まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面から見て略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に多数の障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板200A(図10参照)と、該盤面板200Aの背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材200B(図10参照)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、動作可能な可動体を有する演出装置(図示略)等が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口扉(後述する開閉扉602)を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7Aが設けられている。特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1カウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7Aにおいて大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第2状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7Aにおいて大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。
また、図7に示すように、第1カウントスイッチ23を通過(進入)した遊技球は、遊技盤2の背面側に誘導された後、ソレノイド83のオンオフにより駆動する振分装置754によって第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bのいずれかに誘導され、第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bのいずれかによって検出される。詳しくは後述するが、この振分装置754は、ソレノイド83がオフ状態であるときに第3カウントスイッチ24Bへの遊技球の通過を困難とする規制状態となり、ソレノイド83がオン状態であるときに第3カウントスイッチ24Bへの遊技球の通過を可能とする許容状態となる。尚、本実施例では、第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、大当り遊技状態の終了後の遊技状態を後述する確率変動遊技状態(確変状態)とするようになっている。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技領域10においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置5(センター飾り枠5c)よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置5(センター飾り枠5c)よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置5の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置5の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域10の左側に遊技球を打込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域10の右側に遊技球を打込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。尚、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、例えば、遊技領域10内における演出表示装置5の端面や障害釘の配列等により区分けされていればよい。
また、第1経路を流下した遊技球は、普通入賞球装置6Aに入賞可能となり、第2経路を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7Aに入賞可能、かつ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は普通可変入賞球装置6B及び特別可変入賞球装置7Aに入賞不能、かつ、通過ゲート41を通過不能である。
遊技盤2における遊技領域10には、上記以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車や複数の障害釘、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口装置500A〜500D等が設けられている。具体的には、図1に示すように、特別可変入賞球装置7Aの上方に位置する一般入賞口装置500Aと、通過ゲート41の下方に位置する一般入賞口装置500Bと、普通入賞球装置6Aの左方に位置する一般入賞口装置500C,500Dと、が設けられており、一般入賞口装置500A〜500D内のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞スイッチ30によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81〜83に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24Bからの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7Aの大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.5秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第2状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって不利な第1状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「大当りA組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「大当りA」となった場合は大当り遊技状態に制御され、該大当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されなかった場合は、該大当り遊技状態の終了後に時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「大当りB組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「大当りB」となった場合は大当り遊技状態に制御され、該大当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出された場合は、該大当り遊技状態の終了後に時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
本実施例では、特図ゲームにおける変動表示結果が「大当りA」となった場合、第1ラウンド(例えば第1〜第9、第11〜第14ラウンドなど)において、特別可変入賞球装置7Aを第1期間(例えば約29秒など)第2状態(開放状態)とするとともに、振分装置754を規制状態に制御する通常開放制御が実行され、第2ラウンド(例えば第10、第15ラウンド)において、特別可変入賞球装置7Aを第2期間(例えば約0.5秒など)第2状態(開放状態)としたのち、所定の待機期間である約0.5秒が経過してから振分装置754を許容状態に制御する第2制御が実行される。
所定の待機期間(例えば約0.5秒)とは、ほぼ遊技球の進入はあり得ないが、仮に第2期間が経過する間際に特別可変入賞球装置7Aに進入した遊技球が、規制状態にある振分装置754により第2カウントスイッチ24Aに誘導され、許容状態に切り替わった振分装置754により遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出される可能性がほぼなくなるまで待機するための期間である。これにより、遊技球が特別可変入賞球装置7A内に進入する確率及び第3カウントスイッチ24Bにて検出される可能性は極めて低いため、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される確率が低い。つまり、「大当りA」は実質的に大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われない「非確変大当り」である。尚、所定の待機期間(例えば約0.5秒)は、第3カウントスイッチ24Bまでの遊技球の誘導距離、誘導面の傾斜角度、通路構造等によって変わるため、第3カウントスイッチ24Bに到達するのに要する期間よりも長い期間を設定することが好ましい。
一方、特図ゲームにおける変動表示結果が「大当りB」となった場合、第1ラウンド(例えば第1〜第9、第11〜第14ラウンドなど)において、特別可変入賞球装置7Aを第1期間(例えば約29秒など)第2状態(開放状態)とするとともに、振分装置754を規制状態に制御する通常開放制御が実行され、第2ラウンド(例えば第10、第15ラウンド)において、特別可変入賞球装置7Aを第1期間(例えば約29秒など)第2状態(開放状態)とするとともに、振分装置754を許容状態に長期間(例えば、28秒)制御される第1制御が実行される。これにより、遊技球が特別可変入賞球装置7A内に進入する確率及び遊技球が特別可変入賞球装置7A内に進入した場合に第3カウントスイッチ24Bにて検出される可能性は高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される確率が高い。つまり、「大当りB」は実質的に大当り遊技状態の終了後に時短制御とともに確変制御が行われる「確変大当り」である。
尚、「大当りB」であっても、大当り遊技状態における第2ラウンド(例えば第10、第15ラウンド)において、第3カウントスイッチ24Bにて遊技球を検出しなかった場合、つまり、第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過しなかった場合、その大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われない。一方、「大当りA」であっても、第2ラウンド(例えば第10、第15ラウンド)において、第3カウントスイッチ24Bにて遊技球を検出した場合、つまり、第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過した場合、その大当り遊技状態の終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
尚、本実施例において、大当り種別として大当りA及び大当りBを備える形態を例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第10ラウンドにおいて第2制御を実行し、第15ラウンドにおいて第1制御を実行する大当りC等の他の大当り種別を備えていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7Aにおける大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9、演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。特に本実施例では、大当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bに検出された場合、該遊技球が第3カウントスイッチ24Bに検出されたこと、つまり、該大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されることを遊技者に報知する処理(例えば、「V入賞発生」の表示)等を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
また、本実施例では、上記予告を含む各種演出として、可動体を有する演出装置(図示略)による可動体演出や、導光板装置(図示略)を用いた発光演出や、スピーカ8L,8R、及び演出用LED9による複合演出を実行可能とされている。尚、これら各種演出は、例えば、変動表示中における所定タイミングや、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したタイミングで実行可能としてもよい。
次に、特別可変入賞球ユニット7について図3〜図12に基づいて説明する。図3は、(A)は特別可変入賞球ユニットを正面から見た斜視図、(B)は特別可変入賞球ユニットの正面図である。図4は、特別可変入賞球ユニットを正面から見た分解斜視図である。図5は、特別可変入賞球ユニットを背面から見た分解斜視図である。図6は、(A)は特別可変入賞球装置の閉鎖状態を示す正面断面図、(B)は開放状態を示す正面断面図である。図7は、(A)は規制部が第1位置にある状態を示す図6のA−A断面図、(B)は規制部が第2位置にある状態を示す図6のA−A断面図である。図8は、(A)は振分装置を正面から見た分解斜視図、(B)は振分装置を背面から見た分解斜視図である。図9は、(A)は第1LED及び第3LEDを示す説明図、(B)は第2LEDを示す説明図である。図10は、図6のB−B断面図である。図11は、図10のC−C断面図である。図12は、図10のD−D断面図である。
図3〜図6に示すように、特別可変入賞球ユニット7は、遊技盤2に前方から取付けられるベース部材750と、ベース部材750の前面に固定される演出用LED基板751と、演出用LED基板751を前面側から被覆するようにベース部材750の前面に取付けられる前カバー部材752と、遊技盤2の後方からベース部材750の背面に取付けられる後カバー部材753と、後カバー部材753の背面側に配設される振分装置754と、を備えており、ベース部材750には、特別可変入賞球装置7Aと、普通可変入賞球装置6Bと、一般入賞口装置500Aと、が組付けられている。これらベース部材750、前カバー部材752、後カバー部材753、後述する振分装置754の前ケース部材731及び後ケース部材732は、透光性を有する部材により構成されている。
先ず、普通可変入賞球装置6Bの構造について説明する。普通可変入賞球装置6Bは、ベース部材750の中央部よりも若干右側に設けられた前後に貫通する貫通孔601(第2始動入賞口)と、ソレノイド81(図2参照)によって開閉駆動される開閉扉602と、貫通孔601を介してベース部材750の前面側から背面側に進入する遊技球Pが流下する通路部603と、から主に構成されている。
開閉扉602は、その下端に設けられた左右に延びる回動軸(図示略)を中心として開閉扉602が立設して貫通孔601を閉塞する閉鎖位置と、開閉扉602が前方に回動して貫通孔601を開放する開放位置(図示略)と、の間で動作可能となっている。また、通路部603は、後カバー部材753における貫通孔601と対応する位置に設けられており、貫通孔601を通過する遊技球Pを遊技盤2の背面側に案内するようになっている。尚、通路部603には、第2始動口スイッチ22B(図2参照)が配設されており、通路部603を通過する遊技球Pを検出できる。
次に、一般入賞口装置500Aの構造について説明する。一般入賞口装置500Aは、ベース部材750の上端縁の前面側に固定される上方に開口する案内部材501と、案内部材501に流入する遊技球をベース部材750の背面側に沿って流下させる通路部502と、から主に構成されており、通路部502は、後カバー部材753における案内部材501と対応する位置に設けられており、案内部材501に流入する遊技球を遊技盤2の背面側に案内するようになっている。尚、通路部502には、一般入賞スイッチ30が配設されており、通路部502を通過する遊技球を検出できる。
また、ベース部材750における普通可変入賞球装置6B及び一般入賞口装置500Aの左右側方には、後述する傾斜通路700に向けて遊技球Pを流下させる流路を構成する流路構成部材510A,510Bが設けられており、流路構成部材510A,510B上に流下した遊技球Pは傾斜通路700に向けて案内される。
次いで、特別可変入賞球装置7Aの構成について説明する。特別可変入賞球装置7Aは、ソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉701を備え、その大入賞口扉701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口702を形成する。大入賞口702は、右側から左側に向けて下方に傾斜するように延設された傾斜通路700に上向きに開放するように形成されている。
傾斜通路700の側壁を構成するベース部材750の前面と、前カバー部材752における前壁部759の背面と、には、遊技球Pの流下速度を低下させる複数の規制片760が通路側に突出するように形成されており、複数の規制片760は、前方から見て傾斜通路700上を左側へ流下する遊技球Pに干渉することで、遊技球Pが前後方向成分の動きをもって蛇行する(所謂ジグザグ動作する)ように遊技球Pを流下させて、大入賞口702を通過する時間、つまり、閉鎖状態にある大入賞口扉701の上面における上流側端部から下流側端部まで流下するのに要する時間を、規制片760がない場合よりも遅延させる。これら複数の規制片760は、上下方向に延設され、傾斜通路700における遊技球Pの流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつ、ベース部材750及び前カバー部材752に交互に形成されている。
大入賞口扉701は、大入賞口702を閉塞可能な板部材であり、前方に突出して大入賞口702を閉鎖するとともに傾斜通路700の一部を構成する閉鎖位置(図6(A)参照)と、後方に退避して大入賞口702を開放する開放位置(図6(B)参照)と、の間で動作可能に設けられている。具体的には、図6に示すように、特別可変入賞球装置7Aは、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉701が大入賞口702を閉鎖状態として、遊技球Pが大入賞口702を通過(進入)できなくする。その一方で、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉701が大入賞口702を開放状態として、遊技球Pが大入賞口702を通過(進入)しやすくする。このように大入賞口702は、遊技球Pが通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球Pが通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球Pが大入賞口702を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球Pが大入賞口702を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口702を通過(進入)した遊技球Pは、図6及び図7に示す第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23によって遊技球Pが検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球Pが賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった大入賞口702を遊技球Pが通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球Pが通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7Aにおいて大入賞口702が開放状態となれば、その大入賞口702に遊技球Pが進入可能となり、遊技者にとって有利な第2状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7Aにおいて大入賞口702が閉鎖状態となれば、大入賞口702に遊技球Pを通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。尚、大入賞口702に進入することなく傾斜通路700を流下した遊技球Pは、アウト口を介して遊技領域10外へ排出されるようになっている。
図7及び図10に示すように、ベース部材750には、大入賞口扉701の左側下方位置に前後に貫通する貫通孔750aが形成されており、後カバー部材753には、貫通孔750aと対応する位置に貫通孔753aが形成されており、振分装置754の前ケース部材731には、貫通孔753aと対応する位置に貫通孔754aが連通して形成されている。貫通孔750aの背面側には、第1カウントスイッチ23が設けられ、第1カウントスイッチ23の背面側には、遊技球Pを後方に向けて誘導する下流側誘導通路721が後方に向けて下方に傾斜するように延設されており、下流側誘導通路721は、貫通孔754aを介して振分装置754の内部空間と連通している。すなわち、下流側誘導通路721は、第1カウントスイッチ23よりも下流側に配設され、後述する第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bに向けて遊技球Pを誘導するように機能する。尚、第1カウントスイッチ23は、遊技球Pが通過する通過孔の軸心が略前後方向を向くように立設しており、第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bは、遊技球Pが通過する通過孔の軸心が上下方向を向くように設けられている。
図3〜図5に示すように、前カバー部材752には、貫通孔750aに遊技球Pを案内する第1案内部752Aと、第1案内部752Aに遊技球Pを案内する第2案内部752Bと、が設けられている。第1案内部752A及び第2案内部752Bは、前カバー部材752の前壁部759からベース部材750に向けて延設されている。
具体的には、図6及び図9(A)に示すように、第1案内部752Aは、貫通孔750aの左側に沿って立設する左壁部755と、左壁部755の下端から貫通孔750aの下側に沿って延びる底壁部756と、左壁部755の右端から立設する右壁部757と、を備え、第2案内部752Bは、右壁部757の上端から右側に向けて上方に傾斜するように延設されている。左壁部755は、右壁部757よりも高さが高く形成されているため、第2案内部752Bにより誘導された遊技球Pは、右壁部757の上端から第1案内部752A内に進入し、左壁部755により受け止められ貫通孔750aを介して下流側誘導通路721に誘導されるようになっている。すなわち、第1案内部752A及び第2案内部752Bは、第1カウントスイッチ23に向けて遊技球Pを誘導する上流側誘導通路722として機能している。
また、前カバー部材752の前壁部759と底壁部756との間には、前壁部759から底壁部756に向けて下方に傾斜するリブ761が形成されており、第1案内部752Aと第2案内部752Bとの外面(案内面の反対側の面)は、リブ状の複数の凹凸から構成される凹凸面758となっている。
図8に示すように、振分装置754は、前ケース部材731と、後ケース部材732と、ソレノイド83及びプランジャ520により動作する規制部521と、から主に構成される。前ケース部材731と後ケース部材732とは、図示しないネジにより接続され、前ケース部材731と後ケース部材732との間には、第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bが左右に並設される。
前ケース部材731は、貫通孔754aと、第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bの左右端を嵌合する嵌合部731a,731bと、第2カウントスイッチ24Aと第3カウントスイッチ24Bとの間を区画するリブ731cと、を備えている。
後ケース部材732は、第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bの後端側を嵌合する嵌合部732a,732bと、嵌合部732a,732bの上方位置において左右方向に延び前後に貫通する溝部732cと、背面側に設けられる溝状のガイド部732dと、を備えている。ガイド部732dは、左右方向に延びている(図8(B)参照)。
