JP2022078525A - 波動歯車装置およびロボット - Google Patents
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Abstract
【課題】疲労破壊し難い構造の波動歯車装置を提供する。【解決手段】波動歯車装置13は、内歯歯車17と、内歯歯車17に部分的に噛み合って内歯歯車17に対して回転軸22まわりに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車18と、外歯歯車18の内側に設けられ、外歯歯車18の内面に接するベアリング19を有し、噛み合い位置を回転軸22まわりの周方向に移動させる波動発生器21と、を有し外歯歯車18は、波動発生器21が接触している第1端部25aと、第1端部25aとは回転軸22に沿って隣り合う第2端部25bと、を有する円筒部25を備え、外歯歯車18はベアリング19が接する内面に前記回転軸22に沿った凸型の弧形状である弧形曲面41を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、波動歯車装置およびロボットに関するものである。
ロボットアームを備えるロボットでは、例えば、ロボットアームの関節部をモーターが駆動する。モーターの回転は、一般に、減速機を介して減速され、アームに伝達される。このような減速機として、例えば、特許文献1に記載された波動歯車装置が知られている。
特許文献1に記載の波動歯車装置は、内歯が形成された環状の内歯歯車と、内歯に噛み合う外歯が形成された可撓性の外歯歯車と、外歯歯車の内側に配置される波動発生器と、を備えている。外歯歯車は有底円筒型であり、波動歯車装置はカップ型の波動歯車装置という。外歯歯車は円筒状である。底側は円形であり、開放端側は楕円形になる。外歯歯車の開放端側では波動発生器側の面の一部分が回転軸に対して斜めになる。波動発生器が回転するとき、回転軸に対する外歯歯車は波動発生器側の面の角度が変化する。外歯歯車の内面とベアリングの外輪とは面で接触する。
このような波動歯車装置では、ベアリングの外輪を曲げる力がベアリングの外輪に加わり、この力が加えられる場所が移動するため、ベアリングの外輪が疲労破壊しやすいという課題があった。そこで、疲労破壊し難い構造の波動歯車装置が望まれていた。
波動歯車装置は、内歯歯車と、前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、前記外歯歯車の内側に設けられ、前記外歯歯車の内面に接するベアリングを有し、噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、を有し、前記外歯歯車は、前記波動発生器が接触している第1端部と、前記第1端部とは前記回転軸に沿って隣り合う第2端部と、を有する円筒部を備え、前記外歯歯車は前記ベアリングが接する内面に前記回転軸に沿った凸型の弧形状である弧形曲面を備える。
ロボットは、第1部材と、前記第1部材に対して回動する第2部材と、前記第1部材に対して前記第2部材を相対的に回動させる駆動力を伝達する上記のいずれかに記載の波動歯車装置と、前記波動歯車装置に向けて前記駆動力を出力する駆動源と、を備える。
以下、実施形態について図面に従って説明する。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
第1実施形態
本実施形態では、ロボットと、このロボットが備える波動歯車装置との特徴的な例について、図に従って説明する。以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1中の基台側を「基端側」、その反対側、すなわちエンドエフェクター側を「先端側」と言う。また、図1の上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とする。さらに、後述する回転軸22が延在する方向を「軸方向」とする。尚、本明細書における「方向」は、軸に沿う一方側の方向とその反対方向の双方を含む。
本実施形態では、ロボットと、このロボットが備える波動歯車装置との特徴的な例について、図に従って説明する。以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1中の基台側を「基端側」、その反対側、すなわちエンドエフェクター側を「先端側」と言う。また、図1の上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とする。さらに、後述する回転軸22が延在する方向を「軸方向」とする。尚、本明細書における「方向」は、軸に沿う一方側の方向とその反対方向の双方を含む。
