以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつ遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット(参照符号なし)を取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄(普通図柄又は特別図柄)の変動中や普通図柄当りの確定表示中、高確率状態での遊技中等の様々な状況に応じて各種の演出(予告演出、期待度示唆演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図5)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。また遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動ゲート20や右始動ゲート21、普通入賞口22,24,25、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。このうち中始動ゲート20は遊技領域8aの下部分の中央に位置しており、右始動ゲート21は遊技領域8aの右側部分でその上部寄りに位置している。また、3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分でその下寄りに位置しており、他の1つの普通入賞口24は中始動ゲート20の下方に位置している。残るもう1つの普通入賞口25は、遊技領域8aの右側部分にあって、右始動ゲート21の下方に位置しており、その直下方に可変入賞装置30が配置されている。また、可変始動入賞装置28は遊技領域8aの右側部分でその下寄りに位置し、中始動ゲート20の右方に並んで配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動ゲート20や右始動ゲート21を通過したり、普通入賞口22,24,25に入球(入賞)したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球(入賞)したりする。なお、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動ゲート20を通過するか、もしくは普通入賞口22,24に入球(入賞)する可能性がある。遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に右始動ゲート21を通過するか、普通入賞口25に入球(入賞)するか、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球(入賞)する可能性がある。中始動ゲート20や右始動ゲート21を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、普通入賞口22,24,25や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入球(入賞)した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
本実施形態において、上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って始動入賞口28aへの入球(入賞)を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば1つの開閉部材28bを有しており、この開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材28bは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき始動入賞口28aへの入球は不能(始動入賞口28aが閉鎖中)である。可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、始動入賞口28aを開放する(開放状態)。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が不能ではない状態、つまり入球が可能な開放状態となり、始動入賞口28aへの入賞という事象(抽選契機)を発生させることができる(可変入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは始動入賞口28aへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(作動時の始動入賞口28a)に向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が作動時の可変始動入賞装置28に必ず流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で規定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、大入賞口30bへの入球(入賞)を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は例えば左右一対の開閉部材30aを有しており、これら開閉部材30aもまた、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図3中に実線で示されるように、左右の開閉部材30aは各先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき大入賞口30bへの入球(入賞)は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変入賞装置30が作動すると、左右の開閉部材30aはそれぞれ閉止位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左右に開口幅を拡大して大入賞口30bを開放する。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が可能な状態となり、大入賞口30bへの入球(入賞)を発生させることができる(可変入賞手段)。ここでも同様に、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変入賞装置30(開放時の大入賞口30b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変入賞装置30(大入賞口30b)に必ず流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24,25や可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)、可変入賞装置30(大入賞口30b)に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、特別図柄表示装置34及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また特別図柄表示装置34は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。本実施形態では1つの特別図柄を使用しているため、特別図柄表示装置34として1個の7セグメントLEDを設ければよいが、図4に示されるように、予め2個の7セグメントLEDを実装しておくことで、2つの特別図柄を使用する他の機種にも同じハードウェア構成(統合表示基板89)を適用することができる。なお、本実施形態において特別図柄に対応する作動記憶ランプや作動記憶数表示装置は設けられていない。また、1つの特別図柄を2個の7セグメントLEDで表示してもよい。その他、特別図柄表示装置34は複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
遊技状態表示装置38には、例えば高確率状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38d、発射位置指定表示ランプ38eにそれぞれ対応する3つのLEDが含まれている。なお図4中、特に参照符号を付していない他のランプ(LED)は未使用(ブランク)のものである。本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔遊技盤ユニットのその他の構成:図3を参照〕
上記の演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40c,40k,40m等を備えている。装飾部品40b,40c,40k,40mはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には普通図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eは例えば上下2段に形成されており、このうち上段が遊技者からみて奥に位置し、下段が遊技者からみて手前に位置する。上下2段とも、それぞれ転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがてその下段から下方の遊技領域8a内に流下する。
また、転動ステージ40eの略中央位置には流入通路40gが形成されており、この流入通路40gには上段の転動ステージ40eから遊技球が無作為に流入し得る。流入通路40gは演出ユニット40の下縁部を下方に延びた後、手前側へL字形状に屈曲して形成されており、その終端に球放出口40hが形成されている。球放出口40hは前面に向けて開口しており、その開口位置が中始動ゲート20の真上に位置している。このため転動ステージ40e上から流入通路40g内に流入した遊技球は、球放出口40hから放出されて、その真下にある中始動ゲート20を通過しやすくなる(ただし、常に通過するわけではない。)。
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体40f(例えばハート形の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。なお、可動体40fを用いた演出例については後述する。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した中始動ゲート20及び右始動ゲート21には、それぞれ遊技球の通過を検出するための中ゲートスイッチ78及び右ゲートスイッチ80が一体的に設けられている。また遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して始動入賞口スイッチ82(検出手段)及びカウントスイッチ84(検出手段)が装備されている。このうち始動入賞口スイッチ82は、可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口30b)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,24,25への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、入賞口スイッチ86は全ての普通入賞口22,24,26について共通のものを用いてもよいし、普通入賞口22,24,25のそれぞれに別々の入賞口スイッチ86を設置してもよい。例えば、盤面の左右と中央にそれぞれ別の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22に対する遊技球の入賞を検出し、中央の入賞口スイッチ86では盤面の中央に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出し、そして右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口25に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態では中ゲートスイッチ78、右ゲートスイッチ80、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信されるものとなっている。パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,38及びランプ33aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,38及びランプ33aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を作動(開放)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
特に図示していないが、遊技盤ユニット8には磁気センサや振動センサもまた設置されており、このうち磁気センサは、その設置位置で遊技盤ユニット8に飛来してくる磁束を検出し、その密度(磁気強度)に応じた検出信号を出力する。また振動センサは、その設置位置で遊技盤ユニット8に加えられる加速度(振動)を検出し、その大きさに応じた検出信号を出力する。これら磁気センサや振動センサの検出信号は、例えばパネル中継端子板87を通じて主制御装置70(主制御CPU72)に入力されている。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。演出制御CPU126には、主制御CPU72よりも高速(高クロック周波数)で、データバス幅が広い(例えば64ビット)タイプのものを使用することができる。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46,48,50,52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46,48,50,52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作すると、それぞれ接点信号(押し込み操作時)又は回転角信号(回転操作時)がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体ソレノイド57が接続されている。可動体ソレノイド57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体ソレノイド57にそれぞれ印加されている。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。なお、バックライトにLEDアレイを用いる場合、インバータ基板158に代えてLED駆動基板(図示していない)を設置することができる。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56、可動体40fを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(例えば24ビットカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図6及び図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、時間短縮状態指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、普通図柄作動記憶数コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、時間短縮状態に対応した演出状態、内部確率状態に対応した演出状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、時間短縮機能作動/非作動状態、大当り遊技状態/非大当り遊技状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(供給電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、特別図柄に対応する大当り決定乱数(ハードウェア乱数)及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、当り図柄乱数、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。なお、特別図柄に対応するリーチグループ決定乱数やリーチモード決定乱数については必要に応じて発生させることができ、使用しない場合は乱数発生の処理を省略することができる。いずれにしても、これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図8中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図8中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図8)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図8は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76の乱数カウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、中ゲートスイッチ78及び右ゲートスイッチ80からの検出信号や、始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:ここで主制御CPU72は、セキュリティ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の入力処理(ステップS203)でリードした入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)に基づいて、入球を有効なものとして扱うか否か(入賞が有効であるか否か)の判定を行う(入賞有効判定手段)。そして、主制御CPU72は入賞が有効であると判定した場合は入賞検出信号を保持するが、入賞が無効であると判定した場合、主制御CPU72は不正入賞エラーコマンドを生成したり、不正入賞による入賞検出信号のビットをON→OFFへ書き換えたりする。またセキュリティ管理処理において、主制御CPU72は、上記の磁気センサや振動センサ(図示されていない)による不正行為の監視を行ったり、過度な入賞や中始動ゲート20又は右始動ゲート21の通過が発生しているか否かの判定を行ったりする。なお、セキュリティ管理処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80からの通過検出信号や始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80から通過検出信号が入力された場合に実行される処理や始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS206,ステップS207:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、特別図柄表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS207)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS205)の中で中始動ゲート20又は右始動ゲート21の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(抽選契機発生動作手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。なお、普通図柄遊技処理の詳細についても、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS209:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる(ただし、本実施形態では小当りを用いていない。)。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS210:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS211:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特別図柄表示装置34、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS206)や普通図柄遊技処理(ステップS207)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS212:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS209)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS213:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS214:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS206〜ステップS213の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS215:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS216,ステップS217:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔セキュリティ管理処理〕
図9は、割込管理処理の中で実行されるセキュリティ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿ってセキュリティ管理処理の内容を説明する。
ステップS220:先ず主制御CPU72は、入賞有効判定処理を実行する。この処理では、例えば先の入力処理でリードした入賞検出信号の入力状態が「ON」のものについて、入賞が有効であるか否かを判定する(入賞有効判定手段)。なお、有効判定は、始動入賞口28aと大入賞口30bのそれぞれについて行われる。
〔「入球」,「入賞」の意義〕
ここで、本実施形態における「入球」と「入賞」の意義について説明する。
可変始動入賞装置28や可変入賞装置30については、それぞれが開放状態となって始動入賞口28a又は大入賞口30bに遊技球が流入することを「入球」とする。
「入球」した遊技球が始動入賞口スイッチ82又はカウントスイッチ84の貫通孔(検出部)を通過すると、各スイッチ82,84の入賞検出信号が「ON」になり、始動入賞口28a又は大入賞口30bへの「入球」が検出されたことになる。
ただし、検出された「入球」には適正でないものもある。検出された「入球」が適正でない例として、何らかの不正な手段によって可変始動入賞装置28や可変入賞装置30に遊技球が流入した場合が挙げられる。このため、入賞有効判定処理(ステップS220)では、検出された「入球」をセキュリティ上、有効なものとして扱うか否かの判定を行う。
そして、入賞有効判定処理において主制御CPU72が「入球」を有効なものとして扱うと判定した場合、そこで初めて「入賞」が発生したことになり、各スイッチ82,84の入賞検出信号は、以降の制御処理において引き続き有効なものとして使用される。逆に、「入球」は検出されたが、主制御CPU72がその「入球」を有効なものと扱わない(無効とする)と判定した場合、そもそも「入賞」が発生したことにはならない。この場合、各スイッチ82,84の入賞検出信号は無効化され、以降の制御処理(抽選や賞球の処理)には用いられない。
本実施形態では便宜上、入賞有効判定処理において「検出された『入球』を有効なものとして扱うと判定する」ことを「入賞が有効であると判定する」とも表現し、「検出された『入球』を有効なものと扱わないと判定する」ことを「入賞が有効でない(無効)と判定する」とも表現する。
〔判定条件〕
入賞有効判定処理において、主制御CPU72は、以下の条件に基づいて入賞が有効であるか否かを判定する。
〔始動入賞口28aについての有効判定〕
(1)可変始動入賞装置28(普通電動役物)に係る一連の動作中及び動作終了後から所定時間(例えば最長4秒程度)が経過するまでの期間以外に検出された始動入賞口28aへの入球ではないこと。
〔大入賞口30bについての有効判定〕
(2)可変入賞装置30(特別電動役物)に係る一連の動作中及び動作終了後から所定時間(例えば15秒程度)が経過するまでの期間以外に検出された大入賞口30bへの入球ではないこと。
上記の条件(1)を用いた判定は、例えば始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号(ON)が入力された割込周期において、普通遊技管理ステータスの値や各種の入賞有効タイマの値を参照して行うことができる。条件(1)を満たす場合、主制御CPU72は始動入賞口28aへの「入球」を有効なものとして扱うと判定し、始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号を以降の制御処理においても有効に使用する。一方、条件(1)を満たさない場合、主制御CPU72は始動入賞口28aへの入球を有効なものと扱わないと判定し、始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号を無効化する処理を行う。なお、普通遊技管理ステータスは、普通図柄に対応する遊技の進行状況に応じて主制御CPU72が制御上でセットする内部情報である。また入賞有効タイマの値は、可変始動入賞装置28の閉鎖時間経過後、遊技球の停滞(いわゆる球噛み)を考慮して設定される(例えば2〜4秒程度)。
また、条件(2)を用いた判定は、例えばカウントスイッチ84からの入賞検出信号(ON)が入力された割込周期において、特別遊技管理ステータスの値や入賞有効タイマの値を参照して行うことができる。条件(2)を満たす場合、主制御CPU72は大入賞口30bへの「入球」を有効なものとして扱うと判定し、カウントスイッチ84からの入賞検出信号を以降の制御処理においても有効に使用する。一方、条件(2)を満たさない場合、主制御CPU72は大入賞口30bへの入球を有効なものとして扱わないと判定し、カウントスイッチ84からの入賞検出信号を無効化する処理を行う。なお、特別遊技管理ステータスは、特別図柄に対応する遊技の進行状況に応じて主制御CPU72が制御上でセットする内部情報である。ここでいう入賞有効タイマもまた、可変入賞装置30の閉鎖時間経過後に球噛み等を考慮して設定されている(例えば2〜4秒程度)。
入賞検出信号を無効化する処理では、条件(1),(2)のそれぞれについて割込周期ごとに判定を行い、入賞検出信号を無効化するごとに無効入賞カウンタの値をインクリメントする。そして、各条件(1),(2)について無効入賞カウンタの値が規定値(例えば5個)に達すると、主制御CPU72は内部情報として不正入賞エラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1において「不正入賞エラー」が発生することになる。
ステップS222:以上の入賞有効判定処理を終えると、次に主制御CPU72は、磁気検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の磁気センサ(図示されていない)からの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「磁石ゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為に相当する程度の磁束が検出された場合、主制御CPU72はセキュリティエラーフラグをON(=1)にする。これにより、パチンコ機1においてその他の「セキュリティエラー」が発生することになる。
ステップS224:また主制御CPU72は、振動検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の振動センサ(図示されていない)からの検出信号に基づいて不正行為(いわゆる「ドツキゴト」)の有無を判断する。その結果、不正行為と認められる程度の振動が検出された場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS226:次に主制御CPU72は、入賞超過検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は一定時間(例えば1分間)あたりの入賞発生回数をカウントし、不正行為に相当する程度の入賞超過が発生しているか否かを判断する。入賞超過と判断した場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS228:また主制御CPU72は、通過口超過検出処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は一定時間(例えば1分間)あたりの始動ゲート20の通過発生回数をカウントし、不正行為に相当する程度の超過が発生しているか否かを判断する。超過と判断した場合、主制御CPU72は同じくセキュリティエラーフラグをONにする。
ステップS230:そして主制御CPU72は、上記の「不正入賞エラーフラグ」や「セキュリティエラーフラグ」の値をチェックする。いずれかのエラーフラグがON(=1)にセットされた場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS232を実行する。なお、いずれのエラーフラグもONにセットされなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS232を実行しない。
ステップS232:この場合、主制御CPU72はエラーコマンド処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124(演出制御CPU126)に対して送信するエラーコマンド(エラー状態指定コマンド)を生成し、その値をコマンド送信バッファに転送する。なおエラーコマンドは、発生したエラー別に異なる値をセットすることができる。例えば、「不正入賞エラーフラグ」がONの場合は「不正入賞エラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットし、「セキュリティエラーフラグ」がONの場合は「セキュリティエラー」として識別可能な値をエラーコマンドにセットする。なお、ここで生成されたエラーコマンドは、この後の演出制御出力処理(図11中のステップS213)で演出制御装置124に送信される。
ステップS234:また主制御CPU72は、ここで不正入賞マスク処理を実行する。この処理では、先の入賞有効判定処理(ステップS220)で不正入賞エラーと判定したか否かに関わらず、主制御CPU72は有効でないと判定した全ての入賞検出信号をONからOFFに書き換える。これにより、同じ割り込み周期内で以降は入賞検出信号が「OFF(入賞は発生しなかったもの)」として扱われ、特別図柄の変動や賞球払い出し等は行われなくなる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
次に図10は、スイッチ入力イベント処理(図8中のステップS205)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、特別図柄に対応する始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS11に進んで特別図柄記憶処理を実行する。なお、特別図柄記憶処理(ステップS11)の具体的な内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS12に進む。
ステップS12:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS13に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:主制御CPU72は、普通図柄に対応する中ゲートスイッチ78又は右ゲートスイッチ80から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理(ステップS16)の具体的な内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
〔普通図柄記憶更新処理〕
次に、上記の普通図柄記憶更新処理(図10中のステップS16)について説明する。図11は、普通図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。以下、普通図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS20:ここでは先ず、主制御CPU72は普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値の4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている普通図柄当り決定乱数の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は普通図柄について4つのセクション(例えば各1バイト)に分けられており、各セクションには普通図柄当り決定乱数を1個ずつ記憶可能である。このとき、作動記憶数カウンタの値が上限値(最大値)に達していれば(Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が上限値(最大値)未満であれば(No)、主制御CPU72は次のステップS21に進む。
ステップS21:主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1つ加算する。普通図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS211)で普通図柄作動記憶ランプ33aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS22:そして主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から普通図柄当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから普通図柄当り決定乱数値をリードすると、これを普通図柄当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。なお、普通図柄当り決定乱数値は、例えばRAM76の当り乱数カウンタ領域から取得することとしてもよい。この場合、主制御CPU72は、指定したアドレスから普通図柄当り決定乱数値をリードすると、これを普通図柄に対応する当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS23:主制御CPU72は、セーブした普通図柄当り決定乱数を普通図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これを領域内の空きセクションに記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に当り決定乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に当り決定乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO形式である。
ステップS24:そして主制御CPU72は、普通図柄演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は例えば普通図柄の始動音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するための設定を行う。なお、主制御CPU72はこの処理の前に例えば先読み判定処理を行ってもよい。この場合、主制御CPU72は先読み判定処理において抽選の当否を事前に判定し、その結果に基づいて普図先判定演出コマンドを生成する。そして、主制御CPU72はステップS24で普図先判定演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するための設定を行うことができる。
以上の手順を終えるか、もしくは普通図柄作動記憶数が4(最大値)に達していた場合(ステップS20:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔普通図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理中に実行される普通図柄遊技処理(図8中のステップS207)の詳細について説明する。
図12は、普通図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1001)、普通図柄変動前処理(ステップS2001)、普通図柄変動中処理(ステップS3001)、普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)、可変始動入賞装置管理処理(ステップS5001)のサブルーチン群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って普通遊技管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1001:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2001〜ステップS5001のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして普通図柄遊技処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(普通遊技管理ステータスの値)によって異なる。例えば、未だ普通図柄が変動表示を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動前処理(ステップS2001)を選択する。一方、既に普通図柄変動前処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動中処理(ステップS3001)を選択し、普通図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2001:普通図柄変動前処理では、主制御CPU72は普通図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3001:普通図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。具体的には、普通図柄表示装置33を構成する2つのLEDに対してそれぞれON又はOFFの駆動信号を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって普通図柄の変動表示が行われる。なお、本実施形態では2つのLEDを交互に点灯及び消灯させることで、普通図柄の変動表示を行うため、駆動信号のパターンをシンプルに(例えば2パターンで)構成することができ、それだけ主制御CPU72の負荷を軽減することができる。
ステップS4001:普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。ここでも同様に、2つのLEDに対してそれぞれON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより普通図柄の停止表示が行われる。なお、本実施形態では上下2つのLEDのうち、例えば上のLEDを点灯させた状態で当選時の停止表示を行い、下のLEDを点灯させた状態で非当選時の停止表示を行うことができる(上下の論理は逆でもよい。)。
ステップS5001:可変始動入賞装置管理処理は、先の普通図柄停止表示中処理において当りの態様(例えば上のLEDが点灯)で普通図柄が停止表示された場合に選択される。普通図柄が当りの態様で停止表示されると、この処理において主制御CPU72は作動条件が満たされたものとして、可変始動入賞装置28を作動させる。なお、可変始動入賞装置28についての作動条件についてはさらに後述する。
可変始動入賞装置28の作動中は、先の実行選択処理(ステップS1001)においてジャンプ先が可変始動入賞装置管理処理(ステップS5001)にセットされ、普通図柄の変動表示は行われない。また可変始動入賞装置管理処理においては、普通電動役物ソレノイド88が所定時間、規定回数(例えば1回)だけ励磁され、これにより可変始動入賞装置28が設定されたパターンで作動し、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能となる(抽選契機発生動作手段)。なお本実施形態においては、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄遊技処理も進行していくが、以下では便宜上、先に普通図柄遊技処理についての説明を一通り行うものとする。
〔普通図柄変動前処理〕
次に図13は、普通図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6100:先ず主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS6500のデモ設定処理を実行する。
ステップS6500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
これに対し、普通図柄作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS6200を実行する。
ステップS6200:主制御CPU72は、普通図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(普通図柄当り決定乱数)を読み出し、これを例えば別の共通記憶領域に保存する。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は第1セクションから順に乱数を読み出し、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。共通記憶領域に保存された各乱数は、以降の当り判定処理で作動抽選に使用される。
ステップS6250:次に主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数減算処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、RAM76に記憶されている普通図柄作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「普通図柄変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図8中のステップS213)の中で普通図柄作動記憶ランプ33による記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS6300を実行する。
ステップS6300:主制御CPU72は、当り判定処理(作動抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(作動抽選実行手段)。このとき設定される普通図柄当り値の範囲は、非時間短縮状態(時間短縮機能が非作動時)と時間短縮状態(時間短縮機能作動時)とで異なり、時間短縮状態では非時間短縮状態よりも当り値の範囲が拡大されることで、作動抽選の当選確率が非時間短縮状態に比較して極端に高く設定される。そして、このとき読み出した乱数値が当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は普通図柄当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS6400に進む。なお、本実施形態ではプログラム上で当り値の範囲を設定して当り判定を行っているが、予め当り判定テーブルをROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら当り判定を行うプログラミング例もある。また、状態別の具体的な当選確率については別の図面を用いてさらに後述する。
ステップS6400:主制御CPU72は、先の当り判定処理で当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6404を実行する。
