JP4618158B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Description

この発明は、蓄電装置を搭載したハイブリッド車両に関し、特に蓄電装置の充放電制御技術に関する。
近年、環境に配慮した自動車として、ハイブリッド車両(Hybrid Vehicle)が大きく注目されている。ハイブリッド車両は、従来のエンジンに加え、二次電池からなる蓄電装置と、蓄電装置からの電力を用いて車両の駆動力を発生するモータとをさらに動力源とする自動車である。このようなハイブリッド車両では、停止中や発進時などの駆動力が要求されないもしくはその要求量が小さい場合においては、エンジンが停止される。
一方、このようなハイブリッド車両に搭載される蓄電装置は、車両の発進時や加速時にモータへ電力を供給する一方、車両の回生制動時にモータ(発電機として機能)が発生する電力を蓄電することが要求される。そのため、蓄電装置の充電状態を示すSOC(State Of Charge)が所定の制御中心値を含むSOC管理範囲内となるように、充放電制御が実行される。
このような充放電制御の一部として、特許文献1に開示されるように、エンジン停止中において、蓄電装置のSOCがSOC下限値を下回ると、蓄電装置のSOCを高めるために、エンジンを始動し、モータもしくは発電機からの電力によって蓄電装置の充電が実行される。
また、特許文献2に開示されるように、運転者の操作により選択されるシフトポジションを判断し、パーキング(駐車)ポジションやリバース(後退)ポジションなどの回生制動に伴う電力の発生が期待できない場合においては、比較的高いSOCでエンジンを始動するように制御される。
特開平07−250404号公報 特開平11−122713号公報 特開2005−45883号公報
このようなハイブリッド車両には、さまざまな補機類が装備されている。このような補機類のうち、特にエンジンの作動状況に関係なく作動を要求されるもの、たとえばエアーコンディショナやカーナビゲーションシステムなどは、エンジン停止中においても蓄電装置からの電力を受けて作動するように構成される。
たとえば、運転者がイグニッションキーをオンにした直後に、エアーコンディショナを作動させた場合などには、エンジンが停止状態に維持される一方、蓄電装置に蓄えられている電力が優先的に使用される。その後、蓄電装置のSOCが所定のSOC下限値を下回ると、エンジンが始動され、蓄電装置の充電およびエアーコンディショナの作動に用いるための電力の発電が行なわれる。
そのため、運転者が車内に搭乗している状態で、同乗者を長時間待つような場合においては、補機類の作動に伴う蓄電装置のSOCの低下により、発電のみを目的としてエンジンが頻繁に始動されてしまう。このような発電のみを目的とする場合には、比較的燃焼効率の悪い回転数域でエンジンを作動させざるを得ず、総合的に見れば燃料消費量が不必要に増大するという問題があった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、エンジンを効率的に作動させて、総合的な燃料消費量を抑制するハイブリッド車両を提供することである。
この発明によれば、エンジンと、エンジンと機械的に結合され、エンジンの出力を用いて発電する発電手段と、発電手段により発電された電力によって充電可能に構成された蓄電部と、車両の駆動軸と機械的に結合され、蓄電部からの電力を用いて車両の駆動力を発生する電動力発生手段と、蓄電部の充電状態を示す状態値が下限判定値を下回るときに、発電手段により蓄電部の充電電力を供給するためにエンジンを始動させる制御部とを備えたハイブリッド車両である。そして、制御部は、運転者の操作により複数のシフトポジションのうちいずれが選択されているかを判断するシフトポジション判断手段と、シフトポジション判断手段により、電動力発生手段からの駆動力発生を要求され得るシフトポジションが選択されていると判断されたときに、下限判定値を第1の値に設定する第1の下限値設定手段と、シフトポジション判断手段により、電動力発生手段からの駆動力発生を要求され得ないシフトポジションが選択されていると判断されたときに、下限判定値を第1の値より低い第2の値に設定する第2の下限値設定手段とを含む。
この発明によれば、電動力発生手段からの駆動力発生を要求され得ないシフトポジションが選択されている場合、すなわち蓄電部から比較的大きな電力を出力することが要求され得ない場合において、制御部は、エンジンを始動するための下限判定値をより低い値に設定する。そのため、蓄電部から所定の電力が出力されている状況において、蓄電部を充電するためにエンジンが始動されるまでの期間をより長くすることができる。これにより、蓄電部の充電のみを目的とした、比較的燃焼効率の悪い領域におけるエンジン作動の頻度を低減することにより、不要な燃料消費量を抑制できる。
好ましくは、この発明に係るハイブリッド車両は、蓄電部からの電力により作動する補機負荷をさらに備え、第2の下限値設定手段は、補機負荷の作動状況に応じて、第2の値を決定する。
好ましくは、この発明に係るハイブリッド車両は、蓄電部からの電力によりエンジンを始動させる回転力を発生するように構成された始動手段をさらに備え、第2の下限値設定手段は、エンジンの始動に要する電力を二次電池から発電手段へ与えられるように、第2の値を決定する。
好ましくは、この発明に係るハイブリッド車両は、外部から供給される電力を受入れる電力受入部をさらに備え、制御部は、電力受入部を介して入力される外部電力により蓄電部を充電する充電制御手段をさらに含む。
好ましくは、駆動力発生を要求され得ないシフトポジションは、パーキングポジションおよびニュートラルポジションの少なくとも一方を含む。
