JP2017515059A - バルク金属ガラス系の波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントを具現化するシステム及び方法 - Google Patents

バルク金属ガラス系の波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントを具現化するシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明の実施形態に従ったシステム及び方法で、バルク金属ガラス系波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントを具現化する。1つの実施形態において、波動歯車装置は、波生成装置(ウェーブ・ジェネレータ)と、それ自体が第1ギア歯セットを有するフレクスプライン(フレックス・スプライン)と、それ自体が第2ギア歯セットを有する円形スプライン(サーキュラ・スプライン)とを備え、波生成装置、フレクスプライン、円形スプラインのうち少なくとも1つはバルク金属ガラス系材料を含む。【選択図】図1

Description

連邦政府資金による研究開発の記載
ここで開示する本発明は、NASAとの契約した作業実績において作成し、また、契約人がタイトルを維持するアメリカ合衆国公法96-517(35U.S.C. §202)の支配下にある。
本発明は、概して、バルク金属ガラス系の波動歯車装置(Strain wave gears)及び波動歯車装置コンポーネントに関する。
波動歯車装置は、ハーモニックドライブ(登録商標)としても知られており、独特の歯車システムであり、高減速比、高いトルク-重量比及びトルク-体積比、ほぼゼロのバックラッシュ(コンポーネントの潜在的な磨耗を軽減することができる)、及び多くの他の利点を提供することができる。通常は、波動歯車装置は、フレクスプライン(flexspline)内に取り付ける楕円波生成装置を有し、フレクスプラインが波生成装置(ウェーブ・ジェネレータ)による楕円波形に一致し、この構成は、さらに一般的には、一組の玉軸受を有して、フレクスプラインが波生成装置に対して楕円形の中心軸線の周りに回転するようにする。フレクスプラインは、通常、リング状の円形スプライン内に配置し、フレクスプラインは、その外側における、楕円形の、外周に沿って配置した一組のギア歯セットを有し、このギア歯セットは、リム状円形スプライン(サーキュラ・スプライン)の内周に沿って配置したギア歯と噛み合う。通常、フレクスプラインは、円形スプラインよりも少ない歯を有する。特に、フレクスプラインは、可撓材料から形成し、フレクスプライン及び円形スプラインのギア歯が噛み合うとき、波生成装置が円形スプラインに対して第1方向に回転でき、それによって、反対の第2方向にフレクスプラインの変形及び関連した回転を生ずる。普通は、入力トルクを波生成装置に供給し、またフレクスプラインはその結果として出力トルクを生ずる。一般的に、波生成装置の回転速度は、フレクスプラインの回転速度よりも相当速い。従って、波動歯車装置は、歯車システムに対して高減速比を達成することができ、また、より小さいフォームファクター(形状因子)で実現することができる。
いくつかの代替的な構成において、フレクスプラインを固定状態に保持し、出力トルクを生ずるのに円形スプラインを使用できることも付記する。
推察できるように、波動歯車装置の動作は、特に特別な意味合いを持ち、極めて正確に設計された歯車システムに依存する。例えば、波動歯車装置における構成部品のジオメトリ(幾何学的表面形状)は、所望動作を生ずるために、極限精度で作製しなければならない。さらに、波動歯車装置のコンポーネントは、所望機能を得ることができる材料から作製しなければならない。特に、フレクスプラインは、高頻度の周期変形に耐えるのに十分な可撓性を有していなければならず、これと同時に、波動歯車装置が晒されると予想される負荷に適応するのに十分な強度を有していなければならない。
これらの制約のために、従前の波動歯車装置は、スチールから大型に作製してきており、なぜならスチールは必要な材料特性を有することが実証され、また、スチールは、所望ジオメトリとなるように機械加工することができるからである。しかし、スチールを構成コンポーネントとして機械加工することは相当費用がかかるおそれがある。例えば、多くの事例において、スチール系の波動歯車装置は、高額な製造プロセスのために、1000ドルから2000ドルのオーダーのコストがかかるおそれがある。
いくつかの事例において、ハーモニックドライブは熱可塑性材料から作製する。熱可塑性材料(例えばポリマー)は、構成コンポーネントの形状に注型成形する(例えば、射出成形プロセスにより)ことができ、それによって、スチール系の波動歯車装置の製造において一般的に実施される高額な機械加工プロセスを回避することができる。しかし、熱可塑材料から作製した波動歯車装置は、スチールから作製した波動歯車装置ほどの強い強度がない。
本発明の実施形態によるシステム及び方法は、バルク金属ガラス系の波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントを具現化する。一実施形態において、波動歯車装置は、波生成装置(ウェーブ・ジェネレータ)と、それ自体第1ギア歯セットを有するフレクスプライン(flexspline)と、それ自体第2ギア歯セットを有する円形スプライン(サーキュラ・スプライン)とを備え、波生成装置、フレクスプライン、円形スプラインのうち少なくとも1つはバルク金属ガラス系材料を含む。
他の実施形態において、波生成装置は、波生成装置プラグ及び軸受を有する。
さらに他の実施形態において、軸受は玉軸受とする。
他の実施形態において、波生成装置、フレクスプライン、及び円形スプラインのそれぞれがバルク金属ガラス系材料を含む。
さらに他の実施形態において、第1セットのギア歯及び第2セットギア歯の少なくとも一方がバルク金属ガラス系材料を含む。
さらに他の実施形態において、第1セットのギア歯及び第2セットのギア歯のそれぞれがバルク金属ガラス系材料を含む。
さらに他の実施形態において、波生成装置はバルク金属ガラス系材料を含む玉軸受を有する。
さらに他の実施形態において、最大量で存在するバルク金属ガラス系材料の元素は、Fe、Zr、Ti、Ni、Hf、及びCuのうちの1つである。
さらに他の実施形態において、バルク金属ガラス系材料の元素は、Ni40Zr28.5Ti16.5Al10Cuである。さらに他の実施形態において、波生成装置は、楕円形状の断面図を有する波生成装置プラグと、内側レース、外側レース、及び複数の転動部材を有する軸受とを備え、波生成装置プラグは軸受内に配置して、軸受が波生成装置プラグの楕円形状に合致できるようにし、波生成プラグ及び軸受の少なくとも一方はバルク金属ガラス系材料を含む。
他の実施形態において、軸受は玉軸受である。
さらに他の実施形態において、フレクスプラインは円形形状を画定する可撓性本体を備え、円形形状の外周は一組のギア歯セットを画定し、また可撓性本体はバルク金属ガラス系材料を含む。
さらに他の実施形態において、一組のギア歯セットがバルク金属ガラス系材料を含む。
さらに他の実施形態において、円形スプラインは、リング状の本体を備え、リング状本体の内周は一組のギア歯セットを画定し、リング状本体はバルク金属ガラス系材料を含む。
さらなる実施形態において、一組のギア歯セットがバルク金属ガラス系材料を含む。
さらに他の実施形態において、波動歯車装置コンポーネントを作製する方法は、熱可塑性形成技術及び鋳造技術のうち一方と関連する成形型を使用してBMG系材料を成形するステップを有し、BMG系材料は、波生成装置プラグ、内側レース、外側レース、転動素子、フレクスプライン、一組のギア歯セットを持たないフレクスプライン、円形スプライン、一組のギア歯セットを持たない円形スプライン、フレクスプライン内に組み込むべき一組のギア歯セット、及び円形スプラインに組み込むべき一組のギア歯セットのうちの一つとして成形する。
さらに他の実施形態において、波動歯車装置コンポーネントを作製する方法は、さらに、熱可塑性形成技術又は鋳造技術のいずれかによって成形した後にBMG系材料を機械加工するステップを有する。
