JP2020003832A - 自動運転する車両の走行を制御するためのコンピュータ、車両、プログラムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動運転する車両の走行を制御する技術であって、車道に進入しうる歩行者などの安全性をよりいっそう向上させる技術を提供する【解決手段】自動運転する車両(40)の走行を制御する走行制御装置(10)が提供される。走行制御装置は、検出部(132)と、走行制御部(133)とを備える。検出部は、車道外(3)に設置されるセンサ装置(50)から出力される信号に応答して、車道外の人(4)の存在を検出する。走行制御部は、検出の結果に応答して、車両の走行を制御する。走行制御部は、車道外から車道(2)へ進入しようとしていることを検出した場合、車両の走行速度を減速させる、社外の人から遠ざかるよう走行車線を変更する、車両の走行経路を再探索する、等を行う。【選択図】図1

Description

本開示は、道路交通システムにおいて自動運転する車両の走行を制御するためのコンピュータ、車両、プログラムおよび方法に関する。
車両の運転を、人間である運転手によらず、自律的に運転させる自動運転の研究が盛んになされている。自動運転は、車両に搭載されたレーダー、カメラ等の各種センサにて車両の周囲を逐次監視して、車両を人の運転操作によらず目的地まで自動的に走行させる技術である。このようにして移動する車両は、自動運転車、または自動走行車などと呼称されている。
自動運転の技術において、自動運転車同士が衝突しないように安全性を向上させる技術が開発されてきている。このような安全性向上を前提としつつ、このような自動運転車が走行する道路交通システムに関する技術として、車両に乗車する利用者が、目的地まで円滑に到着できることを目的として、車両の渋滞を回避するための技術が、国際公開第2017/111127号(特許文献1)に記載されている。
国際公開第2017/111127号
特許文献1には、渋滞回避のための技術を開示するとともに、手動で運転したい運転手の要望にも応えて、自動運転車両と手動運転車両との共存を図る技術が開示されている。
一方で、車道には車道外の歩行者などが進入しうることから、これら歩行者の安全性を向上させる技術もまた重要である。自動運転車に搭載されたカメラ等の各種センサから得られる情報に基づき、自動運転車が自律的に歩行者との衝突を回避しようとする技術はあるが、安全性をよりいっそう向上させるための別の技術が必要とされている。
本開示は、自動運転する車両の走行を制御する技術であって、車道に進入しうる歩行者などの安全性をよりいっそう向上させる技術を提供することを目的とする。
本開示に係るコンピュータは、自動運転する車両の走行を制御するためのものである。コンピュータは、検出部と、制御部とを備える。検出部は、車道外に設置されるセンサ装置から出力される信号に応答して、前記車道外の人の存在を検出する。制御部は、前記検出の結果に応答して、前記車両の走行を制御する。
本開示に係る車両は、自動運転する車両であり、検出部と、制御部とを備える。検出部は、車道外に設置されるセンサ装置から出力される信号に応答して、前記車道外の人の存在を検出する。制御部は、前記検出の結果に応答して、前記車両の走行を制御する。
本開示に係るプログラムは、動運転する車両の走行を制御するためのコンピュータで実行される。プログラムは、コンピュータのプロセッサに、車道外に設置されるセンサ装置から出力される信号に応答して、前記車道外の人の存在を検出するステップと、前記検出の結果に応答して、前記車両の走行を制御するステップとを実行させる。
本開示に係る方法は、自動運転する車両の走行を制御するためのものである。方法は、コンピュータが、車道外に設置されるセンサ装置から出力される信号に応答して、前記車道外の人の存在を検出するステップと、前記検出の結果に応答して、前記車両の走行を制御するステップとを含む。
本開示の一態様によれば、自動運転車が走行する道路交通システムにおいて、車道に進入しうる歩行者などの安全性をよりいっそう向上させることができる、という効果を奏する。
本実施形態に示す道路交通システムにおける通信システム1の概略を示す図である。 各装置の構成を示す図である。 センサ装置50の構成を示す図である。 端末用ケース30の構成を示す図である。 センサ装置50の出力のログを示すセンサ出力ログのデータ構造を示す図である。 通信システム1の各装置の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<1.概要>
以下の実施形態では、自動運転車が走行する道路交通システムを例にして説明する。この道路交通システムでは、自動運転車は、当該自動運転車に搭載されるレーダー、カメラ等の情報の他に、各地に設置されるセンサ装置の出力を取得して、これら情報をもとに走行を制御する。ここで、センサ装置は、車道外に複数設置されており、歩行者などを検出する。
<1.1 道路交通システムにおけるセンサ装置50の設置例>