この発明によれば、エンジンを効率的に作動させて、総合的な燃料消費量を抑制可能なハイブリッド車両を実現できる。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両の概略構成図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両100は、エンジン4と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構3と、車輪2とを備える。
動力分割機構3は、エンジン4およびモータジェネレータMG1,MG2と機械的に結合され、これらの間で動力を分配する。たとえば、動力分割機構3としては、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。この3つの回転軸により、エンジン4およびモータジェネレータMG1,MG2の各回転軸が、互いに機械的に結合される。たとえば、モータジェネレータMG1のロータを中空とし、その中心にエンジン4のクランク軸を通すことで、動力分割機構3にエンジン4とモータジェネレータMG1,MG2とを機械的に結合することができる。
なお、モータジェネレータMG2の回転軸は、図示しない減速ギヤや作動ギヤを介して、車輪2を回転駆動するための駆動軸に結合される。また、動力分割機構3の内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組込んでもよい。
そして、モータジェネレータMG1は、エンジン4の出力を用いて発電する発電機として機能し、もしくはエンジン4に回転力を与えて始動を行ない得る電動機として機能する。また、モータジェネレータMG2は、駆動輪である車輪2を駆動して車両の駆動力を発生する電動機として機能し、もしくは回生制動時に車輪2の回転力を受けて発電する発電機として機能する。
なお、ここで言う回生制動とは、運転者によるフットブレーキ操作があった場合におけるハイブリッド車両100の発電制動を伴う制動、およびフットブレーキ操作をしないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで発電制動をさせながら減速(または加速を中止)することを含む。
エンジン4は、燃料の燃焼により出力を生じる内燃機関であり、制御装置60からの駆動指令DRVに応じて作動する。また、エンジン4は、回転センサ(図示しない)により検出されるエンジン回転数NEを制御装置60へ出力する。
さらに、この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両100は、エンジン4に供給するための燃料(図示しない)に加えて、モータジェネレータMG1,MG2などに供給するための電力を外部から受入可能である。
ハイブリッド車両100は、主蓄電装置MBと、直流コンバータ10と、インバータ20,30と、制御装置60と、コンデンサC1,C2と、電源ラインPL1,PL2と、接地ラインSL1,SL2と、U相ラインUL1,UL2と、V相ラインVL1,VL2と、W相ラインWL1,WL2と、入力ポート50と、電力入力ラインACL1,ACL2とをさらに備える。
主蓄電装置MBは、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池からなる。そして、主蓄電装置MBは、電源ラインPL1および接地ラインSL1を介して、直流コンバータ10へ直流電力を供給する。また、主蓄電装置MBは、直流コンバータ10から電源ラインPL1へ出力される直流電力を受けて充電される。なお、主蓄電装置MBとして、大容量の電気二重層キャパシタなどを用いてもよい。
コンデンサC1は、電源ラインPL1と接地ラインSL1との間に接続され、電源ラインPL1と接地ラインSL1との間の電圧変動を平滑化する。
直流コンバータ10は、電源ラインPL1および接地ラインSL1と電源ラインPL2および接地ラインSL2との間に接続される。そして、直流コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、主蓄電装置MBから受ける直流電圧を昇圧し、その昇圧した昇圧電圧を電源ラインPL2へ出力する。また、直流コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、電源ラインPL2を介してインバータ20,30から受ける直流電圧を主蓄電装置MBの電圧レベルに降圧して主蓄電装置MBを充電する。直流コンバータ10は、たとえば、昇降圧型のチョッパ回路などによって構成される。
コンデンサC2は、電源ラインPL2と接地ラインSL2との間に接続され、電源ラインPL2と接地ラインSL2との間の電圧変動を平滑化する。
インバータ20,30は、電源ラインPL2および接地ラインSL2に互いに並列に接続される。インバータ20は、制御装置60からの信号PWM1に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG1へ出力する。また、インバータ20は、エンジン4の出力を受けてモータジェネレータMG1が発電した3相交流電圧を制御装置60からの信号PWM1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインPL2へ出力する。
インバータ30は、制御装置60からの信号PWM2に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG2へ出力する。これにより、モータジェネレータMG2は、指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ30は、車両の回生制動時、車輪2からの回転力を受けてモータジェネレータMG2が発電した3相交流電圧を制御装置60からの信号PWM2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインPL2へ出力する。
