まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する演出ユニット300が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下操作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、図18〜図21に基づいて、演出ユニット300について説明する。図18は、(A)は第1可動体の第1動作を示す正面図、(B)は第1可動体の第2動作を示す正面図である。図19は、(A)は第1可動体ユニットを斜め前側から見た分解斜視図、(B)は第1可動体ユニットを斜め後ろ側から見た分解斜視図である。図20は、第1可動体の第1動作を側方から見た概念図である。図21は、図18(B)のA−A断面図である。
図1に示すように、演出ユニット300は、第1可動体302を備える第1可動体ユニットと、第2可動体402L,402Rを備える第2可動体ユニットと、第3可動体502を備える第3可動体ユニットと、から主に構成されている。尚、第2可動体402L,402Rは、例えば、図示しない駆動モータやギヤなどから成る第4駆動機構406(図2参照)により、演出表示装置5の前側に出現する演出状態と、演出表示装置5の前側から退避する退避状態に変化可能である(図示略)。尚、第3可動体502は、例えば、図示しない駆動モータやギヤなどから成る第5駆動機構505(図2参照)により、演出表示装置5の前側に出現する演出状態と、演出表示装置5の前側から退避する退避状態に変化可能である(図示略)。
図18に示すように、第1可動体ユニットは、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられ、正面視略下向きコ字形に形成されるベース部301と、第1可動体302と、から主に構成されている。第1可動体302は、第1駆動機構303(図2参照)により該ベース部301の上部の第1位置(図18(A)参照)と該第1位置よりも下方の第2位置(図18(B)参照)とに移動可能である。また、第1可動体302は、第2駆動機構304(図2参照)により後述する回動中心Pを中心に回動可能である(図20参照)。また、第1可動体302は、第3駆動機構305(図2参照)により突出体370を第1可動体302内に収納される収納状態と、第1可動体302から突出する突出状態と、に変化可能である(図20及び図21参照)。
第1可動体ユニットにおけるベース部301は、上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cにより下向き略コ字形に形成され、各上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cが演出表示装置5の表示画面の各辺に沿うように表示画面の外側に配設されている。
また、上辺部301aの前面側には、第1可動体302の背面側に配置される装飾体380が取付けられており、装飾体380は、第1可動体302が第1位置にある状態、及び突出体370が突出した突出状態(図18(B)及び図21)において、突出体370の背面側の周囲を装飾するようになっている。言い換えれば、装飾体380は、遊技者(前方側)から見て第1可動体302の奥側に設けられている。尚、図18(A)の実線部分は、第1可動体302が第1回動状態となっており、図18(A)の仮想線部分及び図18(B)は、第1可動体302が第2回動状態となっている。つまり、第1回動状態は、第1可動体302の回動状態における初期状態であり、第2回動状態は、第1可動体302の回動状態における展開状態である。
第1駆動機構303は、ベース部301の左側辺部301b及び右側辺部301cの前面に配設される案内軸306L,306R(図22〜図25参照)を有し、左側辺部301b及び右側辺部301cには、案内軸306L,306Rを前面側から覆うように固定されるカバー部材307L,307R(図18及び図19参照)が設けられており、案内軸306L,306Rが遊技者から視認し難くなっている。
案内軸306L,306Rは、左側辺部301b及び右側辺部301cの前面上部に固定される上軸受部と、カバー部材307L,307Rの後面下部に設けられる下軸受部と、により上下方向を向く軸心周りに回転可能に軸支されている。案内軸306L,306Rの周面には、凹状の溝部が螺旋状に形成されている。
また、図22〜図25に示すように、第1駆動機構303は、案内軸306L,306Rを図示しないギヤなどを介して回転駆動させる昇降用モータ308L,308Rを備えており、昇降用モータ308L,308Rを駆動させることにより案内軸306L,306Rが軸心周りに回転する。また、案内軸306L,306Rの溝部には、第1可動体302から左右方向に延びるアーム309L,309Rの凸部が嵌合しており、案内軸306L,306Rが回動することにより該案内軸306L,306Rに沿って第1可動体302が上下に昇降移動するようになっている。
尚、昇降用モータ308L,308Rは、パルス信号に応じて所定角度回転する所謂ステッピングモータであり、演出制御用CPU120は、昇降用モータ308L,308Rに送信するパルス信号により第1可動体302の位置制御を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、第1可動体302を第1位置から第2位置まで移動するのに昇降用モータ308L,308Rを何ステップ分駆動させればよいかを把握している。つまり、駆動ステップ数により第1可動体302が第1位置または第2位置に移動したことを特定できるようになっている。尚、第1駆動機構303は、下方位置検出スイッチ313、中間位置検出スイッチ314、上方位置検出スイッチ315を備えているため、これらを用いて第1可動体302の位置を制御することもできる。
更に、第1駆動機構303は、左側辺部301b及び右側辺部301cの上部に設けられ、第1可動体302を装飾体380と前後方向に重畳する位置(第1位置)に保持するための演出用ソレノイド318L,318R(図2参照)を備えている。
尚、演出用ソレノイド318L,318Rは、オフの状態時には、演出用ソレノイド318L,318Rに設けられた係止部材がアーム309L,309R側に係止して第1可動体302を第1位置に保持でき、該第1位置での第1回動状態において振動等により落下及び回動してしまうことを抑制することができる。また、演出用ソレノイド318L,318Rがオンの状態時には、前記係止部材がアーム309L,309R側から退避するようになっており、第1可動体302と前記係止部材との係止状態を解いて第1可動体302を第2位置に移動可能な状態とすることができる。尚、第1可動体302は、例えば、定荷重バネ等により上方に付勢され、第1位置での保持状態や、第1位置及び第2位置間の昇降移動等が補助されるようになっていてもよい。
尚、ここでは、案内軸306L,306Rにより第1可動体302が昇降移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラックピニオン等の他の昇降機構により第1可動体302が昇降移動するようにしてもよい。
図18及び図19に示すように、第1可動体302は、断面視略矩形状を成す箱状部302Aと、前述したアーム309L,309Rと、を有しており、アーム309L,309Rと箱状部302Aとは相対的に回動可能となっている。第1回動状態における箱状部302Aの背面は、第2回動状態において上方を向く回動面となっており、この回動面は、開閉可能な蓋部材319により構成されている(図21参照)。尚、蓋部材319は、左右方向に延びる軸部により回動可能に軸支されている。尚、蓋部材319の回動可能範囲は、箱状部302Aに設けられた図示しないストッパ部により90度未満となっている。
第2駆動機構304は、例えば、アーム309L,309Rのいずれか一方または両方に取付けられる回動用モータ350と、回動用モータ350の駆動力を箱状部302Aに伝えるギヤと、第1可動体302の第1回動状態を検知する初期位置スイッチ351と、第1可動体302の第2回動状態を検知する展開位置スイッチ352と、を備えており、回動用モータ350によりアーム309L,309Rに対して箱状部302Aが回動するようになっている。
尚、回動用モータ350は、パルス信号に応じて所定角度回転する所謂ステッピングモータであり、演出制御用CPU120は、回動用モータ350に送信するパルス信号により第1可動体302の回動制御を行う。尚、初期位置スイッチ351と展開位置スイッチ352とを備えているため、これらを用いて第1可動体302の回動状態を制御することもできる。
図21に示すように、箱状部302Aの内部には、突出体370が設置されている。この突出体370は、第1演出部材375と、第2演出部材376と、第3演出部材377と、を備えており、第1演出部材375、第2演出部材376、及び第3演出部材377は、箱状部302Aから外側に突出する方向にスライド可能となっている。
突出体370は、第3駆動機構305により収納状態と突出状態とに変化可能である。第3駆動機構305は、例えば、伸縮可能なパンタグラフ機構と、該パンタグラフ機構に対してギヤ等を介して駆動力を与える突出用モータ360と、突出体370が収納状態時に検知する収納位置スイッチ361と、突出体370が突出状態時に検知する突出位置スイッチ362と、突出用モータ360の駆動力を箱状部302Aの蓋部材319に伝える開閉機構(例えば、ラックギヤや回動アーム等)と、備えている。
第1可動体302は、突出用モータ360の駆動により開閉機構を介して箱状部302Aの蓋部材319が開放されるとともに、パンタグラフ機構が伸長して第1演出部材375、第2演出部材376、及び第3演出部材377を箱状部302Aから外側に突出するようにスライドさせるようになっている。
尚、突出用モータ360は、パルス信号に応じて所定角度回転する所謂ステッピングモータであり、演出制御用CPU120は、突出用モータ360に送信するパルス信号により突出体370の突出動作制御を行う。また、初期位置スイッチ351と展開位置スイッチ352とを備えているため、これらを用いて第1可動体302の回動状態を制御することもできる。
次いで、図20及び図21を用いて第1可動体302の第1動作と第2動作とを説明する。図20に示すように、第1可動体302を第1位置から第2位置に移動させる際には、下降途中において、蓋部材319が背面側に配置された第1回動状態から蓋部材319が上方に配置された第2回動状態へと変化させる。このときには、第1可動体302を前方側に約92度回転させる。すなわち、第2回動状態に変化した第1可動体302は、蓋部材319が前方側へ約2度傾くこととなる。尚、第2回動状態に変化した第1可動体302は、回動用モータ350が励磁され第1可動体302が回動停止状態に維持されることで、蓋部材319が前方側へ約2度傾いた状態が保持される。また、第1可動体302を第2回動状態に変化させた際には、回動中心Pよりも後方側に第1可動体302の重量部(例えば、第3駆動機構305等)が位置することとなる。
そして、図21に示すように、突出体370が収納状態から突出状態へ変化したとき(突出体370が箱状部302A内から突出したとき)には、突出した突出体370は、その一部(例えば、第2演出部材376及び第3演出部材377)が遊技者から見て装飾体380の前側に視認可能に重畳するとともに、突出体370が前方側に約2度傾倒するようになる。すなわち、突出体370は、装飾体380と反対側(装飾体380から離れる方向)に傾倒するため、突出体370が収納状態から突出状態へ突出した際に突出体370の先端側(上端側)が第1可動体302の回動方向に揺れ動くことがあっても装飾体380に接触しにくく、突出体370や装飾体380の破損等を抑制することができる。
さらに、第1可動体302は前方側に約2度傾倒することに加え、前述のように蓋部材319の回動可能範囲が90度未満となっているため、突出体370が突出状態へ変化する際に開放される蓋部材319が装飾体380に接触することを回避できる。
詳しくは、突出体370が収納状態から突出状態へ変化したときの箱状部302Aからの該突出体370の突出寸法L30は、突出状態における箱状部302Aの上下の寸法L20よりも長くなっている(L20<L30)。さらに、第1演出部材375、第2演出部材376及び第3演出部材377は、収納状態において前後に重畳して配置されているため、突出状態において漸次前方側に向かうように突出される。尚、突出体370は、突出しても前方側のガラス窓50aに該突出体370の先端が当接しないようになっている。すなわち、第1可動体302は、突出状態において重心バランスが不安定であり、回動中心Pを中心として前方側に回動し易くなっている。
しかしながら、前述のように、突出状態にあっては、回動用モータ350の励磁により第1可動体302が回動停止状態に維持されるとともに、第1可動体302の重量部が第1可動体302の回動中心Pよりも後方側に位置しているため、第1可動体302には、後方側に回転しようとする力が働き、突出体370が前方側へ傾倒しようとする力とバランスが取れ、第1可動体302の回動を抑制できる。
さらに、箱状部302Aが回動停止していてもパンタグラフ機構の先端側が揺動し易くなっているとともに、突出体370の突出寸法L30は、突出状態における箱状部302Aの上下の寸法L20よりも長くなっているため、突出体370の先端が前後に揺動しやすいが、突出体370の先端の前後には所定の空間が形成されているため、突出体370の先端が装飾体380やガラス窓50aに当接し難くなっている。
このように構成された第1可動体302は、第1動作により、第1位置と第2位置との間で移動可能、かつ、回動可能であるとともに、第2位置において、第2動作により突出体370を収納状態から突出状態に変化可能に設けられている。
ここで、図22〜図25に基づいて、後述するスーパーリーチβ大当り変動パターンに基づく変動表示において演出制御用CPU120が実行する可動体演出について説明する。
演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示において可動体演出を実行する場合、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第1位置に位置する第1状態から第2位置に向けて移動し、下降途中で第1回動状態から第2回動状態に変化させながら第2位置に位置する第2状態に変化させた後、その状態で待機させる。そして、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御を実行し(図22〜図24参照)、変動表示結果が大当りであることを報知する第1演出パターンに基づく可動体演出を実行可能である。
一方、はずれ変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させることなく第2状態を維持し、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンに基づく可動体演出を実行可能である。その後、第1可動体302を上昇動作により第2位置から第1位置に復帰させる復帰動作制御を実行し、第1可動体302が第1位置に復帰した後、可動体演出を終了する。
また、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行する場合において、救済演出を実行可能である(図25参照)。救済演出とは、一旦、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンに基づく演出を実行した後、変動表示が終了するまでに変動表示結果が大当りであることを報知する第3演出パターンに基づく演出である。
具体的には、第1可動体302を第2位置まで移動させた後、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したときに、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態へ変化させることなく第2状態を維持し、変動表示結果がはずれであることを報知するが、復帰動作制御を実行しているときに救済演出の開始タイミング(以下、救済タイミングと言う)になった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御を実行することにより、変動表示結果が大当りであることを報知する。その後、復帰動作制御を実行し、第1可動体302を第1位置に復帰させて救済演出を終了する。
ここで、本実施例における可動体演出の演出態様の一例を図22〜図25に基づいて説明する。図22は、(A)〜(D)は第1可動体が第1位置から第2位置に移動する流れを示す説明図である。図23は、(A)〜(D)は突出体が収納状態〜突出状態、突出状態〜収納状態となる流れを示す説明図である。図24は、(A)〜(D)は第1可動体が第2位置から第1位置に移動する流れを示す説明図である。
先ず、図22(A)に示すように、演出制御用CPU120は、例えば、所定の変動表示中においてリーチ状態を成立させた後、スーパーリーチ演出を開始する。このとき、第1可動体302は、第1回動状態で第1位置に配置されている。尚、ここでは、理解を助けるために、第1回動状態において前方を向く面をA面とし、第1回動状態において上方を向く面をB面として説明する。
図22(B)に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出の実行中における所定タイミングにおいて、第1可動体302を第1位置から第2位置に向けて下降移動させる第1動作を開始する(可動体演出開始)。このとき、第1可動体302は、A面が遊技者(正面側)を向くように励磁されながら第2位置に下降移動する。
第1可動体302が第1位置から第2位置に向けて所定距離移動すると、図22(C)に示すように、第1位置と第2位置との途中位置にて、下降しながら第1回動状態から第2回動状態に変化する。このときには、第1可動体302が装飾体380よりも下方に位置しているため、第1可動体302が回動しても装飾体380に接触することが無い。
そして、図22(D)に示すように、第1可動体302は、第2位置に到達すると下降移動が停止されるとともに、第2回動状態となり回動が停止される。すなわち、第1可動体302の第1動作が完了する。このとき、第1可動体302は、A面が下側を向き、B面が遊技者(正面側)を向いた状態を維持するように励磁されるとともに、B面は2度程度前方に傾斜している。
次いで、図23(A)に示すように、演出制御用CPU120は、演出表示装置5にスティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進画像を表示して操作有効期間を開始する。詳しくは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面において、該表示画面の前面側である第2位置に配置されている第1可動体302と、該第1可動体302の原点位置に対応する位置である演出表示装置5の上部に配置された装飾体380と、の間から遊技者が視認可能な表示位置に操作促進画像を表示する。尚、本実施例では、第1可動体302と装飾体380との間に操作促進画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5の表示画面において、表示画面の前面側に配置されている第1可動体302との重畳する重畳領域以外の領域(非重畳領域)に表示させるようにしてもよい。
そして、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作受付期間中に該スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付ける(検出する)と、図23(B)に示すように、蓋部材319を開放状態とし、図23(C)に示すように、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる。このとき、突出体370は前方側に2度程度傾斜した状態で突出する。そのため、突出体370と装飾体380との間の空間を大きくとれるため、突出した勢いなどで第1可動体302が後方側に傾斜したとしても、突出体370と装飾体380とが接触することを抑制できる。
その後、図23(D)に示すように、突出体370が突出状態に変化してから所定期間が経過したときに、収納動作(復帰動作)により突出体370を突出状態から収納状態に変化させ、突出体370を第1可動体302内に収納し、蓋部材319を閉塞状態とする。
次いで、図24(A)に示すように、第1可動体302を復帰動作により第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に向けて上昇移動させる。第1可動体302が第1回動状態となると、その回動の勢いや蓋部材319の自重により後方側に傾斜するようになる。このとき、傾斜した蓋部材319の端部319bは、装飾体380の下方側の位置で該装飾体380よりも後方側に位置する(第3回動状態)。蓋部材319の端部319bは、また、第1可動体302のA面が遊技者(正面側)を向き、A面が遊技者(正面側)を向いた状態を維持するように励磁される。
次いで、第1可動体302の蓋部材319が装飾体380に到達する前に前方側に所定角度傾斜させ、少なくとも傾斜した蓋部材319の端部319bが装飾体380よりも前方側に位置させる(第4回動状態)。このとき、蓋部材319は、第1可動体302の回動の勢いにより閉塞状態となる。そして、図24(B)に示すように、第1可動体302が装飾体380の下端部を越えて第1位置の近傍に到達すると、第1可動体302が第1回動状態に復帰する。これにより、第1可動体302が第1回動状態に復帰時に蓋部材319が後方側に傾斜したとしても、装飾体380によりそれ以上の後方側への傾斜が規制される。そして、演出表示装置5に揃い図柄を表示し、可動体演出を終了する。
次に、可動体演出における救済演出の一例を図25に基づいて説明する。図25は、(A)〜(G)は救済演出の一例を示す説明図である。
図25(A)に示すように、演出制御用CPU120は、第1可動体302の第1動作を実行した後、演出表示装置5にスティックコントローラ31Aの操作を促す操作促進画像を表示して操作有効期間を開始する。そして、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したとき、図25(B)に示すように、突出体370を突出状態に変化させることなく、演出表示装置5にはずれを示す画像(残念…)を表示する。
次いで、図25(C)に示すように、第1可動体302を第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に上昇移動させる。そして、第1可動体302が第2位置から第1位置に上昇移動している途中で救済タイミングになった場合、図25(D)に示すように、第2位置と第1位置の間の途中位置で第1可動体302の上昇を停止する。
次いで、図25(E)に示すように、途中位置から第1可動体302を第1対応動作により、第1回動状態から第2回動状態となるように回動させながら第2位置に向けて再び下降動作させる。そして、第1可動体302が第2位置に到達したときに下降を停止して、図25(F)に示すように、蓋部材319を開放状態とし、突出体370を第2動作により収納状態から突出状態に変化させる。その後、突出体370を第1可動体302内に収納し、図25(G)に示すように、第1可動体302を第2回動状態から第1回動状態となるように回動させながら第2位置から第1位置に向けて上昇させて第1位置において停止するとともに、演出表示装置5に揃い図柄を表示し、救済演出を終了する。尚、可動体演出における演出制御用CPU120の詳細な制御内容については後述する。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9、後述する昇降用モータ308L,308R、回動用モータ350、突出用モータ360、下方位置検出スイッチ313、中間位置検出スイッチ314、上方位置検出スイッチ315、演出用ソレノイド318L,318R、初期位置スイッチ351、展開位置スイッチ352、収納位置スイッチ361、突出位置スイッチ362といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。
また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、制御を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。各種演出制御パターンテーブルに記憶されているように、大当り遊技状態などに制御されている期間における各種の演出制御の内容を示すパターンデータに加えて、演出制御用CPU120が各種の演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを構成するパターンデータが、予め複数種類記憶されている。こうした演出制御パターンとしては、例えば、図柄変動制御パターンテーブル(図示略)に示す図柄変動制御パターンや、予告演出制御パターンテーブル(図示略)に示す予告演出制御パターン(図示略)などが含まれていればよい。
図柄変動制御パターンは、演出図柄の変動表示が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置5の表示領域での演出図柄の変動表示動作に関する制御内容を示すパターンデータなどから構成され、演出図柄の変動パターンに対応して予め複数用意されたものであればよい。また、パチンコ遊技機1における昼モード、夕暮れモード、夜モード等の複数種類の演出モード(ステージ)に対応して、互いに異なる図柄変動制御パターンが用意されてもよい。こうした複数の図柄変動制御パターンはそれぞれ、最終停止図柄となる確定演出図柄や変動表示中に仮停止表示される仮停止図柄などを用いて行われる演出図柄の変動表示において、演出図柄の表示位置や大きさ、演出図柄の変動方向や変動速度などのタイムスケジュールを規定していればよい。ここで、最終停止図柄や仮停止図柄などは、主基板11から演出制御基板12へと伝送された変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンなどに基づいて、変動表示の開始時に決定されるものであればよい。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
