JP2013167333A - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑性能を向上することができる無段変速機を提供することを目的とする。
【解決手段】無段変速機は、第1回転要素、第2回転要素、転動部材、支持軸、支持回転要素を備える。支持回転要素は、第1ガイド部が設けられた第1固定要素、第2ガイド部45が設けられた可動要素、スリット部46が設けられた第2固定要素43を有する。支持軸51は、第2ガイド部45内に供給された潤滑媒体を転動部材に供給する供給路を有すると共に端部53の外径φ1が中間部54の外径φ2より大きい。第2固定要素43は、第2ガイド部45の開口を覆うと共に、スリット部46の幅Dが支持軸51の他端部53の外径φ1より狭い。したがって、無段変速機は、潤滑性能を向上することができる、という効果を奏する。
【選択図】図5

Description

本発明は、無段変速機に関する。
いわゆるトラクションドライブ方式の従来の変速機として、例えば、特許文献1には回転中心となる変速機軸と、この変速機軸の中心軸線を第1回転中心軸線とする相対回転可能な複数の回転要素と、第1回転中心軸線を中心にして放射状に複数配置した転動部材としての遊星ボールとを含んで構成される無段変速機(CONTINUOUSLY VARIABLE TRANSMISSIONS)が開示されている。この無段変速機は、複数の回転要素として、遊星ボールを挟持する入出力リング、遊星ボールを傾転可能に支持するキャリア、外周面が遊星ボールと接触するサンローラ等を含んで構成され、遊星ボールを傾転させることで変速比を無段階に変化させる。そして、この無段変速機は、遊星ボールの支持軸(スピンドル)に軸心油路を設け、支持軸端部に潤滑油を供給する油孔を設けている。
米国特許出願公開第2010/0093479号明細書
ところで、上述のような特許文献1に記載されている無段変速機は、例えば、潤滑性能の点で更なる改善の余地がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、潤滑性能を向上することができる無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る無段変速機は、回転中心となる変速機軸と、前記変速機軸に軸方向に対向して配置され、共通の第1回転中心軸線を回転中心として相対回転可能である第1回転要素及び第2回転要素と、前記第1回転中心軸線とは異なる第2回転中心軸線を回転中心として回転可能であり前記第1回転要素と前記第2回転要素とに挟持され当該第1回転要素及び当該第2回転要素との間でトルクを伝達可能である転動部材と、前記第2回転中心軸線を回転中心として前記転動部材を支持し両端部が当該転動部材から突出した支持軸と、前記第1回転中心軸線を回転中心として前記第1回転要素、及び、前記第2回転要素と相対回転可能に前記変速機軸に配置されると共に、前記支持軸の一端部側に前記変速機軸と相対回転不能に設けられる第1固定要素と、前記支持軸の他端部側に前記第1固定要素と対向して配置され前記変速機軸と相対回転可能に設けられる可動要素と、前記第1回転中心軸線に沿った方向に対して前記転動部材と前記可動要素との間に配置され前記第1固定要素と相対回転不能に設けられる第2固定要素とを有し、前記支持軸を保持する支持回転要素とを備え、前記支持回転要素は、前記第1固定要素に前記第1回転中心軸線と直交する方向に延在しかつ前記転動部材に向かって開口して形成されると共に前記支持軸の一端部が挿入され当該支持軸の一端部の移動を案内可能である第1ガイド部と、前記可動要素に前記第1回転中心軸線と直交する方向に対して傾斜した方向に延在しかつ前記転動部材に向かって開口して形成されると共に前記支持軸の他端部が挿入され当該支持軸の他端部の移動を案内可能である第2ガイド部と、前記第2固定要素に前記第1回転中心軸線と直交する方向に延在しかつ前記第1回転中心軸線に沿った方向に貫通して形成されると共に前記支持軸の両端部の間の中間部が挿入され当該支持軸の中間部の移動を許容するスリット部とによって、前記支持軸を前記転動部材の傾転動作が可能な状態で保持し、前記第1固定要素と前記可動要素との相対回転に伴った前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との相対変位によって前記支持軸と共に前記転動部材を傾転させ各回転要素間の回転速度比である変速比を変更可能であり、前記支持軸は、前記第2ガイド部内に供給された潤滑媒体を前記転動部材に供給する供給路を有すると共に端部の外径が前記中間部の外径より大きく、前記第2固定要素は、前記第2ガイド部の開口を覆うと共に、前記スリット部の、前記中間部の移動方向に直交する方向の幅が前記第2ガイド部によって案内される前記支持軸の他端部の外径より狭いことを特徴とする。
また、上記無段変速機では、前記第2ガイド部は、前記第1回転中心軸線側とは反対側の端部が開放されているものとすることができる。
また、上記無段変速機では、前記第2ガイド部は、前記第1回転中心軸線側とは反対側の端部が閉止されているものとすることができる。
本発明に係る無段変速機は、潤滑性能を向上することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る無段変速機の概略断面図である。 図2は、実施形態に係る無段変速機の部分断面図である。 図3は、実施形態に係る無段変速機の固定キャリアについて説明する平面図である。 図4は、実施形態に係る無段変速機の可動キャリアについて説明する平面図である。 図5は、実施形態に係る無段変速機のカバープレートについて説明する平面図である。 図6は、変形例に係る無段変速機の可動キャリアについて説明する平面図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る無段変速機の概略断面図、図2は、実施形態に係る無段変速機の部分断面図、図3は、実施形態に係る無段変速機の固定キャリアについて説明する平面図、図4は、実施形態に係る無段変速機の可動キャリアについて説明する平面図、図5は、実施形態に係る無段変速機のカバープレートについて説明する平面図、図6は、変形例に係る無段変速機の可動キャリアについて説明する平面図である。