モータジェネレータMG1,MG2は、3相交流電動機であり、たとえば3相交流同期電動機からなる。
モータジェネレータMG1は、エンジン4の出力を用いて3相交流電圧を発生し、その発生した3相交流電圧をインバータ20へ出力する。また、モータジェネレータMG1は、インバータ20から受ける3相交流電圧によって駆動力を発生し、エンジン4の始動を行なう。モータジェネレータMG2は、インバータ30から受ける3相交流電圧によって車両の駆動トルクを発生する。そして、モータジェネレータMG1は、図示しないY結線された3相コイルをステータコイルとして含み、U,V,W各相ラインUL1,VL1,WL1を介してインバータ20に接続される。
一方、モータジェネレータMG2は、車両の回生制動時、3相交流電圧を発生してインバータ30へ出力する。そして、モータジェネレータMG2も、図示しないY結線された3相コイルをステータコイルとして含み、U,V,W各相ラインUL2,VL2,WL2を介してインバータ30に接続される。
制御装置60は、一例として、ECU(Electrical Control Unit)で構成され、シフトポジション選択装置62から送信された信号POSを含む各センサから送信された信号、走行状況、アクセルペダル開度、主蓄電装置MBのSOC、格納しているマップなどに基づいて演算処理を行なう。これにより、制御装置60は、運転者の操作に応じて、ハイブリッド車両100が所望の運転状態となるように、搭載された回路・機器類を制御する。
そのような制御の一部として、制御装置60は、直流コンバータ10を駆動するための信号PWCおよびインバータ20,30をそれぞれ駆動するための信号PWM1,PWM2を生成し、その生成した信号PWC,PWM1,PWM2をそれぞれ直流コンバータ10およびインバータ20,30へ出力する。
シフトポジション選択装置62は、運転者の操作(シフトレバー操作)に従って、複数のシフトポジションのうちから1つが選択される。そして、シフトポジション選択装置62は、運転者の操作により選択される複数のシフトポジションのうちいずれが選択されているか示す信号POSを制御装置60へ出力する。複数のシフトポジションには、たとえば、車両停止時のパーキングポジション(Pポジション)、車両後退時のリバースポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)および車両前進時のドライブポジション(Dポジション)などが含まれる。なお、ドライブポジション(Dポジション)の他に、変速可能な変速段数を制限する細分化されたドライブポジション(たとえば4ポジション、3ポジション、2ポジション、Lポジション等)が設けられてもよい。
(外部電力受入構成)
モータジェネレータMG1,MG2の3相コイルの中性点N1,N2には、それぞれ電力入力ラインACL1,ACL2の一端が接続され、電力入力ラインACL1,ACL2の他端に入力ポート50が接続される。
入力ポート50は、商用電源などからの外部電力をハイブリッド車両100が受入れるための電力受入部である。
図2は、この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両100を用いた電力システム200の概略図である。
図2を参照して、この電力システム200は、ハイブリッド車両100と、住宅150とからなる。ハイブリッド車両100は、電力入力ラインACL1,ACL2を介して入力ポート50により住宅150の電源コンセントに接続される。そして、ハイブリッド車両100には、商用電源線55を介して住宅150に供給される商用電源が与えられる。そして、ハイブリッド車両100の主蓄電装置MBは、この住宅150から与えられる商用電源により、充電される。
さらに、ハイブリッド車両100が、発生した電力を電力入力ラインACL1,ACL2を介して住宅150に供給するように構成してもよい。このような構成によれば、商用電源の停電時などにおいて、ハイブリッド車両100から住宅150内の各電気機器を作動させるための電力を供給することができる。すなわち、ハイブリッド車両100を住宅150の電源設備として利用することができる。
再度、図1を参照して、入力ポート50は、制御装置60からの信号ENに応じて動作するリレー(図示しない)を内部に備えており、その信号ENに応じて電力入力ラインACL1,ACL2と外部電源側との電気的な接続および切離しを行なう。
このように、ハイブリッド車両100に外部電源が入力される場合において、インバータ20,30は、入力ポート50から電力入力ラインACL1,ACL2を介してモータジェネレータMG1,MG2の中性点N1,N2に与えられる商用電力を制御装置60からの信号PWM1,PWM2に基づいて直流電力に変換し、その変換した直流電力を電源ラインPL2へ出力する。
図3は、図1に示したインバータ20,30およびモータジェネレータMG1,MG2の零相等価回路である。3相インバータであるインバータ20,30の各々は、6個のトランジスタで構成され、その6個のトランジスタのオン/オフの組み合わせは、8パターン存在する。この8パターンのうち、2つは相間電圧がゼロとなり、そのような電圧状態は、ゼロ電圧ベクトルと称される。ゼロ電圧ベクトルでは、上アームの3個のトランジスタは、互いに同じスイッチング状態(全てオンまたはオフ)とみなすことができ、また、下アームの3個のトランジスタも、互いに同じスイッチング状態とみなすことができる。