図1は、本実施形態に示す道路交通システムにおける通信システム1の概略を示す図である。図1に示すように、道路交通システムにおいて、車道2に、自動運転車である車両40(図1では、車両40A、40B、・・・と複数の自動運転車を示す。これらを総称して、以下「車両40」と記載する)が運転手によらず自律的に走行している。
車道外3には、多数の人物(人物4A、4B、・・・(以下、「人物4」と総称することもある))が歩行などにより移動している。車道外3にいる人物4の中には、車道2へ進入しようとしているものもいる。また、車道外3には、複数のセンサ装置50A、50B、・・・(以下、「センサ装置50」と総称することもある)が設置されている。センサ装置50は、車道外3の歩行者などの人物4が存在していることを検出するものであり、例えば、人感センサ、距離センサなどである。人が存在していることを検出する方式として、例えば、赤外線を照射する方式、カメラの撮影画像から人物を検出する方式その他の方式がある。センサ装置50は、車道外3において、地面に埋め込むように設置することとしてもよいし、ポールや標識などの路上の設置物に取り付けることとしてもよいし、街灯など人物4の身長よりも高い位置に設置することとしてもよい。
図1の例では、車道2に沿ってセンサ装置50を車道外3に設置している。センサ装置50は、人物4が交差点や歩道や路側帯から車道へ進入することを検出するのに好適な位置に設置されている。例えば、センサ装置50は、車道2の端部、または車道外側線に沿って車道外3に設置される。図示するように、車道2に近接するようにセンサ装置50を設置することとしてもよいし、車道2から一定距離をあけて車道外3にセンサ装置50を設置することとしてもよい。
<1.2 車両40が対応する通信ネットワーク>
センサ装置50は、人が存在していることを検出し、検出結果を、車両40など他の装置へ送信する。センサ装置50は、その検出結果を、センサ装置50の出力結果を集約するサーバ20(後述する)に送信する。または、道路交通システムに設置されるセンサ装置50それぞれの設置箇所に応じて、無線メッシュネットワークが形成されていることとしてもよい。センサ装置50は、車両40など他の装置からの要求に応答して、その検出結果を、メッシュネットワークにより送信することとしてもよい。
センサ装置50は、センサ装置50の識別情報と対応付けてデータを出力する。センサ装置50の識別情報とは、MAC(Media Access Control)アドレスなどセンサ装置50を一意に識別する情報であってもよいし、センサ装置50が設置される位置(例えば、どの交差点に設置されているか、緯度経度、その他の情報)を示す情報であってもよい。
車両40は、後述する走行制御装置10により、その走行が制御される。走行制御装置10は、(A)車両40に搭載される車両搭載機器、または、(B)車両40に搭乗するユーザが所有するスマートフォンなどの無線通信端末29、あるいは、(C)無線通信端末29および当該無線通信端末29の装着を受け付ける端末用ケース30(後述する)、などにより実現される。
走行制御装置10は、センサ装置50から出力される信号を取得して、センサ装置50の出力結果に基づいて、車両40の走行を制御する。より具体的には、走行制御装置10は、車道外3から車道2へと進入しようとする人物4を、センサ装置50の出力結果に基づき検出する。走行制御装置10は、車両40が、当該車道2へ進入しようとする人物4と接触して重大な事故を起こしてしまわないように、(i)車両40の速度を減速または加速させる、(ii)車両40が走行中の車線を別の車線へ変更する、(iii)車両40が走行する経路自体を再探索して変更するなどの走行制御を行う。
走行制御装置10は、複数の通信方式に対応している。例えば、走行制御装置10は、4Gなどの移動体通信システムの通信方式に対応しており、SIMカード(Subscriber Identity Module Card)に記録されたID番号などに基づいて、無線基地局80と通信する。これにより、走行制御装置10は、サーバ20から、センサ装置50の出力結果を取得する。この他に、走行制御装置10は、無線メッシュネットワークに対応した通信方式により、センサ装置50の出力結果を受信することとしてもよい。走行制御装置10は、通信方式としては、例えば、LoRa(LPWA(Low Power Wide Area)の一種であり、LoRaAlliance(登録商標)により提案されている通信方式)方式、Wi−SUN(Wireless Smart Utility Network)方式などのサブギガヘルツ帯の通信方式に対応する。
