JP2021143692A - 歯車装置およびロボット - Google Patents
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Abstract
【課題】転動体の周囲の潤滑剤が流失しにくく、寿命が長い歯車装置、および、かかる歯車装置を備えるロボットを提供すること。【解決手段】内歯歯車と、外歯歯車と、ベアリングを備える波動発生器と、を有し、前記ベアリングは、外輪と、前記外輪の内側に設けられている内輪と、前記外輪と前記内輪との間に設けられている転動体と、前記回転軸まわりの環状をなす第1基部と、前記第1基部から前記外輪と前記内輪との間に突出している壁部と、を有し、前記転動体を保持する保持器と、を備え、前記第1基部の径方向から見たとき、前記第1基部は、前記外輪および前記内輪の双方とずれており、前記径方向に沿う前記第1基部の長さは、前記径方向に沿う前記壁部の長さより長くなっており、前記回転軸と平行な軸方向から見たとき、前記第1基部は、前記外輪および前記内輪の少なくとも一方と重なっていることを特徴とする歯車装置。【選択図】図7
Description
本発明は、歯車装置およびロボットに関するものである。
ロボットアームを備えるロボットでは、例えば、ロボットアームの関節部をモーターにより駆動する。モーターの回転は、一般に、歯車装置を介して減速され、アームに伝達される。
このような歯車装置として、波動歯車装置が知られている。波動歯車装置は、内歯歯車と、可撓性を有し、内歯歯車の内側に設けられている外歯歯車と、外歯歯車の内側に設けられている波動発生器と、を有している。波動発生器は、楕円形をなすカムを有しており、このカムによって外歯歯車を弾性変形させている。これにより、外歯歯車の外歯と内歯歯車の内歯とが部分的に噛み合うようになっている。また、波動発生器の外歯歯車と接する部分には、軸受(ベアリング)が配置されている。
外歯歯車は、例えばカップ状をなしており、その内側には潤滑剤があらかじめ供給されている。この潤滑剤は、波動歯車装置を使用している過程で、徐々に外歯歯車の外部に流れ出す。そして、内歯と外歯との噛み合い位置に供給され、噛み合い位置の潤滑性を確保する。
また、潤滑剤は、流れ出す過程で、ベアリングを通過する。その際に、潤滑剤は、ベアリングのボール(転動体)の潤滑性を高めることにも寄与する。
特許文献1には、互いに相対回転する内輪および外輪と、内輪と外輪との間に介在する複数の転動体と、内輪と外輪との間に配され、転動体を円周方向に等間隔に保持する保持器と、を備えた転がり軸受が開示されている。この保持器は、軸方向の端部の内径側または外径側の少なくとも一方に設けられ、径方向に延びる鍔部を有している。また、内輪または外輪は、鍔部と対応する部位に設けられた凹溝を有している。この凹溝は、鍔部とともに、ラビリンスを形成する。このラビリンスに潤滑油を流すようにすることで、潤滑油の過度な流れを防止することができる。
したがって、このような特徴を有する転がり軸受を波動歯車装置に用いることで、潤滑剤の過度な流れ出しを抑制し、噛み合い位置やボールの潤滑性を確保することができる。
特許文献1に記載のベアリングでは、保持器の鍔部が、内輪と外輪との間に位置している。このような保持器を有するベアリングを前述した波動歯車装置に用いた場合、外歯歯車の弾性変形に伴って、保持器と外輪との間の距離が変化する。そうすると、保持器と外輪との距離が大きくなる部位が生じ、この部位から流れ出す潤滑油の量が多くなってしまう。その結果、転動体の潤滑性が低下してしまうという課題がある。
本発明の適用例に係る歯車装置は、
内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内側に設けられているベアリングを備え、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、
を有し、
前記ベアリングは、
外輪と、
前記外輪の内側に設けられている内輪と、
前記外輪と前記内輪との間に設けられている転動体と、
前記回転軸まわりの環状をなす第1基部と、前記第1基部から前記外輪と前記内輪との間に突出している壁部と、を有し、前記転動体を保持する保持器と、
を備え、
前記第1基部の径方向から見たとき、前記第1基部は、前記外輪および前記内輪の双方とずれており、
前記径方向に沿う前記第1基部の長さは、前記径方向に沿う前記壁部の長さより長くなっており、
前記回転軸と平行な軸方向から見たとき、前記第1基部は、前記外輪および前記内輪の少なくとも一方と重なっていることを特徴とする。
内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内側に設けられているベアリングを備え、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、
を有し、
前記ベアリングは、
外輪と、
前記外輪の内側に設けられている内輪と、
前記外輪と前記内輪との間に設けられている転動体と、
前記回転軸まわりの環状をなす第1基部と、前記第1基部から前記外輪と前記内輪との間に突出している壁部と、を有し、前記転動体を保持する保持器と、
を備え、
前記第1基部の径方向から見たとき、前記第1基部は、前記外輪および前記内輪の双方とずれており、
前記径方向に沿う前記第1基部の長さは、前記径方向に沿う前記壁部の長さより長くなっており、
前記回転軸と平行な軸方向から見たとき、前記第1基部は、前記外輪および前記内輪の少なくとも一方と重なっていることを特徴とする。
本発明の適用例に係るロボットは、
第1部材と、
前記第1部材に対して回動する第2部材と、
前記第2部材を前記第1部材に対して相対的に回動させる駆動力を伝達する請求項1ないし13のいずれか1項に記載の歯車装置と、
前記歯車装置に向けて前記駆動力を出力する駆動源と、
を備えることを特徴とする。
第1部材と、
前記第1部材に対して回動する第2部材と、