音声制御基板13(または音声制御基板13に構成される音声合成用IC)は、デコーダ(図示略)、音声データROM(図示略)、出力I/F(インタフェース、図示略)等から構成される。この他、音声制御基板13は、各種の音を発生する音源回路や処理タイミングを決定するためのクロックを発生するタイミング発生回路等を備えてもよい。なお、スピーカ8L,8Rが音出力手段として機能するとともに、音声制御基板13が音制御手段として機能する例を説明したが、これに限られない。例えば、音制御手段の機能を演出制御基板12で構成しても、演出制御基板12と音声制御基板13とで構成してもよい。また、音声制御基板13をスピーカ8L,8Rに組込み、スピーカユニットとして構成してもよい。
デコーダ(図示略)は、演出制御基板12(演出制御用CPU120)からの命令(コマンド)により、圧縮された音声データを音声データ(図示略)から読み出し、読み出した音声データをデコード(復号化、伸張)する。デコーダ(図示略)は、音声の再生チャンネルとして32チャンネル(再生チャンネル0〜31)を備え、独立した32種類の音声を同時再生可能である。尚、この実施例では、ステレオ音声を出力するために2つずつチャンネルがペアになっており、16種類のステレオ音声を同時に再生可能になっている。つまり、演出制御基板12は、コマンドを音声制御基板13に送信するだけで、所定の再生設定(1回再生、リピート再生など)で音声を再生チャンネルで再生することが可能であり、音声制御基板13に音声データを送信する必要も、再生設定の情報を送信する必要がない。
音声データROM(図示略)は、演出等に使用する音声の音声データを圧縮して記憶する。尚、音声データは演出制御基板12のROMや他の記憶装置に記憶されていてもよい。出力インタフェース(図示略)は、デコーダ(図示略)の各チャンネルにおいてデコード・再生された音声データをミックスする。そして、ミックスした音声データ(デジタルデータ)をアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してスピーカ8L、8Rから出力する。スピーカ8L、8Rから出力される音量は、予め定められた音量設定によって決められている。
本実施例では、例えば、通常変動音やリーチ中背景音等の再生には再生チャンネル0,1が使用され、可動体の動作音(例えば、後述する第1演出音(第3演出音)、第2演出音など)等の再生には再生チャンネル2が使用され、先読み演出としての保留変化音の再生には再生チャンネル3が使用され、他の先読み音の再生には再生チャンネル4が使用され、リーチ中チャンスアップの再生には再生チャンネル5が使用され、予告演出音等の再生には再生チャンネル6が使用され、・・・エラー音の再生には再生チャンネル30、31が使用されている。
異なる再生チャンネルを使用する音声同士は同時に再生・出力が可能である。例えば、通常変動音の再生・出力中に、予告演出の音声の再生・出力が可能である。これにより、複数の音声が重畳した多彩な音声を出力することができる。また、音声の種類に応じて再生チャンネルを固定とすることで、当該音声同士が干渉することを防止できる。例えば、通常変動音を再生・出力するための再生チャンネル(1)を固定することで、通常変動音の干渉を防止できる。同様に、エラー音の再生・出力するための再生チャンネル(30、31)を固定することで、エラー音の干渉を防止できる。尚、一のチャンネルに設定された複数の音声を同時に再生することは不可能である。
また、同時に出力される可能性のある音声の再生には、異なる再生チャンネルを使用することが好ましい。例えば、実行中の可変表示の表示結果等を予告する変動中予告演出(SUやセリフ)と、実行中の可変表示よりも後に実行される可変表示の表示結果等を予告する先読み予告演出や、同じ先読み予告演出であっても始動入賞時に保留変化するもの先読み予告演出などと、は予告対象が異なるため同時に実行される可能性がある。従って、これらの音声の再生に使用される再生チャンネルは異ならせることが好ましい。このように、再生チャンネルを異ならせることで、変動中予告演出と先読み予告演出の演出音が干渉することを防止できる。そして、変動中予告演出と先読み予告演出とが重複して実行される場合であっても、それぞれの演出の音声を再生・出力することができる。
尚、再生チャンネル数は有限なので、同時に出力されない音声の再生には同一の再生チャンネルを使用する必要性が生じる。また、後述するように、可動体演出(第1演出音+第2演出音)のように、複数種類の音声を組合せた音声の音声データを一つにまとめ、一つの再生チャンネルにより再生することで、データ量の低減や処理負担の軽減を図ることができる。
LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9や各可動体に設けられた可動体LED(図示略)などの点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。
主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図4は、本実施例の変動パターンを示している。本実施例では、図4に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図4に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
また、スーパーリーチαは、第1可動体302を用いた可動体演出を実行しない変動パターンとされ、スーパーリーチβは、可動体演出を実行する変動パターンとされている。また、後述するように、スーパーリーチβには、スーパーリーチ演出の後に救済演出が実行されないスーパーリーチβと、スーパーリーチ演出の後に救済演出が実行されるスーパーリーチβとがある。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図4に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図5は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、本実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、前述した図4に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
また、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
そして本実施例では、演出ユニット300の第1可動体302、第2可動体402L,402R、スピーカ8L,8R、演出用LED9等による可動体演出といった各種演出や前述した各種予告が実行可能とされている。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図6のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図6に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S13)。
次に、乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、図7に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器20での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S17)。
図7は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞処理を実行する(S21)。その後、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1、MR2、MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」と「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図8に示すメイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図3参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図9は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74)演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75)変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76)全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77)変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78)大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79)演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図10は、図9に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、S275にて読み出した変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチβ救済大当り変動パターンであるか否かを判定する(S277)。変動パターンがスーパーリーチβ救済大当り変動パターンである場合は(S277;Y)、スーパーリーチβはずれ変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(S281)、救済演出の開始タイミングを設定するための救済演出開始待ちタイマに救済開始時までの期間に応じた値を設定して(S282)、S283に進む。S277において、S275にて読み出した変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチβ救済大当り変動パターンでなかった場合はS280に進む。
S280において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S283)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音を制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を検出するための操作検出制御実行データや、主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたこと(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作を受付けたことなど)といった、所定の制御内容や処理内容に対応して演出制御の切換タイミング等を示す移行先データ(移行先のプロセスデータを特定するためのデータ)等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
図11(A)は、こうした各々の演出制御パターンの構成例を示している。図12(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、LED制御データ、操作検出制御データ、演出用役物(可動体)制御データ、移行先データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部(図示略)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。尚、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば、演出図柄の変動表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば、演出図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L,8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作を指定するデータである。LED制御データには、例えば、演出用LED9といった発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、LED制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えば、スティックコントローラ31Aに対する指示操作やプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間の設定や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
演出用役物制御データには、例えば、第1可動体302を動作させる第1駆動機構303、第2駆動機構304及び第3駆動機構305や、第2可動体402L,402Rを動作させる第4駆動機構406や、第3可動体502を動作させる第5駆動機構505の駆動制御内容を指定するデータといった、第1可動体302、第2可動体402L,402R及び第3可動体502を個別に動作させることが可能なデータが含まれていれば良い。
尚、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、LED制御データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば、第1可動体302、第2可動体402L,402R及び第3可動体502以外に演出用役物が備える他の可動部材を備える場合であれば、演出用役物制御データに加えて、該可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図11(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置5の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L,8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、LED制御データにより指定される態様で演出用LED9等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aあるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受付けて該操作に応じた演出内容を決定する制御を行い、演出用役物制御データにより指定される態様で第1駆動機構303、第2駆動機構304及び第3駆動機構305や、第4駆動機構406や第5駆動機構505を駆動して第1可動体302、第2可動体402L,402Rや第3可動体502を動作させる制御を行う。尚、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば、演出図柄の変動表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置5、スピーカ8L,8R、第1駆動機構303、第2駆動機構304、第3駆動機構305、第4駆動機構406、第5駆動機構505、演出用LED9等の発光体など)の制御を進行させる。尚、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、LED制御データ#1〜LED制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#n、演出用役物制御データ#1〜演出用役物制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部や音声制御基板13や第1駆動機構303、第2駆動機構304、第3駆動機構305、第4駆動機構406、第5駆動機構505などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部では、例えば、所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令(駆動信号)を受けた第1駆動機構303、第2駆動機構304、第3駆動機構305、第4駆動機構406、第5駆動機構505は、第1可動体302、第2可動体402L,402R、第3可動体502を動作させる制御を行う。
ここで、図12〜図14に基づいて、スーパーリーチβ大当り変動パターンに基づいて演出制御用CPU120が実行する演出制御内容について説明する。
演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示を開始するとき、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じたプロセスデータをセットする。また、特にスーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4のいずれかである場合、各変動パターンに応じたプロセスデータをセットする。
具体的には、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に応じたプロセスデータは、図柄の変動表示を開始した後、リーチ状態の成立に基づいてスーパーリーチ演出に発展させて可動体演出を実行し、最終的に突出動作制御を実行せずに表示結果がはずれであることを報知する制御内容とされている。スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に応じたプロセスデータは、図柄の変動表示を開始した後、リーチ状態の成立に基づいてスーパーリーチ演出に発展させて可動体演出を実行し、最終的に突出動作制御を実行して表示結果が大当りであることを報知する制御内容とされている。スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に応じたプロセスデータは、図柄の変動表示を開始した後、リーチ状態の成立に基づいてスーパーリーチ演出に発展させて可動体演出を実行し、最終的に突出動作制御を実行せずに表示結果がはずれであることを報知した後、第1対応動作制御を実行し、突出動作制御を実行して表示結果が大当りであることを報知する制御内容とされている。よって、最初はスーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に対応するプロセスデータを用いた後、救済タイミングにおいて救済演出用の救済演出プロセスデータに切り替える。
図12(A)には、演出制御用CPU120がスーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に応じたプロセスデータに基づいて実行する第1可動体302の動作制御内容と演出表示装置5の表示制御内容が時系列的に示されており、図12(B)には、演出制御用CPU120がスーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に応じたプロセスデータに基づいて実行する第1可動体302の動作制御内容と演出表示装置5の表示制御内容が時系列的に示されている。尚、図12(B)においては、変動表示開始から救済タイミングまではスーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に応じたプロセスデータが用いられ、救済タイミングから変動表示終了までは救済演出プロセスデータが用いられる。
演出図柄の変動表示の開始から終了までの変動表示期間は、図12(A)に示すスーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3は53000msであるのに対し、図12(B)に示すスーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4は63000msとされ、救済演出を実行する分だけ長くなっている。
また、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4それぞれに対応するプロセスデータには、スーパーリーチ演出、可動体演出、操作有効期間及び救済演出を、演出図柄の変動表示を開始してからそれぞれに対応する期間が経過したときに開始する制御データが設定されている。つまり、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4のいずれを実行する場合でも、スーパーリーチ演出、可動体演出、操作有効期間及び救済演出は、演出図柄の変動表示を開始してから常に一定の期間が経過したタイミングで開始するようになっている。
また、図13に示すように、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4各々にて可動体演出を実行するためのプロセスデータには、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第2位置へ向けて移動させるとともに、途中位置からは下降させながら第1回動状態から第2回動状態に回動して第2位置まで移動させる第1動作を行う期間として第1動作期間T1が設定され、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作を有効に受付ける期間として操作有効期間T2が設定され、第1可動体302を突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させて維持する第2動作を行う期間として第2動作期間T3が設定され、第1可動体302を、突出体370を収納状態に戻してから上昇動作(復帰動作)により第2位置から第1位置へ復帰させ停止させる復帰動作を行う期間として復帰動作期間T4が設定されている。
可動体演出を実行するためのプロセスデータにおける演出用役物制御データには、第1動作期間T1において、昇降用モータ308L,308RをXステップ(Xは、第1可動体302を第1位置から第2位置へ移動するのに必要なステップ数)駆動して第1可動体302を第1位置から第2位置へ移動させるとともに第1回動状態から第2回動状態に回動した後に停止させ、操作有効期間T2が経過するまで待機させる下降動作制御データと、第2動作期間T3において、突出用モータ360を駆動して突出体370を収納状態から突出状態に変化させて維持する突出動作制御データと、復帰動作期間T4において、突出体370を収納状態に変化させてから昇降用モータ308L,308RをXステップ(Xは、第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動するのに必要なステップ数)駆動して第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動させた後に停止させる復帰動作制御データと、からなる一連の動作制御データが含まれているとともに、これら下降動作制御データ、突出動作制御データ、復帰動作制御データそれぞれに対応する表示制御データ、音声制御データ及びLED制御データが設定されている。
具体的には、下降動作制御に対応する制御データには、第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるLED制御データ(図22(B)〜(D)参照)等が含まれる。
突出動作制御に対応する制御データには、第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を第2発光態様にて発光させるLED制御データ(図23(A)〜(C)参照)等が含まれる。尚、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3に対応するプロセスデータの突出動作制御に対応する制御データには、演出表示装置5にて残念画面を表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を所定態様にて発光させるLED制御データ(図25(B)(C)参照)等が含まれる。
復帰動作制御に対応する制御データには、復帰動作に対応する復帰演出として、演出表示装置5にて図柄揃い(図柄非揃い)を表示、スーパーリーチ演出画面から通常図柄変動表示画面へ切替表示、図柄揺れ(図柄仮停止)を表示させる表示制御データ、スピーカ8L,8Rにて復帰用演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を復帰用発光態様にて発光させるLED制御データ(図23(D)、図24(A)(B)参照)等が含まれる。
このように演出制御用CPU120は、第1動作を実行するときに該第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力し、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるとともに、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(後述する第1動作期間T1)が経過したことに基づき、該第1演出に続いて第2動作を実行するときに該第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第1演出制御を実行する。
また、救済演出を実行するためのプロセスデータには、第1動作に対応する救済演出用の第1対応動作、第2動作、復帰動作を実行するための演出用役物制御データと、第1対応動作に対応する第3演出として、スピーカ8L,8Rにて第3演出音を出力する音声制御データと、演出用LED9を第3発光態様にて発光させるLED制御データと(図25(E)〜(G)参照)が含まれる。
尚、本実施例では、第1対応動作に対応する第3演出音は、第1動作に対応する第1演出音と同じ演出音であるが、第1演出音は第1可動体302を第1位置から第2位置へ移動するまで再生される演出音であるのに対し、第3演出音は第1可動体302を途中位置から第2位置へ移動するまで再生される演出音、つまり、再生期間が不定な演出音とされている。
また、突出動作制御データ、復帰動作制御データ及びこれらに対応する表示制御データ、音声制御データ及びLED制御データについては、操作有効期間T2にて操作を受付けた場合、その時点のプロセスデータに記述されている移行先データに基づいて、操作有効期間T2が終了するまでのプロセスデータに基づく制御を省略して開始するようになっているため、操作受付けタイミングに応じて開始タイミングが変更する可能性がある。