走行制御装置10は、複数の通信方式を切り替えて、センサ装置50の出力結果を取得することとしてもよい。例えば、走行制御装置10は、車両40が走行を予定している走行経路上のセンサ装置50のうち、車両40から一定距離以内のセンサ装置の出力結果についてはメッシュネットワークを介して出力結果を取得し、一定距離を超えたセンサ装置の出力結果については移動体通信システム(4Gなど)により出力結果を取得することとしてもよい。すなわち、車両40から遠い地点のセンサ装置50については、移動体通信システムの通信方式により出力結果を取得する。また、車両40が走行を予定している走行経路は、法定速度(車両40の速度の制限)も様々であることが想定される。車両40の現在地から、車両40の走行速度に基づき一定時間内(例えば、数分以内、10数分以内など)に到達する地点にあるセンサ装置50についてはメッシュネットワークを介して出力結果を取得し、一定時間を超えて到達する地点については移動体通信システムにより出力結果を取得することとしてもよい。
<2.構成>
図2は、各装置の構成を示す図である。図2(A)には、車両40と、サーバ20の構成について示している。図2(B)には、車両搭載機器以外の走行制御装置10の例として、スマートフォンなどの無線通信端末29と、端末用ケース30とにより構成する例を示す。当該端末用ケース30は、当該無線通信端末29に装着するものであり、Wi−SUN方式など、無線通信端末29が対応していない周波数帯(サブギガ帯など)による無線通信機能を有する。
サーバ20は、通信IF(Interface)22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
サーバ20は、センサ装置50から信号を受信して、センサ装置50の出力結果をストレージ26に保存する。センサ装置50は、その出力結果を、定期的にサーバ20へ送信する。
車両40は、車両の走行を制御するための走行制御装置10を含む。走行制御装置10は、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータシステムである。走行制御装置10は、通信部110と、記憶部120と、走行制御部130とを含む。
通信部110は、走行制御装置10が他の装置と通信をするためのインタフェースである。通信部110は、アンテナ、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。通信部110は、アンテナを介して信号を送受信するための変復調処理部を含む。
走行制御装置10は、複数の通信方式に対応している。図2の例では、走行制御装置10は、第1の通信方式に対応した通信部110Aと、第2の通信方式に対応した通信部110Bとを含むものとして示している。例えば、通信部110Aは、SIMカード装着部を備え、移動体通信システムに対応した通信方式により通信する。通信部110Bは、センサ装置50などにより構成されるメッシュネットワークと通信接続する。
記憶部120は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、走行制御装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部120は、センサ出力ログ121を記憶する。
走行制御部130は、経路決定部131と、検出部132と、走行制御部133とを含む。走行制御部130は、センサ装置50の出力結果を、サーバ20またはメッシュネットワークから取得してセンサ出力ログ121として記憶部120に記憶させる。
経路決定部131は、車両40の走行経路を、現在値と目的地との設定に従って決定する、ナビゲーションシステムである。走行制御装置10は、GPS(Global Positioning System)などにより車両40の現在地の位置情報を取得する。従来のカーナビゲーションシステムの機能として提供されているものと同等のアルゴリズムにより、車両40が走行すべき道路を示す走行経路を探索することとしてもよい。
検出部132は、センサ出力ログ121に基づいて、車道外3の人の存在を検出する。検出部132は、経路決定部131によって決定された走行経路に沿って車道外に設置されるセンサ装置50を特定し、特定したセンサ装置50の出力結果に基づいて、走行経路の車道外3の人の存在を検出する。走行制御装置10は、走行経路上のセンサ装置50を特定して、特定したセンサ装置50の出力結果をサーバ20等から取得することとしてもよいし、サーバ20から取得したセンサ装置50の出力結果のうち、走行経路上にあるセンサ装置50を特定することとしてもよい。
走行制御部133は、検出部132の検出結果に応答して、車両40の走行を制御する。具体的には、(i)走行制御部133は、検出部132の検出結果に応答して、車両40の走行を減速または加速させる。(ii)また、走行制御部133は、検出部132の検出結果に応答して、車両40が走行する走行車線を変更する。(iii)また、走行制御部133は、検出部132の検出結果に応答して、車両40の走行経路を再探索して、走行経路を変更させる。