また、後ケース部材732の前面側における溝部732cの上方には、下流側誘導通路721を介して正面側から覗き込み可能な表示部733が形成されている(図15参照)。この表示部733には「V」や第3カウントスイッチ24Bの位置を知らせる「矢印」が表示されており、第3カウントスイッチ24Bに入賞することで、確率変動状態に制御されることを示唆している。尚、本実施例における表示部733は、貼着可能なシール部材により構成されているが、後ケース部材732に直接表示されていてもよい。
ソレノイド83は、プランジャ520を左右方向に動作させるように後ケース部材732の背面に固定される。プランジャ520は、前方側に突出する突出部520aを備え、突出部520aは、ガイド部732dに挿入して配置される。つまり、プランジャ520は、ガイド部732dにより左右方向の動作がガイドされる。規制部521は、プランジャ520の先端部に取付けられ、後ケース部材732の背面側から溝部732cを介して該後ケース部材732よりも前方側に突出するように配置される。
尚、前ケース部材731と後ケース部材732との間における第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bの上方には、前ケース部材731の貫通孔754aを通過した遊技球P(遊技球P2)が流下可能な空間が形成される(図7、図10参照)。つまり、下流側誘導通路721の下流側は、遊技球Pが第2カウントスイッチ24Aに進入する経路と、第3カウントスイッチ24Bに進入する経路と、に二股状に分かれている。
具体的には、図7(A)に示すように、ソレノイド83がオフ状態であるときには、規制部521が左側(第3カウントスイッチ24B側)に配置され、下流側誘導通路721を流下する遊技球Pは、第2カウントスイッチ24Aに進入するようになる。換言すれば、ソレノイド83がオフ状態であるときには、下流側誘導通路721を流下する遊技球Pが規制部521により第3カウントスイッチ24Bに進入できなくする規制状態となる。
一方、図7(B)に示すように、ソレノイド83がオン状態であるときには、規制部521が右側(第2カウントスイッチ24A)に配置され、下流側誘導通路721を流下する遊技球Pは、第3カウントスイッチ24Bに進入するようになる。すなわち、ソレノイド83がオン状態であるときには、下流側誘導通路721を流下する遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bに進入可能な許容状態となる。
図9(A)に示すように、演出用LED基板751の前面側には、第1案内部752A(底壁部756)の下方から上方に向けて光を照射可能な第1LED741と、第2案内部752Bの下方から上方に向けて光を照射可能な第3LED743A,743Bと、が設けられている。また、図9(B)に示すように、演出用LED基板751の背面側には、背面側に向けて光を照射可能な第2LED742が設けられており、ベース部材750における第2LED742に対応する位置には、前後に貫通する貫通孔750bが形成されている。これら第1LED741、第2LED742、第3LED743A,743Bは、赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなる。
図10〜図12に示すように、第1LED741が光を照射すると、該光が第1案内部752Aに入射し、第1案内部752Aが発光する。すなわち、第1カウントスイッチ23の前方、つまり、第1カウントスイッチ23に向けて遊技球Pを誘導する上流側誘導通路722に第1発光部Z1が形成される。詳しくは、上流側誘導通路722を構成する壁部に第1LED741の光が反射して第1発光部Z1が形成される。第1案内部752Aは、凹凸面758やリブ761が設けられているため、凹凸面758やリブ761により光が多方向に拡散され、第1発光部Z1が略均一に発光される。特に、第1LED741の直上近傍に配設される底壁部756及びリブ761が高い輝度で発光する。このように、第1LED741により第1発光部Z1が発光することで、上流側誘導通路722の空間が明るくなる。また、リブ761は、下側から入射する光を前方側に向けて出射することができるため、遊技者側を好適に発光演出することができる。
第2LED742が光を照射すると、該光が貫通孔750bを介して後方側へ出射され、後カバー部材753と振分装置754の前ケース部材731とに入射して発光する。すなわち、第1カウントスイッチ23の後方、つまり、第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bに向けて遊技球Pを誘導する下流側誘導通路721に第2発光部Z2が形成される。詳しくは、第2LED742の光の一部は、後カバー部材753に拡散されながら貫通孔754aを構成する下壁部731dを発光させ、第2LED742の光の一部は、後カバー部材753を透過して前ケース部材731に入射し、該前ケース部材731により拡散されながらリブ731cを発光させる。つまり、下流側誘導通路721を構成する壁部に第2LED742の光が反射して第2発光部Z2が形成される。このように、第2LED742により第2発光部Z2が発光することで、下流側誘導通路721の空間が明るくなる。
第3LED743A,743Bが光を照射すると、該光が第2案内部752Bに入射し、第2案内部752Bが発光する。すなわち、第1発光部Z1及び第2発光部Z2の周囲には、第1発光部Z1及び第2発光部Z2とは異なる第3発光部Z3が形成される。詳しくは、第2案内部752Bの下面には、凹凸面758が設けられているため、凹凸面758により光が多方向に拡散され、第3発光部Z3が略均一に発光される。このように、第3LED743A,743Bにより第3発光部Z3が発光することで、上流側誘導通路722の空間が明るくなる。
尚、図10〜図12では、説明の便宜上、第1発光部Z1、第2発光部Z2、第3発光部Z3において主に発光する部分のみを一点鎖線により囲うように図示しているが、その周囲の部分も発光している。
次に、第1LED741、第2LED742、第3LED743A,743B及びガラス扉枠50に設けられる演出用LED9(第3発光部)と、を用いた発光演出の形態について、図13〜図15に基づいて説明する。図13は、遊技状態別の各LEDの発光態様の一例を示す図である。図14は、(A)は非大当り遊技状態の発光演出を示す概略図、(B)は大当り遊技状態の発光演出を示す概略図である。図15は、(A)は各LEDが消灯時に第1カウントスイッチを介して正面側から奥側を覗き込んだ斜視図、(B)は各LEDが点灯時に第1カウントスイッチを介して正面側から奥側を覗き込んだ斜視図、(C)は(B)の状態のときに遊技球が通過する様子を示す斜視図である。
図13に示すように、パチンコ遊技機1が通常遊技状態のときの発光演出にあっては、第1LED741、第2LED742、第3LED743A,743B、及び演出用LED9が、青、緑、赤のいずれかで単色発光する第1発光態様となる。また、パチンコ遊技機1が確変状態のときの発光演出にあっては、第1LED741、第2LED742、第3LED743A,743B、及び演出用LED9が、赤、橙、黄、青、藍、紫の順で所定時間ごとに単色発光が繰り返される第2発光態様(所謂、レインボー)となる。すなわち、パチンコ遊技機1が非大当り遊技状態(通常遊技状態や確変状態などの第2状態)の発光演出において、第1LED741及び第2LED742(第1発光部Z1及び第2発光部Z2)は、第1LED741及び第2LED742の周辺に設けられる第3LED743A,743B(第3発光部Z3)及び演出用LED9(第3発光部)と発光色が共通する態様で発光する。また、本実施例では、パチンコ遊技機1が通常遊技状態のときの発光演出において、第1LED741及び第2LED742(第1発光部Z1及び第2発光部Z2)は、第1LED741及び第2LED742の周辺に設けられる第3LED743A,743B(第3発光部Z3)及び演出用LED9(第3発光部)と発光動作(点灯タイミング)も共通する態様で発光する。つまり、パチンコ遊技機1が非大当り遊技状態の発光演出にあっては、発光演出期間のいずれのタイミングにおいて、第1LED741、第2LED742、第3LED743A,743B、及び演出用LED9が同一色で単色発光され、図14(A)に示すように、各LEDが同じ輝度で発光されることとなる。
また、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態(第2状態)のときの発光演出にあっては、第1LED741及び第2LED742が赤(R)・緑(G)・青(B)を混色して白色発光する第3発光態様となり、第3LED743A,743B、及び演出用LED9は第2発光態様となる。すなわち、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態の発光演出において、第1LED741及び第2LED742(第1発光部Z1及び第2発光部Z2)は、第1LED741及び第2LED742の周辺に設けられる第3LED743A,743B(第3発光部Z3)及び演出用LED9(第3発光部)と異なる(共通しない)態様で発光するため、第1発光部Z1及び第2発光部Z2が目立ちやすくなる。また、本実施例では、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態のときの発光演出において、第1LED741及び第2LED742(第1発光部Z1及び第2発光部Z2)は、第1LED741及び第2LED742の周辺に設けられる第3LED743A,743B(第3発光部Z3)及び演出用LED9(第3発光部)と発光動作も共通しない態様で発光する。したがって、第1発光部Z1及び第2発光部Z2がより目立ちやすくなる。
尚、本実施例では、第1発光部Z1及び第2発光部Z2が、パチンコ遊技機1が通常遊技状態のときに第3発光部Z3(演出用LED9を含む)と発光色及び発光動作が共通し、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態のときに第3発光部Z3(演出用LED9を含む)と発光色及び発光動作が共通しない形態を例示したが、パチンコ遊技機1が通常遊技状態と大当り遊技状態とで発光態様が変化すればよく、例えば、パチンコ遊技機1が通常遊技状態のときに第1発光部Z1及び第2発光部Z2の発光色または発光動作のうち一方が第3発光部Z3(演出用LED9を含む)と共通しなくてもよいし、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態のときに、第1発光部Z1及び第2発光部Z2が発光色または発光動作のうち一方が第3発光部Z3(演出用LED9を含む)と共通してもよい。
図14(B)に示すように、第1LED741及び第2LED742の第3発光態様は、各LEDの第1発光態様及び第2発光態様に比べて高い輝度となっている。したがって、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態のときの発光演出にあっては、第1発光部Z1と第2発光部Z2とが、第3発光部Z3や演出用LED9に比べて強調されるため、第1カウントスイッチ23の上流側の通路(上流側誘導通路722)や第1カウントスイッチ23の下流側の通路(下流側誘導通路721)を流下する遊技球Pに注目させることができる。
本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、第1カウントスイッチ23の前方に上流側誘導通路722が設けられ、第1カウントスイッチ23の後方に下流側誘導通路721が設けられ、下流側誘導通路721の下流側において、遊技球P(遊技球P2)が第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bのいずれかに進入する構造となっているため、図15(A)に示すように、第1LED741及び第2LED742が消灯すると、第1カウントスイッチ23よりも奥側の部分(下流側誘導通路721及び下流側誘導通路721にある第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B、表示部733等)が正面側に比べて暗くなり、遊技者側から視認し難くなっている。詳しくは、第1カウントスイッチ23は、遊技盤2の背面近傍に配設されており、第1カウントスイッチ23の前方側が外光(遊技店内の照明等)により明るくなっているが、第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bは、遊技盤2から背面側に離間した位置に配置されているため、外光が入光し難く、暗くなっており、遊技者側から視認し難い。
図15(B)に示すように、第1LED741及び第2LED742が第3発光態様で発光すると、下流側誘導通路721及び上流側誘導通路722が明るくなり、第1LED741及び第2LED742の消灯時に比べて下流側誘導通路721や表示部733等が遊技者側から視認し易くなり、遊技者が第3カウントスイッチ24Bの位置を把握し易くなる。また、図15(C)に示すように、第1LED741及び第2LED742が第3発光態様で発光した状態において、遊技球Pが第1LED741及び第2LED742の光に照らされることで、第1カウントスイッチ23を通過した遊技球Pの行方を把握し易くなる(例えば、遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bに進入するか否かを把握し易くなる)。
また、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24Bは、第1カウントスイッチ23の背面側下方(真後ろでない位置)に左右に並んで配置されている。また、第1発光部Z1は遊技盤2の前側に配置され、第2発光部Z2は遊技盤2の後側に配置されている。つまり、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B、及び第2発光部Z2は、第1カウントスイッチ23の孔を介してまたは透光性を有するベース部材750や前カバー部材752を通して遊技者から視認可能であるものの、第1カウントスイッチ23、上流側誘導通路722、第1発光部Z1に比べて視認し難くなっている。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技球の通過を検出可能な検出手段としての第1カウントスイッチ23と、発光可能な第1発光部Z1と第2発光部Z2とを含む複数の発光部と、を備え、第1カウントスイッチ23は、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に位置するように設けられる。
このようにすることで、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に挟まれて第1カウントスイッチ23が設けられるので、第1カウントスイッチ23の周辺を流下する遊技球を第1発光部Z1と第2発光部Z2との光により演出できるため、演出効果を高めることができる。
また、第1発光部Z1は第1カウントスイッチ23の上流側に設けられ、第2発光部Z2は第1カウントスイッチ23の下流側に設けられているため、第1カウントスイッチ23の上流側や下流側を流下する遊技球に注目させることができ、演出効果を高めることができる。
また、図10に示すように、第1カウントスイッチ23に遊技球P1を誘導する上流側誘導通路722を流下する遊技球を照射可能に第1発光部Z1が設けられ、第1カウントスイッチ23を通過後の遊技球P2を第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bに誘導する下流側誘導通路721を流下する遊技球を照射可能に第2発光部Z2が設けられている。すなわち、第1カウントスイッチ23を挟んで配置される上流側誘導通路722と下流側誘導通路721とにより構成される一の経路を流下する遊技球を照射可能に第1発光部Z1及び第2発光部Z2が設けられる構造であるため、第1発光部Z1は、第1カウントスイッチ23を通過する前の遊技球P1を光により演出可能であり、第2発光部Z2は、第1カウントスイッチ23を通過した後の遊技球P2を光により演出可能であり、第1カウントスイッチ23を通過する遊技球の一連の流れに注目させることができる。
また、第1カウントスイッチ23により遊技球が検出されにくい第1状態と第1カウントスイッチ23により遊技球が検出されやすい第2状態とに制御可能であって、前記複数の発光部は、第1発光部Z1及び第2発光部Z2の周辺に設けられる第3発光部(第3発光部Z3、演出用LED9)を含み、第1発光部Z1及び第2発光部Z2は、第1状態において前記第3発光部と共通の態様により発光可能であり、第2状態において前記第3発光部とは異なる態様により発光可能である。このようにすることにより、第2状態において第1カウントスイッチ23の上流側や下流側を流下する遊技球に好適に注目させることができる。
具体的には、パチンコ遊技機1が非大当り遊技状態(通常遊技状態や確変状態等の第1状態)である場合、第1LED741及び第2LED742(第1発光部Z1及び第2発光部Z2)が第3LED743A,743B(第3発光部Z3)及び演出用LED9(第3発光部)と共通の態様で発光する演出が可能である一方で、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態(第2状態)である場合においては、第1LED741及び第2LED742(第1発光部Z1及び第2発光部Z2)は、第3LED743A,743B(第3発光部Z3)及び演出用LED9(第3発光部)と異なる態様で発光するため、パチンコ遊技機1が非大当り遊技状態である場合に比べ、第1発光部Z1及び第2発光部Z2が目立ちやすくなる。
したがって、大当り遊技状態において大入賞口702が開放した場合に、第1カウントスイッチ23の周辺を流下する遊技球Pに好適に注目させる、つまり、大入賞口702に多数の遊技球Pが入賞していることを好適に演出することができる。また、大当り遊技状態における特に第10ラウンドや第15ラウンドにおいて、第1カウントスイッチ23を通過した遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bを通過するか否かを好適に演出することができるため、確変状態への遊技者の期待感を高めることができる。さらに、例えば、遊技者に対して第1カウントスイッチ23を狙うように報知、すなわち、遊技者にとって有利な第2状態(大入賞口702が開放状態)であることを報知することも可能となる。
また、第1発光部Z1及び第2発光部Z2は、それぞれの光源(第1LED741、第2LED742)が異なるため、第1発光部Z1と第2発光部Z2とを異なる態様で発光可能となっている。このようにすることで、例えば、第1カウントスイッチ23の手前側の第1発光部Z1と奥側の第2発光部Z2とを異なる発光態様で発光演出できるため、第1カウントスイッチ23の周辺を流下する遊技球Pへの演出効果が向上する。尚、発光態様とは、上記のような発光色や、輝度、点灯態様(点灯、点滅、消灯、点灯パターンなど)等を含む。
また、前述のように、第1カウントスイッチ23を挟んで配置される上流側誘導通路722と下流側誘導通路721とにより構成される一の経路を流下する遊技球Pを照射可能に第1発光部Z1及び第2発光部Z2が設けられる構造であることから、一の経路上を流れる遊技球Pの動きに合わせた演出を行うことが可能となる。例えば、大当り(第2状態)であるときの大当り中演出において、遊技球Pが第1カウントスイッチ23を通過する前は、第1発光部Z1と第2発光部Z2とを所定の色(例えば、白色)で発光させておき、遊技球Pが第1カウントスイッチ23を通過したときに第1発光部Z1を第1特定色(例えば、青色)に発光させ、遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bを通過したときに第2発光部Z2を第2特定色(例えば、赤色など)に発光させることで、一の経路上を流れる遊技球Pの動きに合わせた演出を行うことができる。
また、第1カウントスイッチ23は、遊技者側(正面側)から視認可能に設けられている。具体的には、第1カウントスイッチ23は、透光性を有する前カバー部材752の前壁部759とベース部材750の貫通孔750aを介して正面側から視認可能に設けられている。このようにすることで、第1カウントスイッチ23に遊技球Pが入る状況を遊技者が確認できるため、第1カウントスイッチ23の周辺を流下する遊技球Pに注目させることができる。
また、第1カウントスイッチ23と第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bとの間に配設される下流側誘導通路721は、透光性を有する前カバー部材752の前壁部759とベース部材750の貫通孔750aを介して正面側から視認可能となっているため、第1カウントスイッチ23を通過した後の遊技球Pも遊技者から確認でき、第3カウントスイッチ24Bを通過するか否か(遊技者にとって有利な確変状態に制御されるか否か)に注目させることができる。
また、第1発光部Z1及び第2発光部Z2は、第2状態において第1状態よりも高い輝度で発光可能であるため、第2状態において第1カウントスイッチ23の上流側や下流側の遊技球に好適に注目させることができる。具体的には、第1LED741及び第2LED742の第3発光態様(白色発光)は、周辺に設けられる第3LED743A,743B(第3発光部Z3)及び演出用LED9(第3発光部)の第1発光態様や第2発光態様(単色発光)に比べ輝度が高いため、下流側誘導通路721及び上流側誘導通路722を明るくして目立たせることができる。
また、第1発光部Z1は、第1カウントスイッチ23の前方に設けられ、第2発光部Z2は、第1カウントスイッチ23の後方に設けられている。下流側誘導通路721は、第1カウントスイッチ23の後方に延びて形成されているため、正面側に比べて暗くなり遊技者から視認しにくくなっているが、第2発光部Z2が発光することにより下流側誘導通路721や表示部733等が遊技者から視認しやすくなる。したがって、下流側誘導通路721を流下する遊技球Pに注目させることができる。
また、第2発光部Z2が発光することで下流側誘導通路721の奥側の表示部733も遊技者から視認しやすくなることから、第3カウントスイッチ24Bの位置を把握し易くなるため、遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bを通過するか否か(遊技者にとって有利な確変状態に制御されるか否か)に注目させることができる。
また、第1発光部Z1及び第2発光部Z2は、少なくとも一部が遊技者(前方側)側から見て前後に重畳するように設けられている。これによれば、第1発光部Z1及び第2発光部Z2を同じタイミングにおいて異なる発光色で発光させることで、第1発光部Z1と第2発光部Z2とが重畳する領域の色を変化させる演出を行うことができる。例えば、第1発光部Z1を青色で発光させ、第2発光部Z2を赤色で発光させることにより第1発光部Z1と第2発光部Z2とが重畳する領域を遊技者から見て紫色に発光させることができる。これによれば、2つの第1発光部Z1と第2発光部Z2とを用いて第1カウントスイッチ23の周辺を3色以上で演出することができる。
また、第1カウントスイッチ23は、大入賞口702に流入した遊技球Pを検出する検出手段であり、該第1カウントスイッチ23に遊技球Pが検出されると、他の入賞口を遊技球Pが通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるため、第1カウントスイッチ23の周辺を流下する遊技球Pに注目させることができ、且つその遊技球Pを第1発光部Z1と第2発光部Z2との光により演出できるため、演出効果が高まる。
また、遊技球Pが通過可能な所定領域としての第1カウントスイッチ23と、発光手段としての第1LED741と、第1カウントスイッチ23に遊技球Pを案内する案内部としての第1案内部752Aと、第1案内部752Aを補強するためのリブ761と、を備え、リブ761は、透光性を有し、第1LED741から発せられた光がリブ761により拡散するように設けられるため、効果的に発光を行うことができる。また、第1案内部752Aと第2案内部752Bとの外面(案内面の反対側の面)にかけてリブ状の複数の凹凸から構成される凹凸面758が形成されているため、凹凸面758により光が多方向に拡散され、第1発光部Z1及び第3発光部Z3が効果的に発光される。
