JP2022190914A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Yosuke Toyoguchi
泰介 井木
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Abstract

【課題】転動体を介して軸方向に回転トルクを伝達する動力伝達装置において、振動あるいはトルク変動の発生を抑制する。【解決手段】減速装置1は、軸方向両側の側面に第1の転動体係合溝13を有する入力部材10と、第2の転動体係合溝16を有する一対の固定部材5と、第1の転動体係合溝13と第2の転動体係合溝16に係合する複数のボール4と、複数のボール4を周方向に保持する複数のポケット17を有する一対の出力部材31,32とを備える。第1の転動体係合溝13は、回転中心Xから偏心した曲率中心を有する円に沿って形成される。第2の転動体係合溝16は、回転中心X上に曲率中心を有するピッチ円に対して交互に交差する波状曲線に沿って形成される。対をなす第1の転動体係合溝131,132は、一方の溝131が他方の溝132に対して逆位相となるように形成され、対をなす第2の転動体係合溝161,162は、一方の溝161が他方の溝162に対して逆位相となるように形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、入力回転部に入力された回転を、同軸に配された出力回転部に所定の変速比で伝達する動力伝達装置に関する。
この動力伝達装置として、転動体を介し、軸方向に所定の変速比で回転トルクを伝達する減速機が特許文献1に記載されている。
図11に示すように、この動力伝達装置201は、軸方向両側の側面に第1の転動体係合溝213を有する入力部材210と、入力部材210の軸方向両側に設けられ、第2の転動体係合溝216を有する一対の固定部材205と、入力部材210と一対の固定部材205との軸方向間にそれぞれ設けられ、第1の転動体係合溝213と第2の転動体係合溝216に係合する複数のボール204と、入力部材210と一対の固定部材205との軸方向間にそれぞれ設けられ、複数のボール204を周方向に保持する複数のポケット217を有する一対の出力部材231,232とを備える。一対の出力部材231,232は、連結部材233によって連結されている。
第1の転動体係合溝213は、回転中心Xから偏心量aで偏心した曲率中心O1を有する円に沿って形成される。第2の転動体係合溝216は、回転中心X上に曲率中心を有するピッチ円に対して交互に交差する波状曲線に沿って形成される。
入力軸207を、回転中心Xを中心として回転させると、入力部材210が、回転中心Xを中心に振れ回り半径aで公転運動を行う。入力部材210が公転運動を行うと、円形の第1の転動体係合溝213に係合する各ボール204が、固定部材205に形成された波形の第2の転動体係合溝216に沿って移動する。このボール204が、出力部材231,232のポケット217と周方向に係合し、これにより生じる接触力が、出力部材231,232を入力軸207と同方向に回転させる力として作用する。この接触力によって、出力部材231,232が一定の減速比で減速されつつ回転中心Xを中心として回転する。
この減速装置201では、入力部材210を中心として、一対の固定部材205、一対の出力部材231,232、及び複数のボール204をそれぞれ軸方向対称に配置している。これにより、図12に示すように、入力部材210は、軸方向両側に設けられたボール204から接触力F1’を受け、この接触力F1’のアキシャル成分F1a’が相殺される。これにより、入力部材210を支持する軸受209や、入力軸7を支持する軸受211(図11参照)にアキシャル方向の負荷が伝達されないため、軸受209,211を小型化し、ひいては減速装置201を小型化することができる。
特開2020-051572号公報
しかし、上記の減速装置201では、接触力F1’のアキシャル方向の分力は相殺できるが、ラジアル方向の分力は相殺できないため、ラジアル方向分力が軸受209を介して入力軸207に作用する。動力伝達を行う際に、転動体係合溝とボールとの間の接触力は周期的に変化するため、ラジアル方向分力も周期的に変化する。入力軸に作用するラジアル方向分力が周期的に変化することで、入力軸が振動し、あるいは減速装置にトルク変動が発生するおそれがある。
