JP2014214838A - 無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】過不足を抑えた押付力を発生させること。
【解決手段】第1及び第2の回転部材10,20と、サンローラ30と、キャリア40と、複数の遊星ボール50と、第1回転部材10に連結させた入力軸11と、第2回転部材20に連結させた出力軸21と、第1回転部材10と入力軸11のトルクに応じた当該第1回転部材10から各遊星ボール50への押付力を発生させる第1トルクカム機構70Aと、第2回転部材20と出力軸21のトルクに応じた当該第2回転部材20から各遊星ボール50への押付力を発生させる第2トルクカム機構80Aと、第1回転部材10と入力軸11とに対して、これらに入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを付与しておく第1予圧機構70Bと、第2回転部材20と出力軸21とに対して、これらに入力されるトルクとは同一方向の予圧トルクを付与しておく第2予圧機構80Bと、を備えること。
【選択図】図4
【解決手段】第1及び第2の回転部材10,20と、サンローラ30と、キャリア40と、複数の遊星ボール50と、第1回転部材10に連結させた入力軸11と、第2回転部材20に連結させた出力軸21と、第1回転部材10と入力軸11のトルクに応じた当該第1回転部材10から各遊星ボール50への押付力を発生させる第1トルクカム機構70Aと、第2回転部材20と出力軸21のトルクに応じた当該第2回転部材20から各遊星ボール50への押付力を発生させる第2トルクカム機構80Aと、第1回転部材10と入力軸11とに対して、これらに入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを付与しておく第1予圧機構70Bと、第2回転部材20と出力軸21とに対して、これらに入力されるトルクとは同一方向の予圧トルクを付与しておく第2予圧機構80Bと、を備えること。
【選択図】図4
Description
本発明は、共通の回転中心軸を有する複数の動力伝達要素と、その回転中心軸に対して放射状に複数配置した転動部材と、を備え、各動力伝達要素の内の2つに挟持された各転動部材を傾転させることによって入出力間の変速比を無段階に変化させるトラクションドライブ型の無段変速機に関する。
従来、この種の無段変速機としては、回転中心となる変速機軸と、この変速機軸の中心軸を回転中心軸とする相対回転可能な複数の動力伝達要素と、その回転中心軸に対して放射状に複数配置され、各動力伝達要素の内の3つに挟み込まれた転動部材と、を備えたボールプラネタリ式のものが知られている。このボールプラネタリ式の無段変速機においては、対向させて配置した第1動力伝達要素と第2動力伝達要素とで各転動部材が挟持されると共に、各転動部材が第3動力伝達要素の外周面上に配置されている。この無段変速機では、各転動部材を傾転させることで変速比が変わる。
ここで、この無段変速機には、第1動力伝達要素から転動部材に向けた又は第2動力伝達要素から転動部材に向けた軸線方向の力(軸力)を発生させる軸力発生装置が設けられている。その軸力発生装置は、第1動力伝達要素側と第2動力伝達要素側の内の少なくとも一方に設ける。第1及び第2の動力伝達要素と転動部材との間の夫々の接触部には、その軸力によって押付力が作用して、トラクション力(接線力)を発生させることができる。例えば、下記の特許文献1の無段変速機の入力側には、係合部の回転方向の力を軸力に変換するトルクカム機構が軸力発生装置として設けられている。この特許文献1のトルクカム機構には、係合部に対して駆動時の回転方向(動力源からのトルクが入力されたときのトルク方向)に予圧を印加しておく予圧バネが設けられている。これにより、この無段変速機においては、その予圧でトルクカム機構の発生させる軸力を増大させることができるので、動力源からの入力トルクの伝達に必要な押付力が担保される。
ところで、上記特許文献1の予圧バネは、駆動時にトルクカム機構と共に軸力を発生させるものである。これが為、被駆動時には、押付力が不足し、接触部で滑りが発生して、耐久性を低下させてしまう可能性がある。ここで、上記特許文献2及び3には、駆動時と被駆動時とに拘わらず必要な大きさの押付力を担保させる為の技術が開示されている。
特許文献2の技術は、トロイダル式の無段変速機において、トルクカム機構と予圧バネとで一方の入力ディスクに対する軸力を発生させると共に、皿バネで他方の入力ディスクに対する軸力を発生させるものである。ここで、皿バネは、入力トルクの大きさに拘わらず略一定の大きさの軸力を発生させるものである。これが為、パワーローラに対する押付力は、トルクカム機構と予圧バネと皿バネとで必要な大きさを発生させる入力トルクを境にして、低トルク側であると高トルク側であるとに拘わらず過剰な大きさとなる可能性がある。従って、この技術は、入出力ディスクやパワーローラの耐久性を低下させてしまう虞がある。
特許文献3の技術は、ボールプラネタリ式の無段変速機において、トルクカム機構と駆動時(正駆動時)の第1副押圧部と被駆動時(逆駆動時)の第2副押圧部とを備えることで、駆動時と被駆動時とに拘わらず必要な大きさの押付力を発生させるものである。そのトルクカム機構は、駆動時と被駆動時とに拘わらず軸力を発生させることができる。第1副押圧部は、駆動時に転動部材から第3動力伝達要素に伝えられるスラスト力(軸力)を利用したものであり、変速機軸等の各種構成部品を介して接触部に押付力を発生させる。第2副押圧部は、被駆動時に転動部材から第3動力伝達要素に伝えられるスラスト力を利用したものであり、変速機軸等の各種構成部品を介して接触部に押付力を発生させる。しかしながら、この技術は、第1及び第2の副押圧部における軸力の伝達経路が長く、複雑な経路を辿るので、構造の簡易化の余地がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、簡易な構造で駆動時と被駆動時とに拘わらず過不足を抑えた押付力の発生が可能な無段変速機を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、回転中心となる変速機軸と、前記変速機軸と同心の第1回転中心軸を有する相互間で周方向に相対回転が可能な第1から第4の動力伝達要素と、第2回転中心軸を有し、前記第1回転中心軸を中心にして放射状で且つ前記第3動力伝達要素の外周面上に複数配置されると共に、対向させて配置した前記第1及び第2の動力伝達要素で挟持され且つ前記第4動力伝達要素で傾転自在に保持された転動部材と、前記第1動力伝達要素に連結させた第1回転軸と、前記第2動力伝達要素に連結させた第2回転軸と、前記第1動力伝達要素と前記第1回転軸との間に配置し、該第1動力伝達要素と当該第1回転軸の内の何れか一方のトルクに応じた当該第1動力伝達要素から前記各転動部材への押付力を発生させる第1トルクカム機構と、前記第2動力伝達要素と前記第2回転軸との間に配置し、該第2動力伝達要素と当該第2回転軸の内の何れか一方のトルクに応じた当該第2動力伝達要素から前記各転動部材への押付力を発生させる第2トルクカム機構と、前記第1動力伝達要素と前記第1回転軸とに対して、これらに入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを付与しておく第1予圧機構と、前記第2動力伝達要素と前記第2回転軸とに対して、これらに入力されるトルクと同一方向の予圧トルクを付与しておく第2予圧機構と、前記各転動部材を傾転させることで入出力間の変速比を変える変速装置と、を備えることを特徴としている。
ここで、前記第1予圧機構は、動力源から前記第1回転軸に入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを発生させ、且つ、前記第2予圧機構は、前記第1回転軸への入力トルクに基づき前記各転動部材を介して前記第2動力伝達要素に入力されるトルクと同一方向の予圧トルクを発生させることが望ましい。
また、前記第1予圧機構と前記第2予圧機構は、夫々の前記予圧トルクを発生させる弾性部材を備えることが望ましい。
本発明に係る無段変速機は、第1トルクカム機構において押付力が0になるトルク(第1動力伝達要素と第1回転軸のトルク)を0から外すことができ、且つ、第2トルクカム機構において押付力が0になるトルク(第2動力伝達要素と第2回転軸のトルク)を0から外すことができる。これが為、この無段変速機は、そのトルクが0を含む低いときに、第1及び第2のトルクカム機構が押付力を発生させ、第1及び第2の動力伝達要素と各転動部材との間でトラクション力を発生させることができる。また、この無段変速機は、第1及び第2のトルクカム機構が発生させる押付力の出力特性を、簡易な構造で必要押付力の出力特性に近づけることができる。これが為、この無段変速機は、動力源の出力トルクが入力される駆動時であろうが、また、被駆動時であろうが、発生する押付力が過不足の抑えられたものとなる。
以下に、本発明に係る無段変速機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る無段変速機の実施例を図1から図18に基づいて説明する。
