JP5170849B2 - 蓋体付き容器 - Google Patents

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本発明は、蓋体付き容器に関するものである。
例えば1食分の食品を収納する断熱食品容器における容器は、容器本体の上部開口を蓋体で閉蓋しており、閉蓋方法としてはねじ込み或いは蓋体の下部を上部開口に落とし込んだ嵌合などが知られている。
ところで、このような嵌合方式の閉蓋方法においては、正位置に蓋体が配置されたことを操作者に知らせるためクリック感を生ずるようにしたものが知られている。クリック感を発生せしめる構造としては、蓋体下部の外側面に径方向に肉盛り部を設け、容器本体の内側にリブを設け、容器本体の上部開口部に蓋体下部を落とし込んだときに肉盛り部がリブを乗り越えることによりクリック感を発生せしめるもの、また、容器本体の口元部にフランジ部を設け、蓋体のコ字形状フックにてフランジ部を抱え込むように嵌合し、フック先端の凸リブがフランジ端の乗り越え部を通過したときクリック感を発生せしめるもの、さらに蓋体の側面にパッキンを設けることにより、容器本体とパッキンの摩擦抵抗で着脱抵抗を有するものなどが知られている。
特許第2986886号公報
従来技術の蓋体の下部を上部開口に落とし込んで嵌合するような蓋体付き容器にあっては、不用意に蓋体が上部開口部より抜け出てしまうおそれがある。
また、クリック感を生ずるようにした前2者の従来技術の場合では、蓋体嵌合時の乗り越え部通過のクリック感は各部品の製造公差に大きく影響され、一定のトルク値に保持する調整が困難であった。同様に後者の従来技術の場合でも、同様な問題があった。
解決しようとする問題点は、容器本体の上部開口部に蓋体を開閉自在に設ける蓋体付き容器において、蓋体の取り付けを確実に行えるようにすることを目的とする。また蓋体を正位置に取り付けたことを知らせるクリック感を確実に発揮できるようにすることを目的とする。
請求項1の発明は、容器本体の上部開口部に、該上部開口部の中心軸心を中心として蓋体を一方向に回動して閉蓋し、他方向に回動して開蓋する蓋体付き容器であって、前記蓋体の外周に突出片を設け、前記上部開口部の端面に前記突出片が接触して摺動する摺動案内面を設け、該摺動案内面の外側に突出壁を設け、該突出壁は上方へ向かって前記突出片の上下方向の厚み程度に延びる縦向き部と該縦向き部の上部から内側に向かって延びる横向き部からなり、前記縦向き部の一方向の前記摺動案内面上に突設して前記突出片の一方向端が係止可能な側壁部を設け、前記縦向き部の一方向の外側端面に、前記摺動案内面側が低く前記縦向き部側が高くなる傾斜部を形成し、前記突出壁の縦向き部に内側と外側を連通する貫通部を設けたこと特徴とする蓋体付き容器である。
請求項2の発明は、前記蓋体に前記突出片を等間隔に複数設け、該複数の突出片に対応して前記突出壁を前記摺動案内面に複数設けたことを特徴とする請求項1記載の蓋体付き容器である。
請求項3の発明は、前記突出片の上面に第一の突起を設け、前記横向き部の下面に前記第一の突起を乗り越え可能な第二の突起を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の蓋体付き容器である。
請求項4の発明は、前記摺動案内面と前記横向き部の下面までの第一の隙間より、前記摺動案内面に摺動する部位の突出片の板厚は薄く、該突出片の板厚のうち前記摺動案内面と前記横向き部の下面との間に挿入される前記突出片の挿入部位の板厚は、前記摺動案内面に摺動する部位の突出片の板厚よりも薄く形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋体付き容器である。
請求項の発明は、前記容器本体は、断熱容器に収納されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の蓋体付き容器である。
請求項1の発明によれば、摺動案内面と横向き部とで突出片を挟むと共に、側壁部に突出片の一方向端を係止して蓋体を上部開口部に確実に閉蓋することができる。
請求項2の発明によれば、複数の突出片によって、蓋体を上部開口部にいっそう確実に閉蓋することができる。
請求項3の発明によれば、第一の突起と第二の突起によって、閉蓋時のクリック感を確実に生ずることができる。
請求項4の発明によれば、突出壁内に収納される突出片の弾性変形が生じ易くなり、さらに製造寸法公差を吸収できる形状となる。
請求項の発明によれば、他方向に蓋体を回動する開蓋時に、突出片を傾斜部に沿わせて蓋体を簡単に持ち上げることができる。
請求項6の発明によれば、断熱容器によって容器本体に収納した食品などを確実に保温することができる。
