JP2009190474A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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淳 田端
Toru Matsubara
亨 松原
Tatsuya Imamura
達也 今村
Yuji Iwase
雄二 岩▲瀬▼
Kenta Kumazaki
健太 熊▲崎▼
Keita Imai
恵太 今井
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Abstract

【課題】可及的に小型の車両用動力伝達装置を提供する。
【解決手段】クラッチ60を介して入力軸14と連結されるオイルポンプ52と、そのオイルポンプ52を駆動可能に設けられた補助電動機Msとを、備え、エンジン10を駆動力源とする走行時にはクラッチ60を係合してそのエンジン10によりオイルポンプ52を駆動し、第2電動機M2を駆動力源とする走行時にはクラッチ60を解放してオイルポンプ52及び補助電動機Msと入力軸14との間の動力伝達を遮断すると共にその補助電動機Msによりオイルポンプ52を駆動し、エンジン10の始動時にはクラッチ60を係合して補助電動機Msによりそのエンジン10の始動を行うものであることから、オイルポンプ52を駆動するための補助電動機Msによりエンジン10の始動を行うことにより、それらの構成を共通化して装置を小型化できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンと、そのエンジンにより発生させられる動力を駆動輪へ伝達するための動力伝達軸とを、備えた車両用動力伝達装置に関し、特に、装置を小型化するための改良に関する。
エンジンと、そのエンジンにより発生させられる動力を駆動輪へ伝達するための動力伝達軸と、油圧を発生させるためのオイルポンプとを、備えた車両用動力伝達装置が知られている。斯かる動力伝達装置において、前記エンジンを始動するための電動機(スタータ)によりオイルポンプを駆動することは公知である。また、電動オイルポンプ及び機械式オイルポンプを有する構成において、それらを共用すべく一方向クラッチを介して共通に駆動することも公知である。更に、特許文献1記載されたオイルポンプ駆動装置のように、車両の走行時には走行用モータでオイルポンプを駆動し、走行用モータが停止する停車時にはアシストモータでオイルポンプを駆動する技術が提案されている。
特許第2566527号公報 特開2002−199506号公報 特開昭51−18082号公報 特開2005−264762号公報
しかし、前述したような従来の技術では、装置の共通化乃至小型化に限界があった。すなわち、車両用動力伝達装置を可及的に小型化するための技術の開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、可及的に小型の車両用動力伝達装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、エンジンと、電動機と、そのエンジン及び/又は電動機により発生させられる動力を駆動輪へ伝達するための動力伝達軸とを、備えた車両用動力伝達装置であって、クラッチを介して前記動力伝達軸と連結されるオイルポンプと、そのオイルポンプを駆動可能に設けられた補助電動機とを、備え、前記エンジンを駆動力源とする走行時には、前記クラッチを係合してそのエンジンにより前記オイルポンプを駆動し、前記電動機を駆動力源とする走行時には、前記クラッチを解放して前記オイルポンプ及び補助電動機と前記動力伝達軸との間の動力伝達を遮断すると共にその補助電動機により前記オイルポンプを駆動し、前記エンジンの始動時には、前記クラッチを係合して前記補助電動機によりそのエンジンの始動を行うことを特徴とするものである。
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、エンジンと、そのエンジンにより発生させられる動力を駆動輪へ伝達するための動力伝達軸とを、備えた車両用動力伝達装置であって、クラッチを介して前記動力伝達軸と連結されるオイルポンプと、そのオイルポンプを駆動可能に設けられた補助電動機とを、備え、前記エンジンを駆動力源とする走行時には、前記クラッチを係合してそのエンジン及び補助電動機により前記オイルポンプを駆動し、前記エンジンの始動時には、前記クラッチを係合して前記補助電動機によりそのエンジンの始動を行うものであり、前記クラッチは、通常状態において係合させられることを特徴とするものである。
また、前記目的を達成するために、本第3発明の要旨とするところは、エンジンと、そのエンジンにより発生させられる動力を駆動輪へ伝達するための動力伝達軸とを、備えた車両用動力伝達装置であって、クラッチを介して前記動力伝達軸と連結されるオイルポンプと、そのオイルポンプを駆動可能に設けられた補助電動機とを、備え、前記エンジンを駆動力源とする走行時には、前記クラッチを係合してそのエンジン及び補助電動機により前記オイルポンプを駆動し、前記エンジンの始動時には、前記クラッチを係合して前記補助電動機によりそのエンジンの始動を行うものであり、前記クラッチが係合された場合、前記オイルポンプ及び補助電動機の回転速度は、前記エンジンの回転速度に対して増速されるように構成されていることを特徴とするものである。
このように、前記第1発明によれば、クラッチを介して前記動力伝達軸と連結されるオイルポンプと、そのオイルポンプを駆動可能に設けられた補助電動機とを、備え、前記エンジンを駆動力源とする走行時には、前記クラッチを係合してそのエンジンにより前記オイルポンプを駆動し、前記電動機を駆動力源とする走行時には、前記クラッチを解放して前記オイルポンプ及び補助電動機と前記動力伝達軸との間の動力伝達を遮断すると共にその補助電動機により前記オイルポンプを駆動し、前記エンジンの始動時には、前記クラッチを係合して前記補助電動機によりそのエンジンの始動を行うものであることから、前記オイルポンプを駆動するための補助電動機により前記エンジンの始動を行うことにより、それらの構成を共通化して装置を小型化できる。すなわち、エンジン停止時においても十分な油圧を供給し得る、可及的に小型の車両用動力伝達装置を提供することができる。
ここで、前記第1発明において、好適には、前記クラッチは、通常状態において係合させられるものである。このようにすれば、必要な場合にのみ前記クラッチを解放させることで制御を簡単なものにできると共に、解放側のフェール確率は低いためフェールセーフの観点からも利点がある。
また、好適には、前記クラッチが係合された場合、前記オイルポンプ及び補助電動機の回転速度は、前記エンジンの回転速度に対して増速されるように構成されたものである。このようにすれば、前記エンジンの低回転速度域ではオイルポンプの流量を稼ぐことができるのに加え、前記エンジンの始動時には補助電動機の出力トルクが増幅されるという利点がある。
また、前記第2発明によれば、クラッチを介して前記動力伝達軸と連結されるオイルポンプと、そのオイルポンプを駆動可能に設けられた補助電動機とを、備え、前記エンジンを駆動力源とする走行時には、前記クラッチを係合してそのエンジン及び補助電動機により前記オイルポンプを駆動し、前記エンジンの始動時には、前記クラッチを係合して前記補助電動機によりそのエンジンの始動を行うものであり、前記クラッチは、通常状態において係合させられるものであることから、前記オイルポンプを駆動するための補助電動機により前記エンジンの始動を行うことにより、それらの構成を共通化して装置を小型化できる。すなわち、可及的に小型の車両用動力伝達装置を提供することができる。
また、前記第2発明において、好適には、前記動力伝達軸を介して前記駆動輪へ動力を伝達し得る電動機を備え、その電動機を駆動力源とする走行時には、前記クラッチを解放して前記オイルポンプ及び補助電動機と前記動力伝達軸との間の動力伝達を遮断すると共にその補助電動機により前記オイルポンプを駆動するものである。このようにすれば、前記エンジンの停止時には前記補助電動機により前記オイルポンプを駆動することで必要な油圧が得られるという利点がある。
また、好適には、前記クラッチが係合された場合、前記オイルポンプ及び補助電動機の回転速度は、前記エンジンの回転速度に対して増速されるように構成されたものである。このようにすれば、前記エンジンの低回転速度域ではオイルポンプの流量を稼ぐことができるのに加え、前記エンジンの始動時には補助電動機の出力トルクが増幅されるという利点がある。
また、前記第3発明によれば、クラッチを介して前記動力伝達軸と連結されるオイルポンプと、そのオイルポンプを駆動可能に設けられた補助電動機とを、備え、前記エンジンを駆動力源とする走行時には、前記クラッチを係合してそのエンジン及び補助電動機により前記オイルポンプを駆動し、前記エンジンの始動時には、前記クラッチを係合して前記補助電動機によりそのエンジンの始動を行うものであり、前記クラッチが係合された場合、前記オイルポンプ及び補助電動機の回転速度は、前記エンジンの回転速度に対して増速されるように構成されたものであることから、前記オイルポンプを駆動するための補助電動機により前記エンジンの始動を行うことにより、それらの構成を共通化して装置を小型化できる。すなわち、可及的に小型の車両用動力伝達装置を提供することができる。
また、前記第3発明において、好適には、前記動力伝達軸を介して前記駆動輪へ動力を伝達し得る電動機を備え、その電動機を駆動力源とする走行時には、前記クラッチを解放して前記オイルポンプ及び補助電動機と前記動力伝達軸との間の動力伝達を遮断すると共にその補助電動機により前記オイルポンプを駆動するものである。このようにすれば、前記エンジンの停止時には前記補助電動機により前記オイルポンプを駆動することで必要な油圧が得られるという利点がある。
また、好適には、前記クラッチは、通常状態において係合させられるものである。このようにすれば、必要な場合にのみ前記クラッチを解放させることで制御を簡単なものにできると共に、解放側のフェール確率は低いためフェールセーフの観点からも利点がある。
また、前記第1発明乃至第3発明において、好適には、前記動力伝達軸は、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた電気式差動装置の一部を成すものである。このようにすれば、実用的な態様の車両用動力伝達装置を可及的に小型化することができる。
また、好適には、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に変速部を備え、その変速部の変速中における前記エンジンの始動は前記補助電動機により行われるものである。このようにすれば、実用的な態様の車両用動力伝達装置を可及的に小型化することができる。
また、好適には、前記エンジンの正転保証制御に適用されるものである。このようにすれば、前記エンジンの停止時にそのエンジンが逆転するのを防止するための制御において、前記補助電動機により正転トルクを出力させることにより斯かる逆転を好適に抑制することができる。
また、好適には、前記動力伝達軸に連結された電動機を備え、その電動機の高回転防止制御に適用されるものである。このようにすれば、前記電動機の回転速度を前記補助電動機により調整することで、その電動機の回転速度が所定速度以上になるのを好適に抑制することができる。
また、好適には、前記エンジンの停止時における制振制御に適用されるものである。このようにすれば、前記エンジンの停止時に前記補助電動機によりそのエンジンの回転速度を可及的速やかに低下させることができる。
また、好適には、前記エンジンの回転速度を0に固定する制御に適用されるものである。このようにすれば、前記補助電動機により前記エンジンの回転速度を好適に固定することができる。
また、好適には、前記動力伝達軸と前記オイルポンプとの間に一方向クラッチを備えたものである。このようにすれば、前記クラッチの制御が簡素化されると共に、フェールセーフの観点からも利点がある。
また、好適には、前記オイルポンプ、補助電動機、及びクラッチは、前記電気式差動装置の外周側に備えられたものである。このようにすれば、可及的に小型の車両用動力伝達装置を実用的な態様で構成することができる。
また、好適には、前記オイルポンプ、補助電動機、及びクラッチは、前記電気式差動装置と並列に備えられたものである。このようにすれば、特にFF型車両に搭載される動力伝達装置の横方向寸法を短縮できるという利点がある。
また、好適には、前記オイルポンプ及び補助電動機は、前記動力伝達軸とは別軸の回転軸を備えたものであり、前記補助電動機により出力されるトルクが増幅されて前記動力伝達軸に伝達されるように構成されたものである。このようにすれば、可及的小型の補助電動機により前記エンジンの始動に必要なトルクを確保することができるという利点がある。
