JP2023176206A - 歯車装置、及びロボット - Google Patents
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Abstract
【課題】歯車装置の交換又は保全の頻度を少なくすることが可能なロボットを提供する。【解決手段】内歯歯車と、外歯歯車と、波動発生器と、を備え、波動発生器は、長軸と短軸とを有する楕円形状又は長円形状の外周面を含むカムと、外歯歯車の内周面とカムの外周面との間に配置されているベアリングと、を有し、ベアリングは、外輪と、外輪の内側に設けられている内輪と、外輪と内輪との間に設けられている複数のボール422と、ボール422を保持する円環状のポケット424Aを含むリテーナー424と、を有し、ポケット424Aは、ボール422の直径D1よりも小さい開口部424A3と、回転軸Jaに沿う方向に平行な断面において対向する平行な2つの第1直線部424A2と、を有する。【選択図】図13
Description
本発明は、歯車装置、及びロボットに関する。
特許文献1には、内輪、外輪、複数の球体、及びリテーナーを有する、楕円形状に変形可能な可撓性軸受の構成が開示されている。球体は、リテーナーにおいて回転軸方向に延びる壁部の間の空間であるポケットに配置される。
回転軸方向から見て、ポケットの周方向の両側に位置する壁部の側面は、仮想直線に対して平行に延びている。よって、可撓性軸受が楕円形状に変形した際に、球体が径方向に移動可能となり、球体やリテーナーの摩耗を抑えることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、可撓性軸受の球体が径方向に移動しやすいものの、回転軸方向には移動しにくいことから、外輪が回転軸方向に変形(コーニングとも呼ぶ)した際に、球体がポケットの回転軸方向に押し付けられて、球体やリテーナーが損傷する恐れがある。
歯車装置は、内歯歯車と、前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸周りに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸周りの周方向に移動させる波動発生器と、を備え、前記波動発生器は、長軸と短軸とを有する楕円形状又は長円形状の外周面を含むカムと、前記外歯歯車の前記内周面と前記カムの前記外周面との間に配置されているベアリングと、を有し、前記ベアリングは、外輪と、前記外輪の内側に設けられている内輪と、前記外輪と前記内輪との間に設けられている複数のボールと、前記ボールを保持する円環状のポケットを含むリテーナーと、を有し、前記ポケットは、前記ボールの直径よりも小さい開口部と、前記回転軸に沿う方向に平行な断面において対向する平行な2つの第1直線部と、を有する。
ロボットは、上記に記載の歯車装置を備える。
以下の各図においては、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸、及びZ軸として説明する。X軸に沿う方向を「X方向」、Y軸に沿う方向を「Y方向」、Z軸に沿う方向を「Z方向」とし、矢印の方向が+方向であり、+方向と反対の方向を-方向とする。なお、+Z方向を「上」又は「上方」、-Z方向を「下」又は「下方」ということもあり、+Z方向から見ることを平面視あるいは平面的ともいう。また、Z方向+側の面を上面、これと反対側となるZ方向-側の面を下面として説明する。
まず、図1を参照しながら、ロボット100の構成を説明する。
ロボット100は、例えば、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送および組立等の作業に用いられる。図1に示すように、ロボット100は、基台110と、第1アーム120と、第2アーム130と、作業ヘッド140と、エンドエフェクター150と、配管160と、を有している。なお、「回動」とは、ある中心点に対して一方向又はその反対方向を含めた双方向に動くこと、及び、ある中心点に対して回転することを含むものである。
基台110は、例えば、図示しない床面にボルト等によって固定されている。基台110の内部には、ロボット100を統括制御する制御装置190が配置されている。また、基台110には、基台110に対して鉛直方向に沿う第1軸J1まわりに回動可能に第1アーム120が連結している。すなわち、基台110に対して第1アーム120が相対的に回動している。
