JP2014050858A - シーム溶接ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】ロボットアームの動作制御を簡略化することができるシーム溶接ロボットを提供すること。
【解決手段】実施形態の一態様に係るシーム溶接ロボットは、ロボットアームと、溶接部とを備える。溶接部は、ロボットアームの先端側に連結される。そして、連結部は、円盤状をした二つのローラ電極の周縁部によって被溶接物を挟持して加圧しながら二つのローラ電極がロボットアームの動作に従動して回転し、二つのローラ電極間に通電される溶接電流によって被溶接物をシーム溶接する。
【選択図】図1

Description

開示の実施形態は、シーム溶接ロボットに関する。
従来、ロボットアームの先端側に設けられた溶接装置によって被溶接物をシーム溶接するシーム溶接ロボットシステムがある(例えば、特許文献1参照)。かかる溶接装置は、円盤形状をした二つのローラ電極と、ローラ電極毎に設けられ、各ローラ電極を回転させるモータとを備える。
そして、溶接装置は、二つのローラ電極の周縁部によって被溶接物を挟持して加圧しながらモータによって二つのローラ電極を回転させ、二つのローラ電極間に通電される溶接電流によって被溶接物をシーム溶接する。
特開2007−167896号公報
しかしながら、従来のシーム溶接ロボットシステムでは、ローラ電極を回転させる二つのモータの動作と、ロボットアームの動作とを協調させる必要があったため、ロボットの動作制御が煩雑であるという問題があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、ロボットアームの動作制御を簡略化することができるシーム溶接ロボットを提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るシーム溶接ロボットは、ロボットアームと、溶接部とを備える。溶接部は、前記ロボットアームの先端側に連結される。そして、溶接部は、円盤状をした二つのローラ電極の周縁部によって被溶接物を挟持して加圧しながら前記二つのローラ電極が前記ロボットアームの動作に従動して回転し、前記二つのローラ電極間に通電される溶接電流によって前記被溶接物をシーム溶接する。
実施形態の一態様によれば、ロボットアームの動作制御を簡略化することができるシーム溶接ロボットを提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係るシーム溶接ロボットを示す斜視による模式説明図である。 図2は、第1の実施形態に係る溶接部とロボットアームの先端部分とを示す模式説明図である。 図3は、第1の実施形態に係る溶接部とロボットアームの先端部分とを示す模式説明図である。 図4は、第1の実施形態に係る溶接部の上面視による模式説明図である。 図5は、第1の実施形態に係る溶接部の上面視による模式説明図である。 図6は、第2の実施形態に係るシーム溶接ロボットにおけるロボットアームの先端部分を示す模式説明図である。 図7は、第2の実施形態に係るシーム溶接ロボットの動作を示す上面視による模式説明図である。 図8は、第3の実施形態に係るシーム溶接ロボットにおけるロボットアームの先端部分を示す模式説明図である。 図9は、第3の実施形態に係るシーム溶接ロボットの動作を示す上面視による模式説明図である。 図10は、第4の実施形態に係るシーム溶接ロボットにおけるロボットアームの先端部分を示す模式説明図である。 図11は、第5の実施形態に係るシーム溶接ロボットにおけるロボットアームの先端部分を示す模式説明図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するシーム溶接ロボットの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るシーム溶接ロボット1を示す斜視による模式説明図である。図1に示すように、シーム溶接ロボット1は、ロボットアーム2と、ロボットアーム2の先端側に連結されて被溶接物をシーム溶接する溶接部3と、ロボットコントローラ4とを備える。
また図1では省略しているが、シーム溶接ロボット1は、溶接部3へ溶接電流を供給する溶接電源も備える。溶接電源は溶接部3に加えてロボットコントローラ4とも接続されており、シーム溶接時にはロボットコントローラ4からの指令によって、溶接電源に予め設定・保存された溶接条件に基づく溶接電流を溶接部3へと供給する。