また、好適には、前記クラッチは、前記回転軸側に配置されたものである。このようにすれば、前記クラッチの解放状態において前記オイルポンプを駆動する際の動力伝達系の引き摺りを好適に抑制できるという利点がある。
また、好適には、前記回転軸は、エンジン横置き型の装置における第3軸として構成されるものである。このようにすれば、装置の横方向の寸法を可及的に短縮することができるという利点がある。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両用動力伝達装置8の構成を説明する骨子図である。この動力伝達装置8は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられる縦置き型の駆動機構であり、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース12(以下、単にケース12という)内において共通の軸心上に配設された入力回転部材としての入力軸14と、その入力軸14に直接に或いは図示しない脈動吸収ダンパ(振動減衰装置)等を介して間接に連結された切換型変速部16と、その切換型変速部16と出力軸22との間で伝達部材(伝動軸)18を介して直列に連結された有段式自動変速機としての自動変速部20と、その自動変速部20に連結されている出力回転部材としての出力軸22とを、直列に備えて構成されている。この動力伝達装置8は、走行用の駆動力源であるエンジン10と左右一対の駆動輪38との間に設けられて、そのエンジン10から出力される動力を駆動装置の他の一部を構成する差動歯車装置(終減速機)36及び左右一対の車軸等を順次介して左右一対の駆動輪38へ伝達する。なお、上記動力伝達装置8は、その軸心に対して略対称的に構成されているため、図1においてはその下側が省略されている。以下の各実施例についても同様である。
前記エンジン10は、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関であり、本実施例の動力伝達装置8における主動力源として機能する。また、上記動力伝達装置8には、第1遊星歯車装置24の第1サンギヤS1に連結されてその第1サンギヤS1と一体的に回転させられる第1電動機M1と、上記伝達部材18に連結されてその伝達部材18と一体的に回転させられる第2電動機M2を備えている。なお、この第2電動機M2は、前記伝達部材18から出力軸22までの間の何れの部分に設けられてもよい。また、本実施例の第1電動機M1及び第2電動機M2は、原動機(駆動力源)としての機能及び発電機としての機能を併せ持つ所謂モータジェネレータであるが、上記第1電動機M1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電機)としての機能を少なくとも備え、上記第2電動機M2は駆動力を出力するためのモータ(原動機)としての機能を少なくとも備えたものである。
また、前記切換型変速部16は、上記第1電動機M1の出力と、前記入力軸14に入力されたエンジン10の出力とを機械的に合成し或いは分配する機械的機構であって、前記エンジン10に連結された第1回転要素RE1と、上記第1電動機M1に連結された第2回転要素RE2とを備えた差動部32において、その第1電動機M1の運転状態が制御されることにより入力回転速度と出力回転速度との差動状態が制御される動力分配装置34を備えている。すなわち、この動力分配装置34は、前記エンジン10と駆動輪38との間の動力伝達経路に設けられて電気的な制御により入力回転速度と出力回転速度との差動状態を変更する電気式差動装置として機能する。
上記動力分配装置34は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24と、切換クラッチC0と、切換ブレーキB0とを、主体的に備えて構成されている。上記第1遊星歯車装置24は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転及び公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(要素)として備えており、第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR1である。
前記動力分配装置34において、第1回転要素RE1としての第1キャリヤCA1は、前記入力軸14すなわちエンジン10の出力軸に連結されている。また、第2回転要素RE2としての第1サンギヤS1は、上記第1電動機M1の回転子(ロータ)に連結されている。また、この第1電動機M1の固定子(ステータ)は、上記ケース12に固定されている。また、第3回転要素RE3としての第1リングギヤR1は、上記伝達部材18に連結されている。また、上記切換ブレーキB0は、上記ケース12と第1サンギヤS1との間に設けられており、そのケース12と第2回転要素RE2である第1サンギヤS1とを選択的に連結する。また、上記切換クラッチC0は、上記第1キャリヤCA1と第1サンギヤS1との間に設けられており、第1回転要素RE1である第1キャリヤCA1と第2回転要素RE2である第1サンギヤS1とを選択的に連結する。それら切換クラッチC0及び切換ブレーキB0が解放されると、上記第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、及び第1リングギヤR1がそれぞれ相互に相対回転可能な差動作用が働く差動状態とされることから、前記エンジン10の出力が第1電動機M1と伝達部材18とに分配されると共に、分配された前記エンジン10の出力の一部により前記第1電動機M1から発生させられた電気エネルギで蓄電されたり、前記第2電動機M2が回転駆動されたりするので、例えば所謂無段変速状態(電気的CVT状態)が成立させられ、前記エンジン10の所定回転に拘わらず前記伝達部材18の回転が連続的に変化させられる。すなわち、前記切換型変速部16が、その変速比γ0(入力軸14の回転速度/伝達部材18の回転速度)が最小値γ0minから最大値γ0maxまで連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する無段変速状態とされる。
前記切換型変速部16が無段変速状態である場合に、前記エンジン10の出力による車両走行中に前記切換クラッチC0が係合させられて第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1とが一体的に係合させられると、上記第1遊星歯車装置24の3要素S1、CA1、R1が一体回転させられる非差動状態とされることから、前記エンジン10の回転と前記伝達部材18の回転速度とが一致する状態となるので、前記切換型変速部16は変速比γ0が「1」に固定された変速機として機能する定変速状態とされる。また、前記切換クラッチC0に替えて切換ブレーキB0が係合させられて第1サンギヤS1が非回転状態とされる非差動状態とされると、第1リングギヤR1は第1キャリヤCA1よりも増速回転されるので、前記切換型変速部16は変速比γ0が「1」より小さい値例えば0.7程度に固定された増速変速機として機能する定変速状態とされる。
前記自動変速部20は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置26、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置28、及びシングルピニオン型の第4遊星歯車装置30を備えて構成されている。上記第2遊星歯車装置26は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転及び公転可能に支持する第2キャリヤCA2、及び第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、例えば「0.562」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。上記第3遊星歯車装置28は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転及び公転可能に支持する第3キャリヤCA3、及び第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、例えば「0.425」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。上記第4遊星歯車装置30は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転及び公転可能に支持する第4キャリヤCA4、及び第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、例えば「0.421」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3、第4サンギヤS4の歯数をZS4、第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3、上記ギヤ比ρ4はZS4/ZR4である。
前記自動変速部20では、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して前記伝達部材18に選択的に連結されると共に第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結されるようになっている。また、第2キャリヤCA2は第2ブレーキB2を介して前記ケース12に選択的に連結されるようになっている。また、第4リングギヤR4は第3ブレーキB3を介して前記ケース12に選択的に連結されるようになっている。また、第2リングギヤR2と第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4とが一体的に連結されて前記出力軸22に連結されている。また、第3リングギヤR3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して前記伝達部材18に選択的に連結されるようになっている。
前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3は、好適には、従来よく知られた油圧式摩擦係合装置であって、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本又は2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキ等により構成され、それが介装されている両側の部材を選択的に連結するための装置である。
以上のように構成された動力伝達装置8では、例えば、図2の係合作動表に示されるように、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第5速ギヤ段(第5変速段)の何れか或いは後進ギヤ段(後進変速段)或いはニュートラルが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT)が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れかが係合作動させられることによって、前記切換型変速部16は前述したように無段変速機として作動する無段変速状態に加え、変速比が一定の変速機として作動する定変速状態を構成することが可能とされている。従って、前記動力伝達装置8では、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで定変速状態とされた前記切換型変速部16及び前記自動変速部20により有段変速機として作動する有段変速状態が構成される一方、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態とされた前記切換型変速部16及び自動変速部20により電気的な無段変速機として作動する無段変速状態が構成される。換言すれば、前記動力伝達装置8は、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで有段変速状態に切り換えられる一方、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態に切り換えられる。
