特別図柄の変動開始時に各々記憶される。そして、カウンタ更新処理で1割込毎に「1」ずつ減算され、「0」となると図柄変動時間が終了したと判断される。例えば、変動時間が20秒である場合には、「10000」がセットされる。
大入賞口開放時間カウンタTC2は、大入賞口16を開放している時間を計測するためのタイマカウンタであり、大入賞口閉鎖時間カウンタTC3は、大入賞口16を次に開放するまで、閉鎖している時間を計測するためのタイマカウンタである。大入賞口開放時間カウンタTC2は大入賞口16の開放時に値が記憶され、カウンタ更新処理で1割込毎に「1」ずつ減算され、「0」となると開放時間が終了したと判断される。大入賞口閉鎖時間カウンタTC3は大入賞口16が閉鎖された時に値が記憶され、カウンタ更新処理で1割込毎に「1」ずつ減算され、「0」となると閉鎖時間が終了し、開放するタイミングが到来したと判断される。
次に、図8を参照して、大当たり関係情報記憶エリア525L,525Rについて説明する。図8は、大当たり関係情報記憶エリア525L,525Rの記憶エリアを示す概念図である。大当たり関係情報記憶エリア525L,525Rには、それぞれカウンタ記憶エリア521の大当たり判定カウンタLC2及び特別図柄選択カウンタLC3の値を乱数として取得して記憶できる記憶エリア1乃至記憶エリア4の4つの記憶エリアと、大当たりの判定処理を行うために記憶エリア1に記憶された各乱数をシフトして記憶する判定エリアが1つ設けられており、併せて5つの記憶エリアが設けられている。判定エリア、記憶エリア1乃至4には夫々、大当たり乱数欄及び特別図柄乱数欄が設けられており、大当たり乱数欄には、大当たり判定カウンタLC2から取得した値がセットされ、特別図柄乱数欄には特別図柄選択カウンタLC3から取得した値がセットされる。
ここで、図9を参照して、メインルーチン処理について説明する。図9は、メインルーチン処理を示すフローチャートである。メインルーチン処理では、割込みによってメインルーチン処理の処理が開始されると、まず制御コマンドをサブ基板に出力するコマンド出力処理が行なわれる(S1)。このコマンド出力処理では、図柄表示装置8の表示の制御、スピーカー48からの効果音の発生の制御、その他各種ランプの点滅の制御等をサブ統合基板に行わせるためのコマンド、賞品球払出装置49の制御を指示するためのコマンド、中継基板を介して大入賞口16の開閉を制御するためのコマンド等の制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47に出力される。具体的には、メインルーチン処理のS3以降の各処理にて、サブ統合基板58に対して出力させる制御コマンドに対応したフラグと、その制御コマンドの変数がRAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される。すると、メインルーチン処理の次の巡目のコマンド出力処理にて、これらのフラグに対応した制御コマンドがROM53の制御コマンドテーブル記憶エリア533より選択され、その制御コマンドの変数とともにサブ統合基板58に出力される。
次に、各種入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチ読込処理が行われる(S3)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12,13、始動入賞口15L,15R、大入賞口16、普通入賞口19,20等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、始動入賞口15L,15Rに設けられている始動口スイッチ72L,72R、普通図柄始動ゲート12,13に設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口19,20等の入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76等の遊技球検出手段が遊技球の入賞を検出した場合に、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア522に各スイッチに対応したフラグが立てられる。なお、スイッチ読込処理はメインルーチン処理の割込み間隔、すなわち2ms毎に実行されることになるので、遊技球が各スイッチを通過する速度を考慮すると遊技球の入賞が検出された次のスイッチ読込処理の際にも入賞が検出されてしまう。このため、これらのフラグは、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて成立されるようになっている。また、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア522の各フラグがリセットされる。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ記憶エリア521に記憶されているカウンタ値を更新するカウンタ更新処理(S5)が行われる。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア521に各々記憶されている普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3(図7参照)の各値が上記の所定量だけ増加される。なお、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3の更新されたカウンタ値が各ループカウンタに設定されている最大値(上限値)を越える場合には、各ループカウンタの値はリセットされ「0」に戻るようにプログラムされている。また、特別図柄変動時間カウンタTC1L,TC1R、大入賞口開放時間カウンタTC2、大入賞口閉鎖時間カウンタTC3の値は上記の所定量だけ減算される。
カウンタ更新処理が終了すると、大当たり状態の制御を行う特別電動役物処理が行われる(S7)。この特別電動役物処理では、大当たりである場合の大入賞口16の開放や閉鎖の制御が行われる。本処理は、始動入賞口15L,15Rに遊技球が入賞し、その遊技球に対する大当たり判定結果が大当たりであって、その判定結果の報知が終了した後に特別電動役物作動フラグが「ON」とされた場合に実施される。特別電動役物作動フラグが「OFF」である間は何も処理が行われない。この特別電動役物処理については、図12及び図13を参照して後述する。
特別電動役物処理が終了すると、大当たりの判定を行ってその結果を特別図柄表示部18L,18Rに表示する特別図柄処理が行われる(S9)。特別図柄処理では、始動入賞口15L,15Rに入賞した遊技球がある場合に、カウンタ記憶エリア521に記憶されているカウンタ値を大当たり関係情報記憶エリア525L,525Rに各々取り込み、取り込んだカウンタ値が大当たりかどうかを判定して、特別図柄表示部18L,18Rへの表示態様を決定したり、特別図柄表示部18L,18Rの変動開始の指示や停止の指示をサブ統合基板58へ与えたりしている。この特別図柄処理については、図10及び図11を参照して後述する。
