JP2021116863A - 歯車装置およびロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】性能低下や損傷を抑制することのできる歯車装置およびロボットを提供すること。【解決手段】歯車装置は、内歯歯車と、内歯歯車に部分的に噛み合って内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車と、外歯歯車の内側に配置されている軸受けと、軸受けの内側に配置され、内歯歯車と外歯歯車との噛み合い位置を回転軸まわりの周方向に移動させる楕円形状のカム部と、を有し、軸受けは、カム部によって楕円形状に変形しており、周方向に並んで配置されている複数のボールと、周方向でボールと交互に配置されている複数の隔壁を有し、ボールを保持している保持器と、を有し、軸受けの長軸上に位置するボールと、当該ボールと周方向で隣り合う隔壁と、の間に隙間が設けられ、軸受けの短軸上に位置するボールは、当該ボールと周方向の両側で隣り合う隔壁のそれぞれに接している。【選択図】図6

Description

本発明は、歯車装置およびロボットに関する。
ロボットアームを備えるロボットでは、例えば、ロボットアームの関節部をモーターにより駆動するが、一般に、そのモーターの回転を歯車装置により減速することが行われている。このような歯車装置として、例えば、特許文献1に開示されているような波動歯車装置が知られている。
特許文献1に記載の波動歯車装置は、円環状の内歯歯車と、内歯歯車の内側に配置されている外歯歯車と、外歯歯車の内側に嵌め込まれている楕円状輪郭の波動発生器と、を有している。また、波動発生器は、楕円形のカムと、カムの外周に嵌め込まれ、円形から楕円形に変形している軸受けと、を有している。なお、軸受けは、ボールベアリングであり、内輪と、外輪と、これらの間に配置されている複数のボールと、を有している。
外歯歯車は、波動発生器によって楕円状に撓められ、楕円状の長軸方向の部分において内歯歯車に噛み合っている。内歯歯車と外歯歯車とは、歯数差を有しており、波動発生器を回転させると、内歯歯車と外歯歯車の噛み合い位置が周方向に移動し、内歯歯車と外歯歯車がこれらの歯数差に応じて相対回転する。
特開2016−121719号公報
このような波動歯車装置では、前述したように、軸受けがカムによって円形から楕円形に変形している。そのため、軸受けの長軸方向では、内輪と外輪との間隔が狭くなり、これらに挟まれることによってボールに径方向の圧縮力が加わり、ボールが移動し難くなるため、隣り合うボールの間隔が変化し難い。一方で、軸受けの短軸方向では、長軸方向と比べてボールに径方向の圧縮力が加わり難く、ボールが移動し易くなるため、隣り合うボールの間隔が変化し易い。
したがって、このような波動歯車装置では、短軸方向において隣り合うボールの間隔が適正値からずれ、ずれたままの不適切な間隔が長軸方向においても維持されると、軸受けに意図しない過度な圧縮力が加わり易くなり、波動歯車装置の性能低下や損傷を招くおそれがある。
本発明の歯車装置は、内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内側に配置されている軸受けと、
前記軸受けの内側に配置され、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる楕円形状のカム部と、を有し、
前記軸受けは、
前記カム部によって楕円形状に変形しており、
前記周方向に並んで配置されている複数のボールと、
前記周方向で前記ボールと交互に配置されている複数の隔壁を有し、前記ボールを保持している保持器と、を有し、
前記軸受けの長軸上に位置する前記ボールと、当該ボールと前記周方向で隣り合う前記隔壁と、の間に隙間が設けられ、
前記軸受けの短軸上に位置する前記ボールは、当該ボールと周方向の両側で隣り合う前記隔壁のそれぞれに接している。
本発明のロボットは、第1部材と、
前記第1部材に対して回動する第2部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を回動させる駆動力を、前記第1部材から前記第2部材へ、または、前記第2部材から前記第1部材へ伝達する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の歯車装置と、を有する。
本発明の実施形態に係るロボットの概略構成を示す側面図である。 本発明の好適な実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。 図2に示す歯車装置の正面図である。 図2に示す歯車装置における波動発生器の外周面および自然状態の外歯歯車の内周面の状態を模式的に示す図である。 図2に示す歯車装置が有する軸受けのボールの数を偶数にした場合の正面図である。 図2に示す歯車装置が有する軸受けの正面図である。 図6に示す軸受けの長軸上に位置するボールの状態を示す部分拡大正面図である。 図6に示す軸受けの短軸上に位置するボールの状態を示す部分拡大正面図である。 図6に示す軸受けが有する隔壁の変形例を示す部分拡大正面図である。 図6に示す軸受けが有する隔壁の変形例を示す部分拡大正面図である。 図6に示す軸受けが有する隔壁の変形例を示す部分拡大正面図である。 図2に示す歯車装置を模式的に示す断面図である。 軸受けが有するボールの軌跡を示す図である。 軸受けが有するボールの軌跡を示す図である。 図6に示す歯車装置が有する隔壁を径方向から見た断面図である。 図6に示す歯車装置が有する隔壁を径方向から見た断面図である。 第2実施形態に係る歯車装置が有する軸受けを示す部分拡大正面図である。