基台110内には、第1駆動部170が配置されている。第1駆動部170は、第1アーム120を回動させる駆動力を発生させるサーボモーター等の第1モーターであるモーター171(駆動源)と、モーター171の回転を減速する第1減速機である歯車装置1と、を有する。歯車装置1の入力軸は、モーター171の回転軸に連結され、歯車装置1の出力軸は、第1アーム120に連結されている。そのため、モーター171が駆動し、その駆動力が歯車装置1を介して第1アーム120に伝達されると、第1アーム120が第1軸J1まわりに水平面内で回動する。
第1アーム120の先端部には、第1アーム120に対して第2軸J2まわりに回動可能な第2アーム130が連結している。第2アーム130内には、図示しないが、第2アーム130を回動させる駆動力を発生させる第2モーターと、第2モーターの回転を減速する第2減速機と、を有する第2駆動部が設置されている。そして、第2モーターの駆動力が第2減速機を介して第2アーム130に伝達されることにより、第2アーム130が第1アーム120に対して第2軸J2まわりに水平面内で回動する。
第2アーム130の先端部には、作業ヘッド140が配置されている。作業ヘッド140は、第2アーム130の先端部に同軸的に配置された図示しないスプラインナットおよびボールネジナットに挿通されたスプラインシャフト141を有している。スプラインシャフト141は、第2アーム130に対して、図1に示す第3軸J3まわりに回転可能であり、かつ、上下方向に移動可能となっている。
第2アーム130内には、図示しないが、回転モーターおよび昇降モーターが配置されている。回転モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってスプラインナットに伝達され、スプラインナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が鉛直方向に沿う第3軸J3まわりに正逆回転する。
一方、昇降モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってボールネジナットに伝達され、ボールネジナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が上下に移動する。
スプラインシャフト141の先端部には、エンドエフェクター150が連結されている。エンドエフェクター150としては、特に限定されず、例えば、被搬送物を把持するもの、被加工物を加工するもの等が挙げられる。
第2アーム130内に配置された各電子部品、例えば第2モーター、回転モーター、昇降モーター等に接続される複数の配線は、第2アーム130と基台110とを連結する配管160内を通って、基台110内まで引き回されている。さらに、複数の配線は、基台110内でまとめられることによって、モーター171および図示しないエンコーダーに接続される配線と共に、基台110内に設置された制御装置190まで引き回される。
また、本実施形態では、第1減速機が歯車装置1で構成されているが、第2減速機が歯車装置1で構成されていてもよく、また、第1減速機および第2減速機の双方が歯車装置1で構成されていてもよい。
なお、本実施形態のロボット100は、水平多関節ロボットを例示しているが、本発明のロボットはこれに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、垂直多関節ロボットにも適用可能である。
次に、図2~図7を参照しながら、歯車装置1の構成を説明する。なお、図2では、図示の便宜上、外歯歯車3の一部、具体的にはダイヤフラム32の具体的な形状を省略している。
図2に示すように、歯車装置1は、波動歯車装置であり、例えば、減速機として用いられる。この歯車装置1は、内歯歯車2と、内歯歯車2の内側に設けられたシルクハット形状で可撓性を有する外歯歯車3と、外歯歯車3の内側に設けられ、ベアリング42を備える波動発生器4(図5、図6、図7参照)と、を有している。
内歯歯車2、外歯歯車3、及び波動発生器4の内の一つが、前述したロボット100の基台110に対して接続され、他の一つが前述したロボット100の第1アーム120に対して接続される。本実施形態では、内歯歯車2が基台110に対して固定され、外歯歯車3が第1アーム120に対して接続され、波動発生器4がモーター171の回転軸(図示省略)に接続される。
モーター171の回転軸が回転すると、波動発生器4は、モーター171の回転軸と同じ回転速度で回転する。そして、内歯歯車2及び外歯歯車3は、互いに歯数が異なるため、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、これらの歯数差に起因して回転軸Jaまわりに相対的に回転する。本実施形態では、内歯歯車2の歯数の方が外歯歯車3の歯数より多いため、モーター171の回転軸の回転速度よりも低い回転速度で外歯歯車3を回転させることができる。すなわち、波動発生器4を入力軸側、外歯歯車3を出力軸側とする減速機を実現することができる。