本発明の実施例1を示す分解斜視図である。 同全体の縦断面図である。 同分解状態の断面図である。 同要部の平面図である。 同要部の縦断面図である。 図6の端面図であり、図6(A)はI−I線端面図、図6(B)はII−II線端面図、図6(C)はIII−III線端面図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
図は実施例1を示しており、食品を収納する容器本体1は、有底な円筒形であって、その上部開口部2の縁は容器本体1の中心軸心3と反対側となる外側に張り出しており、この上部開口部2には蓋体4が軸心3と同心となって開閉自在に設けられている。そして、この蓋体付き容器は、内筒5、外筒6間を真空層7とした断熱容器8に収納されている。
前記蓋体4は、上部開口部2に対して軸心3を中心に一方向(図1においては時計回り方向)に回動することで閉蓋し、他方向(図1においては反時計回り方向)に回動することで開蓋するもので、上部開口部2を覆うような上蓋板9の下方に上部開口部2に落とし込まれて嵌合する下蓋板10が設けられ、これら上蓋板9と下蓋板10との間には空気層、断熱材層などの断熱層11が設けられて、さらに、上蓋板9の外周には外側にやや張り出した突出片12が設けられている。この突出片12は外周に沿って間隔をおいて複数箇所、実施例では2箇所に設けられており、軸心3を中心として突出片12の一方向端12Aと他方向端12Bとの第一の円弧長さXは、隣接する突出片12間の第二の円弧長さYより長く形成されている。そして、第二の円弧長さYより前記突出片12を抜け止めするための突出壁13の第三の円弧長さZは短く形成されている。
前記突出片12を抜け止めするための突出壁13は、蓋体4を回動したときに上部開口部2における突出片12の下面12Cが摺動する摺動案内面2A側に、実施例では上部開口部2の上端面に、突出片12の複数の対応するように突出壁13は2箇所に設けられている。
突出壁13は、摺動案内面2Aの外側に設けられるもので、摺動案内面2Aの外側から上方へ向かって突出片12の上下方向の厚み程度に延びる縦向き部14と、縦向き部14の上部から内側に向かって延びる横向き部15からなり、突出壁13の横向き部15の内側縁15Aは、摺動案内面2Aの真上に配置されており、このため、突出片12が摺動案内面2Aと横向き部15の下面15Bとの間に挿入すると、突出片12は上下方向が規制されて上下方向に抜け止めされるようになって、突出片12の下面12Cは摺動案内面2Aを摺動し、突出片12の上面12Dは横向き部15の下面15Bに対向するようになっている。さらに、縦向き部14の一方向に摺動案内面2A上に突設して突出片12の一方向端12Aが係止可能な側壁部16を設ける。そして、縦向き部14の一方向の端面は、摺動案内面2Aの真上を覆うと共に、摺動案内面2A側が低く縦向き部14側が高くなるように一様な傾斜の傾斜部17が形成されている。尚、横向き部15の下面15Bは縦向き部14に対して段状に配置されている。
また、縦向き部14の他方向側の摺動案内面2A上は開口しており、この他方向の開口部18より突出片12の一方向端12Aが、摺動案内面2Aと横向き部15との間に挿入できるようになっている。さらに、突出壁13の縦向き部14に内側と外側を連通する貫通部19を窓孔状に設けている。
そして、摺動案内面2Aと横向き部15の下面15Bまでの第一の隙間Tより、摺動案内面2Aに摺動する部位の突出片12の板厚tは薄く、該突出片12のうち摺動案内面2Aと向き部15との間に挿入する突出片12の挿入部位の板厚tbは、摺動案内面2Aに摺動する部位の突出片12の板厚よりも薄く形成る。
さらに、蓋体4閉時にクリック感を生じせしめるように突出片12の上面12Dに第一の突起20を設け、横向き部15の下面15Bに第一の突起20を乗り越え可能な第二の突起21を設けている。尚、上蓋板9の上面はやや凹状になっており、この凹状箇所に摘み状の取手22が形成されている。
次に前記構成についてその作用を説明する。食品(図示せず)を容器本体1に収納して、閉蓋するときは、取手22を摘んで蓋体4を容器本体1上に同心状に配置してから蓋体4を下ろして突出片12を摺動案内面2Aに接する。次に蓋体4を一方向に回動すると、突出片12は摺動案内面2Aを摺動、この摺動により突出片12の一方向端は開口部18より突出壁13に挿入し、さらに突出片12が一方向に回動すると突出片12の一方向端は側壁部16に係止されて停止状態となり、この状態では突出片12の上下は、横向き部15と摺動案内面2Aとで挟まれて抜け止めされる。