図3を参照して、インバータ20の上アームの3個のトランジスタは、上アーム20Aとしてまとめて示され、インバータ20の下アームの3個のトランジスタは、下アーム20Bとしてまとめて示されている。同様に、インバータ30の上アームの3個のトランジスタは、上アーム30Aとしてまとめて示され、インバータ30の下アームの3個のトランジスタは、下アーム30Bとしてまとめて示されている。
図3に示されるように、この零相等価回路は、電力入力ラインACL1,ACL2を介して中性点N1,N2に与えられる交流の商用電力を入力とする単相PWMコンバータとみることができる。そこで、インバータ20,30の各々においてゼロ電圧ベクトルを変化させ、インバータ20,30をそれぞれ単相PWMコンバータの各相アームとして動作するようにスイッチング制御することによって、交流の商用電力を直流電力に変換して電源ラインPL2へ出力することができる。
再度、図1を参照して、制御装置60は、外部電力による主蓄電装置MBの充電時において、上述したゼロ電圧ベクトルが生じるように信号PWM1,PWM2を生成し、インバータ20,30へ出力する。
(補機負荷)
ハイブリッド車両100は、エアーコンディショナ装置70と、低圧補機類82とをさらに備える。
エアーコンディショナ装置70は、ハイブリッド車両100の車内を主として冷房するための装置であり、インバータ72と圧縮機74とを含む。インバータ72は、主蓄電装置MBからの直流電力を交流電力に変換して圧縮機74へ供給する。なお、インバータ72は、要求される冷房能力に応じて、圧縮機74へ供給する交流電力の電圧および周波数を変化させる。圧縮機74は、図示しない冷媒を圧縮および膨張を繰返し実行することで、気化熱を利用して冷却を行なう装置であり、インバータ72から供給される交流電力を用いて回転駆動力を発生させることで冷媒を圧縮する。
低圧補機類82は、主蓄電装置MBの出力電圧に比較して低圧(たとえば、12V)で作動する機器類の総称であり、一例として、カーナビゲーションシステム、カーオディオ、車内灯、車内インジケータなどを含む。
このようなエアーコンディショナ装置70および低圧補機類82は、車両搭乗者に対して快適な車内環境を提供するための補機負荷である。
上述したように、低圧補機類82は、主蓄電装置MBの出力電圧に比較して低圧で作動するため、ハイブリッド車両100は、降圧コンバータ80と、副蓄電装置SBとをさらに備える。降圧コンバータ80は、電源ラインPL1,PL2と接続され、主蓄電装置MBからの直流電力を所定の直流電圧に降圧して、副蓄電装置SBおよび低圧補機類82へ供給する。副蓄電装置SBは、一例として鉛蓄電池などからなり、降圧コンバータ80の出力側に接続され、降圧コンバータ80からの直流電力で充電される一方、低圧補機類82へその蓄えた電力を供給する。すなわち、副蓄電装置SBは、降圧コンバータ80の出力電力と、低圧補機類82の需要電力とのアンバランスを補うための電力バッファとしても機能する。
なお、エアーコンディショナ装置70および低圧補機類82は、多くの場合において、運転者などによる操作により作動を開始または停止する。そして、エアーコンディショナ装置70および低圧補機類82は、それぞれ各時点の作動状況を示す信号ACSTおよびSUBSTを制御装置60へ出力する。
(充放電制御)
制御装置60は、十分な走行性能を発揮させる目的、および、主蓄電装置MBを保護する目的で、主蓄電装置MBのSOCが所定の制御中心値を含むSOC管理範囲内となるように、充放電制御を実行する。
図4は、制御装置60による充放電制御の一例を示す図である。なお、図4においては、S1<S2<S3<S4が成立する。
図4を参照して、制御装置60は、主蓄電装置MBが過放電状態に近くなり、SOCが状態値S2を下回ると、主蓄電装置MBからの放電電力を制限する。さらに、SOCが状態値S1を下回ると、制御装置60は、主蓄電装置MBからの放電を禁止する。
また、制御装置60は、主蓄電装置MBが過充電状態に近くなり、SOCが状態値S3を超過すると、主蓄電装置MBへの充電電力を制限する。さらに、SOCが状態値S4を超過すると、制御装置60は、主蓄電装置MBへの充電を禁止する。
なお、主蓄電装置MBのSOCを取得する構成については、さまざまな周知技術を用いることができるので、本実施例における詳細な説明は省略する。
主蓄電装置MBが外部電力により充電されていない(入力ポート50が住宅150の電源コンセントに接続されていない)場合においては、主蓄電装置MBを充電するための電力は、エンジン4の出力を受けてモータジェネレータMG1が発電する電力、および、回生時に生じるモータジェネレータMG2からの電力である。
しかしながら、回生制動は、運転者の操作に応じて生じるため、主蓄電装置MBを確実に充電するための電力として期待できない。そのため、制御装置60は、エンジン4が停止状態を維持している場合において、主蓄電装置MBのSOCが所定の下限判定値(たとえば図4の状態値S2、以下「SOC下限値」とも称す)を下回ると、エンジン4を強制的に始動させて、主蓄電装置MBの充電量を増大させる。
一般的なハイブリッド車両では、運転者が搭乗してイグニッションキーをオンにしたとしても、エンジンは即座に始動されず、所定の車速を超えた時点、あるいは、運転者のアクセルペダルの踏込量に応じて所定の駆動力を要求された時点において、エンジンが始動される。そのため、運転者が搭乗してイグニッションキーをオンした後、車両を発進させることなく、エアーコンディショナ装置70や低圧補機類82を作動させた状態で、長時間停止状態を維持する場合などにおいては、主蓄電装置MBからの放電が継続される。そして、主蓄電装置MBのSOC下限値を下回ると、制御装置60は、エンジン4に駆動指令DRVを与え、エンジン4を始動させ、モータジェネレータMG1が発生する電力により主蓄電装置MBの充電を開始する。
