JP5126923B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲンフリーの難燃性組成物として有用な難燃エポキシ樹脂組成物に関し、具体的には、ハロゲンフリー難燃組成物として、積層部品材料、半導体封止材料、電気絶縁材料、繊維強化複合材料、塗装材料、成型材料、接着剤材料などに有用であり、特に積層板(プリント配線板)として難燃効果のみならず、密着性、耐熱性および耐湿性に優れた積層板を提供し得るエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は、その優れた密着性、電気特性(絶縁性)ゆえに電気電子材料部品を中心に幅広く使用されている。
【0003】
これら電気電子材料部品は、ガラスエポキシ積層板やIC封止材に代表される様に高い難燃性(UL−94:V−0)が求められる為、通常ハロゲン化されたエポキシ樹脂が用いられている。例えば、ガラスエポキシ積層板では、難燃化されたFR−4グレードとして、一般に臭素で置換されたエポキシ樹脂を主成分とし、これに種々のエポキシ樹脂を混合したエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを配合して用いられている。
【0004】
しかし、このようなハロゲン化されたエポキシ樹脂の使用は、近年のダイオキシンに代表される環境問題の一因となっている他、高温環境下でのハロゲンの解離による電気的な長期信頼性への悪影響などから、ハロゲンの使用量を低減するするか、ハロゲンに代替えできる他の化合物を使用した難燃剤、あるいは他の難燃処方が強く求められている。
【0005】
この様なハロゲンによる難燃化処方に代わる技術として、例えばリン酸エステル系化合物などを添加系難燃剤として使用する技術が種々検討されているが、このような技術はいずれも成形品の耐熱性や耐水性の低下、更にとりわけ電気積層板用途における密着性を低下させるものであった。そこで、リン系化合物を使用しながらも、成形品の耐熱性、耐水性等を改善したものとして、たとえば、特開平11−279258号公報には、エポキシ樹脂に特定のリン化合物を変性させて、成形品の耐熱性等を図った技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平11−279258号公報の発明は、難燃性と耐熱性を付与するため多官能のノボラック型エポキシ樹脂と2官能のリン化合物との反応による多官能型のエポキシ樹脂を用いるため、架橋密度が高くなり、電気積層板に用途において、マトリックス樹脂と銅箔および基材間の密着性に劣るものであった。
【0007】
即ち、本発明が解決とする課題は、ノンハロゲン難燃処方として極めて優れた難燃効果を発現させると共に、電気積層板の密着性に優れるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂の分子構造中にAr−P−の構造部位を導入し、かつ、硬化剤として、フェノール骨格とトリアジン骨格とを有する化合物を用いることにより、ハロゲンフリーの難燃処方として極めて優れた難燃効果を発現すると共に、電気積層板用途において極めて優れた密着性を発現することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
Ar−P−の構造部位(式中、Arはアリール基を示す。以下同様。)を分子構造中に有するビスフェノールF型エポキシ樹脂(A)、及び、フェノール骨格とトリアジン骨格とを有する化合物(B)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、および、
Ar−P−の構造部位(式中、Arはアリール基を示す。以下同様。)を分子構造中に有するジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂(A)、及び、フェノール骨格とトリアジン骨格とを有する化合物(B)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物に関する。
【0010】
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、ベースとなるエポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂を用い、かつ、その分子構造中にAr−P−の構造部位を有していることを特徴としてしている。すなわち、Ar−P−の構造部位とは、リン原子上に芳香環を有し、かつ、該リン原子がエポキシ樹脂中の芳香環に直接共有結合する構造部位であり、この構造を導入し、かつ、ベースとなるエポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂を使用することにより、硬化剤たる化合物(B)との相乗的な効果によって難燃性が飛躍的に高まる他、マトリックス樹脂と銅箔および基材間の密着性が飛躍的に改善される。
【0011】
また、Ar−P−で示される構造部位は、リン原子上にベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環を有するものであればよく、その他、リン原子上に酸素原子や他のアルキル等が置換していてもよいが、本発明においては、該構造部位として、ホスフィネート構造(a1)又は
下記一般式1
【0012】
【化1】
【0013】
(式中、R1、R2は、水素原子、アルキル基を表す。)
