JP4501105B2 - 溶接システム - Google Patents
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Description
しかし、従来技術を使用して、多層盛溶接を行う場合に、第1パスと第2パスの溶接進行方向が逆方向になる時には、溶接進行方向にあわせて、手首部を回転させていた。
この手首部を回転させる場合に、先行及び後行の溶接トーチの連結されている溶接ケーブル(ワイヤ送給ケーブル)が、ロボットアームに絡みついて、ワイヤの送給性が悪くなり、その結果、溶接品質が不良となるという問題があった。
先行溶接トーチ3の溶接状態量を検出する先行状態量検出器31を溶接電源30とワイヤ送給装置32の間に備える。同様に、後行溶接トーチ4の溶接状態量を検出する後行溶接状態量検出器41を備える。この先行状態量検出器31及び後行状態量検出器41は、ホール素子で構成された電流検出器である。
先行状態量検出器31は、検出する先行溶接トーチ3による溶接電流値を1000Aで10Vとなるように電圧を出力する。出力された電圧は、ロボット制御装置2の状態入力部10に入力される。同様に、後行状態量検出器41の出力もロボット制御装置2の状態入力部10に入力される。
タイミング生成部21の生成したタイミングにより、状態量取得部11が活性化される。状態量取得部は、タイミング生成部21の生成したタイミングをサンプリング周期として、状態入力部10に入力された電圧をデジタルに変換する。
状態量選択部12は、予め設定されたパターンに応じて、軌跡修正に使用する溶接状態量を決定する。たとえば、後行溶接トーチ4の溶接状態量を軌跡修正に使用する場合には、後行溶接トーチ4の溶接状態量を軌跡修正部13に出力する。
軌跡修正部13は、状態量選択部12から出力された溶接状態量を入力として、位置ずれ量を算出する。この算出アルゴリズムは、どのようなものでもよく、最も一般的なものは、ウィービング溶接におけるトーチの両端の電流値による軌跡修正である。
ロボット制御装置2内には、ロボット1を動作させるプログラムがプログラム格納部14に格納されている。操作者や上位計算機から、該当するプログラムを呼び出すように、ロボット制御装置2へ指令される。この指令の方法は、外部からの接点または、ロボット制御装置2に接続されているプログラミングペンダントなどプログラム名称の選択などがある。ロボット制御装置2は、プログラム格納部14から該当するプログラムを読み出す。その後、外部からの入信、及び操作者がパネルからのスタートボタンの押下によって、そのプログラムがプレイバックされる。
命令が直線移動命令の場合には、まず、現在位置と目標位置の方向ベクトルを求める。この求めた方向ベクトルに対して、指定された移動速度となるように、1マシンクロックの移動量を計算する。このマシンクロックは、タイミング生成部21にて生成されるクロックである。
命令解釈部15は、現在位置及び目標位置、方向ベクトル、マシンクロックあたりの移動量を軌跡司令部16に出力する。
すなわち、軌跡指令部16では、命令解釈部15から算出される教示軌跡と、軌跡修正部13からの指令である修正量を加算した目標位置を算出する。
算出された次のマシンクロックの目標位置は、駆動部17に出力され、駆動部17は、ロボット1の各関節に取り付けられているサーボモータを駆動する。
図2に、1パス目の溶接の概要図を示す。1パス目では、先行溶接トーチ3が、溶接線進行方向に対して、後行溶接トーチ4より先行している。
図3では、2パス目の場合、逆転溶接を行うときには、1パス目の先行溶接トーチ3は、後行溶接トーチ4に対して、後行する。
このような場合には、1パス目は、先行溶接トーチ3の溶接状態量にて、溶接線自動倣いを実施し、2パス目は、後行溶接トーチ4の溶接状態量にて、溶接線自動倣いを実施する。
S1では、溶接開始点へロボット1を移動させる。
S2では、溶接開始指令を出力する。この場合、先行溶接トーチ3及び後行溶接トーチ4の溶接電源に対して、同時に溶接開始指令を出力する。
S3では、溶接線自動倣いを開始する。この溶接線自動倣いの開始は、S2でアーク発生確認信号がロボット制御装置に入信した後に処理を開始する。このとき、先行溶接トーチ3の溶接状態量に基づいて溶接線自動倣いを行う。
