JP5621486B2 - シリカ系多孔質体の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、非結晶性の含フッ素重合体をダイコート法により、反射防止層を形成している(特許文献1)。しかしながら、含フッ素重合体の場合、有機物としては屈折率の低い特性により低反射性を示すが、十分ではなく、さらにフッ素特有の疎水性/疎油性な性質から基材との密着性が弱く、耐久性の面で問題があった。そこで、多孔質構造を有する無機物質をウェット製膜により形成する報告がされている。具体的には、ゾル−ゲル反応による多孔質膜を形成するために、塗布膜の乾燥工程を管理することで、溶媒の揮発を制御する方法が報告されている(特許文献2)。上記方法としてスピンコート法、ディップコート法、キャスト法が挙げている。しかしながら、スピンコート法、キャスト法ではドライ製膜法と同様、連続コーティングや基材の大面積化の点で問題があった。
また、ディップコート法により均質な薄膜を得るためには、溶媒あるいは分散媒の蒸気圧、蒸発潜熱、粘度あるいは表面張力等を適切に選択することが重要であり、さらに光学機能層として膜材料の屈折率を制御しなければならず、制約条件が大きい。また、ディップコート法は、駆動装置あるいは外部からの振動によるディップ槽の液面揺れを完全に抑えることが困難なため、水平方向の筋による不良が発生し易い。
しかしながら、この手法は、膜内部に構造を有しない薄膜(特許文献1)、若しくは製膜時に複雑な反応過程を有さない薄膜(特許文献5)を形成するものに対して有効であるが、光学機能層として好適な膜物性(屈折率など)を得ることが困難である。
すなわち、本発明の第1の要旨は、シリカ系多孔質体の製造方法において、2種以上のアルコキシシラン類からなる加水分解基含有シラン、その加水分解物及び部分縮合物、及び水、アルコール類、有機高分子を含むシリカ系組成物をJIS B7513に準拠した
方法で測定される平面度が20μm以下である基材上に塗布した後、100℃以上で加熱
することを特徴とするシリカ系多孔質体の製造方法に存する。
動車の内外装に用いられる低反射層、反射防止層、光制御層などに好適である。
1.シリカ系多孔質体の製造方法
本発明のシリカ系多孔質体の製造方法では、2種以上のアルコキシシラン類からなる加水分解基含有シラン、その加水分解物及び部分縮合物、及び水、アルコール類、有機高分子とを含むシリカ系組成物をJIS B7513に準拠した方法で測定される平面度が2
0μm以下である基材上に塗布した後、100℃以上で加熱することを特徴とする。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
1−1.製膜工程
本発明のシリカ系多孔質体の製造方法では、後述の組成を有するシリカ系組成物を基材上に展開することで、シリカ系前駆体を製造する。該シリカ系組成物を所定の平面度を有する基材に展開することで、均質なシリカ系前駆体を得ることが可能となり、光学用途に適したシリカ系多孔質体を連続コーティング可能な方法により提供できる。
本発明において、基材の大面積化を容易とする製膜手法であれば、その製膜方法に特に制限はなく、例えば、スプレーコーター、ダイコーター、バーコーター、テーブルコーター、アプリケーター、ドクターブレードコーター、ディップコーター、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。
とも好ましい。0.1μmを下回るとシリカ系組成物への流延時のシェアが大きくなり、ゾルーゲル反応が安定に進まない恐れがある。
上記方法の中でもダイコートにより製膜する方法が好ましく、この場合、溶液供給点よりシリカ系組成物を一定流量で供給し、それをスリットを経てダイリップより吐出することにより基材表面上にシリカ系前駆体を形成させるもので、基材を一定速度で搬送させることにより、目的とするシリカ系多孔質体を形成し得るものである。
ダイリップ(スリット)と基板との間隔(距離)であるGapには特に制限はないが、通常、5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上、また、通常、100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは50μm以下の範囲にすることにより、良質なシリカ系前駆体を得ることができる。
使用し得るダイの形状としては、溶液等を横方向に均一に分配し得るものであれば特に制限はない。例としては、一般のフィルムキャスティング時に使用されるTダイ形状のもの、あるいはフィッシュテイルダイ形状のもの、あるいはコートハンガーダイ形状のもの等が挙げられる。さらには、ダイ横方向への分配をより均一にしやすくするために、ダイリップ間隔の調整機構を有するものであることが望ましい。
製膜工程を行う際の相対湿度には特に制限はないが、相対湿度を制御することによりさらに安定した連続コーティングが可能となる。
例えば、相対湿度が通常20%RH以上、好ましくは25%RH以上、より好ましくは30%RH以上、さらに好ましくは35%RH以上、また、通常85%RH以下、好ましくは80%RH以下、より好ましくは75%RH以下の環境下においてシリカ系前駆体の製膜を行なうようにすることが好ましい。製膜工程での相対湿度を前記の範囲にすることにより、表面平滑性の高い膜が得られる。
また、製膜工程を行う際の圧力に制限は無いが、通常0.05MPa以上、好ましくは0.08MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上、また、通常0.3MPa以下、好ましくは0.2MPa以下、より好ましくは0.15MPa以下である。圧力が低すぎると溶媒が気化しやすくなり膜化後のレベリング効果が得られず膜の平滑性が低くなる可能性があり、高すぎると溶媒が気化しにくくなり膜の表面性が低くなる可能性がある。
また、製膜工程における雰囲気に制限は無い。例えば、空気雰囲気中でシリカ系前駆体の製膜を行なっても良く、例えばアルゴン等の不活性雰囲気中でシリカ系前駆体の塗布を行なってもよい。
本発明の製造方法では、シリカ系組成物を基材上に塗布するのに先立って、シリカ系組成物の濡れ性、製造されるシリカ系前駆体の密着性の観点から、透光基材に表面処理を施しておいてもよい。そのような透光基材の表面処理の例を挙げると、シランカップリング処理、アンカーコート処理、コロナ処理、UVオゾン処理、プラズマ処理などが挙げられる。また、表面処理は、1種のみを行なってもよく、2種以上を任意に組み合わせて行なってもよい。なお、シランカップリング処理として、後述するシリル化剤を用いることもできる。
