JP2021185320A - 歯車装置およびロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】長寿命化と出力位相のずれの抑制とが図られた歯車装置、および、かかる歯車装置を備えるロボットを提供すること。【解決手段】内歯歯車と、前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、を有し、前記外歯歯車は、前記波動発生器が接触している第1端部と、前記第1端部とは前記回転軸に沿って隣り合う第2端部と、を有する円筒部を備え、前記第1端部の内周面は、研磨面を含み、前記第2端部の内周面は、旋盤切削加工面を含むことを特徴とする歯車装置。【選択図】図5

Description

本発明は、歯車装置およびロボットに関するものである。
ロボットアームを備えるロボットでは、例えば、ロボットアームの関節部をモーターにより駆動する。モーターの回転は、一般に、減速機を介して減速され、アームに伝達される。このような減速機として、例えば、特許文献1に記載された歯車装置が知られている。
特許文献1に記載の歯車装置は、環状の剛性内歯歯車と、その内側に配置されたカップ形の可撓性外歯歯車と、その内側にはめ込まれた楕円形の波動発生器と、を有している。このうち、可撓性外歯歯車は、円筒状の胴部と、胴部の一端を封鎖している環状のダイヤフラムと、胴部の他方の開口端の外周面に形成された外歯と、を備えている。そして、外歯の表面に対してショットピーニング加工を施した後、窒化処理を施し、可撓性外歯歯車の外歯以外の外表面に対しては、ショットピーニング加工を施すことなく、窒化処理を施すことが開示されている。このように、外歯表面の強度向上を図ったり、胴部の脆弱化を回避したりすることは、歯車装置の長寿命化につながる。
特開2001−59153号公報
一方、本発明者の検討により、可撓性歯車装置の外表面だけでなく、可撓性歯車装置の内表面の状態が歯車装置の寿命に影響を及ぼすことがわかってきた。しかしながら、引用文献1に記載の歯車装置では、可撓性外歯歯車の内表面に加工や処理は施されていないため、十分な長寿命化を図ることができないという課題がある。
本発明の適用例に係る歯車装置は、
内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、
を有し、
前記外歯歯車は、前記波動発生器が接触している第1端部と、前記第1端部とは前記回転軸に沿って隣り合う第2端部と、を有する円筒部を備え、
前記第1端部の内周面は、研磨面を含み、
前記第2端部の内周面は、旋盤切削加工面を含むことを特徴とする。
本発明の適用例に係るロボットは、
第1部材と、
前記第1部材に対して回動する第2部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を相対的に回動させる駆動力を伝達する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の歯車装置と、
前記歯車装置に向けて前記駆動力を出力する駆動源と、
を備えることを特徴とする。
実施形態に係るロボットの概略構成を示す側面図である。 第1実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。 図2に示す歯車装置の縦断面図である。 図2に示す歯車装置の正面図である。 図3の外歯歯車のみを詳細に示す図である。 第2実施形態に係る歯車装置が備える外歯歯車の内周面を示す断面図である。 第3実施形態に係る歯車装置が備える外歯歯車の内周面を示す断面図である。 第4実施形態に係る歯車装置が備える外歯歯車の内周面を示す断面図である。 第5実施形態に係る歯車装置の縦断面図である。 実施例および比較例1の歯車装置に入力されたトルクと、歯車装置の寿命と、の関係を示すグラフである。 実施例および比較例2の歯車装置に入力されたトルクと、入力の位相と出力の位相とのずれと、の関係を示すグラフである。
以下、本発明の歯車装置およびロボットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.ロボット
まず、ロボットについて簡単に説明する。
図1は、実施形態に係るロボットの概略構成を示す側面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1中の基台側を「基端側」、その反対側、すなわちエンドエフェクター側を「先端側」と言う。また、図1の上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とする。さらに、後述する回転軸aが延在する方向を「軸方向」とする。なお、本明細書における「方向」は、軸に沿う一方側の方向とその反対方向の双方を含む。
図1に示すロボット100は、例えば、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送および組立等の作業に用いられるロボットである。このロボット100は、図1に示すように、基台110と、第1アーム120と、第2アーム130と、作業ヘッド140と、エンドエフェクター150と、配管160と、を有している。以下、ロボット100の各部を順次簡単に説明する。なお、「回動」とは、ある中心点に対して一方向またはその反対方向を含めた双方向に動くこと、および、ある中心点に対して回転することを含むものである。
