JP4038043B2 - 自動溶接装置のアークスタート方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーク溶接ロボット等の自動溶接装置におけるアークスタート方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、直交3軸の本体と、この本体の最終軸の先端に設けた溶接トーチと、この溶接トーチを変位させて溶接するワークを取り付ける2軸駆動可能なワーク取付具と、このワーク取付具に設けた溶接ワイヤ切断手段と、前記溶接トーチへワイヤ供給コンジットを介して溶接ワイヤを供給する溶接ワイヤ供給装置と、この溶接ワイヤ供給装置から供給される溶接ワイヤとワークとに溶接電力を供給すると共に、溶接トーチの所定動作によりワークの各溶接線の変動をセンシングするセンシング電力とを供給する溶接電源と、前記ワーク取付具を変位させて所定位置の前記溶接ワイヤ切断手段により溶接トーチからの溶接ワイヤを一定長さとし、溶接トーチ内でクランプされた溶接ワイヤに前記溶接電源からセンシング電力を供給し、変動する溶接線の溶接開始位置を検出し、この検出した溶接開始位置情報により溶接線の溶接作業情報を修正し、前記本体を変位させると共に、前記溶接電源から溶接電力を供給して溶接作業を行う制御装置とを備えた自動溶接装置が知られている(特公昭59−30510号公報)。
【0003】
この従来の自動溶接装置による溶接開始は、図6に示すように、図示省略のワーク取付具を変位させて溶接ワイヤ切断手段WCを所定位置に位置決めし、この溶接ワイヤ切断手段WCに対して溶接ワイヤWが一定長さとなる位置に溶接トーチTを移動後、この溶接トーチTから溶接ワイヤWを突出して溶接トーチT内で溶接ワイヤWをクランプ後(図6(a)参照)、溶接ワイヤ切断手段WCのモータMを起動すると共に、溶接ワイヤ切断手段WCを矢印方向(紙面左側)に移動し(図6(b)参照)、回転砥石Sにより突出した溶接ワイヤWを切断して溶接トーチTからの溶接ワイヤWの突き出し長さを一定長さとし(図6(c)参照)、この溶接トーチTをワーク取付具に取付けたワークの溶接線WL上に位置決めし(図7(a)参照)、この溶接線WLの適正な溶接開始位置を検出するセンシング動作を行い(図7(b)参照)、このセンシング動作により演算された適正な溶接点WPに溶接トーチTを位置決めして溶接ワイヤWをアンクランプし(図7(c)参照)、溶接ワイヤWの先端WSを適正な溶接点WPに当接した状態で溶接を開始し、溶接線WLの適正な溶接点WPから溶接が開始できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の自動溶接装置による溶接開始方法では、適正な溶接点WPと溶接ワイヤWの先端WSとが当接した短絡状態、もしくは溶接ワイヤWのアンクランプによりコンジットケーブル4内での溶接ワイヤWの遊びによる更なる溶接ワイヤWの突出した短絡状態で溶接電流が供給されるため、溶接ワイヤWに溶接電流を供給するチップt近辺が徐々に溶融していき、最終的に溶断してアーク発生するものの、チップt側の溶断した溶接ワイヤWがチップtに溶着するバーンバックが多発し、溶接実行が中断するとの問題がある。
【0005】
そこで、本発明の請求項1は、バーンバックを未然に防止する自動溶接装置のアークスタート方法を提供することを目的としている。
【0006】
請求項2は、バーンバックの未発生要因を確実に確認でき、バーンバックを未然に防止する自動溶接装置のアークスタート方法を提供することを目的としている。
【0007】
請求項3は、バーンバックの未発生要因を確実に確認でき、バーンバックを確実に防止する自動溶接装置のアークスタート方法を提供することを目的としている。
【0008】