具体的には、図12(A)に示すように、A−1.操作有効期間(例えば、4秒)が経過する直前で操作を受付けたあるいは操作を受付けないまま操作有効期間が経過した場合は、復帰動作の終了が救済タイミングよりも後になるのに対し、A−2.操作有効期間の開始から3秒後に操作を受付けた場合や、A−3.操作有効期間の開始直後(0秒後)に操作を受付けた場合などは、操作有効期間T2が短縮されることで、復帰動作の終了が救済タイミングよりも前になる。
つまり、操作有効期間が開始されてから所定期間(例えば、3秒)が経過するまでの第1有効期間は、操作を受付けた場合に救済タイミングになる前に可動体演出が終了することになる期間である。一方、第1有効期間が経過してから操作有効期間が終了するまでの第2有効期間(例えば、約1秒)は、可動体演出が終了する前に救済タイミングに到達する期間である。尚、第1有効期間に操作を受付けた場合、復帰動作の終了から変動表示が終了するまでの期間が長くなるため、図柄揺れ画面(演出図柄を仮停止表示させる画面)を変動表示が終了するまで継続して表示することになる。
よって、図14(A)に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく変動表示を実行する場合において、可動体演出を開始した後、図12(B)(C)のように第1有効期間にて操作を受付けた場合、可動体演出は救済タイミングに到達する前に終了する。つまり、救済タイミングに到達する前に第1可動体302は第1位置に復帰しているため、救済タイミングにて救済演出を開始する場合、下降動作制御データに基づいて第1可動体302を第2位置に向けて移動させるとともに第1回動状態から第2回動状態に変化させた後に第2位置にて停止させることができる。つまり、この救済演出における第1対応動作期間T5は第1動作期間T1と同じである(T5=T1)。
一方、図14(B)に示すように、演出制御用CPU120は、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく変動表示を実行する場合において、可動体演出を開始した後、図12(A)のように第2有効期間にて操作を受付けた場合、可動体演出は救済タイミングに到達する前に終了しない。つまり、救済タイミングに到達したときに第1可動体302は第1位置に復帰していないため、復帰動作制御の実行中に救済タイミングに到達して救済演出を開始することになる。
また、第2有効期間における第1タイミングで操作を受付けた場合、第1可動体302は第1位置と第2位置との間の第1途中位置になり、第2有効期間における第1タイミングとは異なる第2タイミングで操作を受付けた場合、第1可動体302は第1位置と第2位置との間の第2途中位置になる。すなわち、第2有効期間は複数の操作タイミングがあるので、操作を受付けたタイミングに応じて救済タイミングにおける第1可動体302の途中位置は異なってくる。
また、途中位置から第2位置までの距離は、第1位置から第2位置までの距離よりも短く、かつ、操作タイミングに応じて異なるため、この救済演出における第1対応動作期間T6は不定な期間であり、かつ、第1動作期間T1よりも短い期間となる(T6<T1)。よって、演出制御用CPU120は、救済タイミングに到達したときに、プロセスデータを復帰動作制御データから下降動作制御データに切り替えて動作制御すると、昇降用モータ308L,308Rを第1位置から第2位置まで移動させるのに必要なXステップ数駆動させてから停止させる制御を実行するため、第1可動体302が第2位置に到達しても昇降用モータ308L,308Rの駆動を停止させることができず、昇降用モータ308L,308Rに負荷をかけてしまう虞がある。
ここで、第2有効期間における複数タイミングそれぞれに応じた複数の動作制御データを用意しておくことも考えられるが、RAMの記憶容量が増大するばかりか、操作タイミングに応じたプロセステーブルをセットするための制御が複雑になるため、演出制御用CPU120の制御負荷が増大することになる。
また、操作有効期間にて操作を受付けた場合、第2動作させずにはずれの報知を行った後、復帰動作の開始タイミングになっても復帰動作させないで救済タイミングまで待機させておくことも考えられるが、はずれの報知をしているにも関わらず第1可動体302を演出表示装置5の表示画面の手前略中央位置である第2位置に待機させておくのは遊技者に違和感を与えてしまう。
さらに、操作有効期間にて操作を受付けたタイミングに応じて、第2動作制御を実行しないで済むように救済タイミングを変更することも考えられるが、変動表示期間を延ばすことはできないし、操作を受付けたタイミングに応じて救済タイミングを変更する制御が必要となるため、制御負荷が増大してしまう。
よって、演出制御用CPU120は、救済タイミングになったときに、プロセスデータを救済演出プロセスデータに切り替え、該切り替えた救済演出プロセスデータに基づいて動作制御を行う。
救済演出プロセスデータは、第1可動体302を第1位置に向けて上昇させている昇降用モータ308L,308Rの駆動を一旦停止させた後、逆駆動させて第2位置に向けて移動させながら第1回動状態から第2回動状態へ変化させるとともに、下方位置検出スイッチ313がオン状態になったときに昇降用モータ308L,308Rの駆動を停止させる救済用下降動作制御データと、操作有効期間を経ずに第1動作に続いて突出用モータ360を駆動し、突出体370を収納状態から突出状態に変化させて維持する突出動作制御データと、突出体370を収納状態に変化させてから昇降用モータ308L,308RをXステップ(Xは、第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動するのに必要なステップ数)駆動して第1可動体302を第2位置から第1位置へ移動させた後に停止させる復帰動作制御データと、を含む演出用役物制御データ、第1対応動作に対応する第3演出としてスピーカ8L,8Rにて第3演出音を出力する音声制御データ、演出用LED9を第3発光態様にて発光させるLED制御データを含む。
このように救済用下降動作制御データは、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したときに昇降用モータ308L,308Rの駆動を停止させる制御データであるため、途中位置から第2位置まで移動させるために必要なステップ数や動作制御の実行期間をその都度特定することができなくても、下降している第1可動体302を第2位置にて停止させることができる。
尚、救済用下降動作制御データに基づいて第1可動体302を下降させている間、演出表示装置5では図柄非揃い画像から通常変動表示画面に戻すとともに、スピーカ8L,8Rから第1演出音に対応する第3演出音を出力するとともに、演出用LED9を第3発光態様にて発光させる。
また、救済演出では、第1可動体302を第2位置にて停止させた後、遊技者の操作を待たずに下降動作制御に続いて突出動作制御により突出状態に変化させることで、変動表示結果が大当りであったことを報知する。その後、復帰動作制御にて第1位置に復帰させて、救済演出とともに可動体演出を終了する。
このように演出制御用CPU120は、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する第1対応動作により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御において、第1対応動作(下降)を実行しているときに第1演出音に対応する第3演出音をスピーカ8L,8Rから出力するとともに、第1発光態様に対応する第3発光態様にて演出用LED9を発光させ、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したことに基づいて、第2演出として演出表示装置5にて第2エフェクトを表示するとともに、スピーカ8L,8Rから出力している第3演出音の出力を停止して第2演出音を出力し、第3発光態様にて発光している演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第2演出制御を実行する。
また、本実施例では、第1演出音(第3演出音)と第2演出音をスピーカ8L,8Rから出力可能に設定されている。具体的には、これら第1演出音と第2演出音の再生には、同一の再生チャンネル2が使用されるように設定されている。より詳しくは、第1演出音を再生する音声データ1と、第2演出音を再生する音声データ2と、第1演出音と第2演出音とを組合せた第3音声データと、を同一の再生チャンネル2により再生できるようになっている。
尚、本実施例では、第3演出音は、第1演出音と同一の音声データとされている。そして第1演出音を再生する音声データ1は、第3演出音として再生される、つまり、後述するように再生途中で強制的に停止されることがある音声データであるため、再生途中で強制的に停止されても違和感を与えにくい楽曲データ等であることが好ましい。
演出制御用CPU120は、第1演出制御において、第1可動体302の第1動作を実行するときに、第3音声データに基づいて第1演出音を再生チャンネル2にて再生し、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)が経過したときに、第3音声データに基づいて第1演出音に続いて第2演出音を再生チャンネル2にて再生する制御を行う。尚、第3音声データは、特に再生期間を監視することなく再生することが可能な一連の音声データである。
一方、演出制御用CPU120が、第2演出制御において、救済タイミングになったときに、再生チャンネル2により音声データ1に基づく第1演出音の再生を開始した後、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したときに、同じく再生チャンネル2により音声データ2に基づく第2演出音(第3演出音)の再生を開始する。
ここで、救済タイミングにおいて第1可動体302の第1対応動作制御を実行する場合、第1可動体302が第2位置に到達するまでに要する期間が不定であるため、音声データ1は、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)にわたり再生可能な長さの音声データとする必要がある。よって、第1可動体302が第2位置に到達したときに音声の再生を途中で停止するか、途中位置から第2位置までの移動期間に対応した長さの音声データを複数用意する必要がある。
しかし、第1可動体302が第2位置に到達したときに音声の再生を停止する場合や、途中位置から第2位置までの移動期間に対応した長さの音声データを複数用意する場合において、音声データ1に基づく第1演出音の再生と音声データ2に基づく第2演出音の再生とを異なる再生チャンネルにより再生するように設定すると、第1演出音から第2演出音への切替の際に、第1演出音の停止タイミングと第2演出音の再生開始タイミングとにずれが生じると、一時的に第1演出音と第2演出音とが重複して再生されてしまったり、第1演出音の再生を停止してから第2演出音の再生を開始するまでの時間が生じてしまう虞があるため、制御が困難となる。
そこで、演出制御用CPU120は、第2演出制御において救済タイミングになったときに、再生チャンネル2により音声データ1に基づく第1演出音(第3演出音)の再生を開始した後、下方位置検出スイッチ313が第1可動体302を検出したときに、同一の再生チャンネル2により音声データ2に基づく第2演出音の再生を開始することで、第1演出音の再生が強制的に停止されて第2演出音の再生が開始されることになる。
このように、第1可動体302の第1動作から第2動作への切替タイミングに合わせて、第1演出音から第2演出音の再生に好適に切り替えることができるため、第1演出音の再生期間を監視するといった複雑な制御を行うことがないばかりか、切り替えタイミングがずれて第1演出音と第2演出音とが一時的に重複して出力されてしまったり、第1演出音の再生を停止してから第2演出音の再生を開始するまでの時間が生じてしまったりすることを防止できる。
図10に戻って、S284において、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、音制御実行データ1、LED制御実行データ1、操作検出制御実行データ1、演出用役物制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、各種LED、スピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等)、演出用役物(第1可動体302、第2可動体402L,402R))の制御を実行する(S284)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S285)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S286)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S287)。
図15は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301)。また、救済演出開始待ちタイマがセットされている場合は、救済演出開始待ちタイマの値を−1して(S302)、救済演出開始待ちタイマがタイマアップしたか否か、つまり、救済演出の開始タイミングになったか否かを判定する(S303)。
救済演出開始待ちタイマがタイマアップしていなければ(S303;N)、第1対応動作フラグがセットされているか否かを判定する(S304)。S304において第1対応動作制御フラグがセットされていない場合(S304;N)、操作有効期間であることを示す操作受付け中フラグがセットされているか否かを判定する(S305)。S305において操作受付け中フラグがセットされていない場合(S305;N)、操作有効期間の開始タイミングか否かを判定する(S306)。
操作有効期間の開始タイミングである場合(S306;Y)、第1有効期間タイマに第1有効期間に対応する値をセットするとともに、操作有効期間タイマに操作有効期間に対応する値をセットしてタイマをスタートし(S307)、操作受付け中フラグをセットし(S308)、S309に進む。操作有効期間の開始タイミングではない場合は(S306;N)、そのままS309に進む。
S309において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら(S309;Y)、プロセスデータの切り替えを行う(S310)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S311)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し(S312)、S314に進む。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は(S309;N)、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S313)、S314に進む。
S303において、救済演出開始待ちタイマがタイマアップしていれば、救済演出の開始タイミングであるため、図16のS350に進み、プロセステーブルを救済演出用の救済演出プロセステーブルに変更し(S350)、変更した救済演出プロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S351)。次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31Aの検出等)の制御を実行する(S352)。これにより救済演出が実行される。
次いで、第2有効期間に操作があったことを示す第2有効期間受付フラグがセットされているか否かを判定し(S353)、第2有効期間受付フラグがセットされていれば(S353;Y)、救済演出において第1対応動作を実行するための第1対応動作制御フラグをセットして(S354)、図15のS314に進む。第2有効期間受付フラグがセットされていなければ(S353;N)、救済演出において第1対応動作を実行しないので、そのまま図15のS314に進む。
図15に戻って、S303において第1対応動作フラグがセットされていれば(S304;Y)、図17のS360に進む。S360において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S361)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによって次のプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S362)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S363)。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S364)。
次いで、演出制御用CPU120は、下方位置検出スイッチ313がオン状態であるか否か、つまり、第1可動体302が下方位置に到達したか否かを判定する(S365)。下方位置検出スイッチ313がオン状態である場合は、第1可動体302が第2位置に到達したとして第1対応動作フラグをクリアし(S366)、救済演出プロセステーブルにおける第2位置到達時に対応するプロセスデータ(突出動作制御データ)を移行先データから特定する(S367)。そして、プロセスデータを特定したプロセスデータに切り替えて(S368)、次のプロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S369)。これにより、救済演出において第1可動体302の突出体370を突出させる第2動作が行われることで表示結果が大当りであることが報知される。
図15に戻って、S305において操作受付け中フラグがセットされている場合は(S305;Y)、第1有効期間を計時するための第1有効期間タイマと操作有効期間を計時するための操作有効期間タイマのそれぞれの値を−1する(S320)。次いで、操作有効期間タイマがタイマアップしているか否かを判定し(S321)、操作有効期間タイマがタイマアップしていない場合は(S321;N)、操作受付けがあるか否か、つまり、スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bが操作されたか否かを判定する(S322)。S321において操作有効期間タイマがタイマアップしている場合は(S321;Y)、操作受付けがないまま操作有効期間が経過したとして、操作受付け中フラグをクリアして(S326)、S327に進む。
S322において操作受付けがあった場合は(S322;Y)、操作受付け中フラグをクリアして(S323)、第1有効期間タイマがタイマアップしているか否かを判定する(S324)。第1有効期間タイマがタイマアップしていなければ(S324;N)、第1有効期間に操作受付けがあったとして、第1有効期間受付けフラグをセットし(S325)、S328に進む。第1有効期間タイマがタイマアップしていれば(S324;Y)、第2有効期間に操作受付けがあったとみなして、第2有効期間受付けフラグをセットし(S327)、S328に進む。また、S322において操作受付けがない場合は(S322;N)、そのまま処理を終了する。
尚、本実施例では、操作有効期間において操作受付けがなかった場合、第2有効期間に操作を受付けたとみなして第2有効期間受付けフラグをセットするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作有効期間において操作受付けがなかった場合に第2有効期間受付けフラグをセットせず、以後の可動体演出を実行しないようにしてもよい。
S328においては、プロセステーブルにおける操作有効期間終了後の最初のプロセスデータ(突出動作制御データ)を移行先データから特定する(S328)。そして、プロセスデータを特定したプロセスデータに切り替え(S329)、次のプロセスタイマをスタートさせた後(S330)、次のプロセスデータの内容(表示制御実行データ、音制御実行データ、LED制御実行データ、操作検出制御データ、演出用役物制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S331)、S314に進む。これにより、大当り変動パターンの場合は可動体302の突出体370を突出させる第2動作が行われることで表示結果が大当りであることが報知され、はずれ変動パターンの場合は第1可動体302の突出体370を突出させる第2動作が行われないことで表示結果がはずれであることが報知される。
S314では、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S314)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S314;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S315)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S316)。
また、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合は(S314;N)、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S317)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば(S317;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S319)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても(S317;N)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S318;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新し(S319)、処理を終了する。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。また、確定コマンド受信フラグがセットされてなければ(S318;N)、処理を終了する。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
以上、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示において可動体演出を実行する場合、第1可動体302を下降動作(第1動作)により第1位置に位置する第1状態から第2位置に向けて移動し、下降途中で第1回動状態から第2回動状態に変化させながら第2位置に位置する第2状態に変化させた後、その状態で待機させ、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御と、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御と、第1動作を実行するときに該第1動作に対応する第1演出として、演出表示装置5にて第1エフェクトを表示させ、スピーカ8L,8Rにて第1演出音を出力し、演出用LED9を第1発光態様にて発光させるとともに、第1可動体302が第1位置から第2位置へ移動するのに要する期間(第1動作期間T1)が経過したことに基づき、該第1演出に続いて第2動作を実行するときに該第2動作に対応する第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第1演出制御と、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御において、下方位置検出スイッチ313により第1可動体302を検出したこと、つまり、第2位置に到達したと判定したことに基づいて、第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる第2演出制御と、を実行可能である。
このようにすることで、第1動作制御においては、第1可動体302が第1位置から第2位置まで移動するのに要する第1動作期間T1が経過したタイミング(昇降用モータ308L,308RをXステップ駆動させたタイミング)で第1演出を終了することで、第2動作及び第2演出を好適なタイミングで開始できる一方、第2動作制御においては、第1可動体302が第2位置に到達したと判定されたことに基づいて第2演出を実行することで、第1可動体302を途中位置から第2位置まで移動させる場合でも、第2動作及び第2演出への切り替えを好適なタイミングで実行できるため、演出を好適に行うことができる。
具体的には、演出制御用CPU120は、可動体演出において第1可動体302を第1位置から第2位置まで移動させる場合、第1位置から第2位置へ移動するのに要する第1動作期間T1は一定であるため、第1動作制御を実行するためのプロセスデータに基づいて演出を実行すればよいが、救済演出において第1可動体302を途中位置から第2位置まで移動させる場合、遊技者によるスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作受付けタイミングによって途中位置から第2位置へ移動するのに要する期間(移動距離)は不定になる。
よって、第1動作制御を実行するためのプロセスデータとは別に、第2動作制御を実行するための救済演出プロセスデータに基づいて演出を実行することで、第1対応動作により第1可動体302が第2位置に到達したと判定したことに基づいて、下降動作(第1対応動作)と第1演出に対応する演出(第3演出音の出力と第3発光態様での発光)を停止して、突出動作(第2動作)と第2演出(第2演出音の出力と第2発光態様での発光)に切り替えることができるため、複数の操作受付けタイミングそれぞれに応じた複数の制御データを用意したり、操作タイミングに応じたプロセステーブルをセットする必要がないので、演出制御用CPU120の制御負荷の増大を回避することができる。
また、演出制御用CPU120は、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる。このようにすることで、遊技者の操作に応じて第1可動体302が動作するため、遊技の興趣が向上する。
詳しくは、本実施例では、第1可動体302は、第1位置と第2位置との間を昇降可能であるだけでなく、箱状部302A内に、突出体370が収容されているとともに、第1回動状態と第2回動状態とに回動させるための回動用モータ350や、突出体370を突出状態や収納状態に変化させるための突出用モータ360といった駆動機構や駆動源を搭載しているため、これらを搭載していない可動体に比べて重い。