基台110は、例えば、図示しない床面にボルト等によって固定されている。基台110の内部には、ロボット100を統括制御する制御装置190が設置されている。また、基台110には、基台110に対して鉛直方向に沿う第1軸J1まわりに回動可能に第1アーム120が連結している。すなわち、基台110に対して第1アーム120が相対的に回動している。
基台110内には、第1駆動部170が設置されている。この第1駆動部170は、第1アーム120を回動させる駆動力を発生させるサーボモーター等の第1モーターであるモーター171(駆動源)と、モーター171の回転を減速する第1減速機である歯車装置1と、を有する。歯車装置1の入力軸は、モーター171の回転軸に連結され、歯車装置1の出力軸は、第1アーム120に連結されている。そのため、モーター171が駆動し、その駆動力が歯車装置1を介して第1アーム120に伝達されると、第1アーム120が第1軸J1まわりに水平面内で回動する。
第1アーム120の先端部には、第1アーム120に対して第2軸J2まわりに回動可能な第2アーム130が連結している。第2アーム130内には、図示しないが、第2アーム130を回動させる駆動力を発生させる第2モーターと、第2モーターの回転を減速する第2減速機と、を有する第2駆動部が設置されている。そして、第2モーターの駆動力が第2減速機を介して第2アーム130に伝達されることにより、第2アーム130が第1アーム120に対して第2軸J2まわりに水平面内で回動する。
第2アーム130の先端部には、作業ヘッド140が配置されている。作業ヘッド140は、第2アーム130の先端部に同軸的に配置された図示しないスプラインナットおよびボールネジナットに挿通されたスプラインシャフト141を有している。スプラインシャフト141は、第2アーム130に対して、図1に示す第3軸J3まわりに回転可能であり、かつ、上下方向に移動可能となっている。
第2アーム130内には、図示しないが、回転モーターおよび昇降モーターが配置されている。回転モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってスプラインナットに伝達され、スプラインナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が鉛直方向に沿う第3軸J3まわりに正逆回転する。
一方、昇降モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってボールネジナットに伝達され、ボールネジナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が上下に移動する。
スプラインシャフト141の先端部には、エンドエフェクター150が連結されている。エンドエフェクター150としては、特に限定されず、例えば、被搬送物を把持するもの、被加工物を加工するもの等が挙げられる。
第2アーム130内に配置された各電子部品、例えば第2モーター、回転モーター、昇降モーター等に接続される複数の配線は、第2アーム130と基台110とを連結する配管160内を通って基台110内まで引き回されている。さらに、かかる複数の配線は、基台110内でまとめられることによって、モーター171および図示しないエンコーダーに接続される配線とともに、基台110内に設置された制御装置190まで引き回される。
以上のように、ロボット100は、第1部材である基台110と、基台110に対して回動可能に設けられている第2部材である第1アーム120と、基台110および第1アーム120の一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置1と、歯車装置1に向けて駆動力を出力する駆動源であるモーター171と、を備える。
なお、第1アーム120および第2アーム130をまとめて「第2部材」と捉えてもよい。また、「第2部材」が、第1アーム120および第2アーム130に加え、さらに、作業ヘッド140およびエンドエフェクター150を含んでいてもよい。
また、本実施形態では、第1減速機が歯車装置1で構成されているが、第2減速機が歯車装置1で構成されていてもよく、また、第1減速機および第2減速機の双方が歯車装置1で構成されていてもよい。第2減速機が歯車装置1で構成されている場合、第1アーム120を「第1部材」と捉え、第2アーム130を「第2部材」と捉えればよい。
また、本実施形態では、モーター171および歯車装置1は基台110に設けられているが、モーター171および歯車装置1を第1アーム120に設けるようにしてもよい。この場合、歯車装置1の出力軸を基台110に連結すればよい。
2.歯車装置
2.1.第1実施形態
次に、第1実施形態に係る歯車装置について説明する。
図2は、第1実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。図3は、図2に示す歯車装置の縦断面図である。図4は、図2に示す歯車装置の正面図である。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。また、図2では、図示の便宜上、外歯歯車3の一部、具体的にはフランジ部32を省略している。