さらに、摺動案内面2Aの一方向端は側壁部16に係止されるほぼ直前に、突出片12の回動によって第一の突起20を第二の突起21が乗り越えることで、クリック感が生じて、一方向端は側壁部16に係止されて停止状態となって、正位置で閉蓋状態であることを知ることができる。
そして、閉蓋状態にある容器本体1を断熱容器8に収納することで、食品を保温することができる。
一方、容器本体1を断熱容器8より取り出した後に、開蓋するときは、取手22を摘んで他方向に蓋体4を回動すると、突出片12の回動によって第一の突起20を第二の突起21が乗り越えることで、クリック感が生じて正位置での閉蓋状態が解除されたことを知ることができる。さらに、他方向に蓋体4を回動すると突出片12の一方向端は開口部18より抜け出て、開蓋可能状態となる。しかし、さらに突出片12が摺動案内面2Aを摺動するように他方向に回動すると、摺動案内面2Aを覆い傾斜している縦向き部14の一方向の端面に沿って突出片12の他方向端が沿うようにやや上昇し、この結果、突出片12が摺動案内面2Aよりやや浮き上がって開蓋状態になる。そして、蓋体4を取り上げて食品を取り出すものである。
以上のように前記実施例では、蓋体4の突出片12の一部が容器本体1の突出壁13の断面袋状部の側壁部16に当接して移動を規制することができ、閉動作がわかり易くなる。そして、蓋体4の突出片12の一部が、断面袋状の上壁である横向き部15に当接し、蓋体4の上方への移動を規制することにより、上方向へ蓋体4が容易に外れることはない。また、突出壁13により形成された断面袋状の突出壁13に貫通部19を形成することで、突出壁13まわりの洗浄性を向上できる。
さらに、弾性変形を利用し第一の突起20と第二の突起21との乗り越えを行うことにより、上下方向の嵌合構造になり、製造寸法公差の影響を受けにくくなる。また、第一の突起20と第二の突起21により、乗り越える時にクリック感が発生し、着脱がわかり易くなり、かつ嵌合の緩みを防止できる。
しかも、上述の第一の隙間T、板厚t、板厚tbの関係により、突出壁13内に収納される突出片12の弾性変形が生じ易くなり、さらに製造寸法公差を吸収できる形状とし、乗り越え抵抗が軽減し、着脱を一定のトルク値に調整し易くする。
また、蓋体4の開動作を続けると、蓋体4の突出片12が傾斜部17に沿って上昇し、蓋体4が容器本体1から離間し易くなり、開状態がわかり易くなる。
以上のように本発明に係る蓋体付き容器は、各種の用途に適用できる。
1 容器本体
2 上部開口部
2A 摺動案内面
3 軸心
4 蓋体
8 断熱容器
12 突出片
12D 上面
13 突出壁
14 縦向き部
15 横向き部
15B 下面
16 側壁部
17 傾斜部
19 貫通部
20 第一の突起
21 第二の突起
T 第一の隙間
tb 板厚

Claims (5)

  1. 容器本体の上部開口部に、該上部開口部の中心軸心を中心として蓋体を一方向に回動して閉蓋し、他方向に回動して開蓋する蓋体付き容器であって、前記蓋体の外周に突出片を設け、前記上部開口部の端面に前記突出片が接触して摺動する摺動案内面を設け、該摺動案内面の外側に突出壁を設け、該突出壁は上方へ向かって前記突出片の上下方向の厚み程度に延びる縦向き部と該縦向き部の上部から内側に向かって延びる横向き部からなり、前記縦向き部の一方向の前記摺動案内面上に突設して前記突出片の一方向端が係止可能な側壁部を設け、前記縦向き部の一方向の外側端面に、前記摺動案内面側が低く前記縦向き部側が高くなる傾斜部を形成し、前記突出壁の縦向き部に内側と外側を連通する貫通部を設けたこと特徴とする蓋体付き容器。
  2. 前記蓋体に前記突出片を等間隔に複数設け、該複数の突出片に対応して前記突出壁を前記摺動案内面に複数設けたことを特徴とする請求項1記載の蓋体付き容器。
  3. 前記突出片の上面に第一の突起を設け、前記横向き部の下面に前記第一の突起を乗り越え可能な第二の突起を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の蓋体付き容器。
  4. 前記摺動案内面と前記横向き部の下面までの第一の隙間より、前記摺動案内面に摺動する部位の突出片の板厚は薄く、該突出片の板厚のうち前記摺動案内面と前記横向き部の下面との間に挿入される前記突出片の挿入部位の板厚は、前記摺動案内面に摺動する部位の突出片の板厚よりも薄く形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋体付き容器。
  5. 前記容器本体は、断熱容器に収納されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の蓋体付き容器。
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