JP2001214037A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP2001214037A
JP2001214037A JP2000021906A JP2000021906A JP2001214037A JP 2001214037 A JP2001214037 A JP 2001214037A JP 2000021906 A JP2000021906 A JP 2000021906A JP 2000021906 A JP2000021906 A JP 2000021906A JP 2001214037 A JP2001214037 A JP 2001214037A
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skeleton
halogen
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flame
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JP2000021906A
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Kunihiro Morinaga
邦裕 森永
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲンフリーの難燃処方として優れた難燃
効果を発現させると共に、成形品の耐熱性、耐湿性等の
物性を向上させる。 【解決手段】 ビナフトールのジグリシジルエーテル、
硬化剤、及び10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)
−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン
−10−オキサイドを含有。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲンフリーの
難燃性組成物として有用な難燃性エポキシ樹脂組成物に
関し、具体的には、塗料組成物、半導体封止用組成物又
は積層板用組成物として有用であり、特に積層板(プリ
ント配線板)用ワニスとして難燃効果のみならず、耐熱
性および耐湿性に優れた積層板を提供し得るエポキシ樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その優れた耐熱性、密
着性、電気特性(絶縁性)ゆえに電気電子材料部品を中
心に幅広く使用されている。
【0003】これら電気電子材料部品はガラスエポキシ
積層板やIC封止材に代表される様に高い難燃性(UL
−94:V−0)が求められており、通常は臭素化エポ
キシ樹脂等のハロゲン含有化合物が用いられている。例
えば、ガラスエポキシ積層板では、一般に臭素化エポキ
シ樹脂を主原料成分としたエポキシ樹脂と、ジシアンジ
アミド、フェノール化合物等のエポキシ樹脂硬化剤とを
配合して用いられている。
【0004】しかし、このようなハロゲン含有化合物の
使用は、近年のダイオキシンに代表される環境問題の一
要因となっている他、高温環境下でのハロゲン解離によ
る電気的な長期信頼性への悪影響などから、ハロゲンの
使用量を極力低減するか、ハロゲンに代替できる他化合
物を使用したいわゆるハロゲンフリー難燃処方が強く求
められている。
【0005】そこで、従来よりこの様なハロゲンによる
難燃処方に代わる技術として、例えばリン酸エステル系
化合物などを添加系難燃剤として使用する技術が種々検
討されている。しかしながら、このような技術で難燃性
を有するためには、リン酸エステル系化合物は相当量の
添加が必要であり、また該化合物の可塑性によって何れ
も成形品の耐熱性や耐水性等の低下をもたらすものであ
った。
【0006】そこで、リン系化合物を使用しながらも、
成形品の耐熱性、耐水性等を改善したものとして、例え
ば特開平4−11662号公報には、ビスフェノール型
エポキシ樹脂に特定のリン化合物を変性させて、成形品
の耐熱性の向上を図った技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平4−1
1662号公報記載の発明は、硬化物自体の難燃性が十
分でなく、ガラスエポキシ積層板やIC封止材などの電
気電子材料部品に求められる難燃性(UL−94:V−
0)を実現するには、やはり樹脂構造中にハロゲン原子
を導入しなければならず、ハロゲンフリー難燃処方とし
て実用化できないものであった。
【0008】即ち、本発明が解決しようとする課題は、
ハロゲンフリーの難燃処方として優れた難燃効果を発現
させると共に、成形品の耐熱性、耐湿性等の物性に優れ
る難燃性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂としてナ
フタレン骨格を含有するエポキシ樹脂を使用し、硬化剤
およびリン原子含有化合物とを併用することにより、特
異的に耐熱性、耐水性が改善されると共に、ハロゲンフ
リーによる難燃化を図ることができることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は、ナフタレン骨格
