JP2014106057A - 指針構造 - Google Patents

Abstract

【課題】大型化することなく成形時の不具合の発生を抑えることができる指針構造を提供する。
【解決手段】指針構造において、指針基端側に設けた光導入部６５から導入した光源光を指針先端側の指針視認部８１に伝搬させる指針本体５５と、光導入部６５において指針本体５５の対向する一方の面に設けられる受光部９１と、指針本体５５の他方の面に設けられ、傾斜底面９３の裏側が受光部９１から導入された光の反射面９５となる凹部９７と、光導入部６５における一方の面と他方の面とに挟まれる両側面９９に設けられる膨出部１０１と、を設けた。
【選択図】図４

Description

本発明は、指針構造に関する。

車両用の指針装置としては、回転指針用の文字板の中央部分に液晶ディスプレ（ＬＣＤ）などの表示器を配置したものが知られている。そして、通常の回転指針用の文字板の表面側に表示器を配置すれば、指針によって表示器の視認が邪魔されることなく、文字板の中央部に表示器を配置することができる。
しかしながら、文字板が例えば車速などの重要な情報を表示し、表示器が現在時刻などの比較的重要でない情報を表示する場合などは、文字板を表示器の正面側に配置して、文字板の視認性をより高めたいという要望があった。

そこで、図５に示すような指針装置では、例えば車速を示す指標が形成された文字板６００の裏面側に表示器であるＬＣＤ６１０を設け、文字板６００の中央部に穿設した開口６０１から裏面側に設けられたＬＣＤ６１０が露出されている。さらに、指針装置は、文字板６００に設けられた指標を指示する指針６２０と、電子部品を搭載した基板６３０と、該基板６３０に搭載されて指針６２０を回転駆動する内機６４０とを有している（例えば、特許文献１参照）。

上記指針６２０は、内機６４０からＬＣＤ６１０の背面、ＬＣＤ６１０の外側面、ＬＣＤ６１０と文字板６００との間、文字板６００の内縁側及び表面側の順に沿って設けられている。つまり、指針６２０は、文字板６００とＬＣＤ６１０との間で折りかえされる略Ｓ字状の形状となっている。この構成によれば、文字板６００の裏面側にＬＣＤ６１０を配置しても、指針６２０によってＬＣＤ６１０の視認が邪魔されることがない。

ところで、上記の指針６２０には、より視認性を高めるために自発光させたいという要望があった。この場合、例えば、上記基板６３０に内機６４０の回転軸を囲むように複数のＬＥＤ光源が設けられると共に、指針６２０の指針本体が導光部材で構成される。そして、指針本体の基端側に設けた光導入部から導入されて内機６４０側から受光した光源からの光が指針本体の先端側の指針視認部に導かれるように構成することが考えられる。

図６及び図７は指針基端側に光導入部が設けられる自発光式指針における指針本体の参考例を示す全体斜視図、要部平面図及び縦断面図である。
導光部材により構成された指針本体５０１は、先端側の指針視認部５０４に指針屈曲部５０８ｄを介して接続された指針首部５１０と、指針首部５１０の基端側に接続された３つの指針屈曲部５０８ａ〜５０８ｃを有するコ字形状曲部５０６とで、略Ｓ字状の形状に形成とされている。また、指針本体５０１の基端側には、導入した光を先端側の指針視認部５０４に伝搬させるための光導入部５０３が形成されている。

光導入部５０３において、指針本体５０１の上下に対向する一方の面(図中、下面)には、受光部５０５が設けられている。また、指針本体５０１の他方の面（図中、上面）には、傾斜底面５０７の裏側が受光部５０５から導入された光の反射面５０９となる孔５１１が穿設されている。指針本体５０１の一方の面にはボス５１３が突設され、ボス５１３は指針支え５１５の位置規制孔５１７に嵌合することで、指針本体５０１を指針支え５１５に位置決めしている。

特開２００５−１８１３０１号公報

しかしながら、上述した指針本体５０１の光導入部５０３は、受光部５０５から導入した光を指針本体５０１の長手方向に変えるため、反射面５０９が孔５１１によって設けられている。その為、この孔５１１によって光導入部５０３には肉厚の少ない部分が発生し、指針成形時にショートショットやヒケ等の不具合が生じやすくなるという問題があった。これに対し、樹脂流動路断面積を確保するために指針本体５０１を一様に幅広とすれば、指針自体が大型化して重量増を招くと共に、内機の指針駆動力も増大させなければならず、指針装置全体の大型化及びコストアップを招く可能性がある。

本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、大型化することなく成形時の不具合の発生を抑えることができる指針構造を提供することにある。