他の実施形態において、BMG系材料は、一組のギア歯セットを持たないフレクスプライン及び一組のギア歯セットを持たない円形スプラインのうちの一方として成形し、ギア歯をBMG系材料に対して機械加工する。
さらに他の実施形態において、BMG系材料は、一組のギア歯セットを持たないフレクスプライン及び一組のギア歯セットを持たない円形スプラインのうちの一方として成形し、ギア歯を、双ロール形成技術を使用してBMG系材料に対して具現化する。
さらに他の実施形態において、BMG系材料は、直接鋳造技術、ブロー成形技術、及び遠心鋳造技術のうち1つを使用して成形する。
本発明の実施形態により、BMG系材料から作製することができる波動歯車装置を示す。 本発明の実施形態による波動歯車装置の動作を示す。 本発明の実施形態による波動歯車装置の動作を示す。 本発明の実施形態による波動歯車装置の動作を示す。 本発明の実施形態による波動歯車装置の動作を示す。 波動歯車装置の通常の平均寿命を示す。 本発明の実施形態による波動歯車装置コンポーネント内で具現化できるBMG系材料の疲労特性を示す。 本発明の実施形態による波動歯車装置コンポーネント内で具現化できるBMG系材料の疲労特性を示す。 本発明の実施形態による波動歯車装置コンポーネント内で具現化できるチタンニウムBMG系材料の耐磨耗性特性を示す。 本発明の実施形態によるBMG系波動歯車装置コンポーネントを形成する方法を示す。 本発明の実施形態による、鋳造技術を使用したギアの形成を示す。 本発明の実施形態による、鋳造技術を使用したギアの形成を示す。 本発明の実施形態による、鋳造技術を使用したギアの形成を示す。 本発明の実施形態による、鋳造技術を使用したギアの形成を示す。 本発明の実施形態による、鋳造技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、鋳造技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、鋳造技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、鋳造技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、熱可塑性形成技術と関連してシート形態のBMG系材料を使用した、波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、熱可塑性形成技術と関連してシート形態のBMG系材料を使用した、波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、熱可塑性形成技術と関連してシート形態のBMG系材料を使用した、波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、スピン形成技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、スピン形成技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、スピン形成技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作成を示す。 本発明の実施形態による、ブロー成形技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、ブロー成形技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、ブロー成形技術を使用した波動歯車装置コンポーネントの作製を示す。 本発明の実施形態による、遠心鋳造を使用した波動歯車装置コンポーネントの形成を示す。 本発明の実施形態による、遠心鋳造を使用した波動歯車装置コンポーネントの形成を示す。 本発明の実施形態による、粉末形態のBMG形材料を熱可塑的に形成することでの波動歯車装置コンポーネントの形成を示す。 本発明の実施形態による、粉末形態のBMG形材料を熱可塑的に形成することでの波動歯車装置コンポーネントの形成を示す。 本発明の実施形態による、粉末形態のBMG形材料を熱可塑的に形成することでの波動歯車装置コンポーネントの形成を示す。 本発明の実施形態による、双ロール形成技術を使用して、ギア歯をBMG系波動歯車装置コンポーネントに対して具現化することを示す。 本発明の実施形態による、図14に概要を示したプロセスに基づくフレクスプラインの形成を示す。 本発明の実施形態による、図14に概要を示したプロセスに基づくフレクスプラインの形成を示す。 本発明の実施形態による、図14に概要を示したプロセスに基づくフレクスプラインの形成を示す。 本発明の実施形態による、図14に概要を示したプロセスに基づくフレクスプラインの形成を示す。 本発明の実施形態による、図14に概要を示したプロセスに基づくフレクスプラインの形成を示す。 本発明の実施形態による、図14に概要を示したプロセスによるフレクスプラインの形成を示す。 本発明の実施形態による波動歯車装置コンポーネントの作製において、鋳造プロセスがよく制御されていることを示す。 本発明の実施形態による波動歯車装置コンポーネントを任意の適切なスケールで作成できることを示す。 本発明の実施形態による円形スプラインの作製を示す。 本発明の実施形態による円形スプラインの作製を示す。 本発明の実施形態による、BMG系材料から波動歯車装置コンポーネントを鋳造又は熱可塑形成する費用便益性を示す。 スチール系フレクスプラインを示す。
図面につき説明すると、バルク金属ガラス系波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントを具現化するシステム及び方法を示す。多くの実施形態において、対応の波動歯車装置における波生成装置、フレクスプライン、及び円形スプラインのうち少なくとも1つは、バルク金属ガラス系材料を含むものとする。多くの実施形態において、少なくともフレクスプラインはバルク金属ガラス系材料を含むものとする。多くの実施形態において、波生成装置、フレクスプライン、及び円形スプラインのそれぞれがバルク金属ガラス系材料を含むものとする。
金属ガラスは、アモルファス合金(又は代替的にはアモルファス金属)としても知られ、それらの金属成分元素が何にせよ、不規則な原子スケール構造によって特徴付けられ、すなわち、普通の金属材料は一般的に高度に規則的な構造を有するが、金属ガラス材料は不規則な原子構造によって特徴付けられる。特に、金属ガラスは、一般的に、多くの有用な金属特性を有し、それらは高度に有効なエンジニアリング材料として具現化できる。例えば、金属ガラスは、一般的に従来の金属よりもずっと硬く、また一般的にセラミック材料よりも強靭である。それらはまた、比較的腐食しにくく、また、従来のガラスと異なり、高い導電性を有することができる。重要なことには、金属ガラス材料の製造自体は、比較的簡単な処理に適している。特に、金属ガラスの製造は、射出成形プロセス、又は任意な同様の注型成形プロセスに適合することができる。
それにも関わらず、金属ガラスの製造には、エンジニアリング材料としての実現可能性を制限する難題がある。特に、金属ガラスは、一般的に、金属合金をその融点以上に加熱し、また急速に融解物を冷却して、その結晶化を回避するように固体化し、それによって、金属ガラスを形成する。初期における金属ガラスは、例えば、10K/sのオーダーの激甚な冷却速度を必要とし、またそれによって、形成できる厚さには限界があった。実際、この厚さ限界によって、金属ガラスは、初期的にはコーティング用途に限定された。しかし、その後、結晶化に対してより抵抗性のある特別な合金組成物が開発され、それによって、相当緩慢な冷却速度で金属ガラスを形成でき、従って、相当厚く作成できるようになった(例えば、1mmよりも厚い)。これらより厚い金属ガラスは、「バルク金属ガラス(bulk metallic glasses)」(「BMGs」)として知られている。
BMGの開発に加えて、「バルク金属ガラス・マトリックス複合材」(BMGMCs)も開発された。BMGMCsは、BMGsのアモルファス構造を有するが、アモルファス構造マトリックス内に材料の結晶相も含んでいるという特徴がある。例えば、結晶相は樹枝状の形式で存在することができる。結晶相によって、全体がアモルファス構造で構成される材料と比較して、材料が高い延性を有することができる。