以下、本発明の歯車装置およびロボットを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.ロボット
図1は、本発明の実施形態に係るロボットの概略構成を示す側面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。また、図1中の基台側を「基端側」、その反対側すなわちエンドエフェクター側を「先端側」とも言う。また、図1の上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とする。
図1に示すロボット100は、例えば、精密機器やこの精密機器を構成する部品の給材、除材、搬送および組立等の作業に用いられるロボットである。ロボット100は、図1に示すように、第1部材としての基台110と、基台110に対して回動する第2部材としての第1アーム120と、第1アーム120に対して回動する第2アーム130と、作業ヘッド140と、エンドエフェクター150と、配線引き回し部160と、を有している。以下、ロボット100の各部を順次簡単に説明する。なお、「回動」とは、ある中心点に対して一方向またはその反対方向を含めた双方向に動くこと、および、ある中心点に対して回転することを含むものである。
基台110は、例えば、図示しない床面にボルトによって固定されている。また、基台110の内部には、ロボット100を統括制御する制御装置190が設置されている。また、基台110には、基台110に対して鉛直方向に沿う第1回動軸J1まわりに回動可能に第1アーム120が連結している。
また、基台110内には、第1駆動部170が設置されている。この第1駆動部170は、第1アーム120を回動させる駆動力を発生させるサーボモーター等の第1モーターであるモーター171と、モーター171の駆動力の回転を減速する第1減速機である歯車装置1と、を有する。歯車装置1の入力軸は、モーター171の回転軸に連結され、歯車装置1の出力軸は、第1アーム120に連結されている。そのため、モーター171が駆動し、その駆動力が歯車装置1を介して第1アーム120に伝達されると、第1アーム120が第1回動軸J1まわりに水平面内で回動する。
第1アーム120の先端部には、第1アーム120に対して鉛直方向に沿う第2回動軸J2まわりに回動可能に第2アーム130が連結している。第2アーム130内には、図示しないが、第2駆動部が設定されている。この第2駆動部は、前述した第1駆動部170と同様の構成となっており、第2アーム130を回動させる駆動力を発生させる第2モーターと、第2モーターの駆動力の回転を減速する第2減速機とを有する。そして、第2モーターの駆動力が第2減速機を介して第2アーム130に伝達されることにより、第2アーム130が第1アーム120に対して第2回動軸J2まわりに水平面内で回動する。
第2アーム130の先端部には、作業ヘッド140が配置されている。作業ヘッド140は、第2アーム130の先端部に同軸的に配置された図示しないスプラインナットおよびボールネジナットに挿通されたスプラインシャフト141を有している。スプラインシャフト141は、第2アーム130に対して、その軸J3まわりに回転可能であり、かつ、上下方向に移動すなわち昇降可能となっている。
第2アーム130内には、図示しないが、回転モーターおよび昇降モーターが配置されている。回転モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってスプラインナットに伝達され、スプラインナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が鉛直方向に沿う軸J3まわりに正逆回転する。一方、昇降モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってボールネジナットに伝達され、ボールネジナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が上下に移動する。
スプラインシャフト141の先端部すなわち下端部には、エンドエフェクター150が連結されている。エンドエフェクター150としては、特に限定されず、例えば、被搬送物を把持するもの、被加工物を加工するもの等が挙げられる。
第2アーム130内に配置された各電子部品、例えば第2モーター、回転モーター、昇降モーター等に接続される複数の配線は、第2アーム130と基台110とを連結する管状の配線引き回し部160内を通って基台110内まで引き回されている。さらに、かかる複数の配線は、基台110内でまとめられることによって、モーター171等に接続される配線とともに、基台110内に設置された制御装置190まで引き回される。
以上のようなロボット100は、第1部材としての基台110と、基台110に対して回動する第2部材としての第1アーム120と、基台110に対して第1アーム120を回動させる駆動力を基台110から第1アーム120へ、または、第1アーム120から基台110へ伝達する歯車装置1と、を有する。本実施形態では、動力を基台110側から第1アーム120側へ伝達している。これにより、後述するような歯車装置1の効果を享受することができ、信頼性に優れるロボット100となる。
