JP2013203866A - リン含有エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エポキシ基とフェノール性水酸基が共存しているリン含有エポキシ樹脂において、より低粘度で結晶析出の無い安定したリン含有エポキシ樹脂を得る製造方法を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂類(a)と、エポキシ基と反応する反応性官能基を有する化合物類(b)を一般式(1)で示されるホスフィン系触媒を用いて反応させるリン含有エポキシ樹脂の製造方法であって、反応性官能基を有する化合物類(b)は一般式(2)で表されるリン含有フェノール化合物を必須成分リン含有エポキシ樹脂の製造方法。
Figure 2013203866

Figure 2013203866

【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性を有し低粘度、高耐熱性を両立するリン含有エポキシ樹脂の製造方法及び該製造方法によって得られるリン含有エポキシ樹脂、該エポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂組成物、硬化物に関するものである。
エポキシ樹脂は接着性、耐熱性、成形性に優れていることから、電気・電子機器の積層
板、封止剤、自動車部品、FRP、スポーツ用品など幅広く使用されている。特に、電気・電子機器に使用される積層板の場合には、火災時の燃焼防止と発煙の制御をするため、難燃性の付与が強く要求されている。積層板用樹脂の難燃化方法として、従来は、臭素系難燃剤、窒素系難燃剤とリン系難燃剤の単独または組み合わせ、前記難燃剤の単独または組み合わせに無機系難燃助剤を併用する難燃システムが主流であった。しかし、近年環境問題から臭素系難燃剤の使用が敬遠されつつある。また、添加型リン系難燃剤として赤リンを使用した場合は安全性が不十分であり、リン酸系化合物を使用する場合は硬化物表面にブリードアウトする問題があった。また、リン酸エステル類を使用すると、はんだ耐熱性、耐溶剤性が低下してしまう問題があった。
前記問題に対して、特許文献1,特許文献2には10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(三光株式会社製 商品名HCA−HQ)とエポキシ樹脂類とを所定のモル比で反応させて得られる熱硬化性樹脂及び組成物が開示されている。また、特許文献3に2官能以上のエポキシ基を有する樹脂とジフェニルホスフィニルヒドロキノンとを反応させてなるリン含有エポキシ樹脂が開示されている。ところが、このようなリン化合物とエポキシ樹脂との反応によって得られるリン含有エポキシ樹脂は、リン含有量が高くなるにつれて分子量が大きくなるため、十分な難燃性が得られるエポキシ樹脂のワニス粘度は高く、作業性やガラスクロス等の基材への含浸性が悪くなる問題があった。さらに、リン含有エポキシ樹脂の分子量が大きくなったことで、硬化物の架橋密度が低下するため、高いガラス転移温度が得られ難かった。
また、特許文献4にはリン含有エポキシ樹脂のみでは十分な難燃性が得られないため、リン化合物をリン含有エポキシ樹脂組成物に溶解してリン含有量を高める方法が開示されているが、溶媒にN,N−ジメチルホルムアミド等の高沸点溶媒を使用しなければならず、リン化合物が析出しやすいという問題もあった。特許文献5ではHCA−HQを平均粒径10μm、最大粒径40μmの大きさに微粉砕することによって樹脂ワニスに分散させる方法が開示されているが、高沸点溶媒を用いてリン化合物を溶解させた場合よりも粘度が高くなり易く、ワニス粘度を低くすると十分な難燃性が得られない問題があった。
本発明者らはリン含有エポキシ樹脂の欠点であった難燃性を向上するとワニス粘度が高くなる課題に対して鋭意検討し、エポキシ樹脂とリン含有化合物との反応において得られるエポキシ樹脂中にエポキシ基とフェノール性水酸基を共存させることにより、分子量が小さくワニス粘度が低い作業性に優れたリン含有エポキシ樹脂を得ることが出来、更に既存のリン含有エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂硬化物に比べて高い耐熱特性が得られることがわかり特許文献6を出願した。
特許−3092009 特開平11−279258 特開平5−214070 特開2002−249540 特開2003−011269 特願2011−036034
本発明は、特許文献6で開示したエポキシ基とフェノール性水酸基が共存しているリン含有エポキシ樹脂において、より低粘度で結晶析出の無い安定したリン含有エポキシ樹脂を得る製造方法を提供するものである。
本発明者らはエポキシ基とフェノール性水酸基が共存しているリン含有エポキシ樹脂の製造方法について鋭意検討した結果、特定の反応触媒を使用し反応することによって、より低粘度で結晶析出の無い安定したリン含有エポキシ樹脂を得られることを見出し本発明を完成したものである。
すなわち本発明の要旨は次の通りである。
(1)エポキシ樹脂類(a)と、エポキシ基と反応する反応性官能基を有する化合物類(b)を一般式(1)で示されるホスフィン系触媒を必須成分として反応させるリン含有エポキシ樹脂の製造方法であって、反応性官能基を有する化合物類(b)は一般式(2)で表されるリン含有フェノール化合物を必須成分とし、得られるリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量が式1で求められる理論エポキシ当量の60%から90%の範囲であるリン含有エポキシ樹脂の製造方法、
Figure 2013203866
(式中Rは水素又は炭素数が6以下の炭化水素であり、酸素を含有していてもよい。また、少なくとも式中のRの一つは炭化水素であり、酸素を含有してもよい。Rは全て同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2013203866
(式中Aは炭素数6から20のアリーレン基及び/またはトリイル基を表し、nは0または1を表す。また、式中R及びRは炭素数1から6の炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよく、リン原子と共に環状になっていてもよい。)
Figure 2013203866
Figure 2013203866
Figure 2013203866
(2)エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対して反応性官能基を有する化合物類(b)の反応性官能基を0.10当量から0.94当量の範囲で反応させることを特徴とする前記(1)に記載のリン含有エポキシ樹脂の製造方法、
(3)前記(1)又は(2)記載の製造方法を用いて得られたリン含有エポキシ樹脂、
(4)前記(3)に記載のリン含有エポキシ樹脂を必須成分として含有するエポキシ樹脂類(c)のエポキシ基1当量に対してエポキシ樹脂硬化剤の反応性官能基が0.1当量から1.3当量の範囲で配合してなるリン含有エポキシ樹脂組成物、