よって、第1位置から第2位置までの下降動作を早くするのに限界があるため、遊技者の操作を受付けたタイミングで下降動作制御を開始し、該可動動作制御に続けて突出動作制御を実行しようとすると、操作を受付けたときから突出動作制御を開始するまでの時間が長くなり、遊技者に違和感を与える虞がある。
そこで本実施例では、下降動作制御により第1可動体302を第2位置まで移動させてから操作有効期間が開始し、該操作有効期間内に操作を受付けたタイミングで突出動作制御を行うため、操作を受付けたときから突出動作制御を開始するまでの時間を短くすることができる。
また、演出制御用CPU120は、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、大当り変動パターンである場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させるとともに、第2演出として、演出表示装置5にて第2エフェクトを表示し、スピーカ8L,8Rにて第2演出音を出力し、演出用LED9を第2発光態様にて発光させる。
このようにすることで、遊技者の操作に応じて第1可動体302が第2動作するとともに第2演出が実行されるため、遊技の興趣が向上する。
また、演出制御用CPU120は、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第1可動体302の上昇動作を停止させ、下降動作(第1動作)に対応する動作(第1対応動作)により第1位置と第2位置との間のいずれかの途中位置から第2位置に移動させた後、突出動作(第2動作)により突出体370を収納状態から突出状態に変化させる第2動作制御を実行する。このようにすることで、第1可動体302が第2位置から第1位置へ復帰する途中で第1対応動作が再開されるため、遊技者に意外性を与えることができる。
詳しくは、救済演出は、図13(A)に示すように、第1有効期間内に操作を受付けた場合、第1可動体302が第1位置に復帰した状態から開始されることになるが、図13(B)に示すように、第2有効期間内に操作を受付けた場合、第1可動体302が第1位置に復帰する前に開始される。このように、復帰動作の途中で昇降用モータ308L,308Rの逆駆動により第1対応動作が開始されることで、はずれの報知が行われた場合でも第1対応動作が開始されることを期待するようになるので、興趣が向上する。
また、演出制御用CPU120は、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3である場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させる第1動作制御を実行し(図22〜図24参照)、変動表示結果が大当りであることを報知する第1演出パターンと、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3である場合、突出体370を収納状態から突出状態へ突出動作(第2動作)させることなく第2状態を維持し、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンと、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−4である場合、変動表示結果がはずれであることを報知する第2演出パターンに基づく演出を実行した後、変動表示が終了するまでに変動表示結果が大当りであることを報知する第3演出パターンと、を実行可能であり、復帰動作制御を実行しているときに救済タイミングになった場合、実行中の復帰動作制御を中断して、第2動作制御を実行する。
このようにすることで、操作を受付けたタイミングに応じて第2動作制御の実行タイミングを変更する必要がないので、演出制御用CPU120の制御負荷を軽減できる。
また、演出制御用CPU120は、第2演出制御において救済タイミングになったときに、再生チャンネル2により音声データ1に基づく第1演出音(第3演出音)の再生を開始した後、下方位置検出スイッチ313が第1可動体302を検出したときに、同一の再生チャンネル2により音声データ2に基づく第2演出音の再生を開始することで、第1演出音の再生が強制的に停止されて第2演出音の再生が開始される。このようにすることで、第2演出音から第1演出音に対応する演出音への切り替えを好適に行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、第1状態と該第1状態とは異なる第2状態とに変化可能な可動体として、第1位置と第2位置との間で移動可能、かつ、移動しながら第1回動状態から第2回動状態に変化可能な第1可動体302を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1位置と第2位置との間で移動可能するだけで、移動途中で第1回動状態から第2回動状態に変化しない可動体でもよいし、あるいは、第1回動状態(第1状態)から第2回動状態(第2状態)に変化可能であれば、第1位置と第2位置との間で移動しない可動体でもよい。また、第2動作のように、非突出状態(第1状態)から突出状態(第2状態)に変化可能な可動体でもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302が第1位置と第2位置との間を上下移動可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置と第2位置との間で左右方向または前後方向に移動するものでもよい。また、第1状態と該第1状態とは異なる第2状態とに変化可能な可動体として、第1可動体302を適用したが、例えば、第2可動体402L,402Rや第3可動体502、あるいは、これらとは別個の可動体(例えば、ロゴパネル)などを適用してもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302は、第1位置から第2位置へ移動しながら第1回動状態から第2回動状態に回動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置から第2位置へ移動した後に、第1回動状態から第2回動状態に回動するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302の第1動作は、第1位置から第2位置への移動動作と、移動しながら第1回動状態から第2回動状態に回動する動作とを含み、第2動作は突出体370の突出動作である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の第1動作は、第1位置から第2位置への移動動作を含み、第2動作は、第1回動状態から第2回動状態への回動動作と突出体370の突出動作とを含むものであってもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302の第2動作は、移動及び回動を含む第1動作とは動作態様が異なる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1動作を一旦停止した後に実行するものであれば、動作態様が第1動作と同じであってもよい。例えば、第2動作は、第2位置から第2位置とは異なる第3位置へ移動するものでもよいし、第2位置から第1位置へ向けて逆駆動する動作でもよいし、突出動作のように、第1動作の動作態様とは異なる動作態様でもよい。
あるいは、第2動作は、第1動作にて動作する第1動作対象物とは異なる第2動作対象物の動作でもよいし、動作対象物が同一でも、第1動作に対応する第1動作態様とは異なる第2動作態様での動作でもよい。前記実施例では、第1動作では箱状部302A(第1動作対象物)を動作させ、第2動作では突出体370(第2動作対象物)を動作させるものであるが、第1動作では箱状部302A(第1動作対象物)を第1動作態様で動作させ、第2動作では箱状部302A(第1動作対象物)を第2動作態様で動作させるものでもよい。
また、前記実施例では、可動体とは異なる演出手段の一例として、画像を表示可能な演出表示装置5、音を出力可能なスピーカ8L,8R、発光可能な演出用LED9を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出手段は、導光板により発光演出が可能な導光板装置や、第1可動体302とは異なる可動体(例えば、第2可動体402L,402Rや第3可動体502、あるいは、これらとは別個の可動体(例えば、ロゴパネル)など)を含んでいてもよい。
また、前記実施例では、第1可動体302が第1位置から第2位置に移動したか否かを判定可能な判定手段の一例として、下方位置検出スイッチ313の検出結果に基づいて第2位置に移動したことを判定する演出制御用CPU120を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1可動体302が第1回動状態から第2回動状態に変化したときに第2位置に到達するのであれば、演出制御用CPU120は、第2回動状態に変化したことを検出する展開位置スイッチ352など、他の検出手段の検出結果に基づいて第1可動体302が第2位置に移動したことを判定するようにしてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は、これら下方位置検出スイッチ313と展開位置スイッチ352の双方の検出結果に基づいて第1可動体302が第2位置に移動したことを判定するようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、第1可動体302の第1動作の実行に応じて第1演出を開始し、第2動作の実行に応じて第2演出を開始し、第1対応動作の実行に応じて第3演出を開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の各動作の開始タイミングと、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9による各演出の開始タイミングとは完全に同一でなくてもよく、例えば、第1可動体302の動作の開始タイミングより前のタイミングまたは後のタイミングにて各演出が開始されるものであってもよい。
また、前記実施例では、遊技者の操作を受付ける操作手段の一例として、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の操作手段(例えば、タッチセンサなど)を適用してもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、可動体演出における操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたことに基づいて第1可動体302を突出動作(第2動作)させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スティックコントローラ31Aの操作促進画像を表示したときはプッシュボタン31Bの操作の受付けを無効とし、プッシュボタン31Bの操作促進画像を表示したときはスティックコントローラ31Aの操作の受付けを無効とするようにしてもよい。
さらにこの場合、変動表示結果が大当りになることが決定されている場合、変動表示結果が大当りになることが決定されていない場合(はずれの場合)よりも高い割合で、操作有効期間においてスティックコントローラ31Aの操作促進画像を表示し、変動表示結果が大当りになることが決定されていない場合(はずれの場合)、変動表示結果が大当りになることが決定されている場合よりも高い割合で、操作有効期間においてプッシュボタン31Bの操作促進画像を表示するようにしてもよい。つまり、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bのうち一方の操作を受付けた場合、他方の操作を受付けた場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、復帰動作制御の実行中に救済タイミングに到達した場合、昇降用モータ308L,308Rの駆動を一旦停止してから逆回転駆動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、救済タイミングに到達したときに、昇降用モータ308L,308Rの駆動を一旦停止させることなく、逆回転駆動させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が実行する第2動作制御は、第2有効期間に遊技者の操作を受付けたとき、または遊技者の操作を受付けることなく操作有効期間が終了したときに実行する救済演出に対応する動作制御である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2動作制御は、救済演出における操作有効期間のいずれのタイミングで遊技者の操作を受付けた場合においても実行されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、可動体演出の第2有効期間には複数の操作受付けタイミングが存在し、演出制御用CPU120は操作を受付けたタイミングで第2動作を開始するため、第1対応動作において第1可動体302を第2位置まで移動させる第1対応動作期間T6(移動距離)が不定になる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1動作により第1可動体302を第2位置まで移動した後、第1待機期間が経過した後に第2動作を開始する演出パターンと、第1待機期間とは異なる第2待機期間が経過した後に第2動作を開始する演出パターンと、を実行可能とすることで、第1対応動作期間T6(移動距離)が不定になるものであってもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が実行する第2動作制御は、変動表示結果がはずれになることを報知した後に大当りになることを報知する救済演出において実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2動作制御は、各種予告演出や、大当り終了後に低確率状態に移行することを報知した後に高確率状態に移行することを報知する昇格演出や、はずれ停止図柄を再変動して大当り図柄に変更する再変動演出等の他の演出においても実行可能である。
また、前記実施例では、スーパーリーチβはずれ変動パターンPA2−3、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4のいずれにおいても、変動表示を開始してから救済タイミングまでの期間は同じとされる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示を開始してから救済タイミングまでの期間は、全ての変動パターンにて同じでなくてもよい。
また、前記実施例では、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に基づく可動体演出にて実行される第2動作と、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく可動体演出にて実行される第2動作と、は動作態様が同じ形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも一部の動作態様が同じであれば、一部の動作態様が異なっていてもよい。また、スーパーリーチβ大当り変動パターンPB1−3に基づく可動体演出にて実行される第2動作に対応する第2演出と、スーパーリーチβ救済大当り変動パターンPB1−4に基づく可動体演出にて実行される第2動作に対応する第2演出とは、少なくとも一部の演出態様が同じであれば、一部の演出態様が異なっていてもよい。
また、前記実施例では、第2位置において、第1可動体302を第1回動状態から第2可動状態に変化させる際に、第1可動体302が略92度回動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、先ず、第1可動体302を略90度回転させた後、突出体370を収納状態から突出状態に変化させる際に略2度程度更に第1可動体302を回動させてもよい。尚、第1可動体302が回動する回動角度は、本実施例に記載の角度に限定されるものではなく、第1可動体302の重量部の位置や重さ、突出体370の重さや突出角度等に応じて自由に変更してもよい。
また、前記実施例では、突出体370を収納状態と突出状態とに変化させる機構としてパンタグラフ機構を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラックピニオン機構などの種々の機構に変更してもよい。
さらに、所定部としての装飾体380は、遊技者から見て第1可動体302より奥側に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302の回動方向に設けられていれば、第1可動体302の前側等であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
本発明が適用されたパチンコ遊技機1の実施例3について説明する。なお、本実施例のパチンコ遊技機1の構成は、実施例1および実施例2と同一の構成を含むため、ここでは異なる点について主に説明する。
本実施例では、変動表示中の操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたことにもとづいて、変動表示結果が大当りとなるか否かを示すセリフ画像を表示するセリフ演出を実行可能である。
図28は、操作演出およびセリフ演出の実行タイミングの一例を示す説明図である。本実施例では、スーパーリーチ開始前に操作演出を実行可能であり、スーパーリーチ開始後にセリフ演出を実行可能であるように構成されているが、このような構成に限らず、例えば、操作演出とセリフ演出との実行順序が逆であってもよく、変動表示中の任意のタイミングでそれぞれ実行可能としてもよい。また、実行されるタイミングに応じて操作演出やセリフ演出の実行態様が異なるようにしてもよい。
セリフ演出では、操作有効期間になると、キャラクタが登場し、キャラクタを用いて、遊技者にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を促す操作促進報知が実行される。そして、操作有効期間内にスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を受付けたとき、または、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bのいずれの操作も受付けることなく操作有効期間が経過したとき、大当り変動パターンである場合には、変動表示結果が大当りであることをキャラクタが報知する演出が実行され、はずれ変動パターンである場合には、変動表示結果がはずれであることをキャラクタが報知する演出が実行される。
本実施例では、図28に示すように、操作演出に伴う操作促進報知を行うタイミングを第1操作促進タイミングともいい、セリフ演出に伴う操作促進報知を行うタイミングを第3操作促進タイミングともいう。
第1操作促進タイミングおよび第3操作促進タイミングにおける操作促進報知では、スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を促す操作促進報知として、「チャンスだ!」や「押せ!」等のセリフ画像や、スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを模した画像、操作有効期間を示すメータ表示等の操作有効期間画像等を含む操作促進画像が表示されるとともに、操作促進音が出力される。
本実施例では、複数種類のセリフ演出を実行可能であり、例えば、演出表示装置5の表示領域左上部にキャラクタA画像が表示され、キャラクタA画像の右側(演出表示装置5の表示領域中央上部)にセリフ画像が表示される態様の第1セリフ演出(図29(B1)参照)と、演出表示装置5の表示領域右下部にキャラクタB画像が表示され、キャラクタB画像の左側(演出表示装置5の表示領域中央下部)にセリフ画像が表示される態様の第2セリフ演出(図29(B2)参照)とがある。なお、セリフ演出の種類によって、大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、変動表示結果が大当りのときと、はずれのときとで、異なる割合によりセリフ演出の種類を決定するようにしたり、変動パターンやスーパーリーチの種別に応じて、異なる割合によりセリフ演出の種類を決定したりすることにより実現できる。
セリフ演出では、種類によって、キャラクタ画像やセリフ画像が表示される位置が異なる。そのため、第3操作促進タイミングでは、操作促進報知として、演出表示装置5に操作促進画像を表示したときに、セリフ演出の実行状況によっては、操作促進画像を認識しづらくなってしまうおそれがある。そこで、本実施例では、演出の実行状況に応じて異なる態様により操作促進報知を実行可能としている。
図29は、セリフ演出の実行状況に応じた操作促進報知の具体例を示す説明図である。本実施例では、図29に示すように、セリフ演出の実行状況、具体的にはキャラクタ画像やセリフ画像の表示位置に応じて、異なる態様により操作促進報知を実行する。
まず、図29(A1)〜(D1)の例について説明する。図29(A1)〜(D1)は、第1セリフ演出が実行されているときの操作促進報知の具体例である。
図29(A1)に示すように、演出表示装置5において、演出図柄がリーチ状態となった後に、第1セリフ演出が開始されると、図29(B1)に示すように、演出表示装置5の表示領域左上部にキャラクタA画像が表示され、キャラクタA画像の右側(演出表示装置5の表示領域中央上部)にセリフ画像「チャンスだ!」が表示される。このとき、操作促進報知として、演出表示装置5の表示領域中央下部において、プッシュボタン31Bを模した画像、および操作有効期間を示すメータ表示による操作有効期間画像を含む操作促進画像201aが表示されるとともに、第1操作促進音がスピーカ8L,8Rから出力される。これらの制御は、例えば、演出制御用CPU120が、第1セリフ演出が開始されるタイミングにおいて第1セリフ演出用のプロセスデータに切り替え、切り替えたプロセスデータに従って演出装置(演出用部品)の制御を行うことにより実現される。
そして、プッシュボタン31Bの操作を受付けると、図29(C1)に示すように、爆発画像が表示されるとともに、爆発音が出力される爆発演出が実行される。そして、図29(D1)に示すように、演出表示装置5において、表示領域下部に大当り図柄(「7」「7」「7」)が表示されるとともに、表示領域左上部にキャラクタA画像が表示され、キャラクタA画像の右側(演出表示装置5の表示領域中央上部)にセリフ画像「大当り!」が表示される。
次に、図29(A2)〜(D2)の例について説明する。図29(A2)〜(D2)は、第2セリフ演出が実行されているときの操作促進報知の具体例である。
図29(A2)に示すように、演出表示装置5において、演出図柄がリーチ状態となった後に、第2セリフ演出が開始されると、演出表示装置5の表示領域右下部にキャラクタB画像が表示され、キャラクタB画像の左側(演出表示装置5の表示領域中央下部)にセリフ画像(例えば、大当りとなることを示唆する「激熱」など。図29には図示せず)が表示される。そして、図29(B2)に示すように、操作促進報知として、演出表示装置5の表示領域中央上部において、プッシュボタン31Bを模した画像、および操作有効期間を示すメータ表示による操作有効期間画像を含む操作促進画像201bが表示されるとともに、第2操作促進音がスピーカ8L,8Rから出力される。また、このとき、キャラクタB画像の左側(演出表示装置5の表示領域中央下部)に操作を促すセリフ画像(「押せ!」)が表示される。これらの制御は、例えば、演出制御用CPU120が、第2セリフ演出が開始されるタイミングにおいて第2セリフ演出用のプロセスデータに切り替え、切り替えたプロセスデータに従って演出装置(演出用部品)の制御を行うことにより実現される。
そして、プッシュボタン31Bの操作を受付けると、図29(C2)に示すように、稲妻画像が表示されるとともに、稲妻音が出力される稲妻演出が実行される。そして、図29(D2)に示すように、演出表示装置5において、表示領域上部に大当り図柄(「7」「7」「7」)が表示されるとともに、表示領域右下部にキャラクタB画像が表示され、キャラクタB画像の左側(演出表示装置5の表示領域中央下部)にセリフ画像「大当り!」が表示される。
操作促進画像201aと操作促進画像201bとでは、プッシュボタン31Bを模した画像のサイズと、操作有効期間画像の表示位置が異なる。具体的には、操作有効期間画像は、キャラクタ画像やセリフ画像の表示位置が表示領域上部であれば、表示領域下部に表示され、キャラクタ画像やセリフ画像の表示位置が表示領域下部であれば、表示領域上部に表示される。すなわち、操作有効期間画像は、キャラクタ画像やセリフ画像から離れた位置に表示される。また、セリフ画像の内容が異なる。このように異なる態様の操作促進画像を用いることにより、図29(A),(B)に示すように、セリフ画像から離れた位置に操作有効期間画像が表示されることになり、操作促進報知や操作有効期間を認識しやすくすることができる。
また、操作促進画像とともに演出音の態様を異ならせていることにより、効果的に操作促進報知を実行することができる。例えば、セリフ演出の種類に応じて、大当り期待度が異なるように構成している場合には、セリフ演出の実行状況(例えば、実行中のセリフ演出の種類(キャラクタ画像やセリフ画像が表示される位置の違い)に応じた大当り期待度)に合わせて、操作促進報知の態様を異ならせることもできる。例えば、第1セリフ演出が行われたときの方が、第2セリフ演出が行われたときよりも、大当り期待度が高い場合には、操作促進画像201aを操作促進画像201bよりも派手な画像(例えば、プッシュボタン31Bを模した画像や操作有効期間画像のサイズを大きくしたり、セリフ画像の内容を異ならせたりする)としたり、第1操作促進音を第2操作促進音よりも派手な音(例えば、音量が大きかったり、テンポが速かったりする)としてもよい。このようにすることで、状況に応じて演出を盛り上げることができ、効果的に操作促進報知を実行することができる。なお、変動パターンやスーパーリーチの種別に応じて、異なる割合により操作促進報知を行うタイミング(すなわち操作有効期間)を決定するように構成する場合には、変動パターンやスーパーリーチの種別に応じて、大当り期待度が高いタイミングで操作促進報知が行われる割合や、大当り期待度が高い態様により操作促進報知が行われる割合が異なることになる。