以上の事情から、本発明は、転動体を介して軸方向に回転トルクを伝達する動力伝達装置において、振動の発生あるいはトルク変動を抑制することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る動力伝達装置は、入力回転部に入力された回転を、同軸に配された出力回転部に所定の変速比で伝達するものであって、軸方向両側の側面のそれぞれに第1の転動体係合溝を有する第1部材と、前記第1部材の軸方向両側に設けられ、それぞれ第2の転動体係合溝を有する一対の第2部材と、前記第1部材と前記一対の第2部材との軸方向間にそれぞれ設けられ、軸方向に対向する前記第1の転動体係合溝と前記第2の転動体係合溝に係合する複数のボールと、前記第1部材と前記一対の第2部材との軸方向間にそれぞれ設けられ、前記複数のボールを周方向に保持する複数のポケットを有する一対の第3部材とを備える。この動力伝達装置では、前記第1の転動体係合溝と前記第2の転動体係合溝のうちの一方が、前記入力回転部及び前記出力回転部の回転中心から偏心した曲率中心を有する円に沿って形成され、前記第1の転動体係合溝と前記第2の転動体係合溝のうちの他方が、前記回転中心上に曲率中心を有するピッチ円に対して交互に交差する波状曲線に沿って形成され、前記第1部材、前記一対の第2部材、及び前記一対の第3部材のうちの何れかが前記入力回転部に設けられ、前記第1部材、前記一対の第2部材、及び前記一対の第3部材のうちの他の何れかが前記出力回転部に設けられる。
本発明は、この動力伝達装置において、前記回転中心から偏心した曲率中心を有する円に沿って形成される一対の溝のうちの一方の溝は、他方の溝に対して逆位相となるように形成され、前記回転中心上に曲率中心を有するピッチ円に対して交互に交差する波状曲線に沿って形成される一対の溝のうちの一方の溝は、他方の溝に対して逆位相となるように形成されていることを特徴とする。
かかる構成により、軸方向両側のボールから第1部材に作用する接触力のアキシャル方向分力のみならず、ラジアル方向分力も相殺することができる。そのため、ボールからの接触力が周期的に変動したとしても、振動あるいはトルク変動の発生を抑制することが可能となる。
この動力伝達装置では、前記第1部材を軸方向で対向する一対の部材で形成し、前記一対の部材を、それぞれ軸受で回転可能に支持するのが好ましい。
かかる構成により、一対の部材のうちの一方が他方に対して相対回転可能となる。そのため、動力伝達装置の内部で、ボールと転動体係合溝との間に作用する滑り抵抗を小さくして動力伝達装置の伝達効率を高めることができる。かかる構成では、第1部材を構成する一対の部材のうち、一方の部材の第2部材と対向する側面に、一対の第1の転動体係合溝のうちの一方が形成され、一対の部材のうち、他方の部材の第2部材と対向する側面に、一対の第1の転動体係合溝のうちの他方が形成される。
この動力伝達装置では、第1部材を構成する一対の部材の間に、スラスト軸受を介在させてもよい。これにより一対の部材間での摩擦損失を低減することができる。
同様の効果は、第1部材を構成する一対の部材の間に、テクスチャパターンを介在させることでも得ることができる。テクスチャパターンによって微小凹凸が形成され、このうちの凹部が油溜まりとなるため、一対の部材間での摩擦損失を低減することができる。
同様の効果は、第1部材を構成する一対の部材の間に、固体潤滑被膜を介在させることによっても得ることができる。固体潤滑被膜としては、フッ素樹脂もしくは二硫化モリブデンを主成分とするものが好ましい。
上記の動力伝達装置は、例えば、第1部材を入力回転部に設け、一対の第3部材を出力回転部に設け、一対の第2部材を固定部材とすることができる。このように、第2部材を固定部材とすることで、ボールと第2の転動体係合溝との間に発生する接触力を固定部材で支持することができるため、この接触力を支持するための大型の軸受が不要となる。また、第3部材を出力回転部に設けることで、ボールと出力回転部(第3部材)のポケットとの間に周方向(回転方向)の接触力のみが生じるため、第3部材を支持する軸受に加わる負荷が軽減されて、軸受サイズを縮小することができると共に、軸受内部におけるトルク損失を低減することができる。この場合、出力回転部に設けられた一対の第3部材を一体に回転可能とすれば、入力回転部に設けられた第1部材から軸方向両側のボールに分かれて伝達された動力を、再び合成して出力することができる。
上記の動力伝達装置では、第2部材や第3部材がそれぞれ一対ずつ設けられるため、部品数が増えることによるコスト増が懸念される。そこで、一対の第2部材や一対の第3部材をそれぞれ同一形状とずれば、部品を共有することで各部材の製作コストを低減できるため、部品数増によるコスト増を抑えることができる。
以上のように、本発明によれば、ボールとの間に生じる接触力のラジアル方向分力が第1部材に加わらないため、振動の発生あるいはトルク変動の発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る減速装置の断面図である。 (a)図は図1のM-M線上からIIa方向を見た時の入力部材(第1部材)の正面図であり、(b)図は図1のN-N線上からIIb方向を見た入力部材(第1部材)の正面図である。 固定部材(第2部材)に形成された第2の転動体係合溝を概念的に示す正面図である。 (a)図は図1のM-M線上からIVa方向を見た時の固定部材(第2部材)の正面図であり、(b)図は図1のN-N線上からIVb方向を見た時の固定部材(第2部材)の正面図である。 出力部材(第3部材)を概念的に示す正面図である。 図5のV部の拡大図である。 入力部材、出力部材、固定部材、及びボールを模式的に示す分解斜視図である。 