これらの開発があっても、現在の技術はまだBMG系材料の有益な材料特性を十分に評価されていない(本明細書を通して、用語「BMG系材料」は、特に断りのない限り、BMGs及びBMGMCsを含むことを意味する)。その結果、BMG系材料はエンジニアリング用途に使用が限定されてきた。例えば、様々な刊行物が結論付け、大きく実証されたことには、BMG系材料の実行可能性はマイクロスケールの構造にほぼ限定されている(例えば、非特許文献1(G. Kumar et al., Adv. Mater. 2011, 23, 461-476)、及び非特許文献2(M. Ashby et al., Scripta Materialia 54 (2006) 321-326)参照されたく、これら開示は参照により本明細書に組み入れられるものとする)。これは、一つには、破壊力学を含むBMG系材料の材料特性が試料サイズと相関するからである。例えば、BMG材料の延性はその厚さと逆相関することが観察されている(例えば、非特許文献3(Conner, Journal of Applied Physics, Volume 94, Number 2, July 15, 2003, pgs. 904-911)参照されたく、この開示は参照により本明細書に組み入れられるものとする)。重要なことには、コンポーネントの寸法が大きくなるにつれて、より一層脆性破壊を受け易くなる。従って、これらの理由又は他の理由から、当業者が一般的に助言することには、BMG系材料はMEMS装置等のマイクロスケール構造にとって優れた材料となり得るが、一般的にはマクロスケールのコンポーネントに使用するべきではないと助言している(例えば、非特許文献1(G. Kumar et al., Adv. Mater. 2011, 23, 461-476)参照)。実際、G.Kumar氏らは、脆性破壊を塑性領域サイズに関連付け、塑性領域半径の約10倍の試料厚さは、5%の曲げ可塑度を示すことができると総括した。従って、G.Kumar氏らは、Vitreloyの厚さ1mm試料は、5%の曲げ可塑度を示すことができると結論付けた。
従来の理解によれば、BMG系材料の用途が限定されることを示唆する一方で、BMG系材料の耐摩耗性を喧伝してもいる(例えば、非特許文献4(Wu, Trans. Nonferrous Met. Soc. China22 (2012), 585-589; Wu, Intermetallics 25 (2012) 115-125)、非特許文献5(Kong, Tribal Lett (2009) 35:151-158; Zenebe, Tribol Lett (2012) 47:131-138)、非特許文献6(Chen, J. Mater. Res., Vol. 26, No. 20, Oct 28, 2011; Liu, Tribol Lett (2012) 46:131-138)参照されたく、これら開示は参照によって本明細書に組み入れられるものとする)。明確にするため、「磨耗」は通常、他の材料との力学的相互作用の直接結果としての、材料表面の変位を示すものである。一般的には、磨耗に対する材料の抵抗性は、一般的にその硬度につれて大きくなる、すなわち、材料が硬くなればなるほど、磨耗を受けにくくなると理解される(例えば、非特許文献7(I.L. Singer, Wear, Volume 195, Issues 1-2, July 1996, Pages 7-20)参照)。これらの理解に基づいて、BMGsの予期した耐摩耗特性によれば、ギアには広範囲に力学的相互作用が及び、それによって摩耗に晒されることから、小型歯車を作製する材料の優れた候補に挙げることができると示唆されてきた(例えば、非特許文献8(Chen, J. Mater. Res., Vol. 26, No. 20, Oct 28, 2011)、非特許文献9(Huang, Intermetallics 19 (2011) 1385-1389)、非特許文献10(Liu, Tribol Lett (2009) 33:205-210)、非特許文献11(Zhang, Materials Science and Engineering A, 475 (2008) 124-127)、非特許文献12(Ishida, Materials Science and Engineering A, 449-451 (2007) 149-154)参照されたく、これら開示は参照によって本明細書に組み入れられるものとする)。従って、上述の洞察に従って、マイクロスケールのギアが作製されてきた(非特許文献12参照されたく、この開示は参照によって本明細書に組み入れられるものとする)。
しかし、上述した従来の見識に反して、Hofmann氏らは、BMG系材料は有益にも様々な他の用途で具現化できることを実証した。例えば、特許文献1(Hofmann氏らの米国特許第13/928109号)は、マクロスケールでのギアの作製のためBMG系材料をどのように開発できるかの方法を開示している。特に、特許文献1は、Ishida氏がBMG系ギアの作製を実証した一方で、その実証は、作製したギアが小さい寸法であり(また、それによって、マクロサイズのエンジニアリング部品として同一モードの破壊を受けることがなかった)、また歯車は、脆性破壊する傾向を軽減することができる潤滑油を使用して動作したものである限りにおいて、限定的なものであったと、説明している。概して、Hofmann氏らは、従来技術は主にBMG系材料の耐摩耗特性を役立てることに関連し、その結果、最も硬いBMG系材料を実現することに傾注している、と説明している。この設計手法は、最も硬い材料が他の破壊モードを受け易くなる限りにおいて限界がある。実際、Hofmann氏らは、マクロスケールのギアの作製における最も硬いBMG系材料は一般的には、動作中に破損するギアを産出することを実証している。従って、Hofmann氏らは、破壊靱性に関する有利な特性を有するよう、またそれによって、機能するのに潤滑油を必ずしも必要としないマクロスケールのギアを作製できるよう、BMG系材料を開発できることを開示している。特許文献1は参照によって本明細書に組み入れられるものとする。さらに、特許文献2(Hofmann氏らの米国特許第13/942932号)は、BMG系材料が他の有利な材料特性を有し、それによって、マクロスケールの順応性(コンプライアンス)機構の作製に使用できることを開示している。特許文献2の開示は参照によって本明細書に組み入れられるものとする。
この背景に反して、BMG系材料の多用途性は十分評価されていないことは明らかである。本明細書は、BMG系材料をどのように開発し、それによって、波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネント内に組み込めるかを開示する。例えば、BMG系材料は、高疲労耐久性、高破壊靱性、優れた滑り摩擦特性、低密度、及び高弾性を有するように開発することができる。従って、これら特性を有するように開発されるとき、BMG系材料は、好ましくは、波動歯車装置の構成コンポーネントの製造において具現化し、それによって、波動歯車装置の動作の多くの態様に具現化することができる。例えば、BMG系材料を組み込む波動歯車装置は、より大きな動作荷重に耐えることができ、より軽量にすることができ、また、耐用寿命を長くすることができる。さらに、BMG系材料は、所望ジオメトリ(幾何学的表面形状)となるよう鋳造する又は熱可塑的に形成することができるため、波動歯車装置の構成部品の形状に鋳造する又は熱可塑的に形成することができる。このようにして、スチール系の波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントの製造において遍在する高額な機械加工プロセスは、排除されないまでも、減らすことができる。要するに、BMG系材料を組み込む波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントは、より低いコストで相当改善した性能を提供することができる。波動歯車装置の一般的な動作を以下で詳細に説明する。