本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
（１） 指針基端側に設けた光導入部から導入した光を指針先端側の指針視認部に伝搬させる指針本体と、前記光導入部において前記指針本体の対向する一方の面に設けられる受光部と、前記指針本体の他方の面に設けられ、傾斜底面の裏側が前記受光部から導入された光の反射面となる凹部と、前記光導入部における前記一方の面と前記他方の面とに挟まれる両側面に設けられる膨出部と、を備えることを特徴とする指針構造。

上記（１）の構成の指針構造によれば、指針本体の光導入部における一方の面と他方の面とに挟まれる両側面に膨出部が設けられることで、指針本体は凹部と膨出部との間の樹脂流動路断面積が増える。これにより、樹脂流動抵抗が減り、指針成形時の樹脂流動性が良くなって、成形時の不具合が生じにくくなる。

（２） 上記（１）の構成の指針構造であって、前記膨出部が、前記凹部の穿設方向と平行に母線が延びる半円柱体であることを特徴とする指針構造。

上記（２）の構成の指針構造によれば、指針成形時における膨出部への樹脂流入時、膨出部の金型面が円筒面の一部分となるので、角部を有する膨出部形状に比べて樹脂流動抵抗が小さくなる。

（３） 上記（１）または（２）の構成の指針構造であって、前記膨出部の膨出部中心が、前記反射面の反射面中央部に対して反射光の反射方向側と反対側にオフセットされていることを特徴とする指針構造。

上記（３）の構成の指針構造によれば、膨出部の膨出部中心が、凹部の最深部であり傾斜底面の下端である反射面の一端部と一致するように、反射面の反射面中央部からずらされることで、指針本体の横断面積が小さくなる反射面の一端部近傍での樹脂流動路断面積が増やされ、樹脂流動抵抗が小さくなる。

（４） 上記（１）〜（３）の構成のいずれか１つの指針構造であって、前記膨出部の近傍の前記両側面には爪係止突起が突設され、前記爪係止突起に指針支えの係止爪が係止されることで、前記指針本体が前記指針支えに保持されることを特徴とする指針構造。

上記（４）の構成の指針構造によれば、指針本体の両側面に突設された爪係止突起に係止爪が係止することにより、指針本体が指針支えに保持される。なお、爪係止突起は、両側面から突出することで指針成形時には樹脂流動路断面積を若干増やすものであるが、成形時の不具合の発生を抑える程の樹脂流動抵抗を低減させるものではない。

本発明に係る指針構造によれば、大型化することなく成形時の不具合の発生を抑えることができる。

以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態（以下、「実施形態」という。）を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。

本発明の一実施形態に係る指針構造を備える自発光式指針が設けられたコンビネーションメータの正面図である。の要部分解斜視図である。 図１に示したコンビネーションメータの縦断面図である。 図２に示した自発光式指針の全体斜視図である。 （ａ）は図３に示した自発光式指針の要部平面、（ｂ）は（ａ）の縦断面図である。 （Ａ）は従来の指針装置の一例を示す正面図であり、（Ｂ）は（Ａ）に示す指針装置の部分断面図である。 指針本体の参考例を示す全体斜視図である。 （ａ）は図６に示した指針本体の要部平面図、（ｂ）は（ａ）の縦断面図である。

以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図１に示すように、本実施形態に係る指針構造は、コンビネーションメータ１１の自発光式指針１３に好適に用いることができる。コンビネーションメータ１１は、例えば車両の図示しないインストルメントパネルに取り付けられる。コンビネーションメータ１１には、車両の速度を指示する速度計１５と、表示器であるＬＣＤ１７を用いたマルチ表示部１９と、ターンＬ表示部２１と、ターンＲ表示部２３と、燃料残量を指示する燃料計２５と、水温を指示する水温計２７と、シートベルト非着用やヘッドランプ消し忘れ用のウォーニング２９と、が設けられている。

図２に示すように、これら速度計１５、マルチ表示部１９、ターンＬ表示部２１、ターンＲ表示部２３、燃料計２５、水温計２７、ウォーニング２９は、コンビネーションメータ１１のケーシング３１に収容されている。ケーシング３１の正面には見返し３３（図１参照）が取り付けられ、見返し３３はケーシング３１に収容された配線基板３５や駆動部３７などを隠す。また、ケーシング３１の正面側には表ガラス３９が取り付けられている。