含有エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及びリン原子
含有化合物(C)を必須成分とすることを特徴とするエ
ポキシ樹脂組成物に関する。
【0011】本発明で用いるナフタレン骨格含有エポキ
シ樹脂(A)としては、樹脂構造中にナフタレン骨格を
含有するものであればよく特に制限されるものではな
く、例えば、1,6−ジヒドロキシナフタレンのジグリ
シジルエーテル等の1,6−ジグリシジルオキシナフタ
レン型エポキシ樹脂、1−(2,7−ジグリシジルオキ
シナフチル)−1−(2−グリシジルオキシナフチル)
メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシナ
フチル)メタン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジル
オキシナフチル)−1−フェニル−メタン、ナフトール
ノボラックのポリグリシジルエーテル、ビナフトールの
ジグリシジルエーテル等が何れも使用できるが、これら
のなかでも特に難燃性の改善効果が顕著であり、また、
耐熱性、耐水性にも優れる点からビナフトールのジグリ
シジルエーテルが好ましい。即ち、ビナフトールのジグ
リシジルエーテルは、エポキシ樹脂全体としての芳香環
量が非常に高く、また硬化後の架橋構造中の主鎖に剛直
で難燃性の高い芳香環が広範囲に取り組まれるため、燃
焼時にチャーを形成しやすく、結果、リン原子含有化合
物(C)との併用により硬化物の難燃性が極めて良好な
ものとなる。
【0012】このビナフトールのジグリシジルエーテル
は、通例のエポキシ樹脂と同様、原料であるビナフトー
ルにエピハロヒドリンを反応させることで製造できる。
【0013】ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(A)に
関し、そのエポキシ当量は特に制限されるものではない
が130〜500g/eqの範囲であることが好まし
く、特にナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(A)として
好ましく用いられるビナフトールのジグリシジルエーテ
ルの場合には、とりわけエポキシ当量199〜350g
/eqの範囲であることが、耐熱性、耐水性の改善効果
及び難燃効果が一層向上し、また、溶剤溶解性が著しく
良好となる点から好ましい。
【0014】また、本発明においてはハロゲンフリー難
燃処方として非常に有用であることからナフタレン骨格
含有エポキシ樹脂(A)は、ハロゲン原子は少ない方が
好ましく、実質的に非ハロゲンのエポキシ樹脂であるこ
と好ましい。但し、ここで、実質的に非ハロゲンのエポ
キシ樹脂とは、エピハロヒドリンの使用により混入され
るハロゲン成分は含んでいてもよく、具体的にはハロゲ
ン(エピクロルヒドリン使用の場合は、塩素)原子量は
5000ppm以下であることが好ましい。
【0015】前述の硬化剤(B)は、特に制限されるも
のでなく、フェノールノボラック、クレゾールノボラッ
ク、レゾルシンノボラック、ジシアンジアミド等の公知
汎用の硬化剤が何れも使用できるが、本発明において
は、フェノール骨格又はナフトール骨格をp−ベンゼン
ジアルキリデン基で結節された構造のポリフェノールを
用いることが、難燃性の改善効果の点から好ましい。
【0016】ここで、フェノール骨格又はナフトール骨
格をフェニレンアルキリデン基で結節させた構造のポリ
フェノールとは、フェノール骨格のみをフェニレンジア
ルキリデン基で結節させた構造のポリフェノール、ナフ
トール骨格のみをフェニレンジアルキリデン基で結節さ
せた構造のポリフェノール、或いは、フェノール骨格及
びナフトール骨格をフェニレンジアルキリデン基で結節
させた構造のポリフェノールであってもよいが、具体的
には、下記一般式1
【0017】
【化2】 (式中、R1、R2はそれぞれ水素原子又は炭素原子数
1〜3のアルキル基、Xは水素原子又は炭素原子1〜4
のアルキル基、nは1〜4の整数、nは重量平均重合度
0〜5の整数であり、Arは、フェノール骨格又はナフ
トール骨格をそれぞれ表す。)で表されるものが好まし
い。
【0018】これらのなかでもフェニレンジアルキリデ
ン基として、p−ベンゼンジアルキリデン基のもの、即
ち、一般式1において、Xが全て水素原子であって、か
つ該ベンゼン構造部位の置換位置が、いずれもp−であ
る構造のものが、特に硬化後の架橋構造中の主鎖に剛直
で難燃性の高い芳香環が取り組まれ、かつそれらのジア
ルキリデン結合が全てp位であるために、燃焼時、より
チャー形成をし易くなることから難燃性の改善効果が飛
躍的に向上する点から好ましい。
【0019】このようなフェノール骨格又はナフトール
骨格をp−ベンゼンジアルキリデン基で結節させた構造
のポリフェノールは、更に具体的には、フェノールと
α,α’ジメトキシパラキシレンをフリーデルクラフツ
縮合すること、ナフトールとα,α’ジメトキシパラ
キシレンをフリーデルクラフツ縮合すること、或いは
フェノール、ナフトールの混合物とα,α’ジメトキシ
パラキシレンをフリーデルクラフツ縮合すること等によ
り合成できる。
【0020】本発明で用いるリン原子含有化合物(C)
は、リン原子を含んでいれば特に限定されるものではな
