JP2014185697A - 無段変速機 - Google Patents

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有希 荒津
Hiroyuki Ogawa
裕之 小川
Akira Hibino
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Abstract

【課題】接触部に対して安定した潤滑油の供給を行うこと。
【解決手段】回転中心となるシャフト60と、第1及び第2の回転部材10,20と、サンローラ30と、キャリア40と、第1回転中心軸R1を中心にして放射状で且つサンローラ30の外周面上に複数配置すると共に、対向させて配置した第1及び第2の回転部材10,20の内周面で挟持された複数の遊星ボール50と、各遊星ボール50を傾転させることで入出力間の変速比を変える変速装置と、隣り合う遊星ボール50の間に配置したガイド部材91と、を備え、ガイド部材91は、隣り合う遊星ボール50に夫々対向させ、且つ、シャフト60の側から当該各々の遊星ボール50の間の隙間を通って径方向外側に送られた潤滑油が当該各々の遊星ボール50の表面に夫々案内される2つのガイド面91aを有すること。
【選択図】図6

Description

本発明は、共通の回転中心軸を有する複数の動力伝達要素と、その回転中心軸に対して放射状に複数配置した転動部材と、を備え、各動力伝達要素の内の2つに挟持された各転動部材を傾転させることによって入出力間の変速比を無段階に変化させるトラクションドライブ型の無段変速機に関する。
従来、この種の無段変速機としては、回転中心となる変速機軸と、この変速機軸を中心にして放射状に複数配置された転動部材と、各転動部材を挟み込み、変速機軸の中心軸を回転中心軸にした相対回転が可能な複数の動力伝達要素と、を備えたボールプラネタリ式のものが知られている。このボールプラネタリ式の無段変速機においては、対向させて配置した第1動力伝達要素と第2動力伝達要素の夫々の内周面側で各転動部材を挟持すると共に、その各転動部材を第3動力伝達要素の外周面上に配置している。また、この無段変速機においては、第4動力伝達要素を成す2枚の円盤部が各転動部材の支持軸を当該各転動部材の傾転及び自転が自在となるように両端から支えている。下記の特許文献1及び2には、この様なボールプラネタリ式の無段変速機が開示されている。特許文献1の無段変速機においては、変速機軸に軸心油路と径方向油路とが形成されており、これらの油路を介して変速機内部に潤滑油(トラクション油)が供給される。例えば、その潤滑油は、サンローラ(第3動力伝達要素)の内周面や軸受に供給されている。また、特許文献2の無段変速機においては、第4動力伝達要素を成す2枚の円盤部が、隣り合う転動部材の間に配置された複数本の支持軸で一体化されている。
特表2012−506001号公報 米国特許出願公開第2010/0173743号明細書
ところで、変速機内部に供給された潤滑油は、動力伝達要素や転動部材の回転に伴って、動力伝達要素と転動部材との間の接触部等に送られる。しかしながら、この潤滑油は、動力伝達要素が高回転になるにつれて径方向の外側へと拡散するので、その接触部等で潤滑油の油量が不足し、耐久性の低下を招いてしまう虞がある。特に、第1及び第2の動力伝達要素と転動部材との間の接触部は、第3動力伝達要素と転動部材との間の接触部と比較して径方向の外側に存在しているので、無段変速機が高速運転になると、潤滑油が上手く送られない可能性がある。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、動力伝達要素と転動部材との間の接触部に対する安定した潤滑油の供給量の確保が可能な無段変速機を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、回転中心となる変速機軸と、前記変速機軸と同心の第1回転中心軸を有する相互間で周方向に相対回転が可能な第1から第4の動力伝達要素と、第2回転中心軸を有し、前記第1回転中心軸を中心にして放射状で且つ前記第3動力伝達要素の外周面上に複数配置すると共に、対向させて配置した前記第1及び第2の動力伝達要素の内周面で挟持され且つ前記第4動力伝達要素で傾転自在に保持された転動部材と、前記各転動部材を傾転させることで入出力間の変速比を変える変速装置と、隣り合う前記転動部材の間に配置した潤滑油のガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、隣り合う前記転動部材に夫々対向させ、且つ、前記変速機軸の側から当該各々の転動部材の間の隙間を通って径方向外側に送られた潤滑油が当該各々の転動部材の表面に夫々案内される2つのガイド面を有することを特徴としている。
ここで、前記転動部材への潤滑油のガイド面は、前記第1動力伝達要素と前記第2動力伝達要素との間で前記転動部材の表面に潤滑油を案内するものであり、前記ガイド部材は、更に、隣り合う前記転動部材の間の隙間を通って径方向外側に送られた潤滑油が前記第1動力伝達要素と前記第2動力伝達要素の夫々の径方向内側で当該第1及び第2の動力伝達要素の内周面へと夫々案内される別の2つのガイド面を有することが望ましい。
また、前記ガイド部材は、前記変速機軸の軸線方向に延在させた部材であり、該変速機軸を中心とする周方向における側面に前記ガイド面を形成することが望ましい。
また、前記転動部材への潤滑油のガイド面は、該転動部材の表面に対向させた平面又は曲面であることが望ましい。
また、前記第4動力伝達要素は、前記各転動部材を軸線方向にて挟み込んで傾転自在に保持する2つの円盤部を備え、前記ガイド部材は、前記2つの円盤部を一体化させる支持軸としても利用することが望ましい。
また、前記ガイド部材は、前記2つの円盤部に夫々保持される2つの端部と、前記転動部材への潤滑油のガイド面を有し、前記変速機軸を中心とする周方向が前記夫々の端部よりも幅の広い中央部と、を備えることが望ましい。
また、前記第1及び第2の動力伝達要素並びに前記転動部材を径方向外側から覆う筒状のトルク伝達部材と、前記トルク伝達部材の回転と共に当該トルク伝達部材の内周面に沿って流れる潤滑油の一部を径方向内側の前記転動部材の表面に案内する別のガイド部材と、を設けることが望ましい。
本発明に係る無段変速機は、変速機軸の側から隣り合う転動部材の間の隙間を通って径方向外側に送られた潤滑油を当該転動部材の表面に案内するガイド部材が設けられているので、その潤滑油を第1動力伝達要素と転動部材との間の接触部及び第2動力伝達要素と転動部材との間の接触部に送ることができる。つまり、この無段変速機は、その接触部への安定した潤滑油の供給が可能になる。従って、この無段変速機は、トルクの伝達容量の増大が可能になるので、トラクション性能を向上させることができる。更に、この無段変速機は、接触部の安定した冷却が可能になり、転動部材や動力伝達要素の強度低下を抑えることができるので、耐久性を向上させることができる。