<後処理>
本発明の製造方法では、上述の製膜工程の後に、シリカ系前駆体中のアルコール類または触媒を除去することを目的として、シリカ系前駆体を粗乾燥させる粗乾燥工程を行なってもよい。粗乾燥工程を行なうことで、シリカ系前駆体中のアルコール類や触媒を除去させることで、前駆体中に存在する有機高分子とシリカ成分が安定した状態で構造を形成し、シリカ系前駆体の構造を安定化することができる。
粗乾燥の手段も任意である。例えば粗乾燥を加熱乾燥により行なう場合、加熱乾燥の手段の例として、ホットプレート、オーブン、赤外線照射、電磁波照射等が挙げられる。また通風加熱乾燥の手段としては、例えば送風乾燥オーブン等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
粗乾燥時の湿度も制限されないが、シリカ系前駆体の吸湿を防ぐため、通常は60%RH程度以下とすることが望ましく、好ましくは常圧で30%RH以下、或いは真空状態(湿度0%RH)とすることが望ましい。
粗乾燥時間も制限されず、シリカ系前駆体中のアルコール類や水が除去できれば任意であるが、粗乾燥時の温度・圧力・湿度等の条件や、シリカ系組成物中に含まれるアルコール類や溶媒の沸点、プロセス速度、シリカ系前駆体の特性等を考慮して決定することが好ましい。通常1秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上、また、通常100時間以下、好ましくは24時間以下、より好ましくは3時間以下の範囲が望ましい。
上述した製膜工程の後に、シリカ系前駆体を100℃以上の温度で加熱することで、シリカ系多孔質体とする加熱工程を行なう。100℃以上の温度での加熱により、有機高分子と加水分解基含有シランからなるシリカ成分により形成された構造から、有機高分子を除去し、さらにシリカ成分をゾルーゲル反応し硬化することで、前駆体で形成した構造を維持して安定した多孔質構造を得ることができる。さらに得られたシリカ系多孔質体は低い屈折率を有するため、高い光学特性が実現される。
なお、加熱工程において、前記の加熱温度で連続的に加熱を行なってもよいが、断続的に加熱を行なうようにしてもよい。
に影響を与える恐れがある。
以上のように、加熱処理を行なうことによりシリカ系多孔質体を得ることができるが、加熱工程の後に、必要に応じて冷却工程や後処理工程等を実施することも可能である。
冷却工程とは、加熱工程で高温となったシリカ系多孔質体を冷却する工程である。この際、冷却速度は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1℃/分以上、好ましくは0.5℃/分以上、より好ましくは0.8℃/分以上、更に好ましくは1℃/分以上、また、通常100℃/分以下、好ましくは50℃/分以下、より好ましくは30℃/分以下、更に好ましくは20℃/分以下である。冷却速度が遅すぎると連続コーティングを実現するには製造コストが高くなる可能性があり、速すぎると基材の熱歪みが大きくなり、局所的にクラックが発生する可能性があるため、基材全体を均一精密な冷却の制御を必要となる。
1−4.後処理工程
後処理工程で行なう具体的な操作に制限は無いが、例えば、得られたシリカ系多孔質体をシリル化剤で処理することで、シリカ系多孔質体の表面をより機能性に優れたものにできる。具体例を挙げると、シリル化剤で処理することにより、シリカ系多孔質体に疎水性が付与され、膜表面や膜中の細孔が汚染されるのを防ぐことができ、撥水性、撥油性、防汚性、防曇性、光触媒能、滑雪性などを付与することが可能である。
また、後処理の別の例としては、本発明のシリカ系多孔質体を多湿条件下で熟成するこ
とで、多孔質構造中に存在する未反応シラノールを減らすことができ、これにより、シリカ系多孔質体の耐環境性をより向上させることも可能である。さらには、シリカ系多孔質体の上に他の無機酸化物膜を形成することで、機械強度や耐アルカリ性を向上させることも可能である。
本発明のシリカ系多孔質体の製造方法では、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した各工程の工程前、工程中及び工程後の任意の段階で、任意の工程を行なってもよい。
2.シリカ系組成物
本発明のシリカ系多孔質体の製造方法において用いるシリカ系組成物には、2種以上のアルコキシシラン類からなる加水分解基含有シラン、その加水分解物及び部分縮合物、水、アルコール類、有機高分子を含む。以下に詳細を述べる。
本発明で用いる加水分解基含有シランは2種以上のアルコキシシラン類からなる。
アルコキシシラン類としては、テトラアルコキシシラン、モノアルキルトリアルコキシシラン、モノアリールトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン、トリアルキルアルコキシシラン、トリアリールアルコキシシラン、これらの加水分解物及び部分縮合物(オリゴマー等)などが挙げられる。部分縮合物は、2種以上のアルコキシシラン類の部分縮合物であってもよい。本発明のシリカ系組成物には、これらを同種同士、または任意の組み合わせにより2種以上を任意の比率で組み合わせることが重要である。
テトラアルコキシシランの種類に制限は無い。好適なものの例を挙げると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(t−ブトキシ)シラン、テトラ(n−ペントキシ)シラン、テトラ(イソペントキシ)シランなどが挙げられる。また、テトラアルコキシシラン類の例としては、前記のテトラアルコキシシラン類の加水分解物及び部分縮合物(オリゴマー等)なども挙げられる。
ただし、テトラアルコキシシランは経時的に加水分解及び部分縮合を生じやすいため、テトラアルコキシシラン類のみを用意した場合でも、通常はそのテトラアルコキシシラン
類の加水分解物及び部分縮合物がテトラアルコキシシランと共存することが多い。
なお、テトラアルコキシシランは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
モノアルキルトリアルコキシシランの種類に制限は無い。好適なものの例を挙げると、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリイソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリ−n−プロポキシシランフルオロトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、また、ケイ素原子に置換するアルキル基が反応性官能基を有する3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリメトキシシラン等がある。