ボールに加わる接触力を示す正面図である。 (a)図は軸方向他方側(図1の右側)から透視した軸方向一方側の固定部材とボールを示す正面図であり、(b)図は軸方向他方側から透視した軸方向他方側の固定部材とボールを示す正面図である。 図1の減速装置の要部を拡大した断面図である。 従来の減速装置の断面図である。 図11の減速装置の要部を拡大した断面図である。 (a)図は図12のM’-M’線上からXIIIa方向を見た時の固定部材の正面図であり、(b)図は図12のN’-N’線上からXIIIb方向を見た時の固定部材(第2部材)の正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態に係る動力伝達装置としての減速装置1は、図1に示すように、入力回転部2と、出力回転部3と、転動体としてのボール4と、固定部材5と、これらを収容するハウジング6とを主に備える。図示例では、ハウジング6が、軸方向一方側(図1では左側)に設けられた第1ハウジング部材61と、軸方向他方側(図1では右側)に設けられた第2ハウジング部材62とで構成される。両ハウジング部材61,62は、ボルト等の適宜の手段により固定される。入力回転部2と出力回転部3とは同軸に配置され、共通の回転中心Xを有する。固定部材5は、ハウジング6に固定されている。
入力回転部2は、入力軸7、偏心カム部8、軸受9および入力部材10を有する。
入力軸7は、ハウジング6に対して回転中心X周りに回転自在とされる。本実施形態では、出力回転部3の内周面との間に装着された複数の転がり軸受11によって、入力軸7がハウジング6に対して回転自在に支持されている。図示例では、偏心カム部8の軸方向両側に、軸受11がそれぞれ2個ずつ設けられる。入力軸7の外周面と第1ハウジング部材61の内周面との間には、ハウジング6内に充填されたグリース又は油の漏れだしを防止するためのシール部材21が設けられる。
偏心カム部8は入力軸7の外周に設けられる。本実施形態では、偏心カム部8として、軸方向で対向する一対の偏心カム81,82を使用している。各偏心カム81,82は、それぞれ入力軸7に例えば圧入、キー等の固定手段で固定される。一対の偏心カム81,82は同一材料で同一形状に形成される。一対の偏心カム81、82のうち、軸方向一方側に位置する第1偏心カム81の円筒形外周面81aの中心線O1、および軸方向他方側に位置する第2偏心カム82の円筒形外周面82aの中心線O2は、何れも回転中心Xに対して偏心量aで半径方向に偏心している。また、両中心線O1,O2は、回転中心Xを間にして回転中心Xを含む直径上に存在する。
入力部材10は偏心カム部8の外径側に設けられる。本実施形態では、入力部材10として、軸方向で対向する一対の部材101,102が使用されている。一対の部材101,102は同一材料で同一形状(例えば略円板状)に形成される。一対の部材101,102のうち、軸方向一方側に位置する一方の部材101の中心線は、第1偏心カム81の円筒形外周面81aの中心線O1と一致し、軸方向他方側に位置する他方の部材102の中心線は、第2偏心カム8bの円筒形外周面82の中心線O2と一致している。
第1偏心カム81の円筒形外周面81aと一方の部材101の内周面との間には第1軸受91が配置され、第2偏心カム82の円筒形外周面82aと他方の部材102の内周面との間には第2軸受92が配置される。第1軸受91の回転軸は第1偏心カム81の円筒形外周面81aの中心線O1上にあり、第2軸受92の回転軸は第2偏心カム82の円筒形外周面82aの中心線O2上にある。これらの軸受91,92により、入力部材10を構成する一対の部材101,102が、入力回転部2を構成するそれ以外の各部に対してそれぞれ回転フリーとなる。具体的には、入力部材10の一方の部材101が第1偏心カム81に対して相対回転可能となり、入力部材10の他方の部材102が第2偏心カム82に対して相対回転可能となる。また、一方の部材101は他方の部材102に対して相対回転可能となる。このように偏心カム部8と入力部材10の間に軸受91,92を配置することで、一方の部材101と第1偏心カム81の間の速度差、および他方の部材102と第2偏心カム82の間の速度差をそれぞれ吸収することができる。軸受91,92としては転がり軸受、例えば深溝玉軸受を使用することができる。
本実施形態では、入力部材10を一対の部材101,102で構成して、一方を他方に対して相対回転可能としているが、一対の部材101,102を一体化して入力部材10を単一部材で構成することも理論的には可能である。ただし、この場合は減速機1の内部の滑り抵抗が大きくなり、減速機1の効率が低下する問題がある。そのため、入力部材10は、一対の部材101,102で形成し、各部材101,102をそれぞれ転がり軸受91,92で個別に支持するのが好ましい。
