JP2012252645A - 歩行者端末装置、コンピュータプログラム、及び、情報報知方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歩行者端末装置1は、自身が存在している領域を特定する特定部25と、周囲の車載装置から当該車載装置の位置を示す位置情報を取得する取得部26と、位置情報に基づいて車載装置が近くに存在していることを示す存在情報を報知する処理を行う処理部24とを備えている。処理部24は、特定部25によって特定された自身の存在領域に応じて、存在情報の報知を中止する制限処理を行う。
【選択図】 図3
Description
かかる高度道路交通システムは、主として、インフラ側の無線通信装置である複数の路側装置と、車両に搭載される無線通信装置である複数の車載装置とによって構成される。
この場合において、車両93,94双方の情報を歩行者端末装置91が受信し、双方の情報が当該歩行者端末装置91によって歩行者90に報知されると、歩行者90は、双方の車両93,94に対して注意をはらうこととなり、歩行者90にとってより危険性の高い車両93に対する注意が低下する可能性がある。
また、特に、近くに存在している車両(車載装置)の数が多くなると、車載装置から歩行者端末装置91が受ける情報がさらに増えることから、その情報の報知が煩雑となり、安全面に欠けるものとなるおそれがある。
この場合、車載装置が近くに存在していることを示す存在情報を報知することが可能となるが、特定された自身の存在領域に因っては、前記制限処理が実行される。
そこで、前記特定部によって、自身の存在領域が、交通信号機の設置されている交差点内又は当該交差点の近傍であると特定されると、前記処理部は前記制限処理を実行するのが好ましい。
そこで、前記特定部によって、自身の存在領域が、交通信号機の設置されていない交差点内又は当該交差点の近傍であると特定されると、前記処理部は、前記存在情報を報知する処理を実行するのが好ましい。
この場合、建物内では、外を走行する車両との関係で歩行者は安全であるため、周囲の車載装置の存在情報の報知を中止してもよい又はその報知の頻度を低減してもよい。
そこで、前記特定部によって、自身の存在領域が乗物内であると特定されると、前記処理部は、前記制限処理を実行するのが好ましい。
本発明のコンピュータプログラムがコンピュータを歩行者端末装置として機能させることで、自身が存在している領域が特定され、また、周囲の無線通信装置から当該無線通信装置の位置情報が取得されると、当該位置情報に基づいて前記無線通信装置が近くに存在していることを示す存在情報を報知することが可能であるが、特定された自身の存在領域に応じて、前記存在情報の報知を中止又は報知の頻度を低減する制限処理が実行される。このため、周囲に無線通信装置が増えても、自身の存在領域に因っては前記制限処理が実行され、歩行者端末装置が歩行者に対して行う情報の報知が、煩雑となるのを防ぐことができる。
〔システムの全体構成〕
図1は、高度道路交通システム(ITS)の全体構成を示す概略図である。この高度道路交通システムは、交通信号機13、無線通信装置である路側装置10、無線通信装置である車載装置8、車載装置8を搭載した車両41、無線通信装置であり歩行者Hが所持する歩行者端末装置1、及び、中央装置9を含む。
中央装置9は、ワークステーション(WS)やパーソナルコンピュータ(PC)等よりなる制御部を有しており、この制御部は、路側装置10からの各種の交通情報の収集・処理(演算)・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行う。
各車載装置8は、車両41に搭載されることから移動するが、その周囲に広がる通信エリアを形成し、自身の通信エリア内を歩行している歩行者の歩行者端末装置1との間において無線通信が可能である。また、車載装置8は、通信エリアが重複する状態で、他の車載装置8とも無線通信が可能である。
つまり、本実施形態の高度道路交通システムには、路側装置10と車載装置8とが行う路車(又は車路)間通信と、車載装置8同士が行う車車間通信と、歩行者端末装置1と路側装置10とが行う歩路(又は路歩)間通信と、歩行者端末装置1と車載装置8とが行う歩車(又は車歩)間通信と、が含まれる。
この交差点J4には、車道38を横断するための横断歩道50、及び、この横断歩道50を歩行する歩行者が従うべき歩行者用信号機51が設置されている。さらに、交差点J4の手前の停止線で停止する必要がある車両が従うべき車両用信号機52も設置されている。これら歩行者用信号機51と車両用信号機52とを合わせて交通信号機13と呼ぶ。
図3は、路側装置10及び車載装置8を示すブロック図である。なお、歩行者端末装置1のブロック図を図4に示す。
図3において、車載装置8は、無線通信するためのアンテナ71に接続された通信部72と、この通信部72に対する通信制御を行うプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)等よりなる制御部73と、この制御部73に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部74とを備えている。
さらに、車載装置8は、自身の現在位置を示す位置情報を取得する位置取得部75を備えている。位置取得部75は、例えばGPS測位部を有しており、GPS測位部はGPS衛星からの電波を受信し自身の現在位置を測位する。また、位置取得部75は、方位センサ及び加速度センサを有しており、これらセンサの出力に基づいて移動方向、移動速度、及び、移動距離を検出することもできる。