さらに前記のモノアルキルトリアルコキシシランの加水分解物及び部分縮合物(オリゴマー等)なども挙げられる。
モノアリールトリアルコキシシランの種類に制限は無い。好適なものの例を挙げると、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン等がある。
さらに前記のモノアリールトリアルコキシシランの加水分解物及び部分縮合物(オリゴマー等)なども挙げられる。
ジアルキルジアルコキシシランの種類に制限は無い。好適なものの例を挙げると、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジ−n−プロポキシシラン、メチルジイソプロポキシシラン、エチルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、エチルジ−n−プロポキシシラン、エチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジイソプロポキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルエトキシシラン、ジイソプロピルジ−n−プロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジイソプロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルエトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジイソプロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジイソプロポキシシラン等がある。
さらに前記のジアルキルジアルコキシシランの加水分解物及び部分縮合物(オリゴマー等)なども挙げられる。
ジアリールジアルコキシシランの種類に制限は無い。好適なものの例を挙げると、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン等がある。
さらに前記のジアリールジアルコキシシランの加水分解物及び部分縮合物(オリゴマー等)なども挙げられる。
[トリアルキルアルコキシシラン]
トリアルキルアルコキシシランの種類に制限は無い。好適なものの例を挙げると、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリ−n−プロピルメトキシシラン、トリ−n−プロピルエトキシシラン等がある。
さらに前記のトリアルキルアルコキシシランの加水分解物及び部分縮合物なども挙げられる。
トリアリールアルコキシシランの種類に制限は無い。好適なものの例を挙げると、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等がある。
さらに前記のトリアリールアルコキシシランの加水分解物及び部分縮合物なども挙げられる。
[他のアルコキシシラン類]
他のアルコキシシラン類を挙げると、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3,5−トリス(トリメトキシシリル)ベンゼン等の有機残基が2つ以上のトリアルコキシシリル基を結合したものがある。さらに前記のアルコキシシランの加水分解物及び部分縮合物(オリゴマー等)なども挙げられる。
中でも多孔質構造の骨格を強固にするためには、テトラアルコキシシラン、モノアルキルトリアルコキシシラン、モノアリールトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシランのいずれかを含むことが好ましく、テトラアルコキシシランを含むことがより好ましい。
さらに、多孔質体の耐環境性の観点では、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基を有する、モノアルキルトリアルコキシシラン、モノアリールトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシランのいずれかを含むことが好ましい。具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエチルシランなどが好ましいものとして挙げられる。
基材への濡れ性の観点では、テトラアルコキシシランとジアルキルジアルコキシシラン又はジアリールジアルコキシシランとの組み合わせ、モノアルキルトリアルコキシシラン又はモノアリールトリアルコキシシランと、ジアルキルジアルコキシシラン又はジアリールジアルコキシシランとの組み合わせが好ましい。
膜の平滑性向上の観点からは、3種以上のアルコキシシラン類を用いることが好ましい。
本発明で用いるシリカ系組成物において、2種以上のアルコキシシラン類を組み合わせる比率は、本発明の効果を著しく損なわない限り、特に制限はないが、例えば、2種のアルコキシシラン類を用いた場合、形成されるシリカ系多孔質膜の耐水性の観点から、全加水分解基含有シランのケイ素原子換算で、2:8〜8:2が好ましく、3:7〜7:3がより好ましく、4:6〜6:4がさらに好ましく、5:5がもっとも好ましい。この比率は、アルコキシシラン、その加水分解物及び縮合物の合計での比率である。
2−2.水
本発明で用いるシリカ系組成物は水を含有する。水はゾルーゲル反応においては必須であるが、本発明ではシリカ系組成物の表面張力を制御し、製膜工程において良質なシリカ系前駆体を形成する上で重要な役割をする。用いる水の純度には特に制限はないが、通常は、イオン交換及び蒸留のうち、いずれか一方または両方の処理を施した水を用いればよい。ただし、例えば光学用途積層体のような微小不純物を特に嫌う用途分野に、得られたシリカ系多孔質体を用いる場合には、より純度の高いシリカ系多孔質体が望ましいため、蒸留水をさらにイオン交換した超純水を用いることが好ましい。また、不純物の中でも100nm以上のコンタミはシリカ系組成物におけるゾルーゲル反応の進行に影響を与える恐れがある。例えば0.01μm〜0.5μmの孔径を有するフィルターを通した水を用
いればよい。