なお、本実施形態では、第1部材が基台110であり、第2部材が第1アーム120であったが、これに限定されず、基台110、第1アーム120および第2アーム130のうちのいずれか1つを第1部材とし、他のいずれか1つを第2部材としてもよい。具体的には、例えば、第1アーム120を第1部材とし、第2アーム130を第2部材としてもよい。
2.歯車装置
<第1実施形態>
図2は、本発明の好適な実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。図3は、図2に示す歯車装置の正面図である。図4は、図2に示す歯車装置における波動発生器の外周面および自然状態の外歯歯車の内周面の状態を模式的に示す図である。図5は、図2に示す歯車装置が有する軸受けのボールの数を偶数にした場合の正面図である。図6は、図2に示す歯車装置が有する軸受けの正面図である。図7は、図6に示す軸受けの長軸上に位置するボールの状態を示す部分拡大正面図である。図8は、図6に示す軸受けの短軸上に位置するボールの状態を示す部分拡大正面図である。図9ないし図11は、図6に示す軸受けが有する隔壁の変形例を示す部分拡大正面図である。図12は、図2に示す歯車装置を模式的に示す断面図である。図13および図14は、軸受けが有するボールの軌跡を示す図である。図15および図16は、図6に示す歯車装置が有する隔壁を径方向から見た断面図である。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。
図2に示す歯車装置1は、波動歯車装置であり、例えば減速機として用いられる。この歯車装置1は、内歯歯車2と、内歯歯車2の内側に配置されているカップ型の外歯歯車3と、外歯歯車3の内側に配置されている波動発生器4と、を有している。また、図示しないが、歯車装置1の各部、具体的には、内歯歯車2と外歯歯車3との噛み合い部、外歯歯車3と波動発生器4との嵌め合い部等には、必要に応じてグリース等の潤滑剤が適宜配置されている。
ここで、内歯歯車2、外歯歯車3および波動発生器4のうちの一つが前述したロボット100の基台110に対して接続され、他の一つが前述したロボット100の第1アーム120に対して接続される。本実施形態では、内歯歯車2が基台110に対して固定され、外歯歯車3が第1アーム120に対して接続され、波動発生器4がモーター171の回転軸に接続される。
そのため、モーター171の回転軸が回転すると、波動発生器4は、モーター171の回転軸と同じ回転速度で回転する。そして、内歯歯車2および外歯歯車3は、互いに歯数が異なるため、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、これらの歯数差に起因して回転軸である軸線aまわりに相対的に回転する。本実施形態では、内歯歯車2の歯数の方が外歯歯車3の歯数より多いため、モーター171の回転軸の回転速度よりも低い回転速度で外歯歯車3を回転させることができる。すなわち、波動発生器4を入力軸側、外歯歯車3を出力軸側とする減速機を実現することができる。
なお、内歯歯車2、外歯歯車3および波動発生器4の接続形態は、前述した形態に限定されず、例えば、外歯歯車3を基台110に対して固定し、内歯歯車2を第1アーム120に対して接続しても、歯車装置1を減速機として用いることができる。また、外歯歯車3をモーター171の回転軸に接続しても、歯車装置1を減速機として用いることができ、この場合、波動発生器4を基台110に対して固定し、内歯歯車2を第1アーム120に対して接続すればよい。また、歯車装置1を増速機として用いる場合、すなわち、モーター171の回転軸の回転速度よりも高い回転速度で外歯歯車3を回転させる場合、前述した入力側と出力側との関係を反対にすればよい。
図2に示すように、内歯歯車2は、内歯23を有し、径方向に実質的に撓まない剛体で構成されたリング状の剛性歯車である。なお、内歯歯車2と基台110との固定方法としては、特に限定されないが、例えば、ネジ止め等が挙げられる。
外歯歯車3は、内歯歯車2の内側に挿通されている。外歯歯車3は、内歯歯車2の内歯23に噛み合う外歯33を有し、径方向に撓み変形可能な可撓性歯車である。また、外歯歯車3の歯数は、内歯歯車2の歯数よりも少ない。このように、外歯歯車3および内歯歯車2の歯数が互いに異なることにより、前述したように、歯車装置1によって減速機を実現することができる。
本実施形態では、外歯歯車3は、カップ状をなし、その外周面に外歯33が形成されている。ここで、外歯歯車3は、一端部に開口311を有する有底円筒状の胴部31と、胴部31の他端部から突出している底部32と、を有する。胴部31は、軸線aを中心とし、内歯歯車2に噛み合う外歯33を有する。底部32には、出力側の軸体、例えばモーター171の回転軸がネジ止め等により取り付けられる。
図3に示すように、波動発生器4は、外歯歯車3の内側に配置され、軸線aまわりに回転可能である。そして、波動発生器4は、図4に示すように、自然状態では円形である外歯歯車3の胴部31の横断面を長軸Laおよび短軸Lbとする楕円形または長円形に変形させて、外歯33の一部、具体的には長軸Laの両側を内歯歯車2の内歯23の一部に部分的に噛み合わせる。
図3に示すように、波動発生器4は、カム5と、カム5の外周に装着され、カム5と外歯歯車3との間に挟まれている軸受け6と、を有している。カム5は、軸線aまわりに回転する軸部51と、軸部51の一端部から外側に突出しているカム部52と、を有している。また、カム部52は、軸線aに沿った方向から見たときに長手形状、特に本実施形態では図3中の上下方向を長軸Laとする楕円形または長円形をなしている。ただし、カム部52の形状は、長手形状であれば、特に限定されない。