前記動力伝達装置8が有段変速機として機能する場合には、図2に示すように、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、及び第3ブレーキB3の係合により、変速比γ1が最大値例えば「3.357」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、及び第2ブレーキB2の係合により、変速比γ2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「2.180」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、及び第1ブレーキB1の係合により、変速比γ3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.424」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、及び第2クラッチC2の係合により、変速比γ4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及び切換ブレーキB0の係合により、変速比γ5が第4速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.705」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、前記第2クラッチC2及び第3ブレーキB3の係合により、変速比γRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値例えば「3.209」程度である後進ギヤ段が成立させられる。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、例えば前記切換クラッチC0のみが係合される。
一方、前記動力伝達装置8が無段変速機として機能する場合には、図2に示される係合表の切換クラッチC0及び切換ブレーキB0が共に解放される。これにより、前記切換型変速部16が無段変速機として機能し、それに直列に接続された前記自動変速部20が有段変速機として機能することにより、その自動変速部20の第1速、第2速、第3速、第4速の各ギヤ段に対してその自動変速部20に入力される回転速度すなわち前記伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。従って、各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって前記動力伝達装置8全体としてのトータル変速比(総合変速比)γTが無段階に得られるようになる。
また、前記動力伝達装置8内には、装置内部における摩擦力や摩耗を少なくするため、或いは各部の摩擦によって生じる熱を除去し、摩擦面の温度を低下させて焼き付きを防ぐなどの目的で、例えば石油系の潤滑油が溜め入れられている。この潤滑油は、以下に詳述するオイルポンプ駆動制御装置50を介して駆動されるオイルポンプ52により圧送されてその動力伝達装置8の内部を移動(流動)させられ、上述のように潤滑油として機能させられる。そして、所定の油路を通って上記動力伝達装置8の底部に設けられたオイルパンに還流させられ、再び上記オイルポンプ52により圧送されるというように、前記動力伝達装置8内を循環させられる。
図3は、前記動力伝達装置8に備えられたオイルポンプ駆動制御装置50の構成の一例を説明する骨子図である。この図3に示すように、前記動力伝達装置8において、動力伝達軸としての前記入力軸14には、その入力軸14と一体的に回転させられるエンジン側ギヤ54が設けられている。また、駆動力を出力するためのモータ(原動機)としての機能を少なくとも備えた補助電動機Msが上記オイルポンプ52を駆動可能に設けられている。このオイルポンプ52は、例えば、前記ケース12と一体的に構成されたカバー部材の間に設けられた回転部材を回転軸56により回転駆動することにより油圧を発生させる内接インボリュートギア式或いはトロコイド式の機械式オイルポンプであり、好適には、図3に示すようにその回転軸56が上記補助電動機Msの出力軸と直結されている。また、上記回転軸56の軸心まわりにオイルポンプ側ギヤ58が設けられ、上記エンジン側ギヤ54と噛み合わされている。そして、そのオイルポンプ側ギヤ58と上記回転軸56との間には動力断続装置としてのクラッチ60が設けられており、そのクラッチ60(及びエンジン側ギヤ54乃至オイルポンプ側ギヤ58)を介して前記入力軸14と回転軸56との間の動力伝達が行われるように構成されている。すなわち、上記オイルポンプ52は、上記クラッチ60を介して前記入力軸14と連結されるようになっている。
上記クラッチ60は、係合状態において前記入力軸14と回転軸56との間の動力伝達を可能とする一方、解放状態においてその入力軸14と回転軸56との間の動力伝達を不能(遮断)とする動力断続装置であり、例えば、前記クラッチC0〜C3等と同様に、油圧により選択的に係合乃至解放が切り換えられる油圧式摩擦係合装置や、電磁制御によりその係合乃至解放が切り換えられる電磁クラッチ或いは磁粉クラッチ等である。このクラッチ60は、好適には、通常状態すなわち非制御時において係合させられるものであり、後述する油圧制御回路42を介して所定の解放油圧が供給された場合、或いは電子制御装置40から所定の解放指令が供給された場合に解放状態とされる一方、それら解放油圧乃至解放指令が供給されない場合には係合状態とされるように構成されている。また、斯かる制御によって、所定の割合で動力を伝達するスリップ状態(半係合状態)を実現可能に構成されたものであってもよい。
また、前記オイルポンプ駆動制御装置50において、前記エンジン側ギヤ54及びオイルポンプ側ギヤ58は、前記クラッチ60が係合された場合に、前記回転軸56の回転速度が前記入力軸14の回転速度に対して増速されるように構成されている。すなわち、前記クラッチ60が係合された場合、前記オイルポンプ52及び補助電動機Msの回転速度が、前記エンジン10の回転速度に対して増速されるようにそれぞれの歯数が定められている。換言すれば、前記補助電動機Msにより出力されるトルクが増幅されて前記入力軸14に伝達されるように構成されている。
図4及び図5は、図3に示すオイルポンプ駆動制御装置50の代替として前記動力伝達装置8にそれぞれ好適に備えられるオイルポンプ駆動制御装置62、68の構成を説明するための骨子図である。以下、これら図4及び図5に関して、上述した図3に示す構成と共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すオイルポンプ駆動制御装置62においては、前記回転軸56の軸心まわりにオイルポンプ側第2ギヤ64が設けられ、前記オイルポンプ側ギヤ58と同様に前記エンジン側ギヤ54と噛み合わされている。また、上記オイルポンプ側第2ギヤ64と前記回転軸56との間に一方向クラッチ66が設けられている。この一方向クラッチ66は、前記クラッチ60の係合又は解放に関係なく、前記エンジン10の駆動により上記オイルポンプ側第2ギヤ64(一方向クラッチのアウターレース)の回転速度が前記回転軸56(一方向クラッチのインナーレース)の回転速度より高くなった場合に自動的に前記オイルポンプ側第2ギヤ64と回転軸56との相対回転を阻止するように構成されたものである。斯かる構成により、前記エンジン10の駆動中はそのエンジン10の駆動力が前記入力軸14から回転軸56へ伝達されて、そのエンジン10の駆動力により前記オイルポンプ52が駆動される。
図5に示すオイルポンプ駆動制御装置68においては、前記補助電動機Msの出力軸と前記回転軸56との間に一方向クラッチ70が設けられている。この一方向クラッチ70は、前記補助電動機Msの回転速度が前記オイルポンプ52(乃至エンジン10)の回転速度よりも小さくなった場合に自動的に空転させられるように構成されたものである。斯かる構成により、前記エンジン10の駆動中すなわちエンジン走行中における前記補助電動機Msの引き摺りを好適に抑制することができる。
図6は、無段変速部或いは第1変速部として機能する前記切換型変速部16と有段変速部或いは第2変速部として機能する前記自動変速部20とから構成される前記動力伝達装置8において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。この図6の共線図は、横軸方向において各遊星歯車装置24、26、28、30のギヤ比ρの相対関係を示し、縦軸方向において相対的回転速度を示す二次元座標であり、3本の横軸のうちの下側の横線X1が回転速度零を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち前記入力軸14に連結された前記エンジン10の回転速度NEを示し、横軸XGが前記伝達部材18の回転速度を示している。また、前記切換型変速部16を構成する前記動力分配装置34の3つの要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素(第2要素)RE2に対応する第1サンギヤS1、第1回転要素(第1要素)RE1に対応する第1キャリヤCA1、第3回転要素(第3要素)RE3に対応する第1リングギヤR1の相対回転速度を示すものであり、それらの間隔は前記第1遊星歯車装置24のギヤ比ρ1に応じて定められている。すなわち、縦線Y1とY2との間隔を1に対応するとすると、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρ1に対応するものとされる。さらに、前記自動変速部20の5本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7、Y8は、左から順に、第4回転要素(第4要素)RE4に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2及び第3サンギヤS3を、第5回転要素(第5要素)RE5に対応する第2キャリヤCA2を、第6回転要素(第6要素)RE6に対応する第4リングギヤR4を、第7回転要素(第7要素)RE7に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2、第3キャリヤCA3、第4キャリヤCA4を、第8回転要素(第8要素)RE8に対応し且つ相互に連結された第3リングギヤR3、第4サンギヤS4をそれぞれ表し、それらの間隔は第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30のギヤ比ρ2、ρ3、ρ4に応じてそれぞれ定められている。すなわち、図6に示すように、各第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30毎にそのサンギヤとキャリヤとの間が1に対応するものとされ、キャリヤとリングギヤとの間がρに対応するものとされる。
図6の共線図を用いて表現すれば、前記動力伝達装置8は、前記動力分配装置(無段変速部)34において、前記第1遊星歯車装置24の3回転要素(要素)の1つである第1キャリヤCA1が前記入力軸14に連結されると共に前記切換クラッチC0を介して他の回転要素の1つである第1サンギヤS1と選択的に連結される。また、その他の回転要素の1つである第1サンギヤS1が前記第1電動機M1に連結されると共に前記切換ブレーキB0を介して前記ケース12に選択的に連結される。また、残りの回転要素である第1リングギヤR1が前記伝達部材18及び第2電動機M2に連結されて、前記入力軸14の回転を前記伝達部材18を介して前記自動変速部(有段変速部)20へ伝達する(入力させる)ように構成されている。このとき、Y2とX2の交点を通る斜めの直線L0により第1サンギヤS1の回転速度と第1リングギヤR1の回転速度との関係が示される。例えば、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の解放により無段変速状態に切換えられたときは、前記第1電動機M1の発電による反力を制御することによって直線L0と縦線Y1との交点で示される第1サンギヤS1の回転が上昇或いは下降させられ、直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR1の回転速度が下降或いは上昇させられる。また、前記切換クラッチC0の係合により第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1とが連結されると、上記3回転要素が一体回転するロック状態とされるので、直線L0は横線X2と一致させられ、エンジン回転速度NEと同じ回転で前記伝達部材18が回転させられる。また、前記切換ブレーキB0の係合によって第1サンギヤS1の回転が停止させられると、直線L0は図6に示す状態となり、その直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR1すなわち前記伝達部材18の回転速度は、エンジン回転速度NEよりも増速された回転で前記自動変速部20へ入力される。
