JP6419610B2 - 透明導電膜積層用フィルム、その製造方法および透明導電性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電膜積層用フィルム、当該フィルムの製造方法および当該フィルムを用いて製造される透明導電性フィルムに関するものである。
画像表示部に直接触れることにより情報を入力できるタッチパネルは、光を透過する入力装置を各種ディスプレイ上に配置しているものであり、代表的な形式としては、抵抗膜式タッチパネルや静電容量式タッチパネルが挙げられる。
これらのタッチパネルでは、スズドープ酸化インジウム(ITO)等からなる透明導電膜が透明プラスチック基材上に積層された透明導電性フィルムが使用されることがある。
静電容量式タッチパネルにおいては、指のタッチ位置を検知するために、透明導電膜が積層された後、ライン状にパターン化された透明導電性フィルム2枚が、上記透明導電膜が互いにクロスし格子状になるように配置される。このようにして得られる静電容量式タッチパネルには、透明導電膜が積層された箇所と積層されていない箇所とが存在し、透明導電膜の有無で反射率や透過率が異なるため、2枚の透明導電性フィルムにより形成される透明導電膜の格子状パターンが認識されてしまい、結果としてディスプレイとしての視認性を低下させてしまうという問題がある。
この格子状パターン、すなわち透明導電膜が積層された部分を視認し難くするために、透明基材フィルム(透明プラスチック基材)上に、高屈折率層、低屈折率層および透明導電膜を順に積層してなる透明導電性フィルムが提案されている(特許文献1および2参照)。
特開2014−197080号公報 特開2014−119475号公報
特許文献1に記載の透明導電性フィルムでは、所望の屈折率を得るために、透明プラスチック基材上に、10質量部の熱可塑性樹脂と12.24質量部の酸化チタンとを含有する組成物を用いて高屈折率層を形成し、その上に、10質量部の活性エネルギー硬化型樹脂と100質量部の中空シリカゾルとを含有する組成物を用いて低屈折率層を形成している(特許文献1の段落0066、0069および0071)。しかしながら、かかる透明導電性フィルムでは、透明導電膜の抵抗値が所望よりも高い値となってしまう。
また、特許文献2に記載の透明導電性フィルムでは、所望の屈折率を得るために、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、58質量部の重合性モノマーと37質量部の重合性オリゴマーとを含有する組成物を用いてハードコート層を形成し、その上に、高屈折率樹脂を含有する組成物を用いて高屈折率層を形成し、その上に、60質量部の重合性モノマーと35質量部の含フッ素化合物とを含有する組成物を用いて低屈折率層を形成している(特許文献2の段落0113、0115、0118および0125〜0126)。しかしながら、かかる透明導電性フィルムでは、低屈折率層における高屈折率層とは反対側の面に、銀の配線等を形成するための銀ペーストを塗工する際、はじきが発生したり、形成された銀配線の当該面に対する密着性が低下したりする。さらに、低屈折率層の当該面に粘着材を貼合する場合にも、当該面と粘着材との密着性が不十分となる。
本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、透明導電膜のパターンを視認し難くすることが可能であり、透明導電膜の抵抗値を所望の値に設定することができ、低屈折率層の表面に配線等を設ける際の加工性に優れた透明導電膜積層用フィルム、当該フィルムの製造方法および当該フィルムを用いて製造される透明導電性フィルムを提供することを目的とする。なお、本明細書において、低屈折率層の「表面」とは、特に断りがない限り、低屈折率層における透明プラスチック基材または高屈折率層とは反対側の面を意味する。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、透明プラスチック基材と、前記透明プラスチック基材の少なくとも片面側に設けられた低屈折率層とを備えた透明導電膜積層用フィルムであって、前記低屈折率層の屈折率が、1.30〜1.50であり、前記低屈折率層における前記透明プラスチック基材とは反対側の面において、4.992μm四方の正方形の領域を任意に選択し、前記正方形の一辺に対応する前記低屈折率層の前記面における表面長さと、前記一辺に直交する別の一辺に対応する前記低屈折率層の前記面における表面長さとの積を実表面積としたとき、次式(I)
Figure 0006419610

によって算出される表面積増加率が5%以下であり、前記低屈折率層の表面自由エネルギーが、25.0〜100mJ/mであり、前記低屈折率層の厚さが、2〜70nmであることを特徴とする透明導電膜積層用フィルムを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)では、低屈折率層の屈折率が十分に低いことにより、透明導電膜のパターンが視認され難い。さらに、低屈折率層の厚さが厚すぎないことにより、透明導電膜のパターンの不可視性が十分確保される。また、低屈折率層の表面の平滑性が十分に高く、それにより、当該表面に透明導電膜を積層した場合に、当該透明導電膜の抵抗値を所望の値にすることができる。さらに、低屈折率層の表面自由エネルギーが十分に高いため、低屈折率層の表面に銀ペーストを塗工する際のはじきの発生が抑制され、当該表面と銀配線との密着性も十分なものとなる。また、当該表面に粘着材を貼合する場合にも、当該表面と粘着材との密着性が十分なものとなる。
上記発明(発明1)において、前記低屈折率層は、屈折率調整用粒子を含有しないか、前記低屈折率層を構成するマトリックス樹脂組成物100質量部に対して100質量部未満の含有量で、屈折率調整用粒子を含有することが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記透明プラスチック基材と前記低屈折率層との間には、前記低屈折率層の屈折率よりも大きい屈折率を有する高屈折率層が介在することが好ましい(発明3)。
上記発明(発明3)において、前記高屈折率層の屈折率は、1.60〜1.90であることが好ましい(発明4)。
第2に本発明は、前記透明導電膜積層用フィルム(発明1〜4)の製造方法であって、前記低屈折率層を形成するときに、前記低屈折率層を構成する材料を塗工した後、30〜70℃で10秒〜3分間加熱処理することを含むことを特徴とする透明導電膜積層用フィルムの製造方法を提供する(発明5)。
第3に本発明は、前記透明導電膜積層用フィルム(発明1〜4)と、前記低屈折率層における前記透明プラスチック基材とは反対側の面側に積層された透明導電膜とを備えたことを特徴とする透明導電性フィルムを提供する(発明6)。
上記発明(発明6)において、前記透明導電性フィルムにおいて前記透明導電膜をエッチングしたときに、前記エッチング前後での波長400nmにおける反射率(%)の差の絶対値が、9以下であることが好ましい(発明7)。
本発明によれば、透明導電膜のパターンを視認し難くすることが可能であり、透明導電膜の抵抗値を所望の値に設定することができ、低屈折率層の表面に配線等を設ける際の加工性に優れた透明導電膜積層用フィルム、当該フィルムの製造方法および当該フィルムを用いて製造される透明導電性フィルムが提供される。
本発明の一実施形態に係る透明導電膜積層用フィルムの断面図である。 本発明の一実施形態に係る透明導電性フィルムの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔透明導電膜積層用フィルム〕