ステップS6404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄指定コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、普通図柄表示装置33に2つのLEDを用いているため、例えば上記のように、はずれ時の停止図柄の表示態様をいずれか1つ(下側)のLEDの点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。このような考え方は、普通図柄表示装置33に7セグメントLEDを用いた場合も同様に適用することができる。
ステップS6406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄についてはずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、変動パターンの種類を区別したり、そのときの変動時間を規定したりするものであり、例えば主制御CPU72による乱数抽選で決定される。すなわち主制御CPU72は、この処理において例えば後述する変動パターン決定テーブルを参照し、このテーブル上で普通図柄当り乱数(非当選のもの)に対応する変動パターン番号を選択する。またテーブルには、変動パターン番号に対応する変動時間(例えば6.0秒〜180秒)が予め設定されており、主制御CPU72は選択した変動パターン番号に対応する変動時間をテーブルから取得することができる。
なお本実施形態では、はずれリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は、例えばステップS6250で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて設定される。また変動時間については、非時間短縮状態と時間短縮状態とで設定が異なり、非時間短縮状態では上記のように選択した変動パターン番号に基づいて変動時間が設定されるが、時間短縮状態では固定値(例えば0.6秒)に設定される。なお、状態別の変動時間の設定についても、別の図面を使用してさらに後述するものとする。
また、本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出、ストーリーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図14は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。このうち、変動パターン7,8(変動パターン番号「7」,「8」)に関しては、比較的長めの変動時間(例えば1分以上)が設定されており、「特定種類の変動パターン」として規定されており、例えば、通常のリーチ演出よりも比較的長めのスーパーリーチ演出が実行される。なお、このような変動パターン選択テーブルは、この処理時ではなく、当該変動前に(例えば、指導ゲート20を遊技球が通過した際に)事前に当りかはずれかを判定する事前判定処理においても使用される(大当り時も同様)。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図13:普通図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS6404,ステップS6406は、当り判定結果がはずれ時の制御手順であるが、判定結果が当り(ステップS6400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
ステップS6410:主制御CPU72は、当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄番号を決定する。ただし本実施形態では、普通図柄について複数の当選図柄が設けられていないため、基本的に主制御CPU72は、常に1種類の停止図柄番号を選択することになる。
ステップS6412:次に主制御CPU72は、当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、後述する当り時変動パターン選択テーブルを参照し、例えばRAM76のカウンタ領域からリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数を取得すると、それらの値に基づいて普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する。本実施形態のパチンコ機1による遊技では、基本的に、普通図柄の当り時には図柄演出を含めて当り時のリーチ変動を行うため、ここでは最終的に当り時リーチ変動パターンが選択される。なお一般的に当り時のリーチ変動の場合、はずれ通常変動時よりも長い変動時間が決定される。また、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数は、このステップS6412で取得する以外に、例えば先の普通図柄記憶更新処理(図11)の中で取得してもよい。この場合、主制御CPU72は普通図柄記憶更新処理のステップS23において、取得した普通図柄変動用乱数を当り決定乱数とセットで記憶させるものとする。また、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン決定乱数を記憶しておく態様であれば、それらの記憶内容を用いて当該変動前に変動パターンの先読みに基づく予告演出を発生させることが可能である。
〔当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図15は、当り時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、当りに当選した場合に使用するテーブルである。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「13」〜「20」が割り当てられている。
変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「14」を選択する。
〔図13:普通図柄変動前処理を参照〕
ステップS6413:主制御CPU72は、当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄番号に基づいて、普通図柄表示装置33による停止図柄(当り図柄)の表示態様を決定する。ただし、上記のように本実施形態では停止図柄番号が常に1種類であるため、主制御CPU72は常に1つの表示態様(上側のLEDを点灯)を決定する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に送信される。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、普通図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に普通図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は普通図柄遊技処理に復帰する。
〔図12:普通図柄変動中処理,普通図柄停止表示中処理〕
普通図柄遊技処理に復帰すると、主制御CPU72は普通図柄変動中処理(ステップS3001)を次のジャンプ先に設定する。普通図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数、又は割込カウンタのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように普通図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を次のジャンプ先に設定する。
普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は当り時停止図柄決定処理(図13中のステップS6404,ステップS6410)で決定した停止図柄に基づいて普通図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、普通図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変始動入賞装置管理処理について説明する。
図16は、可変始動入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変始動入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5101)、開放パターン設定処理(ステップS5201)、開閉動作処理(ステップS5301)、閉鎖処理(ステップS5401)、終了処理(ステップS5501)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5101:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5201〜ステップS5501のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変始動入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変始動入賞装置28の作動を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開放パターン設定処理(ステップS5201)を選択する。一方、既に開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を選択し、開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を選択する。また、開閉動作処理及び閉鎖処理を実行すると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔開放パターン設定処理〕
ステップS5201:開放パターン設定処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置28の開放パターンとして、例えば作動時間(開放時間)と作動回数(開放回数)を設定する。なお本実施形態では、非時間短縮状態又は時間短縮状態のいずれにおいても、可変始動入賞装置28の作動時間及び作動回数は共通に設定される。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先として開閉動作処理(ステップS5301)を設定する。
ステップS5301:次の開閉動作処理では、主制御CPU72は先のステップS5201で設定した作動時間に基づいて普通電動役物ソレノイド212を駆動する。これにより、実際に可変始動入賞装置28の作動(開放)が行われる。また主制御CPU72は、次のジャンプ先として閉鎖処理(ステップS5401)を設定する。
ステップS5401:閉鎖処理では、主制御CPU72は作動時間の経過をタイマカウンタ値に基づいてカウントする。そして、タイマカウンタの値が0以下になれば、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド212を非作動状態(OFF)に切り替える。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先として終了処理(ステップS5501)を設定する。
ステップS5501:終了処理では、主制御CPU72は可変始動入賞装置28の作動を終了する際の条件を整える。例えば、主制御CPU72は普通電動役物作動フラグの値(01H)をリセットする。そして主制御CPU72は、普通図柄遊技処理の中の実行選択処理(図12中のステップS1001)でのジャンプ先を普通図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変始動入賞装置管理処理に復帰する。
〔普通図柄作動条件設定テーブル〕
図17は、普通図柄作動条件設定テーブルの構成例を示す図である。この普通図柄作動条件設定テーブルは、非時間短縮状態(通常中)と時間短縮状態(時短中)とで普通図柄の当り確率や変動時間を異なる設定とし、また、当り時の可変始動入賞装置28の開放パターン(作動時間及び作動回数)を設定するためのものである。
図17中の見出し行を除く上段に示されているように、本実施形態においては、非時間短縮状態(時間短縮機能の非作動時)で行われる作動抽選に際して、通常の当り確率(例えば1/99)が適用される。また非時間短縮状態で行われる普通図柄の変動表示については、上記のように普通図柄変動用乱数を用いて設定された変動時間が適用される。
一方、図17中の見出し行を除く下段に示されているように、時間短縮状態(時間短縮機能の作動時)で行われる作動抽選に際しては、通常に比較して高い当り確率(例えば98/99≒1/1.01)が適用される。これにより、時間短縮状態では非時間短縮状態よりも高い頻度で作動抽選に当選する(作動条件が満たされる)ことから、それだけ高い頻度で可変始動入賞装置28への入賞が発生しやすくなる。また、時間短縮状態で行われる普通図柄の変動表示については、上記のように予め設定された固定の変動時間(例えば0.6秒)が適用されることになる。ただし本実施形態では、非時間短縮状態又は時間短縮状態のいずれについても、作動時間は共通(例えば6.0秒)に設定されており、また、作動回数(1回)についても共通に設定されている。
以上が普通図柄遊技処理(図8中のステップS207)を通して行われる作動抽選や可変始動入賞装置28を作動させるための制御手法の概要である。次に、可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への入賞に伴う特別図柄記憶処理(図10中のステップS11)及びその入賞の発生を契機として進行する特別図柄遊技処理(図8中のステップS206)の内容について説明する。
〔特別図柄記憶処理〕
図18は、特別図柄記憶処理の手順例を示すフローチャートである。以下、特別図柄記憶処理について、手順例に沿って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は特別遊技管理ステータスの値が「00H」であるか否かを確認する。特別遊技管理ステータスは、特別図柄に対応する遊技の進行状況に応じて別途、主制御CPU72が以下のように設定している。
〔特別遊技管理ステータス〕
すなわち、主制御CPU72は、特別図柄に対応する遊技の進行状況(1)〜(8)に応じて特別遊技管理ステータスの値(カギ括弧内)を例えば以下のようにセットする。
(1)特別図柄変動待ち状態:「00H」
(2)特別図柄変動表示中状態:「01H」
(3)特別図柄停止表示中状態:「02H」
(4)可変入賞装置(特別電動役物)開放待ち状態:「03H」
(5)可変入賞装置(特別電動役物)開放状態:「04H」
(6)可変入賞装置(特別電動役物)開放後閉鎖有効状態:「05H」
(7)可変入賞装置(特別電動役物)閉鎖状態:「06H」
(8)可変入賞装置(特別電動役物)作動終了時間中状態:「07H」
特別遊技管理ステータスの値が「00H」以外、つまり、現在の遊技の進行状況が特別図柄変動待ち状態(00H)以外である場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、特別遊技管理ステータスの値が「00H」である場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS32に進む。
ステップS32:主制御CPU72は、上記のサンプリング回路77を通じて乱数発生器75から大当り決定乱数値を取得する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビットのデータバス幅を有する場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを大当り決定乱数として転送先(乱数記憶領域)のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、特別図柄の変動条件に関する乱数値として、例えば変動パターン決定乱数を取得する。この乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスから変動パターン決定乱数を取得すると、これを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数及び変動パターン決定乱数をともに特別図柄に対応する乱数記憶領域(この時点で空き状態)に転送し、これら乱数をセットで記憶させる。
ステップS38:そして主制御CPU72は、特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、例えば始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信する設定を行うためのものである。
以上の手順を終えるか、もしくは特別図柄作動記憶が既にあった場合(ステップS30:Yes)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図8)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。
図19は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は特別図柄表示装置34の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。またこの処理において、主制御CPU72は確率変動機能に関して「リミッタ回数」を設定したり、その減算処理を行ったりする。なお、処理の具体的な内容や「リミッタ回数」の意義についてはさらに後述する。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90がある程度の時間(例えば最長で6.0秒間又は1個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(可変入賞手段)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を入球(入賞)させることで、遊技者には賞球(例えば1個の入賞に対して6個の賞球払出)を獲得する機会が与えられる(入賞特典付与手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が2回であれば、これらを「2ラウンド」と総称することがある。ただし、本実施形態では1回あたりの開放時間が比較的短時間(6.0秒)であり、また、1ラウンド内のカウント数が最小(例えば1個)であるため、一般的な15ラウンド大当り(例えば1ラウンド29秒開放、カウント数9個)と比較すると、1回の大当り(2ラウンド)で獲得できる賞球数は少なくなっている。
いずれにしても、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開放動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開放動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数(この例では2回)に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技(可変入賞装置30の開放動作)を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも高くなる(高確率状態移行手段)。本実施形態では、確率変動機能が非作動の「低確率状態」であっても、内部抽選での当選確率は2分の1程度の高い値(例えば65536分の32768程度)に設定されており、ここから「高確率状態」に移行した場合、当選確率はより高確率(例えば65536分の65535程度)に設定される。
また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率(例えば99分の1→99分の98)になり、普通図柄の変動時間が短縮して設定(例えば0.6秒程度に固定して設定)される。合わせて特別図柄の変動時間についても、非時間短縮状態より短縮して設定(例えば0.6秒程度に固定して設定)される。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。また、「低確率状態」又は「高確率状態」、「非時間短縮状態」又は「時間短縮状態」といった内部状態の変化の仕組みについては、特別図柄の当選図柄(当選種類)やパチンコ機1におけるゲームシステムと合わせてさらに後述する。
〔特別図柄変動前処理〕
図20は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に特別図柄作動記憶があるか否かを確認する。あるいは、ここで主制御CPU72は作動記憶数カウンタの値を参照し、特別図柄に対応する作動記憶数が0以外(=1)であるかを確認してもよい。なお特別図柄の作動記憶は、上記のようにスイッチ入力イベント処理において可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への入賞の発生を契機として発生するものである。このとき、未だ変動を開始するべき特別図柄の作動記憶がないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理(図19)に復帰する。これに対し、特別図柄の作動記憶があることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、先ず主制御CPU72は、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を読み出す。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存され、乱数記憶領域からは作動記憶が消去(消費)される。次に主制御CPU72は大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なる。いずれにしても、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄表示装置34によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、特別図柄表示装置34に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にはずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば0.6秒程度)に設定される。「時間短縮状態」でなければ、はずれ時の変動時間は例えば変動パターン決定乱数に基づいて決定される。そして、主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。本実施形態では低確率状態でも当選確率が2分の1と高い値であり、低確率状態でも変動時の2回に1回は以下の処理が選択されることになる。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別について今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2300で読み出した変動パターン決定乱数に基づいて特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。大当り時の変動時間についても、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくる。このため、主制御CPU72は遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。そして「時間短縮状態」であれば、基本的に大当り時であっても変動時間は短縮された時間(例えば0.6秒程度)に設定される。「時間短縮状態」でなければ、大当り時の変動中演出を行う時間を確保するため、ある程度の長い変動時間(例えば30秒〜90秒程度)に対応する変動パターンが設定される。また、本実施形態では、「非時間短縮状態」のはずれ時であっても、特別図柄の変動中に「はずれリーチ演出」を実行するため、ある程度の長い変動時間に対応する変動パターンが設定される。いずれにしても、主制御CPU72は、決定した変動時間(大当り時)の値を変動タイマにセットするとともに、大当り時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
ステップS2413:主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)がいずれかの確変図柄に該当する場合、例えば遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットし、合わせて回数切りカウンタ値(例えば10000回)をセットする。また主制御CPU72は、そのとき決定した当選図柄に対応する時間短縮機能作動回数が付加されている場合、遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットし、あわせて回数切りカウンタ値(100回又は10000回)をセットする。また主制御CPU72は、当選図柄に対応して付加された時間短縮機能作動回数の値に基づき、時間短縮機能作動回数コマンド(回数切りカウンタ数コマンドでもよい)を生成する。ここで生成された時間短縮機能作動回数コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。なお、当選図柄の種類や時間短縮機能作動回数の付加については、具体例を挙げてさらに後述する。
またステップS2413の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて特別図柄表示装置34による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図19:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図20中のステップS2404,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。なお、特別図柄停止表示中処理の手順についてはさらに別のフローチャートを用いて後述する。
〔大当り時の当選図柄〕
次に、先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)で決定される当選図柄の種類について説明する。本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて以下の3種類が用意されている。3種類の内訳は、例えば「2ラウンド通常図柄1」、「2ラウンド確変図柄1」及び「2ラウンド確変図柄2」である。なお、本実施形態ではラウンド数の異なる当選図柄は設けられていないため、以下ではラウンド数を表記せずに「通常図柄1」、「確変図柄1」、「確変図柄2」等と適宜省略する。また、これらは好ましい例示に過ぎず、上記3種類の当選図柄は全てを網羅したものではない。
図21は、大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)において、図21に示される大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定することができる(当選種類決定手段)。また主制御CPU72は、決定した当選図柄別にその時点での遊技状態(非時間短縮状態、時間短縮状態、低確率状態、高確率状態)に応じて時間短縮機能作動回数を決定することができる。
図21に示される大当り時停止図柄選択テーブル中、左端カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「2」,「55」,「43」は、それぞれ分母を100とした場合の割合(選択比率)に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「通常図柄1」、「確変図柄1」及び「確変図柄2」が示されている。すなわち、内部抽選での大当り時には、「通常図柄1」が選択される割合は100分の2(=2%)であり、また、「確変図柄1」が選択される割合は100分の55(=55%)であり、そして、「確変図柄2」が選択される割合は100分の43(=43%)となっている。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。ここでいう「通常図柄1」は、大当り後において確率変動機能を作動させることとならない当選図柄(非確変図柄)である。このため、本実施形態では全体として確変図柄の選択比率は98%であり、大当り時は極めて高い比率で「確変図柄」が選択されることになる。
〔初回リミッタ〕
次に、図21に示されるテーブル中、左から3番目のカラムには、大当り時の当選図柄別に設定される「初回リミッタ」の回数(上限回数)が示されている。「初回リミッタ」は、「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合に設定されるものであり、本実施形態では「確変図柄1」及び「確変図柄2」についてはいずれも「17回」となっている。また、「通常図柄1」については当然に「初回リミッタ」が設定されることはない(図中に「なし」と表記)。
〔時間短縮機能作動回数(時短回数)〕
次に、当選図柄(当選種類)別及び当選時の状態別に付加される時間短縮機能作動回数の違いについて説明する。本実施形態では、上述した3種類の当選図柄について、その当選時の状態に応じて付加される時間短縮機能作動回数が異なっている。以下、具体的に説明する。
(1)低確率非時短中
図21中の左から3番目のカラムに示されているように、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」であり、普通図柄(作動抽選)に関して「非時間短縮状態」である場合(確変中でもなく時短中でもない通常時)を想定する。この場合、当選図柄が「通常図柄1」に該当すると100回の時間短縮機能作動回数が付加される。なお、「通常図柄1」に該当した場合、大当り終了後の状態は「低確率状態」となる。
また、当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると、いずれについても10000回の時間短縮機能作動回数が付加される。なお、「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当した場合であっても、大当り終了後の状態は「高確率状態」となる。
このように本実施形態では、低確率非時短中から特別図柄に対応する内部抽選で当選(確率2分の1)すると、当選図柄に関わらず、大当り遊技の終了後に「時間短縮状態」となる。したがって、「高確率非時短中」という状態には移行せず、大当り終了後は必ず「時間短縮状態」となる。また、「時間短縮状態(時短中)」で付加される時短回数の違いは、以下のように設定されている。
〔リミッタ回数の設定〕
先ず本実施形態においては、特別図柄(内部抽選)に関して当選時の内部状態が「低確率状態」であり、そこから「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかで当選(初回当選)すると、上記のように「リミッタ回数(初回リミッタ)」を設定することとしている(連続回数設定手段)。この「リミッタ回数」は、「高確率状態」での当選時に主制御CPU72が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると連続して決定することができる限度(連続回数)を意味する。
〔初回リミッタ回数の選択〕
さらに本実施形態では、「リミッタ回数(初回リミッタ)」の設定に際して、上記のように「17回」を選択することとしている。この選択は、「低確率状態」からの当選時に「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当したかによって決定することができる。すなわち、「低確率状態」から「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかで当選(初回当選)すると、先の特別図柄停止表示中処理(図19中のステップS4000)において、「初回リミッタ(リミッタ回数)」の設定に際して17回(1回目を含む)が選択される(連続回数選択手段)。
〔リミッタ回数の減算〕
いずれにしても、「低確率状態」からの初当り時に設定された「リミッタ回数(初回リミッタ)」は、「高確率状態」での当選時に続けて「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれか(「通常図柄1」以外)に該当すると、その度ごとに1ずつ減算され、その残り回数が少なくなっていく。ただし、「リミッタ回数」が残り0回に達しない(残りが1回以上ある)間は、主制御CPU72は先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)において、「高確率状態」での当選時に連続して「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると決定することが可能である。そこで先ず、「リミッタ回数」に1回以上の残りがある場合(リミッタ到達前)について説明する。
(2)リミッタ到達前高確率時短中
例えば、図21中の右から3番目のカラムに示されているように、特別図柄(内部抽選)に関して「高確率状態」であり、かつ、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」である場合を想定する。すなわち、上記(1)の低確率非時短中に「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、大当り終了後は高確率時短中の状態となる。そしてこの場合でも、当選図柄に関わらず時間短縮機能作動回数が付加される。詳細には、当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合、100回の時間短縮機能作動回数が付加される。また、当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると、いずれの場合も10000回の時間短縮機能作動回数が付加される。この場合、「高確率状態」で「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに連続当選しているため、上記のように「リミッタ回数」は1減算される。また「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当しても、大当り終了後の状態は「高確率状態」となり、合わせて「時間短縮状態」となる。一方、「通常図柄1」に該当した場合、大当り終了後の状態は特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」に復帰するが、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」は維持され、以下の「(3)低確率時短中」となる。
(3)低確率時短中
例えば、図21中の右から2番目のカラムに示されているように、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」であり、かつ、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」である場合を想定する。上記(1)の低確率非時短中に「通常図柄1」に該当するか、又は上記(2)のリミッタ到達前高確率時短中に「通常図柄1」に該当した場合、低確率時短中の状態となる。そして、この場合も同様に、3種類あるいずれの当選図柄についても、必ず時間短縮機能作動回数が付加される。詳細には、当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合、100回の時間短縮機能作動回数が付加される。また、当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると、いずれの場合も10000回の時間短縮機能作動回数が付加される。この場合、「低確率状態」から「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに初当選していることになるため、「リミッタ回数」は再設定される。また、この再設定に際して、当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」であれば17回が選択される。そして、「確変図柄1又は「確変図柄2」のいずれに該当しても、大当り終了後の状態は「高確率状態」となり、かつ「時間短縮状態」となるため、結果的に上記(2)のリミッタ到達前高確率時短中が再開されることになる。一方、「通常図柄1」に該当した場合、大当り終了後の状態が特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」に復帰するが、普通図柄(作動抽選)に関して「時間短縮状態」は維持される。
〔リミッタ到達時〕
「高確率状態」で連続して「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに当選し(選択比率98%)、その度ごとに「リミッタ回数」が減算された結果、上記の「リミッタ回数」が残り0回に到達した場合を想定する。
そして、「リミッタ回数」が残り0回に到達すると、「高確率状態」での当選時に主制御CPU72は「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当すると決定することができなくなる。具体的には、大当り図柄乱数が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに対応していたとしても、最終的な当選図柄は「通常図柄1」又は「通常図柄2」のいずれかへ強制的に変更される(当選種類規制手段)。
(4)リミッタ到達時高確率時短中
当選図柄の強制変更については、図21中の右端カラムに示されている。すなわち、「高確率状態」かつ「時間短縮状態」で「リミッタ回数」の残りが0回に達すると、テーブル上で「確変図柄1」(選択比率55%)に該当した場合であっても、最終的な当選図柄は「通常図柄1」に強制的に変更される(合成選択比率は57%)。あるいは、テーブル上で「確変図柄2」(選択比率43%)に該当した場合であっても、最終的な当選図柄は「通常図柄2」に強制的に変更されることになる。このような当選図柄の強制(規制)が行われる結果、「リミッタ回数」の残りが0回に達した後の「高確率状態」は継続されなくなり、大当り終了後に一度は「低確率状態」に強制的に復帰されることになる。さらに、当選図柄として「通常図柄1」が普通に選択された場合と、強制的に「通常図柄1」が選択された場合(合成選択比率57%)については、いずれも100回の時間短縮機能作動回数が付加されるが、強制的に「通常図柄2」が選択された場合(選択比率43%)は時間短縮機能作動回数が付加されない(0回=時短なし)。これはつまり、「リミッタ回数」が残り0回に到達すると、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態」に必ず復帰するが、そのとき「時間短縮状態」から「非時間短縮状態」にも復帰する割合が全体の43%あり、残り57%の割合で「時間短縮状態」が維持されることを意味する。
以上のように本実施形態では、当選時の状態別、リミッタ残数別(到達前・到達時)によって付加される時間短縮機能作動回数が異なっていることが分かる。特に本実施形態では、「(4)リミッタ到達時高確率時短中」において、強制的に「通常図柄2」が選択された場合にのみ「非時間短縮状態」となり、それ以外の場合は常に「時間短縮状態」となることが分かる。なお本実施形態では、時間短縮機能作動回数が付加される場合を「第1区分の通常図柄(通常当選種類)」とし、時間短縮機能作動回数が付加されない場合を「第2区分の通常図柄(通常当選種類)」とする。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に、図22は、特別図柄停止表示中処理(図19中のステップS3000)の手順例を示すフローチャートである。以下に、特別図柄停止表示中処理の具体的な手順と合わせて、上記の「リミッタ回数」の設定(初回リミッタ17回の選択)や減算処理を行う手法について説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(例えば割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図19中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4310を実行する。
ステップS4310:主制御CPU72は、今回の当選図柄が確変図柄であるか否かを確認する。この確認は、大当り時停止図柄番号に基づいて行うことができる。すなわち、今回の大当り時停止図柄番号が上記の「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当する場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4320に進む。
〔確変図柄選択時〕
ステップS4320:主制御CPU72は、今回の当選時が「高確率状態」であるか否かを確認する。今回の当選時が「低確率状態」である場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4332を実行する。
ステップS4332:当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかである場合、主制御CPU72は「リミッタ回数(初回リミッタ)」として17回を設定する(連続回数選択手段及び連続回数設定手段としての処理)。具体的には、主制御CPU72は「リミッタ回数」の値として17回(リミッタ残数=17)を例えばRAM76の残数カウンタ領域にセーブする。
ステップS4340:主制御CPU72は、先のステップS4332で設定した初回の「リミッタ回数」を1減算する。これは、「リミッタ回数」が「低確率状態」からの初回確変当選時を含むためである。なお、本実施形態では初回確変当選(1回目)を含めた「リミッタ回数」を設定することとしているが、「リミッタ回数」に1回目を含めない設定(例えば16回)とする場合、ステップS4340をスキップするロジックを採用してもよい。
以上は、今回の当選時が「低確率状態」である場合の手順例であるが、今回の当選時が「高確率状態」であった場合(ステップS4320:Yes)、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
〔初回リミッタ17回の減算〕
ステップS4340:初回リミッタが17回であった場合、主制御CPU72は「リミッタ回数」を減算(−1)し、その減算後の値を残数カウンタ領域にセーブ(更新)する。すなわち、初回に「リミッタ回数」が17回に設定された後の「高確率状態」であって、今回の当選が「確変図柄1」又は「確変図柄2」の2連続目であった場合、既に1回目の当選時に「リミッタ回数」が16回に減算されているので、主制御CPU72は2回目で「リミッタ回数」をさらに1つ減算し、その残りを15回として「リミッタ回数」を更新する。あるいは、今回の当選が「確変図柄1」又は「確変図柄2」の3連続目であった場合、2回目で15回に減算された「リミッタ回数」をさらに3回目で1つ減算し、その残りを14回として「リミッタ回数」を更新する。これにより、初回の「リミッタ回数」が17回に設定された後の「高確率状態」での大当り時に「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに連続して該当すると、その度ごとに「リミッタ回数」の残りが減少していくことになる(連続回数減算手段)。
この後、当選の度ごとに17回目まで連続して「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、16回目で残り1回に減算された「リミッタ回数」をさらに17回目で1つ減算すると、その残りは0回に到達する。この場合、主制御CPU72が次回の当選時に先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)を実行すると、図21のテーブルを用いた当選図柄の決定に際して「リミッタ回数」が残り0回に達しているため、上記のように「確変図柄1」は「通常図柄1」に強制的に変更され、「確変図柄2」は「通常図柄2」に強制的に変更されることになる。