S4では、溶接線自動倣いを行いながら、目標位置へロボット1を移動する。
S5では、溶接終了を溶接電源に指令し、同時に、溶接線自動倣いを終了する。
S6では、一旦、溶接ワイヤが溶着しないように、ロボット1を退避させる。
S7では、溶接開始へ移動する、
S8では、後行溶接トーチ4の溶接状態量に基づいて溶接線自動倣いを行う。
軌跡修正部13は、溶接進行方向に対して左右方向の軌跡を修正する左右修正演算部131とワイヤ突き出し方向に対して上下の軌跡を修正する上下修正演算部132を備える。
状態量選択部12では、先行溶接トーチ3の溶接状態量をアドレス10000に格納する。また、後行溶接トーチ4に溶接状態量をアドレス20000に格納する。
状態量選択部12は、インターフェース領域120に左右修正演算部131が参照する溶接状態量が格納されている先頭アドレス、及び上下修正演算部132が参照する溶接状態量が格納されている先頭アドレスを渡す。
先頭アドレスを渡された左右修正演算部131では、アドレス10000のデータから左右修正を行うように修正する軌跡の演算が実行される。同様に、アドレス20000のデータが上下方向に対して修正する軌跡の演算が実行される。
また、以上の実施例では、ウィービングの方法に関しては、ロボットの各軸を駆動してウィービングを説明したが、ロボット1の手首先端にウィービング専用の1軸を取り付け、ウィービングを実現してもよい。このようにすることにより、先行溶接トーチ3と後行溶接トーチ4をウィービングさせることが可能となる。この際、ウィービング専用の1軸の駆動中心と先行溶接トーチ3との距離を第1距離、駆動中心と後行溶接トーチ4との距離を第2距離とすると、第1距離と第2距離を同一にすれば、ウィービング専用の1軸を駆動することで、同一の振幅で揺動できる。また、第1距離を第2距離より大きくとれば、先行溶接トーチ3の振幅は、後行溶接トーチ4の振幅より大きくなる。また、第2距離を第1距離より大きくとれば、先行溶接トーチ3の振幅は、後行溶接トーチ4の振幅より小さくなる。
2:ロボット制御装置
3:先行溶接トーチ
4:後行溶接トーチ
11:状態量取得部
12:状態量選択部
13:軌跡修正部
30、40:溶接電源
31:先行状態量検出器
41:後行状態量検出器
Claims (3)
- 溶接ワイヤを消耗電極とする先行溶接トーチと、
前記先行溶接トーチから所定の距離だけ離して設けられた後行溶接トーチと、
前記先行溶接トーチと前記後行溶接トーチとを先端に取り付けたロボットと、
前記ロボットを制御するロボット制御装置と、
前記先行溶接トーチによる溶接と前記後行溶接トーチによる溶接を制御する2つの溶接電源とを備え、
ガスシールドの雰囲気内で各々送給するワイヤと溶接部材との間に各々給電して発生させる2つのアークで1つの溶融プールを形成する溶接システムにおいて、
前記先行溶接トーチによる溶接電流値を検出する先行状態量検出器と、
前記後行溶接トーチによる溶接電流値を検出する後行状態量検出器とを備え、
前記ロボット制御装置は、前記先行状態量検出器によって検出された溶接電流値と前記後行状態量検出器によって検出された溶接電流値を一定周期で取得する状態量取得部と、
ウィービング溶接時に前記溶接トーチがウィービング両端位置に位置した際に前記状態量取得部にて取得した溶接電流値に基いて前記溶接トーチの位置ずれ量を算出し前記ロボットの軌跡を修正する軌跡修正部とを備えることを特徴とする溶接システム。 - 前記ロボット制御装置は、前記先行溶接トーチの溶接電流値または前記後行溶接トーチの溶接電流値の何れか1つを選択する状態量選択部を備え、
前記軌跡修正部は、ウィービング溶接時に前記溶接トーチがウィービング両端位置に位置した際の、前記状態量選択部で選択された溶接電流値に基づいて前記溶接トーチの位置ずれ量を算出し前記ロボットの軌跡を修正することを特徴とする請求項1記載の溶接システム。 - 前記軌跡修正部は、前記状態量取得部にて溶接電流値を取得する一定周期の整数倍で前記ロボットに修正信号を出力することを特徴とする請求項1乃至2記載の溶接システム。
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