JP2014092236A - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2014092236A
JP2014092236A JP2012243848A JP2012243848A JP2014092236A JP 2014092236 A JP2014092236 A JP 2014092236A JP 2012243848 A JP2012243848 A JP 2012243848A JP 2012243848 A JP2012243848 A JP 2012243848A JP 2014092236 A JP2014092236 A JP 2014092236A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact
power transmission
continuously variable
contact portion
young
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012243848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5803878B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Ogawa
裕之 小川
Akira Hibino
晃 日比野
Yuki Aratsu
有希 荒津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2012243848A priority Critical patent/JP5803878B2/ja
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to US14/438,491 priority patent/US9714697B2/en
Priority to CN201380057744.0A priority patent/CN104769327B/zh
Priority to EP13852123.2A priority patent/EP2916041A4/en
Priority to KR1020157011477A priority patent/KR101688502B1/ko
Priority to PCT/JP2013/076594 priority patent/WO2014069141A1/ja
Priority to BR112015010178A priority patent/BR112015010178A2/pt
Publication of JP2014092236A publication Critical patent/JP2014092236A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5803878B2 publication Critical patent/JP5803878B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/48Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members with members having orbital motion
    • F16H15/50Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/52Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of another member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/08General details of gearing of gearings with members having orbital motion
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/32Friction members
    • F16H2055/325Friction members characterized by roughness or hardness of friction surface

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

【課題】コスト増大を抑えつつ耐久性を向上させること。
【解決手段】シャフト60と、第1及び第2の回転部材10,20と、サンローラ30と、キャリア40と、複数の遊星ボール50と、第1及び第2の回転部材10,20を各遊星ボール50に対して押し付ける為の軸線方向の軸力を発生させる軸力発生装置71,72と、各遊星ボール50を傾転させることで入出力間の変速比を変える傾転力付与部46と、を有し、第1及び第2の回転部材10,20は、その内の一方における遊星ボール50との接触部P1(P2)及び接触予備部のヤング率を他方における遊星ボール50との接触部P2(P1)及び接触予備部のヤング率よりも大きくすること。
【選択図】図1