〔通常図柄選択時〕
これに対し、先のステップS4310で今回の大当り時停止図柄番号が上記の「通常図柄1」に該当するか、もしくは強制的に決定された「通常図柄1」又は「通常図柄2」のいずれかに該当する場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4345に進む。
ステップS4345:この場合、主制御CPU72は「リミッタ回数」の値を0回にクリア(リミッタ残数=0)する。なお主制御CPU72は、例えば先の大当り時停止図柄決定処理(図20中のステップS2410)において、今回の当選図柄として「通常図柄1」又は「通常図柄2」を選択した場合(強制を含む)、そこで「リミッタ回数」の値をクリアすることとしてもよい。
ステップS4346:いずれにしても、以上の手順を実行すると、次に主制御CPU72は、現在の「リミッタ回数」に基づいてリミッタ残数コマンドを生成する。ここで生成したリミッタ残数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS213)で演出制御装置124に出力される。
ステップS4350:次に主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4355:また主制御CPU72は、回数切り機能作動時フラグをリセットする。これにより、大当り遊技開始前に時間短縮機能又は確率変動機能の少なくとも一方が作動していた場合、当該機能は非作動となる。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域又は時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定されている。また「時間短縮状態」の場合についても、上記のように当選図柄によって10000回の作動回数が付加される場合もある。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」や「時間短縮状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「時間短縮状態」の作動回数として100回が付加された場合、回数切りカウンタの値は100回に設定されるが、本実施形態では「時間短縮状態」での普通図柄(作動抽選)の当選確率は略1分の1(98/99)であるため、100回でも次回まで「時間短縮状態」が継続することは確率的に保証されている。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグを消去する。消去されるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはなく、同様に「時間短縮状態」で回数切りカウンタの値が0になることも実質的にない。ただし理論的には発生し得るので、もしも実際に回数切りカウンタの値が0になった場合、対応する確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグは消去される。これにより、特別図柄の停止表示を経て「高確率状態」又は「時間短縮状態」が終了する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図23は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図8中のステップS213)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように特別図柄表示装置34、普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
また状態表示設定処理(ステップS1220)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。この処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われて確率変動機能がOFF(非作動)にされるまで点灯し続け、その後、非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また、この状態表示設定処理(ステップS1220)においては、主制御CPU72は、遊技状態表示装置38の発射位置指定表示ランプ38eに対する制御も行う。例えば、主制御CPU72は、特別遊技の実行中の状態や、時間短縮機能の作動中の状態であれば、発射位置指定表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図24は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開放動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。
ステップS5200:大入賞口開放パターン設定処理では、主制御CPU72は1ラウンド中の開放時間、閉鎖時間、インターバル及びラウンド数ごとの開放パターンを設定する。なお本実施形態では、1ラウンドの開放時間が最大で例えば「6.0秒」、閉鎖時間は例えば「0.5秒程度」また、ラウンド数は「2ラウンド」に予め固定されている。これにより、開放タイマ、閉鎖タイマ、インターバルタイマ、ラウンド数カウンタにそれぞれ値がセットされることになる。そして主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。ただし、上記の開放パターンはあくまで一例であり、これに限定されるものではない。
ステップS5300:次に大入賞口開閉動作処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の開閉動作(開放動作)を制御する。具体的には、主制御CPU72は大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30の開閉部材30aが閉止位置から開放位置に変位し、大入賞口30bへの入球(入賞)の発生が可能な状態になる。また主制御CPU72は、開放タイマのカウントダウンを実行し、開放タイマの値が0以下になっていなければ、次に入賞球数のカウントを実行する。開放時間が終了するか、もしくはカウント数が所定数(例えば1個)に達したことを確認すると、主制御CPU72は大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
この後、主制御CPU72は閉鎖タイマのカウントダウンを実行し、閉鎖タイマの値が0以下になると、続いてインターバルタイマのカウントダウンを実行する(1ラウンド目のみ)。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定する。2ラウンド目では、主制御CPU72は閉鎖タイマの値が0以下になると、次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定する。
ステップS5400:大入賞口閉鎖処理では、主制御CPU72は可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりする。すなわち、現在の遊技状態が大当り中(大役中)であれば、主制御CPU72は上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値が増加する。そして主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定すると、入賞球数カウンタをリセットする。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後に主制御CPU72が再び大入賞口閉鎖処理を実行することで、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。そして、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。また主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図25は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。
ステップS5504:また主制御CPU72は、ここで内部的に大役中の状態を終了する。
ステップS5505:次に主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域を参照し、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図20中のステップS2413)でセットされるものである。
ステップS5506:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5505:Yes)、主制御CPU72は確率変動機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。これにより、大当り遊技終了後の内部状態が「高確率状態」に設定される。
ステップS5507:そして主制御CPU72は、確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、高確率(65536分の65535程度)では非当選が10000回も連続することは確率的にほとんどないので、実質的に次回の当選まで高確率状態が続くことになる。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5505:No)、主制御CPU72はステップS5506,S5507を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域を参照し、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この時間短縮機能作動フラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図20中のステップS2413)においてセットされるものである。時間短縮機能作動フラグがセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5511を実行する。
ステップS5511:時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。これにより、大当り遊技終了後の内部状態が「時間短縮状態」に設定される(時間短縮状態移行手段又は時間短縮状態維持手段としての処理)。
ステップS5512:また、主制御CPU72は、今回の当選図柄に対応する時間短縮機能作動回数(100回又は10000回)に基づき、時間短縮機能に対応する回数切りカウンタの値を設定する。設定した回数切りカウンタの値は、上述したRAM76の時短カウント領域に格納される。なお、時間短縮機能作動フラグがセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5511,S5514を実行しない。この場合、大当り終了後に「時間短縮状態」には移行しない(非時間短縮状態復帰手段としての処理)。
ステップS5514:主制御CPU72は、ここで状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセットに伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動回数に基づいて回数切りカウンタの値を設定した場合は内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動回数に基づいて回数切りカウンタの値を設定した場合、内部状態として「時間短縮状態」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS213)において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:大当り時に以上の手順を経ると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図19中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
以上が主制御装置70(主制御CPU72)による各種の制御処理の内容である。主制御CPU72がこれら処理を実行することで、パチンコ機1による遊技が具体的に進行することとなる。
〔ゲームフロー〕
次に図26は、本実施形態のパチンコ機1による遊技の流れを一例として示すゲームフロー図である。パチンコ機1による遊技は、遊技者の操作に応じて遊技球を遊技領域8a内に打ち込む(発射する)ことで進行する。以下、遊技球の打ち出しを前提とした遊技の流れについて説明する。なお以下の説明では、適宜、図中の参照符号F1〜F47等を括弧付きで示す。また、以下の説明で用いる「入賞」は、「検出された入球が有効なものとして扱われること」を意味している。
〔F1〕通常遊技中
例えば、遊技者がパチンコ機1で遊技を開始した当初は、パチンコ機1の内部状態が「通常遊技中」の状態となっているものとする。本実施形態において「通常遊技中」の状態は、普通図柄(作動抽選)に関して「非時間短縮状態(普図低確率)」であり、かつ、特別図柄(内部抽選)に関して「低確率状態(特図低確率)」であることを意味する。
〔F2〕普通図柄非当選
〔F1〕通常遊技中において、中始動ゲート20(又は右始動ゲート21)を遊技中が通過すると、これを契機として上記の作動抽選が実行される。作動抽選の結果が非当選の場合、特に内部的な状態の変化は発生せず、そのまま〔F1〕通常遊技中が継続される。
〔F3〕通常遊技中の普通図柄当り
一方、〔F1〕通常遊技中に作動抽選で当選すると、ゲームフローが次の段階に進む。
〔F4〕可変始動入賞装置作動
この場合、可変始動入賞装置28が作動し、上記のように始動入賞口28aへの入賞の発生が可能な状態となる。なお遊技領域8a(盤面)の構成上、普通図柄(作動抽選)の当選後は遊技領域8a内の右側部分に向けて遊技球を打ち込むことが遊技を進行させる上で必要となる。
〔F5〕入賞なし
可変始動入賞装置28の作動中(作動時間6.0秒)に始動入賞口28aへの入賞が発生しなかった場合、ゲームフローは〔F1〕通常遊技中に戻る。この場合、ゲームフローはまた作動抽選から再開される。
〔F6〕始動口入賞
これに対し、可変始動入賞装置28の作動中(作動時間6.0秒)に始動入賞口28aへの入賞が発生した場合、ゲームフローがさらに次の段階に進む。なお、内部抽選の契機となる入賞は1回だけが有効となるが、可変始動入賞装置28の作動中に複数回の入賞(平均して7〜8個の入賞)が発生すると、その都度、入賞特典(例えば入賞球1個につき12個の賞球払出)が遊技者に付与される。
〔F7〕特別図柄変動
始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F8〕非当選
内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F1〕通常遊技中に戻り、また作動抽選から再開される。
〔F11〕通常図柄1当選
内部抽選で当選し、今回の当選図柄が上記の「通常図柄1」に該当した場合、特別図柄が「通常図柄1」を表す態様で停止表示される。この場合、ゲームフローはさらに次の段階に進む。
〔F12〕可変入賞装置作動(大役中)
特別図柄(内部抽選)での当選により可変入賞装置30が開放動作し、その開放回数は2回(2ラウンド)である。「通常図柄1」に該当した場合、確率変動機能作動フラグはセットされないが、時間短縮機能作動回数は100回に設定される。このため、可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは〔F1〕通常遊技中ではなく、〔F31〕時短中の段階に進むことになる。なお、〔F31〕時短中からのゲームフローについては後述する。
〔F16〕確変図柄1,2当選
一方、当選図柄が上記の「確変図柄1」に該当した場合、特別図柄は「確変図柄1」を表す態様で停止表示される。あるいは当選図柄が上記の「確変図柄2」に該当した場合、特別図柄は「確変図柄2」を表す態様で停止表示される。いずれの場合についても、ゲームフローは以下の段階に進む。
〔F14〕リミッタ残数セット
〔F1a〕通常中からの当選に該当する場合、内部的に「リミッタ回数」が残り16回(初回リミッタ17回から1減算後の値)にセットされる(リミッタ残数=16)。
〔F18〕可変入賞装置作動(大役中)
特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。また「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、確率変動機能作動フラグがセットされるとともに、合わせて時間短縮機能作動回数が10000回に設定されるため、可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは確変中(高確率時短中:F19)に進むことになる。
〔F19〕確変中(高確率時短中)
本実施形態において、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に突入すると、確率上でみて〔F19〕確変中が継続しやすくなっている。以下、この点について具体的に説明する。
〔F20〕普通図柄非当選
〔F19〕確変中においては、普通図柄(作動抽選)の当選確率が略1分の1(98/99)に設定されるため、確率的に非当選になることはほとんどない。ただし、理論上は非当選もあり得るため、もし非当選となった場合は〔F19〕確変中でのゲームが続行されることになる。
〔F21〕確変中の普通図柄当り
本実施形態では遊技領域8a(盤面)の構成上、〔F19〕確変中は遊技領域8a内の右側部分に遊技球が打ち込まれること(いわゆる「右打ち」)を想定している。これにより、右始動ゲート21を遊技球が通過すると、ほとんど1回の普通図柄の変動で当選する。また変動時間は、上記のように短縮(0.6秒)されているため、極めて短時間のうちにゲームフローは次の段階に進む。
〔F22〕可変始動入賞装置作動
普通図柄(作動抽選)当選によって可変始動入賞装置28が作動し、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能な状態となる。なお本実施形態では、「時間短縮状態」においても可変始動入賞装置28の作動時間は一定(6.0秒)である。ただし、遊技領域8a内の右側部分に遊技球が打ち込まれていれば、そのままの流れで作動中の可変始動入賞装置28に向かって遊技球が流下していく。
〔F23〕入賞なし
何らかの原因(球切れ、球詰まり、発射操作不良等)で可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生しなかった場合であっても、ゲームフローは〔F19〕確変中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。
〔F24〕始動口入賞
〔F19〕確変中の「右打ち」の流れにより、可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生すると、ゲームフローが次の段階に進む。
〔F25〕特別図柄変動
ここでも同様に、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F26〕非当選
特別図柄(内部抽選)に関して、「高確率状態」の当選確率は略1分の1(65535/65536)であるため、確率的に非当選はほとんど発生しない。ただし、極希に内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F19〕確変中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。また、時間短縮機能作動回数は最大10000回に設定されているので、たとえ1回の非当選が発生しても、未だ充分に時短回数が残っている。
〔F27〕確変図柄1,2当選
本実施形態では、上記のように確変比率が全体の98%であるため、当選時は高い頻度で確変図柄が選択される。そして、〔F19〕確変中に当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、上記のように時間短縮機能作動回数として10000回が付加されるため、この時点で内部的に〔F19〕確変中の継続が確定している。
〔F28〕リミッタ残数−1
そしてこの場合、「高確率状態」で連続的に確変当選しているため、内部的に「リミッタ回数」が減算される(リミッタ残数−1)。
〔F18〕可変入賞装置作動(大役中)
同様に、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当した場合についても、確率変動機能作動フラグがセットされるとともに、合わせて時間短縮機能作動回数が10000回に設定されるため、ここで実際に可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは確変中(高確率時短中:F19)が継続される。
〔確変突入によるチャンスゾーン〕
以上のように、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行すると、〔F21〕普通図柄当りから〔F22〕可変始動入賞装置作動、〔F24〕始動口入賞、〔F25〕特別図柄変動、〔F27〕確変図柄1,2当選、〔F28〕リミッタ残数−1、そして〔F18〕可変入賞装置作動を経て〔F19〕確変中にループするというゲームフローが最も高い頻度(又は確率、割合、比率)で発生しやすくなる。この場合、1回のループ内で可変始動入賞装置28が1回作動し、また、可変入賞装置30が2ラウンド開放動作を行うため、基本的に遊技領域8a内の右側部分に遊技球が打ち込まれていれば、そのままの流れで始動入賞口28aへの入賞発生及び大入賞口30bへの入賞発生に対する賞球の払い出しが行われる(入賞特典付与手段)。
なお、上記のループが1回行われるごとに〔F28〕リミッタ残数−1で「リミッタ回数」の残りが減少していくが、残り0回に到達するまでの間は、依然として高い頻度で同じループを繰り返すことになる。
〔F29〕確変中の通常図柄1当選
一方、〔F19〕確変中に当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合、確変図柄ではないため「高確率状態」は維持されないが、時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、この時点で内部的に「時間短縮状態」の継続が約束されている。
〔F30〕可変入賞装置作動(大役中)
同じく特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。なお図示していないが、上記のように主制御CPU72の制御処理上で特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされている(リミッタリセット)。
〔F31〕時短中
〔F19〕確変中から「通常図柄1」に該当すると、確率変動機能作動フラグはクリアされるが、時間短縮機能作動回数は100回に設定されるため、可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは時短中(低確率時短中)に移行する(連続回数再設定契機発生手段)。
〔F20〕普通図柄非当選
〔F31〕時短中は、普通図柄(作動抽選)の当選確率が略1分の1(98/99)に設定されるため、確率的に非当選になることはほとんどない。ただし、理論上は非当選もあり得るため、もし非当選となった場合は〔F31〕時短中でのゲームが続行されることになる。
〔F32〕時短中の普通図柄当り
〔F31〕時短中においても、そのまま「右打ち」の流れで右始動ゲート21を遊技球が通過すると、ほとんど1回の普通図柄の変動で当選する。また変動時間は、上記のように短縮(0.6秒)されているため、極めて短時間のうちにゲームフローは次の段階に進む。
〔F33〕可変始動入賞装置作動
普通図柄(作動抽選)当選によって可変始動入賞装置28が作動し、始動入賞口28aへの入賞の発生が可能な状態となる。
〔F34〕入賞なし
同様に、何らかの原因(球切れ、球詰まり等)で可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生しなかった場合であっても、ゲームフローは〔F31〕時短中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。
〔F35〕始動口入賞
〔F31〕時短中の「右打ち」の流れにより、可変始動入賞装置28の作動中に始動入賞口28aへの入賞が発生すると、ゲームフローが次の段階に進む。
〔F36〕特別図柄変動
ここでも同様に、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F37〕非当選
〔F31〕時短中の特別図柄(内部抽選)に関して、「低確率状態」の当選確率は2分の1(32768/65536)であるため、確率的に非当選が発生することもあり、その場合は特別図柄が非当選の態様で停止表示される。ただしこの場合、ゲームフローは〔F31〕時短中が継続されるので、遊技者にとって極端な不利益はない。また、時間短縮機能作動回数は100回に設定されているので、たとえ1回の非当選が発生しても、未だ充分に時短回数(99回)が残っている。したがって、〔F31〕時短中は比較的容易に内部抽選で当選が得られることになる。
〔F38〕時短中の確変図柄1,2当選
そして、上記のように確変比率が全体の98%であるため、同じく当選時は高い頻度で確変図柄が選択される。そして、〔F31〕時短中から当選図柄が「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれかに該当した場合、上記のように時間短縮機能作動回数として10000回が付加される。
〔F39〕リミッタ残数=16
そしてこの場合、〔F31〕時短中の「低確率状態」から1回目の確変当選に該当することとなるため、内部的にはここで「リミッタ回数」が再設定されることになる(リミッタ残数=16)。さらに、この場合は確変当選であるため、以下のゲームフローが進行することになる。
〔F18〕可変入賞装置作動(大役中)
特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。〔F31〕時短中から「確変図柄1」又は「確変図柄2」のいずれに該当した場合についても、確率変動機能作動フラグがセットされるとともに、合わせて時間短縮機能作動回数が10000回に設定されるため、ここで実際に可変入賞装置30の開放動作後のゲームフローは確変中(高確率時短中:F19)が再開(再突入、復帰)されることになる。
〔確変中の通常当選によるリミッタ上乗せ〕
以上のゲームフローは、先の〔F19〕確変中のループを繰り返す中で「リミッタ回数」がある程度まで減算されていたとしても、途中に「通常図柄1」で当選すると、それによって「リミッタ回数」がリセットされ、「確変図柄1」又は「確変図柄2」の当選によって「リミッタ回数」がまた最大値に再設定されることを意味している(連続回数再設定契機発生手段)。
これにより、たとえ〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に到達しつつあったとしても、その前に「通常図柄1」に当選(選択比率2%)すれば、それによって「リミッタ回数」が再設定されるため、それだけ〔F19〕確変中のループ回数を延ばしていくことができるというゲーム性が実現されることになる。
〔F40〕時短中の通常図柄1当選
なお、〔F31〕時短中に続けて当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合、またそこで時間短縮機能作動回数として100回が付加される。したがってゲームフローは、〔F30〕可変入賞装置作動の後に〔F31〕時短中が継続されることになる。
以上は、〔F19〕確変中に「リミッタ回数」が残り0回に到達する前に発生し得るゲームフローである。これに対し、〔F19〕確変中に上記のループを繰り返した結果、「リミッタ回数」の残りが0回に到達した場合は以下のゲームフローとなる。
〔リミッタ到達時のゲームフロー〕
図27は、「リミッタ回数」が残り0回に到達した場合の遊技の流れを示すゲームフロー図である。例えば、〔F19〕確変中に「リミッタ回数」が残り0回に到達した状態で、〔F21〕普通図柄当り、〔F22〕可変始動入賞装置作動、そして〔F24〕始動口入賞が発生した場合を想定する。
〔F41〕特別図柄変動
ここでも同様に、始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として特別図柄(内部抽選)が行われる。これにより、特別図柄表示装置34において特別図柄の変動表示が行われる。また、変動時間が経過すると、内部抽選の結果に応じて特別図柄が停止表示される。
〔F42〕非当選
「リミッタ回数」に関わらず、特別図柄(内部抽選)に関して「高確率状態」の当選確率は略1分の1(65535/65536)であるため、確率的に非当選はほとんど発生しない。ただし、極希に内部抽選で非当選となった場合、特別図柄が非当選の態様で停止表示される。この場合、ゲームフローは〔F19〕確変中が継続されるが、「リミッタ回数」は残り0回のままである。なお、時間短縮機能作動回数は最大10000回に設定されているので、たとえ非当選が発生しても、未だ充分に時短回数は残っている。
〔F43〕通常図柄1当選
〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「通常図柄1」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合、確変図柄ではないため「リミッタ回数」の残数は特に関係なく、そのまま時間短縮機能作動回数として100回が付加される。
〔F44〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。また、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、上記のように主制御CPU72の制御処理上で特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン継続〕
この場合、ゲームフローは〔F31〕時短中に戻り、そこからまた「時間短縮状態」で〔F32〕普通図柄当り、〔F33〕可変始動入賞装置作動、〔F35〕始動口入賞、〔F36〕特別図柄変動といったゲームフローが進行する。そして、〔F38〕確変図柄1,2当選に進むと〔F39〕リミッタ残数=16で「リミッタ回数」が再設定された上で、ゲームフローは再び〔F19〕確変中に移行する。
〔F45〕確変図柄1当選→強制通常1
また、〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「確変図柄1」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合、既に「リミッタ回数」が残り0回に到達しているため、主制御CPU72の制御処理上で確変図柄を選択することができず、上記のように強制的に「通常図柄1」が選択されることになる。この場合、確率変動機能作動フラグはクリアされるが、時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、「時間短縮状態」は継続することになる。
〔F44〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。同様に、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン継続〕
この場合も同様に、ゲームフローは〔F31〕時短中に戻り、そこからまた「時間短縮状態」で〔F32〕普通図柄当り、〔F33〕可変始動入賞装置作動、〔F35〕始動口入賞)、〔F36〕特別図柄変動といったゲームフローが進行する。そして、〔F38〕確変図柄1,2当選に進むと〔F39〕リミッタ残数=16で「リミッタ回数」が再設定された上で、ゲームフローは再び〔F19〕確変中に移行する。
〔F46〕確変図柄2当選→強制通常2
これに対し、〔F19〕確変中の「リミッタ回数」が残り0回に達した状態で、当選図柄が「確変図柄2」に該当した場合は以下のゲームフローとなる。この場合についても、既に「リミッタ回数」が残り0回に到達しているため、主制御CPU72の制御処理上で確変図柄を選択することができない。そして「確変図柄2」については、上記のように強制的に「通常図柄2」へ変更されることになる。この場合、確率変動機能作動フラグがクリアされるとともに、時間短縮機能作動回数として0回(=時短なし)が設定されるため、時間短縮機能作動フラグもクリアされることになる。
〔F47〕可変入賞装置作動(大役中)
そして、特別図柄(内部抽選)での当選により、可変入賞装置30が2ラウンドの開放動作を行う。同様に、この時点で「リミッタ回数」の残りは0回に達しているが、特別図柄の停止表示後にリミッタ残数は0クリアされる。
〔チャンスゾーン終了〕
そしてこの場合、ゲームフローは〔F1〕通常遊技中(通常中)に戻り、「非時間短縮状態」かつ「低確率状態」となる。
〔ゲームフローのまとめ〕
以上より、本実施形態において一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行した場合に以下の特徴が明らかとなっている。
図28及び図29は、本実施形態におけるゲームフローのパターンを分類して示す概念図である。以下、順を追って説明する。
(1)基本パターン
図28中(A):「確変図柄1」又は「確変図柄2」の当選を経て、一度ゲームフローが〔F19〕確変中に移行した場合、基本的には極めて高い割合(選択比率98%)で確変当選が連続して発生する。したがって、1回目(初回)の確変当選前の「リミッタ回数」を便宜的に17回(1回目を含めて連続17回まで)と考えると、2回目の連続当選時に「リミッタ回数」は残り16回であり、次の連続3回目の確変当選時は1減算されて15回となっている。さらに、連続4回目の確変当選時にはさらに1減算されて14回(図示していない)となっている。
この後、確変当選が連続して発生する度ごとに「リミッタ回数」が減算されていき、1回目から数えて連続17回目の確変当選が発生すると、そこで1減算されて「リミッタ回数」は残り0回に到達する。この場合、次回の当選時は通常図柄での当選が強制的に変更されるため、確変当選は連続17回までで強制終了となる。
(2)リミッタ上乗せパターン
図28中(B):上記(1)の基本パターン中、「リミッタ回数」が残り0回に到達する前、例えば1回目から連続n回の確変当選を経て、「リミッタ回数」が(17−n)回だけ残っている状態で「通常図柄1」に該当した場合(選択比率2%)を考える。この場合、時間短縮機能作動回数として100回が付加される。
図28中(C):すると、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行するため、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で「確変図柄1」又は「確変図柄2」で当選(合成選択比率98%)することにより、そこで「リミッタ回数」が再設定される。この場合の確変当選は通常当選後の1回目に該当するため、この1回目を含めてさらに連続17回の確変当選の可能性が新たに発生する。この場合の「リミッタ回数」には、今回新たに発生した17回から、ここまでの残り(17−n)回を除いた分(つまりn回)が上乗せされたことになる。
このような上乗せは繰り返し可能であり、「リミッタ回数」が再設定された状態でも、再設定後に「リミッタ回数」が残り0回に到達する前に再度、「通常図柄1」に該当すると、時間短縮機能作動回数として100回が付加される。
図28中(D):すると、同じように大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行するため、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で「確変図柄1」又は「確変図柄2」で当選(合成選択比率98%)することにより、そこで「リミッタ回数」が再設定される。同様に、この場合の確変当選は通常当選後の1回目に該当するため、この1回目を含めてさらに連続17回の確変当選の可能性が新たに発生したことになる。
以上のように本実施形態のパチンコ機1は、初回リミッタ17回を選択した後の〔F19〕確変中のリミッタ到達前に通常当選すると、次回の確変当選時に「リミッタ回数」が再設定(リミッタがリセット)されて〔F19〕確変中が再開される結果、あたかも見かけ上は「リミッタ回数」が次々と上乗せされていくかのようなゲーム性を実現することができる。ただし、遊技制御上で「リミッタ回数」を増加させているわけではなく、間に通常図柄当選を必ず挟んでいるため、極端に遊技の射幸性を高めてしまうことはない。また、上乗せ回数はあくまで「17回−現在の残り回数」であり、上乗せが発生した時点でそれまでの残り回数は破棄される。
(3)リミッタ到達後の継続パターン(リミッタ到達後の上乗せパターン)
図29中(E):一方、初回リミッタ17回を選択後、リミッタ到達前の上乗せが発生せず、上記(1)の基本パターンにしたがって「リミッタ回数」が残り0回に到達した場合、連続18回目で「確変図柄1」に該当しても、強制的に「通常図柄1」に変更される。
図29中(F):ただし、この場合の強制的に変更された「通常図柄1」には時間短縮機能作動回数として100回が付加されるため、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行する。そして、普通図柄(作動抽選)当選を経て次回の特別図柄(内部抽選)で「確変図柄1」又は「確変図柄2」で当選(合成選択比率98%)するすると、そこで「リミッタ回数」が改めて設定される。この場合の確変当選は確変終了後の1回目に該当するため、この1回目を含めて連続17回の確変当選の可能性が付加されたことになる。
この場合、ゲームフローとしてはリミッタ到達によって〔F19〕確変中が一旦は終了するが、リミッタ到達時の当選図柄が「通常図柄1(100回時短あり)」に強制的に変更された場合、〔F31〕時短中から次回の確変当選時に「リミッタ回数」が新たに設定されて〔F19〕確変中が再開される。なお、リミッタ到達後にたまたま「通常図柄1」に該当していれば、同じく時間短縮機能作動回数として100回が付加されているため、大役終了後は上記の〔F31〕時短中に移行する。したがって、リミッタ到達後に〔F31〕時短中に移行する割合は、「通常図柄1」及び「確変図柄1」の各選択比率を合成した57%となる。
いずれにしても、リミッタ到達後に「時短あり通常図柄」で当選することにより、見かけ上は「リミッタ回数」があたかも上乗せ(この場合は+17回)されたかのようなゲーム性を実現することができる。ここでも遊技制御上で確変の「リミッタ回数」を増加させているわけではなく、間にリミッタ到達による強制的な通常図柄当選(又は純粋な通常図柄当選)を発生させているため、極端に遊技の射幸性を高めてしまうことはない。
(4)終了パターン
図29中(G):これに対し、リミッタ到達後に連続18回目で「確変図柄2」に該当すると、今度は強制的に「通常図柄2」に変更される。この場合の強制的に変更された「通常図柄2」には時間短縮機能作動回数が付加されないため(0回=時短なし)、大役終了後は上記の〔F1〕通常遊技中に移行し、〔F19〕確変中の遊技は終了する。
以上が本実施形態のパチンコ機1によるゲームフローの顕著なパターン(1)〜(4)の概要であるが、特に上記(2)のリミッタ上乗せパターン、(3)のリミッタ到達後の継続パターンについては、それぞれのゲームフローが発生したことで遊技者の利益が増加する。ただし、上記(2)及び(3)のパターンはあくまで主制御CPU72による制御処理の上で行われているものであり、その流れを直接的に遊技者が感得することは難しい。
もちろん、特別図柄表示装置34の表示態様を注意深く観察していれば、遊技中にどのような当選図柄に該当したかを遊技者が確認することは可能である。しかし、特別図柄表示装置34そのものは7セグメントLEDであり、いずれの当選図柄についても、その表示態様はある程度記号的(例えば「巳」、「己」、「L」、「¬」、「Γ」、「日」等)となるため、そのような表示態様から瞬時に当選図柄の種類を判別することは困難である。
また、「リミッタ回数」については内部的な制御上の変数であり、特に遊技状態表示装置38で表示されるものではないことから、遊技中に「リミッタ回数」の上乗せが発生したことや、「リミッタ回数」が残り0回に到達したこと、あるいは、リミッタ到達後に時短あり通常図柄に当選したこと等の制御情報を遊技者が直接知ることは難しい。
そこで本実施形態では、上記(1)〜(4)のパターンに沿ってゲームフローが進行していることを遊技者に分かりやすく伝達するための演出手法を採用している。以下、本実施形態で採用している演出手法について、いくつかの例を挙げて説明する。なお、これらはあくまで例示であり、演出図柄や演出画像の内容について特に限定する意図ではない。
〔普通図柄はずれ演出〕
先ず図30は、上記の〔F2〕普通図柄非当選時に実行される演出例を示す連続図である。この演出例は、普通図柄の変動表示及び停止表示に対応させたものであり、具体的には演出図柄による変動表示演出及び結果表示演出の一例である。このうち変動表示演出は、普通図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また結果表示演出は、普通図柄が停止表示したことと、そのときの作動抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。上記のように、普通図柄表示装置33そのものは2つのLEDによる点灯・点滅表示であるため、それだけでは見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、基本的に演出図柄を用いた変動表示演出と結果表示演出が行われている。また、普通図柄の停止時もあくまでシンプルな態様(例えば上側のランプが1つ点灯)で表示されるだけであるため、演出図柄による結果表示演出からでなければ、当選したかどうかも遊技者は気付きにくい。これは逆に、遊技者は基本的に演出の内容から作動抽選の結果を判断する傾向にあることを意味し、それだけにゲームフロー上で演出が重要な役割を担っているといえる。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。このうち、中演出図柄だけ他の左・右演出図柄に比較してサイズが小さい。また、左・右演出図柄は、例えば漢数字の「一」〜「九」とともに、何らかの画像(例えば図示しないキャラクター等)が付された絵札をデザインしたものとなっているが、中演出図柄は、算用数字の「1」〜「9」とともに、何らかの画像が付された絵柄をデザインしたものとなっている。これら左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄は、潜在的に例えば漢数字が「九」〜「一」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図30は、普通図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、普通図柄が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの作動抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図30中(A):例えば、普通図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき普通図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の画面下部には、普通図柄の作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1を付す)が表示されるものとなっている。このマーカM1は、それぞれの表示個数が対応する普通図柄の作動記憶数(普通図柄作動記憶ランプ33)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1は、視覚的な判別を容易にするため普通図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示されている。なお、図30中(A)の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで普通図柄の作動記憶数が4個であることを表している(記憶数表示演出実行手段)。