前記第2部材を前記第1部材に対して相対的に回動させる駆動力を伝達する請求項1ないし13のいずれか1項に記載の歯車装置と、
前記歯車装置に向けて前記駆動力を出力する駆動源と、
を備えることを特徴とする。
以下、本発明の歯車装置およびロボットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.ロボット
まず、ロボットについて簡単に説明する。
まず、ロボットについて簡単に説明する。
図1は、実施形態に係るロボットの概略構成を示す側面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1中の基台側を「基端側」、その反対側、すなわちエンドエフェクター側を「先端側」と言う。また、図1の上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とする。なお、本明細書における「方向」は、軸に沿う一方側の方向とその反対方向の双方を含む。
図1に示すロボット100は、例えば、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送および組立等の作業に用いられるロボットである。このロボット100は、図1に示すように、基台110と、第1アーム120と、第2アーム130と、作業ヘッド140と、エンドエフェクター150と、配管160と、を有している。以下、ロボット100の各部を順次簡単に説明する。なお、「回動」とは、ある中心点に対して一方向またはその反対方向を含めた双方向に動くこと、および、ある中心点に対して回転することを含むものである。
基台110は、例えば、図示しない床面にボルト等によって固定されている。基台110の内部には、ロボット100を統括制御する制御装置190が設置されている。また、基台110には、基台110に対して鉛直方向に沿う第1軸J1まわりに回動可能に第1アーム120が連結している。すなわち、基台110に対して第1アーム120が相対的に回動している。
基台110内には、第1駆動部170が設置されている。この第1駆動部170は、第1アーム120を回動させる駆動力を発生させるサーボモーター等の第1モーターであるモーター171(駆動源)と、モーター171の回転を減速する第1減速機である歯車装置10と、を有する。歯車装置10の入力軸は、モーター171の回転軸に連結され、歯車装置10の出力軸は、第1アーム120に連結されている。そのため、モーター171が駆動し、その駆動力が歯車装置10を介して第1アーム120に伝達されると、第1アーム120が第1軸J1まわりに水平面内で回動する。
第1アーム120の先端部には、第1アーム120に対して第2軸J2まわりに回動可能な第2アーム130が連結している。第2アーム130内には、図示しないが、第2アーム130を回動させる駆動力を発生させる第2モーターと、第2モーターの回転を減速する第2減速機と、を有する第2駆動部が設置されている。そして、第2モーターの駆動力が第2減速機を介して第2アーム130に伝達されることにより、第2アーム130が第1アーム120に対して第2軸J2まわりに水平面内で回動する。
第2アーム130の先端部には、作業ヘッド140が配置されている。作業ヘッド140は、第2アーム130の先端部に同軸的に配置された図示しないスプラインナットおよびボールネジナットに挿通されたスプラインシャフト141を有している。スプラインシャフト141は、第2アーム130に対して、図1に示す第3軸J3まわりに回転可能であり、かつ、上下方向に移動可能となっている。
第2アーム130内には、図示しないが、回転モーターおよび昇降モーターが配置されている。回転モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってスプラインナットに伝達され、スプラインナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が鉛直方向に沿う第3軸J3まわりに正逆回転する。
一方、昇降モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってボールネジナットに伝達され、ボールネジナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が上下に移動する。
スプラインシャフト141の先端部には、エンドエフェクター150が連結されている。エンドエフェクター150としては、特に限定されず、例えば、被搬送物を把持するもの、被加工物を加工するもの等が挙げられる。
第2アーム130内に配置された各電子部品、例えば第2モーター、回転モーター、昇降モーター等に接続される複数の配線は、第2アーム130と基台110とを連結する配管160内を通って基台110内まで引き回されている。さらに、かかる複数の配線は、基台110内でまとめられることによって、モーター171および図示しないエンコーダーに接続される配線とともに、基台110内に設置された制御装置190まで引き回される。
以上のように、ロボット100は、第1部材である基台110と、基台110に対して回動可能に設けられている第2部材である第1アーム120と、基台110および第1アーム120の一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置10と、歯車装置10に向けて駆動力を出力する駆動源であるモーター171と、を備える。
なお、第1アーム120および第2アーム130をまとめて「第2部材」と捉えてもよい。また、「第2部材」が、第1アーム120および第2アーム130に加え、さらに、作業ヘッド140およびエンドエフェクター150を含んでいてもよい。
また、本実施形態では、第1減速機が歯車装置10で構成されているが、第2減速機が歯車装置10で構成されていてもよく、また、第1減速機および第2減速機の双方が歯車装置10で構成されていてもよい。第2減速機が歯車装置10で構成されている場合、第1アーム120を「第1部材」と捉え、第2アーム130を「第2部材」と捉えればよい。