Description

本発明は、共通の回転中心軸を有する複数の動力伝達要素と、その回転中心軸に対して放射状に複数配置した転動部材と、を備え、各動力伝達要素の内の2つに挟持された各転動部材を傾転させることによって入出力間の変速比を無段階に変化させるトラクションドライブ型の無段変速機に関する。
従来、この種の無段変速機としては、回転中心となる変速機軸と、この変速機軸の中心軸を回転中心軸とする相対回転可能な複数の動力伝達要素と、その回転中心軸に対して放射状に複数配置され、各動力伝達要素の内の3つに挟み込まれた転動部材と、を備えたボールプラネタリ式のものが知られている。このボールプラネタリ式の無段変速機においては、対向させて配置した第1動力伝達要素と第2動力伝達要素とで各転動部材が挟持されると共に、各転動部材が第3動力伝達要素の外周面上に配置されている。この無段変速機では、第1及び第2の動力伝達要素の内の少なくとも一方から転動部材に対して軸線方向の力(軸力)を加えることで、夫々の接触部の間にトラクション力(接線力)を発生させる。また、この無段変速機では、各転動部材を傾転させることで変速比が変わる。下記の特許文献1には、その様なボールプラネタリ式の無段変速機が開示されている。この特許文献1の無段変速機においては、第1から第3動力伝達要素と転動部材とにコーティングを施して摩擦係数を高くし、これに伴う軸力の低下によって耐久性の向上を図っている。尚、下記の特許文献2には、浸炭処理等の表面処置を施すことで出力ディスクの耐久性向上を図ったトロイダル式の無段変速機が開示されている。
特開2010−101496号公報 特開2005−180498号公報
しかしながら、上記特許文献1の無段変速機は、接触部を有する全ての部材に対してコーティングを行うので、コストの増大を招いてしまう。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、コスト増大を抑えつつ耐久性を向上させることのできる無段変速機を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、回転中心となる変速機軸と、前記変速機軸と同心の第1回転中心軸を有する相互間で周方向に相対回転が可能な第1から第4の動力伝達要素と、第2回転中心軸を有し、前記第1回転中心軸を中心にして放射状で且つ前記第3動力伝達要素の外周面上に複数配置されると共に、対向させて配置した前記第1及び第2の動力伝達要素で挟持され且つ前記第4動力伝達要素で傾転自在に保持された転動部材と、前記第1及び第2の動力伝達要素の内の少なくとも一方を前記各転動部材に対して押し付ける為の軸線方向の軸力を発生させる軸力発生装置と、前記各転動部材を傾転させることで入出力間の変速比を変える変速装置と、を有し、前記第1及び第2の動力伝達要素は、その内の一方における前記転動部材との接触部及び接触予備部のヤング率を他方における前記転動部材との接触部及び接触予備部のヤング率よりも大きくすることを特徴としている。
ここで、前記一方の動力伝達要素は、少なくとも前記接触部及び前記接触予備部の材料又は表面処理を前記他方の動力伝達要素における前記接触部及び前記接触予備部よりもヤング率の大きいものとすることが望ましい。
また、前記一方の動力伝達要素は、少なくとも2つの部材からなり、その内の前記接触部及び前記接触予備部を有する部材のヤング率を他の部材のヤング率よりも大きくすることが望ましい。
また、前記一方の動力伝達要素を動力の入力軸に連結し、前記他方の動力伝達要素を動力の出力軸に連結することが望ましい。
また、前記転動部材は、前記一方の動力伝達要素との接触部及び接触予備部のヤング率を前記他方の動力伝達要素との接触部及び接触予備部のヤング率よりも大きくし、且つ、前記一方の動力伝達要素との接触部及び接触予備部のヤング率を当該接触部及び当該接触予備部の成す円環の半径が小さくなるほど大きくすることが望ましい。
本発明に係る無段変速機は、第1及び第2の動力伝達要素の内の一方における転動部材との接触部及び接触予備部のヤング率を他方における転動部材との接触部及び接触予備部のヤング率よりも大きくすることで、その一方の動力伝達要素における接触部の接触楕円の面積を他方よりも小さくすることができ、且つ、この一方の動力伝達要素における接触部の接触楕円の面圧を他方よりも高くすることができる。これが為、その一方の動力伝達要素に係る接触部においては、この動力伝達要素における接触部及び接触予備部のヤング率を他方の動力伝達要素における接触部等と同じ大きさにしていた従来と比べて、軸力発生装置の軸力を減少させたとしても、トラクション力の目標値の発生に必要な接触楕円の面圧を確保することができる。また、この一方の動力伝達要素に係る接触部においては、従来と比べて、その様な接触楕円の面圧を確保しつつ、接触楕円の面積が狭まったことによるスピン損失の低減が可能になる。これと共に、他方の動力伝達要素に係る接触部においては、従来と比較して、軸力発生装置の軸力を減少させることで、過剰になる可能性のあった接触楕円の面圧を低下させることができる。故に、この他方の動力伝達要素に係る接触部においては、従来と比べて、トラクション力の目標値を発生させつつ、この他方の動力伝達要素や転動部材の耐久性を向上させることができる。従って、この無段変速機は、コストの増大を抑えつつ、そして、トラクションドライブとしての性能を確保しつつ、耐久性を向上させることができる。
図1は、本発明に係る無段変速機の構成の一例を示す断面図である。 図2は、キャリアの一方の固定円盤部について説明する図である。 図3は、キャリアにおける他方の固定円盤部と回転円盤部について説明する図である。 図4は、実施例における第1回転部材の一例を示す図である。 図5は、実施例における第1回転部材の他の例を示す図である。 図6は、変形例における遊星ボールの一例を示す図である。 図7は、変形例における遊星ボールの他の例を示す図である。
以下に、本発明に係る無段変速機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る無段変速機の実施例を図1から図5に基づいて説明する。
最初に、本実施例のトラクションドライブ型の無段変速機の一例について図1を用いて説明する。この無段変速機は、トラクション遊星機構に相当するボールプラネタリ式の無段変速機構を備えたものである。図1の符号1は、本実施例におけるボールプラネタリ式の無段変速機の一例を示す。
本実施例の無段変速機構は、共通の第1回転中心軸R1を有する4つの動力伝達要素と、第1回転中心軸R1を中心にして放射状に配置された複数の転動部材と、4つの動力伝達要素の回転中心に配置した変速機軸と、を備える。転動部材は、第1回転中心軸R1とは異なる第2回転中心軸R2を有するものであり、自身の第2回転中心軸R2と第1回転中心軸R1とを含む傾転平面上での傾転動作が可能である。以下においては、特に言及しない限り、その第1回転中心軸R1に沿う方向を軸線方向と云い、その第1回転中心軸R1周りの方向を周方向と云う。また、その第1回転中心軸R1に直交する方向を径方向と云い、その中でも、内方に向けた側を径方向内側、外方に向けた側を径方向外側と云う。
この無段変速機構は、4つの動力伝達要素の内の3つ(第1から第3の動力伝達要素)で各転動部材を挟持すると共に、残りの動力伝達要素(第4動力伝達要素)で各転動部材を自転自在で且つ傾転自在に保持する。各転動部材は、第1回転中心軸R1を中心にして放射状に配置される。そして、各転動部材は、軸線方向において対向させて配置された第1及び第2の動力伝達要素に挟持され、且つ、第3動力伝達要素の外周面上に配置される。
この無段変速機構は、第1から第4の動力伝達要素の間で各転動部材を介したトルクの伝達を行うことができる。例えば、この無段変速機構は、第1から第3の動力伝達要素と各転動部材との間にトラクション力(接線力)を発生させることで、その第1から第3の動力伝達要素の間での各転動部材を介したトルク(動力)の伝達を行うことができる。そのトラクション力は、第1及び第2の動力伝達要素の内の少なくとも一方を各転動部材に押し付けることによって発生させる。更に、この無段変速機構では、第4動力伝達要素の回転を許容することで、第4動力伝達要素と各転動部材との間におけるトルクの伝達も可能である。
また、この無段変速機構においては、夫々の転動部材の第2回転中心軸R2を傾転平面上で第1回転中心軸R1に対して傾倒させ、各転動部材を傾転させることによって、入出力間の回転速度(回転数)の比、つまり変速比γを変える。
この無段変速機構は、第1から第4の動力伝達要素の全てが変速機軸に対して相対回転可能な回転要素として用いられるものもあれば、第1から第4の動力伝達要素の内の何れか1つを変速機軸に対して相対回転できぬ固定要素として用いるものもある。前者の構成の場合には、第1から第4の動力伝達要素の内の何れか1つがトルクの入力部となり、これとは別の1つがトルクの出力部となる。一方、後者の構成の場合には、固定要素以外の3つの動力伝達要素の間で各転動部材を介したトルクの伝達が行われるので、その3つの動力伝達要素の内の何れか1つがトルクの入力部となり、これとは別の1つがトルクの出力部となる。これが為、この無段変速機構においては、入力部となる動力伝達要素と出力部となる動力伝達要素との間の回転速度(回転数)の比が変速比γとなる。例えば、この無段変速機1は、車両の動力伝達経路上に配設される。その際には、その入力部が機関(内燃機関等のエンジン)や回転機(電動機等)などの動力源側に連結され、その出力部が駆動輪側に連結される。この無段変速機1と駆動輪側との間には、別の変速機(例えば有段の手動変速機又は自動変速機等)を介在させる場合もある。この無段変速機1においては、入力部としての動力伝達要素にトルクが入力された場合の各動力伝達要素の回転動作を正駆動と云い、出力部としての動力伝達要素に正駆動時とは逆方向のトルクが入力された場合の各動力伝達要素の回転動作を逆駆動と云う。例えば、この無段変速機1は、先の車両の例示に従えば、加速等の様に動力源側からトルクが入力部たる動力伝達要素に入力されて当該動力伝達要素を回転させているときが正駆動となり、減速等の様に駆動輪側から出力部たる回転中の動力伝達要素に正駆動時とは逆方向のトルクが入力されているときが逆駆動となる。