図1は本発明の一実施形態に係る透明導電膜積層用フィルムの断面図である。本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1は、透明プラスチック基材2と、透明プラスチック基材2の片面(図1では上側)に積層された高屈折率層3と、高屈折率層3における透明プラスチック基材2とは反対側の面(図1では上側)に積層された低屈折率層4とからなる。
本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1では、低屈折率層4の屈折率が1.30〜1.50と十分に低く、低屈折率層4と低屈折率層4が積層されている層との屈折率差が十分なものとなるため、透明導電膜のパターンが視認され難い。さらに、低屈折率層4の厚さが2〜70nmであり、当該厚さが厚すぎないことで、透明導電膜のパターンの不可視性が十分確保される。また、低屈折率層4の表面積増加率が5%以下であり、低屈折率層4の表面の平滑性が十分に高く、それにより、当該表面に透明導電膜を積層した場合に、当該透明導電膜の抵抗値を所望の値にすることができる。さらに、低屈折率層4の表面自由エネルギーが25.0〜100.0mJ/mと十分に高いため、低屈折率層4の表面に銀ペーストなどを塗工しても、はじきの発生が抑制され、また当該表面に形成された銀配線の密着性も十分なものとなる。また、当該表面に粘着材を貼合する場合にも、当該表面と粘着材との密着性が十分なものとなる。
<低屈折率層>
本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1の低屈折率層4は、屈折率が比較的低い層である。低屈折率層4の屈折率は、1.30〜1.50であり、1.32〜1.48であることが好ましく、特に1.34〜1.47であることが好ましい。低屈折率層4の屈折率がかかる範囲にあることで、低屈折率層4と、低屈折率層4が積層されている高屈折率層3または透明プラスチック基材2との屈折率差が十分なものとなり、透明導電膜のパターンを視認され難くすることができる。また、低屈折率層4の屈折率が上記範囲にあると、使用できる材料等が不必要に限定されないため、透明性等の他の特性を良好にすることができる。なお、本明細書における屈折率は、実施例に示す通りに測定した値である。
本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1の低屈折率層4の表面は比較的平滑性が高い。具体的には、低屈折率層における透明プラスチック基材2とは反対側の面において、4.992μm四方の正方形の領域を任意に選択し、上記正方形の一辺に対応する上記低屈折率層の上記面における表面長さと、上記一辺に直交する別の一辺に対応する上記低屈折率層の上記面における表面長さとの積を実表面積としたとき、次式(I)
Figure 0006419610

によって算出される表面積増加率が、5%以下であり、4.8%以下であることが好ましく、特に4.6%以下であることが好ましい。なお、表面積増加率の下限値は0%であり、この値に近い方が好ましい。ここで、表面長さとは、表面に存在する凹凸をたどって測定される長さを意味する。本発明者らは、低屈折率層4の表面の平滑性が低下する程、当該表面に積層された透明導電膜の抵抗値が高くなることを見出した。本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1では、表面積増加率が5%以下であることで、低屈折率層4の表面の平滑性が十分高くなり、当該表面に透明導電膜を積層した場合に、当該透明導電膜の抵抗値が低い値に維持される。したがって、本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1を用いて、透明導電性フィルムを製造することにより、透明導電膜の抵抗値を所望の値にすることができる。なお、本明細書における表面積増加率は、表面形状の観察および測定が可能なレーザー顕微鏡等を使用して測定することができ、具体的な測定条件は後述する試験例に示すとおりである。
本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1では、低屈折率層4の表面自由エネルギーが、25.0〜100.0mJ/mであり、28.0〜70.0mJ/mであることが好ましく、特に30.0〜60.0mJ/mであることが好ましい。低屈折率層4の表面自由エネルギーが25.0〜100.0mJ/mであることで、低屈折率層4の表面に配線等を設ける際の加工性が優れたものとなる。なお、本明細書における表面自由エネルギーは、低屈折率層4の表面に対する各種液滴(分散成分・双極子成分・水素結合成分)の接触角を測定し、その値をもとに北崎・畑理論により求めたものである。接触角は、接触角計(試験例では協和界面科学社製のDM−701)を使用し、静滴法によってJIS R3257に準じて測定したものである。具体的な測定条件は後述する試験例に示すとおりである。
本実施形態における低屈折率層4の厚さは、2〜70nmであり、10〜60nmであることが好ましく、特に20〜40nmであることが好ましい。低屈折率層4の厚さが70nm以下であることで、透明導電膜のパターンの不可視性を確保することができる。また、低屈折率層4の厚さが2nm以上であることで、低屈折率層4の表面の平滑性を十分に確保することができる。なお、本明細書における低屈折率層4の厚さは、エリプソメーターにより測定された値であり、具体的な測定条件は後述する試験例に示すとおりである。
本実施形態の低屈折率層4を構成する材料は、上記物性を満たす限り特に制限されないが、好ましくは、低屈折率層4は、シロキサン化合物により構成される。シロキサン化合物としては、無機シリカ系化合物、ポリオルガノシロキサン系化合物、およびこれらの混合物を使用することができる。無機シリカ系化合物は、ポリケイ酸を含む。
シロキサン化合物としてポリオルガノシロキサン系化合物を使用する場合、所望の表面自由エネルギーを得る観点から、Si原子にメチル基が2個未満結合したものを使用することが好ましい。
シロキサン化合物は、公知の方法で製造されたものであってよく、例えば、次の一般式(A)
Si(OR4−n ・・・ (A)
(Rは、非加水分解性基であって、アルキル基、置換アルキル基(置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、エポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基等である。)、アルケニル基、アリール基またはアラルキル基であり、Rは、低級アルキル基であり、nは、0〜3の整数である。R基およびOR基がそれぞれ複数存在する場合、複数のR基は同一でも異なっていてもよく、また複数のOR基は同一でも異なっていてもよい。)で表されるアルコキシシラン化合物を、塩酸、硫酸等の無機酸、またはシュウ酸、酢酸等の有機酸を用いて部分的にまたは完全に加水分解し、重縮合させることで得たものであってよい。この反応の際、加水分解を均一に行うために、有機溶媒を用いても良く、また、必要に応じて、塩化アルミニウムやトリアルコキシアルミニウムといったアルミニウム化合物を適当量用いてもよい。なお、本明細書における「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシの両方を意味する。他の類似用語についても同様である。