図1に示すロボット1は、例えば、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送及び組立等の作業に用いられるロボットである。このロボット1は、第1部材としての基台2と、第2部材としての第1アーム3と、第2アーム4と、作業ヘッド5と、エンドエフェクター6と、配管7と、を有している。以下、ロボット1の各部を順次簡単に説明する。尚、「回動」とは、ある中心点に対して一方向またはその反対方向を含めた双方向に動くこと、及び、ある中心点に対して回転することを含むものである。
基台2は、例えば、図示しない床面にボルト等によって固定されている。基台2の内部には、ロボット1を統括制御する制御装置8が設置されている。また、基台2には、基台2に対して鉛直方向に沿う第1軸9まわりに回動可能に第1アーム3が連結している。すなわち、基台2に対して第1アーム3が相対的に回動する。
基台2内には、第1駆動部11が設置されている。この第1駆動部11は、第1アーム3を回動させる駆動力を発生させるサーボモーター等の駆動源としてのモーター12と、モーター12の回転を減速する第1減速機である波動歯車装置13と、を有する。波動歯車装置13の入力軸は、モーター12の回転軸に連結され、波動歯車装置13の出力軸は、第1アーム3に連結されている。そのため、モーター12が駆動し、その駆動力が波動歯車装置13を介して第1アーム3に伝達されると、第1アーム3が第1軸9まわりに水平面内で回動する。
第1アーム3の先端部には、第1アーム3に対して第2軸14まわりに回動可能な第2アーム4が連結している。第2アーム4内には、図示しないが、第2アーム4を回動させる駆動力を発生させる第2モーターと、第2モーターの回転を減速する第2減速機と、を有する第2駆動部が設置されている。そして、第2モーターの駆動力が第2減速機を介して第2アーム4に伝達されることにより、第2アーム4が第1アーム3に対して第2軸14まわりに水平面内で回動する。
第2アーム4の先端部には、作業ヘッド5が配置されている。作業ヘッド5は、第2アーム4の先端部に同軸的に配置された図示しないスプラインナット及びボールネジナットに挿通されたスプラインシャフト15を有している。スプラインシャフト15は、第2アーム4に対して、図1に示す第3軸16まわりに回転可能であり、かつ、上下方向に移動可能となっている。
第2アーム4内には、図示しないが、回転モーター及び昇降モーターが配置されている。回転モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってスプラインナットに伝達され、スプラインナットが正逆回転すると、スプラインシャフト15が鉛直方向に沿う第3軸16まわりに正逆回転する。
一方、昇降モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってボールネジナットに伝達され、ボールネジナットが正逆回転すると、スプラインシャフト15が上下に移動する。
スプラインシャフト15の先端部には、エンドエフェクター6が連結されている。エンドエフェクター6としては、特に限定されず、例えば、被搬送物を把持するもの、被加工物を加工するもの等が挙げられる。
第2アーム4内に配置された各電子部品、例えば第2モーター、回転モーター、昇降モーター等に接続される複数の配線は、第2アーム4と基台2とを連結する配管7内を通って基台2内まで引き回されている。さらに、かかる複数の配線は、基台2内でまとめられることによって、モーター12及び図示しないエンコーダーに接続される配線とともに、基台2内に設置された制御装置8まで引き回される。
以上のように、ロボット1は、第1部材である基台2と、基台2に対して回動可能に設けられている第2部材である第1アーム3と、基台2及び第1アーム3の一方側から他方側へ駆動力を伝達する波動歯車装置13と、波動歯車装置13に向けて駆動力を出力する駆動源であるモーター12と、を備える。モーター12は波動歯車装置13に向けて駆動力を出力する。波動歯車装置13は基台2に対して第1アーム3を相対的に回動させる駆動力を伝達する。
尚、第1アーム3及び第2アーム4をまとめて「第2部材」と捉えてもよい。また、「第2部材」が、第1アーム3及び第2アーム4に加え、さらに、作業ヘッド5及びエンドエフェクター6を含んでいてもよい。