また、第1発光部Z1は、第1カウントスイッチ23を通過可能に誘導される遊技球P1を発光可能に設けられ、第2発光部Z2は、第1カウントスイッチ23を通過した後の遊技球P2を発光可能に設けられるため、遊技球Pが第1カウントスイッチ23を通過する状況を好適に演出することができる。具体的には、第1カウントスイッチ23に検出される前の遊技球P1(上流側誘導通路722を流下する遊技球P1)を第1発光部Z1により照らして目立たせることができるとともに、第1カウントスイッチ23に検出された後、第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bのいずれかに流入する遊技球P2(下流側誘導通路721を流下する遊技球P2)を第2発光部Z2により照らして目立たせることができる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技球Pの通過を検出可能な第1検出手段としての第1カウントスイッチ23と第2検出手段としての第3カウントスイッチ24Bとを含む複数の検出手段と、発光可能な発光部としての第2発光部Z2と、を備え、第2発光部Z2は、第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bとの間に位置するように設けられる。
このようにすることで、第1カウントスイッチ23と、第3カウントスイッチ24Bと、の間に挟まれて第2発光部Z2が設けられるので、第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bとの間を流下する遊技球Pを光により演出できるため、演出効果を高めることができる。また、1つの第2発光部Z2で第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bとの間を流下する遊技球Pを目立たせることができるので、コストを抑えつつ効果的に演出効果を高めることができる。
また、第1カウントスイッチ23を通過した遊技球Pは、第3カウントスイッチ24Bを通過可能に設けられている。具体的には、第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bとの間には、第1カウントスイッチ23を通過後の遊技球P1を第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bに誘導する下流側誘導通路721が設けられており、該下流側誘導通路721に第2発光部Z2が設けられている。これによれば、下流側誘導通路721を流下する遊技球P2を第2発光部Z2の光により演出できるため、第1カウントスイッチ23から第3カウントスイッチ24B(または第2カウントスイッチ24A)まで流下する遊技球Pの動きに注目させることができる。
また、第1カウントスイッチ23及び第3カウントスイッチ24Bにより遊技球Pが検出されにくい第1状態(例えば、非大当り遊技状態)と第1カウントスイッチ23及び第3カウントスイッチ24Bにより遊技球Pが検出されやすい第2状態(例えば、大当り遊技状態)とに制御可能であって、第2発光部Z2の周辺に設けられる所定発光部(第3発光部Z3、演出用LED9)を含み、第2発光部Z2は、第1状態において前記所定発光部と共通の態様により発光可能であり、第2状態において所定発光部とは異なる態様により発光可能である。このようにすることで、第2状態において第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bとの間を流下する遊技球Pに好適に注目させることができる。
具体的には、パチンコ遊技機1が非大当り遊技状態(通常遊技状態や確変状態等の第1状態)である場合、第2LED742(発光部)が該第2LED742の周辺に設けられる第3LED743A,743B及び演出用LED9(所定発光部)と共通の態様で発光する一方で、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態(第2状態)である場合においては、第2LED742は、第2LED742の周辺に設けられる第3LED743A,743B及び演出用LED9と異なる態様で発光するため、パチンコ遊技機1が非大当り遊技状態である場合に比べ、第2発光部Z2が目立ちやすくなる。
したがって、大当り遊技状態において大入賞口702が開放した場合に、第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bの間を流下する遊技球Pに好適に注目させる、つまり、大入賞口702に多数の遊技球Pが入賞していることを好適に演出することができる。また、大当り遊技状態における特に第10ラウンドや第15ラウンドにおいて、第1カウントスイッチ23を通過した遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bを通過するか否かを好適に演出することができるため、確変状態への遊技者の期待感を高めることができる。さらに、例えば、遊技者に対して第1カウントスイッチ23を狙うように報知、すなわち、遊技者にとって有利な第2状態(大入賞口702が開放状態)であることを報知することも可能となる。
また、第1カウントスイッチ23及び第3カウントスイッチ24B(第2カウントスイッチ24A)は、遊技者(正面側)側から視認可能に設けられている。具体的には、第1カウントスイッチ23は、透光性を有する前カバー部材752の前壁部759とベース部材750の貫通孔750aを介して正面側から視認可能に設けられている。第3カウントスイッチ24B(第2カウントスイッチ24A)は、ベース部材750の貫通孔750a及び第1カウントスイッチ23を覗きこむことで正面側から視認可能に設けられている。このようにすることで、第1カウントスイッチ23を通過した遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bを通過するか否か(遊技者にとって有利な確変状態に制御されるか否か)に注目させることができる。
また、第2発光部Z2は、第2状態において第1状態よりも高い輝度で発光可能であるため、第2状態において第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bとの間を流下する遊技球Pに好適に注目させることができる。具体的には、第2LED742の第3発光態様(白色発光)は、周辺に設けられる第3LED743A,743B及び演出用LED9の第1発光態様や第2発光態様(単色発光)に比べ輝度が高いため、下流側誘導通路721を明るくして目立たせることができる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、複数の検出手段のうちいずれの検出手段を遊技球Pが通過したかに応じて、異なる発光態様で第2発光部Z2を発光させることができるため、演出効果を高めることができる。例えば、第2発光部Z2は、遊技球Pが第1カウントスイッチ23を通過したときに白色に発光し、第2カウントスイッチ24Aを通過したときに青色に発光し、第3カウントスイッチ24Bを通過したときに赤色に発光する演出などを行うことができる。このようにすることで、遊技球Pがいずれの検出手段を通過したかをわかりやすくすることができる。尚、発光態様とは、上記のような発光色や、輝度、点灯態様(点灯、点滅、消灯、点灯パターンなど)等を含む。
また、第1カウントスイッチ23は、第2発光部Z2の前方に設けられ、第3カウントスイッチ24Bは、第2発光部Z2の後方に設けられている。下流側誘導通路721は、第1カウントスイッチ23の後方に延びて形成されているため、正面側に比べて暗くなり遊技者から視認しにくくなっているが、第2発光部Z2が発光することにより下流側誘導通路721や表示部733等が遊技者から視認しやすくなる。したがって、下流側誘導通路721を流下する遊技球Pに注目させることができる。
また、第2発光部Z2が発光することで下流側誘導通路721の奥側の表示部733も遊技者から視認しやすくなることから、第3カウントスイッチ24Bの位置を把握し易くなるため、遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bを通過するか否か(遊技者にとって有利な確変状態に制御されるか否か)に注目させることができる。
また、第2発光部Z2との間に第1カウントスイッチ23が位置するように設けられる特定発光部としての第1発光部Z1を備える。これによれば、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に挟まれて第1カウントスイッチ23が設けられるので、第1カウントスイッチ23の周辺を流下する遊技球Pに注目させることができ、演出効果を高めることができる。
また、図10に示すように、第1カウントスイッチ23に遊技球P1を誘導する上流側誘導通路722に第1発光部Z1が設けられ、第1カウントスイッチ23を通過後の遊技球P2を第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bに誘導する下流側誘導通路721に第2発光部Z2が設けられている。すなわち、第1カウントスイッチ23を挟んで配置される上流側誘導通路722と下流側誘導通路721とにより構成される一の経路を流下する遊技球Pを照射可能に第1発光部Z1及び第2発光部Z2が設けられる構造であるため、第1発光部Z1は、第1カウントスイッチ23を通過する前の遊技球P1を光により演出可能であり、第2発光部Z2は、第1カウントスイッチ23を通過した後の遊技球P2を光により演出可能であり、第1カウントスイッチ23を通過する遊技球Pの一連の流れに注目させることができる。
また、第1発光部Z1及び第2発光部Z2は、少なくとも一部が遊技者(前方側)から見て前後に重畳するように設けられている。これによれば、第1発光部Z1及び第2発光部Z2を同じタイミングにおいて異なる発光色で発光させることで、第1発光部Z1と第2発光部Z2とが重畳する領域の色を変化させる演出を行うことができる。例えば、第1発光部Z1を青色で発光させ、第2発光部Z2を赤色で発光させることにより第1発光部Z1と第2発光部Z2とが重畳する領域を紫色に発光させることができる。これによれば、2つの第1発光部Z1と第2発光部Z2とを用いて第1カウントスイッチ23の周辺を3色以上で演出することができる。
また、第1カウントスイッチ23は、大入賞口702に流入した遊技球Pを検出する検出手段であり、該第1カウントスイッチ23に遊技球Pが検出されると、他の入賞口を遊技球Pが通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるため、第1カウントスイッチ23の周辺を流下する遊技球Pに注目させることができ、且つその遊技球Pを第1発光部Z1と第2発光部Z2との光により演出できるため、演出効果が高まる。
また、遊技球Pが通過可能な所定領域としての第1カウントスイッチ23と、発光手段としての第1LED741と、第1カウントスイッチ23に遊技球Pを案内する案内部としての第1案内部752Aと、第1案内部752Aを補強するためのリブ761と、を備え、リブ761は、透光性を有し、第1LED741から発せられた光がリブ761により拡散するように設けられるため、効果的に発光を行うことができる。また、第1案内部752Aと第2案内部752Bとの外面(案内面の反対側の面)にかけてリブ状の複数の凹凸から構成される凹凸面758が形成されているため、凹凸面758により光が多方向に拡散され、第1発光部Z1及び第3発光部Z3が効果的に発光される。
また、本実施例では、大入賞口702に進入した遊技球Pが通過可能な第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bは、第1カウントスイッチ23の後方に第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bが配置され、また、第1発光部Z1は第1カウントスイッチ23を通過可能に誘導される遊技球P1を発光可能に設けられ、第2発光部Z2は第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bを通過可能に誘導される遊技球P2を発光可能に設けられている。
つまり、第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bは、遊技者側から視て第1カウントスイッチ23が設けられる遊技盤2の奥側の暗い場所にあるため、第1カウントスイッチ23を通過した遊技球Pが第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bのいずれを通過するかを遊技者が視認し難い構成であるが故に、第2発光部Z2からの光により第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bに誘導される遊技球Pを好適に目立たせることができ、これにより遊技者は遊技球Pが第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bのいずれを通過したかを認識しやすくなるので、不信感を与えることを回避できる。
加えて、第1カウントスイッチ23の上流側に第1発光部Z1が設けられることで、遊技球Pが第1カウントスイッチ23を通過する前から通過した後まで光により好適に目立たせることができる。
さらに、第1発光部Z1及び第2発光部Z2は、その周辺に位置する第3発光部とは光源が異なり、これにより演出制御用CPU120は第1発光部Z1及び第2発光部Z2と第3発光部とを異なる態様にて発光させることができるため、第2カウントスイッチ24Aや第3カウントスイッチ24Bを遊技球Pが通過されやすい大当り遊技状態などにおいて、第1カウントスイッチ23付近をその周囲よりも目立つような態様で発光させることが可能となるため、遊技球Pが第2カウントスイッチ24Aまたは第3カウントスイッチ24Bのいずれを通過するかにより注目させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、第1発光部としての第1発光部Z1と第2発光部としての第2発光部Z2とが前後方向に配置された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1発光部と第2発光部とは、例えば、上下方向や左右方向あるいは斜め前後方向、斜め左右方向、斜め上下方向など任意の関係で配置されていてもよい。
また、前記実施例では、第1検出手段としての第1カウントスイッチ23と第2検出手段としての第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bとを前後方向に配置した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1検出手段と第2検出手段とは、例えば、上下方向や左右方向あるいは斜め前後方向、斜め左右方向、斜め上下方向など任意の関係で配置してもよい。
また、前記実施例では、検出手段としての第1カウントスイッチ23を挟む第1発光部としての第1発光部Z1及び第2発光部としての第2発光部Z2と、第1検出手段としての第1カウントスイッチ23と第2検出手段としての第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bとの間に位置するように設けられる発光部としての第2発光部Z2とについて、各々の発光部を一ずつ設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各々の発光部が複数の発光部から構成されていてもよい。
ここで、第1検出手段と第2検出手段及び第1発光部と第2発光部の配置位置関係の他の一例を図16に基づいて説明する。図16は、本発明の変形例1としての第1検出手段と第2検出手段及び第1発光部と第2発光部の配置位置関係を示す正面から見た概略図である。
図16に示すように、本変形例1において、第1検出手段としての第1カウントスイッチ23と第2検出手段としての第3カウントスイッチ24Bとは上下に離間して配置されている。詳しくは、第1カウントスイッチ23は、大入賞口に進入した遊技球Pが通過可能な位置に設けられ、第3カウントスイッチ24Bは、第1カウントスイッチ23の下方位置であって該第1カウントスイッチ23を通過した遊技球Pが通過可能な位置に設けられている。つまり、第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bとは、鉛直下方向に流下する遊技球Pが通過可能に設けられている。
また、第1カウントスイッチ23の上方には、上下方向に設けられる複数(例えば、3つ)の発光部1741A,1741B,1741Cからなる第1発光部Z11が設けられ、第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bとの間には、上下方向に設けられる複数(例えば、3つ)の発光部1742A,1742B,1742Cからなる第2発光部Z12が設けられ、第3カウントスイッチ24Bの下方には、上下方向に設けられる複数(例えば、3つ)の発光部1743A,1743B,1743Cからなる第3発光部Z13が設けられている。
詳しくは、発光部1741A,1741B,1741Cは、第1カウントスイッチ23を通過可能に誘導される遊技球Pを演出可能に設けられ、発光部1742A,1742B,1742Cは、第1カウントスイッチ23を通過し、かつ、第3カウントスイッチ24Bを通過可能に誘導される遊技球Pを演出可能に設けられ、発光部1743A,1743B,1743Cは、第3カウントスイッチ24Bを通過した遊技球Pを演出可能に設けられている。
このように、第1カウントスイッチ23の上流側に第1発光部Z11が設けられ、第1カウントスイッチ23の下流側に第2発光部Z12が設けられることで、第1カウントスイッチ23を通過可能に誘導される遊技球Pを第1発光部Z11の各発光部からの光により演出することができ、また、第1カウントスイッチ23を通過した遊技球Pを第2発光部Z12の各発光部からの光により演出することができる。また、第3カウントスイッチ24Bの上流側に第2発光部Z12が設けられ、第3カウントスイッチ24Bの下流側に第3発光部Z13が設けられることで、第3カウントスイッチ24Bを通過可能に誘導される遊技球Pを第2発光部Z12の各発光部からの光により演出することができ、また、第3カウントスイッチ24Bを通過した遊技球Pを第3発光部Z13の各発光部からの光により照らすことができる。
また、第1カウントスイッチ23と第3カウントスイッチ24Bとの間に第2発光部Z12が設けられることで、第1カウントスイッチ23を通過し、かつ、第3カウントスイッチ24Bを通過可能に誘導される遊技球Pを第2発光部Z12の各発光部からの光により照らすことができる。
尚、第1カウントスイッチ23を基準とした場合、該第1カウントスイッチ23の上下に設けられる第1発光部Z11と第2発光部Z12とは本発明の第1発光部と第2発光部となり、第3カウントスイッチ24Bを基準とした場合、該第3カウントスイッチ24Bの上下に設けられる第2発光部Z12と第3発光部Z13とは本発明の第1発光部と第2発光部となる。つまり、本発明の発光部は、第1発光部Z11、第2発光部Z12及び第3発光部Z13のように複数の発光部から構成されていてもよい。
また、本変形例1のように、上方から下方に向けて第1発光部Z11、第1カウントスイッチ23、第2発光部Z12、第3カウントスイッチ24B、第3発光部Z13のように発光部と検出手段とを交互に配置することで、例えば、演出制御用CPU120は、第1発光部Z11の発光部1741Aから第3発光部Z13の発光部1743Cにかけて発光部1741A,1741B,1741C、1742A,1742B,1742C、1743A,1743B,1743Cを上から下に向けて順に点灯させる制御を行うことにより、遊技者に対し、遊技球Pが第1カウントスイッチ23及び第3カウントスイッチ24Bを通過(進入)するように狙って右打ち操作することを促す報知演出等を行うことができる。
また、上記第1カウントスイッチ23をゲートスイッチ21、第3カウントスイッチ24Bを第2始動口スイッチ22Bとし、右側遊技領域に上方から下方に向けて第1発光部、第1検出手段、第2発光部、第2検出手段、第3発光部の順に発光部と検出手段とを交互に配置した場合、例えば、大当り遊技状態が終了して確変制御や時短制御が開始されるときに、第1発光部、第2発光部、第3発光部を上方から下方に向けて順に発光させる制御を行うことにより、遊技者に対し、遊技球Pがゲートスイッチ21及び第2始動口スイッチ22Bを通過(進入)するように狙って右打ち操作することを促す報知演出等を行うことも可能となる。
また、各発光部を複数の発光部にて構成することで、遊技球の流下経路に沿うように複数の発光部を並べて配置することが可能となるため、第1カウントスイッチ23及び第3カウントスイッチ24Bを通過(進入)する遊技球Pに好適に注目させることができる。
また、発光部1741A,1741B,1741C、1742A,1742B,1742C、1743A,1743B,1743Cの発光制御として、例えば、第1カウントスイッチ23や第3カウントスイッチ24Bによって遊技球Pが検出されたことに応じて、各々の上流側にある第1発光部Z11や第2発光部Z12の各発光部を順に点灯させることで、遊技球Pの軌跡を追って光が移動するような演出を可能としたり、第1カウントスイッチ23や第3カウントスイッチ24Bによって遊技球Pが検出されたことに応じて、各々の下流側にある第2発光部Z12や第3発光部Z13の各発光部を点灯させることで、検出手段を通過した遊技球Pを目立たせる演出を可能としたり、第1カウントスイッチ23や第3カウントスイッチ24Bによって遊技球Pが検出されたことに応じて、各々の上流側及び下流側にある第1発光部Z11や第2発光部Z12や第3発光部Z13の各発光部を点灯させることで、検出手段を通過した遊技球Pを目立たせる演出を可能としたり、あるいは、第1カウントスイッチ23や第3カウントスイッチ24Bによる遊技球Pの検出によらず、第1発光部Z11、第2発光部Z12及び第3発光部Z13の各発光部を点灯させることで、検出手段に誘導される遊技球Pや検出手段を通過した遊技球Pを目立たせる演出を可能とすることができる。
また、本変形例1では、第1発光部Z11、第2発光部Z12及び第3発光部Z13の各発光部を、遊技球Pの流下方向に沿って上下方向に直線状に配置した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各発光部を、遊技球Pの流下方向が左右に蛇行する場合等であれば、該流路に沿うように左右に蛇行して配置することも可能となる。
また、前記実施例及び前記変形例1では、検出手段は、パチンコ遊技機1を正面から見た場合に、第1発光部と第2発光部との間に位置するように設けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、正面以外(例えば、左右側面、平面、底面、背面)から見た場合に検出手段が第1発光部と第2発光部との間に位置するように設けられていてもよい。
また、前記実施例及び前記変形例1では、発光部は、パチンコ遊技機1を正面から見た場合に、第1検出手段と第2検出手段との間に位置するように設けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、正面以外(例えば、左右側面、平面、底面、背面)から見た場合に、発光部が第1検出手段と第2検出手段との間に位置するように設けられていてもよい。
ここで、第1検出手段と第2検出手段、第1発光部と第2発光部の配置位置関係の他の一例を図17(A)〜(C)に基づいて説明する。図17は、(A)〜(C)は本発明の変形例2としての第1検出手段と第2検出手段、第1発光部と第2発光部の配置位置関係を示す正面・平面・側面から見た概略図である。
図17(A)〜(C)に示すように、本変形例2において、第1検出手段としての第1検出手段223と第2検出手段としての第2検出手段224とは、パチンコ遊技機1を正面から見た場合に、上下方向に離間し、平面から見た場合に、前後方向に離間し、左右方向においては同一直線上に位置している。詳しくは、第1検出手段223は、大入賞口に進入した遊技球が通過可能な位置に設けられ、第2検出手段224は、特に側面から見た場合に、第1検出手段223の後下方位置であって、該第1検出手段223を通過した遊技球が流下経路R1に沿って移動することにより、第2検出手段224に進入可能な位置に設けられている。
次に、第2検出手段224を基準とした場合に第1発光部としての第1発光部Z21と第2発光部としての第2発光部Z22の第1検出手段223と第2検出手段224に対する配置位置関係について、図17(A)〜(C)を個別に示して説明する。尚、図17(A)〜(C)において、第1発光部Z21及び第2発光部Z22から延びる矢印については、流下経路R1を照射する光の照射方向を示している。
図17(A)に示すように、第1発光部Z21及び第2発光部Z22は、正面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1検出手段223と第2検出手段224との間に第1発光部Z21が位置し、第2検出手段224の下方に第2発光部Z22が位置している。また、正面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に第2検出手段224が位置している。また、第1発光部Z21及び第2発光部Z22は、平面及び側面から見た場合に、第1検出手段223と第2検出手段224との後方に位置し、流下経路R1から離れている。
