JP2013070093A - 太陽電池用積層カバー基板、太陽電池、並びに、太陽電池用積層カバー基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透光基材の片面及び/または両面に、屈折率が1.05〜1.3である積層膜が積層された太陽電池用積層カバー基板であって、受光面側の中心線平均表面粗さRaを0.1μm〜10μmとし、かつ表面粗さの最大高さRmaxを0.1μm〜50μmとする。
【選択図】なし
Description
太陽電池の効率に関する因子としては、太陽電池セル内の半導体部分での量子効率や、太陽電池のカバー基板(受光面)の表面反射率等が挙げられる。特にカバー基板の表面反射を低減することは、太陽光エネルギーを太陽電池セル内に効率よく取り込んでエネルギー変換することに繋がり、半導体部分の種類や特性に依らず太陽電池の高効率化を図ることが可能であることから、その意義は大きい。また、例えば屋根または壁面に施工される太陽電池のカバー基板の表面反射は、反射光公害を生じさせることがあるという側面もある。
また、特許文献2には、光の反射防止と同時に防眩性を付与するため、表面に微細な凸凹形状を有する防眩層と、屈折率の低い層とを組合せたカバー基板が提案されている。しかしながら、上記文献では防眩層の凸凹の最適な条件が言及されていない。またさらに低屈折率層に関しても屈折率が1.4程度と推測されるため、十分に太陽光エネルギーを取り込むことが可能なカバー基板とすることは難しい。したがって、防眩性と同時に十分な反射防止効果が得られているとはいえない。
また、特許文献4では、0.01μm〜1μmの段差の凸凹面を有する反射防止層を提案している。しかしながら、実施例をみる限り、反射防止層自体の屈折率は1.3程度であると推測され、前記同様、十分な反射防止効果が得られているとはいえない。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、本発明は、高い反射防止性能を有し、かつ防眩性にも優れた太陽電池用積層カバー基板や太陽電池を得ることを目的とする。
本発明の第1の要旨は、透光基材の片面及び/または両面に、屈折率が1.05〜1.3である積層膜が積層された太陽電池用積層カバー基板であって、受光面側の中心線平均表面粗さRaが0.1μm〜10μmであり、かつ表面粗さの最大高さRmaxが0.1μm〜50μmであることを特徴とする太陽電池用積層カバー基板に存する(請求項1)。
また上記太陽電池用積層カバー基板におけるD65光の全光線透過率が80%以上であることが好ましく(請求項5)、さらに上記太陽電池用積層カバー基板は、熱線遮断層を有することが好ましい(請求項6)。
また本発明の第3の要旨は、上記記載の太陽電池用積層カバー基板を製造する方法であって、粘度0.05Pas・sec以下のシリカ系前駆体を用いて前記積層膜を形成する形成過程を有することを特徴とする太陽電池用積層カバー基板の製造方法に存する(請求項8)。
また前記太陽電池用積層カバー基板の製造方法においては、前記積層膜の形成過程で、100℃〜800℃の加熱工程を経ることが好ましい(請求項10)。
またさらに、本発明の太陽電池用積層カバー基板の製造方法によれば、所定の粘度を有するシリカ系前駆体を用いて積層膜を形成することから、生産性よく太陽電池用積層カバー基板を製造することが可能である。
本発明の太陽電池用積層カバー基板、太陽電池、及び太陽電池用積層用カバー基板の製造方法について以下、それぞれ説明する。
まず、本発明の太陽電池用積層カバー基板について説明する。本発明の太陽電池用積層カバー基板は、透光基材の片面及び/または両面に、所定の屈折率を有する積層膜が積層されたものであり、受光面側の中心線平均表面粗さRa及び表面粗さの最大高さRmaxが所定の範囲内とされているものである。なお、本発明でいう受光面側とは、太陽電池用積層カバー基板が太陽電池モジュールに用いられた際に、太陽光が入射する側をいうこととする。
以下、本発明の太陽電池用積層カバー基板の特性について説明し、その後、その太陽電池用積層カバー基板を構成する各部材について説明する。
1−1.構成
本発明の太陽電池用積層カバー基板は、透光基材及び積層膜を有するものであれば、その構成は特に限定されない。例えば図1に示すような、所定の表面粗さの凹凸を有する透光基材1の凹凸上に、積層膜2を積層した構成や、図2に示すような、凹凸を有さない透光基材1上に、所定の粗さの凹凸を有する積層膜2を積層した構成等とすることができる。なお、上記図1及び図2は、本発明の太陽電池用積層カバー基板を説明するために便宜的に用いられるものであり、太陽電池用積層カバー基板の構成は上記構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、いかなる変更も行うことが可能である。
