JP2013257210A - 歩行者感知器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歩道200又は車道210の上方に設置され、歩道200と車道210との境界を検知領域Sとし、検知領域Sに所定周波数f1の電磁波を照射してその反射波の周波数f2を検知するドップラーレーダー11と、ドップラーレーダー11が検知した反射波の周波数に基づき、検知領域Sを歩道200側から車道210側に向かって通過する歩行者Mの有無を判断する演算部10と、演算部10の判断に基づき、歩行者感知信号を出力する出力手段と、を備えたものである。
【選択図】図1
Description
また例えば、横断歩道上の歩行者をカメラ等で撮像してその画像を解析することで歩行者の有無を感知する技術や、超音波を照射しその反射により歩行者の有無を感知する技術が知られている。
また、例えば歩行者が赤信号を無視して車道の横断を開始した場合や、車両が接近している際に歩行者が車道の横断を開始した場合に、歩行者等に対して注意喚起を行うことで、歩行者の安全性の向上を図ることが望まれている。
また、歩行者灯器の赤信号を無視して車道を横断する歩行者の渡り始めを感知することができる歩行者感知器を得るものである。
また、車両が接近している際に車道を横断する歩行者の渡り始めを感知することができる歩行者感知器を得るものである。
なお、本発明における「歩行者」とは、車椅子や、歩道を通行する自転車等の軽車両も含むものである。
図1は、本発明の実施の形態1に係る歩行者感知器の設置状態を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る歩行者感知器の設置状態を示す上面図である。
図1、図2に示すように、歩行者感知器1は、例えば支柱100により歩道200の上方に設置される。歩行者感知器1は、例えば横断歩道211における歩道200と車道210との境界に設定した検知領域Sを、歩道200側から車道210側に向かって通過する歩行者Mを検知するものである。
なお、「歩行者M」とは、歩行者や車椅子、歩道を通行する自転車等の軽車両も含むものである。
なお、図1、図2に示す例では、横断歩道211における車道210と歩道200との境界を検知領域Sとしたが、横断歩道211に限らず、任意の位置における歩道200と車道210との境界を検知領域Sとしても良い。
本実施の形態1における歩行者感知器1は、演算部10、ドップラーレーダー11、及びブザー12を備えている。この演算部10、ドップラーレーダー11、及びブザー12は、例えば歩行者感知器1の本体筐体の内部に収納されている。
ドップラーレーダー11は、歩道200と車道210との境界を検知領域Sとし、この検知領域Sに所定周波数f1の電磁波を照射してその反射波の周波数f2を検知する。
演算部10は、ドップラーレーダー11が検知した反射波の周波数f2に基づき、検知領域Sを歩道200側から車道210側に向かって通過する歩行者Mの有無を判断する。
ブザー12は、演算部10の判断に基づき、歩行者感知信号を出力する。なお、ブザー12は、本発明における「出力手段」、「警報装置」に相当する。
音波や電磁波などの波動の発生源と観測器(観測者)との相対的な速度によって、波の波長(周波数)が異なって観測されるドップラー効果が知られている。
ドップラーレーダーは、図4(a)に示すように、観測対象がレーダーから遠ざかっている場合にはドップラー効果により反射波の波長が長く(反射波の周波数f2が低く)なり、図4(b)に示すように、観測対象が近づいている場合にはドップラー効果により反射波の波長が短く(反射波の周波数f2が高く)なることを利用して、観測対象がレーダーに対してどの程度の速度で遠ざかっているのか、もしくは近づいているのかを観測するものである。
図5に示すように、本実施の形態1におけるドップラーレーダー11は、例えばマイクロ波等の所定周波数f1の電磁波(以下「レーダー波」ともいう)を、検知領域Sの一部にビーム状(直線状)に照射する。そして、このビーム状に照射した電磁波を、検知領域Sの全範囲について周期的に走査させる。