また、本実施形態では、モーター171および歯車装置10は基台110に設けられているが、モーター171および歯車装置10を第1アーム120に設けるようにしてもよい。この場合、歯車装置10の出力軸を基台110に連結すればよい。
2.歯車装置
2.1.第1実施形態
次に、第1実施形態に係る歯車装置について説明する。
2.1.第1実施形態
次に、第1実施形態に係る歯車装置について説明する。
図2は、第1実施形態に係る歯車装置を軸線aと平行な平面で切断したときの断面図である。図3は、図2に示す歯車装置本体の一部を示す分解斜視図である。図4は、図3に示す歯車装置本体の正面図である。図5は、図4の歯車装置本体のうち、ベアリングのみを部分的に拡大して示す図である。図6は、図4に示すベアリングのうち、保持器および転動体のみを示す斜視図である。図7は、図5に示すベアリングを軸線aと平行な平面で切断したときの断面図である。図8は、図5に示すベアリングを径方向から見た図である。図9は、図5の部分拡大図である。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。また、以下の説明では、軸線aと平行な方向を「軸方向A」とし、軸線aを中心とする円の周方向を「周方向C」とし、軸線aから前記円に向かう方向を「径方向R」とする。
図2に示す歯車装置10は、波動歯車装置であり、例えば減速機として用いられる。この歯車装置10は、歯車装置本体1と、歯車装置本体1を収納しているケース7と、を有する。ケース7内には、潤滑剤Gが配置され、歯車装置本体1の潤滑性を高めている。なお、ケース7は、必要に応じて設けられればよく、例えばロボット100の構造物でケース7の機能を代替することができれば、省略されていてもよい。
歯車装置本体1は、図2ないし図4に示すように、内歯歯車2と、内歯歯車2の内側に設けられている外歯歯車3と、外歯歯車3の内側に設けられ、ベアリング6を備える波動発生器4と、を有している。また、歯車装置10の各部、具体的には、内歯歯車2と外歯歯車3との噛み合い部、外歯歯車3と波動発生器4との嵌め合い部等には、グリース等の潤滑剤Gが適宜配置されている。なお、この潤滑剤Gは、噛み合い部や嵌め合い部にあらかじめ配置することもできるし、図2に示すように外歯歯車3の内側に配置されたり、必要に応じて外歯歯車3の外側から内側に追加供給されたりしたものを、歯車装置10の回転に伴って移動させることにより、噛み合い部や嵌め合い部に配置することもできる。
ここで、内歯歯車2、外歯歯車3および波動発生器4のうちの一つが前述したロボット100の基台110に対して接続され、他の一つが前述したロボット100の第1アーム120に対して接続される。本実施形態では、内歯歯車2がケース7を介して基台110に対して固定され、外歯歯車3が第1アーム120に対して接続され、波動発生器4がモーター171の回転軸に接続される。
そのため、モーター171の回転軸が回転すると、波動発生器4は、モーター171の回転軸と同じ回転速度で回転する。そして、内歯歯車2および外歯歯車3は、互いに歯数が異なるため、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、これらの歯数差に起因して回転軸である軸線aまわりに相対的に回転する。本実施形態では、内歯歯車2の歯数の方が外歯歯車3の歯数より多いため、モーター171の回転軸の回転速度よりも低い回転速度で外歯歯車3を回転させることができる。すなわち、波動発生器4を入力軸側、外歯歯車3を出力軸側とする減速機を実現することができる。
なお、内歯歯車2、外歯歯車3および波動発生器4の接続形態は、前述した形態に限定されず、例えば、外歯歯車3を基台110に対して固定し、内歯歯車2を第1アーム120に対して接続しても、歯車装置10を減速機として用いることができる。また、外歯歯車3をモーター171の回転軸に接続しても、歯車装置10を減速機として用いることができ、この場合、波動発生器4を基台110に対して固定し、内歯歯車2を第1アーム120に対して接続すればよい。また、歯車装置10を増速機として用いる場合、すなわち、モーター171の回転軸の回転速度よりも高い回転速度で外歯歯車3を回転させる場合、前述した入力側と出力側との関係を反対にすればよい。
図2に示すように、内歯歯車2は、内歯23を有し、径方向に実質的に撓まない剛体で構成されたリング状の剛性歯車である。なお、内歯歯車2と基台110との固定方法としては、特に限定されないが、例えば、ネジ止め等が挙げられる。
外歯歯車3は、内歯歯車2の内側に挿通されている。外歯歯車3は、内歯歯車2の内歯23に噛み合う外歯33を有し、径方向に撓み変形可能な可撓性歯車である。また、外歯歯車3の歯数は、内歯歯車2の歯数よりも少ない。このように、外歯歯車3および内歯歯車2の歯数が互いに異なることにより、前述したように、歯車装置10によって減速機を実現することができる。
本実施形態では、外歯歯車3は、カップ状をなし、その外周面に外歯33が形成されている。ここで、外歯歯車3は、一端部に開口311を有する有底円筒状の胴部31と、胴部31の他端部から突出しているフランジ部32と、を有する。胴部31は、軸線aを中心とし、内歯歯車2に噛み合う外歯33を有する。フランジ部32には、例えば出力軸となる軸72が接続され、さらに、その軸72を介して第1アーム120が接続されている。軸72は、軸受14を介してケース7に支持されている。
図3に示すように、波動発生器4は、外歯歯車3の内側に配置され、軸線aまわりに回転可能である。そして、波動発生器4は、図4に示すように、自然状態では円形である外歯歯車3の胴部31の横断面を長軸Laおよび短軸Lbとする楕円形または長円形に変形させて、外歯33の一部、具体的には長軸Laの両側を内歯歯車2の内歯23に部分的に噛み合わせる。