請求項4は、バーンバックの未発生要因を確実に確認でき、バーンバックを確実に防止し、適正な溶接開始部を得られる自動溶接装置のアークスタート方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する、請求項1の発明は、溶接ワイヤを所定突き出し長さに保持した溶接トーチにより被溶接部材の溶接継手の溶接開始位置を検出し、この検出した溶接開始位置に前記溶接トーチを位置決めし、前記溶接ワイヤを逆送給して溶接ワイヤの先端を前記溶接開始位置から離間後、前記溶接ワイヤと前記被溶接部材とに所定の溶接電力を供給してアークスタートすることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明は、前記溶接ワイヤを所定時間逆送給し、所定時間後に前記継手構成部材との離間を確認することを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明は、前記溶接ワイヤの逆送給を繰り返し行うことを特徴としている。
【0013】
請求項4の発明は、前記溶接ワイヤの逆送給を繰り返す度に初回の送給時間と同等もしくは少なくしていくことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
図1において、符号1は本発明の実施の形態に係る自動溶接装置で、この自動溶接装置1は、溶接電源10と、ワイヤ送給装置20と、溶接ワイヤ切断装置30と、ロボット本体40と、このロボット本体40のロボット制御装置50とから構成されている。
【0016】
溶接電源10は例えば炭酸ガスシールド消耗電極溶接方式に適合するように形成されている。溶接電源10は、図示省略の溶接電力制御部(以下「溶接電力制御部」という)を有し、ロボット制御装置50の後述する溶接電源制御部92からの溶接開始・終了指令や所定の溶接電力(溶接電流・電圧の溶接条件指令等)を受け、この溶接条件指令の所定の溶接電力をロボット本体40の手首部先端に設けられた溶接トーチ42と被溶接部材2とに供給するようになっている。また、溶接電源10は、図示省略のワイヤ送給制御部(以下「ワイヤ送給制御部」と略する)を有し、ロボット制御装置50の後述する送給装置制御部91からの正・逆送給(以下「ワイヤ正・逆インチング」という)開始・終了指令やインチング速度指令等を受け、ワイヤ正・逆インチング指令とその指令に基づいたインチング速度指令でもってワイヤ送給装置20を介して溶接ワイヤ3を正インチングおよび逆インチングさせるようなっている。また、溶接電源10は、図示省略のセンシング電源供給制御部を有し、ロボット制御装置50の後述するワイヤセンシング検出制御部93からのセンシング電圧印加指令を受け、溶接トーチ42と被溶接部材2とにセンシング電圧を印加するようになっている。
【0017】
ワイヤ送給装置20は、溶接電源10のワイヤ送給制御部からのワイヤ正・逆インチング指令とその指令に基づいた送給速度指令でもって図示省略のワイヤ送給モータを駆動して溶接ワイヤ3コンジットケーブル44を介して溶接トーチ42に正送給および逆送給させるようなっている。
【0018】
溶接ワイヤ切断装置30は、ロボット本体40の動作範囲内に設置されているか、作動する際に動作範囲内に進入移動してくるようになっている。溶接ワイヤ切断装置30は、例えば、図3に示すように、図示省略の切断装置本体に支持固定された固定切断刃31aと、この固定切断刃31aに対して平行に回動可能な回動切断刃31bと、この回動切断刃31bに軸支して図示省略の回動駆動機構により回動される回動軸32とからなり、固定切断刃31aに対して回動切断刃31bを開いた図示省略の開放面に、図3(c)に示すように、所定位置に位置決めされた溶接トーチ42から溶接ワイヤ3をワイヤ正インチング後(図3(d)参照)、図3(e)に示す矢印方向に回動切断刃31bを回動して溶接ワイヤ3を挟み込むことにより切断するようになっている。
【0019】
ロボット本体40は、例えば6軸の垂直多関節型のもので、各アーム41等を揺動や回動、旋回させる図示省略の直流モータおよび位置検出器を備えていると共に、図示省略の手首部先端に溶接トーチ42を備えている。この溶接トーチ42内には、例えば特開平11−254142号公報に記載された溶接ワイヤ3を拘束する溶接ワイヤ拘束装置43が設けられている。また、ロボット本体40は、ロボット制御装置50により後述するロボット本体制御部80からの位置制御信号を受けて各アーム41等が動作され、溶接トーチ42を再生動作するようになっている。