又は、ホスフィンオキシド構造(a2)、具体的には、下記構造式2
【0014】
【化2】
であらわされるものが成型品の耐熱性、耐湿性が飛躍的に向上する点から好ましい。これらは単独で用いても、2種以上併用してもよい。
【0015】
上記Ar−P−で示される構造部位を、フェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂の分子構造中に導入する方法としては、特に制限されるものではないが、
方法1:フェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂をAr−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物及びキノン化合物で変性する方法、あるいは、
方法2:Ar−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物及びキノン化合物を反応させてAr−P−の構造部位を分子構造中に有するジヒドロキシ芳香族化合物を得た後、これをフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂と反応させる方法、
方法3:フェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂をAr−P−の構造部位を分子構造中に有するジヒドロキシ芳香族化合物で変性する方法、
等があげられる。
【0016】
本発明においては、原料エポキシ樹脂成分として、フェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂を用いることにより、特に電気積層板用途において、クロス基材への含浸性が良好なものとなりミーズリング発生を良好に抑制することができる。
【0017】
すなわち、従来の特開平11−279258号公報に記載された発明は、エポキシ樹脂成分として、難燃性付与のため全エポキシ樹脂成分中ノボラック型エポキシ樹脂を20重量%以上用いる必要があり、このため既述の通り電気積層板用途における密着性を低下させるという課題があったが、その他、分子量が大きくなることからクロス基材や銅箔への含浸性が著しく劣り、積層板でのミーズリングが発生し易くなるという欠点も有していた。
本願発明においては、フェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂を原料エポキシ樹脂として用いることにより、優れた難燃効果を発現すると共に、クロス基材への含浸性を高められ、電気積層板として重要な要求性能であるミーズリング防止を兼備させることができるものである。即ち、原料エポキシ樹脂成分として、フェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂を用いることにより、前記した通り、難燃効果が飛躍的に向上し、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合に比較しても格段に優れた難燃効果を発現させることが可能となる。
【0018】
なお、本発明において、耐熱性等の性能バランスの点から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂と共にノボラック型エポキシ樹脂を一部併用してもよいが、この場合、使用するノボラック型エポキシ樹脂は、全エポキシ樹脂成分中、5〜18重量%となる割合で用いることが好ましい。
【0019】
ここで用いるビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、特に制限されないが、最終的に得られるリン原子含有エポキシ樹脂のエポキシ当量の調整が容易で、難燃効果を飛躍的に向上できる点からエポキシ当量100〜500g/eqのものであることが好ましい。
【0020】
また、ジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂としては、1,6−ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、2,7−ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル等が挙げられ、エポキシ当量は、難燃効果の点からエポキシ当量100〜500g/eqのものであることが好ましい。
【0021】
更に、その他の2官能型エポキシ樹脂、例えば、ジメチルビスフェノールCジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルp−オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジグリシジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシアルキルヒダントイン等のヒダントイン型エポキシ樹脂なども難燃性、耐熱性、密着性等のバランスの点から併用することができる。
【0022】
