JP2013166664A - Mn−Zn系フェライトおよびトランス用磁心 - Google Patents

Mn−Zn系フェライトおよびトランス用磁心 Download PDF

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Abstract

【課題】室温での初透磁率が10000以上であり、かつ−40〜85℃という広い温度域において、33A/mの高い直流磁界が印加された下でも高い増分透磁率μΔを常に維持することができるMn−Zn系フェライトを提供する。
【解決手段】基本成分、添加成分および不可避的不純物からなるフェライトであって、前記基本成分が、FeO:52.0〜53.0 mol%およびZnO:22.0〜23.0 mol%を含み、残部がMnOの組成になり、前記添加成分として、全フェライトに対して、SiO:0.02mass%以下およびCaO:0.005〜0.1mass%を含有し、不純物としてのCrOが全フェライトに対して20massppm以下であり、平均結晶粒径が8〜15μmである。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばイーサネット(登録商標)機器のパルストランス等に用いて好適なMn−Zn系フェライトおよび、該フェライトからなるトランス用磁心に関するものである。
イーサネット(登録商標)機器のトランスには、入出力端子でのインピーダンスの整合を図る、もしくは電気的絶縁を保つ等の目的から、磁心に軟磁性材料を用いたパルストランスが用いられている。このパルストランスには、米国規格ANSI X3.263−1995[R2000]等によって、−40〜85℃という広い温度域において、直流磁界印加時に高いインダクタンス、すなわち高い増分透磁率μΔを有することが求められている。かような使途では、−40〜85℃の温度域において33A/mの直流磁界印加時の実効透磁率が2000以上であることが要求されている。
上記軟磁性材料からなる磁心には、一般に、外径3mm程度の超小型トロイダル形状のMn−Zn系フェライトが用いられている。このMn−Zn系フェライトの特徴は、軟磁性材料の中でも特に高透磁率、すなわち高インダクタンスが容易に得られること、またアモルファス金属やパーマロイなどと比較して安価であること、等が挙げられる。
しかし、Mn−Zn系フェライトは、酸化物磁性材料であることから、温度の変動によって磁気特性が大きく変化するという特性を有するため、金属磁性材料と比較して、幅広い温度域において安定した磁気特性を得るのが難しいという、欠点を有する。そのため、通常のMn−Zn系フェライトでは、上記のANSI X3.263−1995[R2000]で定められたような、−40〜85℃という広い温度域において、直流磁界印加の下での高い増分透磁率を実現することは難しい。
ところで、Mn−Zn系フェライトの磁気特性の温度依存性を改善するには、正の磁気異方性を有するCoOの添加が有効であることが知られている。
例えば、特許文献1には、50〜56mol%の酸化鉄と30〜36mol%の酸化マンガンと6〜20mol%の酸化亜鉛とからなる基本組成に、0.01から1.0mol%の酸化コバルトを添加することにより、−30〜90℃の温度範囲における初透磁率の温度依存性を改善した、酸化物磁性材料が開示されている。
また、特許文献2には、本発明が対象とする通信用トランス等の磁心に用いられるMn−Zn系フェライトにつき、FeO:51〜54mol%、ZnO:14〜21mol%および残部MnOを主成分とし、適正量の酸化コバルトを添加することにより、0〜70℃の広い温度域において、直流バイアス重畳時の磁気特性に優れるMn−Zn系フェライトを得る技術が開示されている。
なお、以下に示す初透磁率や増分透磁率の値は、すべて真空透磁率μoとの比(比透磁率)で表すこととする。
上記したCoOの添加は、確かに、Mn−Zn系フェライトの磁気特性の温度依存性を改善するには効果的である。しかし、Co2+イオンのサイズは、Co2+イオンによって置換されるMn2+イオンのそれと比較して小さいため、CoOの添加は、フェライト製造時の焼結速度を支配する因子であるO2−の移動速度を上昇させる。そのため、CoOを添加したMn−Zn系フェライトは、無添加のMn−Zn系フェライトと比較して、焼結が促進されて結晶粒が成長し易く、初透磁率が大きく上昇する傾向があり、効果的ではあるが添加量に対して特性が敏感に反応するため、量産時の僅かな組成変動で温度特性が大きく変わってしまうことが問題である。
また、初透磁率が高い磁性材料は、磁界の印加によって容易に磁化されるため、磁気飽和を起こし易く、トランス稼働時を想定した33A/mという高い直流磁界が印加された下では透磁率が低下する。つまり、CoOを添加した高初透磁率であるMn−Zn系フェライトは、無添加のMn−Zn系フェライトと比較して、33A/mの直流磁界印加時の増分透磁率μΔが劣化する、という欠点を有する。そのため、直流磁界印加時において、高透磁率を実現するためには、何らかの手段によって、磁気飽和を容易に起こさないように初透磁率を適度に低下させておく必要がある。
一般に、初透磁率は、フェライト結晶粒径の増大に伴い上昇する。そこで、直流磁界印加時の増分透磁率を上昇させるためには、フェライトの結晶粒成長を適度に抑制することが有効であると考えられる。しかしながら、上記の特許文献1には、初透磁率の温度依存性に関する記載はあるものの、フェライト結晶粒径に関する記載は全く無く、直流磁界印加時の増分透磁率を上昇させるための示唆を与えるところがない。
また、特許文献2には、平均結晶粒径に関する記載はあるものの、その結晶粒径を実現する手段については何ら言及されていない。そのため、これら特許文献1および2の記載内容に従うだけでは、透磁率の温度依存性を小さくして、直流磁界印加時において高い増分透磁率を得ることは不可能であった。
このため特許文献3では、Mn−Co−Znフェライトの結晶粒成長を適度に抑制することによって直流磁界印加の下での増分透磁率を上昇させることを検討し、Mn−Co−Znフェライトに適正量のSiOおよびCoOを同時添加すると共に、さらに、酸化鉄の原料に起因して不可避に混入してくる不純物としてのPの含有量を極微量に低減することにより、−40〜85℃という広い温度域において、33A/mの高直流磁界が印加された下でも増分透磁率μΔ:2000以上が達成できることが示されている。
なお、特許文献3では増分透磁率の代わりに実効透磁率という言葉が使用されているが、両者は同義であるから、以降は増分透磁率にて統一する。
しかしながら、特許文献3で示される、Mn−Co−Znフェライトの室温における初透磁率μiは3000〜6000程度であり、一般的なパルストランスには問題ないが、最近のトランスコアの小型化要求や銅線の巻線数低減要求などに対しては値が小さく、初透磁率がさらに高い状態において、33A/mの直流磁界が印加された下でも高い増分透磁率μΔが保証されることが求められている。具体的には室温の初透磁率として10000以上が要求されている。
特公昭52−31555号公報 特開2004−196632号公報 特開2007-197246号公報
そこで、本発明の目的は、室温での初透磁率が10000以上であり、かつ−40〜85℃という広い温度域において、33A/mの高い直流磁界が印加された下でも高い増分透磁率μΔを常に維持することができるMn−Zn系フェライトと、特にパルストランスに適したトランス用磁心とを提供することにある。
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点を解決するため、Mn−Zn系フェライトの組成を限定し、結晶粒成長を適度に抑制することによって室温での初透磁率と直流磁界印加の下での増分透磁率を上昇させることを検討した。その結果、限定された組成のMn−Zn系フェライトに適正量のSiOとCoOを同時添加すると共に、さらに、酸化鉄の原料に起因して不可避に混入してくる不純物としてのCrOの含有量を極微量に低減することが有効であることに加えて、フェライトの平均結晶粒径を適正範囲に制御するのが有効であることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、発明者らは、室温において12000〜15000程度の極めて高い初透磁率を実現するために、主原料であるFeO、ZnOおよびMnOの基本成分を厳密に選定し、さらに33A/mの直流磁界印加時における増分透磁率μΔを上昇させるために、まず、SiOを添加して結晶組織を均一化すると共に、粒界に偏析するCaOを同時に添加してMn−Zn系フェライトの結晶粒成長を適度に抑制し、初透磁率μを10000程度以上まで低下させることを試みた。しかし、SiOおよびCaOを多めに添加した場合には、しばしば結晶粒が異常成長するという新たな問題が顕在化した。この異常成長した結晶粒の内部には、本来結晶粒界に存在すべき成分が取り込まれている。その結果、異常粒が出現したフェライトでは、磁壁の移動が妨げられるため、増分透磁率が大きく低下し、また、強度も低下することになる。
そこで、発明者らは、フェライトの主原料であるFeOの大部分が鉄鋼の製造過程で発生するスケールを原材料としていることに着目し、このFeO原料と上記異常粒成長との関連性を調査した。その結果、不可避的不純物として鉄鋼中(スケール中)に存在している酸化クロム(CrO)が微量でフェライト中に含まれる場合には、フェライトの結晶粒の成長が促進されて初透磁率が上昇し、高い直流磁界が印加された時の増分透磁率の低下を招くこと、そして、さらにCrOが多く混入している場合には、異常成長粒が出現することを突き止めた。この異常粒成長は、CrOと同様、鉄鋼中には不可避的不純物としてCaOが含まれることから、CrとCaの化合物の存在が結晶の粒成長を促しているのではないかと推測される。
これまで、初透磁率や直流磁界が印加された下での、増分透磁率に対する不純物であるCrOの影響を排除するための、その含有量規制については何ら知見が存在していない。すなわち、上記した特許文献1〜3に記載の技術では、本発明の課題を解決することが事実上困難であったのである。
また、一般的なMn−Zn系フェライトの製造においては、高透磁率を得るために、結晶粒成長を促進するための添加成分を加えたり、そのための焼成条件を採用したりして、積極的に初透磁率μiを上昇させることが行われている。しかし、本用途に用いられるMn−Zn系フェライトでは、直流磁界印加時の増分透磁率μの低下を招くことのない、初透磁率の大きさに調整する必要がある。
そこで、発明者らは、室温で初透磁率μiを10000以上に保ったまま、33A/mの直流磁界印加の下で高い実効透磁率μを得る条件について検討した。その結果、焼成後のフェライトの平均結晶粒径が8μm未満では、初透磁率μiが10000未満となり、逆に、15μmよりも大きい場合には、初透磁率μiが大きく上昇し過ぎて、直流磁界印加の下での増分透磁率μが大きく低下すること、従って、平均結晶粒径は8〜15μmの範囲に制御するのが必要であることを見出した。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
ここに、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)基本成分、添加成分および不可避的不純物からなるフェライトであって、
前記基本成分が、FeO:52.0〜53.0 mol%およびZnO:22.0〜23.0 mol%を含み、残部がMnOの組成になり、
前記添加成分として、全フェライトに対して、SiO:0.02mass%以下およびCaO:0.005〜0.1mass%を含有し、
全フェライト中に含まれる不純物のうち、CrOを全フェライトに対して20massppm以下に抑制し、
平均結晶粒径が8〜15μmであることを特徴とするMn−Zn系フェライト。
(2)前記添加成分としてさらに、酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化スズ、酸化モリブデンおよび酸化バナジウムのうちから選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする前記(1)に記載のMn−Zn系フェライト。
(3)前記Mn−Zn系フェライトは、室温23℃における初透磁率が10000以上、かつ−40〜85℃の温度域における33A/mの直流磁界印加時の増分透磁率が2000以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のMn−Zn系フェライト。
(4)前記(1)から(3)のいずれかに記載のMn−Zn系フェライトからなるトランス用磁心。
本発明によれば、従来のMn−Zn系フェライトでは不可能であった、室温(23℃)における初透磁率が10000以上、さらに−40〜85℃の幅広い温度域において、33A/mの直流磁界印加の下での増分透磁率が2000以上、という高い値が維持される、Mn−Zn系フェライトを得ることができる。したがって、本発明のMn−Zn系フェライトは、広い温度範囲かつ直流重畳下で動作するパルストランスの小型化や銅線巻数低減に極めて有益な材料となり、特にイーサネット(登録商標)機器のパルストランスの磁心材料として好適である。
フェライト中に含まれるCrOの含有量が、直流磁界印加時の増分透磁率μΔに及ぼす影響を示すグラフである。
以下に、本発明に係るMn−Zn系フェライトが、23℃における初透磁率が10000以上であり、−40〜85℃という幅広い温度域において、33A/mの直流磁界印加の下で2000以上という高い増分透磁率を実現するために必要な成分組成について説明する。
まず、基本成分は、FeO:52.0〜53.0 mol%およびZnO:22.0〜23.0 mol%を含み、残部がMnOの組成になる。
・FeO:52.0〜53.0 mol%
FeOは、初透磁率と増分透磁率に大きく影響する基本となる成分である。室温(23℃)で10000以上の高い透磁率を得るには、51.5〜53.5mol%程度の量が好適であるが、低温度域における直流磁界印加の下での増分透磁率に対しては、それを2000以上とするためには、最低でも52.0mol%は必要になる。しかし、FeOが53.0mol%を超えて多くなると、高温度域における直流磁界印加の下での増分透磁率が低下するため、上限は53.0mol%とする。
・ZnO:22.0〜23.0 mol%
ZnOも、初透磁率と増分透磁率に大きく影響する基本となる成分である。ZnOは、その含有量の増加に伴い、直流磁界印加の下での増分透磁率を上昇させる効果がある。FeO:52.0〜53.0 mol%としたときに2000以上の高い増分透磁率を実現するためには、最低でも22.0mol%は含有させる必要がある。しかし、含有量が適正量を超える場合には、低温における直流磁界印加の下での増分透磁率が低下し、また、強磁性体が磁性を失う温度であるキュリー温度が低下することから、高温での直流磁界印加の下での増分透磁率も低下する。そのため、上限を23.0mol%とする。
・MnO:基本成分の残部
本発明のフェライトは、Mn−Zn系であり、上記FeOおよびZnO以外の基本成分の残部はMnOである。MnOは、室温23℃において初透磁率が10000以上、33A/mの直流磁界印加の下で2000以上という高い増分透磁率を実現するためには必須の成分である。
本発明のMn−Zn系フェライトは、上記の基本成分に加えて、添加成分としてSiOおよびCaOを下記の範囲で含有する必要がある。
・SiO:0.020mass%以下
SiOは、フェライトの結晶組織を均一化する効果と、結晶粒内に残留する空孔を減少させて結晶粒界の生成を促して結晶粒成長を抑制して初透磁率を適度に低下させる効果と、を有する添加成分であり、本発明のMn−Zn系フェライトが、直流磁界印加時に高い増分透磁率を実現するのに必要な成分である。そのためには、0.0015mass%以上で添加することが好ましい。上記の効果を得るために、SiOは0.020mass%まで含有することができる。しかし、添加量が多過ぎる場合には、反対に異常粒が出現して、直流磁界印加時の増分透磁率を著しく低下させることから、0.020mass%以下に収める必要がある。
・CaO:0.005〜0.1mass%
CaOは、フェライトの結晶組織を均一化する効果と、結晶粒内に残留する空孔を減少させて初透磁率を増大させる効果と、添加量を増やした場合に結晶粒界に偏析して結晶の粒成長を抑制する効果とがあり、適量を添加することによって初透磁率を適度な大きさにしつつ、直流磁界印加時で高い増分透磁率の実現に寄与する成分である。従って、本発明における必須の添加成分であり、初透磁率向上には最低でも0.005mass%含有する必要がある。しかし、添加量が過多の場合には、異常粒が出現し、直流磁界印加時の増分透磁率を著しく低下させることから、0.1mass%以下に収める必要がある。
本発明のMn−Zn系フェライトは、さらに、不純物としてのCrOを20massppm以下に抑制することが肝要である。
・CrO:20massppm以下
CrOは、上記したとおり、FeOの原料となる酸化鉄中に不可避に含まれる不純物成分であり、本発明において最も重要な抑制成分である。CrOの含有は、微量であれば許容され、具体的には、20massppm以下であれば問題はない。すなわち、20massppmを超えて含まれる場合には、フェライトの結晶粒成長が抑制されて初透磁率が減少し、直流磁界印加の下での増分透磁率の低下も招くことになる。また、CrOをさらに多く含有する場合には、異常粒成長を誘発し、初透磁率と直流磁界印加時における増分透磁率を著しく低下させる。よって、これらの悪影響を除去するためには、CrOは20massppm以下に制限する必要がある。勿論、CrOを0(ゼロ)としてもよい。ただし、混入量を0とするには高いコストとなる処理が必要になるから、コストとの関係において可能な限りで低減すればよい。
なお、CrOの含有量を上記範囲に制御するためには、FeO、MnO、ZnO等の原料として、CrOの含有量が少ない高純度のものを用いることが望ましい。また、ボールミル等での混合や粉砕に用いる媒体についても、磨耗による混入のおそれがあるため、CrOの含有量が少ないものを用いることが望ましい。
本発明のMn−Zn系フェライトは、以上の組成を必須の構成要件とするが、さらに添加成分として、酸化ビスマス(BiO)、酸化インジウム(InO)、酸化タンタル(TaO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化バナジウム(VO)および酸化モリブデン(MoO)のうちから選ばれる少なくとも一種を、上記の基本成分に加えて含有してもよい。その成分系としては、
FeO−ZnO−MnO−CaO−SiO
FeO−ZnO−MnO−CaO−BiO
FeO−ZnO−MnO−CaO−InO
FeO−ZnO−MnO−CaO−TiO
FeO−ZnO−MnO−CaO−SiO−TaO
FeO−ZnO−MnO−CaO−SiO−NbO−BiO
FeO−ZnO−MnO−CaO−BiO−MoO
FeO−ZnO−MnO−CaO−BiO−MoO−VO
FeO−ZnO−MnO−CaO−BiO−MoO−SnO
等が例示されるが、もとよりこれらの例に限定されるものではない。
ここで、BiO、InOおよびVOは低融点化合物として結晶成長を促進し高透磁率に寄与する。TiOおよびSnOは結晶内部を高抵抗化し低損失化に寄与する。TaO、NbOおよびMoOは粒界に偏折して結晶粒界を高抵抗化し低損失化,ひいては高透磁率化に寄与する。
以上の観点から、酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化スズおよび酸化モリブデンの含有量は、質量でそれぞれ、BiO、InO、VO、TaO、NbO、TiO、SnOおよびMoOに換算して、添加成分の総計で3000massppm程度以下であることが好ましい。
これらの添加成分は、単独添加でも、あるいは複合添加でもよい。しかし、添加量が上記適正範囲よりも少ない場合にはその効果が得られず、また多量の場合には、異常粒の発生を誘発し、直流磁界印加時の増分透磁率を低下させるため、それぞれ上記の範囲内に収めることが望ましい。
また、本発明に係るフェライトの結晶組織は、次の通りである。
本発明のフェライトは、上述したように、焼成後の平均結晶粒径が8〜15μmの範囲であることが必要である。すなわち、平均結晶粒径が8μm未満では、初透磁率μiが10000未満となり、逆に、15μmよりも大きい場合には、初透磁率μiが上昇し過ぎて、直流磁界印加の下での増分透磁率μΔが大幅に低下するからである。
さらに、本発明のMn−Zn系フェライトの製造方法について説明する。
焼成後のフェライトの基本成分組成が所定の値となるように、FeO、ZnOおよびMnOの原料粉末を秤量し、これらを十分に混合してから仮焼し、次いで、この仮焼粉に上述した添加成分を所定量添加し、粉砕する。この際、添加した成分分布に偏りがないように充分な均質化を行う必要がある。上記のようにして目標組成とした原料粉末にポリビニルアルコール等の有機物バインダーを添加して造粒し、圧力を加えて所定のコア形状に成形し、適正条件下で焼成し、フェライト焼成体(コア製品)とする。
かくして得られるMn−Zn系フェライトは、従来のMn−Zn系フェライトでは不可能であった、室温23℃において初透磁率が10000以上で、−40〜85℃という幅広い温度域において、33A/mの直流磁界印加の下での増分透磁率が2000以上という高い値を示すものとなる。
フェライト中に含まれるFeおよびMnをすべてFeOおよびZnOとして換算したときに、FeOおよびZnO(MnOは残部とする)の比率がそれぞれ表1に示す値となるように、各原料粉末を秤量し、この原料粉末を、ボールミルを用いて16時間混合し、その後、空気中で925℃×3時間の仮焼を行った。この際、酸化鉄をはじめとする各原料は、すべて高純度なものを用い、また混合および粉砕媒体であるボールミルもCrO含有量の低いものを用いて、焼成後のフェライト中に含まれるCrO含有量を20massppm以下に抑えた。
次に、この仮焼粉に、SiO、CaO、BiO3、MoO、InO、TaO、NbO、TiO、SnO、VOを表1に示す比率となるように添加し、ボールミルで12時間粉砕し、得られた粉砕粉にポリビニルアルコールを加えて造粒し、118MPaの圧力を加えて、外径20mm、内径10mmおよび高さ5mmのトロイダルコアを成形した。その後、この成形体を焼成炉に装入して最高温度1370℃で6時間保持の焼成を実施し、フェライト焼成体試料を得た。各試料の平均結晶粒径は、光学顕微鏡写真を用いたJIS G0551の記載に基づく切断法にて調査した。
このようにして得た各試料に10ターンの巻線を施し、直流印加装置(42841A:ヒューレットパッカード社製)で33A/mの直流磁界を印加した状態にて、LCRメータ(4284A:ヒューレットパッカード社製)を用いて、電圧100mV、周波数100kHzの条件における増分透磁率μΔを、−40℃、0℃、23℃、70℃および85℃の各温度で測定した。また、初透磁率μiは、同じ条件の下に直流磁界を印加せずに室温で測定した。
上記測定の結果を表2に示した。表2からわかるように、本発明に従う実施例では、室温23℃において初透磁率が10000以上であり、かつ−40℃から85℃の全温度域において、33A/mの直流磁界印加時の増分透磁率μΔが常に2000以上という、優れた特性を示している。
これに対して、本発明の範囲外となる比較例では、室温における初透磁率が10000未満であったり、−40℃の低温域のμΔが2000未満に低下したり、あるいは85℃における高温域のμΔが2000未満に低下したりして改善が得られていない。
Figure 2013166664
Figure 2013166664
CrOの含有量が異なる種々の酸化鉄原料を用いて、焼成後のフェライト試料中に含まれるCrOの含有量が、5、10、15、20、25および40massppmとなるように計算した上で、実施例1の実施例No.1、2および比較例No.1と同じ、FeO:52.5mol%およびZnO:22.5mol%を含み残部がMnOの組成となるように原料を秤量し、ボールミルを用いて16時間混合し、空気中で925℃×3時間の仮焼を行い、この仮焼粉にSiOを0.010mass%、CaOを0.050mass%、BiOを0.02mass%、MoOを0.02mass%添加し、ボールミルで12時間粉砕し、得られた粉砕粉にポリビニルアルコールを加えて造粒し、118MPaの圧力を加えて、外径20mm、内径15mmおよび高さ5mmのトロイダルコアを成形し、その後、この成形体を焼成炉に装入して最高温度1370℃で6時間保持する焼成を実施し、フェライト焼成体試料を得た。
これらの各試料に10ターンの巻線を施し、実施例1と同じ直流印加装置およびLCRメータを用いて、33A/mの直流磁界を印加した状態にて、電圧100mVおよび周波数100kHzにおける増分透磁率μΔを、−40℃、0℃、23℃、70℃および85℃の各温度で測定した。また、初透磁率μiは、同じ条件の下に直流磁界を印加せずに室温で測定した。
得られた測定結果を、実施例1の結果と併せて図1に示す。同図から、CrOを20massppm以下に抑制した本発明に従う実施例は全て、粗大な結晶粒が見られず、−40〜85℃の全温度域において、33A/mの直流磁界印加の下での増分透磁率が2000以上の値を示しているのに対して、CrOを25massppm含む比較例No.1では、粗大な結晶粒が出現し、その結果、33A/mの直流磁界印加の下での増分透磁率が低下し、低温側あるいは高温側で2000を切る値となっている。さらに、CrOを40massppm含む比較例No.11では、異常粒成長が起こった結果、増分透磁率が大幅に低下し、全温度域でμΔが2000を切っている。
実施例2と基本成分を同じくして、CrOの含有量を5massppmに抑えた仮焼粉に、実施例2と同量のSiO、CaO、BiOおよびMoOを添加し、ボールミルで12時間粉砕し、得られた粉砕粉にポリビニルアルコールを加えて造粒し、118MPaの圧力を加えて、外径20mm、内径10mmおよび高さ5mmのトロイダルコアを成形し、その後、この成形体を焼成炉に装入し、最高温度を1200〜1400℃の範囲で変化させて焼成し、平均結晶粒径が異なるフェライト焼成体試料を得た。これらの各試料に10ターンの巻線を施し、実施例1と同じ直流印加装置およびLCRメータを用いて、33A/mの直流磁界を印加した状態で、電圧100mVおよび周波数100kHzにおける増分透磁率μΔを、−40℃、0℃、23℃、70℃および85℃の各温度で測定した。また、初透磁率μiは、同じ条件の下に直流磁界を印加せずに室温で測定した。
得られたフェライト焼成体試料の平均結晶粒径と、初透磁率μi、増分透磁率μΔの値を、表3に示す。同表から、平均結晶粒径が8〜15μmの範囲に含まれる、本発明に従う実施例では、初透磁率μiの上昇が適度に抑制された結果、室温での初透磁率μiが10000以上で、−40℃から85℃における広い温度域において、33A/mの直流磁界印加時における増分透磁率μΔが常に2000以上という優れた特性を示している。
これに対して、平均結晶粒径が8μmより小さい比較例では、結晶粒成長が不十分であることから、初透磁率が10000未満であり、反対に、焼成温度が高くて平均結晶粒径が15μmより大きい比較例では、結晶粒の成長に伴い初透磁率μiも過度に上昇しすぎたために、増分透磁率μΔが2000未満に低下している。
Figure 2013166664

Claims (4)

  1. 基本成分、添加成分および不可避的不純物からなるフェライトであって、
    前記基本成分が、FeO:52.0〜53.0 mol%およびZnO:22.0〜23.0 mol%を含み、残部がMnOの組成になり、
    前記添加成分として、全フェライトに対して、SiO:0.02mass%以下およびCaO:0.005〜0.1mass%を含有し、
    全フェライト中に含まれる不純物のうち、CrOを全フェライトに対して20massppm以下に抑制し、
    平均結晶粒径が8〜15μmであることを特徴とするMn−Zn系フェライト。
  2. 前記添加成分としてさらに、酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化スズ、酸化モリブデンおよび酸化バナジウムのうちから選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載のMn−Zn系フェライト。
  3. 前記Mn−Zn系フェライトは、室温23℃における初透磁率が10000以上、かつ−40〜85℃の温度域における33A/mの直流磁界印加時の増分透磁率が2000以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のMn−Zn系フェライト。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のMn−Zn系フェライトからなるトランス用磁心。
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