(5)前記(4)記載のリン含有エポキシ樹脂組成物を硬化してなるリン含有エポキシ樹脂硬化物、である。
本発明のリン含有エポキシ樹脂の製造方法は、エポキシ樹脂類(a)と一般式(2)で表されるリン含有フェノール化合物を必須成分とするエポキシ基と反応する反応性官能基を有する化合物類(b)を、一般式(1)で表される特定のホスフィン系触媒を用いて反応させることによって分子量が低く、より低粘度で且つ、リン含有フェノール化合物の結晶析出の少ないリン含有エポキシ樹脂が得られ、含浸作業性の良いエポキシ樹脂を得ることができる。
また、本発明の製造方法を用いることで従来合成が困難であった一分子にエポキシ基を2個より多く持つエポキシ樹脂類(a)を用いたリン含有エポキシ樹脂の合成も容易となり、従来のリン含有エポキシ樹脂の硬化物に比べ、より高い耐熱性が得られる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明のリン含有エポキシ樹脂の製造方法に使用可能なエポキシ樹脂(a)は、エポトート YD−128、エポトート YD−8125(新日鐵化学株式会社製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、エポトート YDF−170、エポトート YDF−8170(新日鐵化学株式会社製 ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、YSLV−80XY(新日鐵化学株式会社製 テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂)、エポトート YDC−1312(ヒドロキノン型エポキシ樹脂)、jER YX4000H(三菱化学株式会社製 ビフェニル型エポキシ樹脂)、エポトート YDPN−638(新日鐵株式会社製 フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、エポトート YDCN−700−2、エポトート YDCN−700−3、エポトート YDCN−700−5、エポトート YDCN−700−7、エポトート YDCN−700−10、エポトート YDCN−704(新日鐵化学株式会社製 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポトート ZX−1201(新日鐵化学株式会社製 ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂)、TX−0710(新日鐵化学株式会社製 ビスフェノールS型エポキシ樹脂)、エピクロン EXA−1515(大日本化学工業株式会社製 ビスフェノールS型エポキシ樹脂)、NC−3000(日本化薬株式会社製 ビフェニルアラルキルフェノール型エポキシ樹脂)、エポトート ZX−1355、エポトート ZX−1711(新日鐵化学株式会社製 ナフタレンジオール型エポキシ樹脂)、エポトート ESN−155(新日鐵化学株式会社製 β−ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂)、エポトート ESN−355、エポトート ESN−375(新日鐵化学株式会社製 ジナフトールアラルキル型エポキシ樹脂)、エポトート ESN475V,エポトート ESN−485(新日鐵化学株式会社製 α−ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂)、EPPN−501H(日本化薬株式会社製 トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂)、スミエポキシ TMH−574(住友化学株式会社製 トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂)、YSLV−120TE(新日鐵化学株式会社製 ビスチオエーテル型エポキシ樹脂)、エポトート ZX−1684(新日鐵化学株式会社製 レゾルシノール型エポキシ樹脂)、デナコール EX−201(ナガセケムテックス株式会社製 レゾルシノール型エポキシ樹脂)、エピクロン HP−7200H(DIC株式会社製 ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)等の多価フェノール樹脂のフェノール化合物とエピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、TX−0929、TX−0934、TX−1032(新日鐵化学株式会社製 アルキレングリコール型エポキシ樹脂)等のアルコール化合物とエピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、セロキサイド2021(ダイセル化学工業株式会社製 脂肪族環状エポキシ樹脂)、エポトート YH−434、(新日鐵化学株式会社製 ジアミノジフェニルメタンテトラグリシジルアミン)等のアミン化合物とエピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、jER 630(三菱化学株式会社製 アミノフェノール型エポキシ樹脂)、エポトート FX−289B、エポトート FX−305、TX−0932A(新日鐵化学株式会社製 リン含有エポキシ樹脂)等のエポキシ樹脂をリン含有フェノール化合物等の変性剤と反応して得られるリン含有エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、オキサゾリドン環含有エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのエポキシ樹脂は単独で使用しても2種類以上を併用して使用してもよい。
反応性官能基を有する化合物類(b)は一般式(2)で表されるリン含有フェノール化合物を必須成分とする。リン含有フェノール化合物の具体例としては、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(三光株式会社製 商品名HCA−HQ)、10−(1,4−ジオキシナフタレン)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(以下HCA−NQと記す)、ジフェニルホスフィニルヒドロキノン(北興化学工業株式会社製 商品名PPQ)、ジフェニルホスフェニル−1,4−ジオキシナフタリン、1,4−シクロオクチレンホスフィニル−1,4−フェニルジオール(日本化学工業株式会社製 商品名CPHO−HQ)、1,5−シクロオクチレンホスフィニル−1,4−フェニルジオール(日本化学工業株式会社製 商品名CPHO−HQ)等のリン含有フェノール類を挙げる事ができるが、これらに限定されるものではない。また、これらのリン含有フェノール化合物は2種類以上を併用して使用する事もできる。
Figure 2013203866
(式中Aは炭素数6から20のアリーレン基及び/またはトリイル基を表し、nは0または1を表す。また、式中R及びRは炭素数1から6の炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよく、リン原子と共に環状になっていてもよい。)