また、正面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1検出手段223と第2検出手段224との間には、第1発光部Z21が位置していることから、第1検出手段223を通過し、かつ、第2検出手段224を通過可能に誘導される遊技球を第1発光部Z21からの光により照らすことができる。また、正面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に第2検出手段224が位置していることから、第1検出手段223を通過し、かつ、第2検出手段224を通過可能に誘導される遊技球を第1発光部Z21からの光により照らすことができ、また、第2検出手段224を通過した遊技球を第2発光部Z22からの光により照らすことができる。このことから、遊技者が遊技盤2を見た場合に、流下経路R1に沿って移動する遊技球が照らされて見えるため、演出効果を高めることができる。
図17(B)に示すように、第1発光部Z21及び第2発光部Z22は、平面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1検出手段223と第2検出手段224との間に第1発光部Z21が位置し、第2検出手段224の後方に第2発光部Z22が位置している。また、平面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に第2検出手段224が位置している。また、第1発光部Z21及び第2発光部Z22は、正面及び側面から見た場合に、第1発光部Z1は、第1検出手段223の上方に位置し、第2発光部Z2は、第2検出手段224の下方に位置し、流下経路R1から離れている。
また、平面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1検出手段223と第2検出手段224との間には、第1発光部Z21が位置していることから、第1検出手段223を通過し、かつ、第2検出手段224を通過可能に誘導される遊技球を第1発光部Z21からの光により照らすことができる。同様に、平面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に第2検出手段224が位置していることから、第1検出手段223を通過し、かつ、第2検出手段224を通過可能に誘導される遊技球を第1発光部Z21からの光により照らすことができ、また、第2検出手段224を通過した遊技球を第2発光部Z22からの光により照らすことができる。このことから、遊技者が遊技盤2を見た場合に、流下経路R1に沿って移動する遊技球が照らされて見えるため、演出効果を高めることができる。
図17(C)に示すように、第1発光部Z21及び第2発光部Z22は、側面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1検出手段223と第2検出手段224との間に第1発光部Z21が位置し、第2検出手段224の下方に第2発光部Z22が位置している。また、側面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に第2検出手段224が位置している。また、第1発光部Z21及び第2発光部Z22は、正面及び平面から見た場合に、第1発光部Z1は、第1検出手段223及び第2検出手段224の右方に位置し、第2発光部Z2は、第1検出手段223及び第2検出手段224の左方に位置し、流下経路R1からも離れている。
また、側面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1検出手段223と第2検出手段224との間には、第1発光部Z21が位置していることから、第1検出手段223を通過し、かつ、第2検出手段224を通過可能に誘導される遊技球を第1発光部Z21からの光により照らすことができる。また、側面から見た場合に、流下経路R1に沿って、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に第2検出手段224が位置していることから、第1検出手段223を通過し、かつ、第2検出手段224を通過可能に誘導される遊技球を第1発光部Z21からの光により照らすことができ、また、第2検出手段224を通過した遊技球を第2発光部Z22からの光により照らすことができる。このことから、遊技者が遊技盤2を見た場合に、流下経路R1に沿って移動する遊技球が照らされて見えるため、演出効果を高めることができる。
すなわち、本発明の発光部は、少なくとも一の方向(例えば、正面、左右側面、平面、底面、背面。3次元のXYZ軸方向における一の方向)から見た場合に、第1検出手段と第2検出手段との間に配置されていればよい。また、本発明の検出手段は、少なくとも一の方向(例えば、正面、左右側面、平面、底面、背面。3次元のXYZ軸方向における一の方向)から見た場合に、第1発光部と第2発光部との間に配置されていればよい。
さらには、本発明の発光部は、遊技者側から視認可能な範囲のうちの一の方向(視点)から見た場合に第1検出手段と第2検出手段との間に配置されていればよい。また、本発明の検出手段は、遊技者側から視認可能な範囲のうちの一の方向(視点)から見た場合に、第1発光部と第2発光部との間に配置されていればよい。
ここで、発光部が配置される第1検出手段と第2検出手段との「間」とは、一の視点から見て第1検出手段と第2検出手段との対応する一対の辺同士(前後一対の辺同士等)を直線的に繋ぐ一対の仮想線間の領域であり、任意の一の視点から見て形成される一対の仮想線間の領域内に発光部の少なくとも一部が配置されていればよい。尚、第1検出手段と第2検出手段との間を流下する遊技球を確実に演出するという観点から発光部は、第1検出手段と第2検出手段との間を繋ぐ遊技球の流下通路を構成する壁部に設けられることが好ましい。同様に、検出手段が配置される第1発光部と第2発光部との「間」とは、任意の一の視点から見て第1発光部と第2発光部とを直線的に繋ぐ仮想線上の領域であり、任意の一の視点から見て形成される前記仮想線上の領域に検出手段の少なくとも一部が配置されていればよい。
また、前記実施例では、検出手段として、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B(確変スイッチ)を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球の検出に基づいて大当り遊技状態に制御するための大当りスイッチ、第2カウントスイッチ24A等の入賞確認スイッチ、ゲートスイッチ21、遊技球の検出に基づいて大当り遊技状態を開始させるための作動スイッチ、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、一般入賞スイッチ30等の主基板11に接続される検出スイッチや、演出制御基板12に接続され演出に用いられる演出用スイッチ等も適用可能であり、実施例の第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24Bを含む上記複数のスイッチのうちいずれのスイッチを適用してもよい。次いで、これら各検出手段を組合せに応じた使用例について説明する。
例えば、第1検出手段をゲートスイッチ21とし、第2検出手段を第2始動入賞口スイッチとした場合、例えば、時短状態において、ゲートスイッチを通過(進入)する前後の遊技球に注目させることができるとともに、ゲートスイッチ21を通過した後に第2始動入賞口を通過可能に誘導される遊技球を目立たせることができるため、演出効果を高めることができる。
また、第1検出手段を作動スイッチとし、第2検出手段をカウントスイッチとした場合、作動スイッチを通過した後に開放された大入賞口を通過可能に誘導される遊技球を目立たせることができるため、演出効果を高めることができる。
また、第1検出手段を演出用スイッチとし、第2検出手段を第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B、大当りスイッチ、第2カウントスイッチ24A、ゲートスイッチ21、作動スイッチ、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、一般入賞スイッチ30のいずれかとした場合、第2検出手段を通過する前に演出用スイッチを遊技球が通過したことに基づいて、第2検出手段を遊技球が通過する可能性を示唆する演出等を実行可能となる。
また、前記実施例では、発光部は、LEDなどの光源からの光が直接出射される部分(孔など)であったり、前記実施例に記載したように、光源からの光が導光部材を介して間接的に出射される部分(透明な通路壁など)であったりしてもよい。また、発光部は、光源であるLED等の光が照射される進路上に光を反射する部材(ミラー等)を配置し、光を反射する部分であってもよい。
また、前記実施例では、第1検出手段としての第1カウントスイッチ23を通過した遊技球が第2検出手段としての第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24Bを通過可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1検出手段を通過した遊技球は必ずしも第2検出手段を通過可能でなくてもよいし、また、第2検出手段を通過可能な遊技球は必ずしも第1検出手段を通過した遊技球でなくてもよい。
つまり、第1検出手段と第2検出手段とは、必ずしも遊技領域10における遊技球の流下方向の異なる位置(上流側と下流側)に設けられるものではなく、例えば、流下方向の同位置に左右に並んで配置されていてもよい。
また、第1発光部Z1は、検出手段としての第1カウントスイッチ23を通過可能に誘導される遊技球を照射可能に設けられ、第2発光部Z2は、検出手段としての第1カウントスイッチ23を通過した遊技球を照射可能に設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1発光部Z1は、検出手段としての第1カウントスイッチ23を通過可能に誘導される遊技球以外の遊技球を照射可能に設けられていてもよい。また、第2発光部Z2は、検出手段としての第1カウントスイッチ23を通過した遊技球以外の遊技球を照射可能に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、第1検出手段としての第1カウントスイッチ23と第2検出手段としての第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bとは、遊技球の直径(例えば、11mm)よりも長い寸法分離間して配置した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1検出手段と第2検出手段とは、遊技球の直径以下の寸法分離間して配置してもよい。また、第1検出手段と第2検出手段とは、少なくとも双方が遊技領域10に配置されていれば離間寸法は任意である。また、検出手段としての第1カウントスイッチ23と第1発光部Z1及び第2発光部Z2とは、少なくとも双方が遊技領域10に配置されていれば離間寸法は任意である。
また、前記実施例では、第1検出手段としての第1カウントスイッチ23は遊技盤2に設けられ、第2検出手段としての第2カウントスイッチ24A及び第3カウントスイッチ24Bは遊技盤2の前面側に設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1検出手段や第2検出手段は遊技盤2の遊技盤2の前面側や背面側など任意の位置に設けてもよい。
また、前記実施例では、第1発光部Z1と第2発光部Z2とは、異なる光源(第1LED741と第2LED742)によりそれぞれ個別に発光可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1発光部Z1と第2発光部Z2とは共通の光源により発光するものであってもよい。また、発光手段はLED以外の発光手段(例えば、ELやランプなど)であってもよい。
また、前記実施例では、第1発光部Z1と第2発光部Z2とを下流側誘導通路721の底壁の一部に設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球が流下する経路を構成する壁部であれば、上壁、左右側壁など任意の位置に設けてもよい。
また、前記実施例では、第3発光部の一例として、遊技盤2の前面側に設けられる第3LED743A,743Bやガラス扉枠50に設けられる演出用LED9を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技盤2の背面側や遊技機用枠3等に設けられる発光部を含む。
次に、一般入賞口装置500B等の他の構成例について、図18(A),(B)に基づいて説明する。図18は、(A)は本発明の変形例3としての一般入賞口に遊技球Pが進入し流路を移動する態様を示す上面から見た部分断面図、(B)は本発明の変形例3としての一般入賞口に遊技球Pが進入し流路を移動する態様を示す側面から見た部分断面図である。
図18(A),(B)に示すように、遊技盤2は、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b(図1)等が設けられた透明な材料からなる盤面板1200と、盤面板1200の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材1210と、から主に構成されており、盤面板1200及びスペーサ部材1210には、遊技球Pを通すための挿通孔である通過孔1201,1211が形成され、通過孔1201,1211を介して一般入賞口装置500B及び装飾体1240が設けられている。
一般入賞口装置500Bは、右方遊技領域を流下する遊技球Pが進入可能な一般入賞口1500と、一般入賞口1500を介して進入した遊技球Pが流下する第1流路D1と、が形成されている。また、一般入賞口装置500Bは、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成されている。
また、一般入賞口装置500Bは、一般入賞口1500に進入した遊技球Pが接触することで遊技球Pを後方に向けて付勢するリブ1501を備えており、流下する遊技球Pが一般入賞口1500に進入後、一般入賞口装置500Bの第1流路D1内で移動が停止することを防いでいる。
一般入賞口装置500Bは、盤面板1200の通過孔1201に盤面板1200の前方から挿嵌された状態でボルトナットにより盤面板1200に固定されている。このとき、一般入賞口装置500Bは、盤面板1200から前方に突出しており、ガラス窓50aに非接触かつ流下する遊技球Pが一般入賞口1500に進入可能となっている。尚、一般入賞口装置500Bの取付けに関しては、釘や接着剤等で固定されていてもよく、ボルトナットに限定するものではない。
装飾体1240は、ベース部材1250と、LED1261を搭載したLED基板1260と、LED1261から発せられた光を取り込み導光しながら前方へと出射するレンズ部材1270と、を備えている。
ベース部材1250は、例えば、非透光性の合成樹脂から上面視コ字型に形成されており、装飾体1240を構成する種々の部材が取付けられる。LED基板1260は、ベース部材1250の前後方向略中央部に取付けられている。また、LED基板1260には、LED1261が取付けられている。LED1261は、演出制御基板12(図2)からの制御データに基づいて演出制御用CPU120(図2)により点灯/消灯駆動がされる。なお、LED1261は、後述するレンズ部材1270を照射するため、パチンコ遊技機1の電源が入れられている間(デモンストレーションの期間も含め)は常に点灯状態にある。
レンズ部材1270は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成されている。レンズ部材1270は、ベース部材1250の左側面に取付けられる。レンズ部材1270は、進入口1240aを備え、進入口1240aから進入した遊技球Pが流下する第2流路D2が形成されている筒状部1271と、筒状部1271の右側面からLED1261に向けて突出する導光部1272と、を有している。導光部1272は、近傍に配置されたLED1261からの光が入射する光入射面1272aを右側面に有している。これにより、LED1261からの光が導光部1272に入射すると、入射した光は全反射を繰り返しながら導光され、前方へと出射される。
装飾体1240は、スペーサ部材1210の通過孔1211にスペーサ部材1210の後方から筒状部1271が挿嵌された状態で、ボルトナットによりスペーサ部材1210にベース部材1250及び筒状部1271固定されている。このとき、一般入賞口装置500B及び装飾体1240の遊技球Pが流下する第1流路D1及び第2流路D2は、遊技球Pが移動可能に連通している。尚、装飾体1240の取付けに関しては、釘や接着剤等で固定されていてもよく、ボルトナットに限定するものではない。
遊技球経路1400は、筒状部1271の第2流路D2内を後方に移動した遊技球Pが進入する進入口1400aを有している。遊技球経路1400の内部には、進入した遊技球Pが流下する第3流路D3が形成されているとともに、一般入賞口1500から進入して流下する遊技球Pを検出する一般入賞球スイッチ(図示略)が設けられている。
続いて、一般入賞口1500に進入した遊技球Pの流れについて説明する。図18(A),(B)に示すように、ガラス窓50aと遊技盤2との間には、遊技球Pが移動可能な隙間が形成されている。ガラス窓50aと遊技盤2との間を流下する遊技球P1が、一般入賞口1500から第1流路D1に進入し、リブ1501に接触することにより(遊技球P2)後方へと流下方向を変える。そして遊技球Pは、筒状部1271の進入口1240aに進入する(遊技球P3)。さらに、遊技球P3は、筒状部1271内の第2流路D2を後方へと移動し、遊技球経路1400の進入口1400aに進入する。遊技球経路1400は、進入口1400aの直後からおおよそ90度下方へと第3流路D3を変更させた屈曲部1400bを有している。これにより、遊技球P4は、遊技球経路1400の第3流路D3に進入後直ぐに、後方から下方へと流下方向を変更する。そして、遊技球P4は、そのまま下方へと移動し(遊技球P5)、やがて一般入賞球スイッチ(図示略)により検出される。このようにして、一般入賞口1500から進入した遊技球Pは、盤面板1200及びスペーサ部材1210の通過孔1201,1211を通り、遊技盤2の後方へと移動していく。
次に、装飾体1240に設けられたLED1261から出射された光の進み方について説明する。図18(B)の部分拡大図に示すように、LED1261から出射された光は、近傍の光入射面1272aに入射する。光入射面1272aに入射した光は、導光部1272内部を左方へと進み(矢印L1)、あるいはレンズ部材1270の表面で全反射しながら左方へと進む(矢印L2)。やがて、導光された光は、筒状部1271の第2流路D2に出射され広がりながら左方へと進み(L3)、再びレンズ部材1270の内部に入射する。再びレンズ部材1270の内部に進入した光は、導光部1272の内部を左方へと進んだり、導光部1272の表面で全反射しながら前方へと進んだり、といった光路を進む。このように、導光部1272の内部で導光されながら前方へと光が出射されることにより、導光部1272の全面から光を出射することができる。
このように、LED1261から出射され光入射面1272aから入射した光は、導光部1272から前方に出射させる前に筒状部1271の第2流路D2を通過する。これにより、遊技球Pの流下路を構成する第2流路D2に光が照射される。なお、LED1261は、パチンコ遊技機1の電源が投入されている間(デモンストレーションの期間も含め)は常に点灯状態にある。そのため、第2流路D2も、パチンコ遊技機1の電源が投入されている間は常に明るく照射されている。そのため、筒状部1271の第2流路D2を通過する遊技球Pには、LED1261から出射された光が当たり反射される。これにより、遊技球Pは光輝いたように視認される。以下、一般入賞口1500に進入した遊技球Pに光を反射させ光輝いたように見せる演出を「入賞演出」と記載する。
なお、遊技球Pに光が照射される範囲は、概ね遊技球P3から遊技球P4の範囲(図18(A),(B)中の実線の矢印Yで示す範囲)に設定される。この矢印Yで示す流路の範囲は、第1所定領域と記載することがあるものとし、遊技球Pの後方へ移動する区間(筒状部1271の第2流路D2)と、遊技球経路1400に進入後に下方へ移動する区間(屈曲部1400b)とを含んでいる。図18(A),(B)に示すように、遊技球P3には、照射範囲P3’において照射された光を反射する。この照射範囲P3’は、遊技球P3の後部右側に位置している。また、遊技球P4には、照射範囲P4’において照射された光を反射する。この照射範囲P4’は、遊技球P4の前部上側に位置している。このように、遊技球Pに光が照射され該光を反射する矢印Yで示す第1所定領域の範囲では、遊技球Pの移動に伴って遊技球Pにおける照射範囲の大きさと位置が刻々と変化する。これにより、遊技球Pが反射する光の態様を変化させることが可能となる。一方、図18(A),(B)中の破線の矢印で示す範囲にある遊技球Pには、光が照射されず、遊技球PはLED1261からの光を反射しない。これにより、LED1261を常時発光させていたとしても、一般入賞口1500に進入し流下する遊技球Pが突然光り輝く入賞演出を実行できる。
また、第1所定領域を流下する遊技球Pには光が照射されるが、その際、遊技球Pは、第2流路D2への光と導光部1272に入射する光とを遮る。そのため、遊技球Pが第1所定領域を通る際、第2流路D2及び導光部1272は暗くなる。尚、第2流路D2と導光部1272とを照らすLED1261は、パチンコ遊技機1の電源が投入されている間、常に発光されている。これにより、第2流路D2及び導光部1272に光が照射されていることに慣れている遊技者は、第2流路D2及び導光部1272が暗くなったことに気づきやすい。これと同時に、あるいはこの後すぐに、遊技球Pが光輝く入賞演出を実行することができる。これにより、周囲を暗くしたなかで、遊技球Pを光輝かせることができるため、演出効果を向上させることができる。
尚、導光部1272は、遊技者に視認可能に導光部が延出(例えば、筒状部よりも右方向に延出)されていてもよく、該導光部の延出された前面に模様や文字等を表現する凹凸が形成されている態様であってもよい。この態様であれば、前方に出射される光に導光部の延出された前面に形成された模様や文字等が付加することができる。
また、装飾体1240は、LED1261を搭載したLED基板1260と、LED1261から発せられた光を取り込み導光しながら前方へと出射するレンズ部材1270と、を備える態様として説明したが、これに限らず、LED基盤が複数のLEDを備えていてもよく、該複数のLEDに対応する複数のレンズ部材を備えていてもよく、一つのレンズ部材に対して複数のLEDが対応していてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、遊技媒体(例えば、遊技球P)の通過を検出可能な検出手段(例えば、第1カウントスイッチ23)と、発光可能な第1発光部(例えば、第1発光部Z1)と第2発光部(例えば、第2発光部Z2)とを含む複数の発光部と、を備え、前記検出手段は、前記第1発光部と前記第2発光部との間に位置するように設けられ(例えば、第1発光部Z1と第2発光部Z2との間に挟まれて第1カウントスイッチ23が設けられる。図10、図11参照。)、さらに、遊技に対するのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能な注意喚起手段(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90100等)を備え、前記注意喚起手段は、少なくとも非遊技状態(たとえば、客待ちデモ状態等)のときと、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態等)が終了したとき(たとえば、エンディング期間等)とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する等)であり、前記非遊技状態のときと、前記有利状態が終了したときとで異なる態様によりのめり込み防止に関する注意喚起を実行する(たとえば、客待ちデモ状態のときには、図32(h)に示すように演出表示装置909の画面の下部にのめり込み防止画像90131を大きく表示し、エンディング期間では、図35(b)に示すように演出表示装置909の画面の左下隅にのめり込み防止画像90136を小さく表示する、図30に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短い等)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、演出効果を高めることができる。また、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
