JP5316691B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入出力間の回転速度(回転数)を変化させることが可能な動力伝達装置に関する。
従来、入出力間の回転速度(回転数)の比、即ち変速比を変化させる動力伝達装置が知られている。そして、その動力伝達装置の中には、変速比を無段階に変化させる無段変速機、例えば複数の回転要素からなる所謂トラクション遊星ギヤ機構により構成されたものが存在している。トラクション遊星ギヤ機構には、共通の回転中心軸を有する相互間での相対回転が可能な第1から第4の回転要素と、その回転中心軸とは別の回転中心軸を有する第5回転要素としての転動部材と、を備えたものがある。第1回転要素は、円柱状又は円筒状に成型されてサンローラとして機能する。この第1回転要素の外周面には、複数個の転動部材(遊星ボール)が放射状に配置される。第2回転要素は、キャリアとしての機能を為すものであり、自身の回転中心軸を中心にして支持対象の各転動部材を一緒に回転(公転)させる。第3及び第4の回転要素は、環状又は円盤状に成型されて遊星歯車機構で云うところのリングギヤの機能を為すものであり、夫々で各転動部材を挟持する。転動部材は、その公転に加えて、自身の回転中心軸を中心にした自転を行う。この主のトラクション遊星ギヤ機構においては、第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素と第4回転要素との間で各転動部材を介したトルク伝達が為される。例えば、下記の特許文献1には、この種の無段変速機が開示されている。この特許文献1に記載の無段変速機においては、遊星ボールの一部をピボット支持物の環状部で覆い、これらに支持軸を貫通させて一体化させている。支持軸は、遊星ボールの中心を通る。そのピボット支持物は、自身の切欠き部をキャリアの延設ピンに嵌め込むことでキャリアに支持されている。これにより、遊星ボールは、キャリアと一体になって公転する。また、この特許文献1に記載の無段変速機においては、隣り合う遊星ボールをピボット支持物の環状部に両端を嵌合させた細い棒状部材で繋いでいる。
特開2008−069979号公報
しかしながら、上述した従来の無段変速機においては、第3回転要素と第4回転要素との間の回転速度(回転数)、つまりその間のトルクが異なる場合、個々の転動部材(遊星ボール)における第3回転要素との接触部分と第4回転要素との接触部分とに逆方向の力が発生する。夫々の接触部分が転動部材の重心位置よりも転動部材の回転中心軸の軸線方向に向けてオフセットされているので、その夫々の力は、転動部材にスピンモーメントを発生させ、そのモーメント方向に転動部材の回転中心軸をずらす可能性がある。これが為、そのずれが生じた場合には、平行であるべき転動部材の回転中心軸と第1回転要素(サンローラ)の回転中心軸との間の平行状態が崩れ、転動部材と第1回転要素との間にスキューが発生する。従って、この場合の無段変速機は、転動部材と第1回転要素との間にスラスト力が発生し、それが熱として逸散してしまうので、トルクの伝達効率が低下してしまう。尚、特許文献1に記載の無段変速機においては、隣り合う遊星ボールが細い棒状部材で繋がれているが、夫々の遊星ボールに発生するスピンモーメントを打ち消すことができない。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、トルク伝達効率の低下を抑制可能な動力伝達装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明に係る動力伝達装置は、対向させて配置した共通の回転中心軸を有する相対回転可能な2つの回転要素と、該回転中心軸と平行な別の回転中心軸を有し、前記各回転要素の間に当該各回転要素の回転中心軸を中心にして放射状に複数配置した転動部材と、一方の前記回転要素と前記各転動部材との夫々の接触点及び他方の前記回転要素と前記各転動部材との夫々の接触点を当該各転動部材の傾転動作によって変えることで当該各回転要素の間の回転比を変化させる変速制御部と、前記転動部材に対して土星輪状に配設し、該転動部材における自転方向及び傾転時の回転方向とは異なる方向のスピンモーメントが当該転動部材に対して発生した際に、該スピンモーメントの方向へと当該転動部材と共に回転可能な環状部材と、夫々の隣接する前記転動部材を覆う夫々の前記環状部材の間に配設して、前記各転動部材に発生する夫々の前記スピンモーメントの少なくとも一部を隣り合う夫々の前記環状部材を介して相殺し、該スピンモーメントに伴う前記転動部材の回転を抑制する回転抑制部と、を備えたことを特徴としている。
この動力伝達装置は、前記2つの回転要素と共通の回転中心軸上で当該各回転要素に対する相対回転が可能な3つ目の回転要素と、該3つの回転要素と共通の回転中心軸上で当該各回転要素に対する相対回転が可能で且つ前記各転動部材を前記各回転要素の回転中心軸を中心にして回転させることが可能な4つ目の回転要素と、を更に備え、前記3つ目の回転要素の外周面上に前記各転動部材を配置したものであることが好ましい。