いが、硬化物の一層の優れた難燃性を付与できる点か
ら、具体的には9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10
−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−
(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキ
サ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイ
ド、10−(2,5−ジヒドロキシナフチル)−10H
−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−
オキサイド、レゾルシニルジフェニルホスフェート、芳
香族ジホスフェート化合物、トリフェニルフォスフェー
ト等が挙げられる。
【0021】これらの中でも、難燃性の付与効果が大き
い点で、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホス
ファフェナントレン−10−オキサイド、10−(2,
5−ジヒドロキシナフチル)−10H−9−オキサ−1
0−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10
−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オ
キサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイ
ドが好ましい。これらの化合物は、エポキシ基と反応性
を有しているため、硬化時に架橋構造に取り組まれるこ
とになり、そのため得られる硬化物は飛躍的に耐熱性、
耐湿性、難燃性に優れたものとなる。
【0022】上記リン原子含有化合物(C)の使用量に
は特に制限はないが、組成物中の固形分に対して5〜3
0重量%となる範囲であることが好ましい。即ち、5重
量%以上において難燃性が飛躍的に向上する他、30重
量%以下において機械物性に優れたものとなる。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂成分として前記したナフタレン骨格含有エポキシ樹
脂(A)を単独で用いてもよいが、更にその他のエポキ
シ樹脂(D)を併用してもよい。
【0024】ここで用いられるその他のエポキシ樹脂
(D)は、特に制限されるものではないが、具体的に
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹
脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ジ
メチルビスフェノールCジグリシジルエーテル等の2官
能型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルADノボラック樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、
シクロヘキセンオキサイド基を有するエポキシ樹脂、ト
リシクロデセンオキサイド基を有するエポキシ樹脂、シ
クロペンテンオキサイド基を有するエポキシ樹脂、ジシ
クロペンタジエン型フェノール樹脂のエポキシ化物等の
環式脂肪族エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキ
サヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル
p−オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステル、
トリグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポ
キシ樹脂、ジグリシジルアニリン、テトラグリシジルア
ミノジフェニルメタン、トリグリシジルp−アミノフェ
ノール、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テト
ラグリシジルメタキシリレンジアミン、ジグリシジルト
ルイジン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘ
キサン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジグリシ
ジルヒダントイン、グリシジルグリシドオキシアルキル
ヒダントイン等のヒダントイン型エポキシ樹脂、トリア
リルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレー
ト等の複素環式エポキシ樹脂、フロログリシノールトリ
グリシジルエーテル、トリヒドロキシビフェニルトリグ
リシジルエーテル、トリヒドロキシフェニルメタントリ
グリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニ
ル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポ
キシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパ
ン、1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキ
シプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−
(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチ
ルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロ
パノール等の3官能型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシ
フェニルエタンテトラグリシジルエーテル、テトラグリ
シジルベンゾフェノン、ビスレゾルシノールテトラグリ
シジルエーテル、テトラグリシドキシビフェニル等の4
官能型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのその他
のエポキシ樹脂(D)は、フッ素、塩素、臭素等のハロ
ゲン原子を実質的に含まないエポキシ樹脂が挙げられ
る。
【0025】また、これら他のエポキシ樹脂(D)は、
その使用にあたって1種類のみに限定されるものではな
く、2種類以上の併用または、各種変性されたものでも
使用可能である。これらの中でも、特に機械物性、密着
性等のバランスの面からは、ビスフェノール型エポキシ
樹脂、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂及びビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、また特に耐熱性、機械物性
等のバランスの面からは、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ま
しい。これらその他のエポキシ樹脂(D)の配合量は特
に制限されるものではないが、ナフタレン骨格含有エポ
キシ樹脂(A)との合計重量に対して、70重量%以下
となる範囲であることが難燃効果の点から好ましい。
【0026】また、本発明の組成物は、上記した各成分
に加え、更に有機溶剤(E)を含有していてもよく、特
に電気積層板用組成物としては、この有機溶剤(E)は
必須の成分となる。ここで、使用し得る有機溶媒(E)
は、特に限定されるものではないが、例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブタノール、メトキシプロパノー
ル、エチルカルビトールなどが挙げられる。これらの溶
剤は、適宜2種または、それ以上の混合溶剤として使用
することも可能である。
【0027】これらの有機溶剤(E)の使用量は特に制
限されるものではないが、プリプレグを作製する場合の
基材への含浸性、樹脂付着性等が良好となる点から、固
形分含有率で30重量%以上、なかでも40〜70重量
%となる範囲であることが好ましい。
【0028】本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応
じて種々の硬化促進剤、添加剤、非ハロゲン系難燃剤、
充填剤等を適宜配合することができる。尚、本発明の組
成物を半導体封止材料用途においては、充填材は必須の
成分となり、具体的には破砕シリカ、球状シリカ、アル
ミナ、タルク、クレー、ガラス繊維等が挙げられる。こ
れらの中でも、特に半導体封止材料用途においては破砕
シリカ、球状シリカが好ましく、また、破砕シリカと球
状シリカを混合することによって、成形時の流動性と、
硬化物の強度のバランスを図ることができる。具体的に
は、特に平均粒径が10〜30μmの範囲の破砕シリカ
と、平均粒径が10〜30μmの範囲の球状シリカを混
合することが好ましい。
【0029】以上詳述した通り、本発明のエポキシ樹脂
組成物はハロゲンフリーの難燃性組成物として、塗料組
成物、半導体封止用組成物、積層板用組成物として極め
て有用である。本発明によれば、従来のハロゲンフリー
難燃性組成物に比べ、難燃性、耐熱性、耐湿性が飛躍的
に向上するため、高温高湿処理、煮沸処理、PCT(プ
レッシャークッカーテスト)処理に対して優れた耐性を
発現する。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明する。尚、例中において「部」および「%」
は特に断りのない限りすべて重量基準である。尚、リン
含有量は、以下の方法にて測定した。
【0031】[リン含有量]リン原子含有化合物の試料
1gに硝酸25ml及び過塩素酸10mlを加えて内容物を
5〜10mlになるまで加熱分解しこの液を1000mlメ
スフラスコに蒸留水で希釈する。この試料液10mlを1
00mlメスフラスコに入れ、硝酸10ml、0.25%バ
ナジン酸アンモニウム溶液を10ml及び5%モリブデン
酸アンモニウム溶液10mlを加えた後、蒸留水で標線ま
で希釈しよく振り混ぜ、放置するこの発色液を石英セル
に入れ、分光光度計を用いて波長440nmの条件でブ
ランク液を対照にして試料およびリン標準液の吸光度を
測定する。リン標準液はリン酸カリウムを蒸留水でP=
0.1mg/mlとして調整した液を100mlメスフラ
スコに10ml入れて蒸留水で希釈する。
【0032】次いで、試料中のリン含有量を次式より求
める。試料中のリン含有量(%)=試料の吸光度/リン