また、本実施例では、いずれの態様により操作促進報知が実行されるかに応じて、その後の演出が異なる態様により実行される。図29(B1)に示す態様により操作促進報知が行われたときには、操作有効期間中に遊技者の操作を受付けたとき、または遊技者の操作を受付けることなく操作有効期間が終了したときに、爆発演出が実行された後に、大当りか否かを報知する演出が実行される。一方、図29(B2)に示す態様により操作促進報知が行われたときには、操作有効期間中に遊技者の操作を受付けたとき、または遊技者の操作を受付けることなく操作有効期間が終了したときに、稲妻演出が実行された後に、大当りか否かを報知する演出が実行される。このような構成により、演出の多様性を高め、興趣を向上させることができる。なお、このような構成に限らず、演出表示装置5において、同一の画像(背景画像やエフェクト画像、キャラクタ画像など)を表示するようにしてもよいし、同一の演出音を出力するようにしてもよい。
以上に説明したように、本実施例では、第1タイミングと該第1タイミングとは異なる第2タイミング(例えば、第1操作促進タイミングおよび第3操作促進タイミング。図28参照)とにおいて、遊技者の動作を促す促進報知を実行可能な報知手段と、動作可能な可動体(例えば、第1可動体302)と、第2タイミングにおいて、所定の演出画像(例えば、キャラクタ画像やセリフ画像)を表示する演出を実行可能な演出実行手段とを備えている。そして、報知手段は、第2タイミングにおいて、演出の実行状況に応じて異なる態様により促進報知を実行可能である(例えば、どのような演出が実行されているかに応じて、表示する操作促進画像の態様や、出力する演出音が異なる。図29参照)。そのため、演出の実行状況に応じた態様により促進報知を実行することができ、促進報知を認識しやすくすることができる。
また、本実施例では、所定の演出画像(例えば、キャラクタ画像や、大当りを示唆するセリフ「チャンスだ」を含むセリフ画像)を表示する演出と促進報知とをそれぞれ独立させて実行すること(図29(B1)参照)と、所定の演出画像(または所定の演出画像の一部)を用いて促進報知を実行すること(例えば、操作を促すセリフ「押せ!」を含むセリフ画像が表示される。図29(B2)参照)とができる。そのため、演出の多様性を高めるとともに、演出効果を高めることができる。
また、本実施例では、報知手段は、遊技者の動作を促す特定表示(例えば、操作促進画像201aや操作促進画像201b)を表示する表示手段(例えば、演出表示装置5)と、遊技者の動作を促す特定音(例えば、第1操作促進音や第2操作促進音)を出力する音出力手段(例えば、スピーカ8L,8R)とを含み、表示手段は、第2タイミングにおいて、演出の実行状況に応じて異なる態様により特定表示を表示可能であり(例えば、セリフ演出の実行状況(本例では、第1セリフ演出と第2セリフ演出とのいずれか実行されているか)に応じて操作促進画像201aと操作促進画像201bとのいずれかを表示する。図29参照)、音出力手段は、第2タイミングにおいて、演出の実行状況に応じて異なる態様により特定音を出力可能である(例えば、セリフ演出の実行状況(本例では、第1セリフ演出と第2セリフ演出とのいずれか実行されているか)に応じて第1操作促進音と第2操作促進音とのいずれかを出力する。図29参照)。そのため、状況に応じて、効果的に促進報知を実行することができ、促進報知を認識しやすくすることができる。
また、本実施例では、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bなど)と、検出手段によって遊技者の動作が検出されたことにもとづいて、所定演出(例えば、大当りか否かを報知する演出。図29(D1),(D2)5参照)を実行可能な所定演出実行手段とを備えている。そして、所定演出実行手段は、報知手段により複数種類のうちのいずれの態様により促進報知が実行されるかに応じて、異なる態様により所定演出を実行可能である(例えば、図29(B1)に示す態様により操作促進報知が行われたときには、図29(C1)に示す爆発演出が実行された後に、大当りか否かを報知する演出が実行され、図29(B2)に示す態様により操作促進報知が行われたときには、図29(C2)に示す稲妻演出が実行された後に、大当りか否かを報知する演出が実行される)。そのため、演出の多様性を高めることができ、興趣を向上させることができる。
また、本実施例では、報知手段は、第2タイミングにおいて、所定の演出画像の表示位置に応じて異なる態様により促進報知を実行可能である(例えば、セリフ演出により、キャラクタ画像とセリフ画像が演出表示装置5の表示領域上部と下部とのいずれに表示されているかに応じて、表示する操作促進画像の態様や、出力する演出音が異なる。図29(B1),(B2)参照)。そのため、所定の演出画像の表示位置に応じた態様により促進報知を実行することができ、促進報知を認識しやすくすることができる。
なお、上記の実施例に示した構成については、いずれか1つの構成のみを遊技機に適用してもよいし、上記の実施例のうちの一部または全ての構成を組み合わせて遊技機に適用してもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技を行う遊技機であって、第1タイミングと該第1タイミングとは異なる第2タイミング(例えば、第1操作促進タイミングおよび第2操作促進タイミング。図26参照)とにおいて、遊技者の動作を促す促進報知(例えば、操作促進報知)を実行可能な報知手段と、動作可能な可動体(例えば、第1可動体302)と、第2タイミングにおいて、可動体の動作を伴う演出(例えば、可動体演出)を実行可能な演出実行手段とを備え、報知手段は、第2タイミングにおいて、演出の実行状況に応じて異なる態様により促進報知を実行可能であり(例えば、表示する操作促進画像の態様や、出力する演出音が異なる。図27参照)、さらに、遊技に対するのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能な注意喚起手段(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90100等)を備え、注意喚起手段は、少なくとも非遊技状態(たとえば、客待ちデモ状態等)のときと、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態等)が終了したとき(たとえば、エンディング期間等)とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する等)であり、非遊技状態のときと、有利状態が終了したときとで異なる態様によりのめり込み防止に関する注意喚起を実行する(たとえば、客待ちデモ状態のときには、図43(h)に示すように演出表示装置909の画面の下部にのめり込み防止画像90131を大きく表示し、エンディング期間では、図46(b)に示すように演出表示装置909の画面の左下隅にのめり込み防止画像90136を小さく表示する、図41に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短い等)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、状況に応じた態様により促進報知を実行することができ、促進報知を認識しやすくすることができる。また、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
なお、遊技者の動作を促す促進報知を実行するタイミングと遊技に対するのめり込み防止に関する注意喚起を実行するタイミングが重なる場合には、促進報知を認識しやすくするように制御することが望ましい。例えば、大当り終了後の遊技状態がより有利な状態に昇格するか否かを演出する昇格演出が、大当り終了直前あるいは大当り終了時に行われ、該昇格演出においてボタン操作やレバー操作等の遊技者の動作を促す場合が発生し、促進表示の実行期間と注意喚起表示の実行期間が重なる場合には、促進表示の実行期間が終了した後に注意喚起表示を実行するか、促進表示の実行期間中に注意喚起表示を実行する場合であっても、少なくとも促進表示が行われている期間は注意喚起表示を促進表示よりも目立たないようにして、遊技者が促進表示を認識しやすくすることが望ましい。このようにすれば、遊技者の動作を促すタイミングであるにもかかわらず、遊技者が認識できずに動作を行う機会を逃して遊技興趣が低下してしまうことを防止しやすくなる。
さらに、促進報知を認識しやすくすることができ、また、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる遊技機の形態の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態等)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機901等)であって、遊技に対するのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能な注意喚起手段(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90100等)を備え、前記注意喚起手段は、少なくとも非遊技状態(たとえば、客待ちデモ状態等)のときと、前記有利状態が終了したとき(たとえば、エンディング期間等)とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する等)であり、前記非遊技状態のときと、前記有利状態が終了したときとで異なる態様によりのめり込み防止に関する注意喚起を実行する(たとえば、客待ちデモ状態のときには、図43(h)に示すように演出表示装置909の画面の下部にのめり込み防止画像90131を大きく表示し、エンディング期間では、図46(b)に示すように演出表示装置909の画面の左下隅にのめり込み防止画像90136を小さく表示する、図41に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短い等)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図30はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。図31は当り種別表である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図32参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図32参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図32参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図32参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図32参照)が設けられていればよい。図30に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、十字キースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置909の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図30に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。この実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置909の上方には、役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、役物モータ9017によって位置を変位することが可能である。役物9012は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図31の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、この実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。また、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、時短状態に制御されるが、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図31に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、確変大当りは、次回の大当りが発生するという条件が成立するまで終了しないようにしてもよい。
図32は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図32には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置909の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100において演出制御用CPU90101がROM90102に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、演出制御用マイクロコンピュータ90100(または演出制御用CPU90101)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、演出制御用CPU90101がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、演出制御基板9080以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
図33は、各乱数を示す説明図である。図33においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム´1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図34は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図34(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図34(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図34(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図34(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図34(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図34(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図34(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図34(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図34(B)、および、図34(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図34(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図34(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図34(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU9056は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図34(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図34(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図34(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図34(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図34(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図34(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
図35は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図35に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図35のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。コマンド9000(H)は、遊技機に関する電力供給が開始されたときに送信される初期化を指定(電源投入時の初期画面を表示することを指定)するコマンドである。コマンド9200(H)は、遊技機に関する電力供給が再開されたときに送信される停電の復旧を指定(停電復旧画面を表示することを指定)するコマンドである。コマンド9F00(H)は、客待ちのデモンストレーション表示を指定(客待ちデモ状態であることを指定)するコマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、客待ちデモ指定コマンドを受信後、所定期間経過後に遊技者が遊技を行なっていない非遊技中(客待ち状態)であると判定し、デモンストレーション画面の表示を実行する。なお、変動表示中や大当り遊技状態中等の遊技の進行中に停電復旧した場合には、停電したときの遊技の進行状況に対応した状態で復旧される。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM9055に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU9056は、乱数回路90503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に遊技機の動作について説明する。図36は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ90560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ90560のCPU9056が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560のCPU9056は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単に「S」と示す)901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行なう(S901〜S905)。
次いで、CPU9056は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(S906)。S906でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S907)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合には、CPU9056は、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、CPU9056は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S908)。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S908では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S9010〜S9013の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S9041〜S9042の処理)を行なう。たとえば、電力供給停止時の状態に戻すために、バックアップRAMにバックアップしていた特別図柄プロセスフラグ、異常状態を示すフラグ、遊技停止状態を示すフラグ等のデータを読み出す。このように、バックアップしていた各種データが読み出されると、そのデータを用いて電力供給停止時の状態からパチンコ遊技機901の遊技制御が開始される。そして、S9014に移行する。
S9014において、CPU9056は、乱数回路90503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する。そして、CPU9056は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(S9015)。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU9056は、まず、割込禁止状態にして(S9016)、初期値用乱数更新処理(S9018)と、表示用乱数更新処理(S9018)とを実行して、再び割込許可状態にする(S9019)。すなわち、CPU9056は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、変動パターン種別を決定するための判定用乱数を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。表示用乱数とは、特別図柄表示器の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数等が用いられる。
また、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のS9024,S9025でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S9017,S9018の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S9017,S9018の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
図37は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図37に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S9020)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図38は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図39は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1´−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1´−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1´−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図40は、図39に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[注意喚起について]
この実施の形態では、遊技者に対して各種の注意喚起が実行される。注意喚起としては、遊技者に対して遊技についての様々な注意をパチンコ遊技機901を用いて報知する制御が行なわれる。たとえば、注意喚起として、過度な遊技を抑制させるための報知が行なわれる。この実施の形態では、演出表示装置909の画面上に各種の注意喚起に対応する画像が表示される。なお、このような注意喚起は、画像を表示するだけではなく音を出力することともに実行されるようにしてもよい。以下では、注意喚起として演出表示装置909に表示される注意喚起表示の一例について具体的に説明する。
[のめり込み防止表示について]
注意喚起表示としては、遊技者に対してパチンコ遊技機901やスロットマシンへの遊技に対してのめり込み過ぎることを防止するための表示としてののめり込み防止表示がある。のめり込み防止表示では、たとえば、「パチンコ・スロットは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」という文字と文字の周りを囲む画像とが表示される。また、のめり込み防止画像には、文字の内容は同じであるが文字の周りを囲む画像や表示面積が異なる複数種類態様の画像が設けられている。このようなのめり込み防止表示により、遊技者に対して遊技にのめり込むことを抑制または注意、遊技者に対して遊技に大金を注ぎ込むことを抑制または注意が行なわれる。
[取り忘れ防止表示について]
注意喚起表示としては、遊技に使用可能な遊技球等の遊技用価値の大きさを特定可能な情報として残高情報等が記録された遊技用記録媒体としてのプリペイドカード等の取り忘れに関するカード取り忘れ防止の表示としての取り忘れ防止表示がある。取り忘れ防止表示では、たとえば、「プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意ください。」という文字とともにカードの排出を示す画像が表示される。なお、カードではなく遊技に使用可能な遊技球等の遊技用価値の大きさを特定可能な情報として残高情報等が記録された遊技用記録媒体としてのコイン等の別の形状のものを対象として注意喚起を実行してもよい。
[その他の注意喚起表示について]
その他の注意喚起表示として「18歳未満の遊技は法令により禁止されています。」という18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示、「不正行為は犯罪です。」という不正行為を抑制するための注意喚起表示、「攻略法を装った詐欺にご注意ください。」という詐欺行為を抑制するための注意喚起表示等が文字と画像とにより表示される。なお、その他の注意喚起表示は、上記に示すもの以外であってもよく、たとえば、パチンコ遊技機901の外枠等に可動式の役物を設けた場合に、当該可動式の役物の動きにより、けがをしないように注意するものであってもよい。