ここで、前記回転抑制部は、隣接する夫々の前記環状部材の間に配置した凸曲面体を備えると共に、その内の一方の環状部材と一体になって動くよう設けた第1凸曲面体保持部及び他方の環状部材と一体になって動くよう設けた第2凸曲面体保持部を備え、前記凸曲面体を前記第1及び第2の凸曲面体保持部の夫々の凹曲面の間で相互間の曲面に沿った可動が自在になるよう挟持したものであることが望ましい。
また、前記回転抑制部は、隣接する夫々の前記環状部材の内の一方と一体になって動くよう設けた凸曲面部と、他方の環状部材と一体になって動くよう設けると共に、前記凸曲面部の凸曲面を曲面に沿った可動が自在になるよう噛み合わせる凹曲面が形成された凹曲面部と、を備えることが望ましい。
また、前記回転抑制部は、隣接する夫々の前記環状部材の内の一方と一体になって動くよう設けた第1係合部と、他方の環状部材と一体になって動くよう設けた第2係合部と、前記第1係合部と前記第2係合部との接合角度を自在に変化させる接続部と、を備えた自在継手であることが望ましい。
本発明に係る動力伝達装置は、その回転抑制部によって、夫々の転動部材にスピンモーメントが発生しても、自身のスピンモーメントによる力を隣の転動部材のスピンモーメントによる力で打ち消して、各々のスピンモーメントの少なくとも一部を相殺するので、夫々の転動部材でスピンモーメントによる回転が抑えられる。これが為、この動力伝達装置においては、各回転要素と転動部材との間におけるスラスト力の発生が抑えられるので、トルクの伝達効率の低下を抑制することができる。
図1は、本発明に係る動力伝達装置の一例である無段変速機を示す部分断面図である。 図2は、遊星ボールや環状部材等の組み付け前の状態を示す斜視図である。 図3は、遊星ボールや環状部材等の組み付け後の状態を示す斜視図である。 図4は、図1における矢印Xの方向から観た主要部分のみの概念図である。 図5は、図1における矢印Xの方向から観た主要部分のみを同一平面上に展開した展開図である。 図6は、図1におけるY−Y線で切った断面図であって、実施例1の遊星ボール及び回転抑制部を示す図である。 図7は、図1におけるY−Y線で切った断面図であって、実施例2の遊星ボール及び回転抑制部を示す図である。 図8は、図1におけるY−Y線で切った断面図であって、実施例3の遊星ボール及び回転抑制部を示す図である。
以下に、本発明に係る動力伝達装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例1]
本発明に係る動力伝達装置の実施例1を図1から図6に基づいて説明する。ここでは、その動力伝達装置として無段変速機を例に挙げて説明する。
最初に、本実施例1の無段変速機の一例について図1を用いて説明する。図1の符号10は、本実施例1の無段変速機を示す。この無段変速機10は、変速部を成す無段変速機構を有する。
その無段変速機構は、共通の回転中心軸R1を有する相互間での相対回転が可能な第1から第4の回転要素11〜14と、その回転中心軸R1とは別の回転中心軸R2を有する複数の第5回転要素15と、を備えた所謂トラクション遊星ギヤ機構と云われるものである。この無段変速機10においては、第1回転要素11と第2回転要素12と第3回転要素13と第4回転要素14との間で各第5回転要素15を介したトルクの伝達が行われる。以下においては、特に言及しない限り、その回転中心軸R1や回転中心軸R2に沿う方向を軸線方向と云い、その回転中心軸R1周りの方向を周方向と云う。また、その回転中心軸R1に直交する方向を径方向と云い、その中でも、内方に向けた側を径方向内側と、外方に向けた側を径方向外側と云う。尚、その第1から第5の回転要素11〜15は、相互間での軸線方向への相対移動が行われないように構成されている。
この無段変速機10においては、第1から第4の回転要素11〜14の内の少なくとも1つがトルクの入力部となり、残りの回転要素の内の少なくとも1つがトルクの出力部となる。これが為、この無段変速機10においては、入力部となる何れかの回転要素と出力部となる何れかの回転要素との間の回転速度(回転数)の比が変速比となる。例えば、この無段変速機10は、車両の動力伝達経路上に配設される。その際には、その入力部がエンジンやモータ等の動力源側に連結され、その出力部が駆動輪側に連結される。
ここで、この無段変速機10においては、第1回転要素11がトラクション遊星ギヤ機構のサンローラとして機能し、第2回転要素12がキャリアとして機能する。また、第3及び第4の回転要素13,14は、遊星歯車機構で云うところのリングギヤの機能を為すものとなる。また、第5回転要素15は、トラクション遊星ギヤ機構におけるボール型ピニオンとして機能し、回転中心軸R2を中心とした自転と回転中心軸R1を中心とした公転とを行う。以下、第1回転要素11については「サンローラ11」と云い、第2回転要素12については「キャリア12」と云う。また、第3及び第4の回転要素13,14については各々「第1及び第2のリング13,14」と云い、第5回転要素15については「遊星ボール15」と云う。
サンローラ11は、回転中心軸R1を回転軸とした円柱状又は円筒状に成型する。このサンローラ11の外周面には、複数個の遊星ボール15が放射状に略等間隔で配置される。従って、このサンローラ11においては、その外周面が遊星ボール15の自転の際の転動面となる。このサンローラ11は、自らの回転動作によって夫々の遊星ボール15を転動(自転)させる場合もあれば、夫々の遊星ボール15の転動動作(自転動作)に伴って回転する場合もある。