〔当該変動中領域〕
また、表示画面下部で帯状領域の左端位置には当該変動中領域HAが形成されている。この当該変動中領域HAには、今回の変動で消費された作動記憶に対応するマーカ画像が一定時間に表示されるものとなっている。作動記憶が次の変動開始によって消費されると、当該変動中領域HAの隣(左右の各列の先頭)に表示されているマーカ画像が当該変動中領域HAに移動し、そこで一定時間(例えば1〜2秒程度)表示される。なお本実施形態では、移動後に帯状領域のマーカ画像が残っていれば、最も左寄りのマーカ画像が抜けた後を詰めるようにマーカ画像を順次左に移動(シフト)させる表示が行われる。なお当該変動中領域HAにマーカ画像が表示されて一定時間が経過するか、もしくは普通図柄が変動中でない場合、図示のように当該変動中領域HAはグレイアウト表示されている。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、普通図柄に対応しており、第4図柄Z2は、特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、結果表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に作動抽選の結果が「当り」であれば、それに対応する態様(例えば青色表示色や赤色表示色等)で第4図柄Z1は停止表示される。同様に、特別図柄に対応する内部抽選の結果が「大当り」であれば、それに対応する態様(例えば青色表示色や赤色表示色等)で第4図柄Z2は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図30中(B):例えば、普通図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3つの演出図柄がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。すなわち、普通図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄が縦方向にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、上記の変動時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。なお、内部状態別に対応するモードについてはさらに後述する。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面下部では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、変動開始に伴って普通図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、作動抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、普通図柄に関して作動記憶数が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔左図柄停止〕
図30中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に漢数字の「八」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔右演出図柄停止〕
図30中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中段位置に漢数字の「三」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は漢数字の「七」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって漢数字の「八」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は漢数字の「九」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって漢数字の「八」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも、例えば「五」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、漢数字の「八」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図30中(E):普通図柄の停止表示に同期して(完全に同時でなくてもよい)、最後の中演出図柄が停止する。今回の作動抽選の結果が非当選であって、普通図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に算用数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「八」−「1」−「三」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と結果表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に作動抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上記の例は非当選時についてのものであるが、当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、結果表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(普通図柄表示装置33の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔普通図柄当り演出〕
次に、図31は、上記の〔F3〕普通図柄当り時に実行される演出例を示す連続図である。なお、図30においては、はずれとなる演出例について説明したが、図31では、スーパーリーチ演出を経て当選(当り)となる演出例について説明する。
〔変動表示演出〕
図31中(A):ここでも同様に、普通図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図31中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図31中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図31中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図31中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に漢数字の「七」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図31中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置には漢数字の「七」を表す演出図柄が停止していることから、画面上に横一線状(1本のライン上)に漢数字の「七」−「変動中」−「七」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後、スーパーリーチ演出が実行される。スーパーリーチ演出では、テンパイした数字(ここでは漢数字の「七」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図31中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図31中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば算用数字の「1」〜「8」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「1」、「2」、「3」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、算用数字の「7」が最後まで消去されずに残ると「当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、算用数字の「6」まで消去されて算用数字の「7」が画面手前に残ると「当り」であるが、算用数字の「7」が消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なおこの場合、算用数字の「7」が消去された後の画面上に例えば算用数字の「8」が表示される。したがって、この間、算用数字の「1」、「2」、「3」・・・と順番に画像が消去されていき、算用数字の「5」の順番が近づくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で算用数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に漢数字の「6」が消去されると、今度は「当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図31中(H):リーチ演出が終盤に近づいたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「算用数字の「6」が消去されれば、次に「七」−「7」−「七」で普通図柄当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔結果表示演出〕
図31中(I):普通図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。この例では、内部的に「当選」に該当しているため、演出上で算用数字の「7」を表す演出図柄を画面の中央に停止表示させることにより、演出図柄を「七」−「7」−「七」の当りの態様で停止表示させている。
図31中(J):そして、例えば普通図柄の確定停止表示に略同期して、演出図柄としての結果表示演出についても確定停止表示が行われる。演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような確定停止表示を行うことで、「普通図柄当り」が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。ただし、本実施形態では普通図柄(作動抽選)の当りがそのまま上記の〔F19〕高確率中や〔F31〕時短中を確約するものではないため、あまり大々的に「当り」をアピールする内容となっていない。すなわち、ここでは中演出図柄の表示態様を左演出図柄や中演出図柄と異なる算用数字とすることで、「三つ揃い」のイメージをある程度緩和させている。
〔可変始動入賞装置作動時演出〕
次に図32は、上記の〔F4〕可変始動入賞装置作動時に実行される演出例を示す図である。
図32中(A):この例では、例えば液晶表示器42の画面内に女性キャラクターが出現するとともに、「右打ちしてね!!」といった台詞を発する右打ち示唆演出が行われている。また、台詞を文字表記した吹き出しの画像が表示され、その中に盤面の右下方向を指示する矢印が表示されている。このような演出を実行することで、遊技者に対して「右打ち」を促し、可変始動入賞装置28の作動が開始されることを意識させることができる。なお、このとき表示画面上で台詞を文字情報として表示するのに合わせて、スピーカ54,55,56から音声を発生させてもよい。
図32中(B):右打ち示唆演出後、女性キャラクターが「じゃんけんバトルに勝利すればチャンスゾーンに突入よ!!」といった台詞を発する演出が行われる。これにより、この後行われる「じゃんけんバトル」の勝敗により移行されるモードが異なることを遊技者に教示することができ、そして、勝利した場合には「チャンスゾーン」といった有利なモードに移行するといったことを遊技者に教示することができる。
図32中(C):その後、作動中の可変始動入賞装置28に遊技球が入球し、特別図柄の変動が開始されると、画面内に「じゃんけんバトル開始!!」といった文字が表記された画像が表示される演出が行われる。
〔特別図柄変動時演出〕
図33及び図34は、上記の〔F7〕特別図柄変動時(変動時間内)に実行される演出例を示す連続図である。なおこの例では、〔F7〕の特別図柄変動から確率2分の1で当選し、〔F16〕の確変図柄1,2当選又は〔F11〕通常1当選のいずれかに進むゲームフローを想定している。
例えば図33中(D)に示されているように、この演出の初期では、味方の女性キャラクター(左側)と敵方のキャラクター(右側)の画像が並んで表示されるとともに、お互いが睨み合い、真ん中で火花を散らしている様子が動画像によって演出的に表現されている。また適宜、表示画面内に「勝負」等の文字が表示されることで、遊技者に対して「いよいよこれから2人の勝負が始まるぞ」といった観念を想起させることができる。また、このとき合わせて各キャラクターの台詞(例えば「絶対に勝つ!」「かかって来なさい!」等)が音響出力される態様であってもよい。この場合、例えば台詞の内容で期待度を示唆することができる(台詞の内容が積極的なほど期待度が高い等。)。
図33中(E):演出の中期には、2名のキャラクターが表示画面から一旦消えて、「じゃんけん」という文字情報が大きく表示される。これにより、遊技者に対して「キャラクター同士がじゃんけんで勝負するのだな」という観念を想起させることができる。なお、合わせて「じゃんけんで勝負」といった掛け声や効果音、BGM等が音響出力される態様であってもよい。
図33中(F):演出の中後期には、2名のキャラクターが「それぞれじゃんけんの手を出す」という内容の動画像が表示される。この例では、画面の左から味方のキャラクターの手「チョキ」が出現し、また画面の右から敵方のキャラクターの手「パー」が出現するまでの一連の様子が表現されている。このとき、各キャラクターの動作に合わせて、「じゃーんけーんーぽん!」といった掛け声が音響出力される態様であってもよい。
図34中(G):演出の終期には、勝負の結果、見事に味方のキャラクターが勝利を収めたことが表示される。この例では、見事勝利した味方のキャラクターが表示画面の中央に大写しとなり、顔の横で勝利のVサインを見せている様子が演出的に表現されている。また表示画面内には、「勝った!!」という文字が表示されることで、遊技者に対して「じゃんけんに勝利した」という観念を想起させることができる。
図34中(H):その後、じゃんけんバトルにおいて勝利したことにともない、女性キャラクターが登場し、「チャンスゾーン突入!!」といった文字が表記された画像が表示される演出が行われる。これにより、「今回の大当りで確変中への移行が確定した」ということを教示することができる。
図34中(I):そして、女性キャラクターが「そのまま右打ちしてね!!」といった台詞を発する演出及び、盤面の右方向を指示する矢印が表示される演出が実行される。これにより、モードが「チャンスゾーン」である場合における遊技方法は、遊技球を盤面の右側を流動させる方法であることを教示することができる。したがって、「チャンスゾーン」における遊技方法は、遊技球を右始動ゲート21に通過させるか、可変始動入賞装置28又は可変入賞装置30に遊技球を入球(入賞)させる遊技方法であるといったことを遊技者に示唆させることができる。
〔特別図柄非当選時演出例〕
図35は、チャンスゾーンに突入しない場合の特別図柄変動時(変動時間内)に実行される演出例を示す連続図である。具体的には、〔F7〕の特別図柄変動から〔F8〕の非当選に進む場合は、例えば以下の演出例が実行される。
図35中(J):この例では、画面の左から味方のキャラクターの手「チョキ」が出現し、また画面の右から敵方のキャラクターの手「グー」が出現するまでの一連の様子が表現されている。
図35中(K):勝負の結果、残念ながら味方のキャラクターが敗北してしまったことが表示される。この例では、敗北した味方のキャラクターが表示画面の中央に大写しとなり、がっかりした様子が演出的に表現されている。また表示画面内には、「負けた・・・」という文字が表示されることで、遊技者に対して「じゃんけんに敗北した」という観念を想起させ、「今回はチャンスゾーンに突入することができなかった」ということを教示することができる。
図35中(L):その後、女性キャラクターが「左打ちに戻してね!!」といった台詞を発する演出及び、盤面の左方向を指示する矢印が表示される演出が実行される。これにより、モードが「通常モード」に戻り、遊技方法も遊技球を盤面の左側を流動させる方法に戻ることを教示することができる。
〔確変中演出〕
次に図36は、上記の〔F18〕可変入賞装置作動から〔F19〕の確変中にゲームフローが進行する場合に実行される演出例を示す図である。なお、ここでは「確変中演出」としているが、〔F19〕確変中と〔F31〕時短中を合わせたチャンスゾーンにゲームフローが進行する場合に実行される演出例としてもよい。
図36中(a):チャンスゾーンにおける演出が開始されると、例えば、画面中央で女性キャラクターが自動車に乗って疾走していく様子が表現された演出が実行される。このように特別な演出をすることで、遊技状態が通常モード(例えば、女性キャラクターがリラックスして腰掛けている様子を表す背景画像)からチャンスゾーンに変更したことを遊技者に教示することができる。
〔リミッタ回数表示、メーター更新演出〕
また、画面内の左位置には、例えば、「リミッタ回数」の残り回数を表すリミッタ残数メーターMが表示されており、このリミッタ残数メーターMには現時点で教示することができる(すなわち、実際のリミッタ回数とは異なっている場合も含めて教示することができる)「リミッタ回数」の残り回数が棒グラフの態様で表示される。この例では、リミッタ残数メーターMの矩形枠内において、その下から数えて15番目の最上端のメーター1つを除いた横長のブロックのメーターが14個点灯した状態で「リミッタ回数」が残り14回であることを表している。したがって、遊技者に残り14回の大当りが確定していることを教示することができる。また、チャンスゾーンが進行して大当りに該当すると、このリミッタ残数メーターM内のメーターが1つ消灯することとなる。これにより、遊技者に残り回数が減少したことを教示することとなる。
ここで、チャンスゾーンに突入した際の当選図柄が2ラウンド確変1又は2であった場合、確変リミッタ回数(確変図柄を選択可能な回数)は16回と設定されるため少なくとも残り17回は大当りに当選することが確定している。なお、チャンスゾーンに突入した際の当選図柄が2ラウンド通常1であった場合、確変リミッタ回数(確変図柄を選択可能な回数)は0回と設定されるが、時間短縮状態に移行されるため少なくとも残り18回の大当りに当選することが確定している。しかしながら、上記のようにリミッタ残数メーターMにおいては14個しかメーターが点灯していないため、確定している残り回数の17回(又は18回)からの差分の3回(又は4回)については、遊技者に教示されていないことを表している。以下、画面内に表示されていない残り回数を裏リミッタ値(例えば、17)とし、画面内に表示されている残り回数を表リミッタ値(例えば、14)として説明する。また、これら表リミッタ値や裏リミッタ値については、後述する演出制御処理において同じ目的で使用されている。
〔特別図柄に関する演出図柄表示〕
また、画面内の右上隅には、特別図柄に関する演出図柄が表示されており、この例では「7」−「7」−「7」の組み合わせで停止表示していることが表されている。チャンスゾーンが進行して特別図柄の変動表示(停止表示)が開始されると、それに伴い画面内の右上隅に位置する特別図柄に関する演出図柄についても連動した変動表示演出(停止表示演出)が実行されることを表している。
〔特別図柄に関する第4図柄表示〕
また、画面内の右下隅には、普通図柄に関する第4図柄Z1と、特別図柄に関する第4図柄Z2が表示されており、この例では、それぞれの第4図柄Z1、Z2が当選を表す態様の赤色表示色で表示されていることが表されている。チャンスゾーンが進行し、普通図柄や特別図柄の変動表示(停止表示)が開始されると、それに伴い画面内の右下隅に位置する普通図柄や特別図柄に関する第4図柄Z1、Z2についても連動した変動表示演出(停止表示演出)が実行されることを表している。
〔メーター消費演出(14番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値16、表リミッタ値13に変更)〕
図36中(b):上記の〔F19〕確変中でループを繰り返している間、画面内には引き続きチャンスゾーン中の背景画像が表示される。また、特別図柄に関する変動表示が開始されると、リミッタ残数メーターMについては、特別図柄の内部抽選の結果で当選が発生する度ごとに1つずつメーターが消灯され、メーターが1つ消費されていく態様で表される。この例では、リミッタ残数メーターMの14番目のメーターが消灯されていることが表されている。このようなリミッタ残数メーターMのメーターが消費されるメーター消費演出により、遊技者に対して「リミッタ残数が次第に減少してきている」ということを想起させ、実際のゲームフロー上で使用されている内部情報(「リミッタ回数」)を遊技者に伝達(教示、示唆)することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図36中(c):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。例えば、画面内の右上隅や右下隅に位置する演出図柄や第4図柄Z2が大当りを表す態様で停止表示していることが表されている。その後、可変入賞装置30が作動することなり、1回分の大当りの権利が消費されたこととなる。以下の特別図柄の停止表示時における演出においても同様である。
〔メーター消費演出(13番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値15、表リミッタ値12に変更)〕
図37中(d):その後、可変入賞装置30の作動が終了し、普通図柄が当りに当選し、可変始動入賞装置28が作動して遊技球が入賞すると、特別図柄の変動が開始される。そして、特別図柄の内部抽選の結果が大当りに該当すると、画面内のリミッタ残数メーターMのメーターが1つ消灯されるメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの13番目のメーターが消灯されていることが表されている。
〔特別図柄の停止表示〕
図37中(e):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。このように、チャンスゾーン中の演出としてメーター消灯演出を実行することで遊技が進行することとなる。
〔メーター消費演出(7番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値9、表リミッタ値6に変更)〕
図37中(f):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの7番目のメーターが消灯されることが表されている。
〔メーター先読み上乗せ演出〕
図38中(g):メーター消灯演出が実行されて、しばらくすると(特別図柄の変動時間の半分程度)、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて吹き出し画像MPが新たに表示されるメーター先読み上乗せ演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの5番目のメーターから宝箱が表示された吹き出し画像MPが出現した様子を表す演出が実行される。このメーター先読み上乗せ演出により、遊技者に5番目のメーターが消費される(消灯する)際に何かしらのイベントが発生するかもしれないといった期待感を持たせることができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図38中(h):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。したがって、今回の特別図柄の変動表示中に画面内において行われた演出は、メーター先読み上乗せ演出が実行されたこと以外は、通常のチャンスゾーン中(確変中)の演出であったことを表している。
〔メーター消費演出(6番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値8、表リミッタ値5に変更)〕
図38中(i):そして、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの6番目のメーターが消灯されていることが表されている。また、先ほど実行されたメーター先読み上乗せ演出で表示された宝箱の吹き出し画像については、リミッタ残数メーターMの5番目のメーターに関連付けて表示された状態で維持されている。
〔特別図柄の停止表示〕
図39中(j):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。したがって、今回の特別図柄の変動表示中に画面内において行われた演出は、メーター先読み上乗せ演出が継続して実行されていること以外は、通常のチャンスゾーン中(確変中)の演出であったことを表している。
〔メーター消費演出(5番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値7、表リミッタ値4に変更)〕
図39中(k):そして、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの5番目のメーターが消灯されていることが表されている。また、その際、5番目のメーターに関連付けられて表示されていた宝箱の吹き出し画像も消費される(消される)演出が実行される。
〔上乗せ演出開始〕
また、画面内においては上乗せ演出が開始される。この例では、自動車に乗った女性キャラクターが宝箱を発見するといった演出が実行されている。したがって、先ほどまでリミッタ残数メーターMに表示されていた宝箱の吹き出し画像に対応する演出が実行されていることが表されている。
〔上乗せ回数表示〕
図39中(l):そして、画面内においては、女性キャラクターが発見した宝箱を開けると「+1」と表記されたダイヤモンドが出現する演出が実行される。これにより、リミッタ残数に上乗せ回数の1回分が追加されることを遊技者に教示することができる。
〔メーター上乗せ演出(裏リミッタ値7、表リミッタ値5に変更)〕
図40中(m):そして、先ほど宝箱から出現した「+1」と表記されたダイヤモンドが画面内のリミッタ残数メーターMに吸い込まれるといった演出が実行され、メーターが1個新たに点灯するといったメーター上乗せ演出が実行される。これにより、リミッタ残数メーターMでは1番目から5番目までのメーターが点灯することとなる。したがって、「リミッタ残数が4から5に増加した」ということを遊技者に教示することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図40中(n):その後、上乗せ演出及びメーター上乗せ演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。
上記のように、これら一連の演出であるメーター先読み上乗せ演出、及び、メーター上乗せ演出は「宝箱」といったカテゴリーに属する演出であることを表している。すなわち、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて所定のカテゴリーに属するメーター先読み上乗せ演出が実行されていると、対応する変動において同一のカテゴリーのメーター上乗せ演出が実行されることを表している。このようにメーター先読み上乗せ演出が実行されていると、そのメーター先読み上乗せ演出に対応する変動で同一のカテゴリーの上乗せ演出が実行されてリミッタ残数が増加するといったことを遊技者に想起させ、メーター先読み上乗せ演出が開始されると対応する変動が開始されるまでの間の期待感を向上させることができる。
〔メーター消費演出(5番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値6、表リミッタ値4に変更)〕
図40中(o):そして、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの5番目のメーターが消灯されていることが表されている。すなわち、先ほど上乗せされた5番目のメーターが消費されていることが表されている。
〔特別図柄の停止表示〕
図41中(p):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。例えば、画面内の右上隅や右下隅に位置する演出図柄や第4図柄Z2が大当りを表す態様で停止表示していることが表されている。すなわち、先ほど上乗せされた5番目のメーターが消費されて、特別な演出が実行されずに終了したことが表されている。その後、可変入賞装置30が作動することなり、1回分の大当りの権利が消費されたこととなる。
〔メーター消費演出(4番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値5、表リミッタ値3に変更)〕
図41中(q):そして、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの4番目のメーターが消灯されていることが表されている。すなわち、先ほど上乗せされた4番目のメーターが消費されていることが表されている。
〔上乗せ演出〕
また、メーター消費演出が開始されると、画面内においては上乗せ演出が開始される。この例では、画面内の右位置から花を持参した「パンダのキャラクター」が登場するといった演出が実行されている。
〔メーター上乗演出(裏リミッタ値5、表リミッタ値5に変更)〕
図41中(r):画面内においては、先ず、パンダのキャラクターが持参した花に「+2」と上乗せ回数が表記され、例えば、「+2」と表記された花の画像が大きく表示される上乗せ演出が実行される。したがって、2回分の上乗せ回数がリミッタ残数に追加されることを遊技者に教示することができる。そして、その「+2」と表記された花が画面内のリミッタ残数メーターMに吸い込まれるといった演出が実行され、メーターが2個新たに点灯するといったメーター上乗せ演出が実行される。これにより、リミッタ残数メーターMでは1番目から5番目までのメーターが点灯することとなる。したがって、「リミッタ残数が3から5に増加した」ということを遊技者に教示することができる。
上記のように、メーター先読み上乗せ演出が実行されていないにも関わらず、メーター消費演出が開始されると、突然メーター上乗せ演出が開始されることもあることを表している。したがって、リミッタ残数が増加される演出として、メーター先読み上乗せ演出を経由した上乗せ演出だけではなく、突然実行される上乗せ演出も用意されていることを表している。これにより、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図42中(s):その後、上乗せ演出及びメーター上乗せ演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。
〔メーター消費演出(3番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値2、表リミッタ値2に変更)〕
図42中(t):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの3番目のメーターが消灯されることが表されている。
〔チャンスゾーン終了煽り演出開始〕
また、メーター消費演出が開始されると、女性キャラクターが「ガス残量が少ないよ…」といった台詞を発する演出が実行される。すなわち、画面内のリミッタ残数メーターMを女性キャラクターが乗る自動車のガス残量に対応させて、もう少しでなくなってしまうといったことを表している。なお、このチャンスゾーン終了煽り演出はリミッタ残数メーターMの3番目のメーターが消費されてから最後の1番目のメーターが消費されるまで行われる。これにより、遊技者に対して、確変中の遊技が残り少なくなっていることを実感させて緊張感を抱かせたりすることができる。
〔特別図柄の停止表示〕
〔チャンスゾーン終了煽り演出〕
図42中(u):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。また、この例では、女性キャラクターが「GASステーションが見つからなかった…、次に期待だ」といった台詞を発する演出が実行される。すなわち、今回の変動では上乗せ演出が実行されず、ガス残量に対応するリミッタ残数メーターMのメーターが増加しなかったことを表している。そして、次回の変動で上乗せ演出が実行されることを期待しようといったことを表している。
〔メーター消費演出(2番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値1、表リミッタ値1に変更)〕
図43中(v):その後、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの2番目のメーターが消灯されることが表されている。
〔チャンスゾーン終了煽り演出開始〕
また、メーター消費演出が開始されると、女性キャラクターが「ガス欠になってしまうよ…」といった台詞を発する演出が実行される。すなわち、画面内のリミッタ残数メーターMが残り1つのメーターであることを自動車のガス残量が1しかないことに対応させて、のこり1回でなくなってしまうといったことを表している。
〔特別図柄の停止表示〕
〔チャンスゾーン終了煽り演出〕
図43中(w):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。この例では、女性キャラクターが「次回でGASステーションが見つからないと終了…」といった台詞を発する演出が実行される。すなわち、今回の変動では上乗せ演出が実行されず、ガス残量に対応するリミッタ残数メーターMのメーターが増加しなかったことを表している。そして、次回の変動で上乗せ演出が実行されなければ、チャンスゾーンが終了するといったことを表している。
〔メーター消費演出(1番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R通常)(裏リミッタ値0、表リミッタ値0に一時変更)〕
図43中(x):その後、特別図柄の2R通常1時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの1番目のメーターが消灯され、全てのメーターが消費されて点灯しているメーターがなくなってしまったことが表されている。なお、この変動においては、当選図柄として2ラウンド通常1に当選した場合又は2ラウンド確変1から強制的に2ラウンド通常1に変更された場合を想定する。
〔チャンスゾーン終了煽り演出〕
また、メーター消費演出が開始されると、女性キャラクターが「お願い…」といった台詞を発する演出が実行される。すなわち、画面内のリミッタ残数メーターMが今回の変動で消費されてなくなってしまい、これから上乗せ演出が実行されることに期待するといったことを表している。
〔最大上乗せ演出、押下要求演出〕
図44中(y):その後、画面内の右位置に演出切替ボタンを模した画像が出現する演出が実行される。そして、遊技者に演出切替ボタン45の押下を要求する演出も実行される。すなわち、演出切替ボタン45の押下で上乗せ演出が実行されるかもしれないといった期待感を高めている。また、遊技者に演出切替ボタン45を押下させることで、チャンスゾーン継続かチャンスゾーン終了かを遊技者自身の選択で獲得させるといった遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
〔最大上乗せ演出、可動体落下演出〕
図44中(z):その後、遊技者による演出切替ボタン45の押下(又は、演出切替ボタン45の押下の有効時間の経過)を契機として、ハート形の装飾物の可動体40fが突然落下する可動体落下演出が実行される。これにより、チャンスゾーンの継続が確定したことを遊技者に教示することができる。
〔最大上乗せ演出、メーター最大上乗せ演出〕
〔裏リミッタ値18、表リミッタ値15に変更〕
図44中(A):その後、「GAS STATION」を模した画像が表示され、あたかも女性キャラクターが乗る自動車にガソリンが注入されることで、リミッタ残数メーターMの1番目〜15番目までの全てのメーターが点灯されるといったメーター最大上乗せ演出が実行される。これにより、「リミッタ残数が0から15に増加した」ということを遊技者に教示することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図45中(B):その後、上乗せ演出及びメーター上乗せ演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。例えば、画面内の右上隅や右下隅に位置する演出図柄や第4図柄Z2が大当りを表す態様で停止表示していることが表されている。この例では、右上隅に位置する演出図柄が「3」−「1」−「5」の組み合わせで停止し、右下隅に位置する第4図柄Z2が緑色表示色で停止し、それぞれ2ラウンド通常1を表す態様で停止表示していることが表されている。
〔チャンスゾーン継続演出〕
また、この例では、自動車に乗る女性キャラクターが「やったね!!チャンスゾーンまだまだ継続よ!」といった台詞を発して喜びを表しつつ、チャンスゾーンが継続することを表すチャンスゾーン継続演出が実行される。このように、チャンスゾーン継続演出を実行することで、チャンスゾーン終了煽り演出中の演出切替ボタン45を押下するといった遊技への参加の結果チャンスゾーン継続に成功したことに対して祝福を送ることで、遊技者に安心感を与えることができる。
その後、可変入賞装置30が作動することなり、1回分の大当りの権利が消費されたこととなる。なお、当選図柄(停止図柄)が2ラウンド通常1に該当したことから、この大当りの権利は残り18回(裏リミッタ値=18)に再設定されることとなる。
〔メーター消費演出(15番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値17、表リミッタ値14に変更)〕
図45中(C):最大上乗せ演出が終了し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの15番目のメーターが消灯されていることが表されている。すなわち、先ほど最大まで上乗せされた内の最上位に位置する15番目のメーターが消費されていることが表されている。
〔メーター消費演出(12番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値14、表リミッタ値11に変更)〕
図45中(D):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの12番目のメーターが消灯されることが表されている。
〔メーター先読み上乗せ演出〕
また、この変動において、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて吹き出し画像MPが新たに表示されるメーター先読み上乗せ演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの7番目のメーターから宝箱が表示された吹き出し画像MPが出現した様子を表す演出が実行される。このメーター先読み上乗せ演出により、遊技者に7番目のメーターが消費される(消灯する)際にカテゴリーが「宝箱」に関する上乗せ演出が発生するかもしれないといった期待感を持たせることができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図46中(E):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。したがって、今回の特別図柄の変動表示中に画面内において行われた演出は、メーター先読み上乗せ演出が実行されたこと以外は、通常のチャンスゾーン中(確変中)の演出であったことを表している。
〔メーター消費演出(10番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値12、表リミッタ値9に変更)〕
図46中(F):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの10番目のメーターが消灯されることが表されている。
〔メーター先読み上乗せ演出〕
また、この変動において、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて吹き出し画像MPが新たに表示されるメーター先読み上乗せ演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの5番目のメーターから女性キャラクターが表示された吹き出し画像MPが出現した様子を表す演出が実行される。このメーター先読み上乗せ演出により、遊技者に5番目のメーターが消費される(消灯する)際にカテゴリーが「女性キャラクター」に関する上乗せ演出が発生するかもしれないといった期待感を持たせることができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図46中(G):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。したがって、今回の特別図柄の変動表示中に画面内において行われた演出は、メーター先読み上乗せ演出が実行されていた状態で新たにメーター先読み上乗せ演出が実行されたこと以外は、通常のチャンスゾーン中(確変中)の演出であったことを表している。
〔メーター消費演出(7番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値9、表リミッタ値6に変更)〕
図47中(H):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの7番目のメーターが消灯されていることが表されている。また、その際、7番目のメーターに関連付けられて表示されていた宝箱の吹き出し画像も消費される(消される)演出が実行される。
〔上乗せ演出開始〕
また、画面内においては上乗せ演出が開始される。この例では、自動車に乗った女性キャラクターが宝箱を発見するといった演出が実行されている。したがって、先ほどまでリミッタ残数メーターMに表示されていた宝箱の吹き出し画像に対応する演出が実行されていることが表されている。
〔メーター上乗せ演出(裏リミッタ値9、表リミッタ値8に変更)〕
図47中(I):そして、宝箱から出現した「+2」と表記されたダイヤモンドが画面内のリミッタ残数メーターMに吸い込まれるといった演出が実行され、メーターが2個新たに点灯するといったメーター上乗せ演出が実行される。これにより、リミッタ残数メーターMでは1番目から8番目までのメーターが点灯することとなる。したがって、「リミッタ残数が6から8に増加した」ということを遊技者に教示することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図47中(J):その後、上乗せ演出(例えば、宝箱を開けると「+2」と表記されたダイヤモンドが出現する演出)及びメーター上乗せ演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。
〔メーター消費演出(7番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R通常)(裏リミッタ値7、表リミッタ値6に一時変更)〕
図48中(K):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R通常時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの7番目のメーターが消灯されていることが表されている。なお、この変動においては、当選図柄として2ラウンド通常1に当選した場合を想定する。
〔特別図柄の停止表示(裏リミッタ値18、表リミッタ値6に変更)〕
図48中(L):その後、メーター消費演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。例えば、画面内の右上隅や右下隅に位置する演出図柄や第4図柄Z2が大当りを表す態様で停止表示していることが表されている。この例では、右上隅に位置する演出図柄が「3」−「1」−「5」の組み合わせで停止し、右下隅に位置する第4図柄Z2が緑色表示色で停止し、それぞれ2ラウンド通常1を表す態様で停止表示していることが表されている。