上記一般式(A)においてn=0の場合、アルコキシシラン化合物はテトラアルコキシシランとなるが、当該テトラアルコキシシランを完全加水分解して重縮合することで、無機シリカ系化合物が得られ、部分加水分解して重縮合することで、ポリオルガノシロキサン系化合物、または無機シリカ系化合物とポリオルガノシロキサン系化合物との混合物が得られる。
上記一般式(A)においてn=1〜3の場合、アルコキシシラン化合物は、非加水分解性基を有し、当該化合物を部分または完全加水分解して重縮合することで、ポリオルガノシロキサン系化合物が得られる。
上記一般式(A)で表されるアルコキシシラン化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、トリビニルエトキシシランなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シロキサン化合物は、上記方法により得られるものの他に、メタケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウムまたは水ガラス(ケイ酸ナトリウム混合物)といったケイ素化合物を加水分解することにより得られるものであってもよい。この加水分解は、塩酸、硫酸、硝酸といった酸、または塩化マグネシウム、硫酸カルシウムといった金属化合物を作用させることで反応を促進することができる。この加水分解によって遊離型のケイ酸が生成され、当該ケイ酸が重合することによって、鎖状、環状または網目状のシロキサン化合物が得られる。原料とするケイ素化合物の種類に応じて、鎖状、環状および網目状のいずれの状態となるか決まる場合がある。例えば、水ガラスから得られたシロキサン化合物は、次の一般式(B)
Figure 0006419610

(mは重合度を示し、Rは、水素原子、ケイ素原子、またはマグネシウム、アルミニウムといった金属原子である。)で表される鎖状構造のものが主体となる。
シロキサン化合物のその他の例としては、無機シリカ系化合物であるシリカゲル(SiO・nHO)が挙げられる。
本実施形態の低屈折率層4は、活性エネルギー線硬化型化合物を含有する組成物を活性エネルギー線で硬化させた硬化物により構成されてもよい。ここで、活性エネルギー線硬化型化合物とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する重合性化合物を意味する。このような活性エネルギー線硬化型化合物としては、例えば光重合性プレポリマーおよび/または光重合性モノマーを挙げることができる。
上記光重合性プレポリマーとしては、ラジカル重合型とカチオン重合型とがあり、ラジカル重合型の光重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などが挙げられる。ここで、ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系プレポリマーの例としては、フェノールノボラック系プレポリマーが挙げられる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。さらに、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。これらの光重合性プレポリマーは1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、カチオン重合型の光重合性プレポリマーとしては、エポキシ系樹脂が通常使用される。このエポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール樹脂やノボラック樹脂などの多価フェノール類にエピクロルヒドリンなどでエポキシ化した化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物などで酸化して得られた化合物などが挙げられる。
また、光重合性モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能アクリレートが挙げられる。これらの中でも、低屈折率層4の所望の物性を得やすいという観点から、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを使用することが好ましい。これらの光重合性モノマーは1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、上記光重合性プレポリマーと併用してもよい。
これらの重合性化合物は、所望により光重合開始剤を併用することができる。この光重合開始剤としては、ラジカル重合型の光重合性プレポリマーや光重合性モノマーに対しては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどが挙げられる。この中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを使用することが好ましい。また、カチオン重合型の光重合性プレポリマーに対する光重合開始剤としては、例えば芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオンなどのオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートなどの陰イオンとからなる化合物が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、上記光重合性プレポリマーおよび/または光重合性モノマー100質量部に対して、通常0.2〜10質量部の範囲で適宜選択される。
本実施形態の低屈折率層4は、所望の屈折率を達成する観点から屈折率調整用粒子を含んでもよい。特に、本実施形態の低屈折率層4が、活性エネルギー線硬化型化合物を含有する組成物を材料として構成される場合、当該組成物に対して屈折率調整用粒子を添加することが好ましい。屈折率調整用粒子の例としては、シリカゾル、多孔質シリカ微粒子および中空シリカ微粒子が挙げられる。
シリカゾルとしては、平均粒径が0.005〜1μm程度、好ましくは10nm〜100nmのシリカ微粒子が、アルコール系やセロソルブ系の有機溶剤中にコロイド状態で懸濁してなるコロイダルシリカを好適に用いることができる。なお、平均粒径は動的光散乱法により求めることができる。
また、中空シリカ微粒子や多孔質シリカ微粒子は、微粒子内に微細な空隙を、開口した状態または閉口した状態で有しており、気体、例えば、屈折率1の空気が充填されているので、当該微粒子はそれ自身の屈折率が低い特徴がある。当該微粒子を塗膜中に集合体を形成せずに均一に分散した場合には、塗膜の屈折率を低下させる効果が高く、同時に透明性に優れる。空隙を有しない通常のコロイダルシリカ粒子(屈折率n=1.46程度)に比べると、空隙を有する中空シリカ微粒子や多孔質シリカ微粒子の屈折率は1.20〜1.45と低い。
中空シリカ微粒子や多孔質シリカ微粒子は、平均粒径5nm〜300nm程度、好ましくは5nm〜200nm、特に好ましくは10nm〜100nmの微粒子であり、空隙の平均孔径が10nm〜100nm程度であり、空気を含有する独立気泡および/または連続気泡を有する中空シリカ微粒子や多孔質シリカ微粒子である。微粒子全体としての屈折率は、1.20〜1.45程度である。本実施形態において用いられる中空シリカ微粒子や多孔質シリカ微粒子を活性エネルギー線硬化型化合物に添加して低屈折率層4を構成することにより、活性エネルギー線硬化型化合物の硬化物の屈折率が1.45以上であっても、全体として屈折率を低下させることができる。また、中空シリカ微粒子や多孔質シリカ微粒子は、低屈折率層4中に分散されるため、低屈折率層4の透明性が優れる。なお、平均粒径は動的光散乱法により求めることができる。