前記自動変速部20では、図6に示すように、前記第1クラッチC1と第3ブレーキB3とが係合させられることにより、第8回転要素RE8の回転速度を示す縦線Y8と横線X2との交点と第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、前記出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第1速の前記出力軸22の回転速度が示される。同様に、前記第1クラッチC1と第2ブレーキB2とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と前記出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第2速の前記出力軸22の回転速度が示される。また、前記第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L3と前記出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第3速の出力軸22の回転速度が示される。また、前記第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L4と前記出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第4速の前記出力軸22の回転速度が示される。上記第1速乃至第4速では、前記切換クラッチC0が係合させられている結果、エンジン回転速度NEと同じ回転速度で第8回転要素RE8に前記切換型変速部16すなわち動力分配装置34からの動力が入力される。しかし、前記切換クラッチC0に替えて前記切換ブレーキB0が係合させられると、前記切換型変速部16からの動力がエンジン回転速度NEよりも高い回転速度で入力されることから、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及び切換ブレーキB0が係合させられることにより決まる水平な直線L5と前記出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第5速の前記出力軸22の回転速度が示される。
図7は、前記動力伝達装置8を制御するために備えられた電子制御装置40に入力される信号及びその電子制御装置40から出力される信号を例示している。この電子制御装置40は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェース等から成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより前記エンジン10の駆動制御や、そのエンジン10、第1電動機M1、及び第2電動機M2に関するハイブリッド駆動制御、或いは前記自動変速部20の変速制御等の基本的な制御を実行すると共に、後述するオイルポンプ駆動制御を実行する。また、この電子制御装置40には、RAM等の記憶部48(図8を参照)が備えられており、図9に示す変速線図等をはじめとする前記動力伝達装置8を制御するための各種関係がその記憶部48に記憶されている。
図7に示すように、上記電子制御装置40には、各センサやスイッチから、エンジン水温を示す信号、シフトポジションを表す信号、前記エンジン10の回転速度であるエンジン回転速度NEを表す信号、ギヤ比列設定値を示す信号、M(モータ走行)モードを指令する信号、エアコンの作動を示すエアコン信号、前記出力軸22の回転速度に対応する車速信号、前記自動変速部20の作動油温を示す油温信号、サイドブレーキ操作を示す信号、フットブレーキ操作を示す信号、触媒温度を示す触媒温度信号、アクセルペダルの操作量を示すアクセル開度信号、カム角信号、スノーモード設定を示すスノーモード設定信号、車両の前後加速度を示す加速度信号、オートクルーズ走行を示すオートクルーズ信号、車両の重量を示す車重信号、各駆動輪の車輪速を示す車輪速信号、前記動力伝達装置8を有段変速機として機能させるために前記切換型変速部16を定変速状態に切り換えるための有段スイッチ操作の有無を示す信号、前記動力伝達装置8を無段変速機として機能させるために前記切換型変速部16を無段変速状態に切り換えるための無段スイッチ操作の有無を示す信号、前記第1電動機M1の回転速度NM1を表す信号、前記第2電動機M2の回転速度NM2を表す信号等が、それぞれ供給される。
また、前記電子制御装置40からは、スロットル弁の開度を操作するスロットルアクチュエータへの駆動信号、過給圧を調整するための過給圧調整信号、電動エアコンを作動させるための電動エアコン駆動信号、前記エンジン10の点火時期を指令する点火信号、前記第1電動機M1及び第2電動機M2の作動を指令する指令信号、シフトインジケータを作動させるためのシフトポジション(操作位置)表示信号、ギヤ比を表示させるためのギヤ比表示信号、スノーモードであることを表示させるためのスノーモード表示信号、制動時の車輪のスリップを防止するABSアクチュエータを作動させるためのABS作動信号、Mモードが選択されていることを表示させるMモード表示信号、前記動力分配装置34や自動変速部20の油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを制御するために油圧制御回路42(図8を参照)に含まれる電磁弁を作動させるバルブ指令信号、その油圧制御回路42の油圧源である前記オイルポンプ52を作動させるための駆動指令信号すなわち前記補助電動機Msの作動を指令する指令信号乃至前記クラッチ60の係合状態を制御するための指令信号、電動ヒータを駆動するための信号、クルーズコントロール制御用コンピュータへの信号等が、それぞれ対応する機器へ出力される。
図8は、前記電子制御装置40に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図8に示す切換制御手段78は、車両状態に基づいて前記動力伝達装置10を無段変速状態及び有段変速状態の何れかの状態に選択的に切り換える。また、ハイブリッド制御手段80は、前記動力伝達装置8の無段変速状態すなわち前記切換型変速部16の無段変速状態において前記エンジン10を効率のよい作動域で作動させる一方、そのエンジン10と第1電動機M1及び/又は第2電動機M2との駆動力の配分を最適になるように変化させて前記切換型変速部16の電気的な無段変速機としての変速比γ0を制御する。また、有段変速制御手段72は、例えば前記記憶部48に予め記憶された図9に示すような変速線図から車速V及び出力トルクToutで示される車両状態に基づいて前記自動変速部20の変速すべき変速段を判断してその自動変速部20の自動変速制御を実行する。
上記切換制御手段78は、車両状態に基づいて前記動力伝達装置8が有段変速状態に切り換える有段変速制御領域であると判定される場合には、上記ハイブリッド制御手段80に対してハイブリッド制御或いは無段変速制御を不許可すなわち禁止とする信号を出力すると共に、上記有段変速制御手段82に対しては、予め設定された有段変速時の変速制御を許可する。この際、上記有段変速制御手段82は、前記記憶部48に予め記憶された例えば図9に示すような変速線図に従って前記自動変速部20の自動変速制御を実行する。図2は、このときの変速制御において選択される油圧式摩擦係合装置すなわちC0、C1、C2、B0、B1、B2、B3の作動の組み合わせを示している。
また、前記切換制御手段78は、車両状態に基づいて前記動力伝達装置8が有段変速状態に切り換える有段変速制御領域であると判定される場合であっても、前記有段変速制御手段82により第5速ギヤ段が判定される場合には、前記動力伝達装置8全体として変速比が1.0より小さな増速側ギヤ段所謂オーバードライブギヤ段を成立させるために、前記切換型変速部16が固定の変速比γ0例えば変速比γ0が0.7の副変速機として機能させられるように前記切換クラッチC0を解放させ且つ切換ブレーキB0を係合させる指令を前記油圧制御回路42へ出力する。また、前記有段変速制御手段82により第5速ギヤ段ではないと判定される場合には、前記動力伝達装置8全体として変速比が1.0以上の減速側ギヤ段を成立させるために前記切換型変速部16が固定の変速比γ0例えば変速比γ0が1の副変速機として機能させられるように前記切換クラッチC0を係合させ且つ切換ブレーキB0を解放させる指令を前記油圧制御回路42へ出力する。このように、前記切換制御手段78によって前記動力伝達装置8が有段変速状態に切り換えられると共に、その有段変速状態における2種類の変速段の何れかとなるように選択的に切り換えられて、前記切換型変速部16が副変速機として機能させられ、それに直列に設けられた前記自動変速部20が有段変速機として機能することにより、前記動力伝達装置8全体が所謂有段式自動変速機として機能させられる。
また、前記切換制御手段78は、車両状態に基づいて前記動力伝達装置8を無段変速状態に切り換える無段変速制御領域であると判定される場合には、その動力伝達装置8全体として無段変速状態を成立させるために前記切換型変速部16を無段変速状態として無段変速可能とするように前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0を解放させる指令を前記油圧制御回路42へ出力する。同時に、前記ハイブリッド制御手段80に対してハイブリッド制御を許可する信号を出力すると共に、前記有段変速制御手段82には、予め設定された無段変速時の変速段に固定する信号を出力するか、或いは前記記憶部48に予め記憶された例えば図9に示すような変速線図に従って前記自動変速部20を自動変速することを許可する信号を出力する。この場合、前記有段変速制御手段82により、図2の係合表内において前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の係合を除いた作動により自動変速が行われる。このように、前記切換制御手段78により無段変速状態に切り換えられた前記切換型変速部16が無段変速機として機能し、それに直列に設けられた前記自動変速部20が有段変速機として機能することにより、適切な大きさの駆動力が得られると同時に、前記自動変速部20の第1速、第2速、第3速、第4速の各ギヤ段に対しその自動変速部20に入力される回転速度すなわち前記伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。従って、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって前記動力伝達装置10全体として無段変速状態となりトータル変速比γTが無段階に得られるようになる。
前記ハイブリッド制御手段80は、前記エンジン10を効率のよい作動域で作動させる一方で、そのエンジン10と第1電動機M1及び/又は第2電動機M2との駆動力の配分を最適になるように変化させる。例えば、そのときの走行車速において、アクセルペダル操作量や車速から運転者の要求出力を算出し、運転者の要求出力と充電要求値から必要な駆動力を算出し、前記エンジン10の回転速度とトータル出力とを算出し、そのトータル出力とエンジン回転速度NEとに基づいて、所定の出力を得るように前記エンジン10を制御すると共に前記第1電動機M1の発電量を制御する。
また、前記ハイブリッド制御手段80は、その制御を前記自動変速部20の変速段を考慮して実行したり、或いは燃費向上等のために前記自動変速部20に対する変速指令を行う。斯かるハイブリッド制御では、前記エンジン10を効率のよい作動域で作動させるために定まるエンジン回転速度NEと車速V及び前記自動変速部20の変速段で定まる前記伝達部材18の回転速度とを整合させるために、前記切換型変速部16が電気的な無段変速機として機能させられる。すなわち、前記ハイブリッド制御手段80は、無段変速走行の時に運転性と燃費性とを両立した予め記憶された最適燃費率曲線に沿って前記エンジン10が作動させられるように前記動力伝達装置8のトータル変速比γTの目標値を定め、その目標値が得られるように前記切換型変速部16の変速比γ0を制御し、トータル変速比γTをその変速可能な変化範囲内例えば13〜0.5の範囲内で制御する。