したがって、この変動における演出では、メーター消費演出のみ実行され、上記のような最大上乗せ演出やメーター最大上乗せ演出(例えば、上記図44中(y)〜図44中(A))が実行されなかったことを表している。すなわち、リミッタ残数メーターMにおいて点灯しているメーターの数はそのまま(表リミッタ値6個)であるのに対し、実際のリミッタ残量は18(裏リミッタ値)であることを表しており、遊技者は「現在のリミッタ残数が6である」と認識していることを表している。なお、裏リミッタ値と表リミッタ値の差数が12であることから、上乗せ演出で12回分のリミッタ残数を上乗せすることができるといったことも表している。
〔メーター消費演出(5番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値16、表リミッタ値4に変更)〕
図48中(M):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの5番目のメーターが消灯されていることが表されている。また、その際、5番目のメーターに関連付けられて表示されていた女性キャラクターの吹き出し画像も消費される(消される)演出が実行される。
〔上乗せ演出〕
また、メーター消費演出が開始されると、画面内においては上乗せ演出が開始される。この例では、画面内の右位置からチェリーを持参した「女性キャラクター」が登場するといった演出が実行されている。
〔メーター上乗演出(裏リミッタ値16、表リミッタ値5に変更)〕
図49中(N):画面内においては、先ず、女性キャラクターが持参したチェリーに「+1」と上乗せ回数が表記され、例えば、「+1」と表記されたチェリーの画像が大きく表示される上乗せ演出が実行される。したがって、1回分の上乗せ回数がリミッタ残数に追加されることを遊技者に教示することができる。そして、その「+1」と表記されたチェリーが画面内のリミッタ残数メーターMに吸い込まれるといった演出が実行され、メーターが1個新たに点灯するといったメーター上乗せ演出が実行される。これにより、リミッタ残数メーターMでは1番目から5番目までのメーターが点灯することとなる。したがって、「リミッタ残数が4から5に増加した」ということを遊技者に教示することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図49中(O):その後、上乗せ演出及びメーター上乗せ演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。
〔メーター消費演出(5番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値15、表リミッタ値4に変更)〕
図49中(P):そして、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの5番目のメーターが消灯されることが表されている。
〔メーター先読み上乗せ演出〕
また、この変動において、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて吹き出し画像MPが新たに表示されるメーター先読み上乗せ演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの4番目のメーターから演出切替ボタンが表示された吹き出し画像MPが出現した様子を表す演出が実行される。このメーター先読み上乗せ演出により、遊技者に4番目のメーターが消費される(消灯する)際にカテゴリーが「演出切替ボタン」に関する上乗せ演出が発生するかもしれないといった期待感を持たせることができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図50中(Q):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。したがって、今回の特別図柄の変動表示中に画面内において行われた演出は、メーター先読み上乗せ演出が実行されたこと以外は、通常のチャンスゾーン中(確変中)の演出であったことを表している。
〔メーター消費演出(4番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値14、表リミッタ値3に一時変更)〕
図50中(R):そして、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの5番目のメーターが消灯されることが表されている。また、その際、4番目のメーターに関連付けられて表示されていた演出切替ボタンの吹き出し画像も消費される(消される)演出が実行される。
〔上乗せ演出、押下要求演出〕
また、画面内においては上乗せ演出が開始される。この例では、画面内の右位置に演出切替ボタンを模した画像が出現する演出が実行される。そして、遊技者に演出切替ボタン45の押下を要求する演出も実行される。すなわち、演出切替ボタン45の押下で上乗せ演出が実行されるかもしれないといった期待感を高めている。
〔上乗せ演出、可動体落下演出〕
図50中(S):その後、遊技者による演出切替ボタン45の押下(又は、演出切替ボタン45の押下の有効時間の経過)を契機として、ハート形の装飾物の可動体40fが突然落下する可動体落下演出が実行される。これにより、リミッタ残数の上乗せが確定したことを遊技者に教示することができる。
〔上乗せ演出、上乗せ回数表示〕
図51中(T):そして、画面内においては、ハート形の装飾物の可動体40fを模したものに「+7」と表記された画像が出現する演出が実行される。これにより、リミッタ残数に上乗せ回数の7回分が追加されることを遊技者に教示することができる。
〔メーター上乗せ演出(裏リミッタ値14、表リミッタ値10に変更)〕
図51中(U):そして、先ほど出現した「+7」と表記されたハート形の装飾物が画面内のリミッタ残数メーターMに吸い込まれるといった演出が実行され、メーターが7個新たに点灯するといったメーター上乗せ演出が実行される。これにより、リミッタ残数メーターMでは1番目から10番目までのメーターが点灯することとなる。したがって、「リミッタ残数が3から10に増加した」ということを遊技者に教示することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図51中(V):その後、上乗せ演出及びメーター上乗せ演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。
また、この例では、これまでの上乗せ演出で追加された回数(例えば、+1回、+2回)と比較して多い回数(例えば、+7回)であったことから、女性キャラクターが「やったね!!」といった台詞を発する演出が実行される。したがって、上記のように、例えば、上乗せ回数が多い上乗せ演出においては通常のカテゴリー(例えば、「宝箱」、「女性」等)ではなく特別なカテゴリー(例えば、「演出切替ボタン」)での演出が実行されることを表している。また、カテゴリーを複数用意し、上乗せ回数に基づいてカテゴリーを分けることで、演出の幅を広げ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
〔メーター消費演出(8番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値11、表リミッタ値7に変更)〕
図52中(W):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの8番目のメーターが消灯されることが表されている。
〔メーター先読み上乗せ演出〕
また、この変動において、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて吹き出し画像MPが新たに表示されるメーター先読み上乗せ演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの6番目のメーターから女性キャラクターが表示された吹き出し画像MPが出現した様子を表す演出が実行される。このメーター先読み上乗せ演出により、遊技者に6番目のメーターが消費される(消灯する)際にカテゴリーが「女性キャラクター」に関する上乗せ演出が発生するかもしれないといった期待感を持たせることができる。なお、これまでの変動(9番目と10番目のメーターが消費される変動)において、メーター先読み上乗せ演出が2回実行され、リミッタ残数メーターMの4番目と5番目のメーターからそれぞれ宝箱と演出切替ボタンが表示された吹き出し画像MPが出現した様子を表す演出が実行されていたと想定する。
〔特別図柄の停止表示〕
図52中(X):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。したがって、今回の特別図柄の変動表示中に画面内において行われた演出は、メーター先読み上乗せ演出が実行されていた状態で新たなメーター先読み上乗せ演出が実行されたこと以外は、通常のチャンスゾーン中(確変中)の演出であったことを表している。
〔メーター消費演出(7番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R通常)(裏リミッタ値10、表リミッタ値6に一時変更)〕
図52中(Y):そして、特別図柄の2R通常時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの7番目のメーターが消灯されていることが表されている。なお、この変動においては、当選図柄として2ラウンド通常1に当選した場合を想定する。
〔最大上乗せ演出、ブラックアウト演出〕
図53中(Z):その後、液晶表示器42の表示画面全体がいきなり暗転(ブラックアウト)する演出が実行される。これにより、遊技者に対して突然の変化による見た目上の驚きを与え、今後の成り行きに注目させることができる。
〔最大上乗せ演出、可動体落下演出〕
図53中(α):その後、上記の可動体40fを液晶表示器42の画面手前に落下させるとともに、画面内には落下した可動体40fから放射状の光が発せられているかのような演出が行われる。
〔最大上乗せ演出、上乗せ回数表示〕
図53中(β):そして、可動体40fが初期位置に復帰すると共に、女性キャラクターが登場し、「チャンス回数再セットよ!!」と台詞を発し、ハート形の可動体40fを模した画像の中に「15回」といった上乗せ回数を表す画像が表示される演出が実行される。したがって、遊技者に「リミット残数が15回に再セットされた」ということを遊技者に教示することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図54中(γ):その後、最大上乗せ演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。例えば、画面内の右上隅や右下隅に位置する演出図柄や第4図柄Z2が大当りを表す態様で停止表示していることが表されている。この例では、右上隅に位置する演出図柄が「3」−「1」−「5」の組み合わせで停止し、右下隅に位置する第4図柄Z2が緑色表示色で停止し、それぞれ2ラウンド通常1を表す態様で停止表示していることが表されている。
〔チャンスゾーン継続演出〕
また、この例では、自動車に乗る女性キャラクターが「やったね!!チャンスゾーンまだまだ継続よ!」といった台詞を発して喜びを表しつつ、チャンスゾーンが継続することを表すチャンスゾーン継続演出が実行される。このように、チャンスゾーン継続演出を実行することで、「チャンスゾーンが最初から再度開始される」といったことや「チャンスゾーンがリセットされた」といったことを遊技者に教示することができる。
〔メーター最大上乗せ演出(裏リミッタ値18、表リミッタ値15に変更)〕
また、この例では、リミッタ残数メーターMの1番目〜15番目までの全てのメーターが点灯されるといったメーター最大上乗せ演出が実行される。これにより、「リミッタ残数が6から15に増加した」ということを遊技者に教示することができる。
〔実行中のメーター先読み上乗せ演出の終了〕
ここで、先ほどまで実行されていた複数のメーター先読み上乗せ演出を終了する。すなわち、リミッタ残数メーターMに関連付けて表示していた画像MP(例えば、女性キャラクター、宝箱、演出切替ボタンが表示された吹き出し画像MP)を消す処理が実行される。これは、リミッタ残数メーターMを15回にリセットしたことで、メーター先読み上乗せ演出についてもリセットしたことを表している。したがって、メーター先読み上乗せ演出に関連付けられていたメーターが消費される際に上乗せ演出は実行されないことを表している。
〔特別図柄の停止表示(2R確変)(裏リミッタ値10、表リミッタ値7に変更)〕
図54中(δ):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、リミッタ残数メーターMの8番目のメーターが消灯されるメーター消費演出が実行された後に、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。なお、この変動が終了する際に、複数のメーター先読み上乗せ演出が実行されている場合を想定する。この例では、リミッタ残数メーターMの7番目に「?マーク」が表示された吹き出し画像MPと、4番目に「パンダのキャラクター」が表示された吹き出し画像MPとがそれぞれ表示されるメーター先読み上乗せ演出が実行されている。したがって、リミッタ残数メーターMの7番目のメーターが消灯されるメーター消費演出が実行される後に、「?マーク」のカテゴリーの上乗せ演出が実行され、4番目のメーターが消灯されるメーター消費演出が実行される後に、「パンダのキャラクター」のカテゴリーの上乗せ演出が実行される予定であることを表している。
〔メーター消費演出(7番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値9、表リミッタ値6に変更)〕
図54中(ε):そして、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの7番目のメーターが消灯されていることが表されている。また、その際、7番目のメーターに関連付けられて表示されていた?マークの吹き出し画像も消費される(消される)演出が実行される。
〔上乗せガセ演出開始〕
また、画面内においては上乗せガセ演出が開始される。この例では、自動車に乗った女性キャラクターが「?」と何かを探すが演出が実行されている。したがって、先ほどまでリミッタ残数メーターMに表示されていた?マークの吹き出し画像に対応する演出が実行されていることが表されている。
〔特別図柄の停止表示〕
図55中(θ):その後、上乗せガセ演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。したがって、?マークカテゴリーの上乗せガセ演出が実行されると、女性キャラクターが何かを探す演出が実行され、その結果何も見つけることができず、リミッタ残数に上乗せ回数を追加されることはないことを表している。
このように、上乗せ演出だけではなくリミッタ残数を増加しない上乗せガセ演出を実行することで、演出の幅を広げ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
〔メーター消費演出(1番目のメーター)〕
〔特別図柄の変動開始(2R通常)(裏リミッタ値0、表リミッタ値0に変更)〕
図55中(π):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R通常2時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター消費演出が実行される。この例では、リミッタ残数メーターMの1番目のメーターが消灯され、全てのメーターが消費されて点灯しているメーターがなくなってしまったことが表されている。なお、この変動においては、当選図柄として2ラウンド確変2から強制的に2ラウンド通常2に変更された場合を想定する。
〔チャンスゾーン終了煽り演出〕
また、メーター消費演出が開始されると、女性キャラクターが「お願い…」といった台詞を発する演出が実行される。すなわち、画面内のリミッタ残数メーターMが今回の変動で消費されてなくなってしまい、これから上乗せ演出が実行されることに期待するといったことを表している。
〔押下要求演出〕
図55中(μ):その後、画面内の右位置に演出切替ボタンを模した画像が出現する演出が実行される。そして、遊技者に演出切替ボタン45の押下を要求する演出も実行される。
〔押下失敗演出〕
図56中(ρ):その後、遊技者による演出切替ボタン45の押下(又は、演出切替ボタン45の押下の有効時間の経過)を契機として、演出切替ボタンを模した画像があった位置に「残念」といったメッセージが表示され、演出切替ボタン45の押下に失敗したことを表す押下失敗演出が実行される。
〔特別図柄の停止表示〕
図56中(φ):その後、押下失敗演出が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。例えば、画面内の右上隅や右下隅に位置する演出図柄や第4図柄Z2が大当りを表す態様で停止表示していることが表されている。この例では、右上隅に位置する演出図柄が「4」−「2」−「6」の組み合わせで停止し、右下隅に位置する第4図柄Z2が黄色表示色で停止し、それぞれ2ラウンド通常2を表す態様で停止表示していることが表されている。
〔チャンスゾーン終了演出〕
また、この場合、女性キャラクターが「チャンスゾーン終了ね…」といった台詞を発する演出が実行されるとともに、リミッタ残数メーターMの表示数が0となる。これにより、遊技者に対して「確変中の終了」を教示し、また次回の確変突入に向けて意欲を維持させることに寄与する。
〔左打ち示唆演出〕
図56中(ν):その後、女性キャラクターが「左打ちに戻してね!!」といった台詞を発する演出及び、盤面の左方向を指示する矢印が表示される演出が実行される。これにより、モードが「通常モード」に戻り、遊技方法も遊技球を盤面の左側を流動させる方法に戻ることを教示することができる。
上記のように、チャンスゾーン中(高確中)の演出として、通常の確変中演出、メーター消費演出、先読みメーター上乗せ演出、その先読みメーター上乗せ演出と同一カテゴリーによる上乗せ演出、メーター上乗せ演出、先読みメーター上乗せ演出によらない上乗せ演出、チャンスゾーン終了煽り演出、最大上乗せ演出、チャンスゾーン継続演出、上乗せガセ演出、チャンスゾーン終了演出といった様々な演出を実行することで、リミッタ到達までの残り回数を教示する演出に幅を持たせ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
なお、図示していないが、チャンスゾーン終了煽り演出が実行されている際の変動において、すなわち、リミッタ残数メーターMの3番目、2番目のメーターが消灯される際の変動において、特別図柄の2R通常時の変動表示が開始されることがある。したがって、その2R通常時の変動表示が終了すると裏リミッタ値は18に変更されることを表している。ここで、チャンスゾーン終了煽り演出を実行しているため、リミッタ残数メーターMの3番目、2番目のメーターが消灯された後(その2R通常時の変動表示中)に上乗せ演出は実行されず、最後のメーターが消灯される際(別の特別図柄の変動表示中)に最大上乗せ演出が実行されることとなる(例えば、図43中(x)〜図44中(A))。したがって、チャンスゾーンが終了するか否かといった非常に重要な場面に上乗せ演出をずらすことで、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、上記においては、上乗せ演出や最大上乗せ演出が特別図柄の変動表示中に実行されると説明しました。しかしながら、それら上乗せ演出や最大上乗せ演出演出を実行する期間はそれに限定されず、大当り遊技消化中(可変入賞装置が作動している時間)や特別図柄の変動表示中から大当り遊技中に跨った期間であってもよい。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した普通図柄当り演出(図31)や可変始動入賞装置作動時演出(図32)、特別図柄変動時演出(図33,図34)、通常の確変中演出(図36中(a)〜図36中(c)等)、メーター消費演出(図36中(b)等)、先読みメーター上乗せ演出(図38中(g)〜図39中(j)等)、その先読みメーター上乗せ演出と同一カテゴリーによる上乗せ演出(図39中(k)〜図40中(m)等)、メーター上乗せ演出(図40中(m)等)、先読みメーター上乗せ演出によらない上乗せ演出(図41中(q)、図41中(r)等)、チャンスゾーン終了煽り演出(図42中(t)〜図43中(x)等)、最大上乗せ演出(図44中(y)〜図45中(B)等)、チャンスゾーン継続演出(図45中(B)等)、上乗せガセ演出(図54中(ε)、図55中(θ))、チャンスゾーン終了演出(図55中(μ)〜図56中(ν))等は、以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図57は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、演出図柄管理処理(ステップS402)、普通図柄当り後演出管理処理(ステップS404)、表示出力処理(ステップS405)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば始動ゲート通過コマンド、普通別作動記憶数コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、時間短縮機能作動回数コマンド(回数切りカウンタ数コマンド)、リミッタ残数コマンド、エラー通知コマンド等がある。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御する。この処理において、上記の普通図柄はずれ演出(図30)や普通図柄当り演出(図31)等の内容が制御される。なお、演出図柄管理処理の内容については別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:普通図柄当り後演出管理処理では、演出制御CPU126は普通図柄抽選(作動抽選)で当選した後の演出を制御する。例えば、演出制御CPU126は可変始動入賞装置28の作動時の演出内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。この処理では、上記の可変始動入賞装置作動時演出(図32)、特別図柄変動時演出(図33,図34,図35)、通常の確変中演出(図36中(a)〜図36中(c)等)、メーター消費演出(図36中(b)等)、先読みメーター上乗せ演出(図38中(g)〜図39中(j)等)、その先読みメーター上乗せ演出と同一カテゴリーによる上乗せ演出(図39中(k)〜図40中(m)等)、メーター上乗せ演出(図40中(m)等)、先読みメーター上乗せ演出によらない上乗せ演出(図41中(q)、図41中(r)等)、チャンスゾーン終了煽り演出(図42中(t)〜図43中(x)等)、最大上乗せ演出(図44中(y)〜図45中(B)等)、チャンスゾーン継続演出(図45中(B)等)、上乗せガセ演出(図54中(ε)、図55中(θ))、チャンスゾーン終了演出(図55中(μ)〜図56中(ν))等の内容が制御される。なお、普通図柄当り後演出管理処理の内容については別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS405:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、普通図柄の作動記憶数、変動演出パターン番号、予告演出番号、演出モード番号、リミッタ上乗せ演出パターン番号、リミッタ残数メータ表示数パターン番号、背景チェンジ演出パターン番号、復活演出パターン番号、終了演出パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種の演出実行手段としての機能を果たす。)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46,48,50,52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば各種演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。他にも、例えば、先読み上乗せ演出実行抽選用乱数、上乗せ演出実行変動抽選用乱数、先読み上乗せガセ演出実行抽選用乱数、最大上乗せ演出実行抽選用乱数、上乗せ演出実行抽選用乱数、上乗せ個数抽選用乱数、上乗せ演出カテゴリー抽選用乱数、最大上乗せ演出内容抽選用乱数等の上乗せ演出に関連する乱数が用意されている。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体ソレノイド57を駆動源として動作し、上記のように液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。
〔演出図柄管理処理〕
図58は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS450)、演出図柄変動前処理(ステップS452)、演出図柄変動中処理(ステップS454)、及び、演出図柄停止表示中処理(ステップS456)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS450:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS452〜ステップS456のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS452)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS454)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS456)を選択する。なお、可変始動入賞装置が作動(開閉動作時、終了処理時等)している場合は、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS452〜ステップS456のいずれか)のジャンプ先を選択せず、この演出図柄管理処理を終了する。
ステップS452:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS454:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS456:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、普通図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
〔演出図柄変動前処理〕
図59は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図57中のステップS405)、ランプ駆動処理(図57中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、すなわち、今回の変動が当りであることを確認した場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。なお、今回の変動がはずれか否か(当り)の確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS610:演出制御CPU126は、当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は普通図柄の変動表示中に行われる演出図柄に関する演出、リーチ演出、先読み演出等の内容(スケジュール、演出の実行タイミング)を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は普通図柄の変動表示中に行われる演出図柄に関する演出、リーチ演出、先読み演出等の内容(スケジュール、演出の実行タイミング)を選択的に決定し、決定した内容の設定を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上のステップS610又はステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば、内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(図58)に復帰する。
次に、演出制御処理の中で実行される普通図柄当り後演出管理処理の内容について説明する。
〔普通図柄当り後演出管理処理〕
図60は、普通図柄当り後演出管理処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄当り後演出管理処理は、例えば実行選択処理(ステップS500)、初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)、特別図柄変動時演出処理(ステップS504)、大役開始後演出処理(ステップS506)、終了演出処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして普通図柄当り後演出管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、演出制御CPU126は最初のジャンプ先として初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)を選択する。一方、既に可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)が完了し、かつ、特別図柄の変動パターンコマンド(始動口入賞音制御コマンドでもよい)を受信していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として特別図柄変動時演出処理(ステップS504)を選択する。また特別図柄変動時演出処理(ステップS504)が完了し、かつ、特別図柄(内部抽選)の当選コマンドを受信していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として大役開始後演出処理(ステップS506)を選択する。そして演出制御CPU126は、大役開始後演出処理の中で終了フラグをセットした場合、次のジャンプ先として終了処理(ステップS508)を選択する。なお、初回可変始動入賞装置作動時処理(ステップS502)及び特別図柄変動時演出処理(ステップS504)は、「時間短縮状態」を表す状態指定コマンドを受信した場合はジャンプ先として選択されない。これは、ゲームフローが一度「時間短縮状態」(〔F19〕確変中又は〔F31〕時短中)に移行した場合、チャンスゾーン中の演出(確変中演出(女性キャラクターが自動車に乗って疾走する演出)、リミッタ残数メーターMに関する演出、上乗せ演出等)に移行することから、この間に可変始動入賞装置作動時演出(図32)や特別図柄変動時演出(図33,図34)を実行する必要がないためである。
ステップS502:初回可変始動入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は普通図柄(作動抽選)の初当り後に可変始動入賞装置26を作動させる場合の演出を制御する。ここで制御される演出の内容は、上述した可変始動入賞装置作動時演出(図32)と同様であり、例えば、液晶表示器42の画面上に「右打ちしてね!」等のメッセージを表示することで、遊技者に対してゲームフロー上の進捗状況を案内する。このような演出を実行することで、遊技者が漫然と遊技を消化するのを防止し、目的意識を再確認させて遊技意欲の低下を防止することができる。
ステップS504:この特別図柄変動時演出処理において、演出制御CPU126は特別図柄の変動表示や停止表示に対応させた内容の演出を行うことができる。ここで制御される演出の内容は、上述した特別図柄変動時演出(図33,図34)と同様である。このような演出を実行することで、普通図柄(作動抽選)の初回当選後の特別図柄(内部抽選)変動で確変(チャンスゾーン)に突入できるか否かの期待感を遊技者に抱かせ、ハラハラドキドキとした興趣性を提供することができる。
ステップS506:大役開始後演出処理では、演出制御CPU126は上記のように確変中演出(女性キャラクターが自動車に乗って疾走する演出)、リミッタ残数メーターMに関する演出、上乗せ演出等の内容を制御する。これにより、ゲームフローが〔F19〕確変中又は〔F31〕時短中に移行した後の遊技の流れや進行状況についての情報を遊技者に伝達したり、「リミッタ回数」の上乗せ発生を強く訴求したりすることができる。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS508:終了演出処理では、演出制御CPU126は〔F19〕確変中の終了に伴う演出の内容を制御する。ここで制御される演出の内容は、上述したリミッタ到達後演出のうち、「チャンスゾーン終了」を表す態様(図56)と同様である。このような演出を実行することで、ゲームフロー上で一旦は〔F19〕確変中が終了したことを遊技者に伝達し、また次回の〔F19〕確変中への移行に向けて遊技意欲を維持させることができる。
〔大役開始後演出処理〕
図61は、大役開始後演出処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
〔リミッタ数管理処理〕
ステップS7000:演出制御CPU126は、リミッタ数管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はこの処理において演出で必要な主制御リミッタ値、表リミッタ値、裏リミッタ値、上乗せリミッタ値の管理を行う。
例えば、主制御リミッタ値は、主制御CPU72から演出制御CPU126に送信されたリミッタ残数コマンドに対応するリミッタ値であり、主制御CPU72が管理しているリミッタ残数との整合性を合わせるために用意されている。
例えば、表リミッタ値は、画面内で実行されるリミッタ残数メーターMに関する演出で表示されるメーターの個数を表している。具体的には、表リミッタ値が7である場合、画面内においてはリミッタ残数メーターMの1〜7番目までのメーターが点灯していることを表している。したがって、画面内においてメーター消灯演出が実行され、リミッタ残数メーターMの7番目のメーターが消灯され、点灯しているメーターが1〜6番目になった場合、表リミッタ値は6に更新される。反対に、画面内においてメーター上乗せ演出が実行され、リミッタ残数メーターMの8番目のメーターが点灯され、点灯しているメーターが1〜8番目になった場合、表リミッタ値は8に更新される。
例えば、裏リミッタ値は、演出制御CPU126が管理しているリミッタ残数を表している。したがって、画面内のリミッタ残数メーターMおいてメーター消灯演出が実行されると、裏リミッタ値が1減算される。しかしながら、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター上乗せ演出が実行されたとしても裏リミッタ値が加算されることはない。
例えば、上乗せリミッタ値は、裏リミッタ値から表リミッタ値を減算した値に相当しており、遊技者に秘匿しているリミッタ残数を表している。具体的には、上乗せリミッタ値が3であった場合、残りのリミッタ回数が3回あることを表している。なお、この上乗せリミッタ値は、画面内のリミッタ残数メーターMにおいてメーター上乗せ演出が実行され、メーターが新たに点灯されると、その新たに点灯された個数分が減算されて更新される。
上記のように、このリミッタ数管理処理においては、演出制御CPU126は各リミッタ値の設定を行っている。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7200を実行する。
〔先読み上乗せ演出シナリオ設定処理〕
ステップS7200:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出シナリオ設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は各リミッタ値に基づいて、先読み上乗せ演出を実行するか否かを決定し、先読み上乗せ演出を実行する場合、上乗せ演出を実行する変動(表リミッタ値に対応する変動)、上乗せする個数(上乗せ個数)、上乗せ演出の種類(上乗せ演出カテゴリー)をセットにした先読み上乗せシナリオを設定する。そして、この処理で設定された先読み上乗せシナリオに基づいて、画面内において上乗せ演出が実行されたり、リミッタ残数メーターMにおいてメーター先読み上乗せ演出が実行されたりする。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7400を実行する。
〔メイン演出管理処理〕
ステップS7400:演出制御CPU126は、メイン演出管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は画面内で実行されるチャンスゾーン中の演出の内容を設定する。例えば、女性キャラクターが自動車に乗って疾走していく様子を表す確変中演出、画面内のリミッタ残数メーターMが残り3個〜1個になった際に、チャンスゾーン終了を煽る演出、上乗せ演出、最大上乗せ演出等の実行を設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7600を実行する。
〔メーター演出設定処理〕
ステップS7600:演出制御CPU126は、メーター演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は画面内で実行されているリミッタ残数メーターMに関連する演出の実行を設定する。例えば、メーター消費演出、メーター更新演出、メーター上乗せ点灯演出、メーター最大上乗せ点灯演出、メーター先読み上乗せ演出の実行を設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7800を実行する。
〔その他の演出設定処理〕
ステップS7800:演出制御CPU126は、その他の演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はメイン演出管理処理やメーター演出設定処理において設定しなかった演出について設定する。例えば、演出図柄の変動表示演出や停止表示演出、普通図柄や特別図柄に関する第4図柄についての変動表示演出や停止表示演出、メイン演出管理処理やメーター演出設定処理で設定された演出に基づいた各種ランプ46,48,50,52、盤面ランプ53、スピーカ54,55,56を使用した演出内容を設定する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は普通図柄当り後演出管理処理(図60)に復帰する。
〔リミッタ数管理処理〕
図62は、リミッタ数管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7010:演出制御CPU126は、リミッタ残数コマンドを受信したか否かを確認する。具体的は、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、新たにリミッタ残数コマンドが記憶されたか否かを確認する。この確認の結果、リミッタ残数コマンドを受信した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7012を実行する。一方、リミッタ残数コマンドを受信しなかった場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7014を実行する。
ステップS7012:演出制御CPU126は、リミッタ残数コマンド受信時リミッタ数管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は新たにリミッタ残数コマンドを受信した際に、そのコマンドに対応した値に基づいて主制御リミッタ値を更新し、その時の条件(主制御リミッタ値、裏リミッタ値、表リミッタ値、停止図柄コマンドに関する条件)に応じて裏リミッタ値や表リミッタ値を設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7014を実行する。
ステップS7014:演出制御CPU126は、メーター消灯演出が実行されたか否かを確認する。具体的には、先のメーター演出設定処理(図61中のステップS7600)においてメーター消灯演出の実行が設定され、その設定に基づいて画面内でリミッタ残数メーターMのメーターが1つ消灯する演出が実行されたか否かを確認する。したがって、この処理においては、上記の先のメーター演出設定処理(図61中のステップS7600)においてメーター消灯演出の実行が設定されたか否かを確認してもよい。この確認の結果、メーター消灯演出が実行された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7016を実行する。一方、メーター消灯演出が実行されなかった場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7018を実行する。
ステップS7016:演出制御CPU126は、メーター消灯演出時リミッタ数管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はメーター消灯演出が実行された際に、裏リミッタ値や表リミッタ値を設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7018を実行する。
ステップS7018:演出制御CPU126は、メーター上乗せ点灯演出が実行されたか否かを確認する。具体的には、先のメーター演出設定処理(図61中のステップS7600)においてメーター上乗せ点灯演出の実行が設定され、その設定に基づいて画面内でリミッタ残数メーターMのメーターが新たに少なくとも1つ点灯する演出が実行されたか否かを確認する。したがって、この処理においては、上記の先のメーター演出設定処理(図61中のステップS7600)においてメーター上乗せ点灯演出の実行が設定されたか否かを確認してもよい。この確認の結果、メーター上乗せ点灯演出が実行された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7020を実行する。一方、メーター上乗せ点灯演出が実行されなかった場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7022を実行する。
ステップS7020:演出制御CPU126は、メーター上乗せ点灯演出時リミッタ数管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はメーター上乗せ点灯演出が実行された際に、表リミッタ値を設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7022を実行する。
ステップS7022:演出制御CPU126は、メーター最大上乗せ点灯演出が実行されたか否かを確認する。具体的には、先のメーター演出設定処理(図61中のステップS7600)においてメーター最大上乗せ点灯演出の実行が設定され、その設定に基づいて画面内でリミッタ残数メーターMのメーターが全て(例えば、15個)点灯する演出が実行されたか否かを確認する。したがって、この処理においては、上記の先のメーター演出設定処理(図61中のステップS7600)においてメーター最大上乗せ点灯演出の実行が設定されたか否かを確認してもよい。この確認の結果、メーター最大上乗せ点灯演出が実行された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7024を実行する。一方、メーター最大上乗せ点灯演出が実行されなかった場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7026を実行する。
ステップS7024:演出制御CPU126は、メーター最大上乗せ点灯演出時リミッタ数管理処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126はメーター最大上乗せ点灯演出が実行された際に、表リミッタ値を設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7026を実行する。
ステップS7026:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値リセット処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は上乗せリミッタ値更新フラグ、裏リミッタ値リセットフラグ、表リミッタ値リセットフラグに基づいて、上乗せリミッタ値を設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は大役開始後演出処理(図61)に復帰する。
〔リミッタ残数コマンド受信時リミッタ数管理処理〕