ロボットアーム2は、基端側から先端側へ向けて順次連結される基部21と、第1関節部22と、第1アーム部23と、第2関節部24と、第2アーム部25と、手首部26とを備える。基部21は、例えば、水平な床面等に基端側となる底面が固定される。
基部21の先端側となる上面には、鉛直方向へ延伸する軸Sを回転軸として回転自在に第1関節部22が連結される。また、第1関節部22には、水平方向へ延伸する軸Lを揺動軸として揺動自在に第1アーム部23の基端側が連結される。
かかる第1アーム部23の先端側には、軸Lと平行な軸Uを回転軸として回転自在に第2関節部24が連結される。また、第2関節部24には、延伸方向が軸Uと直交する軸Rを回転軸として回転自在に第2アーム部25の基端側が連結される。
かかる第2アーム部25の先端側には、軸Rと直交する軸Bを揺動軸として揺動自在に手首部26の基端側が連結される。また、手首部26の先端側には、軸Bと直交する軸Tを回転軸として回転自在に溶接部3が連結される。このように、ロボットアーム2は、軸S、軸L、軸U、軸R、軸B、軸Tという6軸の自由度を持った多関節のマニピュレータである。
かかるロボットアーム2は、軸S、軸L、軸U、軸R、軸B、軸Tのそれぞれを動作させるサーボモータ(図示略)を備え、ロボットコントローラ4に接続される。そして、ロボットコントローラ4から入力される制御信号に基づいて各サーボモータを駆動させることにより、ロボットアーム2は、所定の作業動作を行う。
ロボットコントローラ4は、入力部41と、記憶部42と、制御部43とを備える。入力部41は、ロボットアーム2が備える各サーボモータや溶接部3の動作に関する情報等を入力するためにユーザが操作する情報入力デバイスである。かかる入力部41は、例えば、キーボードやタッチパネルであり、ユーザによって入力される情報を記憶部42へ出力する。
記憶部42は、入力部41から入力される情報を教示情報44として記憶する記憶デバイスである。制御部43は、記憶部42から教示情報44を読出し、教示情報44に応じた制御信号をロボットアーム2の各サーボモータや溶接部3、溶接電源(図示せず)へ出力する処理部である。
溶接部3は、円盤状をした二つのローラ電極31、32を備え、被溶接物(以下、「ワーク」と記載する)をシーム溶接する溶接ガンである。二つのローラ電極のうち、一方は溶接電源の正電極と接続され、他方は溶接電源の負電極と接続されている。なお、溶接部3の具体的な構成の一例については、図2および図3を参照して後述する。以下、図1に示す上側のローラ電極31を第1ローラ電極31と称し、下側のローラ電極32を第2ローラ電極32と称する。
かかる溶接部3は、第1ローラ電極31の周縁部と、第2ローラ電極32の周縁部との間でワークを挟持して加圧する。そして、溶接部3は、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32がロボットアーム2の動作に従動して回転しながら、溶接電源から供給され、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32の間に通電される溶接電流によってワークをシーム溶接する。
このように、溶接部3は、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32を回転駆動するモータを備えておらず、ワークを挟持して加圧する第1ローラ電極31および第2ローラ電極32がロボットアーム2の動作に従動して回転しながらシーム溶接を行う。
かかるシーム溶接ロボット1によれば、モータによって二つのローラ電極を回転駆動させながらシーム溶接を行う一般的なシーム溶接ロボットに比べ、ロボットアームの動作制御を簡略化することができる。
具体的には、二つのローラ電極を回転駆動させながらシーム溶接を行う一般的なシーム溶接ロボットでは、各ローラ電極の回転速度とロボットアームによって移動される溶接部の移動速度との間に誤差が生じる場合がある。かかる場合、溶接部の動作にガタツキが生じ、溶接線の軌跡が滑らかでなくなる。
このため、一般的なシーム溶接ロボットでは、ローラ電極を回転駆動するモータの回転とロボットアームのサーボモータの動作とが正確に同期(協調)するように、ロボットアームに対して煩雑な動作制御を行う必要がある。
これに対して、本実施形態に係るシーム溶接ロボット1では、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32がロボットアーム2の動作に従動して回転する。これにより、溶接部3は、ロボットアーム2の手首部26の動きに倣って滑らかな軌道上を移動してシーム溶接を行う。