波動歯車装置の動作
本発明の多くの実施形態において、波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントは、BMG系材料を組み込んで提供し、それによって、改善した性能特性を有する。背景を説明するため、波動歯車装置の基本動作原理を概説する。
図1は、本発明の実施形態による、BMG系材料から作製することができる代表的な波動歯車装置の分解図を示す。特に、波動歯車装置100は、波生成装置(ウェーブ・ジェネレータ)102、フレクスプライン(フレックススプライン)108、及び円形スプライン(サーキュラ・スプライン)112を備える。図示の波生成装置102は、波生成装置プラグ104及び玉軸受106を有する。重要なことには、波生成装置プラグ104は、楕円形の形状にし、また玉軸受106内に配置し、玉軸受106が楕円形状に合致できるようにする。この構成において、玉軸受106の外側レースは、波生成装置プラグ104に対して回転することができる。図示の実施形態において、フレクスプライン108は、カップ形状として示し、とくに、このカップの外周縁は、一連のギア歯110のセットを有する。図では、フレクスプラインを玉軸受上に装着し、フレクスプラインの外周縁が上述の楕円形状に合致できるようにする。この実施形態において、玉軸受によってフレクスプラインが波生成装置プラグに対して回転できることに留意されたい。円形スプライン112は、リング形状であり、重要なことには、リング内周が一連のギア歯セットを有する点である。通常、円形スプライン114にはフレクスプラインのギア歯110よりも多くのギア歯が存在する。多くの実施例において、円形スプライン112にはフレクスプライン108よりも2つ多いギア歯が存在する。一般的には、フレクスプライン108は、円形スプライン112内に嵌合し、この嵌合は、フレクスプラインのギア歯110が円形スプライン114のギア歯に噛み合うよう行う。とくに、フレクスプラインのギア歯110は楕円形状に合致するため、楕円形の長軸に近接するギア歯のみが、通常の場合円形スプライン114のギア歯に係合する。逆に、楕円形の短軸に近接するフレクスプラインのギア歯110は、円形スプライン114のギア歯から離脱する。多くの実施例において、フレクスプラインのギア歯110の30%は、円形スプライン114のギア歯と係合する。この構成で、波生成装置プラグ104は楕円形の中心軸線周りに第1方向に回転することができ、それによって、フレクスプライン108を楕円形の中心軸線周りに第2反対方向に異なる回転速度で(一般的にはより緩慢に)回転させることができる。このことは、フレクスプライン108を、波生成装置プラグ114の回転の結果生ずる偏位に順応できる可撓性材料から形成することで達成し得る。
図2A〜2Dは、BMG系材料から作成することができる、本発明の実施形態による波動歯車装置の通常動作を示す。特に、図2Aは波動歯車装置を示し、この場合、波生成装置プラグ204は、楕円形の長軸が図面に対して垂直方向となる第1配向状態にある。この開始位置を「0°」と指定する。矢印216は、説明目的でフレクスプライン208のギア歯のうち図2A〜2Dにおいて考慮される1個を指定する。図2Bは、波生成装置プラグ204が時計回りで90°回転したことを示す。波生成装置プラグ204の回転によって、フレクスプライン208を特定様態で偏位させ、その結果、矢印216に対応するギア歯は、円形スプライン214のギア歯から離脱する。とくに、矢印216に対応するギア歯は、波生成装置プラグ204の90°の時計回りの回転に関連してわずかに反時計回りに回転している。図2Cは、波生成装置プラグ204は、さらに他の90°時計回りに回転し、初期開始位置に対して180°時計回りに回転している。図において、矢印216によって指定したギア歯は、円形スプライン214のギア歯と初期開始位置に対してわずかに反時計回りの位置で再係合している。図4Dは、波生成装置プラグ204が初期開始位置に対して完全に360°時計回りに回転していることを示す。その結果、216によって示したギア歯は、図2Cにおいて示した位置よりもさらに反時計回りに回転している。総じて、図2A〜2Dにおいて、波生成装置プラグ204の一方向における完全な360°の回転の結果、フレクスプライン208のわずかな逆方向回転を生ずることが分かる。このようにして、波動歯車装置は、小さい設置面積内で比較的高い減速比を達成することができる。一般的には、入力トルクを波生成装置プラグ204に加えるとともに、フレクスプライン208が対応出力トルクを発生する。
当然ながら、波動歯車装置設計の実施例を図示及び詳述したが、任意の適切な波動歯車装置設計及び波動歯車装置コンポーネントを、本発明の実施形態に従ってBMG系材料から作製できることを理解されたい。例えば、フレクスプラインは、任意の適切な形状をとることができ、「カップ状」である必要はない。同様に、玉軸受ではなく、任意なタイプの軸受を実装することができる。例えば、針状ころ軸受を実装することができる。明確に言えば、本出願明細書は、いかなる特定の波動歯車装置設計又は波動歯車装置コンポーネント設計にも限定することを意図しない。以下に、BMG系材料をどのように波動歯車装置コンポーネント内で具現化し、本発明による波動歯車装置の性能を改善することができるかについて詳述する。
BMG系波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネント
本発明の多くの実施形態において、BMG系材料を波動歯車装置及び/又は波動歯車装置コンポーネント内に組み込む。多くの実施例において、BMG系材料を開発して、波動歯車装置の構成コンポーネントの作製に極めて適した所望材料特性を有することができるようにする。例えば、上述の波動歯車装置の動作原理から、当然のことながら、玉軸受及びフレクスプラインは、波生成装置プラグの回転により周期的に偏位する。その結果、それらのコンポーネントは、高疲労強度を有する材料から作製するのが望ましい。例えば、図3は、フレクスプラインの疲労強度が、いかに波動歯車装置の寿命の主な決定要因となり得るかを示す。とくに、フレクスプラインが疲労して(他の破損モードとは反する)永久変形を引き起こすとき、波動歯車装置におけるフレクスプラインが機能不全となるのが一般的である。
概して、材料の疲労限界は、材料が永久変形する前に材料に特定レベルの応力を加えることができる回数によって規定される。同一の周期的なサイクル荷重を多数回加えると仮定すると、荷重が少なくなればなるほど、変形する前に材料は耐久時間が長く持続する。材料が10サイクル耐えることができるサイクル荷重は、一般的に材料の疲労限界と称される。材料にその降伏強度でサイクル荷重を受ける場合、サイクルで破損することが予想される。従って、疲労限界は一般的に降伏強度の割合として報告される(それらの性能を正規化する)。図示のように、300Mのスチールは、その降伏強度の20%である疲労限界を有する。フレクスプラインにおけるような一定のジオメトリ(表面形状)の部品が疲労していると仮定する場合、より多くの可撓性材料を組み込むことにより、1サイクル当たりの応力が少なくなり、その結果、疲労寿命を相当長くすることができる。
従って、BMG系材料は、好ましくは、波動歯車装置のフレクスプライン内に組み込んで、より向上した疲労性能をもたらすことができる。例えば、BMG系材料は、2%程の弾性限界を有することができ、また、スチール系材料の約3倍も低い剛性にすることができる。概して、このことは、BMG系材料から作製したフレクスプラインは、同一ジオメトリを有するスチール系フレクスプラインと比較して変形単位あたりより低い応力を受けることができることを意味する。それに応じて、BMG系材料は、より一層好ましい疲労特性を有することができ、例えば、比較的少ないストレスを受けた材料は、より多くの荷重サイクルに耐え得る傾向がある。さらに、剛性値が異なると、作製したコンポーネントのジオメトリに影響を与えることに留意されたい。従って、BMG系材料は比較的低い剛性値を有することができ(例えばスチールと比較して)、波動歯車装置コンポーネントをより好ましいジオメトリにすることができる。例えば、比較的低い剛性によれば、より厚いフレクスプラインを具現化可能となり、このことは有利となる。実際、BMG系材料の材料特性プロファイルは、総じて、より好ましいジオメトリの開発を可能にし、即ち、剛性に加えて、BMG系材料の他の材料特性もまた、有利なジオメトリ開発に寄与できるようになる。