例えば、車両40が、法定速度ではあるが急停車が困難な速度で走行しているとする。この場合に、(i)走行制御部133は、車道外3の人の存在を検出したセンサ装置50があると、車両40が、当該センサ装置50が設置されている位置に近づくにつれて(例えば、車両40から当該センサ装置50が設置されている位置までの距離が一定以下(例えば、200メートル以内、500メートル以内、など))、車両40を減速させる。例えば、走行制御部133は、車両40を徐行させるために、車道外3から人が車道2に進入してきたとしても、人に衝突または重大な外傷を与えないように直ちに停車できる速度に車両40を減速させる。
(ii)走行制御部133は、車道外3の人の存在を検出したセンサ装置50があると、車両40が、当該センサ装置50が設置されている位置に近づくにつれて、人との衝突を回避するために、車道外3から遠ざかるように走行車線を変更する。例えば、歩道と接する車道から、そうではない車道へ走行車線を変更する。
(iii)走行制御部133は、車道外3の人の存在を検出したセンサ装置50があると、そのセンサ装置50が設置されている車道や交差点を特定する。当該車道や交差点を通過しないように、経路決定部131に、車両40が目的地に達するまでの走行経路を再計算させる。そして、走行制御部133は、走行経路を、この再計算によって得られた走行経路に変更する。
図3は、センサ装置50の構成を示す図である。図3では、一例として、センサ装置50のうち、第1センサ装置50Aのブロック図を示す。
図3に示すように、第1センサ装置50Aは、アンテナ511と、無線通信部521と、各種のセンサ550(距離センサ551、人感センサ552など)と、記憶部580と、制御部590と、を含む。図3に示すように、センサ装置50に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
アンテナ511は、第1センサ装置50Aが発する信号を電波として放射する。また、アンテナ511は、空間から電波を受信して受信信号を無線通信部521へ与える。
本実施形態では、第1センサ装置50Aは、移動体通信システム、または、サブギガヘルツ帯の周波数の無線信号により信号を送受信可能に構成されている。LoRa方式やWi−SUN方式などサブギガヘルツ帯の通信方式であれば、無線信号の送受信において2.4GHz帯の無線信号よりも遮へい物などの影響を受けにくくなり、センサネットワークの設計の自由度がより高まる。
無線通信部521は、第1センサ装置50Aが他の無線機器と通信するため、アンテナ511を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。サブギガ無線通信部521は、チューナー、RSSI算出回路、CRC算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。サブギガ無線通信部521は、センサ装置50が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部590へ与える。
センサ550は、第1センサ装置50Aに搭載される各種のセンサを含み、図5に示すセンサ装置以外にも様々なセンサ装置を含み得る。
距離センサ551は、センサと物体との距離を測定するためのセンサである。例えば、測距センサ551は、赤外線を発して受信までの時間を計測する等の光学的な手法により、物体との距離を測定する。
人感センサ552は、人間の所在を検知するためのセンサである。赤外線、超音波、可視光などが用いられる。
記憶部580は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、第1センサ装置50Aが使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部580は、センサ出力情報582と、装置識別情報584とを記憶する。
センサ出力情報582は、第1センサ装置50Aに搭載される各種センサ装置の検知結果のログを示す情報である。
装置識別情報584は、第1センサ装置50Aを識別するための情報であり、例えば、第1センサ装置50AのMACアドレスである。サーバ20または走行制御装置10は、第1センサ装置50Aを識別する情報と、第1センサ装置50Aのセンサ出力情報582とを対応付けて記憶することで、複数のセンサ装置それぞれの検知結果のログをセンサ装置ごとに管理することができる。
制御部590は、記憶部580に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、第1センサ装置50Aの動作を制御する。制御部590は、例えばプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、センサ出力送信部592と、センサ出力取得部593としての機能を発揮する。
センサ出力送信部592は、センサ550の各種センサの検知結果を、サーバ20、走行制御装置10等の他の装置へ送信する処理を行う。センサ出力送信部592は、サーバ20等からの要求に応じて、センサ出力情報582として蓄積されるログを、逐次、読みだしてサーバ20等へ送信する。