したがって、シーム溶接ロボット1では、前述した煩雑な動作制御を行わなくとも、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32の回転速度とロボットアーム2によって移動される溶接部3の移動速度とが必然的に一致することになる。
このように、シーム溶接ロボット1によれば、ロボットアーム2の動作制御を簡略化することができ、しかも、溶接線の軌跡が滑らかなシーム溶接を行うことができる。以下、かかるシーム溶接ロボット1が備える溶接部3の具体的な構成の一例について、図2および図3を参照して説明する。
図2および図3は、第1の実施形態に係る溶接部3とロボットアーム2の先端部分とを示す模式説明図である。なお、図2には、溶接進行方向の左側方からみた溶接部3の一側面(以下、「正面」と記載する)を模式的に示しており、図3には、溶接進行方向の後方からみた溶接部3の側面を模式的に示している。
図2および図3に示すように、溶接部3は、回転機構37と、フレーム30と、昇降機構33と、サーボモータ36と、第1ローラ電極31と、第2ローラ電極32とを備える。回転機構37は、ロボットアーム2における手首部26の先端に、上面が軸Tを回転軸として手首部26に対して回転自在に連結される。また、回転機構37の下面には、フレーム30の上面が連結固定される。
このように、溶接部3は、ロボットアーム2との連結部に、ロボットアーム2の動作に従動して回転する回転機構37を備える。なお、ここでは、回転機構37が手首部26に対して回転自在に連結される場合について説明するが、回転機構37は、上面が手首部26の先端に連結固定され、下面がフレーム30の上面に軸Tを回転軸として回転自在に連結されてもよい。
フレーム30は、上下に対向配置される矩形板状の天板部および底板部と、これら天板部および底板部を溶接部3の背面側で連結する背面板部とを備える側面視コ(C)字状の部材である。
かかるフレーム30の底板部は、正面側端面が天板部の正面側端面よりも背面板部側に位置するように形成されている。そして、底板部の正面側端面には、軸r2を回転軸として回転自在な円盤状の第2ローラ電極32が回転シャフト35を介して設けられる。
昇降機構33は、上面がフレーム30の天板部底面と連結され、下面が底板部上面と連結されて設けられる。かかる昇降機構33の正面側には、軸r1を回転軸として回転自在な円盤状の第1ローラ電極31が回転シャフト34を介して設けられる。
かかる第1ローラ電極31は、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32の各回転中心を結んだ直線T1の延伸方向へ昇降自在に設けられる。ここで、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32の各回転中心を結んだ直線T1は、溶接部3の回転軸である軸Tと同一の直線である。
また、昇降機構33の背面側には、第1ローラ電極31を昇降させるための駆動力を昇降機構33へ出力するサーボモータ36が設けられる。かかるサーボモータ36は、ロボットコントローラ4(図1参照)から入力される制御信号に応じて動作し、第1ローラ電極31の周縁部を第2ローラ電極32の周縁部へ向けて加圧する加圧力を調整する。
ここで、シーム溶接ロボット1によるシーム溶接の動作について説明する。ここでは、図2および図3に示すように、重合された第1ワークW1および第2ワークW2の縁部分同士を直線的にシーム溶接する場合について説明する。なお、シーム溶接の溶接進行方向を変更する場合については、図4および図5を参照して後述する。
シーム溶接を行う場合、ロボットコントローラ4は、ロボットアーム2を動作させ、重合された第1ワークW1および第2ワークW2の溶接位置を第1ローラ電極31および第2ローラ電極32の周縁部間で挟持可能な位置まで溶接部3を移動させる。
そして、ロボットコントローラ4は、溶接部3のサーボモータ36を駆動して第1ローラ電極31を降下させる。これにより、ロボットコントローラ4は、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32の周縁部によって第1ワークW1および第2ワークW2を挟持させ、挟持力を増大させて溶接位置を所定の加圧力にて加圧させる。
続いて、ロボットコントローラ4は、溶接電源へ指令を出力して第1ローラ電極31および第2ローラ電極32間に所定の溶接電流を通電させながら、ロボットアーム2を駆動して手首部26を溶接進行方向と平行な方向へ移動させる。これにより、溶接部3では、ロボットアーム2に引かれて第1ローラ電極31および第2ローラ電極32が従動して回転する。
