<第1実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2及び図3に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、図1に示すように、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、図2に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4(a)は遊技盤24の正面図、図4(b)は第2作動口34及び電動役物34aを説明するための説明図である。
図4(a)に示すように、遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
遊技領域の中央位置を含むようにして可変表示ユニット36が配置されており、さらに遊技領域の横方向の中央ライン上において可変表示ユニット36、第1作動口33及び可変入賞装置32がこの順序で下方に向けて並ぶように配置されている。また、スルーゲート35は、可変表示ユニット36の左側に1個設けられているとともに、右側に1個設けられている。第2作動口34は、可変表示ユニット36の右側に設けられており、詳細には右側のスルーゲート35の下流側に設けられている。このため、可変表示ユニット36右側領域を流下する遊技球は、スルーゲート35を通過するとともに、第2作動口34に入賞し得る。一般入賞口31は、第1作動口33の高さ位置において、第1作動口33の左方に2個設けられているとともに、右方に2個設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された入賞検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、第1作動口33への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、第2作動口34への入球が発生した場合には1個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。なお、可変入賞装置32に係る賞球数(賞球個数)が他の賞球数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球数よりも少ない構成としてもよく、一般入賞口31に係る賞球数が最も多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した際にそのまま遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域を再度流下する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口33及び第2作動口34はともに上向きに開放されており、上方から流下する遊技球が入賞可能となっている。第1作動口33は、既に説明したとおり、可変表示ユニット36の下方に配置されている。このため、遊技球が、可変表示ユニット36の左側領域及び右側領域のいずれの領域を通過した場合であっても、第1作動口33に入球し得る。
これに対して、第2作動口34は、可変表示ユニット36の右側領域に配置されているため、右側領域を流下する遊技球のみが入賞可能となっている。また、第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された図示しない電動役物駆動部に連結されており、電動役物駆動部により駆動されて閉状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開状態(サポート状態又はガイド状態)に切換可能に構成されている。
ここで、電動役物34aが閉状態では、第2作動口34への入賞は不可となり、電動役物34aが開状態では、右側領域を流下する全遊技球が入賞可能となるよう構成されている。具体的には、図4(b)に示すように、遊技盤24には、電動役物34aが閉状態において、第2作動口34への入球を規制する規制釘38aが設けられている。規制釘38aは、電動役物34aが閉状態である状況における第2作動口34への流下経路上に並設されている。各規制釘38a間の距離は、遊技球の直径よりも短く設定されている。規制釘38aと、閉状態である状況における電動役物34aの先端部との距離は遊技球の直径よりも小さく設定されている。これにより、電動役物34aが閉状態である場合には第2作動口34への入賞が不可となっている。
一方、遊技盤24には、電動役物34aが開状態である状況において、遊技球を第2作動口34に誘導する誘導釘38bが設けられている。誘導釘38bは、開状態となっている電動役物34aの両先端部から上方に向けて複数設けられている。隣接する誘導釘38bの間隔は、遊技球の直径よりも短く設定されている。そして、誘導釘38bのうち最下流のものと、開状態である状況における電動役物34aの先端部との間の距離は、遊技球の直径よりも短くなっている。
かかる構成によれば、電動役物34aが開状態である場合には、右側領域を流下する遊技球は、誘導釘38b及び電動役物34aにより誘導されて、全て第2作動口34に入賞する。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞が困難な閉状態になっており、大当たり当選といった開閉実行モード(特別遊技状態)への移行当選となった際に、遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置32の開放態様として具体的には、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される。
メイン表示部43は、第1作動口33への入賞をトリガとして絵柄(特図1)の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口33の入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示によって明示する第1表示部43aと、第2作動口34への入賞をトリガとして絵柄(特図2)の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口34の入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示によって明示する第2表示部43bとを備えている。つまり、本パチンコ機10では、第1作動口33への入賞と第2作動口34への入賞とが内部抽選において区別されており、第1作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が第1表示部43aに明示され、第2作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が第2表示部43bに明示される。そして、内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、内部抽選の契機となった入賞に対応する表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、各表示部43a,43bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、各表示部43a,43bにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄(普図)の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が開状態への移行に対応した当選結果(サポート当選)であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開状態へ移行する。開状態では、第2作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、開閉実行モードが発生することとなる。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム42の前面側における左上部分及び右上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46が設けられている。第1保留ランプ部45は、第1作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の数を示す。第2保留ランプ部46は、第2作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の数を示す。各保留情報は最大4個まで保留され、各保留ランプ部45,46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の下方には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
なお、各保留ランプ部45,46,47の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。なお、内レール部48及び外レール部49は遊技領域を区画する機能も有している。
遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置55が操作されることにより、球送り装置53が駆動制御されて1個の遊技球が発射レール52上の球待機位置に配置されるとともに、ソレノイド54が駆動制御されて、発射レール52上に配置された遊技球が発射される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域を視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58aが窓部56の上方に設けられている。また、表示ランプ部58aの左右両側であって前扉枠14の上側の隅角部分には左右一対のエラーランプ部58bが設けられている。また、エラーランプ部58bに隣接させて、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。
上皿61aは、後述する払出装置77(図3参照)より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。この場合、前扉枠14には上皿61aの出口から連続し、内枠13の球送り装置53へと延びる図示しない発射誘導用通路が形成されているが、当該発射誘導用通路の出口部分には、図2に示すように、シャッタ63が設けられている。当該シャッタ63は、前扉枠14を閉鎖状態とした場合には内枠13に形成された図示しない押圧部により押圧されて開放位置に配置され、球送り装置53への遊技球の流入を可能とする。一方、前扉枠14を開放状態とした場合には、上記押圧部による押圧が解除されるため、シャッタ63が閉鎖位置に配置され、上皿61aからの遊技球の流出が阻止される。下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71や音声発光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、図3に示すように、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、上方に開口した形状をなし、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
制御装置集合ユニット75において電源及び発射制御装置79等が搭載されることとなる搭載部75aには、排出通路盤75bが形成されている。遊技盤24の背面に設けられた集合板81の回収通路82にて回収された遊技球は、当該排出通路盤75bに導出されて、当該排出通路盤75bに導かれることで最終的に遊技ホールの球送り機構に排出される。
ここで、集合板81及び回収通路82について図5を参照しながら説明する。図5は、遊技盤24の背面図であって、主制御装置71を取り外した状態を示す。
集合板81は、遊技盤24の背面であって主制御装置71が設置された領域に設けられている。集合板81は、遊技盤24の背面において可変表示ユニット36の下方に設けられている。回収通路82は集合板81に形成されており、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33,34等の各種入賞口に入賞して遊技盤24の背面に導かれた遊技球を排出通路盤75bへと誘導する。
回収通路82は、第1作動口33に連通させて設けられた第1作動口用回収通路82aと、第2作動口34に連通させて設けられた第2作動口用回収通路82bと、可変入賞装置32に連通させて設けられた可変入賞用回収通路82cと、4個設けられた一般入賞口31のうち、2個の一般入賞口31のそれぞれに連通させて設けられた第1一般入賞用回収通路82dと、残りの2個の一般入賞口31のそれぞれに連通させて設けられた第2一般入賞用回収通路82eと、を備えている。これら各回収通路82a〜82eは、いずれも集合板81の下部に設けられた集約領域82fに連通されており、集約領域82fから上記排出通路盤75bに排出される。なお、アウト口37も同様に排出通路盤75bに通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口37を介して排出通路盤75bへ排出される。
上記各回収通路82a〜82eには、対応する入賞口に遊技球が入賞したことを検知するための各入賞検知センサ83a〜83eが設けられている。具体的には、第1作動口用回収通路82aの途中位置に設けられ、第1作動口33に入賞した遊技球を検知する第1作動口入賞検知センサ83aと、第2作動口用回収通路82bの途中位置に設けられ、第2作動口34に入賞した遊技球を検知する第2作動口入賞検知センサ83bと、可変入賞用回収通路82cの途中位置に設けられ、可変入賞装置32への入賞を検知する可変入賞検知センサ83cと、第1一般入賞用回収通路82dに設けられた第1一般入賞口検知センサ83dと、第2一般入賞用回収通路82eの途中位置に設けられた第2一般入賞口検知センサ83eと、を備えている。各入賞検知センサ83a〜83eにより、各回収通路82a〜82eを通過する遊技球を個別に検知することができる。
また、各入賞検知センサ83a〜83eは、主制御装置71に電気的に接続されており、各入賞検知センサ83a〜83eの検知結果は主制御装置71に伝送される。
なお、各入賞検知センサ83a〜83eは、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて検知信号として出力される。なお、各入賞検知センサ83a〜83eは磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。
次に、裏パックユニット15の詳細について図6を用いて説明する。図6は裏パックユニット15の正面図である。
裏パックユニット15の裏パック73は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部74などが取り付けられるベース部101と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部102とを有する。保護カバー部102は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット36を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部101には、その右上部に外部端子板103が設けられている。外部端子板103には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
ベース部101には、外部端子板103よりも外側に、内枠13が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する内枠開放スイッチ(本体開放検知手段)104が設けられている。外枠11に対して内枠13を閉じた状態では当該内枠開放スイッチ104の金属接点が閉じて内枠13の閉鎖が検知され、外枠11に対して内枠13を開いた状態では金属接点が開いて内枠13の開放が検知されるようになっている。内枠開放スイッチ104は主制御装置71に接続されており、内枠開放スイッチ104の検知結果は主制御装置71に伝送される。
ベース部101には、保護カバー部102を迂回するようにして払出機構部74が配設されている。すなわち、払出機構部74のタンク76は、裏パック73の最上部に設けられている。タンク76の下方には下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール112が連結され、タンクレール112の下流側には上下方向に延びるケースレール113が連結されている。また、ケースレール113の最下流部には払出装置77が設けられている。
ケースレール113には、図6に示すように、当該ケースレール113内の通路を通じてタンク76から払出装置77まで連なった遊技球を検知するように球無検知センサ113aが設けられている。
球無検知センサ113aは払出制御装置78に対して検知信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなく、遊技球を検知していない状態ではHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではLOWレベル信号を出力する構成としてもよい。
払出制御装置78では、球無検知センサ113aの検知結果に基づいてタンク76が球無状態であるか否かを特定する。球無検知センサ113aから出力される検知信号が遊技球の非検知状態に対応したものである場合には、タンク76が球無状態であると特定する。払出制御装置78においてタンク76が球無状態であると特定された場合、払出異常状態であるとして、払出装置77による遊技球の払出が停止される。これにより、タンク76が球無状態であるにも係らず、払出装置77が動作し続けることが回避される。かかる払出動作の停止は、タンク76の球無状態が解除され球無検知センサ113aにて遊技球が検知されることにより解除される。また、払出制御装置78においてタンク76が球無状態であると特定された場合、それに対応した報知処理が実行される。なお、タンク76において球詰まりが発生し、払出装置77側へ遊技球が流れていかない場合も球無状態であると特定される。
払出装置77では遊技球の払出が実行される。ここで、払出装置77の構成について図7を用いて説明する。図7は払出装置77内部に形成された通路構造を示す縦断面図である。なお、図7においては払出装置77内部を流下する遊技球を二点鎖線で示す。
払出装置77のハウジング121には、その上端にケースレール113から供給される遊技球を内部に取り込むための遊技球入口122が形成されており、さらに内部にこの遊技球入口122から入球した遊技球を通過させるための遊技球通路123が設けられている。
遊技球通路123はハウジング121の下端に形成された遊技球出口124に通じており、遊技球入口122から入球した遊技球は遊技球出口124に向けて1個ずつ流下する。遊技球通路123の中間部分には通路幅が左右に広がった収容部125が設けられており、同収容部125に回転体126が収容されている。回転体126はその中心が払出モータ127の出力軸127aに固定されている。
払出モータ127は、ステッピングモータにより構成されており、出力軸127aは所定方向(図7で見て時計回り方向(正転方向)又は反時計回り方向(逆転方向))に回転駆動される。出力軸127aは、1パルスの駆動信号を与えることにより1step進み、120パルスの駆動信号を与えることにより1回転するように設定されている。なお、払出モータ127はハウジング121内に収容されている。
回転体126の周縁には、180°間隔で2箇所に、凹部126aが形成されている。凹部126aは、曲面状となっておりその曲率は遊技球の曲率と同程度となっている。また、回転体126の周縁における凹部126a間の部位と収容部125の通路壁との間の距離が遊技球の直径寸法よりも短くなっているのに対して、凹部126aと収容部125の通路壁との間の距離は遊技球の直径寸法よりも長くなっている。これにより、遊技球通路123を流下してきた遊技球が回転体126の凹部126aに到達すると、当該遊技球は回転体126の回転に伴って下流側に導出される。
遊技球通路123には、収容部125よりも下流側の位置に略平板状をした払出球検知センサ128が設置されている。払出球検知センサ128は、周知の磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、貫通孔を遊技球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して出力する。この払出球検知センサ128により、払出装置77を介して払い出された遊技球の数が確認できるようになっている。
また、図示による説明は省略するが、上記遊技球通路123は入口側が2列となるように形成されているのに対して、出口側が1列となるように形成されている。そして、回転体126は、2列の入口側の通路に対して個別に設けられている。この場合、凹部126aは、一の通路についてそれぞれ180°間隔で形成されているが、一対の通路間では、その凹部126aの位置が相互に90°ずらして形成されている。したがって、上記のように入口側の通路が2列並設された構成であっても、各入口側の通路からは出口側の通路に対して1個の遊技球が交互に払い出される。その交互に払い出される遊技球の払出周期は、払出モータ127の駆動速度に応じて一定となる。そして、その1個ずつ交互に払い出される遊技球は、出口側の通路に設けられた払出球検知センサ128により検知される。
払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック73のベース部101に設けられた遊技球分配部131に供給される。遊技球分配部131は、払出装置77より払い出された遊技球を上皿61a、下皿62a又は排出通路の何れかに振り分けるための機能を有する。
ここで、下皿62aへ導く通路上には、満タン検知センサが設けられている。満タン検知センサは払出制御装置78に対して検知信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。これにより、下皿62aにおける遊技球の貯留状態が満タン状態であるか否かを判断することができる。
満タン検知センサから出力される検知信号が満タン状態であることを示す場合には、払出制御装置78は、払出異常状態であるとして、払出装置77による遊技球の払出を停止させる。これにより、下皿62aが満タン状態であるにも係らず、賞球の払出が継続することが回避される。かかる賞球払出の停止は、満タン状態が解除されることにより解除される。また、払出制御装置78において満タン状態であると特定された場合、それに対応した報知処理が実行される。
払出機構部74には、裏パック基板132が設置されている。裏パック基板132には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ132aの切換操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
制御装置集合ユニット75は、ベース部101の下端部に取り付けられている。制御装置集合ユニット75の搭載部75aには、払出制御装置78と電源及び発射制御装置79と球貸用接続端子板141が搭載されている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79と球貸用接続端子板141は、払出制御装置78及び球貸用接続端子板141がパチンコ機10後方となり電源及び発射制御装置79がパチンコ機10前方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置78は、無色透明の基板ボックス78a内に払出装置77を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置78から払出装置77への払出指令の信号は上述した裏パック基板132により中継される。
電源及び発射制御装置79は、基板ボックス79a内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射操作装置55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置79にはRAM消去スイッチ79bが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ79bを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
球貸用接続端子板141は、球貸装置Y、払出制御装置78及びパチンコ機10前面の球貸操作装置に電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置78に出力するものである。
<パチンコ機10の電気的構成>