本発明で用いるシリカ系組成物はアルコール類を含有する。アルコール類は前記加水分解基含有シラン、その加水分解物、さらには部分縮合物に対して親和性を有するため、多孔質体形成中のゾルーゲル反応を均質に進行させるために重要な役割をする。さらに製膜工程に生じる気−液(組成物)界面、固(基材)−液(組成物)界面において安定した状態を保つことで、良質なシリカ系前駆体をえることができる。
また、得られるシリカ系多孔質体の表面性の観点から、メタノール、エタノール、1−プロパノール、t−ブタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、エチルアセテート、酢酸メチル、イソブチルアセテートなどが好ましい。したがって、これらの中から選ばれる少なくとも2種を用いることが好ましい。
一方、加熱工程において多孔質構造を変形を抑制する観点から、沸点は100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、120℃以上がより好ましい。例えば、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノールが好ましい。
は40重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは80重量%以上とする。なお、当該割合の上限は通常98重量%である。上限を超えると、得られるシリカ系多孔質体の表面性が低下する恐れがあり、下限を下回ると十分な効果が得られない危険性がある。
本発明で用いるシリカ系組成物には上記アルコール類以外の有機溶媒を含有してもよい。基材との濡れ性や製膜工程における造膜性をより向上させるために、アルコール類以外の有機溶媒を用いることができる。
好適な有機溶媒の例を挙げると、酢酸メチル、エチルアセテート、イソブチルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテル類またはエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−アセチルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−アセチルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルピロリジン、N,N’−ジホルミルピペラジン、N,N’−ジホルミルピペラジン、N,N’−ジアセチルピペラジン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;テトラメチルウレア、N,N’−ジメチルイミダゾリジン等のウレア類;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
本発明の製造方法で用いるシリカ系組成物には有機高分子を含有する。有機高分子はシリカ系前駆体でシリカ成分と構造を形成し、加熱工程で除去されることで多孔質構造が得られる。
有機高分子の種類は本発明の効果を著しく損なわない限り特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリレート系高分子、ポリアンハイドライド系高分子、ポリエーテル系高分子、ポリカーボネート系高分子、ポリエステル系高分子が挙げられる。
ポリエステル系高分子は炭素数2以上の脂肪族鎖及びエステル結合からなる化合物で構成されている。具体例として、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンマロネート、ポリエチレンスクシネート、ポリエチレングリタレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリプロピレンマロネート、ポリプロピレンスクシネート、ポリプロピレングリタレート、これらのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常20重量%以上、好ましくは23重量%以上、より好ましくは25重量%以上であり、また、通常90重量%以下、より好ましくは85重量%以下である。上記の範囲に収まることで、加水分解基含有シランのゾル−ゲル反応中において形成される加水分解基含有シランの加水分解物や縮合物に対して、有機高分子がさらに安定に存在することができる。
本発明で用いるシリカ系組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限りは界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤とは公知の何れを用いることができる。特に基材の大面積化においては、添加することで造膜性が著しく向上する場合がある。その種類、組み合わせ、比率には特に制限はなく、以下の2種以上の界面活性剤を用いてもよい。具体的な例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソブチレングリコールなどのノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、親油基がフッ化炭素基のフッ素系界面活性剤、親油基がシロキサン鎖のシリコーン系界面活性剤、親油基がアルキル基の界面活性剤等から2種以上が選択されることが好ましく、中でもノニオン系界面活性剤とフッ素系界面活性剤(特にパーフルオロアルキル基を含有するもの)との組合せ、及びノニオン系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤(特にシロキサン結合を含有するもの)との組合せから選択されることが好ましい。これらの界面活性剤の親水基は、例えば、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基等が好ましい。またポリエーテル、ポリグリセリン等も好ましい。
またシリコーン系界面活性剤として、例えばSH21シリーズ、SH28シリーズ(東レ・ダウコーニング株式会社)などが挙げられる。
シリカ系組成物には触媒を含有していてもよく、例えば上述した加水分解基含有シランの加水分解および脱水縮合反応を促進させる物質を任意に用いることができる。
その例を挙げると、フッ酸、燐酸、ホウ酸、塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、ステアリン酸、リノレイン酸、安息香酸、フタル酸、クエン酸、コハク酸などの酸類;アンモニア、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ピリジンなどの塩基類;アルミニウムのアセチルアセトン錯体などのルイス酸類;などが挙げられる。