固定部材5として、入力部材10の軸方向一方側に位置する第1固定部材51と、入力部材10の軸方向他方側に位置する第2固定部材52とが設けられる。両固定部材51,52は何れも環状を成し、同一材料で同一形状に形成される。両固定部材51,52は、適宜の手段によりハウジング6に固定される。図示例では、固定部材51,52のハウジング6に対する周方向移動を規制する規制部材24が設けられる。規制部材24は、各ハウジング部材61,62の内周面及び各固定部材51,52の外周面に設けられたキー溝に装着され、これらと周方向で係合することで、固定部材51,52のハウジング6に対する周方向移動を規制している。
入力部材10の一方の部材101と、これに対向する第1固定部材51は所定の間隔で軸方向に並べて配置される。また、入力部材10の他方の部材102と、これに対向する第2固定部材52は所定の間隔で軸方向に並べて配置される。入力部材10の一方の部材101のうち、第1固定部材51と軸方向で対向する側面には第1の転動体係合溝131が形成される。また、入力部材10の他方の部材102のうち、第2固定部材52と軸方向で対向する側面には第1の転動体係合溝132が形成される。
第1固定部材51には、第1の転動体係合溝131と軸方向で対向する第2の転動体係合溝161が形成される。また、第2固定部材52には、第1の転動体係合溝132と軸方向で対向する第2の転動体係合溝162が形成される。本実施形態では、第1の転動体係合溝131,132を有する第1部材が入力部材10として入力回転部2に設けられ、第2の転動体係合溝161,162を有する第2部材が固定部材51,52とされる。
図2(a)(b)に示すように、入力部材10に形成された二つの第1の転動体係合溝131,132の軌道中心線L1は、何れも半径rの円形に形成される。二つの軌道中心線L1の曲率中心は、回転中心Xから等しい偏心量aで偏心した位置にある。一方の軌道中心線L1の曲率中心は、第1偏心カム81の円筒形外周面81aの中心線O1と一致し、他方の軌道中心線L1の曲率中心は、第2偏心カム82の円筒形外周面82aの中心線O2と一致している。このように二つの第1の転動体係合溝132,133は、一方を他方に対して180°回転させた位相、すなわち逆位相となるように形成される。尚、第1の転動体係合溝131、132の軌道中心線L1とは、第1の転動体係合溝131,132に沿ってボール4を移動させたときのボール4の中心の軌跡を意味する。
この第1の転動体係合溝131,132にそれぞれ複数のボール4が係合される。以下の説明では、ボール4のうち、軸方向一方側の第1の転動体係合溝131と係合するボールを第1のボール41と称し、軸方向他方側の第1の転動体係合溝132と係合するボールを第2のボール42と称する。第1の転動体係合溝131,132に各ボール41,42が係合することにより、各ボール41,42が、周方向(軌道中心線L1に沿う方向)に移動可能な状態で所定の半径方向位置に保持される。
図3は、固定部材5(51,52)に形成された第2の転動体係合溝16(161,162)の形状を概念的に表した図である。
図3に示すように、第2の転動体係合溝16の軌道中心線L2は、回転中心X上に曲率中心を有する基準ピッチ円Cに対して一定のピッチで交互に交差する波状曲線で形成される。すなわち、第2の転動体係合溝16は、回転中心Xとの距離Rが基準ピッチ円半径PCRに対して増減変動する波状曲線で形成される。軌道中心線L2の波状曲線に、回転中心Xとの距離Rが基準ピッチ円半径PCRより大きい複数の山部16aと、回転中心Xとの距離Rが基準ピッチ円半径PCRより小さい複数の谷部16bとが円周方向で交互に設けられる。尚、第2の転動体係合溝16の軌道中心線L2とは、第2の転動体係合溝16に沿ってボール4を移動させたときのボール4の中心の軌跡を意味する。
図4(a)(b)は、本実施形態における第2の転動体係合溝161,162の具体的形状を示す。このうち、図4(a)は、第1の固定部材51に形成された第2の転動体係合溝161を示し、図4(b)は、第2の固定部材52に形成された第2の転動体係合溝162を示す。図4(a)(b)において、両図の上方は図1における上方に対応し、両図の下方は図1における下方に対応する。
図4(a)(b)に示すように、第1の固定部材51に形成される第2の転動体係合溝161と、第2の固定部材52に形成される第2の転動体係合溝162は、何れも回転中心Xを中心として同一形状に形成される。また、対をなす第2の転動体係合溝161,162のうちの一方は、他方に対して波状曲線の半ピッチ(波状曲線の隣接する山部の頂上間を1ピッチとする)だけ円周方向にずらして形成される。すなわち、二つの第2の転動体係合溝161,162は、互いに逆位相となるように形成される。そのため、円周方向の同じ位置に存在するボール41,42の半径方向における移動方向は、一方の第2の転動体係合溝161に係合する第1のボール41と、他方の転動体係合溝162に係合する第2のボール41とで逆となり、例えば第1のボール41が外径方向に移動する間は、第2のボール42が内径方向に移動するようになる。