また、これらのリン含有フェノール化合物は9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(三光株式会社製 商品名HCA)やジフェニルホスフィン等のリン原子に直結した活性水素基を有するリン化合物と、1,4−ベンゾキノンや1,4−ナフトキノン等のキノン類との反応で得る事ができる。HCA−HQについては特開昭60−126293、HCA−NQについては特開昭61−236787、PPQについてはzh.Obshch.Khim,42(11),第2415−2418頁(1972)に合成方法が示されているが、これに限定されるものではなく、公知慣用の方法を用いる事ができる。
一般式(2)で表されるリン含有フェノール化合物以外の反応性官能基を有する化合物類(b)として、一般的にエポキシ樹脂の変性剤として用いられているものが使用でき、例えば、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等のヒドロキシベンゼン類、ビフェノール類、ビナフトール類、トリスフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ショウノール BRG−555(昭和電工株式会社製 フェノールノボラック樹脂)、クレゾールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、アラルキルフェノールノボラック樹脂、トリアジン環含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニルアラルキルフェノール樹脂、レヂトップ TPM−100(群栄化学工業株式会社製 トリスヒドロキシフェニルメタン型ノボラック樹脂)、アラルキルナフタレンジオール樹脂等の一分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(三光株式会社製 商品名HCA)やジフェニルホスフィン等のリン原子に直結した活性水素基を有するリン化合物類、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジド類、イミダゾール化合物類及びその塩類、ジシアンジアミド、アミノ安息香酸エステル類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、メタキシレンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族アミン類、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノエチルベンゼン等の芳香族アミン類、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸等の酸無水物類及び酸無水物の開環により得られるカルボン酸類等が挙げられ、これらを2種類以上使用してもよい。これらの化合物の使用量は、使用されるエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して官能基が0.5当量以下となる様に用いるのが好ましく、さらに好ましくは0.2当量以下である。
反応に用いる触媒は一般式(1)で表されるホスフィン系触媒である。具体例としてはトリトリルホスフィン、トリ−キシリルホスフィン、トリス(パラ−メトキシフェニル)ホスフィン(北興化学工業製 商品名TPAP)、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ターシャリーブトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノスチレン(北興化学工業 商品名DPPST)と上記の触媒の異性体等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらのホスフィン系触媒は2種類以上を併用して使用することもできるし、一般式(1)で表されない触媒を併用することもできる。
反応触媒の使用量は、反応性官能基を有する化合物類(b)に対して0.005%から1%の範囲、より好ましくは0.005%から0.5%、更に好ましくは0.005%から0.3%が好ましい。0.005%よりも少ないと、反応温度を高くしたり反応時間を長くする必要があり好ましくない。また、1%よりも多くなると反応制御が難しくなり安定した粘度のリン含有エポキシ樹脂が得られないばかりではなく、該エポキシ樹脂の貯蔵安定性も悪くなってしまう。
本発明のリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は、式1で求められる理論エポキシ当量の60%から90%の範囲である。60%より小さいと難溶解性のリン含有フェノール化合物が多く残存してしまい、溶剤に溶解せず析出してしまう。90%より大きいと、エポキシ樹脂ワニスとした時の粘度低下効果が低くなってしまうだけではなく、得られる硬化物のガラス転移温度が低くなってしまうのである。
Figure 2013203866
Figure 2013203866
Figure 2013203866
式中エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基と反応する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は、フェノール化合物の場合はフェノール性水酸基当量、酸無水物の場合は酸無水物当量、アミン化合物やリン原子に直結した水素を有するリン化合物等の場合は活性水素当量を表す。
また本発明の製造方法で得られるリン含有エポキシ樹脂は、式2で示されるエポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対して反応性官能基を有する化合物類(b)の反応性官能基を0.10当量から0.94当量の範囲で反応して得られるが、好ましくは0.20当量から0.70当量、より好ましくは0.20当量から0.60当量の範囲である。反応性官能基を有する化合物類(b)が0.10当量より少ないと難燃性が不十分となり、0.94当量を超えて反応させると得られるリン含有エポキシ樹脂の粘度が高くなり作業性が悪くなってしまう。
本発明の無溶媒での製造方法の反応温度は公知のエポキシ樹脂を合成する温度範囲であり、具体的には130℃より高く200℃未満である。また、好ましくは150℃から180℃である。130℃以下では反応の進行が著しく遅く、200℃以上では安定してエポキシ基とフェノール性水酸基を共存することが出来ず、エポキシ当量を理論エポキシ当量の60%から90%の範囲とすることが困難である。