上記のように、前記ハイブリッド制御手段80は、前記第1電動機M1により発電された電気エネルギを前記インバータ44を通して前記蓄電装置46や第2電動機M2へ供給するので、前記エンジン10の動力の主要部は機械的に前記伝達部材18へ伝達される他、そのエンジン10の動力の一部は前記第1電動機M1の発電のために消費されてそこで電気エネルギに変換され、前記インバータ44を通して電気エネルギの形で第2電動機M2或いは第1電動機M1へ供給され、その第2電動機M2或いは第1電動機M1から伝達部材18へ伝達される。この電気エネルギの発生から第2電動機M2で消費されるまでに関連する機器により、前記エンジン10の動力の一部を電気エネルギに変換し、その電気エネルギを機械的エネルギに変換するまでの電気パスが構成される。また、前記ハイブリッド制御手段80は、前記エンジン10の停止又はアイドル状態に拘わらず、前記切換型変速部16の電気的CVT機能によって車両をモータ走行させることができる。更に、前記ハイブリッド制御手段80は、前記エンジン10の停止状態において前記切換型変速部16が有段変速状態(定変速状態)であっても前記第1電動機M1及び/又は第2電動機M2を作動させて車両をモータ走行させることもできる。
図9は、前記自動変速部20の変速判断を行うために前記記憶部48に予め記憶された変速線図(関係)であり、車速Vと駆動力関連値である出力トルクToutとをパラメータとする二次元座標で構成された変速線図(変速マップ)の一例である。この図9の実線はアップシフト線であり、一点鎖線はダウンシフト線である。また、破線は前記切換制御手段78による有段制御領域と無段制御領域との判定のための所定条件を定める判定車速V1及び判定出力トルクT1を示しており、高車速判定値である判定車速V1の連なりと高出力走行判定値である判定出力トルクT1の連なりである高車速判定線と高出力走行判定線を示している。更に、図9の破線に対して二点鎖線に示すように有段制御領域と無段制御領域との判定にヒステリシスが設けられている。この図9は判定車速V1及び判定出力トルクT1を含む、車速Vと出力トルクToutとをパラメータとして前記切換制御手段78により有段制御領域と無段制御領域との何れであるかを領域判定するための予め記憶された切換線図(切換マップ、関係)でもある。
図9の関係に示されるように、出力トルクToutが予め設定された判定出力トルクT1以上の高トルク領域、或いは車速Vが予め設定された判定車速V1以上の高車速領域が、有段制御領域として設定されているので、有段変速走行が前記エンジン10の比較的高トルクとなる高駆動トルク時、或いは車速の比較的高車速時において実行される一方、無段変速走行が前記エンジン10の比較的低トルクとなる低駆動トルク時、或いは車速の比較的低車速時すなわち前記エンジン10の常用出力域において実行されるようになっている。このようにして、例えば、車両の低中速走行及び低中出力走行では、前記動力伝達装置8が無段変速状態とされて車両の燃費性能が確保される一方、実際の車速Vが前記判定車速V1を越えるような高速走行では前記動力伝達装置8が有段の変速機として作動する有段変速状態とされ専ら機械的な動力伝達経路で前記エンジン10の出力が前記駆動輪38へ伝達され、これにより電気的な無段変速機として作動させる場合に発生する動力と電気エネルギとの間の変換損失が抑制されて燃費が向上させられる。また、出力トルクTout等の駆動力関連値が判定トルクT1を越えるような高出力走行では前記動力伝達装置8が有段の変速機として作動する有段変速状態とされ、専ら機械的な動力伝達経路で前記エンジン10の出力が前記駆動輪38へ伝達されて電気的な無段変速機として作動させる領域が車両の低中速走行及び低中出力走行となって、前記第1電動機M1が発生すべき電気的エネルギ(第1電動機M1が伝える電気的エネルギの最大値)を小さくでき、これにより前記第1電動機M1或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。また、この高出力走行においては燃費に対する要求より運転者の駆動力に対する要求が重視されるので、無段変速状態より有段変速状態(定変速状態)に切り換えられるのである。
また、図9に示すように、前記記憶部48には、走行用の駆動力源を前記エンジン10と第2電動機M2とで切り換えるための関係が記憶されている。前記ハイブリッド制御手段80は、このように車速Vと前記自動変速部20の出力トルクTOUTとを変数として予め記憶された、走行用の駆動力源を前記エンジン10と第2電動機M2とで切り換えるためのエンジン走行領域とモータ走行領域との境界線を有する関係(駆動力源切換線図、駆動力源マップ)から、実際の車速V及び前記自動変速部20の要求出力トルクTOUTで示される車両状態に基づいて、モータ走行領域とエンジン走行領域との何れであるかを判断してモータ走行或いはエンジン走行を実行する。図9の実線Aに示す駆動力源マップは、例えばその図9における実線及び一点鎖線に示す変速マップと共に予め記憶されたものである。この図9から明らかなように、前記ハイブリッド制御手段80によるモータ走行制御は、一般的にエンジン効率が高トルク域に比較して悪いとされる比較的低出力トルクTOUT域すなわち低エンジントルクTE域、或いは車速Vの比較的低車速域すなわち低負荷域で実行される。
斯かるモータ走行制御に際して、前記ハイブリッド制御手段80は、停止している前記エンジン10の引き摺りを抑制して燃費を向上させるために、前記第1電動機M1の回転速度NM1を負の回転速度で制御して例えばその第1電動機M1を無負荷状態とすることにより空転させ、前記動力分配装置34の電気的CVT機能(差動作用)により必要に応じてエンジン回転速度NEを零乃至略零に維持する。また、エンジン走行領域であっても、前述した電気パスによる前記第1電動機M1からの電気エネルギ及び/又は前記蓄電装置46からの電気エネルギを前記第2電動機M2へ供給し、その第2電動機M2を駆動して前記駆動輪38にトルクを付与することにより、前記エンジン10の動力を補助するための所謂トルクアシストが可能である。また、前記第1電動機M1を無負荷状態として自由回転すなわち空転させることにより、前記動力分配装置34がトルクの伝達を不能な状態すなわちその差動部32内の動力伝達経路が遮断された状態と同等の状態であって、且つその差動部32からの出力が発生されない状態とすることが可能である。すなわち、前記ハイブリッド制御手段80は、前記第1電動機M1を無負荷状態とすることにより前記動力分配装置34をその動力伝達経路が電気的に遮断される中立状態(ニュートラル状態)とすることが可能である。
このように、図9に示すような駆動力源マップにおいては、モータ走行領域は一般的にエンジン効率が高トルク域に比較して悪いとされる比較的低トルク出力トルクTOUT域、或いは車速Vの比較的低車速域すなわち低負荷域で実行されるように定められている。また、図9には示されていないが、「R」ポジション、すなわち車両を後退させる場合においても、比較的低車速で走行するものであるから、前記エンジン10を用いず前記第2電動機M2によって走行するようにされている。従って、例えば所定の低車速時や車両停止時等にシフトレバー74(図10を参照)が「N」ポジションから「D」ポジション或いは「R」ポジションへ操作されるガレージシフト(N→Dシフト、N→Rシフト或いはP→Rシフト)が行なわれる際には、前記ハイブリッド制御手段80は、好適には、前記エンジン10ではなくモータ(第2電動機M2)による動力によって車両を走行させる制御を行う。
図10は、前記動力伝達装置8において、複数種類のシフトポジションを選択するために操作されるシフトレバー74を備えた手動変速操作装置であるシフト操作装置72の構成を例示する図である。このシフト操作装置72は、例えば運転席の横に配設されており、上記シフトレバー74は、例えば図2の係合作動表に示されるように、前記自動変速部20内の動力伝達経路が遮断されたニュートラル状態すなわち中立状態とし且つその自動変速部20の出力軸22をロックするための駐車ポジション「P(パーキング)」、後進走行のための後進走行ポジション「R(リバース)」、前記動力伝達装置8内の動力伝達経路が遮断された中立状態とする中立ポジション「N(ニュートラル)」、前進自動変速走行ポジション「D(ドライブ)」、又は前進手動変速走行ポジション「M(マニュアル)」へ手動操作されるように設けられている。上記「P」乃至「M」ポジションに示す各シフトポジションは、「P」ポジション及び「N」ポジションは車両を走行させないときに選択される非走行ポジションすなわち車両を駆動不能な非駆動ポジションであり、「R」ポジション、「D」ポジション及び「M」ポジションの各走行ポジションは例えば図2の係合作動表に示されるように前記クラッチC1及びクラッチC2の少なくとも一方が係合されるような車両を駆動可能な駆動ポジションでもある。また、「D」ポジションは最高速走行ポジションでもあり、「M」ポジションにおける例えば「4」レンジ乃至「L」レンジはエンジンブレーキ効果が得られるエンジンブレーキレンジでもある。
上記「M」ポジションは、例えば車両の前後方向において上記「D」ポジションと同じ位置において車両の幅方向に隣接して設けられており、上記シフトレバー74が「M」ポジションへ操作されることにより、「D」レンジ乃至「L」レンジの何れかがそのシフトレバー74の操作に応じて選択される。具体的には、この「M」ポジションには、車両の前後方向にアップシフト位置「+」、及びダウンシフト位置「−」が設けられており、上記シフトレバー74がそれ等のアップシフト位置「+」又はダウンシフト位置「−」へ操作されると、「D」レンジ乃至「L」レンジの何れかが選択される。例えば、「M」ポジションにおいて選択される「D」レンジ乃至「L」レンジの5つの変速レンジは、前記動力伝達装置8の自動変速制御が可能なトータル変速比γTの変化範囲における高速側(変速比が最小側)のトータル変速比γTが異なる複数種類の変速レンジであり、また、前記自動変速部20の変速が可能な最高速側変速段が異なるように変速段(ギヤ段)の変速範囲を制限するものである。また、上記シフトレバー74はスプリング等の付勢手段により上記アップシフト位置「+」及びダウンシフト位置「−」から、「M」ポジションへ自動的に戻されるようになっている。
図8に戻って、オイルポンプ駆動制御手段84は、前記オイルポンプ駆動制御装置50、62、68等(以下、特に区別しない場合には単にオイルポンプ駆動制御装置50という)を介して前記オイルポンプ52の駆動を制御する。具体的には、前記インバータ44等を介して前記補助電動機Msの作動を制御すると共に、前記クラッチ60の係合・解放を制御する。すなわち、上記オイルポンプ駆動制御手段84は、換言すれば、前記補助電動機Msの作動及びクラッチ60の係合・解放を制御することで、その補助電動機Ms及びエンジン10の少なくとも一方が前記オイルポンプ52の駆動力源として機能するように、動力伝達経路を切り換える。従って、上記オイルポンプ駆動制御手段84は、換言すれば、前記オイルポンプ52の駆動力源を選択するオイルポンプ駆動力源選択手段である。
図11は、車両の走行状態に応じた前記エンジン10、第2電動機M2、クラッチ60、及び補助電動機Msの作動について説明する表であり、前記エンジン10、第2電動機M2、及び補助電動機Msに関する「○」はそれらの駆動を、前記クラッチ60に関する「○」はその係合を示している。この図11に示すように、前記オイルポンプ駆動制御手段84は、車両の走行状態に応じて前記オイルポンプ駆動制御装置50を介して前記オイルポンプ52の駆動力源を切り換える。すなわち、前記エンジン10を駆動力源とする走行時(エンジン走行時)すなわちそのエンジン10の作動時には、そのエンジン10により前記オイルポンプ52を駆動するように前記クラッチ60を係合させると共に、前記補助電動機Msの駆動は行わない(非作動とする)。一方、前記第2電動機M2を駆動力源とする走行時(モータ走行時)すなわち前記エンジン10の非作動時には、前記補助電動機Msにより前記オイルポンプ52を駆動するようにその補助電動機Msを作動させると共に、前記クラッチ60を解放して動力伝達軸としての前記入力軸14と回転軸56との間の動力伝達を遮断する。なお、前述のように、前記クラッチ60は通常状態において係合させられるものであるため、斯かる構成において、前記エンジン10を駆動力源とする走行時には前記クラッチ60に関する制御は特に行わなくともよい。
また、図11に示すように、本実施例の動力伝達装置8においては、前記補助電動機Msにより前記エンジン10の始動が行われる。すなわち、前記エンジン10の始動時には前記クラッチ60が係合されると共に前記補助電動機Msが駆動され、その補助電動機Msにより発生させられた駆動力により前記エンジン10のクランク軸が回転させられてその始動が行われる。換言すれば、本実施例の動力伝達装置8においては、前記オイルポンプ52を駆動するための前記補助電動機Msが前記エンジン10のスタータとして用いられる。前記第2電動機M2等によりエンジン10の始動を行う場合、前記駆動輪38上でのアウトプット抜けが発生するおそれがあるが、このように前記補助電動機Msにより前記エンジン10の始動を行うことで、斯かるアウトプット抜けの発生を好適に抑制することができる。なお、前記自動変速部20の変速中における前記エンジン10の始動のみを前記補助電動機Msにより行うものであってもよい。斯かる態様では、前記補助電動機Msの作動回数を低減できることに加え、前記エンジン10の始動制御が比較的複雑なときにのみそのエンジン10のクランク軸に前記クラッチ60を介して直結された前記補助電動機Msにより始動を行うことで、必要最小限の制御の簡略化を図ることができる。