なお、本発明においては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂を原料エポキシ樹脂として使用することにより、ハロゲンフリーで優れた難然効果を発現し得る。よって、原料エポキシ樹脂としては、フェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂として、ハロゲン原子非含有のナフタレン型エポキシ樹脂及びビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。ここで、ハロゲン原子非含有のナフタレン型エポキシ樹脂及びビスフェノール型エポキシ樹脂とは、エポキシ樹脂を製造する際、エピクロロヒドリンと反応させる原料フェノール樹脂中にハロゲン原子が含まれていないか或いはハロゲン原子で実質的に変性されていないナフタレン型エポキシ樹脂又はビスフェノール型エポキシ樹脂である。即ち、通常のエピクロルヒドリンの使用により混入される塩素分は含んでいてもよく、具体的にはハロゲン原子量5000ppm以下であることが好ましい。
【0023】
また、このビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に制限されるものではないが、最終的に得られるリン原子含有エポキシ樹脂のエポキシ当量を後述する適正範囲にでき、難燃効果を飛躍的に向上できる点から100〜500g/eqであることが好ましい。
【0024】
これらのビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種類以上の併用も可能である。また、上記の各エポキシ樹脂と共に、一部以下の化合物、即ち、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、P.Sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド等の1官能性エポキシ化合物を用してよい。
【0025】
次に方法1、2で用いる、Ar−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、下記一般式3
【化3】
式中、R1、R2は、水素原子、アルキル基を表す)
又は、下記一般式4
【0026】
【化4】
(式中、R3、R4は、水素原子、アルキル基を表す)
で表されるものが好ましく、一般式3で表されるものとしては、ジフェニルホスフィンオキサイドが好ましく、また、一般式4で表されるものとしては、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイドが好ましい。
【0027】
また、方法1、2で用いるキノン化合物としては、1,4−ベンゾキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、2−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2−フェニル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジt−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジt−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,3、5−トリメチル−1,4−ベンゾキノン、2−メチル−5−イソプロピル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、2−アミノ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノン、2−(4−メトキシフェニル)−1,4−ナフトキノン等が挙げられ、中でも反応性を制御しやすい点から1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノンが好ましい。
【0028】
次に、方法3で得られるAr−P−の構造部位を分子構造中に有するジヒドロキシ芳香族化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、下記一般式5
【化5】
(式中、Xは、ベンゼン環、ナフタレン環、又はアントラセン環、R1、R2は、水素原子、アルキル基を表す)
又は、下記一般式6
【0029】
【化6】
(式中、Xは、ベンゼン環、ナフタレン環、又はアントラセン環、R3、R4は、水素原子、アルキル基を表す)
【0030】
これらのなかでも、特に一般式5で示されるものとしては、10−(2’,5’−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド、10−(2’,5’−ジヒドロキシナフチル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシドが好ましく、また、一般式6で示されるものとしては、ジフェニル 2,5−ジヒドロキシフェニル ホスフィンオキシド、ジフェニル 2,5−ジヒドロキシナフチル ホスフィンオキシドが好ましい。
【0031】