本実施形態の無段変速機は、車両に搭載され、内燃機関などの動力源が発生する動力(トルク)を車両の駆動輪に伝達するものである。この無段変速機は、接触させた回転要素間に介在させた流体例えばトラクション油(伝達油)によってこの回転要素間で動力を伝達可能ないわゆるトラクションドライブ方式の無段変速機である。無段変速機は、一方の回転要素と他方の回転要素との接触面に介在するトラクション油をせん断するときに生ずる抵抗力(トラクション力、トラクション油膜のせん断力)を利用して動力(トルク)を伝達する。本実施形態の無段変速機は、いわゆるボールプラネタリ式無段変速機(CVP:Continuously Variable Planetary)である。
具体的には、図1、図2に示すように、本実施形態の無段変速機1の主要部を成す無段変速機構は、共通の第1回転中心軸線R1を有し相互間での相対回転が可能な第1回転要素としての第1回転部材10、第2回転要素としての第2回転部材20、第3回転要素としてのサンローラ30及び第4回転要素であり支持回転要素としてのキャリア40とを備える。さらに、無段変速機1は、第1回転中心軸線R1とは異なる第2回転中心軸線R2を各々有する複数の転動部材としての遊星ボール50と、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30等の回転中心となる変速機軸60とを備える。無段変速機1は、第2回転中心軸線R2を第1回転中心軸線R1に対して傾斜させ、キャリア40によって傾転自在に保持される遊星ボール50を傾転させることによって、入出力間の変速比を変えるものである。
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、第1回転中心軸線R1や第2回転中心軸線R2に沿う方向を軸方向、第1回転中心軸線R1周りの方向を周方向という。また、第1回転中心軸線R1に直交する方向を径方向といい、その中でも、内方に向けた側を径方向内側、外方に向けた側を径方向外側という。
無段変速機1は、典型的には、第1回転部材10と第2回転部材20とサンローラ30とキャリア40との間で各遊星ボール50を介したトルクの伝達が行われる。例えば、無段変速機1は、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30及びキャリア40のうちの1つがトルク(動力)の入力部となり、残りの回転要素の内の少なくとも1つがトルクの出力部となる。そして、無段変速機1は、入力部となる何れかの回転要素と出力部となる何れかの回転要素との間の回転速度(回転数)の比が変速比となる。ここでは、無段変速機1は、第1回転部材10が入力部、第2回転部材20が出力部となる場合を説明する。
また、無段変速機1は、変速機軸60の中心軸(第1回転中心軸線R1)を中心にして放射状に複数個の遊星ボール50が配置される。遊星ボール50は、第2回転中心軸線R2を回転中心として回転(自転)可能である。遊星ボール50は、変速機軸60にこの変速機軸60の軸方向に対向して配置させた第1回転部材10と第2回転部材20とに挟持される。また、遊星ボール50は、キャリア40に自転可能に支持される。無段変速機1は、第1回転部材10、第2回転部材20のうちの少なくとも一方を遊星ボール50に押し付けることによって、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30と遊星ボール50との間に適切な摩擦力(トラクション力)を発生させ、その間におけるトルクの伝達を可能にする。また、無段変速機1は、遊星ボール50を第2回転中心軸線R2と第1回転中心軸線R1とを含む傾転平面上で傾転させ、第1回転部材10と第2回転部材20との間の回転速度(回転数)の比を変化させることによって、入出力間の回転速度(回転数)の比を変える。
なお、無段変速機1は、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30、キャリア40の全てが変速機軸60に対して相対回転可能なものもあれば、第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30、キャリア40のうちの何れか1つを変速機軸60に対して相対回転できない構成とするものもある。以下においては、キャリア40の一部が変速機軸60に対して固定される例について説明するがこれに限られない。ここでは、変速機軸60は、中心軸を第1回転中心軸線R1に一致させた円柱状に形成され、不図示の筐体や車体等における無段変速機1の固定部に固定し当該固定部に対して相対回転させぬよう構成した固定軸である。
以下、無段変速機1の各構成について詳細に説明する。
第1回転部材10、第2回転部材20は、中心軸を第1回転中心軸線R1に一致させた円盤部材(ディスク)や円環部材(リング)であり、第1回転中心軸線R1の軸方向で対向させて各遊星ボール50を挟み込むように配設する。この例示においては、双方とも円環部材とする。第1回転部材10、第2回転部材20は、共通の第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能である。