なお、第1発光部および第2発光部の発光と、のめり込み防止に関する注意喚起の実行とを関連付けるようにしてもよい。例えば、遊技者に、有利状態(大当り)が終了したときののめり込み防止に関する注意喚起を意識させたい場合には、注意喚起を実行しているとき(例えば、のめり込み防止画像を表示しているとき)に第1発光部および第2発光部を発光させないようにし、のめり込み防止に関する注意喚起に遊技者の意識を向けさせるようにしてもよい。また、第1発光部および第2発光部の発光位置がのめり込み防止に関する注意喚起の実行位置(例えば、のめり込み防止画像の表示位置)に近く、第1発光部および第2発光部の発光により、のめり込み防止に関する注意喚起が目立ちやすくなる場合には、第1発光部および第2発光部を発光させる(例えば、注意喚起実行時特有の態様で発光させる)ようにしてもよい。このようにすれば、注意喚起に遊技者の意識が向くようになる。
また、遊技者に、有利状態(大当り)が終了したときののめり込み防止に関する注意喚起を意識させたくない場合には、注意喚起が目立たなくなるように第1発光部および第2発光部を発光させる(例えば、注意喚起の実行時に遊技者の意識が第1発光部および第2発光部に向くように第1発光部および第2発光部を発光させる)ようにしてもよい。このようにすれば、有利状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうこととなる虞がある場合に、注意喚起に遊技者の意識が向きにくくなるので、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
さらに、演出効果を高めることができ、また、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる遊技機の形態の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態等)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機901等)であって、遊技に対するのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能な注意喚起手段(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90100等)を備え、前記注意喚起手段は、少なくとも非遊技状態(たとえば、客待ちデモ状態等)のときと、前記有利状態が終了したとき(たとえば、エンディング期間等)とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する等)であり、前記非遊技状態のときと、前記有利状態が終了したときとで異なる態様によりのめり込み防止に関する注意喚起を実行する(たとえば、客待ちデモ状態のときには、図32(h)に示すように演出表示装置909の画面の下部にのめり込み防止画像90131を大きく表示し、エンディング期間では、図35(b)に示すように演出表示装置909の画面の左下隅にのめり込み防止画像90136を小さく表示する、図30に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短い等)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図19はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。図20は当り種別表である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図21参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図21参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図21参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図21参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図21参照)が設けられていればよい。図19に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、十字キースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置909の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図19に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。この実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置909の上方には、役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、役物モータ9017によって位置を変位することが可能である。役物9012は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図20の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、この実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。また、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、時短状態に制御されるが、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図20に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、確変大当りは、次回の大当りが発生するという条件が成立するまで終了しないようにしてもよい。
図21は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図21には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置909の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100において演出制御用CPU90101がROM90102に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、演出制御用マイクロコンピュータ90100(または演出制御用CPU90101)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、演出制御用CPU90101がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、演出制御基板9080以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
図22は、各乱数を示す説明図である。図22においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム´1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図23は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図23(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図23(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図23(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図23(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図23(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図23(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図23(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図23(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図23(B)、および、図23(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図23(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図23(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図23(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU9056は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図23(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図23(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図23(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図23(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図23(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図23(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
図24は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図24に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図24のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。コマンド9000(H)は、遊技機に関する電力供給が開始されたときに送信される初期化を指定(電源投入時の初期画面を表示することを指定)するコマンドである。コマンド9200(H)は、遊技機に関する電力供給が再開されたときに送信される停電の復旧を指定(停電復旧画面を表示することを指定)するコマンドである。コマンド9F00(H)は、客待ちのデモンストレーション表示を指定(客待ちデモ状態であることを指定)するコマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、客待ちデモ指定コマンドを受信後、所定期間経過後に遊技者が遊技を行なっていない非遊技中(客待ち状態)であると判定し、デモンストレーション画面の表示を実行する。なお、変動表示中や大当り遊技状態中等の遊技の進行中に停電復旧した場合には、停電したときの遊技の進行状況に対応した状態で復旧される。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM9055に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU9056は、乱数回路90503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に遊技機の動作について説明する。図25は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ90560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ90560のCPU9056が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560のCPU9056は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単に「S」と示す)901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行なう(S901〜S905)。
次いで、CPU9056は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(S906)。S906でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S907)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合には、CPU9056は、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、CPU9056は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S908)。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S908では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S9010〜S9013の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S9041〜S9042の処理)を行なう。たとえば、電力供給停止時の状態に戻すために、バックアップRAMにバックアップしていた特別図柄プロセスフラグ、異常状態を示すフラグ、遊技停止状態を示すフラグ等のデータを読み出す。このように、バックアップしていた各種データが読み出されると、そのデータを用いて電力供給停止時の状態からパチンコ遊技機901の遊技制御が開始される。そして、S9014に移行する。
S9014において、CPU9056は、乱数回路90503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する。そして、CPU9056は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(S9015)。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU9056は、まず、割込禁止状態にして(S9016)、初期値用乱数更新処理(S9018)と、表示用乱数更新処理(S9018)とを実行して、再び割込許可状態にする(S9019)。すなわち、CPU9056は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、変動パターン種別を決定するための判定用乱数を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。表示用乱数とは、特別図柄表示器の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数等が用いられる。
また、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のS9024,S9025でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S9017,S9018の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S9017,S9018の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
図26は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図26に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S9020)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図27は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図28は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1´−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1´−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1´−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図29は、図28に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[注意喚起について]
この実施の形態では、遊技者に対して各種の注意喚起が実行される。注意喚起としては、遊技者に対して遊技についての様々な注意をパチンコ遊技機901を用いて報知する制御が行なわれる。たとえば、注意喚起として、過度な遊技を抑制させるための報知が行なわれる。この実施の形態では、演出表示装置909の画面上に各種の注意喚起に対応する画像が表示される。なお、このような注意喚起は、画像を表示するだけではなく音を出力することともに実行されるようにしてもよい。以下では、注意喚起として演出表示装置909に表示される注意喚起表示の一例について具体的に説明する。
[のめり込み防止表示について]
注意喚起表示としては、遊技者に対してパチンコ遊技機901やスロットマシンへの遊技に対してのめり込み過ぎることを防止するための表示としてののめり込み防止表示がある。のめり込み防止表示では、たとえば、「パチンコ・スロットは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」という文字と文字の周りを囲む画像とが表示される。また、のめり込み防止画像には、文字の内容は同じであるが文字の周りを囲む画像や表示面積が異なる複数種類態様の画像が設けられている。このようなのめり込み防止表示により、遊技者に対して遊技にのめり込むことを抑制または注意、遊技者に対して遊技に大金を注ぎ込むことを抑制または注意が行なわれる。
[取り忘れ防止表示について]
注意喚起表示としては、遊技に使用可能な遊技球等の遊技用価値の大きさを特定可能な情報として残高情報等が記録された遊技用記録媒体としてのプリペイドカード等の取り忘れに関するカード取り忘れ防止の表示としての取り忘れ防止表示がある。取り忘れ防止表示では、たとえば、「プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意ください。」という文字とともにカードの排出を示す画像が表示される。なお、カードではなく遊技に使用可能な遊技球等の遊技用価値の大きさを特定可能な情報として残高情報等が記録された遊技用記録媒体としてのコイン等の別の形状のものを対象として注意喚起を実行してもよい。
[その他の注意喚起表示について]
その他の注意喚起表示として「18歳未満の遊技は法令により禁止されています。」という18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示、「不正行為は犯罪です。」という不正行為を抑制するための注意喚起表示、「攻略法を装った詐欺にご注意ください。」という詐欺行為を抑制するための注意喚起表示等が文字と画像とにより表示される。なお、その他の注意喚起表示は、上記に示すもの以外であってもよく、たとえば、パチンコ遊技機901の外枠等に可動式の役物を設けた場合に、当該可動式の役物の動きにより、けがをしないように注意するものであってもよい。
[表示タイミングついて]
上記のような注意喚起表示は、所定期間に亘り遊技を実行していない場合に移行される客待ちデモ状態中、大当り遊技状態が終了したときのエンディング期間中、演出内容を変更するためのメニュー画面の表示期間中等の各表示期間において表示される。注意喚起表示は、表示の種類や表示期間に応じて様々な表示態様で表示される。このような、注意喚起表示について以降に説明する。
図30は、客待ちデモ状態中および大当り終了後の各種表示について説明するための図である。図30(a)は、客待ちデモ状態中(以下、単にデモ中とも称する)におけるのめり込み防止表示を含む各種表示について説明するための図である。また、図30(b),(c)は、大当り終了後のエンディング期間中におけるのめり込み防止表示を含む各種表示について説明するための図である。図30(b)は、1回目の大当り終了後の表示を示し、図30(c)は、大当りが連続したときの2回目以降の大当り終了後の表示を示している。
この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信後に所定期間経過すると非遊技中であると判定し、デモンストレーション画面の表示を実行する。客待ちデモ指定コマンドは、始動入賞が発生せず第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがない場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側から演出制御用マイクロコンピュータ90100側に送信される。デモ状態は、新たな始動入賞の発生等の遊技が開始されたことに伴って終了する。
図30(a)に示すように、デモ中には、演出表示装置909の画面上に最終のハズレの停止図柄である3図柄(たとえば、「375」等の3つの数字図柄等)の表示が15秒間表示された後に、パチンコ遊技機901の遊び方や演出等の機能を紹介する映像としての機能紹介ムービーが39秒間表示される。その後、注意喚起表示として、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とが6秒間表示される。詳細な表示内容については、図32で後述する。
また、図30(a)に示すように、パチンコ遊技機901を初期化した場合には、デモ状態の最初の画面である3図柄表示から画面上の表示が始まる。それに対し、客待ちデモ中に停電により電力供給が停止され再開する停電復旧があった場合には、デモ状態の最初の画面である3図柄表示から演出が開始されるのではなく、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とが実行されるタイミングから画面上の表示が始まる。
次に、図30(b)に示すように、1回目の大当り終了後のエンディング期間中において、エンディング表示がされる。エンディング表示では、エンディングの背景画像が10秒間表示されている間に大当り中に選択された大当り終了後の演出モードについての情報であるモード表示が実行され、その後、大当り終了後の確変回数(時短回数)を示す確変回数表示(時短回数表示)が表示される。また、エンディング表示の終了2秒前からは、エンディング表示とともにプリペイドカード取り忘れ防止表示とのめり込み防止表示とが表示される。その後、パチンコ遊技機901の製造者を示すメーカーロゴ表示(製造者情報とも称する)とともに、のめり込み防止表示が2秒間表示される。
また、図30(c)に示すように、2回目以降の大当り終了後のエンディング期間中において、エンディング表示がされる。ここで、2回目以降の大当りとは、最初の大当りを含む大当り終了後の100回の変動表示中(確変状態中や時短状態中)に再度大当りとなったときの大当りである。このような連続した2回目以降の大当りでは、1回目の大当りと同じように、エンディング表示として、10秒間エンディングの背景画像が表示されている間に大当り中に選択された大当り終了後の演出モードについての情報であるモード表示と大当り終了後の確変回数(時短回数)を示す情報である確変回数表示(時短回数表示)とが表示される。しかし、1回目の大当りとは異なり、エンディング表示の終了2秒前からは、エンディング表示とともにのめり込み防止表示が表示されるが、プリペイドカード取り忘れ防止表示は表示されない。その後、パチンコ遊技機901の製造者を示すメーカーロゴ表示とともに、のめり込み防止表示が2秒間表示される。
図30に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短いため、大当りが終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
[節電モードついて]