図3に示すように、波動発生器4は、カム5と、カム5の外周に装着され、カム5と外歯歯車3との間に挟まれているベアリング6と、を有している。カム5は、軸線aまわりに回転する軸部51と、軸部51の一端部から外側に突出しているカム部52と、を有している。また、カム部52は、軸線aに沿った方向から見たときに長手形状、特に本実施形態では図4中の上下方向を長軸Laとする楕円形または長円形をなしている。ただし、カム部52の形状は、長手形状であれば、特に限定されない。軸部51には、例えば入力軸となる軸71が接続されている。軸71は、前述したモーター171の回転軸であり、図2に示すように、軸受13を介してケース7に支持されている。
ベアリング6は、図4に示すように、ボールベアリングであり、可撓性の内輪61および外輪63と、これらの間に配置されている複数のボール62(転動体)と、軸線aまわりの周方向での間隔を一定に保つように複数のボール62を保持している保持器64と、を有している。ベアリング6は、自然状態において、軸線aに沿った方向から見たときに円形をなしており、内側にカム部52が嵌め込まれることにより、カム部52の外周面に沿って楕円形または長円形に変形している。
内輪61は、カム5のカム部52の外周面に嵌め込まれ、カム部52の外周面に沿って楕円形または長円形に弾性変形している。それに伴って、外輪63も楕円形または長円形に弾性変形している。また、内輪61の外周面および外輪63の内周面は、それぞれ、複数のボール62を周方向に沿って案内させつつ転動させる軌道面611、631となっている。
なお、図4は、ベアリング6の全体構成を簡単に説明するための図であるため、説明の便宜上、ベアリング6の構成、特に保持器64の構成について簡略化して図示している。保持器64の詳細については、図5ないし図9を参照しつつ後述する。
このような波動発生器4は、カム5が軸線aまわりに回転することに伴って、カム部52の向きが変わり、それに伴って、外輪63も変形し、内歯歯車2および外歯歯車3の互いの噛み合い位置を周方向に移動させる。なお、内輪61は、カム部52の外周面に対して固定的に設置されているため、変形状態は変わらない。内歯歯車2および外歯歯車3の互いの噛み合い位置が周方向に移動することにより、内歯歯車2および外歯歯車3の歯数差に起因して、これらが軸線aまわりに相対的に回転する。つまり、内歯歯車2が固定されている基台110に対して、外歯歯車3が固定されている第1アーム120が軸線aまわりに回動する。
複数のボール62は、図5に示すように、内輪61と外輪63との間に配置されている。また、複数のボール62は、保持器64によって、ベアリング6の周方向にほぼ等間隔に並ぶように保持されている。これにより、隣り合う一対のボール62の間隔のばらつきが抑えられ、ベアリング6の特性低下を抑制することができる。また、ボール62の数は、奇数であっても、偶数であってもよいが、図4に示す長軸Laの両側にボール62が位置するタイミングが生じないという観点から、奇数であることが好ましい。これにより、長軸Laの両側にボール62が位置するときに生じる回転特性の悪化が抑制され、スムーズな回転が可能になる。なお、ボール62に代えて、ボール以外の転動体、例えばコロを用いるようにしてもよい。
保持器64は、図6に示すように、環状をなす基部65と、基部65から突出し、内輪61と外輪63との間に配置される複数の壁部66と、を有している。基部65の外形形状は、自然状態にあるとき円形である。また、基部65は、ベアリング6がカム5に嵌め込まれても、実質的にカム5からの力をほとんど受けないので、ほぼ円形を維持する。
複数の壁部66は、図5および図6に示すように、基部65の周方向に沿って等間隔に配置されている。また、複数の壁部66は、隣り合う一対の壁部66の間に1つのボール62が位置するように配置されている。つまり、ベアリング6では、周方向Cに沿って、ボール62と壁部66とが交互に並んで配置されている。このように、一対の壁部66の間に1つのボール62を配置することにより、複数のボール62を等間隔に配置することができる。なお、内輪61および外輪63が楕円形または長円形に変形する前の自然状態においては、ボール62は、その周方向Cの両側に位置する一対の壁部66の間において、緩く保持され、ボール62の若干の移動が許容されている。これにより、ボール62を保持しつつ、ボール62に加わる摩擦力を低減することができる。その結果、ボール62を空転させ易くすることができる。
壁部66は、軸線aに沿う位置から見たとき、図5に示すように、ボール62の外表面に対向する凹曲面をなす2つの側面を含んでいる。このような側面をボール62に対向させることにより、ボール62の回転を阻害することなく、ボール62を適切な位置に保持することができる。なお、壁部66の形状は、これに限定されない。
ここで、保持器64は、図7に示すように、壁部66が、内輪61と外輪63との間に設けられ、基部65は、内輪61と外輪63との間からはみ出している。具体的には、図8に示すように、基部65の径方向Rから見たとき、基部65は、外輪63とずれている。また、基部65は、図8には図示していないが、外輪63の陰にある内輪61ともずれている。また、径方向Rに沿う基部65の長さL1は、図9に示すように、径方向Rに沿う壁部66の長さL2より長くなっている。
このような構成によれば、外歯歯車3が弾性変形して、保持器64の壁部66と外輪63との間の距離が変化したとしても、基部65が、内輪61と外輪63との間の空間から軸方向Aにはみ出しているとともに、基部65の長さL1が壁部66の長さL2より長くなっているため、軸方向Aから見ると、基部65は、図9に示すように、外輪63および内輪61と重なる。そうすると、外歯歯車3が弾性変形したとしても、基部65と外輪63および内輪61との間では、隙間が拡大しにくくなる。その結果、図7に示す、基部65と外輪63との隙間673および基部65と内輪61との隙間671から流れ出す潤滑剤Gの量を抑えることができる。つまり、図2に矢印A1で示すような潤滑剤Gの流れを、隙間673、671によって規制することができる。これにより、ボール62の周囲の潤滑剤Gを良好に保持することができ、ボール62と内輪61との間やボール62と外輪63との間の潤滑性を高めることができる。その結果、歯車装置10の長寿命化を図ることができる。