その遊星ボール15について詳述する。遊星ボール15は、サンローラ11の外周面上を転がる転動部材である。この遊星ボール15は、完全な球状体であることが好ましいが、少なくとも転動方向にて球形を成すもの、例えばラグビーボールの様な断面が楕円形状のものであってもよい。この遊星ボール15は、その中心を通って貫通させた支持軸16によって回転自在に支持する。例えば、遊星ボール15は、支持軸16の外周面との間に配設した軸受(図示略)によって、回転中心軸R2を回転軸とした支持軸16に対する相対回転(つまり自転)ができるようにしている。従って、この遊星ボール15は、支持軸16を中心にしてサンローラ11の外周面上を転動することができる。
この支持軸16は、その回転中心軸R2が回転中心軸R1を含む平面上に来るよう配設する。この支持軸16の基準となる位置は、図1に実線で示すように、その回転中心軸R2が回転中心軸R1と平行になる位置である。この支持軸16は、その平面内において、基準位置とそこから傾斜させた位置との間を遊星ボール15と共に揺動(傾転)することができる。その傾転は、その平面内で遊星ボール15の中心を支点にして行われる。
この無段変速機10には、夫々の遊星ボール15を傾転させることで無段変速機構を変速動作させる変速制御部17が設けられている。その変速制御部17は、例えば前述した特許文献1に記載の如きもののように、後述する環状部材21に対してその中心から径方向内側へと離れた位置に軸線方向の往復の力を加えることができるものである。この変速制御部17は、その環状部材21や遊星ボール15に傾転力を作用させ、これらを遊星ボール15の中心を支点にして上記の平面内で傾転させる。その遊星ボール15の傾転角は、例えば図1の基準位置を0度とする。この変速制御部17は、例えば電動モータ等の電動アクチュエータや油圧アクチュエータなどの駆動部と、この駆動部を制御する電子制御装置(ECU)と、を備えている。この変速制御部17は、その駆動部による環状部材21に対する上記の往復の力を調整することで傾転角の制御を行う。
ここで、上述した変速制御部17は、例えば、遊星ボール15から突出させた支持軸16の両端部に夫々一端を取り付けると共に他端を回転中心軸R1側に配置した傾転用アームと、この一対の傾転用アームを動作させる例えば電動モータ等の電動アクチュエータや油圧アクチュエータなどの駆動部と、を備えるものとしてもよい。この変速制御部17においては、駆動部が夫々の傾転用アームを長手方向で且つ上記の平面に沿って各々逆方向に動かし、支持軸16と遊星ボール15に傾転力を作用させる。これにより、この変速制御部17は、支持軸16を傾斜させ、これに連動して遊星ボール15を傾転させる。駆動部は、その動作が電子制御装置(ECU)によって制御される。夫々の傾転用アームは、回転中心軸R1を中心にして放射状に配置され、同じく放射状に形成されたキャリア12の溝に収められる。
この例示においては、支持軸16の両端部を遊星ボール15から突出させており、その両端部に傾転を正しい方向へと案内するガイド部材18が設けられている。そのガイド部材18は、例えば球体等の凸曲面体によるガイドボールとする。このガイド部材18は、傾転時に遊星ボール15や支持軸16と一体になって移動する。本実施例1の遊星ボール15は、図2及び図3に示すように、その一部が土星の輪の如き環状部を有する環状部材21で覆われている。その環状部材21は、その環状部の中心を遊星ボール15の重心に一致させ、且つ、遊星ボール15の外周面の一部に対して同等の間隔を空けて配置する。この環状部材21には、支持軸16が挿入されている遊星ボール15の貫通孔15aと対向する環状部の2箇所に貫通孔21aが形成されている。その夫々の貫通孔21aには、環状部の径方向内側部分に支持軸16の端部が挿入される一方、径方向外側部分にガイド部材18の一部が挿入される。この環状部材21と支持軸16は、例えば軸受(図示略)を介して回転中心軸R2を回転軸とする相対回転ができるようになっている。一方、この環状部材21とガイド部材18は、一体となって動くように嵌合されている。
更に、この無段変速機10には、遊星ボール15の傾転に伴い一緒になって移動する夫々のガイド部材18(ここでは環状部材21から突出している部分)を上記の平面に沿って案内する第1及び第2のガイド部19,20が設けられている。その第1及び第2のガイド部19,20は、例えばガイド部材18の形状に合わせた溝形状のものであってもよく、また、例えば対向する2つの壁面等でガイド部材18を案内させるものであってもよい。その第1及び第2のガイド部19,20は、キャリア12と一体になって回転中心軸R1を回転軸とした回転を行う。その際、第1及び第2のガイド部19,20は、その壁面で支持軸16の両端のガイド部材18に押圧力を加える。従って、各遊星ボール15は、キャリア12と一体になって回転中心軸R1を回転軸とした回転(公転)を行う。
そのキャリア12は、サンローラ11や第1及び第2のリング13,14に対する回転中心軸R1を回転軸とした相対回転が可能な回転部材である。例えば、このキャリア12は、回転中心軸R1を回転軸とする円盤部を少なくとも1枚有するものである。この例示においては、第2ガイド部20側に配設する。