本発明に係る無段変速機の実施例を図1から図18に基づいて説明する。
最初に、本実施例のトラクションドライブ型の無段変速機の一例について図1を用いて説明する。この無段変速機は、トラクション遊星機構に相当するボールプラネタリ式の無段変速機構を備えたものである。図1の符号1は、本実施例におけるボールプラネタリ式の無段変速機の一例を示す。
本実施例の無段変速機構は、共通の第1回転中心軸R1を有する4つの動力伝達要素と、第1回転中心軸R1を中心にして放射状に配置された複数の転動部材と、4つの動力伝達要素の回転中心に配置した変速機軸と、を備える。転動部材は、第1回転中心軸R1とは異なる第2回転中心軸R2を有するものであり、自身の第2回転中心軸R2と第1回転中心軸R1とを含む傾転平面上での傾転動作が可能である。以下においては、特に言及しない限り、その第1回転中心軸R1に沿う方向を軸線方向と云い、その第1回転中心軸R1周りの方向を周方向と云う。また、その第1回転中心軸R1に直交する方向を径方向と云い、その中でも、内方に向けた側を径方向内側、外方に向けた側を径方向外側と云う。
この無段変速機構は、4つの動力伝達要素の内の3つ(第1から第3の動力伝達要素)で各転動部材を挟持すると共に、残りの動力伝達要素(第4動力伝達要素)で各転動部材を自転自在で且つ傾転自在に保持する。各転動部材は、第1回転中心軸R1を中心にして放射状に配置される。そして、各転動部材は、軸線方向において対向させて配置された第1及び第2の動力伝達要素に挟持され、且つ、第3動力伝達要素の外周面上に配置される。
この無段変速機構は、第1から第4の動力伝達要素の間で各転動部材を介したトルクの伝達を行うことができる。例えば、この無段変速機構は、第1から第3の動力伝達要素と各転動部材との間にトラクション力(接線力)を発生させることで、その第1から第3の動力伝達要素の間での各転動部材を介したトルク(動力)の伝達を行うことができる。そのトラクション力は、第1及び第2の動力伝達要素の内の少なくとも一方を各転動部材に押し付けることによって発生させる。更に、この無段変速機構では、第4動力伝達要素の回転を許容することで、第4動力伝達要素と各転動部材との間におけるトルクの伝達も可能である。
また、この無段変速機構においては、夫々の転動部材の第2回転中心軸R2を傾転平面上で第1回転中心軸R1に対して傾倒させ、各転動部材を傾転させることによって、入出力間の回転速度(回転数)の比、つまり変速比γを変える。
この無段変速機構は、第1から第4の動力伝達要素の全てが変速機軸に対して相対回転可能な回転要素として用いられるものもあれば、第1から第4の動力伝達要素の内の何れか1つを変速機軸に対して相対回転できぬ固定要素として用いるものもある。前者の構成の場合には、第1から第4の動力伝達要素の内の何れか1つがトルクの入力部となり、これとは別の1つがトルクの出力部となる。一方、後者の構成の場合には、固定要素以外の3つの動力伝達要素の間で各転動部材を介したトルクの伝達が行われるので、その3つの動力伝達要素の内の何れか1つがトルクの入力部となり、これとは別の1つがトルクの出力部となる。これが為、この無段変速機構においては、入力部となる動力伝達要素と出力部となる動力伝達要素との間の回転速度(回転数)の比が変速比γとなる。例えば、この無段変速機1は、車両の動力伝達経路上に配設される。その際には、その入力部が機関(内燃機関等のエンジン)や回転機(電動機等)などの動力源側に連結され、その出力部が駆動輪側に連結される。この無段変速機1と駆動輪側との間には、別の変速機(例えば有段の手動変速機又は自動変速機等)を介在させる場合もある。この無段変速機1においては、加速時等の様な入力部としての動力伝達要素に動力源からのトルクが入力されているときを駆動時と云い、減速時等の様な出力部としての動力伝達要素に駆動時とは逆方向のトルクが入力されているときを被駆動時と云う。
ここで、この無段変速機1においては、第1及び第2の動力伝達要素がトラクション遊星機構で云うところのリングギヤ等の機能を為すものとなる。また、第3動力伝達要素と第4動力伝達要素は、各々トラクション遊星機構におけるサンローラとキャリアとして機能する。また、転動部材は、トラクション遊星機構におけるボール型ピニオンとして機能する。従って、この無段変速機1は、第1及び第2の動力伝達要素としての第1及び第2の回転部材10,20と、第3動力伝達要素としてのサンローラ30と、第4動力伝達要素としてのキャリア40と、転動部材としての遊星ボール50と、変速機軸としてのシャフト60と、を備える。そのシャフト60は、図示しない筐体や車体等における無段変速機1の固定部に固定したものであり、その固定部に対して相対回転させぬよう構成した円柱状又は円筒状の固定軸とする。この無段変速機1においては、傾転平面上で第1回転中心軸R1と第2回転中心軸R2とが平行になっている状態(図1の状態)を基準位置としている。尚、ここでは、キャリア40を固定要素として利用する場合を例示する。但し、後述する回転円盤部42の回転だけは可能にしている。
第1及び第2の回転部材10,20は、中心軸を第1回転中心軸R1に一致させた円盤部材(ディスク)や円環部材(リング)であり、軸線方向で対向させて各遊星ボール50を挟み込むように配設する。この例示においては、双方とも円環部材とする。
この無段変速機1においては、第1及び第2の回転部材10,20と各遊星ボール50とが互いに点接触(厳密には楕円形状の面接触)している接触部P1,P2を有する。各遊星ボール50は、後で詳述するが転動面としての外周曲面を有しており、その外周曲面において第1及び第2の回転部材10,20に挟持される。つまり、各遊星ボール50は、その外周曲面に接触部P1,P2を有する。一方、第1及び第2の回転部材10,20は、各遊星ボール50を径方向外側から挟持するものであり、その内周面10a,20aに接触部P1,P2を各々有する。その内周面10a,20aにおいては、各遊星ボール50に対して実際に接触している接触部P1,P2と、第1及び第2の回転部材10,20の回転に伴い接触部P1,P2となる部分(以下、「接触予備部」と云う。)と、が周方向に連なっている。即ち、その接触予備部は、第1及び第2の回転部材10,20が回転することで、遊星ボール50に接触したり遊星ボール50から離れたりを繰り返す部分である。第1及び第2の回転部材10,20の接触部P1,P2や接触予備部における形状は、例えば、遊星ボール50の外周曲面の曲率と同等の曲率の凹円弧面、その外周曲面の曲率とは異なる曲率の凹円弧面、凸円弧面又は平面等を成している。そして、この第1及び第2の回転部材10,20の接触部P1,P2や接触予備部における形状は、第1及び第2の回転部材10,20から遊星ボール50に向けて軸線方向の力(押付力)が加わった際に、その遊星ボール50に対して径方向内側で且つ斜め方向の力(法線力)が加わるように形成されている。
ここでは、上記基準位置の状態で第2回転中心軸R2から夫々の接触部P1,P2や接触予備部までの最短距離が同じ長さになるように、第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aと各遊星ボール50の外周曲面を形成する。更に、ここでは、第1及び第2の回転部材10,20と各遊星ボール50との夫々の接触角θが同じ角度になるように、第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aと各遊星ボール50の外周曲面を形成する。その接触角θとは、基準平面に対する接触部P1,P2又は接触予備部と遊星ボール50の中心(自転中心及び傾転中心であって、球体であれば重心に相当)とを結ぶ線の成す角度のことである。基準平面とは、夫々の遊星ボール50の中心を有する径方向に広がる平面のことである。
この例示においては、第1回転部材10を駆動時における動力源側からのトルクの入力部として用い、第2回転部材20を駆動時における駆動輪側へのトルクの出力部として用いる。この無段変速機1においては、上記の基準平面に対して入力部となる第1回転部材10が配置された側をトルク入力側と云い、その基準平面に対して出力部となる第2回転部材20が配置された側をトルク出力側と云う。そして、軸線方向は、その出力側から入力側に向く方向をトルク入力側方向と云い、入力側から出力側に向く方向をトルク出力側方向と云う。その第1回転部材10には当該第1回転部材10と同心の入力軸(第1回転軸)11が連結され、第2回転部材20には当該第2回転部材20と同心の出力軸(第2回転軸)21が連結される。
その入力軸11と出力軸21は、第1回転中心軸R1を中心として周方向に回転することができる。ここではシャフト60が固定軸なので、入力軸11と出力軸21は、夫々にシャフト60に対して周方向に相対回転する。また、入力軸11と出力軸21は、トルク入力側と出力側の内の何れか一方に纏めて延在させる。この例示の入力軸11と出力軸21は、第1回転部材10等の配設されているトルク入力側に纏めて延在させている。この例示では、出力軸21が入力軸11を径方向外側から覆っている。尚、この無段変速機1においては、入力軸11をトルク入力側に延在させる一方で、出力軸21をトルク出力側に延在させてもよい。