検知領域Sに歩行者M(観測対象)が存在すると、この歩行者Mで電磁波が反射し、歩行者Mを発生源とする反射波となってドップラーレーダー11に到達する。上述したように、歩行者Mがドップラーレーダー11から遠ざかっている場合にはドップラー効果により反射波の周波数f2が低くなり、近づいている場合には反射波の周波数f2が高くなる。このように、ドップラーレーダー11によれば、レーダー波の反射波の周波数f2を検知することで、歩行者Mがドップラーレーダー11から遠ざかっているか、近づいているかを検知することが可能となる。
なお、検知領域Sの走査の周期は、想定される歩行者Mの移動速度よりも速いことが望ましい。例えば、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナを用い、各アンテナから照射する電磁波の位相を変化させることで当該アンテナの指向性を変化させ、検知領域Sの全範囲について周期的に走査させるようにしても良い。
図6は、本発明の実施の形態1に係る歩行者感知器の動作を示すフローチャートである。以下、図6の各ステップに基づき説明する。
(S101)
ドップラーレーダー11は、検知領域Sに所定周波数f1のレーダー波を照射して(レーダー照射)、その反射波を受信して、反射波の周波数f2を取得する。
(S102)
演算部10は、ドップラーレーダー11がレーダー波を照射してから反射波を受信するまでの時間(レーダー反射時間)を算出する。
(S103)
演算部10は、レーダー反射時間に基づき、検知領域Sに歩行者Mが存在するか否かを判断する。この判断は、例えば、レーダー反射時間が予め設定した所定の標準時間より短い場合、歩行者Mが存在していると判断する。標準時間としては、例えば、ドップラーレーダー11と検知領域S(路面上)との間に歩行者Mが存在しない場合に、レーダー波が検知領域S(路面上)で反射してドップラーレーダー11が受信するまでの時間を設定する。
検知領域Sに歩行者Mが存在しないと判断した場合は、上記ステップS101に戻る。
一方、検知領域Sに歩行者Mが存在すると判断した場合、演算部10は、ドップラーレーダー11が受信した反射波の周波数f2に基づき、検知領域Sを歩道200側から車道210側に向かって通過する歩行者Mの有無を判断する。
本実施の形態1では、ドップラーレーダー11が歩道200の上方に設置されているので、演算部10は、ドップラーレーダー11が検知した反射波の周波数f2が、所定周波数f1より低い場合、歩行者Mが検知領域Sを歩道200側から車道210側に向かって通過する(移動方向が渡り始め)と判断する。
反射波の周波数f2が、所定周波数f1以上の場合、歩行者Mが検知領域Sを車道210側から歩道200側に向かって通過している(移動方向が渡り終わり)と判断し、上記ステップS101に戻る。
(S105)
一方、演算部10は、歩行者Mが検知領域Sを歩道200側から車道210側に向かって通過する(移動方向が渡り始め)と判断した場合、ブザー12により、歩行者感知信号としての警報音を出力させる。
また、レーダー波の所定周波数f1と反射波の周波数f2とを比較演算することで歩行者Mの渡り始めを感知するので、画像を解析する方式と比較して演算処理を簡易化することができる。よって、簡易な構成により歩行者感知器1を構成することができる。また、夜間など周囲が暗い場合であっても、歩行者Mの渡り始めを感知することができる。
また、レーダー波の所定周波数f1と反射波の周波数f2とを比較演算することで歩行者Mの渡り始めを感知するので、複数のセンサを用いて歩行者Mの移動を検知する方式や、時間経過による計測によって歩行者Mの移動を検知する方式と比較して、感知精度を向上することができる。
また、車道210の横断を開始した歩行者Mが存在することを周囲に報知することができる。これにより、車両を運転する運転手に対しても注意喚起を行うことができ、歩行者Mの安全性の向上を図ることができる。
本実施の形態2においては、歩行者灯器の赤信号を無視して車道を横断する歩行者の渡り始めを感知する形態について説明する。
なお、上記実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る歩行者感知器の歩行者灯器への設置状態を示す図である。
図10は、本発明の実施の形態2に係る歩行者感知器を示すブロック構成図である。
図に示すように、本実施の形態2に係る歩行者感知器1は、本体筐体が歩行者灯器2に設置されている。また、ドップラーレーダー11は、歩行者灯器2に対応する横断歩道211における車道210と歩道200との境界を検知領域Sとしている。