また従来、太陽光により、太陽電池用積層カバー基板、太陽電池セル、又は両方に発生した熱が、太陽電池セルに伝播、又は滞在することで、太陽電池セルの発電効率を低下させる場合があった。そこで、透光基材の受光面とは反対側(セル部側)にも積層膜を積層することにより、前述した太陽電池用積層カバー基板からの熱の伝播について抑制することが可能となり、熱の伝播による太陽電池セルの発電効率低下を軽減する効果も期待できる。したがって、透光基材の両面に積層膜を有してもよい。
本発明の太陽電池用積層カバー基板の受光面側の中心線平均表面粗さRaは、通常0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.3μm以上である。また、通常10μm以下、好ましくは7μm以下、より好ましくは5μm以下、特に好ましくは4μm以下である。
上記中心線平均表面粗さRa、表面粗さの最大高さRmax、及び上記凹凸の平均間隔Smは、JIS−B0601に従った汎用の表面粗さ計で測定することで得られる。
本発明の太陽電池用積層カバー基板の面積は、0.1m2以上が好ましく、より好ましくは0.25m2以上、さらに好ましくは1m2以上である。かかるサイズよりも小さい場合には、太陽電池モジュールとした際の発電量が低く、積層膜による反射防止効果が十分に現れない場合がある。
本発明の太陽電池用積層カバー基板のD65光の全光線透過率は通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。これにより太陽電池モジュールの発電効率を良好なものとすることができる。
次に、本発明の太陽電池用積層カバー基板に用いられる透光基材の材料や各種特性について説明する。
本発明に用いられる透光基材としては特に限定されず、一般的な太陽電池用積層カバー基板に汎用されているものを用いることができ、具体的にはガラスや樹脂等が挙げられ、寸法安定性やガスバリア性等の面からガラスが好ましく用いられる。
上記透光基材に用いられるガラスは、任意の種類のものを使用できる。例えばその種類として、珪酸ガラス、高珪酸ガラス、珪酸アルカリガラス、鉛アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、バリウムガラスなどの珪酸塩ガラス、硼珪酸ガラスやアルミナ珪酸ガラス、燐酸塩ガラスや、これらの強化ガラスが挙げられる。中でも価格の点で、ソーダ石灰ガラスが好ましい。さらに、耐衝撃性の観点から強化ガラスを使用することも好ましい。また、単結晶太陽電池や他結晶太陽電池などの近赤外光でも光電変換可能な太陽電池に使用されるカバーガラスについては、通常のソーダ石灰ガラスでは含有される2価の鉄イオンにより近赤外領域に吸収を持つため、鉄イオン含有量を低減することで光透過性を高め、さらに耐衝撃強度が優れた白板強化ガラスを用いることがより好ましくなる。上記白板強化ガラスのガラス組成中の全酸化鉄量は、Fe2O3換算で0.06重量%以下が好ましい。より好ましくは0.04重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以下である。かかる範囲より大きいときは、前述の通り鉄イオンによる近赤外光の吸収が顕著になる場合がある。さらに積層膜との密着性の観点で、カリウム、カルシウム、亜鉛の割合が少ない方が好ましい。上記カリウム、カルシウム、亜鉛の割合はXPSで測定でき、カリウム、カルシウム、及び亜鉛の含有量の総和が、ケイ素との元素比で0.1以下が好ましく、0.08以下がより好ましく、0.05以下がさらに好ましい。
上記強化ガラスには、任意の強化方法を適用することができる。例えば、ガラス強化方法として、物理強化、化学強化、積層強化が挙げられる。中でも物理強化は、熱処理による強化方法であり、本発明の積層膜形成に熱処理を有する場合には、強化工程と膜形成工程とを両立できる点から好ましい。
上記ガラス及び樹脂は、1種のみを単独で用いてもよく、また2種以上を任意の組み合わせで用いてもよい。
上述したように、本発明の太陽電池用積層カバー基板においては、受光面側が所定の範囲内の中心線平均表面粗さを有するものである。太陽電池用積層カバー基板の受光面側の表面が上記中心線平均表面粗さを有するように、透光基材表面が凹凸を有するものとしてもよいが、例えば受光面側に形成される積層膜自体が凹凸を有し、上記中心線平均表面粗さや表面粗さの最大高さを実現するものである場合には、透光基材の中心線平均表面粗さや表面粗さの最大高さ等は特に限定されるものではない。また透光基材の受光面側と反対側の面の中心線平均表面粗さ等についても特に限定されるものではない。