入力軸11は、第1回転部材10に連結させ、且つ、軸線方向における各遊星ボール50から離れる方向(トルク入力側方向)に向けて延在させる。この入力軸11は、外縁部分に同心の第1回転部材10が連結される円盤部11aと、この円盤部11aの径方向内側部分からトルク入力側方向に向けて延設された筒状部11bと、を備える。円盤部11aは、第1回転部材10やキャリア40よりもトルク入力側方向に配置し、その第1回転部材10と共にキャリア40の後述する第1円盤部41を覆う。筒状部11bは、同心の回転軸12に固定される円筒状の部材である。その回転軸12は、シャフト60におけるトルク入力側において同心に配置される。この回転軸12は、軸受(例えばころ軸受やニードル軸受等)B1を介してシャフト60に対する周方向の相対回転を行うことができる。この例示では、筒状部11bの内周面と回転軸12の外周面とがスプライン嵌合される。
一方、出力軸21は、第2回転部材20に連結させ、且つ、軸線方向における入力軸11と同じ方向に向けて当該入力軸11を径方向外側から覆った状態で延在させる。この出力軸21は、同心の第1及び第2の回転部材10,20を径方向外側から覆う第1筒状部21aと、この第1筒状部21aにおけるトルク入力側方向の端部を外縁とする円盤部21bと、この円盤部21bの径方向内側部分からトルク入力側方向に向けて延設された第2筒状部21cと、を備える。第1筒状部21aは、トルク出力側方向の端部に固定された環状部材22を介して第2回転部材20に連結する。円盤部21bは、入力軸11の円盤部11aよりもトルク入力側方向に配置する。第2筒状部21cは、入力軸11の筒状部11bを径方向外側から覆う。この出力軸21は、軸受(ころ軸受やニードル軸受等)B2やスラスト軸受TBを介して入力軸11との間での周方向の相対回転を行うことができる。
尚、この無段変速機1においては、第1回転部材10をトルク出力部とし、且つ、第2回転部材20をトルク入力部とすることも可能であり、その場合、入力軸11として設けているものを出力軸として利用し、出力軸21として設けているものを入力軸として利用する。また、サンローラ30をトルク入力部やトルク出力部として用いる場合には、そのサンローラ30に対して別途構成した入力軸や出力軸を連結する。
サンローラ30は、シャフト60と同心に配置され、このシャフト60に対する周方向への相対回転を行う。このサンローラ30の外周面には、複数個の遊星ボール50が放射状に略等間隔で配置される。従って、このサンローラ30においては、その外周面が遊星ボール50の自転の際の転動面となる。このサンローラ30は、自らの回転動作によって夫々の遊星ボール50を転動(自転)させることもできれば、夫々の遊星ボール50の転動動作(自転動作)に伴って回転することもできる。
本実施例のサンローラ30は、夫々の遊星ボール50との接触部を軸線方向において2箇所(第1接触部P3、第2接触部P4)に分散させたものである。その理由は、サンローラ30と遊星ボール50との間の接触力の分散により面圧を低減させることでスピン損失を低減させ、動力伝達効率の低下を抑えると共に耐久性を向上させることができるからである。第1接触部P3は、上記の基準平面を中心とする軸線方向の一方に設ける。一方、第2接触部P4は、その基準平面を中心とする軸線方向の他方に設ける。そして、その第1及び第2の接触部P3,P4は、各遊星ボール50の中心(自転中心及び傾転中心であって、球体であれば重心に相当)からの距離が同一で、且つ、第1回転中心軸R1からの距離も同一となる位置に設ける。その第1及び第2の接触部P3,P4においては、サンローラ30と各遊星ボール50とが互いに点接触(厳密には面接触)している。
このサンローラ30は、シャフト60に対する周方向の相対回転が可能な2つの回転体(第1回転体31、第2回転体32)に分割し、第1回転体31に第1接触部P3を設けると共に、第2回転体32に第2接触部P4を設ける。何故ならば、その第1及び第2の回転体31,32を互いに周方向に相対回転させることで、サンローラ30と遊星ボール50との間の損失エネルギが小さくなり、動力伝達効率の低下を抑えることができるからである。
このサンローラ30においては、第1回転体31が上記の基準平面を中心とする軸線方向の一方に配置され、第2回転体32がその基準平面を中心とする軸線方向の他方に配置される。第1及び第2の回転体31,32は、シャフト60に対する周方向の相対回転が行えるように、夫々にアンギュラ軸受ABとラジアル軸受RBとを介してシャフト60に取り付ける。
第1接触部P3においては、第1回転体31から遊星ボール50に対して、第2回転体32側の軸線方向で且つ径方向外側に向けた斜め方向の押圧力を作用させる。一方、第2接触部P4においては、第2回転体32から遊星ボール50に対して、第1回転体31側の軸線方向で且つ径方向外側に向けた斜め方向の押圧力を作用させる。これが為、このサンローラ30は、第2回転体32に近づくにつれて外径が均等に小さくなる円錐部を第1回転体31が有し、且つ、第1回転体31に近づくにつれて外径が均等に小さくなる円錐部を第2回転体32が有している。第1接触部P3と第2接触部P4は、夫々の円錐部の外周面上に設ける。また、第1回転体31や第2回転体32は、その円錐部を弧状錐体部に置き換えてもよい。その弧状錐体部は、他方の回転体に近づくにつれて外径が放物線状に小さくなる形状のものである。第1接触部P3と第2接触部P4は、夫々の弧状錐体部の外周面上に設ける。その円錐部や弧状錐体部は、第1回転体31や第2回転体32の外周面の全て又は一部に形成する。
遊星ボール50は、支持軸51を中心にしてサンローラ30の外周面上を転がる転動部材である。この遊星ボール50は、完全な球状体であることが好ましいが、少なくとも転動方向にて球形を成すもの、例えばラグビーボールの様な断面が楕円形状のものであってもよい。
この遊星ボール50の転動面としての外周面には、第1及び第2の回転部材10,20に対して実際に接触している接触部P1,P2と、遊星ボール50の自転に伴い接触部P1,P2となる部分(接触予備部)と、が第2回転中心軸R2を中心とする周方向に各々連なっている。第1回転部材10との間の接触予備部は、遊星ボール50が自転することで、第1回転部材10に接触したり第1回転部材10から離れたりを繰り返す部分である。この第1回転部材10との間の接触部P1と接触予備部は、第2回転中心軸R2と接触部P1との最短距離を半径(接触半径)とする円環を成す。また、第2回転部材20との間の接触予備部は、遊星ボール50が自転することで、第2回転部材20に接触したり第2回転部材20から離れたりを繰り返す部分である。この第2回転部材20との間の接触部P2と接触予備部は、第2回転中心軸R2と接触部P2との最短距離を半径(接触半径)とする円環を成す。
その接触部P1,P2と接触予備部は、変速比γに応じて移動する。例えば、変速比γを後述する様に増速側へと変化させたときは、その変速比γが変化するに連れて、第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部による円環が第2回転中心軸R2の軸線方向における当該円環の半径を小さくする方向へと移動すると共に、第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部による円環が第2回転中心軸R2の軸線方向における当該円環の半径を大きくする方向へと移動する。一方、変速比γを後述する様に減速側へと変化させたときは、その変速比γが変化するに連れて、第1回転部材10との接触部P1及び接触予備部による円環が第2回転中心軸R2の軸線方向における当該円環の半径を大きくする方向へと移動すると共に、第2回転部材20との接触部P2及び接触予備部による円環が第2回転中心軸R2の軸線方向における当該円環の半径を小さくする方向へと移動する。
支持軸51は、遊星ボール50の中心を通って貫通させたものであり、遊星ボール50を回転自在に支持する。例えば、遊星ボール50は、支持軸51の外周面との間に配設したニードル軸受等の軸受によって、第2回転中心軸R2を中心とした支持軸51に対する相対回転(つまり自転)が行える。その支持軸51の両端は、遊星ボール50から突出させておく。
その支持軸51の基準となる位置は、前述した図1に示す基準位置であり、第2回転中心軸R2が第1回転中心軸R1と平行になる位置である。この支持軸51は、傾転平面内において、基準位置とそこから傾斜させた位置との間を遊星ボール50と共に揺動(傾転)させることができる。その傾転は、その傾転平面内で遊星ボール50の中心を支点にして行われる。