パチンコ機10の電気的構成について図8を用いて説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板201を具備している。主制御基板201には主側MPU202が搭載されており、その主側MPU202には、主側ROM203及び主側RAM204が設けられている。
主側ROM203は、主側MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。主側RAM204は、主側ROM203内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
主制御基板201には入出力ポート(図示略)が設けられており、入出力ポートを介して、主側MPU202と各種制御装置、各種センサ等とが接続されている。主側MPU202は、各種センサの検知結果を把握し、その検知結果に基づき各種制御装置を制御する。
詳細には、主側MPU202は、第1作動口33、第2作動口34、可変入賞装置32、及び一般入賞口31への入賞をそれぞれ検知する各種入賞検知センサ83a〜83eと、スルーゲート35を通過した遊技球を検知するスルー検知センサ83fと電気的に接続されている。主側MPU202では、各種入賞検知センサ83a〜83eから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)を行う。この場合、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33又は第2作動口34への入賞を特定した場合には、各入賞対象に対応した遊技球の払い出しが実行されるようにするための処理を実行する。また、第1作動口33又は第2作動口34への入賞を特定した場合には、各種カウンタの数値情報を取得して保留情報として記憶するとともに、保留情報が記憶されている場合には、可変入賞装置32が複数回に亘って開閉される開閉実行モードに移行させるか否かの当否判定(当否抽選)や当該開閉実行モード後の遊技状態を決定するための振分判定を行う。そして、それら当否判定や振分判定の結果に基づいて、遊技を進行させる。
また、主側MPU202には、内枠開放スイッチ104と、前扉枠14が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する前扉枠開放スイッチ205が接続されている。これにより、主側MPU202は、内枠13及び前扉枠14が開放されているか否かを特定することが可能となっている。
主側MPU202には、可変入賞装置32を開閉動作させる可変入賞駆動部32aと、第2作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bとが電気的に接続されている。また、主側MPU202には、メイン表示部43と、役物用表示部44とが電気的に接続されている。主側MPU202は各種駆動部32a,34bの駆動制御を実行するとともに各種表示部43,44の表示制御を実行する。
詳細には、開閉実行モードにおいては可変入賞装置32が開閉されるように、主側MPU202において可変入賞駆動部32aの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように主側MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、主側MPU202においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、主側MPU202において役物用表示部44の表示制御が実行される。
主側MPU202には、音声発光制御装置72及び払出制御装置78が接続されている。主側MPU202は、音声発光制御装置72に、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドを出力する。音声発光制御装置72は、上記各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに対応する処理を実行する。
主側MPU202は、払出制御装置78に、例えば入賞検知結果に基づいて賞球コマンドを出力する。払出制御装置78は、賞球コマンドを受信した場合に、賞球コマンドにて設定された遊技球数だけ払出が行われるように払出装置77を駆動制御する。
払出制御装置78について詳細に説明すると、払出制御装置78は、払出装置77による遊技球の払出制御を行う払出制御基板211を備えている。払出制御基板211には、払出側MPU212が搭載されており、払出側MPU212には、その払出側MPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶した払出側ROM213と、ワークメモリ等として使用される払出側RAM214とを備えている。
払出側MPU212には、入出力ポートが設けられている。払出側MPU212の入力側には、主制御基板201、電源及び発射制御装置79及び払出装置77が接続されている。また、払出側MPU212の出力側には、主制御基板201と、払出モータ127の駆動を行うモータドライバ215とが接続されている。モータドライバ215は、払出側MPU212からの駆動信号に基づいて、所定の周期で、励磁信号を払出モータ127に出力する。
ここで、払出モータ127の回転モードとして、回転速度が相対的に高低となる高速モードと低速モードとが設定されており、払出側MPU212は、払出モータ127の駆動、及び回転モード双方を制御する。すなわち、払出側MPU212は、モータドライバ215に対して回転モードを特定するための情報が含まれた駆動信号を出力する。モータドライバ215は、上記駆動信号に基づいて、当該駆動信号に対応する出力間隔で励磁信号を出力する。詳細には、払出制御装置78からの駆動信号が高速モードに対応したものである場合には、励磁信号の出力間隔を短くする一方、払出制御装置78からの駆動信号が低速モードに対応したものである場合には、励磁信号の出力間隔を長くする。
ここで、払出モータ127の回転モードが高速モードである場合、低速モードと比較して、遊技球の払出間隔が短くなっている。すなわち、高速モード及び低速モードは、遊技球を払い出す速度が相対的に高低となるモードであり、換言すれば単位時間当りの遊技球の払出個数が相対的に多少となるモードであると言える。
また、払出側MPU212の入力側には、払出球検知センサ128から遊技球の検知の有無を示す検知信号が入力される。これにより、払出装置77により払い出された遊技球を払出制御装置側にて把握することができる。
また、払出側MPU212は球貸用接続端子板141を介して球貸装置Yと電気的に接続されており、払出側MPU212は、球貸装置Yとの間で電気信号の入出力を行うことで貸球の制御を実行する。
また、払出側MPU212には、球無検知センサ113a及び満タン検知センサ216が接続されており、満タン検知センサ216及び球無検知センサ113aからの検知信号は払出側MPU212に入力される。これにより、下皿62aが満タン状態となっているか否かの特定や、タンク76が球無状態となっているか否かの特定を行うことが可能となっている。
なお、払出側MPU212は、払出異常状態となっているか否かの特定結果、具体的には下皿62aが満タン状態となっているか否かの特定結果及びタンク76が球無状態となっているか否かの特定結果を主側MPU202に出力する。これにより、払出異常状態となっているか否かを、主側MPU202において把握することができるようになっている。
なお、図面の関係上、図示は省略するが、内枠開放スイッチ104及び前扉枠開放スイッチ205は、払出側MPU212にも接続されている。これにより、払出側MPU212側においても、内枠13及び前扉枠14の開閉状態を把握することが可能となっている。なお、これに限られず、主側MPU202が上記内枠開放スイッチ104や、前扉枠開放スイッチ205の検知信号を払出側MPU212に出力する構成としてもよい。
電源及び発射制御装置79は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置78等に各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置79は遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構51は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置72には、図示しないサブ側CPU、サブ側ROM、サブ側RAMが設けられている。音声発光制御装置72のサブ側CPUは、主制御装置71の主側MPU202から受信したコマンドに基づき、各保留ランプ部45〜47、表示ランプ部58a、エラーランプ部58b及びスピーカ部59を駆動制御するとともに、表示制御装置220にコマンドを送信する。表示制御装置220は、音声発光制御装置72から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置41における画像の表示を制御する。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
主側MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1表示部43a及び第2表示部43b並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口34の電動役物34aを開状態とするか否かのサポート抽選に使用する電役乱数カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値が主側RAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ204aに適宜格納される。主側RAM204には、第1表示部用保留エリアRaと、第2表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア204bが設けられている。そして、この保留球格納エリア204bに、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで主側RAM204の保留球格納エリア204bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM204の第1表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM204の第2表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM203の各種テーブル記憶エリア203aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。
ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第2作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置32の開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は可変入賞装置32への入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置32の開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は可変入賞装置32への入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射操作装置55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構51が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の可変入賞装置32の開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の可変入賞装置32の開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける可変入賞装置32の開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の可変入賞装置32の開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
第2作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードでは、電役乱数カウンタC4を用いたサポート抽選におけるサポート当選となる確率は例えば80%に設定されており、高頻度サポートモードでは、100%に設定されている。そして、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、サポート当選となった際に電動役物34aが開状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいてサポート当選となり電動役物34aの開状態が複数回発生する場合において、1回の開状態が終了してから次の開状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されており、詳細には遊技球の発射周期よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されており、詳細には遊技球の発射周期よりも短く設定されている。すなわち、高頻度サポートモード中では、閉状態となっている期間が、遊技球の発射周期よりも短くなっている。これにより、高頻度サポートモードの状況下では、右側領域を流下する遊技球は、実質的に全て第2作動口34に入賞する。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。詳細には、高頻度サポートモードでは、右側領域を流下する遊技球がほぼ100%の確率で第2作動口34に入賞する。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで主側RAM204の保留球格納エリア204bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM204の第1表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM204の第2表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM203の各種テーブル記憶エリア203aに記憶されている振分テーブルに設定されている。ここで、振分テーブルとして、第1表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、第2表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1表示部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2表示部用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1表示部用の振分テーブル及び第2表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、第2作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、第2作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、第1作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、第1作動口33と第2作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口33及び第2作動口34のうち、第2作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、外れ結果として、特別外れ状態となる特別外れ結果を設定してもよい。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードである。したがって、特別外れ結果となったとしても、可変入賞装置32への遊技球の入賞は期待できない。また、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
上記のように特別外れ結果を設定した場合、可変入賞装置32の可変入賞装置32の開放を演出として用いることができる。ここで、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態下で、特別外れ結果となった場合、低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行するのみであり、その後には上記通常遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが低確率モードとなるのに対して後者においては高確率モードとなることで相違する。つまり、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞装置32の挙動及び第2作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで主側RAM204の保留球格納エリア204bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM204の第1表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM204の第2表示部用保留エリアRbに格納される。そして、主側ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、主側MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1表示部43a及び第2表示部43bにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とを主側MPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1表示部43a又は第2表示部43bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電役乱数カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電役乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM204の電役保留エリア204cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電役乱数カウンタC4の値によって電動役物34aを開状態に制御するか否かのサポート抽選が行われる。
既に説明したように、主側MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1表示部43a及び第2表示部43bにおける変動表示時間、及び図柄表示装置41にて行われる絵柄の変動パターンを決定付ける変動パターンコマンドが決定される。
<保留球格納エリア204bの構成>
次に、保留球格納エリア204bの構成を、図9を用いてより詳細に説明する。
第1表示部用保留エリアRaは、第1作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。また、第2表示部用保留エリアRbは、第2作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。ここで、第1表示部用保留エリアRa及び第2表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
第1表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜599のいずれかの大当たり乱数カウンタC1値が0〜9の下位10ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち10〜15の上位6ビットは未使用領域となっている。
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち第1作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
また、保留球格納エリア204bには、第1表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
図9に示す実行エリアAEは、各表示部43a,43bの変動表示を開始する際に、第1表示部用保留エリアRa又は第2表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、各表示部用保留エリアRa,Rbの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域とにより構成されている。
<主側MPU202側の遊技球の払出に係る電気的構成について>
主側MPU202側の遊技球の払出に係る電気的構成について図10を用いて説明する。図10(a)は各賞球用カウンタを説明するための説明図、図10(b)は各賞球コマンドを説明するための説明図である。
主側MPU202は、遊技球の払出に用いるものとして、主側RAM204の各種カウンタエリア204dに設けられた各賞球用カウンタエリア231〜234を備えている。
各賞球用カウンタエリア231〜234は、図10(a)に示すように、15個賞球用カウンタエリア231と、10個賞球用カウンタエリア232と、3個賞球用カウンタエリア233と、1個賞球用カウンタエリア234とからなる。
ここで、本パチンコ機10には既に説明したように、賞球用入球部(又は賞払出用通過部)として、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34が設けられており、各賞球用入球部ごとに入球に対する賞球数(払い出される遊技球の個数)が異なっている。具体的には、一般入賞口31に入球した場合の賞球数は10個であり、可変入賞装置32に入球した場合の賞球数は15個であり、第1作動口33に入球した場合の賞球数は3個であり、第2作動口34に入球した場合の賞球数は1個である。
当該構成において、15個賞球用カウンタエリア231に格納されている15個賞球用カウンタPC1は、は可変入賞装置32への入球に対する15個賞球をあと何回行うかを記憶するものである(可変入賞装置32への入球に対する15個賞球の未実施回数を記憶するものである)。
10個賞球用カウンタエリア232に格納されている10個賞球用カウンタPC2は、一般入賞口31への入球に対する10個賞球をあと何回行うかを記憶するものである(一般入賞口31への入球に対する10個賞球の未実施回数を記憶するものである)。
3個賞球用カウンタエリア233に格納されている3個賞球用カウンタPC3は第1作動口33への入球に対する3個賞球をあと何回行うかを記憶するものである(第1作動口33への入球に対する3個賞球の未実施回数を記憶するものである)。
1個賞球用カウンタエリア234に格納されている1個賞球用カウンタPC4は第2作動口34への入球に対する1個賞球をあと何回行うかを記憶するものである(第2作動口34への入球に対する1個賞球の未実施回数を記憶するものである)。
各賞球用カウンタエリア231〜234は、それぞれ1バイトで構成されている。このため、各賞球用カウンタPC1〜PC4は256の数値情報を取り得ることができる。よって、賞球の未実施回数はそれぞれ、最大で255回まで覚えることが可能となっている。
主側MPU202は、上記各賞球用カウンタエリア231〜234に記憶されている各賞球用カウンタPC1〜PC4に基づいて、入賞発生の有無を判定し、入賞発生有りと判定した場合には、主側ROM203のコマンド記憶エリア203bに設定された複数種の賞球コマンドのうち、その入賞の種類に対応した賞球コマンドを払出制御装置78に出力する。
ここで、賞球コマンドの形態について図10(b)を用いて説明する。
賞球コマンドとしては、15個賞球コマンドと、10個賞球コマンドと、3個賞球コマンドと、1個賞球コマンドとが設定されている。15個賞球用カウンタPC1に基づいて賞球コマンドが出力される場合には15個賞球コマンドが出力され、10個賞球用カウンタPC2に基づいて賞球コマンドが出力される場合には10個賞球コマンドが出力され、3個賞球用カウンタPC3に基づいて賞球コマンドが出力される場合には3個賞球コマンドが出力され、1個賞球用カウンタPC4に基づいて賞球コマンドが出力される場合には1個賞球コマンドが出力される。
各賞球コマンドは2バイトで構成されている。すなわち、各賞球コマンドは上位情報と下位情報とを備えており、それら各情報はそれぞれ1バイトで構成されている。つまり、上位情報と下位情報とは同数のビット数で構成されている。これら上位情報及び下位情報のうち、上位情報には払出側MPU212において本コマンドが賞球コマンドであることを特定するための情報が設定されており、下位情報には払出側MPU212において本賞球コマンドの賞球数の情報が設定されている。