なお、内歯歯車2、外歯歯車3、及び波動発生器4の接続形態は、前述した形態に限定されず、例えば、外歯歯車3を基台110に対して固定し、内歯歯車2を第1アーム120に対して接続しても、歯車装置1を減速機として用いることができる。また、外歯歯車3をモーター171の回転軸に接続しても、歯車装置1を減速機として用いることができ、この場合、波動発生器4を基台110に対して固定し、内歯歯車2を第1アーム120に対して接続すればよい。
内歯歯車2は、径方向に実質的に撓まない剛体で構成された歯車であって、内歯23を有するリング状の歯車である。本実施形態では、内歯歯車2は平歯車である。従って、内歯23は、回転軸Jaに対して平行な、歯すじを有する。なお、内歯23の歯すじは、回転軸Jaに対して傾斜していてもよい。即ち、内歯歯車2は、はすば歯車、又は、やまば歯車であってもよい。
外歯歯車3は、内歯歯車2の内側に挿通されている。外歯歯車3は、径方向に撓み変形可能な可撓性を有する歯車であって、内歯歯車2の内歯23に噛み合う外歯33を有する歯車である。また、外歯歯車3の歯数は、内歯歯車2の歯数よりも少ない。このように、外歯歯車3及び内歯歯車2の歯数が互いに異なることにより、減速機を実現することができる。
図3に示すように、本実施形態では、外歯歯車3は、いわゆるシルクハット型をなし、回転軸Ja方向の右端に開口端34を有している。外歯歯車3は、回転軸Jaまわりの円筒状をなす円筒部31を有する。円筒部31は、開口端34側の部位である外歯形成部311と、開口端34とは反対側の部位であり、一定の厚さの円筒状の胴部312と、を備えている。なお、外歯形成部311の外周面側の部分には、外歯33が形成されている。
また、外歯歯車3は、円筒部31に加え、円筒部31に接続して円筒部31の半径方向の外側に延びるダイヤフラム32を有する。また、外歯歯車3は、ダイヤフラム32に接続する環状のボス部35を有する。
外歯歯車3のボス部35には、例えば、ネジ等の固定具により、図示しない出力軸が固定される。これにより、出力軸と外歯歯車3とが接続される。なお、出力軸と外歯歯車3との接続方法は、これに限定されない。
図3及び図4に示すように、波動発生器4は、外歯歯車3の内周面31aに接触し、内歯歯車2と外歯歯車3との噛み合い位置を回転軸Jaまわりの周方向に移動させる。波動発生器4は、図4に示すように、外歯歯車3の横断面を長軸La及び短軸Lbとする楕円形、又は、長円形に変形させることにより、外歯33を内歯歯車2の内歯23に噛み合わせる。外歯歯車3及び内歯歯車2は、互いに同一の回転軸Jaまわりに回転可能になっており、互いに内外で噛み合わされている。具体的には、外歯歯車3は、内歯歯車2に部分的に噛み合い、内歯歯車2に対して回転軸Ja周りに相対的に回転する。
外歯歯車3の円筒部31は、前述したように、外歯形成部311及び胴部312を有する。外歯形成部311は、図3に示す開口端34側の端部であって、外歯33が設けられている部分である。また、胴部312は、円筒部31のうち、ダイヤフラム32側に位置する部分である。このうち、外歯形成部311は、コーニングによる大きな変形が生じる部分である。
コーニングとは、図4に示す長軸Laの位置で円筒部31が回転軸Jaに対して外側に開き、短軸Lbの位置で円筒部31が回転軸Jaに対して内側に狭まるような、3次元的な変形を意味する。外歯形成部311は、外歯歯車3に波動発生器4が嵌め合わされたとき、胴部312よりも大きく変形する。
図3に示すように、波動発生器4は、外歯歯車3の外歯形成部311に嵌め込まれている。波動発生器4は、長軸と短軸とを有する楕円形状又は長円形状の外周面412aを含むカム41と、外歯歯車3の内周面31aとカム41の外周面412aとの間に配置されているベアリング42と、を有する。カム41は、回転軸Jaまわりに回転する軸部411と、軸部411の一端部から外側に突出しているカム部412と、を有している。
図4に示すように、カム部412の外周面412aは、回転軸Jaに沿った方向から見たときに、上下方向を長軸La、左右方向を短軸Lbとする楕円形または長円形をなしている。ベアリング42は、カム41に嵌め込まれており、可撓性を有する内輪421及び外輪423と、これらの間に配置されている複数のボール422と、を有している。
内輪421は、カム41のカム部412の外周面412aに嵌め込まれ、カム部412の外周面412aに沿って楕円形又は長円形に弾性変形している。それに伴って、外輪423も楕円形又は長円形に弾性変形している。外輪423の外周面423aは、図3に示すように、円筒部31の内周面31aに当接している。また、複数のボール422は、内輪421の周方向において互いの間隔を一定に保つように、リテーナー424(図5参照)により保持されている。