図1は、本発明に係る無段変速機の実施例における構成の一例を示す断面図である。 図2は、キャリアの一方の固定円盤部について説明する図である。 図3は、キャリアにおける他方の固定円盤部と回転円盤部について説明する図である。 図4は、実施例のガイド部材の形状と配置について説明する図である。 図5は、実施例のガイド部材を径方向外側からみた図である。 図6は、図5のA−A線で切った断面図である。 図7は、変形例1のガイド部材の形状と配置について説明する図である。 図8は、変形例1のガイド部材を径方向外側からみた図である。 図9は、図8のB−B線で切った断面図である。 図10は、変形例2のガイド部材による潤滑油の流れを説明する図である。 図11は、変形例2のガイド部材による潤滑油の流れの一例を軸線方向からみた図である。 図12は、変形例2のガイド部材による潤滑油の流れの他の例を軸線方向からみた図である。 図13は、変形例2のガイド部材について説明する側面図である。 図14は、変形例2のガイド部材について説明する上面図である。
以下に、本発明に係る無段変速機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る無段変速機の実施例を図1から図7に基づいて説明する。
最初に、本実施例のトラクションドライブ型の無段変速機の一例について図1を用いて説明する。この無段変速機は、トラクション遊星機構に相当するボールプラネタリ式の無段変速機構を備えたものである。図1の符号1は、本実施例におけるボールプラネタリ式の無段変速機の一例を示す。
本実施例の無段変速機構は、共通の第1回転中心軸R1を有する4つの動力伝達要素と、第1回転中心軸R1を中心にして放射状に配置された複数の転動部材と、4つの動力伝達要素の回転中心に配置した変速機軸と、を備える。転動部材は、第1回転中心軸R1とは異なる第2回転中心軸R2を有するものであり、自身の第2回転中心軸R2と第1回転中心軸R1とを含む傾転平面上での傾転動作が可能である。以下においては、特に言及しない限り、その第1回転中心軸R1に沿う方向を軸線方向と云い、その第1回転中心軸R1周りの方向を周方向と云う。また、その第1回転中心軸R1に直交する方向を径方向と云い、その中でも、内方に向けた側を径方向内側、外方に向けた側を径方向外側と云う。
この無段変速機構は、4つの動力伝達要素の内の3つ(第1から第3の動力伝達要素)で各転動部材を挟持すると共に、残りの動力伝達要素(第4動力伝達要素)で各転動部材を自転自在で且つ傾転自在に保持する。各転動部材は、第1回転中心軸R1を中心にして放射状に配置される。そして、各転動部材は、軸線方向において対向させて配置された第1及び第2の動力伝達要素に挟持され、且つ、第3動力伝達要素の外周面上に配置される。
この無段変速機構は、第1から第4の動力伝達要素の間で各転動部材を介したトルクの伝達を行うことができる。例えば、この無段変速機構は、第1から第3の動力伝達要素と各転動部材との間にトラクション力(接線力)を発生させることで、その第1から第3の動力伝達要素の間での各転動部材を介したトルク(動力)の伝達を行うことができる。そのトラクション力は、第1及び第2の動力伝達要素の内の少なくとも一方を各転動部材に押し付けることによって発生させる。更に、この無段変速機構では、第4動力伝達要素の回転を許容することで、第4動力伝達要素と各転動部材との間におけるトルクの伝達も可能である。
また、この無段変速機構においては、夫々の転動部材の第2回転中心軸R2を傾転平面上で第1回転中心軸R1に対して傾倒させ、各転動部材を傾転させることによって、入出力間の回転速度(回転数)の比、つまり変速比γを変える。
この無段変速機構は、第1から第4の動力伝達要素の全てが変速機軸に対して相対回転可能な回転要素として用いられるものもあれば、第1から第4の動力伝達要素の内の何れか1つを変速機軸に対して相対回転できぬ固定要素として用いるものもある。前者の構成の場合には、第1から第4の動力伝達要素の内の何れか1つがトルクの入力部となり、これとは別の1つがトルクの出力部となる。一方、後者の構成の場合には、固定要素以外の3つの動力伝達要素の間で各転動部材を介したトルクの伝達が行われるので、その3つの動力伝達要素の内の何れか1つがトルクの入力部となり、これとは別の1つがトルクの出力部となる。これが為、この無段変速機構においては、入力部となる動力伝達要素と出力部となる動力伝達要素との間の回転速度(回転数)の比が変速比γとなる。例えば、この無段変速機1は、車両の動力伝達経路上に配設される。その際には、その入力部が機関(内燃機関等のエンジン)や回転機(電動機等)などの動力源側に連結され、その出力部が駆動輪側に連結される。この無段変速機1と駆動輪側との間には、別の変速機(例えば有段の手動変速機又は自動変速機等)を介在させる場合もある。この無段変速機1においては、入力部としての動力伝達要素にトルクが入力された場合の各動力伝達要素の回転動作を正駆動と云い、出力部としての動力伝達要素に正駆動時とは逆方向のトルクが入力された場合の各動力伝達要素の回転動作を逆駆動と云う。例えば、この無段変速機1は、先の車両の例示に従えば、加速等の様に動力源側からトルクが入力部たる動力伝達要素に入力されて当該動力伝達要素を回転させているときが正駆動となり、減速等の様に駆動輪側から出力部たる回転中の動力伝達要素に正駆動時とは逆方向のトルクが入力されているときが逆駆動となる。
ここで、この無段変速機構においては、第1及び第2の動力伝達要素がトラクション遊星機構で云うところのリングギヤ等の機能を為すものとなる。また、第3動力伝達要素と第4動力伝達要素は、各々トラクション遊星機構におけるサンローラとキャリアとして機能する。また、転動部材は、トラクション遊星機構におけるボール型ピニオンとして機能する。従って、この無段変速機構は、第1及び第2の動力伝達要素としての第1及び第2の回転部材10,20と、第3動力伝達要素としてのサンローラ30と、第4動力伝達要素としてのキャリア40と、転動部材としての遊星ボール50と、変速機軸としてのシャフト60と、を備える。そのシャフト60は、無段変速機1の筐体や車体等の様な不動部に固定したものであり、その不動部に対して相対回転させぬよう構成した円柱状又は円筒状の固定軸とする。この無段変速機1においては、傾転平面上で第1回転中心軸R1と第2回転中心軸R2とが平行になっている状態(図1の状態)を基準位置としている。以下に、この無段変速機1における無段変速機構について詳述する。
第1及び第2の回転部材10,20は、中心軸を第1回転中心軸R1に一致させた円盤部材(ディスク)や円環部材(リング)であり、軸線方向で対向させて各遊星ボール50を挟み込むように配設する。この例示においては、双方とも円環部材とする。
この無段変速機1においては、第1及び第2の回転部材10,20と各遊星ボール50とが互いに点接触(厳密には楕円形状の面接触)している接触部P1,P2を有する。各遊星ボール50は、後で詳述するが転動面としての外周曲面を有しており、その外周曲面において第1及び第2の回転部材10,20に挟持される。つまり、各遊星ボール50は、その外周曲面に接触部P1,P2を有する。一方、第1及び第2の回転部材10,20は、各遊星ボール50を径方向外側から挟持するものであり、その内周面10a,20aに接触部P1,P2を各々有する。その内周面10a,20aにおいては、各遊星ボール50に対して実際に接触している接触部P1,P2と、第1及び第2の回転部材10,20の回転に伴い接触部P1,P2となる部分(以下、「接触予備部」と云う。)と、が周方向に連なっている。即ち、その接触予備部は、第1及び第2の回転部材10,20が回転することで、遊星ボール50に接触したり遊星ボール50から離れたりを繰り返す部分である。第1及び第2の回転部材10,20の接触部P1,P2や接触予備部における形状は、例えば、遊星ボール50の外周曲面の曲率と同等の曲率の凹円弧面、その外周曲面の曲率とは異なる曲率の凹円弧面、凸円弧面又は平面等を成している。そして、この第1及び第2の回転部材10,20の接触部P1,P2や接触予備部における形状は、第1及び第2の回転部材10,20から遊星ボール50に向けて軸線方向の力(押圧力)が加わった際に、その遊星ボール50に対して径方向内側で且つ斜め方向の力(法線力)が加わるように形成されている。