図2に示す歯車装置1は、波動歯車装置であり、例えば減速機として用いられる。この歯車装置1は、内歯歯車2と、内歯歯車2の内側に設けられている外歯歯車3と、外歯歯車3の内側に設けられ、ベアリング42を備える波動発生器4と、を有している。また、図示しないが、歯車装置1の各部、具体的には、内歯歯車2と外歯歯車3との噛み合い部、外歯歯車3と波動発生器4との嵌め合い部等には、グリース等の潤滑剤が適宜配置されている。
内歯歯車2、外歯歯車3および波動発生器4のうちの一つが前述したロボット100の基台110に対して接続され、他の一つが前述したロボット100の第1アーム120に対して接続される。本実施形態では、内歯歯車2が基台110に対して固定され、外歯歯車3が第1アーム120に対して接続され、波動発生器4がモーター171の回転軸に接続される。
そのため、モーター171の回転軸が回転すると、波動発生器4は、モーター171の回転軸と同じ回転速度で回転する。そして、内歯歯車2および外歯歯車3は、互いに歯数が異なるため、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、これらの歯数差に起因して回転軸aまわりに相対的に回転する。本実施形態では、内歯歯車2の歯数の方が外歯歯車3の歯数より多いため、モーター171の回転軸の回転速度よりも低い回転速度で外歯歯車3を回転させることができる。すなわち、波動発生器4を入力軸側、外歯歯車3を出力軸側とする減速機を実現することができる。
なお、内歯歯車2、外歯歯車3および波動発生器4の接続形態は、前述した形態に限定されず、例えば、外歯歯車3を基台110に対して固定し、内歯歯車2を第1アーム120に対して接続しても、歯車装置1を減速機として用いることができる。また、外歯歯車3をモーター171の回転軸に接続しても、歯車装置1を減速機として用いることができ、この場合、波動発生器4を基台110に対して固定し、内歯歯車2を第1アーム120に対して接続すればよい。また、歯車装置1を増速機として用いる場合、すなわち、モーター171の回転軸の回転速度よりも高い回転速度で外歯歯車3を回転させる場合、前述した入力側と出力側との関係を反対にすればよい。
以下、歯車装置1の構成を簡単に説明する。図2ないし図4に示すように、内歯歯車2は、径方向に実質的に撓まない剛体で構成された歯車であって、内歯23を有するリング状の歯車である。本実施形態では、内歯歯車2は、平歯車である。したがって、内歯23は、回転軸aに対して平行な歯すじを有する。なお、内歯23の歯すじは、回転軸aに対して傾斜していてもよい。すなわち、内歯歯車2は、はすば歯車またはやまば歯車であってもよい。
外歯歯車3は、内歯歯車2の内側に挿通されている。この外歯歯車3は、径方向に撓み変形可能な可撓性を有する歯車であって、内歯歯車2の内歯23に噛み合う外歯33を有する外歯歯車である。また、外歯歯車3の歯数は、内歯歯車2の歯数よりも少ない。このように外歯歯車3および内歯歯車2の歯数が互いに異なることにより、減速機を実現することができる。
本実施形態では、外歯歯車3は、図3の軸方向左端に開口35を有するハット状、つまり縁つき帽子型をなし、その外周面に設けられた外歯33を有している。ここで、外歯歯車3は、回転軸aまわりの円筒状をなす胴部31(円筒部)を有する。この胴部31は、開口35側の部位である第1端部31aと、開口35とは反対側の部位である第2端部31bと、に分けられる。また、外歯歯車3は、この胴部31に加え、第2端部31bに接続されたフランジ部32を有する。
なお、回転軸aの軸方向における胴部31の長さと、胴部31の外径と、の比は、図示した比に限定されず、例えば図示した比よりも胴部31の長さが短くなっていてもよい。
外歯歯車3のフランジ部32には、例えばネジ等の固定具により、図示しない出力軸が固定される。これにより、出力軸と外歯歯車3とが接続される。なお、出力軸と外歯歯車3との接続方法は、これに限定されない。
図3および図4に示すように、波動発生器4は、外歯歯車3の内側に配置され、回転軸aまわりに回転可能である。そして、波動発生器4は、図4に示すように、外歯歯車3の横断面を、長軸Laおよび短軸Lbとする楕円形または長円形に変形させることにより、外歯33を内歯歯車2の内歯23に噛み合わせる。外歯歯車3および内歯歯車2は、互いに同一の回転軸aまわりに回転可能になっており、互いに内外で噛み合わされている。
外歯歯車3の胴部31は、前述したように、第1端部31aおよび第2端部31bを有する。第1端部31aは、図3に示す開口35側の端部であって、外歯33が設けられている部分である。また、第2端部31bは、胴部31のうち、フランジ部32側に位置する端部である。このうち、第1端部31aは、コーニングによる大きな変形が生じる部分である。コーニングとは、図4に示す長軸Laの位置で胴部31が回転軸aに対して外側に開き、短軸Lbの位置で胴部31が回転軸aに対して内側に狭まるような3次元的な変形を意味する。第1端部31aは、外歯歯車3に波動発生器4が嵌め合わされたとき、第2端部31bよりも大きく変形する。