さらに、従来技術から理解できるように、BMG系材料は、より高い硬度値を有することができ、それに応じて、既存のエンジニアリング材料と比較して改善した磨耗性能を実証する。高い硬度値を有する材料は、特に、波動歯車装置において有利であり、これはすなわち、波動歯車装置の構成コンポーネントが互いに連続的に接触し、また、例えば、滑り摩擦を受けるからである。概して、ギア歯が一定の荷重及び付随の摩擦を受けるとき、結果として生ずる関連した弾性変形及び磨耗は「ラチェッティング(ratcheting)」を尚早に引き起こすおそれがある。BMG系材料は、高い硬度値、良い磨耗抵抗(良い耐磨減性も含む)、及び高い弾力性を有することができ、それは、高い荷重を受けるときでさえも有することができ、波動歯車装置内で具現化するのに一層適したものにすることができる。例えば、BMG系材料を波動歯車装置のギア歯に具現化すると、ラチェッティングを抑止することができる。さらに、BMG系材料は、広い温度範囲で高い硬度値を有するよう形成することができる。例えば、BMG系材料は、100K〜300Kの温度範囲内で温度の関数として20%より多く変化しない硬度値を有することができる。実際、BMG系材料は、100K〜300Kの温度範囲内で温度の関数として20%より多く変化しない強度を有することができる。総じて、BMG系材料を波動歯車装置内で具現化することは、多様なレベルで好ましいものとなり得る。表1は、或るBMG系材料の材料特性が、既存のエンジニアリング材料と比較して多くの点でどのように改善した材料特性を有するかを示す。
重要なことには、BMG系材料の材料特性は、構成コンポーネントの相対比の関数であり、また結晶構造の関数でもある。その結果、BMG系材料の材料特性は、組成を変化させることによって、また、アモルファス構造に対する結晶構造の比を変化させることによって調整することができる。例えば、多くの実施形態において、特定の波動歯車装置コンポーネント内で特定の材料プロファイルを有するBMG系材料を具現化することが望ましい。これら実施例において、適切なBMG系材料を開発する、及び/又は開発した中からそれぞれの波動歯車装置コンポーネントを作製するように選択することができる。表2、3及び4は、BMG系材料の材料特性がどのように組成及び結晶構造に基づいて変化するかを示す。
図5は、チタニウムBMG系材料の硬度が合金の組成に関連してどのように変化するかを示す。概して、チタニウムBMG系合金は多くの特性を有する傾向にあり、それら特性は、波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントの作製に特に十分適したものにする。
以下の表5及び表6は、BMG系材料の疲労特性がどのように組成の関数として変化するかを示す。
表5及び表6におけるデータを示したが、本明細書の発明者の一人は、独立した疲労試験を実施し、この疲労試験は、示したデータ値とある程度相反する。図4A及び4Bは、実施した試験結果を示す。
特に、図4Aは、モノリシックVitreloy1、複合材LM2、複合材DH3、300-Mスチール、2090-T81-アルミニウム、及びガラスリボンの疲労抵抗を示す。これらの結果から、複合材DH3が疲労破壊に高い抵抗性を示すことを実証している。例えば、複合材DH3は、約0.25の応力振幅/引張強度の比で約20,000,000サイクルに耐えることができることを示す。留意すべきは、モノリシックVitreloy1は、疲労破壊に対する比較的低い抵抗性を示し、これは、表5及び表6において示した結果と矛盾するように見える。この相違は、一部にはデータを得る厳密さに起因するものであり得る。特に、本発明の発明者は、疲労抵抗が様々な用途に適切かどうかを確定する臨界的材料特性であること理解しているため、発明者は最も厳しい試験条件下で得た疲労抵抗データを獲得した。図4Aは、非特許文献13(Launey, PNAS, Vol. 106, No. 13, 4986-4991)から複製したものであり、この開示は参照によって本明細書に組み入れられるものとする(本発明者の一人が共著作者として挙げられている)。
同様に、図4Bは、DV1(「銀ボート」、すなわち半固体処理を使用して製造した)、DV1(「インダス」、業界標準の手順を使用して製造した)、複合材DH3、複合材LM2、モノリシックVitreloy1、300-Mスチール、2090-T81アルミニウム、及びTi-6Al-4Vバイモーダルの疲労抵抗を示す。これらの結果は、複合材DV1(銀ボート)は、複合材DH3よりも疲労破壊に対するより大きな抵抗さえ呈することを示す。複合材DV1の試験の結果は、どのように複合材DV1が製造されたかに大きく基づいて変化することに留意されたい。「銀ボート」技術を使用して製造したとき(「銀ボート」は半固体製造技術に言及するものであり、非特許文献14(Hofmann, JOM, Vol. 61, No. 12, 11-17)に開示されており、本開示は参照によって本明細書に組み入れられるものとする)、業界標準の技術を使用して製造したときと比較して疲労に対して相当優れた抵抗性を示した。本発明の発明者は、この相違は、業界標準の製造プロセスが十分純粋な材料を生産するのに必要なタイプの厳密さ課していないという事実に起因し、また、このことは、疲労破壊に対する抵抗性を含めて、材料特性を決定する上で材料組成がいかに重要かを認識していない産業界のなせる要因である。図4Bは、図4Aにおける結果と合わせてLauney氏が共同して作成したものであるが、図4Bは上述の引用文献において発表されていない。
一般的に、図4A及び図4Bは、BMG系材料は、スチール及び既存の他のエンジニアリング材料よりも良い疲労特性を有するよう開発できることを示す。重要なことには、図4A及び図4Bは、相対的応力振幅比を示し、また表1から探り出すことができるように、BMG系材料は多くのスチールよりも良い最大抗張力を有するように形成することができる。従って、BMG系材料は、いくつかのスチールよりも高い応力レベルでより多くの荷重サイクルに耐えるように形成できる。さらに、BMG系材料は、低い剛性となるように形成することができるため、単位偏位あたりより少ない応力を受けるように形成することができ、それによって、より良い疲労性能さえ得られる結果となる。
上述の説明から、BMG系材料は有利な材料特性を有することができ、その特性によって、波動歯車装置コンポーネント内で具現化する上で極めて十分適したものにすることができることが明らかである。リストに挙げたBMG系材料のいずれも、本発明の実施形態に従って波動歯車装置コンポーネント内で具現化することができる。より一般的には、BMG系材料を調整して(例えば、合金化及び/又は熱処理を介して)、本発明の実施形態に従って、波動歯車装置内で具現化する所望材料プロファイルを有する材料を得ることができる。概して、所望材料特性プロファイルは、それぞれの波動歯車装置コンポーネントに対して決定することができ、材料特性プロファイルに合致するBMG系材料を開発し、また具現化することができる。
例えば、低剛性の材料が望ましい多くの実施形態において、BMG系組成内におけるB、Si、Al、Cr、Co、及び/又はFeの相対的割合は減る。同様に、低い剛性の材料が望ましい多くの実施形態において、柔らかい、延性樹枝状結晶の体積分率は高くなる;又は、代替的には、ベータ安定元素、例えば、V、Nb、Ta、Mo、及び/又はSnの量が増加する。概して、BMGMCsにおいて、材料剛性は混合ルールに従って変化し、例えば、比較的多く樹枝状結晶が存在する場合、剛性は減少し、また、比較的少なく樹枝状結晶が存在する場合、剛性は増加する。留意すべきは、総じて言うと、BMG系材料の剛性を変更するとき、剛性は、他の特性、例えば、BMG系材料の弾性ひずみ限界又は加工性に影響を与えることなく、大きく変更できる。他の材料特性、又は加工性に影響を与えることと関係なく、剛性を調整できる能力は、波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントの設計において大きく利点である。