また、屈折率調整用粒子には、重合性不飽和基含有有機化合物が結合していてもよい。例えば、シリカ微粒子に対して重合性不飽和基含有有機化合物が結合していてもよい。重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子は、平均粒径0.005〜1μm程度のシリカ微粒子表面のシラノール基に、当該シラノール基と反応し得る官能基を有する重合性不飽和基含有有機化合物を反応させることにより、得ることができる。重合性不飽和基としては、例えばラジカル重合性のアクリロイル基やメタクリロイル基などが挙げられる。
本実施形態の低屈折率層4における、屈折率調整用粒子のマトリックス樹脂組成物に対する配合割合は、形成される低屈折率層4の屈折率および表面積増加率が上述した範囲になるように適宜設定される。例えば、マトリックス樹脂組成物100質量部に対して、屈折率調整用粒子が100質量部未満であることが好ましく、特に60質量部以下であることが好ましく、さらには30質量部以下であることが好ましい。しかしながら、前述の通り、低屈折率層4は、表面の優れた平滑性を達成する観点から、屈折率調整用粒子を含有しないことも好ましい。
本実施形態における低屈折率層4は、本発明の効果を妨げない範囲で、所望の各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば、分散剤、染料、顔料、架橋剤、硬化剤、酸化防止剤などが挙げられる。
本実施形態の低屈折率層4を構成する材料としては、前述のシロキサン化合物と活性エネルギー線硬化型化合物とを併用してもよい。さらに、それらに対して前述の屈折率調整用粒子を添加してもよい。しかしながら、所望の物性を発現し易いという観点から、低屈折率層4は、シロキサン化合物のみ、または活性エネルギー線硬化型化合物と屈折率調整用粒子との組み合わせから構成されることが好ましい。
<高屈折率層>
本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1では、透明プラスチック基材2と低屈折率層4との間に、低屈折率層4の屈折率よりも大きい屈折率を有する高屈折率層3が介在してもよい。この場合、高屈折率層3は、透明プラスチック基材2に対して直接積層されていること、または易接着層を介して積層されていることが好ましい。高屈折率層3を設けることにより、低屈折率層4と高屈折率層3とによって透明導電膜のパターンの不可視化を達成することができる。
本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1の高屈折率層3は、屈折率が1.60〜1.90であることが好ましく、特に1.65〜1.85であることが好ましく、さらには1.68〜1.80であることが好ましい。高屈折率層3の屈折率が1.60〜1.90であることで、低屈折率層4との屈折率差を十分に確保することができ、透明導電膜のパターンを効果的に不可視化することができるとともに、本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1の透明性など他の物性が良好なものとなる。
本実施形態における高屈折率層3を構成する材料としては、熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化型化合物等が挙げられる。
本実施形態における高屈折率層3を、熱可塑性樹脂を使用して構成する場合、当該熱可塑性樹脂を含有する高屈折率層3は、透明プラスチック基材2との密着性および低屈折率層4との密着性に優れ、それ自体、易接着層と同様の役割を果たす。
具体的には、高屈折率層3に含まれる熱可塑性樹脂が、透明プラスチック基材2の表面と近い極性(または組成)を有し、透明プラスチック基材2に対して高い親和性を示すことから、高屈折率層3を透明プラスチック基材2に密着させることができる。一方、有機溶剤を含有する低屈折率層4の材料を高屈折率層3上に塗布すると、低屈折率層4の材料中の有機溶剤が高屈折率層3中の熱可塑性樹脂を溶解し、当該溶解した熱可塑性樹脂によって低屈折率層4を高屈折率層3に密着(溶着)させることができる。これにより、易接着層を別途設ける必要がなくなり、透明導電膜積層用フィルム1の層構成を簡略化することができる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。これらの中でも、透明プラスチック基材2との密着性および低屈折率層4との溶着性の観点から、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、ポリエステル樹脂であることがさらに好ましい。
本実施形態における高屈折率層3を、活性エネルギー線硬化型化合物を用いて構成する場合、低屈折率層4を構成するための活性エネルギー線硬化型化合物と同様のものを使用することができる。当該活性エネルギー線硬化型化合物を含有する組成物を活性エネルギー線で硬化させることで、高屈折率層3を形成することができる。ここで、高屈折率層3は、低屈折率層4よりも屈折率が高い必要がある。この観点から、低屈折率層4を構成するために使用する活性エネルギー線硬化型化合物としては、分子内に芳香環および複素環を有しないものを選択することが好ましく、一方、高屈折率層3を構成するために使用する活性エネルギー線硬化型化合物としては、分子内に芳香環および/または複素環を有するものを選択することが好ましい。さらに、例えば、後述する金属酸化物を高屈折率層3に含有させることで、高屈折率層3の屈折率を高くすることができる。高屈折率層3を構成する材料としては、高屈折率層3の所望の物性を得やすいという観点から、前述した活性エネルギー線硬化型化合物の中でもフェノールノボラック系プレポリマーを使用することが好ましい。なお、活性エネルギー線硬化型化合物と前述の熱可塑性樹脂とを組み合わせて、高屈折率層3を構成してもよい。
本実施形態における高屈折率層3は、屈折率を調整するための材料(以下、「屈折率調整剤」という場合がある。)、例えば金属酸化物を含有することが好ましい。高屈折率層3に含まれ得る金属酸化物は特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化錫、酸化ニオブ、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)等が挙げられる。これらの金属酸化物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、屈折率の観点から、酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムを用いることが好ましい。
上記金属酸化物は、微粒子の形態で高屈折率層3に含有させることが好ましい。この場合、金属酸化物微粒子の平均粒径は、0.005〜1μmであることが好ましく、0.01〜0.1μmであることがより好ましい。なお、本明細書における金属酸化物微粒子の平均粒径は、ゼータ電位測定法を用いた測定法により測定した値とする。
高屈折率層3における金属酸化物の配合割合は、高屈折率層3の屈折率が上述した範囲になるように適宜設定される。具体的には、活性エネルギー線硬化型化合物および/または熱可塑性樹脂100質量部に対して、50〜1000質量部程度であることが好ましく、80〜800質量部であることが特に好ましく、100〜500質量部であることがさらに好ましい。