波動発生器4は、外歯歯車3の第1端部31aに嵌め込まれている。波動発生器4は、カム41と、カム41の外周に装着されているベアリング42と、を有している。カム41は、回転軸aまわりに回転する軸部411と、軸部411の一端部から外側に突出しているカム部412と、を有している。カム部412の外周面は、回転軸aに沿った方向から見たときに、図3および図4中の上下方向を長軸Laとする楕円形または長円形をなしている。ベアリング42は、カム41に嵌め込まれており、可撓性を有する内輪421および外輪423と、これらの間に配置されている複数のボール422と、を有している。
内輪421は、カム41のカム部412の外周面に嵌め込まれ、カム部412の外周面に沿って楕円形または長円形に弾性変形している。それに伴って、外輪423も楕円形または長円形に弾性変形している。外輪423の外周面は、図3に示すように、胴部31の内周面30に当接している。また、複数のボール422は、内輪421の周方向における互いの間隔を一定に保つように、図示しない保持器により保持されている。
このような波動発生器4は、カム41が回転軸aまわりに回転することに伴って、カム部412の向きを変え、それに伴って、外輪423を変形させる。これにより、内歯歯車2および外歯歯車3の互いの噛み合い位置を周方向に移動させる。このとき、内輪421は、カム部412の外周面に対して固定的に設置されているため、変形状態は変わらない。
図5は、図3の外歯歯車3のみを詳細に示す図である。
図5に示す外歯歯車3の胴部31は、前述したように、第1端部31aおよび第2端部31bを有している。胴部31は、前述したように円筒状をなしており、内周面30を有している。
内周面30の第1端部31aに対応する部分は、研磨面301を含んでいる。研磨面301とは、研磨加工を施した加工面のことをいう。図5に示す内周面30の第1端部31aに対応する部分は、一例として、その全体が研磨面301であり、平坦面になっている。ただし、研磨面301は、平坦面である必要はなく、後述するように、任意の加工痕等が含まれている面であってもよい。また、内周面30の第1端部31aに対応する部分は、研磨面301以外の面を含んでいてもよい。
研磨加工とは、胴部31の内周面30に研磨剤や研磨ツールを接触させ、物理的研磨または化学的研磨を施す加工である。研磨面301は、加工面よりも表面粗さが小さいため、その観点において加工面との区別が可能である。なお、研磨面301の下地、つまり、研磨加工を施す前の表面は、特に限定されず、任意の加工面であってもよい。
一方、内周面30の第2端部31bに対応する部分は、旋盤切削加工面302を含んでいる。旋盤切削加工面302とは、旋盤による切削加工を施した加工面のことをいう。図5に示す内周面30の第2端部31bに対応する部分は、一例として、その全体に、加工痕である第1円周溝36が分布している。
旋盤による切削加工とは、外歯歯車3を回転軸aまわりに回転させ、工具によって内周面30を切削する加工のことをいう。加工面には、切削加工痕が残るため、加工面と研磨面301との区別が可能である。
内周面30の第2端部31bに対応する部分は、旋盤切削加工面302を含んでいるため、加工による残留応力が研磨面301よりも大きい。このため、旋盤切削加工面302は、第2端部31bの剛性を高めるように寄与する。これにより、第2端部31bでは、回転軸aまわりにねじられるときの耐変形性を高めることができる。仮に、第2端部31bが変形しやすいと、歯車装置1の入力に対して出力の位相が遅れやすくなる。したがって、第2端部31bの耐変形性を高めることにより、歯車装置1における出力位相のずれを抑制することができ、応答性に優れた歯車装置1を実現することができる。
なお、図5に示す内周面30の第2端部31bに対応する部分では、その全体が旋盤切削加工面302になっているが、旋盤切削加工面302以外の面を含んでいてもよい。
一方、研磨面301では、加工による残留応力が旋盤切削加工面302よりも小さい。これは、研磨加工によって残留応力が緩和されているためである。そして、研磨加工によって表面粗さが小さくなっていることも影響し、研磨面301では、コーニングに伴う疲労破壊を相対的に小さく抑えることができる。これにより、外歯歯車3の寿命を延ばすことができる。
以上のように、本実施形態に係る歯車装置1は、内歯歯車2と、外歯歯車3と、波動発生器4と、を有する。このうち、外歯歯車3は、内歯歯車2に部分的に噛み合って内歯歯車2に対して回転軸aまわりに相対的に回転し、可撓性を有する。また、波動発生器4は、外歯歯車3の胴部31の内周面30に接触し、内歯歯車2と外歯歯車3との噛み合い位置を回転軸aまわりの周方向に移動させる。
外歯歯車3は、内周面30に波動発生器4が接触している第1端部31aと、第1端部31aとは回転軸aに沿って隣り合う第2端部31bと、を有する胴部31(円筒部)を備えている。そして、第1端部31aの内周面30は、研磨面301を含み、第2端部31bの内周面30は、旋盤切削加工面302を含む。
このような構成によれば、波動発生器4が接触する研磨面301を含む第1端部31aにおいて、疲労破壊が小さく抑えられる。このため、外歯歯車3の長寿命化が図られる。また、第2端部31bでは、旋盤切削加工面302により、耐変形性が高められる。このため、歯車装置1における出力位相のずれを抑制することができる。したがって、研磨面301および旋盤切削加工面302を含む内周面30を備えた外歯歯車3は、長寿命化と、出力位相のずれの抑制と、を両立する歯車装置1を実現することができる。