ここで、透光基材表面に上記凹凸を形成する方法としては特に限定されず、例えば上記材料からなる基材にブラスト処理、エンボス加工、エッチング処理、スパッタリング処理、CVD処理、表面コーティング処理などの方法を適用することにより得られる。
上記透光基材のD65光の全光線透過率は、可視光透過率は80%以上が好ましく、より好ましくは83%以上、さらに85%以上が太陽電池モジュールの発電効率の観点から好ましい。
また、ヘイズは通常5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。また通常97%以下であり、好ましくは95%以下、より好ましくは93%以下である。かかる下限以上のヘイズをもつことは、拡散透過光が存在することを意味し、その拡散透過光は太陽電池セル中での光路長が長いために、太陽電池の効率向上に寄与できる。しかしながら、かかる上限より大きなヘイズを持つ場合には、拡散透過光量があまりに多くなりすぎて、全光線透過率が減少する場合がある。
また、上記透光基材の屈折率は通常1.40以上であり、好ましくは1.43以上である。また通常1.7以下であり、好ましくは1.65以下、より好ましくは1.53以下である。かかる範囲に透光基材の屈折率があることで、透光基材の種類によらず、後述する所定の屈折率を有する積層膜がより高い反射防止効果を示すことができる。また透光基材がガラスの場合、かかる範囲を超えるガラスは光学用途が多く、高価格である場合がある。透光基材が樹脂の場合は、かかる範囲を超える樹脂は限定されるため、太陽電池用積層カバー基板としての制約を受ける場合がある。上記屈折率の測定方法としては分光エリプソメトリー、プリズムカプラーなどが挙げられる。
さらに、上記透光基材の面積は、本発明の太陽電池用積層カバー基板の面積に応じて適宜選択される。また、上記透光基材の厚みは、機械的強度およびガスバリア性の観点から通常0.05mm以上であり、好ましくは0.1mm以上である。また、軽量化および光透過性の観点から通常80mm以下であり、好ましくは30mm以下、より好ましくは10mm以下である。
次に、本発明の太陽電池用積層カバー基板に用いられる積層膜の材料及び各種特性について説明する。
積層膜の材料としては、後述する屈折率を有する膜を形成可能なものであれば特に限定されず、樹脂などの有機層や、無機層、有機材料と無機材料との複合層が挙げられるが、寸法安定性や耐熱性の観点から、無機層、または有機材料と無機材料との複合層が好ましく、無機層がより好ましい。また、積層膜が透光基材の両面に形成される場合、それぞれ異なる材料からなる膜であってもよく、また同一の材料からなる膜であってもよい。
さらに、陽性元素を含む任意の化学組成の材料が含有されていてもよい。例えば、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化鉛等の遷移金属酸化物組成;酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウム、酸化セシウム等の酸化アルカリ金属組成;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等の酸化アルカリ土類金属組成;酸化ホウ素組成;酸化アルミニウム組成;等を挙げることができる。この他、カルコゲナイドガラス組成、フッ化ガラス組成等の公知の無機ガラス組成、金、銀、銅などの金属ナノ粒子も挙げることができる。これらは1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
反射防止の観点から、積層膜の屈折率は通常1.05以上であるが、積層膜の機械強度、防汚性(汚れによる反射防止性能の信頼性)の観点から、1.08以上であることが好ましく、より好ましくは1.1以上、特に好ましくは1.13以上である。また通常1.3以下であり、好ましくは1.28以下、より好ましくは1.26以下である。
(1)微粒子からなる積層体とすることで、粒子間に空隙を形成し、多孔質構造な積層体とする方法。
(2)積層体にエッチング処理を施すことで、多孔質構造な積層体とする方法。
(3)ポロゲン(空孔の元となるもの)を含む積層体を形成し、ポロゲンを空孔にする処理を加えることで、多孔質構造な積層体とする方法。なお、ポロゲンを空孔にする処理としては、超臨界二酸化炭素処理、溶剤処理、加熱処理、冷凍乾燥処理などが挙げられる。(4)上記の方法を組み合わせて、多孔質構造な積層体とする方法。