特別図柄処理が終了すると、普通当たりとなった場合に始動入賞口15Rの開閉部材を開く普通電動役物処理が行われる(S13)。この普通電動役物処理では、次のS15の普通図柄処理にて普通当たりとなると、その結果が普通図柄表示部24に表示された後に、遊技球が始動入賞口15Rへ入賞しやすくなるように、始動入賞口15Rに設けられた一対の開閉部材の開閉(普通当たり状態の動作)の制御が行われる。なお、後述するように時短処理中は、一対の開閉部材は長く開放(例えば、通常5秒開放のところを30秒開放)するように制御される。メインルーチン処理の1巡目の処理では、まだ普通当たり判定が行われていないので、普通電動役物処理では何も行われない。
普通電動役物処理が終了すると、普通図柄始動ゲート12,13を遊技球が通過した場合に普通当たりを判定する普通図柄処理が行われる(S15)。普通図柄処理では、普通図柄始動ゲート12,13への遊技球の通過にともない、S3のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア522の普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立つと、普通当たり判定カウンタLC1の値が、普通図柄乱数としてRAM52の普通当たり関係情報記憶エリア523の記憶エリア1〜4に順次記憶される。そして判定エリアにシフトされた普通図柄乱数に基づいて普通当たりであるか否かが判定され、普通図柄表示部24に表示する当たり図柄又ははずれ図柄が決定され、サブ統合基板58へ普通図柄表示部24の変動の開始や停止の指示が行われる。
RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア523に記憶される普通図柄乱数は「0」から「255」までであるので、この普通図柄処理では、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア523に記憶された普通図柄乱数が「0」から「63」の場合ははずれとなり、普通図柄表示部24にはずれ図柄である「−」が停止表示される。また、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア523に記憶された普通図柄乱数が「64」から「255」の場合は当たりとなり、普通図柄表示部24に当たり図柄である「7」が停止表示されるようになっている。そして、普通当たりであると判定された場合、時短設定フラグに「1」が記憶されて「ON」となっていれば、普通図柄の時短変動コマンドがサブ統合基板58へ送信され、時短設定フラグに「0」が記憶されて「OFF」となっていれば、普通図柄の通常変動コマンドが送信される。
ここで、普通図柄の時短処理について説明する。後述するように、S7の特別電動役物処理(図12及び図13)において時短設定フラグに「ON」がセットされると、普通図柄表示部24の普通図柄の変動時間が短縮され、始動入賞口15Rに設けられた一対の開閉部材の開放時間が長くなり、遊技球の始動入賞口15Rへの入賞がしやすくなる。また、普通図柄表示部24に表示される普通図柄の変動時間は、例えば通常30秒間であるのに対して、時短状態が設定された場合は5秒間に設定される。したがって、時短状態設定中は、通常状態に比べて短時間で普通図柄表示部24に当たり判定結果が表示され、単位時間当たりの変動表示回数が増える。そして、始動入賞口15Rの開閉部材が開放される頻度が高くなり、始動入賞口15Rへの入賞が増えるので、玉持ちがよくなる。
このように、当たり図柄が普通図柄表示部24に表示されたときには、前述したように、普通電動役物処理(S13)において始動入賞口15Rの開閉部材の開閉が行われる。なお、普通図柄始動ゲート12,13を遊技球が通過してからその遊技球にかかる始動入賞口15Rの作動まで所定時間かかるが、その間に普通図柄始動ゲート12,13を他の遊技球が通過した場合でも、最大4つまで、普通図柄乱数が取得され、普通図柄の始動が保留される。メインルーチン処理の1巡目の処理では、まだ普通図柄始動ゲート12,13を通過した遊技球はないので、普通図柄処理では何も行われない。
普通図柄処理が終了すると賞品球の払い出しを行う払出処理が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S19)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、図柄表示装置8にエラー表示を行わせたり、電飾ランプ63にエラー時の点灯・点滅パターンを行わせたり、スピーカー48からエラー音を発音させたりするため、S1のコマンド出力処理にてサブ統合基板58にエラーコマンド出力させるためのフラグ(図示外)が立てられる。そして、情報出力処理が行われる(S21)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。
情報出力処理が終わるとメインルーチン処理の処理は終了する。そして、割込信号発生回路57からの次の割込信号によって、また最初からメインルーチン処理が開始される。
例えば、遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に打ち込み、遊技球が始動入賞口15Lに入賞すると、メインルーチン処理のスイッチ読込処理(S3)において当該入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア522の対応するフラグが「ON」となる。そして、特別図柄処理(S9)にて、大当たり関係情報記憶エリア525Lに普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3の値が取り込まれる。取り込まれた値に基づいて、特別図柄表示部18Lの変動表示が開始される(S9)。そして、特別図柄表示部18Lの変動が停止し、大当たり判定の結果が報知された次の廻りの特別電動役物処理(S7)では、始動入賞口15Lに対応する特別電動役物作動フラグ(以下、第1特別電動役物作動フラグという)に「1」が記憶されていれば、大入賞口16の開放、閉鎖の動作が所定回数(例えば、15回や16回)開閉される大当たり状態が開始される。そして、この大当たり状態終了後には、特別電動役物処理において第1特別電動役物作動フラグに「0」が記憶される。
一方、遊技球が始動入賞口15Rに入賞すると、上記と同様にして、入賞球フラグ記憶エリア522の対応するフラグが「ON」となり、大当たり関係情報記憶エリア525Rに各カウンタ値が取り込まれ、それに基づいて特別図柄表示部18Rの変動表示が開始される。そして、特別図柄表示部18Rの変動が停止すると、始動入賞口15Rに対応する特別電動役物作動フラグ(以下、第2特別電動役物作動フラグという)に「1」が記憶されていれば大当たり状態が開始され、この大当たり状態終了後には第2特別電動役物作動フラグに「0」が記憶される。
次に、図10及び図11を参照して、メインルーチン処理のS9で行われる特別図柄処理について説明する。図10及び図11は、特別図柄処理(S9)の詳細を示すフローチャートである。本実施形態に係る特別図柄処理は、始動入賞口15Lへの入賞(以下、第1入賞という)に基づく特別図柄処理である「第1特別図柄処理」(図10)と、始動入賞口15Rへの入賞(以下、第2入賞という)に基づく特別図柄処理である「第2特別図柄処理」(図11)とで構成される。なお、以下では、「第1入賞」に基づく特別電動役物(図12)を「第1特別電動役物処理」とし、「第1入賞」に基づいて特別図柄表示部18Lに表示される特別図柄を「第1特別図柄」とする。また、「第2入賞」に基づく特別電動役物(図13)を「第2特別電動役物処理」とし、「第2入賞」に基づいて特別図柄表示部18Rに表示される特別図柄を「第2特別図柄」とする。