第1回転部材10と第2回転部材20とは、内周面に各遊星ボール50の径方向外側の外周曲面と接触する接触面10a、20aを有している。第1回転部材10、第2回転部材20の各接触面10a、20aは、例えば、遊星ボール50の外周曲面の曲率と同等の曲率の凹円弧面、外周曲面の曲率とは異なる曲率の凹円弧面、凸円弧面又は平面等の形状を成している。ここでは、各接触面10a、20aは、後述する基準位置の状態(第1回転中心軸線R1と第2回転中心軸線R2とが平行である状態)で、第1回転中心軸線R1から当該遊星ボール50との接触部分までの距離が同等の長さになるように形成され、第1回転部材10、第2回転部材20の各遊星ボール50に対する各接触角θが同等の角度になるようにしている。
ここで、接触角θとは、基準から遊星ボール50と各接触面10a、20aとの接触部分までの角度のことである。ここでは、径方向を基準にしている。第1回転部材10、第2回転部材20の遊星ボール50との接触面10a、20aは、遊星ボール50の外周曲面に対して点接触又は面接触している。また、第1回転部材10、第2回転部材20の遊星ボール50との接触面10a、20aは、第1回転部材10、第2回転部材20から遊星ボール50に向けて軸方向の力が加わった際に、遊星ボール50に対して径方向内側で且つ斜め方向の力(法線力Fn)が加わるように形成されている。
この無段変速機1は、第1回転部材10を無段変速機1の正駆動時(入力部としての回転要素にトルクが入力される場合)におけるトルク入力部(入力リング)として機能させる。また、無段変速機1は、第2回転部材20を無段変速機1の正駆動時におけるトルク出力部(出力リング)として機能させる。無段変速機1は、第1回転部材10にトルクカム70を介して入力軸11が連結される。また、無段変速機1は、第2回転部材20にトルクカム71を介して出力軸21が連結される。入力軸11は、筒状部11a、円盤部11b等を含んで構成される。入力軸11は、円盤部11b側がトルクカム70を介して第1回転部材10に連結され、筒状部11a側が車両の動力源側に連結される。出力軸21は、第1筒状部21a、円盤部21b、第2筒状部21c等を含んで構成される。出力軸21は、第1筒状部21a側が円環部材72、トルクカム71を介して第2回転部材20に連結され、第2筒状部21c側が車両の駆動輪側に連結される。入力軸11、出力軸21は、第1回転中心軸線R1を回転中心として変速機軸60と相対回転可能に設けられる。入力軸11と出力軸21とは、その相互間においても軸受B1やスラスト軸受TBを介して相対回転可能である。
トルクカム70、71は、回転トルクを第1回転中心軸線R1に沿った軸力に変換するトルク軸力変換機構であり、押圧力発生機構である。このトルクカム70、71が発生させる軸力とは、第1回転部材10、第2回転部材20を各遊星ボール50に押し付けるための押圧力である。トルクカム70は、第1回転部材10と入力軸11との間に配設される。トルクカム71は、第2回転部材20と出力軸21との間に配設される。トルクカム70は、入力軸11と第1回転部材10との間で回転トルクを伝達する際に、伝達されるトルクの大きさに応じて第1回転部材10に対して軸方向に沿った各遊星ボール50側への推力(軸力)を発生させる。トルクカム71は、出力軸21と第2回転部材20との間で回転トルクを伝達する際に、伝達されるトルクの大きさに応じて第2回転部材20に対して軸方向に沿った各遊星ボール50側への推力(軸力)を発生させる。
なお、この無段変速機1においては、第1回転部材10をトルク出力部とし、且つ、第2回転部材20をトルク入力部とすることも可能であり、その場合、入力軸11として設けているものを出力軸として利用し、出力軸21として設けているものを入力軸として利用する。また、無段変速機1においては、サンローラ30やキャリア40をトルク入力部やトルク出力部として用いる場合には、後述のサンローラ30やキャリア40に対して別途構成した入力軸や出力軸を連結する。
サンローラ30は、中心軸を第1回転中心軸線R1に一致させた円筒状のものであり、軸受RB1、RB2によって変速機軸60に対する周方向への相対回転を行えるよう支持される。つまり、サンローラ30は、変速機軸60、第1回転部材10、第2回転部材20、後述のキャリア40に対して第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能に変速機軸60に配置される。さらに、サンローラ30は、変速機軸60の軸方向に対して、軸受RB1の外輪、軸受RB2の外輪等によって位置決めされており、変速機軸60の軸方向に対して相対移動不能に固定される。
サンローラ30は、外周面31が複数個の遊星ボール50と接触する。サンローラ30の外周面31には、複数個の遊星ボール50が放射状に略等間隔で配置される。したがって、サンローラ30は、外周面31が遊星ボール50の自転の際の転動面となる。サンローラ30は、自らの回転動作によって各遊星ボール50を転動(自転)させることもできれば、各遊星ボール50の転動動作(自転動作)に伴って回転することもできる。
なお、本実施形態のサンローラ30は、軸受RB1、軸受RB2によって支持される第1分割構造体32、第1分割構造体32の外周面に固定される第2分割構造体33、第1分割構造体32の外周面にアンギュラ軸受ABを介して支持される第3分割構造体34の3つの部位からなる分割構造となっている。これにより、この無段変速機1は、サンローラ30と遊星ボール50との間のスピン損失を低減させ、動力伝達効率の低下を抑えることができる。この場合、サンローラ30の外周面31は、第2分割構造体33の外周面、及び、第3分割構造体34の外周面によって構成される。なお、このサンローラ30は、このような分割構造でなくてもよい。