上述したように、本発明の太陽電池用積層カバー基板においては、受光面側の表面が所定の範囲内の中心線平均表面粗さを有するものである。積層膜が太陽電池用積層カバー基板の受光面側の最表層に位置する場合、積層膜表面が上記中心線平均表面粗さや最大高さを有するものとされる。この際、積層膜自体が凹凸を有し、上記中心線平均表面粗さや表面粗さの最大高さを実現するものであってもよく、また上記透光基材表面に形成された凹凸に沿って積層膜が形成され、上記中心線平均表面粗さや表面粗さの最大高さを実現するものであってもよい。
なお、受光面側と反対側の面に形成される積層膜の表面粗さについては特に制限はない。
上記積層膜の最大膜厚は、反射防止性能及び防眩性の観点から、通常50nm以上、好ましくは60nm以上、より好ましくは70nm以上、特に好ましくは80nm以上である。また通常10μm以下であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは500nm以下である。なお、50nmを下回ると膜厚の均一な膜を形成することが困難となる場合があり、10μmを越えると凸凹表面に積層した際に均質な膜を得ることが困難となる場合がある。積層膜が複数層からなる場合には、各層の膜厚の総和が上記範囲内とされる。
熱線遮断層を形成する材料としては、透明誘電体の多層体、赤外線領域に吸収を有する材料、金属などが挙げられ、これらを1種単独で、または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。上記の中でも特に透明誘電体の多層体や赤外線領域に吸収を有する材料が好ましい。
また、波長1300nm〜2500nmまでの赤外線透過率は通常5%以上、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上であり、通常95%以下、好ましくは85%以下、より好ましくは70%以下である。下限値を下回ると、全光線透過率を低下させる場合があり、上限値を上回った場合、太陽電池における発電効率が低下する場合がある。なお、赤外線透過率は、分光光度計で測定した波長1300nm〜2500nmでの50nmおきの透過率の平均値と定義する。
次に、本発明における太陽電池用積層カバー基板の製造方法について説明する。本発明の太陽電池用積層カバー基板の製造方法は、上述した「A.太陽電池用積層カバー基板」の製造方法に関するものであり、所定の粘度を有するシリカ系前駆体から積層膜を形成する形成過程を有することを特徴とする。
以下、本発明に用いられるシリカ系前駆体について説明し、その後、積層膜を形成する形成過程、及びその他の工程について説明する。
本発明でいうシリカ系前駆体とは、シリカを少なくとも含む積層膜を形成するために用いられる組成物をいうこととし、その種類は特に限定されないが、例えばテトラアルコキシシラン類、その加水分解物、及び部分縮合物からなる群(以下適宜、「テトラアルコキシシラン類群」という)より選ばれる少なくとも一種と、前記テトラアルコキシシラン類以外のアルコキシシラン類(以下適宜、「他のアルコキシシラン類」という)、その加水分解物、及び部分縮合物からなる群(以下適宜、「他のアルコキシシラン類群」という)より選ばれる少なくとも一種と、並びに/又は、前記テトラアルコキシシラン類群より選ばれる少なくとも一種及び前記他のアルコキシシラン類群より選ばれる少なくとも一種の部分縮合物(以下適宜、「特定部分縮合物」という)と、水と、有機溶媒と、触媒と、空孔を形成するための鋳型剤とを含むことが好ましい。
上記テトラアルコキシシラン類の種類に制限は無く、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン等が好ましいものとして挙げられる。また、テトラアルコキシシラン類群の例としては、前記のテトラアルコキシシラン類の加水分解物及び部分縮合物(オリゴマー等)なども挙げられる。
他のアルコキシシラン類は、上述したテトラアルコキシシラン類に属さないアルコキシシランであれば、任意のものを使用できる。好適なものとして、例えばトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類;ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3,5−トリス(トリメトキシシリル)ベンゼン等の有機残基が2つ以上のトリアルコキシシリル基を結合したもの;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリメトキシシラン等のケイ素原子に置換するアルキル基が反応性官能基を有するもの;等が挙げられる。また、他のアルコキシシラン類群の例としては、前記の他のアルコキシシラン類の加水分解物及び部分縮合物(オリゴマー等)なども挙げられる。