また、触媒の例としては、金属キレート化合物も挙げられる。この金属キレート化合物
の金属種としては、例えば、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、スズ、アンチモン等が挙げられる。金属キレート化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−tert−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン等を挙げることができる。
なお、触媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
2−8.その他
本発明で用いるシリカ系組成物には、上述したアルコキシシラン化合物、アルコール類、水、有機高分子以外の成分を含有していても良い。また、当該成分は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
上述した組成物を構成する各成分を混合して、シリカ系組成物を調製する。この際、各成分の混合の順番に制限は無い。また、各成分は、全量を一回で混合しても良く、2回以上に分けて連続又は断続的に混合しても良い。
ただし、従来、制御困難とされているゾル−ゲル反応を制御して、シリカ系組成物をより工業的に調合するためには、以下の要領で混合することが好ましい。即ち、2種以上のアルコキシシラン類からなる加水分解基含有シラン、水及び溶媒を混合し、その混合物を一定のゾルーゲル反応(熟成)させることで加水分解基含有シランをある程度加水分解及び脱水重縮合させる。そして、その混合物に有機高分子を混合してシリカ系組成物を調合する。これにより、ゾル−ゲル反応条件下で、加水分解基含有シランと有機高分子との親和性を維持することができる。なお、熟成は前記の混合物と有機高分子とを混合した後で行なってもよい。
し、分解・脱水重縮合反応を制御できなくなる可能性がある。
また、熟成後、塗布工程前に用いる組成物は有機溶媒を更に混合して希釈することが好ましい。これにより、シリカ系組成物内でのゾル−ゲル反応速度を低下させることができ、シリカ系組成物のポットライフを長く維持することが可能となる。また、シリカ系多孔質体の製造における歩留まりの観点では、加熱を伴わない熟成を行うことが好ましい。加熱を伴わない熟成は、シリカ系組成物の調製後に行ってもよい。
3.基材
本発明のシリカ系多孔質体の製造方法に用いられる基材は平面度がある一定を満たす必要があるが、その他の要件に対しては用途に応じて任意のものを用いることができる。
例えば基材として太陽電池用カバーガラスを用いる場合、通常、太陽電池の光エネルギ
ーを取り入れる面、すなわち受光面側の被覆に用いる構成とすることができ、シリカ系多孔質体は透光基材表面の反射防止として機能し、発電出力の向上を実現する。本発明の製造方法により得られる多孔質シリカ体は耐久性に優れているため、このような用途に好適である。なお単結晶太陽電池、多結晶太陽電池などの近赤外光でも光電変換可能な太陽電池に用いられる太陽電池用カバーガラスを透光基材として用いる場合には、通常のソーダ石灰ガラスでは含有される2価の鉄イオンによって近赤外領域に吸収を持つため、鉄イオン含有量を低減することで光透過性を高めることが好ましく、さらに耐衝撃強度が優れた白板強化ガラスを上記透光基材として用いることがより好ましい。
発光デバイスや太陽電池の用途で用いる場合、透過率が発光効率や発電効率に関連するため、これらの用途に対しては、基材のC光の全透過率を、80%以上とすることが好ましく、83%以上とすることがより好ましく、86%以上とすることがさらに好ましく、
90%以上とすることが特に好ましい。光の透過率が高いほど太陽電池が効率よく発電できるからである。
シリカ系多孔質体は、シリカを主成分とする多孔質体である。そのシリカ含有量は、本発明の効果を著しく損なわない限り、特に制限はないが、例えば、酸化ケイ素組成において、ケイ素を含む全ての陽性元素に対するケイ素の割合が、通常50mol%以上、好ましくは70mol%以上、より好ましくは80mol%以上、特に好ましくは90mol%以上であることをいう。前記のケイ素の含有割合が少なすぎると、シリカ系多孔質体の表面粗さが大きくなり、機械的強度も低下する可能性がある。また、ケイ素の含有割合が高いほど表面平滑性のよいシリカ系多孔質体が形成される。なお、上限は理想的には100mol%である。
本発明の製造方法で得られるシリカ系多孔質体の厚さには特に制限はないが、光学機能層として用いるためには、0.05〜10μmが好ましく、0.08〜8μmがより好ましく、0.1〜5μmがさらに好ましく、0.13〜3μmがもっとも好ましい。0.05μmより薄いと、基材の平面度を著しく向上させる必要があり、特に基材の大面積化の観点で、製膜工程が困難になる場合がある。一方、10μmを越えると、膜厚方向における多孔質構造が不均質になり、多孔質体に歪みが残存し易くなる可能性がある。なお、測定は触針式段差・表面粗さ・微細形状測定装置(ケーエルエー・テンコール社製:P−15)を用い、測定条件はスタイラス・フォース(触圧)0.2mg、スキャン速度10um/秒とした。
本発明の製造方法で得られるシリカ系多孔質体の形状は特に制限はないが、膜状であることが好ましい。シリカ系多孔質体の厚さは上記の膜厚と同様とすることができる。また、シリカ系多孔質体を光学機能層として使用する場合、シリカ系多孔質体は一定サイズ以上の基材に備えることが好ましい。即ち0.0025m2以上が好ましく、0.05m2以上がより好ましく、0.1m2以上がさらに好ましく、1m2以上がもっとも好ましい。かかるサイズより小さいと、光学特性が十分に現れない可能性がある。
本発明の製造方法で得られるシリカ系多孔質体は、光学機能層として高い光学特性を発現するためには、屈折率が1.40以下であることが好ましい。中でも、1.35以下が好ましく、1.28以下がより好ましく、1.25以下が特に好ましい。さらに好ましくは1.23以下である。屈折率が大きすぎると本発明の多孔質体中の歪みが大きくなり、外力に対して弱くなる可能性がある。また、十分な光学効果が得られない可能性がある。一方、屈折率の下限に特に制限は無いが、通常1.05以上、好ましくは1.10以上である。屈折率が小さすぎると本発明のシリカ系多孔質体の機械的強度が著しく低下する可能性がある。
本発明の製造方法で得られるシリカ系多孔質体は、算術表面粗さRaが通常20nm以