キャリア40は、変速機軸60に配置され、第1回転中心軸線R1を回転中心として第1回転部材10、第2回転部材20、サンローラ30等と相対回転可能であり、遊星ボール50の支持軸(スピンドル)51を遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持するものである。
ここで、遊星ボール50は、支持軸51を介してキャリア40によって傾転自在に保持されるものである。遊星ボール50は、サンローラ30の外周面31上を転がる転動部材である。遊星ボール50は、完全な球状体であることが好ましいが、少なくとも転動方向にて球形を成すもの、例えばラグビーボールの様な断面が楕円形状のものであってもよい。遊星ボール50は、その中心を通って貫通させた支持軸51によって回転自在に支持される。支持軸51は、第2回転中心軸線R2を回転中心として遊星ボール50を支持し両端部が遊星ボール50から突出している。例えば、遊星ボール50は、支持軸51の外周面との間に配設したラジアル軸受RB3、RB4によって、第2回転中心軸線R2を回転軸とした支持軸51に対する相対回転(つまり自転)ができるようにしている。したがって、遊星ボール50は、支持軸51の第2回転中心軸線R2を中心にしてサンローラ30の外周面31上を転動することができる。
支持軸51の基準となる位置は、図1に示すように、第2回転中心軸線R2が第1回転中心軸線R1と平行になる位置である。支持軸51は、基準位置で形成される自身の回転中心軸(第2回転中心軸線R2)と第1回転中心軸線R1とを含む傾転平面内において、基準位置とそこから傾斜させた位置との間を遊星ボール50と共に揺動(傾転)することができる。この傾転は、傾転平面内で遊星ボール50の中心を支点にして行われる。そして、遊星ボール50から突出した支持軸51の両端は、次に説明するようにキャリア40に各遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持される。
キャリア40は、各遊星ボール50の傾転動作を妨げないように、遊星ボール50を支持する支持軸51の端部を支持する。本実施形態のキャリア40は、第1固定要素としての固定キャリア41と、可動要素としての可動キャリア42と、第2固定要素としてのプレート43とを有する。固定キャリア41、可動キャリア42、プレート43は、いずれも中心軸を第1回転中心軸線R1に一致させた円環板状のものであり、変速機軸60上に設けられる。ここでは、固定キャリア41は、第1回転部材10、トルクカム70等の径方向内側に配置され、可動キャリア42、プレート43は、第2回転部材20、トルクカム71等の径方向内側に配置される。
固定キャリア41は、支持軸51の一端部である端部52側に変速機軸60と相対回転不能に設けられる。固定キャリア41は、内周面側にてボルト等を介して変速機軸60のフランジ部に固定される。可動キャリア42は、支持軸51の他端部である端部53側に固定キャリア41と対向して配置され変速機軸60と相対回転可能に設けられる。すなわち、固定キャリア41と可動キャリア42とは、第1回転中心軸線R1の軸方向に対して、遊星ボール50を挟んで対向するようにして配置される。可動キャリア42は、内周面側にて軸受等を介して変速機軸60の外周面上に第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能に支持される。したがって、可動キャリア42と固定キャリア41とは、第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能である。プレート43は、第1回転中心軸線R1の軸方向に対して遊星ボール50と可動キャリア42との間に配置され固定キャリア41と相対回転不能に設けられる。プレート43は、第1回転中心軸線R1の軸方向に沿った複数の連結軸等を介して固定キャリア41に対して固定される。固定キャリア41とプレート43とは、連結軸等を介して連結されることで全体として籠状の構造となっている。したがって、可動キャリア42とプレート43とは、第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能である。そして、固定キャリア41は、第1ガイド部44を有し、可動キャリア42は、第2ガイド部45を有し、プレート43は、スリット部46を有する。
第1ガイド部44は、図1、図2、図3に示すように、固定キャリア41に第1回転中心軸線R1と直交する径方向に延在しかつ遊星ボール50に向かって開口して形成される。第1ガイド部44は、有底のガイド溝部として形成され、すなわち、第1回転中心軸線R1の軸方向に対して固定キャリア41を貫通していない構成となっている。ここでは、第1ガイド部44は、直線状に形成され第1回転中心軸線R1側とは反対側の端部、すなわち、径方向外側の端部が開放されている。第1ガイド部44は、複数の遊星ボール50(ここでは8つ)に対応して、第1回転中心軸線R1を中心として放射状に複数(ここでは8つ)設けられる。複数の第1ガイド部44は、第1回転中心軸線R1周りに等間隔で設けられる。第1ガイド部44は、支持軸51の端部52が挿入されこの支持軸51の端部52の移動を案内可能である。ここでは、支持軸51の端部52は、第1ガイド部44によって径方向への移動が案内されるガイド端部として機能する。