図3に示すように、軸受け6は、ボールベアリングであり、可撓性の内輪61および外輪63と、これらの間に配置されている複数のボール62と、周方向での間隔を一定に保つように複数のボール62を保持している保持器64と、を有している。軸受け6は、自然状態において、軸線aに沿った方向から見たときに円形をなしており、内側にカム部52が嵌め込まれることにより、カム部52の外周面に沿って長手形状、本実施形態では楕円形または長円形に変形している。
内輪61は、カム5のカム部52の外周面に嵌め込まれ、カム部52の外周面に沿って楕円形または長円形に変形している。それに伴って、外輪63も楕円形または長円形に変形している。また、内輪61の外周面および外輪63の内周面は、それぞれ、複数のボール62を周方向に沿って案内させつつ転動させる軌道面611、631となっている。
なお、図3は、軸受け6の全体構成を簡単に説明するための図であるため、説明の便宜上、軸受け6の構成、特に保持器64の構成について簡略化して図示している。保持器64の詳細な説明については、別途、図6から図8を用いて説明する。
このような波動発生器4は、カム5が軸線aまわりに回転することに伴って、カム部52の向きが変わり、それに伴って、外輪63も変形し、内歯歯車2および外歯歯車3の互いの噛み合い位置を周方向に移動させる。なお、内輪61は、カム部52の外周面に対して固定的に設置されているため、変形状態は変わらない。内歯歯車2および外歯歯車3の互いの噛み合い位置が周方向に移動することにより、内歯歯車2および外歯歯車3の歯数差に起因して、これらが軸線aまわりに相対的に回転する。つまり、内歯歯車2が固定されている基台110に対して、外歯歯車3が固定されている第1アーム120が軸線aまわりに回動する。
複数のボール62は、内輪61と外輪63との間に配置されている。また、複数のボール62は、保持器64によって、軸受け6の周方向にほぼ等間隔に並ぶように保持されている。これにより、隣り合う一対のボール62の間隔のばらつきが抑えられ、軸受け6の特性低下を抑制することができる。また、ボール62の数は、奇数である。ただし、これに限定されず、ボール62の数は、偶数であってもよい。
複数のボール62が等間隔で配置されていると仮定し、ボール62の数を偶数とした場合、図5に示すように、長軸Laの両側にボール62が揃うタイミングがある。長軸Laの両端にボール62が揃ってしまうと、長軸La方向において、カム5と外歯歯車3との間で軸受け6が突っ張ってしまい、カム5からの圧縮力が軸受け6で緩和されることなく外歯歯車3に伝達される。そのため、例えば、歯車装置1の各部の強度や設計精度によっては、内歯歯車2と外歯歯車3とが強く噛み合い過ぎて摺動性が悪化したり、歯車装置1が破損したりするおそれがある。
これに対して、複数のボール62が等間隔で配置されていると仮定し、ボール62の数を奇数とした場合、図3に示すように、長軸Laの両側にボール62が揃うタイミングが生じない。つまり、あるタイミングにおいて、長軸Laの一方側にボール62が位置するとき、他方側にはボール62が位置しない。これにより、ボール62の数が偶数のときに生じる前記「突っ張り」が生じず、カム5からの圧縮力が軸受け6で緩和されて外歯歯車3に伝達される。そのため、ボール62の数が偶数のときに生じ得る上述した内歯歯車2と外歯歯車3との摺動性の悪化や歯車装置1の破損を効果的に抑制することができる。
図6に、カム部52が嵌め込まれた状態の軸受け6を示す。なお、図6では、カム部52の図示を省略している。同図に示すように、保持器64は、リング状の基部65と、基部65から内輪61と外輪63との間に突出する複数の隔壁66と、を有している。基部65は、自然状態において円形である。また、基部65は、軸受け6がカム5に嵌め込まれても、実質的にカム5からの圧縮力を受けず、変形することなく円形を維持している。
複数の隔壁66は、基部65の周方向に沿って等間隔に配置されている。また、複数の隔壁66は、隣り合う一対の隔壁66の間に1つのボール62が位置するように配置されている。つまり、軸受け6では、その周方向に沿って、ボール62と隔壁66とが交互に並んで配置されている。このように、一対の隔壁66の間に1つのボール62を配置することにより、複数のボール62を等間隔に配置することができる。なお、内輪61および外輪63が楕円形または長円形に変形する前の自然状態においては、ボール62は、その周方向両側に位置する一対の隔壁66の間において、緩く保持され、ボール62の中心軌道Bo方向への若干の移動が許容されている。これにより、ボール62を保持しつつ、ボール62に加わる摩擦力を低減することができる。そのため、ボール62の中心軌道Boへの変位を規制しつつ、ボール62を移動させ易くすることができる。
ここで、前述したように、軸受け6にカム部52が嵌め込まれることにより、内輪61および外輪63が円形から楕円形または長円形に変形しているのに対して、基部65は、円形を維持している。そのため、軸線aに沿った方向から見て、隔壁66は、長軸Laではボール62の中心軌道Boに対して内輪61側に偏って位置し、反対に、短軸Lbでは中心軌道Boに対して外輪63側に偏って位置している。