第1及び第2のリング13,14は、回転中心軸R1を回転軸とする円環状に成型した回転部材であり、軸線方向で対向させて各遊星ボール15を挟み込むように配設する。具体的に、この第1及び第2のリング13,14は、各遊星ボール15の径方向外側の外周曲面と接触する接触面を有している。その夫々の接触面は、遊星ボール15の外周曲面の曲率と同等の曲率の凹円弧面を成している。ここでは、回転中心軸R1から各遊星ボール15との接触部分までの距離が同じ長さになるように夫々の接触面を形成して、第1及び第2のリング13,14の各遊星ボール15に対する夫々の接触角が同じ角度になるようにしている。その接触角とは、基準から各遊星ボール15との接触部分までの角度のことである。ここでは、径方向を基準にしている。その夫々の接触面は、遊星ボール15の外周曲面に対して点接触又は線接触している。尚、その線接触における接触線の向きは、上述した遊星ボール15の傾転時の平面に対する直交方向である。また、夫々の接触面は、第1及び第2のリング13,14に対して遊星ボール15に向けた軸線方向の力を加えた際に、その遊星ボール15に対して径方向内側で且つ斜め方向の力が加わるように形成されている。
この無段変速機10においては、夫々の遊星ボール15の傾転角が0度のときに、第1リング13と第2リング14とが同一回転速度(同一回転数)で回転する。つまり、このときには、第1リング13と第2リング14の回転比(回転速度又は回転数の比)が1になっている。一方、夫々の遊星ボール15を基準位置から傾転させた際には、第1リング13との接触部分(接触点)及び第2リング14との接触部分(接触点)が変わり、支持軸16の中心軸から第1リング13との接触部分までの距離が変化すると共に、支持軸16の中心軸から第2リング14との接触部分までの距離が変化する。これが為、第1リング13又は第2リング14の内の何れか一方が基準位置のときよりも高速で回転し、他方が低速で回転するようになる。例えば第2リング14は、遊星ボール15を一方へと傾転させたときに第1リング13よりも低回転になり(増速)、他方へと傾転させたときに第1リング13よりも高回転になる(減速)。従って、この無段変速機10においては、その傾転角を変えることによって、第1リング13と第2リング14との間の回転比を無段階に変化させることができる。尚、ここでの増速時には、図1における上側の遊星ボール15を紙面時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール15を紙面反時計回り方向に傾転させる。また、減速時には、図1における上側の遊星ボール15を紙面反時計回り方向に傾転させ且つ下側の遊星ボール15を紙面時計回り方向に傾転させる。
この無段変速機10には、第1又は第2のリング13,14の内の少なくとも何れか一方を各遊星ボール15に押し付けて、第1及び第2のリング13,14と各遊星ボール15との間に挟圧力を発生させる押圧部(図示略)が設けられている。その押圧部は、軸線方向の力(押圧力)を発生させることで、その間に挟圧力を生じさせる。その押圧力は、各遊星ボール15を介したサンローラ11と第1リング13と第2リング14との間のトルク伝達を維持し得る大きさとする。例えば、この押圧部は、電動アクチュエータや油圧アクチュエータ等の駆動源であってもよく、配設対象の第1又は第2のリング13,14の回転に伴い押圧力を発生させるトルクカム等の機構であってもよい。本実施例1においては、後者のトルクカム22が配設されている。この無段変速機10においては、その押圧部を動作させて押圧力を発生させることで、第1及び第2のリング13,14と各遊星ボール15との間に挟圧力が生じ、その間に摩擦力が発生する。
この無段変速機10では、その摩擦力によって、サンローラ11の回転に伴い夫々の遊星ボール15が転動し、その夫々の遊星ボール15の自転による回転トルクが第1及び第2のリング13,14に伝わって、これらを回転させる。その際には、キャリア12が夫々の遊星ボール15と共に回転中心軸R1を中心にして回転している。また、この無段変速機10では、第1リング13の回転に伴う各遊星ボール15の自転による回転トルクがサンローラ11と第2リング14に伝わって、これらを回転させる。また、この無段変速機10では、第2リング14の回転に伴う各遊星ボール15の自転による回転トルクがサンローラ11と第1リング13に伝わって、これらを回転させる。更に、この無段変速機10においては、キャリア12の回転に連動して夫々の遊星ボール15が公転しながら自転し、その自転による回転トルクがサンローラ11並びに第1及び第2のリング13,14に伝わって、これらを回転させる。
尚、上述した第3及び第4の回転要素13,14には、上述した円環状の第1及び第2のリング13,14に替えて、その第1及び第2のリング13,14と同じ接触面を有し且つ回転中心軸R1を回転軸とする円盤状の回転部材を採用してもよい。