第2ガイド部45は、図1、図2、図4に示すように、可動キャリア42に第1回転中心軸線R1と直交する径方向に対して傾斜した方向に延在しかつ遊星ボール50に向かって開口して形成される。第2ガイド部45は、有底のガイド溝部として形成され、すなわち、第1回転中心軸線R1の軸方向に対して可動キャリア42を貫通していない構成となっている。ここでは、第2ガイド部45は、直線状に形成されると共に、第1回転中心軸線R1を通る径方向に沿った直線に対して略平行にオフセットされた位置に形成される。また、第2ガイド部45は、径方向外側の端部が開放されている。第2ガイド部45は、第1ガイド部44と同様に、複数の遊星ボール50(ここでは8つ)に対応して複数(ここでは8つ)設けられる。各第2ガイド部45は、第1回転中心軸線R1の軸方向に見た場合(図1中、矢印A方向に見た場合)に、それぞれ対応する第1ガイド部44と一部が重なって交差する位置に形成される。この第1ガイド部44と第2ガイド部45との交差部位は、固定キャリア41と可動キャリア42とが第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転することで、径方向に沿って移動することとなる。そして、第2ガイド部45は、支持軸51の端部53が挿入されこの支持軸51の端部53の移動を案内可能である。ここでは、支持軸51の端部53は、第2ガイド部45によって移動が案内されるガイド端部として機能する。第2ガイド部45は、内側壁面と端部53の外周面とが当接することで、端部53を支持し所定の径方向位置で位置決めする。
なお、第2ガイド部45は、第1回転中心軸線R1と直交する径方向に対して傾斜した方向に延在する円弧状に形成され、第1回転中心軸線R1の軸方向に見た場合に、第1ガイド部44と一部が重なって交差する位置に形成されてもよい。
スリット部46は、図1、図2、図5に示すように、プレート43に第1回転中心軸線R1と直交する径方向に延在しかつ第1回転中心軸線R1の軸方向に貫通して形成される。すなわち、スリット部46は、プレート43を第1回転中心軸線R1の軸方向に貫通したスリット孔として形成される。ここでは、スリット部46は、直線状に形成され径方向外側の端部が開放されている。スリット部46は、第1ガイド部44と同様に、複数の遊星ボール50(ここでは8つ)に対応して、第1回転中心軸線R1を中心として放射状に複数(ここでは8つ)設けられる。複数のスリット部46は、第1回転中心軸線R1周りに等間隔で設けられる。各スリット部46は、固定キャリア41とプレート43とが固定された状態で、対応する第1ガイド部44と第1回転中心軸線R1の軸方向に対して対向する。したがって、各スリット部46は、第1回転中心軸線R1の軸方向に見た場合(図1中、矢印A方向に見た場合)に、それぞれ対応する第2ガイド部45と一部が重なって交差する位置に形成される。このスリット部46と第2ガイド部45との交差部位は、第1ガイド部44と第2ガイド部45との交差部位と同様に、固定キャリア41と可動キャリア42とが第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転することで、径方向に沿って移動することとなる。そして、スリット部46は、支持軸51の両端部、すなわち、端部52、端部53との間の中間部54が挿入されこの支持軸51の中間部54の移動を許容する。
上記のように構成されるキャリア40は、第1ガイド部44と第2ガイド部45とスリット部46とによって、支持軸51を遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持する。そして、キャリア40は、固定キャリア41と可動キャリア42との相対回転に伴った第1ガイド部44と第2ガイド部45との相対変位によって支持軸51と共に遊星ボール50を傾転させ各回転要素間の回転速度比である変速比を変更可能である。
ここで、無段変速機1は、遊星ボール50の傾転角が基準位置、すなわち、0度のときに、第1回転部材10と第2回転部材20とが同一回転速度(同一回転数)で回転する。つまり、このときには、第1回転部材10と第2回転部材20との回転比(回転速度又は回転数の比)が1となり、変速比γが1になっている。例えば、第1回転部材10及び第2回転部材20の回転速度を各々「V1」、「V2」とすると、その回転比は、「V1/V2」になる。一方、図2に一点鎖線で示すように、支持軸51と共に遊星ボール50を基準位置から傾転させた際には、支持軸51の中心軸から第1回転部材10との接触部分までの距離が変化すると共に、支持軸51の中心軸から第2回転部材20との接触部分までの距離が変化する。これにより、無段変速機1は、第1回転部材10又は第2回転部材20のうちのいずれか一方が基準位置のときよりも高速で回転し、他方が低速で回転するようになる。例えば第2回転部材20は、遊星ボール50を一方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも低回転になり(減速)、他方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも高回転になる(増速)。したがって、この無段変速機1においては、その傾転角を変えることによって、各回転要素間の回転比(変速比γ)を無段階に変化させることができる。なおここでの増速時(γ<1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させる。また、減速時(γ>1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させる。
本実施形態の無段変速機1は、キャリア40が変速比γを変える機構として機能する。無段変速機1は、キャリア40によって各遊星ボール50の第2回転中心軸線R2を傾斜させて当該各遊星ボール50を傾転させることにより、遊星ボール50の傾転角が変わり、変速比γが変更される。