また、ロボット100は、第1部材である基台110と、基台110に対して回動する第2部材である第1アーム120と、基台110に対して第1アーム120を相対的に回動させる駆動力を伝達する歯車装置1と、歯車装置1に向けて駆動力を出力する駆動源であるモーター171と、を備えている。
このような構成によれば、歯車装置1の長寿命化および応答性の向上が図られているため、メンテナンスの手間が抑えられ、かつ、駆動能力が高いロボット100を実現することができる。
また、外歯歯車3は、前述したように、第1端部31aに設けられている外歯33を備えている。この外歯33は、図5に示すように、回転軸aと平行な歯すじを有している。さらに、回転軸aの軸方向における研磨面301の長さ、具体的には、図5に示す研磨面301の長さL1は、軸方向における外歯33の長さL2より長くなるように設定されている。
このように外歯33の長さL2よりも研磨面301の長さL1を長くすることにより、外歯33を十分に覆うように研磨面301が配置されることになる。外歯33は、例えば歯底の位置において疲労破壊が発生しやすいが、その裏面側に研磨面301が設定されていることにより、疲労破壊の発生確率を下げることができる。これにより、歯車装置1のさらなる長寿命化を図ることができる。
なお、上記効果を得るためには、研磨面301の長さL1が、外歯33の長さL2より長ければよいが、L1/L2の比が1.01以上1.50以下であるのが好ましく、1.05以上1.30以下であるのがより好ましい。これにより、旋盤切削加工面302が狭くなるのを防止しつつ、外歯歯車3の疲労破壊の発生確率をより下げることができる。
旋盤切削加工面302は、前述したように、切削加工痕を含んでいる。この切削加工痕は、旋盤によって回転する外歯歯車3に対し、工具が接触することによって形成される。このため、切削加工痕は、回転軸aまわりの周方向に延在する溝となる。図5に示す旋盤切削加工面302は、回転軸aまわりの周方向に延在する第1円周溝36を有している。そして、この第1円周溝36は、螺旋状になっている。
このような構成によれば、切削加工痕である第1円周溝36が、周方向にムラなく形成されることになる。このため、第1円周溝36に伴う残留応力も周方向にムラなく分布することになるため、周方向に均等に剛性を高めることができる。その結果、第2端部31bの耐変形性を特に高めることができ、歯車装置1における出力位相のずれを特に小さく抑えることができる。
図5に示す第1円周溝36は、前述したように、周方向に延在し、かつ、螺旋状になっている。この第1円周溝36の横断面形状としては、図5に示すような三角形の他、四角形、五角形のような多角形、一部が曲線になった形状、その他の異形状等が挙げられる。
第1円周溝36が螺旋状になっている場合、図5に示す断面図では、隣り合う第1円周溝36同士が、図5の紙面奥側または手前側において互いにつながっていることになる。ただし、第1円周溝36が螺旋状であることは必須ではなく、第1円周溝36は、例えば、閉じた環状をなす溝であって、互いに独立した複数の溝の集合体であってもよい。
また、図5において隣り合う第1円周溝36同士は、図5に示すように互いに接していてもよいし、互いに離れていてもよい。なお、第1円周溝36同士が互いに離れている場合でも、旋盤切削加工面302において第1円周溝36が占める面積は、第1円周溝36同士の間隙が占める面積よりも大きいことが好ましい。
図5に示す第1円周溝36の深さd1は、特に限定されないが、一例として、0.01μm以上30μm以下であるのが好ましく、0.10μm以上10μm以下であるのがより好ましい。これにより、第1円周溝36を設けたことに伴う機械的強度の低下を抑制しつつ、第2端部31bの耐変形性を高めることができる。その結果、歯車装置1の許容トルクの低下を抑制しつつ、応答性を高めることができる。
なお、第1円周溝36の深さd1は、旋盤切削加工面302の全体で均一であってもよいし、部分的に異なっていてもよい。
また、胴部31の厚さtは、特に限定されないが、一例として、0.1mm以上3.0mm以下であるのが好ましく、0.2mm以上2.0mm以下であるのがより好ましい。これにより、第1円周溝36を設けた場合でも、第2端部31bの機械的強度と耐変形性とを両立させることができ、かつ、第1端部31aの易変形性を確保することができる。その結果、歯車装置1のさらなる長寿命化および応答性の向上を図ることができる。
2.2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る歯車装置について説明する。
図6は、第2実施形態に係る歯車装置が備える外歯歯車の内周面を示す断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図6において、第1、第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