路側装置10は、無線通信するためのアンテナ61が接続された無線通信部62と、中央装置9及び信号制御機12と双方向通信する有線通信部63と、これらの通信制御を行うプロセッサ等よりなる制御部64と、制御部64に接続されたROMやRAM等の記憶装置よりなる記憶部65とを備えている。
歩行者端末装置1は、歩行者によって所持される装置であり、自身(歩行者端末装置1を所持している歩行者)の位置を測位し、測位して得られた位置情報に基づいて地図上における自身の位置(現在位置)を推定することができる。また、この歩行者端末装置1は、自身の位置(つまり、歩行者の歩行位置)及びその周囲の道路地図を表示可能であり、この表示を、当該歩行者端末装置1を携帯している歩行者が見ることにより、歩行者を案内することができる。
さらに、この歩行者端末装置1は、自身の位置から目的地までの歩行経路を検索する機能も有している。そして、歩行者端末装置1は、検索した歩行経路を、当該歩行者端末装置1を携帯している歩行者に対して歩行時に報知することで、歩行者を案内することができる。
なお、このコンピュータプログラムの販売・譲渡は、当該コンピュータプログラムがネットワーク経由でダウンロード可能に格納されたサーバから、歩行者端末装置1にダウンロードされることで行うことができる。また、このコンピュータプログラムは、CD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体に格納されて販売、譲渡されるものであってもよい。中央処理部2の各機能部については、後に説明する。
ディスプレイ7aに表示する前記存在情報としては、例えば、図2の交差点J13を示している図5の歩行者端末装置1の説明図に示しているように、歩行者Hの近くに存在している2台の車両(41−1,41−2)の画像と「車両接近」の文字との情報である。なお、前記存在情報としては、2台の車両(41−1,41−2)の画像と「車両接近」の文字とのうちの一方であってもよい。そして、この情報の出力は、所定時間毎に実行される。例えば、5秒毎に前記表示がされる。
この存在情報は、歩行者端末装置1を保持する歩行者に安全歩行を行わせるための情報であり、車両が接近していることを示す他の種類の情報であってもよい。
そして、位置取得部4によって取得された現在位置(前記位置情報)に基づいて、現在位置及びその周囲の地図(地図情報)が、ディスプレイ7aに表示され、歩行者に対して経路案内がされる。なお、本実施形態における経路案内には、目的地までの経路が検索された経路を地図上に表示する場合の他に、目的地が設定されないで(つまり、経路検索されないで)現在位置及びその周囲の地図を表示する場合を含む。
図4において、中央処理部2は、その機能部として、経路検索部21、処理部24、特定部25、及び、取得部26を有している。
例えば、図2に示しているように、歩行者Hが所持している歩行者端末装置1が、その周囲を走行する車両41−1に搭載の車載装置8の通信エリア内、及び、その周囲を走行する車両41−2に搭載の車載装置8の通信エリア内に存在している場合、これら車両41−1,41−2それぞれに搭載の車載装置8から送信された車両情報を、歩行者端末装置1(通信部6)は受信することができる。
さらに、車両情報には、移動方向についての情報も含まれている。したがって、取得部26は、車両41−1(車載装置8)の進行方向に関する情報と、車両41−2(車載装置8)の進行方向に関する情報とについても取得することができる。
なお、車両情報には、車両(車載装置8)を識別する識別情報も含まれており、受信した車両情報がどの車両(車載装置8)についての情報であるか、受信側は判別することができる。
このために、処理部24は、周囲の車両(41−1,41−2)それぞれの前記位置情報と、自身の現在位置を示す位置情報とに基づいて、当該車両(41−1,41−2)それぞれと自身との間の距離を求めることができる。そして、求めた距離が、予め設定されている閾値よりも小さいと、処理部24が判断した場合、車両(41−1,41−2)それぞれが自身の現在位置に「所定の範囲」内で接近しているとみなし、前記存在情報を、ディスプレイ7aとスピーカ7bとの一方又は双方を通じて、歩行者に対して報知させる(図5参照)。
以上の構成を備えた歩行者端末装置1によって実行される存在情報の情報報知方法について説明する。図2に示しているように、歩行者端末装置1を所持している歩行者Hが、交通信号機が設置されていない交差点J13の近傍を歩行している。また、この交差点J13に向かって、車載装置8を搭載している車両41−1,41−2が走行しており、車載装置8それぞれの通信エリア内に、歩行者端末装置1が存在しているとする。
さらに、車両情報には、車両41−1,41−2それぞれの進行方向についての情報も含まれていることから、このステップS21では、取得部26は、その進行方向の情報も取得する。
この<条件2>に該当する場合(ステップS4のYesの場合)、処理部24は、<条件2>に該当する車両に搭載の車載装置8についての存在情報を、歩行者Hに対して報知する処理を実行する(ステップS5)。図2の場合、車両41−1の存在情報を報知する処理が実行される。なお、車両41−2は、進行方向が平行となるため、当該車両41−2の存在情報は報知されない。
これにより、歩行者Hにとって有益である情報が報知され、安全歩行に寄与することができる。