まず、第1特別図柄処理(図10)について説明する。第1特別図柄処理が開始されると、始動入賞口15Lへ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S101)。メインルーチン処理のスイッチ読込処理(図9、S3)において、始動入賞口15Lに設けられている始動口スイッチ72Lが遊技球の入賞を検出した場合に、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア522の始動口スイッチ72Lに対応するフラグが「ON」となる。この始動口スイッチ72Lに対応するフラグが「ON」かどうかの判断が行われ、「OFF」の場合には(S101:NO)、S109の処理へ進む。入賞球フラグ記憶エリア522の始動口スイッチ72Lに対応するフラグが「ON」である場合、すなわち始動入賞口15Lに遊技球が入賞した場合(S101:YES)、第1入賞の作動保留球数が「4」か否かの判断が行われる(S103)。前述したように、パチンコ機1では、特別図柄の作動保留球数は記憶エリア1〜4に対応する4個まで記憶され、それ以上の記憶は行われず破棄される仕様となっている。従って、特別図柄作動保留球数記憶エリア526Lの値が「4」である場合は(S103:YES)、これ以上遊技球を保留することができないので、何もせずにS109の処理へ進む。
第1入賞の作動保留球数が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合(S103:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア526Lの値に「1」加算される(S105)。そして、大当たり関係情報記憶エリア525Lにカウンタ記憶エリア521のカウンタ値を取り込む乱数取得処理(S107)が行われる。具体的には、大当たり関係情報記憶エリア525L(図8参照)の記憶エリア1〜4のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア526Lの値に対応する番号の記憶エリアに、カウンタ記憶エリア521に記憶されている大当たり判定カウンタLC2及び特別図柄選択カウンタLC3の各値が取り込まれて、それぞれ大当たり乱数及び特別図柄乱数として記憶される。
乱数取得処理が終了すると、第1特別電動役物処理が作動中か否かの判断が行われる(S109)。具体的には、RAM52の第1特別電動役物作動フラグに「1」が記憶されているか否かによって判断される。第1特別電動役物作動フラグが「ON」であれば(S109:YES)、大当たり状態中であるため、大当たり判定や特別図柄表示部18Lへの指示は行わない。
第1特別電動役物作動フラグが「OFF」である場合(S109:NO)、特別図柄表示部18Lが変動中か否かの判断が行われる(S111)。この判断は、第1特別図柄変動中フラグが「ON」であるか否かにより行われる。この第1特別図柄変動中フラグは、本特別図柄処理で、各種第1特別図柄開始コマンドがセットされた後に「1」がセットされて「ON」となり(S137)、第1特別図柄停止コマンドがセットされた後に「0」が記憶され「OFF」とされる(S143)。
第1特別図柄変動中フラグが「ON」でなく、第1特別図柄が変動中でない場合には(S111:NO)、以下のように第1入賞の大当たり判定が行われる。まず、第1入賞の作動保留球数が「0」か否かが判定される(S113)。特別図柄作動保留球数記憶エリア526Lの記憶数が「0」であれば、第1入賞の作動保留球数がないため(S113:YES)、特別図柄処理を終了する。一方、第1入賞の作動保留球数が「0」でなければ(S113:NO)、大当たり判定のための判定シフト処理が実行される(S115)。この判定シフト処理では、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア525Lの記憶エリア1に記憶された各値が判定エリアへシフトされる。同様に、記憶エリア2〜4に記憶されている各値も一つずつ記憶エリアがシフトされる。すなわち、記憶エリア2の値が記憶エリア1へ、記憶エリア3の値が記憶エリア2へ、記憶エリア4の値が記憶エリア3へ移動され、記憶エリア4の各値がクリアされる。そして、特別図柄作動保留球数記憶エリア526Lの記憶数が「1」減算される。
そして、判定エリアの大当たり乱数欄に記憶されている値を用いて、第1入賞について大当たりか否かの判断が行われる(S117)。この大当たり判定処理では、判定エリアの大当たり乱数欄に記憶されている値が大当たりとして決められている特定の値であるか否かが判定される。ここで、確率変動フラグが「OFF」となっていれば通常状態であるから、大当たりとして決められている値は特定の1つの値、例えば「7」である。一方、確率変動フラグが「ON」となっている確率変動状態では、大当たりとして決められている値は複数の特定の値、例えば「7」,「17」,「27」である。すなわち、通常状態では1/300の大当たり確率で大当たり抽選が行われるのに対し、確率変動状態では1/100の大当たり確率で大当たり抽選が行われる。なお、後述するS7の特別電動役物処理(図12及び図13)において、確率変動フラグは「1」が記憶されて「ON」とされ、又は「0」が記憶されて「OFF」とされる。
その結果、第1入賞について大当たりと判定された場合には(S117:YES)、判定エリアの特別図柄乱数欄に記憶されている特別図柄乱数に基づいて、特別図柄パターン記憶エリア534に記憶されている40種類の大当たりの特別図柄乱数から1つを選択する(S119)。
さらに、第1入賞について確率変動大当たりと判定された場合には(S121:YES)、後述するように図柄変動時間が選択される(S123)。そして、第1入賞が確率変動大当たりであることを示す特別図柄(確変大当たり図柄)の報知開始を指示する第1特別図柄確率変動大当たり開始コマンドが、S119で決定された特別図柄を示すコードと、S123で選択された図柄変動時間を示すコードと共に、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S125)。
また、第1入賞について通常大当たりと判定された場合には(S121:NO)、後述するように図柄変動時間が選択されて(S127)、第1入賞が通常大当たりであることを示す特別図柄(通常大当たり図柄)の報知開始を指示する第1特別図柄通常大当たり開始コマンドが、S119で決定された特別図柄を示すコードと、S127で選択された図柄変動時間を示すコードと共に、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S129)。