図63は、リミッタ残数コマンド受信時リミッタ数管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7050:演出制御CPU126は、主制御リミッタ値をリミッタ残数コマンドに対応した値+1に設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7010(図62)で参照したリミッタ残数コマンドの値に基づいて、そのコマンドに対応する値に1加算した値を、RAM130のリミッタ値管理バッファ領域に主制御リミッタ値として記憶する。
例えば、通常モードからチャンスゾーンに突入する際の停止図柄が2ラウンド確変1、又は、2ラウンド確変2であった場合、リミッタ残数コマンドは16に対応する値であるため、主制御リミッタ値は17に設定されて記憶される。また、チャンスゾーンが進行し、特別図柄の変動が複数化実行された際の停止図柄が2ラウンド確変1、又は、2ラウンド確変2であり、その際のリミッタ残数コマンドが7に対応する値であった場合、主制御リミッタ値は8に設定されて記憶される。また、停止図柄が2ラウンド通常1、又は、2ラウンド通常2であった場合、リミッタ残数コマンドは0に対応する値であるため、主制御リミッタ値は1に設定されて記憶される。
上記のように、主制御リミッタ値の設定を終えると、演出制御CPU126は次にステップS7052を実行する。
ステップS7052:演出制御CPU126は、主制御リミッタ値が1と同一の値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7050で設定した主制御リミッタ値が1と同一の値であるか否かを確認する。この確認の結果、主制御リミッタ値が1と同一の値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7080を実行する。一方、主制御リミッタ値が1と同一の値ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7060を実行する。
ステップS7060:演出制御CPU126は、裏リミッタ値が主制御リミッタ値と同一であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、裏リミッタ値を参照し、参照した値と先のステップS7050で設定した主制御リミッタ値と同一であるか否かを確認する。
例えば、通常モードからチャンスゾーンに突入する際、裏リミッタ値は初期値の0であるため、裏リミッタ値と主制御リミッタ値とは同一ではない。一方、チャンスゾーンが進行し、特別図柄の変動開始時(抽選結果コマンド受信時)に画面内においてリミッタ残数メーターMが1つ消灯されると裏リミッタ値は減算されるため、特別図柄の停止表示時(リミッタ制御残数コマンド受信時)においてはその減算された裏リミッタ値と主制御リミッタ値とは同一となる。他にも、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)にパチンコ機1に供給される電源が一時遮断され、その後復帰した場合も、裏リミッタ値は初期値の0であるため、裏リミッタ値と主制御リミッタ値とは同一ではなくなる。したがって、裏リミッタ値と主制御リミッタ値とが同一ではない場合は、通常モードからチャンスゾーンに突入する場合、又は、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後からの復帰時の場合が想定される。
この確認の結果、裏リミッタ値が主制御リミッタ値と同一である場合(Yes)、演出制御CPU126はリミッタ数管理処理(図62)に復帰する。一方、裏リミッタ値が主制御リミッタ値と同一ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7062を実行する。
ステップS7062:演出制御CPU126は、裏リミッタ値を主制御リミッタ値に設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7050で設定した主制御リミッタ値と同一の値で裏リミッタ値をRAM130のリミッタ値管理バッファ領域に記憶する。
例えば、通常モードからチャンスゾーンに突入する際、裏リミッタ値は主制御リミッタ値と同一の値(例えば、17)に設定されて記憶される。他にも、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後からの復帰の際、裏リミッタ値はリミッタ残数コマンドに対応した値(例えば、5)に基づいて主制御リミッタ値と同一の値(例えば、5)に設定されて記憶される。演出制御CPU126は次にステップS7064を実行する。
ステップS7064:演出制御CPU126は、裏リミッタ値リセットフラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、裏リミッタ値リセットフラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。演出制御CPU126は次にステップS7066を実行する。
ステップS7066:演出制御CPU126は、裏リミッタ値が6よりも大きな値であるか否かを確認する。具体的には、先のステップS7062で設定した裏リミッタ値が6よりも大きな値であるか否かを確認する。この確認の結果、裏リミッタ値が6よりも大きな値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7068を実行する。一方、裏リミッタ値が6よりも大きな値ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7070を実行する。
ステップS7068:演出制御CPU126は、表リミッタ値を裏リミッタ値−3に設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7062で設定した裏リミッタ値から3減算した値で表リミッタ値をRAM130のリミッタ値管理バッファ領域に記憶する。
例えば、通常モードからチャンスゾーンに突入する際、表リミッタ値は裏リミッタ値(例えば、17)から3減算した値(例えば、14)が設定されて記憶される。演出制御CPU126は次にステップS7090を実行する。
ステップS7070:演出制御CPU126は、表リミッタ値を裏リミッタ値に設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7062で設定した裏リミッタ値と同一の値で表リミッタ値をRAM130のリミッタ値管理バッファ領域に記録する。
例えば、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後からの復帰の際、表リミッタ値は裏リミッタ値(例えば、5)と同一の値(例えば、5)に設定されて記憶される。演出制御CPU126は次にステップS7090を実行する。
ステップS7080:演出制御CPU126は、停止図柄が2ラウンド通常1であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、記憶されていた停止図柄コマンドの値を参照し、参照した値が2ラウンド通常1に対応する値であるか否かを確認する。この確認の結果、停止図柄が2ラウンド通常1である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7082を実行する。一方、停止図柄が2ラウンド通常1ではない場合(No)、演出制御CPU126はリミッタ数管理処理(図62)に復帰する。
ステップS7082:演出制御CPU126は、裏リミッタ値を18に設定する。具体的には、演出制御CPU126は18の値で裏リミッタ値をRAM130のリミッタ値管理バッファ領域に記憶する。演出制御CPU126は次にステップS7084を実行する。
ステップS7084:演出制御CPU126は、裏リミッタ値リセットフラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、裏リミッタ値リセットフラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。演出制御CPU126は次にステップS7086を実行する。
ステップS7086:演出制御CPU126は、表リミッタ値が0と同一の値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照し、参照した値が0と同一の値であるか否かを確認する。
例えば、通常モードからチャンスゾーンに突入する際、停止図柄が2ラウンド通常1であった場合、表リミッタ値は初期値の0であるため、表リミッタ値が0と同一の値である。一方、チャンスゾーンが進行し、停止図柄が2ラウンド通常1に該当したとしても、リミッタ到達時にはメーター最大上乗せ演出が実行され表リミッタ値は15に設定され、リミッタ到達時以外ではメーター最大上乗せ演出が実行されてもされなかったとしても表リミッタ値は0と異なる値(1〜15)に設定されていることを表している。
この確認の結果、表リミッタ値が0と同一の値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7088を実行する。一方、表リミッタ値が0と同一の値ではない場合(No)、演出制御CPU126はリミッタ数管理処理(図62)に復帰する。
ステップS7088:演出制御CPU126は、表リミッタ値を15に設定する。具体的には、演出制御CPU126は15の値で表リミッタ値をRAM130のリミッタ値管理バッファ領域に記憶する。演出制御CPU126は次にステップS7090を実行する。
ステップS7090:演出制御CPU126は、表リミッタ値リセットフラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、表リミッタ値リセットフラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126はリミッタ数管理処理(図62)に復帰する。
〔メーター消灯演出実行時リミッタ数管理処理〕
図64は、メーター消灯演出実行時リミッタ数管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7100:演出制御CPU126は、表リミッタ値を1減算する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照し、参照した値から1減算した値を新たな表リミッタ値として設定しRAM130のリミッタ管理バッファ領域に記憶する。
例えば、図37中(f)で説明したように、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて7番目までのメーターが点灯している状態でメーター消灯演出が実行されると、画面内のリミッタ残数メーターMの7番目のメーターが1つ消灯されて6番目までのメーターが点灯する状態となる。ここで、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて7番目までのメーターが点灯している状態においては、表リミッタ値が7を表している。そして、メーター消灯演出が実行されて、この処理が実行されると、表リミッタ値は7から1減算されて6となる。したがって、この処理によって表リミッタ値が6となるため、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて6番目までのメーターが点灯している状態との整合性が取れたことを表している。
上記のように、表リミッタ値を設定し記憶すると、演出制御CPU126は次にステップS7102を実行する。
ステップS7102:演出制御CPU126は、裏リミッタ値を1減算する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、裏リミッタ値を参照し、参照した値から1減算した値を新たな裏リミッタ値として設定しRAM130のリミッタ管理バッファ領域に記憶する。
ここで、画面内のリミッタ残数メーターMの点灯個数を表す表リミッタ値と上乗せリミッタ値とを合算したものが裏リミッタ値であるため、先のステップS7100で表リミッタ値が1減算されたことに基づき、この処理において裏リミッタ値を1減算する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126はリミッタ数管理処理(図62)に復帰する。
〔メーター上乗せ点灯演出実行時リミッタ数管理処理〕
図65は、メーター上乗せ点灯演出実行時リミッタ数管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7120:演出制御CPU126は、設定された上乗せ演出内容を参照する。具体的には、画面内において現在実行中の上乗せ演出の内容を参照する。この上乗せ演出の内容は、メイン上乗せ演出設定処理内(図72中のステップS7452)で設定される内容を表している。ここで、必要となる情報は上乗せ演出において上乗せされるメーターの個数であるため、後述する上乗せ演出における上乗せ演出パターンに関連する上乗せ個数をこの処理において参照してもよい。演出制御CPU126は次にステップS7122を実行する。
ステップS7122:演出制御CPU126は、表リミッタ値に上乗せ演出で実行された分を加算する。具体的には、先ず、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照する。次に、先のステップS7120で参照した上乗せ演出の内容に基づき、上乗せ演出で実行された上乗せ個数に対応する値と、参照した表リミッタ値とを合算し、合算結果の値を新たな表リミッタ値として設定しRAM130のリミッタ管理バッファ領域に記憶する。
例えば、図41中(q)、(r)で説明したように、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて3番目までのメーターが点灯している状態でメーター上乗せ点灯演出(例えば、上乗せ回数が2個)が実行されると、画面内のリミッタ残数メーターMの4番目と5番目のメーターが新たに2つ点灯されて5番目までのメーターが点灯する状態となる。ここで、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて3番目までのメーターが点灯している状態においては、表リミッタ値が3を表している。そして、上乗せ回数が2個のメーター上乗せ点灯演出が実行されて、この処理が実行されると、表リミッタ値は3から2加算されて5となる。したがって、この処理によって表リミッタ値が5となるため、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて5番目までのメーターが点灯している状態との整合性が取れたことを表している。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126はリミッタ数管理処理(図62)に復帰する。
〔メーター最大上乗せ点灯演出実行時リミッタ数管理処理〕
図66は、メーター最大上乗せ点灯演出実行時リミッタ数管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7140:演出制御CPU126は、表リミッタ値を15に設定する。具体的には、演出制御CPU126は15の値で表リミッタ値をRAM130のリミッタ値管理バッファ領域に記憶する。演出制御CPU126は次にステップS7142を実行する。
例えば、図44中(z)、(A)で説明したように、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて全てのメーターが消灯している状態でメーター最大上乗せ点灯演出が実行されると、画面内のリミッタ残数メーターMの全てのメーターが点灯する状態となる。ここで、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて全てのメーターが消灯している状態においては、表リミッタ値が0を表している。そして、メーター最大上乗せ点灯演出が実行されて、この処理が実行されると、表リミッタ値は0から15に変更される。したがって、この処理によって表リミッタ値が15となるため、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて全ての(15番目までの)メーターが点灯している状態との整合性が取れたことを表している。
上記のように、表リミッタ値を設定し記憶すると、演出制御CPU126は次にステップS7142を実行する。
ステップS7142:演出制御CPU126は、表リミッタ値リセットフラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、表リミッタ値リセットフラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126はリミッタ数管理処理(図62)に復帰する。
〔上乗せリミッタ値リセット処理〕
図67は、上乗せリミッタ値リセット処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7170:演出制御CPU126は、裏リミッタ値リセットフラグがONであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、裏リミッタ値リセットフラグの値を参照し、参照した値がONに対応する値(例えば、01H)と同一であるか否かを確認する。この確認の結果、裏リミッタ値リセットフラグがONである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7172を実行する。一方、裏リミッタ値リセットフラグがONではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7180を実行する。
ステップS7172:演出制御CPU126は、表リミッタ値リセットフラグがONであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、表リミッタ値リセットフラグの値を参照し、参照した値がONに対応する値(例えば、01H)と同一であるか否かを確認する。この確認の結果、表リミッタ値リセットフラグがONである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7174を実行する。一方、表リミッタ値リセットフラグがONではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7175を実行する。
ステップS7174:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値を裏リミッタ値から表リミッタ値を減算した値に設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、裏リミッタ値と表リミッタ値とを参照し、参照した裏リミッタ値から表リミッタ値を減算した値を上乗せリミッタ値として設定しRAM130のリミッタ管理バッファ領域に記憶する。
ここで、裏リミッタ値リセットフラグをON(ステップS7170:Yes)に設定する処理は、上記で説明したように、リミッタ残数コマンド受信時リミッタ数管理処理内での処理(図63中のステップS7064又はステップS7084)で実行される。すなわち、通常モードからチャンスゾーン(高確率状態、又は、時間短縮状態)に突入した場合、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後から復帰した場合、又は、停止図柄が2ラウンド通常1に該当した場合を条件として裏リミッタ値リセットフラグをONに設定したことを表している。
一方、表リミッタ値リセットフラグをON(ステップS7172:Yes)に設定する処理は、上記で説明したように、リミッタ残数コマンド受信時リミッタ数管理処理内での処理(図63中のステップS7090)、又は、メーター最大上乗せ点灯演出実行時リミッタ数管理処理内での処理(図66中のステップS7142)のいずれかで実行される。すなわち、通常モードからチャンスゾーン(高確率状態、又は、時間短縮状態)に突入した場合、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後から復帰した場合、又は、停止図柄が2ラウンド通常1に該当してメーター最大上乗せ演出を実行した場合を条件として表リミッタ値リセットフラグをONに設定したことを表している。
したがって、この処理を実行する条件(ステップS7170:Yes、かつ、ステップS7172:Yes)は、上記の表リミッタ値リセットフラグ及び裏リミッタ値リセットフラグをONに設定した処理の条件に基づくと、通常モードからチャンスゾーン(高確率状態、又は、時間短縮状態)に突入した場合(停止図柄が2ラウンド確変1、2ラウンド確変2、又は2ラウンド通常1)、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後から復帰した場合、又は、停止図柄が2ラウンド通常1に該当してメーター最大上乗せ演出を実行した場合のいずれかであることを表している。
例えば、通常モードからチャンスゾーン(高確率状態、又は、時間短縮状態)に突入した場合(停止図柄が2ラウンド確変1、2ラウンド確変2)、裏リミッタ値は17に設定され(図63中のステップS7062)、表リミッタ値は14に設定される(図63中のステップS7068)。したがって、通常モードからチャンスゾーン(高確率状態、又は、時間短縮状態)に突入した場合、上乗せリミッタ値は裏リミッタ値(17)から表リミッタ値(14)を減算した値(3)に設定された記憶される。
例えば、通常モードからチャンスゾーン(高確率状態、又は、時間短縮状態)に突入した場合(停止図柄が2ラウンド通常1)、裏リミッタ値は18に設定され(図63中のステップS7082)、表リミッタ値は15に設定される(図63中のステップS7088)。したがって、停止図柄が2ラウンド通常1に該当した場合、上乗せリミッタ値は裏リミッタ値(18)から表リミッタ値(15)を減算した値(3)に設定された記憶される。
例えば、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後から復帰した場合、裏リミッタ値は、例えば、5に設定され(図63中のステップS7062)、表リミッタ値は5に設定される(図63中のステップS7070)。したがって、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後から復帰した場合、上乗せリミッタ値は裏リミッタ値(5)から表リミッタ値(5)を減算した値(0)に設定された記憶される。
例えば、停止図柄が2ラウンド通常1に該当してメーター最大上乗せ演出を実行した場合、裏リミッタ値は18に設定され(図63中のステップS7082)、表リミッタ値は15に設定される(図66中のステップS7142)。したがって、停止図柄が2ラウンド通常1に該当してメーター最大上乗せ演出を実行した場合、上乗せリミッタ値は裏リミッタ値(18)から表リミッタ値(15)を減算した値(3)に設定された記憶される。
上記のように、上乗せリミッタ値を設定すると、演出制御CPU126は次にステップS7176を実行する。
ステップS7175:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値を18に設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、上乗せリミッタ値と18の値を設定しRAM130のリミッタ管理バッファ領域に記憶する。
ここで、裏リミッタ値リセットフラグをON(ステップS7170:Yes)に設定する処理は、上記で説明したように、リミッタ残数コマンド受信時リミッタ数管理処理内での処理(図63中のステップS7064又はステップS7084)で実行される。すなわち、通常モードからチャンスゾーン(高確率状態、又は、時間短縮状態)に突入した場合、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後から復帰した場合、又は、停止図柄が2ラウンド通常1に該当した場合を条件として裏リミッタ値リセットフラグをONに設定したことを表している。
一方、表リミッタ値リセットフラグをON(ステップS7172:Yes)に設定する処理は、上記で説明したように、リミッタ残数コマンド受信時リミッタ数管理処理内での処理(図63中のステップS7090)、又は、メーター最大上乗せ点灯演出実行時リミッタ数管理処理内での処理(図66中のステップS7142)のいずれかで実行される。すなわち、通常モードからチャンスゾーン(高確率状態、又は、時間短縮状態)に突入した場合、チャンスゾーン中(高確率状態中、又は、時間短縮状態中)における電源遮断後から復帰した場合、又は、停止図柄が2ラウンド通常1に該当してメーター最大上乗せ演出を実行した場合を条件として表リミッタ値リセットフラグをONに設定したことを表している。
したがって、この処理を実行する条件(ステップS7170:Yes、かつ、ステップS7172:No)は、上記の表リミッタ値リセットフラグをOFFに設定し、裏リミッタ値リセットフラグをONに設定した処理の条件に基づくと、チャンスゾーン中(チャンスゾーン突入時を除く)に停止図柄が2ラウンド通常1に該当したにも関わらずメーター最大上乗せ演出を実行しなかった場合であることを表している。
すなわち、チャンスゾーン中(チャンスゾーン突入時を除く)に停止図柄が2ラウンド通常1に該当したにも関わらずメーター最大上乗せ演出を実行しなかった場合、裏リミッタ値は18に設定され(図63中のステップS7082)、表リミッタ値はメーター消灯演出実行時に所定の値(1〜14)に設定され(図64中のステップS7100)、上乗せリミッタ値はこの処理において18に設定されることを表している。
上記のように、上乗せリミッタ値を18に設定すると、演出制御CPU126は次にステップS7178を実行する。
ステップS7176:演出制御CPU126は、表リミッタ値リセットフラグをOFFに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、表リミッタ値リセットフラグの値をOFFにリセットする(00Hに設定する)。演出制御CPU126は次にステップS7178を実行する。
ステップS7178:演出制御CPU126は、裏リミッタ値リセットフラグをOFFに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、裏リミッタ値リセットフラグの値をOFFにリセットする(00Hに設定する)。演出制御CPU126は次にステップS7180を実行する。
ステップS7180:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値更新フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、上乗せリミッタ値更新フラグの値を参照し、参照した値がONに対応する値(例えば、01H)と同一であるか否かを確認する。この確認の結果、上乗せリミッタ値更新フラグがONである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7182を実行する。一方、上乗せリミッタ値更新フラグがONではない場合(No)、演出制御CPU126はリミッタ数管理処理(図62)に復帰する。
ステップS7182:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値から設定された上乗せ回数分を減算する。具体的には、先ず、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、上乗せリミッタ値を参照する。次に、演出制御CPU126は設定された上乗せ演出パターンに関連付けられた上乗せ回数を参照する。なお、上乗せ演出パターンについては後述するが、先読み上乗せ演出抽選処理(図69)や上乗せ演出実行抽選処理(図74)において設定されるものである。そして、参照した上乗せ演出値から参照した上乗せ回数分を減算し、減算結果の値を新たな上乗せリミッタ値として設定しRAM130のリミッタ管理バッファ領域に記憶する。
ステップS7184:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値リセットフラグをOFFに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、上乗せリミッタ値リセットフラグの値をOFFにリセットする(00Hに設定する)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126はリミッタ数管理処理(図62)に復帰する。
〔先読み上乗せ演出シナリオ設定処理〕
図68は、先読み上乗せ演出シナリオ設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7210:演出制御CPU126は、抽選結果コマンドを受信したか否かを確認する。具体的は、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、新たに抽選結果コマンドが記憶されたか否かを確認する。この確認の結果、抽選結果コマンドを受信した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7212を実行する。一方、抽選結果コマンドを受信しなかった場合(No)、演出制御CPU126は大役開始後演出処理(図61)に復帰する。
ステップS7212:演出制御CPU126は、先のステップS7210の処理で受信した抽選結果コマンドが大当り(当選)に対応するものであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は参照した抽選結果コマンドの値が大当り(当選)に対応する値であるか否かを確認する。この確認の結果、受信した抽選結果コマンドが大当り(当選)に対応するものである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7214を実行する。一方、受信した抽選結果コマンドが大当り(当選)に対応するものではない場合(No)、演出制御CPU126は大役開始後演出処理(図61)に復帰する。
ステップS7214:演出制御CPU126は、表リミッタ値が4よりも大きく、かつ、13よりも小さな値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照し、参照した値が4よりも大きく、かつ、13よりも小さな値であるか否かを確認する。この確認の結果、表リミッタ値が4よりも大きく、かつ、13よりも小さな値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7216を実行する。一方、表リミッタ値が4よりも大きく、かつ、13よりも小さな値ではない場合、演出制御CPU126は次にステップS7218を実行する。
ステップS7216:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出抽選処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は当該変動以降の変動において上乗せ演出、すなわち、先読み上乗せを実行するか否かを選択的に決定し、先読み上乗せ演出を実行すると決定した場合、上乗せ演出パターン(上乗せ演出を実行する変動(表リミッタ値)、上乗せ個数、上乗せカテゴリー)を設定する。また、先読み上乗せ演出の実行以外にも先読み上乗せガセ演出(上乗せを実行する上乗せ演出を模した上乗せを実行しない演出)を実行するか否かも選択的に決定し、先読み上乗せガセ演出を実行すると決定した場合、上乗せ演出パターンを同様に設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS7218:演出制御CPU126は、上乗せ演出パターンが設定されたか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7216で決定した結果を参照し、上乗せ演出パターンが設定されたか否かを確認する。この確認の結果、上乗せ演出パターンが設定された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7220を実行する。一方、上乗せ演出パターンが設定されなかった場合(No)、演出制御CPU126は大役開始後演出処理(図61)に復帰する。
ステップS7220:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出シナリオを更新する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、記憶されている先読み上乗せ演出シナリオの内容に、先のステップS7216で設定した上乗せ演出パターンの内容を追加する更新を行う。
例えば、先のステップS7216において、表リミッタ値が7(画面内に表示されているリミッタ残数メーターMの7番目)、上乗せ個数が2、上乗せカテゴリーが宝箱といった内容がセットになった上乗せ演出パターンが設定された場合、先読み上乗せ演出シナリオの内容に、表リミッタ値の7番目に上乗せ個数が2個、上乗せカテゴリーが宝箱の上乗せ演出を実行するといった内容を追加する更新を行う。
この処理を終えると、演出制御CPU126は大役開始後演出処理(図61)に復帰する。
〔先読み上乗せ演出抽選処理〕
図69は、先読み上乗せ演出抽選処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7300:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値が0より大きい値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、上乗せリミッタ値を参照し、参照した値が0より大きい値であるか否かを確認する。この確認の結果、上乗せリミッタ値が0より大きい値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7302を実行する。一方、上乗せリミッタ値が0より大きい値ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7320を実行する。
ステップS7302:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出実行抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている先読み上乗せ演出実行抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した先読み上乗せ演出実行抽選用乱数に基づいて、先読み上乗せ演出を実行するか否かを選択的に決定する。ここで、先読み上乗せ演出実行抽選テーブルについては、先のステップS7214やステップS7300で参照した表リミッタ値や上乗せリミッタ値に対応して、先読み上乗せ演出の実行が選択されやすく設定してもよいし同等に設定してもよい(すなわち、先読み上乗せ演出の実行が選択される抽選確率を異ならせて設定してもよいし同等に設定してもよい)。演出制御CPU126は次にステップS7304を実行する。
ステップS7304:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出の実行が選択されたか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7302で決定した結果を参照し、先読み上乗せ演出の実行が選択されたか否かを確認する。この確認の結果、先読み上乗せ演出の実行が選択された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7306を実行する。一方、先読み上乗せ演出の実行が選択されなかった場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7320を実行する。
ステップS7306:演出制御CPU126は、上乗せ演出実行変動抽選(ラスト3変動、上乗せ変動を除く)を実行する。具体的には、演出制御CPU126は先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した上乗せ演出実行変動抽選用乱数に基づいて、リミッタ到達まで残っている変動(表リミッタ値)の中から上乗せ演出を実行する予定の変動(表リミッタ値)を選択的に決定する。なお、ここで決定する上乗せ演出を実行する予定の変動は、表リミッタ値に対応する変動であり、当該変動からカウントした変動やリミッタ到達時からカウントした変動ではない。例えば、表リミッタ値が7である際に実行される変動に決定した場合、画面内のリミッタ残数メーターMの7番目が消費された後に上乗せ演出が実行される予定となる。
また、上乗せ演出を実行する予定の変動を決定する際の所定の変動については、ラスト3変動及び上乗せ変動を除くこととする。この最後の3変動については、画面内のリミッタ残数メーターMの1番目〜3番目が消費される際には特別な演出が実行されることになっているため、その特別な演出中に上乗せ演出を実行しないことを表している。また、上乗せ変動については、すでに上乗せ演出(上乗せガセ演出を含む)の実行が予定されている変動を除くことを表している。
上記のように、上乗せ演出実行変動抽選で上乗せ演出実行変動(表リミッタ値)が決定した場合、その上乗せ演出実行変動を設定し、演出制御CPU126は次にステップS7308を実行する。
なお、この上乗せ演出実行変動抽選において、選択可能な上乗せ演出実行変動が存在しない場合(例えば、表リミッタ値が4以上の全て変動において上乗せ演出(上乗せガセ演出を含む)の実行が予定されている場合)、演出制御CPU126は上乗せ演出実行変動を設定せずに次のステップS7308を実行する。
ステップS7308:演出制御CPU126は、上乗せ演出実行変動が設定されたか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7306において、上乗せ演出実行変動が設定されたか否かを確認する。この確認の結果、上乗せ演出実行変動が設定された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7310を実行する。一方、上乗せ演出実行変動が設定されなかった場合(No)、演出制御CPU126は先読み上乗せ演出シナリオ設定処理(図68)に復帰する。
ステップS7310:演出制御CPU126は、上乗せ個数抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7300で参照した上乗せリミッタ値、又は、上乗せした場合に表リミッタ値が15になる値を最大上乗せ個数として、1個からその最大上乗せ個数までの間で上乗せ個数を選択的に決定する。なお、ROM128に予め記憶されている上乗せ個数抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した上乗せ個数抽選用乱数に基づいて、上乗せ個数を選択的に決定してもよい。ここで、上乗せ個数抽選テーブルについては、先のステップS7530で参照した上乗せリミッタ値に対応して、上乗せ個数の値が大きい方が選択されやすく設定してもよいし同等に設定してもよい(すなわち、上乗せ個数が選択される抽選確率を異ならせて設定してもよいし同等に設定してもよい)。演出制御CPU126は次にステップS7312を実行する。
ステップS7312:演出制御CPU126は、上乗せ演出カテゴリー抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている上乗せ演出カテゴリー抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した上乗せ演出カテゴリー抽選用乱数に基づいて、上乗せ演出のカテゴリーを選択的に決定する。
ここで、参照される上乗せ演出カテゴリー抽選テーブルについては、例えば、上乗せ演出のカテゴリーとして、上記で説明したように、「女性キャラクター」、「宝箱」、「演出切替ボタン」、「パンダのキャラクター」、「?マーク」等のカテゴリーが予め規定されている。また、上乗せ演出カテゴリー抽選テーブルについては、先のステップS7310で決定した上乗せ個数に対応して、選択されるカテゴリーを異ならせて設定してもよい。例えば、上乗せ個数が1個である場合は、「女性キャラクター」、「宝箱」、「?マーク」等といったカテゴリーが選択されやすく設定されていたり、2〜4個である場合は、「女性キャラクター」、「宝箱」、「パンダのキャラクター」等といったカテゴリーが選択されやすく設定されていたり、5〜7個である場合は、「宝箱」、「パンダのキャラクター」、「演出切替ボタン」等といったカテゴリーが選択されやすく設定されていたり、8個〜12個である場合は、「パンダのキャラクター」、「演出切替ボタン」等といったカテゴリーが選択されやすく設定されていてもよい。
上記のように、上乗せ演出のカテゴリーを選択的に決定すると、演出制御CPU126は次にステップS7314を実行する。
ステップS7314:演出制御CPU126は、上乗せ演出パターンを設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域に、先のステップS7306、ステップS7310、及び、ステップS7312で選択した上乗せ演出実行変動、上乗せ個数、及び、上乗せ演出カテゴリーをセットにしたものを上乗せ演出パターンとして記憶する。例えば、上乗せ演出実行変動として表リミッタ値が7の変動、上乗せ個数として1個、及び、上乗せ演出カテゴリーとして「女性キャラクター」をセットにした上乗せ演出パターンをRAM130のバッファ領域に記憶する。演出制御CPU126は次にステップS7316を実行する。
ステップS7316:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出追加フラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、先読み上乗せ演出追加フラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。演出制御CPU126は次にステップS7318を実行する。
ステップS7318:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値更新フラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、上乗せリミッタ値更新フラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。演出制御CPU126は先読み上乗せ演出シナリオ設定処理(図68)に復帰する。
ステップS7320:演出制御CPU126は、先読み上乗せガセ演出抽選処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は先読み上乗せガセ演出(上乗せを実行する上乗せ演出を模した上乗せを実行しない演出)を実行するか否かも選択的に決定し、先読み上乗せガセ演出を実行すると決定した場合、上乗せ演出パターンを設定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は先読み上乗せ演出シナリオ設定処理(図68)に復帰する。
〔先読み上乗せガセ演出抽選処理〕
図70は、先読み上乗せガセ演出抽選処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7330:演出制御CPU126は、先読み上乗せガセ演出実行抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている先読み上乗せガセ演出実行抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した先読み上乗せガセ演出実行抽選用乱数に基づいて、先読み上乗せガセ演出を実行するか否かを選択的に決定する。ここで、先読み上乗せガセ演出実行抽選テーブルについては、先のステップS7214やステップS7300で参照した表リミッタ値や上乗せリミッタ値に対応して、先読み上乗せガセ演出の実行が選択されやすく設定してもよいし同等に設定してもよい(すなわち、先読み上乗せガセ演出の実行が選択される抽選確率を異ならせて設定してもよいし同等に設定してもよい)。演出制御CPU126は次にステップS7332を実行する。