ここでは、上記基準位置の状態で第2回転中心軸R2から夫々の接触部P1,P2や接触予備部までの最短距離が同じ長さになるように、第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aと各遊星ボール50の外周曲面を形成する。更に、ここでは、第1及び第2の回転部材10,20と各遊星ボール50との夫々の接触角θが同じ角度になるように、第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aと各遊星ボール50の外周曲面を形成する。その接触角θとは、基準平面に対する接触部P1,P2又は接触予備部と遊星ボール50の中心(自転中心及び傾転中心であって、球体であれば重心に相当)とを結ぶ線の成す角度のことである。基準平面とは、夫々の遊星ボール50の中心を有する径方向に広がる平面のことである。
この例示においては、第1回転部材10を正駆動時におけるトルクの入力部として用い、第2回転部材20を正駆動時におけるトルクの出力部として用いる。この無段変速機1においては、上記の基準平面に対して入力部となる第1回転部材10が配置された側をトルクの入力側と云い、その基準平面に対して出力部となる第2回転部材20が配置された側をトルクの出力側と云う。そして、軸線方向は、その出力側から入力側に向く方向をトルクの入力側方向と云い、入力側から出力側に向く方向をトルクの出力側方向と云う。その第1回転部材10には当該第1回転部材10と同心の入力軸(第1回転軸)11が連結され、第2回転部材20には当該第2回転部材20と同心の出力軸(第2回転軸)21が連結される。
入力軸11と出力軸21は、夫々にトルク伝達部材であり、トルクの入力側と出力側の内の何れか一方に纏めて延在させる。この例示の入力軸11と出力軸21は、第1回転部材10等の配設されているトルクの入力側に纏めて延在させている。入力軸11は、外縁部分に第1回転部材10が連結される円盤部11aと、この円盤部11aの径方向内側部分からトルクの入力側方向に向けて延設された筒状部11bと、を備える。円盤部11aは、第1回転部材10やキャリア40よりもトルクの入力側方向に配置し、その第1回転部材10と共にキャリア40の後述する第1円盤部41を覆う。一方、出力軸21は、第1及び第2の回転部材10,20を径方向外側から覆う第1筒状部21aと、この第1筒状部21aにおけるトルクの入力側方向の端部を外縁とする円盤部21bと、この円盤部21bの径方向内側部分からトルクの入力側方向に向けて延設された第2筒状部21cと、を備える。第1筒状部21aは、トルクの出力側方向の端部に固定された環状部材22を介して第2回転部材20に連結する。円盤部21bは、入力軸11の円盤部11aよりもトルクの入力側方向に配置する。第2筒状部21cは、入力軸11の筒状部11bを径方向外側から覆う。
入力軸11は、動力源側に接続された回転軸12に連結する。その回転軸12は、シャフト60と同心に配置し、このシャフト60の端部に軸受B1を介して接続したものである。従って、入力軸11は、シャフト60に対して回転軸12と一体になって周方向に相対回転することができる。また、この入力軸11と出力軸21との間には、軸受B2とスラスト軸受TBを介在させている。これが為、出力軸21は、入力軸11に対して周方向に相対回転することができると共に、シャフト60に対しても周方向に相対回転することができる。
尚、本実施例の無段変速機1は、この様に入力軸11と出力軸21とをトルクの入力側に纏めて延在させたものとして例示しているが、その入力軸11と出力軸21を夫々にトルクの入力側と出力側とに分けて延在させてもよい。
その入力軸11と第1回転部材10との間には、軸力を発生させる軸力発生部71が設けられている。その軸力とは、第1回転部材10を各遊星ボール50に押し付ける為の軸線方向の押圧力である。ここでは、その軸力発生部71としてトルクカムを利用する。従って、この軸力発生部71は、円盤部11aの外縁部分における係合部又は係合部材と第1回転部材10側の係合部又は係合部材とが係合することで、入力軸11と第1回転部材10との間で軸力を発生させると共に回転トルクを伝達させ、これらを一体にして回転させる。一方、この無段変速機1には、出力軸21と第2回転部材20との間にも軸力発生部72が配設されている。その軸力発生部72は、第2回転部材20を各遊星ボール50に押し付ける為の軸線方向の押圧力(軸力)を発生させるものであり、軸力発生部71と同様のトルクカムを用いる。この軸力発生部72は、環状部材22を介して出力軸21に接続されている。
この無段変速機1は、その軸力によって、第1回転部材10と各遊星ボール50との間、第2回転部材20と各遊星ボール50との間及びサンローラ30と各遊星ボール50との間において、運転中にトラクション力を発生させることができる。
尚、この無段変速機1においては、第1回転部材10をトルク出力部とし、且つ、第2回転部材20をトルク入力部とすることも可能であり、その場合、入力軸11として設けているものを出力軸として利用し、出力軸21として設けているものを入力軸として利用する。また、サンローラ30やキャリア40をトルク入力部やトルク出力部として用いる場合には、そのサンローラ30やキャリア40に対して別途構成した入力軸や出力軸を連結する。
サンローラ30は、シャフト60と同心に配置され、このシャフト60に対する周方向への相対回転を行う。このサンローラ30の外周面には、複数個の遊星ボール50が放射状に略等間隔で配置される。従って、このサンローラ30においては、その外周面が遊星ボール50の自転の際の転動面となる。このサンローラ30は、自らの回転動作によって夫々の遊星ボール50を転動(自転)させることもできれば、夫々の遊星ボール50の転動動作(自転動作)に伴って回転することもできる。
本実施例のサンローラ30は、夫々の遊星ボール50との接触部を軸線方向において2箇所(第1接触部P3、第2接触部P4)に分散させたものである。その理由は、サンローラ30と遊星ボール50との間の接触力の分散により面圧を低減させることでスピン損失を低減させ、動力伝達効率の低下を抑えると共に耐久性を向上させることができるからである。第1接触部P3は、上記の基準平面を中心とする軸線方向の一方に設ける。一方、第2接触部P4は、その基準平面を中心とする軸線方向の他方に設ける。そして、その第1及び第2の接触部P3,P4は、各遊星ボール50の中心(自転中心及び傾転中心であって、球体であれば重心に相当)からの距離が同一で、且つ、第1回転中心軸R1からの最短距離も同一となる位置に設ける。その第1及び第2の接触部P3,P4においては、サンローラ30と各遊星ボール50とが互いに点接触(厳密には面接触)している。尚、以下においては、第1及び第2の接触部P3,P4を単に接触部P3,P4と云うこともある。