センサ出力取得部593は、センサ550の各種センサ装置の駆動を制御して、これらセンサ装置が検知する検知結果のデータを取得する。センサ出力取得部593は、取得した検知結果をセンサ出力情報582として記憶部580に記憶させる。
図4は、端末用ケース30の構成を示す図である。
図4に示すように、端末用ケース30は、複数のアンテナ(アンテナ311、アンテナ312)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部321、第2無線通信部322)と、電力供給制御部340と、バッテリ342と、装着受付機構350と、記憶部380と、制御部390と、を含む。図4に示すように、端末用ケース30に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
アンテナ311は、端末用ケース30が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ311は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部321へ与える。
アンテナ312は、端末用ケース30が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ312は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部322へ与える。
第1無線通信部321は、端末用ケース30が他の無線機器と通信するため、アンテナ311を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部321は、端末用ケース30が他の無線機器と通信するため、アンテナ312を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部321と第2無線通信部322とは、チューナー、RSSI算出回路、CRC算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部321と第2無線通信部322とは、端末用ケース30が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部390へ与える。
このように、本実施形態では、端末用ケース30は、複数の無線通信規格に対応している。例えば、第1無線通信部321は、LoRa方式、Wi−SUN方式などサブギガヘルツ帯の周波数での無線通信に対応する通信モジュールである。第2無線通信部322は、IEEE802.11などの無線LAN規格、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信の通信規格に対応する通信モジュールである。端末用ケース30は、センサ装置50から、センサ装置50の検知結果を、サブギガヘルツ帯の周波数の無線信号としてアンテナ311で受信し、第1無線通信部321で復調処理などを行う。また、端末用ケース30は、端末用ケース30に装着される無線通信端末29と信号を送受信する場合に、第2無線通信部322により信号の変復調処理を行って、アンテナ312を介して信号を送受信する。
電力供給制御部340は、バッテリ342から端末用ケース30の各回路への電力の供給を制御するモジュールである。
装着受付機構350は、端末用ケース30がスマートフォンなどの無線通信端末29の装着を受け付けるための機構である。例えば、端末用ケース30がスマートフォンなどの保護ケースとして実現される場合、装着受付機構350は、端末用ケース30から無線通信端末29が容易に脱着することのないよう物理的に無線通信端末29を保持する部材である。装着受付機構350は、無線通信端末29と端末用ケース30とが電気的に接続するための機構を有していてもよい。例えば、装着受付機構350は、無線通信端末29がUSB(Universal Serial Bus)接続用の端子を有する場合に、無線通信端末29の端子に対応した接続用の端子として実現される。端末用ケース30がスマートフォンなどの端末を充電しつつ端末を保持するクレイドルとして実現される場合、装着受付機構350は、端末に充電するための端子部分を含み得る。
記憶部380は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末用ケース30が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部380は、センサ出力情報382と、認証用情報384とを記憶する。
センサ出力情報382は、端末用ケース30がセンサ装置50と通信し、センサ装置50の検知結果を受信した場合に、この検知結果のログを示す。