ただし、他のアルコキシシラン類は経時的に加水分解及び部分縮合を生じやすいため、他のアルコキシシラン類のみを用意した場合でも、通常はその他のアルコキシシラン類の加水分解物及び部分縮合物が他のアルコキシシラン類と共存することが多い。
なお、他のアルコキシシラン類に属する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
特定部分縮合物としては、上述したテトラアルコキシシラン類群より選ばれる少なくとも一種と他のアルコキシシラン類群より選ばれる少なくとも一種とが部分縮合した部分縮合物であれば、任意のものを用いることができる。好適な例として、テトラアルコキシシラン類の好適な例として例示したものと、他のアルコキシシラン類の好適な例として例示したものとが部分縮合した部分縮合物が挙げられる。
上述したテトラアルコキシシラン類及び他のテトラアルコキシシラン類の組み合わせの中でも、特に好ましい組み合わせとしては、テトラアルコキシシラン類としてのテトラエトキシシランと、他のアルコキシシラン類としての芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基を有するモノアルキルアルコキシシラン又はジアルキルアルコキシシランとの組み合わせが挙げられる。この組み合わせによれば、均質且つ耐久性を有する積層膜が得られる。
シリカ系前駆体中における上述したアルコキシシラン類の含有比率は、以下の条件(1)を満たすものとする。すなわち、全アルコキシシラン類由来のケイ素原子に対するテトラアルコキシシラン類由来のケイ素原子の割合が、通常0.3(mol/mol)以上、好ましくは0.35(mol/mol)以上、より好ましくは0.4(mol/mol)以上であり、また、通常0.7(mol/mol)以下、好ましくは0.65(mol/mol)以下、より好ましくは0.6(mol/mol)以下である(条件(1))。前記の割合が小さすぎる場合、得られる積層膜の疎水性は高くなるが、−O−Si−O−の結合が少なくなることで、積層膜の機械的強度が弱く、同様に耐水性も低下する可能性がある。一方、前記の割合が大きすぎる場合、積層膜中の残存シラノール基が多くなり、やはり耐水性が低下する可能性がある。
なお、前記の全アルコキシシラン類由来のケイ素原子に対するテトラアルコキシシラン類由来のケイ素原子の割合は、Si−NMRにより測定することができる。
本発明に用いるシリカ系前駆体は、水を含有することが好ましく、水の純度は高いことが好ましい。通常は、イオン交換及び蒸留のうち、いずれか一方または両方の処理を施した水を用いる。ただし、より純度の高い積層膜を形成する場合には、蒸留水を用いることが好ましく、さらに蒸留後、イオン交換した超純水を用いることが好ましい。詳しくは、例えば0.01μm〜0.5μmの孔径を有するフィルターを通した水を用いればよい。
なお、水の量は、カールフィッシャー法(電量滴定法)により算出できる。
シリカ系前駆体は、有機溶媒を含有することが好ましく、この有機溶媒の種類に制限は無い。中でも、有機溶媒としては、上述したアルコキシシラン類及び水を混和させる能力を有するものを1種以上用いることが好ましい。好適な有機溶媒の例を挙げると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等の炭素数1〜4の一価アルコール、炭素数1〜4の二価アルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールなどのアルコール類;ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等の、前記アルコール類のエーテルまたはエステル化物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−アセチルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−アセチルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルピロリジン、N,N’−ジホルミルピペラジン、N,N’−ジホルミルピペラジン、N,N’−ジアセチルピペラジン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;テトラメチルウレア、N,N’−ジメチルイミダゾリジン等のウレア類;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの中でも、含有するアルコキシシラン類がより安定な条件下で加水分解を行なうためには、アルコール類が好ましく、1価アルコールがより好ましい。