下であることが好ましく、好ましくは15nm以下、より好ましくは7nm以下であることが好ましい。さらに5nm以下が好ましく、3nm以下が中でも好ましく、1nm以下が特に好ましい。算術表面粗さRaが大きすぎるとシリカ系多孔質体の均質性が低下するとともに、製膜時に生じる膜中の歪みが残存している可能性がある。こうした多孔質体は耐久性や耐環境性に劣ることがある。一方、算術表面粗さRaの下限に制限は無いが、通常0.2nm以上、好ましくは0.3nm以上である。表面粗さRaが小さすぎるとシリカ系多孔質体の歪みが大きくなる可能性があり、耐衝撃性が悪化する可能性がある。こうした平滑性を有することで、他の機能層との積層が容易となる優れた光学機能層として利用できる。
なお、算術表面粗さRaは、JIS B0601:2001に規定されている基準に基づき、ケ−エルエー・テンコール社製P−15型接触式表面粗さ計を用いて、1走査距離0.5μmの条件で数回測定した平均値を算出して求めることができる。
本発明の製造方法で得られるシリカ系多孔質体は、用途に応じて、他の層や基材と積層構成とする必要がある。こうした場合、表面の静的接触角を制御することが好ましく、具体的には、350℃、1時間の加熱処理後の水に対する静的接触角が、通常25°以上、中でも30°以上、特には33°以上であることが好ましく、また、通常90°以下、中でも87°以下、更には85°以下、特には82°以下が好ましい。前記の静的接触角が小さすぎると、シリカ系多孔質体の親水性が高くなりすぎて、その表面に水分が吸着しやすくなり、他の層との密着性が低下する可能性がある。一方、前記の静的接触角が大きすぎると、シリカ系多孔質体の表面が疎水状態となり、積層する層や基材の制限が大きくなる可能性がある。
本発明の製造方法で得られるシリカ系多孔質体は、本発明のシリカ系多孔質体を膜状にして光学用途に使用する場合には、光学膜厚(屈折率と膜厚の積)を制御することが重要であるため、水中に浸漬処理の前後での膜厚の変化が少ない方が好ましい。具体的には、水浸漬処理の前後での膜厚の変化率は、50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下が更に好ましく、10%以下が特に好ましい。変化率が大きすぎると光学用途の適用において性能が低下する可能性がある。水浸漬処理とは常温(25℃)の水に24時間浸漬することである。
また、シリカ系多孔質体は、水浸漬処理した後にクラックが少ないものが好ましく、そのクラックは目視若しくは光学顕微鏡で観測できる。具体的には、常温(25℃)の水に24時間浸漬した後のクラックのサイズが100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい、1μm以下がさらに好ましい。100μmを越えると基材との密着性の低下やヘーズが大きくなる可能性がある。さらに1mm×1mm内に前記クラックが存在しな
い領域の面積合計がシリカ系多孔質体表面に対して50%以上であることが好ましく、70%以下がより好ましく、85%以上がさらに好ましい。50%未満の場合、光学用途として光学性能の安定性や外観が低下する可能性がある。
本発明の製造方法で得られるシリカ系多孔質体は、屈折率を低く維持するために空孔を有した多孔質構造を有する。その構造は特に制限はなく、その空孔は、通常、トンネル状や独立空孔がつながった連結孔であるが、詳細な空孔の構造にも特に制限はない。ただし、当該空孔の構造としては連続的な空孔が好ましく、こうした連続的な空孔は電子顕微鏡により確認することができる。
周期構造サイズDは、下記式(i)に示すScherrer式に基づき算出できる。なお、式(i)において、Scherrer定数Kは0.9であり、測定に用いたX線波長をλとする。ブラッグ角θおよび実測半価幅βoは、それぞれプロファイルフィティング法により算出する。試料由来の半価幅βは、下記式(ii)を用いて補正計算する。標準Siの回折ピークより計算した実測半価幅の回帰曲線を作成し、該当する角度の半価幅を読み取り装置由来半価幅βiとする。なお、Dの単位はÅ(オングストローム)であり、β、βo及びβiの単位はラジアンとする。
空孔サイズには特に制限はないが、平均空孔サイズは0.1〜300nmを適度に有することで、機械強度の優れた多孔質体となる。好ましくは0.5〜200nmが好ましく、0.8〜100nmがさらに好ましく、1〜80nmがもっとも好ましい。小さすぎると毛管力により空孔内に水蒸気が入り、それにより屈折率が変化したり、光学特性に影響を与える恐れがある。一方、大きすぎると、表面に欠陥ができ、表面性が悪化したり、散乱等のヘーズが生じる危険性がある。
[基材上の積層体]
上記基材に設けられた本発明で得られるシリカ系多孔質体を備えることで積層体を構成することができる。通常、膜状に形成される。必要に応じて、基材及びシリカ系多孔質体以外の部材を備えてもよい。
他の層と組み合わせることもでき、用いられる用途に応じて適宜選択され、他の層と組み合わせることで、上記の表面反射防止膜の他に、紫外線反射膜、近赤外線反射膜、赤外線反射膜等、さらには、ディスプレイ等の発光デバイスに適用することで光取り出し膜(または輝度向上膜)としても用いることができる。組み合わせる他の層の具体例として、高屈折率層、散乱層、金属層、偏光層、熱線遮断層、紫外線劣化防止層、親水性層、防汚性層、防曇層、防湿層、防曇層、光触媒層、耐腐食層、耐指紋性層、接着層、ハード層、ガスバリア層、導電性層、アンチグレア層、拡散層等が挙げられる。これらの層は、透光基材のいずれの面に形成されていてもよく、またシリカ系多孔質体上に積層されていてもよい。なお、これらの層は光学フィルター中に、1種単独で用いてもよく、また2種以上を任意の組合せで用いてもよい。また、特性に影響を及ぼさない限り、上記の各構成間に他の層があっても構わない。
本発明のシリカ系多孔質体の製造方法によれば、シリカ系多孔質膜体を、基材の制約なしに容易に製造でき、さらに得られるシリカ系多孔質体は低屈折率であるため、光学的な効果が非常に大きい。また該シリカ系多孔質体は耐久性にも優れているため、ディスプレイ、太陽電池、太陽熱発電などの光デバイス、建材や自動車の内外装に用いられる低反射層、反射防止層、光制御層などの光学機能層に好適であり、特にディスプレイ、太陽電池などの光デバイスの光学機能層として有用である。
〔シリカ系組成物の調製〕
メチルトリエトキシシラン(以下、MTES)3.6g、MS51(三菱化学製テトラメトキシシランオリゴマー)3.6gの2種類のアルコキシシラン類、エタノール1.4g、水8.8g、及び、触媒として、1Nの塩酸水溶液0.5gを混合し、63℃のウォータバス中で30分間熟成し、さらに室温で30分攪拌することでシリカ反応物を調製した。