モータジェネレータMG1の発電量は、エンジン4の最大出力に比較して小さいので、このようなモータジェネレータMG1による発電のみを行なう場合においては、比較的燃焼効率の悪い回転数域でエンジン4を作動させざるを得なかった。その結果、総合的に見れば燃料消費量が増大するという問題があった。
また、ハイブリッド車両100が停車中において、エンジン4が作動するので、運転者を含めた搭乗者に対する快適性が損なわれ、また、近隣に対する騒音も生じるという問題もあった。
そこで、この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両100における制御装置60は、モータジェネレータMG2による駆動力を要求され得ない場合に限って、エンジン4の始動条件である主蓄電装置MBのSOC下限値をより低い値に変更する。すなわち、モータジェネレータMG2からの駆動力発生が要求され得ない場合には、主蓄電装置MBからの放電電力は、エアーコンディショナ装置70や低圧補機類82といった比較的小さな負荷に限定される。そのため、制御装置60は、モータジェネレータMG2からの駆動力発生要求の有無に応じて、主蓄電装置MBを過放電から保護するためのSOC下限値を変更する。
具体的には、制御装置60は、シフトポジション選択装置62からの信号POSに基づいて、複数のシフトポジションのうちいずれが選択されているかを判断し、パーキングポジションやニュートラルポジションといった、モータジェネレータMG2からの駆動力の発生が要求され得ないシフトポジションが選択されている場合において、エンジン4を始動させるための主蓄電装置MBのSOC下限値をより低い値に変更する。
さらに、制御装置60は、エアーコンディショナ装置70および低圧補機類82からそれぞれ送信された信号ACSTおよびSUBSTに基づいて、作動状況に応じたSOC下限値を決定する。すなわち、エアーコンディショナ装置70および低圧補機類82が要求する消費電力を算出し、その消費電力が大きければSOC下限値を相対的に大きくし、その消費電力が小さければSOC下限値を相対的に低くする。
図5は、制御装置60によるSOC下限値の時間的な変化の一例を示す図である。
図5を参照して、制御装置60は、ドライブポジション(Dポジション)またはリバースポジション(Rポジション)が選択されている場合には、SOC下限値を通常値LLIMに設定する。一方、制御装置60は、パーキングポジション(Pポジション)またはニュートラルポジション(Nポジション)が選択されている場合には、SOC下限値をより低い緩和値#LLIM(#LLIMaまたは#LLIMb)に設定する。さらに、制御装置60は、たとえば、エアーコンディショナ装置70が作動中であれば、SOC下限値を緩和値#LLIMbに設定し、エアーコンディショナ装置70が作動中でなければ、SOC下限値をより低い緩和値#LLIMaに設定する。なお、通常値LLIM>緩和値#LLIMb>緩和値#LLIMbである。
一般的に、パーキングポジション(Pポジション)が選択されている状態で、イグニッションキーがオンにされるので、イグニッションキーがオンにされた直後においては、制御装置60は、SOC下限を緩和値#LLIMaに変更する。その後、運転者などがエアーコンディショナ装置70をオンにすると、制御装置60は、SOC下限値を緩和値#LLIMbに設定する。そして、運転者が車両を発進させるために、ドライブポジション(Dポジション)を選択すると、制御装置60は、SOC下限値を通常値LLIMに戻す。さらに、車両停止後、運転者が再度パーキングポジション(Pポジション)を選択すると、制御装置60は、SOC下限値を緩和値#LLIMaに変更する。なお、ドライブポジション(Dポジション)が選択されている場合においては、制御装置60は、エアーコンディショナ装置70および低圧補機類82の作動状況に関わらず、SOC下限値を通常値LLIMとする。そのため、ドライブポジション(Dポジション)が選択中に、エアーコンディショナ装置70がオフされても、制御装置60は、設定中のSOC下限値を維持する。
なお、図5においては、説明の便宜上、エアーコンディショナ装置70のオンまたはオフに応じて、緩和値#LLIMを2段階(#LLIMaまたは#LLIMb)に切換える例について説明したが、より多くの切換段数または無段階的に緩和値#LLIMを変更するように構成してもよい。
なお、この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両100においては、主蓄電装置MBからの電力をモータジェネレータMG1に供給し、モータジェネレータMG1が発生する回転力でエンジン4を回転駆動(クランキング)することによりエンジン4を始動させる。そのため、制御装置60は、モータジェネレータMG1がエンジン4のクランキングに要する電力を主蓄電装置MBから供給できるように、緩和値#LLIMを決定する。一例として、図4に示す放電禁止領域の境界となる状態値S1における充電状態に対して、モータジェネレータMG1がクランキングに要する電力を加えた充電状態に相当するSOCを緩和値#LLIMの下限値とする。すなわち、制御装置60は、エンジン4の始動直後において、主蓄電装置MBのSOCが放電禁止領域に到達しないように、緩和値#LLIMを決定する。なお、モータジェネレータMG1によりエンジン4をクランキングする構成に代えて、もっぱらエンジン4を始動させるために使用されるセルモータなどからなるスターターを備えてもよい。