図1に示すように、出力回転部3は、入力部材10の軸方向一方側設けられた第1出力部材31と、入力部材10の軸方向他方側に設けられた第2出力部材32と、第1出力部材31と第2出力部材32とを連結する連結部材33とを有する。第1出力部材31は、円筒状の軸部31aと、軸部31aから外径側に延びる円盤部31bとを有する。第2出力部材32は、出力軸として機能する軸部32aと、軸部32aから外径側に延びる円盤部32bとを有する。第2出力部材32の軸部32aは、円筒部32a1と、円筒部32a1の開口部を閉塞する蓋部32a2とを有する。蓋部32a2には、減速された回転を伝達すべき他の部材を連結するための連結部が設けられる。図示例では、第1出力部材31の軸部31a及び円盤部31bが一体に形成され、第2出力部材32の軸部32a及び円盤部32bが一体に形成されている。
出力回転部3は、ハウジング6に対して回転中心X周りに回転自在とされる。本実施形態では、第1出力部材31の円盤部31bの外径端と第2出力部材32の円盤部32bの外径端とが連結部材33で連結され、これにより両出力部材31,32が一体に回転可能とされる。具体的には、第1出力部材31の軸部31aの外周面と第1の固定部材51の内周面との間に装着された転がり軸受14と、第2出力部材32の軸部32aの外周面と第2の固定部材52の内周面との間に装着された転がり軸受15とで、出力回転部3がハウジング6に対して一体に回転自在に支持されている。第2出力部材32の軸部32aの外周面と第2ハウジング部材62の内周面との間には、ハウジング6内に充填されたグリース又は油の漏れだしを防止するためのシール部材22が設けられる。
第1出力部材31の円盤部31b及び第2出力部材32の円盤部32bには、それぞれボール4を保持する複数のポケット17が形成される。すなわち、本実施形態では、ポケット17を有する一対の第3部材が出力部材31,32として出力回転部3に設けられる。ポケット17は、図5に示すように、両出力部材31,32の回転中心Xを中心に径方向に放射状に延びる長穴で形成されている。ポケット17は、同一円周上で周方向等間隔に形成される。本実施形態では、両出力部材31,32に設けられたポケット17が、軸方向と直交する面内で同じ位置に設けられ、各ポケット17にボール4が1個ずつ配置されている。各出力部材31,32に形成されるポケット17の個数(すなわち、各出力部材31,32と入力部材10との間に配されるボール4の個数)は、軌道中心線L2の波状曲線の山部又は谷部の個数より1個多い。ポケット17を概念的に示す図5では、ポケット17の外径端が開口しているが、ポケット17の外径端を閉じていてもよい(図7参照)。
図6に示すように、ボール4は、各ポケット17内で、基準ピッチ円Cを中心として半径方向に所定量mの範囲で移動することができる。本実施形態では、各ポケット17の周壁に、周方向に対向する一対の平行な平坦面17aが設けられ、この平坦面17aの周方向間隔が、ボール4の外径と略同等(僅かに大径)とされる。これにより、各ボール4が、各ポケット17により、半径方向移動可能な状態で所定の周方向位置に保持される。
図7に示すように、両出力部材31,32は共通の回転中心Xを有する。入力部材10を構成する一対の部材101,102のうち、一方の部材101の中心軸O1および他方の部材102の中心軸O2は、回転中心Xに対して互いに逆方向に偏心量aだけ偏心している。そのため、第1の転動体係合溝131,132の軌道中心線L1の曲率中心も回転中心Xに対して互いに逆方向に偏心量aだけ偏心している。各出力部材31,32のポケット17内に配置されたボール41,42が、ポケット17から軸方向両側に突出した状態となり、この突出部分が入力部材10の第1の転動体係合溝13及び固定部材5の第2の転動体係合溝16にそれぞれ係合する(図1参照)。
本実施形態の減速装置1では、図4(a)(b)に示すように、第2の転動体係合溝16の軌道中心線L2の山部の個数が15個(谷部の個数も同様に15個)で、ボール4の個数が16個であるので、次式により求められる減速比iは1/16となる。
減速比i=(ボール個数-山部の個数)/ボールの個数
なお、山部の個数はボールの個数±1とされ、減速比iがマイナスの値となる場合は、入力回転部2の回転方向に対して出力回転部3の回転方向が逆であることを意味する。
第2の転動体係合溝161,162の軌道中心線L2の形状は、入力回転部2から出力回転部3に減速された回転運動が同期回転で伝達されるように設定される。具体的に、減速装置1の減速比をiとしたとき、入力軸7の回転角θにおいて、出力回転部3が回転角iθの状態で、第1の転動体係合溝13に係合したボール4が第2の転動体係合溝16に係合してトルクを伝達するように、第2の転動体係合溝16の形状が設定される。詳しくは、入力回転部2及び出力回転部3の回転中心Xと第2の転動体係合溝16の軌道中心線L2との距離Rが下記の式(1)を満たすように、第2の転動体係合溝16の形状が設定される。
R=a・cos(ψ/i)+√{r2-(a・sin(ψ/i))2}・・・(1)
但し、
R:回転中心Xと第2の転動体係合溝161,162の軌道中心線L2との距離