このような波動発生器4は、カム41が回転軸Jaまわりに回転することに伴って、カム部412の向きを変え、それに伴って、外輪423を変形させる。これにより、内歯歯車2及び外歯歯車3の互いの噛み合い位置を周方向に移動させる。このとき、内輪421は、カム部412の外周面412aに対して固定的に設置されているため、変形状態は変わらない。
次に、図8~図14を参照しながら、ベアリング42の構成と、リテーナー424とボール422との配置関係と、について説明する。
図8に示すように、ベアリング42は、外輪423と、外輪423の内側に設けられている内輪421と、外輪423と内輪421との間に設けられている複数のボール422と、ボール422を保持するリテーナー424と、を有する。リテーナー424は、例えば、樹脂で構成されている。
図9、図10、図12、図13に示すように、ポケット424Aは、回転軸Jaに沿う方向に平行な断面において、全体に円環状に形成されている。具体的には、ポケット424Aは、図13に示すように、略半円形状の底部424A1と、対向する平行な2つの第1直線部424A2と、ボール422の直径D1よりも小さい開口部424A3と、を有する。
このように、ポケット424Aの回転軸Jaに沿う方向において、対向する平行な2つの第1直線部424A2が設けられているので、内輪421や外輪423が回転軸Jaの方向に変形した際に、ボール422がポケット424Aの回転軸Jaの方向に移動しやすくなり、ボール422がポケット424Aの回転軸Jaの方向に押し付けられることを抑えることができる。よって、ボール422やリテーナー424が損傷することを抑えることが可能となり、ベアリング42の寿命を延ばすことができる。
また、ポケット424Aは、図14に示すように、回転軸Jaの方向から見て、ボール422の円弧形状に沿った2つの円弧部と、2つの円弧部を繋ぐ2つの直線部と、を有する。
なお、リテーナー424における半径方向Rの幅W0の中心P1は、ボール422の中心P2よりも回転軸Jaに近い、即ち、半径W2は半径W1よりも小さいことが好ましい。このように、ボール422の中心P2よりも、リテーナー424の幅W0の中心P1の方が回転軸Jaに近いので、ボール422を外輪423と内輪421との間に配置した際、ボール422とリテーナー424との間に隙間L1を設けることができる。よって、ボール422やリテーナー424が損傷することを抑えることができる。
また、図15に示すように、波動発生器4は、ベアリング42の内輪421に接し、ベアリング42が回転軸Jaの方向に移動することを規制するフランジ43を有する。フランジ43の外径D2は、内輪421の外径D3よりも小さい。即ち、ベアリング42のフランジ43側に逃げとして機能する隙間L2を設けるので、リテーナー424がフランジ43側に飛び出したとしても、リテーナー424が抜けないようにすることができる。
以上述べたように、本実施形態の歯車装置1は、内歯歯車2と、内歯歯車2に部分的に噛み合って内歯歯車2に対して回転軸Ja周りに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車3と、外歯歯車3の内周面31aに接触し、内歯歯車2と外歯歯車3との噛み合い位置を回転軸Ja周りの周方向に移動させる波動発生器4と、を備え、波動発生器4は、長軸Laと短軸Lbとを有する楕円形状又は長円形状の外周面412aを含むカム41と、外歯歯車3の内周面31aとカム41の外周面412aとの間に配置されているベアリング42と、を有し、ベアリング42は、外輪423と、外輪423の内側に設けられている内輪421と、外輪423と内輪421との間に設けられている複数のボール422と、ボール422を保持する円環状のポケット424Aを含むリテーナー424と、を有し、ポケット424Aは、ボール422の直径D1よりも小さい開口部424A3と、回転軸Jaに沿う方向に平行な断面において対向する平行な2つの第1直線部424A2と、を有する。
この構成によれば、ポケット424Aの回転軸Jaに沿う方向において、対向する平行な2つの第1直線部424A2が設けられているので、内輪421や外輪423が回転軸Ja方向に変形した際に、ボール422がポケット424Aの回転軸Ja方向に移動しやすくなり、ボール422がポケット424Aの回転軸Ja方向に押し付けられることを抑えることができる。よって、ボール422やリテーナー424が損傷することを抑えることが可能となり、ベアリング42の寿命を延ばすことができる。