(制御フロー)
図6は、制御装置60におけるエンジン4の始動に係るフローチャートである。
図6を参照して、制御装置60は、エンジン4から送信されるエンジン回転数NEに基づいて、エンジン4が作動中であるか否かを判断する(ステップS100)。
エンジン4が作動中である場合(ステップS100においてYESの場合)には、制御装置60は、以降の処理を終了する。
エンジン4が作動中でない場合(ステップS100においてNOの場合)には、制御装置60は、シフトポジション選択装置62から送信される信号POSに基づいて、複数のシフトポジションのうち選択されているシフトポジションを取得する(ステップS102)。さらに、制御装置60は、取得したシフトポジションがモータジェネレータMG2による駆動力を要求され得ないシフトポジションである、パーキングポジション(Pポジション)またはニュートラルポジション(Nポジション)であるか否かを判断する(ステップS104)。
取得したシフトポジションがパーキングポジション(Pポジション)またはニュートラルポジション(Nポジション)である場合(ステップS104においてYESの場合)には、制御装置60は、エアーコンディショナ装置70および低圧補機類82から送信された信号ACSTおよびSUBSTに基づいて、緩和値#LLIMを算出する(ステップS106)。そして、制御装置60は、算出した緩和値#LLIMをSOC下限値に設定する(ステップS108)。
一方、取得したシフトポジションがドライブポジション(Dポジション)またはリバースポジション(Rポジション)などであり、パーキングポジション(Pポジション)またはニュートラルポジション(Nポジション)ではない場合(ステップS104においてNOの場合)には、制御装置60は、通常値LLIMをSOC下限値に設定する(ステップS110)。
SOC下限値が設定された後(ステップS108またはS110)、制御装置60は、主蓄電装置MBのSOCを取得する(ステップS112)。そして、制御装置60は、取得したSOCがSOC下限値を下回っているか否かを判断する(ステップS114)。
取得したSOCがSOC下限値を下回っている場合(ステップS114においてYESの場合)には、制御装置60は、エンジン4をクランキングするための信号PWM1を生成してインバータ20へ出力すると同時に、エンジン4へ駆動指令DRVを出力し、エンジン4を始動させる(ステップS116)。すなわち、インバータ20は、制御装置60から信号PWM1を受け、モータジェネレータMG1から駆動力を発生させる一方、エンジン4は、制御装置60からの駆動指令DRVを受け、燃料の噴射ならびに点火を開始する。
取得したSOCがSOC下限値を下回っていない場合(ステップS114においてNOの場合)には、制御装置60は、以降の処理を終了する。
(適用例)
図7は、従来の充放電制御における各部の時間波形である。なお、図7においては、車両の発進前および走行後において比較的長時間に亘って、パーキングポジション(Pポジション)が選択される場合を示す。
図7(a)は、主蓄電装置MBのSOCを示す。
図7(b)は、主蓄電装置MBの充放電電流を示す。
図7(c)は、エンジン4の回転数を示す。
図7(a)および図7(b)を参照して、一例として、パーキングポジション(Pポジション)が選択中の状態ST1において、エアーコンディショナ装置70および低圧補機類82による負荷電流が一定であるとすると、主蓄電装置MBからの放電電流も一定となり、この放電電流に応じて、主蓄電装置MBのSOCは漸減する。そして、主蓄電装置MBのSOCが通常値LLIMを下回る(時刻T1)と、図7(c)に示すように、エンジン4が始動される。このとき、エンジン4は低燃焼効率領域90で作動することになる。
その後、ドライブポジション(Dポジション)が選択され(状態ST2)、運転者によりアクセルペダルが踏み込まれてハイブリッド車両100が発進すると、図7(b)に示すように、主蓄電装置MBの充放電量は、運転者の操作および走行状況に応じて変化する。また、図7(c)に示すように、エンジン4は、高燃焼効率を維持できるように、走行状況に応じて間欠的に作動させられる。その結果、図7(a)に示すように、主蓄電装置MBのSOCは、所定のSOC管理範囲内で制御される。
走行後において、パーキングポジション(Pポジション)が選択されると(状態ST3)、エンジン4は停止される。すると、状態ST1と同様に、主蓄電装置MBからの放電電流に応じて、主蓄電装置MBのSOCは漸減する。再度、主蓄電装置MBのSOCが通常値LLIMを下回る(時刻T2)と、図7(c)に示すように、エンジン4が再度始動される。このときも、エンジン4は低燃焼効率領域91で作動することになる。
このように、従来の充放電制御においては、エンジン4が低燃焼効率領域90および91で動作せざるを得なかった。
図8は、図7と同様の走行パターンを行なった場合の、この発明の実施の形態に係る充放電制御における各部の時間波形である。
図8(a)は、主蓄電装置MBのSOCを示す。
図8(b)は、主蓄電装置MBの充放電電流を示す。
図8(c)は、エンジン4の回転数を示す。
図8(a)および図8(b)を参照して、パーキングポジション(Pポジション)の選択中(状態ST1)において、制御装置60は、SOC下限値を緩和値#LLIMに設定するので、従来の充放電制御の場合に比較して、エンジン4が始動するまでの時間をより長くすることができる。そのため、図8(c)に示すように、状態ST1が長期間に亘って継続しても、エンジン4の停止状態が維持される。