本実施形態では、第1減速機が波動歯車装置13で構成されているが、第2減速機が波動歯車装置13で構成されていてもよく、また、第1減速機及び第2減速機の双方が波動歯車装置13で構成されていてもよい。第2減速機が波動歯車装置13で構成されている場合、第1アーム3を「第1部材」と捉え、第2アーム4を「第2部材」と捉えればよい。
また、本実施形態では、モーター12及び波動歯車装置13は基台2に設けられているが、モーター12及び波動歯車装置13は第1アーム3に設けられてもよい。この場合、波動歯車装置13の出力軸が基台2に連結されていればよい。
次に、第1実施形態にかかる波動歯車装置について説明する。
図2は波動歯車装置13を分解した斜視図である。図3及び図4は波動歯車装置13の断面図である。図5は波動歯車装置13の正面図である。図3は図5のAA断面であり、図4は図5のBB断面である。尚、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。また、図2では、図示の便宜上、外歯歯車18のフランジ部が省略されている。
図2に示す波動歯車装置13は、内歯歯車17と、内歯歯車17の内側に設けられている外歯歯車18と、外歯歯車18の内側に設けられ、ベアリング19を備える波動発生器21と、を有している。外歯歯車18は可撓性を有する。外歯歯車18は内歯歯車17に部分的に噛み合って内歯歯車17に対して回転軸22まわりに相対的に回転する。ベアリング19は外歯歯車18の内面に接する。波動発生器21は噛み合い位置を回転軸22まわりの周方向に移動させる。
内歯歯車17と外歯歯車18との噛み合い部、外歯歯車18と波動発生器21との嵌め合い部等には、グリース等の潤滑剤が適宜配置されている。
内歯歯車17、外歯歯車18及び波動発生器21のうちの1つがロボット1の基台2に対して接続され、他の1つがロボット1の第1アーム3に対して接続される。本実施形態では、内歯歯車17が基台2に対して固定され、外歯歯車18が第1アーム3に対して接続され、波動発生器21がモーター12の回転軸に接続される。
モーター12の回転軸が回転すると、波動発生器21は、モーター12の回転軸と同じ回転速度で回転する。そして、内歯歯車17及び外歯歯車18は、互いに歯数が異なるため、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、これらの歯数差に起因して回転軸22まわりに相対的に回転する。本実施形態では、内歯歯車17の歯数の方が外歯歯車18の歯数より多いため、モーター12の回転軸の回転速度よりも低い回転速度で外歯歯車18が回転する。すなわち、波動歯車装置13は波動発生器21を入力軸側、外歯歯車18を出力軸側とする減速機になっている。
尚、内歯歯車17、外歯歯車18及び波動発生器21の接続形態は、前述した形態に限定されず、例えば、外歯歯車18を基台2に対して固定し、内歯歯車17を第1アーム3に対して接続しても、波動歯車装置13を減速機として用いることができる。また、外歯歯車18をモーター12の回転軸に接続しても、波動歯車装置13を減速機として用いることができ、この場合、波動発生器21を基台2に対して固定し、内歯歯車17を第1アーム3に対して接続すればよい。また、波動歯車装置13を増速機として用いる場合、すなわち、モーター12の回転軸の回転速度よりも高い回転速度で外歯歯車18を回転させる場合、前述した入力側と出力側との関係を反対にすればよい。
以下、波動歯車装置13の構成を簡単に説明する。図2~図5において、内歯歯車17は、径方向に実質的に撓まない剛体で構成された歯車であって、内歯23を有するリング状の歯車である。本実施形態では、内歯歯車17は、平歯車である。内歯23の歯すじは回転軸22に対して平行である。尚、内歯23の歯すじは回転軸22に対して傾斜していてもよい。すなわち、内歯歯車17は、はすば歯車またはやまば歯車であってもよい。
外歯歯車18は内歯歯車17の内側に設けられる。外歯歯車18は径方向に撓み変形可能な可撓性を有する歯車である。外歯歯車18は内歯歯車17の内歯23に噛み合う外歯26を有する。外歯歯車18の歯数は内歯歯車17の歯数よりも少ない。外歯歯車18及び内歯歯車17の歯数が互いに異なることにより、減速機が実現される。
図3及び図4に示すように、外歯歯車18は回転軸22の軸方向左端に開口24を有する。外歯歯車18はハット状、つまり、縁つき帽子型をなす。外歯歯車18は回転軸22まわりの円筒状をなす円筒部25を備える。円筒部25の外周面には外歯26が設けられている。円筒部25は開口24側の部位である第1端部25aと、開口24とは反対側の部位である第2端部25bと、に分けられる。外歯歯車18の円筒部25は波動発生器21が接触している第1端部25aと、第1端部25aとは回転軸22に沿って隣り合う第2端部25bと、を有する。第1端部25aは第2端部25bの反対側に開口24を有する。外歯歯車18は第2端部25bに接続されたフランジ部27を有する。