各賞球コマンドの具体的な情報形態は図10(b)に示すとおりである。この場合に、任意の一の賞球コマンドは、上位情報と下位情報との加算を演算した場合の1バイトからなる情報の形態が16進数で「FF」となるように設定されている。例えば、15個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11110000」となっており、下位情報が「00001111」となっている。そして、これらの加算を演算すると、「11111111」となる。また、3個賞球コマンドについて詳細には、上位情報が「11111100」となっており、下位情報が「00000011」となっている。そして、これらの加算を演算すると、「11111111」となる。賞球コマンドが上記のような形態となっていることにより、払出側MPU212では、主側MPU202から入力した賞球コマンドが正常か否かの判定を行うことができるようになっている。
<主側MPU202にて実行される各種処理について>
次に、主側MPU202にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側MPU202の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的(例えば4msec)に起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図11のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。当該メイン処理は、タイマ割込み処理が禁止された状況下で開始される。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RAM204のアクセスを許可するとともに、ステップS103にて主側MPU202の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置79に設けられたRAM消去スイッチ79bが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、主側RAM204の停電フラグに1がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ79bを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチ79bが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM204の初期化として当該主側RAM204をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチ79bが押されていない場合には、停電フラグに1がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。これについては、後述する。
続くステップS110では、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS111〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、主側MPU202はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS111〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS111〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS111にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。その後、ステップS112にて、変動種別カウンタCS及び乱数初期値カウンタCINIの更新処理を実行する。
当該更新処理では、主側RAM204の変動種別カウンタバッファから現状の変動種別カウンタCSの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
同様に、主側RAM204の乱数初期値カウンタバッファから現状の乱数初期値カウンタCINIの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS111に戻り、ステップS111〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図12のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、電源及び発射制御装置79から供給されている電圧状態を監視することで停電状態を監視する停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では、抽選用乱数(各カウンタC1〜C4)の更新処理を実行する。具体的には、各カウンタC1〜C4に対応するカウンタバッファから現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、上書きする処理を実行する。この場合、各カウンタC2〜C4については、数値情報が最大値に達した場合に数値情報を最小値である0にクリアする。大当たり乱数カウンタC1については、数値情報が最大値に達した場合に数値情報を、その時点における乱数初期値カウンタCINIの数値情報に設定する。
ステップS203では、上記ステップS112と同様に、変動種別カウンタCS及び乱数初期値カウンタCINIの更新処理を実行する。
続くステップS204では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32a,34bに行うための処理を実行する。例えば、可変入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32aへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS205では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号(各入賞検知センサ83a〜83eの検知信号)以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS206では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ83a〜83eから受信している検知信号を読み込むとともに、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無を特定する処理を実行する。これについては後述する。
続くステップS207では、主側RAM204に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS208では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置55に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS209では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の内容は後に説明する。
続くステップS210にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理の内容は後に説明する。
続くステップS211では、直前のステップS209及びステップS210の処理結果に基づいて、メイン表示部43に係る保留情報の増減個数を各保留ランプ部45,46に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44に係る保留情報の増減個数を第3保留ランプ部47に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS211では、直前のステップS209及びステップS210の処理結果に基づいて、メイン表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS212では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行する。
ステップS213では、払出制御装置78から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。詳細には、払出制御装置78は、賞球の払出を行うことが可能な場合(払出制御装置78が把握している賞球数、具体的には払出対象の遊技球数が特定数以下となった場合)には、払出が可能であることを示す賞球許可信号を出力する。また、払出制御装置78は、払出装置77による払出に異常が発生した場合には、払出異常信号を出力する。ステップS313では、上記賞球許可信号及び払出異常信号の状態を確認する。
なお、払出装置77による払出の異常には、例えば球無検知センサ113aにより遊技球が無いと判断された場合や、満タン検知センサ216により下皿62aに貯留されている遊技球が満タンである場合などが含まれる。
続く、ステップS214では、賞球コマンドを出力するための払出出力処理を実行する。これについては、後で説明する。
そして、ステップS215にて、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように、外部端子板103への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する。
ステップS216では、割込み終了宣言の設定を実行する。主側MPU202では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS216では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。
また、ステップS217では、割込み許可の設定を行う。主側MPU202では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS217では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<入賞検知処理>
ステップS206の入賞検知処理について図13のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS301にて、第1作動口入賞検知センサ83aの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものであるか否かを判定する。入賞に対応したものである場合には、ステップS302に進み、主側RAM204の各種フラグ格納エリア204eに設けられた第1作動口入賞フラグ格納エリアに第1作動口入賞フラグをセットする。第1作動口入賞フラグは、第1作動口33への入賞が発生したことを特定するためのフラグである。そして、ステップS303にて、3個賞球用カウンタPC3を1加算する処理を実行し、ステップS304に進む。
また、第1作動口入賞検知センサ83aの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものでない場合には、ステップS304に進む。
ステップS304では、第2作動口入賞検知センサ83bの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものであるか否かを判定する。入賞に対応したものである場合には、ステップS305に進み、主側RAM204の各種フラグ格納エリア204eに設けられた第2作動口入賞フラグ格納エリアに第2作動口入賞フラグをセットする。第2作動口入賞フラグは、第2作動口34への入賞が発生したことを特定するためのフラグである。そして、ステップS306にて、1個賞球用カウンタPC4を1加算する処理を実行する。
その後、ステップS307にて、特定期間の計測を開始して、ステップS308に進む。具体的には、特定期間タイマカウンタに、特定期間に対応した特定値(例えば5000)を設定し、カウントダウンを開始する。特定期間タイマカウンタは、第2作動口34への入賞タイミングからの期間を計測するためのタイマカウンタであり、ステップS307にて1ずつ減算される。
また、第2作動口入賞検知センサ83bの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものでない場合には、ステップS308に進む。
ステップS308では、可変入賞検知センサ83cの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものであるか否かを判定する。入賞に対応したものである場合には、ステップS309に進み、主側RAM204の各種フラグ格納エリア204eに設けられた可変入賞フラグ格納エリアに可変入賞フラグをセットする。可変入賞フラグは、可変入賞装置32への入賞が発生したことを特定するためのフラグである。そして、ステップS310にて、15個賞球用カウンタPC1を1加算する処理を実行して、ステップS311に進む。
また、可変入賞検知センサ83cの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものでない場合には、ステップS311に進む。
ステップS311では、スルー検知センサ83fの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものであるか否かを判定する。入賞に対応したものである場合には、ステップS312に進み、主側RAM204の各種フラグ格納エリア204eに設けられたスルーフラグ格納エリアにスルーフラグをセットする。スルーフラグは、スルーゲート35を遊技球が通過したことを特定するためのフラグである。そして、ステップS313に進む。
また、可変入賞検知センサ83cの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものでない場合には、ステップS313に進む。
ステップS313では、各一般入賞口検知センサ83d,83eの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものであるか否かを判定する。入賞に対応したものである場合には、ステップS314に進み、10個賞球用カウンタPC2を1加算する処理を実行して、本処理を終了する。
<普図普電制御処理>
次に、説明の都合上、先ずステップS210にて実行される普図普電制御処理について図14のフローチャートを用いて説明する。
普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行する。そして、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報についてサポート抽選を行い、そのサポート抽選を契機として、普図用の演出を行うための処理を実行する。また、サポート抽選の抽選結果に基づいて、第2作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
具体的には、先ずステップS401にて、普図側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、スルーフラグ格納エリアにスルーフラグがセットされていることを条件として、電役乱数カウンタC4の数値情報(すなわち、普図側の保留情報)を電役保留エリア204cに格納する処理を実行する。但し、普図側の保留情報の取得は保留の上限値の範囲内で行われる。ちなみに、スルーフラグは普図側の保留情報の取得が行われた場合にクリアされる。
続くステップS402では、主側RAM204の各種カウンタエリア204dに設けられた普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS403では、主側ROM203の各種テーブル記憶エリア203aに記憶されている普図普電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS404にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS402〜ステップS404の処理内容について説明する。
既に説明したとおり、普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、及び電動役物34aの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、電動役物34aの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU202にて把握するためのカウンタである。普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは0〜4の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合であってその数値情報を更新すべき条件が成立している場合に、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は0クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU202にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
ステップS404の処理を実行した後は、ステップS405に進む。ステップS405では、ステップS404にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS406の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS407の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS408の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS409の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS410の普電閉鎖中処理にジャンプする。そして、ステップS406〜ステップS410のいずれかの処理を実行した後に、本普図普電制御処理を終了する。以下、ステップS406〜ステップS410の処理について個別に説明する。
先ず、ステップS406の普図変動開始処理について説明する。普図変動開始処理では、電役保留エリア204cに普図側の保留情報が保留記憶されているか否かを判定し、普図側の保留情報が記憶されている場合には、サポート抽選を実行する。詳細には、電役保留エリア204cに記憶されている電役乱数カウンタC4がサポート当選に対応した値であるか否かを判定する。そして、サポート抽選の抽選結果に基づいて、役物用表示部44における普通図柄の変動表示時間である普図変動時間を決定する。この場合、高頻度サポートモードの普図変動時間は、遊技球の発射周期よりも短く設定されている。
そして、役物用表示部44にて普図の変動表示を開始させ、普図普電カウンタを0から1に更新して、本普図変動開始処理を終了する。
ステップS407の普図変動中処理では、役物用表示部44における表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、普図変動時間の経過を確認したことを条件として、普図普電カウンタを1から2に更新する。
ステップS408の普図確定中処理では、サポート抽選の抽選結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選ではない場合には、普図普電カウンタの数値情報を0クリアした後に、本普図確定中処理を終了する。一方、サポート当選である場合には、電動役物34aを予め定められた態様で開閉動作させる。これにより、第2作動口34への遊技球の入賞が可能となる。当該開閉動作は、第2作動口34への遊技球の入賞個数が予め定められた上限個数となること、又は開放時間が予め定められた上限時間となる、のいずれかが成立するまで継続させる。
この場合、サポートモードに対応した開放時間を設定する。詳細には、低頻度サポートモードでは、電動役物34aにおいて相対的に開放時間が短い短時間開放が1回実行されるのに対して、高頻度サポートモードでは、電動役物34aにおいて相対的に開放時間が長い長時間開放が複数回(3回)実行される。この場合、1の長時間開放と次の長時間開放との間隔は遊技球の発射周期よりも短く設定されている。
そして、普図普電カウンタを2から3に更新して、本普図確定処理を終了する。
ステップS409の普電開放中処理では、閉鎖タイミング又はサポート終了条件が成立するまで電動役物34aの開放状態を維持する。電動役物34aの開放中に入賞個数が上限個数となりサポート終了条件が成立した場合、又は閉鎖タイミング(高頻度サポートモードにあっては3回目の開放に係る閉鎖タイミング)となった場合には、普図普電カウンタを0に初期化して、本普電開放中処理を終了する。
一方、高頻度サポートモードにおける1回目又は2回目の開放に係る閉鎖タイミングとなった場合には、普図普電カウンタを3から4に更新して、本普電開放中処理を終了する。
ステップS410の普電閉鎖中処理では、電動役物34aの閉鎖状態を維持するとともに、閉鎖時間が経過した場合には電動役物34aを再度開放状態とするための処理を実行する。具体的には、普図普電カウンタを4から3に更新する。
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図12)のステップS209にて実行される特図特電制御処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、先ずステップS501にて、特図側の保留情報の取得処理を実行する。当該特図側の保留情報の取得処理について図16のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS601にて、遊技球が第1作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。詳細には、第1作動口入賞フラグがセットされているか否かを判定する。遊技球が第1作動口33に入賞したと判定すると、ステップS602では、第1作動口入賞フラグを消去する。
続くステップS603では、第1作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するための外部信号設定処理を行う。なお、当該外部信号設定処理はステップS215にて実行してもよい。
ステップS604では、第1表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。
一方、ステップS601にて遊技球が第1作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS605では、遊技球が第2作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。詳細には、第2作動口フラグがセットされているか否かを判定する。遊技球が第2作動口34に入賞したと判定すると、ステップS606にて第2作動口フラグを消去する。
その後、ステップS607では、第2作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するための外部信号設定処理を行う。なお、当該外部信号設定処理はステップS215にて実行してもよい。
ステップS608では、第2表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。
ステップS604又はステップS608の処理を実行した後は、ステップS609〜ステップS613にて、保留情報の取得処理を行い、本処理を終了する。
具体的には、先ずステップS609では、始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS610にて対応する表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS611にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNという)を1インクリメントする。
続くステップS612では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS610にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS610にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS610にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS613では、保留コマンドを音声発光制御装置72への送信対象のコマンドとして設定した後に、本処理を終了する。保留コマンドは、ステップS211の表示制御処理にて音声発光制御装置72に送信される。音声発光制御装置72では、受信した保留コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46における表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