前述した第1実施形態では、図5に示すように、研磨面301が平坦面になっている。これに対し、本実施形態では、図6に示すように、研磨面301が、回転軸aまわりの周方向に延在する第2円周溝37を有している。
この第2円周溝37は、もともと円周溝を含んでいた面に対し、研磨加工を施した後、残存してなる溝である。つまり、研磨加工を経ても消失せずに残された円周溝である。したがって、例えば、内周面30全体に円周溝を加工した後、第1端部31aに対応する部分にのみ研磨加工を施した場合、内周面30の第2端部31bに対応する部分には当初の円周溝がそのまま第1円周溝36として残る。一方、内周面30の第1端部31aに対応する部分では当初の円周溝に研磨加工が施され、円周溝の一部が残存して第2円周溝37となる。したがって、このような方法で形成された第2円周溝37の深さは、第1円周溝36の深さよりも浅くなる。ただし、図6では、図示の便宜上、第1円周溝36の深さと第2円周溝37の深さとに有意差をつけていない。
このようにして第2円周溝37が残存した研磨面301であっても、研磨加工を経たことによる残留応力の減少の効果を享受することができる。このため、研磨面301に第2円周溝37が含まれていても、第1端部31aにおいて疲労破壊が生じる確率を下げることができる。その結果、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2円周溝37には、潤滑剤が留まりやすいため、潤滑剤を保持する作用を持つ。したがって、第2円周溝37を含む研磨面301には、潤滑剤が保持されやすくなり、研磨面301と波動発生器4との間の潤滑性を高めることができる。その結果、外歯歯車3と波動発生器4との間で焼き付きが発生するのを防止することができる。
図6に示す第2円周溝37の深さd2は、特に限定されないが、一例として、第1円周溝36の深さd1の95%以下であるのが好ましく、1%以上60%以下であるのがより好ましい。これにより、第2円周溝37の深さd2を最適化することができ、外歯歯車3の疲労破壊の確率を大きく上昇させることなく、潤滑剤の保持性を高めることができる。
また、図6に示す第2円周溝37は、回転軸aまわりの周方向に延在し、例えば螺旋状になっている。第2円周溝37の横断面形状としては、図6に示すような三角形の他、四角形、五角形のような多角形、一部が曲線になった形状、その他の異形状等が挙げられる。
隣り合う第2円周溝37同士は、図6に示すように互いに離れている。そのとき、研磨面301において第2円周溝37が占める面積は、第2円周溝37同士の間隙が占める面積よりも小さいことが好ましい。
2.3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る歯車装置について説明する。
図7は、第3実施形態に係る歯車装置が備える外歯歯車の内周面を示す断面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図7において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
図7に示す旋盤切削加工面302は、第1円周溝36Aを含んでいる。
前述した第1実施形態では、第1円周溝36の深さが旋盤切削加工面302の全体で均一になっている。これに対し、本実施形態では、第1円周溝36Aの深さが部分的に異なっている。
図7に示す内周面30の第2端部31bに対応する部分には、その全体に第1円周溝36Aが分布している。そして、第1円周溝36Aの深さは、旋盤切削加工面302のうち、研磨面301に近い領域、つまり図7の領域381よりも、研磨面301から離れている領域、つまり図7の領域382において深くなっている。
このようなパターンで第1円周溝36Aの深さを部分的に異ならせることにより、領域382では、領域381よりも大きな残留応力が生じる。このため、胴部31の第2端部31bでは、フランジ部32に近い部分の耐変形性をより高めることができる。その結果、歯車装置1の応答性をより高めることができる。一方、領域381では領域382よりもコーニングに伴う変形量は大きいものの、残留応力も小さくなるため、疲労破壊の発生確率を下げることができる。
なお、第1円周溝36Aの最小深さは、第1円周溝36Aの最大深さの1%以上90%以下であるのが好ましく、5%以上70%以下であるのがより好ましい。この範囲内であれば、第1円周溝36Aの本来の作用を損なうことなく、上記の付加的な作用を発現させることができる。
また、第1円周溝36Aの深さは、急激に変化していてもよいが、徐々に変化しているのが好ましい。例えば、図7に示すように、領域381と領域382の間に位置する領域383では、第1円周溝36Aの深さが、領域381における第1円周溝36Aの深さと、領域382における第1円周溝36Aの深さと、の間であるのが好ましい。これにより、上記効果がより顕著になる。
以上のような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
2.4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係る歯車装置について説明する。