軸受け6は、このような隔壁66の長軸La上での位置と短軸Lb上での位置との異なりを利用して、図7に示すように、長軸La上に位置するボール62は、当該ボール62の両側に位置する一対の隔壁66との間に隙間Gがある状態で保持器64に保持され、図8に示すように、短軸Lb上に位置するボール62は、当該ボール62の両側に位置する一対の隔壁66のそれぞれに接した状態すなわち隙間Gがない状態で保持器64に保持される。言い換えると、長軸La上に位置するボール62は、その両側に位置する一対の隔壁66で挟み込まれることなく保持され、反対に、短軸Lb上に位置するボール62は、その両側に位置する一対の隔壁66によって挟み込まれた状態で保持される。
前述した「背景技術」でも説明したように、長軸Laでは内輪61と外輪63との間隔が狭まって、これらに挟まれることによりボール62に径方向の圧縮力P1が加わる。そのため、長軸Laでは、ボール62が移動し難く、隣り合う一対の隔壁66の間においてボール62が中心軌道Boの方向に変位し難くなる。これにより、長軸Laでは、ボール62の間隔Gbが変化し難い。一方、短軸Lbでは、ボール62に圧縮力P1よりも小さい径方向の圧縮力P2が加わる。そのため、短軸Lbでは、長軸Laよりもボール62が移動し易く、隣り合う一対の隔壁66の間においてボール62が中心軌道Boの方向に変位し易くなる。これにより、短軸Lbでは、ボール62の間隔Gbが変化し易い。
このように、円形から楕円形または長円形に変形した軸受け6においては、短軸Lbでは間隔Gbがずれ易く、長軸Laでは間隔Gbがずれ難いという特性を有する。そのため、短軸Lbにおいて間隔Gbがずれ、ずれたままの不適切な間隔Gbが長軸Laにおいても維持されるおそれがある。このように、不適切な間隔Gbが維持されてしまうと、例えば、理想状態では発生しない前記「突っ張り」が生じ、歯車装置1に意図しない過度な圧縮力が加わるおそれが高まる。そのため、歯車装置1の性能低下や損傷を招くおそれが高まる。
そこで、本実施形態では、短軸Lb上のボール62を、その両側に位置する一対の隔壁66によって挟み込み、そのボール62の中心軌道Boに沿う方向への変位を規制している。これにより、短軸Lbでの間隔Gbのずれを効果的に抑制することができ、そのままの適切な間隔Gbが長軸Laにおいても維持される。そのため、中心軌道Boの全周において複数のボール62が等間隔で配置され、前記「突っ張り」の発生を効果的に抑制することができる。その結果、歯車装置1の性能低下や損傷を効果的に抑制することができる。一方、圧縮力P1を受けることよりボール62の中心軌道Boに沿う方向への変位が生じ難くなっている長軸Laにおいては、ボール62を一対の隔壁66で挟み込まなくても間隔Gbが維持される。そのため、ボール62をその両側に位置する一対の隔壁66で挟み込まないことにより、それ以上、ボール62が移動し難くなることを抑制している。これにより、ボール62に過度な摩擦力が生じることを抑制することができ、軸受け6の各部の過度な摩耗や、当該摩耗による特性低下や故障を抑制することができる。
なお、軸受け6が有する複数のボール62のうち、少なくとも1つのボール62が長軸La上に位置するときにその両側に位置する一対の隔壁66との間に隙間Gがある状態で保持器64に保持されればよいが、80%以上の数のボール62が上記状態で保持器64に保持されることが好ましく、90%以上の数のボール62が上記状態で保持器64に保持されることがより好ましく、全てのボール62が上記状態で保持器64に保持されることが最も好ましい。同様に、軸受け6が有する複数のボール62のうち、少なくとも1つのボール62が短軸Lb上に位置するときにその両側に位置する一対の隔壁66のそれぞれに接した状態で保持器64に保持されればよいが、80%以上の数のボール62が上記状態で保持器64に保持されることが好ましく、90%以上の数のボール62が上記状態で保持器64に保持されることがより好ましく、全てのボール62が上記状態で保持器64に保持されることが最も好ましい。
次に、上述の作用を実現するための隔壁66の構成について説明する。なお、複数の隔壁66は、互いに同様の構成であるため、以下では、1つの隔壁66について代表して説明し、他の隔壁66については、その説明を省略する。
まず、隔壁66の平面視形状すなわち軸線aに沿った方向から見た形状について説明する。図7および図8に示すように、隔壁66は、軸受け6の径方向Lrに沿って延在している。また、隔壁66は、軸線aに沿った方向から見て、径方向Lrに並んで配置されている第1部分としての先端部661と第2部分としての基端部662とを有している。また、基端部662は、先端部661よりも径方向Lrの内側すなわち軸線a側に位置している。そして、図7に示すように、長軸La上のボール62は、概ね、基部65の外周側に位置する先端部661と対向し、これに対して、図8に示すように、短軸Lb上のボール62は、概ね、基部65の内周側に位置する基端部662と対向する。言い換えると、長軸La上のボール62は、その中心軌道Boを通る部分が、隣り合う一対の先端部661の間に位置し、短軸Lb上のボール62は、その中心軌道Boを通る部分が、隣り合う一対の基端部662の間に位置する。
また、軸線aに沿った方向から見たとき、基端部662の径方向Lrに直交する方向の幅W2は、先端部661の径方向Lrに直交する方向の幅W1よりも大きい。つまり、W2>W1である。なお、「径方向Lrに直交する方向」は、軸受け6の周方向とも言える。また、図7に示すように、隣り合う一対の先端部661同士の最小離間距離D1は、ボール62の直径Rよりも大きく、図8に示すように、隣り合う一対の基端部662同士の最小離間距離D2は、ボール62の直径Rよりも小さい。つまり、D2<R<D1である。これにより、長軸La上のボール62は、その両側に位置する一対の隔壁66に挟まれず、ボール62と一対の隔壁66との間に隙間Gが設けられている。一方、短軸Lb上のボール62は、その両側に位置する一対の隔壁66に挟まれる。このような隔壁66によれば、より確実に上述の作用を実現することができる。