外歯歯車18のフランジ部27には、例えば、ネジ等の固定具により出力軸が固定される。これにより、出力軸と外歯歯車18とが接続される。尚、出力軸と外歯歯車18との接続方法は、これに限定されない。
図3~図5に示すように、波動発生器21は外歯歯車18の内側に配置され、回転軸22まわりに回転する。図5に示すように、波動発生器21は外歯歯車18を長軸28及び短軸29とする楕円形または長円形に変形させる。これにより、長軸28側では外歯26が内歯歯車17の内歯23に噛み合わさる。外歯歯車18及び内歯歯車17は互いに同一の回転軸22まわりに回転し、互いに長軸28側で噛み合わされる。
外歯歯車18の円筒部25は第1端部25a及び第2端部25bを有する。第1端部25aは図3に示す開口24側の端部である。第1端部25aには外歯26が設けられている。第2端部25bはフランジ部27側に位置する。第1端部25aはコーニングによる大きな変形が生じる。コーニングとは、図5に示す長軸28の位置で円筒部25が回転軸22に対して外側に開き、短軸29の位置で円筒部25が回転軸22に対して内側に狭まるような3次元的な変形を意味する。外歯歯車18に波動発生器21が嵌め合わされることにより、第1端部25aは第2端部25bよりも大きく変形する。
図3において、円筒部25の開口24側の直径を第1直径31とする。円筒部25のフランジ部27側の直径を第2直径32とする。波動発生器21の長軸28では第1直径31が第2直径32より長くなる。円筒部25はフランジ部27側より開口24側が開いている。短軸29方向から見た円筒部25の断面は回転軸22に対して斜めになっている。
図4に示すように、波動発生器21の短軸29では第1直径31が第2直径32より短くなる。円筒部25はフランジ部27側より開口24側が閉じている。長軸28方向から見た円筒部25の断面は回転軸22に対して斜めになっている。
波動発生器21は、外歯歯車18の第1端部25aに嵌め込まれている。波動発生器21はカム33と、カム33の外周に装着されているベアリング19と、を有している。カム33は回転軸22まわりに回転する軸部34と、軸部34の一端部から外側に突出しているカム部35と、を有している。カム部35の外周面は、回転軸22に沿った方向から見たときに、図5中の上下方向を長軸28とする楕円形または長円形をなしている。ベアリング19は、カム33に嵌め込まれており、可撓性を有する内輪36及び外輪37と、これらの間に配置されている複数のボール38と、を有している。
内輪36は、カム33のカム部35の外周面に嵌め込まれ、カム部35の外周面に沿って楕円形または長円形に弾性変形している。それに伴って、外輪37も楕円形または長円形に弾性変形している。外輪37の外周面は、図3に示すように、円筒部25の内面39に当接している。また、複数のボール38は、内輪36の周方向における互いの間隔を一定に保つように、図示しない保持器により保持されている。
カム33が回転軸22まわりに回転することに伴って、カム33は外輪37を変形させる。これにより、内歯歯車17及び外歯歯車18の互いの噛み合い位置が周方向に移動する。このとき、内輪36は、カム部35の外周面に対して固定的に設置されているため、変形状態は変わらない。
図3及び図4に示すように、外歯歯車18はベアリング19が接する内面39に回転軸22に沿った凸型の弧形状である弧形曲面41を備える。
波動歯車装置13の構成によれば、内歯歯車17と外歯歯車18との噛み合い位置が回転軸22まわりの周方向に移動する。回転軸22からみて外歯歯車18の第1端部25a側は楕円形であり、内歯歯車17は円形である。内歯歯車17と外歯歯車18とが楕円の長軸側で噛み合う。
楕円の長軸側では外歯歯車18が第2端部25b側に対して第1端部25a側が拡がる形である。この場所では回転軸22に対して開口24側の外歯歯車18が拡がる形で斜めになる。楕円の短軸側では外歯歯車18が第2端部25b側に対して第1端部25a側が狭まる形である。この場所でも回転軸22に対して第1端部25a側が狭まる形で斜めになる。
波動発生器21が回転するとき、回転軸22に対する外歯歯車18の第1端部25aが広がる形と狭まる形とが繰り返される。このとき、外歯歯車18の第1端部25aの変形に対応してベアリング19を曲げようとする力の向きが切り替わる。ベアリング19が接する内面39に凸型の弧形状である弧形曲面41がないときには外歯歯車18の第1端部25aの広がる形と狭まる形とが繰り返されることによりベアリング19が疲労破壊する。