図9に示すように、歩行者灯器2の青色灯は下方に位置するため、本体筐体を歩行者灯器2の下部に設置し、灯色検知センサ13を歩行者灯器2の青色灯の上面又は近傍に設置することで、灯色検知センサ13と歩行者感知器1(演算部10)との接続配線を短くすることが可能となり、設置作業を容易にすることができる。なお、本体筐体の設置位置は歩行者灯器2の下部に限らず、側面や裏面でも良い。また、歩行者灯器2を支持する支柱100とは別の支柱に歩行者感知器1の本体筐体を設けても良い。例えば車両用灯器の支柱やアームに本体筐体を設置しても良い。
なお、灯色検知センサ13は、本発明における「灯色検知部」に相当する。
なお、無線部14は、本発明における「出力手段」に相当する。
例えば、歩行者灯器2から有線にて灯色信号を演算部10に入力しても良いし、信号制御機3から無線部14を介して灯色信号を演算部10に入力しても良い。なお、この場合には演算部10が本発明における「灯色検知部」に相当する。
図11は、本発明の実施の形態2に係る歩行者感知器の動作を示すフローチャートである。以下、図11の各ステップに基づき、上記実施の形態1との相違点について説明する。
(S201)
演算部10は、灯色検知センサ13から歩行者灯器2の青色灯の点灯状態の検知結果(灯色センサ情報)を取得する。例えば、灯色検知センサ13を照度センサにより構成した場合、青色灯の照度に応じた検出値を取得する。
(S202)
演算部10は、灯色検知センサ13からの検知結果に基づき、歩行者灯器2の青色灯が消灯しているか否かを判断する。例えば、灯色検知センサ13を照度センサにより構成した場合、検出値が所定の閾値より小さい場合は青色灯が消灯していると判断する。なお、青色灯の点滅時には消灯していると判断しても良い。
青色灯が点灯している場合には、ステップS201に戻る。
一方、青色灯が消灯している場合(すなわち赤信号時)には、ステップS101に進む。
演算部10は、ブザー12により、歩行者感知信号としての警報音を出力させる。
さらに、演算部10は、歩行者感知信号を無線部14から信号制御機3へ送信する。信号制御機3は、歩行者感知器1から受信した歩行者感知信号に基づき、所定の制御動作を実施する。
なお、この場合には、灯色検知センサ13を省略して、歩行者灯器2の灯色信号を直接、演算部10に入力するようにしても良い。これにより灯色検知センサ13が不要となり費用コストを低減することができる。
本実施の形態3においては、車両が接近している際に車道を横断する歩行者の渡り始めを感知する形態について説明する。
なお、上記実施の形態1、2と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
図12に示すように、本実施の形態3に係る歩行者感知器1は、有線又は無線により車両用感知器4と接続されている。車両用感知器4は、所定位置を通過する車両を検知するものである。演算部10には、車両用感知器4からの車両感知信号が入力される。その他の構成は、上記実施の形態1又は2と同様である。
図14は、本発明の実施の形態3に係る歩行者感知器の設置状態を示す上面図である。
図13、図14に示すように、車両用感知器4は、歩行者感知器1の検知領域Sから距離Lだけ離れた所定位置を通過する車両Cを検知する。
車両用感知器4は、例えば、歩行者感知器1の検知領域Sへ向かう方向の走行車線の上方に設置されている。この車両用感知器4は、超音波式などの周知の感知器を用いることができる。また、既設の車両用感知器4と、本実施の形態3に係る歩行者感知器1とを有線又は無線により接続するようにしても良い。なお、上述したドップラーレーダーや周知の方法を用いて、車両Cの移動方向を検知して、歩行者感知器1の検知領域Sへ向かう方向へ移動する車両Cを検出した場合に、車両感知信号を演算部10へ出力するようにしても良い。
図15は、本発明の実施の形態3に係る歩行者感知器の動作を示すフローチャートである。
以下、図15の各ステップに基づき、上記実施の形態1との相違点について説明する。
(S301)
演算部10は、車両用感知器4からの車両感知信号の入力の有無を判断する。
車両感知信号の入力がない場合には、ステップS301を繰り返す。
(S302)
一方、車両用感知器4が車両Cを感知し、車両感知信号が入力されると、演算部10は、所定時間の計時を開始する。
(S303)