本実施形態の隔壁66は、軸線aに沿った方向から見たときに、径方向Lrに直交する方向の幅Wが径方向Lrの外側に向けて漸減している。特に、幅Wの漸減率は、径方向Lrに沿って一定である。そのため、隔壁66は、軸線aに沿った方向から見て、径方向Lrの外側に向けて先細りした楔状または台形状となっている。また、隔壁66は、隔壁66の一方側に位置するボール62と対向する側面66aと、他方側に位置するボール62と対向する側面66bと、を有している。そして、これら側面66a、66bは、軸線aに沿った方向から見て、平坦面である。これにより、隔壁66の形状が簡単なものとなる。
ただし、側面66a、66bの形状は、これに限定されない。例えば、図9に示すように、幅Wの漸減率が径方向Lrの外側に向けて漸増しており、軸線aに沿った方向から見て、側面66a、66bが対向するボール62側に突出した凸湾曲面となっていてもよい。このような構成によれば、例えば、本実施形態と比較して、ボール62が長軸La上から短軸Lb上に移動する際、比較的早い段階すなわち長軸Laに近い領域で、そのボール62が一対の隔壁66に挟まれるように設計することができる。そのため、ボール62が一対の隔壁66に挟まれる時間が長くなる。具体的には、所定のボール62に対してカム部52が一周回転した際に、この一周にかかった時間に対するボール62が一対の隔壁66に挟まれている時間の割合が大きくなる。したがって、その分、ボール62の間隔Gbのずれをより効果的に抑制することができる。
また、例えば、図10に示すように、幅Wの漸減率が径方向Lrの外側に向けて漸減しており、軸線aに沿った方向から見て、側面66a、66bが内側に凹んだ凹湾曲面となっていてもよい。このような構成によれば、例えば、本実施形態と比較して、ボール62が長軸La上から短軸Lb上に移動する際、比較的遅い段階すなわち短軸Lbに近い領域で、そのボール62が一対の隔壁66に挟まれるように設計することができる。そのため、ボール62が一対の隔壁66に挟まれない時間が長くなり、その分、ボール62の摩擦抵抗をより効果的に低減することができる。
また、例えば、図11に示すように、側面66a、66bが少なくとも1つの段差、図示の構成では複数の段差を有する段差面となっていてもよい。
次に、径方向Lrすなわち軸線aに直交する方向から見たときのボール62の軌道に着目する。図12に示すように、長軸Laの両側では、外歯歯車3の胴部31がその開口311側に広がるテーパー状に変形するのに起因して、外輪63が内輪61に対して底部32側へ変位する。そのため、この変位に伴って、矢印Yのようにボール62も底部32側へ変位する。これに対して、図示しないが、短軸Lbの両側では、外歯歯車3の胴部31がその開口311側に狭まる逆テーパー状に変形するのに起因して、外輪63が内輪61に対して開口311側へ変位する。そのため、この変位に伴ってボール62も開口311側へ変位する。したがって、図13および図14に示すように、ボール62の中心軌道Boは、短軸Lb上で最も開口311側に位置する最上点Q1となり、長軸La上で最も底部32側に位置する最下点Q2となるように略正弦波状の中心軌道Boとなる。
図15および図16に示すように、隔壁66は、径方向Lrに沿った方向から見て、軸線aに沿った方向に並んで配置されている下端部663および上端部664を有している。また、上端部664は、下端部663よりも開口311側に位置している。そして、図15に示すように、最上点Q1に位置する短軸Lb上のボール62は、上端部664と対向し、これに対して、図16に示すように、最下点Q2に位置する長軸La上のボール62は、下端部663と対向する。言い換えると、短軸Lb上のボール62は、隣り合う一対の上端部664の間に位置し、長軸La上のボール62は、隣り合う一対の下端部663の間に位置する。
また、径方向Lrに沿った方向から見て、下端部663の幅W3は、上端部664の幅W4よりも小さい。つまり、W3<W4である。また、隣り合う一対の下端部663同士の最小離間距離D3は、ボール62の直径Rよりも大きく、隣り合う一対の上端部664同士の最小離間距離D4は、ボール62の直径Rよりも小さい。つまり、D4<R<D3である。これにより、長軸La上のボール62は、その両側に位置する一対の隔壁66に挟まれず、これら一対の隔壁66との間に隙間Gが設けられた状態で保持器64に保持される。一方、短軸Lb上のボール62は、その両側に位置する一対の隔壁66によって挟まれ、これら一対の隔壁66のそれぞれと接した状態、すなわち、これら一対の隔壁66との間に隙間Gが設けられていない状態で保持器64に保持される。
また、本実施形態の隔壁66は、径方向Lrに沿った方向から見て、幅Wが底部32側から開口311側に向けて漸増している。特に、幅Wの漸減率は、軸線aに沿って一定である。そのため、隔壁66は、径方向Lrに沿った方向から見て、開口311側から底部32側に向けて先細りした楔状または台形状となっている。また、隔壁66の各側面66a、66bは、それぞれ、径方向Lrに沿った方向から見て、平坦面である。これにより、隔壁66の形状が簡単なものとなる。