ここでは、キャリア40は、可動キャリア42と固定キャリア41との相対回転に応じて支持軸51に傾転させる力、すなわち、傾転力を付与し支持軸51と共に遊星ボール50を傾転させる。すなわち、キャリア40は、不図示のECU等の制御に応じてモータなどの駆動装置からウォームギア等の伝達部材を介して可動キャリア42に回転動力が伝達されることで、可動キャリア42が固定キャリア41に対して相対回転する。これにより、第2ガイド部45と第1ガイド部44、スリット部46との交差部位は、第1ガイド部44、スリット部46と第2ガイド部45とが相対変位によって位相がずれることで、径方向に沿って移動することとなる。このとき、支持軸51は、可動キャリア42と固定キャリア41との相対回転に応じて発生する傾転力によって、端部53が第2ガイド部45に沿って案内されながら押し上げられる又は押し下げられるように移動し、端部52が第1ガイド部44に沿って案内されながら移動する。つまり、支持軸51は、端部52が径方向外側、端部53が径方向内側に移動し、あるいは、端部53が径方向外側、端部52が径方向内側に移動することで、第2回転中心軸線R2が第1回転中心軸線R1に対して揺動する。
このようにして、キャリア40は、各遊星ボール50の第2回転中心軸線R2が第1回転中心軸線R1を含む平面内に位置し、かつその平面内で第1回転中心軸線R1と平行な状態、すなわち、基準位置にある状態と、その平行状態から傾斜する状態とに傾転させることができる。この結果、支持軸51は、端部52の径方向位置と端部53の径方向位置とのずれに応じて、第1回転中心軸線R1に対する第2回転中心軸線R2の傾斜角度である傾転角が変更され、これに伴って遊星ボール50が傾転する。キャリア40は、このようにして支持軸51に傾転力を付与し、この支持軸51を傾斜させることで第2回転中心軸線R2を傾斜させ、遊星ボール50を傾転させることができる。したがって、この無段変速機1は、遊星ボール50の傾転によって、支持軸51の中心軸から第1回転部材10と遊星ボール50との接触部分までの距離が変化すると共に、支持軸51の中心軸から遊星ボール50と第2回転部材20との接触部分までの距離が変化し、変速比が変更される。このとき、キャリア40は、プレート43においてスリット部46によって支持軸51の中間部54の径方向への揺動が許容される。なお、本実施形態の無段変速機1は、可動キャリア42が図4中の紙面反時計回り方向に回転することで、端部53が中心側(第1回転中心軸線R1)に移動し、変速比が所定の変速幅の範囲内で増速側に変更される。また、無段変速機1は、可動キャリア42が図4中の紙面時計回り方向に回転することで、端部53が外側(第1回転中心軸線R1とは反対側)に移動し、変速比が所定の変速幅の範囲内で減速側に変更される。
上記のように構成される無段変速機1は、例えば、入力軸11にトルクが伝達されると、当該トルクをトルクカム70、第1回転部材10、遊星ボール50、第2回転部材20、トルクカム71等を介して出力軸21に伝達することができる。このとき、無段変速機1は、例えば、入力軸11から第1回転部材10にトルクが伝達されると、トルクカム70、トルクカム71等の作用によって伝達されるトルクの大きさに応じて、第1回転部材10と各遊星ボール50、第2回転部材20と各遊星ボール50とを相対的に接近させ互いに押し付ける方向への押圧力(押圧荷重)が発生する。これにより、無段変速機1は、押圧力に応じた伝達トルク容量が確保され、この伝達トルク容量に応じて第1回転部材10と各遊星ボール50との間、各遊星ボール50と第2回転部材20との間にトラクション力(摩擦力)が発生する。この結果、無段変速機1は、第1回転部材10と各遊星ボール50との間、各遊星ボール50と第2回転部材20との間で相互に動力(トルク)を伝達することができる。
また、このトルクカム70、トルクカム71による押圧力は、第1回転部材10、第2回転部材20の接触面10a、20aと各遊星ボール50の外面の形状及び位置関係に応じた作用によって、各遊星ボール50を介してサンローラ30にも伝わる。これにより、無段変速機1は、トルクカム70、トルクカム71による押圧力に応じて各遊星ボール50とサンローラ30との間にトラクション力(摩擦力)が発生して、各遊星ボール50とサンローラ30との間でも相互に動力(トルク)を伝達することができる。
したがって、無段変速機1は、第1回転部材10の回転に伴い第1回転部材10と各遊星ボール50との間に摩擦力(トラクション力)が発生し、各遊星ボール50が自転を始める。そして、無段変速機1は、各遊星ボール50の回転によって、各遊星ボール50と第2回転部材20との間、各遊星ボール50とサンローラ30との間にも摩擦力が発生し、第2回転部材20とサンローラ30も回転を始める。同様に、無段変速機1は、第2回転部材20の回転に伴い各遊星ボール50が自転を始め、第1回転部材10とサンローラ30も回転を始める。そして、無段変速機1は、駆動装置からの動力によってキャリア40が上記のようにして各遊星ボール50を傾転させ各遊星ボール50の傾転角を変更することで変速比γを無段階に変更することができる。
なお、この無段変速機1は、上述したように、第1ガイド部44、第2ガイド部45、スリット部46の径方向外側の端部が開放されていることから、端部が閉止されている場合と比較して、変速幅を相対的に広くすることができると共に支持軸51の組み付け性を向上することができる。
ところで、本実施形態の無段変速機1は、各部の摺動部に対して潤滑媒体としてのオイル(トラクション油と兼用でも良い。)が供給されている。例えば、無段変速機1は、図2に示すように、摺動部としての遊星ボール50の軸心部(中心部)に対して、オイルポンプ80が吐出したオイルを軸部軸方向油路81、軸部径方向油路82、軸部環状油路83、キャリア径方向油路84、第2ガイド部45、支持軸方向油路85等を介して供給し、当該摺動部を潤滑している。