速度計１５は、自発光式指針装置４１を備える。自発光式指針装置４１は、自発光式指針１３、文字板４３、ＬＣＤ１７の背面に配置された駆動部３７、この駆動部３７により回転する回転軸４５、駆動部３７の実装される配線基板３５、配線基板３５を車体側ワイヤーハーネスと接続する外部接続用コネクタ４７を備える。文字板４３は、中央に略円形の穴４９が設けられた正面視ドーナツ状に形成され、その外周に沿って速度目盛５１が形成されている。ＬＣＤ１７は、文字板４３の背面に配置され、文字板４３の穴４９を通じて、正面から視認可能となっている。つまり、ＬＣＤ１７が、文字板４３の内縁部５３によって囲まれた形となっている。

本実施形態に係る指針構造を備えた自発光式指針１３は、図３に示すように、指針本体５５と、指針主カバー５７と、指針副カバー５９と、指針バランス部６１を有した指針支え６３と、を有する。指針本体５５の指針基端側には光導入部６５が形成される。指針本体５５は、図示しない光源からの光を入光させ、内部での伝搬を可能とする導光部材である透明な樹脂材からなる。樹脂材料としては、特に限定されないが、透過率や成形性の面からＰＭＭＡ（ポリメタクリ酸メチル）、ＰＣ（ポリカーボネート）、ＰＳ（ポリスチレン）、ＣＯＰ（環状オレフィンポリマー）などを用いることができる。指針主カバー５７及び指針副カバー５９は、遮光性を有する材料や遮光膜を形成することにより、後述する窓部８３以外からの文字板４３の表面側への光の出射を遮蔽している。

本実施形態の指針本体５５は、指針先端側の指針視認部８１が文字板４３表面６７に沿って配置される。図３に示すように、指針本体５５は、指針視認部８１に指針屈曲部６９を介して接続されて文字板４３の内縁部５３から文字板４３の裏側へ延設された指針首部７１を有する。指針首部７１の指針基端側には更に３つの指針屈曲部７３を有するコ字形状曲部７５が接続されることで、指針本体５５の先端側は略Ｓ字状の形状となっている。これにより、駆動部３７がＬＣＤ１７の背面側にあった場合でも、指針視認部８１がＬＣＤ１７より正面側に配置された文字板４３上の速度目盛５１を指示することができ、意匠性の向上を図ることができる。

指針主カバー５７は、第１側壁７７と底壁（不図示）を介して接続されて対峙する第２側壁７９とで指針首部７１より指針基端側の指針本体５５を挟む樋状に形成されている。図３に示すように、指針主カバー５７は、指針本体５５の先端側となるＳ字形状部位のみに装着される。

指針副カバー５９は、指針視認部８１を表出する窓部８３が穿設され、指針視認部８１の視認部両側面、指針屈曲部６９，７３、及び指針首部７１の首部両側面を覆うＬ字状カバー部８５を有し、首部両側面の一方を覆うＬ字状カバー側壁には第１側壁７７と第２側壁７９との離間開口部を閉鎖する指針蓋部８７が接続されている。

離間開口部を閉鎖する指針蓋部８７は、第１側壁７７及び第２側壁７９と指針蓋部８７との間に設けられる爪係合構造によって離間開口部に固定される。

本実施形態に係る指針本体５５は、図３及び図４に示すように、指針基端側に設けた光導入部６５から導入した光である光源光８９を指針先端側（図中、の左側）の指針視認部８１に伝搬させる。光導入部６５において、指針本体５５の対向する一方の面（図４（ｂ）中の下面）には、凸レンズ形状として光導効率を向上させた受光部９１が設けられる。指針本体５５の他方の面（図４（ｂ）中の上面）には、傾斜底面９３の裏側が受光部９１から導入された光の反射面９５となる凹部９７が設けられる。光導入部６５の一方の面と他方の面とに挟まれる両側面９９には、それぞれ膨出部１０１が設けられる。

本実施形態において、膨出部１０１は、凹部９７の穿設方向（図３中、上下方向）と平行に母線が延びる半円柱体（詳細には、円柱を一対の母線を含む面で２分割した小体積側の分割円柱体）１０３で形成されている。それぞれの半円柱体１０３は、指針支え６３に形成される一対の弧状挟持壁１０５によって挟持固定される。

更に、膨出部１０１は、膨出部中心１０７が反射面９５の反射面中央部１０９に対して反射光１１１の反射方向側と反対側（図４中、右側）にオフセットされている。なお、凹部９７は、傾斜底面９３の反対側が急傾斜底面１１３となる。この急傾斜底面１１３と傾斜底面９３との交わる部分が、凹部９７の最深部となる。なお、反射面を形成する凹部の形状は本実施形態の凹部９７の形状に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形状を採りうることはいうまでもない。