本実施形態における高屈折率層3は、本発明の効果を妨げない範囲で、所望の各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば、分散剤、染料、顔料、架橋剤、硬化剤、酸化防止剤などが挙げられる。
高屈折率層3の厚さは、20〜150nmであり、30〜130nmであることが好ましく、50〜110nmであることがより好ましい。高屈折率層3の厚さがかかる範囲にあることで、透明導電膜のパターンを視認され難くすることができ、かつ高屈折率層3と透明プラスチック基材2および低屈折率層4との密着性が優れたものとなり、さらには高屈折率層3の表面の平滑性が十分なものとなる。なお、本明細書における高屈折率層3の厚さは、エリプソメーターにより測定された値であり、具体的な測定条件は後述する実施例に示すとおりである。
<透明プラスチック基材>
本実施形態において用いられる透明プラスチック基材2としては、特に制限はなく、従来の光学用基材として公知のプラスチックフィルムの中から透明性を有するものを適宜選択して用いることができる。このようなプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム、またはそれらの積層フィルムが挙げられる。
上記の中でも、タッチパネル等に好適な強度を有することから、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等であることが好ましい。これらの中でも、透明性や厚み精度等の観点から、ポリエステルフィルムであることが特に好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)がさらに好ましい。
透明プラスチック基材2として、ポリエチレンテレフタレート(PET)を使用する場合、PETは密着性に優れることから、高屈折率層との接着性を向上させる易接着層を設けなくてもよい。さらに、易接着層を設けない場合、PETは1.65といった高い屈折率を有し、PETが高屈折率層の代わりとして機能し得ることから、高屈折率層3を必ずしも設けなくてもよい。
透明プラスチック基材2の厚さは特に制限はなく、用途に応じて適宜選定されるが、通常15〜300μm、好ましくは30〜250μmの範囲である。また、この透明プラスチック基材2は、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが用いられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが用いられる。これらの表面処理法は透明プラスチック基材2の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から、好ましく用いられる。
<透明導電膜積層用フィルムの製造>
以上述べた透明導電膜積層用フィルム1は、例えば、以下に示す方法により製造することができる。ここでは、低屈折率層4と透明プラスチック基材2との間に高屈折率層3が設けられた透明導電膜積層用フィルム1の製造例を説明する。なお、低屈折率層4が透明プラスチック基材2上に直接積層されてなる透明導電膜積層用フィルムは、以下に説明する製造例において高屈折率層3の調製・形成工程を省略し、その他の工程を同様に行うことで製造することができる。
まず、高屈折率層3を構成する材料と有機溶剤とを含有する高屈折率層3用の塗布剤を調製するとともに、低屈折率層4を構成する材料と有機溶剤とを含有する低屈折率層4用の塗布剤を調製する。
高屈折率層3を構成する材料として活性エネルギー線硬化型化合物を使用する場合、高屈折率層3用の塗布剤を調製する際に用いる有機溶剤は、当該活性エネルギー線硬化型化合物の溶解性に優れ、かつ、前述した屈折率調整剤の分散性に優れるものが好ましい。そのような有機溶剤の具体例としては、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル等を好ましく挙げることができる。
一方、低屈折率層4を構成する材料として活性エネルギー線硬化型化合物を使用する場合、低屈折率層4用の塗布剤を調製する際に用いる有機溶剤は、当該活性エネルギー線硬化型化合物の溶解性に優れ、かつ、前述した屈折率調整用粒子の分散性にも優れるものが好ましい。そのような有機溶剤の具体例は、高屈折率層3を構成する材料として活性エネルギー線硬化型化合物を使用する場合における前述した有機溶剤の具体例と同様である。
また、低屈折率層4がシロキサン化合物により構成される場合、低屈折率層4用の塗布剤を調製する際に用いる有機溶剤は、溶解分散性の観点から、アルコール系溶剤を用いることが好ましい。アルコール系溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどが好ましく挙げられる。
高屈折率層3用および低屈折率層4用の塗布剤を調製した後は、まず、透明プラスチック基材2の片面に高屈折率層3用の塗布剤を塗布する。その後、塗布剤を乾燥させ、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させることで、高屈折率層3を形成する。
続いて、高屈折率層3の上に低屈折率層4用の塗布剤を塗布する。低屈折率層4を構成する材料としてシロキサン化合物を使用する場合、塗布剤を乾燥させることで、低屈折率層4を形成する。一方、低屈折率層4を構成する材料として活性エネルギー線硬化型化合物を使用する場合、塗布剤を乾燥させた後、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させることで、低屈折率層4を形成する。以上により、透明導電膜積層用フィルム1を得る。
塗布剤の塗布方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
高屈折率層3の上に低屈折率層4を形成する際、低屈折率層4用の塗布剤を30〜70℃で10秒〜3分間程度加熱処理(乾燥処理)することが好ましい。低屈折率層4を構成する材料としてシロキサン化合物を使用する場合には、乾燥処理後、さらに110〜150℃で5秒〜3分間程度加熱し、塗布剤を硬化させる。また、低屈折率層4を構成する材料として活性エネルギー線硬化型化合物を使用する場合には、上記乾燥処理後、活性エネルギー線を照射し、塗布剤を硬化させる。上記のように30〜70℃で10秒〜3分間程度の加熱処理(乾燥処理)を行うことで、低屈折率層4の材料の硬化が完了する前に溶剤を部分的にまたは全て蒸発させることができ、溶剤の蒸発に起因した低屈折率層4表面の粗れの発生を抑制することができる。
上記活性エネルギー線としては、通常、紫外線、電子線等が用いられ、紫外線が特に好ましい。活性エネルギー線の照射量は、エネルギー線の種類によって異なるが、例えば紫外線の場合には、光量で50〜1000mJ/cmが好ましく、特に100〜500mJ/cmが好ましい。また、電子線の場合には、0.1〜50kGy程度が好ましい。紫外線照射は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等によって行うことができる。また、電子線照射は、電子線加速器等によって行うことができる。
上記のようにして得られた透明導電膜積層用フィルム1は、次に説明する透明導電性フィルムの製造材料として好適に用いられる。
〔透明導電性フィルム〕
図2は本発明の一実施形態に係る透明導電性フィルムの断面図である。本実施形態に係る透明導電性フィルム10は、上述した透明導電膜積層用フィルム1の低屈折率層4における高屈折率層3とは反対側の面側(図2では低屈折率層4の上側)に、さらに透明導電膜5が積層されたものである。この透明導電性フィルム10は、高屈折率層3および低屈折率層4の存在により、透明導電膜5のパターンが視認され難いものとなっている。
