JP2014019417A - ハイブリッド動力装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド動力装置において、内燃機関の始動に用いる回転電機のロータ軸の耐久性を考慮した制御を行う。
【解決手段】ハイブリッド動力装置10において、内燃機関18は第1回転電機20により駆動されて始動される。第1回転電機20のロータ軸34の耐久性に基づき、内燃機関18の許容始動回数を定める。積算された内燃機関の始動回数が、許容始動回数に近づくと運転者にこれを報知し、ロータ軸34の交換を促す。また、積算された始動回数が許容始動回数に達すると、内燃機関18の自動停止を禁止して始動回数の増加を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両駆動用の原動機として内燃機関と回転電機を備え、この回転電機によって内燃機関を始動するハイブリッド動力装置に関し、特にその制御に関する。
車両駆動用の原動機として内燃機関と回転電機を備えたハイブリッド動力装置が知られている。本明細書において、「回転電機」は、電動機、発電機、さらに電動機と発電機どちらにも機能する電気機器の総称として用いる。ハイブリッド動力装置において、内燃機関の始動を、始動専用のスタータモータでなく、車両駆動用の原動機である回転電機によって行う場合がある。この場合、内燃機関の始動時に回転電機のロータ軸に負担が掛かる。また、ハイブリッド車両においては、走行状況に応じて内燃機関を一時的に停止する場合があり、内燃機関の出力が必要となると内燃機関が再始動される。例えば、信号待ちなどで停車中には内燃機関が停止され、発進後、所定速度に達すると再始動される。このため、アイドリングストップ機能等の内燃機関を自動停止する機能のない動力装置に比べ、内燃機関の始動回数が増える。下記特許文献1には、内燃機関と2機の回転電機を備えたハイブリッド動力装置が記載されている。
特開2010−111291号公報
ハイブリッド車両は、その普及と共に様々な状況下で使用されるようになっており、当初想定されている以上の負担が装置またはその部品に掛かる可能性がある。例えば、積算の走行距離が長くなったり、内燃機関の停止、再始動が頻繁に繰り返されるなどの使用態様によって内燃機関の始動回数が多くなると、一般的な使用では交換する必要のない回転電機のロータ軸を交換しなければならなくなることが考えられる。
本発明は、回転電機のロータ軸の使用限度に関連する情報を運転者に提示し、また交換時期を延ばすことを目的とする。
本発明のハイブリッド動力装置の制御装置は、車両駆動用の原動機として内燃機関と回転電機を備えたハイブリッド動力装置の制御を行う装置である。このハイブリッド動力装置において、車両駆動用の回転電機によって内燃機関が始動される。内燃機関を始動する回転電機のロータ軸の耐久性に基づき、内燃機関を始動する回数の許容値(許容始動回数)が予め定められている。積算された内燃機関の始動回数が、この許容始動回数に所定回数まで近づくと、運転者にこれを報知する。また、積算された始動回数が許容始動回数に達すると、内燃機関の自動停止制御を禁止する。
本発明によれば、運転者に回転電機のロータ軸の交換が必要であること、またその時期が近いことを報知することができる。さらに、積算された始動回数が許容始動回数に達した後も、ロータ軸の負担を軽減することで、ロータ軸の交換時期を延ばすことができる。
本実施形態のハイブリット動力装置とその制御装置の概略構成を示す図である。 ロータ軸の耐久性を考慮した内燃機関の始動に係る制御のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。図1は、本実施形態のハイブリッド動力装置10とこの動力装置10を制御する制御装置12の概略構成を示す図である。さらに、図1には、動力装置10の出力を駆動輪14に伝達する伝達装置16も示されている。