また、第1入賞について大当たりと判定されなかった場合には(S117:NO)、判定エリアの特別図柄乱数欄に記憶されている特別図柄乱数に基づいて、特別図柄パターン記憶エリア534に記憶されている40種類のはずれの特別図柄から1つを選択し(S131)、後述するように図柄変動時間が選択される(S133)。そして、第1入賞がはずれであることを示す特別図柄(はずれ図柄)の報知開始を指示する第1特別図柄はずれ開始コマンドが、S131で決定された特別図柄を示すコードと、S133で選択された図柄変動時間を示すコードと共に、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S135)。なお、S125,S129,S135の後は、第1特別図柄変動中フラグに「1」が記憶され「ON」となり、第1特別図柄が変動中であることを示すようになる(S137)。なお、S137で第1特別図柄変動中フラグが「ON」とされると同時に、S123,S127,S133で選択された図柄変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1Lにセットされ、時間カウントが開始される。
ここで、図柄変動時間の選択(S123,S127,S133)について説明する。各開始コマンドにセットされる図柄変動時間は、大当たり判定結果と現在の遊技状態によって異なる。ROM53には、大当たり判定結果と現在の遊技状態とに対応して図柄変動時間が定義された図柄変動時間テーブル(図示外)が記憶されており、S123,S127,S133ではこの図柄変動時間テーブルを参照して図柄変動時間が選択される。
具体的には、フラグ情報記憶エリア528に記憶されている確率変動フラグを参照することで、現在の遊技状態が「通常状態」か「確率変動状態」かが特定される。現在の遊技状態が「通常状態」の場合、大当たり判定結果を問わずに図柄変動時間テーブルから図柄変動時間「10秒」が選択される。一方、現在の遊技状態が「確率変動状態」の場合、確率変動大当たり(S123)であれば図柄変動時間「2秒」が選択され、通常大当たり(S127)であれば図柄変動時間「60秒」が選択され、はずれ(S133)であれば図柄変動時間「2秒」が選択される。なお、この図柄変動時間は、後述するように図柄変動時間のカウントが一時停止された場合の停止時間は含まず、現実に図柄変動時間のカウントが行われる時間をいう。
一方、第1特別図柄が変動中の場合は(S111:YES)、既に入賞した遊技球についての大当たり判定結果の変動中であり、これが終わるまでは次の入賞球についての処理は行わないので、変動を終了するか否かの判断が行われる(S139)。なお、この判断は、先述の図柄変動時間がセットされている特別図柄変動時間カウンタTC1Lの値が「0」となったか否かにより行われる。まだ第1特別図柄が変動を継続する場合には(S139:NO)、第1特別図柄処理を終了する。変動が終了するタイミングであれば(S139:YES)、第1特別図柄停止コマンドがRAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶され(S141)、第1特別図柄変動中フラグに「0」が記憶され「OFF」とされる(S143)。そして、第1入賞が大当たりであれば(S144:YES)、第1特別電動役物作動フラグに「1」が記憶され「ON」とされる(S145)。
また、第1入賞に基づく大当たり状態の実行中、内部的に図柄変動時間カウンタTC1Rの残り変動時間のタイマカウンタの減算を一時的にストップさせる第2図柄変動カウント一時停止コマンドが、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S147)。なお、コマンド関係情報記憶エリア527に記憶された各種コマンドは、次の廻りのメインルーチン処理のS1のコマンド出力処理(図9参照)でサブ統合基板58に出力される。
そして、1回目の大入賞口16の開放を行うために大入賞口開放処理が行われる(S149)。この大入賞口開放処理では、大入賞口開放コマンドのセットが行われ、大入賞口開放フラグに「1」が記憶されて「ON」となる。そして、大入賞口16の開放時間を計測するために、大入賞口開放時間カウンタに開放時間が記憶される。そして、大入賞口16に入賞した遊技球の数を計数するための大入賞口入賞球カウンタに「0」が記憶されてクリアされる。そして、大入賞口16の開放回数をカウントするための大入賞口開放回数カウンタに「1」が記憶される。なお、S109:YES,S113:YES,S137,S139:NO,S144:NO,S149の何れかの実行後は、第1特別図柄処理(図10)を終了して、第2特別図柄処理(図11)が実行される。
以上のようにして、第1特別図柄処理(図10)では、第1入賞に基づいて、特別図柄表示部18Lに表示する第1特別図柄を決定したり、変動の開始や終了の指示コマンドをサブ統合基板58へ送信したりすることができる。
次に、第2特別図柄処理(図11)について説明する。第2特別図柄処理(S151〜S199)は、第1入賞についての特別図柄処理(S101〜S149)と同様である。すなわち、始動入賞口15Rへの入賞が処理された後(S151〜S157)、第2特別電動役物処理及び第2特別図柄変動が実行されていなければ、第2入賞の大当たり判定結果に基づいて各種開始コマンドがセットされる(S159〜S187)。なお、S187で第2特別図柄変動中フラグが「ON」とされると同時に、S173,S177,S183で選択された図柄変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1Rにセットされ、時間カウントが開始される。
一方、第2特別図柄変動が終了し、第2入賞が大当たりであれば、第2特別電動役物作動フラグがONとなり、第2入賞に基づく大当たり状態の実行中、内部的に図柄変動時間カウンタTC1Lの残り変動時間のタイマカウンタの減算を一時的にストップさせる第1図柄変動カウント一時停止コマンドがセットされ、大入賞口開放処理が実行される(S189〜199)。なお、S189の判断は、先述の図柄変動時間がセットされている特別図柄変動時間カウンタTC1Rの値が「0」となったか否かにより行われる。そして、第2特別図柄処理の終了後は、メインルーチン処理(図9)にリターンする。これにより、第2入賞に基づいて、特別図柄表示部18Rに表示する第2特別図柄を決定したり、変動の開始や終了の指示コマンドをサブ統合基板58へ送信したりすることができる。
ところで、本実施の形態では、S147の第2図柄変動カウント一時停止コマンドによって第2特別図柄の図柄変動処理が一時停止されると、特別図柄表示部18Rでは特別図柄が確定表示されることなく変動表示され続けるものとする。また、S197の第1図柄変動カウント一時停止コマンドによって第1特別図柄の図柄変動処理が一時停止されると、特別図柄表示部18Lでは特別図柄が確定表示されることなく変動表示され続けるものとして、以下説明を続ける。
次に、図12及び図13を参照して、メインルーチン処理のS7で行われる特別電動役物処理について説明する。図12及び図13は、特別電動役物処理(S7)の詳細を示すフローチャートである。本実施形態に係る特別電動役物処理は、第1入賞に基づく特別電動役物処理である「第1特別電動役物処理」(図12)と、第2入賞に基づく特別電動役物処理である「第2特別電動役物処理」(図13)とで構成される。ここでは、大当たり判定結果が大当たりであった場合に、大入賞口16を開放する大当たり状態の制御が行われる。具体的には、特別図柄処理(図10及び図11)において、特別電動役物作動フラグが「ON」とされ、1回目の大入賞口16の開放が行われた場合(図10のS149,図11のS199参照)に大入賞口16の開閉の制御が行われる。大当たり状態では、開放された大入賞口16は、所定の開放時間(例えば30秒)の経過、又は、所定数(例えば10球)の遊技球の入賞を契機に閉鎖される。そして、大入賞口16の連続開放は、所定の規定回数(例えば15回)まで行われる。即ち、規定回数の大入賞口16の開放が行われた場合に、大当たり状態は終了する。なお、本実施の形態では、大当たり状態が終了すると、サブ統合基板58のCPU581へ大当たり状態終了コマンドを送信する。