<透明導電膜>
本実施形態に係る透明導電性フィルム10における透明導電膜5の材料としては、透明性と導電性とを併せ持つ材料であれば特に制限なく使用でき、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化イリジウム(IrO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化チタン(TiO)等の透明導電性金属酸化物が挙げられる。これらの金属酸化物の薄膜は、適当な造膜条件を採用することで透明性と導電性とを兼ね備えた透明導電膜になる。
透明導電膜5の厚さは、4〜800nmであることが好ましく、5〜500nmであることがより好ましく、10〜100nmであることが特に好ましい。透明導電膜5の厚さがかかる範囲にあることで、連続した薄膜となり安定した導電性が得られるとともに、透明性が低下するおそれがない。
また、透明導電膜5の屈折率は、1.90〜2.05程度であることが好ましい。
<物性>
透明導電性フィルム10は、透明導電膜5をエッチングしたときに、エッチング前後での波長400nmにおける反射率(%)の差の絶対値が、9以下であることが好ましく、8以下であることが特に好ましく、6以下であることがさらに好ましい。ここで、エッチング前後での反射率の差とは、透明導電膜5にエッチング処理を行う前後において、それぞれJIS K7142に従って波長400nm付近における反射率(単位:%)を測定したときの、当該波長におけるエッチング前後での差分の値である。
透明導電膜5をエッチングしたときのエッチング前後での波長400nmにおける反射率差の絶対値が、9以下であることで、本実施形態に係る透明導電性フィルム10は、優れた透明性を有しながら、反射光下において透明導電膜5のパターンが視認され難いものとなる。
<透明導電性フィルムの製造>
本実施形態に係る透明導電性フィルム10は、例えば、以下に示す方法により製造することができる。まず、上述したように透明導電膜積層用フィルム1を製造した後、かかる透明導電膜積層用フィルム1の低屈折率層4が設けられている面側に対して、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法、ゾル−ゲル法などの公知の方法を、上記材料の種類や必要な膜厚に応じて適宜選択し、透明導電膜5を積層することにより、透明導電性フィルム10を製造することができる。
なお、上記透明導電膜5は、上記のようにして製膜した後、フォトリソグラフィー法により、所定パターンのレジストマスクを形成し、公知の方法により、エッチング処理を施し、例えばライン状パターンなどを形成することができる。
本実施形態に係る透明導電性フィルム10は、本実施形態に係る透明導電膜積層用フィルム1を用いて製造されることにより、透明導電膜が積層された部分を視認し難くすることが可能であり、透明導電膜の抵抗値を所望の値に設定することができ、低屈折率層の表面に配線等を設ける際の加工性に優れる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
なお、以下に示す実施例または比較例における高屈折率層および低屈折率層の厚さは、それらの層を形成した段階で、分光エリプソメーター(J.A.WOOLLAM社製,製品名:M−2000)を用いて測定した。
〔調製例1〕(高屈折率層用塗布剤H−1)
活性エネルギー線硬化型化合物としてのフェノールノボラック系紫外線硬化型プレポリマー(日立化成社製,ヒタロイド7663,固形分80%,メチルイソブチルケトン(MIBK)希釈)100質量部(固形分換算;以下同じ)と、屈折率調整剤としての平均粒径10nmの酸化ジルコニウム300質量部と、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製,商品名:イルガキュア184)5質量部とを、希釈溶剤としてのMIBKにより希釈し、高屈折率層用塗布剤H−1を調製した。
〔調製例2〕(高屈折率層用塗布剤H−2)
屈折率調整剤として平均粒径10nmの酸化チタンを使用する以外、調製例1と同様にして高屈折率層用塗布剤H−2を調製した。
〔調製例3〕(低屈折率層用塗布剤L−1)
活性エネルギー線硬化型化合物としてのジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製,商品名:NKエステルA−DPH,固形分濃度100質量%)100質量部と、屈折率調整用粒子としての平均粒径60nmの中空シリカ25質量部と、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製,商品名:イルガキュア184)5質量部とを、希釈溶剤としてのMIBKにより希釈し、低屈折率層用塗布剤L−1を調製した。
〔調製例4〕(低屈折率層用塗布剤L−2)
シロキサン化合物としてのシロキサン樹脂(コルコート社製,商品名:コルコートP)100質量部を、希釈溶剤としてのイソプロピルアルコール(IPA)により希釈し、低屈折率層用塗布剤L−2を調製した。
〔調製例5〕(低屈折率層用塗布剤L−3)
屈折率調整用粒子の配合量を50質量部に変更する以外、調製例3と同様にして低屈折率層用塗布剤L−3を調製した。
〔調製例6〕(低屈折率層用塗布剤L−4)
屈折率調整用粒子の配合量を12.5質量部に変更する以外、調製例3と同様にして低屈折率層用塗布剤L−4を調製した。
〔調製例7〕(低屈折率層用塗布剤L−5)
屈折率調整用粒子の配合量を12.5質量部に変更し、防汚剤として反応性フッ素オリゴマー(DIC社製,商品名:メガファックRS−75,固形分40%,MIBK希釈)8.2質量をさらに添加する以外、調製例3と同様にして低屈折率層用塗布剤L−5を調製した。
〔調製例8〕(低屈折率層用塗布剤L−6)
屈折率調整用粒子を添加しない以外、調製例3と同様にして低屈折率層用塗布剤L−6を調製した。
〔調製例9〕(低屈折率層用塗布剤L−7)
屈折率調整用粒子の配合量を100質量部に変更する以外、調製例3と同様にして低屈折率層用塗布剤L−7を調製した。
〔調製例10〕(低屈折率層用塗布剤L−8)
防汚剤の配合量を11.8質量に変更する以外、調製例7と同様にして低屈折率層用塗布剤L−8を調製した。
ここで、調製例1〜10の配合を表1に示す。なお、表1に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
[希釈溶剤]
MIBK:メチルイソブチルケトン
IPA:イソプロピルアルコール
Figure 0006419610
〔実施例1〕
透明プラスチック基材としての、片面に易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製,商品名:コスモシャインA4100,厚さ50μm)の易接着層とは反対側の面に、調製例3で得られた低屈折率層用塗布剤L−1をマイヤーバーで塗工した。これを50℃のオーブンで1分間乾燥させた後、窒素雰囲気下にて高圧水銀ランプで200mJ/cmの紫外線を照射することで、厚さ35nmの低屈折率層を形成し、透明導電膜積層用フィルムを得た。得られた透明導電膜積層用フィルムの低屈折率層上にITOターゲット(酸化錫10質量%)を用いてスパッタリングを行い、厚さ30nmの透明導電膜を形成し、透明導電性フィルムを作製した。なお、後述する分光エリプソメーターを用いた測定によると、透明導電膜の屈折率は1.95であった。また、透明導電膜は、後述の視認性試験を考慮して、透明導電膜が積層されていない部分が残存するように形成した。