以上のように、歯車装置10は、内歯歯車2と、外歯歯車3と、波動発生器4と、を有する。外歯歯車3は、内歯歯車2と部分的に噛み合って内歯歯車2に対して回転軸(軸線a)まわりに相対的に回転し、可撓性を有する。波動発生器4は、外歯歯車3の内側に設けられているベアリング6を備え、内歯歯車2と外歯歯車3との噛み合い位置を回転軸まわりの周方向に移動させる。このうち、ベアリング6は、外輪63と、外輪63の内側に設けられている内輪61と、外輪63と内輪61との間に設けられているボール62(転動体)と、ボール62を保持する保持器64と、を備えている。また、保持器64は、回転軸まわりの環状をなす基部65(第1基部)と、基部65から外輪63と内輪61との間に突出している壁部66と、を有する。
そして、基部65の径方向である径方向Rから見たとき、基部65は、外輪63および内輪61の双方とずれている。また、径方向Rに沿う基部65の長さL1は、径方向Rに沿う壁部66の長さL2より長くなっている。さらに、回転軸と平行な軸方向Aから見たとき、基部65は、外輪63および内輪61の少なくとも一方と重なっている。
このような歯車装置10によれば、外歯歯車3が弾性変形したとしても、基部65と外輪63との隙間673および基部65と内輪61との隙間671から流れ出す潤滑剤Gの量を抑えることができる。その結果、ボール62の周囲の潤滑剤Gを保持することができ、歯車装置10の長寿命化を図ることができる。
なお、基部65の長さL1は、壁部66の長さL2より長ければよいが、両者の差は、ボール62の直径、すなわち、内輪61と外輪63との距離に応じて適宜設定される。一例として、L1/L2の比は、1.05以上2.50以下であるのが好ましく、1.20以上2.00以下であるのがより好ましい。これにより、壁部66の機能を十分に確保しつつ、基部65と外輪63および内輪61との重なり幅も十分に確保することができる。
また、前述したように、軸方向Aから見たとき、基部65は、外輪63および内輪61の少なくとも一方と重なっていればよいが、図9に示す基部65(第1基部)は、外輪63および内輪61の双方と重なっている。これにより、基部65と外輪63との隙間673、および、基部65と内輪61との隙間671が、それぞれ径方向Rに沿って貫通する隙間として形成される。このため、隙間671、673を介した潤滑剤Gの軸方向Aに沿う流れを特に抑制することができる。また、外歯歯車3の内側に供給しておいた潤滑剤Gが、図2に矢印A1で示すように流れ出すとき、隙間671、673によってその量を規制することができる。このため、供給しておいた潤滑剤Gが枯渇するまでの時間を十分に長くすることができる。
なお、上記の構成は必須ではなく、例えば、基部65が外輪63と重なっている場合、内輪61とは必ずしも重なっていなくてもよい。同様に、基部65が内輪61と重なっている場合、外輪63とは必ずしも重なっていなくてもよい。
図2では、基部65が、ボール62の左側、すなわち、外歯歯車3のフランジ部32側に位置している。この場合、外歯歯車3の内部のうち、フランジ部32側に配置されている潤滑剤Gが、ボール62に直接触れることがなくなる。つまり、ボール62と、貯留されている潤滑剤Gと、の間を隔てるように、基部65が配置されている。このため、ボール62が回転するとき、潤滑剤Gがボール62に直接巻き込まれてしまうのを防止し、多量の潤滑剤Gが流れ出してしまうのを防止することができる。
一方、基部65は、図2とは反対側、つまり、外歯歯車3の開口311側に位置していてもよい。この場合、図2に矢印A1で示すように潤滑剤Gが流れるとき、ボール62の下流側に設けられた基部65によって、その流れをせき止めることができる。これにより、ボール62の周囲に潤滑剤Gを留まらせることができる。その結果、ボール62の潤滑性をより高めることができる。
また、基部65の外径は、外輪63が弾性変形したとしても、外輪63の外径以下であることが好ましい。具体的には、外輪63の外径は、回転に伴って伸長したり、短縮したりするが、基部65の外径は、短縮したときの外輪63の外径以下であることが好ましい。これにより、基部65は、常時、外輪63よりも外側、すなわち軸線aに対して遠方にはみ出しにくくなる。その結果、基部65と外歯歯車3との干渉を抑制することができ、保持器64や外歯歯車3の摩耗や損傷を抑制することができる。
なお、基部65の外径とは、基部65のうち、外径が最も大きくなる部位における外径のことをいう。
さらに、基部65の内径は、内輪61の内径以上であることが好ましい。具体的には、内輪61の内径は、カム部52の形状に応じて一定ではないが、内輪61の最も大きい内径以上であることが好ましい。これにより、基部65は、内輪61よりも内側(軸線aに対して近方)にはみ出しにくくなる。その結果、基部65と内歯歯車2との干渉を抑制することができ、保持器64や内歯歯車2の摩耗や損傷を抑制することができる。
なお、基部65の内径とは、基部65のうち、内径が最も小さくなる部位における内径のことをいう。
また、軸方向Aから見たとき、基部65の径方向Rに沿う外端653(一端)は、図9に示すように、径方向Rにおける外輪63の中央C3、すなわち外輪63の厚さの中心よりも外側に位置している。さらに、軸方向Aから見たとき、基部65の径方向Rに沿う内端651(他端)は、図9に示すように、径方向Rにおける内輪61の中央C1、すなわち内輪61の厚さの中心よりも内側に位置している。
このような構成によれば、軸方向Aから見たとき、基部65と外輪63との重なり幅、および、基部65と内輪61との重なり幅を、それぞれ十分に確保することができる。これにより、隙間671、673の径方向Rの長さを十分に確保することができるので、隙間671、673を介した潤滑剤Gの流れを必要かつ十分に規制することができる。