ここで、この無段変速機1においては、第1及び第2の動力伝達要素がトラクション遊星機構で云うところのリングギヤ等の機能を為すものとなる。また、第3動力伝達要素と第4動力伝達要素は、各々トラクション遊星機構におけるサンローラとキャリアとして機能する。また、転動部材は、トラクション遊星機構におけるボール型ピニオンとして機能する。従って、この無段変速機1は、第1及び第2の動力伝達要素としての第1及び第2の回転部材10,20と、第3動力伝達要素としてのサンローラ30と、第4動力伝達要素としてのキャリア40と、転動部材としての遊星ボール50と、変速機軸としてのシャフト60と、を備える。そのシャフト60は、図示しない筐体や車体等における無段変速機1の固定部に固定したものであり、その固定部に対して相対回転させぬよう構成した円柱状又は円筒状の固定軸とする。この無段変速機1においては、傾転平面上で第1回転中心軸R1と第2回転中心軸R2とが平行になっている状態(図1の状態)を基準位置としている。尚、ここでは、キャリア40を固定要素として利用する場合を例示する。但し、後述する回転円盤部材42の回転だけは可能にしている。
第1及び第2の回転部材10,20は、中心軸を第1回転中心軸R1に一致させた円盤部材(ディスク)や円環部材(リング)であり、軸線方向で対向させて各遊星ボール50を挟み込むように配設する。この例示においては、双方とも円環部材とする。
この無段変速機1においては、第1及び第2の回転部材10,20と各遊星ボール50とが互いに点接触(厳密には楕円形状の面接触)している接触部P1,P2を有する。各遊星ボール50は、後で詳述するが転動面としての外周曲面を有しており、その外周曲面において第1及び第2の回転部材10,20に挟持される。つまり、各遊星ボール50は、その外周曲面に接触部P1,P2を有する。一方、第1及び第2の回転部材10,20は、各遊星ボール50を径方向外側から挟持するものであり、その内周面10a,20aに接触部P1,P2を各々有する。その内周面10a,20aにおいては、各遊星ボール50に対して実際に接触している接触部P1,P2と、第1及び第2の回転部材10,20の回転に伴い接触部P1,P2となる部分(以下、「接触予備部」と云う。)と、が周方向に連なっている。即ち、その接触予備部は、第1及び第2の回転部材10,20が回転することで、遊星ボール50に接触したり遊星ボール50から離れたりを繰り返す部分である。第1及び第2の回転部材10,20の接触部P1,P2や接触予備部における形状は、例えば、遊星ボール50の外周曲面の曲率と同等の曲率の凹円弧面、その外周曲面の曲率とは異なる曲率の凹円弧面、凸円弧面又は平面等を成している。そして、この第1及び第2の回転部材10,20の接触部P1,P2や接触予備部における形状は、第1及び第2の回転部材10,20から遊星ボール50に向けて軸線方向の力(押圧力)が加わった際に、その遊星ボール50に対して径方向内側で且つ斜め方向の力(法線力)が加わるように形成されている。
ここでは、上記基準位置の状態で第2回転中心軸R2から夫々の接触部P1,P2や接触予備部までの距離が同じ長さになるように、第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aと各遊星ボール50の外周曲面を形成する。更に、ここでは、第1及び第2の回転部材10,20と各遊星ボール50との夫々の接触角θが同じ角度になるように、第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aと各遊星ボール50の外周曲面を形成する。その接触角θとは、基準平面に対する接触部P1,P2又は接触予備部と遊星ボール50の中心(自転中心及び傾転中心であって、球体であれば重心に相当)とを結ぶ線の成す角度のことである。基準平面とは、夫々の遊星ボール50の中心を有する径方向に広がる平面のことである。
この例示においては、第1回転部材10を正駆動時におけるトルクの入力部として用い、第2回転部材20を正駆動時におけるトルクの出力部として用いる。従って、その第1回転部材10には入力軸(第1回転軸)11が連結され、第2回転部材20には出力軸(第2回転軸)21が連結される。その入力軸11と出力軸21は、シャフト60に対して周方向に相対回転することができる。また、この入力軸11と出力軸21は、その相互間においても軸受B1やスラスト軸受TBを介して周方向の相対回転を行うことができる。
その入力軸11と第1回転部材10との間には、軸力を発生させる軸力発生装置71が設けられている。その軸力とは、第1回転部材10を各遊星ボール50に押し付ける為の軸線方向の押圧力である。ここでは、その軸力発生装置71としてトルクカムを利用する。従って、この軸力発生装置71は、入力軸11側の係合部又は係合部材と第1回転部材10側の係合部又は係合部材とが係合することで、入力軸11と第1回転部材10との間で軸力を発生させると共に回転トルクを伝達させ、これらを一体にして回転させる。一方、この無段変速機1には、出力軸21と第2回転部材20との間にも軸力発生装置72が配設されている。その軸力発生装置72は、第2回転部材20を各遊星ボール50に押し付ける為の軸線方向の押圧力(軸力)を発生させるものであり、軸力発生装置71と同様のトルクカムを用いる。この軸力発生装置72は、環状部材22を介して出力軸21に接続されている。尚、この無段変速機1においては、その軸力発生装置71,72の内の少なくとも一方が配設されていればよい。
この無段変速機1は、その軸力によって、第1回転部材10と各遊星ボール50との間、第2回転部材20と各遊星ボール50との間及びサンローラ30と各遊星ボール50との間において、運転中にトラクション力を発生させることができる。
サンローラ30は、シャフト60と同心に配置され、このシャフト60に対する周方向への相対回転を行う。このサンローラ30の外周面には、複数個の遊星ボール50が放射状に略等間隔で配置される。従って、このサンローラ30においては、その外周面が遊星ボール50の自転の際の転動面となる。このサンローラ30は、自らの回転動作によって夫々の遊星ボール50を転動(自転)させることもできれば、夫々の遊星ボール50の転動動作(自転動作)に伴って回転することもできる。
本実施例のサンローラ30は、夫々の遊星ボール50との接触部を軸線方向において2箇所(第1接触部P3、第2接触部P4)に分散させたものである。その理由は、サンローラ30と遊星ボール50との間の接触力の分散により面圧を低減させることでスピン損失を低減させ、動力伝達効率の低下を抑えると共に耐久性を向上させることができるからである。第1接触部P3は、上記の基準平面を中心とする軸線方向の一方に設ける。一方、第2接触部P4は、その基準平面を中心とする軸線方向の他方に設ける。そして、その第1及び第2の接触部P3,P4は、各遊星ボール50の中心(自転中心及び傾転中心であって、球体であれば重心に相当)からの距離が同一で、且つ、第1回転中心軸R1からの距離も同一となる位置に設ける。その第1及び第2の接触部P3,P4においては、サンローラ30と各遊星ボール50とが互いに点接触(厳密には面接触)している。
このサンローラ30は、シャフト60に対する周方向の相対回転が可能な2つの回転体(第1回転体31、第2回転体32)に分割し、第1回転体31に第1接触部P3を設けると共に、第2回転体32に第2接触部P4を設ける。何故ならば、その第1及び第2の回転体31,32を互いに周方向に相対回転させることで、サンローラ30と遊星ボール50との間の損失エネルギが小さくなり、動力伝達効率の低下を抑えることができるからである。
このサンローラ30においては、第1回転体31が上記の基準平面を中心とする軸線方向の一方に配置され、第2回転体32がその基準平面を中心とする軸線方向の他方に配置される。第1及び第2の回転体31,32は、シャフト60に対する周方向の相対回転が行えるように、夫々にアンギュラ軸受ABとラジアル軸受RBとを介してシャフト60に取り付ける。
第1接触部P3においては、第1回転体31から遊星ボール50に対して、第2回転体32側の軸線方向で且つ径方向外側に向けた斜め方向の押圧力を作用させる。一方、第2接触部P4においては、第2回転体32から遊星ボール50に対して、第1回転体31側の軸線方向で且つ径方向外側に向けた斜め方向の押圧力を作用させる。これが為、このサンローラ30は、第2回転体32に近づくにつれて外径が均等に小さくなる円錐部を第1回転体31が有し、且つ、第1回転体31に近づくにつれて外径が均等に小さくなる円錐部を第2回転体32が有している。第1接触部P3と第2接触部P4は、夫々の円錐部の外周面上に設ける。また、第1回転体31や第2回転体32は、その円錐部を弧状錐体部に置き換えてもよい。その弧状錐体部は、他方の回転体に近づくにつれて外径が放物線状に小さくなる形状のものである。第1接触部P3と第2接触部P4は、夫々の弧状錐体部の外周面上に設ける。その円錐部や弧状錐体部は、第1回転体31や第2回転体32の外周面の全て又は一部に形成する。
遊星ボール50は、支持軸51を中心にしてサンローラ30の外周面上を転がる転動部材である。この遊星ボール50は、完全な球状体であることが好ましいが、少なくとも転動方向にて球形を成すもの、例えばラグビーボールの様な断面が楕円形状のものであってもよい。
この遊星ボール50の転動面としての外周面には、第1及び第2の回転部材10,20に対して実際に接触している接触部P1,P2と、遊星ボール50の自転に伴い接触部P1,P2となる部分(接触予備部)と、が第2回転中心軸R2を中心とする周方向に各々連なっている。第1回転部材10との間の接触予備部は、遊星ボール50が自転することで、第1回転部材10に接触したり第1回転部材10から離れたりを繰り返す部分である。この第1回転部材10との間の接触部P1と接触予備部は、第2回転中心軸R2と接触部P1との最短距離を半径(接触半径)とする円環を成す。また、第2回転部材20との間の接触予備部は、遊星ボール50が自転することで、第2回転部材20に接触したり第2回転部材20から離れたりを繰り返す部分である。この第2回転部材20との間の接触部P2と接触予備部は、第2回転中心軸R2と接触部P2との最短距離を半径(接触半径)とする円環を成す。
その接触部P1,P2と接触予備部は、変速比γに応じて移動する。例えば、変速比γを後述する様に増速側へと変化させたときは、その変速比γが変化するに連れて、第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部による円環が第2回転中心軸R2の軸線方向における当該円環の半径を小さくする方向へと移動すると共に、第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部による円環が第2回転中心軸R2の軸線方向における当該円環の半径を大きくする方向へと移動する。一方、変速比γを後述する様に減速側へと変化させたときは、その変速比γが変化するに連れて、第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部による円環が第2回転中心軸R2の軸線方向における当該円環の半径を大きくする方向へと移動すると共に、第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部による円環が第2回転中心軸R2の軸線方向における当該円環の半径を小さくする方向へと移動する。