このシリカ系組成物を冷蔵庫で24時間保管後、エタノール(希釈溶媒)で5倍に希釈することで、シリカ系組成物を得た。
[製膜工程]
得られたシリカ系組成物を基材として100mm角のゾーダガラス基材(平面度=4μm、中心線平均粗さ=0.9nm)に対してスピンコーター(ミカサ製MS−A150)
で塗布し、各評価を行った。結果を表−1に示す。
[加熱工程]
次に400℃に設定したホットプレート上に前記シリカ系前駆体を積層したガラス基材を置き、大気雰囲気下で1分間加熱することで、シリカ系多孔質体を得た。
分光膜厚計(大塚電子製FE−3000)により、反射率を測定した結果、得られたシリカ系多孔質体の最小反射率は波長580nmにおいて0.0189であり、フレネルの式を用いて屈折率を算出した結果、1.41であった。また、算出した屈折率と前記の波長より膜厚を算出した結果、348nmであった。
分光光度計(日立製作所製U−4000)を用いて、波長350〜1500nmの透過率を測定した結果、シリカ系多孔質体を塗布していない基板の可視光透過率及び日射透過率がそれぞれ、91.2%、89.1%であるのに対し、シリカ系多孔質体を塗布した基板では、92.7%、90.5%であった。したがって、可視光透過率及び日射透過率の向上幅は1.5%、1.4%であった。
接触式表面粗さ計(KLATencor社製P15)を用いて、シリカ系多孔質体の算術表面粗さRaを測定した結果、16.6nmであった。
このときのスキャンサイズは1000μm、スキャンスピードは20μm/sであった。
[外観評価]
目視により、外観を評価した。良好な外観を得た。
希釈溶媒にて、希釈倍率7倍とし、アプリケーターを用いて塗布したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を製造し、各評価を行った。
アプリケーターのGapは10μmとし、基材とGapの間にスポイトを用いてシリカ系組成物を2ml滴下し、任意の速度でアプリケーターを移動させ、ガラス基材に塗布し、加熱することで、極めて良好な外観のシリカ系多孔質体を得た。
結果を表−1に示す。
MS51の代わりに、テトラエトキシシラン(以下、TEOS)を用い、希釈溶媒としてエタノールの代わりにプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGME)を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行って、極めて良好な外観のシリカ系多孔質体を得た。各評価の結果を表−1に示す。
MTESを2.9gとし、ジエトキシジメチルシランを0.7g加えたこと以外は実施例2と同様の操作を行って、極めて良好な外観のシリカ系多孔質体を得た。各評価の結果を表−1に示す。
[実施例5]
希釈溶媒による希釈倍率を20倍とし、スプレーコートしたこと以外は実施例1と同様の操作を行って、良好なシリカ系多孔質体を得た。各評価の結果を表−1に示す。
[実施例6]
MS51の代わりに、テトラエトキシシラン(以下、TEOS)を用い、希釈溶媒としてエタノールを用い、希釈倍率を20倍とし、基材を120mm角のソーダガラス基材(平面度=4μm)とし、ダイコーターで塗布したこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、極めて良好な外観のシリカ系多孔質体を得た、各評価の結果を表−1及び表−2に示す。
[実施例7]
希釈溶媒にエタノールとPGMEを5:1で混合したものを用い、希釈倍率を24倍とし、ダイのウェット膜厚を10μm、Gapを30μm、塗工停止時間を0.6秒としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、極めて良好な外観のシリカ系多孔質体を得た。各評価の結果を表−1及び表−2に示す。
MS51の代わりに、TEOSを用い、希釈溶媒としてエタノールの代わりに1-ブタ
ノールを用い、基材として100mm角の平面度の低い防眩強化ガラス基材(平面度=100μm、中心線平均粗さ=1.2μm)を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。
[比較例2]
TEOSのみ7.3gを添加し、1種のみのアルコキシシラン類からなるシリカ系組成物を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。各評価の結果を表−1に示す。製膜による透過率の向上幅は小さく、光学機能が十分でないことがわかる。
[実施例8]
MS51の代わりに、テトラエトキシシラン(以下、TEOS)を用い、希釈溶媒として1−ブタノールを用い、希釈倍率を20倍とし、ガラス基板を120mm角のソーダガラス基材(平面度=4μm)とし、ダイコートで塗布したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。各評価の結果を表−2に示す。
[外観評価]
また、目視による外観評価を行った。結果を表−2に示す。
評価は下記基準で行った。
B=光学干渉による色彩がほぼ均一と判断できる。
C=局所的に光学干渉による色彩に違いが見られる。
[屈折率]
分光膜厚計(大塚電子製FE−3000)により、反射率の波長依存性よりシリカ系多孔質体の屈折率を算出する。
△=屈折率が1.35より大きく、1.40以下
×=屈折率が1.40より大きい
[膜厚]
分光膜厚計(大塚電子製FE−3000)により、反射率の波長依存性よりシリカ系多孔質体の膜厚を算出する。
×=膜厚が請求範囲外
[実施例9]
ダイのウェット膜厚を25μm、Gapを45μmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
ダイのウェット膜厚を30μm、Gapを50μmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
[実施例11]
ダイのウェット膜厚を15μm、Gapを35μmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
ダイのウェット膜厚を20μm、Gapを40μm、塗工停止時間を0.5秒としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
[実施例13]