次に、上記方法1におけるビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂をAr−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物及びキノン化合物で変性する方法としては、特に制限はなく例えば、反応容器にAr−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物(A)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂、及び有機溶剤を仕込み、反応温度を100℃以下に保つ様に発熱に注意しながらキノン化合物を分割添加する。ここで、キノン化合物は速やかにAr−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物(A)と反応し発熱を伴うが、できる限り100℃を越えないことが肝要である。即ち、100℃以下であれば、Ar−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物(A)とキノン化合物が選択的に反応するため好ましい。また有機溶剤としては、Ar−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物(A)と不活性であるものが好ましく、例えば、エチレングリコール低級アルキルエーテル、プロピレングリコール低級アルキルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。キノン化合物を添加終了後、反応を継続する。このときの反応温度は、特に制限はなく、適度なグラフト化率が得られ、かつゲル化が起こらない反応条件を適宜選択すればよいが、、例えば必要に応じて触媒の存在下、20〜200℃で反応させる方法が挙げられる。
【0032】
方法2におけるAr−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物及びキノン化合物を反応させてAr−P−の構造部位を分子構造中に有するジヒドロキシ芳香族化合物を製造する方法としては、特に制限はなく例えば、反応容器に、
Ar−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物(A)と有機溶剤を仕込み、反応温度を100℃以下に保つ様に発熱に注意しながらキノン化合物を分割添加する。ここで、キノン化合物は速やかにAr−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物(A)と反応し発熱を伴うが、できる限り100℃を越えないことが肝要である。即ち、100℃以下であれば、Ar−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物(A)とキノン化合物が選択的に反応するため好ましい。また有機溶剤としては、上記方法1で使用可能な溶媒がいずれも使用できる。
【0033】
次に、方法2、3においては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂とAr−P−の構造部位を分子構造中に有するジヒドロキシ芳香族化合物とを反応する方法としては、特に制限されるものではなく、適度なグラフト化率が得られ、かつゲル化が起こらない反応条件を適宜選択すればよいが、例えば必要に応じて触媒の存在下、上記原料を20〜200℃で反応させる方法が挙げられる。
【0034】
ここで、使用し得る触媒は、特に制限されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン、テトラメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、イミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
【0035】
また、当該反応は、必要に応じて有機溶剤存在下で行うことができる。、使用し得る有機溶剤としては、特に制限がないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、メトキシプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルカルビトール、酢酸エチル、キシレン、トルエン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましい。
【0036】
この様に最終的に得られるエポキシ樹脂(A)は、エポキシ当量150〜1500g/eqなる範囲が好ましいが、なかでも、硬化物の機械的性能、耐熱性などの点から200〜800g/eqがより好ましい。
【0037】
また、既述の通り、エポキシ樹脂(A)中のリン原子含有量は、特に制限されるものでないが、組成物中の全エポキシ樹脂中のリン原子含有量として2〜8重量%の範囲である。リン含有量が少ないと密着性、耐水性、難燃性の改善効果が得られず、逆にリン含有量が多いと機械的物性の低下が認められる。特に、リン原子含有量が当該範囲にある場合、ビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも良好な密着性の硬化物を得ることができる。
【0038】
次に、フェノール骨格とトリアジン骨格とを有する化合物(B)は、特に制限されるものではないが、トリアジン化合物と、フェノール類と、アルデヒド類とを縮合反応させて得られる、種々の化合物の混合物(以下、これを「混合物(B)」と略記する)として用いることが好ましい。
【0039】
ここで、フェノール骨格とはフェノール類に起因するフェノール構造部位を現し、また、トリアジン骨格とはトリアジン化合物に起因するトリアジン構造部位を現す。
【0040】
ここで用いられるフェノール類としては、特に限定されるものではなく、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールA、レゾルシン、カテコール等の多価フェノール類、モノヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシナフタレン当のナフトール類、その他フェニルフェノール、アミノフェノール等が挙げられる。これらのフェノール類は、単独又は2種類以上併用で使用可能であるが、最終的な硬化物が難燃性に優れ、且つアミノ基含有トリアジン化合物との反応性に優れる点からフェノールが好ましい。