さらに、まさにBMG系材料の剛性を調整できることから、疲労破壊に対する抵抗性も、本発明の実施形態に従って調整できる。疲労破壊に対する抵抗性を改善するのに使用する合金元素は、大きく実験的に決定される。しかし、破壊靱性を増強するのに使用する同一処理技術も、疲労破壊に対する抵抗に有利に影響を与える傾向があることが観察されている。
いずれの場合においても、上述の説明から明らかなように、上で挙げた及び説明したBMG系材料のいずれも、本発明の実施形態に従って、波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネント内に組み込むことができる。より一般的には、任意のBMG系材料も、本発明の実施形態に従って、波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネント内で具現化することができる。例えば、多くの実施形態において、具現化したBMG系材料は、Fe、Zr、Ti、Ni、Hf、又はCuに基づく(即ち、これらの各元素は、任意な他の元素よりも多くの量が材料内に存在する)。いくつかの実施形態において、波動歯車装置コンポーネント内で具現化したBMG系材料は、Cu-Zr-Al-X組成物であり、Xは、例えば、Y、Be、Ag、Co、Fe、Cr、C、Si、B、Mo、Ta、Ti、V、Nb、Ni、P、Zn及びPdのうち1つ又はそれ以上の元素である。いくつかの実施形態において、波動歯車装置コンポーネント内で具現化したBMG系材料は、Ni-Zr-Ti-X組成物であり、Xは、例えば、Co、Al、Cu、B、P、Si、Be及びFeのうち1つまたはそれ以上の元素である。多くの実施形態において、波動歯車部品内で具現化したBMG系材料は、Zr-Ti-Be-X組成物であり、Xは、例えば、Y、Be、Ag、Co、Fe、Cr、C、Si、B、Mo、Ta、Ti、V、Nb、Ni、P、Zn及びPdのうち1つ又はそれ以上の元素である。いくつかの実施形態において、波動歯車装置コンポーネントは、Ni40Zr28.5Ti16.5Al10Cu(原子割合)であるBMG系材料を含む。いくつかの実施形態において、波動歯車装置コンポーネントは、(Cu50Zr50Al1〜12Be1〜20Co0.5〜5であるBMG系材料を含む。多くの実施形態において、所望材料プロファイルを、或る波動歯車装置コンポーネントに対して決定し、また所望特性を有するBMG系材料を、波動歯車装置コンポーネントを構成するのに使用する。BMG系材料は多くの有利な特質を有することができるため、波動歯車装置コンポーネント内での具現化の結果、より一層堅牢な波動歯車装置となり得る。BMG系波動歯車装置のこの設計手法及び作製を、以下に詳細に説明する。
BMG系波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントの作製
本発明の多くの実施形態において、波動歯車装置コンポーネントは、鋳造技術又は熱可塑形成技術を使用してBMG系材料から作製する。鋳造技術又は熱可塑形成技術は効率を大きく向上することができ、この技術によって波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントを作製する。例えば、スチール系波動歯車装置コンポーネントは、一般的には機械加工するものであり、構成コンポーネントの複雑さに起因して、機械加工のコストは相当高額となる。逆に、波動歯車装置コンポーネントの開発における鋳造技術又は熱可塑形成技術の使用は、過剰に費用がかかる機械加工プロセスを避けることができる。
鋳造又は熱可塑形成技術を組み込んだ波動歯車装置コンポーネントの作製方法を図6に示す。このプロセスは、作製すべきコンポーネントの所望材料プロファイルを決定するステップ610を有する。例えば、フレクスプラインを作成する場合、構成要素材料は、特定の剛性、疲労破壊に対する特定の抵抗性、特定の密度、脆性破壊に対する特定の抵抗性、腐食に対する特定の抵抗性、磨耗に対する特定の抵抗性、特定レベルのガラス形成能力等を有するのが望ましい。多くの実施形態において、材料コストも主な考慮要因となる(例えば、特定のBMG系材料は、他のBMG系材料よりも高い又は安いものであり得る)。概して、いかなるパラメータも、作製すべきコンポーネントに対する材料プロファイルを決定するステップ610の考慮要因となり得る。
波動歯車装置におけるいずれの構成コンポーネントも本発明の実施形態に従って作製できることに留意されたい。先に指摘したように、フレクスプライン及び玉軸受は周期的変形に晒されるため、疲労破壊に対して高い抵抗性を有する材料から形成することは特に有利である。さらに、フレクスプライン及び玉軸受は、磨耗に対する極めて高い抵抗性を有する材料から形成することによっても有益であり、これはすなわち、それらコンポーネントは、波動歯車装置の通常動作中に一定の接触及び相対的な動きに直面する(フレクスプラインのギア歯は磨耗し、また玉軸受のボール並びに内側レース及び外側レースは磨耗に直面する)。いくつかの実施形態において、玉軸受の玉は、BMG系材料から作成し、このようにして、玉軸受のボールは、BMG系材料がもたらし得る向上した磨耗抵抗から恩恵を受けることができる。
しかし、波動歯車装置のいかなるコンポーネントも本発明の実施形態に従ってBMG系材料から作製できることは明らかである。いくつかの実施形態において、円形スプラインのギア歯は、BMG系材料から作製する。このようにして、円形スプラインのギア歯は、BMG系材料が呈し得る向上した磨耗性能特性から恩恵を受けることができる。いくつかの実施形態において、BMG系材料から作製した円形スプラインのギア歯は、その後、異なる、より剛性の高い材料、−例えば、バリリウム及びチタニウム−内に圧嵌するが、円形スプラインを形成し、フレクスプライン及び波生成装置の動きを支持する上で比較的堅固な円形スプラインにとって有益であることを念頭に留め置きたい。このようにして、BMG系材料を、向上した磨耗性能を呈し得る円形スプラインのギア歯において具現化し、より剛性の高い材料は、向上した構造的支持体を呈し得る円形スプラインの残りの部分を形成することができる。
多くの実施形態において、波動歯車装置の構成コンポーネントの大部分を同一BMG系材料から作製し、このようにして、それぞれの波動歯車装置がより均一な熱膨張係数を有することができる。いずれの場合においても、波動歯車装置のいかなる構成コンポーネントも、本発明の実施形態に従ってBMG系材料から作製することができる。
図6に戻って説明すると、決定した材料プロファイルを満足させるBMG系材料を選択する(ステップ620)。任意の適切なBMG系材料を選択でき、これらBMG系材料としては、表1〜5において挙げた、また、図4A〜4B及び5において示したうちのすべてを含む。多くの実施形態において、BMG系材料は、ステップ610で決定した材料プロファイルを満足させるよう特に開発し、またステップ620で選択する。例えば、多くの実施形態において、或るBMG系材料は、任意の適切な方法で合金化することによって(例えば先に詳述したように)開発し、材料特性を微調整する。多くの実施形態において、BMG系材料は、結晶構造のアモルファス構造に対する比を変更する(例えば先に詳述したように)ことによって開発し、材料特性を微調整する。もちろん、ステップ610で決定した材料特性を満足させるBMG系材料を開発するいかなる適切な方法も、本発明の実施形態に従って具現化することができる。