ここで、軸部軸方向油路81、軸部径方向油路82及び軸部環状油路83は、変速機軸60に形成されるオイル供給路である。軸部軸方向油路81は、変速機軸60の内部に軸方向に沿って形成され、一方の端部が開口し、他方の端部がオイルポンプ80の吐出口側に接続される。軸部径方向油路82は、変速機軸60の内部に径方向に沿って形成され、径方向内側端部が軸部軸方向油路81と連通し、径方向外側端部が軸部環状油路83と連通する。軸部環状油路83は、変速機軸60の外周面に環状に形成され、径方向外側に向かって開口している。キャリア径方向油路84は、可動キャリア42の内部に径方向に沿って形成され、径方向内側端部が軸部環状油路83と対向する位置に開口し、径方向外側端部が第2ガイド部45に開口する。支持軸方向油路85は、第2ガイド部45内に供給されたオイルを遊星ボール50に供給する供給路である。支持軸方向油路85は、支持軸51の内部に軸方向に沿って形成され、端部53側の端部が第2ガイド部45に開口し、他方の端部が遊星ボール50の軸心部(中心部)近傍で開口する。
したがって、オイルポンプ80が吐出したオイルは、軸部軸方向油路81、軸部径方向油路82、軸部環状油路83、キャリア径方向油路84を介して第2ガイド部45内に供給される。そして、第2ガイド部45内に供給されたオイルは、支持軸51の端部53側から支持軸方向油路85を介して遊星ボール50の軸心部に供給され、この遊星ボール50の軸心部や支持軸51、ラジアル軸受RB3、RB4等の摺動部を潤滑する。
そして、本実施形態の無段変速機1は、支持軸51とプレート43のスリット部46が所定の形状で構成されることで、潤滑性能のさらなる向上を図っている。
本実施形態の支持軸51は、図1、図2、図5に示すように、両端部52、53、中間部54を含む全体が円柱状に形成される。そして、支持軸51は、両端部52、53の外径φ1が中間部54の外径φ2より大きくなるように構成される(φ1>φ2)。支持軸51は、端部52のように中間部54と端部52とが別体の構造とされ、例えば、ローラ等を中間部54に組み付けることで端部52を分割構造として構成してもよいし、端部53のように中間部54と端部53とが一体成型される構造であってもよい。
そして、プレート43は、第2ガイド部45の開口を覆うと共に、スリット部46の幅Dが第2ガイド部45によって案内される支持軸51の端部53の外径φ1より狭く構成される。ここで、スリット部46の幅Dは、典型的には、スリット部46内を移動する中間部54の移動方向に直交する方向の長さに相当する。スリット部46は、幅Dが端部53の外径φ1より狭く、かつ、中間部54の外径φ2より広くなるように形成される(φ2<D<φ1)。
上記のように構成される無段変速機1は、プレート43が第2ガイド部45の開口を覆うことで、第2ガイド部45をオイル溜まり空間部として区画することができ、第2ガイド部45に供給されたオイルを、この第2ガイド部45に一時的に溜めておきやすくすることができる。そして、無段変速機1は、プレート43に形成されたスリット部46の幅Dが端部53の外径φ1より狭いことから、プレート43において、第2ガイド部45に溜まっているオイルが遊星ボール50側に漏れ出る領域、すなわち、第1回転中心軸線R1の軸方向に見た場合に第2ガイド部45とスリット部46とが重なる領域(交差する領域)T(図5参照)を相対的に小さくすることができる。言い換えれば、無段変速機1は、プレート43において、領域T以外の領域、すなわち、第2ガイド部45に溜まっているオイルの漏れを防ぐことができる領域を相対的に大きくすることができる。
この結果、無段変速機1は、オイル溜まり空間部である第2ガイド部45からスリット部46を介して遊星ボール50側に漏れ出るオイルの量を抑制することができる。したがって、無段変速機1は、支持軸51の端部53側から支持軸方向油路85を介して遊星ボール50の軸心部に供給されるオイルの量を増加することができるので、摺動部を潤滑する際の潤滑性能を向上することができ、例えば、遊星ボール50と支持軸51やラジアル軸受RB3、RB4等の摺動部の潤滑効率を向上することができる。
以上で説明した実施形態に係る無段変速機1によれば、変速機軸60と、第1回転部材10及び第2回転部材20と、遊星ボール50と、支持軸51と、キャリア40とを備える。変速機軸60は、回転中心となる。第1回転部材10及び第2回転部材20は、変速機軸60に軸方向に対向して配置され、共通の第1回転中心軸線R1を回転中心として相対回転可能である。遊星ボール50は、第1回転中心軸線R1とは異なる第2回転中心軸線R2を回転中心として回転可能である。遊星ボール50は、第1回転部材10と第2回転部材20とに挟持され第1回転部材10及び第2回転部材20との間でトルクを伝達可能である。支持軸51は、第2回転中心軸線R2を回転中心として遊星ボール50を支持し両端部52、53が遊星ボール50から突出している。キャリア40は、第1回転中心軸線R1を回転中心として第1回転部材10、及び、第2回転部材20と相対回転可能に変速機軸60に配置される。キャリア40は、固定キャリア41と、可動キャリア42と、プレート43とを有し、支持軸51を保持する。固定キャリア41は、支持軸51の一端部52側に変速機軸60と相対回転不能に設けられる。可動キャリア42は、支持軸51の他端部53側に固定キャリア41と対向して配置され変速機軸60と相対回転可能に設けられる。プレート43は、第1回転中心軸線R1に沿った方向に対して遊星ボール50と可動キャリア42との間に配置され固定キャリア41と相対回転不能に設けられる。キャリア40は、第1ガイド部44と、第2ガイド部45と、スリット部46とによって、支持軸51を遊星ボール50の傾転動作が可能な状態で保持する。第1ガイド部44は、固定キャリア41に第1回転中心軸線R1と直交する方向に延在しかつ遊星ボール50に向かって開口して形成される。第1ガイド部44は、支持軸51の一端部52が挿入され当該支持軸51の一端部52の移動を案内可能である。