ダイのウェット膜厚を30μm、Gapを50μm、塗工停止時間を0.4秒としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
基材を無アルカリガラス基材(平面度=8μm)とし、ダイのウェット膜厚を15μm、Gapを35μm、塗工長を80mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
[実施例15]
基材を無アルカリガラス基材(平面度=8μm)とし、ダイのウェット膜厚を15μm、Gapを35μm、塗工長を95mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒をエタノールとし、塗工停止時間を0.5秒、塗工長を95mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
[実施例17]
希釈溶媒をエタノールとし、ダイのウェット膜厚を20μm、塗工停止時間を0.4秒、塗工長を85mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒をエタノールとし、ダイのウェット膜厚を30μm、Gapを50μm、塗工停止時間を0.3秒、塗工長を95mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
[実施例19]
希釈溶媒をエタノールとし、ダイのウェット膜厚を50μm、Gapを60μm、塗工
停止時間を0.3秒、塗工長を95mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒をエタノールとし、ダイのウェット膜厚を40μm、Gapを60μm、塗工停止時間を0.2秒、塗工長を95mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
[実施例21]
希釈溶媒をエタノールとし、ダイのウェット膜厚を30μm、Gapを50μm、塗工停止時間を0.3秒、塗工長を95mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒をエタノールとし、基材を無アルカリガラス基材(平面度=8μm)とし、ダイのウェット膜厚を25μm、Gapを45μm、塗工停止時間を0.4秒、塗工長を95mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒をエタノールとし、基材を無アルカリガラス基材(平面度=8μm)とし、ダイのウェット膜厚を25μm、Gapを45μm、塗工停止時間を0.35秒、塗工長を95mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒にエタノールとプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGME)を5:1で混合したものを用い、希釈倍率を24倍とし、ダイのウェット膜厚を30μm、Gapを50μm、塗工停止時間を0.3秒としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒にエタノールとPGMEを5:1で混合したものを用い、希釈倍率を24倍とし、ダイのウェット膜厚を10μm、Gapを50μm、塗工停止時間を1.0秒としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒にエタノールとPGMEを5:1で混合したものを用い、希釈倍率を24倍とし、ダイのウェット膜厚を30μm、Gapを50μm、塗工停止時間を0.3秒としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒にエタノールとPGMEを5:1で混合したものを用い、希釈倍率を24倍とし、ダイのウェット膜厚を40μm、Gapを60μm、塗工停止時間を0.2秒としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒にエタノールとPGMEを5:1で混合したものを用い、希釈倍率を24倍と
し、ダイのウェット膜厚を30μm、Gapを50μm、塗工停止時間を0.3秒としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
希釈溶媒にエタノールとPGMEを5:1で混合したものを用い、基材を液晶用白板ガラス(平面度=8μm)とし、ダイの塗工停止時間を0.4秒としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
[実施例30]
希釈溶媒にエタノールとPGMEを5:1で混合したものを用い、基材を無アルカリガラス基材(平面度=8μm)とし、ダイの塗工停止時間を0.4秒、塗工長を95mmとしたこと以外は、実施例6と同様の操作を行って、シリカ系多孔質体を得た。目視評価の結果を表−2に示す。
Claims (4)
- 2種以上のアルコキシシラン類からなる加水分解基含有シラン、その加水分解物及び部分縮合物、及び水、アルコール類、有機高分子とを含むシリカ系組成物をJIS B75
13に準拠した方法で測定される平面度が20μm以下である基材上に塗布した後、100℃以上で加熱することを含むシリカ系多孔質体の製造方法であって、該組成物を基板に塗布する際に、組成物の吐出部を有する塗工ヘッドに設けられたスリットと基板との距離を0.1〜100μmとし、該吐出部から組成物を流延することを特徴とするシリカ系多孔質体の製造方法。 - 2種以上のアルコキシシラン類からなる加水分解基含有シラン、その加水分解物及び部分縮合物、及び水、アルコール類、有機高分子とを含むシリカ系組成物をJIS B75
13に準拠した方法で測定される平面度が20μm以下である基材上に塗布した後、100℃以上で加熱することを含むシリカ系多孔質体の製造方法であって、塗布する方法が、ダイコーター、バーコーター、テーブルコーター、アプリケーター、ドクターブレードコーターのいずれかを用いることを特徴とするシリカ系多孔質体の製造方法。 - シリカ系多孔質体の厚さが、0.05〜10μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリカ系多孔質体の製造方法。
- シリカ系多孔質体の屈折率が1.40以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシリカ系多孔質体の製造方法。
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