a:回転中心Xに対する第1の転動体係合溝13の軌道中心線L1の中心O1,O2の偏心量
i:減速比
ψ:出力回転部3の回転角
r:第1の転動体係合溝13の軌道中心線L1の半径
入力部材10を構成する一対の部材101,102、両出力部材31,32、及び両固定部材51.52のうち、少なくともボール41,42と接触する第1の転動体係合溝131,132の側壁、第2の転動体係合溝161,162の側壁、及びポケット17の周壁は、ボール4との表面硬度差による摩耗を低減するために、ボール41,42の表面と同程度の表面硬度を付与することが好ましい。例えば、第1の転動体係合溝131,132の側壁、第2の転動体係合溝161,162の側壁、及びポケット17の周壁の表面硬度を、HRC50~60の範囲内とすることが好ましい。具体的には、一対の部材101,102、出力部材31,32、及び固定部材51,52を、S45CやS50Cなどの機械構造用炭素鋼や、SCM415やSCM420などの機械構造用合金鋼を用いて形成し、これに全体熱処理又は浸炭熱処理を行うことで、上記の表面硬度を得ることができる。あるいは、上記の各部材を、SUJ2などの軸受鋼を用いて形成し、これに全体熱処理又は高周波熱処理を行うことでも、上記の表面硬度を得ることができる。
次に、本実施形態の減速装置1の動作を要約して説明する。図1に示す入力回転部2の入力軸7を回転させると、入力部材10を構成する一対の部材101,102が、回転中心Xを中心に振れ回り、半径aで公転運動を行う。その際、一対の部材101,102は、入力軸7に設けられた偏心カム81,82に対してそれぞれ回転自在であるので、自転運動をほとんど行わない。これにより、第1の転動体係合溝131,132とボール41,42との間の相対的な摩擦量が低減され、回転トルクの伝達効率が高められる。
第1の転動体係合溝13の周方向の任意の一箇所に着目すると、一対の部材101,102の公転運動に伴って、第1の転動体係合溝13の位置が半径方向に変化する。例えば図8において、第1の転動体係合溝13が上向きに変位しようとすると、第1の転動体係合溝13と係合したボール4に略上向きの接触力F1が作用する。この接触力F1を受けたボール4が第2の転動体係合溝16と係合することにより、第2の転動体係合溝16にボール4との接触力F2’が作用し、その反作用として、ボール4に、第2の転動体係合溝16との接触による接触力F2が作用する。この接触力F2の周方向成分F2aにより、ボール4が第2の転動体係合溝16に沿って周方向に移動する。このボール4が、出力部材31,32の各ポケット17と周方向に係合し、これにより生じる接触力F3’が、出力回転部3を入力軸7と同方向に回転させる力として作用する。
出力回転部3を回転させる力(すなわち、ボール4から各出力部材31,32のポケット17に作用する接触力F3’≒ボール4が第2の転動体係合溝16から受ける接触力F2の周方向成分F2a)は、ボール4と波形の第2の転動体係合溝16との接触状態によって変化する。そのため、図9(a)および図9(b)に示すように、各々のボール4の位置によって出力回転部3を回転させる力F3’の大きさが異なる。ボール4は、入力回転部2及び出力回転部3の回転中心Xを中心として配置されているため、出力回転部3を回転させる力は、回転中心Xを中心に分布される。具体的に、波形の第2の転動体係合溝16のうち、山部の頂部と谷部の頂部との中央付近(回転中心Xを中心としたピッチ円に対する傾斜角度が大きい部位)に接触する図中左右両端のボール4は、出力回転部3を回転させる力が大きく、波形の第2の転動体係合溝16の山部の頂部又は谷部の頂部付近(回転中心Xを中心としたピッチ円に対する傾斜角度が小さい部位)に接触する図中上下両端のボール4は、出力回転部3を回転させる力が小さい。
こうして、入力回転部2の入力軸7に入力された回転が、ボール4を介して出力回転部3に伝達される。その際、入力回転部2及び出力回転部3の回転中心Xと第2の転動体係合溝16の軌道中心線L2との距離Rが上記の式(1)を満たすように、第2の転動体係合溝16の軌道中心線L2が設計されていることで、出力回転部3は入力軸7に対して減速された回転数で常に同期して回転する。
以下、以上に述べた本実施形態の減速装置1が奏する作用効果を図10~図13に基づいて説明する。
図12に示す従来の減速装置201では、単一部材からなる入力部材210を中心として、一対の固定部材205、一対の出力部材231,232、及び複数のボール204をそれぞれ軸方向対称に配置している。入力部材10の両側面には円形の第1の転動体係合溝213が形成されているが、何れの第1の転動体係合溝213の中心線O1も回転中心X(図11参照)から偏心した同軸上にある。従って、二つの第1の転動体係合溝213は同位相となるように形成されている。また、図13に示すように、固定部材205に形成された一対の第2の転動体係合溝216における山部の円周方向位置および谷部の円周方向位置は、双方の溝216で一致している。従って、一対の第2の転動体係合溝216も同位相となるように形成されている。