ハイブリッド動力装置10は、車両駆動用の原動機として内燃機関18と2機の回転電機20,22を備える。3機の原動機18,20,22の出力軸は、動力分配機構としての遊星歯車機構24の3要素(キャリア、サンギア、リングギア)に各々接続されている。この実施形態では、内燃機関18の出力軸(クランク軸)26が、プラネタリピニオン28を回転可能に支持するキャリア30に、キャリア軸32を介して接続されている。また、第1回転電機20の出力軸(ロータ軸)34がサンギア36に、そして第2回転電機22の出力軸(ロータ軸)38がリングギア40に接続されている。3機の原動機と遊星歯車機構の3要素の接続の組み合わせは、上記に限定されず、入れ替えることができる。3機の原動機の回転速度は、遊星歯車機構24の各要素間のギア比により定まる所定の関係を有し、2機の回転速度が定まると、残りの1機の回転速度が自ずと決定する。リングギア40と一体に回転するよう動力取出しギア42が設けられ、このギアが伝達装置16の減速ギア列44を構成する1個のギアに噛み合っている。伝達装置16は、更に終減速機46を含み、終減速機44によって減速ギア列44により伝えられた動力が左右の駆動輪14に分配される。
動力装置10は、二次電池を含む蓄電装置48と、第1および第2回転電機20,22にそれぞれ対応したインバータ装置50,52を更に含む。第1および第2回転電機20,22が電動機として機能する際には、蓄電装置48からの直流電力がインバータ装置50,52により交流電力に変換されて各回転電機20,22に供給される。また、第1および第2回転電機20,22が発電機として機能する際には、発電された交流電力がインバータ装置50,52により直流電力に変換されて蓄電装置48に送出される。また、一方の回転電機が発電した電力を二つのインバータ装置50,52を介して他方の回転電機に供給するようにもできる。
動力装置10の各原動機18,20,22は、制御装置12により制御される。制御装置12は、内燃機関18の制御を行う内燃機関ECU(中央処理装置)54、インバータ装置50,52の動作を制御することにより第1および第2回転電機20,22の制御を行う回転電機ECU56および蓄電装置48の蓄電量等の管理を行う電池ECU58を有する。さらに、制御装置12は、これらのECU54,56,58を統合的に制御するハイブリッドECU(HV−ECU)60を有する。ハイブリッドECU60は、運転者の要求、例えばアクセルペダル62およびブレーキペダル64の操作量からの加速要求、制動要求を取得し、また各原動機の運転状況、蓄電装置の蓄電量などの情報を統合して、各原動機18,20,22の動作を決定する。この決定に基づき内燃機関ECU54および回転電機ECU56が各原動機18,20,22を制御する。
制御装置12は、動力装置の動作状態を運転者に提供するための報知装置66を有する。報知装置66は、画像表示を行う表示装置および音声報知を行う音声装置の一方または両方を備える。
動力装置10においては、内燃機関18の効率が悪い走行状況においては内燃機関18が自動停止される。例えば、車両が停止しているときや低速走行時には内燃機関18は停止される。一旦停止した内燃機関18は、走行状況に応じて再始動される。例えば、車速が高くなると再始動される。また、二次電池の蓄電量が低下し、充電が必要となった場合にも内燃機関18が再始動される。内燃機関18の始動は、第1回転電機20により実行される。つまり、第1回転電機20が、ロータ軸34、サンギア36、プラネタリピニオン28、キャリア30、およびキャリア軸32を介してクランク軸26を駆動し、内燃機関18を始動する。
内燃機関のみを原動機として有する従来の車両は、通常、運行中に内燃機関が停止することはなく、これに比べて内燃機関の自動停止機能を有する動力装置10は、内燃機関の始動頻度が高くなる。つまり、第1回転電機20から内燃機関18への動力の伝達経路を構成する各部材に負荷が掛かる頻度が増加する。また、内燃機関始動の際の各部に掛かる負荷は、定常運転時に比べて大きく、各部材の耐久性について考慮を要する場合がある。動力装置10においては、第1回転電機のロータ軸34が中空軸として形成され、その中空部分をキャリア軸32が貫通する二重構造を有する。この構造のために、始動回数が多くなる場合には、第1回転電機のロータ軸34について十分な耐久性の検討を要する。ハイブリッド車両の普及と共に、より様々な状況下で使用されることが考えられ、過酷な条件での使用でも十分な耐久性を有することが望まれる。しかしながら、十分な耐久性を有するようにするためには、大幅な設計変更が必要になる、また装置の外形が大きくなるなどの問題が生じる場合がある。
