JP2013089907A - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の炭化珪素半導体装置は、炭化珪素基板1と、炭化珪素基板1上に形成されたn型炭化珪素層2と、n型炭化珪素層2の表面近傍に平面視してリング状に形成された低濃度p型JTE領域3と、n型炭化珪素層2の表面近傍の低濃度p型JTE3の内側に該低濃度p型JTE領域3に接触して平面視してリング状に形成された高濃度p型領域4と、高濃度p型領域4上の一部に形成されたp型オーミック電極5と、p型オーミック電極5を覆うと共に高濃度p型領域4上及びn型炭化珪素層2上に形成されたショットキー電極6と、ショットキー電極6上に形成された第1の電極と、炭化珪素基板のn型炭化珪素層が形成されていない側に形成された第2の電極と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
なお、JBS(Junction Barrier Controlled Shottky)ダイオードも基本的な構造はMPSダイオードと同様である。
(1)炭化珪素基板と、前記炭化珪素基板上に形成されたn型炭化珪素層と、前記n型炭化珪素層の表面近傍に、平面視してリング状に形成された低濃度p型JTE領域と、前記n型炭化珪素層の表面近傍の前記低濃度p型JTEの内側に、該低濃度p型JTE領域に接触して、平面視してリング状に形成された高濃度p型領域と、前記高濃度p型領域上の一部に形成されたp型オーミック電極と、前記p型オーミック電極を覆うと共に、前記高濃度p型領域上及び前記n型炭化珪素層上に形成されたショットキー電極と、前記ショットキー電極上に形成された第1の電極と、前記炭化珪素基板の前記n型炭化珪素層が形成されていない側に形成された第2の電極と、を備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装置。
(2)前記低濃度p型JTE領域が、平面視してリング状に形成された、不純物濃度が異なる複数のp型領域が互いに隣接してなることを特徴とする前項(1)に記載の炭化珪素半導体装置。
(3)前記高濃度p型領域の面積が低濃度p型JTE領域で囲繞された領域の面積の0.8〜3.5倍の大きさであることを特徴とする前項(1)又は(2)のいずれかに記載の炭化珪素半導体装置。
(4) 前記低濃度p型JTE領域と前記高濃度p型領域とは相似形であって、前記高濃度p型領域のリング形状の幅は前記低濃度p型JTEのリング形状の幅の2.5〜5倍の大きさであることを特徴とする前項(1)から(3)のいずれか一項に記載の炭化珪素半導体装置。
図1(a)は、本発明を適用した第1の実施形態の炭化珪素半導体装置(ショットキーバリアダイオード)の一部の一例を示した平面模式図である。図1(b)は、図1(a)で示したA−A’線に沿った断面模式図である。
図1(a)及び図1(b)を参照して以下に詳細に説明する。
高濃度p型領域4は、ショットキー接合の周縁部(素子の端部)に配置する低濃度p型JTE3の内側に低濃度p型JTE領域3に接触するように形成されている。すなわち、p型オーミック電極5が上に形成される高濃度p型領域4は、素子の中央部分ではなく、ショットキー接合の周縁部(素子の端部)側に形成されている。
このように、順方向電流サージ耐性の機能を素子の端部側に担わせ、素子の中央部分にp型オーミック電極を配置しない構成であるため、ボンディング耐性が向上されている。
p型炭化珪素に対してオーミック性電極を形成する金属の一つとして、チタン−アルミニウム(Ti−Al)合金が知られている。
図2に示すように、p型オーミック電極5は、高濃度p型領域4側に設けられた第1合金層5aと、第1合金層5aを挟んで高濃度p型領域4と反対側に設けられた第2合金層5bとの二層構造を有している。なお、電極の断面観察において二層構造が観察されるp型オーミック電極5は、オーミック特性が良好で且つ表面状態が良好な電極となっている。これは、後述する炭化珪素半導体装置の製造方法において説明するように、p型オーミック電極5の形成において、チタンを蒸着した後にアルミニウムを積層するという順序になっていることと関連している。したがって、上記積層順序と異なる場合には、明確な層として観察されない。
なお、第1合金層5aと第2合金層5bとの境界は、電子顕微鏡を用いて断面を観察した際にコントラストが異なる境界から定めることができる。
なお、電極全体でショットキー接合領域が占める面積の割合を大きくすることにより、順方向に電流を流したときの電圧降下を小さくして、電力損失を小さくすることができる。
図3(a)は、本発明を適用した第2の実施形態の炭化珪素半導体装置の一部の一例を示した平面模式図である。図3(b)は、図3(a)で示したB−B’線に沿った断面模式図である。
図3(a)及び図3(b)を参照して以下に詳細に説明する。