キャリア40は、夫々の遊星ボール50の傾転動作を妨げないように支持軸51の夫々の突出部を支持する。このキャリア40は、例えば、中心軸を第1回転中心軸R1に一致させ且つ軸線方向にて互いに対向させて配置した第1から第3の円盤部41,42,43を有するものである。このキャリア40においては、第1円盤部41と第2円盤部42とを軸線方向にて間隔を空けて配置し、その内の一方に近づけて第3円盤部43を配置する。そして、このキャリア40においては、その第1から第3の円盤部41,42,43の内の2つの円盤部の間にサンローラ30や遊星ボール50を配置する。この例示では、第3円盤部43を第1円盤部41と第2円盤部42との間で且つ当該第2円盤部42に近接させて配置し、その第1円盤部41と第3円盤部43との間にサンローラ30や遊星ボール50を配置している。尚、このキャリア40では、第3円盤部43を必ずしも設ける必要はない。
このキャリア40においては、第1及び第2の円盤部41,42の内の一方をシャフト60に対する周方向への相対回転が行えるように構成し、その内の他方をシャフト60に対する周方向への相対回転が行えないように構成する。また、第3円盤部43は、シャフト60に対する周方向への相対回転が行えないように構成する。この例示では、第1及び第3の円盤部41,43をシャフト60に対する相対回転が不能なものとし、第2円盤部42をシャフト60に対する相対回転が可能なものとする。第1円盤部41は、その内径側をシャフト60の外径側に例えば螺子部材等で固定する。第2円盤部42は、軸受(図示略)を介して内径側をシャフト60の外径側に取り付ける。第3円盤部43は、例えば複数本の支持軸(図示略)で第1円盤部41に連結する。その第1円盤部41と第3円盤部43は、籠状を成しており、その支持軸間の隙間から遊星ボール50の一部分を突出させている。尚、第1及び第2の回転部材10,20は、その遊星ボール50の突出部分に接触している。以下、第1円盤部41を第1固定円盤部41と云い、第2円盤部42を回転円盤部42と云い、第3円盤部43を第2固定円盤部43と云う。
ここで、この無段変速機1においては、夫々の遊星ボール50の傾転角が基準位置、即ち0度のときに、第1回転部材10と第2回転部材20とが同一回転速度(同一回転数)で回転する。つまり、このときには、第2回転部材20に対する第1回転部材10の回転比(回転速度又は回転数の比)が1となり、変速比γが1になっている。一方、夫々の遊星ボール50を基準位置から傾転させた際には、支持軸51の中心軸(第2回転中心軸R2)と接触部P1との最短距離が変化すると共に、支持軸51の中心軸と接触部P2との最短距離が変化する。これが為、第1回転部材10又は第2回転部材20の内の何れか一方が基準位置のときよりも高速で回転し、他方が低速で回転するようになる。例えば第2回転部材20は、遊星ボール50を一方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも低回転になり(減速)、他方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも高回転になる(増速)。従って、この無段変速機1においては、その傾転角を変えることによって、第2回転部材20に対する第1回転部材10の回転比(変速比γ)を無段階に変化させることができる。尚、ここでの増速時(γ<1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させる。また、減速時(γ>1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させる。
この無段変速機1には、その変速比γを変える変速装置が設けられている。変速比γは遊星ボール50の傾転角の変化に伴い変わるので、その変速装置としては、夫々の遊星ボール50を傾転させる傾転装置を用いる。ここでは、キャリア40に傾転装置(変速装置)としての機能を持たせる。
先ず、第1及び第2の固定円盤部41,43には、径方向ガイド部44,45が遊星ボール50毎に設けられている。その径方向ガイド部44,45とは、遊星ボール50から突出させた支持軸51の端部に傾転力が加わった際に、その端部を径方向へと案内するガイド部のことである。径方向ガイド部44は、例えば長手方向を径方向とするガイド溝やガイド孔である(図2)。一方、径方向ガイド部45は、長手方向を径方向とするガイド孔であり(図3)、支持軸51を貫通させる。つまり、第1及び第2の固定円盤部41,43においては、軸線方向からみると、各径方向ガイド部44,45が第1回転中心軸R1を中心とする放射状を成している。その夫々の径方向ガイド部44,45は、軸線方向において互いに対向させた位置に形成されており、変速比γの大きさに拘わらず第2回転中心軸R2が略傾転平面上に位置するよう支持軸51を保持する。「略」としたのは、支持軸51の円滑な傾転動作の為に、支持軸51と径方向ガイド部44,45の幅方向との間に僅かな隙間を設けているからである。尚、図2は、遊星ボール50側から第1固定円盤部41を軸線方向にみた図である。図3は、遊星ボール50側から回転円盤部42と第2固定円盤部43を軸線方向にみた図である。
回転円盤部42は、上述した様に、シャフト60に対する周方向の相対回転が可能である。その相対回転には、図示しない電動機等のアクチュエータ(駆動部)を用いる。この駆動部の駆動力は、図3に示すウォームギヤ91を介して回転円盤部42の外周部分に伝えられる。
一方、回転円盤部42には、傾転力付与部46が遊星ボール50毎に設けられている。その傾転力付与部46は、回転円盤部42の回転に伴い、遊星ボール50から突出させた支持軸51の一方の端部に傾転力を作用させるものである。例えば、この傾転力付与部46は、長手方向が径方向に対して所定の傾斜角で傾斜している直線状の溝や孔である(図3)。軸線方向からみると、この傾転力付与部46は、その一部分が径方向ガイド部45の一部分と重なっている。その一部分同士が重なっている交差部分は、回転円盤部42の回転と共に径方向に移動する。支持軸51の一方の端部は、その交差部分において支持されている。従って、回転円盤部42を回転させた際には、この支持軸51の一方の端部に対して傾転力付与部46の側壁面から傾転力が作用し、その端部が径方向ガイド部44,45によって径方向へと案内される。この無段変速機1においては、この案内動作が遊星ボール50の傾転動作となる。
具体的に、このキャリア40においては、第1固定円盤部41と回転円盤部42とを相対回転させることで、その相対回転に応じた傾転力が支持軸51の一方の端部に作用する。例えば、回転円盤部42を図3の紙面時計回り方向に回転させたときは、傾転力付与部46における径方向外側の側壁に沿って当該側壁が支持軸51の一方の端部を押動する。このときには、その押し動かす力が傾転力となり、支持軸51の一方の端部が径方向ガイド部44,45によって径方向内側へと移動するので、変速比γが回転前よりも増速側へと変速する。一方、回転円盤部42を図3の紙面反時計回り方向に回転させたときは、傾転力付与部46における径方向内側の側壁に沿って当該側壁が支持軸51の一方の端部を押動する。このときには、その押し動かす力が傾転力となり、支持軸51の一方の端部が径方向ガイド部44,45によって径方向外側へと移動するので、変速比γが回転前よりも減速側へと変速する。尚、遊星ボール50は、第1回転部材10と第2回転部材20とサンローラ30とで挟持されているので、球体であれば、その傾転力が付与された際に重心位置を中心にして傾転する。
この無段変速機1においては、各部(冷却対象や潤滑対象)の冷却やトラクション力の発生に潤滑油(所謂トラクション油)を用いる。例えば、その潤滑油は、オイルポンプ(図示略)からシャフト60の軸心油路61に供給され、径方向油路62を介して無段変速機1の各部(冷却対象や潤滑対象)に供給される。
この無段変速機1においては、第1及び第2の回転部材10,20と各遊星ボール50との接触部P1,P2において、軸線方向の力(軸力)に基づく法線力Fnとトラクション係数μtとに応じたトラクション力Ftが発生する(Ft=μt*Fn)。この無段変速機1には、その軸力を発生させる第1及び第2の軸力発生装置70,80を設けている。
第1軸力発生装置70は、入力軸11と第1回転部材10との間に設ける。この第1軸力発生装置70の発生させる軸力は、軸線方向の押付力として第1回転部材10を介して各遊星ボール50に伝えられ、その第1回転部材10を各接触部P1において夫々の遊星ボール50に押し付ける。その押付力は、各遊星ボール50を介して第2回転部材20に伝えられ、その第2回転部材20から各遊星ボール50に対しての反力を発生させる。その反力は、接触部P1側と同じ大きさの軸線方向の押付力となり、第2回転部材20を各接触部P2において夫々の遊星ボール50に押し付ける。従って、この第1軸力発生装置70は、第1回転部材10と第2回転部材20とを夫々の遊星ボール50に押し付ける為の押付力の発生装置と云える。
一方、第2軸力発生装置80は、出力軸21と第2回転部材20との間に設ける。この第2軸力発生装置80の発生させる軸力は、軸線方向の押付力として第2回転部材20を介して各遊星ボール50に伝えられ、その第2回転部材20を各接触部P2において夫々の遊星ボール50に押し付ける。その押付力によって発生した接触部P1側の反力は、第2軸力発生装置80が接触部P2側で発生させた押付力と同じ大きさの軸線方向の押付力となり、第1回転部材10を各接触部P1において夫々の遊星ボール50に押し付ける。従って、この第2軸力発生装置80は、第1回転部材10と第2回転部材20とを夫々の遊星ボール50に押し付ける為の押付力の発生装置と云える。