また、本実施形態の歯車装置1において、リテーナー424において半径方向Rの幅W0の中心P1は、ボール422の中心P2よりも回転軸Jaに近いことが好ましい。この構成によれば、ボール422の中心P2よりも、リテーナー424の幅W0の中心P1の方が回転軸Jaに近いので、ボール422を外輪423と内輪421との間に配置した際、ボール422とリテーナー424との間に隙間L1を設けることができる。よって、ボール422やリテーナー424が損傷することを抑えることができる。
また、本実施形態の歯車装置1において、波動発生器4は、内輪421に接しベアリング42が回転軸Ja方向に移動することを規制するフランジ43を有し、フランジ43の外径D2は、内輪421の外径D3よりも小さいことが好ましい。この構成によれば、フランジ43の外径D2が内輪421の外径D3よりも小さい、即ち、ベアリング42のフランジ43側に隙間L2を設けているので、リテーナー424がフランジ43側に飛び出したとしても、リテーナー424が抜けないようにすることができる。
また、本実施形態のロボット100は、上記に記載の歯車装置1を備える。この構成によれば、上記した歯車装置1を備えるので、歯車装置1の交換又は保全の頻度を少なくすることが可能なロボット100を提供することができる。
以下、上記した実施形態の変形例を説明する。
上記したように、歯車装置1はハット型であることに限定されず、変形例の歯車装置1001のようにカップ型であってもよい。以下、図16を参照しながら、歯車装置1001の構成を説明する。
図16に示すように、歯車装置1001の外歯歯車1003は、回転軸Ja方向左端に開口1035を有するカップ状をなし、その外周面に設けられた外歯1033を有している。外歯歯車1003は、回転軸Jaまわりの円筒状の胴部1031と、胴部1031の軸方向の一端部側、即ち、回転軸Ja方向右側に接続されている底部1032と、を有する。
外歯歯車1003の底部1032には、回転軸Jaに沿って貫通した孔1321と、孔1321の周囲において貫通した複数の孔1322と、が形成されている。外歯歯車1003は、回転軸Jaに沿った方向において2つの端部1331,1332を有する。
波動発生器1004は、外歯歯車1003の第2端部1332よりも第1端部1331に近い位置に嵌め込まれている。波動発生器1004は、カム1041と、カム1041の外周に装着されているベアリング1042と、を有している。カム1041は、回転軸Jaまわりに回転する軸部1411と、軸部1411の一端部から外側に突出しているカム部1412と、を有している。ベアリング1042は、カム1041に嵌め込まれており、可撓性を有する内輪1421および外輪1423と、これらの間に配置されている複数のボール1422と、を有している。
内輪1421は、カム1041のカム部1412の外周面に嵌め込まれ、カム部1412の外周面に沿って楕円形または長円形に弾性変形している。それに伴って、外輪1423も楕円形または長円形に弾性変形している。外輪1423の外周面は、胴部1031の内周面1311に当接している。また、内輪1421の外周面は、複数のボール1422を周方向に沿って案内しつつ転動させる内輪溝1431を含み、外輪1423の内周面は、複数のボール1422を周方向に沿って案内しつつ転動させる外輪溝1441を含んでいる。
このような波動発生器1004は、カム1041が回転軸Jaまわりに回転することに伴って、カム部1412の向きを変え、それに伴って、外輪1423を変形させる。これにより、内歯歯車1002および外歯歯車1003の互いの噛み合い位置を周方向に移動させる。
また、上記したように、回転軸Jaの方向から見たリテーナー424の平面形状は、図14に示すように、ボール422の円弧形状に沿った2つの円弧部と、2つの円弧部を繋ぐ2つの直線部と、を有することに限定されず、図17に示すような形状にしてもよい。
図17に示すように、変形例のリテーナー425の平面形状は、ボール422とボール422との間において、略台形形状に形成されている。具体的には、ポケット425Aは、回転軸Jaの方向に垂直な断面において、対向する2つの第2直線部425aを有する。この構成によれば、回転軸Jaの方向に垂直な断面、言い換えれば、半径方向Rにおいて対向する2つの第2直線部425aが設けられているので、内輪421や外輪423が半径方向Rに変形した場合であっても、ボール422がポケット425Aの半径方向Rに移動することが可能となり、ボール422がポケット425Aの半径方向Rに押し付けられることを抑えることができる。