【0041】
次に、トリアジン環を含む化合物としては、特に限定されるものではないが、下記一般式3又はイソシアヌル酸が好ましい。
【0042】
【化7】
【0043】
(一般式1中、R1、R2、R3は、アミノ基、アルキル基、フェニル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシルアルキル基、エーテル基、エステル基、酸基、不飽和基、シアノ基のいずれかを表わす。)
【0044】
前記一般式1で示される化合物のなかでも特に、反応性に優れる点から前記中、R1、R2、R3のうちのいずれか2つ又は3つがアミノ基であるメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナミン誘導体に代表されるアミノ基含有トリアジン化合物が好ましい。
【0045】
これらの化合物も使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく2種以上を併用することも可能である。
【0046】
次に、アルデヒド類は、特に限定されるものではないが、取扱いの容易さの点からホルムアルデヒドが好ましい。ホルムアルデヒドとしては、限定するものではないが、代表的な供給源としてホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
【0047】
これらトリアジン化合物と、フェノール類と、アルデヒド類とを縮合反応させて得られる混合物(B)のなかでも、特にトリアジン化合物として、前記したメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナミン誘導体に代表されるアミノ基含有トリアジン化合物を用いて得られる混合物(以下、「混合物(B’)と略記する」が、難燃性の改善効果が顕著なものとなり好ましい。
【0048】
混合物(B’)としては、具体的には、
B1:アミノ基含有トリアジン化合物とフェノール類とアルデヒド類との縮合反応物、
B2:アミノ基含有トリアジン化合物とアルデヒド類との縮合反応物、
B3:フェノール類とアルデヒド類との縮合反応物、
B4:フェノール類、
B5:アミノ基含有トリアジン化合物
の混合物であって、かつ、
該混合物中に
−X−NH−CH2−NH− (b1)
−X−NH−CH2−Y− (b2)
(式中、Xはトリアジン骨格、Yはフェノール骨格を示す。)
なる構造部位を
(b2)/(b1)=1.5〜20
となる割合で含有するものがエポキシ樹脂(A)との相溶性に優れる点から好ましい。
【0049】
混合物(B’)中、未反応成分たるフェノール類(B4)、アミノ基含有トリアジン化合物(B5)は、若干残ってもよいが、3重量%以下の範囲であることが好ましい。
【0050】
本発明において、トリアジン化合物と、フェノール類と、アルデヒド類とを縮合反応させて得られる前記混合物、または、トリアジン化合物としてアミノ基含有トリアジン化合物を用いた混合物(B’)は、混合物(B)又は混合物(B’)中の窒素原子含有量として5重量%以上、なかでも8重量%以上が好ましく、また、ボールアンドリング法によるグリセリン中で測定した軟化点が50℃以上、好ましくは80℃以上が好ましい。また、コーンプレート型粘度計で測定した150℃での溶融粘度が0.1Pa・s以上、好ましくは0.3Pa・s以上が好ましい。
【0051】
本発明におけるエポキシ樹脂(A)と、フェノール骨格とトリアジン骨格とを有する化合物(B)との配合割合は、(A)中のエポキシ基と、化合物(B)中の水酸基との当量比、エポキシ基/水酸基=1/0.5〜2/1を満たす範囲であることが硬化物、積層板の耐湿性、機械強度の点から好ましい。
【0052】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、種々の硬化促進剤(D)が使用でき、それらは、従来公知のものでよく、例えば、ベンジルジメチルアミンの如き3級アミン類、各種イミダゾール類、3級ホスフィン類または各種金属化合物などの公知慣用化合物が適用できる。
【0053】
硬化促進剤についても公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えば、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられ、これらは単独のみならず2種以上の併用も可能である。
【0054】
また、本発明の組成物は、上記した各成分に加え、更に有機溶剤を使用してもよく、特に電気積層板用組成物としては、この有機溶剤は必須の成分となる。ここで、使用し得る有機溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、メトキシプロパノール、メチルセロソルブ、エチルカルビトール、酢酸エチル、キシレン、トルエン、シクロヘキサノール、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、これらの溶剤は、適宜に2種または、それ以上の混合溶剤として使用することも可能である。