かかる構成から、従来の減速装置201では、図12に示すように、両側のボール204から入力部材10に作用する接触力F1’のラジアル方向分力が同じ向きとなる。この場合、接触力F1’のアキシャル方向分力F1a’は相殺することができるが、ラジアル方向分力F1r’は相殺できない。このラジアル方向分力F1r’は軸受209を介して入力軸207(図11参照)に作用するが、接触力F1’の大きさは周期的に変動するため、ラジアル方向分力F1r’の大きさも周期的に変動する。そのため、入力軸207の振動が発生し、あるいは減速装置にトルク変動が発生する。
これに対し、本実施形態にかかる減速装置1によれば、一対の第1の転動体係合溝131,132のうち、一方の溝131は、他方の溝132に対し、曲率中心O1の回転中心Xからの偏心量aを等しくして逆位相となるように形成されている(図2(a)および図2(b))。また、回転中心Xを中心とする一対の第2の転動体係合溝161,162のうち、一方の溝161は、他方の溝162に対して逆位相となるように半ピッチずらして形成されている(図4(a)および図4(b)参照)。従って、図10に示すように、軸方向両側のボール41,42から入力部材10に作用する接触力F1’のラジアル方向成分F1r’は逆向きとなる。この場合、接触力F1’のアキシャル方向分力F1a’のみならず、ラジアル方向分力F1r’も相殺することができる。そのため、ボール41,42からの接触力F1’が周期的に変動したとしても、そのラジアル方向分力は入力軸7に作用しない。従って、入力軸7の振動および減速装置でのトルク変動の発生を抑制することが可能となる。
また、軸方向両側のボール41,42から固定部材51,52に作用する接触力F2’についても、そのアキシャル方向分力およびラジアル方向分力がハウジング6の内部で相殺される。これにより、ボール41,42からの接触力F2’が周期的に変動したとしても、その変動は本減速装置の搭載対象となる装置(上位装置)に作用しない。従って、減速装置、さらには上位装置での振動の発生を抑制することが可能となる。
また、図11に示す従来の減速装置201では、入力部材210が回転中心Xに対して一方向に偏心しているため、入力回転部2の重心位置が回転中心Xから偏心した位置にある。そのため、入力回転部2にアンバランスによる振動が発生する。これに対し、本実施形態によれば、軸方向一方側に位置する偏心カム81、軸受91、および入力部材101のアセンブリと、軸方向他方側に位置する偏心カム82、軸受92、および入力部材102のアセンブリとの重量が等しく、しかも両アセンブリにおける偏心量aが等しいため、入力回転部2の重心位置は回転中心X上に位置する。従って、入力回転部2における重量のアンバランスを解消し、これによる振動の発生をより一層抑制することができる。
また、接触力F1’のアキシャル方向分力とラジアル方向分力の双方が相殺されるため、入力軸7を支持する軸受11に接触力F1’のアキシャル方向分力およびラジアル方向分力が作用しない。従って、これらの軸受11を小型化し、ひいては減速装置1を小型化することができる。また、軸受11に加わる荷重の方向が限定されるため、軸受内部におけるトルク損失を低減し、減速装置1のトルク伝達効率を高めることができる。
さらに、ボール41,42と第2の転動体係合溝161,162との接触力F2’が、ハウジング6に固定された固定部材51,52で支持されるため、この接触力F2’を支持する大型の軸受が不要となる。また、ボール41,42が、半径方向に往復動しながらポケット17と回転方向で係合することで、ボール41,42から出力回転部3に回転方向の接触力F3’のみが加わる。このように、接触力F3’の方向が回転方向に限定されることで、出力回転部3を支持する軸受14,15を小型化して減速装置1の小型化を図ると共に、軸受内部におけるトルク損失を低減し、減速装置1のトルク伝達効率を高めることができる。
本発明の実施形態は上記に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と同様の点については説明を省略する。
上記の実施形態では、円形の第1の転動体係合溝131,132が全周で連続している場合を示したが、これに限らず、第1の転動体係合溝131,132を、例えば、円形の軌道中心線L1に沿って形成された複数(例えば転動体と同数)の円弧状の溝で構成してもよい。
また、上記の実施形態では、入力軸7と偏心カム部8とを別体で形成し、入力軸7の外周面に偏心カム部8を固定した構成を例示したが、これに限らず、入力軸7と偏心カム部8とを一体に形成してもよい。
また、上記の実施形態では、第1出力部材31の軸部31a及び円盤部31bや、第2出力部材32の軸部32a及び円盤部32bをそれぞれ一体形成しているが、これらの部材を別体に形成してもよい。また、第1出力部材31と第2出力部材32とを同一材料で同一形状に形成すれば、これらの製作コストを低減できる。