外歯歯車18の内面39には凸型の弧形状である弧形曲面41がある為、外歯歯車18の内面39とベアリング19の外輪37とは線で接触する。この為、ベアリング19を繰り返して曲げる力が減る為、ベアリング19が疲労破壊することを抑制できる。
回転軸22に垂直な方向からの平面視で、弧形曲面41には弧形状の部分が外歯歯車18の開口24側と第2端部25b側との両方にある。波動歯車装置13の構成によれば、弧形曲面41には弧形状の部分が外歯歯車18の開口24側と第2端部25b側との両方にある。従って、外歯歯車18の内面39とベアリング19の外輪37とが接する場所が開口24側のときも、第2端部25b側のときも、外歯歯車18の内面39とベアリング19の外輪37との接触を線に沿った場所で接触させることができる。
ロボット1の構成によれば、モーター12が波動歯車装置13に向けて駆動力を出力する。波動歯車装置13は基台2に対して第1アーム3を相対的に回動させる駆動力を伝達する。このロボット1にはベアリング19が疲労破壊することを抑制できる波動歯車装置13が用いられている。従って、このロボット1はベアリング19が疲労破壊することを抑制できる波動歯車装置13を備えたロボット1とすることができる。
第2実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、弧形曲面41の形状が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、弧形曲面41の形状が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図6は図5のAA断面に相当する。図6に示すように、波動歯車装置44は外歯歯車45を備える。外歯歯車45は円筒部46を備える。円筒部46は第1端部46a及び第2端部46bを有する。第1端部46aは開口24側の端部である。第2端部46bはフランジ部27側に位置する。外歯歯車45は第1端部46aに弧形曲面47を備える。回転軸22に垂直な方向からの平面視で、弧形曲面47が第1端部46aの第2端部46b側にある。
波動歯車装置44の構成によれば、弧形状の部分が第1端部46aの第2端部46b側にある。従って、外歯歯車45の内面39とベアリング19の外輪37とが接する場所が第2端部46b側のとき、外歯歯車45の内面39とベアリング19の外輪37との接触を線に沿った場所での接触にすることができる。外歯歯車45の開口24側の内面39は円弧状になっていないので、円弧状に形成するための作業が不要であり、生産性良く外歯歯車45を製造できる。
第3実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、弧形曲面41の形状が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、弧形曲面41の形状が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図7は図5のBB断面に相当する。図7に示すように、波動歯車装置48は外歯歯車49を備える。外歯歯車49は円筒部50を備える。円筒部50は第1端部50a及び第2端部50bを有する。第1端部50aは開口24側の端部である。第2端部50bはフランジ部27側に位置する。外歯歯車49は第1端部50aに弧形曲面51を備える。回転軸22に垂直な方向からの平面視で、弧形曲面51が第1端部50aの開口24側にある。
波動歯車装置48の構成によれば、弧形状の部分が第1端部50aの開口24側にある。従って、外歯歯車49の内面39とベアリング19の外輪37とが接する場所が開口24側のとき、外歯歯車49の内面39とベアリング19の外輪37との接触を線に沿った場所での接触にすることができる。外歯歯車49の第2端部50b側の内面39は円弧状になっていないので、円弧状に形成するための作業が不要であり、生産性良く外歯歯車49を製造できる。
第4実施形態
本実施形態では第1実施形態から第3実施形態で説明した波動歯車装置13、波動歯車装置44及び波動歯車装置48の耐久試験について説明する。
本実施形態では第1実施形態から第3実施形態で説明した波動歯車装置13、波動歯車装置44及び波動歯車装置48の耐久試験について説明する。
図8に示すように、耐久試験は水準1から水準3の3つの水準の試験条件で行った。各水準において、入力回転数は同じであり、歯車直径、減速比及び負荷トルクの試験条件が変えてある。歯車直径は内歯歯車17の内歯23が配置された円の直径である。