ただし、シリカ系前駆体を塗布後、加熱処理して均質な積層膜を形成するには、加熱処理の際に、ある程度の硬化(アルコキシシラン類の縮合反応)と水の除去とが同時に行なわれることが好ましい。したがって、表面近傍又は内部に存在する水分をある程度除去できる温度領域で、シリカ系前駆体内の有機溶媒が揮発するような有機溶媒を用いることが好ましい。
シリカ系前駆体は、触媒を含有することが好ましい。触媒は、上述したアルコキシシラン類の加水分解および脱水縮合反応を促進させる物質を任意に用いることができる。
その例を挙げると、塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸などの酸類;アンモニア、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ピリジンなどの塩基類;アルミニウムのアセチルアセトン錯体などのルイス酸類;などが挙げられる。
アルミニウム錯体としては、例えば、ジ−エトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジイソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物等を挙げることができる。
中でも、凸凹表面への造膜性、耐クラック性の観点から、シリカ系前駆体のpHを2以下にすることが好ましく、具体的には塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸などの酸類が好ましい。
本発明により形成される積層膜中に空孔を形成したり、空孔量を制御するためには、鋳型剤を混合することが有効である。鋳型剤としては溶媒以外の分解温度が130℃以上の化合物であれば、特に制限はないが、屈折率制御の観点から、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどの界面活性剤、ポリエチレングリコールなどの高分子種が好ましく、シリカ系前駆体の安定性の観点から非イオン性高分子がより好ましい。さらに、アルコキシシラン類との相溶性の観点からエチレンオキサイド部位を有する化合物が好ましい。なお、主鎖骨格構造は特に限定されることはない。
本発明の積層膜を製造することが可能である限り、シリカ系前駆体には、上述したアルコキシシラン類、水、有機溶媒、触媒及び鋳型剤以外の成分を含有していても良い。また、当該成分は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
上記シリカ系前駆体のpHは、例えば凸凹を有する透光基材表面への造膜性や、耐クラック性の観点から、通常pH2以下であり、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.5以下である。
また、シリカ系前駆体の粘度は、造膜性の観点から、通常0.05Pas・sec以下であり、好ましくは0.03Pas・sec以下、より好ましくは0.02Pas・sec以下である。上記粘度は、回転粘度計により測定される。
本発明において、積層膜を形成する方法としては、上記シリカ系前駆体を用いる方法であれば特に制限は無い。通常、シリカ系前駆体調製工程、塗布工程、焼成工程、冷却工程の順で得ることができる。また、前記工程に加え、透光基材の表面処理工程や、積層膜のシリル化処理工程等を行なってもよい。
シリカ系前駆体調製工程では、シリカ系前駆体を構成する上記各成分を混合して、シリカ系前駆体を調製する。この際、各成分の混合の順番に制限は無い。また、各成分は、全量を一回で混合しても良く、2回以上に分けて連続又は断続的に混合しても良い。
ただし、従来、制御困難とされているゾル−ゲル反応を制御して、シリカ系前駆体をより工業的に調製するためには、以下の要領で混合することが好ましい。即ち、アルコキシシラン類、水、触媒及び溶媒を混合し、その混合物を熟成させることでアルコキシシラン類をある程度加水分解及び脱水縮合させる。その後、上記混合物に鋳型剤を混合して、シリカ系前駆体を調製する。これにより、ゾル−ゲル反応条件下で、アルコキシシラン類と鋳型剤との親和性を維持することができる。なお、熟成は、前記の混合物と鋳型剤とを混合した後で行なってもよい。
また、熟成の後、膜化工程の前にシリカ系前駆体は有機溶媒を更に混合して希釈することが好ましい。これにより、シリカ系前駆体内でのゾル−ゲル反応速度を低下させることができ、シリカ系前駆体のポットライフを長く維持することが可能となる。
シリカ系前駆体を塗布する前に、透光基材表面を洗浄することが好ましい。また透光基材表面を洗浄するだけではなく、必要に応じて、透光基材表面のシリカ系前駆体を塗布する領域に表面処理を施してもよい。