ただし、側面66a、66bの形状は、これに限定されない。例えば、前述した図9の平面視形状と同様に、幅Wの漸減率が開口311側から底部32側に向けて漸増しており、径方向Lrに沿った方向から見て、側面66a、66bが対向するボール62側に突出した凸湾曲面となっていてもよい。このような構成によれば、例えば、本実施形態と比較して、ボール62が長軸La上から短軸Lb上に移動する際、比較的早い段階すなわち長軸Laに近い領域で、そのボール62が一対の隔壁66に挟まれるように設計することができる。そのため、ボール62が一対の隔壁66に挟まれる時間が長くなり、その分、ボール62の間隔Gbのずれをより効果的に抑制することができる。
また、例えば、前述した図10の平面視形状と同様に、幅Wの漸減率が開口311側から底部32側に向けて漸減しており、径方向Lrに沿った方向から見て、側面66a、66bが内側に凹んだ凹湾曲面となっていてもよい。このような構成によれば、例えば、本実施形態と比較して、ボール62が長軸La上から短軸Lb上に移動する際、比較的遅い段階すなわち短軸Lbに近い領域で、そのボール62が一対の隔壁66に挟まれるように設計することができる。そのため、ボール62が一対の隔壁66に挟まれない時間が長くなり、その分、ボール62の摩擦抵抗をより効果的に低減することができる。
また、例えば、前述した図11の平面視形状と同様に、側面66a、66bが少なくとも1つの段差、図示の構成では複数の段差を有する段差面となっていてもよい。
以上、歯車装置1について説明した。このような歯車装置1は、前述したように、内歯歯車2と、内歯歯車2に部分的に噛み合って内歯歯車2に対して回転軸である軸線aまわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車3と、外歯歯車3の内側に配置されている軸受け6と、軸受け6の内側に配置され、内歯歯車2と外歯歯車3との噛み合い位置を軸線aまわりの周方向に移動させる楕円形状のカム部52と、を有している。また、軸受け6は、カム部52によって楕円形状に変形しており、周方向に並んで配置されている複数のボール62と、周方向でボール62と交互に配置されている複数の隔壁66を有し、ボール62を保持している保持器64と、を有する。そして、軸受け6の長軸La上に位置するボール62と、当該ボール62と周方向で隣り合う隔壁66と、の間に隙間Gが設けられ、軸受け6の短軸Lb上に位置するボール62は、当該ボール62と周方向の両側で隣り合う隔壁66のそれぞれに接している。これにより、隣り合うボール62同士の間隔が適正に保たれた軸受け6により回転動作が行われ、その結果として、歯車装置1の性能低下や損傷を抑制することができる。
また、前述したように、隔壁66は、長軸La上に位置するボール62と周方向で隣り合う第1部分である先端部661と、先端部661よりも軸線a側に位置し、短軸Lb上に位置するボール62と周方向で隣り合う第2部分である基端部662と、を有する。そして、基端部662の周方向の幅W2は、先端部661の周方向の幅W1よりも大きい。これにより、より確実に、軸受け6の長軸La上に位置するボール62は、当該ボール62の両側に位置する一対の隔壁66との間に隙間Gが設けられた状態で保持器64に保持され、軸受け6の短軸Lb上に位置するボール62は、当該ボール62の両側に位置する一対の隔壁66のそれぞれに接した状態で保持器64に保持される。
また、前述したように、隔壁66の周方向の幅Wは、軸線aから遠ざかる方向に向けて漸減する。これにより、隔壁66の形状が簡単なものとなる。
また、前述したように、軸線aに沿った方向から見て、隔壁66のボール62と対向している側面66a、66bは、平坦面である。これにより、隔壁66の形状が簡単なものとなる。
また、前述したように、軸線aに沿った方向から見て、隔壁66のボール62と対向している側面66a、66bは、ボール62側に突出している凸面であってもよい。これにより、側面66a、66bが平坦面である場合と比べて、ボール62が長軸La上から短軸Lb上に移動する際、比較的早い段階で、そのボール62が一対の隔壁66に挟まれるように設計することができる。そのため、ボール62が一対の隔壁66に挟まれる時間が長くなり、その分、ボール62の間隔Gbのずれをより効果的に抑制することができる。
また、前述したように、ボール62の数は、奇数である。これにより、前記「突っ張り」が生じ難くなり、歯車装置1の性能低下や損傷を抑制することができる。
<第2実施形態>
図17は、第2実施形態に係る歯車装置が有する軸受けを示す部分拡大正面図である。
本実施形態に係る歯車装置1は、隔壁66の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態の歯車装置1と同様である。なお、以下の説明では、第2実施形態の歯車装置1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図17では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。なお、各隔壁66は、互いに同様の構成であるため、以下では、1つの隔壁66について代表して説明する。