図9において、既存品の波動歯車装置は外歯歯車18の内面39が平であり、弧形曲面41がない。第1実施形態の波動歯車装置13における弧形曲面41は開口24側と第2端部25b側との両方に弧形状の部分がある。第2実施形態の波動歯車装置44における弧形曲面47は第2端部25b側のみが弧形状である。第3実施形態の波動歯車装置48における弧形曲面51は開口24側のみが弧形状である。ベアリング寿命はベアリング19が疲労破壊するまでの時間を示す。
水準1~水準3のすべてにおいて、第1実施形態の波動歯車装置13のベアリング寿命が最も長く、既存品の波動歯車装置のベアリング寿命が最も短い。第2実施形態の波動歯車装置44及び第3実施形態の波動歯車装置48は中間の寿命になっている。
片側に弧形状の部分がある弧形曲面47及び弧形曲面51はベアリング19と接する内面39が平の時に比べて寿命が長い。両側に弧形状の部分がある弧形曲面41は片側に弧形状の部分がある弧形曲面47及び弧形曲面51より寿命が長いことがわかる。
従って、弧形曲面41、弧形曲面47及び弧形曲面51はベアリング寿命を長くする効果があることが確認された。
第5実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、ベアリング19の外輪37の形状が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、ベアリング19の外輪37の形状が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図10は図5のAA断面を示す。図10に示すように、波動歯車装置54はベアリング55を備える。ベアリング55は可撓性を有する内輪36及び外輪56と、これらの間に配置されている複数のボール38と、を有している。外輪56の外面は凸型の弧形状である。従って、波動歯車装置54では外歯歯車18の内面39に加えベアリング55の外面にも回転軸22に沿った凸型の弧形状がある。
波動歯車装置54の構成によれば、外歯歯車18の内面39が凸型の弧形状である。さらに、ベアリング55の外面は凸型の弧形状である。凸型の弧形状の面と凸型の弧形状の面とが接するので、凸型の弧形状の面と平面とが接するときに比べて接触面積を小さくできる。従って、波動歯車装置54はベアリング55の外輪56を曲げる力をさらに小さくできる。その結果、波動歯車装置54はベアリング55の寿命を長くできる。
尚、外輪56は開口24側を凸型の弧形状にして、第2端部25b側を平にしても良い。他にも、外輪56は開口24側を平にして、第2端部25b側を凸型の弧形状にしても良い。外輪56を形成し易くすることができる。
第6実施形態
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、外歯歯車18の形状が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と異なるところは、外歯歯車18の形状が異なる点にある。尚、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図11は図5のAA断面に相当する。図11に示すように、波動歯車装置59は外歯歯車60を備える。外歯歯車60は軸方向左側に開口24を有するカップ状をなし、その外周面に設けられた外歯26を有する。外歯歯車60は円筒部61を備える。円筒部61は第1端部61a及び第2端部61bを有する。円筒部61は第2端部61bに接続された底部61cを有する。
外歯歯車60の底部61cには、回転軸22に沿って貫通した第1孔62と、第1孔62の周囲において貫通した複数の第2孔63と、が形成されている。第1孔62に出力軸を挿通することができる。また、第2孔63は出力軸を底部61cに固定するためのネジ等を挿通するネジ孔として用いられる。
第1実施形態における外歯歯車18と同様に外歯歯車60は円筒部61の内面39に弧形曲面41を備える。したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
第7実施形態
第1実施形態では、水平多関節ロボットのロボット1について説明したが、ロボットはこれに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、垂直多関節ロボットにも適用可能である。さらに、波動歯車装置13、波動歯車装置44、波動歯車装置48、波動歯車装置54及び波動歯車装置59はロボット以外の各種の装置にも適用可能である。