透光基材の洗浄方法としては、例えば化学的な方法として、フッ酸、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸等の酸類、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカル類、過酸化水素と濃硫酸、塩酸、アンモニア等の混合液への浸漬、物理的方法として、真空中での加熱処理、イオンスパッタリング、UVオゾン処理、コロナ処理、プラズマ処理などが挙げられる。また表面処理では、加熱、濃硫酸、塩酸、硝酸等の強酸類への浸漬が挙げられる。
シリカ系前駆体の塗布方法としては、湿式法を用いることができ、特に制限はされないが、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、カーテンコート法、インクジェット法、ロールコート法、ブレードコート法、スクリーン印刷法、ダイコート法などの方法が用いられる。
例えば上記ダイコート等の流延法でシリカ系前駆体を膜化する場合、流延速度に制限は無いが、通常0.1m/分以上、好ましくは0.5m/分以上、より好ましくは1m/分以上、また、通常1000m/分以下、好ましくは700m/分以下、より好ましくは500m/分以下である。流延速度が遅すぎると膜厚にムラができる可能性があり、速すぎると透光基材とシリカ系前駆体との濡れ性の制御が困難になる可能性がある。
塗布工程における雰囲気に制限は無い。例えば、空気雰囲気中で膜化を行なっても良く、例えばアルゴン等の不活性雰囲気中で塗布を行なってもよい。
上記シリカ系前駆体を加熱処理する方式は特に制限されないが、例えば加熱炉(ベーク炉)内に透光基材を配置してシリカ系前駆体の膜を加熱する炉内ベーク方式、プレート(ホットプレート)上に透光基材を搭載しそのプレートを介してシリカ系前駆体の膜を加熱するホットプレート方式、前記透光基材の上面側及び/又は下面側にヒーターを配置し、ヒーターから電磁波(例えば赤外線)を照射して、シリカ系前駆体の膜を加熱する方式、などが挙げられる。
冷却工程では、加熱工程で高温となった積層膜を冷却する。この際、冷却速度は特に制限はないが、通常0.1℃/分以上、好ましくは0.5℃/分以上、より好ましくは0.8℃/分以上、更に好ましくは1℃/分以上、また、通常50℃/分以下、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃/分以下、更に好ましくは10℃/分以下である。冷却速度が遅すぎると製造コストが高くなる可能性があり、速すぎると透光基材と積層膜との線膨張が異なることによる膜質の低下が予想される。
得られた積層膜をシリル化剤で処理することで、より機能性に優れた表面にする事ができる。シリル化剤で処理することにより、積層膜に疎水性が付与され、コンタミネーションにより空孔が汚染されるのを防ぐことができる。
本発明の製造方法では、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した積層膜の形成過程における各工程の工程前、工程中及び工程後の任意の段階で、任意の工程を行なってもよい。また上記積層膜の形成過程以外にも、必要に応じて任意の段階で任意の工程を行うことができる。
次に、本発明の太陽電池モジュールについて説明する。本発明でいう太陽電池セルとは、光起電力効果を利用して、光エネルギーを電力に変換することのできる素子または装置であり、太陽電池モジュールとは、一つまたは複数個の太陽電池セルに保護部材を備えた構造体のことをいう。
本発明によれば、上記太陽電池用積層カバー基板を有することから、太陽光エネルギーの反射が少なく、太陽光エネルギーを太陽電池セル内に極めて効率よく取り込むことが可能となる。したがって、発電効率の高い太陽電池モジュールとすることができる。また上記太陽電池用積層カバー基板は防眩性が高いことから、本発明の太陽電池モジュールを屋根や壁面に用いた場合に、反射光公害が生じないものとすることができるという利点も有する。
なお、以下において、中心線平均表面粗さRa、及び表面粗さの最大高さRmaxは表面粗さ形状測定機((株)東京精密社製サーフコム570A)により、1走査距離30mmの条件で3回測定した平均値を算出した。
膜厚は、積層カバー基板の破断面を電子顕微鏡観察することで見積もった。
D65光の全光線透過率Ttはヘーズメータ(スガ試験機(株)製HZ−2)により測定した。なお、積層体を形成する前の透光基材の全光線透過率をTt_sub、太陽電池
用積層カバー基板の全光線透過率をTt_arとした。