次に、節電モードについて説明する。この実施の形態では、所定時間客待ちデモ状態が継続したときは、演出表示装置909の液晶のバックライトの輝度を低く抑えて省電力状態とする節電モードが実行される。節電モードは、図30で示した3図柄表示の15秒、機能紹介ムービーの39秒、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示との6秒の合計60秒のデモ状態が3回実行された後に移行される。つまり、客待ちデモ状態が開始されてから3分経過後に節電モードへと移行する。また、節電モードは、遊技を開始することを条件に終了する。たとえば、節電モードは、遊技球を遊技領域907に打込んだことにより終了する。また、節電モードは、プッシュボタン90120やスティックコントローラ90122を遊技者が操作することにより終了する。なお、節電モードは、ハンドルにセンサが設けられている場合に、当該センサに触れることで遊技者の操作を検知することにより終了するようにしてもよい。
このような、節電モードは、遊技店員によりON/OFFの設定が可能となっている。節電モードの設定方法は、たとえば、演出制御基板9080に機械的なハードスイッチを設け、このハードスイッチが特定の態様となっている状態で電源投入されると、設定画面が表示されるようにすればよい。ここで、特定の態様とは、0〜9、A〜Fの項目にスイッチを切替可能なもので、たとえば、項目Fに設置されている状態である。項目Fに設置された状態で電源投入がされると節電モードが実行するか否かの設定画面が表示される。その後、ハードスイッチを0〜5のいずれかにすれば遊技者が音量調整可能な状態となり(0が最少音、5が最大音)、6〜Bのいずれかにすれば遊技者が音量調整できず音量が固定される状態となる(6が最少音、Bが最大音)。なお、光量調整は、どの状態でも設定可能である。光量調整のみの場合であれば、メニュー画面を開いたとしても音量調整はできないようになる。また、C〜Eが選択されている場合は、0と同じ状態である。
図31は、客待ちデモ状態中および節電モード中の各種表示について説明するための図である。図31(a)は、客待ちデモ状態中から節電モード中へ移行する際の各種表示を示している。また、図31(b)は、客待ちデモ状態中において、特に、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示との表示態様について示している。
図31(a)に示すように、客待ちデモ状態として3図柄表示、機能紹介ムービー、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とを1セットとするデモ状態が3回実行された後に節電モードに移行される。節電モードでは、演出表示装置909の液晶のバックライトの輝度が低下するため画面が暗くなる。よって、節電モード中は、暗い画面において3図柄表示が15秒実行された後、機能紹介ムービーが39秒実行されることとなる。しかしながら、節電モード中は、機能紹介ムービーの後にその他の注意喚起表示とのめり込み防止表示とが表示されることはない。節電モード中は、機能紹介ムービーの後に再び3図柄表示へと移行される。
そして、節電モードが終了したときには、最初に表示される画面においてのめり込み防止表示が5秒間表示される。その後、始動入賞による図柄の変動表示が開始されなければ、再度3図柄表示から始まるデモ状態に移行する。
次に、その他注意喚起表示と、のめり込み防止表示との表示態様について図31(b)により説明する。その他注意喚起表示としては、前述した18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示等がある。ここでは、説明の都合上、複数種類のその他注意喚起表示のうち、18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示を注意喚起A、不正行為を抑制するための注意喚起表示を注意喚起B、詐欺行為を抑制するための注意喚起表示を注意喚起Cとして説明する。
図31(b)に示すように、その他注意喚起表示とのめり込み表示とは6秒間の間に表示と消去とが実行される。ここで、表示の単位として1F(フレーム)を用いる。この実施の形態では、1Fが1/30秒に相当する。まず、複数のその他注意喚起表示のうち注意喚起Aが15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、142Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Aは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
注意喚起Bは、6Fの非表示期間の後、注意喚起Aのフェードイン期間の途中から15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、136Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Bは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
注意喚起Cは、12Fの非表示期間の後、注意喚起Aおよび注意喚起Bのフェードイン期間の途中から15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、130Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Cは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
のめり込み防止表示は、35Fの非表示期間の後、注意喚起A、注意喚起Bおよび注意喚起Cのフェードイン期間の終了後に10Fのフェードイン期間に亘りフェードインし、112Fの表示期間に亘り表示される。その後、のめり込み防止表示は、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。のめり込み防止表示のフェードイン期間は、他の注意喚起表示よりも短く設定されている。このようにすれば、最終ののめり込み防止表示を他の注意喚起よりも早く出現させることができ、表示にメリハリを付けることができる。
図31(b)に示すように、注意喚起A、注意喚起B、注意喚起Cおよびのめり込み防止表示は、順番にフェードインし、重なる期間において表示された後、同じタイミングでフェードアウトする表示制御を行なわれる。なお、他の注意喚起のフェードイン期間とのめり込み防止のフェードイン期間は重なっていないが、重なるようにフェードインされてもよい。
このように、のめり込み防止表示と他の注意喚起表示とを同一の期間に表示可能であり、各注意喚起表示の表示タイミングを異ならせて表示することができる。これによれば、複数の注意喚起を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。
また、のめり込み防止表示をその他の注意喚起表示と同一の期間に表示可能であり、その他の注意喚起表示をフェードインさせた後、のめり込み防止表示をフェードインさせ、その他の注意喚起表示とのめり込み防止表示とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
[客待ちデモ状態中の画面]
次に、演出表示装置909の画面で表示される各種表示について説明する。図32は、客待ちデモ状態中における画面を示す図である。図32(a)に示すように、客待ちデモ状態の開始時には、左,中,右の演出図柄9091〜9093が画面中央部ではずれ表示結果となる態様で表示される。このような3図柄表示は、15秒間に亘り表示される。次いで、図32(b)に示すように、パチンコ遊技機901の遊び方や演出等の機能を紹介する映像としての機能紹介ムービーが39秒間に亘り表示される。
次いで、図32(c)〜(f)にかけて、3つの他の注意喚起表示90130が左から順番にフェードインする。他の注意喚起表示90130は、画面中央上側に表示される。その後、図32(g),(h)に示すように、他の注意喚起表示90130の下方にのめり込みを防止するためののめり込み防止画像90131がフェードインする。その後、図32(i)に示すように、他の注意喚起表示90130およびのめり込み防止画像90131が同じタイミングでフェードアウトする。そして、図32(j)に示すように、フェードアウト後に所定期間画面が非表示となる。
図32に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90131を他の注意喚起表示90130と同一の期間に表示可能であり、各注意喚起表示の表示タイミングを異ならせて表示する制御が行なわれる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
また、図32に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90131を他の注意喚起表示90130と同一の期間に表示可能であり、他の注意喚起表示90130をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90131をフェードインさせ、他の注意喚起表示90130とのめり込み防止画像90131とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行なわれる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
[メニュー画面]
メニュー画面は、たとえば、客待ちデモ状態中において、演出表示装置909で、遊技者により選択可能な各種設定項目を選択肢形式(メニュー形式)のアイコン画像で提示する表示画面である。メニュー画面は、階層構造となっている。主な設定項目が一覧形式で表示可能な最初の画面から1つの項目を選択すると、選択された項目ごとに詳細な設定が可能となる。たとえば、主な設定項目として、遊技を実行するときの演出に対応するキャラクタの選択、音量・光量調整、演出のカスタマイズの選択等が可能である。
メニュー画面では、前後方向および左右方向に操作可能なスティックコントローラ90122が傾倒操作されることに応じて、上下方向および左右方向に項目の選択が可能であり、プッシュボタン90120が操作されると選択していた項目に決定される。1つ前の画面に戻る場合には、「戻る」の項目でプッシュボタン90120を操作すればよい。
[メニュー操作中の画面]
図33は、メニュー操作中における画面を示す図である。図33(a),(b)に示す客待ちデモ状態中の画面から、プッシュボタン90120を操作することにより、図33(c)のメニュー画面90132が表示される。メニュー画面90132には、選択可能な複数の項目が表示されているが図面を省略する。メニュー画面90132の下方には、のめり込み防止画像90131が表示される。
ここで、メニュー画面90132は複数の画像の階層構造で構成されている。そして、メニュー画面90132のいずれの階層でものめり込み防止画像が表示される。なお、メニュー画面90132の表示階層毎にのめり込み防止画像の表示態様を異ならせてもよい。このようにすれば、メニュー画面90132に表示される内容に応じた態様でのめり込み防止画像を表示することができる。
また、この実施の形態では、注意喚起を実行する前後の演出状態に応じてのめり込み防止画像の表示態様が異なる。具体的には、のめり込み防止画像による注意喚起を実行する前の演出状態として、メニュー画面90132においていずれかのキャラクタの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるようになっている。また、後述するように、のめり込み防止画像による注意喚起を実行した後の演出状態として、大当り遊技中において選択した確変中のモードの違いによりエンディング時ののめり込み防止画像の表示態様が異なるようになっている。
図33(c)におけるメニュー画面で、スティックコントローラ90122の操作とプッシュボタン90120とによりキャラクタ選択の項目に決定された場合には、図33(d)の画面が表示される。ここで、図33(d)のデフォルトの表示態様は、いずれのキャラクタも設定されていない状態の表示態様である。図33(d)に示すように、複数種類のキャラクタとしてキャラクタXとキャラクタYとのうちいずれかが選択可能な画面が表示される。キャラクタの選択画面においても、のめり込み防止画像90131が表示される。このときののめり込み防止画像90131は、図33(c)の表示態様と同じである。また、こののめり込み防止画像90131がデフォルトの表示態様である。なお、図33(c)のときののめり込み防止画像の表示態様と図33(d)のときののめり込み防止画像の表示態様とは表示態様が異なるようにしてもよい。表示態様が異なるとは、たとえば、違う位置に表示されるもの、違う位置で異なる表示がされるもの(一方に比べて縮小表示されるもの)等である。
図33(d)の後に、遊技者がプッシュボタン90120を操作し、キャラクタXが選択されたとする。その後に各種メニューのうち音量・光量調整画面が選択された場合には、図33(e)に示すように、音量・光量調整アイコンの下方にのめり込み防止画像90133が表示される。図33(e)ののめり込み防止画像90133は、図33(c),(d)に示すのめり込み防止画像90131とは異なる態様で表示される。なお、音量や光量は、スティックコントローラ90122の左右の動作により小・中・大のいずれかの項目が選択された後、プッシュボタン90120を操作することにより選択された音量や光量に決定される。
また、図33(d)の後に、遊技者がプッシュボタン90120を操作し、キャラクタYが選択されたとする。その後に各種メニューのうち音量・光量調整画面が選択された場合には、図33(f)に示すように、音量・光量調整アイコンの下方にのめり込み防止画像90134が表示される。図33(f)ののめり込み防止画像90134は、図33(c),(d)に示すのめり込み防止画像90131、および、図33(e)に示すのめり込み防止画像90133とは異なる態様で表示される。なお、音量や光量は、スティックコントローラ90122の左右の動作により小・中・大のいずれかの項目が選択された後、プッシュボタン90120を操作することにより選択された音量や光量に決定される。
ここで、いずれのキャラクタも選択せず、デフォルトの表示態様のままであった場合には、図33(c),(d)に示すようなデフォルトののめり込み防止画像90131が音量・光量調整アイコンの下方に引き続き表示される。
図33(e),(f)の状態からスティックコントローラ90122の操作とプッシュボタン90120との操作によりメニュー画面を終了すると、図33(g)の画面となる。図33(g)では、のめり込み防止画像90135が演出表示装置909の画面の中央で大きく表示される。このように、メニュー画面90132の表示を終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像90135が表示されるように制御される。その後、始動入賞が生じなければ、図33(a)に示す客待ちデモ状態の画面となる。なお、図33(g)に示すのめり込み防止画像が、選択したキャラクタの種類に応じて異なるようにしてもよい。また、大当り遊技状態中の表示が、キャラクタの種類に応じて異なるようにしてもよい。
ここで、メニュー画面においてのめり込み防止表示がされないものであれば、客待ちデモ状態中にメニュー画面を開くことでのめり込み防止表示が途切れてしまうと、のめり込み防止表示を見る機会が減ってしまう。そこで、この実施の形態では、メニュー画面の階層のいずれの階層にものめり込み防止表示を表示することで、のめり込み防止表示を見る機会を増加させることができる。さらに、メニュー画面の終了時には、画面の中央で大きくのめり込み防止表示が表示されるので、のめり込み防止表示に遊技者を注目させることができる。
なお、メニュー画面の終了時には、通常の客待ちデモ状態で最後の方に設定されているのめり込み防止表示を最初に表示させる制御を行なうことで、メニュー画面の終了時に最初にのめり込み防止表示が表示されるようにしてもよい。
また、メニュー画面中に選択されたキャラクタを判定する判定手段を備えるようにすればよい。メニュー画面中に選択されたキャラクタ情報は、たとえば、RAM90103に記憶され、その情報を元に演出制御用マイクロコンピュータ90100(演出制御用CPU90101)が設定されたキャラクタを判定し、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様を異ならせるようにすればよい。
また、遊技者の操作に応じてのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるのではなく、遊技中の演出状態に応じてのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、特定の演出状態への移行抽選に当選し、当該特定の演出状態となったことに応じて、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。より具体的には、所定の抽選や所定のゲーム数により背景変化するものにおいて、背景変化前と背景変化後とでのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。
[節電モード中の画面]
次に節電モード中における画面について説明する。図34は、節電モード中における画面を示す図である。客待ちデモ状態として図34(a)に示す3図柄表示、図34(b)に示す機能紹介ムービーが実行された後に、図34(c)に示す注意喚起表示90130とのめり込み防止画像90131とが表示される。このような、図34(a)〜(c)のデモ状態が3回実行された後に図34(d)に示す節電モードへと移行する。
節電モード中は、画面の輝度が低下するが、客待ちデモ状態中の演出は継続される。図34(d)に示すように、画面の輝度が低下している状態において3図柄表示が実行された後に、図34(e)に示す機能紹介ムービーが実行される。節電モード中は、その後に注意喚起表示90130とのめり込み防止画像90131とが表示されることはなく、図(f)に示す画面の輝度が低下している状態における3図柄表示が実行された後に、図34(g)に示す機能紹介ムービーが実行され、以下繰返される。
図34(g)に示す状態から節電モード中からプッシュボタン90120が操作されることにより節電モードが終了すると、図34(h)の画面へと移行する。図34(h)では、画面の輝度が元の明るさに戻るとともに、のめり込み防止画像90135が演出表示装置909の画面の中央で大きく表示される。その後、始動入賞が生じなければ、図34(a)に示す客待ちデモ状態の画面となる。
[大当り終了後の画面]
次に大当り終了後の画面について説明する。図35は、大当り終了後における画面を示す図である。図35(a)は、大当り遊技中の画面を示している。大当り遊技中は、15ラウンドのラウンド遊技が実行され、ラウンド遊技終了後に図35(b)に示すエンディング期間に亘ってエンディングの背景画像示すエンディング画像90138が表示される。エンディング画像90138は、図示しないキャラクタ等が背景として表示されるエンディング映像である。エンディング画像90138のフェードイン後、モード情報がフェードインし、その後、大当り後の確変回数情報(または時短回数情報)がフェードインする。モードには、AモードとBモードとが設けられており、大当り遊技中にいずれのモードにするかの選択が可能となっている。各モードによって、大当り終了後に実行される確変状態や時短状態で実行される演出が異なる。
エンディング期間には、エンディング画像とは別に、画面の左下隅の目立たない位置に残高情報が記憶されたプリペイドカードの取り忘れ防止画像90137が表示され、その下方にのめり込み防止画像90136が表示される。エンディング期間では、エンディング画像、および、モードや確変回数情報が表示された後に、取り忘れ防止画像90137と、のめり込み防止画像90136とが表示される。取り忘れ防止画像90137およびのめり込み防止画像90136の表示の詳細については、図35(c)〜(f)において説明する。なお、目立たない位置とは、画面の中央よりも端側の位置等の中央から外れた位置である。また、エンディング期間におけるのめり込み防止画像90136の文字の内容は、客待ちデモ状態におけるのめり込み防止画像90131の文字の内容と同じである。
図35(c)に示すように、エンディング期間においては、プリペイドカードの取り忘れ防止画像90137がのめり込み防止画像90136よりも先にフェードインする。その後、図35(d)に示すように、のめり込み防止画像90136がフェードインする。そして、図35(e)に示すように、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが所定時間表示される。その後、図35(f)に示すように、同じタイミングで取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とがフェードアウトする。
図35(a)〜(f)では、エンディング画像90138、モード情報、確変回数情報(または時短回数情報)、取り忘れ防止画像90137、のめり込み防止画像90136の順でフェードインし、これらの画像がフェードアウトした後に図35(g)の表示となる。図35(g)では、パチンコ遊技機1の製造者を示すメーカロゴ表示としての製造者画像90139が画面中央に表示されるとともに、製造者画像90139の下方にのめり込み防止画像90131が表示される。
このような1回目の大当りの後、図35(h)に示すように、確変状態中や時短状態中に連続して大当り表示結果となったときには、図35(i)に示す大当り遊技中に制御される。連続した2回目の大当りでは、大当り遊技中にBモードが選択されたものとする。そのような場合、図35(j)に示すように、エンディング期間に亘ってエンディング画像90138が表示される。エンディング画像90138では、図示しないエンディング画像が表示される。また、エンディング画像90138の後にBモードの情報、100回の確変回数(時短回数)の情報とが表示される。しかしながら、2回目の大当り遊技の終了後には、1回目の大当り遊技の終了後のときのように、取り忘れ防止画像90137が表示されず、のめり込み防止画像90136のみが画面の左下に小さく表示される。なお、2回目以降の大当り遊技の終了後には、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136との両方が表示されないようにしてもよい。
そして、エンディング画像90138の表示が消去された後に、図35(k)の表示となる。図35(k)では、製造者画像90139が画面中央に表示されるとともに、製造者画像90139の下方にのめり込み防止画像90140が表示される。のめり込み防止画像90140は、図35(g)に示すのめり込み防止画像90131とは異なる態様で表示される。このような、のめり込み防止画像の表示態様の違いは、遊技者が大当り遊技中に選択したモードの種類によるものである。なお、図35(g)ののめり込み防止画像90131や図35(k)ののめり込み防止画像90140は、客待ちデモ状態中に表示されるのめり込み防止画像90131よりも表示面積が小さくなるようにしてもよい。
また、大当り遊技中に選択されたモードを判定する判定手段を備えるようにすればよい。大当り遊技中に選択されたモード情報は、たとえば、RAM90103に記憶され、その情報を元に演出制御用マイクロコンピュータ90100(演出制御用CPU90101)が設定されたモードを判定し、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様を異ならせるようにすればよい。
図35に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、のめり込み防止画像90136と取り忘れ防止画像90137との表示タイミングを異ならせて表示する制御が行なわれる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
また、図35に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、取り忘れ防止画像90137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90136をフェードインさせ、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行なわれる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