なお、基部65の外端653および内端651の位置は、上記に限定されず、外端653は、中央C3よりも内側に位置していてもよいし、内端651は、中央C1よりも外側に位置していてもよい。
また、外輪63は、図7に示す第1面6301を有する。第1面6301は、外輪63の表面のうち、軸方向Aと直交する部分である。基部65(第1基部)は、図7に示すように、第1面6301と対向し、第1面6301と平行な第2面6531を有する。第2面6531は、基部65の表面のうち、軸方向Aと直交する部分である。
さらに、内輪61は、図7に示す第3面6101を有する。第3面6101は、内輪61の表面のうち、軸方向Aと直交する部分である。基部65(第1基部)は、図7に示すように、第3面6101と対向し、第3面6101と平行な第4面6511を有する。第4面6511は、基部65の表面のうち、軸方向Aと直交する部分である。
このような構成によれば、外輪63が弾性変形したとしても、隙間671、673の距離が変化しにくい。このため、外輪63が弾性変形したとしても、隙間671、673を介した潤滑剤Gの流れを良好に規制することができる。なお、本明細書において「平行」とは、対象となる面同士のなす角度が0°の場合に加え、±5°の範囲内である場合も含む。
また、外輪63と基部65(第1基部)との距離、すなわち、隙間673の距離は、内輪61と基部65との距離、すなわち、隙間671の距離より大きいことが好ましい。これにより、外輪63が弾性変形し、それに伴って外輪63に捩れ等の変形が生じた場合でも、隙間673を設けたことによって、外輪63と基部65との接触を抑制することができる。その結果、基部65や外輪63の摩耗や損傷を抑制することができる。また、隙間673よりも狭い隙間671においては、潤滑剤Gの流れを特に抑制することができるので、ベアリング6全体において、潤滑剤Gの流れを良好に規制することができる。
さらに、ロボット100は、第1部材である基台110と、基台110に対して回動する第2部材である第1アーム120と、第1アーム120を基台110に対して回動させる駆動力を伝達する歯車装置10と、歯車装置10に向けて駆動力を出力する駆動源であるモーター171と、を備えている。
このような構成によれば、歯車装置10において長寿命化が図られるため、メンテナンスの手間がかからず、取り扱い性が良好なロボット100を実現することができる。
2.2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る歯車装置について説明する。
次に、第2実施形態に係る歯車装置について説明する。
図10は、第2実施形態に係る歯車装置が備えるベアリングを軸線aと平行な平面で切断したときの断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図10において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図10に示すベアリング6Aの保持器64Aは、基部65(第1基部)とは別の基部68(第2基部)を有すること以外、図7に示す保持器64と同様である。
図10に示す基部68は、ボール62を介して基部65とは反対側に設けられている。つまり、基部65は、ボール62(転動体)よりも、軸線a(回転軸)に沿う一端側、例えば図2のフランジ部32側に配置され、基部68は、ボール62よりも、軸線aに沿う他端側、例えば図2の開口311側に配置されている。保持器64Aは、このような基部68を有している。そして、この基部68は、基部65と同様、軸線aまわりの環状をなし、壁部66を介して基部65と接続されている。また、基部65と基部68との間にはボール62が配置されている。
このような構成によれば、壁部66の軸方向Aの両側を基部65、68によって支持することができる。これにより、壁部66の機械的強度を高めることができるので、壁部66の倒れ等の損傷が発生しにくくなり、保持器64Aの信頼性を高めることができる。
なお、壁部66は、その全てが基部65と基部68の双方に接続されていてもよいが、一部が接続されていなくてもよい。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
2.3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る歯車装置について説明する。
次に、第3実施形態に係る歯車装置について説明する。
図11は、第3実施形態に係る歯車装置が備えるベアリングを軸線aと平行な平面で切断したときの断面図である。図12は、図11のベアリングが備える保持器のみを示す正面図である。図13は、図12の保持器の変形例を示す正面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図11ないし図13において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図11および図12に示すベアリング6Bの保持器64B、ならびに、図13に示すベアリング6Cの保持器64Cは、基部65の構成が異なること以外、図7に示す保持器64と同様である。
図11および図12に示す基部65(第1基部)には、ボール62(転動体)に臨む面に開口する凹部655が設けられている。このような凹部655を設けることにより、ボール62と基部65との間の体積をより大きくすることができる。これにより、潤滑剤Gをボール62の周囲により多く留めることができる。その結果、ボール62の潤滑性をより長期にわたって良好に維持することができる。
また、図11および図12に示す基部65は、軸方向Aに沿う厚さが、凹部655よりも厚い凸部657を有している。凸部657は、軸線aまわりの環状をなし、凹部655の外側および内側にそれぞれ隣接している。このような凸部657は、より多くの潤滑剤Gを凹部655に留まらせる作用がある。これにより、ボール62の潤滑性をより長期にわたって良好に維持することができる。