ステップ620で選択したBMG系材料は、例えば、熱可塑的に所望形状(例えば、作製すべきコンポーネントの形状)に形成し、又は鋳造技術を使用して形成する。BMG系材料からの鋳造又は熱可塑技術によるギア型のコンポーネント作製は、現在広く普及していないが、本発明の発明者は、このような技術の実行可能性をこの目的のために実証した。例えば、図7A〜7Dは、BMG系材料から単一鋳造ステップを使用して作製した1インチ半径のギアを示す。特に、図7Aは、ギア形成に使用したスチール鋳型を示す。図7Bは、スチール鋳型からのBMGMC材料の取出しを示す。図7C及び7Dは、作製したコンポーネントの忠実性を実証するSEM画像を示す。とくに、ギア歯もこの作製方法を使用して具現化した。このようにして、ギア歯を複雑で高額な機械加工を回避できる(逆に、スチール系波動歯車装置コンポーネントは、一般的には、コンポーネント形成において機械加工に頼る)。従って、この教示に従って、多くの実施形態にいて、BMG系材料は、熱可塑的形成又は鋳造して、波動歯車装置の構成コンポーネントの形状にする。多くの実施形態において、BMG系材料は、熱可塑的形成又は鋳造して、ギア歯の形状を含む構成コンポーネントの形状にする。さらに、留意すべきは、任意の適切な熱可塑的形成又は鋳造技術は、本発明の実施形態に従って実施することができる点である。例えば、波動歯車装置の構成コンポーネントは、直接鋳造技術、鍛造技術、スピン形成技術、ブロー成形技術、遠心鋳造技術、BMG系粉末を使用した熱可塑形成技術、のうち1つの技術によって形成することができる。当業者には理解できるように、BMG系材料は、少なくともいくつかのアモルファス構造を維持するために十分に急速に冷却しなければならない。もちろん、留意すべきは、波動歯車装置コンポーネントは、本発明の実施形態に従って、機械加工も含めて任意の適切な様態でBMG系材料から形成することができる。
実施例として、図8A〜8Dは、本発明の実施形態に従って、波動歯車装置の構成コンポーネントを形成するように実施できる直接鋳造技術を示す。特に、図8Aは、加熱して融解状態にし、それによって鋳型804内に挿入する準備ができている融解BMG系材料802の状況を示す。鋳型804は、形成すべきコンポーネントの形状を画定するのに役立つ。図8Bは、融解BMG系材料802を鋳型804内に圧入する状況を示す。図8Cは、BMG系材料を冷却した後に鋳型804を解放する状況を示す。図8Dは、あらゆる過剰なフラッシュ(はみ出し部分)を除去する状況を示す。従って、波動歯車装置コンポーネントは、本発明の実施形態に従って、BMG系材料と関連して直接鋳造技術を使用して作製できる。留意すべきは、波動歯車装置コンポーネントにおける実施に適する結晶金属の鋳造は一般的には実現不能である点である。
図9A〜9Cは、本発明の実施形態に従って実施できる他の形成技術を示す。特に、図9A〜9Cは、本発明の実施形態に従って、シート形態であるBMG系材料を熱可塑形成することを示す。特に、図9Aは、この熱可塑形成を実施するよう加熱しておいたBMG系材料のシート902を示す。図示の実施形態において、BMG系材料のシート902を容量放電技術により加熱するが、任意の適切な加熱方法も本発明の実施形態に従って実施できることを理解されたい。図9Bは、BMG系材料を鋳型904内に押し込むのにプレスを使用し、作製すべきコンポーネントを形成する状況を示す。図9Cは、鋳型904を解放してあらゆる過剰なフラッシュを除去する状況を示す。このようにして、所望コンポーネントを得る。
上述したように、熱可塑形成できるBMG系材料の加熱は、本発明の実施形態に従って任意の適切な方法で達成できる。例えば、図10A〜10Cは、シート形態のBMG系材料の加熱が、スピニング摩擦によって達成できることを示す。図10A〜10Cは、図9A〜9Cにおいて見られるのと類似しているが、BMG系材料1002に対して押し付けるとともに、プレス1010の回転によりBMG系シート材料を摩擦加熱する点を除いて類似している。このようにして、BMG系材料は、熱可塑形成できる程度まで加熱することができる。この技術は、「スピン形成」と称されている。
留意すべきは、上述の説明は、BMG系材料を鋳型に機械的に合致させることに関するが、BMG系材料は、本発明の実施形態に従って、任意の適切な方法で鋳型内に形成することができる。多くの実施形態において、BMG系材料は、鋳型に合致させるのを、鍛造技術、真空技術、絞り技術、及び磁気形成技術のうちの1つを使用して行う。もちろん、BMG系材料は、本発明の実施形態に従って、任意の適切な様態で鋳型に合致させることができる。
図11A〜11Cは、ブロー成形技術を使用して一部を形成する状況を示す。特に、図11Aは、BMG系材料を金型内に配置する状況を示す。図11Bは、BMG系材料1102を加圧ガス又は液体に被曝させ、BMG系材料を金型1104の形状に合致させる状況を示す。一般的には、加圧した不活性ガスを使用する。従来通り、BMG系材料を通常通り加熱して、十分成形し易くなり、また加圧ガス又は液体によって影響を受けることができるようにする。やはり、任意の適切な加熱技術を本発明の実施形態に従って実施することができる。図11Cは、加圧ガス又は液体の力に起因して、BMG系材料が金型1104の形状に一致する状況を示す。
図12A及び12Bは、遠心鋳造を実施して、波動歯車装置の構成コンポーネントを形成することができることを示す。図12Aは、融解BMG系材料1202を金型1204内に注入し、また金型を回転させてBMG系材料を金型の形状に合致させる状況を示す。
図13A〜13Cは、BMG系材料を粉末の形態で金型内に投入し、次に加熱して、材料を熱可塑形成可能な状態にし、それによって、本発明の実施形態に従って、所望構成コンポーネントの形状をなすように形成することを示す。特に、図13Aは、粉末形態のBMG系材料1302を金型内に堆積させた状況を示す。図13Bは、BMG系材料1302を加熱及びプレスして、金型1304の形状に合致させる状況を示す。また、図13Cは、BMG系材料が固体化して、それによって所望コンポーネントを形成した状況を示す。
概して、BMG系材料を熱可塑形成又は鋳造するのに適した技術はいずれも、本発明の実施形態に従って実施できることは明らかであろう。上述の実施例は、説明に役立つことを意味し、包括的ではない。より概括的には、BMG系材料で構成する波動歯車装置コンポーネントを形成するのに適切ないかなる技術も、本発明の実施形態に従って実施することができる。
図6に戻って説明すると、プロセス600はさらに、望ましい場合には、作製したコンポーネントを仕上げる任意の後形成作業を実施するステップ640を有する。例えば、いくつかの実施形態において、フレクスプラインの全体形状は、熱可塑形成又は鋳造し、次いで、ギア歯をフレクスプラインに対して機械加工する。いくつかの実施形態において、双ロール成形技術を施し、ギア歯をフレクスプライン又は円形スプラインに設ける。図14は、ギア歯をフレクスプラインに具現化するのに使用できる双ロール成形配置を示す。特に、配置1400は、この配置によりフレクスプライン1402の動きを支持する第1ローラーと、ギア歯をフレクスプラインに画成するよう作用する第2ローラー1412とを有する。フレクスプライン1402は加熱して、より成形し易くなり、第2ローラーによって画成する準備ができるようにする。もちろん、ロール成形した部品は、本発明の実施形態に従った任意の適切な技術を使用して仕上げることができる。例えば、ギア歯は、慣習的な機械加工技術を使用して具現化することができる。加えて、ロール成形した部品は、本発明の実施形態に従った任意の適切な方法で(ギア歯を画成するためだけではない)仕上げることができる。
図15A〜15Fは、図6において概要を示したプロセスに従った、フレクスプラインの作製を示す。図15Aはフレクスプラインの全体的形状を鋳造するのに使用するマルチピースの鋳型を示し、図15Bはフレクスプラインの全体的形状を鋳造するのに使用する組立状態にしたマルチピースの鋳型を示し、図15CはBMG系材料を使用するフレクスプラインの鋳造を示し、図15Dは鋳型の解体状況を示し、図15Eは鋳型から取り出したフレクスプラインを示し、図15FはBMG系材料から鋳造した後にフレクスプラインを機械加工してギア歯を設けることができることを示す。留意されたいことには、図面はギア歯をフレクスプラインに機械加工することを示すが、フレクスプラインは所望ギア歯を有するよう鋳造することができる。このようにして、コストのかかる機械加工を回避することができる。
形成技術は、プロセス制御に関して極めて繊細であることに留意されたい。概して、部品を形成するとき、流体流、通気、温度、及び冷却を精密に制御することは有益である。例えば、図16は、鋳造技術を使用するフレクスプライン形成における数回の試みを示し、多くの試みが明らかに不完全であることを示す。特に、画像における7個のサンプルは、密度5.3g/cmを有するTiZrCuBeのBMG系材料を使用して作製した。画像における最右側のサンンプルはVitreloy1から作製した。