【0020】
ロボット制御装置50は、演算処理部60と、記憶部70と、ロボット本体40の各アーム41を位置制御するロボット本体制御部80と、溶接電源10や溶接ワイヤ切断装置30等の外部装置制御部90と、入力装置100とからなっている。
【0021】
演算処理部60は、ロボット本体40を動作演算処理するロボット動作演算処理部61と、溶接電源10や溶接ワイヤ切断装置30を動作演算処理する外部装置演算処理部62とからなっている。
【0022】
ロボット動作演算処理部61は、例えば入力装置100からの指令や記憶部70の教示プログラム記憶部71に記憶された教示プログラムの実行データによりロボット本体制御部80を介してロボット本体40のアーム41等を各軸動作もしくは再生動作させる演算処理を行うようになっている。
【0023】
外部装置演算処理部62は記憶部70の教示プログラム記憶部71に記憶された教示プログラムデータにより外部装置制御部90を介して溶接電源10や溶接ワイヤ切断装置30等の動作を制御するようになっている。即ち、外部装置演算処理部62は、ロボット動作演算処理部61からの指令により各教示プログラムデータ内の溶接関連データ(例えば、溶接開始・終了信号や溶接条件等)を後述する外部装置制御部90の溶接電源制御部92に、アークスタート動作関連データを後述する送給装置制御部91や溶接ワイヤ拘束装置制御部94や溶接ワイヤ切断装置制御部95に出力制御するようになっている。また、外部装置演算処理部62はロボット動作演算処理部61からの指令により各教示プログラムデータ内のセンシング関連データを後述するセンシング検出制御部93に出力制御するようになっている。
【0024】
記憶部70は、教示プログラム等を記憶する教示プログラム記憶部71と、各種演算処理の実行時に使用される一時記憶部72とからなっている。
【0025】
教示プログラム記憶部71はオペレータが入力装置100により教示入力した教示データからなる例えば溶接教示プログラムやワイヤ切断プログラムの各種教示プログラムを記憶するようになっている。なお、教示プログラム記憶部71には予め動作をシーケンシャルに定めた例えばアークスタートプログラムや溶接継手WL形状毎のワイヤセンシングプログラムが記憶されている。また、教示プログラム記憶部71は各プログラムを対象ワークに則して編集したワーク教示プログラムを記憶している。
【0026】
上記のワイヤ切断プログラムは、溶接ワイヤ切断位置、即ち、図3(b)に示す溶接ワイヤ切断装置30から所定距離L(例えば、ワイヤ突出長さ25mm)上方でのワイヤ切断実行データにより下記の(1)〜(3)の動作をシーケンシャルに順次実行させるようになっている。なお、このシーケンシャルな動作を個別に教示してワイヤ切断プログラムを作成しても良い。
(1) 後述する外部装置制御部90の送給装置制御部91からのワイヤ正インチング指令により溶接電源10のワイヤ送給制御部からのワイヤ正インチング開始指令と送給速度指令によりワイヤ送給装置20を作動させて溶接トーチ42から固定切断刃31aと回動切断刃31bとの図示省略の開放面(以下「ワイヤ切断開放面」という)に例えばワイヤ送給速度60cm/分で約3秒間送給して溶接ワイヤ3を所定長さ(約30mm)正インチング(図3(c)参照)し、
(2) 溶接ワイヤ拘束装置制御部94からの溶接ワイヤ拘束指令により溶接ワイヤ拘束装置43を作動して溶接トーチ42内の溶接ワイヤ3を拘束し(図3(d)参照)、
(3) 溶接ワイヤ切断装置制御部95からの閉指令により図3(e)に示す矢印方向に回動切断刃31bを回動して溶接ワイヤ3を挟み込むことにより切断して終了する。
【0027】
ワイヤセンシングプログラムは、図示省略の教示された溶接開始位置(以下「教示溶接開始位置」という)、例えば図4(b)に示す下向き突合わせ開先用のワイヤセンシング実行データにより下記の動作をシーケンシャルに順次実行させるようになっている。