具体的に、その第1及び第2の軸力発生装置70,80は、各々第1及び第2のトルクカム機構70A,80Aを有する。
その第1及び第2のトルクカム機構70A,80Aは、トルクに対する押付力(軸力)の出力特性が同じものであってもよく、その出力特性が異なるものであってもよい。出力特性が同じ場合には、第1及び第2のトルクカム機構70A,80Aの夫々に発生する押付力(軸力)が各遊星ボール50に作用する。一方、出力特性が異なる場合には、第1及び第2のトルクカム機構70A,80Aの内、トルクの大きい方の押付力(軸力)が各遊星ボール50に作用する。
この例示の第1及び第2のトルクカム機構70A,80Aは、出力特性が同じものとし、変速比γが1の場合に、入力トルクに対して互いに同じ大きさの押付力(軸力)を発生させるように構成する。これが為、変速比γが増速側(γ<1)の場合には、入力トルクが同じであるならば、トルク入力側の第1トルクカム機構70Aの方がトルク出力側の第2トルクカム機構80Aよりも押付力(軸力)が大きくなる。従って、この無段変速機1においては、この場合、第1トルクカム機構70Aの押付力(軸力)が作用することになる。これに対して、変速比γが減速側(γ>1)の場合には、入力トルクが同じであるならば、トルク入力側の第1トルクカム機構70Aの方がトルク出力側の第2トルクカム機構80Aよりも押付力(軸力)が小さくなる。従って、この無段変速機1においては、この場合、第2トルクカム機構80Aの押付力(軸力)が作用することになる。
更に、第1軸力発生装置70は、予圧を加えておくことで、予め第1トルクカム機構70Aに押付力(軸力)を発生させておく第1予圧機構70Bも備えている。また、これと同様に、第2軸力発生装置80は、予圧を加えておくことで、予め第2トルクカム機構80Aに押付力(軸力)を発生させておく第2予圧機構80Bを備えている。この例示の第1及び第2の予圧機構70B,80Bは、入力トルクが0のときに互いに同じ大きさの押付力(軸力)を発生させるように構成する。
先ず、トルク入力側の第1軸力発生装置70について説明する(図4〜7)。その各図の第1軸力発生装置70は、第1予圧機構70Bにおける後述する弾性部材77の配置を変えたものであり、その作用や効果を異にするものではない。
第1トルクカム機構70Aは、第1回転中心軸R1を中心とする環状の第1及び第2の係合部71,72と、その第1及び第2の係合部71,72の間で周方向に間隔を空けて複数配置されたカム部材73と、この複数のカム部材73を保持する保持器(図示略)と、を備える。この第1トルクカム機構70Aは、第1係合部71と第2係合部72の内の何れか一方にトルクが入力されると、夫々のカム部材73を介して軸力を発生させる。その軸力は、入力トルクが正と負の何れであっても発生する。
第1係合部71は、円盤部11aの外縁部分に一体成形することで又は当該外縁部分に別部材として固定することで設ける。第2係合部72は、第1回転部材10に一体成形することで又は当該第1回転部材10に別部材として固定することで設ける。この第1及び第2の係合部71,72は、軸線方向で互いに対向しているカム溝71a,72aを有する。その一対のカム溝71a,72aは、周方向に間隔を空けて複数箇所に形成する。カム溝71aは、周方向で連なる第1カム面71a1と第2カム面71a2とを有する谷状のものである。カム溝72aは、周方向で連なる第1カム面72a1と第2カム面72a2とを有する谷状のものである。この例示では、第1カム面71a1と第1カム面72a1とが軸線方向に対して傾斜させた状態で互いに対向しており、且つ、第2カム面71a2と第2カム面72a2とが軸線方向に対して傾斜させた状態で互いに対向している。カム部材73は、例えば円柱状のカムローラであり、その外周面がカム溝71a,72aで挟持される。
図4〜7に示す駆動時の負荷方向の矢印は、紙面右側が駆動時に第1係合部71からカム部材73に作用する周方向の負荷の向きを表しており、紙面左側が駆動時に第2係合部72からカム部材73に作用する周方向の負荷の向きを表している。その紙面右側の駆動時の負荷方向は、駆動時に入力軸11を介して第1係合部71に入力される入力トルクと同一方向である。尚、被駆動時には、その負荷方向の矢印の向きが逆になる。駆動時の第1トルクカム機構70Aは、第1カム面71a1と第1カム面72a1とでカム部材73に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。一方、被駆動時の第1トルクカム機構70Aは、第2カム面71a2と第2カム面72a2とでカム部材73に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。
この第1トルクカム機構70Aの発生する押付力(軸力)は、入力トルクに応じて線形性を持って変化するものであって、入力トルクが0であれば0となり、駆動時の正の入力トルク又は被駆動時の負の入力トルクの増加に従って0よりも大きくなっていく(図8)。
第1予圧機構70Bは、駆動時の負荷方向とは逆向き(つまり被駆動時のカム部材73への負荷の方向)の予圧を第1及び第2の係合部71,72に印加し、その予圧の方向に沿ったトルク(以下、「予圧トルク」と云う。)を第1係合部71と第2係合部72とに作用させる。即ち、この第1予圧機構70Bは、動力源から入力軸11に入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを発生させる。その予圧と予圧トルクの方向は、第1係合部71と第2係合部72とで互いに逆向きになっている。これにより、第1トルクカム機構70Aは、駆動時又は被駆動時の入力トルクが0の場合(つまり第1係合部71や第2係合部72に動力源等の外部からのトルクが入力されていない場合)、その第1予圧機構70Bの予圧によって動作し、第2カム面71a2と第2カム面72a2とでカム部材73に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。
この第1予圧機構70Bは、周方向において、或る対を成すカム溝71a,72aとその隣で対を成すカム溝71a,72aとの間に配置する。その配置場所は第1トルクカム機構70Aにおいて周方向に複数箇所存在しているが、第1予圧機構70Bは、その内の少なくとも1箇所に設ける。
具体的に、この第1予圧機構70Bは、第1係合部71と第2係合部72の内の何れか一方に設けた溝75と、他方の係合部から溝75の内部にまで延設した突出部76と、溝75の内部で且つ当該溝75と突出部76との間における周方向の隙間に配置した弾性部材77と、を備える。突出部76は、その他方の係合部に一体成形されたものであってもよく、他方の係合部に固定した別部材であってもよい。また、この例示の弾性部材77には、弦巻バネを用いる。
弾性部材77は、溝75と突出部76とにおける周方向で互いに対向している壁部の間に配置し、その溝75の壁部に周方向における一方の端部を当接又は固定させると共に、その突出部76の壁部に周方向における他方の端部を当接又は固定させる。この弾性部材77の配置としては、溝75を第1係合部71に設けた場合と第2係合部72に設けた場合とで大別できる。更に、この弾性部材77は、圧縮状態で配置して、伸び方向の力で予圧を発生させる場合と、引っ張り状態で配置して、縮み方向の力で予圧を発生させる場合と、に分けることができる。
弾性部材77を圧縮状態にして配置した第1予圧機構70Bが上記の予圧を発生させる為には、溝75における予圧の印加方向に位置している壁部75aに対して弾性部材77が伸び方向の荷重を加えればよい。これが為、この場合の弾性部材77は、第2カム面71a2と第2カム面72a2とでカム部材73を挟持させている状態で、その壁部75aと当該壁部75aに対向している突出部76の壁部76aとの間に圧縮状態で配置する。これにより、この第1予圧機構70Bは、弾性部材77が伸び方向に力を作用させることになるので、第1係合部71と第2係合部72とに上記の予圧トルクを作用させることができる。
これに対して、弾性部材77を引っ張り状態にして配置した第1予圧機構70Bが上記の予圧を発生させる為には、溝75における予圧の印加方向とは反対の位置に存在している壁部75bに対して弾性部材77が縮み方向の荷重を加えればよい。これが為、この場合の弾性部材77は、第2カム面71a2と第2カム面72a2とでカム部材73を挟持させている状態で、その壁部75bと当該壁部75bに対向している突出部76の壁部76bとの間に引っ張り状態で配置する。これにより、この第1予圧機構70Bは、弾性部材77が縮み方向に力を作用させることになるので、第1係合部71と第2係合部72とに上記の予圧トルクを作用させることができる。