このとき、第1ワークW1および第2ワークW2における溶接位置では、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32間に通電される溶接電流によって抵抗熱が発生し、かかる抵抗熱によって第1ワークW1および第2ワークW2が溶融してシーム溶接される。
ここで、シーム溶接ロボット1では、図2および図3に示すように、直線T1と軸Tとが一致する、つまり、同一直線であるため、手首部26を所望の溶接進行方向へ移動させるという簡易な動作制御を行うだけで、直線的なシーム溶接を容易に行うことができる。
また、シーム溶接ロボット1が備える溶接部3は、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32による第1ワークW1および第2ワークWへの加圧力の調整を、一般的なエアシリンダではなく、サーボモータ36によって行う。これにより、シーム溶接ロボット1では、加圧力をエアシリンダによって行う場合に比べ、迅速且つ細やかに調整することができる。
例えば、第1ローラ電極31による加圧力の調整をエアシリンダによって行う構成であった場合、加圧力を減圧する際には、エアシリンダから微量の空気を抜いただけでも加圧力が大きく減圧される。このため、加圧力を所望の圧力まで減圧するためには、加圧力を所望の圧力よりも低い圧力まで一旦減圧した後、加圧力を所望の圧力まで昇圧する必要がある。
これに対し、サーボモータ36によって加圧力を調整する溶接部3によれば、サーボモータ36のモータトルクを制御するだけで、加圧力を所望の圧力よりも低い圧力まで減圧させることなく、所望の圧力まで減圧させることができる。
次に、図4および図5を参照し、シーム溶接ロボット1によって溶接進行方向を変更する場合の溶接部3の動作の一例について説明する。図4および図5は、第1の実施形態に係る溶接部3の上面視による模式説明図である。
ここで、図4には、溶接進行方向を変更する前の溶接部3の状態を示しており、図5には、溶接進行方向を変更中の溶接部3の状態を示している。なお、ここでは、図4に示す構成要素のうち、図1〜図3に示す構成要素と同一の構成要素については、図1〜図3に示す符号と同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
図4に示すように、シーム溶接ロボット1が溶接進行方向を変更する以前に、例えば、実線矢印で示す溶接方向進行方向へ直線的にシーム溶接を行っていたとする。その後、例えば、溶接進行方向を左斜め前方へ変更する場合、ロボットコントローラ4は、図5に二点鎖線で示す所望の溶接進行方向、つまり、実線矢印で示す変更前の溶接進行方向に対して左斜め前方の方向へ手首部26を移動させる制御を行う。
これにより、溶接部3では、ロボットアーム2の動作に追従して回転機構37(図2および図3参照)が直線T1および軸Tを回転軸として回転し、フレーム30が直線T1および軸T周りに手首部26に対して白抜き矢印で示す上面視反時計回りに回転する。こうして、溶接部3は、手首部26の移動動作に倣って白抜き矢印で示す方向へ回転し、二点鎖線で示す方向へ溶接進行方向が変更される。
このように、シーム溶接ロボット1によれば、手首部26の移動方向を所望の溶接進行方向へ変更させるという簡易な動作制御をロボットアーム2に対して行うだけで、容易にシーム溶接の溶接進行方向を変更することができる。
上述したように、第1の実施形態に係るシーム溶接ロボットは、ロボットアームと、ロボットアームの先端側に連結される溶接部とを備える。そして、溶接部は、円盤状をした二つのローラ電極の周縁部によって被溶接物を挟持して加圧しながら二つのローラ電極がロボットアームの動作に従動して回転し、二つのローラ電極間に通電される溶接電流によって被溶接物をシーム溶接する。
このように、第1の実施形態に係るシーム溶接ロボットでは、二つのローラ電極を駆動するモータを溶接部から排除することにより、シーム溶接を行うロボットアームの動作制御を簡略化することができる。
また、第1の実施形態に係る溶接部は、ロボットアームとの連結部に、ロボットアームの動作に従動して回転する回転機構をさらに備える。これにより、ロボットアームの先端側を移動させるという簡単な動作制御を行うだけで、回転機構がロボットアームの動きに従動して回転し、溶接部がロボットアームの動作に倣って向きを変えるので、溶接進行方向を容易に変更することができる。