支持軸51は、遊星ボール50の中心を通って貫通させたものであり、遊星ボール50を回転自在に支持する。例えば、遊星ボール50は、支持軸51の外周面との間に配設したニードル軸受等の軸受によって、第2回転中心軸R2を中心とした支持軸51に対する相対回転(つまり自転)が行える。その支持軸51の両端は、遊星ボール50から突出させておく。
その支持軸51の基準となる位置は、前述した図1に示す基準位置であり、第2回転中心軸R2が第1回転中心軸R1と平行になる位置である。この支持軸51は、傾転平面内において、基準位置とそこから傾斜させた位置との間を遊星ボール50と共に揺動(傾転)させることができる。その傾転は、その傾転平面内で遊星ボール50の中心を支点にして行われる。
キャリア40は、夫々の遊星ボール50の傾転動作を妨げないように支持軸51の夫々の突出部を支持する。このキャリア40は、例えば、中心軸を第1回転中心軸R1に一致させ且つ軸線方向にて互いに対向させて配置した第1から第3の円盤部41,42,43を有するものである。このキャリア40においては、第1円盤部41と第2円盤部42とを軸線方向にて間隔を空けて配置し、その内の一方に近づけて第3円盤部43を配置する。そして、このキャリア40においては、その第1から第3の円盤部41,42,43の内の2つの円盤部の間にサンローラ30や遊星ボール50を配置する。この例示では、第3円盤部43を第1円盤部41と第2円盤部42との間で且つ当該第2円盤部42に近接させて配置し、その第1円盤部41と第3円盤部43との間にサンローラ30や遊星ボール50を配置している。尚、このキャリア40では、第3円盤部43を必ずしも設ける必要はない。
このキャリア40においては、第1及び第2の円盤部41,42の内の一方をシャフト60に対する周方向への相対回転が行えるように構成し、その内の他方をシャフト60に対する周方向への相対回転が行えないように構成する。また、第3円盤部43は、シャフト60に対する周方向への相対回転が行えないように構成する。この例示では、第1及び第3の円盤部41,43をシャフト60に対する相対回転が不能なものとし、第2円盤部42をシャフト60に対する相対回転が可能なものとする。第1円盤部41は、その内径側をシャフト60の外径側に例えば螺子部材等で固定する。第2円盤部42は、軸受(図示略)を介して内径側をシャフト60の外径側に取り付ける。第3円盤部43は、例えば複数本の支持軸(図示略)で第1円盤部41に連結する。その第1円盤部41と第3円盤部43は、籠状を成しており、その支持軸間の隙間から遊星ボール50の一部分を突出させている。尚、第1及び第2の回転部材10,20は、その遊星ボール50の突出部分に接触している。以下、第1円盤部41を第1固定円盤部41と云い、第2円盤部42を回転円盤部42と云い、第3円盤部43を第2固定円盤部43と云う。
ここで、この無段変速機1においては、夫々の遊星ボール50の傾転角が基準位置、即ち0度のときに、第1回転部材10と第2回転部材20とが同一回転速度(同一回転数)で回転する。つまり、このときには、第2回転部材20に対する第1回転部材10の回転比(回転速度又は回転数の比)が1となり、変速比γが1になっている。一方、夫々の遊星ボール50を基準位置から傾転させた際には、支持軸51の中心軸(第2回転中心軸R2)と接触部P1との最短距離が変化すると共に、支持軸51の中心軸と接触部P2との最短距離が変化する。これが為、第1回転部材10又は第2回転部材20の内の何れか一方が基準位置のときよりも高速で回転し、他方が低速で回転するようになる。例えば第2回転部材20は、遊星ボール50を一方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも低回転になり(減速)、他方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも高回転になる(増速)。従って、この無段変速機1においては、その傾転角を変えることによって、第2回転部材20に対する第1回転部材10の回転比(変速比γ)を無段階に変化させることができる。尚、ここでの増速時(γ<1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させる。また、減速時(γ>1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させる。以下、増速時の変速比γを増速側変速比と云い、減速時の変速比γを減速側変速比と云う。
この無段変速機1には、その変速比γを変える変速装置が設けられている。変速比γは遊星ボール50の傾転角の変化に伴い変わるので、その変速装置としては、夫々の遊星ボール50を傾転させる傾転装置を用いる。ここでは、キャリア40に傾転装置(変速装置)としての機能を持たせる。
先ず、第1及び第2の固定円盤部41,43には、径方向ガイド部44,45が遊星ボール50毎に設けられている。その径方向ガイド部44,45とは、遊星ボール50から突出させた支持軸51の端部に傾転力が加わった際に、その端部を径方向へと案内するガイド部のことである。径方向ガイド部44は、例えば長手方向を径方向とするガイド溝やガイド孔である(図2)。一方、径方向ガイド部45は、長手方向を径方向とするガイド孔であり(図3)、支持軸51を貫通させる。つまり、第1及び第2の固定円盤部41,43においては、軸線方向から観ると、各径方向ガイド部44,45が第1回転中心軸R1を中心とする放射状を成している。その夫々の径方向ガイド部44,45は、軸線方向において互いに対向させた位置に形成されており、変速比γの大きさに拘わらず第2回転中心軸R2が略傾転平面上に位置するよう支持軸51を保持する。「略」としたのは、支持軸51の円滑な傾転動作の為に、支持軸51と径方向ガイド部44,45の幅方向との間に僅かな隙間を設けているからである。尚、図2は、遊星ボール50側から第1固定円盤部41を軸線方向に観た図である。図3は、遊星ボール50側から回転円盤部42と第2固定円盤部43を軸線方向に観た図である。
回転円盤部42は、上述した様に、シャフト60に対する周方向の相対回転が可能である。その相対回転には、図示しない電動機等のアクチュエータ(駆動部)を用いる。この駆動部の駆動力は、図3に示すウォームギヤ81を介して回転円盤部42の外周部分に伝えられる。
一方、回転円盤部42には、傾転力付与部46が遊星ボール50毎に設けられている。その傾転力付与部46は、回転円盤部42の回転に伴い、遊星ボール50から突出させた支持軸51の一方の端部に傾転力を作用させるものである。例えば、この傾転力付与部46は、長手方向が径方向に対して所定の傾斜角で傾斜している直線状の溝や孔である(図3)。軸線方向から観ると、この傾転力付与部46は、その一部分が径方向ガイド部45の一部分と重なっている。その一部分同士が重なっている交差部分は、回転円盤部42の回転と共に径方向に移動する。支持軸51の一方の端部は、その交差部分において支持されている。従って、回転円盤部42を回転させた際には、この支持軸51の一方の端部に対して傾転力付与部46の側壁面から傾転力が作用し、その端部が径方向ガイド部44,45によって径方向へと案内される。この無段変速機1においては、この案内動作が遊星ボール50の傾転動作となる。
具体的に、このキャリア40においては、第1固定円盤部41と回転円盤部42とを相対回転させることで、その相対回転に応じた傾転力が支持軸51の一方の端部に作用する。例えば、回転円盤部42を図3の紙面時計回り方向に回転させたときは、傾転力付与部46における径方向外側の側壁に沿って当該側壁が支持軸51の一方の端部を押動する。このときには、その押し動かす力が傾転力となり、支持軸51の一方の端部が径方向ガイド部44,45によって径方向内側へと移動するので、変速比γが回転前よりも増速側へと変速する。一方、回転円盤部42を図3の紙面反時計回り方向に回転させたときは、傾転力付与部46における径方向内側の側壁に沿って当該側壁が支持軸51の一方の端部を押動する。このときには、その押し動かす力が傾転力となり、支持軸51の一方の端部が径方向ガイド部44,45によって径方向外側へと移動するので、変速比γが回転前よりも減速側へと変速する。尚、遊星ボール50は、第1回転部材10と第2回転部材20とサンローラ30とで挟持されているので、球体であれば、その傾転力が付与された際に重心位置を中心にして傾転する。
この無段変速機1においては、各部(冷却対象や潤滑対象)の冷却やトラクション力の発生に潤滑油(所謂トラクション油)を用いる。例えば、その潤滑油は、オイルポンプ(図示略)からシャフト60の軸心油路61に供給され、径方向油路62を介して無段変速機1の各部(冷却対象や潤滑対象)に供給される。
この無段変速機1においては、第1回転部材10に入力軸11を介してトルクが入力されると、その入力トルクや第2回転部材20の出力トルクに応じた軸力が軸力発生装置71,72によって発生する。第1及び第2の回転部材10,20と各遊星ボール50との接触部P1,P2においては、その軸力によって法線力Fnが作用し、この法線力Fnとトラクション係数μtとに応じた夫々のトラクション力Ftが発生する(Ft=μt*Fn)。この無段変速機1においては、そのトラクション力Ftによって入出力間の動力伝達が行われる。その法線力Fnは、接触部P1,P2における各々の接触楕円の面積と面圧の乗算値である。
ところで、この無段変速機1においては、第1回転部材10と遊星ボール50との間や第2回転部材20と遊星ボール50との間のスピンによって、接触部P1,P2に発熱による損失(所謂スピン損失)が発生する。そして、そのスピン損失は、接触部P1,P2における動力伝達効率の低下を招く。これが為、この無段変速機1においては、そのスピン損失の低減が求められる。