このサンローラ30は、シャフト60に対する周方向の相対回転が可能な2つの回転体(第1回転体31、第2回転体32)に分割し、第1回転体31に第1接触部P3を設けると共に、第2回転体32に第2接触部P4を設ける。何故ならば、その第1及び第2の回転体31,32を互いに周方向に相対回転させることで、サンローラ30と遊星ボール50との間の損失エネルギが小さくなり、動力伝達効率の低下を抑えることができるからである。
このサンローラ30においては、第1回転体31が上記の基準平面を中心とする軸線方向の一方に配置され、第2回転体32がその基準平面を中心とする軸線方向の他方に配置される。第1及び第2の回転体31,32は、シャフト60に対する周方向の相対回転が行えるように、夫々にアンギュラ軸受ABとラジアル軸受RBとを介してシャフト60に取り付ける。
第1接触部P3においては、第1回転体31から遊星ボール50に対して、第2回転体32側の軸線方向で且つ径方向外側に向けた斜め方向の押圧力を作用させる。一方、第2接触部P4においては、第2回転体32から遊星ボール50に対して、第1回転体31側の軸線方向で且つ径方向外側に向けた斜め方向の押圧力を作用させる。これが為、このサンローラ30は、第2回転体32に近づくにつれて外径が均等に小さくなる円錐部を第1回転体31が有し、且つ、第1回転体31に近づくにつれて外径が均等に小さくなる円錐部を第2回転体32が有している。第1接触部P3と第2接触部P4は、夫々の円錐部の外周面上に設ける。また、第1回転体31や第2回転体32は、その円錐部を弧状錐体部に置き換えてもよい。その弧状錐体部は、他方の回転体に近づくにつれて外径が放物線状に小さくなる形状のものである。第1接触部P3と第2接触部P4は、夫々の弧状錐体部の外周面上に設ける。その円錐部や弧状錐体部は、第1回転体31や第2回転体32の外周面の全て又は一部に形成する。
遊星ボール50は、支持軸51を中心にしてサンローラ30の外周面上を転がる転動部材である。この遊星ボール50は、完全な球状体であることが好ましいが、少なくとも転動方向にて球形を成すもの、例えばラグビーボールの様な断面が楕円形状のものであってもよい。支持軸51は、遊星ボール50の中心を通って貫通させたものであり、遊星ボール50を回転自在に支持する。例えば、遊星ボール50は、支持軸51の外周面との間に配設したニードル軸受等の軸受によって、第2回転中心軸R2を中心とした支持軸51に対する相対回転(つまり自転)が行える。その支持軸51の両端は、遊星ボール50から突出させておく。
その支持軸51の基準となる位置は、前述した図1に示す基準位置であり、第2回転中心軸R2が第1回転中心軸R1と平行になる位置である。この支持軸51は、傾転平面内において、基準位置とそこから傾斜させた位置との間を遊星ボール50と共に揺動(傾転)させることができる。その傾転は、その傾転平面内で遊星ボール50の中心を支点にして行われる。
キャリア40は、夫々の遊星ボール50の傾転動作を妨げないように支持軸51の夫々の突出部を支持する。このキャリア40は、例えば、中心軸を第1回転中心軸R1に一致させ且つ軸線方向にて互いに対向させて配置した第1から第3の円盤部41,42,43を有するものである。このキャリア40においては、第1円盤部41と第2円盤部42とを軸線方向にて間隔を空けて配置し、その内の一方に近づけて第3円盤部43を配置する。そして、このキャリア40においては、その第1から第3の円盤部41,42,43の内の2つの円盤部の間にサンローラ30や遊星ボール50を配置する。この例示では、第3円盤部43を第1円盤部41と第2円盤部42との間で且つ当該第2円盤部42に近接させて配置し、その第1円盤部41と第3円盤部43との間にサンローラ30や遊星ボール50を配置している。尚、このキャリア40では、第3円盤部43を必ずしも設ける必要はない。
このキャリア40においては、第1及び第2の円盤部41,42の内の一方をシャフト60に対する周方向への相対回転が行えるように構成し、その内の他方をシャフト60に対する周方向への相対回転が行えないように構成する。また、第3円盤部43は、シャフト60に対する周方向への相対回転が行えないように構成する。この例示では、第1及び第3の円盤部41,43をシャフト60に対する相対回転が不能なものとし、第2円盤部42をシャフト60に対する相対回転が可能なものとする。第1円盤部41は、その内径側をシャフト60の外径側に例えば螺子部材等で固定する。第2円盤部42は、軸受(図示略)を介して内径側をシャフト60の外径側に取り付ける。第3円盤部43は、例えば後述する支持軸を兼ねた複数本のガイド部材91で第1円盤部41に連結する。その第1円盤部41と第3円盤部43は、各ガイド部材91によって籠状を成しており、そのガイド部材91の間の隙間から遊星ボール50の一部分を突出させている。尚、第1及び第2の回転部材10,20は、その遊星ボール50の突出部分に接触している。以下、第1円盤部41を第1固定円盤部41と云い、第2円盤部42を回転円盤部42と云い、第3円盤部43を第2固定円盤部43と云う。
ここで、この無段変速機1においては、夫々の遊星ボール50の傾転角が基準位置、即ち0度のときに、第1回転部材10と第2回転部材20とが同一回転速度(同一回転数)で回転する。つまり、このときには、第2回転部材20に対する第1回転部材10の回転比(回転速度又は回転数の比)が1となり、変速比γが1になっている。一方、夫々の遊星ボール50を基準位置から傾転させた際には、支持軸51の中心軸(第2回転中心軸R2)から第1回転部材10との接触部P1までの最短距離が変化すると共に、支持軸51の中心軸から第2回転部材20との接触部P2までの最短距離が変化する。これが為、第1回転部材10又は第2回転部材20の内の何れか一方が基準位置のときよりも高速で回転し、他方が低速で回転するようになる。例えば第2回転部材20は、遊星ボール50を一方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも低回転になり(減速)、他方へと傾転させたときに第1回転部材10よりも高回転になる(増速)。従って、この無段変速機1においては、その傾転角を変えることによって、第2回転部材20に対する第1回転部材10の回転比(変速比γ)を無段階に変化させることができる。尚、ここでの増速時(γ<1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させる。また、減速時(γ>1)には、図1における上側の遊星ボール50を紙面時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール50を紙面反時計回り方向に傾転させる。
この無段変速機1には、その変速比γを変える変速装置が設けられている。変速比γは遊星ボール50の傾転角の変化に伴い変わるので、その変速装置としては、夫々の遊星ボール50を傾転させる傾転装置を用いる。ここでは、キャリア40に傾転装置(変速装置)としての機能を持たせる。
先ず、第1及び第2の固定円盤部41,43には、径方向ガイド部44,45が遊星ボール50毎に設けられている。その径方向ガイド部44,45とは、遊星ボール50から突出させた支持軸51の端部に傾転力が加わった際に、その端部を径方向へと案内するガイド部のことである。径方向ガイド部44は、例えば長手方向を径方向とするガイド溝やガイド孔である(図2)。一方、径方向ガイド部45は、長手方向を径方向とするガイド孔であり(図3)、支持軸51を貫通させる。つまり、第1及び第2の固定円盤部41,43においては、軸線方向からみると、各径方向ガイド部44,45が第1回転中心軸R1を中心とする放射状を成している。その夫々の径方向ガイド部44,45は、軸線方向において互いに対向させた位置に形成されており、変速比γの大きさに拘わらず第2回転中心軸R2が略傾転平面上に位置するよう支持軸51を保持する。「略」としたのは、支持軸51の円滑な傾転動作の為に、支持軸51と径方向ガイド部44,45の幅方向との間に僅かな隙間を設けているからである。尚、図2は、遊星ボール50側から第1固定円盤部41を軸線方向にみた図である。図3は、遊星ボール50側から回転円盤部42と第2固定円盤部43を軸線方向にみた図である。