標準液の吸光度/試料(g)次いで、計算により硬化物
重量中のリン含有量を求め「リン含有量」とした。
【0033】合成例1 温度計、撹拌機、滴下ロート及び生成水分離装置のつい
た4つ口フラスコにビナフトール(=1,1’−ビ−2
−ナフトール)286g(1.0モル)、エピクロルヒ
ドリン647.5g(7.0モル)を仕込んだ後、窒素
雰囲気下で、80℃で20%NaOH440g(2.2
モル)を3時間かけて撹拌しながら滴下し、さらに30
分間撹拌を続けてその後静置した。下層の水層(食塩
水)を棄却し、過剰のエピクロルヒドリンを150℃で
蒸留回収した後、粗樹脂にMIBK600gを加え、さ
らに水を加え、80℃にて水層が中性を示すまで水洗し
た。その後、脱水、濾過を経てMIBKを150℃で減
圧下に除去して目的のエポキシ樹脂(A)464gを得
た。このエポキシ樹脂は淡黄色固体で、軟化点63℃、
エポキシ当量232g/eqであった。
【0034】実施例1 合成例1で得られたエポキシ樹脂(A)をメチルエチル
ケトンで溶解し、次いで予めメチルセロソルブ、ジメチ
ルホルムアミド、メチルエチルケトンに溶解させておい
たフェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製ミレ
ックスXLC−LL 水酸基当量=178g/eq)と
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレン−10−オキサイド(三光株式会社製HCA
リン含有量14.4% 活性水素当量=216g/e
q)、2エチル4メチルイミダゾールを加えて、不揮発
分(NV)が60%となる混合溶液を表1に示す配合に
従って調製した。この際の硬化剤(フェノールアラルキ
ル樹脂)の量としてはエポキシ樹脂中のエポキシ基に対
して活性水素当量が等当量となるような割合、また、硬
化促進剤量はプリプレグ化樹脂のゲルタイムが、160
℃熱板法において120±10秒になる割合にした。
【0035】しかるのち、それぞれの混合溶液を用い、
基材であるガラスクロスWEA 7628 H258N
〔日東紡(株)製〕に含浸させ、160℃にて3分乾燥
させて樹脂分42%のプリプレグを作製した。次いで、
得られたプリプレグを8枚重ね合わせ、圧力3.9MP
a、加熱温度170℃、加熱時間120分の条件で硬化
させて積層板を作製した。
【0036】得られた各々の積層板について、難燃性、
ピール強度、層間剥離強度、Tg(ガラス転移温度)、
PCT吸水率、耐ハンダ性の各物性を試験した。その結
果を第1表に示す。尚、各試験は以下の方法に従った。 [難燃性] UL規格に準拠 [ピール強度] JIS−K6481に準拠した。 [層間剥離強度] JIS−K6481に準拠した。 [Tg(ガラス転移温度)] DMA法にて測定。昇温
スピード3℃/min [吸湿率;PCT(プレッシャークッカー試験、121
℃/湿度100%)で処理した前後の重量変化(wt
%)を吸湿率として測定] [耐ハンダ性;常態およびPCT処理2hr後の積層板
を260℃のハンダ浴に30秒浸漬させてその状態変化
を観察した] 判定基準:◎:外観変化なし、△:ミーズリングあり、
×:フクレ発生
【0037】実施例2 実施例1において、合成例1で得られたエポキシ樹脂
(A)を合成例1で得られたエポキシ樹脂(A)を70
%、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(大日本イン
キ化学工業株式会社製 EPICLON 850S、エ
ポキシ頭領188g/eq)を30%配合する併用系に
変更する以外は全て同じ条件でプリプレグ化、積層プレ
スを行い、積層板を作製した。
【0038】実施例3 実施例1において、合成例1で得られたエポキシ樹脂
(A)を、合成例1で得られたエポキシ樹脂(A)を5
0%、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(大日本イ
ンキ化学工業株式会社製 EPICLON 850S)
を50%配合する併用系に、またフェノールアラルキル
樹脂(三井化学株式会社製ミレックスXL−LL:OH
当量=178g/eq)をナフトールアラルキル樹脂
(新日本製鐵株式会社製 SN−180:OH当量=1
97g/eq)に変更する以外は全て同じ条件でプリプ
レグ化、積層プレスを行い、積層板を作製した。
【0039】実施例4 実施例1において、合成例1で得られたエポキシ樹脂
(A)を、合成例1で得られたエポキシ樹脂(A)を7
0%、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本イ
ンキ化学工業株式会社製 EPICLON N−77
0、エポキシ当量189g/eq)を30%配合する併
用系に変更する以外は全て同じ条件でプリプレグ化、積
層プレスを行い、積層板を作製した。
【0040】実施例5 実施例1において、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドを、
10−(2,5−ジヒドロキシナフチル)−10H−9
−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキ
サイド(三光株式会社製HCA−NQ リン含有量8.