ここで、前記ハイブリッド制御手段80は、前述したハイブリッド制御に関して、エンジン正転保証制御、M1高回転防止制御、エンジン停止時制振制御、及びエンジン回転数0ロック制御等の各種制御を実行する。このエンジン正転保証制御は、前記エンジン10の停止時等において、そのエンジン10が正転方向とは逆に回転(逆転)するのを防止する制御である。また、上記M1高回転防止制御は、例えば加速が行われた直後に前記自動変速部20がニュートラル状態になった場合等において前記第1電動機M1の回転速度が許容限界を超えて大きくなるのを防止する制御である。また、上記エンジン停止時制振制御は、前記エンジン10が回転している状態から停止させる場合に、その回転速度の減少に伴って振動が発生するのを抑制する制御である。また、エンジン回転数0ロック制御とは、前記エンジン10の回転速度を0に維持する(固定する)制御である。本実施例の動力伝達装置8においては、前記補助電動機Msが前記エンジン10のクランク軸に前記クラッチ60を介して直結されることから、上記各種制御にその補助電動機Msを用いることで好適な制御を実現できる。すなわち、上記エンジン正転保証制御に関して、前記補助電動機Msにより正転トルクを出力させることで、前記エンジン10の逆転を好適に防止できる。また、上記M1高回転防止制御に関して、前記補助電動機M1により前記エンジン10の回転速度を調整することにより、前記第1電動機M1の回転速度を好適に制御できる。また、上記エンジン停止時制振制御に関して、前記補助電動機Msにより前記エンジン10の回転速度を可及的速やかに低下させることができ、その低下に伴う振動の発生を好適に抑制できる。また、上記エンジン回転数0ロック制御に関して、前記補助電動機Msにより前記エンジン10の回転速度を制御することで、そのエンジン10の回転速度を好適に一定の値に維持することができる。
このように、本実施例によれば、前記クラッチ60を介して動力伝達軸としての入力軸14と連結されるオイルポンプ52と、そのオイルポンプ52を駆動可能に設けられた補助電動機Msとを、備え、前記エンジン10を駆動力源とする走行時には、前記クラッチ60を係合してそのエンジン10により前記オイルポンプ52を駆動し、前記第2電動機M2を駆動力源とする走行時には、前記クラッチ60を解放して前記オイルポンプ52及び補助電動機Msと前記入力軸14との間の動力伝達を遮断すると共にその補助電動機Msにより前記オイルポンプ52を駆動し、前記エンジン10の始動時には、前記クラッチ60を係合して前記補助電動機Msによりそのエンジン10の始動を行うものであることから、前記オイルポンプ52を駆動するための補助電動機Msにより前記エンジン10の始動を行うことにより、それらの構成を共通化して装置を小型化できる。すなわち、前記エンジン10の停止時においても十分な油圧を供給し得る、可及的に小型の車両用動力伝達装置8を提供することができる。
また、前記クラッチ60は、通常状態において係合させられるものであるため、必要な場合にのみそのクラッチ60を解放させることで制御を簡単なものにできると共に、解放側のフェール確率は低いためフェールセーフの観点からも利点がある。
また、前記クラッチ60が係合された場合、前記オイルポンプ52及び補助電動機Msの回転速度は、前記エンジン10の回転速度に対して増速されるように構成されたものであるため、そのエンジン10の低回転速度域ではオイルポンプ52の流量を稼ぐことができるのに加え、前記エンジン10の始動時には補助電動機Msの出力トルクが増幅されるという利点がある。
また、動力伝達軸としての前記入力軸14は、前記エンジン10と駆動輪38との間の動力伝達経路に設けられた電気式差動装置である動力分配装置34(切換型変速部16)の一部を成すものであるため、実用的な態様の車両用動力伝達装置8を可及的に小型化することができる。
また、前記エンジン10と駆動輪38との間の動力伝達経路に自動変速部20を備え、その自動変速部20の変速中における前記エンジン10の始動は前記補助電動機Msにより行われるものであるため、実用的な態様の車両用動力伝達装置8を可及的に小型化することができる。
また、前記エンジン10の正転保証制御に適用されるものであるため、停止時にそのエンジン10が逆転するのを防止するための制御において、前記補助電動機Msにより正転トルクを出力させることにより斯かる逆転を好適に抑制することができる。
また、前記入力軸14に連結された第1電動機M1を備え、その第1電動機M1の高回転防止制御に適用されるものであるため、前記第1電動機M1の回転速度を前記補助電動機Msにより調整することで、その第1電動機M1の回転速度が所定速度以上になるのを好適に抑制することができる。
また、前記エンジン10の停止時における制振制御に適用されるものであるため、前記エンジン10の停止時に前記補助電動機Msによりそのエンジン10の回転速度を可及的速やかに低下させることができる。
また、前記エンジン10の回転速度を0に固定する制御に適用されるものであるため、前記補助電動機Msにより前記エンジン10の回転速度を好適に一定値に固定することができる。
また、前記入力軸14と前記オイルポンプ52との間に一方向クラッチ66、70を備えたものであるため、前記クラッチ60の制御が簡素化されると共に、フェールセーフの観点からも利点がある。
また、前記オイルポンプ52及び補助電動機Msは、前記入力軸14とは別軸の回転軸56を備えたものであり、前記補助電動機Msにより出力されるトルクが増幅されて前記入力軸14に伝達されるように構成されたものであるため、可及的小型の補助電動機Msにより前記エンジン10の始動に必要なトルクを確保することができるという利点がある。
また、前記クラッチ60は、前記回転軸56側に配置されたものであるため、前記クラッチ60の解放状態において前記オイルポンプ52を駆動する際の動力伝達系の引き摺りを好適に抑制できるという利点がある。
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図12は、本発明の他の好適な実施例である車両用動力伝達装置90の構成を説明する骨子図である。この動力伝達装置90は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に用いられる横置き型の駆動機構であり、電気式差動装置として機能する動力分配装置34、自動変速部92、及び差動歯車装置36が、互いに平行な第1軸心RC1、第2軸心RC2、及び第3軸心RC3上にそれぞれ配置されたものであり、前記動力分配装置34と自動変速部92との間に動力伝達部材としてのカウンタギヤ対94が設けられている。なお、この動力伝達装置90に備えられた動力分配装置34は、前記動力伝達装置8に備えられていた動力分配装置34とギヤ比が異なる他は同様の構成を有するものであるため、その説明を省略する。
上記カウンタギヤ対94は、第1軸心RC1上に前記動力分配装置34と同心に回転可能に配設されてリングギヤR1に連結されるカウンタドライブギヤ94aと、第2軸心RC2上に上記自動変速部92と同心に回転可能に配設されて中間出力部材96に連結されているカウンタドリブンギヤ94bとを、備え、それらカウンタドライブギヤ94a、94bが互いに噛み合わされることで、前記動力分配装置34から出力される動力が上記自動変速部92へ伝達されるように構成されている。
前記自動変速部92は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置98及びシングルピニオン型の第3遊星歯車装置100を備えて構成されている。この第2遊星歯車装置98は、サンギヤS2、遊星歯車P2、その遊星歯車P2を自転及び公転可能に支持するキャリヤCA2、遊星歯車P2を介してサンギヤS2と噛み合うリングギヤR2を備えている。また、上記第3遊星歯車装置100は、サンギヤS3、遊星歯車P3、その遊星歯車P3を自転及び公転可能に支持するキャリヤCA3、遊星歯車P3を介してサンギヤS3と噛み合うリングギヤR3を備えている。これら第2遊星歯車装置98及び第3遊星歯車装置100においては、キャリヤCA2がリングギヤR3と一体的に回転させられるように相互に連結されている。また、サンギヤS2とサンギヤS3とが一体的に回転させられるように相互に連結されている。また、キャリヤCA3が出力歯車(デフドライブギヤ)102と一体的に回転させられるように連結されており、その出力歯車102が前記差動歯車装置36の入力歯車(デフドリブンギヤ)104と噛み合わされている。
また、前記自動変速部92においては、相互に連結されたサンギヤS2及びS3が第1クラッチC1を介して前記中間出力部材96に選択的に連結されるようになっている。また、リングギヤR2が第2クラッチC2を介して前記中間出力部材96に選択的に連結されるようになっている。また、相互に連結されたキャリヤCA2及びリングギヤR3が第3クラッチC3を介して前記中間出力部材96に選択的に連結されるようになっている。また、リングギヤR2が第1ブレーキB1を介して前記ケース12に選択的に連結されるようになっている。また、相互に連結されたキャリヤCA2及びリングギヤR3が第2ブレーキB2を介して前記ケース12に選択的に連結されるようになっている。
以上のように構成された動力伝達装置90では、例えば図13の係合作動表に示されるように、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、及び第2ブレーキB2が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第7速ギヤ段(第7変速段)の何れか或いは後進ギヤ段(後進変速段)或いはニュートラルが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れかが係合作動させられることによって、前記動力分配装置34(切換型変速部16)は前述した無段変速機として作動する無段変速状態に加え、変速比が一定の変速機として作動する定変速状態を構成することが可能とされている。従って、本実施例の動力伝達装置90では、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで定変速状態とされた前記動力分配装置34及び自動変速部92から有段変速機として作動する有段変速状態が構成される一方、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態とされた動力分配装置34及び自動変速部92から電気的な無段変速機として作動する無段変速状態が構成される。換言すれば、本実施例の動力伝達装置90は、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで有段変速状態に切り換えられ、切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態に切り換えられる。また、前記動力分配装置34も有段変速状態と無段変速状態とに切り換え可能な変速機であると言える。