図3で示した例では、不純物濃度が異なるp型領域は2個だが、3個以上であってもよい。
図3で示した例では、p型領域33bの方がp型領域33aよりも不純物濃度が低いのが好ましい。
本発明の実施形態であるショットキーバリアダイオード100の製造方法について説明する。図4〜図12は、本実施形態のショットキーバリアダイオード100の製造方法の一例を説明する工程断面図である。なお、図1及び図2で示した部材と同一の部材については同一の符号を付している。
まず、図4に示すように、SiC単結晶基板(炭化珪素基板)1上にn型エピタキシャル層(n型炭化珪素層)2を形成する。
n型エピタキシャル層(n型炭化珪素層)2上を清浄化するために、基板を洗浄する。洗浄としては例えば、硫酸+過酸化水素、水酸化アンモニウム+過酸化水素、塩酸+過酸化水素、フッ酸水溶液等を用いていわゆるRCA洗浄を行う。
次に、CVD法により、n型エピタキシャル層2上に酸化膜を形成する。
次に、酸化膜上にレジストを塗布した後、ステッパーにより、低濃度p型JTE領域(p型不純物領域)3及び高濃度p型領域(p型不純物領域)4に対応する窓部を有するフォトレジストパターンを形成する。任意の好適な公知のフォトリソグラフィ法によるパターニングを行うことができるが、ステッパーを用いることにより微細パターンからなるフォトレジストパターンを形成することができる。その後、酸化膜をドライエッチングして低濃度p型JTE領域3及び高濃度p型領域4に対応する窓部を形成する。
なお、炭化膜は、スパッタ法の代わりに、有機物を塗布した後、熱処理をして形成してもよい。
図5は、低濃度p型JTE領域3と高濃度p型領域4を形成後の時点の状態を示す断面工程図である。
次に、低濃度p型JTE領域3と高濃度p型領域4を形成したn型エピタキシャル層2上に、例えば、CVD法により、シリコン酸化膜(SiO2)からなる表面保護膜7を形成する。
図6は、この時点の状態を示す断面工程図である。
次に、例えばスパッタ法または蒸着法により、低濃度p型JTE領域3及び高濃度p型領域4を形成したSiC単結晶基板1の裏面に、例えば、Niからなる金属膜を形成する。
次いで、熱処理(例えば、950℃の熱処理)を不活性ガス雰囲気または真空中で行って、裏面オーミック電極8とする。これにより、裏面オーミック電極8は、SiC単結晶基板1の裏面と良好なオーミックコンタクトを形成する。
図7は、この時点の状態を示す断面工程図である。
次に、図8に示すように、表面保護膜7を除去する。
次に、高濃度p型領域4上に、リフトオフ法やエッチング法等の方法を用いて所望の大きさのp型オーミック電極5を形成する。
p型オーミック電極5の形成は、高濃度p型領域4を形成したn型エピタキシャル層2上にチタンを積層する工程(チタン積層工程)と、積層されたチタンの上方にアルミニウムを積層する工程(アルミニウム積層工程)と、熱処理により合金化する工程(熱処理工程)とから概略構成されている。
以下では、リフトオフ法を用いた場合について説明する。
次に、清浄化されたおもて面上に酸化膜(図示せず)を形成する。
次に、酸化膜上にレジストを塗布した後、ステッパーにより、p型オーミック電極5を形成する領域(高濃度p型領域4の一部)に対応する部分に開口部を有するフォトレジストパターンを形成する。任意の好適な公知のフォトリソグラフィ法によるパターニングを行うことができるが、ステッパーを用いることにより微細パターンからなるフォトレジストパターンを形成することができる。
次に、ウェットエッチングによって、酸化膜のうち、レジストによって覆われていない部分を除去して高濃度p型領域4の表面の一部(p型オーミック電極5を形成する領域)を露出させる。
次に、図9に示すように、例えば、スパッタ法または蒸着法を用いて、露出された高濃度p型領域4の表面の一部及びフォトレジスト上にチタン膜を積層する。これにより、チタン層15aが形成される。
次に、図9に示すように、スパッタ法または蒸着法を用いて、チタン層15a上にアルミニウム層15bを積層する。
ここで、チタン層15a及びアルミニウム層15bの膜厚は、それぞれ10〜10000Åであることが好ましく、100〜1000Åがより好ましく、500〜1000Åが特に好ましい。チタン層15a及びアルミニウム層15bの膜厚が10Å未満であるとオーミック接合に充分な電極層が形成できないために好ましくなく、10000Åを超えると周囲の絶縁膜等に影響が出るおそれがあるために好ましくない。
次に、リフトオフ(酸化膜及びレジストを剥がす)を行うことにより、図9に示すように、高濃度p型領域4上にチタン層15a及びアルミニウム層15bの積層構造を形成する。
次に、図10に示すように、積層されたチタン層15aとアルミニウム層15bとを熱処理により合金化してp型オーミック電極5を形成する。