ところで、この無段変速機10においては、前述したように第1リング13と第2リング14とが異なる回転速度(回転数)で回転する場合があり、その場合、各遊星ボール15における第1リング13との接触部分と第2リング14との接触部分とに逆方向の力が発生する(図4)。その夫々の力は、第1リング13、第2リング14及び遊星ボール15の回転に伴う接触部分における接線方向の力(接線力)である。例えば、第1リング13をトルクの入力側、第2リング14をトルクの出力側とした場合、第1リング13との接触部分の接線力は、第1リング13の回転方向に沿った方向に働き、第2リング14との接触部分の接線力は、第2リング14の回転方向とは逆向きに働く。ここで、その遊星ボール15における第1リング13や第2リング14との接触部分は、遊星ボール15の外周面上でその重心位置よりも回転中心軸R2の軸線方向に向けて所定量オフセットさせた位置に設けている。これが為、その夫々の接線力は、遊星ボール15にスピンモーメントを発生させる。この例示の遊星ボール15には、その重心位置を中心にしたスピンモーメントが発生する。そのスピンモーメントは、遊星ボール15の自転方向や傾転時の回転方向とは違う回転方向に働く。更に、その遊星ボール15は、遊星ボール15と支持軸16との間の軸受、支持軸16及び支持軸16と環状部材21との間の軸受によって、環状部材21と一体になって動くこともできる。従って、遊星ボール15で発生したスピンモーメントは、それらを介して環状部材21にも伝わる。図4は、図1における矢印Xの方向から観た図であるが、図示の便宜上、主要部分のみ示す概念図にしている。
ここで、この無段変速機10においては、前述したように遊星ボール15の傾転動作を案内するガイド部材18と第1及び第2のガイド部19,20とが設けられている。そのガイド部材18と第1及び第2のガイド部19,20との間には、案内を引っ掛かり無く円滑に行わせる為に、例えば図4に示すような隙間が形成されている。また、変速制御部17が上述した傾転用アーム等を用いたものであるならば、その傾転用アームとキャリア12の溝との間に案内を円滑にする隙間が形成されている。これらのガイド部分における隙間は、遊星ボール15を自転方向又は傾転時の回転方向以外へと回転させてしまう要因となり、上記のスピンモーメントの発生時にそのモーメント方向へと遊星ボール15を回転させる(例えば図4における実線で示すガイド部材18から二点鎖線で示すガイド部材18の状態に変位する)。
このことから、遊星ボール15の回転中心軸R2は、スピンモーメントの発生していない状態で回転中心軸R1と平行になっているが、スピンモーメントの発生時に回転中心軸R1に対してそのモーメント方向へとずれてしまう。つまり、スピンモーメントの発生時には、サンローラ11の回転中心軸R1と遊星ボール15の回転中心軸R2との間の平行状態が崩れてしまい、回転中心軸R2が上述した平面内から外れてしまう。これが為、スピンモーメントの発生時には、上記の隙間とスピンモーメントによって、サンローラ11と遊星ボール15との間にスキューが発生する。換言するならば、この場合のサンローラ11と遊星ボール15は、スキューギヤ(ねじ歯車)に類するような状態になる。更に、同様のスキューは、第1及び第2のリング13,14と遊星ボール15との間においても発生する。従って、スピンモーメント発生時の無段変速機10においては、サンローラ11と夫々の遊星ボール15との間に、更には第1及び第2のリング13,14と夫々の遊星ボール15との間に各々スラスト力が発生し、それらが熱として逸散してしまうので、トルクの伝達効率が低下してしまう。尚、その隙間を小さくすることでトルクの伝達効率の低下代を狭めることができるが、その反面、遊星ボール15に傾転力を発生させる為に過大な力を要するので、駆動部の大型化、延いては無段変速機10の大型化を招いてしまう。
全ての遊星ボール15のスピンモーメントMは、共通の方向に且つ同じ大きさで発生しており、そのまま自身を覆う環状部材21にも伝わっている。図5は、その状態を表したものであり、或る時点におけるスピンモーメントMの方向や大きさの一例を示している。これが為、隣り合う遊星ボール15や環状部材21の近接部分においては、スピンモーメントMによる力Fが各々逆方向に且つ同じ大きさで働いており、その力Fを隣の遊星ボール15に伝え合うことで、各々の力Fが打ち消されて、スピンモーメントMが相殺されることになる。図5は、図1における矢印Xの方向から観た図であるが、図示の便宜上、主要部分のみ示し且つ隣り合う遊星ボール15を同一平面上に展開させた概念図にしている。
そこで、本実施例1においては、隣接する遊星ボール15における互いのスピンモーメントMを利用し、その隣接する遊星ボール15の間でスピンモーメントM(力F)が打ち消されるようにする。その為に、この無段変速機10には、隣接する遊星ボール15に発生する夫々のスピンモーメントMの少なくとも一部を隣り合う遊星ボール15の間で相殺し、遊星ボール15における自転方向及び傾転時の回転方向とは異なる方向の回転を抑制させる回転抑制部30を設ける(図5)。その回転抑制部30は、夫々の隣接する遊星ボール15の間に配設する。
本実施例1の回転抑制部30は、図5及び図6に示す如く、隣接する遊星ボール15の間に配置した凸曲面体31を備えると共に、その内の一方の遊星ボール15と一体になって動くよう設けた第1凸曲面体保持部32及び他方の遊星ボール15と一体になって動くよう設けた第2凸曲面体保持部33を備え、その凸曲面体31を第1及び第2の凸曲面体保持部32,33の間で相互間の曲面に沿った可動が自在になるよう保持したものである。