前記動力伝達装置90が有段変速機として機能する場合には、図13に示すように、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、及び第2ブレーキB2の係合により、変速比γ1が最大値例えば「3.500」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、及び第1ブレーキB1の係合により、変速比γ2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「2.062」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、前記第1クラッチC1、切換ブレーキB0、及び第1ブレーキB1の係合により、変速比γ3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.473」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、及び第3クラッチC3の係合により、変速比γ4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、及び切換ブレーキB0の係合により、変速比γ5が第4速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.714」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、前記切換クラッチC0、第3クラッチC3、及び第1ブレーキB1の係合により、変速比γ6が第5速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.575」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、前記第3クラッチC3、切換ブレーキB0、及び第1ブレーキB1の係合により、変速比γ7が第6速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.411」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。また、前記第2クラッチC2及び第2ブレーキB2の係合によりエンジン走行時における後進ギヤ段が、前記第1クラッチC1及び第2ブレーキB2の係合によりモータ走行時における後進ギヤ段がそれぞれ成立させられる。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、例えば第1クラッチC1のみが係合される。
一方、動力伝達装置90が無段変速機として機能する場合には、図13に示される係合表の切換クラッチC0及び切換ブレーキB0が共に解放される。これにより、前記動力分配装置34(切換型変速部16)が無段変速機として機能し、前記自動変速部92が有段変速機として機能することにより、その自動変速部92の4つのギヤ段に対してその自動変速部92に入力される回転速度すなわち中間出力部材96の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって動力伝達装置90全体としてのトータル変速比(総合変速比)γTが無段階に得られるようになる。
図14乃至図16は、本実施例の動力伝達装置90に備えられたオイルポンプ駆動制御装置50、62、68の構成を説明する骨子図である。これら図14乃至図16に示すように、本実施例の動力伝達装置90は、前述した動力伝達装置8と同様に、その動力伝達装置90内を循環させられる油圧を発生させるためのオイルポンプ52の作動を制御するための構成として、例えば、前述したオイルポンプ駆動制御装置50、62、68の何れかを備えている。なお、本実施例の動力伝達装置90においては、図12に示すように、前記第1遊星歯車装置24のキャリヤCA1に前記エンジン側ギヤ54が設けられている。すなわち、本実施例の構成において、前記オイルポンプ52、補助電動機Ms、及びクラッチ60を備えたオイルポンプ駆動制御装置50は、電気式差動装置として機能する前記動力分配装置34の外周側に備えられたものである。また、換言すれば、斯かるオイルポンプ駆動制御装置50は、前記動力分配装置34と並列に備えられたものである。また、そのオイルポンプ駆動制御装置50における回転軸56は、エンジン横置き型の動力伝達装置90における第3軸として構成されるものである。
図17は、無段変速部として機能する前記動力分配装置34と有段変速部として機能する自動変速部92とから構成される本実施例の動力伝達装置90において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。この図17の共線図は、各遊星歯車装置24、98、100のギヤ比ρの関係を示す横軸と、相対的回転速度を示す縦軸とから成る二次元座標であり、3本の横線のうちの下側の横線X1が回転速度零を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸14に連結されたエンジン10の回転速度NEを示し、横線XGが伝達部材18(中間出力部材96)の回転速度を示している。
また、前記動力分配装置34を構成する3つの要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素(第2要素)RE2に対応するサンギヤS1、第1回転要素(第1要素)RE1に対応するキャリヤCA1、第3回転要素(第3要素)RE3に対応するリングギヤR1の相対回転速度をそれぞれ示すものであり、それらの間隔は第1遊星歯車装置24のギヤ比ρ0に応じて定められている。また、前記自動変速部92を構成する各要素に対応する4本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7は、左から順に、第4回転要素(第4要素)RE4に対応するリングギヤR2、第5回転要素(第5要素)RE5に対応する相互に連結されたキャリヤCA2及びリングギヤR3、第6回転要素(第6要素)RE6に対応するキャリヤCA3、第7回転要素(第7要素)RE7に対応する相互に連結されたサンギヤS2及びサンギヤS3をそれぞれ表し、それらの間隔は前記第2遊星歯車装置98及び第3遊星歯車装置100のギヤ比ρ1、ρ2に応じてそれぞれ定められている。この共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリヤとリングギヤとの間が遊星歯車装置のギヤ比ρに対応する間隔とされる。すなわち、前記動力分配装置34では縦線Y1とY2との縦線間が「1」に対応する間隔に設定され、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρ0に対応する間隔に設定される。また、前記自動変速部92では前記第2遊星歯車装置98及び第3遊星歯車装置100毎にそのサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔に設定され、キャリヤとリングギヤとの間がρに対応する間隔に設定される。
図17の共線図を用いて表現すれば、本実施例の動力伝達装置90は、動力分配装置34(切換型変速部16)において、第1遊星歯車装置24の第1回転要素RE1(キャリヤCA1)が前記入力軸14すなわちエンジン10の出力軸に連結されると共に前記切換クラッチC0を介して第2回転要素(サンギヤS1)RE2と選択的に連結される。また、第2回転要素RE2が前記第1電動機M1に連結されると共に前記切換ブレーキB0を介して前記ケース12に選択的に連結される。また、第3回転要素(リングギヤR1)RE3がカウンタドライブギヤ94a及び第2電動機M2に連結されて、前記入力軸14の回転がそのカウンタギヤギヤ対94を介して前記自動変速部(有段変速部)92へ伝達される(入力させる)ように構成されている。このとき、Y2とX2の交点を通る斜めの直線L0により前記第1遊星歯車装置24におけるサンギヤS1の回転速度とリングギヤR1の回転速度との関係が示される。
例えば、前記切換クラッチC0及び切換ブレーキB0の解放により前記動力分配装置34が無段変速状態(差動状態)に切換えられたときは、前記第1電動機M1の回転速度を制御することにより直線L0と縦線Y1との交点で示されるサンギヤS1の回転が上昇或いは下降させられると、車速Vに拘束されるリングギヤR1の回転速度が略一定である場合には、直線L0と縦線Y2との交点で示されるキャリヤCA1の回転速度が上昇或いは下降させられる。また、前記切換クラッチC0の係合によりサンギヤS1とキャリヤCA1とが連結されると、前記動力分配装置34は上記3つの回転要素が一体回転する非差動状態とされるので、直線L0は横線X2と一致させられ、エンジン回転速度NEと同じ回転でカウンタドリブンギヤ94aが回転させられる。或いは、前記切換ブレーキB0の係合によってサンギヤS1の回転が停止させられると、前記動力分配装置34は増速機構として機能する非差動状態とされるので、直線L0は図17に示す状態となり、その直線L0と縦線Y3との交点で示されるリングギヤR1すなわちカウンタドリブンギヤ94bの回転速度は、エンジン回転速度NEよりも増速された回転で自動変速部92へ入力される。
また、図17の共線図において、前記自動変速部92の第4回転要素RE4は第2クラッチC2を介して前記カウンタドリブンギヤ94b(中間出力部材96)に選択的に連結されると共に第1ブレーキB1を介して前記ケース12に選択的に連結される。また、第5回転要素RE5は第3クラッチC3を介して前記カウンタドリブンギヤ94b(中間出力部材96)に選択的に連結されると共に第2ブレーキB2を介して前記ケース12に選択的に連結される。また、第6回転要素RE6は出力部材としての出力歯車102に連結されている。また、第7回転要素RE7は第1クラッチC1を介して前記カウンタドリブンギヤ94b(中間出力部材96)に選択的に連結される。
図17に示すように、前記自動変速部92では、前記第1クラッチC1及び第2ブレーキB2が係合させられることにより定まる第5回転要素RE5の回転速度を示す縦線Y5と横線X1の交点と第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7と横線X2の交点とを通る斜めの直線L1と、出力歯車102と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第1速の出力歯車102の回転速度が示される。また、前記第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が係合させられることにより定まる第4回転要素RE4の回転速度を示す縦線Y4と横線X1の交点と第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7と横線X2の交点とを通る斜めの直線L2と、出力歯車102と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第2速の出力歯車102の回転速度が示される。また、前記第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が係合させられることにより定まる第4回転要素RE4の回転速度を示す縦線Y4と横線X1の交点と第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7と横線X3の交点とを通る斜めの直線L3と、出力歯車102と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第3速の出力歯車102の回転速度が示される。また、前記第1クラッチC1及び第3クラッチC3が係合させられることにより定まる水平な直線L4と、出力歯車102と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第4速の出力歯車102の回転速度が示される。また、前記第1クラッチC1及び第3クラッチC3が係合させられることにより定まる水平な直線L5と、出力歯車102と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第5速の出力歯車102の回転速度が示される。また、前記第3クラッチC3及び第1ブレーキB1が係合させられることにより定まる第4回転要素RE4の回転速度を示す縦線Y4と横線X1の交点と第5回転要素RE5の回転速度を示す縦線Y5と横線X2の交点とを通る斜めの直線L6と、出力歯車102と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第6速の出力歯車102の回転速度が示される。また、前記第3クラッチC3及び第1ブレーキB1が係合させられることにより定まる第4回転要素RE4の回転速度を示す縦線Y4と横線X1の交点と第5回転要素RE5の回転速度を示す縦線Y5と横線X3の交点とを通る斜めの直線L6と、出力歯車102と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第7速の出力歯車102の回転速度が示される。また、前記第2クラッチC2及び第2ブレーキB2が係合させられることにより定まる第4回転要素RE4の回転速度を示す縦線Y4と横線X2の交点と第5回転要素RE5の回転速度を示す縦線Y5と横線X1の交点とを通る斜めの直線LRと、出力歯車102と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で後進ギヤ段の出力歯車102の回転速度が示される。