第2ガイド部45は、可動キャリア42に第1回転中心軸線R1と直交する方向に対して傾斜した方向に延在しかつ遊星ボール50に向かって開口して形成される。第2ガイド部45は、支持軸51の他端部53が挿入され当該支持軸51の他端部53の移動を案内可能である。スリット部46は、プレート43に第1回転中心軸線R1と直交する方向に延在しかつ第1回転中心軸線R1に沿った方向に貫通して形成される。スリット部46は、支持軸51の両端部52、53の間の中間部54が挿入され当該支持軸51の中間部54の移動を許容する。キャリア40は、固定キャリア41と可動キャリア42との相対回転に伴った第1ガイド部44と第2ガイド部45との相対変位によって支持軸51と共に遊星ボール50を傾転させ各回転要素間の回転速度比である変速比を変更可能である。そして、支持軸51は、第2ガイド部45内に供給されたオイルを遊星ボール50に供給する支持軸方向油路85を有すると共に端部52、53の外径φ1が中間部54の外径φ2より大きい。プレート43は、第2ガイド部45の開口を覆うと共に、スリット部46の中間部54の移動方向に直交する方向の幅Dが第2ガイド部45によって案内される支持軸51の他端部53の外径より狭い。
したがって、無段変速機1は、第2ガイド部45からスリット部46を介して遊星ボール50側に漏れ出るオイルの量を抑制することができるので、潤滑性能を向上することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る無段変速機は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
例えば、図6の変形例に示すように、第2ガイド部45は、第1回転中心軸線R1側とは反対側の端部、すなわち、径方向外側の端部が閉止されていてもよい。この場合、無段変速機1は、第2ガイド部45をオイル溜まり空間部としてより確実に区画することができ、より確実に第2ガイド部45にオイルを溜めておくことができる。この結果、無段変速機1は、潤滑性能をさらに向上することができる。
1 無段変速機
10 第1回転部材(第1回転要素)
20 第2回転部材(第2回転要素)
30 サンローラ
40 キャリア(支持回転要素)
41 固定キャリア(第1固定要素)
42 可動キャリア(可動要素)
43 プレート(第2固定要素)
44 第1ガイド部
45 第2ガイド部
46 スリット部
50 遊星ボール(転動部材)
51 支持軸
52、53 端部
54 中間部
60 変速機軸
80 オイルポンプ
85 支持軸方向油路(供給路)
R1 第1回転中心軸線
R2 第2回転中心軸線

Claims (3)

  1. 回転中心となる変速機軸と、
    前記変速機軸に軸方向に対向して配置され、共通の第1回転中心軸線を回転中心として相対回転可能である第1回転要素及び第2回転要素と、
    前記第1回転中心軸線とは異なる第2回転中心軸線を回転中心として回転可能であり前記第1回転要素と前記第2回転要素とに挟持され当該第1回転要素及び当該第2回転要素との間でトルクを伝達可能である転動部材と、
    前記第2回転中心軸線を回転中心として前記転動部材を支持し両端部が当該転動部材から突出した支持軸と、
    前記第1回転中心軸線を回転中心として前記第1回転要素、及び、前記第2回転要素と相対回転可能に前記変速機軸に配置されると共に、前記支持軸の一端部側に前記変速機軸と相対回転不能に設けられる第1固定要素と、前記支持軸の他端部側に前記第1固定要素と対向して配置され前記変速機軸と相対回転可能に設けられる可動要素と、前記第1回転中心軸線に沿った方向に対して前記転動部材と前記可動要素との間に配置され前記第1固定要素と相対回転不能に設けられる第2固定要素とを有し、前記支持軸を保持する支持回転要素とを備え、
    前記支持回転要素は、前記第1固定要素に前記第1回転中心軸線と直交する方向に延在しかつ前記転動部材に向かって開口して形成されると共に前記支持軸の一端部が挿入され当該支持軸の一端部の移動を案内可能である第1ガイド部と、前記可動要素に前記第1回転中心軸線と直交する方向に対して傾斜した方向に延在しかつ前記転動部材に向かって開口して形成されると共に前記支持軸の他端部が挿入され当該支持軸の他端部の移動を案内可能である第2ガイド部と、前記第2固定要素に前記第1回転中心軸線と直交する方向に延在しかつ前記第1回転中心軸線に沿った方向に貫通して形成されると共に前記支持軸の両端部の間の中間部が挿入され当該支持軸の中間部の移動を許容するスリット部とによって、前記支持軸を前記転動部材の傾転動作が可能な状態で保持し、前記第1固定要素と前記可動要素との相対回転に伴った前記第1ガイド部と前記第2ガイド部との相対変位によって前記支持軸と共に前記転動部材を傾転させ各回転要素間の回転速度比である変速比を変更可能であり、
    前記支持軸は、前記第2ガイド部内に供給された潤滑媒体を前記転動部材に供給する供給路を有すると共に端部の外径が前記中間部の外径より大きく、
    前記第2固定要素は、前記第2ガイド部の開口を覆うと共に、前記スリット部の、前記中間部の移動方向に直交する方向の幅が前記第2ガイド部によって案内される前記支持軸の他端部の外径より狭いことを特徴とする、
    無段変速機。
  2. 前記第2ガイド部は、前記第1回転中心軸線側とは反対側の端部が開放されている、
    請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記第2ガイド部は、前記第1回転中心軸線側とは反対側の端部が閉止されている、
    請求項1に記載の無段変速機。
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