図4は、溝75を第1係合部71に設けた第1予圧機構70Bにおいて、その溝75の内部に弾性部材77を圧縮状態にして配置し、その弾性部材77の伸び方向の力で予圧を発生させる構成を示す。図5は、溝75を第1係合部71に設けたところは同じであるが、その溝75の内部に弾性部材77を引っ張り状態にして配置し、その弾性部材77の縮み方向の力で予圧を発生させる構成を示す。これらに対して、図6は、溝75を第2係合部72に設けた第1予圧機構70Bにおいて、その溝75の内部に弾性部材77を圧縮状態にして配置し、その弾性部材77の伸び方向の力で予圧を発生させる構成を示す。図7は、溝75を第2係合部72に設けたところは同じであるが、その溝75の内部に弾性部材77を引っ張り状態にして配置し、その弾性部材77の縮み方向の力で予圧を発生させる構成を示す。
第1トルクカム機構70Aは、その第1予圧機構70Bが存在していることで、図9に示す様な入力トルクに対する押付力(軸力)の出力特性を有する。尚、図9は、便宜上、その出力特性を簡易化したものである。
第1トルクカム機構70Aは、前述した様に、入力トルクが0の場合、その第1予圧機構70Bの予圧によって動作し、第2カム面71a2と第2カム面72a2とでカム部材73に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。
駆動時の第1トルクカム機構70Aは、正の入力トルクの増加に従って0から大きくなっていくと、その入力トルクが予圧トルクと同じ大きさになるまで、入力トルクによって予圧トルクが徐々に減少していくので、これに伴い押付力(軸力)が低下していく。駆動時の第1トルクカム機構70Aは、入力トルクと予圧トルクとが同じ大きさになった場合、第1及び第2の係合部71,72からカム部材73への負荷が無くなるので、押付力(軸力)が0になる。駆動時の第1トルクカム機構70Aは、その状態から入力トルクが更に大きくなると、入力トルクから予圧トルク分を減算したトルクによって、第1カム面71a1と第1カム面72a1とでカム部材73に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。この押付力(軸力)は、入力トルクが高くなるにつれて徐々に大きくなっていく。
被駆動時の第1トルクカム機構70Aは、負の入力トルクの増加に従って0から大きくなっていくと、その入力トルクに予圧トルク分を加算したトルクによって、押付力(軸力)が徐々に大きくなっていく。
この様に、このトルク入力側の第1軸力発生装置70は、第1トルクカム機構70Aに第1予圧機構70Bを組み合わせることで、第1トルクカム機構70Aのみの構成に対して、押付力(軸力)が0になる点を駆動側に移動させる。
この第1軸力発生装置70の発生させる軸力Ninは、下記の式1で表すことができる。この式1において、「Tin」は入力トルク、「T0−in」は第1予圧機構70Bの予圧トルク、「rring」は第1回転中心軸R1から接触部P1までの最短距離(所謂接触径)、「μd−in」は接触部P1における設計トラクション係数、「θ」は前述した接触角を示す。尚、この第1軸力発生装置70では、予圧トルクT0−inを駆動時の入力トルクとは逆向きに作用させているので、予圧トルクT0−inを正の値とし、これを減算させている。
尚、この例示では、無段変速機1の軸長(軸線方向の長さ)の大型化を避けるべく、溝75と突出部76の組み合わせにした。しかしながら、第1予圧機構70Bは、図示しないが、第1係合部71から第2係合部72に向けて延設した第1突出部と、第2係合部72から第1係合部71に向けて延設し、周方向で第1突出部に対向させた第2突出部と、その第1突出部と第2突出部の周方向における隙間に配置した弾性部材と、で構成することも可能である。
次に、トルク出力側の第2軸力発生装置80について説明する(図10〜13)。その各図の第2軸力発生装置80は、第2予圧機構80Bにおける後述する弾性部材87の配置を変えたものであり、その作用や効果を異にするものではない。
第2トルクカム機構80Aは、トルク入力側の第1トルクカム機構70Aと同等の第1及び第2の係合部81,82と複数のカム部材83と保持器(図示略)とを備える。この第2トルクカム機構80Aは、第1係合部81と第2係合部82の内の何れか一方にトルクが入力されると、夫々のカム部材83を介して軸力を発生させる。その軸力は、入力トルクが正と負の何れであっても発生する。
第1係合部81は、第2回転部材20に一体成形することで又は当該第2回転部材20に別部材として固定することで設ける。第2係合部82は、環状部材22に一体成形することで又は当該環状部材22に別部材として固定することで設ける。この第1及び第2の係合部81,82は、軸線方向で互いに対向しているカム溝81a,82aを有する。その一対のカム溝81a,82aは、周方向に間隔を空けて複数箇所に形成する。例えば、この一対のカム溝81a,82aは、一対のカム溝71a,72aと同じ数を設ける。カム溝81aは、周方向で連なる第1カム面81a1と第2カム面81a2とを有する谷状のものである。カム溝82aは、周方向で連なる第1カム面82a1と第2カム面82a2とを有する谷状のものである。この例示では、第1カム面81a1と第1カム面82a1とが軸線方向に対して傾斜させた状態で互いに対向しており、且つ、第2カム面81a2と第2カム面82a2とが軸線方向に対して傾斜させた状態で互いに対向している。カム部材83は、例えば円柱状のカムローラであり、その外周面がカム溝81a,82aで挟持される。
図10〜13に示す駆動時の負荷方向の矢印は、紙面右側が駆動時に第1係合部81からカム部材83に作用する周方向の負荷の向きを表しており、紙面左側が駆動時に第2係合部82からカム部材83に作用する周方向の負荷の向きを表している。その紙面右側の駆動時の負荷方向は、駆動時に第2回転部材20に作用しているトルクと同一方向である。駆動時の第2トルクカム機構80Aは、第1カム面81a1と第1カム面82a1とでカム部材83に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。一方、被駆動時の第2トルクカム機構80Aは、第2カム面81a2と第2カム面82a2とでカム部材83に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。
この第2トルクカム機構80Aの発生する押付力(軸力)と入力トルクとの関係は、第1トルクカム機構70Aと同じ考えの下に成り立つので、図8で代用する。
第2予圧機構80Bは、駆動時の負荷方向と同じ向き(つまり被駆動時の負荷方向に対して逆向き)の予圧を第1及び第2の係合部81,82に印加し、その予圧の方向に沿った予圧トルクを第1係合部81と第2係合部82とに作用させる。即ち、この第2予圧機構80Bは、入力軸11への入力トルクに基づき各遊星ボール50を介して第2回転部材20に入力されるトルクと同一方向の予圧トルクを発生させる。その予圧と予圧トルクの方向は、第1係合部81と第2係合部82とで互いに逆向きになっている。これにより、第2トルクカム機構80Aは、駆動時又は被駆動時の入力トルクが0の場合、その第2予圧機構80Bの予圧によって動作し、第1カム面81a1と第1カム面82a1とでカム部材83に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。
この第2予圧機構80Bは、トルク入力側の第1予圧機構70Bと同じ様に、2つのカム溝81a,82aの対の間に配置する。その配置場所は第2トルクカム機構80Aにおいて周方向に複数箇所存在しているが、第2予圧機構80Bは、その内の少なくとも1箇所に設ける。例えば、ここでは、トルク入力側の第1予圧機構70Bと同じ数の第2予圧機構80Bを設ける。
具体的に、この第2予圧機構80Bは、第1係合部81と第2係合部82の内の何れか一方に設けた溝85と、他方の係合部から溝85の内部にまで延設した突出部86と、溝85の内部で且つ当該溝85と突出部86との間における周方向の隙間に配置した弾性部材87と、を備える。突出部86は、その他方の係合部に一体成形されたものであってもよく、他方の係合部に固定した別部材であってもよい。また、この例示の弾性部材87には、弦巻バネを用いる。
弾性部材87は、溝85と突出部86とにおける周方向で互いに対向している壁部の間に配置し、その溝85の壁部に周方向における一方の端部を当接又は固定させると共に、その突出部86の壁部に周方向における他方の端部を当接又は固定させる。この弾性部材87の配置は、トルク入力側の弾性部材77の配置と同じ様に、溝85を第1係合部81と第2係合部82の内のどちらに設けたのか、そして、圧縮状態又は引っ張り状態の内のどちらで配置しているのかによって細分化することができる。
弾性部材87を圧縮状態にして配置した第2予圧機構80Bが上記の予圧を発生させる為には、溝85における予圧の印加方向に位置している壁部85aに対して弾性部材87が伸び方向の押圧力を加えればよい。これが為、この場合の弾性部材87は、第1カム面81a1と第1カム面82a1とでカム部材83を挟持させている状態で、その壁部85aと当該壁部85aに対向している突出部86の壁部86aとの間に圧縮状態で配置する。これにより、この第2予圧機構80Bは、弾性部材87が伸び方向に力を作用させることになるので、第1係合部81と第2係合部82とに上記の予圧トルクを作用させることができる。