本発明の製造方法は無溶媒でも、溶媒中でも行うことができ、無溶媒反応工程と溶媒反応工程を組み合わせることができるが、溶媒中で行う場合は、非プロトン性溶媒中で行うことが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、2−ブトキシエタノール、ジアルキルエーテル、グリコールエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン等が挙げられ、反応温度は溶媒の還流温度付近が好ましく、還流温度から10℃以下の温度範囲がより好ましく還流による熱源の消費をすくなくすることができる。またこれらの反応溶媒を反応途中に加えることで反応速度を調節することもできる。またこれらの反応溶媒は単独で、あるいは2種類以上を同時に使用してもよい。これらの反応溶媒の使用量は反応物全重量中の50%以下より好ましくは30%以下、更に好ましくは10%以下が好ましい。
また本発明の製造方法は、一般式(1)で表される特定のホスフィン系触媒を用いることでエポキシ当量を理論エポキシ当量の60%から90%の範囲にすることができるが、反応温度及び反応時間を調整したり、反応溶媒を使用し反応を段階的に行う、撹拌速度の調整、反応触媒を失活させる等、公知慣用の製造方法を用いる事ができ、これらに限定されるものではない。
本発明の製造方法で得られたリン含有エポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂類(c)にエポキシ樹脂硬化剤を用いてリン含有エポキシ樹脂組成物を得ることができる。エポキシ樹脂硬化剤としては、公知の硬化剤が使用でき、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等のフェノール硬化剤、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン等のアミン系硬化剤、無水フタル酸、無水マレイン酸等の酸無水物硬化剤、酸性ポリエステル樹脂、イミダゾール硬化剤等が挙げられる。また、これら硬化剤は単独でも2種類以上併用しても良い。
エポキシ樹脂硬化剤の配合量はエポキシ樹脂類(c)のエポキシ基1当量に対してエポキシ樹脂硬化剤の反応性官能基が0.1当量から1.3当量の範囲で配合する。エポキシ樹脂の一般的な配合例はフェノール硬化剤の場合、エポキシ基1当量に対してフェノール性水酸基を0.9〜1.1当量程度配合するが、本発明のリン含有エポキシ樹脂はフェノール性水酸基を併せ持っており、硬化の際にはこのフェノール性水酸基が硬化剤として働くため、その分、硬化剤量を減らして配合することが必要である。本発明のリン含有エポキシ樹脂の場合、エポキシ基1当量に対してフェノール硬化剤のフェノール性水酸基を0.6〜0.9当量配合すると一般的な配合と同様に最適配合となる。
本発明のリン含有エポキシ樹脂組成物には前記以外に硬化促進剤、流れ調整剤、シランカップリング剤、充填剤、顔料、着色剤等の添加剤を用いても良い。また、ガラスクロスやカーボンクロス等の基材に含浸することもでき、その際には有機溶剤を用いても良い。
本発明のリン含有エポキシ樹脂組成物を硬化することで、リン含有エポキシ樹脂硬化物とすることが出来る。硬化の方法としては熱硬化、光硬化などエポキシ樹脂の公知の方法により実施でき、金型による注型や熱プレスによる積層硬化、塗装後硬化など公知の方法で実施できる。
本発明の実施例を以下に示すが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。また、特に断りがない限り「部」は重量部を表し、「%」は重量百分率を示す。実施例中の分析方法、測定方法は以下の通りである。
エポキシ当量:JIS K7236に準じた。
フェノール性水酸基当量:4%のメタノールを含むテトラヒドロフラン(以下THFと記す)で試料を溶解し、10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシドを加えて、紫外可視分光光度計を用いて波長400nmから250nm間の吸光度を測定した。あらかじめ同様の測定方法で求めておいた検量線より、フェノール性水酸基を水酸基1当量当たりの試料の重量として求めた。
不揮発分:JIS K7235−1986
数平均分子量、重量平均分子量、分散:カラムとして東ソー製G−2000HXL、G−3000HXL、G−4000HXLを直列に接続したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製 HLC−8220GPC)を用い、溶離液としてTHFを流量1.0ml/minで測定した。標準ポリスチレンより求めた検量線により数平均分子量、重量平均分子量を求めた。分散は重量平均分子量を数平均分子量で除して求めた。
リン含有フェノール化合物の残存率:ハイパフォーマンスリキッドクロマトグラフィー(アジデントテクノロジー社製 HP1200)のCadenza CD−C18(150×4.6mm Prod♯ CD005)を用い、酸性溶媒(水:酢酸:酢酸アンモニウム=395:5:1)とTHF/アセトニトリル溶媒(1:1)を用いて、流量0.7ml/minでTHF/アセトニトリル溶媒が0分から15分間で40%から80%となるよう濃度勾配を掛けてリン含有フェノール化合物の面積%を測定し、あらかじめ標準のリン含有フェノール化合物を用いて測定した検量線より試料中の百分率を算出した。
リン含有率:試料に硫酸、塩酸、過塩素酸を加え、加熱して湿式灰化し、全てのリン原子をオルトリン酸とした。硫酸酸性溶液中でメタバナジン酸塩及びモリブデン酸塩を反応させ、生じたリンバナードモリブデン酸錯体の420nmにおける吸光度を測定し、予め作成した検量線により求めたリン原子含有量を試料中の百分率で表した。
ワニス粘度:回転粘度計(トキメック社製)を用いて25℃での粘度を測定した。
溶剤溶解性:得られた樹脂溶液を目視で確認し、結晶、又は濁りがあるものを×で示した。更に樹脂溶液を25℃で7日間放置し、結晶、濁りが出たものを△、結晶、濁りが出なかったものを○で表1に示した。
組成物リン含有率:配合したリン含有エポキシ樹脂のリン含有率から計算によって求めた。
Tg:示差走査熱量測定装置(エスアイアイナノテクノロジー株式会社製 DSC6100)を用いる。得られたリン含有組成物の硬化物を10℃/minで測定を行った。
難燃性試験:UL94規格に準じて測定を行った。
剥離強さ:JIS K6854−1準じて測定を行った。
実施例1
攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラス
コ実験装置に、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10