まず、第1特別電動役物処理(図12)について説明する。第1特別電動役物処理が開始されると、まず第1特別電動役物作動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっているか否かの判断が行われる(S201)。「ON」となっていない場合には(S201:NO)、処理を行う必要はないので第1特別電動役物処理を終了させる。第1特別電動役物作動フラグが「ON」となっている場合には(S201:YES)、大入賞口16が開放中であるか否かの判断が行われる(S203)。大入賞口16が開放中であれば(S203:YES)、カウントスイッチ75が大入賞口16への遊技球の入賞を検知したか否かが判断され(S205)、入賞を検知した場合には(S205:YES)、大入賞口入賞球数カウンタに「1」が加算される(S207)。入賞を検知していない場合には(S205:NO)、何も行われない。
そして、所定の開放時間が経過したか否かの判断が行われる(S209)。この判断は、大入賞口16が開放された時点でセットされている大入賞口開放時間カウンタTC2の値が0以下となったか否かにより行われる。大入賞口開放時間カウンタTC2の値が0以下でなく、まだ開放時間が経過していない場合には(S209:NO)、規定数の遊技球が入賞したか否かの判断が行われる(S211)。この判断は、大入賞口入賞球数カウンタの値が10球以上であるか否かにより行われ、10球以上でない場合には(S211:NO)、引き続き大入賞口16を開放させておくので、何もせずに本処理を終了する。開放時間が経過した場合(S209:YES)、又は、規定数の遊技球が入賞した場合には(S211:YES)、大入賞口16を閉鎖させるための処理を行う。つまり、中継基板47に大入賞口閉鎖コマンドが送信され(S213)、大入賞口開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S215)。そして、大入賞口閉鎖時間カウンタTC3に大入賞口16を閉鎖している時間をセットする(S217)。
一方、大入賞口16が開放中でない場合には(S203:NO)、所定の大入賞口16の閉鎖時間が経過したか否かの判断が行われる(S219)。この判断は、大入賞口16が閉鎖された時点でセットされた大入賞口閉鎖時間カウンタTC3の値が0以下となっているか否かにより行われる。大入賞口閉鎖時間カウンタTC3の値が0以下となっておらず、所定の閉鎖時間をまだ経過していない場合には(S219:NO)、まだ大入賞口16を閉鎖させておくので、何もしない。所定の閉鎖時間を経過した場合には(S219:YES)、大入賞口16を開放させる処理(S221〜S233)又は大当たり状態を終了させる処理(S235〜S245)が行われる。
まず、連続作動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっているか否かの判断が行われる(S221)。「ON」となっている場合には(S221:YES)、大入賞口16を規定回数開放したか否かの判断が行われる(S223)。大入賞口開放回数カウンタの値が15より少ない場合には、規定回数の開放が終了していないので(S223:NO)、大入賞口16を開放させる処理が行われる。まず、中継基板47へ大入賞口開放コマンドが送信され(S225)、大入賞口フラグに「1」が記憶されて「ON」となる(S227)。そして、大入賞口開放時間カウンタTC2に大入賞口16を開放している時間をセットし(S229)、大入賞口入賞球カウンタに「0」が記憶されて入賞球数がクリアされる(S231)。そして、大入賞口開放回数カウンタに「1」が加算される(S233)。
また、連続作動フラグが「ON」となっていない場合(S221:NO)、又は規定回数の大入賞口16の開放が終了した場合(S223:YES)には、大当たり状態は終了する。まず、第1大当たり状態終了コマンドがサブ統合基板58へ送信され(S235)、第1特別電動役物作動フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S237)。次いで、大当たり判定結果に基づいてフラグ情報記憶エリア528の確率変動フラグ及び時短設定フラグがセットされる(S239,S241)。例えば、確率変動大当たりと判定された場合には確率変動フラグ及び時短設定フラグに「ON」がセットされる一方、通常大当たりと判定された場合には、確率変動フラグ及び時短設定フラグに「OFF」にセットされる。
そして、第2特別図柄の図柄変動時間のカウントが一時停止中か否かが判定される(S243)。すなわち、第1特別電動役物処理(図12)が実行される場合には、先の特別図柄処理(図10)で第2図柄変動カウント一時停止コマンドがセットされており(S147)、この第2図柄変動カウント一時停止コマンドは先のコマンド出力処理(図9のS1)でサブ統合基板58に出力されている。そのため、特別図柄表示部18Rで図柄変動が実行中でも、第1入賞について大当たり状態の発生(第1特別図柄の変動終了)を契機に、第2図柄変動カウント一時停止コマンドによって第2特別図柄の図柄変動時間のカウントが一時停止された状態となっている(図10のS139〜S149参照)。
その結果、第2特別図柄の図柄変動時間のカウントが一時停止中であると判定された場合は(S243:YES)、第2入賞についての大当たり判定結果及び第2特別図柄の図柄変動を調整する第2入賞調整処理が実行されるが(S245)、詳細は後述する。一方、第2特別図柄の図柄変動時間のカウントが一時停止中でないと判定された場合は(S243:NO)、特別図柄表示部18Rでは図柄変動が行われていないため、次のステップに進む。
なお、S201:NO,S211:NO,S217,S219:NO,S233,S243:NO,S245の何れかの実行後は、第1特別電動役物処理(図12)を終了して、第2特別電動役物処理(図13)が実行される。そして、以降の処理では、確率変動フラグ及び時短設定フラグにセットされた内容に応じて、大当たり状態終了後の遊技状態が制御される。
以上のようにして、第1特別電動役物処理(図12)では、第1入賞について、大当たり状態での大入賞口16の開放及び閉鎖が行われ、大当たり状態が終了した際には、サブ統合基板58のCPU581へ第1大当たり状態終了コマンドが送信されるとともに、フラグ情報記憶エリア528にセットされた大当たり後遊技状態が実行される。
次に、第2特別電動役物処理(図13)について説明する。第2特別電動役物処理(S251〜S295)は、第1特別電動役物処理(S201〜S245)と同様である。すなわち、第2特別電動役物作動フラグが「ON」の場合、大入賞口16が開放中であれば、開放時間経過や規定数入賞に応じて大入賞口16を閉鎖させる(S251〜S267)。一方、所定の閉鎖時間を経過した場合には、大入賞口16を開放させる処理(S271〜S283)又は大当たり状態を終了させる処理(S285〜S295)が行われる。第2特別電動役物処理の終了後は、メインルーチン処理(図9)にリターンする。これにより、第2入賞について、大当たり状態での大入賞口16の開放及び閉鎖が行われ、大当たり状態が終了した際には、サブ統合基板58のCPU581へ第2大当たり状態終了コマンドが送信されるとともに、フラグ情報記憶エリア528にセットされた大当たり後遊技状態が実行される。