その後、ドライブポジション(Dポジション)が選択される(状態ST2)と、制御装置60は、SOC下限値を通常値LLIMに復帰させるので、主蓄電装置MBのSOCがLLIMを下回っていれば、エンジン4が始動される。それと前後して、運転者によりアクセルペダルが踏み込まれると、エンジン4の出力は、主蓄電装置MBの充電および車両の駆動力として使用される。以下、状態ST2においては、従来と同様の充放電制御処理が実行される。
走行後において、パーキングポジション(Pポジション)が選択されると(状態ST3)、エンジン4は停止もしくは停止状態を維持される。すると、状態ST1と同様に、制御装置60は、SOC下限値を緩和値#LLIMに設定するので、従来の充放電制御の場合に比較して、エンジン4が再始動するまでの時間をより長くすることができる。さらに、SOC下限値が緩和値#LLIMを下回るまでに、運転者がイグニッションキーをオフにする場合には、エンジン4が再始動されることはない。
このように、この発明の実施の形態に従う充放電制御においては、エンジン4が低燃焼効率で作動する領域を回避できるので、エンジン4を効率的に作動させて、燃料消費量を抑制することができる。
さらに、この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両100では、外部電力により主蓄電装置MBを充電可能である。そのため、運転者などが走行後に外部充電する場合(状態ST4)には、主蓄電装置MBのSOCが緩和値#LLIM付近まで低下しているとしても、主蓄電装置MBは、次回の走行時(次回のイグニッションオン時)までに、SOC上限値付近まで充電される。
一般的に、商用電源は、大型の発電プラントで発電されるので、輸送損失(変圧器や送電線における損失)などを考慮しても、エンジン4の出力を用いて発電する場合に比較して、燃焼効率をより高くできる。そのため、より環境への影響を低減する観点からは、同一の電力量を発電するための燃料がより少ない商用電源の使用効率を高めることが望ましい。
上述したように、この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両100では、予め蓄えた商用電源を用いることで、比較的燃焼効率の悪い領域におけるエンジン作動頻度をさらに低減することができる。これにより、車両走行に係る総合的な燃焼効率を高めることができ、より環境への影響を低減することができる。
図9は、消費電力量と燃料消費率との関係を示す模式図である。なお、燃料消費率とは、単位電力量を発生するのに要する燃料量(または燃料コスト)を示す。そのため、縦軸および横軸で規定される面積は、対応する電力量を発生するのに要する燃料量を示す。
図9(a)は、従来の充放電制御の場合を示す。
図9(b)は、この発明の実施の形態に従う充放電制御(外部充電無し)の場合を示す。
図9(c)は、この発明の実施の形態に従う充放電制御(外部充電有り)の場合を示す。
図9(a)を参照して、上述したように、従来の充放電制御においては、停車中において、エアーコンディショナ装置70や低圧補機類82の作動が継続すると、エンジン4を低燃焼効率領域90,91で作動させざるを得なかった。そのため、たとえ、走行中においてエンジン4を高燃焼効率領域92で作動させたとしても、総合的な燃料の消費量(領域90,91および領域92の合計面積)は、比較的大きかった。
図9(b)を参照して、この発明の実施の形態に従う充放電制御によれば、停車中において、エアーコンディショナ装置70や低圧補機類82の作動が継続したとしても、エンジン4を低燃焼効率領域で作動させることを回避できる。そのため、図9(a)に示す従来の充放電制御に比較して、低燃焼効率領域90,91での燃料消費量を高燃焼効率領域92での燃料消費量に抑制できる。
図9(c)を参照して、さらに外部充電を行なうことで、エンジン4からの出力で発電された電力に代えて、より燃料消費率の低い外部電力を使用することができる。その結果、図9(b)に比較して、エンジン4の高燃焼効率領域92と外部充電93との燃料消費率の差、および外部充電93により充電された電力量に応じた分だけ燃料消費量を抑制できる。
なお、上述の説明においては、外部電力により主蓄電装置MBを充電可能なハイブリッド車両に本発明を適用した場合について説明したが、外部電力により主蓄電装置MBを充電可能ではないハイブリッド車両であっても、本発明の効果を発揮できることは言うまでもない。
この発明の実施の形態においては、モータジェネレータMG1およびMG2が「発電手段」もしくは「電動力発生手段」を実現可能であるが、多くの場面において、モータジェネレータMG1が「発電手段」を実現し、モータジェネレータMG2が「電動力発生手段」を実現する。さらに、モータジェネレータMG1は、「発電手段」を実現する。そして、主蓄電装置MBが「蓄電部」に相当し、制御装置60が「制御部」に相当し、エアーコンディショナ装置70および低圧補機類82が「補機負荷」に相当し、入力ポート50および電力入力ラインACL1,ACL2とが「電力受入部」に相当する。
この発明の実施の形態によれば、モータジェネレータMG2からの駆動力の発生を要求され得ないシフトポジション(パーキングポジションまたはニュートラルポジション)が選択されている場合、すなわち主蓄電装置MBから比較的大きな電力を出力することが要求され得ない場合において、制御装置60は、エンジン4の始動条件となるSOC下限値を通常値LLIMからより低い緩和値#LLIMに変更する。そのため、エンジン4の停止中において、エアーコンディショナ装置70および低圧補機類82が比較的長時間に亘って作動している場合であっても、主蓄電装置MBを充電するためにエンジン4が始動される頻度を低減できる。
よって、主蓄電装置MBを充電するための比較的燃焼効率の悪い領域におけるエンジン4の作動を抑制して、総合的な燃料消費量を抑制できる。