〔実施例2〕
低屈折率層の厚さを50nmとした以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例3〕
透明プラスチック基材としての、片面に易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製,商品名:コスモシャインA4100,厚さ50μm)の易接着層とは反対側の面に、調製例4で得られた低屈折率層用塗布剤L−2をマイヤーバーで塗工した。これを50℃のオーブンで20秒間乾燥させた後、130℃で40秒間加熱することで硬化させ、厚さ35nmの低屈折率層を形成し、透明導電膜積層用フィルムを得た。得られた透明導電膜積層用フィルムの低屈折率層上にITOターゲット(酸化錫10質量%)を用いてスパッタリングを行い、厚さ30nmの透明導電膜を形成し、透明導電性フィルムを作製した。なお、後述する分光エリプソメーターを用いた測定によると、透明導電膜の屈折率は1.95であった。また、透明導電膜は、後述の視認性試験を考慮して、透明導電膜が積層されていない部分が残存するように形成した。
〔実施例4〕
低屈折率層用塗布剤として、調製例5で得られた低屈折率層用塗布剤L−3を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例5〕
低屈折率層用塗布剤として、調製例6で得られた低屈折率層用塗布剤L−4を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例6〕
低屈折率層用塗布剤として、調製例7で得られた低屈折率層用塗布剤L−5を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例7〕
透明プラスチック基材として、一方の面に高屈折率性の易接着層を有し、他方の面に低干渉性の易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂社製,商品名:ダイアホイルO901,厚さ125μm)を使用し、当該フィルムの高屈折率性の易接着層を有する面に低屈折率層用塗布剤を塗工した以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例8〕
透明プラスチック基材としての、片面に易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製,商品名:コスモシャインA4100,厚さ125μm)の易接着層とは反対側の面に、調製例1で得られた高屈折率層用塗布剤H−1をマイヤーバーで塗工した。これを50℃のオーブンで1分間乾燥させた後、窒素雰囲気下にて高圧水銀ランプで200mJ/cmの紫外線を照射することで、厚さ50nmの高屈折率層を形成した。さらに、調製例3で得られた低屈折率層用塗布剤L−1を高屈折率層上にマイヤーバーで塗工した。これを50℃のオーブンで1分間乾燥させた後、窒素雰囲気下にて高圧水銀ランプで200mJ/cmの紫外線を照射することで厚さ35nmの低屈折率層を形成し、透明導電膜積層用フィルムを得た。得られた透明導電膜積層用フィルムの低屈折率層上にITOターゲット(酸化錫10質量%)を用いてスパッタリングを行い、厚さ30nmの透明導電膜を形成し、透明導電性フィルムを作製した。なお、後述する分光エリプソメーターを用いた測定によると、透明導電膜の屈折率は1.95であった。また、透明導電膜は、後述の視認性試験を考慮して、透明導電膜が積層されていない部分が残存するように形成した。
〔実施例9〕
透明プラスチック基材として、一方の面に高屈折率性の易接着層を有し、他方の面に低干渉性の易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂社製,商品名:ダイアホイルO901,厚さ125μm)を使用し、当該フィルムの高屈折率性の易接着層を有する面に高屈折率層用塗布剤を塗工し、さらに、高屈折率層用塗布剤として、調製例2で得られた高屈折率層用塗布剤H−2を使用した以外は実施例8と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔比較例1〕
低屈折率層の厚さを80nmとした以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔比較例2〕
低屈折率層用塗布剤として、調製例8で得られた低屈折率層用塗布剤L−6を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔比較例3〕
低屈折率層用塗布剤として、調製例9で得られた低屈折率層用塗布剤L−7を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔比較例4〕
低屈折率層用塗布剤として、調製例10で得られた低屈折率層用塗布剤L−8を使用した以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。
〔試験例1〕(屈折率の測定)
調製例1〜10にて得られた高屈折率層用塗布剤および低屈折率層用塗布剤のそれぞれを、片面に易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製,商品名:コスモシャインA4100,厚さ50μm)の易接着層とは反対側の面に塗工し、実施例および比較例と同一の条件で低屈折率層および高屈折率層を形成した。
得られた低屈折率層および高屈折率層の屈折率を、測定波長589nm、測定温度23℃の条件で、分光エリプソメーター(J.A.WOOLLAM社製,製品名:M−2000)を用いて測定した。測定の際、低屈折率層または高屈折率層を形成した面とは反対の面を紙やすりで擦り、油性ペン(ゼブラ社製,マッキー黒色)で黒色に塗り潰して測定を行った。波長589nmにおける屈折率を採用した。結果を表2に示す。
また、一方の面に高屈折率性の易接着層を有し、他方の面に低干渉性の易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂社製,商品名:ダイアホイルO901,厚さ125μm)の易接着層の屈折率についても、上記分光エリプソメーターを用いて上記条件にて測定した。結果を表2に示す。
〔試験例2〕(低屈折率層の表面積増加率の測定)
実施例および比較例で得られた各透明導電性フィルムについて、レーザーマイクロスコープ(キーエンス社製,製品名:VK−9700)を用いて、低屈折率層における透明プラスチック基材とは反対側の面の画像を倍率900倍で取得した。
取得した画像において、4.992μm四方の正方形の領域を任意に選択し、当該正方形の一辺に対応する低屈折率層の当該面における表面長さを測定し、これを縦の表面長さとした。さらに、当該一辺に直交する別の一辺に対応する低屈折率層の当該面における表面長さを測定し、これを横の表面長さとした。
このような正方形の選択および表面長さの測定を、さらに2回行った。得られた3個の縦の表面長さから、その平均値を算出し、また、得られた3個の横の表面長さから、その平均値を算出した。これらの平均値の積を実表面積とし、以下の式(I)
Figure 0006419610

から表面積増加率を算出した。結果を表2に示す。
〔試験例3〕(透明導電膜の抵抗値の測定)
実施例および比較例で得られた各透明導電膜積層用フィルムの低屈折率層上にITOターゲット(酸化錫10質量%)を用いてスパッタリングした後、150℃で30分間アニールし、ITOを結晶化した。