(1) ロボット本体40を動作して教示溶接開始位置から所定距離上方に位置決めし、
(2) 後述する外部装置制御部90のワイヤセンシング検出制御部93からのセンシング電圧印加指令を受けた溶接電源10から溶接トーチ42と被溶接部材2とにセンシング電圧が印加され、
(3) その状態でロボット本体40を動作して溶接トーチ42を下降して溶接継手WLのA点でのワイヤセンシング検出制御部93からの短絡検出信号により溶接トーチ42の下降を停止し、
(4) その後、所定距離上昇後に紙面左方向に水平移動して溶接継手WLのB点でのワイヤセンシング検出制御部93からの短絡検出信号により溶接トーチ42の水平移動を停止すると共に、溶接継手WLのB点の位置情報を一次記憶装置72に記憶し、
(5) 今度は、反対方向(紙面右方向)に水平移動して溶接継手WLのC点でのワイヤセンシング検出制御部93からの短絡検出信号により溶接トーチ42の水平移動を停止すると共に、溶接継手WLのC点の位置情報を一次記憶装置72に記憶し
(6) 一次記憶装置72に記憶された溶接継手WLのB、C点の位置情報から外部装置演算装置62により等分な溶接継手WLのD点が演算されると共に、溶接トーチ42を溶接継手WLのD点に水平移動し、
(7) 溶接継手WLのD点移動後に上記のA点からの上昇距離分溶接トーチ42を下降した溶接継手WLのE点の位置を適正な溶接開始位置とし、
(8) この適正な溶接開始位置E点の位置情報と教示溶接開始位置の位置情報から外部装置演算処理部62により補正値が演算されると共に、溶接終了位置までの溶接継手WLの各教示位置情報を補正して終了する。
【0028】
アークスタートプログラムは、教示溶接開始位置で教示されたアークスタート実行データにより下記の動作をシーケンシャルに順次実行させるようになっている。なお、このシーケンシャルな動作を個別に教示してアークスタートプログラムを作成しても良い。
(1)ロボット本体40を動作し、例えば溶接トーチ42をワイヤセンシングプログラムの実行後に演算された適性な溶接開始位置E点に位置決めし(図4(c)参照)、
(2) 溶接ワイヤ拘束装置制御部94の溶接ワイヤ拘束解除指令により溶接ワイヤ拘束装置43を作動して溶接トーチ42内での溶接ワイヤ3の拘束を解除し(図4(d)参照)、
(3) 後述する外部装置制御部90の送給装置制御部91からのワイヤ逆インチング指令により溶接電源10のワイヤ送給制御部からワイヤ逆インチンク開始指令と送給速度指令(例えばワイヤ送給速度60cm/分)とにより図示省略の計時装置(以下「計時装置」という)で計時の約1秒間ワイヤ送給装置20を作動させて溶接ワイヤを約5mm逆インチング(図4(e)参照)し、
(4) ワイヤ逆インチング後に後述する外部装置制御部90のワイヤセンシング検出制御部93からのセンシング電圧印加指令を受けた溶接電源10から溶接トーチ42と被溶接部材2とにセンシング電圧が印加され、
(5) 外部装置演算処理部62でワイヤセンシング検出制御部93からの溶接ワイヤ3の先端3aと被溶接部材2との短絡検出信号受信の有無を確認し、
(6) 短絡検出信号を受信した場合(図4(e)参照)、外部装置演算処理部62からのワイヤ逆インチングリトライ指令が外部装置制御部90の送給装置制御部91に指令され、送給装置制御部91からのワイヤ逆インチングリトライ指令により溶接電源10のワイヤ送給制御部からワイヤ逆インチング開始指令と同じ送給速度指令とにより計時装置で計時する約1秒間ワイヤ送給装置20を作動させて溶接ワイヤを約5mm逆インチング(図4(f)参照)し、また、短絡検出信号を受信しない場合(図5(a)参照)、後述の(10)に以降する。
(7) 再度のワイヤ逆インチング後に外部装置制御部90のワイヤセンシング検出制御部93からのセンシング電圧印加指令を受けた溶接電源10から溶接トーチ42と被溶接部材2とにセンシング電圧が印加され、
(8) 外部装置演算処理部62でワイヤセンシング検出制御部93からの溶接ワイヤ3の先端3aと被溶接部材2との短絡検出信号受信の有無を確認し、
(9) 短絡検出信号を受信した場合は、上記の(6)〜(8)の動作を実行し、