なお、取り忘れ防止画像90137をエンディング画像90138が表示された後、製造者画像90139が消去されるまで表示し続けるようにしてもよい。また、取り忘れ防止画像90137を表示し続ける場合には、1回目の大当りの後は、エンディング画像90138の表示から製造者画像90139の表示にかけて取り忘れ防止画像90137を表示するが、連続した2回目の大当り以降では、エンディング画像90138の表示中は取り忘れ防止画像90137を表示するが製造者画像90139を表示する際に取り忘れ防止画像90137を表示しないようにしてもよい。また、のめり込み防止画像90136をエンディング画像90138が表示された後、製造者画像90139が消去されるまで表示し続けるようにしてもよい。のめり込み防止画像を表示し続ける場合には、エンディング画像90138が製造者画像90139に切替るときにも共通ののめり込み防止画像を表示し続けるようにすればよい。
また、エンディング期間中に表示される各種の画像は、1つの画像の表示が完全に終了した後に次の画像が表示されるようにしてもよい。また、画像がフェードインするタイミングが一部重なるものと重ならないものがあってもよい。また、エンディング画像90138、モード情報および確変回数情報は同時に表示されるようにし、その後、取り忘れ防止画像90137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90136をフェードインさせてもよい。
[主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
この実施の形態では、客待ちデモ状態のときには、図32(h)に示すように演出表示装置909の画面の下部にのめり込み防止画像90131を大きく表示し、エンディング期間では、図35(b)に示すように演出表示装置909の画面の左下隅にのめり込み防止画像90136を小さく表示する制御を行なっている。このようにすれば、大当りが終了したときに過度にのめり込み防止の注意喚起を実行することで、遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態では、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を演出表示装置909に表示可能である。そして、図30に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短くなるように設定されている。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
この実施の形態では、図32(h),図35(b)に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示面積が小さくなるように設定されている。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
この実施の形態では、図32(h),図35(b)に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像が遊技者に対して目立たない画面の隅に表示される。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
この実施の形態では、図35に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、のめり込み防止画像90136と取り忘れ防止画像90137との表示タイミングを異ならせて表示する制御が行なわれる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
この実施の形態では、図35に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、取り忘れ防止画像90137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90136をフェードインさせ、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行なわれる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
この実施の形態では、図30,図35に示すように、エンディング期間に表示されるエンディング画像90138および製造者画像90139が表示されている期間に亘ってのめり込み防止画像90131,のめり込み防止画像90136が表示される。このようにすれば、全ての情報を別々で表示することでエンディング期間が間延びすることを防ぎ、大当り遊技状態が終了した後の限られた期間において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図30,図35に示すように、モード情報や確変回数情報が表示された後に、のめり込み防止画像90136がされる。このようにすれば、先に遊技に関する情報を表示することで、遊技者を表示に注目させることができ、大当り遊技状態が終了した後の期間において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図35(g)に示すように、エンディング画像90138の後に遊技機の製造者を示す製造者画像90139を表示し、その下方にのめり込み防止画像90131を表示する。このようにすれば、製造者情報を表示させつつ、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図35に示すように、取り忘れ防止画像90137の後にのめり込み防止画像90136をフェードインし、製造者画像90139に切替ることに関連して取り忘れ防止画像90137の表示は終了するが、のめり込み防止画像90131は、製造者画像90139の表示が終了するまで継続して表示される。このようにすれば、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図30,図35(j)に示すように大当りが連続した場合には、取り忘れ防止画像90137は1回目の大当りのときにしか表示しないが、のめり込み防止画像90136は大当り毎に表示する制御を行なっている。これによれば、大当り遊技状態に連続して制御されたときにおいて好適に注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図33(e),(f)に示すように、メニュー画面90132においていずれかのキャラクタの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるように制御される。このようにすれば、注意喚起を実行する前の演出状態とのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様との関係について考慮することで、好適に注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図35(b),(k)に示すように、大当り遊技中において確変中のモードの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるように制御される。このようにすれば、注意喚起を実行した後の演出状態とのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様との関係について考慮することで、好適に注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、スティックコントローラ90122やプッシュボタン90120の操作に応じて設定されたキャラクタやモードに応じてのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるように制御される。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、大当り遊技中において選択した確変中のモードによりのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるように制御される。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。なお、後述する第2実施形態のように、大当り中に楽曲(楽曲に対応する映像)の選択が可能なものであってもよい。このような場合には、大当り中に選択した楽曲(楽曲に対応する映像)によってのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態に制御されたときに設定されているキャラクタに応じてのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図30に示すように、停電復旧したときと、初期化したときとで、のめり込み防止画像が表示されるまでの実行時間が異なるように制御されていた。より具体的には、客待ちデモ遊技中において、停電復旧したときと、初期化したときとで、のめり込み防止画像の表示が開始されるまでの時間が異なる。このようにすれば、好適なタイミングでのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図33に示すように、のめり込み防止画像を音量・光量調整アイコンとは重ならない位置に表示するように制御される。このようにすれば、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図33に示すように、メニュー画面90132は複数の画像による階層構造で構成されている。そして、のめり込み防止画像はメニュー画面90132のいずれの階層にも表示されるように制御される。このようにすれば、のめり込み防止に関する注意喚起を好適に実行することができる。
この実施の形態では、図33(g)に示すように、メニュー画面90132の表示を終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像90135が表示されるように制御される。このようにすれば、遊技者がのめり込み防止に関する注意喚起を見逃すことがなく、状況に合わせて注意喚起を好適に実行することができる。
この実施の形態では、図31(a),図34に示すように、節電モード中に画面輝度が低下した輝度低下画像が演出表示装置909に表示されているときには、のめり込み防止画像を表示しないように制御される。このようにすれば、節電モード中にさらにのめり込み防止画像を表示しないようにすることで、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
この実施の形態では、図34(h)に示すように、節電モードを終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像90135が表示されるように制御される。このようにすれば、遊技者がのめり込み防止に関する注意喚起を見逃すことがなく、状況に合わせて注意喚起を好適に実行することができる。
この実施の形態では、図34(b)に示すように、客待ちデモ状態中において、機能紹介ムービーを演出表示装置909に表示可能である。そして、図34(e),(g)に示すように、節電モード中において、のめり込み防止画像以外の機能紹介ムービーを演出表示装置909に表示可能である。このようにすれば、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態における大当り演出中の処理について説明する。第2実施形態においては、大当り中に楽曲を選択できる場合について説明する。第2実施形態においては、大当り中に遊技者の操作に基づいて複数の楽曲からいずれかの楽曲を選択する選択演出を実行する。第2実施形態においては、操作手段としてスティックコントローラ90122やプッシュボタン90120が操作されたときには、内部に設けられたセンサにより遊技者の動作が検出され、当該検出信号が演出制御基板9080に送信され、操作に基づいた演出が実行される。なお、選択演出としては、大当り中に複数種類の映像からいずれかの映像を選択できるようにしてもよいし、複数種類のモードからいずれかのモードが選択できるようにしてもよい。
図36は、大当り中に実行される演出を示す演出図面である。図36により、大当り中の演出について説明する。図36(a)に示すように、大当り開始時には、楽曲選択画面が表示される。この大当り開始時の楽曲選択画面は、遊技者の操作に関わらず表示される。演出表示装置909の表示画面における左側の領域には、A〜Dの楽曲に対応する項目が表示される。Aの楽曲に対応する第1選択画像90170、Bの楽曲に対応する第2選択画像90171、Cの楽曲に対応する第3選択画像90172、Dの楽曲に対応する第4選択画像90173が上から順に並んで表示される。また、第1選択画像90170の周囲には、当該画像に対応する項目が選択されていることが縁取りした表示により示されている。
第1選択画像90170〜第4選択画像90173の右側には、映像領域90175が表示される。映像領域90175には、A〜Dの楽曲に対応する映像が流れる。大当りの開始時には、第1選択画像90170が選択されている状態で、映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が特定部(たとえば、楽曲の聞かせどころであるサビ部分)から流れる。また、大当りの開始時には、最初に選択されている楽曲Aに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。ここで、特定部とは、楽曲の聞かせどころであるサビ部分以外の部分であってもよい。たとえば、その楽曲の盛り上がる部分であるがサビ部分とは異なる楽曲の主要部等であってもよい。なお、楽曲に対応する映像や音は、楽曲の最初から再生されるようにしてもよい。
また、演出表示装置909の画面の下部の左側には、スティックコントローラを模した楽曲選択操作を促す選択操作画像90176が表示される。また、画面の下部の中央には、プッシュボタンを模した楽曲決定操作を促す決定画像90177が表示される。また、画面の下部の右側には、現在の大当りがいずれの図柄による大当りであるのかを示す「7」の画像が表示される。また、画面の上部左側には、現在のラウンド数、画面上部右側には、右側の領域を狙って遊技をすることを促す右打ち指示の画像が表示される。
図36(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されたときの様子を図36(b)を用いて説明する。図36(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像が特定部(サビ部分)から流れとともに、楽曲Bに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。
図36(b)の状態から、楽曲Aに決定された場合を図36(c)により説明する。大当り開始時の楽曲選択において、楽曲Aに決定された場合には、大当り開始時の楽曲決定画面として画面中央に移動した映像領域90175において、楽曲Aに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Aが最初から再生される。決定操作により、選択操作画像90176および決定画像90177の表示は消去される。ここで、大当り開始時の楽曲選択操作は、1ラウンド開始から2ラウンドの終了時までの期間行なうことができる。2ラウンド終了時までに選択操作も決定操作もされなければ、初期設定されている楽曲Aに対応する映像や音が2ラウンド終了時から流れることとなる。また、選択操作のみ実行され、決定操作が実行されていない状態で2ラウンドが終了した場合には、選択操作で選択されている項目に対応する楽曲の映像および音が出力される。
図36(c)の状態から、3ラウンド開始時には図36(d)に示すように、画面中央の映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が続けて流されるとともに楽曲Aに対応する音が出力される。また、3ラウンドの開始時には、画面の下部に選択操作画像90176が再び表示される。そして、遊技者がスティックコントローラを操作することにより、図36(e)に示すように、楽曲選択画面が再び表示される。このように、2回目の楽曲選択画面は遊技者の操作に基づいて表示される。なお、1回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、2回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が3ラウンド開始時から最終ラウンド(16ラウンド)までに設定されている。なお、これらの期間はどのように設定されてもよく、選択可能期間が3回以上あってもよく、いずれかのラウンド中は選択操作ができないように設定されていてもよい。
図36(e)の楽曲選択画面では、図36(a)の大当り開始時の楽曲選択画面と比較して、楽曲Aの項目に対応する第1選択画像90170の文字が「A」という楽曲を示す文字から「戻る」の文字へと変更されている。また、現在選択されている「戻る」の第1選択画像90170は縁取りされて表示される。また、図36(d)の状態からは、楽曲Aに対応する映像と音とそのまま続けて流れている。また、決定画像90177が新たに表示されている。このような状態から、スティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、図36(f)に示すように、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像がサビ部分から流れる。ただし、このような選択操作があった場合であっても楽曲Aの音が引き続き出力される。
図36(f)の状態から、楽曲Aが選択された場合には、図36(g)のようになる。図36(g)では、図36(f)において「戻る」で示す第1選択画像90170に対応する楽曲Aの項目が選択されたため、映像領域90175においてAに対応する映像が続きから再生される。また、楽曲Aの音がそのまま続けて流される。それに対し、図36(f)の状態から、楽曲Bが選択された場合には、図36(h)のようになる。図36(h)では、図36(f)において「B」で示す第2選択画像90171に対応する楽曲Bの項目が選択されたため、映像領域90175においてBに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Bの音が最初から再生される。
図36(a)に示すように、大当りの開始時には、複数種類の楽曲に対応する項目が表示される。そして、遊技者は、図36(b)に示すように、選択操作により選択される項目を変更することができる。また、選択操作により、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力が行なわれる。そして、図36(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である。このような状況において、図36(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aの音がそのまま続けて流される。また、図36(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する。
このようにすれば、楽曲Aに対応する楽曲を流しつつも他の選択項目に何があるか確認することができる。そして、再度楽曲Aに決め直した場合であっても楽曲Aが最初から再生されず途中から継続して流れるので、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。より具体的には、すでに選択された楽曲が再度選択されることで、その楽曲が最初から再生されてしまうと煩わしく思うことがあり、興趣が低下してしまう虞がある。しかし、上記のような処理により、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、その楽曲が最初から再生してしまうことが防げるので、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図36に示したように、項目を選択する選択演出を大当り状態中に実行可能である。よって、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも大当り状態中における遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、楽曲を選択する楽曲選択演出には、図36(a)に示すように、大当り開始時に遊技者の操作に関わらず実行するラウンド開始時の選択演出と、図36(d)に示すように、3ラウンド開示時に遊技者の操作に基づいて実行される選択演出とが含まれる。このようにすれば、大当り状態中において、選択演出の実行タイミングが複数あるので、1回目の選択演出では楽曲を選ばず2回目の選択演出で楽曲を選択する等の遊技者の好みに応じた選択演出を実行することができる。
また、図36に示すように、ラウンド開始時の1回目の選択演出は1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、3ラウンド開始時の2回目の選択演出は3ラウンド開始時から最終ラウンドまでに設定されている。よって、遊技者の操作に基づいて実行する2回目の選択演出の実行可能な期間を長くすることで、1回目に選択操作ができなかった等の多種態様な遊技者に対応することができる。
また、図36に示すように、楽曲を再生可能であるものにおいて、図36(a),(b)に示すように、ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合に、項目の変更に応じて再生される楽曲が変化する。それに対し、図36(e),(f)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合であっても、再生される楽曲は変化しない。このようにすれば、頻繁に楽曲が切替わらないため、頻繁に楽曲が切替わることにより遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、図36(e)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、現在実行されている楽曲に対応した項目の表示をラウンド開始時の選択演出の「A」の表示と異なる「戻る」で表示する。このようにすれば、現在流れている楽曲がいずれの楽曲なのかを遊技者に分かり易く示すことができる。
なお、上記した選択演出について、保留連演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて保留連演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで保留連演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する1回目の選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、2ラウンド終了時まで遊技者の決定操作が無い場合には、2ラウンドのラウンド終了時のコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100が受付けたタイミングで、保留連演出を実行するようにしてもよい。また、大当り開始時の選択演出ではなく、3ラウンド目開始時の2回目の選択演出において、遊技者が操作したタイミングで保留連演出を実行してもよい。なお、3ラウンド目開始時の選択演出から最終ラウンドまで、遊技者が選択操作を行なわなかった場合には、選択演出の実行可能な期間が終わった後のタイミングにおいて保留連演出を実行してもよい。
また、有利状態としての大当り状態について、第1有利状態としての通常大当りと、当該第1有利状態よりも有利な第2有利状態としての確変大当りを設けるようにしてもよい。そして、通常大当り中に確変大当りへと昇格する確変昇格演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて確変昇格演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで確変昇格演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、確変昇格演出の場合は、大当り開始時に実行タイミングを決定するものでもよい。そして、確変昇格演出の実行タイミングとして、楽曲の選択時、11R〜13の固定的な確変昇格演出の煽り演出の結果時、エンディング時(16Rの終了後)の複数のタイミングを持つようにしてもよい。この3パターンの中から所定の乱数抽選により、楽曲の選択時のタイミングに決定された場合に、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において確変昇格演出を実行してもよい。
また、ラウンドの異なる大当りを複数設け、ラウンド数が少ない大当りからラウンド数の多い大当りへと昇格するラウンド昇格演出に適用してもよい。
また、選択された楽曲の種類によって、大当り終了後のエンディング期間において、のめり込み防止画像の表示態様が異なるようにしてもよい。