なお、凸部657の厚さは、凹部655における基部65の厚さよりも厚ければよいが、1.1倍以上であるのが好ましく、1.5倍以上4.0倍以下であるのがより好ましい。
基部65に凹部655が設けられず、凸部657のみが設けられていてもよい。つまり、基部65には、基部65から軸方向Aに突出した凸部657が設けられていてもよい。この場合、凸部657は、図11の凸部657の右端から右側に突出した形態となる。
また、図12に示す凹部655は、基部65の周方向に沿って延在している。これにより、凹部655は、図12に示すように、環状をなすものとなる。その結果、全てのボール62に対し、潤滑性を高めることができる。
なお、図11では、壁部66の径方向Rにおける長さL2よりも、凹部655の径方向Rにおける長さL3の方が長くなっている。この場合、凹部655は、壁部66に遮られることなく、周方向につながることになる。このため、潤滑剤Gは、周方向に沿って凹部655を移動することもでき、それによってボール62の潤滑性の均一化を図ることができる。
さらに、図12に示す凸部657も、基部65の周方向に沿って延在している。これにより、凸部657は、図12に示すように、環状をなすものとなる。その結果、全てのボール62に対し、より長期にわたって潤滑性を良好に維持することができる。なお、凸部657の形状は、図12に示す形状に限定されず、途中で途切れていてもよい。
また、図13に示す凹部656は、ボール62の位置に合わせて凹部655を複数に分割してなるものである。このような凹部656によれば、特に、ボール62の周囲に選択的に潤滑剤Gを留まらせることができる。このため、潤滑剤Gの量が少ない場合でも、ボール62の潤滑性を高めることができる。さらに、凹部656を設けたことによる基部65の機械的強度の低下を最小限に留めることができる。
以上のような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上のような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
2.4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係る歯車装置について説明する。
次に、第4実施形態に係る歯車装置について説明する。
図14は、第4実施形態に係る歯車装置を軸線aと平行な平面で切断したときの断面図である。
本実施形態は、外歯歯車の構成およびそれに伴うケースの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図14において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図14に示す歯車装置10Cは、歯車装置本体1Cと、歯車装置本体1Cを収納しているケース7Cと、を有する。なお、ケース7Cは、省略してもよい。
歯車装置10Cは、ハット型、すなわち縁つき帽子型の外歯歯車3Cを有している。この外歯歯車3Cは、筒状の胴部31の一端部に接続され軸線aとは反対側に突出しているフランジ部32Cを有する。フランジ部32Cには、図示しない出力軸が取り付けられている。
ケース7Cは、軸受13を介して、例えば入力軸となる軸71を支持するとともに、前述した外歯歯車3Cのフランジ部32Cに取り付けられているクロスローラーベアリング18を有する。
ケース7Cは、内歯歯車2の一方、すなわち図14中右側の側面に対して例えばネジ止め等により固定されている。
クロスローラーベアリング18は、内輪15と、外輪16と、これらの間に配置されている複数のコロ17と、を有する。内輪15は、外歯歯車3Cの胴部31の外周に沿って設けられ、内歯歯車2の他方、すなわち図14中左側の側面に対して例えばネジ止め等により固定されている。外輪16は、前述した外歯歯車3Cのフランジ部32Cに例えばネジ止め等により固定されている。
本実施形態においても、ベアリング6は、前述した保持器64を有している。したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、図14では、保持器64の基部65が、外歯歯車3Cのフランジ部32C側に位置している。この場合も、第1実施形態と同様の効果が得られる。
一方、基部65は、図14とは反対側、つまり、外歯歯車3Cのフランジ部32Cとは反対側に位置していてもよい。この場合も、第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の歯車装置およびロボットを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、前記実施形態の各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、前記実施形態に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、ロボットが備える基台が「第1部材」、第1アームが「第2部材」であり、第1部材から第2部材へ駆動力を伝達する歯車装置について説明したが、本発明は、これに限定されず、第nアームが「第1部材」、第(n+1)アームが「第2部材」であり、第nアームおよび第(n+1)アームの一方から他方へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。なお、nは1以上の整数である。また、第2部材から第1部材へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。
また、前述した実施形態では、水平多関節ロボットについて説明したが、本発明のロボットは、これに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、垂直多関節ロボットにも適用可能である。
さらに、前述した実施形態では、歯車装置をロボットに組み込む場合を例に説明したが、本発明の歯車装置は、互いに回動する第1部材および第2部材の一方側から他方側へ駆動力を伝達する構成を有する各種機器に組み込んで用いることもできる。