【0055】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに必要に応じて種々の添加剤、難燃剤、充填剤等を適宜配合することが出来る。
【0056】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、接着剤、注型、塗料等の各種用途に使用できるが、耐熱性を低下させることなく、非ハロゲン系の難燃性硬化物を得られることから、封止、積層、塗料などの用途特にガラスエポキシ積層板やIC封止材用に適し、さらに金属密着性に優れるのでレジストや塗料用途にも適する被覆用エポキシ樹脂組成物を提供することが出来る。また、電気積層板用としては銅箔との密着性に優れる点から樹脂付き銅箔等のいわゆるビルドアップ積層板用組成物として特に有用である。
【0057】
上記した本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物から積層板を製造する方法としては、特に制限されなく、公知慣用の方法によって製造することができるが、例えばガラスクロス等の基板に本発明のエポキシ樹脂組成物を樹脂量30〜70重量%となる割合で含浸してプリプレグとし、次いでこのプリプレグの1〜10枚を加熱プレスして得る方法が挙げられる。
【0058】
【実施例】
次に本発明を参考例、実施例および比較例により具体的に説明する。尚、例中において「部」および「%」は特に断りのない限りすべて重量基準である。尚、リン含有量は、以下の方法にて測定した。
【0059】
[リン含有量測定法]
試料1gに硝酸25ml及び過塩素酸10mlを加えて内容物を5〜10mlになるまで加熱分解しこの液を1000mlメスフラスコに蒸留水で希釈する。この試料液10mlを100mlメスフラスコに入れ、硝酸10ml、0.25%バナジン酸アンモニウム溶液を10ml及び5%モリブデン酸アンモニウム溶液10mlを加えた後、蒸留水で標線まで希釈しよく振り混ぜ、放置するこの発色液を石英セルに入れ、分光光度計を用いて波長440nmの条件でブランク液を対照にして試料およびリン標準液の吸光度を測定する。リン標準液はリン酸カリウムを蒸留水でP=0.1mg/mlとして調整した液を100mlメスフラスコ10ml入れて蒸留水で希釈する。
【0060】
次いで、リン含有量を次式より求める。
リン含有量(%)=試料の吸光度/リン標準液の吸光度/試料(g)
【0061】
合成例1
エポキシ当量が142のナフタレン型エポキシ樹脂(EPICLON HP−4032D:大日本インキ化学工業株式会社製)142部、次いで10−(2’,5’−ジヒドロキシフェニル)―9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド 75部を仕込んだ。仕込み後、90℃に昇温し、トリフェニルホスフィン0.06部添加して160℃にて8時間反応させてから、リン含有量3.3重量%でエポキシ当量が404の目的樹脂を得た。以下、これを樹脂(A−1)と略記する。
【0062】
合成例2
エポキシ当量が172のビスフェノールF型エポキシ樹脂(EPICLON 830S:大日本インキ化学工業株式会社製)を172部、次いで10−(2‘,5’−ジヒドロキシフェニル)―9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド 79部を仕込んだ。仕込み後、90℃に昇温し、トリフェニルホスフィン0.07部添加して160℃にて7時間反応させてから、リン含有量3.0重量%でエポキシ当量が490の目的樹脂を得た。以下、これを樹脂(A−2)と略記する。
【0063】
合成例3
エポキシ当量が172のビスフェノールF型エポキシ樹脂(EPICLON 830S:大日本インキ化学工業株式会社製)を172部、次いで10−(2‘,7’−ジヒドロキシナフチル)―9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド 75部を仕込んだ。仕込み後、90℃に昇温し、トリフェニルホスフィン0.07部添加して160℃にて7時間反応させてから、リン含有量2.5重量%でエポキシ当量が412の目的樹脂を得た。以下、これを樹脂(A−3)と略記する。
【0064】
合成例4
フェノール94部、ベンゾグアナミン12部に41.5%ホルマリン45部、およびトリエチルアミン0.4部を加え、系のpHを8.2に調整し、発熱に注意しながら徐々に100℃まで昇温した。100℃にて5時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら120℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて3時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら160℃まで2時間かけて昇温した。さらに還流下で3時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら180℃まで2時間かけて昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、軟化点111℃、水酸基当量120g/eqの目的樹脂を得た。以下、これを樹脂(B−1)と略記する。
【0065】
得られた組成物中のフェノール類とトリアジン類との重量比率、未反応ホルムアルデヒド量、メチロール基の存在の有無、構成単位b1(−X−NH−CH2−NH−)、構成単位b2(−X−NH−CH2−Y−)のモル比率、未反応フェノールモノマー量、及びトリアジン類反応率は次のように求めた。