−オキシド(三光株式会社製 商品名HCA、リン含有量14.2重量%)99部及び1,4−ナフトキノン(川崎化成工業株式会社製 )71部、トルエン361部を入れ、75℃で30分間撹拌した後、系内の水分を除きながら110℃で90分間反応させた後、トルエンを除いて10−(1,4−ジオキシナフタレン)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(HCA−NQ)を得た。これにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製 商品名YDPN-638、エポキシ当量176g/eq.)を531部、触媒としてトリス(2.6-ジメトキシフェニル)ホスフィン(以下DMPPと記す)0.01部を加え165℃で3時間反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下PGMと記す)78部を加え、還流温度以下で2時間反応させた。その後、PGM43部、メチルエチルケトン(以下MEKと記す)179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度1100mPa・s、実際に測定したエポキシ当量297g/eq.、フェノール性水酸基当量2800g/eq.、リン含有量2.0%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量3514、数平均分子量825、分散は4.26であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.29当量、理論エポキシ当量は332g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は89%であった。表1に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。
実施例2
HCAを123部、1,4−ナフトキノンを88部、YDPN−638を488部、触媒としてDMPP0.02部、反応を165℃で3.5時間、PGMを加えた後の反応時間を3時間とした以外は実施例1と同様な操作を行った。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度3700mPa・s、実際に測定したエポキシ当量359g/eq.、フェノール性水酸基当量2100g/eq.、リン含有量2.5%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量6986、数平均分子量1017、分散は6.87であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.40当量、理論エポキシ当量は432g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は83%であった。表1に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。貯蔵安定性試験として、得られた樹脂を50℃オーブン中で150日間保存し、分子量変化を観察したところ重量平均分子量7016、数平均分子量1020、分散は6.88であった。
実施例3
HCAを99部、1,4−ナフトキノンを71部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにトリスフェニルメタン型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製 商品名EPPN−501H、エポキシ当量165.2g/eq.)531部、PGMを37部、触媒としてDMPP0.01部を加えて165℃で3時間反応させた後、PGM41部加え、還流温度以下で3時間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度1800mPa・s、実際に測定したエポキシ当量268g/eq.、フェノール性水酸基当量2200g/eq.、リン含有量2.0%、溶剤溶解性試験では濁りが見られなかった。重量平均分子量2497、数平均分子量863、分散は2.89であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.28当量、理論エポキシ当量は305g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は88%であった。表1に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。
実施例4
HCAを74部、1,4−ナフトキノンを55部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにジナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製 商品名ESN−375、エポキシ当量167g/eq.)571部、触媒としてDMPP0.01部を加えて165℃で3時間反応させた後、PGM78部を加え、還流温度以下で3時間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度600mPa・s、実際に測定したエポキシ当量218g/eq.、フェノール性水酸基当量1500g/eq.、リン含有量1.5%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量1995、数平均分子量692、分散2.88であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.20当量、理論エポキシ当量は254g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は86%であった。表1に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。
実施例5
実施例1と同様にHCAを74部、1,4−ナフトキノンを53部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製 商品名ESN−485、エポキシ当量294g/eq.)573部、PGM37部、触媒としてDMPP0.01部を加えて165℃で2.5時間反応させた後、PGM41部加え、還流温度以下で2時間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度880mPa・s、実際に測定したエポキシ当量463g/eq.、フェノール性水酸基当量2900g/eq.、リン含有量1.5%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量1515、数平均分子量753、分散2.01であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.34当量、理論エポキシ当量は551g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は84%であった。表1に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。
実施例6