例えば、トルクの入力側の接触部P1における第1回転部材10と遊星ボール50との間のスピン速度(以下、「入力側スピン速度」と云う。)は、変速比γが1のときに、トルクの出力側の接触部P2における第2回転部材20と遊星ボール50との間のスピン速度(以下、「出力側スピン速度」と云う。)と同等の速さになる。そして、増速側変速比のときには、変速比γが小さくなるに連れて、入力側スピン速度が大きくなる一方、出力側スピン速度が小さくなる。つまり、増速側変速比のときは、変速比γが小さくなるに連れて、入力側スピン速度が出力側スピン速度よりも大きくなっていく。これに対して、減速側変速比のときには、変速比γが大きくなるに連れて、入力側スピン速度が小さくなる一方、出力側スピン速度が大きくなる。つまり、減速側変速比のときは、変速比γが大きくなるに連れて、出力側スピン速度が入力側スピン速度よりも大きくなっていく。従って、この無段変速機1は、増速側変速比のときに接触部P1のスピン損失が接触部P2よりも多くなり、減速側変速比のときに接触部P2のスピン損失が接触部P1よりも多くなる。
この無段変速機1においては、増速側変速比の幅を広げたいのであれば(即ち最小変速比γminをより小さくしたいのであれば)、増速側変速比のときの接触部P1のスピン損失を低減させる必要がある。また、この無段変速機1においては、減速側変速比の幅を広げたいのであれば(即ち最大変速比γmaxをより大きくしたいのであれば)、減速側変速比のときの接触部P2のスピン損失を低減させる必要がある。ここで、スピン損失を低減させる為には、低減対象の接触部P1,P2のスピン速度(又はスピン量)を小さくする方法、低減対象の接触部P1,P2における接触楕円の面積を狭める方法、低減対象の接触部P1,P2における接触楕円の面圧を小さくする方法がある。本実施例では、接触楕円の面積を狭めることで、スピン損失を低減させる。
また、接触部P1,P2のトラクション係数μtは、スピン速度が大きくなるほど大きくなる。そして、接触部P1,P2の法線力Fnは、接触楕円の面積と面圧が夫々の接触部P1,P2で各々同等の大きさになっていると仮定すると、軸力発生装置71,72の軸力によって夫々に同じ大きさとなる。これが為、増速側変速比のときには、接触部P1のトラクション力Ftの方が接触部P2のトラクション力Ftよりも大きくなる。従って、接触部P2においては、トラクション係数μtの小さい領域が使用されることになるので、潤滑油の性能を使い切ることができず、また、過剰な接触楕円の面圧となり第2回転部材20や遊星ボール50の耐久性を低下させてしまう虞がある。一方、減速側変速比のときには、接触部P2のトラクション力Ftの方が接触部P1のトラクション力Ftよりも大きくなる。従って、接触部P1においては、トラクション係数μtの小さい領域が使用されることになるので、潤滑油の性能を使い切ることができず、また、過剰な接触楕円の面圧となり第1回転部材10や遊星ボール50の耐久性を低下させてしまう虞がある。故に、この無段変速機1は、第1回転部材10等の耐久性を向上させなければ、増速側変速比又は減速側変速比の幅を広げることが難しい。
そこで、この無段変速機1においては、増速側変速比の幅を広げる場合、接触部P1の接触楕円の面積が接触部P2の接触楕円の面積よりも狭くなるように構成し、減速側変速比の幅を広げる場合、接触部P2の接触楕円の面積が接触部P1の接触楕円の面積よりも狭くなるように構成する。
具体的に、この無段変速機1においては、第1及び第2回転部材10,20の内の一方における遊星ボール50との接触部P1(P2)及び接触予備部のヤング率を他方における遊星ボール50との接触部P2(P1)及び接触予備部よりも大きくする。
例えば、増速側変速比が多用される車両においては、トルクの入力側である第1回転部材10の内周面10aにおける遊星ボール50との接触部P1及び接触予備部のヤング率を、トルクの出力側である第2回転部材20の内周面20aにおける遊星ボール50との接触部P2及び接触予備部のヤング率よりも大きくする。
この場合、第1回転部材10は、少なくとも内周面10aにおける接触部P1及び接触予備部の材料又は表面処理を第2回転部材20の内周面20aにおける接触部P2及び接触予備部よりもヤング率の大きいものとする。材料で対応するときは、例えば、第1回転部材10の材料として、第2回転部材20の材料よりもヤング率の大きいものを用いる。更に、この無段変速機1では、第1回転部材10を少なくとも2つの部材で構成し、その内の接触部P1及び接触予備部を有する部材のヤング率を第2回転部材20の内周面20aにおける接触部P2及び接触予備部より大きくしてもよい。例えば、この無段変速機1では、その様な内周面20aにおける接触部P2及び接触予備部よりもヤング率の大きい材料からなる環状部材12bを用意し、この環状部材12bを内周面10aにおける接触部P1及び接触予備部として第1回転部材10の主体部材12aに埋設してもよい(図4)。その際、第1回転部材10は、その原価を低減すべく、環状部材12bのヤング率を主体部材12aのヤング率よりも大きくし、且つ、例えば主体部材12aのヤング率を第2回転部材20のヤング率と同等にすることが望ましい。また、この無段変速機1では、内周面10aの全体を有する環状部材13bを第1回転部材10の主体部材13aとは別部材として用意し、互いにヤング率の異なる主体部材13aと環状部材13bとを固定することで第1回転部材10が形成されるように構成してもよい(図5)。その環状部材13bは、内周面20aにおける接触部P2及び接触予備部よりもヤング率の大きい材料で成形する。その際、第1回転部材10は、その原価を低減すべく、環状部材13bのヤング率を主体部材13aのヤング率よりも大きくし、且つ、例えば主体部材13aのヤング率を第2回転部材20のヤング率と同等にすることが望ましい。一方、表面処理で対応するときは、例えば、少なくとも内周面10aにおける接触部P1及び接触予備部に対してショットブラスト(例えばショットピーニング)処理を施せばよい。尚、図4,5においては、一部分のみにハッチングを施している。
この場合の無段変速機1においては、接触部P1の接触楕円の面積が接触部P2の接触楕円の面積よりも小さくなり、且つ、接触部P1の接触楕円の面圧が接触部P2の接触楕円の面圧よりも高くなる。これが為、接触部P1においては、第1回転部材10における接触部P1等のヤング率を第2回転部材20における接触部P2等のヤング率と同じ大きさにしていた従来の形態と比べて、軸力発生装置71,72の軸力を減少させたとしても、トラクション力Ftの目標値の発生に必要な接触楕円の面圧を確保することができる。また、この接触部P1においては、従来の形態と比べて、その様な接触楕円の面圧を確保しつつ、接触楕円の面積が狭まったことによるスピン損失の低減が可能になる。これと共に、接触部P2においては、従来の形態と比較して、軸力発生装置71,72の軸力を減少させることで、過剰になる可能性のあった接触楕円の面圧を低下させることができる。故に、この接触部P2においては、従来の形態と比べて、トラクション力Ftの目標値を発生させつつ、第2回転部材20や遊星ボール50の耐久性を向上させることができる。
一方、減速側変速比が多用される車両においては、トルクの出力側である第2回転部材20の内周面20aにおける遊星ボール50との接触部P2及び接触予備部のヤング率を、トルクの入力側である第1回転部材10の内周面10aにおける遊星ボール50との接触部P1及び接触予備部のヤング率よりも大きくする。
この場合、第2回転部材20は、少なくとも内周面20aにおける接触部P2及び接触予備部の材料又は表面処理を第1回転部材10の内周面10aにおける接触部P1及び接触予備部よりもヤング率の大きいものとする。その材料や表面処理については、増速側変速比が多用される車両で説明したものと同じ様に適用すればよい。
この場合の無段変速機1においては、接触部P2の接触楕円の面積が接触部P1の接触楕円の面積よりも小さくなり、且つ、接触部P2の接触楕円の面圧が接触部P1の接触楕円の面圧よりも高くなる。これが為、接触部P2においては、第2回転部材20における接触部P2等のヤング率を第1回転部材10における接触部P1等のヤング率と同じ大きさにしていた従来の形態と比べて、軸力発生装置71,72の軸力を減少させたとしても、トラクション力Ftの目標値の発生に必要な接触楕円の面圧を確保することができる。また、この接触部P2においては、従来の形態と比べて、その様な接触楕円の面圧を確保しつつ、接触楕円の面積が狭まったことによるスピン損失の低減が可能になる。これと共に、接触部P1においては、従来の形態と比較して、軸力発生装置71,72の軸力を減少させることで、過剰になる可能性のあった接触楕円の面圧を低下させることができる。故に、この接触部P1においては、従来の形態と比べて、トラクション力Ftの目標値を発生させつつ、第1回転部材10や遊星ボール50の耐久性を向上させることができる。
この様に、本実施例の無段変速機1は、第1及び第2回転部材10,20の内の一方における遊星ボール50との接触部P1(P2)及び接触予備部のヤング率を他方における遊星ボール50との接触部P2(P1)及び接触予備部よりも大きくする簡易な構造であり、その接触部P1,P2に係る第1及び第2回転部材10,20並びに遊星ボール50の全ての場所に対して表面処理等を施す必要が無い。従って、この無段変速機1は、コストの増大を抑えつつ、そして、トラクションドライブとしての性能を確保しつつ、耐久性を向上させることができる。
[変形例]
本変形例は、前述した実施例の無段変速機1において、遊星ボール50における第1及び第2回転部材10,20の内の一方との接触部P1(P2)及び接触予備部のヤング率を他方との接触部P2(P1)及び接触予備部よりも大きくしたものである。
具体的に、増速側変速比が多用される車両においては、第1回転部材10における遊星ボール50との接触部P1及び接触予備部のヤング率を第2回転部材20における遊星ボール50との接触部P2及び接触予備部のヤング率よりも大きくし、更に、遊星ボール50における第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部のヤング率を第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部よりも大きくする。そして、その遊星ボール50においては、その第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部のヤング率を当該接触部P1及び当該接触予備部の成す円環の半径が小さくなるほど大きくしていく。この場合の円環の半径が小さくなるとは、第2回転中心軸R2の軸線方向における遊星ボール50の中心側から第1固定円盤部41側へと向かう方向のことを云う。