これは、図2の場合のように、交通信号機の設置されていない交差点J13では、歩行者Hの安全を確保するために、歩行者端末装置1は、周囲を走行する車両の存在情報を、歩行者Hに対して報知する必要性が高いが、図7の場合のように、交通信号機13が設置されている交差点J4では、歩行者H及び車載装置8を搭載する車両41−3,41−4のドライバは、その交通信号機13に従って歩行及び走行することから、比較的安全であると考えられる。そこで、この場合には、周囲の車両41−3,41−4の存在情報の報知を中止する。
また、処理部24は、ステップS6の制限処理として、存在情報の報知を全て中止するのではなく、存在情報の報知の頻度を低減する処理を実行してもよい。
その具体例として、上記のように交通信号機が設置されていない交差点J13では、接近する車両の存在情報を5秒毎に報知するが、交通信号機13が設置されている交差点J4では、報知の頻度を低減するために、その報知間隔を広げて、例えば10秒毎としてもよい。
また、歩行者端末装置1において、上記制限処理を処理部24が実行する場合に、特定部25によって特定される自身の存在領域として、以下の領域がある。
例えば、位置取得部4のGPS測位部におけるGPS衛星の捕捉数が所定数以下(例えば2機以下)であり、位置取得部4から取得した位置情報が、自立航法に基づく位置情報であることを、特定部25が判断すると、自身の存在領域が、建物内であると特定することができる。
また、通信部6は、特に建物内に設けられている無線LAN又は無線タグ(RFID)を用いた通信機能を有していても良く、この無線LAN又は無線タグからの情報を、通信部6を通じて受信していることを、特定部25が判断すると、自身の存在領域が、建物内であると特定することができる。
そこで、特定部25によって、自身の存在領域が(交通信号機が設置されていない交差点近傍であっても)建物内であると特定されると、処理部24は制限処理を実行する。
例えば、歩行者端末装置1を所持している歩行者が車両(自動車)に載っている場合は、位置取得部4によって取得される現在位置は、地図データにおける車道上である。しかも、位置取得部4の加速度センサによれば、移動速度が徒歩の場合よりも明らかに大きい。この状態を、特定部25が判断すると、自身の存在領域が車両内であると特定することができる。
また、歩行者端末装置1を所持している歩行者が列車に載っている場合、位置取得部4によって取得される現在位置は、地図データにおける鉄道路線上である。しかも、位置取得部4の加速度センサによれば、移動速度が徒歩の場合よりも明らかに大きい。この場合、特定部25は、自身の存在領域が鉄道内であると特定することができる。
このため、自身が、例えば交通信号機が設置されている交差点など所定の領域に存在している状態では、周囲に車両(車載装置8)の数が増えても制限処理が実行され、歩行者端末装置1が歩行者Hに対して行う情報の報知が、煩雑となるのを防ぐことができる。
2 中央処理部
8 車載装置
13 交通信号機
24 処理部
25 特定部
26 取得部
Claims (8)
- 道路地図を表示可能な歩行者端末装置であって、
自身が存在している領域を特定する特定部と、
周囲の無線通信装置から当該無線通信装置の位置を示す位置情報を取得する取得部と、
前記位置情報に基づいて前記無線通信装置が近くに存在していることを示す存在情報を報知する処理を行う処理部と、
を備え、
前記処理部は、前記特定部によって特定された自身の存在領域に応じて、前記存在情報の報知を中止又は報知の頻度を低減する制限処理を行う
ことを特徴とする歩行者端末装置。 - 車載装置と無線通信する歩行者端末装置であって、
前記取得部は、周囲の車載装置から当該車載装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記処理部は、前記車載装置が近くに存在していることを示す存在情報を報知する処理、又は、前記制限処理を実行する請求項1に記載の歩行者端末装置。 - 前記特定部によって、自身の存在領域が、交通信号機の設置されている交差点内又は当該交差点の近傍であると特定されると、前記処理部は前記制限処理を実行する請求項2に記載の歩行者端末装置。
- 前記特定部によって、自身の存在領域が、交通信号機の設置されていない交差点内又は当該交差点の近傍であると特定されると、前記処理部は、前記存在情報を報知する処理を実行する請求項3に記載の歩行者端末装置。
- 前記特定部によって、自身の存在領域が建物内であると特定されると、前記処理部は前記制限処理を実行する請求項1〜4のいずれか一項に記載の歩行者端末装置。
- 前記特定部によって、自身の存在領域が乗物内であると特定されると、前記処理部は、前記制限処理を実行する請求項1〜5のいずれか一項に記載の歩行者端末装置。
- コンピュータを、請求項1〜6のいずれか一項に記載の歩行者端末装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
- 道路地図を表示可能な歩行者端末装置によって行われる情報報知方法であって、
自身が存在している領域を特定すると共に、周囲の無線通信装置から当該無線通信装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記位置情報に基づいて前記無線通信装置が近くに存在していることを示す存在情報を報知する処理と、前記存在情報の報知を中止又は報知の頻度を低減する制限処理とを、特定された自身の存在領域に応じて、切り替えることを特徴とする情報報知方法。
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