粘度は、レオメトリックス社製ARES−FRT100を用いて、せん断速度100sec-1での粘度測定により求めた。
[シリカ系前駆体の調製]
テトラエトキシシラン1.70g、メチルトリエトキシシラン1.73g、及びエタノール(沸点78.3℃)0.58gを混合し、さらに水1.39g、触媒として0.3重量%の塩酸水溶液3.26gを加えて、60℃のウォーターバス中で30分、さらに室温で30分攪拌することで、混合物(A)を調製した。
この組成物(D)において、全アルコキシシラン類(テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシラン)由来のケイ素原子に対する、テトラエトキシシラン由来のケイ素原子、水、及び鋳型剤の割合は、それぞれ、0.46、14.4及び0.0059(mol/mol)である。
得られたシリカ系前駆体のpHは1、粘度は0.005Pas・secであった。
平滑なガラス(中心線平均表面粗さRa=0.01μm、表面粗さの最大高さRmax=0.13μm)上に、前記シリカ系前駆体を500rpm、2分間の条件でスピンコーター(ミカサ(株)社製)でスピンコートし、450℃のホットプレートで2分焼成し、室温で5分冷却することで、積層膜の屈折率測定用基板を得た。得られた積層膜の屈折率は1.25であった。
実施例1と同様にシリカ系前駆体を調製した。その後、ブラスト処理したガラス(中心線平均表面粗さRa=1.11μm、表面粗さの最大高さRmax=11.73μm)上に前記シリカ系前駆体0.5mlを均一に滴下し、500rpm、2分間の条件で実施例1と同様にスピンコートし、450℃のホットプレートで2分焼成し、室温で5分冷却することで、太陽電池用積層カバー基板を得た。
実施例1と同様にシリカ系前駆体を調製した。その後、ガラス(中心線平均表面粗さRa=2.55μm、表面粗さの最大高さRmax=22.89μm)上に前記シリカ系前駆体1mlを均一に滴下し、500rpm、2分間の条件で実施例1と同様にスピンコートし、450℃のホットプレートで2分焼成し、室温で5分冷却することで、太陽電池用積層カバー基板を得た。
(比較例1)
実施例1と同様の操作により、実施例1の組成物(D)を得た。この組成物(D)4mlと、希釈溶媒として1−ブタノール6mlとを混合することで、シリカ系前駆体を調製した。
2 積層膜
Claims (10)
- 透光基材の片面及び/または両面に、屈折率が1.05〜1.3である積層膜が積層された太陽電池用積層カバー基板であって、
受光面側の中心線平均表面粗さRaが0.3μm〜10μmであり、かつ表面粗さの最大高さRmaxが0.1μm〜50μmであり、
前記透光基材の受光面側の表面粗さの最大高さRmaxが11.73〜50μmである
ことを特徴とする太陽電池用積層カバー基板。 - 前記積層膜の最大膜厚が50nm〜10μmである
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用積層カバー基板。 - 前記透光基材が強化ガラスである
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池用積層カバー基板。 - 面積が0.1m2以上である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池用積層カバー基板。 - D65光の全光線透過率が80%以上である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池用積層カバー基板。 - 熱線遮断層を有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用積層カバー基板。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池用積層カバー基板を有する
ことを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池用積層カバー基板の製造方法であって、鋳型剤を含む粘度0.05Pas・sec以下のシリカ系前駆体を用いて前記積層膜を形成する形成過程を有する
ことを特徴とする太陽電池用積層カバー基板の製造方法。 - 前記シリカ系前駆体のpHが2以下である
ことを特徴とする請求項8に記載の太陽電池用積層カバー基板の製造方法。 - 前記積層膜の形成過程で、100℃〜800℃の加熱工程を経る
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の太陽電池用積層カバー基板の製造方法。
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