図8は、第4実施形態に係る歯車装置が備える外歯歯車の内周面を示す断面図である。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図8において、第3実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
前述した第3実施形態では、図7に示すように、第1円周溝36Aの深さが、旋盤切削加工面302のうち、研磨面301に近い領域381よりも、研磨面301から離れている領域382において深くなっている。
これに対し、本実施形態では、図8に示すように、第1円周溝36Bの深さが、旋盤切削加工面302のうち、研磨面301に近い領域、つまり図8の領域381よりも、研磨面301から離れている領域、つまり図8の領域382において浅くなっている。
このようなパターンで第1円周溝36Bの深さを部分的に異ならせることにより、領域381では、領域382よりも潤滑剤の保持性が高くなる。すなわち、領域381では、領域382よりも第1円周溝36Bの深さが深いため、潤滑剤の流動性が抑えられ、より多くの潤滑剤を保持しやすくなる。このため、領域381に保持した潤滑剤を、外歯歯車3と波動発生器4との接触点に向けて、長期間供給し続けることができる。これにより、歯車装置1のさらなる長寿命化を図ることができる。
なお、第1円周溝36Bの最小深さは、第1円周溝36Bの最大深さの1%以上90%以下であるのが好ましく、5%以上70%以下であるのがより好ましい。この範囲内であれば、第1円周溝36Bの本来の作用を損なうことなく、上記の付加的な作用を発現させることができる。
また、第1円周溝36Bの深さは、急激に変化していてもよいが、徐々に変化しているのが好ましい。例えば、図8に示すように、領域381と領域382の間に位置する領域383では、第1円周溝36Bの深さが、領域381における第1円周溝36Bの深さと、領域382における第1円周溝36Bの深さと、の間であるのが好ましい。これにより、上記効果がより顕著になる。
以上のような第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
2.5.第5実施形態
次に、第5実施形態に係る歯車装置について説明する。
図9は、第5実施形態に係る歯車装置の縦断面図である。
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図9において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
本実施形態は、外歯歯車3Aの形状が異なる以外、前述した第1実施形態と同様である。
図9に示す外歯歯車3Aは、図9の軸方向左側に開口35を有するカップ状をなし、その外周面に設けられた外歯33を有している。また、図9に示す外歯歯車3Aは、胴部31と、胴部31の第2端部31bに接続された底部32Aと、を有する。
なお、回転軸aの軸方向における胴部31の長さと、胴部31の外径と、の比は、図示した比に限定されず、例えば図示した比よりも胴部31の長さが短くなっていてもよい。
図9に示すように、外歯歯車3Aの底部32Aには、回転軸aに沿って貫通した孔321と、孔321の周囲において貫通した複数の孔322と、が形成されている。孔321には、出力軸を挿通することができる。また、孔322は、出力軸を底部32Aに固定するためのネジ等を挿通するネジ孔として用いられる。なお、これらの孔321、322は、適宜設けられればよく、省略されていてもよい。また、出力軸と外歯歯車3Aとの接続方法は、これに限定されない。
以上のような外歯歯車3Aの胴部31も、前述した第1実施形態に係る外歯歯車3の胴部31と同様の構成を有している。したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の歯車装置およびロボットを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、前記実施形態の各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、前記実施形態に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、ロボットが備える基台が「第1部材」、第1アームが「第2部材」であり、第1部材から第2部材へ駆動力を伝達する歯車装置について説明したが、本発明は、これに限定されず、第nアームが「第1部材」、第(n+1)アームが「第2部材」であり、第nアームおよび第(n+1)アームの一方から他方へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。なお、nは1以上の整数である。また、第2部材から第1部材へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。
また、前述した実施形態では、水平多関節ロボットについて説明したが、本発明のロボットは、これに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、垂直多関節ロボットにも適用可能である。
さらに、前述した実施形態では、歯車装置をロボットに組み込む場合を例に説明したが、本発明の歯車装置は、互いに回動する第1部材から第2部材へ駆動力を伝達する構成を有する各種機器に組み込んで用いることもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