[表示タイミングついて]
上記のような注意喚起表示は、所定期間に亘り遊技を実行していない場合に移行される客待ちデモ状態中、大当り遊技状態が終了したときのエンディング期間中、演出内容を変更するためのメニュー画面の表示期間中等の各表示期間において表示される。注意喚起表示は、表示の種類や表示期間に応じて様々な表示態様で表示される。このような、注意喚起表示について以降に説明する。
図41は、客待ちデモ状態中および大当り終了後の各種表示について説明するための図である。図41(a)は、客待ちデモ状態中(以下、単にデモ中とも称する)におけるのめり込み防止表示を含む各種表示について説明するための図である。また、図41(b),(c)は、大当り終了後のエンディング期間中におけるのめり込み防止表示を含む各種表示について説明するための図である。図41(b)は、1回目の大当り終了後の表示を示し、図41(c)は、大当りが連続したときの2回目以降の大当り終了後の表示を示している。
この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信後に所定期間経過すると非遊技中であると判定し、デモンストレーション画面の表示を実行する。客待ちデモ指定コマンドは、始動入賞が発生せず第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがない場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側から演出制御用マイクロコンピュータ90100側に送信される。デモ状態は、新たな始動入賞の発生等の遊技が開始されたことに伴って終了する。
図41(a)に示すように、デモ中には、演出表示装置909の画面上に最終のハズレの停止図柄である3図柄(たとえば、「375」等の3つの数字図柄等)の表示が15秒間表示された後に、パチンコ遊技機901の遊び方や演出等の機能を紹介する映像としての機能紹介ムービーが39秒間表示される。その後、注意喚起表示として、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とが6秒間表示される。詳細な表示内容については、図43で後述する。
また、図41(a)に示すように、パチンコ遊技機901を初期化した場合には、デモ状態の最初の画面である3図柄表示から画面上の表示が始まる。それに対し、客待ちデモ中に停電により電力供給が停止され再開する停電復旧があった場合には、デモ状態の最初の画面である3図柄表示から演出が開始されるのではなく、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とが実行されるタイミングから画面上の表示が始まる。
次に、図41(b)に示すように、1回目の大当り終了後のエンディング期間中において、エンディング表示がされる。エンディング表示では、エンディングの背景画像が10秒間表示されている間に大当り中に選択された大当り終了後の演出モードについての情報であるモード表示が実行され、その後、大当り終了後の確変回数(時短回数)を示す確変回数表示(時短回数表示)が表示される。また、エンディング表示の終了2秒前からは、エンディング表示とともにプリペイドカード取り忘れ防止表示とのめり込み防止表示とが表示される。その後、パチンコ遊技機901の製造者を示すメーカーロゴ表示(製造者情報とも称する)とともに、のめり込み防止表示が2秒間表示される。
また、図41(c)に示すように、2回目以降の大当り終了後のエンディング期間中において、エンディング表示がされる。ここで、2回目以降の大当りとは、最初の大当りを含む大当り終了後の100回の変動表示中(確変状態中や時短状態中)に再度大当りとなったときの大当りである。このような連続した2回目以降の大当りでは、1回目の大当りと同じように、エンディング表示として、10秒間エンディングの背景画像が表示されている間に大当り中に選択された大当り終了後の演出モードについての情報であるモード表示と大当り終了後の確変回数(時短回数)を示す情報である確変回数表示(時短回数表示)とが表示される。しかし、1回目の大当りとは異なり、エンディング表示の終了2秒前からは、エンディング表示とともにのめり込み防止表示が表示されるが、プリペイドカード取り忘れ防止表示は表示されない。その後、パチンコ遊技機901の製造者を示すメーカーロゴ表示とともに、のめり込み防止表示が2秒間表示される。
図41に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短いため、大当りが終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
[節電モードついて]
次に、節電モードについて説明する。この実施の形態では、所定時間客待ちデモ状態が継続したときは、演出表示装置909の液晶のバックライトの輝度を低く抑えて省電力状態とする節電モードが実行される。節電モードは、図41で示した3図柄表示の15秒、機能紹介ムービーの39秒、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示との6秒の合計60秒のデモ状態が3回実行された後に移行される。つまり、客待ちデモ状態が開始されてから3分経過後に節電モードへと移行する。また、節電モードは、遊技を開始することを条件に終了する。たとえば、節電モードは、遊技球を遊技領域907に打込んだことにより終了する。また、節電モードは、プッシュボタン90120やスティックコントローラ90122を遊技者が操作することにより終了する。なお、節電モードは、ハンドルにセンサが設けられている場合に、当該センサに触れることで遊技者の操作を検知することにより終了するようにしてもよい。
このような、節電モードは、遊技店員によりON/OFFの設定が可能となっている。節電モードの設定方法は、たとえば、演出制御基板9080に機械的なハードスイッチを設け、このハードスイッチが特定の態様となっている状態で電源投入されると、設定画面が表示されるようにすればよい。ここで、特定の態様とは、0〜9、A〜Fの項目にスイッチを切替可能なもので、たとえば、項目Fに設置されている状態である。項目Fに設置された状態で電源投入がされると節電モードが実行するか否かの設定画面が表示される。その後、ハードスイッチを0〜5のいずれかにすれば遊技者が音量調整可能な状態となり(0が最少音、5が最大音)、6〜Bのいずれかにすれば遊技者が音量調整できず音量が固定される状態となる(6が最少音、Bが最大音)。なお、光量調整は、どの状態でも設定可能である。光量調整のみの場合であれば、メニュー画面を開いたとしても音量調整はできないようになる。また、C〜Eが選択されている場合は、0と同じ状態である。
図42は、客待ちデモ状態中および節電モード中の各種表示について説明するための図である。図42(a)は、客待ちデモ状態中から節電モード中へ移行する際の各種表示を示している。また、図42(b)は、客待ちデモ状態中において、特に、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示との表示態様について示している。
図42(a)に示すように、客待ちデモ状態として3図柄表示、機能紹介ムービー、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とを1セットとするデモ状態が3回実行された後に節電モードに移行される。節電モードでは、演出表示装置909の液晶のバックライトの輝度が低下するため画面が暗くなる。よって、節電モード中は、暗い画面において3図柄表示が15秒実行された後、機能紹介ムービーが39秒実行されることとなる。しかしながら、節電モード中は、機能紹介ムービーの後にその他の注意喚起表示とのめり込み防止表示とが表示されることはない。節電モード中は、機能紹介ムービーの後に再び3図柄表示へと移行される。
そして、節電モードが終了したときには、最初に表示される画面においてのめり込み防止表示が5秒間表示される。その後、始動入賞による図柄の変動表示が開始されなければ、再度3図柄表示から始まるデモ状態に移行する。
次に、その他注意喚起表示と、のめり込み防止表示との表示態様について図42(b)により説明する。その他注意喚起表示としては、前述した18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示等がある。ここでは、説明の都合上、複数種類のその他注意喚起表示のうち、18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示を注意喚起A、不正行為を抑制するための注意喚起表示を注意喚起B、詐欺行為を抑制するための注意喚起表示を注意喚起Cとして説明する。
図42(b)に示すように、その他注意喚起表示とのめり込み表示とは6秒間の間に表示と消去とが実行される。ここで、表示の単位として1F(フレーム)を用いる。この実施の形態では、1Fが1/30秒に相当する。まず、複数のその他注意喚起表示のうち注意喚起Aが15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、142Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Aは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
注意喚起Bは、6Fの非表示期間の後、注意喚起Aのフェードイン期間の途中から15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、136Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Bは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
注意喚起Cは、12Fの非表示期間の後、注意喚起Aおよび注意喚起Bのフェードイン期間の途中から15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、130Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Cは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
のめり込み防止表示は、35Fの非表示期間の後、注意喚起A、注意喚起Bおよび注意喚起Cのフェードイン期間の終了後に10Fのフェードイン期間に亘りフェードインし、112Fの表示期間に亘り表示される。その後、のめり込み防止表示は、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。のめり込み防止表示のフェードイン期間は、他の注意喚起表示よりも短く設定されている。このようにすれば、最終ののめり込み防止表示を他の注意喚起よりも早く出現させることができ、表示にメリハリを付けることができる。
図42(b)に示すように、注意喚起A、注意喚起B、注意喚起Cおよびのめり込み防止表示は、順番にフェードインし、重なる期間において表示された後、同じタイミングでフェードアウトする表示制御を行なわれる。なお、他の注意喚起のフェードイン期間とのめり込み防止のフェードイン期間は重なっていないが、重なるようにフェードインされてもよい。
このように、のめり込み防止表示と他の注意喚起表示とを同一の期間に表示可能であり、各注意喚起表示の表示タイミングを異ならせて表示することができる。これによれば、複数の注意喚起を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。
また、のめり込み防止表示をその他の注意喚起表示と同一の期間に表示可能であり、その他の注意喚起表示をフェードインさせた後、のめり込み防止表示をフェードインさせ、その他の注意喚起表示とのめり込み防止表示とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
[客待ちデモ状態中の画面]
次に、演出表示装置909の画面で表示される各種表示について説明する。図43は、客待ちデモ状態中における画面を示す図である。図43(a)に示すように、客待ちデモ状態の開始時には、左,中,右の演出図柄9091〜9093が画面中央部ではずれ表示結果となる態様で表示される。このような3図柄表示は、15秒間に亘り表示される。次いで、図43(b)に示すように、パチンコ遊技機901の遊び方や演出等の機能を紹介する映像としての機能紹介ムービーが39秒間に亘り表示される。
次いで、図43(c)〜(f)にかけて、3つの他の注意喚起表示90130が左から順番にフェードインする。他の注意喚起表示90130は、画面中央上側に表示される。その後、図43(g),(h)に示すように、他の注意喚起表示90130の下方にのめり込みを防止するためののめり込み防止画像90131がフェードインする。その後、図43(i)に示すように、他の注意喚起表示90130およびのめり込み防止画像90131が同じタイミングでフェードアウトする。そして、図43(j)に示すように、フェードアウト後に所定期間画面が非表示となる。
図43に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90131を他の注意喚起表示90130と同一の期間に表示可能であり、各注意喚起表示の表示タイミングを異ならせて表示する制御が行なわれる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
また、図43に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90131を他の注意喚起表示90130と同一の期間に表示可能であり、他の注意喚起表示90130をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90131をフェードインさせ、他の注意喚起表示90130とのめり込み防止画像90131とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行なわれる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
[メニュー画面]
メニュー画面は、たとえば、客待ちデモ状態中において、演出表示装置909で、遊技者により選択可能な各種設定項目を選択肢形式(メニュー形式)のアイコン画像で提示する表示画面である。メニュー画面は、階層構造となっている。主な設定項目が一覧形式で表示可能な最初の画面から1つの項目を選択すると、選択された項目ごとに詳細な設定が可能となる。たとえば、主な設定項目として、遊技を実行するときの演出に対応するキャラクタの選択、音量・光量調整、演出のカスタマイズの選択等が可能である。
メニュー画面では、前後方向および左右方向に操作可能なスティックコントローラ90122が傾倒操作されることに応じて、上下方向および左右方向に項目の選択が可能であり、プッシュボタン90120が操作されると選択していた項目に決定される。1つ前の画面に戻る場合には、「戻る」の項目でプッシュボタン90120を操作すればよい。
[メニュー操作中の画面]
図44は、メニュー操作中における画面を示す図である。図44(a),(b)に示す客待ちデモ状態中の画面から、プッシュボタン90120を操作することにより、図44(c)のメニュー画面90132が表示される。メニュー画面90132には、選択可能な複数の項目が表示されているが図面を省略する。メニュー画面90132の下方には、のめり込み防止画像90131が表示される。
ここで、メニュー画面90132は複数の画像の階層構造で構成されている。そして、メニュー画面90132のいずれの階層でものめり込み防止画像が表示される。なお、メニュー画面90132の表示階層毎にのめり込み防止画像の表示態様を異ならせてもよい。このようにすれば、メニュー画面90132に表示される内容に応じた態様でのめり込み防止画像を表示することができる。
また、この実施の形態では、注意喚起を実行する前後の演出状態に応じてのめり込み防止画像の表示態様が異なる。具体的には、のめり込み防止画像による注意喚起を実行する前の演出状態として、メニュー画面90132においていずれかのキャラクタの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるようになっている。また、後述するように、のめり込み防止画像による注意喚起を実行した後の演出状態として、大当り遊技中において選択した確変中のモードの違いによりエンディング時ののめり込み防止画像の表示態様が異なるようになっている。
図44(c)におけるメニュー画面で、スティックコントローラ90122の操作とプッシュボタン90120とによりキャラクタ選択の項目に決定された場合には、図44(d)の画面が表示される。ここで、図44(d)のデフォルトの表示態様は、いずれのキャラクタも設定されていない状態の表示態様である。図44(d)に示すように、複数種類のキャラクタとしてキャラクタXとキャラクタYとのうちいずれかが選択可能な画面が表示される。キャラクタの選択画面においても、のめり込み防止画像90131が表示される。このときののめり込み防止画像90131は、図44(c)の表示態様と同じである。また、こののめり込み防止画像90131がデフォルトの表示態様である。なお、図44(c)のときののめり込み防止画像の表示態様と図44(d)のときののめり込み防止画像の表示態様とは表示態様が異なるようにしてもよい。表示態様が異なるとは、たとえば、違う位置に表示されるもの、違う位置で異なる表示がされるもの(一方に比べて縮小表示されるもの)等である。
図44(d)の後に、遊技者がプッシュボタン90120を操作し、キャラクタXが選択されたとする。その後に各種メニューのうち音量・光量調整画面が選択された場合には、図44(e)に示すように、音量・光量調整アイコンの下方にのめり込み防止画像90133が表示される。図44(e)ののめり込み防止画像90133は、図44(c),(d)に示すのめり込み防止画像90131とは異なる態様で表示される。なお、音量や光量は、スティックコントローラ90122の左右の動作により小・中・大のいずれかの項目が選択された後、プッシュボタン90120を操作することにより選択された音量や光量に決定される。
また、図44(d)の後に、遊技者がプッシュボタン90120を操作し、キャラクタYが選択されたとする。その後に各種メニューのうち音量・光量調整画面が選択された場合には、図44(f)に示すように、音量・光量調整アイコンの下方にのめり込み防止画像90134が表示される。図44(f)ののめり込み防止画像90134は、図44(c),(d)に示すのめり込み防止画像90131、および、図44(e)に示すのめり込み防止画像90133とは異なる態様で表示される。なお、音量や光量は、スティックコントローラ90122の左右の動作により小・中・大のいずれかの項目が選択された後、プッシュボタン90120を操作することにより選択された音量や光量に決定される。
ここで、いずれのキャラクタも選択せず、デフォルトの表示態様のままであった場合には、図44(c),(d)に示すようなデフォルトののめり込み防止画像90131が音量・光量調整アイコンの下方に引き続き表示される。
図44(e),(f)の状態からスティックコントローラ90122の操作とプッシュボタン90120との操作によりメニュー画面を終了すると、図44(g)の画面となる。図44(g)では、のめり込み防止画像90135が演出表示装置909の画面の中央で大きく表示される。このように、メニュー画面90132の表示を終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像90135が表示されるように制御される。その後、始動入賞が生じなければ、図44(a)に示す客待ちデモ状態の画面となる。なお、図44(g)に示すのめり込み防止画像が、選択したキャラクタの種類に応じて異なるようにしてもよい。また、大当り遊技状態中の表示が、キャラクタの種類に応じて異なるようにしてもよい。
ここで、メニュー画面においてのめり込み防止表示がされないものであれば、客待ちデモ状態中にメニュー画面を開くことでのめり込み防止表示が途切れてしまうと、のめり込み防止表示を見る機会が減ってしまう。そこで、この実施の形態では、メニュー画面の階層のいずれの階層にものめり込み防止表示を表示することで、のめり込み防止表示を見る機会を増加させることができる。さらに、メニュー画面の終了時には、画面の中央で大きくのめり込み防止表示が表示されるので、のめり込み防止表示に遊技者を注目させることができる。
なお、メニュー画面の終了時には、通常の客待ちデモ状態で最後の方に設定されているのめり込み防止表示を最初に表示させる制御を行なうことで、メニュー画面の終了時に最初にのめり込み防止表示が表示されるようにしてもよい。
また、メニュー画面中に選択されたキャラクタを判定する判定手段を備えるようにすればよい。メニュー画面中に選択されたキャラクタ情報は、たとえば、RAM90103に記憶され、その情報を元に演出制御用マイクロコンピュータ90100(演出制御用CPU90101)が設定されたキャラクタを判定し、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様を異ならせるようにすればよい。
また、遊技者の操作に応じてのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるのではなく、遊技中の演出状態に応じてのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、特定の演出状態への移行抽選に当選し、当該特定の演出状態となったことに応じて、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。より具体的には、所定の抽選や所定のゲーム数により背景変化するものにおいて、背景変化前と背景変化後とでのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。
[節電モード中の画面]
次に節電モード中における画面について説明する。図45は、節電モード中における画面を示す図である。客待ちデモ状態として図45(a)に示す3図柄表示、図45(b)に示す機能紹介ムービーが実行された後に、図45(c)に示す注意喚起表示90130とのめり込み防止画像90131とが表示される。このような、図45(a)〜(c)のデモ状態が3回実行された後に図45(d)に示す節電モードへと移行する。
節電モード中は、画面の輝度が低下するが、客待ちデモ状態中の演出は継続される。図45(d)に示すように、画面の輝度が低下している状態において3図柄表示が実行された後に、図45(e)に示す機能紹介ムービーが実行される。節電モード中は、その後に注意喚起表示90130とのめり込み防止画像90131とが表示されることはなく、図(f)に示す画面の輝度が低下している状態における3図柄表示が実行された後に、図45(g)に示す機能紹介ムービーが実行され、以下繰返される。
図45(g)に示す状態から節電モード中からプッシュボタン90120が操作されることにより節電モードが終了すると、図45(h)の画面へと移行する。図45(h)では、画面の輝度が元の明るさに戻るとともに、のめり込み防止画像90135が演出表示装置909の画面の中央で大きく表示される。その後、始動入賞が生じなければ、図45(a)に示す客待ちデモ状態の画面となる。
[大当り終了後の画面]
次に大当り終了後の画面について説明する。図46は、大当り終了後における画面を示す図である。図46(a)は、大当り遊技中の画面を示している。大当り遊技中は、15ラウンドのラウンド遊技が実行され、ラウンド遊技終了後に図46(b)に示すエンディング期間に亘ってエンディングの背景画像示すエンディング画像90138が表示される。エンディング画像90138は、図示しないキャラクタ等が背景として表示されるエンディング映像である。エンディング画像90138のフェードイン後、モード情報がフェードインし、その後、大当り後の確変回数情報(または時短回数情報)がフェードインする。モードには、AモードとBモードとが設けられており、大当り遊技中にいずれのモードにするかの選択が可能となっている。各モードによって、大当り終了後に実行される確変状態や時短状態で実行される演出が異なる。
エンディング期間には、エンディング画像とは別に、画面の左下隅の目立たない位置に残高情報が記憶されたプリペイドカードの取り忘れ防止画像90137が表示され、その下方にのめり込み防止画像90136が表示される。エンディング期間では、エンディング画像、および、モードや確変回数情報が表示された後に、取り忘れ防止画像90137と、のめり込み防止画像90136とが表示される。取り忘れ防止画像90137およびのめり込み防止画像90136の表示の詳細については、図46(c)〜(f)において説明する。なお、目立たない位置とは、画面の中央よりも端側の位置等の中央から外れた位置である。また、エンディング期間におけるのめり込み防止画像90136の文字の内容は、客待ちデモ状態におけるのめり込み防止画像90131の文字の内容と同じである。
図46(c)に示すように、エンディング期間においては、プリペイドカードの取り忘れ防止画像90137がのめり込み防止画像90136よりも先にフェードインする。その後、図46(d)に示すように、のめり込み防止画像90136がフェードインする。そして、図46(e)に示すように、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが所定時間表示される。その後、図46(f)に示すように、同じタイミングで取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とがフェードアウトする。
図46(a)〜(f)では、エンディング画像90138、モード情報、確変回数情報(または時短回数情報)、取り忘れ防止画像90137、のめり込み防止画像90136の順でフェードインし、これらの画像がフェードアウトした後に図46(g)の表示となる。図46(g)では、パチンコ遊技機1の製造者を示すメーカロゴ表示としての製造者画像90139が画面中央に表示されるとともに、製造者画像90139の下方にのめり込み防止画像90131が表示される。