ステップS7332:演出制御CPU126は、先読み上乗せガセ演出の実行が選択されたか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7330で決定した結果を参照し、先読み上乗せガセ演出の実行が選択されたか否かを確認する。この確認の結果、先読み上乗せガセ演出の実行が選択された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7334を実行する。一方、先読み上乗せ演出の実行が選択されなかった場合(No)、演出制御CPU126は先読み上乗せ演出抽選処理(図69)に復帰する。
ステップS7334:演出制御CPU126は、上乗せ演出実行変動抽選(ラスト3変動、上乗せ変動を除く)を実行する。具体的には、演出制御CPU126は先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した上乗せ演出実行変動抽選用乱数に基づいて、リミッタ到達まで残っている変動(表リミッタ値)の中から上乗せガセ演出(上乗せをしない演出)を実行する予定の変動(表リミッタ値)を選択的に決定する。なお、ここで決定する上乗せガセ演出を実行する予定の変動は、表リミッタ値に対応する変動であり、当該変動からカウントした変動やリミッタ到達時からカウントした変動ではない。例えば、表リミッタ値が7である際に実行される変動に決定した場合、画面内のリミッタ残数メーターMの7番目が消費された後に上乗せガセ演出が実行される予定となる。
また、上乗せガセ演出を実行する予定の変動を決定する際のリミッタ到達までの残っている変動については、ラスト3変動及び上乗せ変動を除くこととする。この最後の3変動については、画面内のリミッタ残数メーターMの1番目〜3番目が消費される際には特別な演出が実行されることになっているため、その特別な演出中に上乗せガセ演出を実行しないことを表している。また、上乗せ変動については、すでに上乗せ演出(上乗せガセ演出を含む)の実行が予定されている変動を除くことを表している。
上記のように、上乗せ演出実行変動抽選で上乗せ演出実行変動(表リミッタ値)が決定した場合、その上乗せ演出実行変動を設定し、演出制御CPU126は次にステップS7336を実行する。
なお、この上乗せ演出実行変動抽選において、選択可能な上乗せ演出実行変動が存在しない場合(例えば、表リミッタ値が4以上の全て変動において上乗せ演出(上乗せガセ演出を含む)の実行が予定されている場合)、演出制御CPU126は上乗せ演出実行変動を設定せずに次のステップS7336を実行する。
ステップS7336:演出制御CPU126は、上乗せ演出実行変動が設定されたか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7334において、上乗せ演出実行変動が設定されたか否かを確認する。この確認の結果、上乗せ演出実行変動が設定された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7338を実行する。一方、上乗せ演出実行変動が設定されなかった場合(No)、演出制御CPU126は先読み上乗せ演出抽選処理(図69)に復帰する。
ステップS7338:演出制御CPU126は、上乗せ個数を0個に設定する。具体的には、先読み上乗せガセ演出における演出の内容が上乗せを実行しないといった演出であるため、上乗せ個数を0個に設定する。演出制御CPU126は次にステップS7340を実行する。
ステップS7340:演出制御CPU126は、上乗せ演出カテゴリー抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている上乗せ演出カテゴリー抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した上乗せ演出カテゴリー抽選用乱数に基づいて、上乗せ演出のカテゴリーを選択的に決定する。ここで、参照される上乗せ演出カテゴリー抽選テーブルについては、今回実行される演出が上乗せガセ演出(上乗せが実行されない演出)であるため、選択されるカテゴリーを限定して設定してもよい。例えば、選択可能なカテゴリーとして「女性キャラクター」、「宝箱」、「?マーク」を規定し、選択不可能なカテゴリーとして「パンダのキャラクター」や「演出切替ボタン」を規定して設定してもよい。なお、全てのカテゴリーが同一の割合で選択可能に設定してもよい。
上記のように、上乗せ演出のカテゴリーを選択的に決定すると、演出制御CPU126は次にステップS7342を実行する。
ステップS7342:演出制御CPU126は、上乗せ演出パターンを設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域に、先のステップS7334、ステップS7338、及び、ステップS7340で設定又は選択した上乗せ演出実行変動、上乗せ個数(0個)、及び、上乗せ演出カテゴリーをセットにしたものを上乗せ演出パターンとして記憶する。例えば、上乗せ演出実行変動として表リミッタ値が7の変動、上乗せ個数として0個、及び、上乗せ演出カテゴリーとして「?マーク」をセットにした上乗せ演出パターンをRAM130のバッファ領域に記憶する。演出制御CPU126は次にステップS7344を実行する。
ステップS7344:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出追加フラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、先読み上乗せ演出追加フラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は先読み上乗せ演出抽選処理(図69)に復帰する。
〔メイン演出管理処理〕
図71は、メイン演出管理処理の構成例を示すフローチャートである。以下、構成例について内容を説明する。
メイン演出管理処理は、実行選択処理(ステップS7402)、チャンスゾーンメイン演出設定処理(ステップS7404)、メイン上乗せ演出設定処理(ステップS7406)、チャンスゾーン終了演出設定処理(ステップS7408)のサブルーチン群を含む構成である。このメイン演出管理処理において、演出制御CPU126は画面内におけるメインの演出の実行の設定、例えば、特別図柄又は普通図柄に関する1変動毎に実行する演出を設定する処理を行う。なお、メーターに関する演出は別の処理で行っているため、この処理においては、チャンスゾーン中の上乗せ演出や上乗せ演出を行わない場合の通常時の演出についての設定が行われる。
ステップS7402:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS7404〜ステップS7408のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち、演出制御CPU126は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとしてメイン演出管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理をジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。
例えば、チャンスゾーンに突入後(普通図柄の内部抽選の結果が当りに該当して、その後の可変始動入賞装置28の作動時に入賞による特別図柄の内部抽選の結果が大当りに該当した後)のチャンスゾーンにおける演出の設定が行われていない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先としてチャンスゾーンメイン演出設定処理(ステップS7404)を選択する。また、チャンスゾーン中に普通図柄の変動が開始された場合などもチャンスゾーンメイン演出設定処理(ステップS7404)が選択される。チャンスゾーン中に新たな特別図柄の変動が開始された場合、演出制御CPU126は次のジャンプ先としてメイン上乗せ演出設定処理(ステップS7406)を選択する。また、特別図柄の停止図柄が2ラウンド通常2に該当した場合、演出制御CPU126は次のジャンプ先としてチャンスゾーン終了演出設定処理(ステップS7408)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔チャンスゾーンメイン演出設定処理〕
ステップS7404:チャンスゾーンメイン演出設定処理では、演出制御CPU126は、画面内のリミッタ残数メーターMに関する演出(画面内のリミッタ残数メーターMの点灯演出/消灯演出、特定の番号のメーターに吹き出し画像を表示させる演出)以外の画面内で実行される全般的な演出の実行の設定を行う。例えば、女性キャラクターが自動車に乗って疾走していく様子を表す確変中演出や、画面内のリミッタ残数メーターMの1〜3番目のメーターが消費される際に、チャンスゾーン終了を煽る演出(図42中(t)〜図43中(x))等の実行を設定する。
なお、図示していないが、可変始動入賞装置28への入賞や可変入賞装置30への入賞に応じて払い出される賞球数を画面内に表示する演出の実行を設定してもよい。例えば、これまでの賞球数が合計して7770球であった場合、画面内に「7770Get!!」と表示し、その賞球数が増加する毎に画面内の表示を更新する演出の実行を設定してもよい。また、所定の賞球数に達した場合、女性キャラクターに称号をつけたりしてもよい。例えば、5000球の賞球が払い出される毎に、「見習い」、「素人」、「ベテラン」、「名人」、「王」、「神」といった称号を画面内に表示してもよい。また、所定の賞球数に達した場合、背景画像、女性キャラクターの服装、女性キャラクターの乗る自動車等を変化させてもよい。
このように、チャンスゾーン中の上乗せ時以外の通常時に行われる画面内でのメイン演出の実行を設定することによって、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
〔メイン上乗せ演出設定処理〕
ステップS7406:メイン上乗せ演出設定処理では、演出制御CPU126は、上乗せ演出に関する演出の実行の設定を行う。例えば、先読み上乗せ演出シナリオで設定されていた上乗せ演出の実行を設定したり(例えば、図39中(k)〜図40中(m)等)、上乗せリミッタ値が存在し表リミッタ値が4である場合に上乗せ演出の実行を強制的に設定したり(例えば、図41中(q)、(r))、停止図柄が2ラウンド通常1に該当した際に最大上乗せ演出の実行を設定したり(例えば、図44中(y)〜図45中(B)、図53中(Z)〜図54中(γ))、上乗せリミッタ値が存在し表リミッタ値が1である場合に最大上乗せ演出の実行を強制的に設定したりする。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
〔チャンスゾーン終了演出設定処理〕
ステップS7408:チャンスゾーン終了演出設定処理では、リミッタ到達時において、特別図柄の停止図柄が2ラウンド通常2に該当した場合の演出の実行が設定される。具体的には、図55中(μ)〜図56中(ν)で説明したように、画面内に演出切替ボタンを模した画像を表示して遊技者に演出切替ボタン45の押下を要求する押下要求演出、遊技者による演出切替ボタン45の押下(又は、演出切替ボタン45の押下の有効時間の経過)を契機とした「残念」といった文字画像を表示する押下失敗演出、女性キャラクターがチャンスゾーン終了を教示するチャンスゾーン終了演出、女性キャラクターが遊技球の発射位置が左打ちに変更されたことを教示する左打ち教示演出の実行を設定する。これらの演出により、チャンスゾーンといった特別な遊技状態での遊技が終了したことを遊技者に教示することができる。
〔メイン上乗せ演出設定処理〕
図72は、メイン上乗せ演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7410:演出制御CPU126は、抽選結果コマンドを受信したか否かを確認する。具体的は、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、新たに抽選結果コマンドが記憶されたか否かを確認する。この確認の結果、抽選結果コマンドを受信した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7412を実行する。一方、抽選結果コマンドを受信しなかった場合(No)、演出制御CPU126はメイン演出管理処理(図71)に復帰する。
ステップS7412:演出制御CPU126は、先のステップS7410の処理で受信した抽選結果コマンドが大当り(当選)に対応するものであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は参照した抽選結果コマンドの値が大当り(当選)に対応する値であるか否かを確認する。この確認の結果、受信した抽選結果コマンドが大当り(当選)に対応するものである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7416を実行する。一方、受信した抽選結果コマンドが大当り(当選)に対応するものではない場合(No)、演出制御CPU126はメイン演出管理処理(図71)に復帰する。
ステップS7414:演出制御CPU126は、停止図柄が2ラウンド通常1であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、新たに記憶された停止図柄コマンドの値を参照し、参照した値が2ラウンド通常1に対応する値であるか否かを確認する。この確認の結果、停止図柄が2ラウンド通常1である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7416を実行する。一方、停止図柄が2ラウンド通常1ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7440を実行する。
ステップS7416:演出制御CPU126は、裏リミッタ値が1と同一の値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、裏リミッタ値を参照し、参照した値が1と同一の値であるか否かを確認する。この確認の結果、裏リミッタ値が1と同一の値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7430を実行する。一方、裏リミッタ値が1と同一の値ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7418を実行する。
ステップS7418:演出制御CPU126は、最大上乗せ演出実行抽選処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は今回の変動で最大上乗せ演出を実行するか否かを選択的に決定する処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7420を実行する。
ステップS7420:演出制御CPU126は、最大上乗せ演出の実行が選択されたか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7418で決定した結果を参照し、最大上乗せ演出の実行が選択されたか否かを確認する。この確認の結果、最大上乗せ演出の実行が選択された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7430を実行する。一方、最大上乗せ演出の実行が選択されなかった場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7440を実行する。
ステップS7430:演出制御CPU126は、最大上乗せ演出内容抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている最大上乗せ演出内容抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した最大上乗せ演出内容抽選用乱数に基づいて、複数の最大上乗せ演出内容の中からいずれか1つを選択的に決定する。ここで、最大上乗せ演出内容抽選テーブルについては、例えば、最大上乗せ演出の内容として、図44中(y)〜図45中(B)で説明した演出の内容や、図53中(Z)〜図54中(γ)で説明した演出の内容等が予め規定されている。演出制御CPU126は次にステップS7432を実行する。
ステップS7432:演出制御CPU126は、最大上乗せ演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7432で決定した最大上乗せ演出の内容に基づいて、画面内における最大上乗せ演出の実行を設定する。
例えば、図44中(y)〜図45中(B)で説明したように、画面内に演出切替ボタンを模した画像を表示して遊技者に演出切替ボタン45の押下を要求する押下要求演出、遊技者による演出切替ボタン45の押下(又は、演出切替ボタン45の押下の有効時間の経過)を契機としたハート形の装飾物の可動体40fが突然落下する可動体落下演出、「GAS STATION」を模した画像を表示してリミッタ残数メーターMが最大まで上乗せされるチャンス回数復活演出、及び、女性キャラクターの喜びを表してチャンスゾーンが継続することを表すチャンスゾーン継続演出からなる最大上乗せ演出を実行する設定を行う。
例えば、図53中(Z)〜図54中(γ)で説明したように、画面全体が突然暗転(ブラックアウト)するブラックアウト演出、ハート形の装飾物の可動体40fが突然落下する可動体落下演出、女性キャラクターが登場してチャンス回数が15回に再設定されることを表すチャンス回数復活演出、及び、女性キャラクターの喜びを表してチャンスゾーンが継続することを表すチャンスゾーン継続演出からなる最大上乗せ演出を実行する設定を行う。
上記のように、最大上乗せ演出の実行の設定を終えると、演出制御CPU126は次にステップS7434を実行する。
ステップS7434:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出シナリオをリセットする。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、記憶されていた先読み上乗せ演出シナリオの内容を消去する。これにより、先読み上乗せ演出シナリオは白紙状態になったことを表している。この処理を終えると、演出制御CPU126はメイン演出管理処理(図71)に復帰する。
ステップS7440:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出シナリオを参照する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、記憶されている先読み上乗せ演出シナリオの内容を参照する。演出制御CPU126は次にステップS7442を実行する。
ステップS7442:演出制御CPU126は、当該変動について上乗せ演出パターンが設定されているか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7440で参照した先読み上乗せ演出シナリオの内容から当該変動(表メーターの番号)とセットにして上乗せ演出パターン(上乗せ個数、上乗せ演出のカテゴリー)が記憶されているか否かを確認する。なお、当該変動がメーター先読み上乗せ演出に対応している演出であるのか否か、すなわち、今回消灯されるメーターに何らかのカテゴリーが表示された吹き出し画像によるメーター先読み上乗せ演出が行われていたか否かを確認してもよい。この確認の結果、当該変動について上乗せ演出パターンが設定されている場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7450を実行する。一方、当該変動について上乗せ演出パターンが設定されていない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7444を実行する。
ステップS7444:演出制御CPU126は上乗せ演出実行抽選処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は今回の変動で上乗せ演出を実行するか否かを選択的に決定する処理を行う。
また、この処理において、上乗せリミッタが存在したまま(上乗せリミッタ値が0より大きい状態のまま)表リミッタ値が全て消費される場合(メーターが全て消灯される場合)、強制的に最大上乗せ演出の実行を設定する。例えば、リミッタ到達前の2変動(メーターの2番目と3番目が消費される変動)については、特別な確変中演出(例えば、チャンスゾーン終了煽り演出、図42中(t)〜図43中(x))を実行しているため上乗せ演出を実行しないことと設定している。ここで、そのリミッタ到達前の2変動のいずれかの変動時の内部抽選の結果において当選図柄が2ラウンド通常1に該当し、上乗せリミッタ値や裏リミッタ値が18に設定されてリミッタ到達までの変動回数が再セットされる場合も存在する。そのような場合、最後のメーターが消費される際にリミッタに到達した場合と同様の演出を実行することで、あたかもリミッタ到達時に当選図柄として2ラウンド通常1に当選しチャンスゾーンが継続したのだと遊技者に思わせることができる。
上記のように、今回の変動での上乗せ演出を実行するか否かの決定、又は、強制的な最大上乗せ演出の実行の設定が行われると、演出制御CPU126は次にステップS7446を実行する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS7446:演出制御CPU126は、表リミッタ値消費時最大上乗せ演出の実行が設定されたか否かを確認する。具体的には、先のステップS7444で強制的な最大上乗せ演出の実行の設定が行われたか否かを確認する。この確認の結果、表リミッタ値消費時最大上乗せ演出の実行が設定された場合(Yes)、演出制御CPU126はメイン演出管理処理(図71)に復帰する。一方、表リミッタ値消費時最大上乗せ演出の実行が設定されていない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7448を実行する。
ステップS7448:演出制御CPU126は、上乗せ演出パターンが設定されたか否かを確認する。具体的には、先のステップS7444で今回の変動で上乗せ演出を実行する決定が行われ、それに伴う上乗せ演出パターンの設定が行われたか否かを確認する。この確認の結果、上乗せ演出パターンが設定された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7450を実行する。一方、上乗せ演出パターンが設定されていない場合(当該変動で上乗せ演出を実行しない決定の場合)(No)、演出制御CPU126は次にステップS7454を実行する。
ステップS7450:演出制御CPU126は上乗せ演出内容抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている上乗せ演出内容抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した最大上乗せ演出内容抽選用乱数に基づいて、複数の上乗せ演出内容の中からいずれか1つを選択的に決定する。
ここで、上乗せ演出内容抽選テーブルについては、例えば、複数用意された上乗せ演出内容抽選テーブルの中から、先のステップS7440で参照した先読み上乗せ演出シナリオの内容の上乗せ演出パターンに関連付けられた上乗せ演出カテゴリー、又は、先のステップS7444で設定された上乗せ演出パターンに関連付けられた上乗せ演出カテゴリーに対応した上乗せ演出内容抽選テーブルを選択してもよい。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「宝箱」であった場合に選択される上乗せ演出内容抽選テーブルについては、宝箱が表示され、その後、ダイヤモンドの画像が表示される内容や、指輪の画像が表示される内容等の複数の上乗せ演出の内容が規定されている。ここで、上乗せ演出パターンに関連付けられている上乗せ個数に対応してその内容を選択してもよい。例えば、上乗せ個数に対応して選択される上乗せ演出の内容を異ならせて設定してもよい。また、選択された上乗せ演出の内容が実際に実行される際には、その上乗せ演出の内容に重畳する形態で、例えば、ダイヤモンドの画像に「+1」といった上乗せ個数を表す画像が重畳する形態(例えば、図39中(l))で実行されることとなる。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「女性キャラクター」であった場合に選択される上乗せ演出内容抽選テーブルについては、女性キャラクターがアイテム(チェリーやスイカ等)を所持して登場し、その後、そのアイテムとしてチェリーの画像が表示される内容や、スイカの画像が表示される内容等の複数の上乗せ演出の内容が規定されている。上記と同様に、上乗せ演出パターンに関連付けられている上乗せ個数に対応して選択される上乗せ演出の内容を異ならせて設定してもよい。また、その上乗せ個数を表す画像が選択された上乗せ演出の内容に重畳する形態で実行されることとなる。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「演出切替ボタン」であった場合に選択される上乗せ演出内容抽選テーブルについては、演出切替ボタン45を模した画像が表示され、その後、遊技者による演出切替ボタン45の押下(又は演出切替ボタン45の有効時間の経過)を契機としたハート形の可動体40fが落下し、可動体40fを模した画像が表示される内容等の複数の上乗せ演出の内容が規定されている。また、選択された上乗せ演出の内容が実際に実行される際には、例えば、可動体40fを模した画像の中に「+7」といった上乗せ個数を表す画像が表示される形態(例えば、図51中(T))で実行されることとなる。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「パンダのキャラクター」であった場合に選択される上乗せ演出内容抽選テーブルについては、パンダのキャラクターがアイテム(花やイヤリング等)を所持して登場し、その後、そのアイテムとして花の画像が表示される内容や、イヤリングの画像が表示される内容等の複数の上乗せ演出の内容が規定されている。上記と同様に、上乗せ演出パターンに関連付けられている上乗せ個数に対応して選択される上乗せ演出の内容を異ならせて設定してもよい。また、その上乗せ個数を表す画像が選択された上乗せ演出の内容に重畳する形態で実行されることとなる。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「?マーク」であった場合に選択される上乗せ演出内容抽選テーブルについては、自動車に乗った女性キャラクター何かを発見し、その後上乗せ回数に関する台詞(例えば、「+1回」)を発する内容等の複数の上乗せ演出の内容が規定されている。
ここで、上乗せパターンに関連付けられた上乗せ個数が0個であり、上乗せカテゴリーが「?マーク」であった場合に、選択される上乗せ演出内容抽選テーブルについては、ガセ演出用の上乗せガセ演出の内容が複数規定されている。例えば、女性キャラクターが「?」といった何かを発見し、その後何も発生しなかった内容(例えば、図54中(ε))等が規定されている。他にも、上乗せ個数が0個であり、上乗せ演出カテゴリーが「宝箱」や「演出切替ボタン」であった場合、宝箱が出現してその中には何も発生しなかった画像が表示される内容(図示せず)や、演出切替ボタン45を押下しても何も発生しなかった画像が表示される内容(図示せず)等の複数の上乗せガセ演出の内容が規定されている。
上記のように、上乗せ演出の内容を選択的に1つ決定すると、演出制御CPU126は次にステップS7452を実行する。
ステップS7452:演出制御CPU126は上乗せ演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7450で決定した上乗せ演出の内容に基づいて、画面内における上乗せ演出(上乗せガセ演出を含む)の実行を設定する。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「宝箱」であった場合、図39中(k)〜図40中(m)、図47中(H)、(I)で説明したように、画面内に宝箱が出現して上乗せが開始されることを表す上乗せ開始演出、その宝箱を開けると上乗せ回数(「+1」)が表示されたダイヤモンドが出現する上乗せ回数表示演出、及び、上乗せ回数をリミッタ残数メーターMに上乗せする上乗せ実行演出からなる上乗せ演出を実行する設定を行う。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「女性キャラクター」であった場合、図48中(M)、図49中(N)で説明したように、画面内に女性キャラクターが登場して上乗せが開始されることを表す上乗せ開始演出、女性キャラクターが上乗せ回数(「+1」)が表示されたチェリーを渡す上乗せ回数表示演出(図示せず)、及び、上乗せ回数をリミッタ残数メーターMに上乗せする上乗せ実行演出からなる上乗せ演出を実行する設定を行う。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「演出切替ボタン」であった場合、図50中(R)〜図50中(V)で説明したように、画面内に演出切替ボタンが出現して上乗せが開始されることを表す上乗せ開始演出、演出切替ボタン45の押下(又は、演出切替ボタン45の押下有効時間の経過)を契機としたハート形の可動体40fの落下と上乗せ回数(「+7」)が表示された可動体40fを模した画像が出現する上乗せ回数表示演出、及び、上乗せ回数をリミッタ残数メーターMに上乗せする上乗せ実行演出からなる上乗せ演出を実行する設定を行う。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「パンダのキャラクター」であった場合、図41中(q)、(r)で説明したように、画面内にパンダのキャラクターが登場して上乗せが開始されることを表す上乗せ開始演出、パンダのキャラクターが上乗せ回数(「+2」)が表示された花を渡す上乗せ回数表示演出(図示せず)、及び、上乗せ回数をリミッタ残数メーターMに上乗せする上乗せ実行演出からなる上乗せ演出を実行する設定を行う。
例えば、上乗せ演出カテゴリーが「?マーク」であった場合、自動車に乗った女性キャラクターが「?」と何かを発見し、その後上乗せ回数に関する台詞(例えば、「+1回」)を発する演出を実行する設定を行う(図示せず)。他にも、図54中(ε)、図55中(θ)で説明したように、自動車に乗った女性キャラクターが「?」と何かを発見したことを表す上乗せガセ開始演出、及び、その後何も発生しなかったことを表す上乗せガセ実行演出からなる上乗せガセ演出を実行する設定を行う。
上記のように、上乗せ演出の実行を設定すると、演出制御CPU126は次にステップS7454を実行する。
ステップS7454:演出制御CPU126は先読み上乗せ演出シナリオを更新する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、記憶されている先読み上乗せ演出シナリオの内容を当該変動について消去する。例えば、当該変動が表リミッタ値の7番目(画面内に表示されているリミッタ残数メーターMの7番目)に対応しており、その表リミッタ値の7番目に上乗せ演出パターンが関連付けられていた場合、その表リミッタ値の7番目に関する先読み上乗せ演出シナリオの内容を消去する。なお、表リミッタ値の4〜6番目に関する先読み上乗せ演出シナリオの内容についてはそのまま記憶される。これにより、先読み上乗せ演出シナリオは更新されたことを表している。この処理を終えると、演出制御CPU126はメイン演出管理処理(図71)に復帰する。
〔最大上乗せ演出実行抽選処理〕
図73は、最大上乗せ演出実行抽選処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7500:演出制御CPU126は、表リミッタ値が4以上の値であり、かつ、13よりも小さな値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照し、参照した値が4以上、かつ、13未満の値であるか否かを確認する。この確認の結果、表リミッタ値が4以上の値であり、かつ、13よりも小さな値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7502を実行する。一方、表リミッタ値が4以上の値であり、かつ、13よりも小さな値ではない場合、演出制御CPU126はメイン演出管理処理(図71)に復帰する。
ステップS7502:演出制御CPU126は、最大上乗せ演出実行抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている最大上乗せ演出実行抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した最大上乗せ演出実行抽選用乱数に基づいて、最大上乗せ演出を実行するか否かを選択的に決定する。演出制御CPU126は次にステップS7504を実行する。
ステップS7504:演出制御CPU126は、最大上乗せ演出の実行が選択されたか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7502で決定した結果を参照し、最大上乗せ演出の実行が選択されたか否かを確認する。この確認の結果、最大上乗せ演出の実行が選択された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7506を実行する。一方、最大上乗せ演出の実行が選択されなかった場合(No)、演出制御CPU126はメイン上乗せ演出設定処理(図72)に復帰する。
ステップS7506:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出シナリオリセットフラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、先読み上乗せ演出シナリオリセットフラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126はメイン上乗せ演出設定処理(図72)に復帰する。
〔上乗せ演出実行抽選処理〕
図74は、上乗せ演出実行抽選処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7530:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値が0より大きい値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、上乗せリミッタ値を参照し、参照した値が0より大きい値であるか否かを確認する。この確認の結果、上乗せリミッタ値が0より大きい値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7532を実行する。一方、上乗せリミッタ値が0より大きい値ではない場合(No)、演出制御CPU126はメイン上乗せ演出設定処理(図72)に復帰する。
ステップS7532:演出制御CPU126は、表リミッタ値が4よりも大きく、かつ、13よりも小さな値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照し、参照した値が4よりも大きく、かつ、13よりも小さな値であるか否かを確認する。この確認の結果、表リミッタ値が4よりも大きく、かつ、13よりも小さな値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7534を実行する。一方、表リミッタ値が4よりも大きく、かつ、13よりも小さな値ではない場合、演出制御CPU126は次にステップS7540を実行する。
ステップS7534:演出制御CPU126は、上乗せ演出実行抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている上乗せ演出実行抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した上乗せ演出実行抽選用乱数に基づいて、上乗せ演出を実行するか否かを選択的に決定する。ここで、上乗せ演出実行抽選テーブルについては、先のステップS7530やステップS7532で参照した上乗せリミッタ値や表リミッタ値に対応して、上乗せ演出の実行が選択されやすく設定してもよいし同等に設定してもよい(すなわち、上乗せ演出の実行が選択される抽選確率を異ならせて設定してもよいし同等に設定してもよい)。演出制御CPU126は次にステップS7536を実行する。
ステップS7536:演出制御CPU126は、上乗せ演出の実行が選択されたか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7534で決定した結果を参照し、上乗せ演出の実行が選択されたか否かを確認する。この確認の結果、上乗せ演出の実行が選択された場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7542を実行する。一方、上乗せ演出の実行が選択されなかった場合(No)、演出制御CPU126はメイン上乗せ演出設定処理(図72)に復帰する。
ステップS7540:演出制御CPU126は、表リミッタ値が4と同一の値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照し、参照した値が4と同一の値であるか否かを確認する。この確認の結果、表リミッタ値が4と同一の値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7542を実行する。一方、表リミッタ値が4と同一の値ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7560を実行する。
ステップS7542:演出制御CPU126は、上乗せ演出実行変動を当該変動に設定する。具体的には、上乗せ演出パターンに関連付ける内容についての上乗せ演出を実行する変動、すなわち、画面内に表示されているリミッタ残数メーターMの番号(表リミッタ値の番号)を当該変動の番号に設定する。例えば、当該変動においてリミッタ残数メーターMの7番目が消灯される場合、上乗せ演出実行変動として7番目を設定する。すなわち、上乗せ演出実行変動として先のステップS7532において参照した表リミッタ値を設定する。演出制御CPU126は次にステップS7544を実行する。
ステップS7544:演出制御CPU126は、上乗せ個数抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7530で参照した上乗せリミッタ値、又は、上乗せした場合に表リミッタ値が15になる値を最大上乗せ個数として、1個からその最大上乗せ個数までの間で上乗せ個数を選択的に決定する。なお、ROM128に予め記憶されている上乗せ個数抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した上乗せ個数抽選用乱数に基づいて、上乗せ個数を選択的に決定してもよい。ここで、上乗せ個数抽選テーブルについては、先のステップS7530で参照した上乗せリミッタ値に対応して、上乗せ個数の値が大きい方が選択されやすく設定してもよいし同等に設定してもよい(すなわち、上乗せ個数が選択される抽選確率を異ならせて設定してもよいし同等に設定してもよい)。演出制御CPU126は次にステップS7546を実行する。
ステップS7546:演出制御CPU126は、上乗せ演出カテゴリー抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている上乗せ演出カテゴリー抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した上乗せ演出カテゴリー抽選用乱数に基づいて、上乗せ演出のカテゴリーを選択的に決定する。
ここで、上乗せ演出カテゴリー抽選テーブルについては、例えば、上乗せ演出のカテゴリーとして、上記で説明したように、「女性キャラクター」、「宝箱」、「演出切替ボタン」、「パンダのキャラクター」、「?マーク」等のカテゴリーが予め規定されている。また、上乗せ演出カテゴリー抽選テーブルについては、先のステップS7542で決定した上乗せ個数に対応して、選択されるカテゴリーを異ならせて設定してもよい。例えば、上乗せ個数が1個である場合は、「女性キャラクター」、「宝箱」、「?マーク」等といったカテゴリーが選択されやすく設定されていたり、2〜4個である場合は、「女性キャラクター」、「宝箱」、「パンダのキャラクター」等といったカテゴリーが選択されやすく設定されていたり、5〜7個である場合は、「宝箱」、「パンダのキャラクター」、「演出切替ボタン」等といったカテゴリーが選択されやすく設定されていたり、8個〜12個である場合は、「パンダのキャラクター」、「演出切替ボタン」等といったカテゴリーが選択されやすく設定されていてもよい。
上記のように、上乗せ演出のカテゴリーを選択的に決定すると、演出制御CPU126は次にステップS7548を実行する。
ステップS7548:演出制御CPU126は、上乗せ演出パターンを設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域に、先のステップS7542、ステップS7544、及び、ステップS7546で設定又は選択した上乗せ演出実行変動、上乗せ個数、及び、上乗せ演出カテゴリーをセットにしたものを上乗せ演出パターンとして記憶する。例えば、上乗せ演出実行変動として当該変動(表リミッタ値)、上乗せ個数として1個、及び、上乗せ演出カテゴリーとして「女性キャラクター」をセットにした上乗せ演出パターンをRAM130のバッファ領域にこれから実行する上乗せ演出のパターンとして記憶する。演出制御CPU126は次にステップS7550を実行する。
ステップS7550:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値更新フラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、上乗せリミッタ値更新フラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。演出制御CPU126はメイン上乗せ演出設定処理(図72)に復帰する。
ステップS7560:演出制御CPU126は、演出制御CPU126は、表リミッタ値が1と同一の値であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照し、参照した値が1と同一の値であるか否かを確認する。すなわち、上乗せリミッタ値が存在している(0よりも大きい)にもかかわらず、当該変動で画面内のリミッタ残数メーターMが全て消灯されるか否かを確認する。
例えば、表リミッタ値が2、又は、3である際に(リミッタ残数メーターMの2番目又は3番目が消灯される際の変動において)、特別図柄の内部抽選で当選に該当し、停止図柄が2ラウンド通常1に該当した場合、上乗せリミッタ値が存在しているにもかかわらず、表リミッタ値が1である場合が想定される。
この確認の結果、表リミッタ値が1と同一の値である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7562を実行する。一方、表リミッタ値が1と同一の値ではない場合(No)、演出制御CPU126はメイン上乗せ演出設定処理(図72)に復帰する。
ステップS7562:演出制御CPU126は、表リミッタ値消費時最大上乗せ演出設定処理を実行する。具体的には、表リミッタ値が2、又は、3である際に(リミッタ残数メーターMの2番目又は3番目が消灯される際の変動において)、特別図柄の内部抽選で当選に該当し、停止図柄が2ラウンド通常1に該当した場合、あたかも当該変動(表リミッタ値が1、裏リミッタ値は16又は17)において停止図柄が2ラウンド通常1に該当した結果、リミッタ残数メーターMが最大(例えば15番目)まで復活してチャンスゾーンが継続するといったリミッタ到達時に2ラウンド通常1に該当した場合と同様の演出を実行する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126はメイン上乗せ演出設定処理(図72)に復帰する。
〔リミッタ到達時演出設定処理〕