3.歯車装置の作製
3.1.実施例
まず、図2に示す構造を有し、以下の条件を満たす歯車装置を作製した。
・内歯歯車の外径 :60mm
・外歯歯車の外径 :43mm
・減速比 :50
・第1端部の内周面:研磨面
・第2端部の内周面:旋盤切削加工面
3.2.比較例1
以下の条件が異なる以外、実施例と同様にして歯車装置を作製した。
・第1端部の内周面:旋盤切削加工面
・第2端部の内周面:旋盤切削加工面
3.3.比較例2
以下の条件が異なる以外、実施例と同様にして歯車装置を作製した。
・第1端部の内周面:研磨面
・第2端部の内周面:研磨面
4.歯車装置の評価
4.1.寿命
次に、実施例および比較例1の歯車装置にトルクを入力し、歯車装置の寿命を求めた。寿命の具体的な計測方法は、以下のとおりである。
まず、歯車装置の入力軸に回転数3000rpm、平均負荷トルク50Nm、ピークトルク60Nmでトルクを入力し、連続運転を行った。次に、歯車装置が破損するまでの入力軸の回転数を計数した。そして、このようにして求めた回転数を、歯車装置の寿命とした。
評価結果を図10に示す。図10に示す評価結果から明らかなように、実施例の歯車装置の寿命は、比較例1の歯車装置の寿命よりも長いことが認められた。
4.2.応答性
次に、実施例および各比較例の歯車装置について、その応答性を以下のようにして評価した。
まず、歯車装置の入力軸を固定した。次に、出力軸を回転させ、入力軸に発生するトルクと、そのトルクに対応する出力軸の回転角度と、をそれぞれ求めた。
次に、入力軸に発生したトルクの位相と、出力軸の回転の位相と、のずれを算出した。そして、横軸にトルクをとり、縦軸に位相のずれをとった座標系に、測定結果をプロットし、グラフを作成した。得られたグラフを図11に示す。
図11に示すグラフから明らかなように、実施例の歯車装置では、入力に対する出力の位相のずれが比較例2の歯車装置よりも小さく抑えられていた。したがって、実施例の歯車装置は、比較例2の歯車装置よりも応答性が高いことが認められた。
1…歯車装置、2…内歯歯車、3…外歯歯車、3A…外歯歯車、4…波動発生器、23…内歯、30…内周面、31…胴部、31a…第1端部、31b…第2端部、32…フランジ部、32A…底部、33…外歯、35…開口、36…第1円周溝、36A…第1円周溝、36B…第1円周溝、37…第2円周溝、41…カム、42…ベアリング、100…ロボット、110…基台、120…第1アーム、130…第2アーム、140…作業ヘッド、141…スプラインシャフト、150…エンドエフェクター、160…配管、170…第1駆動部、171…モーター、190…制御装置、301…研磨面、302…旋盤切削加工面、321…孔、322…孔、381…領域、382…領域、383…領域、411…軸部、412…カム部、421…内輪、422…ボール、423…外輪、J1…第1軸、J2…第2軸、J3…第3軸、La…長軸、Lb…短軸、a…回転軸、d1…深さ、d2…深さ、L1…長さ、L2…長さ、t…厚さ

Claims (7)

  1. 内歯歯車と、
    前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、
    前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、
    を有し、
    前記外歯歯車は、前記波動発生器が接触している第1端部と、前記第1端部とは前記回転軸に沿って隣り合う第2端部と、を有する円筒部を備え、
    前記第1端部の内周面は、研磨面を含み、
    前記第2端部の内周面は、旋盤切削加工面を含むことを特徴とする歯車装置。
  2. 前記旋盤切削加工面は、前記回転軸まわりの周方向に延在する第1円周溝を有し、
    前記第1円周溝は、螺旋状になっている請求項1に記載の歯車装置。
  3. 前記第1円周溝の深さは、前記旋盤切削加工面のうち、前記研磨面に近い領域よりも離れている領域において深くなっている請求項2に記載の歯車装置。
  4. 前記第1円周溝の深さは、前記旋盤切削加工面のうち、前記研磨面に近い領域よりも離れている領域において浅くなっている請求項2に記載の歯車装置。
  5. 前記研磨面は、前記回転軸まわりの周方向に延在する第2円周溝を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の歯車装置。
  6. 前記外歯歯車は、前記第1端部に設けられている外歯を備え、
    前記回転軸の軸方向における前記研磨面の長さは、前記軸方向における前記外歯の長さより長い請求項1ないし5のいずれか1項に記載の歯車装置。
  7. 第1部材と、
    前記第1部材に対して回動する第2部材と、
    前記第1部材に対して前記第2部材を相対的に回動させる駆動力を伝達する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の歯車装置と、
    前記歯車装置に向けて前記駆動力を出力する駆動源と、
    を備えることを特徴とするロボット。
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