回転円盤部42は、上述した様に、シャフト60に対する周方向の相対回転が可能である。その相対回転には、図示しない電動機等のアクチュエータ(駆動部)を用いる。この駆動部の駆動力は、図3に示すウォームギヤ81等の様な歯車又は遊星歯車機構等の様な歯車群を介して回転円盤部42に伝えられる。
この回転円盤部42には、傾転力付与部46が遊星ボール50毎に設けられている。その傾転力付与部46は、回転円盤部42の回転に伴って、遊星ボール50から突出させた支持軸51の一方の端部に傾転力を作用させるものである。例えば、この傾転力付与部46は、長手方向が径方向に対して所定の傾斜角で傾斜している直線状の溝や孔である(図3)。軸線方向からみると、この傾転力付与部46は、その一部分が径方向ガイド部45の一部分と重なっている。その一部分同士が重なっている交差部分は、回転円盤部42の回転と共に径方向に移動する。支持軸51の一方の端部は、その交差部分において支持されている。従って、回転円盤部42を回転させた際には、この支持軸51の一方の端部に対して傾転力付与部46の側壁面から傾転力が作用し、その端部が径方向ガイド部44,45によって径方向へと案内される。この無段変速機1においては、この案内動作が遊星ボール50の傾転動作となる。
具体的に、このキャリア40においては、第1固定円盤部41と回転円盤部42とを相対回転させることで、その相対回転に応じた傾転力が支持軸51の一方の端部に作用する。例えば、回転円盤部42を図3の紙面時計回り方向に回転させたときは、傾転力付与部46における径方向外側の側壁に沿って当該側壁が支持軸51の一方の端部を押動する。このときには、その押し動かす力が傾転力となり、支持軸51の一方の端部が径方向ガイド部44,45によって径方向内側へと移動するので、変速比γが増速側へと変速する。一方、回転円盤部42を図3の紙面反時計回り方向に回転させたときは、傾転力付与部46における径方向内側の側壁に沿って当該側壁が支持軸51の一方の端部を押動する。このときには、その押し動かす力が傾転力となり、支持軸51の一方の端部が径方向ガイド部44,45によって径方向外側へと移動するので、変速比γが減速側へと変速する。尚、遊星ボール50は、第1回転部材10と第2回転部材20とサンローラ30とで挟持されているので、球体であれば、その傾転力が付与された際に重心位置を傾転中心にして傾転する。
この無段変速機1においては、各部(冷却対象や潤滑対象)の冷却やトラクション力の発生に潤滑油(所謂トラクション油)を用いる。例えば、その潤滑油は、図1に示すオイルポンプOPからシャフト60の軸心油路61に供給され続けている。図1に示す太線の矢印は、潤滑油の供給経路を表している。シャフト60には径方向油路62,63が形成されており、軸心油路61の潤滑油は、その径方向油路62,63から無段変速機1の各部に供給される。径方向油路62は、径方向に延在している油路であり、軸心油路61の潤滑油を径方向内側から径方向外側に向けて無段変速機1の内部に供給するものである。例えば、シャフト60には、上記の基準平面上に(つまりサンローラ30の径方向内側に)少なくとも1本の径方向油路62が形成されている。この例示では、2本形成している。その径方向油路62は、軸心油路61の潤滑油を第1回転体31と第2回転体32との間に形成される環状の隙間Sに供給するものである。尚、その隙間Sは、供給された潤滑油を貯留しておけるよう軸線方向に厚みを設けることが好ましい。
その隙間Sの潤滑油は、サンローラ30の回転に伴う遠心力やオイルポンプOPの圧送による圧力によって、第1回転体31と第2回転体32との間の環状の隙間(以下、「環状油路」と云う。)33から径方向外側へと排出される。尚、その環状油路33は、隙間Sよりも軸線方向が薄くなっている。
その環状油路33から排出された潤滑油には、遊星ボール50の表面における接触部P3,P4の近くに当たるものもあれば、隣り合う遊星ボール50の間の隙間に送られるものもある。
その接触部P3,P4の近くに当たった潤滑油は、その多くがサンローラ30と遊星ボール50との間(特に接触部P3,P4)へと供給される。これが為、環状油路33から排出された潤滑油は、接触部P3,P4の冷却及び接触部P3,P4におけるトラクション力の発生に寄与することになる。
一方、遊星ボール50同士の隙間に送られた潤滑油については、その隙間を通って径方向外側に送られるものもあれば、遊星ボール50の表面に当たるものもある。径方向外側に送られた潤滑油については、出力軸21の第1筒状部21aの内周面に付着するものもあれば、飛散して第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aにおける接触予備部に付着するものもある。出力軸21に付着した潤滑油は、環状油路33からの潤滑油の排出が続くにつれて溜まっていき、出力軸21の回転に伴う遠心力によって環状の油溜まりとなる。これに対して、第1及び第2の回転部材10,20の接触予備部に付着した潤滑油は、第1及び第2の回転部材10,20の回転と共に接触部P1,P2へと送られる。
ここで、遊星ボール50の表面に付着している潤滑油には、付着したまま遊星ボール50の自転方向に送られるものがある。その自転方向は、遊星ボール50の傾転角(変速比γ)によって変わる。これが為、この潤滑油は、その自転方向に接触部P3,P4が存在していれば接触部P3,P4に供給され、その自転方向に接触部P1,P2が存在していれば接触部P1,P2に供給される。
この様に、接触部P1,P2への潤滑油の供給状況は、遊星ボール50同士の隙間を抜けた潤滑油の飛散の状況や遊星ボール50の傾転角(変速比γ)の状態に依存して変わる可能性がある。つまり、これまで説明した構成のままでは、環状油路33から排出された潤滑油が接触部P1,P2に供給される場合もあれば供給されない場合もあり、接触部P3,P4と比較して安定した潤滑油の供給が行われない可能性がある。
そこで、本実施例の無段変速機1においては、図4に示す様に、シャフト60の側から隣り合う遊星ボール50の間の隙間を通って径方向外側に送られた潤滑油を遊星ボール50の表面に案内するガイド部材91を設ける。
ガイド部材91は、第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aよりも径方向内側で且つサンローラ30の外周面よりも径方向外側で且つ隣り合う遊星ボール50の間に配置する。このガイド部材91は、主に接触部P1,P2への潤滑油の供給を担うものである。これが為、このガイド部材91は、各遊星ボール50の夫々の傾転中心を繋ぐ円周よりも径方向外側に配置する。また、このガイド部材91は、隣り合う遊星ボール50の間に1つずつ配置する。この例示では、ガイド部材91が第1回転中心軸R1を中心にして略等間隔で放射状に配置されることになる。