図75は、リミッタ到達時演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7570:演出制御CPU126は、最大上乗せ演出内容抽選を実行する。具体的には、演出制御CPU126はROM128に予め記憶されている最大上乗せ演出内容抽選テーブル(図示せず)を参照し、先の演出乱数更新処理(図57中のステップS410)で更新した最大上乗せ演出内容抽選用乱数に基づいて、複数の最大上乗せ演出内容の中からいずれか1つを選択的に決定する。ここで、最大上乗せ演出内容抽選テーブルについては、例えば、最大上乗せ演出の内容として、図44中(y)〜図45中(B)で説明した演出の内容や、図53中(Z)〜図54中(γ)で説明した演出の内容等が予め規定されている。演出制御CPU126は次にステップS7572を実行する。
ステップS7572:演出制御CPU126は、最大上乗せ演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7572で決定した最大上乗せ演出の内容に基づいて、画面内における最大上乗せ演出の実行を設定する。
例えば、図44中(y)〜図45中(B)で説明したように、画面内に演出切替ボタンを模した画像を表示して遊技者に演出切替ボタン45の押下を要求する押下要求演出、遊技者による演出切替ボタン45の押下(又は、演出切替ボタン45の押下の有効時間の経過)を契機としたハート形の装飾物の可動体40fが突然落下する可動体落下演出、GAS STATIONを模した画像を表示してリミッタ残数メーターMが最大まで上乗せされるチャンス回数復活演出、及び、女性キャラクターの喜びを表してチャンスゾーンが継続することを表すチャンスゾーン継続演出からなる最大上乗せ演出を実行する設定を行う。
例えば、図53中(Z)〜図54中(γ)で説明したように、画面全体が突然暗転(ブラックアウト)するブラックアウト演出、ハート形の装飾物の可動体40fが突然落下する可動体落下演出、女性キャラクターが登場してチャンス回数が15回に再設定されることを表すチャンス回数復活演出、及び、女性キャラクターの喜びを表してチャンスゾーンが継続することを表すチャンスゾーン継続演出からなる最大上乗せ演出を実行する設定を行う。
上記のように、最大上乗せ演出の実行の設定を終えると、演出制御CPU126は次にステップS7574を実行する。
ステップS7574:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出シナリオをリセットする。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、記憶されていた先読み上乗せ演出シナリオの内容を消去する。これにより、先読み上乗せ演出シナリオは白紙状態になったことを表している。演出制御CPU126は次にステップS7576を実行する。
ステップS7576:演出制御CPU126は、上乗せリミッタ値更新フラグをONに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、上乗せリミッタ値更新フラグの値をONにセットする(01Hに設定する)。演出制御CPU126はメイン上乗せ演出設定処理(図72)に復帰する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126はメイン上乗せ演出設定処理(図72)に復帰する。
〔メーター演出設定処理〕
図76は、メーター演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7610:演出制御CPU126は、抽選結果コマンドを受信したか否かを確認する。具体的は、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、新たに抽選結果コマンドが記憶されたか否かを確認する。この確認の結果、抽選結果コマンドを受信した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7612を実行する。一方、抽選結果コマンドを受信しなかった場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7620を実行する。
ステップS7612:演出制御CPU126は、メーター消費演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は画面内に表示されているリミッタ残数メーターMについて、メーターを1つ消灯する演出を実行する設定を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7620を実行する。
ステップS7620:演出制御CPU126は、図柄停止コマンドを受信したか否かを確認する。具体的は、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、新たに図柄停止コマンドが記憶されたか否かを確認する。この確認の結果、図柄停止コマンドを受信した場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7622を実行する。一方、図柄停止コマンドを受信しなかった場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7630を実行する。
ステップS7622:演出制御CPU126は、メーター更新演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は画面内に表示されているリミッタ残数メーターMについて、演出制御CPU126が確認した表リミッタ値と現在表示されているメーターの点灯個数とが異なっていた場合、表リミッタ値に基づいてメーターを点灯する演出を実行する設定を行う(例えば、チャンスゾーン突入時や電断復帰時に行われる)。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS7640:演出制御CPU126は、上乗せ演出実行中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は画面内のメイン演出において上乗せ演出が現在実行中であるか否かを確認する。この確認の結果、上乗せ演出実行中である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7642を実行する。一方、上乗せ演出実行中ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7650を実行する。
ステップS7642:演出制御CPU126は、メーター上乗せ点灯演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は画面内に表示されているリミッタ残数メーターMについて、現在実行中の上乗せ演出に対応した個数だけメーターを新たに点灯させる演出を実行する設定を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7650を実行する。
ステップS7650:演出制御CPU126は、最大上乗せ演出実行中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は画面内のメイン演出において最大上乗せ演出が現在実行中であるか否かを確認する。この確認の結果、最大上乗せ演出実行中である場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7652を実行する。一方、最大上乗せ演出実行中ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7670を実行する。
ステップS7652:演出制御CPU126は、メーター最大上乗せ点灯演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は画面内に表示されているリミッタ残数メーターMについて、全てメーターを点灯させる演出を実行する設定を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。演出制御CPU126は次にステップS7670を実行する。
ステップS7670:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出追加フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、先読み上乗せ演出追加フラグの値を参照し、参照した値がONに対応する値(例えば、01H)と同一であるか否かを確認する。この確認の結果、先読み上乗せ演出追加フラグがONである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7672を実行する。一方、先読み上乗せ演出追加フラグがONではない場合(No)、演出制御CPU126は大役開始後演出処理(図61)に復帰する。
ステップS7672:演出制御CPU126は、メーター先読み上乗せ演出設定処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は画面内に表示されているリミッタ残数メーターMについて、新たに吹き出し画像を表示するといったメーター先読み上乗せ演出を実行する設定を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は大役開始後演出処理(図61)に復帰する。
〔メーター消費演出設定処理〕
図77は、メーター消費演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7710:演出制御CPU126は、先のステップS7610の処理で受信した抽選結果コマンドが大当り(当選)に対応するものであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は参照した抽選結果コマンドの値が大当り(当選)に対応する値であるか否かを確認する。この確認の結果、受信した抽選結果コマンドが大当り(当選)に対応するものである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7712を実行する。一方、受信した抽選結果コマンドが大当り(当選)に対応するものではない場合(No)、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図76)に復帰する。
ステップS7712:演出制御CPU126は、表リミッタ値を参照する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照する。演出制御CPU126は次にステップS7714を実行する。
ステップS7714:演出制御CPU126は、対応した番号のメーターについてメーター消費演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7712で確認した表リミッタ値に基づいて、対応する番号のメーターを消費する演出の実行を設定する。
例えば、確認した表リミッタ値が14で合った場合、図36中(b)で説明したように14番目のメーターを消費する演出、すなわち、14番目のメーターを消灯する演出の実行を設定する。他にも、確認した表リミッタ値が13で合った場合、図37中(d)で説明したように13番目のメーターを消費する演出、すなわち、13番目のメーターを消灯する演出の実行を設定する。
上記のように、確認した表リミッタ値に応じた番号のメーターを消費する演出の実行を設定すると、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図76)に復帰する。
上記においては、このメーター消費演出設定処理中で特別図柄が大当りに該当した時のみメーター消費演出を実行するように設定したが、特別図柄がはずれに該当した場合についてもメーター消費演出を実行してもよい。なお、はずれ時にメーター消費演出が実行されたとしても裏リミッタ値は変更されない(減算されない)。したがって、より現状の正確なリミッタ数を遊技者に読みにくくすることで、演出を楽しんでもらえる効果と、リミッタ数を読む難易度が上がることによる予想しながら打つ楽しさを強化することができる。
また、チャンスゾーン終了煽り演出が実行されている際(リミッタ残数メーターMの3番目〜1番目のメーターが消灯される演出時)に、2ラウンド通常図柄1に該当し(上乗せ演出が実行されない)、その後特別図柄の内部抽選で連続してはずれに該当した場合を想定する。具体的には、3番目のメーターが消灯される演出時に2ラウンド通常図柄1に該当し、2番目と1番目のメーターが消灯される演出時にはずれに該当する場合について想定する。その場合、最後のメーターが消灯される演出時に最大上乗せ演出が実行されることとなる。この場合、チャンスゾーンが終了するか否かといった非常に重要な場面に上乗せ演出をずらすことで、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
〔メーター更新演出設定処理〕
図78は、メーター更新演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7720:演出制御CPU126は、表リミッタ値を参照する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のリミッタ値管理バッファ領域にアクセスし、表リミッタ値を参照する。演出制御CPU126は次にステップS7722を実行する。
ステップS7722:演出制御CPU126は、メーターの点灯数と表リミッタ値とが同一であるか否かを確認する。具体的には、現在の画面内に表示されているリミッタ残数メーターMにおいて点灯しているメーターの個数と、先のステップS7720で確認した表リミッタ値の値とが同一であるか否かを確認する。
例えば、チャンスゾーンに突入前は画面内にメーターが表示されていないため、メーターが1つも点灯していない状態(点灯数=0)を表している。しかしながら、チャンスゾーンに突入すると、表リミッタ値に値が新たに設定されるため(例えば、14又は15)、この処理において、メーターの点灯数と表リミッタ値とが同一ではない(No)といったことを確認することができる。他にも、例えば、停電などの何らかの原因によってパチンコ機1に供給する電源がなり、その後電源が供給された場合においても、メーターに関する演出は初期状態として1つも点灯していない状態(点灯数=0)と規定してあると想定すると、この処理において、メーターの点灯数と表リミッタ値とが同一ではない(No)といったことを確認することができる。
この確認の結果、メーターの点灯数と表リミッタ値とが同一である場合(Yes)、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図76)に復帰する。一方、メーターの点灯数と表リミッタ値とが同一ではない場合(No)、演出制御CPU126は次にステップS7724を実行する。
ステップS7724:演出制御CPU126は、表リミッタ値に対応したメーター点灯演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7720で確認した表リミッタ値の値に対応する番号までのメーターを点灯する演出を実行する設定を行う。例えば、図36中(a)で説明したように、チャンスゾーンに突入すると表リミッタ値が14に設定されるため、その値に対応した番号までリミッタ残数メーターMを点灯するといった演出を実行する設定を行う。以上の手順を終えると、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図76)に復帰する。
〔メーター上乗せ点灯演出設定処理〕
図79は、メーター上乗せ点灯演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7740:演出制御CPU126は、メーター上乗せ点灯演出の実行タイミングであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は上乗せ演出が実行されている際に、その演出の進行度合を確認し、メーター上乗せ点灯演出の実行タイミング(例えば、画面内のリミッタ残数メーターMの点灯数を1個増加させるタイミング)であるか否かを確認する。この確認の結果、メーター上乗せ点灯演出の実行タイミングである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7745を実行する。一方、メーター上乗せ演出の実行タイミングではない場合(No)、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図76)に復帰する。
ステップS7742:演出制御CPU126は、設定された上乗せ演出内容を参照する。具体的には、画面内において現在実行中の上乗せ演出の内容を参照する。この上乗せ演出の内容は、先のステップS7452で設定された内容を表している。ここで、必要となる情報は上乗せ演出において上乗せされるメーターの個数であるため、上乗せ演出における上乗せ演出パターンに関連する上乗せ個数をこの処理において参照してもよい。演出制御CPU126は次にステップS7744を実行する。
ステップS7744:演出制御CPU126は、上乗せ演出に対応したメーター上乗せ点灯演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7742で参照した現在実行中の上乗せ演出の内容から上乗せされるメーターの個数に対応した番号のメーターまで点灯させる演出を実行する設定を行う。
例えば、図40中(m)、図49中(N)で説明したように、上乗せされるメーターの個数が1個である場合、新たにメーターを1つ点灯する演出を実行する設定を行う。
例えば、図41中(r)、図47中(I)で説明したように、上乗せされるメーターの個数が2個である場合、新たにメーターを2つ点灯する演出を実行する設定を行う。
例えば、図51中(U)で説明したように、上乗せされるメーターの個数が2個である場合、新たにメーターを2つ点灯する演出を実行する設定を行う。
上記のように、メーター上乗せ演出の実行の設定を終えると、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図76)に復帰する。
〔メーター最大上乗せ点灯演出設定処理〕
図80は、メーター最大上乗せ点灯演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7750:演出制御CPU126は、メーター最大上乗せ点灯演出の実行タイミングであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は最大上乗せ演出が実行されている際に、その演出の進行度合を確認し、メーター最大上乗せ点灯演出の実行タイミング(例えば、画面内のリミッタ残数メーターMの点灯数を最大値(例えば、15個)まで増加させるタイミング)であるか否かを確認する。この確認の結果、メーター最大上乗せ点灯演出の実行タイミングである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7755を実行する。一方、メーター最大上乗せ演出の実行タイミングではない場合(No)、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図76)に復帰する。
ステップS7752:演出制御CPU126は、メーター最大上乗せ点灯演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126はメーターを最大値まで点灯させる演出を実行する設定を行う。例えば、図44中(A)、図45中(B)、図54中(γ)で説明したように、リミッタ残数メーターMの1番目から15番目までの全てメーターが点灯する演出を実行する設定を行う。次に、演出制御CPU126はステップS7754を実行する。
ステップS7754:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出シナリオリセットフラグがONであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、先読み上乗せ演出シナリオリセットフラグの値を参照し、参照した値がONに対応する値(例えば、01H)と同一であるか否かを確認する。この確認の結果、先読み上乗せ演出シナリオリセットフラグがONである場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS7756を実行する。一方、先読み上乗せ演出シナリオリセットフラグがONではない場合(No)、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図70)に復帰する。
ステップS7756:演出制御CPU126は、実行されているメーター先読み上乗せ演出を終了する。具体的には、演出制御CPU126はメーター先読み上乗せ演出が実行されている場合、先のステップS7754において設定したメーター最大上乗せ点灯演出の実行と同時期に、メーター先読み上乗せ演出の実行を終了する設定を行う。
例えば、図52中(Y)で説明した特別図柄の変動開始時に実行されていたメーター先読み上乗せ演出(例えば、リミッタ残数メーターMの4番目から演出切替ボタンが表示された吹き出し画像MPや、リミッタ残数メーターMの5番目から宝箱が表示された吹き出し画像MPや、リミッタ残数メーターMの6番目から女性キャラクターが表示された吹き出し画像MPを表示するといった演出)を、図54中(γ)で説明したメーター最大上乗せ点灯演出の実行と同時期に終了する設定を行う。すなわち、図52中(Y)に表示されていたメーター先読み上乗せ演出の複数の吹き出し画像MPを消去する設定を行う。したがって、図54中(γ)で説明したように、メーター最大上乗せ点灯演出の実行時にはメーター先読み上乗せ演出が実行されないことを表している。
なお、メーター先読み上乗せ演出が実行されていない場合、演出制御CPU126はこの処理を行わない。以上の手順を終えると、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図76)に復帰する。
〔メーター先読み上乗せ演出設定処理〕
図81は、メーター先読み上乗せ演出設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS7775:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出シナリオを参照する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のバッファ領域にアクセスし、記憶されている先読み上乗せ演出シナリオを参照し、参照した先読み上乗せ演出シナリオの内容から新たに追加された先読み上乗せ演出について、対象とするメーターの番号及び上乗せ演出のカテゴリーを確認する。次に、演出制御CPU126はステップS7777を実行する。
ステップS7777:演出制御CPU126は、対応した番号のメーターについてメーター先読み上乗せ演出を設定する。具体的には、演出制御CPU126は先のステップS7775で確認した対象とするメーターの番号及び上乗せ演出のカテゴリーに基づいて、対応する番号のメーターに上乗せ演出のカテゴリーに対応する吹き出し画像を表示するメーター先読み上乗せ演出の実行を設定する。また、このメーター先読み上乗せ演出の実行の設定については、一旦対象とする番号のメーターに吹き出し画像が表示されると、対象とする番号のメーターが消灯され、画面内において上乗せ演出が実行されるまで、その吹き出し画像は表示されることとなる。なお、例外として、画面内において最大上乗せ演出(メーター最大上乗せ演出)が実行された場合は、先述したようにステップS7756においてメーター先読み上乗せ演出の実行が終了されるため、対象とする番号のメーターに表示されていた吹き出し画像は消去されることとなる。
例えば、図38中(g)〜図39中(j)で説明したように、対象とするメーターの番号が5番目であり、上乗せ演出のカテゴリーが宝箱であった場合、リミッタ残数メーターMの5番目から宝箱が表示された吹き出し画像MPを表示するといった演出を実行する設定を行う。他にも、同じ上乗せ演出のカテゴリーが宝箱であった場合、図45中(D)〜図46中(G)で説明したように、リミッタ残数メーターMの7番目から宝箱が表示された吹き出し画像MPを表示し、図52中(W)〜図52中(Y)で説明したようにリミッタ残数メーターMの4番目から宝箱が表示された吹き出し画像MPを表示するといった演出を実行する設定を行う。
例えば、図46中(G)〜図48中(L)で説明したように、対象とするメーターの番号が5番目であり、上乗せ演出のカテゴリーが女性キャラクターであった場合、リミッタ残数メーターMの5番目から女性キャラクターが表示された吹き出し画像MPを表示するといった演出を実行する設定を行う。他にも、同じ上乗せ演出のカテゴリーが女性キャラクターであった場合、図52中(W)〜図52中(Y)で説明したように、リミッタ残数メーターMの6番目から女性キャラクターが表示された吹き出し画像MPを表示するといった演出を実行する設定を行う。
例えば、図49中(P)、図50中(Q)で説明したように、対象とするメーターの番号が4番目であり、上乗せ演出のカテゴリーが演出切替ボタンであった場合、リミッタ残数メーターMの4番目から演出切替ボタンが表示された吹き出し画像MPを表示するといった演出を実行する設定を行う。他にも、同じ上乗せ演出のカテゴリーが演出切替ボタンであった場合、図52中(W)〜図52中(Y)で説明したように、リミッタ残数メーターMの4番目から演出切替ボタンが表示された吹き出し画像MPを表示するといった演出を実行する設定を行う。
例えば、図54中(δ)で説明したように、対象とするメーターの番号が7番目であり、上乗せ演出のカテゴリーが?マークであった場合、リミッタ残数メーターMの7番目から?マークが表示された吹き出し画像MPを表示するといった演出を実行する設定を行う。
例えば、図54中(δ)〜図55中(θ)で説明したように、対象とするメーターの番号が4番目であり、上乗せ演出のカテゴリーがパンダのキャラクターであった場合、リミッタ残数メーターMの4番目からパンダのキャラクターが表示された吹き出し画像MPを表示するといった演出を実行する設定を行う。
上記のように、メーター先読み上乗せ演出の実行の設定を終えると、演出制御CPU126は次にステップS7779を実行する。
ステップS7779:演出制御CPU126は、先読み上乗せ演出追加フラグをOFFに設定する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、先読み上乗せ演出追加フラグの値をOFFにリセットする(00Hに設定する)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126はメーター演出設定処理(図76)に復帰する。
〔演出手法のまとめ〕
上述した演出手法の例によれば、パチンコ機1におけるゲームフローの進行に即して遊技者に有益な情報を演出として提供することができる。具体的には、(1)普通図柄当りにより「右打ち」の必要性が発生したこと、(2)可変始動入賞装置28(始動入賞口28a)への入賞により内部抽選(特図変動)が実行されたこと、(3)内部抽選で当選(初当り時は時短付きとなる)が得られたこと、(4)ゲームフローが〔F19〕確変中又は〔F31〕時短中に移行(突入)したこと、(5)〔F19〕確変中に「リミッタ回数」の残りが減少していくこと、(6)「リミッタ回数」に上乗せが発生したこと、(7)リミッタ到達後に〔F31〕時短中を経て〔F19〕確変中へ復活する契機が発生したこと、逆に(8)リミッタ到達によって〔F19〕確変中が終了し、ゲームフローが〔F1〕通常遊技中に戻ったこと等の情報を演出によって遊技者に分かりやすく提供(伝達、教示、示唆)することができる。また上記(3)に関して、逆に内部抽選で確変図柄での当選が得られなかったことも情報として提供することができる。
これにより、ゲームフローの進捗状況が遊技者に理解されないまま遊技が漫然と行われるのを防止しつつ、本実施形態のパチンコ機1によるゲーム性を十二分に遊技者に堪能させることができる。また、実際にゲームフロー上で「リミッタ回数」の上乗せが発生したことを演出内容から明確に実感させることで、遊技者に対して自己の遊技成果(〔F19〕確変中に2%の通常当選を引き当てたこと)を実感させ、それによって一定の満足感や達成感を遊技者に抱かせることができる。あるいは、ゲームフロー上でリミッタ到達後に復活が発生したことを演出内容から明確に実感させることで、ここでも遊技者に対して自己の遊技成果(リミッタ到達後に57%で時短あり通常当選を引き当てたこと)実感させ、それによって一定の満足感や達成感を遊技者に抱かせることができる。
また、遊技者に教示するリミッタ到達までのリミッタ回数を少なく表示しておき(例えば、17回あるリミッタ回数に対して14回のリミッタ回数で表示する)、リミッタ到達までの「リミッタ回数」の残りが減少していく途中で「リミッタ回数」の上乗せを強制的に発生させて、ただリミッタ回数を消化していくだけといったマンネリ感を感じさせずに、一定の満足感や達成感を遊技者に抱かせることができる。さらに、「リミッタ回数」の上乗せを発生させる変動を予め選択的に決定することで、その「リミッタ回数」の上乗せが発生するまでの複数の変動にわたって、「リミッタ回数」の上乗せが発生することを先読みすることができ、遊技者に複数の変動にわたって期待感を抱かせることができる。また、予め上乗せ演出の内容(例えば、演出カテゴリーや上乗せ回数)について決定しているため先読みの段階でその決定した内容に基づいた演出を実行し、演出に対する期待感を変化させることができる。
特に内部的なゲームフロー上、上記(6)や(7)の仕組みについては、実際の制御処理の内容が複雑であるが、本実施形態ではこれを演出情報として遊技者に分かりやすく伝達することができ、その点でゲームフローだけでなく演出手法もまた秀逸である。
〔ゲームフロー上の有用性〕
加えて本実施形態では、本来のゲームフローそのものに以下の有用性がある。
(1)例えば、〔F1〕通常遊技中からの〔F16〕確変図柄1,2当選により、1回目を含めて連続17回の〔F19〕確変中のループを発生させる権利(可能性)が発生する。これにより、ループごとに〔F22〕可変始動入賞装置作動と〔F18〕可変入賞装置作動を通じて賞球が得られる機会を遊技者に付与し、その利益を増加させることができる。
(2)さらに、〔F19〕確変中のループ途中で〔F29〕通常図柄1当選を引き当てると、〔F31〕時短中を経て〔F38〕確変図柄1,2当選(確変比率98%)が発生しやすく、それによって〔F19〕確変中への再ループが発生する。そして、この場合は上記のように「リミッタ回数」が再設定(リセット)されているため、先のループ中に消化し終わった分に対して新たな「リミッタ回数」の上乗せが発生することになる。これにより、上乗せ分でさらに〔F22〕可変始動入賞装置作動と〔F18〕可変入賞装置作動を通じて賞球が得られる機会を遊技者に付与し、その利益をさらに増加させることができる。
(3)また、〔F19〕確変中のループ中に上乗せが発生せず、「リミッタ回数」の残りが0回に到達した場合であっても、そこで〔F43〕通常図柄1当選又は〔F45〕確変図柄1当選→強制通常図柄1に該当する(合成選択比率57%)ことで、そこから〔F31〕時短中を経て〔F19〕確変中のループを再開させることができる。そして、この場合も同じく「リミッタ回数」が再設定(リセット)されているため、リミッタ到達前のループ中に消化し終わった分に対して新たな「リミッタ回数」の上乗せが発生することになる。これにより、上乗せ分でさらに〔F22〕可変始動入賞装置作動と〔F18〕可変入賞装置作動を通じて賞球が得られる機会を遊技者に付与し、その利益をさらに増加させることができる。
(4)また、上記(2)又は(3)の利益は特別図柄(内部抽選)の結果に応じてランダムに発生する可能性があるため、上記(2),(3)が連鎖的に発生していけば、その都度、出玉を上乗せしていくことが可能なゲーム性を実現することができる。
(5)加えて、従来この種のパチンコ遊技では、基本的に確変図柄を引くことが利益の連続性(いわゆる連チャン)を発生させるものであり、通常図柄を引くと、それによって利益の連続性が終了するというのが遊技の常識であった。しかしながら、本実施形態では〔F19〕確変中に敢えて通常図柄を引くことで利益の連続性に上積みを発生させており、従来とは逆転の発想を用いたゲーム性を実現している点で大きな有用性を発揮している。
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、各種の変形を採用することができる。例えば、各種演出手法の例として挙げた画像や動作はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。
例えば、上述した実施形態では、図36〜図56の演出例において、画面内にリミッタ残数メーターMを表示し、そのメーターが何個点灯しているかによって残りのリミッタ回数を遊技者に教示していた。例えば、図36中(a)においては、画面内のリミッタ残数メーターMにおいて1番目〜14番目のメーターを点灯させることで、残りのリミッタ回数が14回であることを遊技者に教示していた。しかしながら、残りのリミッタ回数を教示する際の態様としてリミッタ残数メーターMを採用せずに、別の態様でそれを教示することもできる。以下、残りのリミッタ回数を教示する別の態様を採用した第2実施形態について説明する。
〔第2実施形態〕
図82〜図85は、第2実施形態におけるチャンスゾーン中に実行される演出例を示す連続図である。以下、残りのリミッタ回数を教示する別の態様を中心に説明し、その他の演出については上述した実施形態と同様であるため説明を省略する。
〔リミッタ回数表示(上記メーター更新演出に対応)〕
図82中(A):チャンスゾーンにおける演出が開始されると、例えば、画面中央で女性キャラクターが自動車に乗って疾走していく様子が表現された演出が実行される。また、画面内の左位置には、例えば、「リミッタ回数」の残り回数を表すリミッタ残数カウンタCの画像が表示されており、このリミッタ残数カウンタC内には現時点で教示することができる(すなわち、実際のリミッタ回数とは異なっている場合も含めて教示することができる)「リミッタ回数」の残り回数が表記される態様で表示される。この例では、リミッタ残数カウンタC内に「のこり14回」と表示され、「リミッタ回数」が残り14回であることを表している。したがって、遊技者に残り14回の大当りが確定していることを教示することができる。また、チャンスゾーンが進行して大当りに該当すると、このリミッタ残数カウンタC内に表示されている数(カウンタ表示数とする)が変更され、すなわち残り回数が1減算されて表示されることとなる。これにより、遊技者に残り回数が減少したことを教示することとなる。
なお、上述した実施形態と同様に、チャンスゾーンに突入した際の当選図柄が2ラウンド確変1又は2であった場合、確変リミッタ回数(確変図柄を選択可能な回数)は16回と設定されるため少なくとも残り17回は大当りに当選することが確定している。なお、チャンスゾーンに突入した際の当選図柄が2ラウンド通常1であった場合、確変リミッタ回数(確変図柄を選択可能な回数)は0回と設定されるが、時間短縮状態に移行されるため少なくとも残り18回の大当りに当選することが確定している。しかしながら、上記のようにリミッタ残数カウンタCにおいては「のこり14回」としか表示していないため、確定している残り回数の17回(又は18回)からの差分の3回(又は4回)については、遊技者に教示されていないことを表している。以下、上記の実施形態と同様に画面内に表示されていない残り回数を裏リミッタ値(例えば、17)とし、画面内に表示されている残り回数を表リミッタ値(例えば、14)として説明する。
〔カウンタ変更演出(上記メーター消費演出(14番目のメーター)に対応)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値16、表リミッタ値13に変更)〕
図82中(B):特別図柄に関する変動表示が開始されると、リミッタ残数カウンタCについては、特別図柄の内部抽選の結果で当選が発生する度ごとに1つずつカウンタ表示数が減算されていく態様で表される。この例では、リミッタ残数カウンタCのカウンタ表示数が14から1減算されて13に変更にされて、「のこり13回」と表示されていることが表されている。このようなリミッタ残数カウンタCのカウンタ表示数が変更されるカウンタ変更演出(上述した実施形態におけるメーター消費演出に対応)により、遊技者に対して「リミッタ残数が次第に減少してきている」ということを想起させ、実際のゲームフロー上で使用されている内部情報(「リミッタ回数」)を遊技者に伝達(教示、示唆)することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図82中(C):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。例えば、画面内の右上隅や右下隅に位置する演出図柄や第4図柄Z2が大当りを表す態様で停止表示していることが表されている。その後、可変入賞装置30が作動することなり、1回分の大当りの権利が消費されたこととなる。
〔カウンタ変更演出(上記メーター消費演出(7番目のメーター)に対応〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値9、表リミッタ値6に変更)〕
図82中(D):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数カウンタCにおいてカウンタ表示数が1減算されて変更される演出が実行される。この例では、リミッタ残数カウンタCのカウンタ表示数が7から6に変更されて、「のこり6回」と表示されていることが表されている。
〔先読み上乗せ演出(上記メーター先読み上乗せ演出に対応)〕
図82中(E):カウンタ変更演出が実行されて、しばらくすると(特別図柄の変動時間の半分程度)、画面内のリミッタ残数カウンタCにおいて吹き出し画像CPが新たに表示される先読み上乗せ演出(上述した実施形態におけるメーター先読み上乗せ演出に対応)が実行される。この例では、「のこり4回になると」と表記され、さらに宝箱が表示された吹き出し画像CPが出現した様子を表す演出が実行される。この先読み上乗せ演出により、遊技者に画面内のリミッタ残数カウンタCが「のこり4回」と表示される際に何かしらのイベントが発生するかもしれないといった期待感を持たせることができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図83中(F):その後、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。したがって、今回の特別図柄の変動表示中に画面内において行われた演出は、先読み上乗せ演出が実行されたこと以外は、通常のチャンスゾーン中(確変中)の演出であったことを表している。
〔カウンタ変更演出(上記メーター消費演出(5番目のメーター)に対応)〕
〔特別図柄の変動開始(2R確変)(裏リミッタ値7、表リミッタ値4に変更)〕
図84中(G):その後、チャンスゾーンがある程度進行し、特別図柄の2R確変時の変動表示が開始されると、画面内のリミッタ残数カウンタCにおいてカウンタ表示数が1減算されて変更される演出が実行される。この例では、リミッタ残数カウンタCのカウンタ表示数が7から6に変更されて、「のこり4回」と表示されていることが表されている。
〔上乗せ演出開始〕
また、その際、リミッタ残数カウンタCに関連付けられて表示されていた「のこり4回になると(宝箱画像)」といった先読み上乗せ演出が終了することとなり、一方、画面内においては上乗せ演出が開始される。この例では、自動車に乗った女性キャラクターが宝箱を発見するといった演出が実行されている。したがって、先ほどまでリミッタ残数カウンタCに表示されていた宝箱の吹き出し画像に対応する演出が実行されていることが表されている。
〔上乗せ回数表示〕
図84中(H):そして、画面内においては、女性キャラクターが発見した宝箱を開けると「+3」と表記されたダイヤモンドが出現する演出が実行される。これにより、リミッタ残数に上乗せ回数の3回分が追加されることを遊技者に教示することができる。
〔カウンタ上乗せ演出(上記メーター上乗せ演出)に対応〕
〔(裏リミッタ値7、表リミッタ値7に変更)〕
図84中(I):そして、先ほど宝箱から出現した「+3」と表記されたダイヤモンドが画面内のリミッタ残数カウンタCに吸い込まれるといった演出が実行され、カウンタ表示数が3加算されて、「のこり4回」から「のこり7回」と表示が変更されるカウンタ上乗せ演出(上述した実施形態におけるメーター上乗せ演出に対応)が実行される。したがって、「リミッタ残数が4から7に増加した」ということを遊技者に教示することができる。
〔特別図柄の停止表示〕
図85中(J):その後、上乗せ演出及びカウンタ上乗せ演出(上述した実施形態におけるメーター上乗せ演出に対応)が終了すると、特別図柄の変動表示が終了し、さらに停止表示が行われる。
〔複数の先読み上乗せ演出〕
図85中(K):その後、チャンスゾーンがある程度進行すると、画面内のリミッタ残数カウンタCにおいて複数の吹き出し画像CPが表示される複数の先読み上乗せ演出(上述した実施形態におけるメーター先読み上乗せ演出に対応)が実行される。この例では、「のこり6回になると」と表記され、さらに女性キャラクターが表示された吹き出し画像CPや、「のこり5回になると」と表記され、さらに宝箱が表示された吹き出し画像CPや、「のこり4回になると」と表記され、さらに演出切替ボタンが表示された吹き出し画像CPが画面内のリミッタ残数カウンタCに関連付けて表示されるといった複数の先読み上乗せ演出が実行されていることを表している。したがって、これら先読み上乗せ演出により、遊技者に画面内のリミッタ残数カウンタCが「のこり6回」、「のこり5回」、「のこり4回」と表示される際に、吹き出し画像CPに関連付けられているカテゴリーの上乗せ演出が発生するかもしれないといった期待感を持たせることができる。
上記のように、第2実施形態における残りのリミッタ回数を教示する別の態様においても、上乗せ演出を実行することができ、さらに、その上乗せ演出が実行される予定の変動に対して、リミッタ残数カウンタに関連付けて先読み上乗せ演出を実行することができる。この先読み上乗せ演出は上述した実施形態におけるメーター先読み上乗せ演出と同様に、その先読み上乗せ演出に対応する変動で同一のカテゴリーの上乗せ演出が実行されてリミッタ残数が増加するといったことを遊技者に想起させ、先読み上乗せ演出が開始されると対応する変動が開始されるまでの間の期待感を向上させることができる。
したがって、残りのリミッタ回数を教示する際の態様は、リミッタ残数メーターMによる態様でもよいし、リミッタ残数カウンタCによる態様でもよく、それぞれの態様に対応させて上乗せ演出が実行される予定の変動について前もって遊技者に教示する先読み上乗せ演出を実行することで、リミッタ到達までの残り回数を教示する演出に幅を持たせ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、実施形態(一実施形態及び別実施形態)で挙げた抽選の確率や図柄の変動時間、可変始動入賞装置28や可変入賞装置30の開放時間、閉鎖時間、開放回数、賞球数等の条件はあくまで例示であり、これらは適宜に変形してもよい。また、遊技領域8内の各種始動ゲート20,21、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等の配置は種々に変形して実施してもよい。
また、上記実施形態においては、リミッタ数の処理について特別図柄の初回(通常状態や時間短縮状態)の当選において2ラウンド確変図柄に該当した場合にリミッタ回数を17回に設定し、当選(2ラウンド確変図柄)する度に設定したリミッタ回数を1減算していた。そして、リミッタ回数が0回になった場合をリミッタ到達時として強制的に当選図柄を通常図柄に設定していた。しかしながら、リミッタ数の処理についてはこれに限定されずに、初回(通常状態や時間短縮状態)のリミッタ数を0と予め設定しておき、初回の当選において2ラウンド確変図柄に該当した場合にリミッタ回数を1加算した1に設定し、当選(2ラウンド確変図柄)する度に設定したリミッタ回数を1加算してもよい。そして、リミッタ数が18になった場合をリミッタ到達時として強制的に当選図柄を通常図柄に設定してもよい。また、途中で(リミッタ到達前に)当選し2ラウンド通常図柄1に該当した場合、リミッタ数を0にリセットし最初から管理してもよい。具体的には、特別図柄停止表示中処理(図22)において、ステップS4332は実行せず、ステップS4340の処理をリミッタ回数を加算する処理に設定してもよい。なお、演出制御については、減算処理を加算処理に変更したことに伴い、各処理を対応させて変更してもよい。
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。