このとき、第1の実施形態に係るシーム溶接ロボットの回転機構は、二つのローラ電極の回転中心を結んだ直線周りに回転する。これにより、ロボットアームの先端側を所望の溶接進行方向へ移動させるという簡易な動作制御をロボットアームに対して行うだけで、溶接進行方向を所望の方向へ容易に変更することができる。
また、第1の実施形態に係るシーム溶接ロボットでは、溶接部に二つのローラ電極を駆動するモータを設ける必要がないので、ローラ電極を駆動するモータが設けられる溶接部よりも溶接部の重量を低減することができる。
したがって、第1の実施形態に係るシーム溶接ロボットによれば、ローラ電極を駆動するモータを備えた溶接部を移動させるロボットアームよりも出力が小さく、安価で小型のロボットアームによって溶接部を移動させることができる。
(第2の実施形態)
次に、図6および図7を参照し、第2の実施形態に係るシーム溶接ロボット1aについて説明する。ここでは、図5および図6に示す構成要素のうち、図3または図5に示す構成要素と同一の構成要素について、図3または図5に示す符号と同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
図6は、第2の実施形態に係るシーム溶接ロボット1aにおけるロボットアーム2の先端部分を示す模式説明図である。なお、図6には、溶接進行方向の後方からみた溶接部3の側面を模式的に示している。また、図7は、第2の実施形態に係るシーム溶接ロボット1aの動作を示す上面視による模式説明図である。
図6に示すように、第2の実施形態に係るシーム溶接ロボット1aは、第1の実施形態に記載したものと同じ溶接部3を備えるが、溶接部3の手首部26に対する取り付け位置が第1の実施形態とは異なる。
具体的には、シーム溶接ロボット1aが備える手首部26の先端面には、軸Tと直交し、且つ、溶接進行方向と直交する方向へ延伸するプレート26aが手首部26に対して固定状態で設けられる。そして、かかるプレート26aの下面で手首部26から遠い位置に、溶接部3における回転機構37の上面が回転自在に取り付けられる。
これにより、シーム溶接ロボット1aでは、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32の各回転中心を結ぶ直線であり回転機構37の回転軸となる軸T2が、軸Tから離れた位置で軸Tと平行に位置している。
かかるシーム溶接ロボット1aによっても、ロボットアーム2の動作に追従させて溶接部3を回転させることにより、溶接進行方向を変更することができる。例えば、図7に示すように、溶接進行方向を左前方へ変更する場合、ロボットコントローラ4は、ロボットアーム2を駆動して、図7に一点鎖線で示すように、手首部26の移動方向をそれまでの移動方向に対して左前方へ変更させる。
かかるシーム溶接ロボット1aでは、ロボットアーム2の動作に追従して回転機構37が軸T2を回転軸として回転する。このとき、図7に示すように、フレーム30がプレート26aに対して軸T2を回転軸として左回り(上面視反時計回り)に回転し、図7に二点鎖線で示すように、溶接進行方向が左前方へ変更される。
このように、シーム溶接ロボット1aによれば、手首部26を所望の溶接進行方向と平行に移動させるという簡易な動作制御によって、溶接進行方向を所望する任意の方向へ容易に変更することができる。
しかも、シーム溶接ロボット1aでは、溶接部3による溶接位置を手首部26から遠ざけることができるので、溶接部3によるシーム溶接時に発生する熱によるロボットアーム2への悪影響を低減することができる。
上述したように、第2の実施形態に係るシーム溶接ロボット1aでは、ロボットアーム2に対して簡易な動作制御を行うだけで、溶接進行方向を所望する方向へ変更でき、さらに、シーム溶接時に発生する熱によるロボットアーム2への悪影響を低減することができる。
(第3の実施形態)
次に、図8および図9を参照し、第3の実施形態に係るシーム溶接ロボット1bについて説明する。ここでは、図8および図9に示す構成要素のうち、図2または図5に示す構成要素と同一の構成要素について、図2または図5に示す符号と同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
図8は、第3の実施形態に係るシーム溶接ロボット1bにおけるロボットアーム2の先端部分を示す模式説明図である。なお、図8には、溶接進行方向の左側方からみた溶接部3の正面を模式的に示している。また、図9は、第3の実施形態に係るシーム溶接ロボット1bの動作を示す上面視による模式説明図である。
図8に示すように、第2の実施形態に係るシーム溶接ロボット1bは、第1の実施形態に記載したものと同じ溶接部3を備えるが、溶接部3の手首部26に対する取り付け位置が第1の実施形態とは異なる。