このガイド部材91は、図5及び図6に示す様に、その配置場所において軸線方向に延在させた部材であり、その周方向における2つの側面が夫々に潤滑油のガイド面91aを成している。そのガイド面91aは、遊星ボール50の表面に対向させた平面又は曲面である。このガイド面91aは、第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aの径方向内側に至るまで遊星ボール50の表面を軸線方向に沿って覆うものであり、第1回転部材10と第2回転部材20の間に位置する遊星ボール50の表面だけでなく、その内周面10a,20aの径方向内側に位置する遊星ボール50の表面にも潤滑油を供給する。尚、図5は、ガイド部材91を径方向外側からみた図である。図6は、図5のA−A線で切った断面図である。
このガイド部材91においては、一方のガイド面91aで案内された潤滑油が遊星ボール50の表面に付着すると、その潤滑油が遊星ボール50の自転によって接触部P1,P2の側に送られる。また、他方のガイド面91aで案内された潤滑油が遊星ボール50の表面に付着した場合には、その潤滑油が遊星ボール50の自転によって接触部P3,P4の側に送られる。これが為、このガイド部材91は、接触部P1,P2への潤滑油の供給だけを求めるのであれば、少なくとも上記の一方のガイド面91aが形成されていればよい。
ガイド面91aは、遊星ボール50の表面に対向している面であり、環状油路33から排出された潤滑油を受け止める第1ガイド面と、この面を流れてきた潤滑油を遊星ボール50の表面に案内する第2ガイド面と、を有する。その第2ガイド面は、例えば遊星ボール50に向けた平面又は曲面を有している。ここでは、その平面又は曲面による潤滑油の排出方向と上述した基準平面との成す角をガイド角θ1と云う。また、ここでは、ガイド面91aの端部から引いた遊星ボール50の接線を含む軸線方向に平行な平面と上述した基準平面との成す角を接線角θ2と云う。その接線とは、第2ガイド面における遊星ボール50側の端部と当該遊星ボール50の表面とが成す軸線方向と直交する最短の接線のことである。ガイド面91aにおいては、遊星ボール50に向けて潤滑油を案内する為に、そのガイド角θ1が接線角θ2以上の大きさとなるように第2ガイド面を形成する。
この様に、このガイド部材91は、軸線方向に延在しているガイド面91aによって、出力軸21の第1筒状部21aの内周面に送られていた潤滑油を遊星ボール50の表面に供給し、その潤滑油を接触部P1,P2や接触部P3,P4に導くことができる。
ここで、このガイド部材91は、潤滑油の案内を担う機能だけのものとして配置してもよいが、この様な専用品とするならば、その配置場所を確保する為に無段変速機1の体格の大型化を招く可能性がある。これが為、この無段変速機1においては、第1固定円盤部41と第2固定円盤部43とを連結させる支持軸の機能もガイド部材91に持たせることで、無段変速機1の体格の大型化を抑える。従って、各ガイド部材91は、第1固定円盤部41と第2固定円盤部43とに固定されるものである一方、その第1固定円盤部41と第2固定円盤部43とを固定するものでもある。
その固定の際、各ガイド部材91は、貫通や接触させるなどして回転円盤部42の回転を阻害しないように配置する。ここでは、各ガイド部材91の端部を第2固定円盤部43から回転円盤部42に向けて突出させないように、各ガイド部材91の長さと配置を決める。従って、この無段変速機1においては、回転円盤部42の回転幅がガイド部材91によって制限されないので、変速比γの幅の狭まりを抑制することができる。
以上示した様に、この無段変速機1は、環状油路33から排出された潤滑油によって、サンローラ30と遊星ボール50との間の接触部P3,P4への安定した潤滑油の供給が可能になる。そして、更に、この無段変速機1は、遊星ボール50同士の隙間に送られた環状油路33からの潤滑油をガイド部材91のガイド面91aで遊星ボール50の表面に供給することができる。前述した様に、一方のガイド面91aから供給された遊星ボール50の表面の潤滑油は、遊星ボール50の自転に伴い第1及び第2の回転部材10,20と遊星ボール50との間の接触部P1,P2の側に送られる。また、他方のガイド面91aから供給された遊星ボール50の表面の潤滑油は、遊星ボール50の自転に伴い接触部P3,P4の側に送られる。これが為、この無段変速機1は、環状油路33から排出された潤滑油とガイド部材91によって、接触部P1,P2への安定した潤滑油の供給も可能になる。この様に、この無段変速機1は、夫々の接触部P1,P2,P3,P4に対する安定した潤滑油の供給が可能である。従って、この無段変速機1は、トルクの伝達容量の増大が可能になるので、トラクション性能を向上させることができる。更に、この無段変速機1は、接触部P1,P2,P3,P4の安定した冷却が可能になり、遊星ボール50及びサンローラ30の表面並びに第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aの強度低下を抑えることができるので、耐久性を向上させることができる。
[変形例1]
前述した実施例においては、ガイド部材91のガイド面91aが第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aの径方向内側にまで形成されている。これが為、この実施例の無段変速機1においては、遊星ボール50同士の隙間に送られた環状油路33からの潤滑油をガイド部材91によって遊星ボール50の表面に供給できる一方、その潤滑油がガイド部材91によって内周面10a,20aに供給されにくくなっている。ここで、その内周面10a,20aに潤滑油が付着した場合には、遊星ボール50の傾転角(変速比γ)に拘わらず、その潤滑油が接触部P1,P2に供給される。そこで、本変形例では、その内周面10a,20aへの潤滑油の供給が邪魔されないように構成する。
具体的に、本変形例の無段変速機1は、実施例の構成において、ガイド部材91を図7に示すガイド部材92に置き換えたものである。そのガイド部材92は、軸線方向に延在させた部材であり、実施例のガイド部材91と同等の場所に同じ数だけ配置する。また、このガイド部材92は、潤滑油の案内を担う機能だけのものとして配置してもよいが、ガイド部材91と同じ様に、第1固定円盤部41と第2固定円盤部43とを連結させる支持軸の機能も持たせる。
このガイド部材92は、図8及び図9に示す様に、第1回転部材10と第2回転部材20との間に位置している周方向の2つの側面に各々ガイド面91aと同じ形状の潤滑油のガイド面92aを形成し、且つ、第1及び第2の回転部材10,20の夫々の内周面10a,20aの径方向内側における周方向の2つの側面に各々潤滑油のガイド面92bを形成したものである。図8は、ガイド部材92を径方向外側からみた図である。図9は、図8のB−B線で切った断面図である。
そのガイド面92aは、実施例のガイド面91aと同じ様に、遊星ボール50の表面への潤滑油の供給を受け持つ部分である。これが為、以下においては、このガイド面92aを「ボールガイド面92a」と云う。このボールガイド面92aは、実施例のガイド面91aと同じ様に、環状油路33から排出された潤滑油を受け止める第1ガイド面と、この面を流れてきた潤滑油を遊星ボール50の表面に案内する第2ガイド面と、を有する。