これに対して、弾性部材87を引っ張り状態にして配置した第2予圧機構80Bが上記の予圧を発生させる為には、溝85における予圧の印加方向とは反対の位置に存在している壁部85bに対して弾性部材87が縮み方向の引っ張り力を加えればよい。これが為、この場合の弾性部材87は、第1カム面81a1と第1カム面82a1とでカム部材83を挟持させている状態で、その壁部85bと当該壁部85bに対向している突出部86の壁部86bとの間に引っ張り状態で配置する。これにより、この第2予圧機構80Bは、弾性部材87が縮み方向に力を作用させることになるので、第1係合部81と第2係合部82とに上記の予圧トルクを作用させることができる。
図10は、溝85を第1係合部81に設けた第2予圧機構80Bにおいて、その溝85の内部に弾性部材87を圧縮状態にして配置し、その弾性部材87の伸び方向の力で予圧を発生させる構成を示す。図11は、溝85を第1係合部81に設けたところは同じであるが、その溝85の内部に弾性部材87を引っ張り状態にして配置し、その弾性部材87の縮み方向の力で予圧を発生させる構成を示す。これらに対して、図12は、溝85を第2係合部82に設けた第2予圧機構80Bにおいて、その溝85の内部に弾性部材87を圧縮状態にして配置し、その弾性部材87の伸び方向の力で予圧を発生させる構成を示す。図13は、溝85を第2係合部82に設けたところは同じであるが、その溝85の内部に弾性部材87を引っ張り状態にして配置し、その弾性部材87の縮み方向の力で予圧を発生させる構成を示す。
第2トルクカム機構80Aは、その第2予圧機構80Bが存在していることで、図14に示す様な入力トルクに対する押付力(軸力)の出力特性を有する。尚、図14は、便宜上、その出力特性を簡易化したものである。
第2トルクカム機構80Aは、前述した様に、入力トルクが0の場合、その第2予圧機構80Bの予圧によって動作し、第1カム面81a1と第1カム面82a1とでカム部材83に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。
駆動時の第2トルクカム機構80Aは、正の入力トルクの増加に従って0から大きくなっていくと、その入力トルクに予圧トルク分を加算したトルクによって、押付力(軸力)が徐々に大きくなっていく。
被駆動時の第2トルクカム機構80Aは、負の入力トルクの増加に従って0から大きくなっていくと、その入力トルクが予圧トルクと同じ大きさになるまで、入力トルクによって予圧トルクが徐々に減少していくので、これに伴い押付力(軸力)が低下していく。被駆動時の第2トルクカム機構80Aは、入力トルクと予圧トルクとが同じ大きさになった場合、第1及び第2の係合部81,82からカム部材83への負荷が無くなるので、押付力(軸力)が0になる。被駆動時の第2トルクカム機構80Aは、その状態から入力トルクが更に大きくなると、入力トルクから予圧トルク分を減算したトルクによって、第2カム面81a2と第2カム面82a2とでカム部材83に負荷を掛けながら、押付力(軸力)を発生させる。この押付力(軸力)は、入力トルクが高くなるにつれて徐々に大きくなっていく。
この様に、このトルク出力側の第2軸力発生装置80は、第2トルクカム機構80Aに第2予圧機構80Bを組み合わせることで、第2トルクカム機構80Aのみの構成に対して、押付力(軸力)が0になる点を被駆動側に移動させる。
この第2軸力発生装置80の発生させる軸力Noutは、下記の式2で表すことができる。この式2において、「T0−out」は第2予圧機構80Bの予圧トルク、「rring」は第1回転中心軸R1から接触部P2までの最短距離(所謂接触径)、「μd−out」は接触部P2における設計トラクション係数、「θ」は前述した接触角、「γ」は変速比を示す。予圧トルクT0−outは、正の値とする。尚、「γ・Tin」は、第2回転部材20のトルク(出力トルク)Toutを表している。
尚、この例示では、無段変速機1の軸長(軸線方向の長さ)の大型化を避けるべく、溝85と突出部86の組み合わせにした。しかしながら、第2予圧機構80Bは、図示しないが、第1係合部81から第2係合部82に向けて延設した第1突出部と、第2係合部82から第1係合部81に向けて延設し、周方向で第1突出部に対向させた第2突出部と、その第1突出部と第2突出部の周方向における隙間に配置した弾性部材と、で構成することも可能である。
この無段変速機1においては、第1軸力発生装置70の発生させる押付力(軸力)と第2軸力発生装置80の発生させる押付力(軸力)とが同じ大きさの場合、その大きさの押付力(軸力)で第1及び第2の回転部材10,20が各遊星ボール50を互いに押し付けることになる。これに対して、第1軸力発生装置70と第2軸力発生装置80の発生させる押付力(軸力)が夫々に異なる大きさの場合には、その押付力(軸力)の内の大きい方で第1及び第2の回転部材10,20が各遊星ボール50を互いに押し付けることになる(式3)。
従って、この無段変速機1においては、その第1及び第2の軸力発生装置70,80によって、図15に実線で示す様な入力トルクに対する押付力(軸力)の出力特性を有することになる。この出力特性は、変速比γが1のときのものである。この無段変速機1では、駆動時にトルク出力側の第2軸力発生装置80による押付力(軸力)が各遊星ボール50に作用する一方、被駆動時にトルク入力側の第1軸力発生装置70による押付力(軸力)が各遊星ボール50に作用する。尚、図15は、便宜上、その出力特性を簡易化したものである。
ここで、この無段変速機1においては、従来のトルクカム機構のみのものと比較して、駆動時であると被駆動時であるとに拘わらず、また変速比γに拘わらず、入力トルクが低いときにも、第1及び第2の軸力発生装置70,80によって押付力(軸力)を発生させることができる(図15,17,18)。従って、従来は入力トルクが低いときにトラクション力不足を引き起こす可能性があったが、この無段変速機1は、入力トルクが低いときに、従来よりも大きなトラクション力を発生させることができる。尚、図17の実線は、変速比γが最大増速比(γ=γmin)の場合の入力トルクに対する押付力(軸力)の出力特性を示したものである。図18の実線は、変速比γが最大減速比(γ=γmax)の場合の入力トルクに対する押付力(軸力)の出力特性を示したものである。図15,17,18の破線は、従来のトルクカム機構のみによる構成の入力トルクに対する押付力(軸力)の出力特性を示したものである。
この無段変速機1においては、変速比γが増速側(γ<1)で且つ駆動時(入力トルク>0)の場合、動力伝達効率を向上させる為に、過大な押付力の発生を抑えることが要求される。その一方で、トラクション力不足を引き起こさせない為には、押付力を減少させ過ぎないことが要求される。図16の実線は、これらの要求を満たす為の押付力の出力特性、つまり入力トルクに対して必要とされる過不足の無い押付力(以下、「必要押付力」と云う。)Nrequiredの出力特性を示している。本図の実線の必要押付力Nrequiredは、変速比γが最大増速比(γ=γmin)のときのものを表している。ここでは、下記の式4にも示しているように、その必要押付力Nrequiredに線形性を持たせている。
その式の「A」と「B」は、第1及び第2の軸力発生装置70,80の押付特性を表した係数であり、例えば第1及び第2のトルクカム機構70A,80Aのカム角等の諸元によって決まる。また、「Tmax」は、第1回転部材10と第2回転部材20とに働くトルクの内の大きい方を表したものである(式5)。
従来のトルクカム機構のみのものの場合は、変速比γが増速側のときで且つ駆動時に、入力トルクが高くなるにつれて、押付力が過大になり、動力伝達効率を低下させる虞がある。これに対して、この無段変速機1は、図17に示す様に、変速比γが増速側で且つ駆動時の場合、入力トルクが高くなるにつれて、従来のトルクカム機構のみのものよりも押付力を低く抑えることができる。そして、この無段変速機1の入力トルクに対する押付力の出力特性は、その場合、従来のトルクカム機構のみのものと比較して、図16に示す必要押付力Nrequiredの出力特性に近づけることができる。従って、この無段変速機1は、その場合に、従来のトルクカム機構のみのものと比較して、過不足になることが抑えられた押付力を発生させ、動力伝達効率を向上させることができる。
また、図16には、変速比γが減速側(γ>1)のときの入力トルクに対する必要押付力Nrequiredの出力特性も記されている(一点鎖線)。本図の一点鎖線の必要押付力Nrequiredは、変速比γが最大減速比(γ=γmax)のときのものを表している。この無段変速機1は、図18に示す様に、変速比γが減速側(γ>1)で且つ被駆動時(入力トルク<0)の場合、入力トルクが高くなるにつれて、トラクション力の発生に必要な大きさの押付力を確保しつつ、その押付力を従来のトルクカム機構のみのものよりも低く抑えることができる。これが為、この無段変速機1は、その場合に、従来のトルクカム機構のみのものと比較して、駆動輪等の外部から入力される過負荷トルクに対するロバスト性を向上させることができるので、安定性の高い動力伝達が可能になる。