次に、図14を参照して、第1特別電動役物処理(図12)のS245で行われる第2入賞調整処理について説明する。図14は、第2入賞調整処理(S245)の詳細を示すフローチャートである。まず、第2入賞調整処理が開始されると、第2入賞についての大当たり判定結果が、大当たりか否かが判定される(S301)。ここでは、特別図柄表示部18Rで図柄変動が実行されている場合は、先の第2特別図柄処理で第2入賞について大当たり判定結果が確定しているから(図11のS165〜S187参照)、この大当たり判定結果が確率変動大当たり、通常大当たり及びはずれの何れかに該当するか否かが判定される。第2入賞が大当たりであると判定された場合は(S301:YES)、遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化したか否かが判定される(S303)。ここでは、先の確率変動フラグ及び時短設定フラグのセット(図12のS239,S241)の実行前に、フラグ情報記憶エリア528に確率変動状態(確率変動フラグ「ON」,時短設定フラグ「ON」)がセットされており、かつ当該確率変動フラグ及び時短設定フラグのセット(図12のS239,S241)によって通常状態(確率変動フラグ「OFF」,時短設定フラグ「OFF」)がセットされていれば、遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化したと判定される。
そして、遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化した場合は(S303:YES)、フラグ情報記憶エリア528に記憶されている第2特別電動役物フラグが「OFF」にセットされる(S305)。そして、特別図柄処理での大当たり判定(図10のS117〜S135,図11のS167〜S185)と同様にして、再度、第2入賞について大当たりか否かが判定され(S307)、大当たりの場合は当たり特別図柄が選択されて、さらに確率変動大当たりか否かが判定される(S307:YES〜S311)。また、はずれの場合ははずれ特別図柄が選択される(S307:NO,S317)。
ここで、S307及びS311では、判定シフト処理(図10のS115,図11のS165)を行わずに、大当たり関係情報記憶エリア525Rの判定エリアの大当たり乱数欄に記憶されている現在値(すなわち、第2特別図柄処理(図11)で「確率変動大当たり」又は「通常大当たり」と判定された大当たり乱数)に基づいて、大当たりか否かの再判定が実行される。このような再判定を行う理由は、第2入賞について確率変動状態時(高確率1/100)に「大当たり」という判定結果がなされたとしても、大当たり後遊技状態として通常状態(低確率1/300)になると、その「大当たり」の判定結果を維持すべきでない(「はずれ」とすべき)場合があるためである。
先述したように、確率変動状態では大当たり乱数が「7」,「17」,「27」であれば「大当たり」と判定されるが、通常状態では大当たり乱数が「7」のみが「大当たり」と判定される。そのため、例えば、第2入賞についての大当たり乱数「27」であった場合、確率変動状態では「大当たり」と判定されるが、通常状態では「はずれ」と判定されるため、遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化した場合は「大当たり」の判定結果を維持すべきでない。一方、第2入賞についての大当たり乱数「7」であった場合、確率変動状態及び通常状態のいずれにおいても「大当たり」と判定されるため、遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化しても「大当たり」の判定結果を維持することができる。
このように第2入賞について大当たりの再判定を行った結果、第2入賞が確率変動大当たりであれば(S311:YES)、特別図柄表示部18Rで実行されている特別図柄変動を確変大当たり図柄変動に変更し、特別図柄変動時間カウンタTC1Rでの図柄変動時間のカウント再開を指示する第2図柄変動確率変動大当たり変更コマンドが、S309で決定された特別図柄を示すコードと共に、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S313)。また、第2入賞が通常大当たりであれば(S311:NO)、特別図柄表示部18Rで実行されている特別図柄変動を通常大当たり図柄変動に変更し、特別図柄変動時間カウンタTC1Rでの図柄変動時間のカウント再開を指示する第2図柄変動通常大当たり変更コマンドが、S309で決定された特別図柄を示すコードと共に、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S315)。また、第2入賞がはずれであれば(S307:NO)、特別図柄表示部18Rで実行されている特別図柄変動をはずれ図柄変動に変更することを指示し、特別図柄変動時間カウンタTC1Rでの図柄変動時間のカウント再開をする第2図柄変動はずれ変更コマンドが、S317で決定された特別図柄を示すコードと共に、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S319)。
一方、第2入賞が大当たりでないと判定された場合は(S301:NO)、第2入賞は「はずれ」であるから、遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化しても当該判定結果に変動は生じない。また、遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化しない場合は(S303:NO)、大当たり後遊技状態が確率変動状態であるから、第2入賞が「大当たり」及び「はずれ」の何れであっても当該判定結果に変動は生じない。よって、これらの場合は、特別図柄表示部18Rで実行されている特別図柄変動を変化させずに、特別図柄変動時間カウンタTC1Rでの図柄変動時間のカウント再開をすることを指示する第2図柄変動再開コマンドが、RAM52のコマンド関係情報記憶エリア527に記憶される(S321)。
ここで、第2図柄変動確率変動大当たり変更コマンド,第2図柄変動通常大当たり変更コマンド,第2図柄変動通常大当たり変更コマンド,第2図柄変動再開コマンドに基づく各図柄変動は、第2特別図柄処理(図11)で選択された図柄変動時間(S173,S177,183)に基づいて行われるため、図柄変動時間自体は延長されずに図柄変動のみが変更される。なお、S313,S315,S319,S321の何れかの実行後は第2入賞調整処理を終了して、第1特別電動役物処理(図12)に戻る。
以上のようにして、第2入賞調整処理(図14)では、第1特別図柄変動が終了すると(大当たり状態が開始すると)、第2入賞についての大当たり判定結果及び第2特別図柄の図柄変動が適切に調整される。