一方、ステップS601,ステップS605が共にNOの場合、すなわち各作動口33,34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本処理を終了する。
特図特電制御処理(図15)の説明に戻り、ステップS501にて特図側の保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS502に進む。ステップS502では、主側RAM204の各種カウンタエリア204dに設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS503では、主側ROM203の各種テーブル記憶エリア203aに記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS504にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS502〜ステップS504の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS506)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS507)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS508)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS509)と、可変入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS510)と、可変入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS511)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS512)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU202にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS506)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS507)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS508)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS509)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS510)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS511)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS512)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は0クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として0が設定されている。
上記構成によれば、特図特電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU202にて把握することが可能となる。例えば、遊技回用の演出は、他の遊技回用の演出が実行されておらず且つ開閉実行モードではない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、遊技回用の演出に係る処理にて、遊技回用の演出を開始させる前に、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。また、遊技回用の演出の実行中には、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、確定表示中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。
また、開閉実行モードは、遊技回用の演出が終了し且つ他の開閉実行モードが実行されていない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、開閉実行モードに係る処理にて、開閉実行モードを開始させる前に、遊技回用の演出が終了したことを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じ、さらにオープニング中である場合には、オープニング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。また、オープニング以降では、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行うとともに、可変入賞装置32が開放中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。さらにまた、エンディング中である場合には、エンディング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
これに対して、特図特電カウンタを利用すれば、様々なフラグを用意しておく必要はなく、さらには各処理の実行タイミングを確認する際の情報も集約される。よって、処理の簡素化が図られる。
ステップS504の処理を実行した後は、ステップS505にて、ステップS504にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS506の特図変動開始処理にジャンプする。
特図変動開始処理について図17のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS701では、共通保留数CRNが1以上であるか否かを判定する。共通保留数CRNが1未満である場合には、各表示部用保留エリアRa,Rbにいずれの保留情報も記憶されていないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが1以上である場合には、ステップS702にてデータ設定処理を実行する。データ設定処理について図18のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS801にて、第2表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが0か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが0である場合にはステップS802〜ステップS807の第1表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが0でない場合にはステップS808〜ステップS813の第2表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが0であるか否かを判定し、0でない場合、すなわち第2表示部43bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1表示部用保留エリアRa及び第2表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口34に対応した第2表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS802にて、第1表示部用保留エリアRaの第1保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS803では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS804では、第1表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS805にて第1表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS806では、主側RAM204の各種フラグ格納エリア204eに設けられた第2表示部フラグ格納エリア(第2表示部情報記憶手段)に第2表示部フラグ(第2表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1表示部43a又は第2表示部43bのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS807では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定するための処理を実行する。この場合、主側ROM203のコマンド記憶エリア203bから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定する。そして、本データ設定処理を終了する。
ステップS807にて設定されたシフト時コマンドは、ステップS211にて音声発光制御装置72に向けて送信される。音声発光制御装置72では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS808にて、第2表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS809では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS810では、第2表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS811にて第2表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS812では、主側RAM204の各種フラグ格納エリア204eに設けられた第2表示部フラグ格納エリア(第2表示部情報記憶手段)に第2表示部フラグ(第2表示部情報)が記憶されていない場合には第2表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS813では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置72に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、主側ROM203のコマンド記憶エリア203bから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定する。そして、本データ設定処理を終了する。
ステップS813にて選定されたシフト時コマンドは、ステップS211にて音声発光制御装置72に向けて送信される。音声発光制御装置72では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
特図変動開始処理(図17)の説明に戻り、データ設定処理を実行後は、ステップS703にて当否判定処理を実行する。詳細には、現状の当否抽選モードを把握し、その把握された当否抽選モードに対応した当否テーブルを参照することにより、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1が当否テーブルに設定されている当選値に一致しているか否かを判定する。
その後、ステップS704にて、当否判定の結果が大当たり当選か否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS705に進み、振分判定処理を実行する。具体的には、第2表示部フラグを確認することにより、今回の変動表示の契機となった保留情報が各作動口33,34のうちいずれの入賞に基づくものであるかを把握する。その後、その把握結果に対応した振分テーブルを読み出す。そして、上記読み出した振分テーブルを参照することにより、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS706では、大当たりフラグをセットする。詳細には、各大当たり結果に対応させて複数種の大当たりフラグが設定されている。ステップS706では、ステップS705における振分結果に対応した大当たりフラグを所定のフラグ格納エリアにセットする。これにより、いずれの大当たり結果に当選したかを特定することができる。
その後、ステップS707では、大当たり結果用停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、第2表示部フラグに基づいて、各表示部43a,43bのうち今回の変動表示の対象となる表示部を特定する。そして、大当たりフラグの種別に基づいて停止結果を決定する。
一方、大当たり当選でない場合には、ステップS704を否定判定し、外れ結果用の停止結果を設定する処理を実行する。
ステップS707又はステップS708の処理を実行した後は、ステップS709にて、変動パターンコマンド設定処理を実行する。コマンド記憶エリア203bには、演出時間の異なる複数種類の変動パターンコマンドが設定されており、変動種別カウンタCSを用いて、複数種類の変動パターンコマンドのうち1の変動パターンコマンドを選択し、出力対象として設定する。これにより、変動パターンコマンドは音声発光制御装置72に向けて送信される。この場合、選択された変動パターンコマンドに設定されている演出時間を、変動表示の対象となる表示部の変動表示時間に設定する。つまり、ステップS709の処理は、メイン表示部43の変動表示時間を決定する処理であるとも言える。
その後、ステップS710にて、今回変動表示の対象となる表示部にて変動表示を開始し、ステップS711にて特図特電カウンタを1加算して本処理を終了する。
特図特電制御処理(図15)の説明に戻り、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS507の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続中(メイン表示部43の変動表示中)であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であればメイン表示部43における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS508の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置41にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置72に送信するとともに、メイン表示部43における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、確定表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該開閉実行モードへの移行用の処理を実行する。
ちなみに、確定表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。また、確定表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS509の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS510の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS511の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS512の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該特図特電カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
<払出出力処理について>
次にステップS214にて実行される払出出力処理について図19のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS901では、内枠開放スイッチ104及び前扉枠開放スイッチ205の検知結果に基づいて、内枠13又は前扉枠14が開放中であるか否かを判定する。
いずれか一方が開放中である場合にはそのまま本処理を終了する一方、いずれも閉鎖中である場合にはステップS902にて、払出制御装置78から出力される払出異常信号に基づいて、払出異常状態であるか否かを判定する。
払出異常状態である場合にはそのまま本処理を終了する一方、払出異常状態で無い場合には、ステップS903にていずれかの賞球用カウンタPC1〜PC4が1以上であるか否かを判定する。いずれの賞球用カウンタPC1〜PC4も0である場合には、そのまま本処理を終了する一方、いずれかの賞球用カウンタが1以上である場合には、ステップS904にて、払出制御装置78から入力された賞球許可信号が、賞球コマンドの出力を許可する状態を示すHIレベルであるか否かを判定する。賞球許可信号がHIレベルである場合には、ステップS905にて賞球コマンドの設定処理を実行して、本処理を終了する。
一方、賞球許可信号が、賞球コマンドの出力を禁止する状態を示すLOWレベルである場合には、ステップS906にて現状のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードでない場合にはそのまま本処理を終了する一方、高頻度サポートモードである場合には、ステップS907にて賞球用カウンタ調整処理を実行し、本処理を終了する。
賞球コマンドの設定処理について図20のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1001では、1個賞球用カウンタPC4が3以上であるか否かを判定する。1個賞球用カウンタPC4が3以上である場合には、ステップS1002に進み、出力対象のコマンドとして、1個賞球コマンドを3つ設定する。これにより、1個賞球コマンドが払出制御装置78に向けて順次送信される。そして、ステップS1003にて1個賞球用カウンタPC4を3減算する。
一方、1個賞球用カウンタPC4が3未満である場合には、ステップS1004にて、1個賞球用カウンタPC4が1以上であり、且つ特定期間が経過したか否かを判定する。ステップS1004を肯定判定する場合には、ステップS1005に進み、1個賞球用カウンタPC4と同一数の1個賞球コマンドを、出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS1006にて、1個賞球用カウンタPC4を0クリアする。
かかる構成によれば、1個賞球コマンドは、第2作動口34への入賞が発生する度に出力するのではなく、第2作動口34への入賞が3回行われたことに基づいて、まとめて出力される。また、第2作動口34への入賞が3回未満であっても、最後に入賞してから特定期間が経過した場合には、それまでに入賞した回数分の賞球コマンドが送信される。
ステップS1003又はステップS1006の処理を実行後は、ステップS1007にて、15個賞球用カウンタPC1が0でないか否かを判定する。
15個賞球用カウンタPC1が0でない場合には、ステップS1008に進み、15個賞球コマンドを出力対象として設定する。そして、ステップS1009にて、15個賞球用カウンタPC1を1減算する。
ステップS1007を否定判定する場合、又はステップS1009の処理を実行後は、ステップS1010にて、10個賞球用カウンタPC2が0でないか否かを判定する。
10個賞球用カウンタPC2が0でない場合には、ステップS1011に進み、10個賞球コマンドを出力対象として設定する。そして、ステップS1012にて、10個賞球用カウンタPC2を1減算する。
ステップS1010を否定判定する場合、又はステップS1012の処理を実行後は、ステップS1013にて、3個賞球用カウンタPC3が0でないか否かを判定する。
3個賞球用カウンタPC3が0でない場合には、ステップS1014に進み、3個賞球コマンドを出力対象として設定する。そして、ステップS1015にて、3個賞球用カウンタPC3を1減算して、本処理を終了する。また、3個賞球用カウンタPC3が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
ここで、賞球コマンドは、設定された順番に順次出力されるよう構成されている。このため、同一処理回にて各賞球コマンドが設定される場合には、1個賞球コマンド→15個賞球コマンド→10個賞球コマンド→3個賞球コマンドの優先順位で、各賞球コマンドが出力されることとなる。
既に説明した通り、高頻度サポートモードにおいては、第2作動口34への入賞頻度が他の入賞頻度よりも高くなる。このため、1個賞球用カウンタPC4がオーバーフローし易い。これに対して、賞球コマンドにおいて、高頻度サポートモードの状況下において他の入賞よりも頻度が高い入賞に係る1個賞球コマンドを優先的に出力する構成を採用した。これにより、1個賞球用カウンタPC4が減算され易くなるため、1個賞球用カウンタPC4がオーバーフローすることを抑制することができる。
さらに、高頻度サポートモードにおいて入賞頻度が高い1個賞球コマンドの後は、賞球数が多い順に賞球コマンドが出力されるように順番が設定されている。これにより、遊技者に有利なものから順次出力されることとなり、遊技者に好適に利益を付与することができる。
また、獲得される遊技球数が高い入賞が発生してから、実際にその入賞に基づく遊技球の払出が行われるまでのタイムラグが長くなると、遊技者に不信感を与える場合がある。特に、遊技者としては、獲得される遊技球数が高い入賞に注目し易いため、上記タイムラグが目立ち易い。これに対して、本実施形態によれば、1個賞球コマンドの後は、獲得枚数が多い賞球コマンドほど優先的に出力されるように構成されているため、遊技者に不信感を与えることを回避することができる。
ちなみに、本実施形態では、1のタイマ割込み処理中に設定可能なコマンド数については、制限されていない。
次に、賞球用カウンタ調整処理について図21のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1101にて、1個賞球用カウンタPC4が200以上であるか否か判定する。1個賞球用カウンタPC4が200未満である場合にはステップS1104に進む一方、1個賞球用カウンタPC4が200以上である場合には、ステップS1102にて15個賞球用カウンタPC1を1加算する。続くステップS1103では、1個賞球用カウンタPC4を15減算して、ステップS1104に進む。
ステップS1104では、3個賞球用カウンタPC3が200以上であるか否かを判定する。3個賞球用カウンタPC3が200未満である場合にはそのまま本処理を終了する一方、3個賞球用カウンタPC3が200以上である場合には、ステップS1105にて15個賞球用カウンタPC1を1加算する。続くステップS1106では、3個賞球用カウンタPC3を5減算して、本処理を終了する。
かかる処理によれば、1個賞球用カウンタPC4や3個賞球用カウンタPC3が上限値である255に近い200以上である場合には、15個賞球用カウンタPC1を1カウントアップさせて、その賞球(15個)に対応する分だけ各賞球用カウンタPC3,PC4を減算される。これにより、賞球数を維持しつつ、各賞球用カウンタPC3,PC4のオーバーフローを抑制することができる。
すなわち、高頻度サポートモードの状況下では、各作動口33,34(特に第2作動口34)への入賞の頻度が高くなることが想定される一方、可変入賞装置32への入賞は発生しない。このため、発生し易い各作動口33,34への入賞に係る各賞球用カウンタPC3,PC4がオーバーフローし易くなる。
これに対して、上記処理によれば、発生頻度が高い第2作動口34の入賞等に係る各賞球用カウンタPC3,PC4が上限値に近づいた場合には、それら各賞球用カウンタPC3,PC4に蓄積されている賞球の一部を、発生頻度が低くオーバーフローが発生しにくい15個賞球用カウンタPC1に移動させ、各賞球用カウンタPC3,PC4を減算する構成とした。これにより、賞球数を維持しつつ、発生頻度が高い入賞に係る賞球用カウンタPC3,PC4のオーバーフローを抑制することができる。
<払出側MPU212に手実行されるタイマ割込み処理について>
次に払出側MPU212にて遊技球の払出を行うために実行されるタイマ割込み処理について図22のフローチャートを用いて説明する。タイマ割込み処理は、電源投入に伴い起動されるメイン処理に対して、予め定められた周期(例えば2msec)で割り込んで実行されるものである。
先ず、ステップS1201では、本タイマ割込み処理にて設定された各種コマンドや信号等をモータドライバ215等に出力する外部出力処理を実行する。