尚、上記各式に基づいて、駆動時の予圧トルクT0−in,T0−out(式6)と、変速比γが減速側で且つ駆動時の場合の接触部P2における設計トラクション係数μd−out(式7)と、変速比γが増速側で且つ駆動時の場合の接触部P2における設計トラクション係数μd−out(式8)と、変速比γが減速側で且つ被駆動時の場合の接触部P1における設計トラクション係数μd−in(式9)と、変速比γが増速側で且つ被駆動時の場合の接触部P1における設計トラクション係数μd−in(式10)と、を定めることができる。
この無段変速機1においては、例えば第1回転部材10に入力軸11を介してトルクが入力されると、その入力トルクや第2回転部材20の出力トルクに応じた押付力(軸力)が第1及び第2の軸力発生装置70,80によって発生する。そして、この無段変速機1は、その押付力(軸力)によって、第1回転部材10と各遊星ボール50との間、第2回転部材20と各遊星ボール50との間及びサンローラ30と各遊星ボール50との間において、運転中にトラクション力を発生させることができる。
以上示した様に、この無段変速機1は、第1及び第2の係合部71,72(第1回転部材10と入力軸11)のトルクに応じた第1回転部材10から各遊星ボール50への押付力(軸力)を発生させる第1トルクカム機構70Aを備えると共に、第1及び第2の係合部81,82(第2回転部材20と出力軸21)のトルクに応じた第2回転部材20から各遊星ボール50への押付力(軸力)を発生させる第2トルクカム機構80Aを備え、更に、第1及び第2の係合部71,72に対して当該第1及び第2の係合部71,72に入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを付与しておく第1予圧機構70Bを備えると共に、第1及び第2の係合部81,82に対して当該第1及び第2の係合部81,82に入力されるトルクと同一方向の予圧トルクを付与しておく第2予圧機構80Bを備える。これにより、この無段変速機1では、トルク入力側の第1軸力発生装置70における押付力(軸力)が0になるときの入力トルクを駆動時の高トルク側にずらし、且つ、トルク出力側の第2軸力発生装置80における押付力(軸力)が0になるときの入力トルクを被駆動時の高トルク側にずらすことができる。
これが為、この無段変速機1は、駆動時であると被駆動時であるとに拘わらず、入力トルクが0を含む低いときに、押付力(軸力)を発生させることができるので、接触部P1,P2における第1及び第2の回転部材10,20と各遊星ボール50との間の滑りを抑え、その接触部P1,P2でトラクション力を発生させることができる。その際の押付力(軸力)は、入力トルクが0のときに最も小さく、その入力トルクが高くなるにつれて増大していく。従って、この無段変速機1は、入力トルクが低いときに、押付力(軸力)が過大にならないので、動力伝達効率の低下も抑えることができる。
また、この無段変速機1は、車両で多用される変速比γが増速側のときで且つ駆動時の場合に、入力トルクが高くなったとしても、その入力トルクに対する押付力(軸力)に関して、トラクション力の発生に必要な大きさを確保しつつ、従来よりも低く抑えることができる。従って、この無段変速機1は、その際に動力伝達効率の低下を抑えたトラクション力の発生が可能になるので、車両の動力伝達装置として搭載することで、燃費や電費を向上させることができる。
また、この無段変速機1は、変速比γが減速側で且つ被駆動時の場合、入力トルクが高くなるにつれて、トラクション力の発生に必要な大きさの押付力を確保しつつ、その押付力を従来よりも低く抑えることができる。従って、この無段変速機1は、その際にも動力伝達効率の低下を抑えたトラクション力の発生が可能になり、更に、駆動輪等の外部から入力される過負荷トルクに対するロバスト性を向上させ、安定性の高い動力伝達が可能になる。
この様に、この無段変速機1は、第1及び第2の軸力発生装置70,80(即ち第1及び第2のトルクカム機構70A,80A)が発生させる押付力の出力特性を、簡易な構造で必要押付力の出力特性に近づけることができる。つまり、この無段変速機1は、駆動時と被駆動時とに拘わらず、第1及び第2の軸力発生装置70,80の発生する押付力が過不足の抑えられたものとなる。従って、この無段変速機1は、良好な動力伝達効率でトラクション力を発生させることができる。
ところで、本実施例で説明した無段変速機1は、四輪自動車等に代表される車両への搭載を考慮しているので、トルク入力側(つまり動力源側)の第1及び第2の係合部71,72に対して当該第1及び第2の係合部71,72に入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを付与させ、且つ、トルク出力側(つまり駆動輪側)の第1及び第2の係合部81,82に対して当該第1及び第2の係合部81,82に入力されるトルクと同一方向の予圧トルクを付与させている。しかしながら、例えば多用される使用領域が異なる場合、この無段変速機1のおいては、トルク入力側(動力源側)の第1及び第2の係合部71,72(第1回転部材10と入力軸11)に対して当該第1及び第2の係合部71,72に入力されるトルクと同一方向の予圧トルクを付与させるように第1予圧機構70Bを構成し、且つ、トルク出力側(駆動輪側)の第1及び第2の係合部81,82(第2回転部材20と出力軸21)に対して当該第1及び第2の係合部81,82に入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを付与させるように第2予圧機構80Bを構成することも可能である。
1 無段変速機
10 第1回転部材(第1動力伝達要素)
11 入力軸
20 第2回転部材(第2動力伝達要素)
21 出力軸
30 サンローラ(第3動力伝達要素)
40 キャリア(第4動力伝達要素、固定要素)
50 遊星ボール(転動部材)
60 シャフト(変速機軸)
70 第1軸力発生装置
70A 第1トルクカム機構
70B 第1予圧機構
71 第1係合部
72 第2係合部
73 カム部材
75 溝
76 突出部
77 弾性部材
80 第2軸力発生装置
80A 第2トルクカム機構
80B 第2予圧機構
81 第1係合部
82 第2係合部
83 カム部材
85 溝
86 突出部
87 弾性部材
R1 第1回転中心軸
R2 第2回転中心軸
10 第1回転部材(第1動力伝達要素)
11 入力軸
20 第2回転部材(第2動力伝達要素)
21 出力軸
30 サンローラ(第3動力伝達要素)
40 キャリア(第4動力伝達要素、固定要素)
50 遊星ボール(転動部材)
60 シャフト(変速機軸)
70 第1軸力発生装置
70A 第1トルクカム機構
70B 第1予圧機構
71 第1係合部
72 第2係合部
73 カム部材
75 溝
76 突出部
77 弾性部材
80 第2軸力発生装置
80A 第2トルクカム機構
80B 第2予圧機構
81 第1係合部
82 第2係合部
83 カム部材
85 溝
86 突出部
87 弾性部材
R1 第1回転中心軸
R2 第2回転中心軸
Claims (3)
- 回転中心となる変速機軸と、
前記変速機軸と同心の第1回転中心軸を有する相互間で周方向に相対回転が可能な第1から第4の動力伝達要素と、
第2回転中心軸を有し、前記第1回転中心軸を中心にして放射状で且つ前記第3動力伝達要素の外周面上に複数配置されると共に、対向させて配置した前記第1及び第2の動力伝達要素で挟持され且つ前記第4動力伝達要素で傾転自在に保持された転動部材と、
前記第1動力伝達要素に連結させた第1回転軸と、
前記第2動力伝達要素に連結させた第2回転軸と、
前記第1動力伝達要素と前記第1回転軸との間に配置し、該第1動力伝達要素と当該第1回転軸の内の何れか一方のトルクに応じた当該第1動力伝達要素から前記各転動部材への押付力を発生させる第1トルクカム機構と、
前記第2動力伝達要素と前記第2回転軸との間に配置し、該第2動力伝達要素と当該第2回転軸の内の何れか一方のトルクに応じた当該第2動力伝達要素から前記各転動部材への押付力を発生させる第2トルクカム機構と、
前記第1動力伝達要素と前記第1回転軸とに対して、これらに入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを付与しておく第1予圧機構と、
前記第2動力伝達要素と前記第2回転軸とに対して、これらに入力されるトルクと同一方向の予圧トルクを付与しておく第2予圧機構と、
前記各転動部材を傾転させることで入出力間の変速比を変える変速装置と、
を備えることを特徴とする無段変速機。 - 前記第1予圧機構は、動力源から前記第1回転軸に入力されるトルクとは逆方向の予圧トルクを発生させ、且つ、前記第2予圧機構は、前記第1回転軸への入力トルクに基づき前記各転動部材を介して前記第2動力伝達要素に入力されるトルクと同一方向の予圧トルクを発生させることを特徴とする請求項1記載の無段変速機。
- 前記第1予圧機構と前記第2予圧機構は、夫々の前記予圧トルクを発生させる弾性部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の無段変速機。
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