次に、図15を参照して、第2特別電動役物処理(図13)のS295で行われる第1入賞調整処理について説明する。図15は、第1入賞調整処理(S295)の詳細を示すフローチャートである。この第1入賞調整処理(S351〜S371)は、第2入賞調整処理(S301〜S321)と同様である。すなわち、第1入賞が大当たりであり、かつ遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化した場合は、第1入賞について大当たり再判定が行われ、その判定結果に応じて各種第1図柄変動変更コマンドがセットされる(S355〜S369)。一方、第1入賞がはずれであり、また遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化していない場合は、第1図柄変動再開コマンドがセットされる(S371)。なお、第1入賞調整処理の終了後は、第2特別電動役物処理(図13)に戻る。これにより、第2特別図柄変動が終了すると(大当たり状態が開始すると)、第1入賞についての大当たり判定結果及び第1特別図柄の図柄変動が適切に調整される。
次に、図16及び図17を参照して、上述したパチンコ機1の遊技状態及び図柄変動の制御について説明する。図16及び図17は、遊技状態,第1特別図柄,第2特別図柄,大入賞口の各制御を、時間経過に対応付けて表したグラフ図である。以下では、第1特別図柄により確率変動大当たりが確定表示されてから、第2特別図柄により通常大当たりが確定表示されるまでのパチンコ機1の制御を例示して説明する。
まず、図16に示すように、始動入賞口15Lに遊技球が入賞し(第1入賞)、その第1入賞に基づく大当たり判定結果が「確率変動大当たり」であった場合、特別図柄表示部18L(第1特別図柄)に確変大当たり図柄が変動表示される(図10のS101〜S137)。第1特別図柄に確変大当たり図柄が確定表示されると、大入賞口16が開放される大当たり状態が実行される(図10のS139:YES〜S149,図12のS201〜S233)。この大当たり状態が終了すると、大当たり後遊技状態として確率変動状態に遷移し(図12のS235〜S241)、以降は遊技者に有利な大当たり確率(1/100)で大当たり判定が実行される。
次に、始動入賞口15Rに遊技球が入賞し(第2入賞)、その第2入賞に基づく大当たり判定結果が「確率変動大当たり」であった場合、特別図柄表示部18R(第2特別図柄)に確変大当たり図柄が変動表示される(図11のS151〜S187)。一方、第2特別図柄で確変大当たり図柄の変動表示中に、始動入賞口15Lに遊技球が入賞すると、第1特別図柄でも並行して大当たり判定結果に応じた特別図柄が変動表示されることになる(図10のS101〜S137)。
そして、第2特別図柄に確変大当たり図柄が確定表示されると、第1特別図柄の図柄変動時間のカウントが一時停止されて(図11のS189:YES〜S197)、大入賞口16が開放される大当たり状態が実行される(図11のS199,図13のS251〜S283)。なお、この大当たり状態が実行されている間、第1特別図柄では確定表示されずに継続して変動表示が実行される。そして、この大当たり状態が終了すると、大当たり後遊技状態として確率変動状態が継続される(図13のS285〜S291)。また、第1入賞の大当たり再判定と第1特別図柄の図柄変動時間のカウント再開が実行される(図13のS293〜S295,図15)。ここでは、確率変動状態が継続されるため、大当たり再判定は行われない(図15のS353:NO)。
なお、第1特別図柄で図柄変動時間がカウント再開された後、一時停止状態の期間を含まずに図柄変動時間が経過すると、先述のように第1特別図柄が確定表示されて、大当たり状態が実行され、大当たり後遊技状態として確率変動状態が継続されることになる。
次に、始動入賞口15Rに遊技球が入賞し、その大当たり判定結果が「通常大当たり」であった場合、第2特別図柄に通常大当たり図柄が変動表示される(図11のS151〜S187)。一方、第2特別図柄で通常大当たり図柄の変動表示中に、始動入賞口15Lに遊技球が入賞し、その大当たり判定結果が「確率変動大当たり」であった場合、第1特別図柄でも並行して確変大当たり図柄が変動表示されることになる(図10のS101〜S137)。
この場合、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも先に変動開始しているが、確率変動状態時に「通常大当たり」と判定された場合に選択される図柄変動時間は「60秒」であり(図11のS177)、確率変動状態時に「確率変動大当たり」と判定された場合に選択される図柄変動時間は「5秒」であるから(図10のS123)、第1特別図柄が第2特別図柄の大当たり確定表示よりも先に確変大当たりとなる可能性をもたせることができる。
よって、第1特別図柄に確変大当たり図柄が確定表示されると、第2特別図柄の図柄変動時間のカウントが一時停止されて(図10のS139:YES〜S147)、大入賞口16が開放される大当たり状態が実行される(図10のS149,図12のS201〜S233)。そのため、この大当たり状態が実行されている間、第2特別図柄では確定表示されずに継続して変動表示が実行される。そして、この大当たり状態が終了すると、大当たり後遊技状態として確率変動状態が継続される(図12のS235〜S241)。また、第2入賞の大当たり再判定と第2特別図柄の図柄変動時間のカウント再開が実行される(図12のS243〜S245,図14)。ここでは、確率変動状態が継続されるため、大当たり再判定は行われない(図14のS303:NO)。このように、第2特別図柄が確定表示されるまでは、第2特別図柄の図柄変動と並行して、第1入賞の大当たり判定結果に基づいて第1特別図柄に図柄変動が実行され、また確変大当たり図柄が確定表示された場合には大当たり状態が実行される。
一方、第2特別図柄に通常大当たり図柄が確定表示されると、大入賞口16が開放される大当たり状態が実行される(図11のS199,図13のS251〜S283)。そして、この大当たり状態が終了すると、大当たり後遊技状態として通常状態に遷移し(図13のS285〜S291)、以降は遊技者に不利な大当たり確率(1/300)で大当たり判定が実行されることになる。
なお、第2特別図柄で通常大当たり図柄が確定表示された時に、第1特別図柄が変動表示中であれば、その図柄変動時間のカウントが一時停止されて(図11のS189:YES〜S197)、大当たり状態終了後に第1入賞の大当たり再判定と第1特別図柄の図柄変動時間のカウント再開が実行されることになる(図13のS293〜S295,図15)。この場合、確率変動状態が通常状態に変化するため、大当たり再判定が実行され(図15のS353:YES)、その判定結果に基づいて第1特別図柄の図柄変動が変更される。
一方、図17に示すように、確率変動状態において、第2特別図柄で通常大当たり図柄の変動表示中に、始動入賞口15Lに遊技球が入賞し、その大当たり判定結果が「通常大当たり」であった場合、第1特別図柄でも並行して通常大当たり図柄が変動表示されることになる(図10のS101〜S137)。この場合は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両図柄変動時間は同じ「60秒」であるため、先に変動開始した第2特別図柄で先に通常大当たり図柄が確定表示され、大当たり状態が実行される(図11のS199,図13のS251〜S283)。そして、この大当たり状態が終了すると、大当たり後遊技状態として通常状態に遷移し(図13のS285〜S291)、第1入賞の大当たり再判定と第1特別図柄の図柄変動時間のカウント再開が実行される(図13のS293〜S295,図15)。ここでは、確率変動状態が通常状態に変化するため、大当たり再判定が実行され(図15のS353:YES)、その判定結果に基づいて第1特別図柄の図柄変動が変更される。