続く、ステップS1202では、主制御装置71からの賞球コマンドを読み込む処理を実行する。ここで、既に説明したとおり、主制御装置71では、賞球コマンドは複数個まとめて出力される場合がある。これに対して、払出側RAM214には、複数コマンド分の記憶領域を有する賞球コマンド格納エリア214aが設けられている。主制御装置71から複数の賞球コマンドが出力された場合には、各賞球コマンドは、その出力された順番(主側MPU202で出力対象として設定された順番)で、賞球コマンド格納エリア214aの各記憶領域に順次記憶される。ステップS1202では、賞球コマンド格納エリア214aに賞球コマンドが記憶されているか否かを判定する。
その後、ステップS1203にて、払出装置77にて払い出すべき賞球数を決定する賞球設定処理を実行する。これについては、後に説明する。
続くステップS1204では、払出の状態を把握する状態検知処理を実行する。具体的には、内枠開放スイッチ104、球無検知センサ113a、前扉枠開放スイッチ205、満タン検知センサ216の検知信号を読み込む。
その後、ステップS1205では、賞球の払出の制御を行う賞球払出制御処理を実行する。これについては、後に説明する。
続くステップS1206では、貸球払出制御処理を実行する。具体的には、球貸用接続端子板141から、貸球の払出要求を示す信号が出力されているか否かを判断し、貸球の払出要求があると判定した場合には、賞球払出が行われていないことを条件として、貸球の払出を行うよう払出装置77を制御する処理を実行する。そして、ステップS1207にてその他の処理を実行して、本処理を終了する。
なお、賞球払出制御処理は貸球払出制御処理よりも先に実行される。そして、既に説明した通り、賞球払出が行われている場合には、貸球の払出は実行されない。つまり、賞球の払出は、貸球の払出よりも優先的に行われるようになっている。
賞球設定処理について図23のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1301では、ステップS1202のコマンド読み込み処理の結果に基づいて、賞球コマンド格納エリア214aに賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。賞球コマンドがない場合には、そのまま本処理を終了する一方、賞球コマンドが格納されている場合には、ステップS1302にて、格納されている賞球コマンドのうち最初の賞球コマンドを把握する。その後、ステップS1303にて、把握された賞球コマンドが1個賞球コマンドであるか否かを判定する。
1個賞球コマンドである場合には、ステップS1304に進み、払出側RAM214に設けられた払出カウンタエリア214bに格納されている払出カウンタXCを1加算する。払出カウンタXCは、払出装置77にて払い出す遊技球数を示すカウンタである。払出カウンタエリア214bは1バイトで構成されており、払出カウンタXCは最大で255となっている。すなわち、払出側MPU212側にて把握可能な払出対象の遊技球数は最大で255個である。
また、ステップS1304では、上記払出カウンタXCの更新のほかに、把握された賞球コマンド(賞球設定対象となった賞球コマンド)を消去する処理を実行する。
その後、ステップS1305に進み、未設定の賞球コマンドが存在するかを判定する。具体的には、賞球コマンド格納エリア214aに未だ賞球コマンドが存在するか否かを判定する。賞球コマンドが存在しない場合には、ステップS1316に進む。一方、賞球コマンドが存在する場合には、ステップS1306に進み、次の賞球コマンドを把握する。そして、ステップS1303に戻る。
把握された賞球コマンドが1個賞球コマンドではない場合には、ステップS1303を否定判定し、ステップS1307に進む。ステップS1307では、把握された賞球コマンドが15個賞球コマンドであるか否かを判定する。把握した賞球コマンドが15個賞球コマンドでない場合、ステップS1311に進む。一方、15個賞球コマンドである場合には、ステップS1308に進み、払出カウンタXCを15加算し、把握された賞球コマンドを消去する。
その後、ステップS1309に進み、未設定の賞球コマンドが存在するか否かを判定する。賞球コマンドが存在しない場合には、ステップS1316に進む一方、賞球コマンドが存在する場合には、ステップS1310に進み、次の賞球コマンドを把握して、ステップS1311に進む。
ステップS1311では、把握された賞球コマンドが10個賞球コマンドであるか否かを判定する。10個賞球コマンドではない場合にはステップS1315に進む。一方、10個賞球コマンドである場合には、ステップS1312に進み、払出カウンタXCを10減算し、今回把握された賞球コマンドを消去する。
その後、ステップS1313にて、未設定の賞球コマンドが存在するか否かを判定する。賞球コマンドが存在しない場合には、ステップS1316に進む。一方、賞球コマンドが存在する場合には、ステップS1314にて次の賞球コマンドを把握してステップS1315に進む。
ここで、ステップS1311を否定判定する場合、又はステップS1314の実行後は、把握された賞球コマンドが3個賞球コマンドであることを意味する。このため、ステップS1315では、払出カウンタXCを3加算する処理を実行し、把握された賞球コマンドを消去してステップS1316に進む。
ここで、既に説明したとおり、賞球コマンドは、1個賞球コマンド→15個賞球コマンド→10個賞球コマンド→3個賞球コマンドの順に送信される。そして、1回のタイマ割込み処理において、1個賞球コマンドについては複数設定されている場合がある一方、他の賞球コマンドは1個設定される。このため、把握される賞球コマンドが15個賞球コマンドとなるまでは、ステップS1303〜ステップS1306の処理を繰り返し実行することにより、複数まとめて送信される1個賞球コマンドに対応することが可能となる。
また、出力される賞球コマンドの順番に従って、各賞球コマンドの対応処理を実行するとともに、1個賞球コマンド以外の賞球コマンドについては、その賞球コマンドに係る対応処理を実行した場合には、次の賞球コマンドに係る対応処理を実行するように構成されているため、ループ回数及び判定回数を削減することが可能となる。これにより、賞球設定処理に係る処理負荷の軽減を図ることができる。
なお、上記構成に限られず、例えば1処理回当り1つの賞球コマンドについての対応処理を実行する構成としてもよい。
ステップS1316では、払出カウンタXCが4以上であるか否かを判定する。払出カウンタXCが4未満であればそのまま本処理を終了する一方、払出カウンタXCが4以上であれば、ステップS1317にて、賞球許可信号を、賞球コマンドの出力を許可するHIレベルから、賞球コマンドの出力を禁止するLOWレベルに設定して、本処理を終了する。
次に、賞球払出制御処理について図24のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1401では、貸球の払出中であるか否かを判定する。貸球の払出中である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、貸球の払出中でない場合には、ステップS1402に進み、賞球の払出中であるか否かを判定する。詳細には、払出側RAM214の各種フラグ格納エリア214cには、賞球の払出中であることを特定するための賞球払出中フラグが設定される賞球払出中フラグ格納エリアが設けられている。ステップS1402では、賞球払出中フラグ格納エリアに上記賞球払出中フラグがセットされているか否かを判定する。
賞球の払出中でない場合には、ステップS1403に進み、払い出す遊技球が存在するか否かを判定する。具体的には、払出カウンタXCが0でないかを判定する。
払出カウンタXCが0である場合にはそのまま本処理を終了する一方、払出カウンタXCが0でない場合には、ステップS1404に進み、払出装置77における遊技球の払出を開始させる。
ここで、払出カウンタXCに応じて、開始時の払出モータ127の回転モードを決定する。具体的には、払出カウンタXCが予め定められた特定値(例えば3)以上あるか否かを判定し、3以上であれば、払出モータ127が高速モードで回転開始するよう、高速モードに対応した駆動信号をモータドライバ215に出力する。一方、払出カウンタXCが3未満であれば、払出モータ127が低速モードで回転開始するよう、低速モードに対応した駆動信号をモータドライバ215に出力する。また、賞球の払出中であることを特定するべく、払出側RAM214の各種フラグ格納エリア214cに設けられた賞球払出中フラグ格納エリアに賞球払出中フラグをセットする。
ここで、通常1個賞球コマンドは3個まとめて出力される。また、他の賞球コマンドはいずれも3個以上の賞球を行うものである。このため、賞球の払出は、高速モードで開始され易くなっている。換言すれば、1個賞球コマンドは、各1個賞球コマンドにより払い出される遊技球数を加算したものが高速モードで動作する契機となる遊技球数となるように、まとめて出力するよう構成されている。
その後、ステップS1405にてその他の処理を実行して、本処理を終了する。
賞球の払出中でない場合には、ステップS1406に進み、内枠13又は前扉枠14が開放中であるか否かを判定するとともに、払出異常状態(球無検知センサ113aによりタンク76に遊技球がないと検知された状態、満タン検知センサ216により下皿62aに貯留されている遊技球が満タンであると検知された状態)であるか否かを判定する。
内枠13及び前扉枠14が開放中でなく、且つ払出異常状態でない場合には、ステップS1406を否定判定し、ステップS1407に進む。ステップS1407では、払出カウンタXCが0であるか否かを判定する。
ステップS1406又はステップS1407を肯定判定する場合には、ステップS1408にて、払出装置77による遊技球の払出を停止させる停止設定処理を実行して、ステップS1405に進む。具体的には、停止信号をモータドライバ215に出力する。モータドライバ215は、停止信号を受信した場合に払出モータ127を駆動させる励磁信号の出力を停止する。
ステップS1406及びステップS1407を否定判定する場合、正常に払出中であって、且つ払い出す遊技球が残存していることを意味する。この場合、ステップS1409に進み、払出モータ127の回転モードが高速モードであるか否かを判定する。
高速モードである場合には、ステップS1410に進み、払出カウンタXCが2以下であるか否かを判定する。2以下でない場合には、ステップS1414に進む一方、払出カウンタXCが2以下である場合には、ステップS1411に進み、払出モータ127の回転モードを、高速モードから低速モードに切り換える。
一方、現状の回転モードが高速モードではない場合、すなわち低速モードである場合には、ステップS1412に進み、払出カウンタXCが3以上であるか否かを判定する。払出カウンタXCが3未満である場合には、ステップS1414に進む。一方、払出カウンタXCが3以上である場合には、ステップS1413に進み、払出モータ127の回転モードを低速モードから高速モードに切り換える。
かかる構成によれば、払い出すべき遊技球数が2以下である場合には、払出モータ127の回転モードが低速モードとなり、払い出すべき遊技球数が3以上である場合には、払出モータ127の回転モードが高速モードとなる。
ステップS1414では、払出球検知センサ128の検知結果に基づいて、払出装置77により遊技球が払い出されたか否かを判定する。遊技球が払い出されたことを検知していない場合には、そのままステップS1405に進む。一方、遊技球が払い出されたことが検知された場合には、ステップS1415に進み、払出カウンタXCを1減算する。
続くステップS1416では、払出カウンタXCが3以下であるか否かを判定する。払出カウンタXCが3以下でない場合(4以上である場合)には、ステップS1405に進む一方、払出カウンタXCが3以下である場合には、ステップS1417に進み、賞球許可信号を、主側MPU202による賞球コマンドの出力を許可するHIレベルに設定する。そして、ステップS1405に進む。
既に説明した通り、賞球許可信号は、払出カウンタXCが4以上である場合に、賞球コマンドの出力を禁止するLOWレベルとなる。すなわち、払出側MPU212は、払い出すべき遊技球数が3以下である場合には、主側MPU202からの賞球コマンドの出力を許可する一方、払い出すべき遊技球数が4以上である場合には、払出側MPU212側からの賞球コマンドを禁止する。
ここで、賞球許可信号がHIレベルとなる払出カウンタXC(3)は、払出モータ127が高速モードから低速モードに切り換わる契機となる払出カウンタXC(2)よりも大きい。すなわち、回転モードが高速モードから低速モードに切り換わる前段階で、賞球許可信号がLOWレベルからHIレベルに切り換える。これにより、払出モータ127の高速モードが維持され易い。よって、遊技球の払出を好適に行うことができる。
特に、1のタイマ割込み処理において、遊技球の払出検知の確認処理(ステップS1414)を実行した後に、賞球許可信号をHIレベルにするか否かの切換判定を行う構成とした。これにより、1のタイマ割込み処理中に、賞球許可信号をHIレベルにすることが可能となる。よって、賞球許可信号がHIレベルとなるタイミングを早めることが可能となり、賞球コマンドの出力タイミングを早めることができる。
<賞球の払出の態様について>
賞球の払出の態様について図25のタイムチャートを用いて説明する。なお、初期状態において払出カウンタXCは0であるとする。なお、図面の関係上、一部の時間間隔については、実際の時間間隔とは異なる間隔で示す。
先ず、t1のタイミングにて、賞球コマンドが出力される。当該賞球コマンドは、1個賞球コマンドが3個であるとする。この場合、図25(b)に示すように、払出カウンタXCが3カウントアップされる。そして、図25(e)に示すように、払出モータ127が高速モードで回転を開始する。この場合、払出カウンタXCは4未満であるため、図25(d)に示すように、賞球許可信号はHIレベルを維持する。
その後、t2のタイミングで遊技球の払出が検知されると、払出カウンタXCが1減算される。すると、払出モータ127の回転モードが高速モードから低速モードに切り換わる。そして、t3,t4のタイミングで遊技球の払出が検知されることにより、払出カウンタXCが0となり、払出モータ127が停止する。
ここで、t1のタイミングからt2のタイミングまでの期間が、高速払出間隔Txであり、t2のタイミングからt3のタイミングまでの期間等が低速払出間隔Tyである。高速払出間隔Txの方が、低速払出間隔Tyよりも短くなっている。
その後、t5のタイミングにて、再度賞球コマンドが出力される。当該賞球コマンドは、1個賞球コマンドが3個であるとする。この場合、t1のタイミングと同様に、払出カウンタXCが3となり、払出モータ127が高速モードで動作する。
t6のタイミングでは遊技球の払出が検知され、払出カウンタXCが1減算され、払出モータ127の回転モードが低速モードとなる。その後、t7のタイミングにて遊技球の払出が行われ、t8のタイミングにて、10個賞球コマンドが出力される。この場合、払出カウンタXCが10加算される。そして、賞球許可信号がHIレベルからLOWレベルに切り換わり、賞球コマンドの出力が禁止される。また、払出モータ127の回転モードが高速モードに切り換わる。
その後、t9のタイミングからt15のタイミングまでの各タイミングにて、遊技球の払出が検知され、その度に払出カウンタXCが1減算される。
そして、t16のタイミングにて遊技球の払出が行われることにより、払出カウンタXCが3となる。これにより、賞球許可信号がHIレベルとなり、賞球コマンドの出力が許可される。
そして、t17のタイミングでは、賞球コマンドが出力される。当該賞球コマンドは1個賞球コマンドが3個と、10個賞球コマンドが1つであるとする。この場合、払出カウンタXCは13加算されて16となる。これにより、賞球許可信号がHIレベルからLOWレベルに切り換わる。
その後、t18,t19のタイミングで遊技球の払出が行われ、払出カウンタXCが1ずつ減算される。
ここで、主側MPU202における各種賞球用カウンタPC1〜PC4のいずれかが0でない状況では、賞球許可信号がHIレベルとなったタイミング(t16のタイミング)から賞球コマンドが出力されるタイミング(t17のタイミング)までの期間Tzは、高速払出間隔Txよりも短く設定されている。これにより、払出カウンタXCが2となるタイミングよりも前のタイミングにて、賞球コマンドの受信に基づく払出カウンタXCの加算処理が実行されるため、払出モータ127は高速状態を維持することとなる。
<電源投入設定処理について>
メイン処理(図11)のステップS109の電源投入処理について図26のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1501では、各賞球用カウンタPC1〜PC4を把握する。ここで、タイマ割込み処理(図12)のステップS201の停電情報記憶処理では、停電と判定した場合に、主側RAM204に格納されている各種情報を保存する処理を実行する。その保存対象となる情報には、各賞球用カウンタPC1〜PC4が含まれている。このため、ステップS1501では、メイン処理のステップS108の処理を実行しない場合、すなわち記憶保持されたデータが正常であり、且つ停電フラグに1がセットされている場合には、停電時に保存された各賞球用カウンタPC1〜PC4が読み出される。一方、主側RAM204のデータが初期化された場合には、各賞球用カウンタPC1〜PC4として0が読み出される。
その後、ステップS1502では、1個賞球用カウンタPC4が0であるか否かを判定する。1個賞球用カウンタPC4が0である場合には、ステップS1505に進む。一方、1個賞球用カウンタPC4が0でない場合には、ステップS1503に進み、1個賞球用カウンタPC4と同数の1個賞球コマンドを出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS1504にて1個賞球用カウンタPC4を0クリアして、ステップS1505に進む。
ステップS1505では、3個賞球用カウンタPC3が0であるか否かを判定する。3個賞球用カウンタPC3が0である場合には、ステップS1508に進む。一方、3個賞球用カウンタPC3が0でない場合には、ステップS1506に進み、3個賞球コマンドを出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS1507にて3個賞球用カウンタPC3を1減算して、ステップS1508に進む。
ステップS1508では、10個賞球用カウンタPC2が0であるか否かを判定する。10個賞球用カウンタPC2が0である場合には、ステップS1511に進む。一方、10個賞球用カウンタPC2が0でない場合には、ステップS1509に進み、10個賞球コマンドを出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS1510にて10個賞球用カウンタPC2を1減算して、ステップS1511に進む。
ステップS1511では、15個賞球用カウンタPC1が0であるか否かを判定する。15個賞球用カウンタPC1が0である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、15個賞球用カウンタPC1が0でない場合には、ステップS1512に進み、15個賞球コマンドを出力対象のコマンドとして設定する。そして、ステップS1513にて15個賞球用カウンタPC1を1減算して、本処理を終了する。
かかる処理によれば、停電時に未だ払出対象となっていない入賞契機が発生している場合には、電源復帰時において、その入賞契機に基づく賞球コマンドが出力される。これにより、停電によって遊技者に不利益が生じることを回避することができる。
ここで、電源復帰時において、賞球コマンドを出力する場合、賞球コマンドを出力するためのバッファ領域が不定となっていたり、賞球コマンド格納エリア214aの記憶領域が不定となっていたりする等の関係で、賞球コマンドの送信エラーが発生し易い。
これに対して、上記処理によれば、最初に出力される賞球コマンドが、各賞球コマンドのうち最小の遊技球数が設定された1個賞球コマンドとなるように、賞球コマンドが設定される順番が設定されている。これにより、仮に最初に送信される賞球コマンドについて送信エラーが発生した場合であっても、遊技者に与える不利益は少ない。よって、電断復帰時における最初の賞球コマンドの送信エラーに起因する遊技者の不利益を軽減することができる。
特に、一般的に電源復帰後の賞球コマンドの送信エラーは、賞球コマンドの出力回数が増えるに従って、発生頻度が低下する。この点、上記処理によれば、電源復帰後の初期段階では、1個賞球コマンドが複数連続して出力対象として設定される。これにより、比較的送信エラーが発生し易い状況においては、1個賞球コマンドが設定され易くなるため、送信エラーに基づく遊技者の不利益をより好適に抑制することができる。
ここで、高頻度サポートモードである場合には、第2作動口34への入賞頻度が他の入賞頻度よりも高いため、1個賞球用カウンタPC4はオーバーフローし易い。これに対して、1個賞球コマンドが優先的に出力されるように賞球コマンドの順番が設定されている。そして、1個賞球用カウンタPC4と同一数の1個賞球コマンドを出力し、1個賞球用カウンタPC4を0クリアする構成とした。これにより、停電時における1個賞球用カウンタPC4が上限値に近い場合であって、電源復帰後のサポートモードが高頻度サポートモードであっても、1個賞球用カウンタPC4がオーバーフローしないようになっている。
この場合、1個賞球コマンドは複数出力する一方、他の賞球コマンドは1つ出力する構成とした。これにより、払出側RAM214の払出カウンタXCがオーバーフローしないようになっている。すなわち、仮に他の賞球コマンドが複数出力される場合、当該他の賞球コマンドに基づく払い出す遊技球数が多いため、払出カウンタXCがオーバーフローし易い。一方、1個賞球コマンドは払い出される遊技球数が1個であるため、複数出力された場合であっても払出カウンタXCがオーバーフローしにくい。よって、1個賞球コマンドについては同時に複数出力する一方、他の賞球コマンドについては1つを出力する構成とすることにより、1個賞球用カウンタPC4及び払出カウンタXC双方のオーバーフローを抑制することができる。
なお、1個賞球用カウンタPC4以外の賞球用カウンタPC1〜PC3については、その後のタイマ割込み処理の払出出力処理にて、賞球コマンドを設定するのに用いられる。これにより、賞球コマンドの出力の分散化を図ることができる。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
高頻度サポートモードにおいては、可変表示ユニット36の右側領域を流下する全遊技球が第2作動口34に入賞するように構成した。具体的には、電動役物34aが開状態において右側領域を流下する遊技球を第2作動口34に誘導する誘導釘38bを設けた。そして、高頻度サポートモードにおいて、電動役物34aの閉状態となる期間を遊技球の発射周期よりも短く設定した。これにより、右側領域への遊技球の発射によって、第2作動口34への入賞が発生する。この場合、第2作動口34への入賞に基づく賞球数(入賞に基づき払い出される遊技球数)は1個であるため、高頻度サポートモードの状況下では遊技者側の遊技球数に変動はない。つまり、高頻度サポートモードでは、遊技球数を維持した状態で遊技を行うことができるようになっている。これにより、遊技者に過度な射幸心を煽ることなく、遊技への意欲を維持することができる。
ここで、第2作動口34への入賞に基づき複数個の遊技球の払出を行う構成において、高頻度サポートモードにおける遊技球数の増加を抑制しようとすると、第2作動口34への入賞頻度を抑える必要がある。この場合、例えば電動役物34aの開時間及び閉時間を調整する構成が考えられる。すると、遊技球の増加を目的として、閉時間中には遊技球を発射せず、開時間中のみに遊技球を発射する所謂止め打ちが行われる場合がある。かといって、止め打ちが行われることを想定して、賞球の調整、例えばスルーゲート35への入賞頻度を低下させる等を行うと、正規の遊技を行っている遊技者に不測の不利益を与えることになる。
特に、本パチンコ機10においては、第1作動口33への入賞に基づき取得される保留情報よりも、第2作動口34への入賞に基づき取得される保留情報の方が、遊技者に有利なものとなっている。このため、例えばスルーゲート35への入賞頻度等を低下させることにより第2作動口34への入賞に基づく保留情報が少なくなると、第1作動口33への入賞に基づく保留情報について当否判定処理が実行されることとなるため、遊技者に不利となる場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、電動役物34aが開状態である場合には、右側領域を流下する遊技球は必ず第2作動口34に入賞するよう構成し、高頻度サポートモードにおいては、役物用表示部44の変動表示時間及び電動役物34aの閉時間を、遊技球の発射周期よりも短く設定した。これにより、ほぼ常時第2作動口34への入賞が可能な状態となっている。そして、第2作動口34への入賞に基づく賞球数を1個にした。よって、止め打ちという行為自体を無意味なものとすることができる。
かかる構成の場合、高頻度サポートモードにおいては第2作動口34への入賞頻度が高くなる。このため、第2作動口34への入賞の発生する度に1個賞球コマンドを送信する構成とすると、1個賞球コマンドを受信する度に、その1個入賞コマンドに対応した処理を実行する払出側MPU212の処理負荷の増大化が懸念される。