膨出部１０１の近傍の両側面９９には、爪係止突起１１５が突設されている。この爪係止突起１１５には、指針支え６３の係止爪１１７が係止されることで、指針本体５５が指針支え６３に離脱不能に保持される。指針本体５５の一方の面にはボス１１９が突設され、ボス１１９は指針支え６３の位置規制孔１２１に嵌合することで、指針本体５５を指針支え６３に位置決めする。

次に、上記構成を有する指針構造の作用を説明する。
上記実施形態に係る指針構造を備えた指針本体５５では、光導入部６５における一方の面と他方の面とに挟まれる両側面９９に膨出部１０１が設けられることで、指針本体５５は凹部９７と膨出部１０１との間の樹脂流動路断面積が増える。これにより、樹脂流動抵抗が減り、指針成形時の樹脂流動性が良くなって、ショートショットやヒケ等の成形時の不具合が生じにくくなる。

また、本実施形態の指針本体５５では、指針成形時における膨出部１０１への樹脂流入時、膨出部１０１の金型面が円筒面の一部分となるので、角部を有する膨出部形状に比べて樹脂流動抵抗が小さくなる。

また、本実施形態の指針本体５５では、図４に示したように、膨出部１０１の膨出部中心１０７が、凹部９７の最深部であり傾斜底面９３の下端である反射面９５の一端部１２３と一致するように、反射面９５の反射面中央部１０９からずらされることで、指針本体５５の横断面積が小さくなる反射面９５の一端部１２３近傍での樹脂流動路断面積が増やされ、樹脂流動抵抗が小さくなる。

更に、本実施形態の指針本体５５では、両側面９９に突設された爪係止突起１１５に係止爪１１７が係止することにより、指針本体５５が指針支え６３に保持される。なお、爪係止突起１１５は、両側面９９から突出することで指針成形時には樹脂流動路断面積を若干増やすものであるが、ショートショットやヒケ等の成形時の不具合を改善する程、樹脂流動抵抗を低減させる作用はない。

即ち、本実施形態の指針本体５５によれば、樹脂流動路断面積を確保するために指針本体５５を一様に幅広とする必要がなく、指針自体が大型化して重量増を招くことがないので、駆動部３７の指針駆動力を増大させる必要もなく、指針装置全体の大型化及びコストアップを招くこともない。
従って、本実施形態に係る指針構造を備えた指針本体５５によれば、大型化することなく成形時の不具合の発生を抑えることができる。

なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態の自発光式指針１３における指針本体５５は、指針視認部８１に指針屈曲部６９を介して接続されて文字板４３の内縁部５３から文字板４３の裏側へ延設された指針首部７１を有し、指針首部７１の指針基端側には更にコ字形状曲部７５が接続されることで、先端側が略Ｓ字状に形成されて４つの指針屈曲部６９，７３を備えた構造とされたが、本発明の指針構造はこれに限定されるものではない。即ち、指針視認部に指針屈曲部を介して接続されて文字板の外縁部から文字板の裏側へ延設された指針首部を有し、指針首部の指針基端側に直線状延設部が接続されることで、先端側が略Ｊ字状に形成されて２つの指針屈曲部を備えた指針本体を構成することもできる。

１３…自発光式指針
４３…文字板
５５…指針本体
６３…指針支え
６５…光導入部
８１…指針視認部
９１…受光部
９３…傾斜底面
９５…反射面
９７…凹部
９９…両側面
１０１…膨出部
１０３…半円柱体
１０７…膨出部中心
１０９…反射面中央部
１１１…反射光
１１５…爪係止突起
１１７…係止爪

Claims (4)

1. 指針基端側に設けた光導入部から導入した光を指針先端側の指針視認部に伝搬させる指針本体と、
   前記光導入部において前記指針本体の対向する一方の面に設けられる受光部と、
   前記指針本体の他方の面に設けられ、傾斜底面の裏側が前記受光部から導入された光の反射面となる凹部と、
   前記光導入部における前記一方の面と前記他方の面とに挟まれる両側面に設けられる膨出部と、
   を備えることを特徴とする指針構造。
2. 請求項１記載の指針構造であって、
   前記膨出部が、前記凹部の穿設方向と平行に母線が延びる半円柱体であることを特徴とする指針構造。
3. 請求項１または請求項２記載の指針構造であって、
   前記膨出部の膨出部中心が、前記反射面の反射面中央部に対して反射光の反射方向側と反対側にオフセットされていることを特徴とする指針構造。
4. 請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載の指針構造であって、
   前記膨出部の近傍の前記両側面には爪係止突起が突設され、前記爪係止突起に指針支えの係止爪が係止されることで、前記指針本体が前記指針支えに保持されることを特徴とする指針構造。

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