このように、パチンコ機1の遊技状態及び図柄変動が制御されることで、第1入賞及び第2入賞について重複して大当たり状態が実行されることを防止して、第1特別図柄及び第2特別図柄の図柄変動や大当たり後遊技状態の制御などを適切に行うことができる。特に、確率変動状態では、第1入賞及び第2入賞の一方が通常大当たりとなっても、通常大当たり図柄の確定表示を遅らせて確率変動状態をより長時間継続することで、第1入賞及び第2入賞の他方で確率変動大当たりとなる機会を遊技者に与えることができる。
また、第1入賞及び第2入賞の一方で通常大当たりが確定し、遊技状態が確率変動状態から通常状態に変化した場合には、第1入賞及び第2入賞の他方で大当たり再判定と図柄変動調整が実行されるので、遊技状態が変動しても適切に大当たり制御を行うことができる。さらに、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に、確率変動大当たり、もしくは通常大当たりとなることをスピーカー48から警告音を出力するなどして遊技者に報知するようにすれば、確率変動状態に移行することや確率変動状態の終了が近いことなどを遊技者は認知することができ、遊技者の期待度や遊技機のゲーム性を高めることができる。
以上、本実施の形態に係るパチンコ機1によれば、始動入賞口15L,15Rの何れかへの遊技球の入賞に基づいて大当たり判定が行われて、その判定結果が特別図柄表示部18L,18Rの何れかに表示された後に大当たり状態が実行されて、その判定結果が以降発生する全ての大当たり判定に適用されるものであって、確率変動状態の実行中に通常大当たりと判定された場合に、その判定結果が表示される特別図柄表示部18L,18Rの一方で通常大当たり図柄を確定表示するまでの図柄変動時間は、確率変動状態の実行中に確率変動大当たりと判定された場合に、その判定結果が表示される特別図柄表示部18L,18Rの他方で確変大当たり図柄を確定表示するまでの図柄変動時間よりも長くなるようにした。よって、複数の始動入賞口15L,15Rにおける第1入賞及び第2入賞について重複して大当たり状態が発生した場合でも、大当たり後遊技状態の変化を適切に制御することができる。さらに、通常大当たりの確定表示を遅延させて遊技者に有利な確率変動状態をより長時間継続することで、従来にない新しいゲーム性を奏することができる。
また、特別図柄表示部18L,18Rの一方で大当たりが確定表示されて大当たり状態が実行された場合、大当たり状態実行中は特別図柄表示部18L,18Rの他方における図柄変動時間のカウントを一旦停止し、大当たり状態終了後に図柄変動時間のカウントを再開するようにした。よって、大当たり状態の実行中に他の特別図柄表示部18L,18Rで大当たり判定結果が確定表示されるのを防止することができる。
また、特別図柄表示部18L,18Rの一方で確変大当たり図柄が確定表示された場合、特別図柄表示部18L,18Rの他方で実行中の図柄変動に対応する判定結果に対し、大当たり状態とするか否かの再判定を実行する。よって、大当たり状態終了後に遊技状態が移行して大当たり確率が変化しても、特別図柄表示部18L,18Rの他方における大当たり判定が維持できるかどうかが再判定されるため、より適切に大当たり状態の制御を行うことができる。
ところで、上記実施の形態において、始動入賞口15L,15Rが本発明の「複数の始動入賞口」に相当し、特別図柄表示部18L,18Rが「複数の特別図柄表示手段」に相当する。なお、確変大当たり図柄が本発明の「特定図柄」に相当し、通常大当たり図柄が本発明の「非特定図柄」に相当する。
また、特別図柄処理(図10及び図11)を行うCPU51が、本発明の「大当たり判定手段」、「遊技状態決定手段」及び「確定遅延手段」として機能する。特別電動役物処理(図12及び図13)を行うCPU51が、本発明の「大当たり状態実行手段」として機能する。図9に示すメインルーチン処理を行うCPU51が本発明における「遊技状態制御手段」として機能する。第2入賞調整処理(図14)及び第1入賞調整処理(図15)を行うCPU51が、本発明の「再判定手段」として機能する。スピーカー48が、本発明の「報知手段」に相当する。
なお、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では遊技機として、遊技機の一種であるパチンコ機を例に挙げているが、遊技機はパチンコ機に限られず、パチコン機、パチスロ台等の各種の遊技機に適用可能である。
また、上記実施の形態では、2組の始動入賞口15L,15R及び特別図柄表示部18L,18Rを設けた場合を例示しているが、3組以上の始動入賞口及び特別図柄表示部を設けた場合であっても、同様にして本発明を適用することが可能である。例えば、パチンコ機1に第3の始動入賞口及び特別図柄表示部を設けた場合は、第3入賞についての特別図柄処理(図10及び図11参照)や第3入賞についての特別電動役物処理(図12及び図13参照)などの処理を実行すれば、本発明を実現することができる。
また、上記実施の形態では、第1入賞に基づく大当たり状態と第2入賞に基づく大当たり状態とで同一制御がなされるようにしているが、第1入賞に基づく大当たり状態と第2入賞に基づく大当たり状態とが任意の異なる制御態様で実行されてもよい。例えば、第1入賞に基づく大当たり状態の方が、第2入賞に基づく大当たり状態よりも、大入賞口16の開放回数が多いなど、大当たり状態の実行内容に差異を設けることができる。また、第1入賞について確率変動大当たりと判定された場合は、大当たり後遊技状態として時短処理付きの確率変動状態が制御される一方、第2入賞について確率変動大当たりと判定された場合は、大当たり後遊技状態として時短処理なしの確率変動状態が制御されるなど、大当たり後遊技状態に差異を設けることができる。
また、上記実施の形態では、確率変動状態の実行中に通常状態と判定された場合、長時間の図柄変動時間をセットすることで通常大当たり図柄の確定表示までの時間を遅延させているが(図10のS127,図11のS177参照)、各大当たり判定結果についてセットされる図柄変動時間は、任意の大きさとすることができることはいうまでもない。
また、上記実施の形態では、図柄確定表示を遅延させる「確定遅延手段」として、図柄変動時間のカウントを制御する「図柄変動処理手段」を用いた場合を例示したが、「確定遅延手段」はこれに限定されず、各種手法を用いることができる。例えば、通常大当たりであると判定された後に、通常大当たり図柄の変動開始のタイミングを遅らせることで図柄確定表示を遅延させてもよい。
また、上記実施の形態では、スピーカー48から警告音によって、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に、確率変動大当たり、もしくは通常大当たりとなることを報知している。しかし、この報知態様は任意に設定可能であり、例えば、当該大当たりに対応する表示画面28L,28Rにその旨の表示を行ってもよいし、LED62や電飾ランプ63を用いて報知を行ってもよい。