このような1回目の大当りの後、図46(h)に示すように、確変状態中や時短状態中に連続して大当り表示結果となったときには、図46(i)に示す大当り遊技中に制御される。連続した2回目の大当りでは、大当り遊技中にBモードが選択されたものとする。そのような場合、図46(j)に示すように、エンディング期間に亘ってエンディング画像90138が表示される。エンディング画像90138では、図示しないエンディング画像が表示される。また、エンディング画像90138の後にBモードの情報、100回の確変回数(時短回数)の情報とが表示される。しかしながら、2回目の大当り遊技の終了後には、1回目の大当り遊技の終了後のときのように、取り忘れ防止画像90137が表示されず、のめり込み防止画像90136のみが画面の左下に小さく表示される。なお、2回目以降の大当り遊技の終了後には、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136との両方が表示されないようにしてもよい。
そして、エンディング画像90138の表示が消去された後に、図46(k)の表示となる。図46(k)では、製造者画像90139が画面中央に表示されるとともに、製造者画像90139の下方にのめり込み防止画像90140が表示される。のめり込み防止画像90140は、図46(g)に示すのめり込み防止画像90131とは異なる態様で表示される。このような、のめり込み防止画像の表示態様の違いは、遊技者が大当り遊技中に選択したモードの種類によるものである。なお、図46(g)ののめり込み防止画像90131や図46(k)ののめり込み防止画像90140は、客待ちデモ状態中に表示されるのめり込み防止画像90131よりも表示面積が小さくなるようにしてもよい。
また、大当り遊技中に選択されたモードを判定する判定手段を備えるようにすればよい。大当り遊技中に選択されたモード情報は、たとえば、RAM90103に記憶され、その情報を元に演出制御用マイクロコンピュータ90100(演出制御用CPU90101)が設定されたモードを判定し、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様を異ならせるようにすればよい。
図46に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、のめり込み防止画像90136と取り忘れ防止画像90137との表示タイミングを異ならせて表示する制御が行なわれる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
また、図46に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、取り忘れ防止画像90137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90136をフェードインさせ、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行なわれる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
なお、取り忘れ防止画像90137をエンディング画像90138が表示された後、製造者画像90139が消去されるまで表示し続けるようにしてもよい。また、取り忘れ防止画像90137を表示し続ける場合には、1回目の大当りの後は、エンディング画像90138の表示から製造者画像90139の表示にかけて取り忘れ防止画像90137を表示するが、連続した2回目の大当り以降では、エンディング画像90138の表示中は取り忘れ防止画像90137を表示するが製造者画像90139を表示する際に取り忘れ防止画像90137を表示しないようにしてもよい。また、のめり込み防止画像90136をエンディング画像90138が表示された後、製造者画像90139が消去されるまで表示し続けるようにしてもよい。のめり込み防止画像を表示し続ける場合には、エンディング画像90138が製造者画像90139に切替るときにも共通ののめり込み防止画像を表示し続けるようにすればよい。
また、エンディング期間中に表示される各種の画像は、1つの画像の表示が完全に終了した後に次の画像が表示されるようにしてもよい。また、画像がフェードインするタイミングが一部重なるものと重ならないものがあってもよい。また、エンディング画像90138、モード情報および確変回数情報は同時に表示されるようにし、その後、取り忘れ防止画像90137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90136をフェードインさせてもよい。
[主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
この実施の形態では、客待ちデモ状態のときには、図43(h)に示すように演出表示装置909の画面の下部にのめり込み防止画像90131を大きく表示し、エンディング期間では、図46(b)に示すように演出表示装置909の画面の左下隅にのめり込み防止画像90136を小さく表示する制御を行なっている。このようにすれば、大当りが終了したときに過度にのめり込み防止の注意喚起を実行することで、遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態では、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を演出表示装置909に表示可能である。そして、図41に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短くなるように設定されている。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
この実施の形態では、図43(h),図46(b)に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示面積が小さくなるように設定されている。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
この実施の形態では、図43(h),図46(b)に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像が遊技者に対して目立たない画面の隅に表示される。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
この実施の形態では、図46に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、のめり込み防止画像90136と取り忘れ防止画像90137との表示タイミングを異ならせて表示する制御が行なわれる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
この実施の形態では、図46に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、取り忘れ防止画像90137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90136をフェードインさせ、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行なわれる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
この実施の形態では、図41,図46に示すように、エンディング期間に表示されるエンディング画像90138および製造者画像90139が表示されている期間に亘ってのめり込み防止画像90131,のめり込み防止画像90136が表示される。このようにすれば、全ての情報を別々で表示することでエンディング期間が間延びすることを防ぎ、大当り遊技状態が終了した後の限られた期間において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図41,図46に示すように、モード情報や確変回数情報が表示された後に、のめり込み防止画像90136がされる。このようにすれば、先に遊技に関する情報を表示することで、遊技者を表示に注目させることができ、大当り遊技状態が終了した後の期間において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図46(g)に示すように、エンディング画像90138の後に遊技機の製造者を示す製造者画像90139を表示し、その下方にのめり込み防止画像90131を表示する。このようにすれば、製造者情報を表示させつつ、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図46に示すように、取り忘れ防止画像90137の後にのめり込み防止画像90136をフェードインし、製造者画像90139に切替ることに関連して取り忘れ防止画像90137の表示は終了するが、のめり込み防止画像90131は、製造者画像90139の表示が終了するまで継続して表示される。このようにすれば、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図41,図46(j)に示すように大当りが連続した場合には、取り忘れ防止画像90137は1回目の大当りのときにしか表示しないが、のめり込み防止画像90136は大当り毎に表示する制御を行なっている。これによれば、大当り遊技状態に連続して制御されたときにおいて好適に注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図44(e),(f)に示すように、メニュー画面90132においていずれかのキャラクタの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるように制御される。このようにすれば、注意喚起を実行する前の演出状態とのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様との関係について考慮することで、好適に注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図46(b),(k)に示すように、大当り遊技中において確変中のモードの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるように制御される。このようにすれば、注意喚起を実行した後の演出状態とのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様との関係について考慮することで、好適に注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、スティックコントローラ90122やプッシュボタン90120の操作に応じて設定されたキャラクタやモードに応じてのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるように制御される。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、大当り遊技中において選択した確変中のモードによりのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるように制御される。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。なお、後述する第2実施形態のように、大当り中に楽曲(楽曲に対応する映像)の選択が可能なものであってもよい。このような場合には、大当り中に選択した楽曲(楽曲に対応する映像)によってのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態に制御されたときに設定されているキャラクタに応じてのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図41に示すように、停電復旧したときと、初期化したときとで、のめり込み防止画像が表示されるまでの実行時間が異なるように制御されていた。より具体的には、客待ちデモ遊技中において、停電復旧したときと、初期化したときとで、のめり込み防止画像の表示が開始されるまでの時間が異なる。このようにすれば、好適なタイミングでのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図44に示すように、のめり込み防止画像を音量・光量調整アイコンとは重ならない位置に表示するように制御される。このようにすれば、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図44に示すように、メニュー画面90132は複数の画像による階層構造で構成されている。そして、のめり込み防止画像はメニュー画面90132のいずれの階層にも表示されるように制御される。このようにすれば、のめり込み防止に関する注意喚起を好適に実行することができる。
この実施の形態では、図44(g)に示すように、メニュー画面90132の表示を終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像90135が表示されるように制御される。このようにすれば、遊技者がのめり込み防止に関する注意喚起を見逃すことがなく、状況に合わせて注意喚起を好適に実行することができる。
この実施の形態では、図42(a),図45に示すように、節電モード中に画面輝度が低下した輝度低下画像が演出表示装置909に表示されているときには、のめり込み防止画像を表示しないように制御される。このようにすれば、節電モード中にさらにのめり込み防止画像を表示しないようにすることで、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
この実施の形態では、図45(h)に示すように、節電モードを終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像90135が表示されるように制御される。このようにすれば、遊技者がのめり込み防止に関する注意喚起を見逃すことがなく、状況に合わせて注意喚起を好適に実行することができる。
この実施の形態では、図45(b)に示すように、客待ちデモ状態中において、機能紹介ムービーを演出表示装置909に表示可能である。そして、図45(e),(g)に示すように、節電モード中において、のめり込み防止画像以外の機能紹介ムービーを演出表示装置909に表示可能である。このようにすれば、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態における大当り演出中の処理について説明する。第2実施形態においては、大当り中に楽曲を選択できる場合について説明する。第2実施形態においては、大当り中に遊技者の操作に基づいて複数の楽曲からいずれかの楽曲を選択する選択演出を実行する。第2実施形態においては、操作手段としてスティックコントローラ90122やプッシュボタン90120が操作されたときには、内部に設けられたセンサにより遊技者の動作が検出され、当該検出信号が演出制御基板9080に送信され、操作に基づいた演出が実行される。なお、選択演出としては、大当り中に複数種類の映像からいずれかの映像を選択できるようにしてもよいし、複数種類のモードからいずれかのモードが選択できるようにしてもよい。
図47は、大当り中に実行される演出を示す演出図面である。図47により、大当り中の演出について説明する。図47(a)に示すように、大当り開始時には、楽曲選択画面が表示される。この大当り開始時の楽曲選択画面は、遊技者の操作に関わらず表示される。演出表示装置909の表示画面における左側の領域には、A〜Dの楽曲に対応する項目が表示される。Aの楽曲に対応する第1選択画像90170、Bの楽曲に対応する第2選択画像90171、Cの楽曲に対応する第3選択画像90172、Dの楽曲に対応する第4選択画像90173が上から順に並んで表示される。また、第1選択画像90170の周囲には、当該画像に対応する項目が選択されていることが縁取りした表示により示されている。
第1選択画像90170〜第4選択画像90173の右側には、映像領域90175が表示される。映像領域90175には、A〜Dの楽曲に対応する映像が流れる。大当りの開始時には、第1選択画像90170が選択されている状態で、映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が特定部(たとえば、楽曲の聞かせどころであるサビ部分)から流れる。また、大当りの開始時には、最初に選択されている楽曲Aに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。ここで、特定部とは、楽曲の聞かせどころであるサビ部分以外の部分であってもよい。たとえば、その楽曲の盛り上がる部分であるがサビ部分とは異なる楽曲の主要部等であってもよい。なお、楽曲に対応する映像や音は、楽曲の最初から再生されるようにしてもよい。
また、演出表示装置909の画面の下部の左側には、スティックコントローラを模した楽曲選択操作を促す選択操作画像90176が表示される。また、画面の下部の中央には、プッシュボタンを模した楽曲決定操作を促す決定画像90177が表示される。また、画面の下部の右側には、現在の大当りがいずれの図柄による大当りであるのかを示す「7」の画像が表示される。また、画面の上部左側には、現在のラウンド数、画面上部右側には、右側の領域を狙って遊技をすることを促す右打ち指示の画像が表示される。
図47(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されたときの様子を図47(b)を用いて説明する。図47(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像が特定部(サビ部分)から流れとともに、楽曲Bに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。
図47(b)の状態から、楽曲Aに決定された場合を図47(c)により説明する。大当り開始時の楽曲選択において、楽曲Aに決定された場合には、大当り開始時の楽曲決定画面として画面中央に移動した映像領域90175において、楽曲Aに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Aが最初から再生される。決定操作により、選択操作画像90176および決定画像90177の表示は消去される。ここで、大当り開始時の楽曲選択操作は、1ラウンド開始から2ラウンドの終了時までの期間行なうことができる。2ラウンド終了時までに選択操作も決定操作もされなければ、初期設定されている楽曲Aに対応する映像や音が2ラウンド終了時から流れることとなる。また、選択操作のみ実行され、決定操作が実行されていない状態で2ラウンドが終了した場合には、選択操作で選択されている項目に対応する楽曲の映像および音が出力される。
図47(c)の状態から、3ラウンド開始時には図47(d)に示すように、画面中央の映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が続けて流されるとともに楽曲Aに対応する音が出力される。また、3ラウンドの開始時には、画面の下部に選択操作画像90176が再び表示される。そして、遊技者がスティックコントローラを操作することにより、図47(e)に示すように、楽曲選択画面が再び表示される。このように、2回目の楽曲選択画面は遊技者の操作に基づいて表示される。なお、1回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、2回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が3ラウンド開始時から最終ラウンド(16ラウンド)までに設定されている。なお、これらの期間はどのように設定されてもよく、選択可能期間が3回以上あってもよく、いずれかのラウンド中は選択操作ができないように設定されていてもよい。
図47(e)の楽曲選択画面では、図47(a)の大当り開始時の楽曲選択画面と比較して、楽曲Aの項目に対応する第1選択画像90170の文字が「A」という楽曲を示す文字から「戻る」の文字へと変更されている。また、現在選択されている「戻る」の第1選択画像90170は縁取りされて表示される。また、図47(d)の状態からは、楽曲Aに対応する映像と音とそのまま続けて流れている。また、決定画像90177が新たに表示されている。このような状態から、スティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、図47(f)に示すように、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像がサビ部分から流れる。ただし、このような選択操作があった場合であっても楽曲Aの音が引き続き出力される。
図47(f)の状態から、楽曲Aが選択された場合には、図47(g)のようになる。図47(g)では、図47(f)において「戻る」で示す第1選択画像90170に対応する楽曲Aの項目が選択されたため、映像領域90175においてAに対応する映像が続きから再生される。また、楽曲Aの音がそのまま続けて流される。それに対し、図47(f)の状態から、楽曲Bが選択された場合には、図47(h)のようになる。図47(h)では、図47(f)において「B」で示す第2選択画像90171に対応する楽曲Bの項目が選択されたため、映像領域90175においてBに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Bの音が最初から再生される。
図47(a)に示すように、大当りの開始時には、複数種類の楽曲に対応する項目が表示される。そして、遊技者は、図47(b)に示すように、選択操作により選択される項目を変更することができる。また、選択操作により、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力が行なわれる。そして、図47(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である。このような状況において、図47(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aの音がそのまま続けて流される。また、図47(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する。
このようにすれば、楽曲Aに対応する楽曲を流しつつも他の選択項目に何があるか確認することができる。そして、再度楽曲Aに決め直した場合であっても楽曲Aが最初から再生されず途中から継続して流れるので、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。より具体的には、すでに選択された楽曲が再度選択されることで、その楽曲が最初から再生されてしまうと煩わしく思うことがあり、興趣が低下してしまう虞がある。しかし、上記のような処理により、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、その楽曲が最初から再生してしまうことが防げるので、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図47に示したように、項目を選択する選択演出を大当り状態中に実行可能である。よって、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも大当り状態中における遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、楽曲を選択する楽曲選択演出には、図47(a)に示すように、大当り開始時に遊技者の操作に関わらず実行するラウンド開始時の選択演出と、図47(d)に示すように、3ラウンド開示時に遊技者の操作に基づいて実行される選択演出とが含まれる。このようにすれば、大当り状態中において、選択演出の実行タイミングが複数あるので、1回目の選択演出では楽曲を選ばず2回目の選択演出で楽曲を選択する等の遊技者の好みに応じた選択演出を実行することができる。
また、図47に示すように、ラウンド開始時の1回目の選択演出は1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、3ラウンド開始時の2回目の選択演出は3ラウンド開始時から最終ラウンドまでに設定されている。よって、遊技者の操作に基づいて実行する2回目の選択演出の実行可能な期間を長くすることで、1回目に選択操作ができなかった等の多種態様な遊技者に対応することができる。
また、図47に示すように、楽曲を再生可能であるものにおいて、図47(a),(b)に示すように、ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合に、項目の変更に応じて再生される楽曲が変化する。それに対し、図47(e),(f)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合であっても、再生される楽曲は変化しない。このようにすれば、頻繁に楽曲が切替わらないため、頻繁に楽曲が切替わることにより遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、図47(e)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、現在実行されている楽曲に対応した項目の表示をラウンド開始時の選択演出の「A」の表示と異なる「戻る」で表示する。このようにすれば、現在流れている楽曲がいずれの楽曲なのかを遊技者に分かり易く示すことができる。
なお、上記した選択演出について、保留連演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて保留連演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで保留連演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する1回目の選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、2ラウンド終了時まで遊技者の決定操作が無い場合には、2ラウンドのラウンド終了時のコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100が受付けたタイミングで、保留連演出を実行するようにしてもよい。また、大当り開始時の選択演出ではなく、3ラウンド目開始時の2回目の選択演出において、遊技者が操作したタイミングで保留連演出を実行してもよい。なお、3ラウンド目開始時の選択演出から最終ラウンドまで、遊技者が選択操作を行なわなかった場合には、選択演出の実行可能な期間が終わった後のタイミングにおいて保留連演出を実行してもよい。