【0066】
<フェノールとトリアジン類(ベンゾグアナミン)の重量比率>
180℃、減圧下にて反応系外に除去した流出物中のフェノール含量をガスクロマトグラフィから算出し、仕込みのフェノール部数から引いて混合物中のフェノール存在量とした。ベンゾグアナミンは仕込み量がそのまま組成物中に含まれることとした。両者の比率を存在比とした。
[カラム:30%セライト545カルナバワックス2m×3mmΦ、カラム温度:170℃注入口温度:230℃検出器:FIDキャリアガス:N2ガス 1.0kg/cm2測定法:内部標準法]
【0067】
<構成単位b1(−X−NH−CH2−NH−)
構成単位b2(−X−NH−CH2−Y−)のモル比率>
13C−NMRチャートを用い以下の条件で測定した。
[装置:日本電子(株)製 GSX270プロトン:270MHZ測定溶媒:DMSOあるいは重アセトン基準物質:テトラメチルシラン測定条件パルス条件:45゜×10000timesパルス間隔:2秒]
チャートの42.5〜45ppmに現れるピークの積分値をBp、47〜48.5ppmに現れるピークの積分値をApとし、次式によりモル比率を求めた。
構成単位b1/構成単位b2 = Bp/Ap
【0068】
<未反応フェノールモノマー量>
先に示したガスクロマトグラフィと同様の測定条件において流出物中のフェノールモノマー含量を測定した。
【0069】
<トリアジン類反応率>
上記b1/b2比を測定したのと同一条件で測定した13C−NMRチャートを用いて算出した。チャートの167.2〜167.4ppmに現れるシャープなピークの積分値をTm、163〜167.2ppmに現れるブロードなピークのピーク積分値をTrとし、次式により反応率を求めた。
反応率(%)=(Tr/(Tr+Tm))×100
このようにして求められた各成分量の結果は表1にまとめて記した。
【0070】
合成例5
フェノール94部、メラミン18部に41.5%ホルマリン45部、およびトリエチルアミン0.4部を加え、系のpHを8.2に調整し、発熱に注意しながら徐々に100℃まで昇温した。100℃にて5時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら120℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて3時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら140℃まで2時間かけて昇温した。還流下で3時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら160℃まで2時間かけて昇温した。さらに還流下で3時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら180℃まで2時間かけて昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、軟化点128℃、水酸基当量120g/eqの目的樹脂を得た。以下、これを樹脂(B−2)と略記する。
【0071】
フェノールとメラミンの重量比率、構成単位b1、構成単位b2のモル比率、未反応フェノールモノマー量、及びトリアジン類反応率を、実施例1と同様に求め、結果を表1にまとめて示した。
【0072】
【表1】
【0073】
比較合成例1
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド 39g、トルエン 83gを仕込み後、撹拌しながら70℃に加熱した。そこへ、1,4−ナフトキノン 25gを発熱に注意しながら分割添加した。反応後、エポキシ当量が188のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N−770:大日本インキ化学工業株式会社製)を188部を仕込み90℃に昇温、トリフェニルホスフィン0.08部添加して160℃にて7時間反応させてから、リン含有量2.2重量%でエポキシ当量が380の目的樹脂を得た。以下、これを樹脂(A−4)と略記する。
【0074】
実施例1〜4
合成例で得られた樹脂(A−1)〜(A−3)および(B−1)、(B−2)を各別にメチルエチルケトンで溶解させ、不揮発分(NV)が55%なる混合溶液を調製した。次いで予めメチルセロソルブ、ジメチルホルムアミドに溶解させておいた硬化促進剤2エチル4メチルイミダゾールを加えて、不揮発分(NV)が55%なる混合溶液を調製した。この際の硬化剤の量としてはエポキシ樹脂中のエポキシ基に対して水酸基当量が1.0当量となるような割合にし、また、硬化促進剤量はプリプレグのゲルタイムが170℃で120秒になる割合にした。
しかるのち、それぞれの混合溶液を用い、基材であるガラスクロスWEA 7628 H258N〔日東紡(株)製〕に含浸させ、160℃3分乾燥させて樹脂分40%のプリプレグを作製した。
次いで、得られたプリプレグを8枚重ね合わせ、圧力3.9MN/m2、加熱温度170℃、加熱時間120分の条件で硬化させて積層板を作製した。
【0075】
得られた各々の積層板について、ピール強度、層間剥離強度、難燃性、Tg(ガラス転移温度)、PCT吸水率、耐ハンダ性の各物性を試験した。その結果を第2表に示す。尚、各試験は以下の方法に従った。
[ピール強度] JIS−K6481に準拠した。
[層間剥離強度] JIS−K6481に準拠した。
[難燃性] UL規格に準拠