図17は、上述のプロセスを使用して、様々なスケールの部品を作出することを示す。例として、図17は、上述のプロセスに従って作製したより大きいフレクスプラインを示すとともに、上述のプロセスに従って作成したより小さいフレクスプラインも示す。このようにして、上述のプロセスは多用途である。
理解すべきことは、図15〜17は、フレクスプラインの作製に関連するが、いずれの波動歯車装置コンポーネントも本発明の実施形態に従ってBMG系材料から作製することができる点である。例えば、図18A〜18BはBMG系材料から作製した円形スプラインを示す。特に、図18Aは1.5インチの円形スプラインを作製したチタンBMG系材料を示し、図18Bは作製したフレクスプラインに対する作製した円形スプラインを示す。円形スプラインはギア歯を設けた状態として示していないが、ギア歯は、その後に円形スプラインに機械加工することができる。
上述の作製技術は、波動歯車装置及び波動歯車装置コンポーネントを効率的に作製するのに使用できる。例えば、上述の説明でそれとなく指摘したように、コンポーネントの機械加工に関連する費用は、これらの技術を使用して回避することができる。従って、或る波動歯車装置コンポーネントを作製するコストは、主に原料コストの関数となり、このことは、コンポーネントのサイズに関係なく言える。逆に、スチール系波動歯車装置コンポーネントを形成するとき、その部品を製造するコストは、幾分の臨界値を超えるサイズ減少に伴って増大する。このことは、より小さいサイズの部品を機械加工するのが困難になるからである。
例として、図19は、アモルファス金属の原料コストがスチールよりも高いという、フレクスプラインに関しての関係を示す。例えば、スチールの剛性は、フレクスプラインが何らかの特定量、例えば50.8mm(2インチ)よりも小さい直径を有する必要があり、また、何らかの量、例えば1mmより小さい壁厚を有する必要があり得る。状況を説明すると、図20は、直径50.8mm(2インチ)で0.8mmの壁厚を有するスチール系フレクスプラインを示す。重要なことに、フレクスプラインを直径が例えば1インチ未満になるようより小さく形成するとき、スチールの壁は機械加工し易くするのには薄すぎてしまう。その結果、アモルファス金属原料のコストがスチールよりも高いときでも、フレクスプラインはアモルファス金属からの製造の方がより安くすることができる。要するに、手間のかかる機械加工は、BMG系材料から部品を鋳造することによって排除でき、また、フレクスプラインの費用もそれによって減少できる。
上述の説明から推察できるように、上述の概念は、本発明の実施形態に従って様々な構成に具現化することができる。例えば、いくつかの実施形態において、波動歯車装置コンポーネントはポリマー材料から注型成形し、その後、バルク金属ガラス系材料でコーティングする。このようにして、バルク金属ガラス系材料の耐磨耗特性を利用することができる。従って、本発明は特定の態様において説明したが、多くの付加的な変更及び改変は当業者には明らかであろう。したがって、本発明は本明細書で特別に説明した以外に実施できることを理解されたい。従って、本発明の実施形態は、全ての点において説明目的であって、限定的なものではないと見なすべきである。
米国特許第13/928109号明細書 米国特許第13/942932号明細書
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Claims (20)

  1. 波生成装置と、
    第1セットのギア歯を有するフレクスプラインと、
    第2セットのギア歯を有する円形スプラインと、
    を備え、
    前記波生成装置、前記フレクスプライン、前記円形スプラインのうち少なくとも1つはバルク金属ガラス系材料を含む、波動歯車装置。
  2. 請求項1に記載の波動歯車装置において、前記波生成装置は、波生成装置プラグ及び軸受を有する、波動歯車装置。
  3. 請求項2に記載の波動歯車装置において、前記軸受は玉軸受である、波動歯車装置。
  4. 請求項1に記載の波動歯車装置において、前記波生成装置、前記フレクスプライン、及び前記円形スプラインのそれぞれがバルク金属ガラス系材料を含む、波動歯車装置。
  5. 請求項1に記載の波動歯車装置において、前記第1セットのギア歯及び前記第2セットのギア歯のうち少なくとも一方がバルク金属ガラス系材料を含む、波動歯車装置。
  6. 請求項1に記載の波動歯車装置において、前記第1セットのギア歯及び前記第2セットのギア歯のそれぞれがバルク金属ガラス系材料を含む、波動歯車装置。
  7. 請求項6に記載の波動歯車装置において、前記波生成装置は、バルク金属ガラス系材料を含む玉軸受を有する、波動歯車装置。
  8. 請求項1に記載の波動歯車装置において、最大量で存在する前記バルク金属ガラス系材料の元素は、Fe、Zr、Ti、Ni、Hf、及びCuのうちの1つである、波動歯車装置。
  9. 請求項1に記載の波動歯車装置において、前記バルク金属ガラス系材料はNi40Zr28.5Ti16.5Al10Cuである、波動歯車装置。
  10. 楕円形状の断面を有する波生成装置プラグと、
    内側レース、外側レース及び複数の転動部材を有する軸受と、
    を備え、
    前記波生成装置プラグは前記軸受内に配置され、前記軸受が前記波生成装置プラグの前記楕円形状に合致できるようにし、
    前記波生成装置プラグ及び前記軸受のうち少なくとも一方はバルク金属ガラス系材料を含む、波生成装置。
  11. 請求項10に記載の波生成装置において、前記軸受は玉軸受である、波生成装置。
  12. 円形形状を画定する可撓性本体を備えるフレクスプラインであって、前記円形形状の外周は一組のギア歯セットを画定し、前記可撓性本体はバルク金属ガラス系材料を含む、フレクスプライン。
  13. 請求項12に記載のフレクスプラインにおいて、前記一組のギア歯セットがバルク金属ガラス系材料を含む、フレクスプライン。
  14. リング状本体を備える円形スプラインであって、前記リング状本体の内周は一組のギア歯セットを画定し、前記リング状本体はバルク金属ガラス系材料を含む、円形スプライン。
  15. 請求項14に記載の円形スプラインにおいて、前記一組のギア歯セットがバルク金属ガラス系材料を含む、円形スプライン。
  16. 波動歯車装置コンポーネントを作製する方法であって、
    熱可塑性形成技術及び鋳造技術のうち一方と関連する成形型を使用してBMG系材料を成形するステップを有し、
    前記BMG系材料は、波生成装置プラグ、内側レース、外側レース、転動素子、フレクスプライン、一組のギア歯セットを持たないフレクスプライン、円形スプライン、一組のギア歯セットを持たない円形スプライン、フレクスプライン内に組み込むべき一組のギア歯セット、及び円形スプラインに組み込むべき一組のギア歯セットのうちの一つとして成形される、方法。
  17. 請求項16に記載の方法において、さらに、熱可塑性形成技術又は鋳造技術のいずれかによって成形した後に前記BMG系材料を機械加工するステップを有する、方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、前記BMG系材料は、一組のギア歯セットを持たないフレクスプライン及び一組のギア歯セットを持たない円形スプラインのうちの一方として成形し、ギア歯を前記BMG系材料に対して機械加工する、方法。
  19. 請求項18に記載の方法において、前記BMG系材料は、一組のギア歯セットを持たないフレクスプライン及び一組のギア歯セットを持たない円形スプラインのうちの一方として成形され、ギア歯は、双ロール形成技術を使用してBMG系材料に対して具現化される、方法。
  20. 請求項16に記載の方法において、前記BMG系材料は、直接鋳造技術、ブロー成形技術、及び遠心鋳造技術のうち1つを使用して成形される、方法。
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