演算部10は、車両感知信号の入力からの時間が、所定時間を経過したか否かを判断する。この所定時間は、車両用感知器4が車両Cを感知する車道210の所定位置と、検知領域Sとの距離Lに応じて予め設定される。例えば、制限速度などから車道210を走行する車両Cの速度を想定し、その速度で車両Cが距離Lを走行する時間を算出して所定時間として設定する。
所定時間を経過した場合には、ステップS301に戻る。
一方、所定時間を経過していない場合、すなわち、車両Cが検知領域Sへ向かっていると想定される時間の場合には、ステップS101に進む。
図16は、本発明の実施の形態3に係る歩行者感知器の動作を示すタイミングチャートである。また、図16(a)は、所定時間経過前に歩行者を感知した場合のタイミングチャートを示し、図16(b)は、所定時間経過後に歩行者を感知した場合のタイミングチャートを示している。
図16(a)に示すように、演算部10に車両感知信号が入力されると、所定時間を経過するまで保持する。そして所定時間の経過前に歩行者Mを感知すると、歩行者感知信号が出力される。
図16(b)に示すように、演算部10に車両感知信号が入力されると、所定時間を経過するまで保持する。所定時間の経過までに歩行者Mを感知せず、所定時間の経過後に歩行者Mを感知すると、歩行者感知信号は出力されない。
Claims (8)
- 歩道又は車道の上方に設置され、前記歩道と前記車道との境界を検知領域とし、前記検知領域に所定周波数の電磁波を照射してその反射波の周波数を検知するドップラーレーダーと、
前記ドップラーレーダーが検知した前記反射波の周波数に基づき、前記検知領域を前記歩道側から前記車道側に向かって通過する歩行者の有無を判断する演算部と、
前記演算部の判断に基づき、歩行者感知信号を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする歩行者感知器。 - 歩行者灯器の青色灯の消灯又は赤色灯の点灯を検知する灯色検知部を備え、
前記ドップラーレーダーは、前記歩行者灯器に対応する横断歩道における車道と歩道との境界を検知領域とし、
前記演算部は、
前記灯色検知部が前記歩行者灯器の青色灯の消灯又は赤色灯の点灯を検知し、かつ、前記検知領域を前記歩道側から前記車道側に向かって通過する歩行者が有りと判断したとき、前記歩行者感知信号を前記出力手段に出力させる
ことを特徴とする請求項1記載の歩行者感知器。 - 前記ドップラーレーダー、前記演算部、及び前記出力手段を収納する本体筐体を備え、
前記本体筐体は、前記歩行者灯器に設置され、
前記灯色検知部は、前記歩行者灯器の青色灯の上面又は近傍に設置され、前記青色灯の消灯を検知する
ことを特徴とする請求項2記載の歩行者感知器。 - 前記ドップラーレーダー、前記演算部、前記出力手段、及び前記灯色検知部は、前記歩行者灯器の筐体内に配置された
ことを特徴とする請求項2記載の歩行者感知器。 - 前記演算部は、
前記車道の所定位置を通過する車両を検知する車両用感知器からの車両感知信号が入力され、
前記車両感知信号が入力された後、前記検知領域と前記車道の所定位置との距離に応じて設定した所定の時間を経過するまでに、前記検知領域を前記歩道側から前記車道側に向かって通過する歩行者が有りと判断したとき、前記歩行者感知信号を前記出力手段に出力させる
ことを特徴とする請求項1記載の歩行者感知器。 - 前記ドップラーレーダーは、前記歩道の上方に設置され、
前記演算部は、
前記ドップラーレーダーが検知した前記反射波の周波数が、前記所定周波数より低い場合、前記検知領域を前記歩道側から前記車道側に向かって通過する歩行者が有りと判断する
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の歩行者感知器。 - 前記ドップラーレーダーは、前記車道の上方に設置され、
前記演算部は、
前記ドップラーレーダーが検知した前記反射波の周波数が、前記所定周波数より高い場合、前記検知領域を前記歩道側から前記車道側に向かって通過する歩行者が有りと判断する
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の歩行者感知器。 - 前記出力手段は、警報音を出力する警報装置により構成され、前記歩行者感知信号としての警報音を出力する
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の歩行者感知器。
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