熱処理には、赤外線ランプ加熱装置(RTA装置)等を用いることができる。熱処理温度は、880〜930℃が好ましく、890〜910℃がより好ましい。熱処理温度が880℃未満であると合金化反応が充分に促進しないため好ましくなく、930℃を超えると拡散の制御が困難となって所望の合金組成を得られないために好ましくない。また、熱処理時間は、1〜5分が好ましく、1〜3分がより好ましい。熱処理時間が1分未満であると合金化反応が充分に促進しないため好ましくなく、5分を超えると基板との反応が進行しすぎてしまい電極の表面が荒れてしまうために好ましくない。なお、熱処理は、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましく、アルゴン雰囲気で行うことがより好ましい。このようにして、チタン−アルミニウムからなる二元系の合金膜を形成する。
次に、p型オーミック電極5を形成したn型エピタキシャル層2上にレジストを塗布した後、フォトレジストパターンを形成する。
次に、スパッタ法または蒸着法により、窓部を形成したレジスト上に、例えば、チタンまたはモリブデンなどからなる金属膜を形成する。
次に、レジストを除去(リフトオフ)することにより、窓部に形成された金属膜のみをp型オーミック電極5を覆うように残すことができる。
次に、ショットキー障壁制御のための熱処理(例えば、600℃での熱処理)を不活性ガス雰囲気で行い、ショットキー電極6を形成する。ショットキー電極6は、SiC単結晶基板1に接続され、ショットキーコンタクトを形成している。
図11は、この時点の状態を示す断面工程図である。
なお、この工程はリフトオフ法ではなく、ショットキー電極6の形状にレジスト保護膜を形成し、ウェットまたはドライエッチングにてショットキー電極6以外の部分を除去して形成してもよい。
次に、ショットキー電極6を形成したn型エピタキシャル層2上にレジストを塗布した後、露光・現像により、フォトレジストパターンを形成する。
次に、スパッタ法または蒸着法によって、窓部を形成したレジスト上に、例えば、アルミニウムからなる金属膜を形成する。
次に、そのレジストを除去(リフトオフ)することにより、窓部に形成された金属膜のみをショットキー電極6上に残すことができる。
これにより、ショットキー電極6に接続されたおもて面パッド電極(第1の電極)9を形成する。
図12は、この時点の状態を示す断面工程図である。
次に、露光・現像により、パターン化されたパッシベーション膜10を形成する。
図13は、この時点の状態を示す断面工程図であって、おもて面パッド電極9の表面の一部が露出され、表面パッド電極9の端部9cのみを覆うようにパッシベーション膜10が形成されている。
最後に、スパッタ法で、裏面オーミック電極8上に、裏面パッド電極(第2の電極)11として、例えば、Ni/Agなどからなる2層の金属膜を形成する。
2 n型炭化珪素層
3 低濃度p型JTE領域
4 高濃度p型領域
5 p型オーミック電極
6 ショットキー電極
8 裏面オーミック電極
9 おもて面パッド電極(第1の電極)
11 裏面パッド電極(第2の電極)
Claims (4)
- 炭化珪素基板と、
前記炭化珪素基板上に形成されたn型炭化珪素層と、
前記n型炭化珪素層の表面近傍に、平面視してリング状に形成された低濃度p型JTE領域と、
前記n型炭化珪素層の表面近傍の前記低濃度p型JTEの内側に、該低濃度p型JTE領域に接触して、平面視してリング状に形成された高濃度p型領域と、
前記高濃度p型領域上の一部に形成されたp型オーミック電極と、
前記p型オーミック電極を覆うと共に、前記高濃度p型領域上及び前記n型炭化珪素層上に形成されたショットキー電極と、
前記ショットキー電極上に形成された第1の電極と、
前記炭化珪素基板の前記n型炭化珪素層が形成されていない側に形成された第2の電極と、を備えたことを特徴とする炭化珪素半導体装置。 - 前記低濃度p型JTE領域が、平面視してリング状に形成された、不純物濃度が異なる複数のp型領域が互いに隣接してなることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
- 前記高濃度p型領域の面積が低濃度p型JTE領域で囲繞された領域の面積の0.8〜3.5倍の大きさであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の炭化珪素半導体装置。
- 前記低濃度p型JTE領域と前記高濃度p型領域とは相似形であって、前記高濃度p型領域のリング形状の幅は前記低濃度p型JTE領域のリング形状の幅の2.5〜5倍の大きさであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の炭化珪素半導体装置。
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