図37は、大当り時楽曲選択処理を示すフローチャートである。大当り時楽曲選択処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。大当り時楽曲選択処理では、大当り時である場合に、図36に示した演出についての処理を実行する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
大当り時楽曲選択処理では、まず、演出制御用CPU90101は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であるか否かを判定する(S90601)。演出制御用CPU90101は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であると判定した場合には(S90601でY)、初期楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90602)。演出制御用CPU90101は、初期楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90602でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90602において、演出制御用CPU90101は、初期楽曲決定フラグがセットされていない場合には(S90602でN)、楽曲変更期間であるか否かを判定し(S90603)、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90603でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90604)。一方、演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90603でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90604において、演出制御用CPU90101は、選択操作があると判定した場合には(S90604でY)、楽曲選択に合わせて楽曲に対応する映像および楽曲をサビから再生する(S90605)。一方、演出制御用CPU90101は、選択操作がないと判定した場合には(S90604でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90605の後のS90606において、演出制御用CPU90101は、決定操作があるか否かを判定する(S90606)。演出制御用CPU90101は、決定操作があると判定した場合には(S90606でY)、決定された楽曲に対応する映像および楽曲を最初から再生する(S90607)。次いで、初期楽曲決定フラグをセットし(S90608)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、決定操作がないと判定した場合には(S90606でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90601において、演出制御用CPU90101は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間でないと判定した場合には、最終楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90610)。演出制御用CPU90101は、最終楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90610でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、最終楽曲決定フラグがセットされていないと判定した場合には(S90610でN)、楽曲変更画面を表示する(S90611)。次いで、画面変更フラグがセットされているか否かを判定する(S90612)。
S90612において、演出制御用CPU90101は、画面変更フラグがセットされていないと判定した場合には(S90612でN)、変更操作があるか否かを判定する(S90613)。演出制御用CPU90101は、変更操作がないと判定した場合には(S90613でN)、初期楽曲に対応する映像と楽曲をそのまま流し(S90616)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、変更操作があると判定した場合には(S90613でY)、画面フラグをセットし(S90614)、初期楽曲を「戻る」にした楽曲選択画面を表示し(S90615)、S90617へ移行する。S90612において、演出制御用CPU90101は、画面変更フラグがセットされていと判定した場合には(S90612でY)、S90613からS90615の処理を行なわずに、S90617へ移行する。
S90617では、演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間であるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90617でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90618)。S90617において、演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90617でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。演出制御用CPU90101は、選択操作があると判定した場合には(S90618でY)、選択された楽曲に対応する映像をサビから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90619)。そして、S90620へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、選択操作がないと判定した場合には(S90618でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90620では、演出制御用CPU90101は、決定操作があるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、決定操作があると判定した場合には(S90620でY)、初期楽曲に決定されたか否かを判定する(S90621)。S90620において、演出制御用CPU90101は、決定操作がないと判定した場合には(S90620でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。S90621において、初期楽曲に決定された場合には(S90621でY)、初期楽曲に対応する映像を続きから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90622)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、初期楽曲に決定されなかった場合には(S90621でN)、変更した楽曲に対応する映像を最初から再生するとともに変更した楽曲を最初から再生する(S90623)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
なお、3Rから最終ラウンドの間において何回も楽曲変更が可能となるようにしてもよい。具体的には、S90610およびS90624の処理を実行しないようにすればよい。
[変形例等]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起が音の出力や光の発光により実行されてもよい。そして、のめり込み防止に関する注意喚起が実行される状況により表示態様のみではなく音や光の態様が異なるようにしてもよい。なお、表示を変えずに音と光とのみの態様変えてもよいし、音は同じであるが、表示と光との組合わせの態様を変えてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起を客待ちデモ状態中や大当り遊技状態のタイミング以外のタイミングで実行されるようにしてもよい。たとえば、変動表示中にのめり込み防止に関する注意喚起が実行されるようにしてもよい。このような場合には、のめり込み防止に関する注意喚起を複数変動に亘って出すものでもよいし、一変動内のみで出すようなものでもよい。また、のめり込み防止に関する注意喚起を出すタイミングとして、時短終了後の1回転目のタイミングや、電源が投入された朝一番のタイミングや、変動表示が1000回実行されたときのタイミングであってもよい。
前述した実施の形態では、遊技者あるいは店側でのめり込み防止に関する注意喚起を実行する頻度、タイミング、場面等を変更できるようにしてもよい。たとえば、元々のめり込み過ぎるまで遊技をすることがないという遊技者にとっては、のめり込み防止に関する注意喚起を不快に感じる恐れがある。よって、遊技者がプッシュボタン90120等の操作手段を用いメニュー画面からのめり込み防止に関する注意喚起の実行を制限できるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、他の注意喚起表示をフェードインした後に、のめり込み防止に関する注意喚起表示をフェードインさせる表示制御を行なっていた。しかしながら、のめり込み防止に関する注意喚起表示を先にフェードインさせた後に、他の注意喚起表示をフェードインさせるようにしてもよい。このようにすれば、のめり込み防止に関する注意喚起表示の表示期間を長くとることができる。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、他の注意喚起表示をフェードインした後に、のめり込み防止に関する注意喚起表示をフェードインさせる表示制御を行なっていた。しかしながら、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同一のタイミングでフェードインさせた後に、いずれか一方の表示を先にフェードアウトしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同一のタイミングでフェードインした後に、同一のタイミングでフェードアウトするようにしてもよい。また、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同時にフェードイン(またはフェードアウト)するときと、異なるタイミングでフェードイン(またはフェードアウト)するときとで表示態様を異ならせるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像90138とともに、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが表示された後に、製造者画像90139が表示される場合を説明した。そして、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とは一度消去された後に、製造者画像90139とともにのめり込み防止画像90131が再び表示されていた。しかしながら、エンディング画像90138が表示されているときに表示されたのめり込み防止画像は、製造者画像90139の表示が終了するまで表示し続けるようにしてもよい。具体的には、のめり込み防止画像を表示したままで、エンディング画像90138と取り忘れ防止画像90137の表示から製造者画像90139の表示に切替わるようにすればよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像90138とともに、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが表示された後に、製造者画像90139が表示される場合を説明した。しかし、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像90138を表示した後に、製造者画像90139を表示し、その後、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とを表示してもよい。そして、大当りが連続した場合には、2回目以降の大当りにおいて製造者画像90139を表示した後に、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とを表示しないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示期間が短い場合について説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示期間が短いようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間のときの表示期間を長くすることにより、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示面積が小さい場合について説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示面積が小さくなるようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間において、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときと大当り終了後のエンディング期間のときとで、のめり込み防止画像の素材として同じ素材を用いるようにしてもよい。このようにすれば、データ容量を削減することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示位置が目立たない位置で表示される場合を説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示位置が目立たない位置で表示されるようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間のときの表示位置を目立たせることができ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態中は、画面の隅で常にのめり込み防止に関する注意喚起が実行されるようにしてもよい。また、前述した実施の形態では、始動入賞が発生しデモ状態が終了したときには、すぐにのめり込み防止に関する注意喚起を終了してもよいし、始動入賞が発生した後の所定期間のめり込み防止に関する注意喚起を実行した後に終了するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当りのエンディング期間において、図32(h)に示したような他の注意喚起表示が実行されるようにしてもよい。このような場合であっても、まずエンディング画像としてエンディング映像を表示し、モードの表示や大当り後の確変回数(または時短回数)といった遊技に関する情報を表示した後に、他の注意喚起表示が表示されるようにすればよい。また、他の注意喚起表示は、製造者画像90139が表示された後に表示されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図30,図35に示すように、1回目の大当りでは、取り忘れ防止画像90137と、のめり込み防止画像90136とが表示され、連続した2回目以降の大当りでは、取り忘れ防止画像90137が表示されず、のめり込み防止画像90136のみが表示される場合について説明した。しかしながら、1回目の大当りと2回目以降の大当りとで注意喚起の態様が異なるものではなく、2回目までの大当りと3回目以降の大当りとで注意喚起の態様が異なるものでもよく、大当りが所定回数連続したことを条件として注意喚起の態様が異なるものでもよい。たとえば、大当りが5回までは、取り忘れ防止画像90137を表示せず、のめり込み防止画像90136のみを表示し、大当りが5回以上連続したときは、取り忘れ防止画像90137とともにのめり込み防止画像90136も表示されないように制限してもよい。
前述した実施の形態では、確変状態には制御されるが出玉を得られない突然確変大当りを設けてもよい。そして、突然確変大当りに制御された場合には、1回目の大当りまたは連続した大当りに関係なく取り忘れ防止画像90137とともにのめり込み防止画像90136を表示しないようにしてもよい。このように、不利な大当りに当選したときには、有利な大当りに当選したときと異なる態様としてもよい。
前述した実施の形態では、確変大当りのときには、取り忘れ防止画像90137を表示せず、のめり込み防止画像90136のみを表示し、通常大当りのときには、取り忘れ防止画像90137を表示するとともに、のめり込み防止画像90136を表示してもよい。このように、大当りの種類により注意喚起の態様を異ならせるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を演出表示装置909に表示可能であった。しかしながら、のめり込み防止画像は、文字の内容が全く同じものに限らず、表現が類似しており同じ情報を伝えるものであれば別の態様であってもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態に制御される前に選択したキャラクタの種類により、メニュー画面におけるのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なっていた。しかしながら、大当り遊技状態に制御される前に選択したキャラクタの種類により、大当り遊技状態終了後のエンディング期間におけるのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なるようにしてもよい。また、通常遊技状態において複数種類の演出モードを設定可能とし、その設定されたモードに応じて、客待ちデモ状態中やエンディング期間中ののめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、注意喚起としてのめり込み防止画像の表示態様と、のめり込み防止の表示に対応する音の出力とが含まれているようにしてもよい。そして、遊技者が選択したモードによってのめり込み防止画像として共通の画像を表示し、のめり込み防止の表示に対応する音として異なる音を出力するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止画像の表示の有無を設定可能なスイッチを設けてもよい。たとえば、このようなスイッチは、演出制御基板9080の所定位置に設けるようにすればよい。そして、スイッチをONした状態で電源が投入されることにより、節電モードを実行するか否かの設定と、のめり込み防止画像の表示の有無の設定が実行できるようにすればよい。このようにすれば、遊技店側において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。なお、のめり込み防止画像の表示の有無とは別に、のめり込み防止画像の表示の大小や表示位置を変更できる操作手段が別途設けられていてもよい。
前述した実施の形態では、図30に示すように、初期化時には、客待ちデモ状態の最初のタイミングである3図柄表示の頭からの画面が表示され、停電復旧時には、客待ちデモ状態の途中のタイミングであるその他注意喚起表示とのめり込み防止表示が実行されるタイミングの画面から表示される場合について説明した。しかし、初期化時と停電復旧時とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行するタイミングが異なっていればよく、別のタイミングであってもよい。たとえば、初期化時に通常背景を15秒程度表示し、その後、客待ちデモ状態を開始させ、最後のタイミングでのめり込み防止表示が実行されてもよい。また、停電復旧時には、その他注意喚起表示を実行することなくのめり込み防止表示が実行されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図32の客待ちデモ状態中の方が、図33のメニュー画面の表示中よりものめり込み防止表示を画面の中央で大きく表示するようにしてもよい。このようにすれば、状況に合わせのめり込み防止に関する注意喚起を好適に実行することができる。なお、メニュー画面の表示中の方が客待ちデモ状態中よりものめり込み防止表示の表示面積が大きくなるようにしてもよい。また、客待ちデモ状態中とメニュー画面の表示中とで、のめり込み防止表示の表示位置が異なることにより遊技者からの見えやすさが異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、画面輝度を低下させた節電モード中においても客待ちデモ状態中の演出が継続されていた。しかしながら、節電モード中は客待ちデモ状態中の演出を実行しないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態中において、のめり込み防止画像を常に表示するようにしてもよい。このような場合に、節電モード中において、のめり込み防止画像の表示を消去するようにしてもよい。このようにすれば、節電モード中にさらにのめり込み防止画像を表示しないようにすることで、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
前述した実施の形態では、遊技者が選択操作可能な選択演出として楽曲の変更に関するものについて説明した。しかし、選択演出で変更される演出は、楽曲以外のものであってもよい。たとえば、選択演出で変更される演出は、背景変化の演出、映像変化の演出、キャラクタ変化の演出等であってもよい。このような場合に、一度選択されていたものが再度選択された場合に演出を引継ぐようにすればよい。具体的には、プッシュボタン操作により背景を変化させることを予約できる遊技機において、背景を変化させようとしたが、現在の背景のままにしたいと思ったときは、現在の背景での演出が継続(たとえば現在の背景での音楽が継続して流れる等)されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、楽曲の選択演出は、大当り中に実行可能である場合について説明した。しかしながら、楽曲の選択演出をラッシュ中に実行できるようにしてもよいし、非KT状態中で実行できるようにしてもよい。このような場合には、選択演出を実行できる期間を複数設け、変動回数により変動回数が少ない場合(1〜10回)の期間と変動回数が多い場合(70〜100回)の期間とで楽曲の選択演出が実行されるようにしてもよい。なお、選択演出を客待ちデモ中に実行するようにしてもよい。たとえば、客待ちデモ中にプッシュボタンを操作することによりメニュー画面を開くことができ、当該メニュー画面内においてパチンコ遊技機の音量や光量を調整したり、演出の実行頻度を変更できるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図36(e)に示すように、現在実行されている項目が「戻る」という文字に変更される場合を説明した。しかしながら、文字に変化するのではなく、現在実行されている項目の色や形が異なるものであってもよい。
前述した実施の形態では、楽曲のサビ部分から再生される場合を説明した。楽曲によっては、「サビ」以外の部分(Aメロなど)から再生されるようにしてもよいし、楽曲によって再生される部分を異ならせてもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の大当り期間としては、アタッカー開放を繰り返す期間、つまり、ラウンド遊技期間としているが、これに限定されない。たとえば大当り期間としては、大当り遊技状態の開始時に実行されるファンファーレ演出の期間と、アタッカー開放を繰り返す期間(ラウンド遊技期間)と、大当り遊技状態の終了時に実行されるエンディング演出の期間とを含めた期間としてもよい。ファンファーレ演出とは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。エンディング演出とは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。
前述した楽曲選択の各種制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、客待ちデモ状態中と、ビッグボーナスやATといった遊技者にとって有利な有利状態が終了したときとに、のめり込み防止表示が実行されるようにすればよい。また、スロットマシンにおいては、筐体に設けられたプッシュボタンや十字キーにより楽曲の選択や決定操作が実行されるようにすればよい。
前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
この実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。