以上のように構成された動力伝達装置90においても、前述した動力伝達装置8と同様に、前記補助電動機Msにより前記エンジン10の始動が行われる。すなわち、前記エンジン10の始動時には前記クラッチ60が係合されると共に前記補助電動機Msが駆動され、その補助電動機Msにより発生させられた駆動力により前記エンジン10のクランク軸が回転させられてその始動が行われる。換言すれば、本実施例の動力伝達装置90においては、前記オイルポンプ52を駆動するための前記補助電動機Msが前記エンジン10のスタータとして用いられる。また、その他の構成或いは制御に関しても、前記動力伝達装置8に関して前述したものと同様に本実施例の動力伝達装置90に適用され得る。
このように、本実施例によれば、前記オイルポンプ52、補助電動機Ms、及びクラッチ60は、電気式差動装置としての前記動力分配装置34(切換型変速部16)の外周側に備えられたものであるため、可及的に小型の車両用動力伝達装置90を実用的な態様で構成することができる。
また、前記オイルポンプ52、補助電動機Ms、及びクラッチ60は、前記動力分配装置34と並列に備えられたものであるため、特にFF型車両或いはRR型車両に搭載される動力伝達装置90の横方向寸法を短縮できるという利点がある。
また、前記回転軸56は、エンジン横置き型の装置における第3軸として構成されるものであるため、動力伝達装置90の横方向の寸法を可及的に短縮することができるという利点がある。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例では、前記動力分配装置34の後段に多段式の自動変速部20、92を備えた動力伝達装置に本発明が適用された例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、斯かる自動変速部20、92の代替としてベルト式無段変速機等の他の形式の変速部が備えられた動力伝達装置にも本発明は好適に適用される。また、前記自動変速部20、92を備えない電気式無段変速部としての前記動力分配装置34のみから成る動力伝達装置に本発明が適用されてもよい。
また、前述の実施例において、前記補助電動機Msは、前記第1電動機M1及び第2電動機M2と共通のインバータ44を介してその作動が制御されるものであったが、そのインバータ44とは別の電気系統により作動制御されるものであってもよい。また、同様に、前記蓄電装置46とは別の蓄電装置を前記補助電動機Msのために備えた構成も考えられる。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明が好適に適用される車両用動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置が無段或いは有段変速作動させられる場合における変速作動とそれに用いられる油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 図1の車両用動力伝達装置に備えられたオイルポンプ駆動制御装置の構成の一例を説明する骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置に備えられたオイルポンプ駆動制御装置の構成の他の一例を説明する骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置に備えられたオイルポンプ駆動制御装置の構成の更に別の一例を説明する骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。 図1の車両用動力伝達装置を制御するために備えられた電子制御装置に入力される信号及びその電子制御装置から出力される信号を例示している。 図7の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図1の車両用動力伝達装置に備えられた自動変速部の変速判断を行うために記憶部に予め記憶された変速線図であり、車速と出力トルクとをパラメータとする二次元座標で構成された変速線図の一例である。 図1の車両用動力伝達装置において複数種類のシフトポジションを選択するために操作されるシフトレバーを備えた手動変速操作装置であるシフト操作装置の構成を例示する図である。 図1の車両用動力伝達装置が搭載された車両の走行状態に応じたエンジン、第2電動機、クラッチ、及び補助電動機の作動について説明する表である。 本発明の他の好適な実施例である車両用動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図12の車両用動力伝達装置が無段或いは有段変速作動させられる場合における変速作動とそれに用いられる油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 図12の車両用動力伝達装置に備えられたオイルポンプ駆動制御装置の構成の一例を説明する骨子図である。 図12の車両用動力伝達装置に備えられたオイルポンプ駆動制御装置の構成の他の一例を説明する骨子図である。 図12の車両用動力伝達装置に備えられたオイルポンプ駆動制御装置の構成の更に別の一例を説明する骨子図である。 図12の車両用動力伝達装置において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。
符号の説明
8、90:車両用動力伝達装置
10:エンジン
14:入力軸(動力伝達軸)
20、92:自動変速部
34:動力分配装置(電気式差動装置)
38:駆動輪
52:オイルポンプ
56:回転軸
60:クラッチ
66、70:一方向クラッチ
M1:第1電動機
M2:第2電動機
Ms:補助電動機

Claims (21)

  1. エンジンと、電動機と、該エンジン及び/又は電動機により発生させられる動力を駆動輪へ伝達するための動力伝達軸とを、備えた車両用動力伝達装置であって、
    クラッチを介して前記動力伝達軸と連結されるオイルポンプと、
    該オイルポンプを駆動可能に設けられた補助電動機と
    を、備え、
    前記エンジンを駆動力源とする走行時には、前記クラッチを係合して該エンジンにより前記オイルポンプを駆動し、
    前記電動機を駆動力源とする走行時には、前記クラッチを解放して前記オイルポンプ及び補助電動機と前記動力伝達軸との間の動力伝達を遮断すると共に該補助電動機により前記オイルポンプを駆動し、
    前記エンジンの始動時には、前記クラッチを係合して前記補助電動機により該エンジンの始動を行うものであることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記クラッチは、通常状態において係合させられるものである請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記クラッチが係合された場合、前記オイルポンプ及び補助電動機の回転速度は、前記エンジンの回転速度に対して増速されるように構成されたものである請求項1又は2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. エンジンと、該エンジンにより発生させられる動力を駆動輪へ伝達するための動力伝達軸とを、備えた車両用動力伝達装置であって、
    クラッチを介して前記動力伝達軸と連結されるオイルポンプと、
    該オイルポンプを駆動可能に設けられた補助電動機と
    を、備え、
    前記エンジンを駆動力源とする走行時には、前記クラッチを係合して該エンジン及び補助電動機により前記オイルポンプを駆動し、
    前記エンジンの始動時には、前記クラッチを係合して前記補助電動機により該エンジンの始動を行うものであり、
    前記クラッチは、通常状態において係合させられるものであることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  5. 前記動力伝達軸を介して前記駆動輪へ動力を伝達し得る電動機を備え、該電動機を駆動力源とする走行時には、前記クラッチを解放して前記オイルポンプ及び補助電動機と前記動力伝達軸との間の動力伝達を遮断すると共に該補助電動機により前記オイルポンプを駆動するものである請求項4に記載の車両用動力伝達装置。
  6. 前記クラッチが係合された場合、前記オイルポンプ及び補助電動機の回転速度は、前記エンジンの回転速度に対して増速されるように構成されたものである請求項4又は5に記載の車両用動力伝達装置。
  7. エンジンと、該エンジンにより発生させられる動力を駆動輪へ伝達するための動力伝達軸とを、備えた車両用動力伝達装置であって、
    クラッチを介して前記動力伝達軸と連結されるオイルポンプと、
    該オイルポンプを駆動可能に設けられた補助電動機と
    を、備え、
    前記エンジンを駆動力源とする走行時には、前記クラッチを係合して該エンジン及び補助電動機により前記オイルポンプを駆動し、
    前記エンジンの始動時には、前記クラッチを係合して前記補助電動機により該エンジンの始動を行うものであり、
    前記クラッチが係合された場合、前記オイルポンプ及び補助電動機の回転速度は、前記エンジンの回転速度に対して増速されるように構成されたものであることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  8. 前記動力伝達軸を介して前記駆動輪へ動力を伝達し得る電動機を備え、該電動機を駆動力源とする走行時には、前記クラッチを解放して前記オイルポンプ及び補助電動機と前記動力伝達軸との間の動力伝達を遮断すると共に該補助電動機により前記オイルポンプを駆動するものである請求項7に記載の車両用動力伝達装置。
  9. 前記クラッチは、通常状態において係合させられるものである請求項7又は8に記載の車両用動力伝達装置。
  10. 前記動力伝達軸は、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた電気式差動装置の一部を成すものである請求項1から9の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  11. 前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に変速部を備え、該変速部の変速中における前記エンジンの始動は前記補助電動機により行われるものである請求項1から10の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  12. 前記エンジンの正転保証制御に適用されるものである請求項1から11の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  13. 前記動力伝達軸に連結された電動機を備え、該電動機の高回転防止制御に適用されるものである請求項1から12の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  14. 前記エンジンの停止時における制振制御に適用されるものである請求項1から13の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  15. 前記エンジンの回転速度固定制御に適用されるものである請求項1から14の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  16. 前記動力伝達軸と前記オイルポンプとの間に一方向クラッチを備えたものである請求項1から15の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  17. 前記オイルポンプ、補助電動機、及びクラッチは、前記電気式差動装置の外周側に備えられたものである請求項10から16の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  18. 前記オイルポンプ、補助電動機、及びクラッチは、前記電気式差動装置と並列に備えられたものである請求項10から17の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  19. 前記オイルポンプ及び補助電動機は、前記動力伝達軸とは別軸の回転軸を備えたものであり、前記補助電動機により出力されるトルクが増幅されて前記動力伝達軸に伝達されるように構成されたものである請求項1から18の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置。
  20. 前記クラッチは、前記回転軸側に配置されたものである請求項19に記載の車両用動力伝達装置。
  21. 前記回転軸は、エンジン横置き型の装置における第3軸として構成されるものである請求項19又は20に記載の車両用動力伝達装置。
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