具体的には、シーム溶接ロボット1bが備える手首部26の先端面には、軸Tと直交し、且つ、溶接進行方向と平行する方向へ延伸するプレート26bが手首部26に対して固定状態で設けられる。そして、かかるプレート26aの下面で手首部26から遠い位置に、溶接部3における回転機構37の上面が回転自在に取り付けられる。
これにより、シーム溶接ロボット1bでは、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32の回転中心を結ぶ直線であり回転機構37の回転軸となる軸T3が、軸Tよりも溶接進行方向の後方に位置している。
かかるシーム溶接ロボット1bによっても、ロボットアーム2の動作に追従させて溶接部3を回転させることにより、溶接進行方向を変更することができる。例えば、図9に示すように、溶接進行方向を左前方へ変更する場合、ロボットコントローラ4は、ロボットアーム2を駆動して、図9に一点鎖線で示すように、手首部26の移動方向をそれまでの移動方向に対して左前方へ変更させる。
かかるシーム溶接ロボット1bでは、ロボットアーム2の動作に追従して回転機構37が軸T3を回転軸として回転する。このとき、図9に示すように、フレーム30がプレート26bに対して軸T3、直線T4を回転軸として左回り(上面視反時計回り)に回転し、図9に二点鎖線で示すように、溶接進行方向が左前方へ変更される。
このように、シーム溶接ロボット1bによっても、手首部26を所望の溶接進行方向と平行に移動させるという簡易な動作制御によって、溶接進行方向を所望する任意の方向へ容易に変更することができる。
また、シーム溶接ロボット1bでは、第2の実施形態に係るシーム溶接ロボット1aと同様に、溶接部3による溶接位置を手首部26から遠ざけることができる。したがって溶接部3によるシーム溶接時に発生する熱によるロボットアーム2への悪影響を低減することができる。
しかも、シーム溶接ロボット1bでは、溶接部3が手首部26よりも溶接進行方向における後方でロボットアーム2の動作に追従して向きを変えるように構成されるので、ロボットアーム2に対する溶接部3の追従性をさらに向上させることができる。
上述したように、第3の実施形態に係るシーム溶接ロボット1bでは、ロボットアーム2に対する動作制御の簡易化、シーム溶接時に発生する熱によるロボットアーム2への悪影響の低減に加え、ロボットアーム2に対する溶接部3の追従性のさらなる向上を図ることができる。
(第4の実施形態)
次に、図10を参照し、第4の実施形態に係るシーム溶接ロボット1cについて説明する。ここでは、図10に示す構成要素のうち、図2に示す構成要素と同一の構成要素について、図2に示す符号と同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
図10は、第4の実施形態に係るシーム溶接ロボット1cにおけるロボットアーム2の先端部分を示す模式説明図である。なお、図10には、溶接進行方向の左側方からみた溶接部3aの正面を模式的に示している。
図10に示すように、第4の実施形態に係るシーム溶接ロボット1cは、溶接部3aが回転機構37を備えておらず、ロボットアーム2が手首部26の内部で溶接部3aとの連結部となる位置に回転機構27を備える点が第1の実施形態に係るシーム溶接ロボット1とは異なる。
かかる回転機構27は、ロボットアーム2の動作に従動し、第1ローラ電極31および第2ローラ電極32の各回転中心を結ぶ直線T1と一致する軸Tを回転軸として回転自在に下面が溶接部3におけるフレーム30の上面に連結される。
このように、ロボットアーム2側に回転機構27を設けることによっても、ロボットアーム2の動作に従動して回転機構27が回転して溶接部3aが向きを変えるので、手首部26の移動方向を変えるだけで溶接進行方向を変更することができる。したがって、第4の実施形態に係るシーム溶接ロボット1cによれば、ロボットアーム2の動作制御を簡略化することができる。
(第5の実施形態)
次に、図11を参照し、第5の実施形態に係るシーム溶接ロボット1dについて説明する。ここでは、図11に示す構成要素のうち、図8または図10に示す構成要素と同一の構成要素について、図8または図10に示す符号と同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
図11は、第5の実施形態に係るシーム溶接ロボット1dにおけるロボットアーム2の先端部分を示す模式説明図である。なお、図11には、溶接進行方向の左側方からみた溶接部3aの正面を模式的に示している。