(10) 短絡検出信号を受信しない場合(図5(a)参照)、後述する外部装置制御部90の溶接電源制御部92からの溶接開始指令と溶接電流・電圧の溶接条件指令等を受け、溶接電源10の溶接電力制御部によって無負荷電圧が溶接トーチ42と被溶接部材2とに供給されと共に、ワイヤスローダウン速度で溶接ワイヤ3が送給され(図5(b)参照)、
(11) 溶接ワイヤ3の先端3aと被溶接部材2との短絡検出により溶接電源10の溶接電力制御部から指令された溶接電流・電圧が供給されて溶接ワイヤ3の先端3aからアークが発生して正常にアークスタートされる(図5(c)参照)。
【0029】
一時記憶部72は、演算処理部60において演算する際に使用される各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0030】
ロボット本体制御部80は、入力装置100からの指令やロボット動作演算処理部61から送出される教示プログラムデータによりロボット本体40のアーム41等を各軸動作もしくは再生動作制御するようになっている。
【0031】
外部装置制御部90は、送給装置制御部91と、溶接電源制御部92と、ワイヤセンシング制御部93と、溶接ワイヤ拘束装置制御部94と、溶接ワイヤ切断装置制御部95とからなっている。
【0032】
送給装置制御部91は、ワイヤ切断プログラムとアークスタートプログラムとの実行に際して外部装置演算処理部62からのワイヤ正・逆インチング開始・終了指令や送給速度指令等を受け、溶接電源10のワイヤ送給制御部を介してワイヤ送給装置20を作動させて溶接ワイヤ3を正・逆インチング制御するようになっている。
【0033】
溶接電源制御部92は、外部装置演算処理部62からの溶接開始・終了指令や溶接電流・電圧の溶接条件指令等を受け、この溶接条件指令の溶接電力をロボット本体40の手首部先端に設けられた溶接トーチ42と被溶接部材2とに供給するようになっている。
【0034】
ワイヤセンシング制御部93は、ワイヤセンシングプログラムとアークスタートプログラムとの実行に際して外部装置演算処理部62からのセンシング電圧印加・停止指令や溶接ワイヤ3の先端3aと被溶接部材2との短絡信号を外部装置演算処理部62に送信するようになっている。
【0035】
溶接ワイヤ拘束装置制御部94は、ワイヤ切断プログラムとアークスタートプログラムとの実行に際して外部装置演算処理部62からの溶接ワイヤ拘束・解除指令を受け、溶接ワイヤ拘束装置43を作動して溶接トーチ42内での溶接ワイヤ3の拘束および解除制御をするようになっている。
【0036】
溶接ワイヤ切断装置制御部95は、ワイヤ切断プログラムの実行に際して外部装置演算処理部62からの開閉指令を受け、溶接ワイヤ切断装置30を作動して溶接ワイヤ3の切断制御をするようなっている。
【0037】
入力装置100は、例えば、教示ペンダントであり、オペレータがロボット本体40の各アーム41等を各軸動作入力するとともに、各ワーク毎の教示プログラムを教示できるようになっている。
【0038】
次に、このような構成の自動溶接装置によるアークスタート方法を説明する。
【0039】
先ず、図4(a)に示す溶接継手WLを含むワーク教示プログラムが実行され、その溶接継手WLの溶接実効プログラム実行に際し、まず、編集されたワイヤ切断プログラムが実行され、図3(b)に示す溶接ワイヤ切断装置30上方の溶接ワイヤ切断位置に溶接トーチ42を位置決めし(S1)、溶接ワイヤ切断装置30のワイヤ切断開放面に向かって溶接ワイヤ3を約30mm正インチングし(S2)、 図3(d)に示すように、溶接トーチ42内の溶接ワイヤ拘束装置43によって溶接トーチ3内で溶接ワイヤ3を拘束し(S3)、図3(e)に示すように、溶接ワイヤ切断装置30の回動切断刃31bを回動して溶接ワイヤ3を切断して(S4)溶接ワイヤ3の所定突出長さにする。
【0040】
次に、ワイヤセンシングプログラムが実行され、図4(b)に示すようなセンシング動作し(S5)、適正な溶接開始位置E点に溶接トーチ42を位置決めし(S6)、図4(d)に示すように、溶接トーチ3内での溶接ワイヤ3を拘束解除する(S7)。