1…歯車装置本体、1C…歯車装置本体、2…内歯歯車、3…外歯歯車、3C…外歯歯車、4…波動発生器、5…カム、6…ベアリング、6A…ベアリング、6B…ベアリング、6C…ベアリング、7…ケース、7C…ケース、10…歯車装置、10C…歯車装置、13…軸受、14…軸受、15…内輪、16…外輪、17…コロ、18…クロスローラーベアリング、23…内歯、31…胴部、32…フランジ部、32C…フランジ部、33…外歯、51…軸部、52…カム部、61…内輪、62…ボール、63…外輪、64…保持器、64A…保持器、64B…保持器、64C…保持器、65…基部、66…壁部、68…基部、71…軸、72…軸、100…ロボット、110…基台、120…第1アーム、130…第2アーム、140…作業ヘッド、141…スプラインシャフト、150…エンドエフェクター、160…配管、170…第1駆動部、171…モーター、190…制御装置、311…開口、611…軌道面、631…軌道面、651…内端、653…外端、655…凹部、656…凹部、657…凸部、671…隙間、673…隙間、6101…第3面、6301…第1面、6511…第4面、6531…第2面、A…軸方向、A1…矢印、C…周方向、C1…中央、C3…中央、G…潤滑剤、J1…第1軸、J2…第2軸、J3…第3軸、La…長軸、Lb…短軸、R…径方向、a…軸線
Claims (12)
- 内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内側に設けられているベアリングを備え、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、
を有し、
前記ベアリングは、
外輪と、
前記外輪の内側に設けられている内輪と、
前記外輪と前記内輪との間に設けられている転動体と、
前記回転軸まわりの環状をなす第1基部と、前記第1基部から前記外輪と前記内輪との間に突出している壁部と、を有し、前記転動体を保持する保持器と、
を備え、
前記第1基部の径方向から見たとき、前記第1基部は、前記外輪および前記内輪の双方とずれており、
前記径方向に沿う前記第1基部の長さは、前記径方向に沿う前記壁部の長さより長くなっており、
前記回転軸と平行な軸方向から見たとき、前記第1基部は、前記外輪および前記内輪の少なくとも一方と重なっていることを特徴とする歯車装置。 - 前記軸方向から見たとき、前記第1基部は、前記外輪と重なっている請求項1に記載の歯車装置。
- 前記軸方向から見たとき、前記第1基部は、前記内輪と重なっている請求項1に記載の歯車装置。
- 前記第1基部の外径は、前記外輪の外径以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の歯車装置。
- 前記第1基部の内径は、前記内輪の内径以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の歯車装置。
- 前記軸方向から見たとき、前記第1基部の前記径方向に沿う一端は、前記径方向における前記外輪の中央よりも外側に位置し、
前記軸方向から見たとき、前記第1基部の前記径方向に沿う他端は、前記径方向における前記内輪の中央よりも内側に位置している請求項1ないし5のいずれか1項に記載の歯車装置。 - 前記外輪は、第1面を有し、
前記第1基部は、前記第1面と対向し、前記第1面と平行な第2面を有し、
前記内輪は、第3面を有し、
前記第1基部は、前記第3面と対向し、前記第3面と平行な第4面を有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の歯車装置。 - 前記外輪と前記第1基部との距離は、前記内輪と前記第1基部との距離より大きい請求項1ないし7のいずれか1項に記載の歯車装置。
- 前記保持器は、前記回転軸まわりの環状をなし、前記壁部を介して前記第1基部と接続されている第2基部を有し、
前記第1基部と前記第2基部の間に前記転動体が配置されている請求項1ないし8のいずれか1項に記載の歯車装置。 - 前記第1基部は、前記転動体に臨む面に開口する凹部が設けられている請求項1ないし9のいずれか1項に記載の歯車装置。
- 前記凹部は、前記第1基部の周方向に沿って延在している請求項10に記載の歯車装置。
- 第1部材と、
前記第1部材に対して回動する第2部材と、
前記第2部材を前記第1部材に対して相対的に回動させる駆動力を伝達する請求項1ないし11のいずれか1項に記載の歯車装置と、
前記歯車装置に向けて前記駆動力を出力する駆動源と、
を備えることを特徴とするロボット。
Priority Applications (1)
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JP2020041247A JP2021143692A (ja) | 2020-03-10 | 2020-03-10 | 歯車装置およびロボット |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023079700A1 (ja) * | 2021-11-05 | 2023-05-11 | 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ | 波動歯車装置用軸受 |
-
2020
- 2020-03-10 JP JP2020041247A patent/JP2021143692A/ja active Pending
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WO2023079700A1 (ja) * | 2021-11-05 | 2023-05-11 | 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ | 波動歯車装置用軸受 |
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