実施例1と同様にHCAを148部、1,4−ナフトキノンを106部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製 商品名YDF−170、エポキシ当量170g/eq.)446部、触媒としてDMPP0.02部を加えて165℃で2時間反応させた後、PGM37部加えて2時間反応後、PGM58部、MEK138部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分75%、ワニス粘度350mPa・s、実際に測定したエポキシ当量342g/eq.、フェノール性水酸基当量900g/eq.、リン含有量3.0%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量825、数平均分子量434、分散1.90であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.51当量、理論エポキシ当量は551g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は62%であった。表1に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。
実施例7
実施例1と同様な実験装置に、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(三光株式会社製 商品名HCA−HQ)を220部とYDF−170を481部加え、触媒としてDMPP0.04部を加えて165℃で1.5時間反応させた後、PGM78部を加えて2時間反応後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度500mPa・s、実際に測定したエポキシ当量308g/eq.、フェノール性水酸基当量1200g/eq.、リン含有量3.0%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量1153、数平均分子量612、分散1.88であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.48当量、理論エポキシ当量は474g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は65%であった。表1に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。
実施例8
実施例1と同様にHCAを123部、1,4−ナフトキノンを88部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにYDPN−638を488部、触媒としてトリ-パラ-トリルホスフィン0.01部とトリス(パラ-ターシャリーブトキシフェニル)ホスフィンを0.01部加えて165℃で3時間反応させた後、PGM78部を加え、還流温度以下で3時間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度3800mPa・s、実際に測定したエポキシ当量376g/eq.フェノール性水酸基当量2900g/eq.、リン含有量2.5%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量7256、数平均分子量985、分散7.37であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.40当量、理論エポキシ当量は432g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は87%であった。表1に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。
実施例9
触媒をトリ-2,4-キシリルホスフィン0.02部とした以外は実施例8と同様な配合とし、165℃で3.5時間反応させた後、PGM78部を加え、還流温度以下で3時間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度3800mPa・s、実際に測定したエポキシ当量369g/eq.フェノール性水酸基当量2500g/eq.、リン含有量2.5%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量7448、数平均分子量996、分散は7.48であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.40当量、理論エポキシ当量は432g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は85%であった。表1に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。
実施例10〜実施例14、実施例17、実施例18
実施例で得られたリン含有エポキシ樹脂にBRG−557(群栄化学工業製 フェノールノボラック硬化剤 活性水素当量105g/eq.)と硬化促進剤を表2に示す固形分量で配合し、PGM/MEKに溶解させ不揮発分50%のエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物をガラスクロス(WEA 116E106S136 日東紡績株式会社製 厚み0.1mm)に含浸し、150℃の熱風循環オーブン中で10分間乾燥してプリプレグを得た。得られたプリプレグ4枚と銅箔(3EC−III 三井金属鉱業株式会社製 厚み35μm)を重ね、130℃×15分+190℃×80分の温度条件で2MPaの真空プレスを行い、0.5mm厚の積層板を得た。表2に配合比率と積層板評価結果を示す。
実施例15、実施例16、実施例19
実施例で得られたリン含有エポキシ樹脂及びYDCN−704(新日鐵化学株式会社製 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)に硬化剤としてジシアンジアミド(DICY 活性水酸基当量21g/eq.)と硬化促進剤を表2に示す固形分量で配合し、PGM/MEKに溶解させ不揮発分50%のエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物をガラスクロス(WEA 116E106S136 日東紡績株式会社製 厚み0.1mm)に含浸し、150℃の熱風循環オーブン中で10分間乾燥してプリプレグを得た。得られたプリプレグ4枚と銅箔(3EC−III 三井金属鉱業株式会社製 厚み35μm)を重ね、130℃×15分+170℃×70分の温度条件で2MPaの真空プレスを行い、0.5mm厚の積層板を得た。表2に配合比率と積層板評価結果を示す。
比較例1
HCAを99部、1,4−ナフトキノンを71部、YDPN−638を531部、触媒としてDMPPの代わりにトリフェニルホスフィン(以下TPPと記す)0.02部を加えた以外は実施例1と同様な操作を行い、反応温度160℃で5時間反応させた後、PGM78部で希釈した後、還流温度で11時間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度41900mPa・s、実際に測定したエポキシ当量325g/eq.、フェノール性水酸基当量10000g/eq.以上、リン含有量2.0%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量14495、数平均分子量1316、分散は11.01であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基当量は0.29当量、理論エポキシ当量は328g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は99%であった。表3に合成条件とエポキシ樹脂の性状を示す。