図17に示すように、本実施形態の隔壁66は、先端部661と基端部662とが別体で構成されており、互いに構成材料が異なっている。具体的には、基端部662のヤング率E2は、先端部661のヤング率E1よりも低い。つまり、E2<E1である。これにより、基端部662が先端部661よりも柔らかくなる。基端部662は、短軸Lbにあるボール62と接する部分であるため、基端部662を柔らかくすることにより、隔壁66との接触によるボール62の破損や摩耗を効果的に抑制することができる。なお、ヤング率E1、E2としては、E1/E2≧2[GPa]以上であることが好ましく、E1/E2≧5[GPa]以上であることがより好ましく、E1/E2≧10[GPa]以上であることがさらに好ましい。これにより、基端部662を十分に柔らかくすることができる。また、ヤング率E2としては、特に限定されず、ボール62の構成材料によっても異なるが、例えば、ボール62のヤング率E3よりも低いことが好ましい。つまり、E2<E3であることが好ましい。これにより、基端部662が、ボール62よりも柔らかくなり、上述した効果をより顕著に発揮することができる。
以上のように、本実施形態の歯車装置1では、基端部662のヤング率E2は、先端部661のヤング率E1よりも低い。これにより、基端部662を柔らかくすることができ、隔壁66との接触によるボール62の破損や摩耗を効果的に抑制することができる。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の歯車装置およびロボットを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、水平多関節ロボットについて説明したが、本発明のロボットは、これに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、垂直多関節ロボットにも適用可能である。
また、前述した実施形態では、歯車装置が有する外歯歯車がカップ状(有底筒状)をなす場合を例に説明したが、これに限定されず、例えば、外歯歯車は、ハット状(つば付き筒状)をなしていてもよい。外歯歯車がハット状をなす場合、外歯歯車は、胴部の他端部から径方向外側に延びているフランジ部を取付部として有する。
1…歯車装置、2…内歯歯車、23…内歯、3…外歯歯車、31…胴部、311…開口、32…底部、33…外歯、4…波動発生器、5…カム、51…軸部、52…カム部、6…軸受け、61…内輪、611…軌道面、62…ボール、63…外輪、631…軌道面、64…保持器、65…基部、66…隔壁、66a…側面、66b…側面、661…先端部、662…基端部、663…下端部、664…上端部、100…ロボット、110…基台、120…第1アーム、130…第2アーム、140…作業ヘッド、141…スプラインシャフト、150…エンドエフェクター、160…配線引き回し部、170…第1駆動部、171…モーター、190…制御装置、Bo…中心軌道、D1、D2、D3、D4…最小離間距離、G…隙間、J1…第1回動軸、J2…第2回動軸、J3…軸、La…長軸、Lb…短軸、Lr…径方向、P1、P2…圧縮力、Q1…最上点、Q2…最下点、R…直径、W、W1、W2、W3、W4…幅、Y…矢印、a…軸線

Claims (8)

  1. 内歯歯車と、
    前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車と、
    前記外歯歯車の内側に配置されている軸受けと、
    前記軸受けの内側に配置され、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる楕円形状のカム部と、を有し、
    前記軸受けは、
    前記カム部によって楕円形状に変形しており、
    前記周方向に並んで配置されている複数のボールと、
    前記周方向で前記ボールと交互に配置されている複数の隔壁を有し、前記ボールを保持している保持器と、を有し、
    前記軸受けの長軸上に位置する前記ボールと、当該ボールと前記周方向で隣り合う前記隔壁と、の間に隙間が設けられ、
    前記軸受けの短軸上に位置する前記ボールは、当該ボールと周方向の両側で隣り合う前記隔壁のそれぞれに接していることを特徴とする歯車装置。
  2. 前記隔壁は、
    前記長軸上に位置する前記ボールと周方向で隣り合う第1部分と、
    前記第1部分よりも前記回転軸側に位置し、前記短軸上に位置する前記ボールと周方向で隣り合う第2部分と、を有し、
    前記第2部分の前記周方向の幅は、前記第1部分の前記周方向の幅よりも大きい請求項1に記載の歯車装置。
  3. 前記隔壁の前記周方向の幅は、前記回転軸から遠ざかる方向に向けて漸減する請求項2に記載の歯車装置。
  4. 前記回転軸に沿った方向から見て、前記隔壁の前記ボールと対向している側面は、平坦面である請求項3に記載の歯車装置。
  5. 前記回転軸に沿った方向から見て、前記隔壁の前記ボールと対向している側面は、前記ボール側に突出している凸面である請求項3に記載の歯車装置。
  6. 前記第2部分のヤング率は、前記第1部分のヤング率よりも低い請求項2ないし4のいずれか1項に記載の歯車装置。
  7. 前記ボールの数は、奇数である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の歯車装置。
  8. 第1部材と、
    前記第1部材に対して回動する第2部材と、
    前記第1部材に対して前記第2部材を回動させる駆動力を、前記第1部材から前記第2部材へ、または、前記第2部材から前記第1部材へ伝達する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の歯車装置と、を有することを特徴とするロボット。
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