図11に示すように、第5の実施形態に係るシーム溶接ロボット1dは、図10に示すものと同じ溶接部3aを備え、図8に示すプレート26bと同一形状のプレート26cが手首部26の先端に固定状態で設けられる。さらに、かかるプレート26cの内部で手首部26から遠い位置に回転機構27が設けられる。そして、回転機構27の下面には、溶接部3aにおけるフレーム30の上面が回転自在に連結される。
これにより、第5の実施形態に係るシーム溶接ロボット1dにおける軸T3および直線T4と、軸Tとの相対的な位置関係は、図8に示す係るシーム溶接ロボット1bにおける軸T3および直線T4と、軸Tとの相対的な位置関係と等しくなる。
したがって、第5の実施形態に係るシーム溶接ロボット1dによっても、ロボットアーム2に対する動作制御の簡易化、シーム溶接時に発生する熱によるロボットアーム2への悪影響の低減、ロボットアーム2に対する溶接部3aの追従性のさらなる向上を図ることができる。
なお、上述した第1〜第5の実施形態における各回転機構は、省略することができる。かかる場合、各回転機構に代わり、ロボットアームの手首部内に設けられるサーボモータによって溶接部を回転させる。
このとき、ロボットコントローラは、手首部内に設けられるサーボモータに対してサーボフロート制御を行う。つまり、ロボットコントローラは、溶接部を回転させる場合、溶接部から手首部内のサーボモータへ加えられる負荷トルクが所定の閾値を超えるまでは、手首部内のサーボモータによって溶接部を回転させる制御を行う。
そして、ロボットコントローラは、溶接部から手首部内のサーボモータへ加えられる負荷トルクが閾値を超えた場合、ロボットアームの動作に従動して溶接部が手首部に対して回転するように手首部内のサーボモータの動作を制御する。かかる構成により、回転機構を省略しても、第1〜第5の実施形態と同様に、ロボットアームの動作制御を簡略化してシーム溶接を行うことができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1、1a、1b、1c、1d シーム溶接ロボット
2 ロボットアーム
21 基部
22 第1関節部
23 第1アーム部
24 第2関節部
25 第2アーム部
26 手首部
26a、26b、26c プレート
27、37 回転機構
3、3a 溶接部
30 フレーム
31 第1ローラ電極
32 第2ローラ電極
33 昇降機構
34、35 回転シャフト
36 サーボモータ
4 ロボットコントローラ
41 入力部
42 記憶部
43 制御部
44 教示情報
S、L、U、R、B、T、r1、r2 軸
W1 第1ワーク
W2 第2ワーク

Claims (6)

  1. ロボットアームと、
    前記ロボットアームの先端側に連結され、円盤状をした二つのローラ電極の周縁部によって被溶接物を挟持して加圧しながら前記二つのローラ電極が前記ロボットアームの動作に従動して回転し、前記二つのローラ電極間に通電される溶接電流によって前記被溶接物をシーム溶接する溶接部と
    を備えることを特徴とするシーム溶接ロボット。
  2. 前記溶接部は、
    前記ロボットアームとの連結部に、前記ロボットアームの動作に従動して回転する回転機構
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシーム溶接ロボット。
  3. 前記ロボットアームは、
    前記溶接部との連結部に、該ロボットアームの動作に従動して回転する回転機構
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシーム溶接ロボット。
  4. 前記回転機構は、
    前記ロボットアームの先端よりも溶接進行方向における後方位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のシーム溶接ロボット。
  5. 前記回転機構は、
    回転軸が前記二つのローラ電極の回転中心を結んだ直線と一致する軸周りに回転する
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載のシーム溶接ロボット。
  6. 一方の前記ローラ電極の周縁部を他方の前記ローラ電極の周縁部へ向けて加圧するサーボモータ
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のシーム溶接ロボット。
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