【0041】
続いて、アークスタートプログラムが実行され、図4(e)に示すように、溶接ワイヤ3を約1秒間逆インチングして(S8)溶接ワイヤを約5mm引き上げ後に溶接トーチ42と被溶接部材2とにセンシング電圧を印加し(S9)、溶接ワイヤ3の被溶接部材2からの離間を確認する(S10)。
【0042】
この離間の確認によって、溶接ワイヤ切断装置30上方の溶接ワイヤ切断位置から適正な溶接開始位置E点に移動して溶接トーチ3内での溶接ワイヤ3を拘束解除した際にコンジットケーブル4内での溶接ワイヤ3の遊び分が突出して図4(e)に示す状態かを確認でき、この状態でのアークスタートしないことにより、バーンバックの発生を防止できる。
【0043】
離間しない場合(S10,YES)、溶接ワイヤ3を約1秒間逆インチングして(S11)溶接ワイヤを約5mm引き上げた後に溶接トーチ42と被溶接部材2とにセンシング電圧を印加し(S12)、再度、溶接ワイヤ3の被溶接部材2からの離間を確認する。この再度の離間の確認によってアークスタートしないことで、バーンバツクの発生を確実に防止できる。
【0044】
離間した場合(S10,NO)、図5(b)に示すように、ワイヤスローダウン速度で溶接ワイヤ3が送給され(S13)、溶接ワイヤ3の先端3aの被溶接部材2への接触によって溶接ワイヤ3の先端3aからアークが発生して正常にアークスタートされる(S14)。
【0045】
上述の実施の形態でのアークスタートプログラムでは、溶接ワイヤ3の逆インチングを検出溶接開始位置(E点)で行ったが、図4(b)に示す溶接継手WLの検出した溶接継手WLのB、C点の位置情報から等分な溶接継手WLのD点で行っても良い。このことにより、図4(d)に示す溶接トーチ3内での溶接ワイヤ3を拘束解除に際してコンジットケーブル4内での溶接ワイヤ3の遊び分が突出することによる溶接ワイヤ3の先端3a屈曲を防止でき、バーンバックの発生も無く、検出溶接開始位置(E点)からアークスタートできる。
【0046】
また、上述の実施の形態でのアークスタートプログラムでは、初回以降のワイヤ逆インチング時間を約1秒間として逆インチング量5mmとしたが、初回のワイヤ以降のワイヤ逆インチング時間を半減しても良く、例えば2回目のワイヤ逆インチング時間を約0.5秒間として逆インチング量2.5mmとしても良い。
【0047】
そして、上述の実施の形態でのワイヤセンシングのほかに例えば特開平2−205266号や特開平5−329644号記載の開先ルートギャツプセンシング方法の場合に、溶接開始位置での開先ルートギャツプ演算値をもって適正な溶接開始位置をも演算する場合、開先ルートギャツプ演算値を演算する位置、例えば特開平5−329644号公報のP5の位置で溶接ワイヤ3の逆インチングを行っても良い。
【0048】
上述の実施の形態でのワイヤ切断プログラムでは、(1)〜(3)の動作を2回行っても良い。このことにより、各溶接線毎にロボット本体40の動作により発生するコンジットケーブル44内での溶接ワイヤ3の遊び分を少なくすることができる。
【0049】
また、溶接ワイヤ切断装置30は、上述の実施の形態に限らず、確実に溶接ワイヤを切断できるもので、例えば、特開平8−243745号公報に記載のものでも良い。
【0050】
そして、上述の実施の形態での入力装置100に変えて別途コンピュータ等の例えばパソコンを利用したオフライン教示装置を用いた形態でも良い。
【0051】
自動溶接装置1には、ロボット本体40の動作範囲内の適正な溶接姿勢に位置決めするポジショナや、ロボット本体40動作範囲を拡大するロボット本体移動・上下装置を備えていても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明は、溶接ワイヤを所定突き出し長さに保持した溶接トーチにより被溶接部材の溶接継手の溶接開始位置を検出し、この検出した溶接開始位置に前記溶接トーチを位置決めし、前記溶接ワイヤを逆送給して溶接ワイヤの先端を前記溶接開始位置から離間後、前記溶接ワイヤと前記被溶接部材とに所定の溶接電力を供給してアークスタートするので、必ず溶接ワイヤの先端を溶接開始位置から離間した状態でアークスタートしてアークスタート時のバーンバックを未然に防止する自動溶接装置のアークスタート方法を提供できる。