凸曲面体31としては、例えば球体を用いる。その場合、凸曲面体31は、完全な球状体であることが好ましいが、少なくとも可動範囲(つまり第1及び第2の凸曲面体保持部32,33との接触範囲)においてその可動を阻害しない凸曲面(例えば球面)を成すものであればよい。
一方、第1及び第2の凸曲面体保持部32,33は、遊星ボール15に自転方向以外の方向へと力が加わった際に当該遊星ボール15と一体になって動く部材に設ける。ここでは、そのような部材として環状部材21が存在しているので、隣接する遊星ボール15の内の一方を覆う環状部材21に第1凸曲面体保持部32を設け、且つ、他方の遊星ボール15を覆う環状部材21に第2凸曲面体保持部33を設ける。その第1及び第2の凸曲面体保持部32,33は、例えば環状部材21の外周面に凹設した凹みであり、凸曲面体31の凸曲面に対応させた凹曲面を有している。
更に、その凸曲面体31の凸曲面と第1及び第2の凸曲面体保持部32,33の凹曲面は、遊星ボール15を傾転させる際の遊星ボール15や環状部材21等の傾転動作を妨げない曲面形状とする。
また、この回転抑制部30においては、その動作に伴う耐久性を担保すべく、例えば、凸曲面体31を鋼で成型すると共に、環状部材21(第1及び第2の凸曲面体保持部32,33)をバネ鋼で成型すればよい。
この回転抑制部30においては、その第1及び第2の凸曲面体保持部32,33で凸曲面体31を挟み込み、その凹曲面で凸曲面体31を可動自在に保持する。
隣接する夫々の遊星ボール15にスピンモーメントMが発生した場合、凸曲面体31には、一方のスピンモーメントMによる力Fが第1凸曲面体保持部32を介して加わると共に、他方のスピンモーメントMによる力Fが第2凸曲面体保持部33を介して加わる。その夫々の力Fは、同じ大きさではあるが逆方向に働いているので、互いに打ち消される。このことは、全ての隣接する遊星ボール15の間で起こる。これが為、この無段変速機10においては、全ての遊星ボール15でスピンモーメントMによる回転が抑えられるので、サンローラ11と夫々の遊星ボール15との間、そして第1及び第2のリング13,14と夫々の遊星ボール15との間の平行状態、つまり回転中心軸R1,R2の平行状態が保たれる。従って、この無段変速機10においては、それらの間におけるスラスト力の発生が抑えられるので、トルクの伝達効率の低下を抑制することができる。
この回転抑制部30は、このようにスピンモーメントMが発生してもトルクの伝達効率の低下を抑えることができるが、配置される遊星ボール15の数や間隔等を従来のものから大きく変化させることがなく、そして、従来から存在している隣接する遊星ボール15の隙間部分に配設するので、トルク伝達効率の低下の抑制を無段変速機10の大型化を招くことなく実現できる。また、この回転抑制部30は、遊星ボール15や環状部材21等の傾転動作を阻害することなく、トルク伝達効率の低下を抑えることができる。更に、この回転抑制部30は、その凸曲面体31の大きさを変えることで隣り合う環状部材21の間隔を調整できるので、略等間隔で放射状に配置される遊星ボール15の間隔を高精度に管理することが可能になる。
ここで、凸曲面体31は、図6に示す如く、その重心が全ての遊星ボール15の重心を結ぶ円(回転中心軸R1を中心とする円)の上に来るよう配置することが好ましい。その際には、この凸曲面体31の配置に合わせて第1及び第2の凸曲面体保持部32,33を設けるべく、必要であれば環状部材21の形状を決めればよい。これにより、遊星ボール15等は、その傾転動作をより円滑に行える。また、凸曲面体31は、スピンモーメントMの発生時にそれ以外のモーメントによる力が加わり難くなるので、第1及び第2の凸曲面体保持部32,33からの脱落を回避し易くなる。
また、第1及び第2の凸曲面体保持部32,33は、環状部材21の外周面を凹ませたものとしているが、例えばその環状部材21の外周面から突設させた突設部に設けてもよい。
[実施例2]
本発明に係る動力伝達装置の実施例2を図7に基づいて説明する。本実施例2においても、その動力伝達装置として無段変速機を例に挙げて説明する。
本実施例2の無段変速機10は、実施例1における回転抑制部30を別の形態へと変えたものである。
例えば、実施例1の回転抑制部30は、環状部材21に相当するものを有する従来の無段変速機に対して、凸曲面体31と云う新たな部品が必要になり、コストの増加を招く虞がある。そこで、本実施例2の無段変速機10においては、コストの増加を抑える為に図7に示す回転抑制部130に置き換える。
その回転抑制部130は、隣接する遊星ボール15の内の一方と一体になって動くよう設けた凸曲面部131と、他方の遊星ボール15と一体になって動くよう設けると共に、その凸曲面部131の凸曲面を曲面に沿った可動が自在になるよう噛み合わせる凹曲面が形成された凹曲面部132と、を備えるものである。
凸曲面部131としては、例えば球状に成型したものを用いる。その場合、凸曲面部131は、完全な球状であることが好ましいが、少なくとも可動範囲(つまり凹曲面部132との接触範囲)においてその可動を阻害しない凸曲面(例えば球面)を成すものであればよい。このような外形を成す凸曲面部131は、遊星ボール15に自転方向以外の方向へと力が加わった際に当該遊星ボール15と一体になって動く部材に設ける。ここでは、そのような部材として環状部材21が存在しているので、隣接する遊星ボール15の内の一方を覆う環状部材21に凸曲面部131を突設する。つまり、この凸曲面部131は、実施例1における一方の環状部材21に凸曲面体31を一体化したが如きものとなっている。従って、この回転抑制部130は、凸曲面体31を個別の部品として用意した実施例1よりもコストを抑えることができる。