また、有利状態としての大当り状態について、第1有利状態としての通常大当りと、当該第1有利状態よりも有利な第2有利状態としての確変大当りを設けるようにしてもよい。そして、通常大当り中に確変大当りへと昇格する確変昇格演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて確変昇格演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで確変昇格演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、確変昇格演出の場合は、大当り開始時に実行タイミングを決定するものでもよい。そして、確変昇格演出の実行タイミングとして、楽曲の選択時、11R〜13の固定的な確変昇格演出の煽り演出の結果時、エンディング時(16Rの終了後)の複数のタイミングを持つようにしてもよい。この3パターンの中から所定の乱数抽選により、楽曲の選択時のタイミングに決定された場合に、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において確変昇格演出を実行してもよい。
また、ラウンドの異なる大当りを複数設け、ラウンド数が少ない大当りからラウンド数の多い大当りへと昇格するラウンド昇格演出に適用してもよい。
また、選択された楽曲の種類によって、大当り終了後のエンディング期間において、のめり込み防止画像の表示態様が異なるようにしてもよい。
図48は、大当り時楽曲選択処理を示すフローチャートである。大当り時楽曲選択処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。大当り時楽曲選択処理では、大当り時である場合に、図47に示した演出についての処理を実行する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
大当り時楽曲選択処理では、まず、演出制御用CPU90101は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であるか否かを判定する(S90601)。演出制御用CPU90101は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であると判定した場合には(S90601でY)、初期楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90602)。演出制御用CPU90101は、初期楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90602でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90602において、演出制御用CPU90101は、初期楽曲決定フラグがセットされていない場合には(S90602でN)、楽曲変更期間であるか否かを判定し(S90603)、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90603でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90604)。一方、演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90603でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90604において、演出制御用CPU90101は、選択操作があると判定した場合には(S90604でY)、楽曲選択に合わせて楽曲に対応する映像および楽曲をサビから再生する(S90605)。一方、演出制御用CPU90101は、選択操作がないと判定した場合には(S90604でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90605の後のS90606において、演出制御用CPU90101は、決定操作があるか否かを判定する(S90606)。演出制御用CPU90101は、決定操作があると判定した場合には(S90606でY)、決定された楽曲に対応する映像および楽曲を最初から再生する(S90607)。次いで、初期楽曲決定フラグをセットし(S90608)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、決定操作がないと判定した場合には(S90606でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90601において、演出制御用CPU90101は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間でないと判定した場合には、最終楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90610)。演出制御用CPU90101は、最終楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90610でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、最終楽曲決定フラグがセットされていないと判定した場合には(S90610でN)、楽曲変更画面を表示する(S90611)。次いで、画面変更フラグがセットされているか否かを判定する(S90612)。
S90612において、演出制御用CPU90101は、画面変更フラグがセットされていないと判定した場合には(S90612でN)、変更操作があるか否かを判定する(S90613)。演出制御用CPU90101は、変更操作がないと判定した場合には(S90613でN)、初期楽曲に対応する映像と楽曲をそのまま流し(S90616)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、変更操作があると判定した場合には(S90613でY)、画面フラグをセットし(S90614)、初期楽曲を「戻る」にした楽曲選択画面を表示し(S90615)、S90617へ移行する。S90612において、演出制御用CPU90101は、画面変更フラグがセットされていと判定した場合には(S90612でY)、S90613からS90615の処理を行なわずに、S90617へ移行する。
S90617では、演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間であるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90617でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90618)。S90617において、演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90617でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。演出制御用CPU90101は、選択操作があると判定した場合には(S90618でY)、選択された楽曲に対応する映像をサビから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90619)。そして、S90620へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、選択操作がないと判定した場合には(S90618でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90620では、演出制御用CPU90101は、決定操作があるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、決定操作があると判定した場合には(S90620でY)、初期楽曲に決定されたか否かを判定する(S90621)。S90620において、演出制御用CPU90101は、決定操作がないと判定した場合には(S90620でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。S90621において、初期楽曲に決定された場合には(S90621でY)、初期楽曲に対応する映像を続きから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90622)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、初期楽曲に決定されなかった場合には(S90621でN)、変更した楽曲に対応する映像を最初から再生するとともに変更した楽曲を最初から再生する(S90623)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
なお、3Rから最終ラウンドの間において何回も楽曲変更が可能となるようにしてもよい。具体的には、S90610およびS90624の処理を実行しないようにすればよい。
[変形例等]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起が音の出力や光の発光により実行されてもよい。そして、のめり込み防止に関する注意喚起が実行される状況により表示態様のみではなく音や光の態様が異なるようにしてもよい。なお、表示を変えずに音と光とのみの態様変えてもよいし、音は同じであるが、表示と光との組合わせの態様を変えてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起を客待ちデモ状態中や大当り遊技状態のタイミング以外のタイミングで実行されるようにしてもよい。たとえば、変動表示中にのめり込み防止に関する注意喚起が実行されるようにしてもよい。このような場合には、のめり込み防止に関する注意喚起を複数変動に亘って出すものでもよいし、一変動内のみで出すようなものでもよい。また、のめり込み防止に関する注意喚起を出すタイミングとして、時短終了後の1回転目のタイミングや、電源が投入された朝一番のタイミングや、変動表示が1000回実行されたときのタイミングであってもよい。
前述した実施の形態では、遊技者あるいは店側でのめり込み防止に関する注意喚起を実行する頻度、タイミング、場面等を変更できるようにしてもよい。たとえば、元々のめり込み過ぎるまで遊技をすることがないという遊技者にとっては、のめり込み防止に関する注意喚起を不快に感じる恐れがある。よって、遊技者がプッシュボタン90120等の操作手段を用いメニュー画面からのめり込み防止に関する注意喚起の実行を制限できるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、他の注意喚起表示をフェードインした後に、のめり込み防止に関する注意喚起表示をフェードインさせる表示制御を行なっていた。しかしながら、のめり込み防止に関する注意喚起表示を先にフェードインさせた後に、他の注意喚起表示をフェードインさせるようにしてもよい。このようにすれば、のめり込み防止に関する注意喚起表示の表示期間を長くとることができる。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、他の注意喚起表示をフェードインした後に、のめり込み防止に関する注意喚起表示をフェードインさせる表示制御を行なっていた。しかしながら、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同一のタイミングでフェードインさせた後に、いずれか一方の表示を先にフェードアウトしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同一のタイミングでフェードインした後に、同一のタイミングでフェードアウトするようにしてもよい。また、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同時にフェードイン(またはフェードアウト)するときと、異なるタイミングでフェードイン(またはフェードアウト)するときとで表示態様を異ならせるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像90138とともに、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが表示された後に、製造者画像90139が表示される場合を説明した。そして、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とは一度消去された後に、製造者画像90139とともにのめり込み防止画像90131が再び表示されていた。しかしながら、エンディング画像90138が表示されているときに表示されたのめり込み防止画像は、製造者画像90139の表示が終了するまで表示し続けるようにしてもよい。具体的には、のめり込み防止画像を表示したままで、エンディング画像90138と取り忘れ防止画像90137の表示から製造者画像90139の表示に切替わるようにすればよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像90138とともに、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが表示された後に、製造者画像90139が表示される場合を説明した。しかし、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像90138を表示した後に、製造者画像90139を表示し、その後、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とを表示してもよい。そして、大当りが連続した場合には、2回目以降の大当りにおいて製造者画像90139を表示した後に、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とを表示しないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示期間が短い場合について説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示期間が短いようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間のときの表示期間を長くすることにより、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示面積が小さい場合について説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示面積が小さくなるようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間において、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときと大当り終了後のエンディング期間のときとで、のめり込み防止画像の素材として同じ素材を用いるようにしてもよい。このようにすれば、データ容量を削減することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示位置が目立たない位置で表示される場合を説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示位置が目立たない位置で表示されるようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間のときの表示位置を目立たせることができ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態中は、画面の隅で常にのめり込み防止に関する注意喚起が実行されるようにしてもよい。また、前述した実施の形態では、始動入賞が発生しデモ状態が終了したときには、すぐにのめり込み防止に関する注意喚起を終了してもよいし、始動入賞が発生した後の所定期間のめり込み防止に関する注意喚起を実行した後に終了するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当りのエンディング期間において、図43(h)に示したような他の注意喚起表示が実行されるようにしてもよい。このような場合であっても、まずエンディング画像としてエンディング映像を表示し、モードの表示や大当り後の確変回数(または時短回数)といった遊技に関する情報を表示した後に、他の注意喚起表示が表示されるようにすればよい。また、他の注意喚起表示は、製造者画像90139が表示された後に表示されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図41,図46に示すように、1回目の大当りでは、取り忘れ防止画像90137と、のめり込み防止画像90136とが表示され、連続した2回目以降の大当りでは、取り忘れ防止画像90137が表示されず、のめり込み防止画像90136のみが表示される場合について説明した。しかしながら、1回目の大当りと2回目以降の大当りとで注意喚起の態様が異なるものではなく、2回目までの大当りと3回目以降の大当りとで注意喚起の態様が異なるものでもよく、大当りが所定回数連続したことを条件として注意喚起の態様が異なるものでもよい。たとえば、大当りが5回までは、取り忘れ防止画像90137を表示せず、のめり込み防止画像90136のみを表示し、大当りが5回以上連続したときは、取り忘れ防止画像90137とともにのめり込み防止画像90136も表示されないように制限してもよい。
前述した実施の形態では、確変状態には制御されるが出玉を得られない突然確変大当りを設けてもよい。そして、突然確変大当りに制御された場合には、1回目の大当りまたは連続した大当りに関係なく取り忘れ防止画像90137とともにのめり込み防止画像90136を表示しないようにしてもよい。このように、不利な大当りに当選したときには、有利な大当りに当選したときと異なる態様としてもよい。
前述した実施の形態では、確変大当りのときには、取り忘れ防止画像90137を表示せず、のめり込み防止画像90136のみを表示し、通常大当りのときには、取り忘れ防止画像90137を表示するとともに、のめり込み防止画像90136を表示してもよい。このように、大当りの種類により注意喚起の態様を異ならせるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を演出表示装置909に表示可能であった。しかしながら、のめり込み防止画像は、文字の内容が全く同じものに限らず、表現が類似しており同じ情報を伝えるものであれば別の態様であってもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態に制御される前に選択したキャラクタの種類により、メニュー画面におけるのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なっていた。しかしながら、大当り遊技状態に制御される前に選択したキャラクタの種類により、大当り遊技状態終了後のエンディング期間におけるのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なるようにしてもよい。また、通常遊技状態において複数種類の演出モードを設定可能とし、その設定されたモードに応じて、客待ちデモ状態中やエンディング期間中ののめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、注意喚起としてのめり込み防止画像の表示態様と、のめり込み防止の表示に対応する音の出力とが含まれているようにしてもよい。そして、遊技者が選択したモードによってのめり込み防止画像として共通の画像を表示し、のめり込み防止の表示に対応する音として異なる音を出力するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止画像の表示の有無を設定可能なスイッチを設けてもよい。たとえば、このようなスイッチは、演出制御基板9080の所定位置に設けるようにすればよい。そして、スイッチをONした状態で電源が投入されることにより、節電モードを実行するか否かの設定と、のめり込み防止画像の表示の有無の設定が実行できるようにすればよい。このようにすれば、遊技店側において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。なお、のめり込み防止画像の表示の有無とは別に、のめり込み防止画像の表示の大小や表示位置を変更できる操作手段が別途設けられていてもよい。
前述した実施の形態では、図41に示すように、初期化時には、客待ちデモ状態の最初のタイミングである3図柄表示の頭からの画面が表示され、停電復旧時には、客待ちデモ状態の途中のタイミングであるその他注意喚起表示とのめり込み防止表示が実行されるタイミングの画面から表示される場合について説明した。しかし、初期化時と停電復旧時とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行するタイミングが異なっていればよく、別のタイミングであってもよい。たとえば、初期化時に通常背景を15秒程度表示し、その後、客待ちデモ状態を開始させ、最後のタイミングでのめり込み防止表示が実行されてもよい。また、停電復旧時には、その他注意喚起表示を実行することなくのめり込み防止表示が実行されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図43の客待ちデモ状態中の方が、図44のメニュー画面の表示中よりものめり込み防止表示を画面の中央で大きく表示するようにしてもよい。このようにすれば、状況に合わせのめり込み防止に関する注意喚起を好適に実行することができる。なお、メニュー画面の表示中の方が客待ちデモ状態中よりものめり込み防止表示の表示面積が大きくなるようにしてもよい。また、客待ちデモ状態中とメニュー画面の表示中とで、のめり込み防止表示の表示位置が異なることにより遊技者からの見えやすさが異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、画面輝度を低下させた節電モード中においても客待ちデモ状態中の演出が継続されていた。しかしながら、節電モード中は客待ちデモ状態中の演出を実行しないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態中において、のめり込み防止画像を常に表示するようにしてもよい。このような場合に、節電モード中において、のめり込み防止画像の表示を消去するようにしてもよい。このようにすれば、節電モード中にさらにのめり込み防止画像を表示しないようにすることで、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
前述した実施の形態では、遊技者が選択操作可能な選択演出として楽曲の変更に関するものについて説明した。しかし、選択演出で変更される演出は、楽曲以外のものであってもよい。たとえば、選択演出で変更される演出は、背景変化の演出、映像変化の演出、キャラクタ変化の演出等であってもよい。このような場合に、一度選択されていたものが再度選択された場合に演出を引継ぐようにすればよい。具体的には、プッシュボタン操作により背景を変化させることを予約できる遊技機において、背景を変化させようとしたが、現在の背景のままにしたいと思ったときは、現在の背景での演出が継続(たとえば現在の背景での音楽が継続して流れる等)されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、楽曲の選択演出は、大当り中に実行可能である場合について説明した。しかしながら、楽曲の選択演出をラッシュ中に実行できるようにしてもよいし、非KT状態中で実行できるようにしてもよい。このような場合には、選択演出を実行できる期間を複数設け、変動回数により変動回数が少ない場合(1〜10回)の期間と変動回数が多い場合(70〜100回)の期間とで楽曲の選択演出が実行されるようにしてもよい。なお、選択演出を客待ちデモ中に実行するようにしてもよい。たとえば、客待ちデモ中にプッシュボタンを操作することによりメニュー画面を開くことができ、当該メニュー画面内においてパチンコ遊技機の音量や光量を調整したり、演出の実行頻度を変更できるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図47(e)に示すように、現在実行されている項目が「戻る」という文字に変更される場合を説明した。しかしながら、文字に変化するのではなく、現在実行されている項目の色や形が異なるものであってもよい。
前述した実施の形態では、楽曲のサビ部分から再生される場合を説明した。楽曲によっては、「サビ」以外の部分(Aメロなど)から再生されるようにしてもよいし、楽曲によって再生される部分を異ならせてもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の大当り期間としては、アタッカー開放を繰り返す期間、つまり、ラウンド遊技期間としているが、これに限定されない。たとえば大当り期間としては、大当り遊技状態の開始時に実行されるファンファーレ演出の期間と、アタッカー開放を繰り返す期間(ラウンド遊技期間)と、大当り遊技状態の終了時に実行されるエンディング演出の期間とを含めた期間としてもよい。ファンファーレ演出とは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。エンディング演出とは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。
前述した楽曲選択の各種制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、客待ちデモ状態中と、ビッグボーナスやATといった遊技者にとって有利な有利状態が終了したときとに、のめり込み防止表示が実行されるようにすればよい。また、スロットマシンにおいては、筐体に設けられたプッシュボタンや十字キーにより楽曲の選択や決定操作が実行されるようにすればよい。
前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
この実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。