この場合、遊星ボール50は、少なくとも第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部の材料又は表面処理を第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部よりもヤング率の大きいものとすると共に、第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部の材料又は表面処理を当該接触部P1及び当該接触予備部の成す円環の半径が小さくなるほどヤング率の大きいものとする。材料で対応するときは、例えば、その様なヤング率の大きい材料からなる環状部材52bを用意し、この環状部材52bを遊星ボール50における第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部として当該遊星ボール50の主体部材52aに埋設する。また、この無段変速機1では、例えば第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部を有する遊星ボール50の半分(入力側部材)53bを上記の如きヤング率の大きいもので成形し、残りの半分(出力側部材)53aと一体化することで遊星ボール50を成すように構成してもよい。一方、表面処理で対応するときは、例えば、遊星ボール50における少なくとも第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部に対してショットブラスト(例えばショットピーニング)処理を施せばよい。尚、図6,7においては、一部分のみにハッチングを施している。また、この図6,7の遊星ボール50は、図4に示したものをベースにしている。
この場合の無段変速機1においては、第1回転部材10と遊星ボール50における夫々の接触部P1及び接触予備部の硬度の設定如何で、実施例のものと同程度に、接触部P1の接触楕円の面積を接触部P2の接触楕円の面積よりも小さくし、且つ、接触部P1の接触楕円の面圧を接触部P2の接触楕円の面圧よりも高くすることができる。従って、この無段変速機1は、実施例のものと同様の作用効果を得ることができる。
一方、この無段変速機1は、その硬度の設定如何で、実施例のものと比較して、接触部P1の接触楕円の面積を接触部P2の接触楕円の面積よりも更に小さくし、且つ、接触部P1の接触楕円の面圧を接触部P2の接触楕円の面圧よりも更に高くすることもできる。これが為、接触部P1においては、実施例のものと比較して、軸力発生装置71,72の軸力を更に減少させたとしても、トラクション力Ftの目標値の発生に必要な接触楕円の面圧を確保することができる。また、この接触部P1においては、実施例のものと比較して、その様な接触楕円の面圧を確保しつつ、接触楕円の面積が更に狭まったことによるスピン損失の更なる低減が可能になる。これと共に、接触部P2においては、実施例のものと比較して、軸力発生装置71,72の軸力の更なる減少によって、過剰になる可能性のあった接触楕円の面圧をより低下させることができる。故に、この接触部P2においては、実施例のものと比較して、トラクション力Ftの目標値を発生させつつ、第2回転部材20や遊星ボール50の耐久性を更に向上させることができる。
更に、この無段変速機1は、遊星ボール50における第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部のヤング率を当該接触部P1及び当該接触予備部の成す円環の半径が小さくなるほど大きくしているので、増速側変速比で変速比γが小さくなるに連れて、接触部P1の接触楕円の面積が徐々に接触部P2の接触楕円の面積よりも小さくなり、且つ、接触部P1の接触楕円の面圧が徐々に接触部P2の接触楕円の面圧よりも高くなっていく。従って、この無段変速機1は、接触部P1において、変速比γに応じた接触楕円の面圧を確保しつつ、スピン損失を低減させることができる。その変速比γに応じた接触楕円の面圧とは、トラクション力Ftの目標値を発生させる為に必要な変速比γ毎の接触楕円の面圧のことを云う。
これに対して、減速側変速比が多用される車両においては、第2回転部材20における遊星ボール50との接触部P2及び接触予備部のヤング率を第1回転部材10における遊星ボール50との接触部P1及び接触予備部のヤング率よりも大きくし、更に、遊星ボール50における第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部のヤング率を第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部よりも大きくする。そして、その遊星ボール50においては、その第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部のヤング率を当該接触部P2及び当該接触予備部の成す円環の半径が小さくなるほど大きくしていく。この場合の円環の半径が小さくなるとは、第2回転中心軸R2の軸線方向における遊星ボール50の中心側から回転円盤部42側へと向かう方向のことを云う。
この場合、遊星ボール50は、少なくとも第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部の材料又は表面処理を第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部よりもヤング率の大きいものとすると共に、第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部の材料又は表面処理を当該接触部P2及び当該接触予備部の成す円環の半径が小さくなるほどヤング率の大きいものとする。その材料や表面処理については、増速側変速比が多用される車両で説明したものと同じ様に適用すればよい。
この場合の無段変速機1においては、第2回転部材20と遊星ボール50における夫々の接触部P2及び接触予備部の硬度の設定如何で、実施例のものと同程度に、接触部P2の接触楕円の面積を接触部P1の接触楕円の面積よりも小さくし、且つ、接触部P2の接触楕円の面圧を接触部P1の接触楕円の面圧よりも高くすることができる。従って、この無段変速機1は、実施例のものと同様の作用効果を得ることができる。
一方、この無段変速機1は、その硬度の設定如何で、実施例のものと比較して、接触部P2の接触楕円の面積を接触部P1の接触楕円の面積よりも更に小さくし、且つ、接触部P2の接触楕円の面圧を接触部P1の接触楕円の面圧よりも更に高くすることもできる。これが為、接触部P2においては、実施例のものと比較して、軸力発生装置71,72の軸力を更に減少させたとしても、トラクション力Ftの目標値の発生に必要な接触楕円の面圧を確保することができる。また、この接触部P2においては、実施例のものと比較して、その様な接触楕円の面圧を確保しつつ、接触楕円の面積が更に狭まったことによるスピン損失の更なる低減が可能になる。これと共に、接触部P1においては、実施例のものと比較して、軸力発生装置71,72の軸力の更なる減少によって、過剰になる可能性のあった接触楕円の面圧をより低下させることができる。故に、この接触部P1においては、実施例のものと比較して、トラクション力Ftの目標値を発生させつつ、第1回転部材10や遊星ボール50の耐久性を更に向上させることができる。
更に、この無段変速機1は、遊星ボール50における第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部のヤング率を当該接触部P2及び当該接触予備部の成す円環の半径が小さくなるほど大きくしているので、減速側変速比で変速比γが大きくなるに連れて、接触部P2の接触楕円の面積が徐々に接触部P1の接触楕円の面積よりも小さくなり、且つ、接触部P2の接触楕円の面圧が徐々に接触部P1の接触楕円の面圧よりも高くなっていく。従って、この無段変速機1は、接触部P2において、変速比γに応じた接触楕円の面圧を確保しつつ、スピン損失を低減させることができる。
この様に、本変形例の無段変速機1は、第1及び第2回転部材10,20の内の一方における遊星ボール50との接触部P1(P2)及び接触予備部のヤング率を他方における遊星ボール50との接触部P2(P1)及び接触予備部よりも大きくし、且つ、遊星ボール50における一方の第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部(第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部)のヤング率を他方の第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部(第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部)よりも大きくする簡易な構造である。従って、この無段変速機1は、その接触部P1,P2に係る第1及び第2回転部材10,20並びに遊星ボール50の全ての場所に対して表面処理等を施す必要が無いので、コストの増大を抑えつつ、そして、トラクションドライブとしての性能を確保しつつ、耐久性を向上させることができる。また、この無段変速機1は、遊星ボール50における一方の第1回転部材10との接触部P1等(第2回転部材20との接触部P2等)のヤング率について、その接触部P1等(接触部P2等)の成す円環の半径が小さくなるほど大きくしているので、その接触部P1(接触部P2)において変速比γに応じた接触楕円の面圧を確保することができる。
ところで、上述した実施例及び変形例の無段変速機1は、入力軸11と出力軸21を第1回転部材10等の配設されたトルクの入力側に纏めて配置している。しかしながら、この実施例等で説明したヤング率の変化に関する技術は、その入力軸11と出力軸21を第2回転部材20等の配設されたトルクの出力側に纏めて配置した無段変速機に適用してもよく、また、トルクの入力側に入力軸11を配置すると共にトルクの出力側に出力軸21を配置した無段変速機に適用してもよい。この場合でも、その無段変速機は、実施例等と同様の効果を得ることができる。
1 無段変速機
10 第1回転部材(第1動力伝達要素)
10a 内周面
12a 主体部材
12b 環状部材
13a 主体部材
13b 環状部材
20 第2回転部材(第2動力伝達要素)
20a 内周面
30 サンローラ(第3動力伝達要素)
40 キャリア(第4動力伝達要素、固定要素)
44,45 径方向ガイド部
46 傾転力付与部
50 遊星ボール(転動部材)
51 支持軸
52a 主体部材
52b 環状部材
53a 出力側部材
53b 入力側部材
60 シャフト(変速機軸)
71,72 軸力発生装置
P1,P2 接触部
R1 第1回転中心軸
R2 第2回転中心軸