また、上記の実施形態では、第1出力部材31と第2出力部材32とを連結部材33により連結した場合を示したが、これに限らず、例えば、両出力部材31,32を一体形成したり、これらを溶接により一体化したりしてもよい。また、両出力部材31,32は、必ずしも連結する必要はなく、これらをそれぞれ独立して回転可能としてもよい。
また、上記実施形態では、減速比iの大きさが1/16の減速装置1に本発明を適用した場合を例示したが、これに限らず、本発明は、例えば1/5~1/50の範囲内の任意の大きさの減速比を有する減速装置に好適に適用することができる。この場合は、減速比iに応じて、転動体係合溝の軌道中心線の波状曲線の山部/谷部の数や、固定部材のポケットおよびボールの数を適宜設定すればよい。
また、上記の実施形態では、第1の転動体係合溝13を有する第1部材を入力部材10、第2の転動体係合溝16を有する第2部材を固定部材5、ポケット17を有する第3部材を出力部材31,32とした場合を示したが、これに限らず、使用者の要求仕様や使用環境等によって、第1部材、第2部材、及び第3部材を、入力回転部、固定部材、及び出力回転部のそれぞれに適宜割り当てることで、動力伝達形態を任意に変更することができる。これにより、減速装置だけでなく、増速装置としての使用も可能となる。
1 減速装置(動力伝達装置)
2 入力回転部
3 出力回転部
4 ボール
5 固定部材(第2部材)
6 ハウジング
7 入力軸
8 偏心カム部
10 入力部材(第1部材)
13 第1の転動体係合溝
16 第2の転動体係合溝
17 ポケット
31,32 出力部材(第3部材)
33 連結部材
F1,F1’ ボールと第1の転動体係合溝との接触力
F2,F2’ ボールと第2の転動体係合溝との接触力
F3,F3’ ボールとポケットとの接触力
L1 第1の転動体係合溝の軌道中心線
L2 第2の転動体係合溝の軌道中心線
O1 第1の転動体係合溝の軌道中心線の曲率中心(入力部材の中心線)
X 入力回転部及び出力回転部の回転中心

Claims (10)

  1. 入力回転部に入力された回転を、同軸に配された出力回転部に所定の変速比で伝達する動力伝達装置であって、
    軸方向両側の側面のそれぞれに第1の転動体係合溝を有する第1部材と、前記第1部材の軸方向両側に設けられ、それぞれ第2の転動体係合溝を有する一対の第2部材と、前記第1部材と前記一対の第2部材との軸方向間にそれぞれ設けられ、軸方向に対向する前記第1の転動体係合溝と前記第2の転動体係合溝に係合する複数のボールと、前記第1部材と前記一対の第2部材との軸方向間にそれぞれ設けられ、前記複数のボールを周方向に保持する複数のポケットを有する一対の第3部材とを備え、
    前記第1の転動体係合溝と前記第2の転動体係合溝のうちの一方が、前記入力回転部及び前記出力回転部の回転中心から偏心した曲率中心を有する円に沿って形成され、前記第1の転動体係合溝と前記第2の転動体係合溝のうちの他方が、前記回転中心上に曲率中心を有するピッチ円に対して交互に交差する波状曲線に沿って形成され、
    前記第1部材、前記一対の第2部材、及び前記一対の第3部材のうちの何れかが前記入力回転部に設けられ、前記第1部材、前記一対の第2部材、及び前記一対の第3部材のうちの他の何れかが前記出力回転部に設けられ、
    前記回転中心から偏心した曲率中心を有する円に沿って形成される一対の溝のうちの一方の溝は、他方の溝に対して逆位相となるように形成され、
    前記回転中心上に曲率中心を有するピッチ円に対して交互に交差する波状曲線に沿って形成される一対の溝のうちの一方の溝は、他方の溝に対して逆位相となるように形成されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記第1部材が軸方向で対向する一対の部材で形成され、前記一対の部材を、それぞれ軸受で回転可能に支持した請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記第1部材を構成する一対の部材の間に、スラスト軸受を介在させた請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記第1部材を構成する一対の部材の間に、テクスチャパターンを介在させた請求項2に記載の動力伝達装置。
  5. 前記第1部材を構成する一対の部材の間に、固体潤滑被膜を介在させた請求項2に記載の動力伝達装置。
  6. 前記固体潤滑被膜が、フッ素樹脂もしくは二硫化モリブデンを主成分とした請求項5に記載の動力伝達装置。
  7. 前記第1部材を前記入力回転部に設け、前記一対の第3部材を前記出力回転部に設け、前記一対の第2部材を固定部材とした請求項1~6の何れか1項に記載の動力伝達装置。
  8. 前記一対の第3部材を一体に回転可能とした請求項1~7の何れか1項に記載の動力伝達装置。
  9. 前記一対の第2部材が同一形状である請求項1~8の何れか1項に記載の動力伝達装置。
  10. 前記一対の第3部材が同一形状である請求項1~9の何れか1項に記載の動力伝達装置。
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