これに対して、本実施形態によれば、第2作動口34への入賞が複数発生した場合に、その複数分の1個賞球コマンドをまとめて送信する構成とした。これにより、払出側MPU212にて、まとめて処理することができるため、局所的な処理負荷の増大化は生じるが、全体として処理負荷の軽減を図ることができる。また、まとめて賞球に係る処理をすることにより、遊技者に対する賞球の払出をまとめて行うことができる。これにより、遊技者としては、賞球がたくさん払い出されたように感じる。よって、遊技への意欲の向上を図ることができる。
また、払出モータ127は払出カウンタXCが3以上である場合には高速モードで回転する構成において、その高速モードの契機となる遊技球数よりも少ない数が賞球として設定された1個賞球コマンドを、3個まとめて送信する構成を採用することにより、払出モータ127を高速モードで回転を開始させることができる。これにより、賞球の払出を好適に行うことができる。
すなわち、高速モードで賞球の払出が行われると、賞球の払出が大量に行われたように認識させることができ、遊技への意欲の向上を図ることができる。しかしながら、高速モードのみを設定し、低速モードを設定しない構成とすると、賞球の払出が行われる期間が極端に短くなるため、遊技への意欲が低下する。かといって、低速モードでの賞球の払出が頻繁に行われると、遊技球の払出に要する期間が長くなるため、間延びした印象を与え、却って遊技への意欲が低下するおそれがある。
また、回転モードの切換が頻繁に行われると、払出モータ127への負担が大きくなり、払出モータ127が故障し易い。
以上のことから、低速モードと高速モードとを設定し、さらに高速モードをなるべく維持するのが好ましい。
この点、本実施形態では、1個賞球コマンドをまとめて送信することにより、払出カウンタXCに関わらず、払出モータ127が高速モードで回転を開始することとなる。これにより、払出モータ127を高速モードで回転し易くすることができるとともに、払出モータ127の回転モードの切換頻度を抑制することができる。
また、高頻度サポートモードにおいて他の入賞と比較して、入賞頻度が高い第2作動口34への入賞に基づき設定される1個賞球コマンドを、他の賞球コマンドよりも優先的に出力する構成とした。これにより、1個賞球用カウンタPC4が上限値を超えるオーバーフローを抑制することができる。
特に、電源投入時に実行されるメイン処理において、賞球コマンドを出力する場合には、賞球数が少ない1個賞球コマンドを他の賞球コマンドよりも優先的に出力する構成とした。これにより、電源投入時の最初の賞球コマンドにおいて送信エラーが発生したとしても、その送信エラーに基づく遊技者の利益を軽減することができる。
さらに、1個賞球用カウンタPC4が上限値よりも小さい特定値(例えば200)以上である場合には、1個賞球用カウンタPC4に基づく賞球の一部を15個賞球用カウンタPC1に基づく賞球に変換し、1個賞球用カウンタPC4を減算する構成とした。これにより、1個賞球用カウンタPC4のオーバーフローをより好適に抑制することができる。
なお、本実施形態では、第2作動口34への入賞回数が、払出モータ127が高速モードで回転する契機となる賞球数分となった場合に、1個賞球コマンドをその入賞回数個(3個)出力する構成としたが、これに限られない。要は、1個賞球コマンドを出力する契機となる第2作動口34への入賞回数は、払出モータ127が高速モードで回転する契機となる賞球数よりも多ければよい。例えば、第2作動口34への入賞回数が4以上の場合に、1個賞球コマンドを4つ出力する構成としてもよい。つまり、第2作動口34への入賞に基づく賞球数をnとし、賞球コマンドの出力の契機となる第2作動口34の入賞回数をmとし、払出モータ127の回転モードが高速モードとなる契機となる払出カウンタXCをkとすると、「n×m≧k」となるように構成されていればよい。
但し、入賞から賞球の払出までのタイムラグを小さくする観点に着目すれば、「n×m=k」とするのが好ましい。
一方、払出モータ127の回転モードを高速モードに維持する点に着目すれば、「n×m>k」とするのが好ましい。すなわち、例えば1個賞球コマンドを3つ出力する場合、払出カウンタXCが3となり、高速モードで回転を開始する。その後、次の賞球の払出が行われる前に賞球コマンドが出力されないと、高速モードから低速モードに切り換わる。このため、回転モードの切換頻度が高くなり、払出モータ127の負担が大きくなることが想定される。
これに対して、「n×m>k」とすると、1個賞球コマンドに基づく高速モード期間を長くすることができるため、その高速モード期間において賞球コマンドが出力される頻度を高めることができ、払出モータ127の高速モードをより好適に維持することが可能となる。
また、本実施形態においては、遊技状態に関わらず、入賞が複数回発生したことに基づいて1個賞球コマンドを複数個まとめて出力する構成としたが、これに限られず、遊技状態に応じて、入賞が複数回発生したことに基づいて1個賞球コマンドを複数個まとめて出力する場合と、入賞が発生する度に1個賞球コマンドを出力する場合とに切り換える構成としてもよい。具体的には、ステップS1001の処理を実行する前に、高頻度サポートモードか否かを判定し、高頻度サポートモードである場合にはステップS1001〜ステップS1006の処理を実行する。一方、低頻度サポートモードである場合には、1個賞球用カウンタPC4が0であるか否かを判定する。0である場合にはステップS1007に進む一方、0でない場合には、1個賞球コマンドを1つ設定し、1個賞球用カウンタPC4を1減算してステップS1007に進むとよい。これにより、低頻度サポートモードにおいては、第2作動口34への入賞タイミングと、その入賞に基づく賞球の払出タイミングとのタイムラグを低減することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、第2作動口34への入賞に基づく遊技球の払出に係る構成が第1実施形態と異なっている。その異なる点について説明する。
<主側MPU202側の処理について>
先ず、主側MPU202側のタイマ割込み処理における第2作動口入賞検知センサ83bによる入賞検知処理について図27のフローチャートを用いて説明する。当該処理は、第1実施形態のステップS304〜ステップS307の処理に代えて実行されるものである。
先ずステップS1601では、第2作動口入賞検知センサ83bの検知結果が、遊技球の入賞に対応したものであるか否かを判定する。上記検知結果が入賞に対応していないものである場合にはそのまま本処理を終了する。一方、上記検知結果が入賞に対応しているものである場合には、ステップS1602に進み、第2作動口入賞フラグをセットする。
そして、ステップS1603に進み、1個賞球用カウンタPC4を1加算する。その後、ステップS1604に進み、特定期間の計測中であるか否かを判定する。具体的には、特定期間タイマカウンタが0であるか否かを判定する。
特定期間タイマカウンタが0でない場合にはそのまま本処理を終了する一方、特定期間タイマカウンタが0である場合には、ステップS1605に進み、特定期間の計測を開始する。具体的には、特定期間タイマカウンタに、特定期間に対応した特定値(例えば1250)を設定する。そして、本処理を終了する。
ここで、本実施形態における特定期間は、1個賞球用カウンタPC4がオーバーフローしないように設定されている。詳細には、特定期間(5sec)は、遊技球発射機構51により255個の遊技球が発射されるのに要する期間(255×0.6sec)よりも短く設定されている。これにより、仮に、高頻度サポートモードにおいて、右側領域に向けて遊技球を発射させることにより、発射された遊技球が第2作動口34に全部入賞した場合であっても、特定期間中に1個賞球用カウンタPC4がオーバーフローすることはない。
ここで、第1実施形態では、主側MPU202のタイマ割込み処理中に、出力対象として設定されるコマンド数は、制限されていない構成となっていた。これに対して、本実施形態では、1のタイマ割込み処理において、設定可能な上限コマンド数が予め定められている構成とする。これにより、1のタイマ割込み処理において、過剰なコマンドが設定されることに起因する処理落ちの発生を抑制することができる。
この場合、1のタイマ割込み処理において、少なくとも1つは賞球コマンドを設定可能となるように上限コマンド数が設定されている。すなわち、タイマ割込み処理において、他の処理にて設定され得る最大コマンド数よりも1つだけ多いコマンド数が上限コマンド数として設定されている。
ちなみに、図12に示すように、賞球コマンドの設定処理が含まれる払出出力処理は、タイマ割込み処理において後側にて実行される。特に、払出出力処理よりも後に実行されるステップS215〜ステップS217の処理では、コマンドを出力する処理は実行されない。このため、賞球コマンドの設定処理にて、上限コマンド数となるまで賞球コマンドを設定することができる。
次に、本実施形態における賞球コマンドの設定処理について図28のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1701にて、特定期間が経過したか否かを判定する。詳細には、特定期間タイマカウンタが0であるか否かを判定する。特定期間が経過していない場合には、ステップS1705に進む。一方、特定期間が経過している場合にはステップS1702に進み、1個賞球用カウンタPC4を把握する。その後、ステップS1703にて、特定賞球コマンドを出力対象として設定する処理を実行して、ステップS1704に進む。
特定賞球コマンドは、コマンド記憶エリア203bに記憶された複数種の賞球コマンドの1つであり、上位バイトが特定賞球コマンドであることを示すデータ構成となっており、下位バイトが0となっている。ステップS1703では、コマンド記憶エリア203bから特定賞球コマンドを読み出す。そして、特定賞球コマンドの下位バイトに、ステップS1702にて把握された1個賞球用カウンタPC4を設定する。そして、その特定賞球コマンドを出力対象として設定する。これにより、特定期間中に発生した第2作動口34への入賞回数が設定された特定賞球コマンドが払出制御装置78に出力される。よって、1のコマンドで複数回の入賞に対応することが可能となる。したがって、高速モードによる遊技球の払出が行われ易くすることができるとともに、出力するコマンド数の削減を図ることができる。
ステップS1704では、今回のタイマ割込み処理にて設定されたコマンド数が上限コマンド数未満であるか否かを判定する。上記設定されたコマンド数が上限コマンド数と同一である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、上限コマンド数未満である場合には、ステップS1705にて、その他の賞球コマンドの設定処理を実行し、本処理を終了する。その他の賞球コマンドの設定処理は、基本的には第1実施形態における賞球コマンドの設定処理(図20)のステップS1007〜ステップS1015と同一であるが、各賞球コマンドが出力対象として設定される度に上限コマンド数に到達したか否かを判定し、上限コマンド数に到達した場合には、その後の処理を実行することなく終了する。
<払出側MPU212における賞球設定処理について>
次に、本実施形態において払出側MPU212にて実行される賞球設定処理について図29のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1801にて未設定の賞球コマンドが存在しているか否かを判定する。詳細には、賞球コマンド格納エリア214aに賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。未設定の賞球コマンドが存在しない場合にはそのまま本処理を終了する一方、未設定の賞球コマンドが存在する場合には、ステップS1802に進み、賞球コマンド格納エリア214aに格納されている賞球コマンドのうち最初の賞球コマンドを把握する。
続くステップS1803では、把握された賞球コマンドが特定賞球コマンドであるか否かを判定する。特定賞球コマンドでない場合には、ステップS1808に進む一方、特定賞球コマンドである場合には、ステップS1804に進み、特定賞球コマンドの下位バイトの数値情報を把握する。その後、ステップS1805に進み、下位バイトの数値情報を払出カウンタXCに加算する。これにより、特定期間中に発生した第2作動口34への入賞回数に対応した遊技球数が払出カウンタXCに加算されることとなる。なお、第2作動口34への入賞に基づく払出遊技球数は1個であるため、第2作動口34への入賞回数がそのまま払い出す遊技球数となる。
また、ステップS1805では、今回把握対象となった賞球コマンドを消去する。
その後、ステップS1806にて、未設定の賞球コマンドが存在するか否かを判定する。未設定の賞球コマンドが存在する場合にはステップS1807に進み、次の賞球コマンドを把握する。
ステップS1807の処理を実行した後は、ステップS1808にてその他の賞球コマンド対応処理を実行する。具体的には、第1実施形態の賞球設定処理(図23)におけるステップS1307〜ステップS1315の処理を実行する。
ステップS1806を否定判定する場合、又はステップS1808の処理を実行した後は、ステップS1809にて、払出カウンタXCが4以上であるか否かを判定する。払出カウンタXCが4未満である場合にはそのまま本処理を終了する一方、払出カウンタXCが4以上である場合には、ステップS1810にて賞球許可信号をLOWレベルに設定して本処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、特定期間中に発生した第2作動口34への入賞をカウントし、そのカウント値を下位バイトに設定した特定賞球コマンドを出力する構成とした。これにより、第2作動口34への入賞が発生する度に1個賞球コマンドを出力する構成や、1個賞球コマンドをまとめて出力する構成と比較して、コマンド送信に係る処理負荷の軽減を図ることができる。
また、特定期間は、当該特定期間中に発射される遊技球が全て第2作動口34に入賞した場合であっても1個賞球用カウンタPC4がオーバーフローしない期間に設定されている。詳細には、特定期間は、遊技球の発射周期と、1個賞球用カウンタPC4との乗算値よりも大きく設定されている。これにより、1個賞球用カウンタPC4のオーバーフローを抑制することができる。
なお、上記実施形態では、特定期間中の第2作動口34への入賞回数が設定された特定賞球コマンドを出力する構成としたが、これに限られず、例えば各賞球コマンドに割り振る構成としてもよい。具体的には、1個賞球用カウンタPC4を15で除算して、商を15個賞球用カウンタPC1に加算する。そして、上記除算の余りを更に3で割り、商を3個賞球用カウンタPC3に加算し、その余りと同一数の1個賞球コマンドを出力する構成としてもよい。これにより、特定賞球コマンドを別途設ける必要がないため、コマンド容量の削減を図ることができる。
また、例えば特定期間中の第2作動口34への入賞回数を2つの数値に分けて、各数値がそれぞれ設定された2つの特定賞球コマンドを出力する構成としてもよい。この場合、各特定賞球コマンドを受信した場合に、両特定賞球コマンドに設定された各数値を払出カウンタXCに加算する構成としてもよい。
要は、賞球数を維持しつつ、払出カウンタXCと同一数よりも少ない数の賞球コマンドを出力する構成とすればよい。
また、本実施形態においては、遊技状態に関わらず、特定賞球コマンドを出力する構成としたが、これに限られず、遊技状態に応じて、特定賞球コマンドを出力する場合と、入賞が発生する度に1個賞球コマンドを出力する場合とに切り換える構成としてもよい。具体的には、ステップS1701の処理を実行する前に、高頻度サポートモードか否かを判定し、高頻度サポートモードである場合にはステップS1701〜ステップS1703の処理を実行する。一方、低頻度サポートモードである場合には、1個賞球用カウンタPC4が0であるか否かを判定する。0である場合にはステップS1704に進む一方、0でない場合には、1個賞球コマンドを1つ設定し、1個賞球用カウンタPC4を1減算してステップS1704に進むとよい。これにより、低頻度サポートモードにおいては、第2作動口34への入賞タイミングと、その入賞に基づく賞球の払出タイミングとのタイムラグを低減することができる。
<第3実施形態>
本実施形態では、第2作動口34への入賞に基づく遊技球の払出に係る構成が第1実施形態と異なっている。その異なる点について説明する。
本実施形態では、第2作動口34への入賞が検知された場合には、第2作動口入賞フラグをセットし、1個賞球用カウンタPC4を1加算する。そして、特定期間の計測に係る処理を行うことなく、第2作動口入賞検知センサ83bによる入賞検知処理を終了する。
次に、本実施形態において主側MPU202にて実行される賞球コマンドの設定処理について図30のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1901にて、1個賞球用カウンタPC4が0でないか否かを判定する。1個賞球用カウンタPC4が0でない場合には、ステップS1902に進み、1個賞球コマンドを出力対象として設定する。その後、ステップS1903にて1個賞球用カウンタPC4を1減算する。
ステップS1903の処理の実行後、又はステップS1901を否定判定する場合には、ステップS1904に進み、その他の賞球コマンド設定処理を実行する。具体的には、第1実施形態における賞球コマンドの設定処理(図20)のステップS1007〜ステップS1015の処理を実行する。
係る処理によれば、1個賞球用カウンタPC4がカウントアップされる度に1個賞球コマンドが出力される。これにより、複数の1個賞球コマンドをまとめて送信する構成と比較して、賞球コマンド送信に係る処理負荷の分散化を図ることができる。
次に、本実施形態において払出側MPU212にて実行される賞球設定処理について図31のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS2001にて、対象となる賞球コマンドが存在するか否かを判定する。賞球コマンドが存在しない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、賞球コマンドが存在する場合には、ステップS2002に進み、最初の賞球コマンドを把握する。
続くステップS2003では、把握された賞球コマンドが1個賞球コマンドであるか否かを判定する。1個賞球コマンドでない場合にはステップS2010に進む一方、1個賞球コマンドである場合には、ステップS2004に進み、賞球払出中であるか否かを判定する。賞球払出中である場合には、ステップS2005に進み、払出カウンタXCを1加算する処理を実行するとともに、今回把握された1個賞球コマンドを消去する。
一方、賞球払出中でない場合には、ステップS2006に進み、払出側RAM214に設けられた保留カウンタエリアに格納されている保留カウンタを1加算するとともに、今回把握された1個賞球コマンドを消去する。そして、ステップS2007では、保留カウンタが3であるか否かを判定する。
保留カウンタが3でない場合にはステップS2010に進む一方、保留カウンタが3である場合にはステップS2008に進み、払出カウンタXCを3加算する。その後、ステップS2009にて保留カウンタをリセット、詳細には0クリアする。
ステップS2010〜ステップS2014の処理は、ステップS1806〜ステップS1810の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上詳述した本実施形態によれば、第2作動口34への入賞が発生する度に1個賞球コマンドが出力される構成において、賞球の払出が行われている状況下で1個賞球コマンドを受信した場合には、払出カウンタXCを1加算する構成とした。これにより、払出モータ127の回転モードが低速モードから高速モードに移行し易くなるとともに、高速モードを維持し易くなる。一方、賞球の払出中でない状況下で1個賞球コマンドを受信した場合には、直ちに払出カウンタXCを更新する処理を実行するのではなく、保留カウンタを更新する処理を実行する。そして、保留カウンタが3となることに基づいて払出カウンタXCを3加算する処理を実行する。これにより、払出モータ127が低速モードで回転を開始することを抑制することができ、高速モードで開始させることが可能となる。よって、遊技球の払出を好適に行うことができる。
上記実施形態では、賞球払出中である場合には、一律して払出カウンタXCを1加算する構成としたが、これに限られず、例えば高速モードであるか否かを判定し、高速モードである場合にのみ払出カウンタXCを1加算する構成としてもよい。この場合、払出モータ127の回転モードの切換をより抑制することができる。すなわち、払出カウンタXCが2である場合、払出モータ127の回転モードは低速モードである。この状況において、払出カウンタXCが1加算されると、払出モータ127の回転モードは低速モードから高速モードに切り換わり、その後、次の賞球の払出が行われる前に賞球コマンドが出力されないと、再度高速モードから低速モードに切り換わる。このため、回転モードの切換の頻度が高くなり、払出モータ127の負担が大きくなることが想定される。
これに対して、高速モードである状況においては払出カウンタXCを加算する一方、低速モードである場合には払出カウンタXCを加算しない構成とすることにより、回転モードの切換の頻度を抑制することができ、払出モータ127の負担の軽減を図ることができる。但し、賞球の払出の高速化を図ることに着目すれば、一律加算する構成の方が好ましい。
また、ステップS2004を否定判定した場合、ステップS2006の処理を実行する前段階にて、高頻度サポートモードであるか否かを判定する処理を実行してもよい。この場合、高頻度サポートモードである場合には、ステップS2006〜ステップS2009の処理を実行する一方、低頻度サポートモードである場合には、ステップS2005の処理を実行する構成とするとよい。これにより、第2作動口34への入賞タイミングと、その入賞に基づく賞球の払出タイミングとのタイムラグを小さくすることができる。
詳細には、低頻度サポートモードにおいては、第2作動口34への入賞頻度が低いため、第2作動口34への入賞回数が3回となるまでに要する期間が長くなり易い。このため、上記タイムラグが長くなり易く、遊技者に不利益を与え易い。これに対して、上記構成とすることにより、上記タイムラグを小さくすることができ、上記不都合を回避することができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、1個賞球用カウンタエリア234は1バイトに構成されていたが、これに限定されることはなく、2バイト又は3バイト以上であってもよい。これにより、1個賞球用カウンタエリア234のオーバーフローを抑制することができる。
すなわち、高頻度サポートモードにおいては、遊技球が右側領域を流下すれば、ほぼ確実に第2作動口34に入賞するため、1個賞球用カウンタエリア234はカウントアップされ易く、1個賞球用カウンタエリア234はオーバーフローが発生し易い。これに対して、カウントアップし易い、すなわち入賞し易い第2作動口34に対応した1個賞球用カウンタエリア234については、その上限数を拡大することにより、オーバーフローを抑制する。これにより、遊技者に対して不測の不利益を与えることを抑制することができる。
この場合、2バイトを用いて1の数値情報を扱うのではなく、各バイト毎に数値情報を扱うダブルカウンタ形式とするとよい。これにより、他のカウンタと同様に扱うことができるため、処理負荷の軽減や処理構成の簡素化を図ることができる。
(2)上記第1実施形態では、高頻度サポートモードである状況下で第2作動口34への入賞頻度が高くなる構成において、上記第2作動口34への入賞に基づく1個賞球コマンドの出力をまとめて行う構成としたが、これに限られず、例えば開閉実行モードにおいて可変入賞装置32への入賞に基づく15個賞球コマンドの出力をまとめて行う構成としてもよい。この場合、賞球の払出をよりまとめて行うことが可能となるため、遊技者の遊技への意欲をより好適に高めることができる。第2及び第3の実施形態についても同様である。
(3)上記各実施形態では、第2作動口34への入賞に基づく賞球数(払い出す遊技球数)は、1個であったが、これに限られず、例えば2個以上であってもよい。但し、この場合、高頻度サポートモードにおいて遊技球数が増加しないようにする。例えば、電動役物34aが開状態である状況において、右側領域を流下する遊技球の一部が入賞可能となるように釘の配置を調整するとよい。
(4)上記各実施形態では、第2作動口34を右側領域に設け、電動役物34aが開状態である場合には、右側領域を流下する全遊技球が第2作動口34に入賞するよう構成されていたが、これに限られず、例えば各レール部48,49にて形成される通路上、又はその先側に設ける構成としてもよい。この場合、低頻度サポートモードでは、遊技球の進行を妨げないように遊技盤24内に埋没し、高頻度サポートモードでは、発射された遊技球が入球するように遊技盤24の前面側に突出する構成としてもよい。要は、所定の発射操作を行った場合に、全遊技球が入球可能となるように構成されていればよい。