Claims (5)

  1. 回転中心となる変速機軸と、
    前記変速機軸と同心の第1回転中心軸を有する相互間で周方向に相対回転が可能な第1から第4の動力伝達要素と、
    第2回転中心軸を有し、前記第1回転中心軸を中心にして放射状で且つ前記第3動力伝達要素の外周面上に複数配置されると共に、対向させて配置した前記第1及び第2の動力伝達要素で挟持され且つ前記第4動力伝達要素で傾転自在に保持された転動部材と、
    前記第1及び第2の動力伝達要素の内の少なくとも一方を前記各転動部材に対して押し付ける為の軸線方向の軸力を発生させる軸力発生装置と、
    前記各転動部材を傾転させることで入出力間の変速比を変える変速装置と、
    を有し、
    前記第1及び第2の動力伝達要素は、その内の一方における前記転動部材との接触部及び接触予備部のヤング率を他方における前記転動部材との接触部及び接触予備部のヤング率よりも大きくすることを特徴とした無段変速機。
  2. 前記一方の動力伝達要素は、少なくとも前記接触部及び前記接触予備部の材料又は表面処理を前記他方の動力伝達要素における前記接触部及び前記接触予備部よりもヤング率の大きいものとすることを特徴とした請求項1記載の無段変速機。
  3. 前記一方の動力伝達要素は、少なくとも2つの部材からなり、その内の前記接触部及び前記接触予備部を有する部材のヤング率を他の部材のヤング率よりも大きくすることを特徴とした請求項1記載の無段変速機。
  4. 前記一方の動力伝達要素を動力の入力軸に連結し、前記他方の動力伝達要素を動力の出力軸に連結することを特徴とした請求項1,2又は3に記載の無段変速機。
  5. 前記転動部材は、前記一方の動力伝達要素との接触部及び接触予備部のヤング率を前記他方の動力伝達要素との接触部及び接触予備部のヤング率よりも大きくし、且つ、前記一方の動力伝達要素との接触部及び接触予備部のヤング率を当該接触部及び当該接触予備部の成す円環の半径が小さくなるほど大きくすることを特徴とした請求項1,2,3又は4に記載の無段変速機。
JP2012243848A 2012-11-05 2012-11-05 無段変速機 Expired - Fee Related JP5803878B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012243848A JP5803878B2 (ja) 2012-11-05 2012-11-05 無段変速機
CN201380057744.0A CN104769327B (zh) 2012-11-05 2013-09-30 无级变速器
EP13852123.2A EP2916041A4 (en) 2012-11-05 2013-09-30 STEP-FREE GEAR
KR1020157011477A KR101688502B1 (ko) 2012-11-05 2013-09-30 무단 변속기
US14/438,491 US9714697B2 (en) 2012-11-05 2013-09-30 Stepless transmission
PCT/JP2013/076594 WO2014069141A1 (ja) 2012-11-05 2013-09-30 無段変速機
BR112015010178A BR112015010178A2 (pt) 2012-11-05 2013-09-30 transmissão contínua