比較例2
実施例1と同様にHCAを123部、1,4−ナフトキノンを88部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにYDPN−638を488部、触媒としてTPP0.02部を加えて反応温度160℃で4時間反応させた後、PGM78部で希釈した後、還流温度で4時間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度6720mPa・s、実際に測定したエポキシ当量395g/eq.、フェノール性水酸基当量6000g/eq.、リン含有量2.5%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量8036、数平均分子量1056、分散は7.61であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基は0.40当量、理論エポキシ当量は423g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は93%であった。表3に仕込み量と仕込み比率、樹脂の性状を示す。
実施例2と同様の方法で貯蔵安定性試験を行い、分子量変化を観察したところ重量平均分子量9166、数平均分子量1172、分散は7.82であった。
比較例3
実施例1と同様にHCAを123部、1,4−ナフトキノンを88部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにYDPN−638を488部、触媒としてTPP0.02部を加えて反応温度160℃で4時間反応させた後、PGM78部で希釈した後、還流温度で3時間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度5600mPa・s、実際に測定したエポキシ当量381g/eq.、フェノール性水酸基当量3800g/eq.、リン含有量2.5%、得られたリン含有エポキシ樹脂には濁りが見られた。重量平均分子量7731、数平均分子量962、分散は8.04であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基は0.40当量、理論エポキシ当量は423g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は90%であった。表3に仕込み量と仕込み比率、樹脂の性状を示す。
比較例4
実施例1と同様にHCAを99部、1,4−ナフトキノンを71部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにEPPN−501Hを531部、PGM37部、触媒としてTPP0.02部を加えて反応温度160℃で5時間反応させた後、PGM41部を加え、還流温度で9時間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度28000mPa・s、実際に測定したエポキシ当量305g/eq.、フェノール性水酸基当量10000g/eq.以上、リン含有量2.0%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量6566、数平均分子量1335、分散は4.92であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基は0.28当量、理論エポキシ当量は305g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は100%であった。表3に仕込み量と仕込み比率、樹脂の性状を示す。
比較例5
実施例1と同様にHCAを99部、1,4−ナフトキノンを71部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにEPPN−501Hを531部、PGM37部、触媒としてTPP0.02部を加えて反応温度160℃で5時間反応させた後、PGM41部を加え、還流温度で7間反応させた。その後、PGM43部、MEK179部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度2500mPa・s、実際に測定したエポキシ当量289g/eq.、フェノール性水酸基当量5500g/eq.、リン含有量2.0%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量3062、数平均分子量953、分散は3.21であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基は0.28当量、理論エポキシ当量は305g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は95%であった。表3に仕込み量と仕込み比率、樹脂の性状を示す。
比較例6
実施例1と同様にHCAを108部、1,4−ナフトキノンを80部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにESN−375を833部、触媒としてTPP0.02部を加えて反応温度150℃で3時間反応させた後、PGM113部を加え、還流温度で3時間反応させた。その後、PGM63部、MEK262部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度700mPa・s、実際に測定したエポキシ当量239g/eq.、フェノール性水酸基当量4000g/eq.、リン含有量1.5%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量2073、数平均分子量716、分散は2.90であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基は0.20当量、理論エポキシ当量は254g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は94%であった。表3に仕込み量と仕込み比率、樹脂の性状を示す。
比較例7
実施例1と同様にHCAを209部、1,4−ナフトキノンを150部仕込み、実施例1と同様の方法で反応させてHCA−NQを得た。これにYDF−170を641部、触媒としてTPP0.09部を加えて165℃で4時間反応させた後、その後、MEK429部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度440mPa・s、実際に測定したエポキシ当量409g/eq.、フェノール性水酸基当量1700g/eq.、リン含有量3.0%、溶剤溶解性試験では濁りは見られなかった。重量平均分子量1160、数平均分子量603、分散は1.92であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基は0.50当量、理論エポキシ当量は539g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は76%であった。表3に仕込み量と仕込み比率、樹脂の性状を示す。