この実施形態においては、内燃機関18の始動回数が、第1回転電機20のロータ軸34の耐久性に基づき定められた所定の回数に近づくと、これを運転者に報知し、ロータ軸34の交換を促す。また、前記の回数に達すると、内燃機関18の自動停止を禁止して、始動回数の増加を抑制する。
図2は、第1回転電機のロータ軸34の耐久性を考慮した内燃機関18の始動制御に掛かるフローチャートである。内燃機関18の始動回数の設計上の上限回数(耐用回数)に対し少ない回数、例えば9割の回数に許容回数Naを予め設定する。内燃機関18が停止した状態の通常走行中(S100)において、内燃機関18に始動指令が発せられると(S102)、積算の始動回数Nと、許容回数Naに対してX回少ない回数(Na−X)の比較を行う(S104)。始動回数Nが回数(Na−X)以下の場合、内燃機関の始動が実行される(S106)。始動されると積算の始動回数Nが、1を加算して更新される。
ステップS104で始動回数Nが回数(Na−X)を超えた場合、始動回数が所定の値に達したこと及びこれに伴い部品の交換が必要なことの一方または両方を運転者に報知する(S108)。報知は、例えば車室内に設けられた表示装置に表示してもよいし、また音声による報知を行ってもよい。また、より簡易的に単に販売店での点検を促す報知とすることもできる。また逆に、より詳細に、まもなく内燃機関の自動停止が禁止される旨も加えて報知するようにしてもよい。
さらに、積算の始動回数Nが回数(Na−1)と比較され(S110)、回数(Na−1)以下であれば、内燃機関18の始動が実行される(S112)。始動されると積算の始動回数Nが、1を加算して更新される。一方、ステップS110で始動回数Nが回数(Na−1)を超えた場合、内燃機関18を始動する(S114)が、以降、自動停止制御が禁止される(S116)。始動されると積算の始動回数Nが、1を加算して更新される。
始動の許容回数Naに達する以前に、ロータ軸の交換が必要となることを予告することで、許容回数Naに達することを抑制することができる。また、始動回数が許容回数Naに達した後は、自動停止制御を禁止することで内燃機関18の始動の機会を減少させ、ロータ軸の耐用回数に達することを抑制することができる。そして、過酷な状況下で使用される場合であっても、使用限度に達する前に部品交換を行うことができる。よって、より耐久性の高い仕様への設計変更の要請が低減される。
上述の実施形態の動力装置は、3機の原動機を有し、これらの原動機が遊星歯車機構の3要素にそれぞれ接続される構成を有していた。しかし、これ以外の構成であってもよい。例えば、遊星歯車機構の3要素のうち2要素のみに原動機が接続される構成であってもよい。また、原動機の動力を分割するための遊星歯車機構を用いない構成であってもよい。また、内燃機関と回転電機をそれぞれ1機のみ備えた構成であってもよい。
10 動力装置、12 制御装置、18 内燃機関、20 第1回転電機、22 第2回転電機、24 遊星歯車機構、26 クランク軸、28 プラネタリピニオン、30 キャリア、32 キャリア軸、34 (第1回転電機の)ロータ軸、36 サンギア、38(第2回転電機)のロータ軸、40 リングギア、66 報知装置。

Claims (1)

  1. 車両駆動用の原動機として内燃機関と回転電機を備え、この回転電機によって内燃機関を始動するハイブリッド動力装置の制御装置であって、
    内燃機関の始動回数が、前記回転電機のロータ軸の耐久性に基づき定められた許容始動回数に対して所定回数まで近づくと、これを運転者に報知し、
    内燃機関の始動回数が、前記許容始動回数に達すると、内燃機関の自動停止制御を禁止する、
    ハイブリッド動力装置の制御装置。
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