【0053】
請求項2の発明は、前記溶接ワイヤを所定時間逆送給し、所定時間後に前記継手構成部材との離間を確認するので、バーンバックの未発生要因を確実に確認でき、バーンバックを未然に防止する自動溶接装置のアークスタート方法を提供できる。
【0054】
請求項3の発明は、前記溶接ワイヤの逆送給を繰り返し行うので、バーンバックの未発生要因を確実に確認でき、バーンバックを確実に防止する自動溶接装置のアークスタート方法を提供できる。
【0055】
請求項4の発明は、前記溶接ワイヤの逆送給を繰り返す度に初回の送給時間と同等もしくは少なくしていくので、バーンバックの未発生要因を確実に確認でき、バーンバックを確実に防止し、適正な溶接開始部を得られる自動溶接装置のアークスタート方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる実施の形態での自動溶接装置の制御ブロック図である。
【図2】同じく、実施の形態での自動溶接装置によるアークスタートのフローチャート図である。
【図3】同じく、実施の形態での溶接ワイヤ切断の状態図で、(a)は溶接トーチを溶接ワイヤ切断装置に移動させた状態図、(b)は溶接トーチを溶接ワイヤ切断位置に位置決めした状態図、(c)は溶接ワイヤを正インチングする状態図、(d)は溶接ワイヤを拘束した状態図、(e)は溶接ワイヤを切断した状態図である。
【図4】同じく、実施の形態でのワイヤセンシングとアークスタートとの状態図で、(a)は溶接トーチを被溶接部材の溶接線上方に移動させる状態図、(b)はワイヤセンシングする状態図、(c)は溶接トーチを検出溶接開始位置に位置決めした状態図、(d)は溶接トーチ内で溶接ワイヤの拘束を解除する状態図、(e)は溶接ワイヤを逆インチングする状態図、(f)は溶接ワイヤを再度逆インチングする状態図である。
【図5】同じく、実施の形態でのワイヤセンシングとアークスタートとの状態図で、(a)は溶接ワイヤが検出溶接開始位置から離間した状態図、(b)は溶接ワイヤをワイヤスローダウンする状態図、(c)は溶接ワイヤ先端からアークが発生した状態図である。
【図6】従来の溶接ワイヤ切断の状態図で、(a)は溶接トーチを溶接ワイヤ切断装置近辺に移動させた状態図、(b)は溶接ワイヤを正インチングする状態図、(c)は溶接ワイヤを正インチングする状態図、(d)は溶接ワイヤを拘束した状態図、(e)は溶接ワイヤを切断した状態図である。
【図7】従来のワイヤセンシングとアークスタートとの状態図で、(a)は溶接トーチを被溶接部材の溶接線上方に移動させる状態図、(b)はワイヤセンシングする状態図、(c)は溶接トーチを検出溶接開始位置に位置決めした状態図である。
【符号の説明】
2 被溶接部材
3 溶接ワイヤ
3a 溶接ワイヤの先端
42 溶接トーチ
WL 溶接継手
E 適正な溶接開始位置

Claims (4)

  1. 溶接ワイヤを所定突き出し長さに保持した溶接トーチにより被溶接部材の溶接継手の溶接開始位置を検出し、この検出した溶接開始位置に前記溶接トーチを位置決めし、前記溶接ワイヤを逆送給して溶接ワイヤの先端を前記溶接開始位置から離間後、前記溶接ワイヤと前記被溶接部材とに所定の溶接電力を供給してアークスタートすることを特徴とする自動溶接装置のアークスタート方法。
  2. 前記溶接ワイヤを所定時間逆送給し、所定時間後に前記継手構成部材との離間を確認することを特徴とする請求項1に記載の自動溶接装置のアークスタート方法。
  3. 前記溶接ワイヤの逆送給を繰り返し行うことを特徴とする請求項1または2に記載の自動溶接装置のアークスタート方法。
  4. 前記溶接ワイヤの逆送給を繰り返す度に初回の送給時間と同等もしくは少なくしていくことを特徴とする請求項3に記載の自動溶接装置のアークスタート方法。
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