(5)上記各実施形態では、賞球許可信号を、賞球コマンドの出力を許可するHIレベルに設定する契機となる払出カウンタXCを、払出モータ127が高速モードとなる契機となる3に設定したが構成としたが、これに限られず、3以上であってもよい。この場合、賞球コマンドをより早い段階で取得することができ、主側MPU202側のオーバーフローを抑制することができる。
(6)また、払出カウンタXCが、払出モータ127が低速モードとなる契機となる2となった場合に、賞球許可信号をHIレベルに設定する構成としてもよい。但し、この場合、払出モータ127の回転モードの切換頻度が高くなる。この点に着目すれば、払出カウンタXCが、払出モータ127が高速モードとなる契機となる3となった場合に、賞球許可信号をHIレベルにするほうがよい。
(7)上記各実施形態では、サポートモードに関わらず、1個賞球コマンドを、他の賞球コマンドよりも優先的に出力する構成としたが、これに限られない。例えば、低頻度サポートモードにおいては、賞球数が多いものから順に賞球コマンドを出力する構成としてもよい。
また、遊技状態に応じて、各入賞口(各作動口33,34、一般入賞口31等)への入賞頻度が異なる遊技機においては、入賞頻度が高い入賞に基づく賞球コマンドが優先的に出力されるように構成してもよい。例えば、例えば第1作動口33にも電動役物を設け、その電動役物の開閉動作が行われることにより、第1作動口33への入賞頻度が他の入賞口への高くなる状態にあっては、3個賞球コマンドが優先的に出力されるように賞球コマンドの設定に係る処理の順番を設定するとよい。
(8)上記各実施形態では、第2作動口34はひとつのみであったが、これに限られず、複数設ける構成としてもよい。この場合、各第2作動口への入賞に基づく賞球は同一であるが、入賞頻度を異ならせる構成とするとよい。さらに、各第2作動口それぞれに対応させて複数の1個賞球用カウンタを設ける。そして、入賞頻度が高い第2作動口に対応する1個賞球用カウンタから、入賞頻度が低い第2作動口に対応する1個賞球用カウンタにカウント数を移動させる構成としてもよい。これにより、入賞頻度が高い第2作動口に対応する1個賞球用カウンタのオーバーフローを抑制することができる。
(9)上記各実施形態では、第1作動口33への入賞に基づく保留情報と第2作動口34への入賞に基づく保留情報とを区別して把握し、第2作動口34への入賞に基づく保留情報を、第1作動口33への入賞に基づく保留情報よりも有利なものとして扱ったが、これに限られず、例えば両者を区別することなく扱う構成としてもよい。
(10)上記各実施形態では、払出モータ127の回転モードとして2種類設定されていたが、種類数はこれ以上であってもよい。この場合、払出カウンタXCが徐々に大きくなるに従って、遊技球を払い出す速度が相対的に高い状態となるように設定するとよい。
(11)上記各実施形態では、第2作動口34への入賞に基づいて1個の賞球が払い出される構成としたが、これに限られず、第2作動口34に入賞した遊技球数と同数の賞球が行われる構成であればよい。例えば、第2作動口34に3個入球したことに基づいて、遊技球を3個払い出す構成としてもよい。
また、第2作動口34に入球した遊技球が下皿62aに導出されるように、第2作動口用回収通路82bと、下皿62aへ導く通路とを連結してもよい。これにより、第2作動口34に入賞した遊技球がそのまま下皿62aに導出され、入賞個数と賞球個数とが同一となる構成を容易に実現することができる。
(12)弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(払出装置77等)と、
予め定められた特典契機(第2作動口34への入賞等)が発生した場合に、予め定められた特典付与コマンド(1個賞球コマンド等)を送信する送信手段(主側MPU202)と、
前記特典付与コマンドを受信した場合に特典を付与するよう前記特典付与手段を制御する特典制御手段(払出側MPU212)と、
を備え、
前記送信手段は、前記特典契機が複数発生したことに基づいて、当該複数の前記特典付与コマンドをまとめて送信可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、特典契機が複数発生したことに基づいて、その複数の特典付与コマンドがまとめて送信される。これにより、特典契機が発生する度に特典付与コマンドが送信される構成と比較して、一括して特典を付与することができるため、特典制御手段の制御に係る処理負荷の軽減を図ることができるとともに、まとめて特典を付与することを通じて、遊技への意欲を高めることができる。
特徴A2.前記特典付与手段は、遊技媒体を払い出す払出手段(払出装置77)を備え、
前記払出手段は、前記遊技媒体を払い出す速度が相対的に高低となる高速状態(高速モード)と低速状態(低速モード)とに切換可能に構成されており、
前記送信手段は、前記特典付与コマンドとして、払い出すべき遊技媒体数を特定するための特定情報が設定された払出コマンド(賞球コマンド)を送信するものであり、
前記特典制御手段は、
前記払出手段により払い出すべき前記遊技媒体の数である払出数を特定するための払出数情報(払出カウンタXC)が記憶された記憶手段(払出カウンタエリア214b)と、
前記払出コマンドを受信した場合に、当該払出コマンドに対応する遊技媒体数分だけ前記払出数が増加するように前記払出数情報を更新するものであって、前記払出コマンドを複数受信した場合には、当該各払出コマンドそれぞれに対応する各遊技媒体数を合わせた分だけ前記払出数が増加するよう前記払出数情報を更新する更新手段(払出側MPU212にて払出カウンタXCを更新する機能)と、
を有し、前記払出数が予め定められた特定数(3個)よりも多い場合には、前記遊技媒体が前記高速状態で払い出されるよう前記払出手段を制御する一方、前記払出数が前記特定数よりも少ない場合には、前記遊技媒体が前記低速状態で払い出されるよう前記払出手段を制御する払出制御手段であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、まとめて払出コマンドが出力されるため、仮に払出コマンドに対応する遊技媒体数が特定数よりも少ない場合であっても、払出数が特定数よりも多くなり易い。これにより、払出手段が高速状態となり易いことが期待される。よって、払出手段の払出態様として高速状態と低速状態とが設定されている構成において、遊技媒体の払出の高速化を図ることができる。
特徴A3.前記特定数は第1特定数であり、
前記払出コマンドには、前記第1特定数よりも少ない第2特定数(1個)が設定された特定払出コマンド(1個賞球コマンド)が含まれており、
前記送信手段は、前記特定払出コマンドが設定される契機となる特定特典契機(第2作動口34への入賞)が、前記特定数を前記第1特定数で除算した商よりも大きい回数だけ発生した場合に、その回数分の前記特定払出コマンドを送信するものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、記憶手段に記憶されている払出数情報に関わらず、確実に高速状態で払出手段による払出を開始させることができる。
特徴A4.前記送信手段は、前記払出手段が前記高速状態で動作している状況では、前記特定特典契機が発生する度に前記特定払出コマンドを送信するものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、払出手段が高速状態で動作している状況では、特定特典契機が発生する度に特定払出コマンドが送信されるため、払出数が増加する間隔が短くなることが期待される。これにより、払出手段の高速状態を維持することができる。
特徴A5.前記送信手段は、前記特典契機が発生してから予め定められた特定期間が経過した場合には、前記特典契機の発生回数に関わらず、前記特典付与コマンドを送信するものであることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、1の特典契機が発生し、その後当該特典契機が発生しない場合であっても、特定期間が経過した場合には、その特典契機に基づく特典付与コマンドが送信される。これにより、連続して特典契機が発生しないことに起因して、いつまでも特典が付与されない事態を回避することができる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(払出装置77等)と、
予め定められた特典契機(第2作動口34への入賞等)が発生した場合に、予め定められた特典付与コマンド(賞球コマンド)を送信する送信手段(主側MPU202)と、
前記特典付与コマンドを受信した場合に特典を付与するよう前記特典付与手段を制御する特典制御手段(払出側MPU212)と、
を備え、
前記送信手段は、前記特典契機が複数発生したことに基づいて、当該複数分の特典が付与されるためのコマンドであって、前記特典契機の発生回数よりも少ない数の特定特典付与コマンド(特定賞球コマンド)を送信する特定送信手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、特典契機が複数発生したことに基づいて、その複数分の特典が付与されるためのコマンドであって、特典契機の発生回数よりも少ない数の特定特典付与コマンドが送信される。これにより、特典契機が発生する度に特典付与コマンドが送信される構成と比較して、送信するコマンド量の削減を図ることができる。また、一括して特典を付与することができるため、特典制御手段の制御に係る処理負荷の軽減を図ることができるとともに、まとめて特典を付与することを通じて、遊技への意欲を高めることができる。
なお、「前記特定送信手段は、前記特典契機が複数発生したことに基づいて、当該複数分の特典が付与されるための1の特定特典付与コマンドを送信する」構成とするとよい。これにより、送信するコマンド量の削減をより好適に図ることができる。
特徴B2.特定期間を計測する計測手段(主側MPU202におけるステップS1605及びステップS1701の処理を実行する機能)と、
前記特定期間中における前記特典契機の発生回数を把握する把握手段(主側MPU202にて1個賞球用カウンタPC4を更新する機能)と、
を備え、
前記特定送信手段は、前記計測手段により前記特定期間が経過したことが計測された場合に、前記把握手段の把握結果が設定された前記特定特典付与コマンドを送信するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特定期間中に発生した特典契機の回数が設定された特定特典付与コマンドが送信される。これにより、比較的簡素な構成で特徴B1の構成を実現することができる。
特徴B3.前記特典付与手段は、遊技媒体を払い出す払出手段を備え、
前記払出手段は、前記遊技媒体を払い出す速度が相対的に高低となる高速状態(高速モード)と低速状態(低速モード)とに切換可能に構成されており、
前記送信手段は、前記特典付与コマンドとして、払い出すべき遊技媒体数を特定するための特定情報が設定された払出コマンドを送信するものであり、
前記特典制御手段は、
前記払出手段により払い出すべき前記遊技媒体の数である払出数を特定するための払出数情報(払出カウンタXC)が記憶された記憶手段(払出カウンタエリア214b)と、
前記払出コマンドを受信した場合に、当該払出コマンドに対応する遊技媒体数分だけ前記払出数が増加するように前記払出数情報を更新する更新手段(払出側MPU212にて払出カウンタXCを更新する機能)と、
を有し、前記払出数が予め定められた特定数(3個)よりも多い場合には、前記遊技媒体が前記高速状態で払い出されるよう前記払出手段を制御する一方、前記払出数が前記特定数よりも少ない場合には、前記遊技媒体が前記低速状態で払い出されるよう前記払出手段を制御する払出制御手段であり、
前記特定送信手段は、前記特典契機が複数発生したことに基づいて、前記特定特典付与コマンドとして、当該複数分の前記特典契機の発生に基づく遊技媒体数を特定するための特定情報が設定された特定払出コマンドを送信するものであることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、複数の特典契機をまとめた払出コマンドが出力されるため、仮に払出コマンドに対応する遊技媒体数が特定数よりも少ない場合であっても、払出数が特定数よりも多くなり易い。これにより、払出手段が高速状態となり易いことが期待される。よって、払出手段の払出態様として高速状態と低速状態とが設定されている構成において、遊技媒体の払出の高速化を図ることができる。
特徴B4.前記特定数は第1特定数であり、
前記払出コマンドには、前記第1特定数よりも少ない第2特定数(1個)が設定された特定払出コマンド(1個賞球コマンド)が含まれており、
予め定められた特定期間として、前記特定払出コマンドの送信の契機となる特定特典契機が、前記第1特定数を前記第2特定数で除算した商よりも大きい回数だけ発生し得る期間を計測する計測手段(主側MPU202におけるステップS1605及びステップS1701の処理を実行する機能)と、
前記特定期間中における前記特典契機の発生回数を把握する把握手段(主側MPU202にて1個賞球用カウンタPC4を更新する機能)と、
を備え、
前記特定送信手段は、前記計測手段により前記特定期間が経過したことが計測された場合に、前記把握手段の把握結果が設定された前記特定特典付与コマンドを送信するものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、記憶手段に記憶されている払出数情報に関わらず、確実に高速状態で払出手段による払出を開始させることができる。
特徴B5.遊技状態として、前記特典契機の発生頻度が相対的に高低となる高頻度状態(高頻度サポートモード)と低頻度状態(低頻度サポートモード)とが設定されており、
前記特定送信手段は、前記高頻度状態である場合に前記特定特典付与コマンドを送信するものであり、
前記送信手段は、前記低頻度状態である場合に、前記特典契機が発生する度に前記特典付与コマンドを送信する手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、高頻度状態である場合には特定特典付与コマンドを送信することにより、特典契機の発生に対してまとめて対応することを可能とする。一方、低頻度状態である場合には、特典契機の発生頻度が低いため、複数発生するまで特定特典付与コマンドの送信を待つ構成とすると、特典契機の発生タイミングと、特典が付与されるタイミングとのタイムラグが大きくなり易く、遊技への意欲が低下し易い。この点、本特徴によれば、低頻度状態では、特典契機が発生する度に特典付与コマンドを送信することにより、特典契機の発生タイミングと特典の付与タイミングとのタイムラグを小さくすることができ、遊技への意欲の低下を抑制することができる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技媒体を払い出す払出手段(払出装置77)と、
予め定められた特定契機(第2作動口34への入賞)が発生した場合に、予め定められた払出コマンドを送信する送信手段(主側MPU202)と、
前記払出コマンドを受信した場合に、遊技媒体が払い出されるよう前記払出手段を制御する払出制御手段(払出制御装置78)と、
を備えている遊技機において、
前記払出手段は、前記遊技媒体を払い出す速度が相対的に高低となる高速状態(高速モード)と低速状態(低速モード)とに切換可能に構成されており、
前記払出制御手段は、
前記払出手段により払い出すべき前記遊技媒体の数である払出数を特定するための払出数情報(払出カウンタXC)が記憶された記憶手段(払出カウンタエリア214b)と、
前記払出コマンドを受信した場合に、当該払出コマンドに対応する遊技媒体数分だけ前記払出数が増加するように前記払出数情報を更新する更新手段(払出側MPU212において払出カウンタXCを更新する機能)と、
を備え、前記払出数が予め定められた特定数(3個)よりも多い場合には、前記遊技媒体が前記高速状態で払い出されるよう前記払出手段を制御する一方、前記払出数が前記特定数よりも少ない場合には、前記遊技媒体が前記低速状態で払い出されるよう前記払出手段を制御するものであり、
前記払出制御手段は、前記払出コマンドのうち予め定められた特定払出コマンド(1個賞球コマンド)を複数受信したことに基づいて、前記払出手段の制御を行う特定払出制御手段(第3実施形態において払出側MPU212の賞球設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、特定払出コマンドを複数受信したことに基づいて、払出手段の制御を行うことにより、払出手段の制御を行う場合の払出数が特定数よりも多くなり易い。これにより、払出手段が高速状態となり易いことが期待される。よって、払出手段の払出態様として高速状態と低速状態とが設定されている構成において、遊技媒体の払出の高速化を図ることができる。
特徴C2.前記特定数は第1特定数であり、
前記特定払出コマンドは、前記第1特定数よりも少ない第2特定数(1個)の遊技媒体を払い出すコマンドであり、
前記特定払出制御手段は、前記第1特定数を前記第2特定数で除算した商以上の回数だけ前記特定払出コマンドを受信した場合に、前記遊技媒体の払出が行われるよう前記払出手段を制御するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、記憶手段に記憶されている払出数情報に関わらず、確実に高速状態で払出手段による払出を開始させることができる。
特徴C3.前記払出制御手段は、前記払出手段による払出が行われているか否かを判定する払出判定手段(払出側MPU212にてステップS2004の処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段は、前記払出判定手段により前記払出手段による払出が行われていると判定された場合、前記特定払出コマンドを受信する度に当該特定払出コマンドに対応する遊技媒体数だけ前記払出数を加算するものであることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、払出手段による払出が行われている場合には、特定払出コマンドを受信する度に特定払出コマンドに対応する遊技媒体数が払出数に加算される。これにより、払出数が特定数よりも小さくなりにくいため、払出手段の高速状態を維持することができる。
特徴C4.遊技状態として、前記特定契機の発生頻度が相対的に高低となる高頻度状態(高頻度サポートモード)と低頻度状態(低頻度サポートモード)とが設定されており、
前記特定払出制御手段は、前記高頻度状態である状況において前記特定払出コマンドを複数受信したことに基づいて、前記払出手段による遊技媒体の払出が行われるよう前記払出手段を制御するものであり、
前記払出制御手段は、前記低頻度状態である状況において、前記特定払出コマンドを受信する度に、前記払出手段による遊技媒体の払出が行われるよう前記払出手段を制御する手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、高頻度状態である場合には特定払出コマンドを複数受信したことに基づいて払出を行う構成とすることにより、払出手段を高速状態にすることができる。一方、低頻度状態である場合には特定契機の発生頻度が低いため、特定払出コマンドを複数受信するのに要する期間が長くなり易い。このため、特定契機の発生タイミングと、遊技球の払出タイミングとのタイムラグが大きくなり易く、遊技への意欲が低下し易い。この点、本特徴によれば、低頻度状態では、特定払出コマンドを受信する度に遊技媒体の払出を行うことにより、上記タイムラグを小さくすることができ、遊技への意欲の低下を抑制することができる。
<特徴D群>
特徴D1.第1特定契機(第2作動口34への入賞)が発生した場合に第1コマンド(1個賞球コマンド)を送信し、第2特定契機(第1作動口33への入賞等)が発生した場合に第2コマンド(3個賞球コマンド等)を送信する送信手段(主側MPU202)と、
前記第1コマンドを受信した場合に第1特典を付与し、前記第2コマンドを受信した場合に第2特典を付与する特典付与手段(払出装置77等)と、
を備えた遊技機において、
前記第1特典の付与を行うべき第1特典付与回数を特定するための第1数値情報(1個賞球用カウンタPC4)が記憶された第1記憶手段(1個賞球用カウンタエリア234)と、
前記第1特定契機が発生した場合に前記第1特典付与回数が1加算されるよう前記第1数値情報を更新し、前記第1特典が付与された場合に前記第1特典付与回数が1減算されるよう前記第1数値情報を更新する第1更新手段(主側MPU202にて1個賞球用カウンタPC4を更新する機能)と、
前記第2特典の付与を行うべき第2特典付与回数を特定するための第2数値情報(3個賞球用カウンタPC3等)が記憶された第2記憶手段(3個賞球用カウンタエリア233等)と、
前記第2特定契機が発生した場合に前記第2特典付与回数が1加算されるよう前記第2数値情報を更新し、前記第2特典が付与された場合に前記第2特典付与回数が1減算されるよう前記第2数値情報を更新する第2更新手段(主側MPU202にて3個賞球用カウンタPC3を更新する機能等)と、
を備え、
遊技状態として、前記第1特定契機の発生頻度が前記第2特定契機の発生頻度よりも高い特定遊技状態(高頻度サポートモード)が設定されており、
前記各記憶手段が記憶可能な前記各特典付与回数の上限数は予め定められており、
前記送信手段は、少なくとも前記特定遊技状態においては、前記第2コマンドよりも前記第1コマンドを優先的に送信するものであることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、発生頻度が相対的に高い第1特定契機の発生に基づく第1コマンドが、発生頻度が相対的に低い第2特定契機の発生に基づく第2コマンドよりも優先的に送信されることにより、第1特典付与回数が優先的に減算されることになる。これにより、第1特典付与回数が上限値となるオーバーフローが発生しにくい。よって、上記オーバーフローに起因する遊技者の不利益を回避することができる。
特徴D2.前記第2特典は前記第1特典よりも遊技者に有利なものであり、
前記送信手段は、前記特定遊技状態とは異なる遊技状態である場合には、前記第1コマンドよりも前記第2コマンドを優先的に送信するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、特定遊技状態とは異なる遊技状態である場合には、第2コマンドが優先される。これにより、遊技者に対して、有利な特典から付与することができるため、遊技者の遊技への意欲の向上を図ることができる。
特徴D3.前記第2特典は前記第1特典よりも遊技者に有利なものであり、
前記送信手段から送信された前記各コマンドを前記特典付与手段に伝送するのに用いられる伝送手段(主制御装置71と払出制御装置78とを接続する配線及び賞球コマンド格納エリア214a)を備え、
前記送信手段は、遊技に関する制御を行う制御手段(主側MPU202)に動作電力が供給されたことに基づいて前記各コマンドを送信するか否かを判定する判定手段を備え、
前記判定手段により前記各コマンドを送信すると判定された場合には、最初に前記第1コマンドを送信し、その後前記第2コマンドを送信するものであることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
制御手段に動作電力が供給された直後においては、伝送手段の状態が不安定となり易い。このため、制御手段に動作電力が供給された後に最初に送信されるコマンドについては、伝送エラーが発生しやすい。
これに対して、本特徴によれば、相対的に遊技者に不利な第1コマンドが最初に出力されるため、仮に第1コマンドについて伝送エラーが生じた場合であっても、それに基づく遊技者の不利益は少ない。これにより、伝送エラーに基づく遊技者の不利益を軽減することができる。
特徴D4.前記特定遊技状態は第1特定遊技状態であり、
遊技状態として、前記第2特定契機の発生頻度が前記第1特定契機の発生頻度よりも高い第2特定遊技状態が設定されており、
前記送信手段は、前記第1特定遊技状態である場合には、前記第2コマンドよりも前記第1コマンドを優先的に送信する一方、前記第2特定遊技状態である場合には、前記第1コマンドよりも前記第2コマンドを優先的に送信するものであることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、遊技状態に応じて入賞頻度が異なるものにおいて、各特典付与回数のオーバーフローを好適に抑制することができる。
特徴D5.前記第1記憶手段に記憶されている前記第1数値情報に基づいて前記第1コマンドを送信するか否かを決定する第1決定処理(ステップS1502〜ステップS1504の処理)を実行する手段と、
前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報に基づいて前記第2コマンドを送信するか否かを決定する第2決定処理(ステップS1505〜ステップS1507の処理)を実行する手段と、
を備え、
前記送信手段は、前記各決定処理により送信対象として決定されたコマンドを順次送信するものであり、
前記各決定処理のうち、優先的に送信するコマンドに対応した決定処理を、他の決定処理よりも先に実行するものであることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、各決定処理を実行する順番を設定することにより、コマンドの優先順位が決まる。これにより、送信手段の構成の複雑化を抑制しつつ、送信対象のコマンドの優先順位を比較的容易に決定することができる。