さらに、走行に伴う振動や騒音が比較的大きい走行中に比較して、停車(駐車)中におけるエンジン4の始動および作動に伴う振動や騒音は、より搭乗者の快適性を阻害する。そこで、この発明の実施の形態によれば、停車(駐車)中におけるエンジン4の始動頻度を低減できるので、より搭乗者に対する快適性(静粛性)を提供することができる。また、同時に、停車(駐車)中における近隣に対する騒音の発生も抑制できる。
なお、この発明の実施の形態においては、動力分割機構によりエンジンの動力を駆動軸とモータジェネレータ(発電機)とに分割させて伝達可能なシリーズ/パラレル型ハイブリッドシステムへの適用例を示した。しかしながら、本発明は、発電機を駆動するためにのみエンジンの出力を用い、発電機により発電された電力を使うモータのみで車両の駆動力を発生させるシリーズ型ハイブリッド車両にも適用できる。これらの構成は、いずれも駆動軸とモータまたは発電機とが接続されており、減速時の回生エネルギを回収しバッテリに蓄えることが可能であるため本発明が適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両の概略構成図である。 この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両を用いた電力システムの概略図である。 図1に示したインバータおよびモータジェネレータの零相等価回路である。 制御装置による充放電制御の一例を示す図である。 制御装置によるSOC下限値の時間的な変化の一例を示す図である。 制御装置におけるエンジンの始動に係るフローチャートである。 従来の充放電制御における各部の時間波形である。 図7と同様の走行パターンを行なった場合の、この発明の実施の形態に係る充放電制御における各部の時間波形である。 消費電力量と燃料消費率との関係を示す模式図である。
符号の説明
2 車輪、3 動力分割機構、4 エンジン、6 シフトポジション選択装置、10 直流コンバータ、12 電圧値検出部、14 電流値検出部、20,30,72 インバータ、20A,30A 上アーム、20B,30B 下アーム、50 入力ポート、55 商用電源線、60 制御装置、62 シフトポジション選択装置、70 エアーコンディショナ装置、74 圧縮機、80 降圧コンバータ、82 低圧補機類、90,91 低燃焼効率領域、92 高燃焼効率領域、93 外部充電、100 ハイブリッド車両、150 住宅、200 電力システム、ACL1,ACL2 電力入力ライン、ACST,SUBST 信号、C1,C2 コンデンサ、DRV 駆動指令、EN 信号、Ib 電圧値、LLIM 通常値、#LLIM 緩和値、MB 主蓄電装置、MG1,MG2 モータジェネレータ、N1,N2 中性点、NE エンジン回転数、PL1,PL2 電源ライン、POS 信号、PWC,PWM1,PWM2 信号、SB 副蓄電装置、SL1,SL2 接地ライン、UL1,UL2,VL1,VL2,WL1,WL2 相ライン、Vb 電圧値。

Claims (4)

  1. エンジンと、
    前記エンジンと機械的に結合され、前記エンジンの出力を用いて発電する発電手段と、
    前記発電手段により発電された電力によって充電可能に構成された蓄電部と、
    車両の駆動軸と機械的に結合され、前記蓄電部からの電力を用いて車両の駆動力を発生する電動力発生手段と、
    前記蓄電部の充電状態を示す状態値が下限判定値を下回るときに、前記発電手段により前記蓄電部の充電電力を供給するために前記エンジンを始動させる制御部と、
    前記蓄電部からの電力により作動する補機負荷とを備え、
    前記制御部は、
    運転者の操作により複数のシフトポジションのうちいずれが選択されているかを判断するシフトポジション判断手段と、
    前記シフトポジション判断手段により、前記電動力発生手段からの駆動力発生を要求され得るシフトポジションが選択されていると判断されたときに、前記下限判定値を第1の値に設定する第1の下限値設定手段と、
    前記シフトポジション判断手段により、前記電動力発生手段からの駆動力発生を要求され得ないシフトポジションが選択されていると判断されたときに、前記下限判定値を設定する第2の下限値設定手段とを含み、
    前記第2の下限値設定手段は、
    前記補機負荷が非作動中には、前記下限判定値を、前記第1の値より低い第2の値に設定し、
    前記補機負荷が作動中には、前記下限判定値を、前記第2の値より高くかつ前記第1の値より低い、第3の値に設定する、ハイブリッド車両。
  2. 前記蓄電部からの電力により前記エンジンを始動させる回転力を発生するように構成された始動手段をさらに備え、
    前記第2の下限値設定手段は、前記エンジンの始動に要する電力を前記蓄電部から前記発電手段へ与えられるように、前記第2の値を決定する、請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 外部から供給される電力を受入れる電力受入部をさらに備え、
    前記制御部は、前記エンジンの停止中に、前記電力受入部を介して入力される外部電力により前記蓄電部を充電する充電制御手段をさらに含む、請求項1または2に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記駆動力発生を要求され得ないシフトポジションは、パーキングポジションおよびニュートラルポジションの少なくとも一方を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
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