一方、ガイド面92bは、例えば、ボールガイド面92aの第1ガイド面をガイド部材92の径方向外側の部分にまで延在させたものであり、環状油路33から排出された潤滑油を受け止めた後、その潤滑油を径方向外側へと案内する。これが為、このガイド面92bで案内された潤滑油は、第1及び第2の回転部材10,20の夫々の内周面10a,20aに供給される。その際、この無段変速機1においては、潤滑油の飛散の状況に依存していた従来の構成と比較して、このガイド面92bによって潤滑油が内周面10a,20aに案内されやすくなっている。従って、このガイド面92bは、第1及び第2の回転部材10,20への潤滑油の供給を担うリングガイド面92bと云うことができる。
このガイド部材92は、支持軸としての機能を持たせているので、第1固定円盤部41と第2固定円盤部43とに夫々保持される2つの端部を有しており、その端部にリングガイド面92bを設けている。また、このガイド部材92は、周方向が夫々の端部よりも幅の広い中央部を有しており、その中央部にボールガイド面92aを設けている。
このガイド部材92は、ボールガイド面92aによって、出力軸21の第1筒状部21aの内周面に送られていた潤滑油を遊星ボール50の表面に供給することができるので、実施例と同じ様に、接触部P1,P2への潤滑油の安定供給が可能になる。更に、このガイド部材92は、リングガイド面92bによって、環状油路33から排出された潤滑油を第1及び第2の回転部材10,20の夫々の内周面10a,20aに供給することができる。これが為、このガイド部材92は、実施例の構成と比較して、その内周面10a,20aを介した接触部P1,P2への潤滑油の供給も可能なので、その接触部P1,P2に対する潤滑油供給の安定性が更に向上する。
この様に、本変形例の無段変速機1は、環状油路33から排出された潤滑油とガイド部材92によって、夫々の接触部P1,P2,P3,P4に対する安定した潤滑油の供給が可能になる。特に、接触部P1,P2については、上述した様に、実施例の構成よりも潤滑油供給の安定性が向上している。従って、この無段変速機1は、実施例の構成と比較して、トルクの伝達容量の更なる増大が可能になるので、よりトラクション性能を向上させることができる。更に、本変形例の無段変速機1は、接触部P1,P2,P3,P4の安定した冷却が可能になり、遊星ボール50及びサンローラ30の表面並びに第1及び第2の回転部材10,20の内周面10a,20aの強度低下を抑えることができるので、耐久性を向上させることができる。特に、本変形例の無段変速機1は、実施例の構成と比較して、接触部P1,P2への潤滑油供給の安定性が向上しているので、更なる耐久性の向上が可能になる。
[変形例2]
前述した実施例又は変形例1の無段変速機1においても、出力軸21の第1筒状部21aの内周面には、出力軸21の回転に伴う遠心力によって潤滑油の環状の油溜まり100ができる(図10)。その油溜まり100を成す潤滑油は、例えば、無段変速機1の運転を止めた際に重力で下に落ちたもの、遊星ボール50等に付着した潤滑油が運転中に当該遊星ボール50の自転に伴い径方向外側へと飛散したものなどである。この油溜まり100の潤滑油は、運転中に第1及び第2の回転部材10,20に接触するだけの径方向の厚さの層を有するものである。これが為、この潤滑油は、その層が厚いほど接触部P1,P2に送られやすくなるので、第1及び第2の回転部材10,20や遊星ボール50の冷却性能を向上させることができる。しかしながら、この油溜まり100の潤滑油は、その層が厚いほど第1及び第2の回転部材10,20が回転する際の撹拌抵抗を大きくしてしまうので、トルクの伝達効率を低下させる虞がある。
そこで、本変形例の無段変速機2は、前述した実施例又は変形例1の無段変速機1において、そのガイド部材91若しくはガイド部材92に替えて又は当該ガイド部材91若しくはガイド部材92と共に、下記のガイド部材93を設け、油溜まり100の潤滑油の層を薄くしたとしても、この潤滑油を接触部P1,P2に送ることができるように構成したものである。尚、図10及び図11に示すガイド部材93は、潤滑油の流れの一例を説明する為のものであり、その形状を示すものではない。
先ず、本変形例の無段変速機2においては、例えば出力軸21に少なくとも1つの貫通孔101を設け(図10)、油溜まり100の層の厚さが調整できるようにしている。その油溜まり100は、撹拌抵抗を低減させつつ、潤滑油の一部をガイド部材93で接触部P1,P2に案内できる厚さに調整する。従って、貫通孔101は、その油溜まり100の厚さを維持できる位置に形成し、余剰分の潤滑油を外部に排出させる。例えば、この貫通孔101は、少なくとも運転中の各遊星ボール50を油溜まり100に浸漬させない位置に形成する。つまり、この貫通孔101は、油溜まり100の内周面の直径D1を運転中の各遊星ボール50からなる最大外径D2よりも大きくできる位置に形成する。尚、油溜まり100の厚さは、ガイド部材93の形状に依存するものでもあり、ガイド部材93が出力軸21の第1筒状部21aの内周面に近い場所から潤滑油を分流可能なものであるほど薄くすることができる。
本変形例のガイド部材93は、周方向に流れている油溜まり100の潤滑油の一部を接触部P1,P2に向けて案内する部材であり、その油溜まり100の潤滑油を分流させた後、接触部P1と接触部P2とに向けて分岐させるガイド面を有している(図10)。これが為、このガイド部材93は、出力軸21の第1筒状部21aの内周面よりも径方向内側で、且つ、そのガイド面が遊星ボール50よりも径方向外側に位置するよう配置する。ここでは、更に、第1回転部材10と第2回転部材20との間にガイド部材93を配置する。このガイド部材93は、遊星ボール50毎に1つずつ設ける。
例えば、このガイド部材93は、流れてきた油溜まり100の潤滑油を径方向内側のガイド面で受け止め、このガイド面に沿って潤滑油を接触部P1,P2に導く形状のものでもよく(図11)、流れてきた油溜まり100の潤滑油を複数の連なるガイド面で接触部P1,P2に導く形状のものでもよい(図12)。本変形例では、後者の形状のガイド部材93について詳述する。その図11及び図12は、ガイド部材93をトルクの入力側からみた図であり、潤滑油の流れを太線の矢印で表している。
そのガイド部材93は、流入してきた潤滑油を接触部P1に案内するガイド面93aと、流入してきた潤滑油を接触部P2に案内するガイド面93bと、油溜まり100の潤滑油に浸漬させ、その潤滑油をガイド面93aに流すガイド面93cと、油溜まり100の潤滑油に浸漬させ、その潤滑油をガイド面93bに流すガイド面93dと、を有する(図13及び図14)。そのガイド面93a,93cは、第1回転部材10を向いた平面又は曲面からなる。一方、ガイド面93b,93dは、第2回転部材20を向いた平面又は曲面からなる。
この無段変速機2においては、ガイド面93c,93dが油溜まり100の潤滑油に浸かるようにガイド部材93を配設することで、そのガイド面93c,93dから潤滑油が各々ガイド面93a,93bに流入し、このガイド面93a,93bに沿って潤滑油が接触部P1,P2に送られる。故に、この無段変速機2は、油溜まり100における撹拌抵抗を低減させながらも、トラクション性能を向上させ、且つ、第1及び第2の回転部材10,20並びに遊星ボール50の冷却性能を向上させることができる。
ここで、そのガイド部材93は、貫通孔94によって変速機内に固定する。その貫通孔94は、軸線方向に向けてガイド部材93に貫通させた孔であり、保持部材95への取り付け後における第1筒状部21aの内周面及び遊星ボール50の表面に対する夫々の位置ずれを回避すべく、例えば軸線方向に切った断面が多角形又は楕円形となるように形成する。ここでは、軸線方向に切った断面が矩形の貫通孔94を設けている。