このサンプルをガラス板上に置き、プローブ(三菱化学アナリテック社製,四探針ASPプローブ,製品名:MCP−TP03P)を装着した抵抗率計(三菱化学アナリテック社製,製品名:ロレスターAX)を使用して、透明導電膜の抵抗値を測定した。結果を表2に示す。なお、抵抗値が400Ω/□以下の場合に良好と判断される。
〔試験例4〕(不可視化性能の評価)
実施例および比較例で得られた各透明導電性フィルムについて、透明導電膜が設けられた部分および設けられていない部分のそれぞれについて、波長400nmでの反射率(単位:%)を分光光度計(島津製作所社製,製品名:UV−3600)にて測定した。透明導電膜が設けられた部分および設けられていない部分での反射率差を算出し、その絶対値を求めた。結果を表2に示す。
さらに、反射率差の絶対値に基づいて、不可視化性能を以下に示す基準により評価した。評価結果を表2に示す。
○:反射率差の絶対値が0〜7
△:反射率差の絶対値が7〜9
×:反射率差の絶対値が9を超える
また、不可視化性能を目視によっても評価した。実施例および比較例で得られた各透明導電性フィルムを、透明導電膜が白色蛍光灯側になるように、白色蛍光灯(27W;3波長)から1mの位置に設置した。透明導電性フィルムに白色蛍光灯を映り込ませた状態で、白色蛍光灯が設置されているのと同じ側における透明導電性フィルムから30cmの位置より、透明導電性フィルムの透明導電膜が積層されている端部近辺を目視にて観察した。そして、透明導電膜が積層されている箇所と積層されていない箇所との境界(透明導電膜の有無の境界)で色目に変化があるか否かを、以下に示す基準により評価した。結果を表2に示す。
○:透明導電膜の有無の境界で色目の変化が見えない。
△:透明導電膜の有無の境界で色目の変化がわずかに見える。
×:透明導電膜の有無の境界で色目の変化が見える。
〔試験例5〕(低屈折率層の表面自由エネルギーの測定)
実施例および比較例で得られた各透明導電膜積層用フィルムについて、低屈折率層が存在する面に対する各種液滴の接触角を測定し、その値をもとに北崎・畑理論により、低屈折率層の表面自由エネルギー(mJ/m)を求めた。接触角は、接触角計(協和界面科学社製,DM−701)を使用し、静滴法によってJIS R3257に準じて測定した。液滴については、「分散成分」としてジヨードメタン、「双極子成分」として1−ブロモナフタレン、「水素結合成分」として蒸留水を使用した。結果を表2に示す。
〔試験例6〕(低屈折率層の配線加工性の評価)
実施例および比較例で得られた各透明導電性フィルムの透明導電幕が存在する面に対して、銀ペースト(藤倉化成社製,商品名:FA−401CA)をスクリーン印刷し、銀ペースト幅5mmおよび銀ペースト間の間隔0.5mmの銀配線を形成した。形成された銀配線を、以下に示す基準により目視で評価した。結果を表2に示す。
○:配線がきれいに形成されている。
×:ペーストのはじきが発生し、端部がギザギザになったこと等により、配線がきれいに形成されていない。
表2に、実施例1〜9および比較例1〜4の構成、ならびに試験例1〜6の測定結果を示す。なお、表2に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
[基材]
コスモシャインA4100:片面に易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製,商品名:コスモシャインA4100,厚さ50μm)
ダイアホイルO901:一方の面に高屈折率性の易接着層を有し、他方の面に低干渉性の易接着層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂社製,商品名:ダイアホイルO901,厚さ125μm)
Figure 0006419610
表2から明らかなように、実施例で作成した透明導電性フィルムでは、比較例に比べて、低い表面積増加率を示し、また、高い表面自由エネルギーを示した。そして、実施例で作成した透明導電性フィルムでは、透明導電膜の抵抗値は低い値をとり、優れた不可視化性能を示し、優れた配線加工性を示した。
これに対し、低屈折率層の厚さが厚い比較例1では、パターニングの不可視化性能が不十分となった。また、低屈折率層の屈折率が高い比較例2では、パターニングの不可視化性能が不十分となった。また、低屈折率層の屈折率調整用粒子の含有量が高い比較例3では、低屈折率層の表面積増加率が大きくなり、透明導電層の抵抗値が高くなった。また、低屈折率層が含フッ素化合物を含む比較例4では、表面自由エネルギーが低くなり、配線加工性が悪化した。
本発明は、静電容量式タッチパネルのための透明導電性フィルムの生産に好適である。
1…透明導電膜積層用フィルム
2…透明プラスチック基材
3…高屈折率層
4…低屈折率層
10…透明導電性フィルム
5…透明導電膜

Claims (7)

  1. 透明プラスチック基材と、
    前記透明プラスチック基材の少なくとも片面側に設けられた低屈折率層と
    を備えた透明導電膜積層用フィルムであって、
    前記低屈折率層の屈折率が、1.30〜1.50であり、
    前記低屈折率層における前記透明プラスチック基材とは反対側の面において、4.992μm四方の正方形の領域を任意に選択し、前記正方形の一辺に対応する前記低屈折率層の前記面における表面長さと、前記一辺に直交する別の一辺に対応する前記低屈折率層の前記面における表面長さとの積を実表面積としたとき、次式(I)
    Figure 0006419610

    によって算出される表面積増加率が5%以下であり、
    前記低屈折率層の表面自由エネルギーが、25.0〜100mJ/mであり、
    前記低屈折率層の厚さが、2〜70nmである
    ことを特徴とする透明導電膜積層用フィルム。
  2. 前記低屈折率層は、屈折率調整用粒子を含有しないか、前記低屈折率層を構成するマトリックス樹脂組成物100質量部に対して100質量部未満の含有量で、屈折率調整用粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜積層用フィルム。
  3. 前記透明プラスチック基材と前記低屈折率層との間には、前記低屈折率層の屈折率よりも大きい屈折率を有する高屈折率層が介在することを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電膜積層用フィルム。
  4. 前記高屈折率層の屈折率は、1.60〜1.90であることを特徴とする請求項3に記載の透明導電膜積層用フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電膜積層用フィルムの製造方法であって、
    前記低屈折率層を形成するときに、前記低屈折率層を構成する材料を塗工した後、30〜70℃で10秒〜3分間加熱処理することを含むことを特徴とする透明導電膜積層用フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電膜積層用フィルムと、
    前記低屈折率層における前記透明プラスチック基材とは反対側の面側に積層された透明導電膜と
    を備えたことを特徴とする透明導電性フィルム。
  7. 前記透明導電性フィルムにおいて前記透明導電膜をエッチングしたときに、前記エッチング前後での波長400nmにおける反射率(%)の差の絶対値が、9以下であることを特徴とする請求項6に記載の透明導電性フィルム。
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