[Tg(ガラス転移温度)]DMA法にて測定。昇温スピード3℃/min
[吸水率;PCT(プレッシャークッカー試験)にて121℃/湿度100%で処理した前後の重量変化(wt%)を吸水率として測定]
[耐ハンダ性;常態およびPCT処理後の積層板を260℃のハンダ浴に30秒浸せきさせてその状態変化を観察した]
判定基準:◎:外観変化なし、△:ミーズリングあり、×:フクレ発生
【0076】
比較例1
比較合成例1で得られた樹脂(A−5)をメチルエチルケトンで溶解させ、次いで予めメチルセロソルブ、ジメチルホルムアミドに溶解させておいた硬化剤ジシアンジアミドと硬化促進剤2エチル4メチルイミダゾールを加えて、不揮発分(NV)が55%なる混合溶液を調製した。この際の硬化剤の量としてはエポキシ樹脂中のエポキシ基に対して活性水素当量が0.5当量となるような割合にした以外は、実施例1〜5と同様にしてワニスを作製し、評価を行った。
【0077】
比較例2
エポキシ当量が492のLow−Br型エポキシ樹脂(EPICLON 1121−75M:大日本インキ化学工業株式会社製)を用いる以外は、比較例1と同様にしてワニスを作製し、評価を行った。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、ノンハロゲン難燃処方として極めて優れた難燃効果を発現させると共に、電気積層板の密着性に優れるエポキシ樹脂組成物を提供できる。
【0080】
従って、本発明の組成物は、電気電子、接着剤、注型、塗料等種々の分野に使用出来るものの、とりわけ電気積層用途において有用である。
Claims (12)
- Ar−P−の構造部位(式中、Arはアリール基を示す。以下同様。)を分子構造中に有するビスフェノールF型エポキシ樹脂(A)、及び、フェノール骨格とトリアジン骨格とを有する化合物(B)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- Ar−P−の構造が、ホスフィネート構造(a1)又はホスフィンオキシド構造(a2)である請求項1記載の組成物。
- エポキシ樹脂(A)が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂をAr−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物及びキノン化合物で変性したもの、あるいは、ビスフェノールF型エポキシ樹脂をAr−P−の構造部位を分子構造中に有するジヒドロキシ芳香族化合物で変性したものである請求項1又は2記載の組成物。
- ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、エポキシ当量100〜500g/eqのものである請求項3記載の組成物。
- Ar−P−の構造部位(式中、Arはアリール基を示す。以下同様。)を分子構造中に有するジグリシジルオキシナフタレン型エポキシ樹脂(A)、及び、フェノール骨格とトリアジン骨格とを有する化合物(B)を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- Ar−P−の構造が、ホスフィネート構造(a1)又はホスフィンオキシド構造(a2)である請求項5記載の組成物。
- エポキシ樹脂(A)が、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂をAr−P−Hの構造部位を分子構造中に有する化合物及びキノン化合物で変性したもの、あるいは、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂をAr−P−の構造部位を分子構造中に有するジヒドロキシ芳香族化合物で変性したものである請求項5又は6記載の組成物。
- ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂が、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテルである請求項7記載の組成物。
- エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が、200〜1500g/eqのものである請求項1〜7の何れか1つに記載の組成物。
- フェノール骨格とトリアジン骨格とを有する化合物(B)が、トリアジン化合物と、フェノール類と、アルデヒド類とを縮合反応した構造を有するものである請求項1〜9の何れか1つに記載の組成物。
- フェノール骨格とトリアジン骨格とを有する化合物(B)が、
B1:アミノ基含有トリアジン化合物とフェノール類とアルデヒド類との縮合反応物、
B2:アミノ基含有トリアジン化合物とアルデヒド類との縮合反応物、
B3:フェノール類とアルデヒド類との縮合反応物、
B4:フェノール類、
B5:アミノ基含有トリアジン化合物
の混合物(B’)であって、かつ、
該混合物中に
−X−NH−CH2−NH− (b1)
−X−NH−CH2−Y− (b2)
(式中、Xはトリアジン骨格、Yはフェノール骨格を示す。)
なる構造部位を
(b2)/(b1)=1.5〜20
となる割合で含有する混合物として用いられるものである請求項1〜10の何れか1つに記載の組成物。 - (A)成分及び(B)成分に加え、硬化促進剤(D)及び有機溶剤(E)を含有する請求項1〜11の何れか1つに記載の組成物。
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