一方、凹曲面部132は、その凸曲面部131の凸曲面に対応させた凹曲面を有している。この凹曲面部132についても、凸曲面部131と同じように、遊星ボール15に自転方向以外の方向へと力が加わった際に当該遊星ボール15と一体になって動く部材(ここでは環状部材21)に設ける。つまり、この凹曲面部132は、環状部材21の外周面に凹設した凹み又はその外周面からの突設部に凹設した凹みであり、実施例1の第1及び第2の凸曲面体保持部32,33と同等のものである。
この回転抑制部130においても、その凸曲面部131の凸曲面と凹曲面部132の凹曲面は、遊星ボール15等の傾転動作を妨げない曲面形状とする。この回転抑制部130は、例えばバネ鋼等で成型して耐久性を向上させればよい。
この回転抑制部130の場合、隣接する夫々の遊星ボール15にスピンモーメントMが発生したならば、凸曲面部131には、一方のスピンモーメントMによる力Fが自身の基部である環状部材21に加わることで加えられると共に、他方のスピンモーメントMによる力Fが凹曲面部132を介して加わる。
従って、この回転抑制部130は、実施例1と同様に、遊星ボール15等の傾転動作を阻害することなく、且つ、無段変速機10の大型化を招くことなく、スピンモーメントMの発生時におけるトルクの伝達効率の低下を抑えることができる。また、この回転抑制部130は、凸曲面部131の大きさを変えることによって、実施例1と同様に遊星ボール15の間隔を高精度に管理することができる。そして、本実施例2の回転抑制部130は、これらの効果を低コストで実現させることができる。更に、この回転抑制部130は、実施例1と比較して部品(凸曲面体31)を1つ減らすことができるので、無段変速機10の組み付け作業性が向上する。
ここで、凸曲面部131は、図7に示す如く、その重心が全ての遊星ボール15の重心を結ぶ円(回転中心軸R1を中心とする円)の上に来るよう配置することが好ましい。これにより、遊星ボール15等の傾転動作の円滑化が図れ、且つ、凸曲面部131の凹曲面部132からの脱落の回避が容易になる。
また、凹曲面部132は、環状部材21の外周面を凹ませたものとしているが、例えばその環状部材21の外周面から突設させた突設部に設けてもよい。
また、1つの環状部材21には、凸曲面部131と凹曲面部132とを1つずつ設けてもよく、凸曲面部131又は凹曲面部132を2つ設けてもよい。前者の場合には、使用する全ての環状部材21を同じ形状のもので統一できるので、コストの低下の面で好ましい。
[実施例3]
本発明に係る動力伝達装置の実施例3を図8に基づいて説明する。本実施例3においても、その動力伝達装置として無段変速機を例に挙げて説明する。
本実施例3の無段変速機10は、実施例1の回転抑制部30や実施例2の回転抑制部130を別の形態へと変えたものである。
無段変速機10においては、過大なトルクが入力されると、これが遊星ボール15等を介して環状部材21に伝わり、環状部材21を弾性変形させてしまう虞がある。そして、実施例1や実施例2の回転抑制部30,130においては、環状部材21が弾性変形したときに隣の環状部材21との間隔を変えてしまい、特にその間隔が拡がってしまったならば、その接合にずれや外れが生じてしまう虞がある。そこで、本実施例3の無段変速機10においては、図8に示す回転抑制部230に置き換える。
その回転抑制部230は、接合部分の角度を自在に変化させることが可能な自在継手(所謂ユニバーサルジョイント構造のもの)である。この回転抑制部230は、第1及び第2の係合部231,232と、第1係合部231と第2係合部232との接合角度を自在に変化させる接続部233と、を備える。その第1及び第2の係合部231,232は、遊星ボール15に自転方向以外の方向へと力が加わった際に当該遊星ボール15と一体になって動く部材に設ける。この回転抑制部230は、例えば実施例1及び2と同様に、隣接する遊星ボール15の内の一方に覆設された環状部材21に一体となって動けるよう第1係合部231を設けると共に、他方の遊星ボール15における環状部材21に一体となって動けるよう第2係合部232を設ける。
従って、この回転抑制部230は、実施例1や実施例2の回転抑制部30,130と同様の効果を奏するだけでなく、隣り合う環状部材21に対して互いの間隔が変化してしまうような力が加わったとしても接合にずれや外れを生じさせないと云う効果も得ることができる。特に、遊星ボール15の数が少ない等の理由により接合部分の屈曲が大きくなっている無段変速機10の場合でも、この回転抑制部230は、その接合部分のずれや外れを回避することができる。
ここで、この回転抑制部230における第1係合部231と第2係合部232との間の可動中心は、図8に示す如く、全ての遊星ボール15の重心を結ぶ円(回転中心軸R1を中心とする円)の上に来るよう配置することが好ましい。これにより、遊星ボール15等の傾転動作の円滑化が図れる。