第1実施形態では、水平多関節ロボットのロボット1について説明したが、ロボットはこれに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、垂直多関節ロボットにも適用可能である。さらに、波動歯車装置13、波動歯車装置44、波動歯車装置48、波動歯車装置54及び波動歯車装置59はロボット以外の各種の装置にも適用可能である。
1…ロボット、2…第1部材としての基台、3…第2部材としての第1アーム、12…駆動源としてのモーター、13,44,48,54,59…波動歯車装置、17…内歯歯車、18,45,49,60…外歯歯車、19,55…ベアリング、21…波動発生器、22…回転軸、24…開口、25,46,50,61…円筒部、25a,46a,50a,61a…第1端部、25b,46b,50b,61b…第2端部、41,47,51…弧形曲面。
Claims (6)
- 内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回転軸まわりに相対的に回転し、可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内側に設けられ、前記外歯歯車の内面に接するベアリングを有し、噛み合い位置を前記回転軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、を有し
前記外歯歯車は、前記波動発生器が接触している第1端部と、前記第1端部とは前記回転軸に沿って隣り合う第2端部と、を有する円筒部を備え、
前記外歯歯車は前記ベアリングが接する内面に前記回転軸に沿った凸型の弧形状である弧形曲面を備えることを特徴とする波動歯車装置。 - 請求項1に記載の波動歯車装置であって、
前記第1端部は前記第2端部の反対側に開口を有し、
前記回転軸に垂直な方向からの平面視で、前記弧形曲面には弧形状の部分が前記外歯歯車の前記開口側と前記第2端部側との両方にあることを特徴とする波動歯車装置。 - 請求項1に記載の波動歯車装置であって、
前記第1端部は前記第2端部の反対側に開口を有し、
前記回転軸に垂直な方向からの平面視で、前記弧形曲面が前記第1端部の前記開口側にあることを特徴とする波動歯車装置。 - 請求項1に記載の波動歯車装置であって、
前記回転軸に垂直な方向からの平面視で、前記弧形曲面が前記第1端部の前記第2端部側にあることを特徴とする波動歯車装置。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の波動歯車装置であって、
前記外歯歯車の内面に加え前記ベアリングの外面にも前記回転軸に沿った凸型の弧形状があることを特徴とする波動歯車装置。 - 第1部材と、
前記第1部材に対して回動する第2部材と、
前記第1部材に対して前記第2部材を相対的に回動させる駆動力を伝達する請求項1~5のいずれか1項に記載の波動歯車装置と、
前記波動歯車装置に向けて前記駆動力を出力する駆動源と、
を備えることを特徴とするロボット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020189260A JP2022078525A (ja) | 2020-11-13 | 2020-11-13 | 波動歯車装置およびロボット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020189260A JP2022078525A (ja) | 2020-11-13 | 2020-11-13 | 波動歯車装置およびロボット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022078525A true JP2022078525A (ja) | 2022-05-25 |
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ID=81706984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020189260A Pending JP2022078525A (ja) | 2020-11-13 | 2020-11-13 | 波動歯車装置およびロボット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022078525A (ja) |
-
2020
- 2020-11-13 JP JP2020189260A patent/JP2022078525A/ja active Pending
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