3% 活性水素当量=187g/eq)に変更する以外
は全て同じ条件でプリプレグ化、積層プレスを行い、積
層板を作製した。
【0041】比較例1 実施例1において、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(三
光株式会社製HCA)を除き、表2の配合に従う以外は
全て同じ条件でプリプレグ化、積層プレスを行い、積層
板を作製した。
【0042】比較例2 実施例1において、合成例1で得られたエポキシ樹脂
(A)をフェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本
インキ化学工業株式会社製 EPICLON N−77
0)に変更し、表2の配合に従う以外は全て同じ条件で
プリプレグ化、積層プレスを行い、積層板を作製した。
【0043】比較例3 温度計、撹拌機のついた4つ口フラスコに、BPA型液
状エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製 E
PICLON 850S)188g、10−(2,5−
ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−
ホスファフェナントレンー10−オキサイド(三光株式
会社製 HCA−HQ リン含有量=9.5% 活性水
素当量=162g/eq)67g、トリフェニルホスフ
ィン0.1gを仕込み、窒素雰囲気下で150℃で5時
間撹拌しながらホールドした。ホールド後、目的のエポ
キシ樹脂(B)255gを得た。このエポキシ樹脂は淡
黄色固体で、軟化点76℃、リン含有量2.5%、エポ
キシ当量437g/eqであった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲンフリーの難燃
処方として優れた難燃効果を発現させると共に、成形品
の耐熱性、耐湿性等の物性に優れる難燃性エポキシ樹脂
組成物を提供できる。
【0047】従って、本発明の組成物は、電気電子、接
着剤、注型、塗料等種々の分野に使用出来るものの、と
りわけ電気積層用途において有用である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂
    (A)、硬化剤(B)、及びリン原子含有化合物(C)
    を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(A)
    が、ビナフトールのジグリシジルエーテルである請求項
    1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(A)
    が、エポキシ当量130〜500g/eqのものである
    請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 硬化剤(B)が、フェノール骨格又はナ
    フトール骨格をフェニレンジアルキリデン基で結節され
    た構造を有するポリフェノールである請求項1、2又は
    3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 硬化剤(B)が、下記一般式 【化1】 (式中、R1、R2はそれぞれ水素原子又は炭素原子数
    1〜3のアルキル基、Xは水素原子又は炭素原子1〜4
    のアルキル基、nは1〜4の整数、nは重量平均重合度
    0〜5の整数であり、Arは、フェノール骨格又はナフ
    トール骨格をそれぞれ表す。)で表されるものである請
    求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 (A)〜(C)の各成分に加え、さらに
    その他のエポキシ樹脂(D)を併用する請求項1〜4の
    何れか1つに記載の組成物。
  7. 【請求項7】 さらに、有機溶剤(E)を含有する請求
    項1〜5の何れか1つに記載の組成物。
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