認証用情報384は、端末用ケース30と無線通信端末29とがコネクタ等により接続される場合に、無線通信端末29が端末用ケース30を認証するための情報を含む。例えば、端末用ケース30と無線通信端末29とがコネクタ等により電気的に接続した場合に、無線通信端末29が端末用ケース30に対して認証用の情報を要求し、端末用ケース30が認証用の情報を応答する。無線通信端末29は、コネクタ等による機器の接続を無制限に受け付けるのではなく一定の範囲内に制限したい場合に、コネクタ等による接続を受け付けることを許可する機器の識別情報のリストなどを保持し得る。無線通信端末29は、機器から取得した認証用の情報と、リストに示される識別情報とを照合することで、コネクタを介しての機器の接続を許可するか拒否するかを判断し得る。
制御部390は、記憶部380に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末用ケース30の動作を制御する。制御部390は、例えばプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、送受信部392と、データ処理部393としての機能を発揮する。
送受信部392は、端末用ケース30が、センサ装置50から信号を受信する処理、無線通信端末29と信号を送受信する処理その他のデータを送受信するための処理を行う。
データ処理部393は、端末用ケース30が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部393は、センサ装置50に、当該センサ装置50の検知結果を送信するよう要求をし、要求に対する応答としてセンサ装置50の検知結果を受信し、受信した検知結果をセンサ出力情報382として記憶部380に記憶させる処理を行う。また、データ処理部393は、無線通信端末29と通信し、無線通信端末29からセンサ出力情報382を無線通信端末29に送信するよう要求を受け付けて、センサ出力情報382を無線通信端末29に送信する処理を行う。
図5は、センサ装置50の出力のログを示すセンサ出力ログ182のデータ構造を示す図である。図5に示すように、センサ出力ログ182は、センサ50を識別する情報(センサID)と、センサ50の設置位置を示す情報と、センサ50の出力結果を示す情報と、センサ50の出力がされた日時を示す情報とを含む。
図6は、通信システム1の各装置の動作を示すフローチャートである。図6の例では、走行制御装置10が、サーバ20に集約されたセンサ装置の出力結果を取得して、車両40の走行を制御する例について説明する。
ステップS501にて、走行制御装置10の走行制御部130は、取得すべきセンサ装置50の出力結果を特定するために、車両40の現在地と目的地により定まる走行経路を参照する。走行制御部130は、車両40が走行を予定する走行経路のうち、参照すべきセンサ装置50の範囲を特定する。走行制御部130は、例えば、車両40が走行経路において現在値から一定距離内(例えば、数キロメートル)の範囲を特定する。走行制御部130は、特定した範囲内のセンサ装置50の出力結果をサーバ20に要求する。
ステップS551にて、サーバ20は、走行制御装置10から、センサ装置50の出力結果の要求を受け付けると、センサ装置50の出力結果を走行制御装置10へ応答する。
ステップS503にて、走行制御部130は、サーバ20から、センサ装置50の出力結果を受信すると、当該センサ装置50の出力結果において、車道外3に人が存在しているか否か、および、車道外3に人が存在している地点を特定する。
走行制御装置10は、例えば、人が存在しているセンサ装置50の設置個所を、車道外3に人が存在している地点として特定してもよい。また、センサ装置50が車道に沿って設置され、センサと人との距離を計測可能(よって、車道外3にいる人が車道にどの距離まで接近しているかを検出可能)な距離センサであるとする。この場合、走行制御装置10は、車道外3の人が車道に一定距離以内(例えば、数メートル)まで接近している場合に、車道外3に人が存在していると検出し、当該センサ装置50の設置個所を、車道外3に人が存在している地点として特定してもよい。
また、走行制御装置10は、センサ装置50の出力結果に基づいて、車道外3から車道2へと人が進入しようとしていることを検出することとしてもよい。例えば、センサ装置50が、車道2の端部または車道外側線に沿って車道外3に設置され、人との距離を計測可能であるとする。また、車道外3から車道2へと人が近づいていくことを、距離センサで計測可能であるとする。この場合、走行制御装置10は、センサ装置50の出力結果に基づいて、交差点、歩道または路側帯から車道2への人の進入を検出することができる。
ステップS505にて、走行制御部130は、車両40が走行を予定している走行経路において、車道外3の人の存在を検出するか、車道外3から車道2へと人が進入しようとしていることを検出すると、当該検出されたセンサ装置50の設置箇所と、車両40の現在地とに基づいて、車両40の走行を制御する。例えば、車両40の現在地から、当該検出がされたセンサ装置50の設置箇所まで走行を予定する距離が一定距離以下(例えば、1キロメートル以下など)になったことに応答して、走行制御装置10は、車両40を(i)減速させてから当該センサ装置50の設置箇所を走行させ、当該設置箇所を通過すると車両40を加速させるか、(ii)車両40の走行車線を、車道外3から遠ざかるように変更させるか、(iii)当該検出がされたセンサ装置50の設置個所を走行しないように走行経路を再計算させ、再計算結果に従って走行経路を変更させる、などの走行制御を行う。