このガイド部材93は、例えば、金属の板材をプレス加工等したものとする。これが為、貫通孔94は、ガイド部材93における軸線方向の両端の板部分にあけられた孔によって構成される。
この貫通孔94は、四隅に円形の切欠き部94aを有している。この貫通孔94においては、その幅a1よりも幅方向における2つの切欠き部94aの間隔a2を大きくすることで(a1<a2)、高さ方向における隣り合う2つの切欠き部94aの間の板部分がバネ部94bとして働くようになる。そのバネ部94bは、保持部材95に取り付けたガイド部材93の軸線方向への位置ずれを防ぐ為に使われる。その切欠き部94aの間隔a2は、円の中心同士を結んだものとする。尚、ここでは、図13及び図14の紙面左右方向を貫通孔94と保持部材95についての幅方向とし、図13の紙面の上下方向を高さ方向とする。
その保持部材95は、貫通孔94に挿入されている保持部95aを有する。その保持部95aは、軸線方向に切った断面が矩形になるように形成する。この保持部95aは、貫通孔94と同等の高さに形成する一方で、その幅b1が貫通孔94の幅a1よりも小さくなるように形成する(b1<a1)。更に、この保持部95aは、その長さC1がガイド部材93の幅C2よりも長くなるように形成する。その長さC1と幅C2の差は、ガイド部材93や保持部材95における軸線方向の寸法ばらつきを吸収させる為に利用する。尚、ここで、図14の紙面上下方向をガイド部材93の幅方向とする。
また、この保持部材95には、その保持部95aの両端に、ガイド部材93の軸線方向への位置ずれを規制する係止部95bが設けられている。その係止部95bは、軸線方向に切った断面が矩形になるように形成する。この係止部95bは、貫通孔94と同等の高さに形成する一方で、その幅b2が貫通孔94の幅a1よりも大きく且つ切欠き部94aの間隔a2よりも小さくなるように形成する(a1<b2<a2)。
従って、この保持部材95は、その係止部95bがバネ部94bを撓ませながら貫通孔94に挿入される。そのバネ部94bは、保持部95aが貫通孔94に入りきったときに、元に戻ろうとする力によって保持部95aに対して押圧力を掛ける。これが為、ガイド部材93は、そのバネ部94bによって軸線方向への位置ずれが抑えられる。ここで、上記の長さC1と幅C2の差は、撓んだバネ部94bが保持部95aに押圧力を加えたまま係止部95bの端面に当接できるように決めることが望ましい。これにより、ガイド部材93は、軸線方向への位置ずれが更に抑えられる。
この様に、この無段変速機2においては、高精度な寸法管理を行わずとも、バネ部94bを利用した容易な組み付けで精度の良いガイド部材93の位置決めが可能になる。従って、この無段変速機2は、簡便なガイド部材93によって、油溜まり100における撹拌抵抗を低減させながらも、トラクション性能を向上させ、且つ、第1及び第2の回転部材10,20並びに遊星ボール50の冷却性能を向上させることができる。
ところで、その保持部材95は、第1固定円盤部41又は/及び第2固定円盤部43に取り付ければよい。ここで、ガイド部材93を実施例等のガイド部材91又はガイド部材92に替えて設ける場合には、その保持部材95を専用のものとして用意してもよく、その第1固定円盤部41と第2固定円盤部43とを連結させる支持軸の機能を保持部材95に持たせてもよい。一方、ガイド部材93をガイド部材91又はガイド部材92と共に設ける場合には、その保持部材95を専用のものとして用意してもよく、ガイド部材91又はガイド部材92に取り付けてもよい。
1,2 無段変速機
10 第1回転部材(第1動力伝達要素)
10a 内周面
11 入力軸
20 第2回転部材(第2動力伝達要素)
20a 内周面
21 出力軸
21a 第1筒状部
30 サンローラ(第3動力伝達要素)
33 環状油路
40 キャリア(第4動力伝達要素)
41 第1円盤部(第1固定円盤部)
42 第2円盤部(回転円盤部)
43 第3円盤部(第2固定円盤部)
50 遊星ボール(転動部材)
60 シャフト(変速機軸)
61 軸心油路
62 径方向油路
91,92,93 ガイド部材
91a ガイド面
92a ボールガイド面
92b リングガイド面
93a,93b,93c,93d ガイド面
94 貫通孔
94b バネ部
94a 切欠き部
95 保持部材
101 貫通孔
P1,P2,P3,P4 接触部
R1 第1回転中心軸
R2 第2回転中心軸

Claims (7)

  1. 回転中心となる変速機軸と、
    前記変速機軸と同心の第1回転中心軸を有する相互間で周方向に相対回転が可能な第1から第4の動力伝達要素と、
    第2回転中心軸を有し、前記第1回転中心軸を中心にして放射状で且つ前記第3動力伝達要素の外周面上に複数配置すると共に、対向させて配置した前記第1及び第2の動力伝達要素の内周面で挟持され且つ前記第4動力伝達要素で傾転自在に保持された転動部材と、
    前記各転動部材を傾転させることで入出力間の変速比を変える変速装置と、
    隣り合う前記転動部材の間に配置した潤滑油のガイド部材と、
    を備え、
    前記ガイド部材は、隣り合う前記転動部材に夫々対向させ、且つ、前記変速機軸の側から当該各々の転動部材の間の隙間を通って径方向外側に送られた潤滑油が当該各々の転動部材の表面に夫々案内される2つのガイド面を有することを特徴とした無段変速機。
  2. 前記転動部材への潤滑油のガイド面は、前記第1動力伝達要素と前記第2動力伝達要素との間で前記転動部材の表面に潤滑油を案内するものであり、
    前記ガイド部材は、更に、隣り合う前記転動部材の間の隙間を通って径方向外側に送られた潤滑油が前記第1動力伝達要素と前記第2動力伝達要素の夫々の径方向内側で当該第1及び第2の動力伝達要素の内周面へと夫々案内される別の2つのガイド面を有することを特徴とした請求項1記載の無段変速機。
  3. 前記ガイド部材は、前記変速機軸の軸線方向に延在させた部材であり、該変速機軸を中心とする周方向における側面に前記ガイド面を形成することを特徴とした請求項1又は2に記載の無段変速機。
  4. 前記転動部材への潤滑油のガイド面は、該転動部材の表面に対向させた平面又は曲面であることを特徴とした請求項1,2又は3に記載の無段変速機。
  5. 前記第4動力伝達要素は、前記各転動部材を軸線方向にて挟み込んで傾転自在に保持する2つの円盤部を備え、
    前記ガイド部材は、前記2つの円盤部を一体化させる支持軸としても利用することを特徴とした請求項1から4の内の何れか1つに記載の無段変速機。
  6. 前記ガイド部材は、前記2つの円盤部に夫々保持される2つの端部と、前記転動部材への潤滑油のガイド面を有し、前記変速機軸を中心とする周方向が前記夫々の端部よりも幅の広い中央部と、を備えることを特徴とした請求項5記載の無段変速機。
  7. 前記第1及び第2の動力伝達要素並びに前記転動部材を径方向外側から覆う筒状のトルク伝達部材と、
    前記トルク伝達部材の回転と共に当該トルク伝達部材の内周面に沿って流れる潤滑油の一部を径方向内側の前記転動部材の表面に案内する別のガイド部材と、
    を設けることを特徴とした請求項1から6の内の何れか1つに記載の無段変速機。
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