以上示した各実施例1〜3においては動力伝達装置として無段変速機10を例に挙げたが、その各実施例1〜3における回転抑制部30,130,230は、少なくとも下記の構成を有する動力伝達装置に適用することで、上述した作用や効果を得ることができる。その構成とは、対向させて配置した共通の回転中心軸を有する相対回転可能な2つの回転要素と、その回転中心軸と平行な別の回転中心軸を有し、各回転要素の間に当該各回転要素の回転中心軸を中心にして放射状に複数配置した転動部材と、一方の回転要素と各転動部材との夫々の接触点及び他方の回転要素と各転動部材との夫々の接触点を当該各転動部材の傾転動作によって変えることで各回転要素の間の回転比を変化させる変速制御部と、である。これを上記の無段変速機10に当て嵌めるとしたら、夫々の回転要素は第1及び第2のリング13,14であり、転動部材は遊星ボール15である。
また、上述した各実施例1〜3においては、第1及び第2のリング13,14と遊星ボール15との接触部分の位置関係に起因してスピンモーメントMが発生するときを例に挙げている。上述した回転抑制部30,130,230は、それのみに限らず、遊星ボール15にスピンモーメントMが発生してしまうあらゆる状況の下でも上記と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明に係る動力伝達装置は、トルクの伝達効率の低下を抑制させる技術に有用である。
10 無段変速機
11 サンローラ(第1回転要素)
12 キャリア(第2回転要素)
13 第1リング(第3回転要素)
14 第2リング(第4回転要素)
15 遊星ボール(第5回転要素、転動部材)
16 支持軸
17 変速制御部
18 ガイド部材
19,20 第1及び第2のガイド部
21 環状部材
30 回転抑制部
31 凸曲面体
32 第1凸曲面体保持部
33 第2凸曲面体保持部
130 回転抑制部
131 凸曲面部
132 凹曲面部
230 回転抑制部
231 第1係合部
232 第2係合部
233 接続部
R1,R2 回転中心軸

Claims (5)

  1. 対向させて配置した共通の回転中心軸を有する相対回転可能な2つの回転要素と、
    該回転中心軸と平行な別の回転中心軸を有し、前記各回転要素の間に当該各回転要素の回転中心軸を中心にして放射状に複数配置した転動部材と、
    一方の前記回転要素と前記各転動部材との夫々の接触点及び他方の前記回転要素と前記各転動部材との夫々の接触点を当該各転動部材の傾転動作によって変えることで当該各回転要素の間の回転比を変化させる変速制御部と、
    前記転動部材に対して土星輪状に配設し、該転動部材における自転方向及び傾転時の回転方向とは異なる方向のスピンモーメントが当該転動部材に対して発生した際に、該スピンモーメントの方向へと当該転動部材と共に回転可能な環状部材と、
    夫々の隣接する前記転動部材を覆う夫々の前記環状部材の間に配設して、前記各転動部材に発生する夫々の前記スピンモーメントの少なくとも一部を隣り合う夫々の前記環状部材を介して相殺し、該スピンモーメントに伴う前記転動部材の回転を抑制する回転抑制部と、
    を備えたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記2つの回転要素と共通の回転中心軸上で当該各回転要素に対する相対回転が可能な3つ目の回転要素と、該3つの回転要素と共通の回転中心軸上で当該各回転要素に対する相対回転が可能で且つ前記各転動部材を前記各回転要素の回転中心軸を中心にして回転させることが可能な4つ目の回転要素と、を備え、前記3つ目の回転要素の外周面上に前記各転動部材を配置した請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 前記回転抑制部は、隣接する夫々の前記環状部材の間に配置した凸曲面体を備えると共に、その内の一方の環状部材と一体になって動くよう設けた第1凸曲面体保持部及び他方の環状部材と一体になって動くよう設けた第2凸曲面体保持部を備え、前記凸曲面体を前記第1及び第2の凸曲面体保持部の夫々の凹曲面の間で相互間の曲面に沿った可動が自在になるよう挟持したものである請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記回転抑制部は、隣接する夫々の前記環状部材の内の一方と一体になって動くよう設けた凸曲面部と、他方の環状部材と一体になって動くよう設けると共に、前記凸曲面部の凸曲面を曲面に沿った可動が自在になるよう噛み合わせる凹曲面が形成された凹曲面部と、を備える請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  5. 前記回転抑制部は、隣接する夫々の前記環状部材の内の一方と一体になって動くよう設けた第1係合部と、他方の環状部材と一体になって動くよう設けた第2係合部と、前記第1係合部と前記第2係合部との接合角度を自在に変化させる接続部と、を備えた自在継手である請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
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