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012243848A JP5803878B2 (ja) 2012-11-05 2012-11-05 無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014092236A true JP2014092236A (ja) 2014-05-19
JP5803878B2 JP5803878B2 (ja) 2015-11-04

Family

ID=50627057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012243848A Expired - Fee Related JP5803878B2 (ja) 2012-11-05 2012-11-05 無段変速機

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9714697B2 (ja)
EP (1) EP2916041A4 (ja)
JP (1) JP5803878B2 (ja)
KR (1) KR101688502B1 (ja)
CN (1) CN104769327B (ja)
BR (1) BR112015010178A2 (ja)
WO (1) WO2014069141A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107091317A (zh) * 2017-05-18 2017-08-25 钟怡晨 无级调速皮带轮
CN111271422B (zh) * 2018-12-05 2022-08-05 西安交通大学 一种双排传动变速组件和汽车无级变速器
JP2021116863A (ja) * 2020-01-27 2021-08-10 セイコーエプソン株式会社 歯車装置およびロボット

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0528381A1 (de) * 1991-08-16 1993-02-24 Fichtel & Sachs AG Antriebsnabe für ein Fahrzeug, insbesondere Fahrrad, mit stufenlos einstellbarem Übersetzungsverhältnis
JP2002188702A (ja) * 2000-12-25 2002-07-05 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機用転動体およびその製造方法
JP2004044686A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Koyo Seiko Co Ltd トロイダル型無段変速機及びこれに用いるトルク伝達部材の製造方法
JP2009138924A (ja) * 2007-05-08 2009-06-25 Kyocera Mita Corp トラクション動力伝達装置及びこれを搭載した画像形成装置
JP2009541663A (ja) * 2006-06-26 2009-11-26 フォールブルック テクノロジーズ インコーポレイテッド 連続可変変速機
JP2010101496A (ja) * 2003-02-28 2010-05-06 Fallbrook Technologies Inc 連続可変変速機
WO2010092661A1 (ja) * 2009-02-10 2010-08-19 トヨタ自動車株式会社 無段変速機構およびその無段変速機構を用いた変速機
WO2011114494A1 (ja) * 2010-03-18 2011-09-22 トヨタ自動車株式会社 無段変速機
JP2011190882A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Toyota Motor Corp 無段変速機
JP2011202699A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Toyota Motor Corp 無段変速機
JP2012501418A (ja) * 2008-08-26 2012-01-19 フォールブルック テクノロジーズ インコーポレイテッド 無段変速機
JP2012112424A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
JP2012524225A (ja) * 2009-04-16 2012-10-11 フォールブルック テクノロジーズ インコーポレイテッド 無段変速機用ステータアセンブリおよびシフト機構

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4324441A (en) * 1980-10-24 1982-04-13 Rouverol William S Rolling contact element
US4713976A (en) * 1985-03-22 1987-12-22 Vern Heinrichs Differential having a generally spherical differencing element
JPH10184840A (ja) * 1996-12-27 1998-07-14 Honda Motor Co Ltd 無段変速機
JP2004084913A (ja) * 2002-08-29 2004-03-18 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
US7214159B2 (en) 2003-08-11 2007-05-08 Fallbrook Technologies Inc. Continuously variable planetary gear set
US7166052B2 (en) 2003-08-11 2007-01-23 Fallbrook Technologies Inc. Continuously variable planetary gear set
JP4461794B2 (ja) 2003-12-17 2010-05-12 日本精工株式会社 トロイダル型無段変速機
JP4934107B2 (ja) 2007-06-27 2012-05-16 京セラミタ株式会社 トラクション動力伝達装置及びこれを搭載した画像形成装置
JP5066059B2 (ja) 2007-11-13 2012-11-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 トラクション動力伝達装置及びこれを搭載した画像形成装置
JP5060454B2 (ja) 2007-11-13 2012-10-31 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 トラクション動力伝達装置及びこれを搭載した画像形成装置
US9834836B2 (en) * 2011-07-05 2017-12-05 Nissan Motor Co., Ltd. Rolling body, method for producing rolling body, and dynamic force transmission device

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0528381A1 (de) * 1991-08-16 1993-02-24 Fichtel & Sachs AG Antriebsnabe für ein Fahrzeug, insbesondere Fahrrad, mit stufenlos einstellbarem Übersetzungsverhältnis
JP2002188702A (ja) * 2000-12-25 2002-07-05 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機用転動体およびその製造方法
JP2004044686A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Koyo Seiko Co Ltd トロイダル型無段変速機及びこれに用いるトルク伝達部材の製造方法
JP2010101496A (ja) * 2003-02-28 2010-05-06 Fallbrook Technologies Inc 連続可変変速機
JP2009541663A (ja) * 2006-06-26 2009-11-26 フォールブルック テクノロジーズ インコーポレイテッド 連続可変変速機
JP2009138924A (ja) * 2007-05-08 2009-06-25 Kyocera Mita Corp トラクション動力伝達装置及びこれを搭載した画像形成装置
JP2012501418A (ja) * 2008-08-26 2012-01-19 フォールブルック テクノロジーズ インコーポレイテッド 無段変速機
WO2010092661A1 (ja) * 2009-02-10 2010-08-19 トヨタ自動車株式会社 無段変速機構およびその無段変速機構を用いた変速機
JP2012524225A (ja) * 2009-04-16 2012-10-11 フォールブルック テクノロジーズ インコーポレイテッド 無段変速機用ステータアセンブリおよびシフト機構
JP2011190882A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Toyota Motor Corp 無段変速機
WO2011114494A1 (ja) * 2010-03-18 2011-09-22 トヨタ自動車株式会社 無段変速機
JP2011202699A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Toyota Motor Corp 無段変速機
JP2012112424A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

Also Published As

Publication number Publication date
US20150285345A1 (en) 2015-10-08
CN104769327A (zh) 2015-07-08
EP2916041A4 (en) 2016-08-31
CN104769327B (zh) 2017-04-26
WO2014069141A1 (ja) 2014-05-08
KR101688502B1 (ko) 2016-12-21
JP5803878B2 (ja) 2015-11-04
EP2916041A1 (en) 2015-09-09
KR20150065823A (ko) 2015-06-15
BR112015010178A2 (pt) 2017-07-11
US9714697B2 (en) 2017-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5783260B2 (ja) 無段変速機
JP5263446B1 (ja) 無段変速機
JP5720781B2 (ja) 無段変速機
WO2014069125A1 (ja) 無段変速機
JP2015227691A (ja) 無段変速機
JP2015227690A (ja) 無段変速機
JP2012122568A (ja) 無段変速機
JP5803878B2 (ja) 無段変速機
JP5601420B2 (ja) 無段変速機
JP2014214838A (ja) 無段変速機
JP2014077471A (ja) 無段変速機
JP5761445B2 (ja) 無段変速機
JP2014077467A (ja) 無段変速機
JP2012127457A (ja) 無段変速機
JP6729074B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2023012100A (ja) トロイダル型無段変速機
JP2013190019A (ja) 無段変速機
JP2012122567A (ja) 無段変速機
JP4734892B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2013170613A (ja) 無段変速機
JP2014185697A (ja) 無段変速機
JP2014202283A (ja) 無段変速機
JP2013167332A (ja) 無段変速機
JP2014085007A (ja) 無段変速機
JP2012225383A (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150817

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5803878

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees