JP2013128430A - 作業機のフレーム構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持強度を高めることが可能となる作業機のフレーム構造を提供する。
【解決手段】機体前後方向に並ぶ状態で配備された第1の粉粒体供給装置9及び第2の粉粒体供給装置10の夫々が複数の繰出し部を機体横幅方向に並ぶ状態で備えて構成され、且つ、第1の粉粒体供給装置9における機体横幅方向に沿って延びる第1装置フレーム47及び第2の粉粒体供給装置10における機体横幅方向に沿って延びる第2装置フレーム75を前後方向に沿って接続してそれらを支持する前後向き支持フレーム26が、機体横幅方向に間隔をあけて一対備えられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、第1の粉粒体供給装置と第2の粉粒体供給装置とが機体前後方向に並ぶ状態で配備されている作業機のフレーム構造に関する。
上記作業機の一例としての乗用型直播機において、従来では、次のように構成されたものがあった。すなわち、走行機体の後部にリンク機構を介して昇降自在に連結された作業部に、第1の粉粒体供給装置としての施肥装置と、第2の粉粒体供給装置としての播種装置とが前後に並ぶ状態で備えられたものがあり、これらの施肥装置と播種装置は、走行機体に連結された機枠に対してブラケットを介して各別に支持される構成となっていた(例えば、特許文献1参照。)。
実願昭61−61216号(実開昭62−172308号公報)
上記従来構成では、第1の粉粒体供給装置としての施肥装置と、第2の粉粒体供給装置としての播種装置が、走行機体に連結された機枠に対してブラケットを介して各別に支持される構成であるから、走行機体に対してリンク機構を介して連結される作業部におけるフレーム構造の剛性が低く支持強度が充分ではなかった。つまり、第1の粉粒体供給装置及び第2の粉粒体供給装置の夫々が粉粒体の繰出し部を機体横幅方向に複数並べる構成となっていることから、圃場での作業の実行に伴って、作業部が左右に揺れ動いたり上下に振動したりすると、ブラケットを介して各別に支持される複数の箇所に夫々各別に応力がかかり耐久性が低下するおそれがある等、フレーム構造の支持強度が低いものとなっていた。
本発明の目的は、支持強度を高めることが可能となる作業機のフレーム構造を提供する点にある。
本発明に係る作業機のフレーム構造は、第1の粉粒体供給装置と第2の粉粒体供給装置とが機体前後方向に並ぶ状態で配備されているものであって、その第1特徴構成は、前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置の夫々が複数の繰出し部を機体横幅方向に並ぶ状態で備えて構成され、且つ、前記第1の粉粒体供給装置における機体横幅方向に沿って延びる第1装置フレーム及び前記第2の粉粒体供給装置における機体横幅方向に沿って延びる第2装置フレームを前後方向に沿って接続してそれらを支持する前後向き支持フレームが、機体横幅方向に間隔をあけて一対備えられている点にある。
第1特徴構成によれば、第1の粉粒体供給装置に機体横幅方向に沿って延びる第1装置フレームが備えられ、第2の粉粒体供給装置に機体横幅方向に沿って延びる第2装置フレームが備えられ、第1装置フレームと第2装置フレームとを前後方向に沿って接続する前後向き支持フレームが機体横幅方向に間隔をあけて一対備えられる。
粉粒体の繰出し部を機体横幅方向に複数並べて構成されている第1の粉粒体供給装置及び第2の粉粒体供給装置の夫々に、機体横幅方向に沿って延びる状態で第1装置フレーム及び第2装置フレームが備えられるから、それらの各装置フレームによって複数の繰出し部を一連に連なった安定した状態で支持することができる。
そして、第1装置フレームと第2装置フレームとが、機体横幅方向に間隔をあけて一対備えられた前後向き支持フレームにより前後方向に沿って接続されるので、第1装置フレーム、第2装置フレーム、一対の前後向き支持フレームの夫々により、平面視において、略ロの字状の枠組み構造体が形成されることになる。
つまり、前記各粉粒体供給装置における複数の繰出し部を一連に連なった安定した状態で支持することができて、複数の繰出し部に個別に応力がかかることによる耐久性の低下を回避することができ、しかも、第1装置フレーム、第2装置フレーム、一対の前後向き支持フレームにより平面視において略ロの字状の枠組み構造体が形成されることから、作業機が左右に揺れ動いたり上下に振動するようなことがあっても、第1装置フレーム、第2装置フレーム、一対の前後向き支持フレームの夫々が互いに単独で変形することを規制するように作用することが可能となり、前記各フレームに各別に応力がかかることによる耐久性の低下を回避することができる。
従って、第1の粉粒体供給装置と第2の粉粒体供給装置とが機体前後方向に並ぶ状態で配備されている作業機におけるフレーム構造の支持強度を高めることが可能となった。
本発明の第2特徴構成は、前記一対の前後向き支持フレームの後部側箇所同士を連結する後部側連結部材が備えられている点にある。
第2特徴構成によれば、一対の前後向き支持フレームの後部側箇所同士を後部側連結部材によって連結することにより、一対の前後向き支持フレーム並びにそれに支持される第1装置フレーム及び第2装置フレームを支持するための支持強度を向上させることができ、作業機におけるフレーム構造の支持強度をより一層高めることができる。
本発明の第3特徴構成は、前記後部側連結部材に圃場に溝を形成する溝切り器が装着されている点にある。
第3特徴構成によれば、支持強度を高めるための後部側連結部材に溝切り器が装着するようにしたから、溝切り器を取り付けるための専用の支持フレームを備える必要がなく、部材の兼用化により支持構造の複雑化を招くことなく圃場に溝を形成するための溝切り器を装備することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記一対の前後向き支持フレームの前部側箇所同士を連結する前部側連結部材が備えられている点にある。
第4特徴構成によれば、一対の前後向き支持フレームの前部側箇所同士を前部側連結部材によって連結することにより、一対の前後向き支持フレーム並びにそれに支持される第1装置フレーム及び第2装置フレームを支持するための支持強度を向上させることができ、作業機におけるフレーム構造の支持強度をより一層高めることができる。
本発明の第5特徴構成は、前記一対の前後向き支持フレーム及び前記前部側連結部材が、前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置に動力を伝達する伝動系を備えた伝動ケースで構成されている点にある。
第5特徴構成によれば、一対の前後向き支持フレーム及び前部側連結部材が伝動ケースで構成され、第1の粉粒体供給装置及び第2の粉粒体供給装置に動力を伝達する伝動系を備えた伝動ケースをフレーム体として兼用する構成としている。
従って、第1の粉粒体供給装置及び第2の粉粒体供給装置に動力を伝達するために必要とされる伝動ケースを有効利用して、一対の前後向き支持フレーム及び前部側連結部材を構成することにより、部材の兼用化により、構造の複雑化を招くことのないフレーム構造を提供できるものとなった。
本発明の第6特徴構成は、前記第1装置フレーム及び前記第2装置フレームの機体横幅方向の中央部同士を前後方向に沿って連結する中央前後向きフレームが備えられている点にある。
第6特徴構成によれば、上述したように、第1装置フレーム、第2装置フレーム、一対の前後向き支持フレームの夫々により平面視において略ロの字状に形成される枠組み構造体に対して、さらに、第1装置フレーム及び第2装置フレームの機体横幅方向の中央部同士を中央前後向きフレームによって前後方向に沿って連結する構成とすることで、平面視において、略日の字状の枠組み構造体が形成されることになり、作業機におけるフレーム構造の支持強度をより一層高めることができる。
本発明の第7特徴構成は、前記中央前後向きフレームが機体後方側に向けて突出する状態で設けられ、その突出側端部に粉粒体を圃場に供給する第3の粉粒体供給装置が支持されている点にある。
第7特徴構成によれば、作業機におけるフレーム構造の支持強度を高めるために備えられる中央前後向きフレームを利用して、第3の粉粒体供給装置を支持する構成とすることにより、部材の兼用化により、支持構造の複雑化を招くことなく支持強度を高めたフレーム構造を提供できるものとなった。
本発明の第8特徴構成は、走行機体の後部に昇降リンク機構を介して昇降自在並びに前後軸芯周りでローリング自在に前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置を備えた作業部が連結され、前記昇降リンク機構における後部リンク部材と前記第1装置フレームあるいは第2装置フレームの左右両側箇所とにわたって、前記作業部の左右傾斜姿勢を中立状態に復帰付勢する左右一対のバランスバネが張設されている点にある。
第8特徴構成によれば、走行機体の後部に昇降リンク機構を介して昇降自在並びに前後軸芯周りでローリング自在に作業部が連結され、その作業部には、第1の粉粒体供給装置と第2の粉粒体供給装置とが備えられる。このように構成することで、走行機体が耕盤の凹凸に起因して田面に対して姿勢が傾斜しても、作業部の姿勢を田面に追従する状態に維持しながら粉粒体供給処理を行わせることができる。
そして、昇降リンク機構における後部リンク部材と第1装置フレームあるいは第2装置フレームの左右両側箇所とにわたって、作業部の左右傾斜姿勢を中立状態に復帰付勢する左右一対のバランスバネが張設されている。バランスバネを設けることにより、走行機体が田面に対して傾斜している状態から平行な姿勢に復帰したときに、作業部の姿勢を素早く田面に追従する状態にさせることができる。
従って、特別な部材を設けることなく、第1装置フレームあるいは第2装置フレームを利用してバランスバネを張設することができ、部材の兼用化により、構造の複雑化を招くことのないフレーム構造を提供できるものとなった。
本発明の第9特徴構成は、圃場面に走行指標を描く突出作用姿勢と機体内方側に引退する格納姿勢とにわたり姿勢変更自在なマーカーが左右一対備えられ、前記第1装置フレームあるいは前記第2装置フレームの左右両側端部に前記マーカーを前記格納姿勢で位置保持自在なマーカー保持部が設けられている点にある。
第9特徴構成によれば、圃場で作業を行う場合、マーカーを突出作用姿勢にしておくことで、隣接する作業行程を走行するときに用いられる走行指標を圃場面に描くことができるが、このマーカーを使用しないときには、第1装置フレームあるいは第2装置フレームの左右両側端部に備えられているマーカー保持部にてマーカーを格納姿勢で位置保持することができる。
従って、第1の粉粒体供給装置に備えられた第1装置フレームを利用してマーカー保持部を設けることができ、部材の兼用化により、構造の複雑化を招くことのないフレーム構造を提供できるものとなった。
本発明の第10特徴構成は、前記一対の前後向き支持フレームの夫々から機体横幅方向外方側に向けて延びる状態で前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置を保護する保護部材が設けられている点にある。
第10特徴構成によれば、保護部材により第1の粉粒体供給装置と第2の粉粒体供給装置とが保護されるように構成されているので、圃場での作業中に畦に接近したような場合や倉庫内で格納するときに壁に接近したような場合等において、保護部材によって第1の粉粒体供給装置や第2の粉粒体供給装置が畦や壁等に接当して損傷することを回避させることができる。
そして、一対の前後向き支持フレームの夫々から機体横幅方向外方側に向けて延びる状態で保護部材が設けられるので、一対の前後向き支持フレームを利用することにより、構造の複雑化を招くことのない状態で保護部材を支持することができる。
本発明の第11特徴構成は、前記保護部材が、前記一対の前後向き支持フレームに支持されて機体横幅方向外方側に向けて延びる支持杆と、前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置よりも機体横幅方向外方側に突出する保護作用部とを備えて構成され、前記保護作用部が、保護作用位置と接地可能なメンテナンス用位置とにわたり姿勢変更自在に構成されている点にある。
第11特徴構成によれば、圃場で作業する場合には、保護作用部を保護作用位置に姿勢変更させておくことで、第1の粉粒体供給装置や第2の粉粒体供給装置を保護することができ、又、メンテナンス作業の場合には、保護作用部をメンテナンス位置に姿勢変更しておくことで、この保護部材により接地支持してメンテナンス作業を行うことができる。このように保護部材をメンテナンス作業時における接地用の支持体に兼用することで使い勝手のよいものとなる。
水田作業機の全体側面図である。 水田作業機の全体側面図である。 作業部の側面図である。 作業部のフレーム構造を示す平面図である。 作業部のフレーム構造を示す平面図である。 播種装置の後面図である。 施肥装置の後面図である。 伝動構造を示す一部切欠平面図である。 ローリング軸芯付近の一部切欠側面図である。 溝切り器の支持構造を示す側面図である。 作業部の横一側部の後面図である。
以下、図面に基づいて、本発明に係る作業機を水田作業機に適用した場合について説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、左右一対の前車輪1と左右一対の後車輪2とを備えた走行機体3に運転座席4を備え、この走行機体3の後端にリンク機構5を介して昇降自在に作業部Aを連結して水田作業機が構成されている。運転座席4の近傍には、左右の前車輪1を操向操作するステアリングハンドル6、走行用変速レバー7、作業部Aの昇降操作等を行う操作レバー8等が備えられている。
図1〜図3に示すように作業部Aは、圃場面に対して4条の表面播種を行う第1の粉粒体供給装置としての播種装置9、圃場面に対して粉粒状の肥料の施肥を行う第2の粉粒体供給装置としての施肥装置10、圃場面に対して除草剤等の散布を行う第3の粉粒体供給装置としての薬剤散布装置11、作業対象となる圃場面の整地を行う整地フロート12、作業走行中に隣接する次回の走行行程に対する走行指標を圃場面に描くマーカー13、圃場に排水用の溝を形成するための溝切り器14等を備える構成となっている。
作業部Aは、施肥装置10が最も機体前部側に位置し、その施肥装置10の機体後方側に播種装置9が位置し、さらに、播種装置9の機体後方側に薬剤散布装置11が位置するように、それらを前後方向に並べる状態で備えて構成されている。
走行機体3の前部に搭載されたエンジン15からの駆動力をミッションケース16を介してから前車輪1に伝えると共に、後輪駆動ケース17を介して後車輪2に伝える走行伝動系を備えている。また、ミッションケース16からの駆動力を外部出力軸18に伝え、更に、この外部出力軸18からの作業部Aにおけるフィードケース19に伝える作業伝動系を備えている。
図1に示すように、リンク機構5は、走行機体3の後端に対して、その前端が揺動自在に支持される上部リンク5a及び左右の下部リンク5bを備えると共に、これらの後端に縦リンク5c(後部リンク部材の一例)を備えており、油圧シリンダ20の作動により後端部が昇降作動する。縦リンク5cの下端位置に前後向き姿勢のローリング軸芯Xを中心として揺動自在に作業部Aが支持されている。
図9に示すように、作業部Aにおいて、外部出力軸18から動力が伝えられる入力軸21を備えるフィードケース19は、入力軸21よりも少し高い位置に設けられた回動支点部22にて、縦リンク5cに対して前後向き姿勢のローリング軸芯Xを中心として揺動自在に支持されている。
図5、図7及び図8に示すように、フィードケース19の左右両側に左右の横向き伝動軸23を内装する左右両側の横向き筒状伝動ケース24が固定連結され、さらに、左右両側の横向き筒状伝動ケース24の横側外方側端部には伝動チェーン25を内装する前後向き伝動ケース26が固定連結されている。
そして、この前後向き伝動ケース26内の横向き伝動軸23から播種装置9及び施肥装置10に動力が伝達されるように伝動系が構成されているが、具体的な伝動構造については後述する。
図8に示すように、左右両側の前後向き伝動ケース26は、厚肉で剛性の大きい平坦なベース部材26Aと、周囲を略椀状に屈曲形成した蓋部材26Bとを接続することにより閉塞されたチェーン収納空間を形成するように構成されており、ベース部材26Aに横向き筒状伝動ケース24がシール部材を介在させた状態でフランジ連結される構成となっている。この前後向き伝動ケース26は、充分な支持強度を備えており、播種装置9や施肥装置10を支持する前後向き支持フレームとして機能することになる。
つまり、縦リンク5cに対してローリング軸芯Xを中心として揺動自在に支持されるフィードケース19、それに連結される左右両側の横向き筒状伝動ケース24、及び、左右両側の前後向き伝動ケース26は、作業部Aを支持する支持枠体としての機能を備えており、作業部Aに備えられる各種の装置を支持する構成となっている。
詳述はしないが、走行機体3には、整地フロート12の昇降位置を目標値に維持するように油圧シリンダ20を制御する昇降制御装置(図示せず)を備えており、この昇降制御装置による昇降制御が実行されることにより前車輪1又は後車輪2の圃場面に対する沈み込み量に拘わらず播種装置9を圃場面に追従させることが可能となる。また、走行機体3が左右方向へ傾斜した場合には、前述したローリング軸芯Xを中心として作業部Aがローリングすることにより、作業部Aの整地フロート12を圃場面に接触させる姿勢に維持することも可能となる。
図5に示すように、整地フロート12は、作業部Aの作業幅の略全幅にわたって延びる状態で一体的に形成されており、横長長方形状のフロート本体部12Aと、フロート本体部12Aの左右中央箇所から前方に向けて延出される前方張出し部12Bと、フロート本体部12Aの左右方向二箇所から後方に向けて延出される左右一対の後方張出し部12Cとで構成されている。前方張出し部12Bは、フロート本体部12Aの前端の左右中央位置から前方に向かって張り出されたものであり、作業部Aの昇降制御に使用されるセンサフロートとしての機能を有する。
〔播種装置〕
播種装置9は、播種される種子として鉄コーティング処理が行われた種籾を用い、整地フロート12で整地された圃場面に対して4条分の播種を行うように構成されている。具体的には、複数の種子を1株分として前後方向に間隔をあけて播種するいわゆる点播を行うように構成されている。そして、この播種装置9では、鉄コーティング処理が行われた種籾を用いることにより、鳥害を抑制しながら圃場面への表面播種を実現している。
図6に示すように、播種装置9は、2条分の種籾を貯留する種子貯留部としての種子ホッパー27が2個備えられ、夫々の種子ホッパー27から種子を繰り出すように夫々2個ずつ合計4個の種子繰出し部28が備えられ、各種子繰出し部28から繰り出された種子を風の影響を抑制した状態で直下方に案内する案内筒29が備えられている。そして、後述するように、走行機体3から伝達される動力により種子繰出し部28の繰出しロール30を駆動するように伝動系が構成されている。
図3に示すように、4個の種子繰出し部28及びその直下方に連なる案内筒29は、平面視において圃場面に接地する整地フロート12の後側に位置してその整地フロート12と重複しない状態で備えられている。つまり、図5に示すように、整地フロート12におけるフロート本体部12Aよりも機体後方側であって且つ左右一対の後方張出し部12C夫々の左右両側箇所に位置する状態で備えられている。そして、種子繰出し部28の内部に備えられた繰出しロール30から繰り出された種子を、整地フロート12に干渉しない状態で自重で直接的に圃場面に落下供給できるように構成されている。繰出しロール30は、走行機体3から伝達される駆動力により回転し、図示はしないが、所定量回転する毎に凹部に受け入れた種子を自重で落下させる形態で種子を繰り出すように構成されている。
図6に示すように、種子ホッパー27は、上部には開閉自在な蓋体31が備えられ、下部に2つの漏斗状部32が形成され、夫々の漏斗状部32に対して種子繰出し部28が接続されている。種子ホッパー27と蓋体31とは種子の残量を視覚によって確認できるように透明又は半透明の樹脂で形成されている。そして、図2に示すように、種子ホッパー27が、平面視において整地フロート12と一部重複する状態で備えられている。
図6に示すように、案内筒29は、繰出しロール30の下側に配置されて、前後方向視で下方側ほど狭くなるような下窄まり状で、且つ、図5に示すように、後部が開放された平面視略コ字状に形成された板体にて構成され、上下方向に開放された状態で繰出しロール30から繰り出された種籾を下方へ落下させることができるように構成されている。
又、この案内筒29は、ロックレバー33により種子繰出し部28の下端に保持され、ロックレバー33の操作により種子繰出し部28の下端から分離できるように構成されている。また、種子繰出し部28の後面側には着脱自在にカバー34を備え、このカバー34を取り外すことにより、繰出しロール30を露出させてメンテナンスを行えるように構成されている。
〔播種装置の駆動構造〕
図8に示すように、ローリング軸芯Xの下部位置に備えられた入力軸21を介して前後向きの外部出力軸18からフィードケース19内のベベルギア35を介して横向き入力軸36に動力が伝達され、横向き入力軸36から伝動チェーン37及び各条クラッチ38を介して同一軸芯上に位置する左右両側の横向き伝動軸23に動力が伝達され、さらに、左右両側の横向き伝動軸23の横側外方側端部から夫々、伝動チェーン25を介して左右一対の播種駆動軸41に動力が伝達されるように伝動系が構成されている。
そして、図4に示すように、左側の播種駆動軸41に取り付けられた一対の駆動ギア42と、左側の2個の繰出し部のロール軸43に取り付けられた一対の従動ギア44とを夫々咬み合い連動させ、播種駆動軸41の動力により左側の2個の種子繰出し部28の繰出しロール30を駆動回転するように伝動系が構成されている。又、右側の播種駆動軸41と右側の2個の種子繰出し部28との間も同様に、駆動ギア42と従動ギア44との咬み合い連動により、2個の種子繰出し部28の繰出しロール30を駆動回転するように伝動系が構成されている。
つまり、走行機体3側から前後向きの外部出力軸18を介して入力軸21に伝えられる動力により4個の種子繰出し部28における繰出しロール30が回転駆動されて、圃場に種籾を供給することができるように構成されている。尚、左右両側の各条クラッチ38を共に入り状態に切り換えると、4個の種子繰出し部28における繰出しロール30が全て回転駆動されて4条分の播種を行うことができる。そして、左右いずれかの各条クラッチ38を切り状態に切り換えると、左側の2個の種子繰出し部28だけを駆動する状態と、右側の2個の種子繰出し部28だけを駆動する状態とを選択的に現出させることができる。
〔播種装置の支持構造〕
図4及び図6に示すように、左右両側の前後向き伝動ケース26に対して、その機体後部の上部側箇所において、フランジ部45に共締め連結された左右一対のブラケット46を介して、播種装置9における機体横幅方向に沿って延びる角筒状の第1装置フレームとしての播種フレーム47が固定状態で支持されている。
又、図4に示すように、4個の種子繰出し部28のケース部48がこの播種フレーム47にボルト連結にて固定され、又、播種フレーム47に連結された軸支用のブラケット49にてロール軸43が回動自在に支持されている。このようにして播種フレーム47により4個の種子繰出し部28が繰出し操作な可能な状態で安定的に支持されている。
又、図4に示すように、左右両側の前後向き伝動ケース26の夫々に対してその機体後部の下部側箇所に平面視コの字型の支持部材51が下方に向けて延設される状態で連結固定され、図3に示すように、左右一対の支持部材51の下端部に、整地フロート12に備えられた左右一対の揺動支点ブラケット52が横向き軸芯周りで揺動自在に支持されている。尚、整地フロート12の前部側は、吊り下げ支持機構53により所定範囲で昇降自在に吊り下げ支持される構成となっている。吊り下げ支持機構53には、整地フロート12の下方側の付勢力を調節自在なバネ54が備えられている。
図4及び図5に示すように、左右両側の支持部材51に亘って架設される状態で後部側連結部材55が設けられている。この後部側連結部材55は、丸パイプ材にて構成され、左右両側端部を偏平状に潰して左右両側の支持部材51夫々の後面にボルト連結する構成となっている。又、この後部側連結部材55の機体横幅方向中央部には溝切り器14が取り付けられている。
溝切り器14は、機体前後方向視でV字状に屈曲した板材にて構成されており、整地フロート12の接地面よりも大きく下方に突出する状態で備えられており、走行機体3の走行に伴って圃場面に深い溝を形成することができるように構成されている。図10に示すように、溝切り器14は、後部側連結部材55に固定の平面視コの字形のブラケット92に横軸芯P周りで回動自在に支持されており、引張りバネ93により下方に向けて揺動付勢され且つストッパー94にて所定姿勢で位置保持されるように構成されている。このようにして上方へ退避可能な状態で圃場に溝を作成することができるように構成されている。
図3に示すように、走行機体3が左右方向に傾斜した際にも作業部Aの横方向への変位量を少なくしながら作業部Aを圃場面に追従させるようにローリング軸芯Xは低い位置に設定されている。また、図3に示すように、播種装置9における4個の種子繰出し部28がローリング軸芯Xと略等しい高さに位置する状態で備えられている。このようにローリング軸芯Xの高さと、種子繰出し部28の高さが略等しくなるように相対的な位置関係を設定することにより、種子繰出し部28も必然的に低いレベルになるように配置されている。
その結果、走行機体3が左右方向に傾斜することに起因して作業部Aがローリングした場合でも、種子繰出し部28の横方向への変位量を抑制し、これにより播種位置の横方向へのバラツキを抑制している。更に、このような配置から、繰出しロール30と圃場面との距離を短縮するものとなり、表面点播した場合の種籾の拡散を抑制するだけではなく、種子ホッパー27を低い位置にして重心を下げることができる。
〔施肥装置〕
図4及び図7に示すように、施肥装置10は、2条分の肥料を貯留する肥料貯留部としての肥料ホッパー56が2個備えられ、夫々の肥料ホッパー56から肥料を繰り出すように夫々2個ずつ合計4個の肥料繰出し部57が備えられ、各肥料繰出し部57から繰り出された肥料を流下案内する4本の施肥ホース58を備えて構成され、図3に示すように、施肥ホース58により流下案内される肥料を供給するための溝を圃場面に作成する作溝器59と、溝内に供給された肥料を埋め込むための埋め込み用案内体60とが備えられている。
図3及び図5に示すように、作溝器59は、圃場面に溝を切る溝切り具61とその溝切り具61で作成された溝に繰出された肥料を案内するための肥料案内具62とを備えて構成されている。溝切り具61は、側面視で三角形状で且つ平面視で先細り状(クサビ状)に形成され、整地フロート12におけるフロート本体部12Aの機体横幅方向に適宜間隔をあけた4箇所に底面から下方に突出する状態で連結されている。そして、ゴム製でジャバラの筒状の接続部材63が肥料案内具62の上部に取り付けられて、施肥ホース58が接続部材63に挿入されている。
肥料ホッパー56は、種子ホッパー27と同じように、上部には開閉自在な蓋体64が備えられ、下部に2つの漏斗状部65が形成され、夫々の漏斗状部65に対して肥料繰出し部57が接続されている。肥料ホッパー56と蓋体64とは肥料の残量を視覚によって確認できるように透明又は半透明の樹脂で形成されている。
肥料繰出し部57は、内部に横軸芯周りで回転駆動され且つ外周部に肥料を受け入れるための複数の凹部(図示せず)が形成された繰出しロール66を備えて構成され、繰出しロール66は、走行機体3から伝達される駆動力により回転し、回転する毎に凹部に受け入れた肥料を順次繰出すように構成されている。
そして、図3に示すように、施肥装置10における4個の肥料繰出し部57はローリング軸芯Xよりも上方側に位置する状態で備えられている。又、この施肥装置10は、平面視において整地フロート12と重複する状態で備えられている。
〔施肥装置の駆動構造〕
図7に示すように、各肥料繰出し部57の繰出しロール66を回転駆動する施肥駆動軸67が断面六角形に形成され、左右2個ずつの繰出しロール66と一体回動する状態で且つ左右2分割される状態で設けられている。そして、図3及び図7に示すように、左右両側の施肥駆動軸67の長手方向の途中部に一体回動自在に一方向クラッチを介して揺動操作アーム68が備えられ、この揺動操作アーム68の揺動端部と左右両側の横向き伝動軸23の軸端に取り付けられた回転アーム69とを押し引きロッド70を介して連動連結させている。
この構成によれば、横向き伝動軸23の回転に伴って回転アーム69が回転すると、押し引きロッド70を介して揺動操作アーム68が所定範囲で往復揺動操作され、施肥駆動軸67が所定量ずつ回転駆動され、肥料繰出し部57により肥料が順次繰出され、肥料繰出し部57から繰り出された肥料は施肥ホース58を通して圃場面に供給される。
つまり、走行機体3側から前後向きの外部出力軸18を介して入力軸21に伝えられる動力により4個の肥料繰出し部57における繰出しロール66が回転駆動されて、圃場に肥料を供給することができるように構成されている。
又、播種装置9と同様に、左右両側の各条クラッチ38を入り切り操作することにより、4条分の施肥を行う状態と2条分の施肥を行う状態とに切り換え可能に設けられている。すなわち、左右両側の各条クラッチ38を共に入り状態に切り換えると、4個の肥料繰出し部57における繰出しロール66が全て回転駆動されて4条分の施肥を行うことができる。そして、左右いずれかの各条クラッチ38を切り状態に切り換えると、2条分の施肥を行うことができ、左側の2個の肥料繰出し部57だけを駆動する状態と、右側の2個の肥料繰出し部57だけを駆動する状態とを選択的に現出させることができる。
〔施肥装置の支持構造〕
この施肥装置10は、播種装置9と同様に、左右両側の前後向き伝動ケース26にて支持される構成となっている。すなわち、図4、図5及び図7に示すように、左右両側の前後向き伝動ケース26の夫々に対して、その機体前部の上部側箇所において、フランジ部45に共締め連結され且つ上方に延びる状態で縦向き支持フレーム71が設けられている。
この縦向き支持フレーム71は、下部の基端側支持部72がフランジ部45に共締め連結され、この基端側支持部72から一体的に固定される状態で支柱部73が立設される構成となっている。左右両側の縦向き支持フレーム71の上部には連結ブラケット74を介して施肥装置10における機体横幅方向に沿って延びる角筒状の第2装置フレームとしての施肥フレーム75が固定状態で支持されている。
図7に示すように、4つの肥料繰出し部57の夫々における肥料繰出しケース57aの上部側箇所が施肥フレーム75にボルト連結にて固定されており、肥料ホッパー56は肥料繰出しケース57aに支持されており、施肥ホース58の上部側箇所が肥料繰出しケース57aに支持されている。つまり、施肥装置10全体が、施肥フレーム75及び左右両側の縦向き支持フレーム71を介して、左右両側の前後向き伝動ケース26に支持される構成となっている。
図4に示すように、施肥フレーム75の左右一対の縦向き支持フレーム71の連結箇所(左右両側箇所の一例)において機体前部側に向けて突出する状態で固定取り付けされた左右一対の支持ブラケット76の夫々と、リンク機構5における縦リンク5cとにわたって、作業部Aの左右傾斜姿勢を中立状態に復帰付勢する左右一対のバランスバネ77が張設されている。
又、図1及び図3に示すように、施肥装置10における肥料ホッパー56の上端部が播種装置9における種子ホッパー27の上端部よりも上方に位置する状態で、施肥装置10と播種装置9とが配備されている。このように構成することで、機体後方側から肥料ホッパー56に対して肥料を補給する場合、袋詰めされた肥料を種子ホッパー27の上部に一旦載置させた状態で補給作業を行うことができ、補給作業を容易に行えるものとなる。
〔薬剤散布装置〕
図3に示すように、薬剤散布装置11は、上部位置の除草剤等の薬剤が貯留される薬剤ホッパー78を備えると共に、この下部位置に本体ケース79を備え、この本体ケース79内に、薬剤ホッパー78に貯留された粉粒状の薬剤を繰り出すように電動モータや電磁ソレノイドで駆動される繰出し機構80と、この繰出し機構80から繰り出された薬剤を飛散させるように電動モータで駆動される拡散羽根81とを備えて構成されている。薬剤ホッパー78は、内部の薬剤の貯留量を視覚によって確認できるように透明樹脂製の材料にて構成されている。
この薬剤散布装置11は、播種幅(4条の幅)に対応した領域に薬剤の散布を行えるように播種装置9より上方に配置され、本体ケース79によって薬剤の散布方向を決めるガイド方向が設定される。また、平面視において整地フロート12の後端に対して、本体ケース79前端が後方に変位するように、薬剤散布装置11の全体が整地フロート12より後方に位置する状態で配置されている。このような配置により、本体ケース79の前端位置から鉛直下方に薬剤が送り出された場合でも、薬剤は整地フロート12に乗りかかることはなく、薬剤を播種幅に対応した横幅方向への領域に対しても無駄のない散布を行える。
この薬剤散布装置11は、走行機体3に備えたスイッチ(図示せず)の操作により繰出し機構80と拡散羽根81とを電気的に駆動することで薬剤散布が実行するように構成されている。又、図示はしないが、走行停止時等の播種が行われない非作業状態では薬剤散布を行わないように制御される構成となっている。
〔薬剤散布装置の支持構造〕
図3及び図4に示すように、夫々が機体横幅方向に沿って延びる播種フレーム47及び施肥フレーム75の機体横幅方向の中央部同士を前後方向に沿って連結する中央前後向きフレーム82が、播種フレーム47よりも機体後方側に向けて大きく突出する状態で設けられ、その突出側端部に薬剤散布装置11が着脱自在に支持されている。
つまり、中央前後向きフレーム82は丸パイプ材からなり、基端側が前後向き姿勢で後端側が下方に向けて湾曲形成されており、その後端部に縦向き姿勢の板状取り付け部83が連結されている。この板状取り付け部83にバックル機構84により着脱自在に薬剤散布装置11が装着されている。そして、図1及び図3に示すように、薬剤散布装置11における薬剤ホッパー78の上端部が、種子ホッパー27及び肥料ホッパー56夫々の上端部よりも上方に位置する状態でそれらが配備されている。
〔マーカーの支持構造〕
図11に示すように、左右両側の前後向き伝動ケース26の夫々に対して、その機体前部側箇所において、フランジ部45にマーカー支持フレーム85の基端側取り付け部85aが共締め連結されている。この基端側取り付け部85aは、前後向き伝動ケース26のフランジ部45に共締め連結されるとともに、縦向き支持フレーム71の基端側支持部72も共に締め付け連結する構成となっている。すなわち、マーカー支持フレーム85の基端側取り付け部85aは板材にて形成され、上部及び下部の両側部でフランジ部45に共締め連結されており、縦向き支持フレーム71の基端側支持部72の一方側箇所は、基端側取り付け部85aの上部側箇所にてフランジ部45に共締め連結されている。
図5及び図11に示すように、マーカー支持フレーム85のフレーム本体部85bが基端側取り付け部85aから機体横側外方に向けて延出される状態で備えられ、このフレーム本体部85bの外方側端部に、支持ブラケット86を介してマーカー13が、圃場面に走行指標を描く作用姿勢と機体内方側に引退する格納姿勢とにわたり前後向き軸芯周りで揺動自在に支持される構成となっている。
マーカー13は、引張りバネ87により作用姿勢に向けて回動付勢する状態で且つ外方側へ突出する作用姿勢で支持ブラケット86にて接当規制される状態で、マーカー支持フレーム85に支持されている。このマーカー13は、詳細な連係機構は図示しないが、作業部Aを非作業用の高位置に上昇させると、ワイヤ88を介して引張り操作されて格納姿勢に切り換わり、作業部Aを作業用の低位置に下降させると、引張りバネ87の付勢力により作用姿勢に切り換わるように構成されている。
図3、図4及び図11に示すように、作業部Aが作業用の低位置にあってもマーカー13を格納姿勢に位置保持するためのマーカー保持部89が、施肥フレーム75から延設される状態で備えられている。マーカー保持部89は、棒材を略コの字状に屈曲形成して構成され、施肥フレーム75の機体横側外方側箇所に取り付け固定され横側外方に延設する状態で備えられている。
図5及び図11に示すように、マーカー支持フレーム85の機体横側外方側には、外方側に延長突出する状態で、保護部材90が設けられる構成となっている。この保護部材90は、マーカー支持フレーム85の機体横側外方側に支持されて機体横幅方向外方側に向けて延びる支持杆90aと、播種装置9及び施肥装置10よりも機体横幅方向外方側に突出する保護作用部90bとを備えて構成され、保護作用部90bが、保護作用位置と接地可能なメンテナンス用位置とにわたり姿勢変更自在に構成されている。
すなわち、支持杆90aが丸パイプ状に形成されて、丸パイプ状に形成されたマーカー支持フレーム85の機体横側外方側に横軸芯周りで回動自在に嵌め込み装着され、挿通するピン(図示せず)で回り止めする状態で支持され、そのピンを差し替えて、支持杆90aを回動させて保護作用部90bが播種装置9や施肥装置10の外方側を覆う横向きの保護作用位置と下向きに突出して支持具Gを用いて接地可能なメンテナンス用位置とに切り換えることができるように構成されている。
〔作業部Aのフレーム構造〕
上述した説明から明らかなように、種子繰出し部28を機体横幅方向に4つ並べて構成されている播種装置9に機体横幅方向に沿って延びる状態で機体横幅方向に沿って延びる播種フレーム47が備えられ、又、肥料繰出し部57を機体横幅方向に4個並べて構成されている施肥装置10に機体横幅方向に沿って延びる施肥フレーム75が備えられ、それらの各フレーム47,75によって4個の種子繰出し部28及び肥料繰出し部57を一連に連なった安定した状態で支持することができる。
播種フレーム47と施肥フレーム75とが、機体横幅方向に間隔をあけて一対備えられた前後向き伝動ケース26により前後方向に沿って接続される構成となっており、播種フレーム47、施肥フレーム75、一対の前後向き伝動ケース26の夫々により、図4に示すように、平面視において、略ロの字状の枠組み構造体が形成されることになる。
左右一対の前後向き伝動ケース26の後部側箇所同士を後部側連結部材55によって連結しており、しかも、一対の前後向き伝動ケース26の前部側箇所同士が、左右両側の横向き筒状伝動ケース24及び左右中央部のフィードケース19により連結されるので、施肥フレーム75及び播種フレーム47を支持するための支持強度を向上させることができ、フレーム構造の支持強度をより一層高めることができる。従って、この実施形態では、左右両側の横向き筒状伝動ケース24及び左右中央部のフィードケース19により前部側連結部材100が構成されている。
〔作業形態〕
この水田作業機では、走行機体を走行させながら播種装置9と、施肥装置10と、薬剤散布装置11と、を作動させることにより、整地フロート12で整地された平坦な圃場面に対して播種装置9の4つの種子繰出し部28から設定量の種籾(種子)が繰り出され、自重による4条の点播が行われる。これと同時に薬剤散布装置11の拡散羽根81によって4条の幅の全領域に対する薬剤の散布が行われる。また、施肥装置10の4つの施肥繰出し部57から施肥ホース58を介して作溝器59に供給され圃場面下に対する施肥が行われる。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成してもよい。
(1)上記実施形態では、一対の前後向き伝動ケース26の後部側箇所同士を連結する後部側連結部材55が備えられ、この後部側連結部材55に溝切り器14が装着される構成としたが、このような構成に代えて、後部側連結部材55を備えない構成とし、溝切り器14を別の部材、例えばフィードケース19に備える構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、一対の前後向き伝動ケース26及び前部側連結部材100が伝動ケースで構成されるものを示したが、伝動ケースに限らず、専用の支持フレームにて構成するものでもよい。
(3)上記実施形態では、リンク機構5における縦リンク5cと施肥フレーム75の左右両側箇所とにわたってバランスバネ77が張設される構成としたが、縦リンク5cと播種フレーム47とにわたってバランスバネ77を張設してもよく、縦リンク5cと他の部材とにわたりバランスバネ77を張設してもよい。
(4)上記実施形態では、一対の前後向き伝動ケース26の夫々から機体横幅方向外方側に向けて延びる状態で保護部材90を設ける構成とし、保護部材90が、支持杆90aを横軸芯周りで回動させて保護作用部90bが保護作用位置とメンテナンス用位置とに姿勢変更する構成としたが、このような構成に代えて、例えば、支持杆90aを前後軸芯周りで回動させて保護作用部90bが保護作用位置とメンテナンス用位置とに姿勢変更する構成とするものでよい。
又、このような保護部材90を備えない構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、第1の粉粒体供給装置として播種装置9を備え、第2の粉粒体供給装置として施肥装置10を備えたが、第1の粉粒体供給装置として播種装置9を備え、第2の粉粒体供給装置として薬剤散布装置11を備えるもの、第1の粉粒体供給装置として施肥装置10を備え、第2の粉粒体供給装置として薬剤散布装置11を備えるもの等、種々の組み合わせで実施することができ、他の種類の粉粒体を供給するものでもよい。
本発明は、第1の粉粒体供給装置と第2の粉粒体供給装置とが機体前後方向に並ぶ状態で配備されている作業機に利用することができる。
3 走行機体
5 昇降リンク機構
5c 後部リンク部材
9 第1の粉粒体供給装置
10 第2の粉粒体供給装置
11 第3の粉粒体供給装置
13 マーカー
14 溝切り器
26 前後向き支持フレーム
28、57 繰出し部
47 第1装置フレーム
55 後部側連結部材
75 第2装置フレーム
77 バランスバネ
82 中央前後向きフレーム
90 保護部材
90a 支持杆
90b 保護作用部
100 前部側連結部材
A 作業部

Claims (11)

  1. 第1の粉粒体供給装置と第2の粉粒体供給装置とが機体前後方向に並ぶ状態で配備されている作業機のフレーム構造であって、
    前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置の夫々が複数の繰出し部を機体横幅方向に並ぶ状態で備えて構成され、且つ、前記第1の粉粒体供給装置における機体横幅方向に沿って延びる第1装置フレーム及び前記第2の粉粒体供給装置における機体横幅方向に沿って延びる第2装置フレームを前後方向に沿って接続してそれらを支持する前後向き支持フレームが、機体横幅方向に間隔をあけて一対備えられている作業機のフレーム構造。
  2. 前記一対の前後向き支持フレームの後部側箇所同士を連結する後部側連結部材が備えられている請求項1記載の作業機のフレーム構造。
  3. 前記後部側連結部材に圃場に溝を形成する溝切り器が装着されている請求項2記載の作業機のフレーム構造。
  4. 前記一対の前後向き支持フレームの前部側箇所同士を連結する前部側連結部材が備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機のフレーム構造。
  5. 前記一対の前後向き支持フレーム及び前記前部側連結部材が、前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置に動力を伝達する伝動系を備えた伝動ケースで構成されている請求項4記載の作業機のフレーム構造。
  6. 前記第1装置フレーム及び前記第2装置フレームの機体横幅方向の中央部同士を前後方向に沿って連結する中央前後向きフレームが備えられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の作業機のフレーム構造。
  7. 前記中央前後向きフレームが機体後方側に向けて突出する状態で設けられ、その突出側端部に粉粒体を圃場に供給する第3の粉粒体供給装置が支持されている請求項6記載の作業機のフレーム構造。
  8. 走行機体の後部に昇降リンク機構を介して昇降自在並びに前後軸芯周りでローリング自在に前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置を備えた作業部が連結され、
    前記昇降リンク機構における後部リンク部材と前記第1装置フレームあるいは前記第2装置フレームの左右両側箇所とにわたって、前記作業部の左右傾斜姿勢を中立状態に復帰付勢する左右一対のバランスバネが張設されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の作業機のフレーム構造。
  9. 圃場面に走行指標を描く作用姿勢と機体内方側に引退する格納姿勢とにわたり姿勢変更自在なマーカーが左右一対備えられ、
    前記第1装置フレームあるいは前記第2装置フレームの左右両側端部に前記マーカーを前記格納姿勢で位置保持自在なマーカー保持部が設けられている請求項1〜8のいずれか1項に記載の作業機のフレーム構造。
  10. 前記一対の前後向き支持フレームの夫々から機体横幅方向外方側に向けて延びる状態で前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置を保護する保護部材が設けられている請求項1〜9のいずれか1項に記載の作業機のフレーム構造。
  11. 前記保護部材が、前記一対の前後向き支持フレームに支持されて機体横幅方向外方側に向けて延びる支持杆と、前記第1の粉粒体供給装置及び前記第2の粉粒体供給装置よりも機体横幅方向外方側に突出する保護作用部とを備えて構成され、
    前記保護作用部が、保護作用位置と接地可能なメンテナンス用位置とにわたり姿勢変更自在に構成されている請求項10記載の作業機のフレーム構造。
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