走行制御装置10は、以上の処理を、周期的に実行することで、自動運転車である車両40の走行を制御する。なお、上記の動作例の説明では、走行制御装置10がサーバ20からセンサ装置50の出力結果を取得する例を示しているが、上記のように走行制御装置10がメッシュネットワークに接続することによりセンサ装置50から出力結果を取得することとしてもよい。
<変形例>
(1)走行制御装置の制御対象: 上記の実施形態の説明では、走行制御装置10が走行を制御する車両40は、自動運転する乗用車であるものとして図1等で説明した。
これに限らず、走行制御装置10が走行を制御する対象は、バスなど乗用車よりも多くの人員が乗車可能な大型車両であるとしてもよい。走行制御装置10は、例えば、予め定められたルートを周回するような運行バスの走行を制御することとしてもよい。これにより、人身事故の防止をよりいっそう推し進めることができる。
この他にも、走行制御装置10が走行を制御する対象は、電車などであるとしてもよい。電車が車道を走行する場合に、走行制御装置10により、車道に進入しようとしている歩行者などを検出して、電車の走行速度を減速させる等の走行制御を行うことができる。これにより、人身事故の防止をよりいっそう推し進めることができる。また、電車が車道ではなく鉄道専用の線路に設置されたレールを走行する場合も、これら線路に沿ってセンサ装置50を設置することで、線路に進入しようとする歩行者などを検出部132により検出することができる。これにより、走行制御装置10が、電車を減速または加速させるなどの走行の制御をすることとしてもよい。
(2)自動運転モードと手動運転モードの並存: 上記の実施形態で説明した車両40は、自動運転により走行する第1のモード(自動運転モード)と、運転手が手動で運転する第2のモード(手動運転モード)とを切り替え可能な車両であるとしてもよい。この場合、走行制御装置10は、第1のモードの場合に車両40の走行を制御し、第2のモードの場合は走行を制御せず運転手の意図した通りに車両40を走行させることができる。
なお、走行制御装置10は、車両40が第2のモードである場合も、上記の検出部132の処理により、車道外3に設置されるセンサ装置50から出力される信号に応答して、車道外の人物4を検出した場合に、その旨を運転手に音声、画像、振動などにより通知することとしてもよい。例えば、走行制御装置10がディスプレイ、スピーカ、バイブレータ等を備える場合に、これら装置により、通知内容として「走行予定の道路の200メートル先に、車道に進入しようとしている歩行者がある」などの音声出力、画像表示により通知をすることができる。
また、走行制御装置10は、車両40が第2のモードである場合も、検出部132の検出結果に応じて、車両の走行を変更すること(車両40を減速または加速させる、走行車線を変更する、走行経路を変更させる)を運転手に音声、画像、振動などにより提案することとしてもよい。この場合、運転手が車両の走行を変更することに同意する旨の入力があると、走行制御装置10が上記の車両40の走行を制御することとしてもよい。例えば運転手が音声入力(運転手による「OK」などの意思表示を示す音声)により、走行制御装置10の提案内容に同意する旨の入力をすること等があり得る。
<付記>
本実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1):
本実施形態では、自動運転する車両(40)の走行を制御するためのコンピュータ(10)について説明した。コンピュータは、車道外(3)に設置されるセンサ装置(50)から出力される信号に応答して、車道外の人(4)の存在を検出する検出部(132)と、検出の結果に応答して、車両の走行を制御する制御部(133)とを備える。
(付記2):(付記1)において、センサ装置(50)は、車道(2)の端部または車道外側線に沿って車道外(3)に設置される人感センサまたは距離センサである。検出部(132)は、センサ装置の信号に応答して、交差点、歩道または路側帯から車道への人(4)の進入を検出する。制御部(133)は、車道への人の進入を検出したことに応答して、車両の走行を制御する。
(付記3):(付記2)において、制御部(133)は、検出の結果に応答して、車両(40)を減速または加速させる。
(付記4):(付記2)において、制御部(133)は、検出の結果に応答して、車両(40)の走行車線を変更させる。
(付記5):(付記2)において、制御部(133)は、検出の結果に応答して、車両(40)の走行経路を変更させる。
(付記6):(付記1)から(付記5)のいずれかにおいて、検出部(132)は、車両(40)が走行を予定する車道の候補を特定し(131)、当該特定される車道外(3)に設置されるセンサ装置(50)の出力に基づき検出を行うように構成されている。