比較例8
実施例7と同様にHCA−HQを314部、YDF−170を687部、触媒としてTPP0.06部を加えて165℃で4時間反応させた後、その後、MEK429部で希釈し、常温まで冷却し反応を終了させた。得られたリン含有エポキシ樹脂溶液は濃褐色透明で、不揮発分70%、ワニス粘度510mPa・s、実際に測定したエポキシ当量301g/eq.、フェノール性水酸基当量800g/eq.、リン含有量3.0%、溶剤溶解性試験では樹脂溶液を25℃で7日間放置した際に結晶、濁りが見られた。重量平均分子量1126、数平均分子量587、分散1.92であった。また、エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対する反応性官能基を有する化合物類(b)の官能基は0.48当量、理論エポキシ当量は474g/eq.、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合は64%であった。表3に仕込み量と仕込み比率、樹脂の性状を示す。
比較例9〜13
比較例で得られたリン含有エポキシ樹脂にBRG−557と硬化促進剤を表4に示す固形分量で配合し、PGM/MEKに溶解させ、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物をガラスクロス(WEA 116E106S136 日東紡績株式会社製 厚み0.1mm)に含浸し、150℃の熱風循環オーブン中で10分間乾燥してプリプレグを得た。得られたプリプレグ4枚と銅箔(3EC−III 三井金属鉱業株式会社製 厚み35μm)を重ね、130℃×15分+190℃×80分の温度条件で2MPaの真空プレスを行い、0.5mm厚の積層板を得た。比較例9から比較例11で得られたリン含有エポキシ樹脂は粘度が高いため、比較例9、比較例11を不揮発分45%、比較例10を不揮発分48%に調整した。表4に配合比率と積層板評価結果を示す。
比較例14〜比較例16
比較例で得られたリン含有エポキシ樹脂及びYDCN−704に硬化剤としてDICYと硬化促進剤を表4に示す固形分量で配合し、PGM/MEKに溶解させ不揮発分50%のエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物をガラスクロス(WEA 116E106S136 日東紡績株式会社製 厚み0.1mm)に含浸し、150℃の熱風循環オーブン中で10分間乾燥してプリプレグを得た。得られたプリプレグ4枚と銅箔(3EC−III 三井金属鉱業株式会社製 厚み35μm)を重ね、130℃×15分+170℃×70分の温度条件で2MPaの真空プレスを行い、0.5mm厚の積層板を得た。表4に配合比率と積層板評価結果を示す。
Figure 2013203866
Figure 2013203866
Figure 2013203866
Figure 2013203866
実施例1から実施例9に示す様に、本発明のリン含有エポキシ樹脂の製造方法は、従来技術の比較例1から比較例8と比較して重量平均分子量、数平均分子量が低いため、粘度が低い。そのため、ガラスクロスへの含浸性が良好であり、作業性に優れる。また、理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合も低いため、実施例10から実施例19で示す様に、本発明で得られたリン含有エポキシ樹脂をエポキシ樹脂組成物として用いることで従来技術の比較例9から比較例14と比較して硬化後の物性も良好である。50℃恒温状態における貯蔵安定性試験では、本発明のリン含有エポキシ樹脂は従来製法のリン含有エポキシ樹脂に比べて分子量分布の変化が少なく、貯蔵安定性に優れている。溶剤溶解性試験では従来製法のリン含有エポキシ樹脂ではエポキシ当量が低いと保存時に結晶、濁りが見られたが、本発明で得られたリン含有エポキシ樹脂は結晶、濁りが見られず、溶剤溶解性も良好である。
本発明の製造方法によって製造されたリン含有エポキシ樹脂は従来のリン含有エポキシ樹脂よりもエポキシ樹脂ワニスとした時の粘度が低いため、ガラスクロスなどの基材への含浸性が良好であり、作業性に優れる。また、本発明の製造方法によって製造されたリン含有エポキシ樹脂は従来のリン含有エポキシ樹脂と理論エポキシ当量に対する実際に測定したエポキシ当量の割合も低いため、硬化後の物性が優れる。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂類(a)と、エポキシ基と反応する反応性官能基を有する化合物類(b)を一般式(1)で示されるホスフィン系触媒を必須成分として反応させるリン含有エポキシ樹脂の製造方法であって、反応性官能基を有する化合物類(b)は一般式(2)で表されるリン含有フェノール化合物を必須成分とし、得られるリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量が式1で求められる理論エポキシ当量の60%から90%の範囲であるリン含有エポキシ樹脂の製造方法。
    Figure 2013203866
    (式中Rは水素又は炭素数が6以下の炭化水素であり、酸素を含有していてもよい。また、少なくとも式中のRの一つは炭化水素であり、酸素を含有してもよい。Rは全て同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2013203866
    (式中Aは炭素数6から20のアリーレン基及び/またはトリイル基を表し、nは0または1を表す。また、式中R及びRは炭素数1から6の炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよく、リン原子と共に環状になっていてもよい。)
    Figure 2013203866
    Figure 2013203866
    Figure 2013203866
  2. エポキシ樹脂類(a)のエポキシ基1当量に対して反応性官能基を有する化合物類(b)の反応性官能基を0.10当量から0.94当量の範囲で反応させることを特徴とする請求項1に記載のリン含有エポキシ樹脂の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の製造方法を用いて得られたリン含有エポキシ樹脂。
  4. 請求項3に記載のリン含有エポキシ樹脂を必須成分として含有するエポキシ樹脂類(c)のエポキシ基1当量に対してエポキシ樹脂硬化剤の反応性官能基が0.1当量から1.3当量の範囲で配合してなるリン含有エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のリン含有エポキシ樹脂組成物を硬化してなるリン含有エポキシ樹脂硬化物。
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