また、上記したように、歯車装置1を搭載するロボット100は、水平多関節ロボットであることに限定されず、6軸を有する垂直多関節ロボットであってもよい。
1…歯車装置、2…内歯歯車、3…外歯歯車、4…波動発生器、23…内歯、31…円筒部、31a…内周面、32…ダイヤフラム、33…外歯、34…開口端、35…ボス部、41…カム、42…ベアリング、43…フランジ、100…ロボット、110…基台、120…第1アーム、130…第2アーム、140…作業ヘッド、141…スプラインシャフト、150…エンドエフェクター、160…配管、170…第1駆動部、171…モーター、190…制御装置、311…外歯形成部、312…胴部、411…軸部、412…カム部、412a…外周面、421…内輪、422…ボール、423…外輪、423a…外周面、424…リテーナー、424A…ポケット、424A2…第1直線部、424A3…開口部、424A1…底部、425…リテーナー、425A…ポケット、425a…第2直線部、1001…歯車装置、1002…内歯歯車、1003…外歯歯車、1004…波動発生器、1031…胴部、1032…底部、1033…外歯、1035…開口、1041…カム、1042…ベアリング、1311…内周面、1321,1322…孔、1331…第1端部、1332…第2端部、1411…軸部、1412…カム部、1421…内輪、1422…ボール、1423…外輪、1431…内輪溝、1441…外輪溝。
Claims (5)
- 内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸周りに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回転軸周りの周方向に移動させる波動発生器と、
を備え、
前記波動発生器は、長軸と短軸とを有する楕円形状又は長円形状の外周面を含むカムと、前記外歯歯車の前記内周面と前記カムの前記外周面との間に配置されているベアリングと、を有し、
前記ベアリングは、外輪と、前記外輪の内側に設けられている内輪と、前記外輪と前記内輪との間に設けられている複数のボールと、前記ボールを保持する円環状のポケットを含むリテーナーと、を有し、
前記ポケットは、
前記ボールの直径よりも小さい開口部と、
前記回転軸に沿う方向に平行な断面において対向する平行な2つの第1直線部と、
を有する、歯車装置。 - 請求項1に記載の歯車装置であって、
前記リテーナーにおいて半径方向の幅の中心は、前記ボールの中心よりも前記回転軸に近い、歯車装置。 - 請求項1に記載の歯車装置であって、
前記ポケットは、前記回転軸の方向に垂直な断面において、対向する2つの第2直線部を有する、歯車装置。 - 請求項1に記載の歯車装置であって、
前記波動発生器は、前記内輪に接して前記ベアリングが前記回転軸の方向に移動することを規制するフランジを有し、
前記フランジの外径は、前記内輪の外径よりも小さい、歯車装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の歯車装置を備える、ロボット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022088368A JP2023176206A (ja) | 2022-05-31 | 2022-05-31 | 歯車装置、及びロボット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022088368A JP2023176206A (ja) | 2022-05-31 | 2022-05-31 | 歯車装置、及びロボット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023176206A true JP2023176206A (ja) | 2023-12-13 |
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ID=89122683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022088368A Pending JP2023176206A (ja) | 2022-05-31 | 2022-05-31 | 歯車装置、及びロボット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023176206A (ja) |
-
2022
- 2022-05-31 JP JP2022088368A patent/JP2023176206A/ja active Pending
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