(付記7):(付記1)から(付記6)のいずれかにおいて、検出部(132)は、センサ装置(50)から出力される信号を、移動体通信システムに対応した第1の通信方式、または、メッシュネットワークに対応した第2の通信方式により受信する。
(付記8):(付記7)において、制御部(133)は、車両(40)のナビゲーションシステムにより目的地と設定される地点までの走行距離に基づいて、第1の通信方式と第2の通信方式のいずれを優先してセンサ装置(50)から出力される信号を受信するかを決定する。
(付記9):
本実施形態では、自動運転する車両(40)について説明した。車両は、車道外(3)に設置されるセンサ装置(50)から出力される信号に応答して、車道外の人(4)の存在を検出する検出部(132)と、検出の結果に応答して、車両の走行を制御する制御部(133)とを備える。
(付記10):
本実施形態では、自動運転する車両(40)の走行を制御するためのコンピュータ(10)で実行されるプログラムについて説明した。プログラムは、コンピュータのプロセッサに、車道外(3)に設置されるセンサ装置(50)から出力される信号に応答して、車道外の人(4)の存在を検出するステップと、検出の結果に応答して、車両の走行を制御するステップとを実行させる。
(付記11):
本実施形態では、自動運転する車両(40)の走行を制御するための方法について説明した。この方法は、コンピュータ(10)が、車道外(3)に設置されるセンサ装置(50)から出力される信号に応答して、車道外の人(4)の存在を検出するステップと、検出の結果に応答して、車両の走行を制御するステップとを含む。
1 通信システム、2 車道、3 車道外、4 人物(歩行者)、10 走行制御装置、20 サーバ、30 端末用ケース(通信デバイス)、40 自動運転車、50 センサ装置、80 無線基地局、110 通信部、120 記憶部、130 走行制御部、131 経路決定部、132 検出部、133 走行制御部。

Claims (11)

  1. 自動運転する車両の走行を制御するためのコンピュータであって、
    車道外に設置されるセンサ装置から出力される信号に応答して、前記車道外の人の存在を検出する検出部と、
    前記検出の結果に応答して、前記車両の走行を制御する制御部とを備える、コンピュータ。
  2. 前記センサ装置は、車道の端部または車道外側線に沿って前記車道外に設置される人感センサまたは距離センサであり、
    前記検出部は、前記センサ装置の信号に応答して、交差点、歩道または路側帯から前記車道への人の進入を検出し、
    前記制御部は、前記車道への人の進入を検出したことに応答して、前記車両の走行を制御する、請求項1に記載のコンピュータ。
  3. 前記制御部は、前記検出の結果に応答して、前記車両を減速または加速させる、請求項2に記載のコンピュータ。
  4. 前記制御部は、前記検出の結果に応答して、前記車両の走行車線を変更させる、請求項2に記載のコンピュータ。
  5. 前記制御部は、前記検出の結果に応答して、前記車両の走行経路を変更させる、請求項2に記載のコンピュータ。
  6. 前記検出部は、前記車両が走行を予定する車道の候補を特定し、当該特定される車道外に設置される前記センサ装置の出力に基づき前記検出を行うように構成されている、請求項1から5に記載のコンピュータ。
  7. 前記検出部は、前記センサ装置から出力される信号を、移動体通信システムに対応した第1の通信方式、または、メッシュネットワークに対応した第2の通信方式により受信する、請求項1から6に記載のコンピュータ。
  8. 前記制御部は、前記車両のナビゲーションシステムにより目的地と設定される地点までの走行距離に基づいて、前記第1の通信方式と前記第2の通信方式のいずれを優先して前記センサ装置から出力される信号を受信するかを決定する、請求項7に記載のコンピュータ。
  9. 自動運転する車両であって、
    車道外に設置されるセンサ装置から出力される信号に応答して、前記車道外の人の存在を検出する検出部と、
    前記検出の結果に応答して、前記車両の走行を制御する制御部とを備える、車両。
  10. 自動運転する車両の走行を制御するためのコンピュータで実行されるプログラムであって、前記コンピュータのプロセッサに、
    車道外に設置されるセンサ装置から出力される信号に応答して、前記車道外の人の存在を検出するステップと、
    前記検出の結果に応答して、前記車両の走行を制御するステップとを実行させる、プログラム。
  11. 自動運転する車両の走行を制御するための方法であって、
    コンピュータが、車道外に設置されるセンサ装置から出力される信号に応答して、前記車道外の人の存在を検出するステップと、
    前記検出の結果に応答して、前記車両の走行を制御するステップとを含む、方法。
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