<特徴E群>
特徴E1.第1特定契機(第2作動口34への入賞)が発生した場合に第1コマンド(1個賞球コマンド)を送信し、第2特定契機(第1作動口33への入賞等)が発生した場合に第2コマンド(3個賞球コマンド等)を送信する送信手段(主側MPU202)と、
前記第1コマンドを受信した場合に第1特典を付与し、前記第2コマンドを受信した場合に第2特典を付与する特典付与手段(払出装置77等)と、
前記送信手段及び前記特典付与手段間において前記各コマンドを伝送するのに用いられる伝送手段(主制御装置71と払出制御装置78とを接続する配線及び賞球コマンド格納エリア214a)と、
を備えた遊技機において、
前記送信手段は、遊技に関する制御を行う制御手段(主側MPU202)に動作電力が供給されてから最初に送信するコマンドとして、前記第2コマンドよりも前記第1コマンドを優先的に選択するものであることを特徴とする遊技機。
制御手段に動作電力が供給された直後においては、伝送手段の状態が不安定となり易い。このため、制御手段に動作電力が供給された後に最初に送信されるコマンドについては、伝送エラーが発生しやすい。
これに対して、本特徴によれば、相対的に遊技者に不利な第1コマンドが最初に出力されるため、仮に第1コマンドについて伝送エラーが生じた場合であっても、それに基づく遊技者の不利益は少ない。これにより、伝送エラーに基づく遊技者の不利益を軽減することができる。
特徴E2.前記第1特典の付与を行うべき第1特典付与回数を特定するための第1数値情報(1個賞球用カウンタPC4)が記憶された第1記憶手段(1個賞球用カウンタエリア234)と、
前記第2特典の付与を行うべき第2特典付与回数を特定するための第2数値情報(3個賞球用カウンタPC3)が記憶された第2記憶手段(3個賞球用カウンタエリア233)と、
前記制御手段への動作電力の供給が停止した場合に、前記各記憶手段に記憶されている情報を保持する電断対応手段(主側MPU202のステップS201の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記送信手段は、前記制御手段に動作電力が供給されたことに基づいて、前記電断対応手段によって保持された前記各記憶手段の前記各数値情報に基づいて前記各コマンドを送信するか否かを特定し、且つ前記第1記憶手段の情報に基づいて前記第1特定契機の発生回数が複数回であると特定された場合には、前記第1コマンドを複数送信した後に前記第2コマンドを送信するものであることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
制御手段に動作電力が供給された場合、その供給後から複数回に亘ってコマンドの伝送エラーが生じ易い場合がある。この点、本特徴によれば、第1コマンドが複数回送信された後に、第2コマンドが送信される。これにより、第2コマンドの伝送エラーを回避することができる。
特徴E3.遊技状態として、前記第1特定契機の発生頻度が前記第2特定契機の発生頻度よりも高い特定遊技状態(高頻度サポートモード)が設定されていることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、発生頻度が相対的に高い第1特定契機の発生に基づく第1コマンドが、発生頻度が相対的に低い第2特定契機の発生に基づく第2コマンドよりも優先的に送信されることにより、第1特典付与回数が優先的に減算されることになる。これにより、第1特典付与回数が上限値となるオーバーフローが発生しにくい。よって、上記オーバーフローに起因する遊技者の不利益を回避することができる。
<特徴F群>
特徴F1.予め定められた特定契機が発生した場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段を備えた遊技機において、
前記特定契機として第1特定契機(第2作動口34への入賞)及び前記第1特定契機とは異なる第2特定契機(可変入賞装置32への入賞)が設定されており、
前記特典付与手段は、前記第1特定契機が発生した場合に第1特典を付与する一方、前記第2特定契機が発生した場合に第2特典を付与するものであり、
前記第1特典の付与を行うべき第1特典付与回数を特定するための第1数値情報(1個賞球用カウンタPC4)が記憶された第1記憶手段(1個賞球用カウンタエリア234)と、
前記第1特定契機が発生した場合に前記第1特典付与回数が1加算されるよう前記第1数値情報を更新し、前記第1特典が付与された場合に前記第1特典付与回数が1減算されるよう前記第1数値情報を更新する第1更新手段(主側MPU202の1個賞球用カウンタPC4を更新する機能)と、
前記第2特典の付与を行うべき第2特典付与回数を特定するための第2数値情報(15個賞球用カウンタPC1)が記憶された第2記憶手段(15個賞球用カウンタエリア231)と、
前記第2特定契機が発生した場合に前記第2特典付与回数が1加算されるよう前記第2数値情報を更新し、前記第2特典が付与された場合に前記第2特典付与回数が1減算されるよう前記第2数値情報を更新する第2更新手段(主側MPU202の15個賞球用カウンタPC1を更新する機能)と、
を備え、
遊技状態として、前記第1特定契機の発生頻度が前記第2特定契機の発生頻度よりも高い特定遊技状態(高頻度サポートモード)が設定されており、
前記各記憶手段が記憶可能な前記各特典付与回数の上限数は予め定められており、
予め定められた変換契機が発生した場合に、前記第1数値情報に基づく前記第1特典の一部が前記第2特典に変換されるように、前記各数値情報を更新する変換更新手段(主側MPU202の賞球用カウンタ調整処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、特定遊技状態においては、第1特定契機の発生頻度が相対的に高いため、第1特典を付与すべき回数を示す第1特典付与回数が上限数に近づくことが想定され、第1特典付与回数がオーバーフローするおそれがある。これに対して、本特徴によれば、第1特典の一部が第2特典に変換されるように、各数値情報が更新される。これにより、遊技者に付与される特典を維持しつつ、第1特典付与回数のオーバーフローを抑制することができる。
特徴F2.前記特典付与手段は、前記第1特典として第1特定数(1個)の遊技媒体を払い出し、前記第2特典として前記第1特定数の特定倍数である第2特定数(15個)の前記遊技媒体を払い出すものであり、
前記変換更新手段は、遊技者に払い出される遊技媒体数が同一となるように、前記第1特定数を減算し、前記第2特定数を加算するものであることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、遊技者に付与される遊技媒体は同一となっているため、変換に起因して遊技者に不利益を付与することを回避することができる。
なお、詳細な構成としては、例えば「前記変換更新手段は、前記第1特定数を前記特定倍数だけ減算し、前記第2特定数を1加算する」構成等が考えられる。
特徴F3.前記特定遊技状態であるか否かを判定する判定手段(主側MPU202のステップS906の処理を実行する機能)を備え、
前記変換更新手段は、前記判定手段により前記特定遊技状態であることが判定された場合に、前記各数値情報の更新を行うものであることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、特典の変換に係る各数値情報の更新は、第1特定契機の発生頻度が第2特定契機の発生頻度よりも高い特定遊技状態において実行される。これにより、第1特典付与回数のオーバーフローを好適に抑制することができる。
特徴F4.前記特典付与手段は、
特典として遊技媒体の払出を行う払出手段(払出装置77)と、
前記払出手段を制御する払出制御手段(払出制御装置78)と、
を備え、
前記第1記憶手段に記憶されている前記第1数値情報に基づいて第1払出コマンド(1個賞球コマンド)を送信し、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報に基づいて第2払出コマンド(15個賞球コマンド)を送信する送信手段(主側MPU202)を備え、
前記払出制御手段は、
前記第1払出コマンドを受信した場合に、前記第1特典として第1特定数の前記遊技媒体が払い出されるよう前記払出手段を制御し、
前記第2払出コマンドを受信した場合に、前記第2特典として前記第1特定数の特定倍数である第2特定数の遊技媒体が払い出されるよう前記払出手段を制御するものであり、
前記第1更新手段は、前記第1特定契機が発生する度に前記第1特典付与回数が1加算されるよう前記第1数値情報を更新し、前記第1払出コマンドが送信される度に前記第1特典付与回数が1減算されるよう前記第1数値情報を更新するものであり、
前記第2更新手段は、前記第2特定契機が発生する度に前記第2特典付与回数が1加算されるよう前記第2数値情報を更新し、前記第2払出コマンドが送信される度に前記第2特典付与回数が1減算されるよう前記第2数値情報を更新するものであり、
前記払出制御手段は、予め定められた禁止条件が成立した場合には、前記送信手段による前記各払出コマンドの送信を禁止させるための禁止信号(LOWレベル賞球許可信号)を出力する手段を備え、
前記変換更新手段は、前記禁止条件が成立している場合に実行するものであることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F4によれば、払出コマンドの送信が禁止されている場合、第1特典付与回数が減算されることがないため、オーバーフローし易い。これに対して、本特徴によれば、オーバーフローし易い払出コマンドの送信が禁止されている場合に、変換更新手段の更新が行われるため、上記オーバーフローを好適に抑制することができる。
より具体的な構成としては、「前記禁止信号が出力されているか否かを判定する判定手段を備え、前記判定手段により前記禁止信号が出力されていると判定された場合に前記変換更新手段の更新を行う一方、前記禁止信号が出力されていないと判定された場合に前記送信手段による前記払出コマンドの出力を実行するものである」とよい。これにより、禁止信号が出力されている場合には、送信手段による送信に係る処理に代えて、変換更新手段の更新が行われることとなるため、処理負荷の軽減を図ることができる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技媒体を払い出す払出手段(払出装置77)と、
前記払出手段を制御する払出制御手段(払出制御装置78)と、
予め定められた特定契機が発生した場合に、前記払出制御手段に前記遊技媒体の払出を行うための払出コマンドを送信する送信手段(主側MPU202)と、
を備え、
前記払出制御手段は、前記払出コマンドを受信した場合に、当該払出コマンドに対応した数だけ前記遊技媒体が払い出されるよう前記払出手段を制御する遊技機において、
前記払出手段は、前記遊技媒体を払い出す速度が相対的に高低となる高速状態(高速モード)と低速状態(低速モード)とに切換可能に構成されており、
前記払出制御手段は、
前記払出手段により特典として払い出すべき遊技媒体数である払出数を特定するための払出数情報(払出カウンタXC)が記憶された記憶手段(払出カウンタエリア214b)と、
前記払出コマンドを受信した場合に、当該払出コマンドに対応する遊技媒体数分だけ前記払出数が増加するように前記払出数情報を更新する更新手段(払出側MPU212の賞球設定処理を実行する機能)と、
を備え、前記払出数が予め定められた特定数(3個)よりも多い場合には、前記遊技媒体が前記高速状態で払い出されるよう前記払出手段を制御する一方、前記払出数が前記特定数よりも少ない場合には、前記遊技媒体が前記低速状態で払い出されるよう前記払出手段を制御するものであり、
前記払出制御手段は、前記払出コマンドの送信を許可する許可信号(HIレベルの賞球許可信号)を前記送信手段に出力する許可信号出力手段を備え、
前記送信手段は、前記許可信号が入力された場合に前記払出コマンドを送信可能な状態となるものであり、
前記許可信号出力手段は、前記払出数が前記特定数以上である状況において前記許可信号を出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、払出数が特定数よりも多い状況において許可信号が出力可能となっているため、高速状態中に払出コマンドが出力されることが期待できる。これにより、高速状態を維持することが期待できる。よって、遊技媒体の払出を高速に行うことができ、遊技媒体の払出が遅いことに起因する遊技への意欲の低下を抑制することができる。そして、高速状態と低速状態との切換頻度を低減することができるため、払出手段への負担を軽減することができる。
特徴G2.前記払出手段により払い出された遊技媒体を検知する払出検知手段(払出球検知センサ128)を備え、
前記更新手段は、前記払出検知手段により前記遊技媒体の払出が検知される度に、前記払出数が1減算するよう前記払出数情報を更新するものであり、
前記許可信号出力手段は、前記払出数が前記特定数となったことに基づいて、前記許可信号を出力するものであり、
前記送信手段は、前記許可信号が入力された場合、当該許可信号が出力されたタイミングから、前記払出手段により前記高速状態で遊技球が払い出されるタイミングまでの間に前記払出コマンドを出力可能に構成されていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、許可信号を出力する契機となる遊技媒体数と、払出手段の払出態様が高速状態となる契機の遊技媒体数とが同一に設定されているため、記憶手段に過度な払出数を示す払出数情報が設定されることを抑制することができる。これにより、仮に何らかの要因により記憶手段の情報が消去された場合であっても、遊技者の不利益を最小限に抑制することができる。
かかる構成において、許可信号が出力されてから、遊技球の払出タイミングまでの間に払出コマンドが出力可能に構成されているため、許可信号が出力されてから、高速状態から低速状態に切り換わる前段階にて、払出コマンドが出力されることが期待される。払出コマンドが出力された場合には払出数は増加するため、払出手段は高速状態を維持する。これにより、許可信号を出力する契機となる遊技媒体数と、払出手段の払出態様が高速状態となる契機の遊技媒体数とが同一に設定されている構成において、低速状態と高速状態との切換頻度を低減することができる。
特徴G3.前記払出数が前記特定数よりも大きい規定数以上となったことに基づいて、前記送信手段による前記払出コマンドの送信を禁止する禁止手段(払出側MPU212におけるLOWレベルの賞球許可信号を出力する機能等)を備えていることを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、払出手段の高速状態を維持しつつ、払出数情報に過剰な払出数が設定されることを抑制することができる。これにより、払出数情報のオーバーフローを抑制することができる。また、仮に払出数情報に異常が発生した場合であっても、遊技者に与える不利益が少ないため、払出数情報の異常に起因する遊技者の不利益を軽減することができる。
特徴G4.前記送信手段は、複数の前記払出コマンドをまとめて送信可能であり、
前記更新手段は、前記各払出コマンドそれぞれに対応する各遊技媒体数を合わせた分だけ前記払出数が増加するよう前記払出数情報を更新するものであり、
前記禁止手段は、前記各払出コマンドについての前記更新手段による更新が行われた後に、前記払出コマンドの送信を禁止するか否かを判断することを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
特徴G4によれば、払出コマンドがまとめて送信された場合には、各払出コマンドそれぞれについての払出数情報の更新が行われた後に、払出コマンドの送信を禁止するか否かの判断が行われる。これにより、送信回数の削減を図ることができるとともに、判断する回数が1回でよいため、各払出コマンドについての更新が行われる度に禁止するか否かを判断する構成と比較して、処理負荷の軽減を図ることができる。
特徴G5.前記記憶手段にて記憶される前記払出数の上限は予め定められており、
前記払出コマンドには、
払い出すべき遊技媒体数が第1数である第1払出コマンド(1個賞球コマンド)と、
払い出すべき遊技媒体数が前記第1数よりも多い第2数である第2払出コマンド(3個賞球コマンド等)と、
が含まれており、
前記送信手段は、予め定められた定期処理(タイマ割込み処理)において、前記第1払出コマンドについては複数まとめて送信可能である一方、前記第2払出コマンドについては1つだけ送信可能に構成されていることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
特徴G5によれば、比較的払い出すべき遊技媒体数が少ない第1払出コマンドは複数送信される一方、比較的払い出すべき遊技媒体数が多い第2払出コマンドは1つ送信される構成とすることにより、払出数が上限となることを抑制しつつ、払出手段を高速状態とすることができる。
<特徴H群>
特徴H1.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記遊技領域に形成され、遊技球が入球可能な第1状態と、前記第1状態よりも遊技球が入球しにくい又は入球が不可な第2状態とに切換可能な可変入球手段(第2作動口34)と、
前記可変入球手段の状態を切り換える可変入球制御を行う可変入球制御手段(主側MPU202)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特典として遊技球1個を払い出す特典付与手段(払出装置77等)と、
を備えている遊技機。
特徴H1によれば、可変入球手段に遊技球が入球した場合には、遊技球が1個払い出される。これにより、遊技球の増減を抑制しつつ、遊技を進行させることができる。
特徴H2.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記遊技領域に形成され、遊技球が入球可能な第1状態と、前記第1状態よりも遊技球が入球しにくい又は入球が不可な第2状態とに切換可能な可変入球手段(第2作動口34)と、
前記可変入球手段の状態を切り換える可変入球制御を行う可変入球制御手段(主側MPU202)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特典として遊技球1個を払い出す特典付与手段(払出装置77等)と、
前記可変入球手段が前記第1状態である状況において、前記遊技領域のうち予め定められた特定遊技領域(可変表示ユニット36の右側領域)を流下する遊技球が前記可変入球手段に入球するように、遊技球を前記可変入球手段に誘導する誘導手段(誘導釘38b)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H2によれば、可変入球手段が第1状態である状況においては、遊技球が特定遊技領域を流下するように遊技球を発射させることにより、可変入球手段への遊技球の入球が可能となる。そして、可変入球手段に遊技球が入球した場合には遊技球が1個払い出される。これにより、遊技球数を維持した状態で遊技を進行させることができる。
特徴H3.前記発射手段は、予め定められた発射周期で遊技球を発射するものであり、
遊技状態として、前記可変入球手段への入球の期待度が相対的に高低となる高期待度状態(高頻度サポートモード)と、低期待度状態(低頻度サポートモード)とが設定されており、
前記可変入球制御手段は、前記高期待度状態では、前記第2状態となっている期間が前記発射周期よりも短くなるよう前記可変入球手段を制御するものであることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、高期待度状態では、可変入球手段の第2状態の期間は発射周期よりも短い。このため、高期待度状態においては、発射手段による遊技球の発射タイミングに関わらず、特定遊技領域を流下する遊技球は、ほぼ全て可変入球手段に入球する。これにより、高期待度状態では、遊技球数を維持した状態で遊技を進行させることができる。
ここで、可変入球手段において第2状態が長く設定されている場合、第2状態中は遊技球を発射せず、第1状態となるタイミングで遊技球を発射する所謂止め打ちが行われる場合がある。この場合、高期待度状態において遊技球数が増加するおそれがある。特に、可変入球手段への入球に基づく遊技球の払出数が複数である場合には、上記遊技球数の増加が顕著となる。
これに対して、本特徴によれば、高期待度状態においては、発射手段による遊技球の発射タイミングに関わらず、特定遊技領域を流下する遊技球は、ほぼ全て可変入球手段に入球するため、上記止め打ちを無意味なものとすることができる。これにより、止め打ちを抑制することができ、遊技の公平性を確保することができる。
<特徴I群>
特徴I1.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記遊技領域に形成され、遊技球が入球可能な第1状態と、前記第1状態よりも遊技球が入球しにくい又は入球が不可な第2状態とに切換可能な可変入球手段(第2作動口34)と、
前記可変入球手段の状態を切り換える可変入球制御を行う可変入球制御手段(主側MPU202)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球した場合に、特典として当該可変入球手段に入球した遊技球の数と同一数の遊技球を払い出す特典付与手段(払出装置77等)と、
を備えている遊技機。
特徴I1によれば、可変入球手段に遊技球が入球した場合には、当該可変入球手段に入球した遊技球の数と同一数の遊技球が払い出される。これにより、遊技球の増減を抑制しつつ、遊技を進行させることができる。
特徴I2.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記遊技領域に形成され、遊技球が入球可能な第1状態と、前記第1状態よりも遊技球が入球しにくい又は入球が不可な第2状態とに切換可能な可変入球手段(第2作動口34)と、
前記可変入球手段の状態を切り換える可変入球制御を行う可変入球制御手段(主側MPU202)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球した場合に、特典として当該可変入球手段に入球した遊技球の数と同一数の遊技球を払い出す特典付与手段(払出装置77等)と、
前記可変入球手段が前記第1状態である状況において、前記遊技領域のうち予め定められた特定遊技領域(可変表示ユニット36の右側領域)を流下する遊技球が前記可変入球手段に入球するように、遊技球を前記可変入球手段に誘導する誘導手段(誘導釘38b)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I2によれば、可変入球手段が第1状態である状況においては、遊技球が特定遊技領域を流下するように遊技球を発射させることにより、可変入球手段への遊技球の入球が可能となる。そして、可変入球手段に遊技球が入球した場合には、当該可変入球手段に入球した遊技球の数と同一数の遊技球が払い出される。これにより、遊技球数を維持した状態で遊技を進行させることができる。
特徴I3.前記発射手段は、予め定められた発射周期で遊技球を発射するものであり、
遊技状態として、前記可変入球手段への入球の期待度が相対的に高低となる高期待度状態(高頻度サポートモード)と、低期待度状態(低頻度サポートモード)とが設定されており、
前記可変入球制御手段は、前記高期待度状態では、前記第2状態となっている期間が前記発射周期よりも短くなるよう前記可変入球手段を制御するものであることを特徴とする特徴I2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、高期待度状態では、可変入球手段の第2状態の期間は発射周期よりも短い。このため、高期待度状態においては、発射手段による遊技球の発射タイミングに関わらず、特定遊技領域を流下する遊技球は、ほぼ全て可変入球手段に入球する。これにより、高期待度状態では、遊技球数を維持した状態で遊技を進行させることができる。
ここで、可変入球手段において第2状態が長く設定されている場合、第2状態中は遊技球を発射せず、第1状態となるタイミングで遊技球を発射する所謂止め打ちが行われる場合がある。この場合、高期待度状態において遊技球数が増加するおそれがある。特に、可変入球手段への入球に基づく遊技球の払出数が複数である場合には、上記遊技球数の増加が顕著となる。
これに対して、本特徴によれば、高期待度状態においては、発射手段による遊技球の発射タイミングに関わらず、特定遊技領域を流下する遊技球は、ほぼ全て可変入球手段に入球するため、上記止め打ちを無意味なものとすることができる。これにより、止め打ちを抑制することができ、遊技の公平性を確保することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得るパチンコ機以外の遊技機の基本構成を示す。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典として遊技メダルを付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。