JP4186847B2 - エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロルミネッセンス(EL)素子に係り、特にエレクトロルミネッセンス層からの光の取り出し効率が高いエレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
ELディスプレイに用いられるエレクトロルミネッセンス素子は、図4(a)に示すように、少なくとも透明基板5、透明電極層(陽極)3、エレクトロルミネッセンス層2及び陰極1を有する。このエレクトロルミネッセンス素子は、陽極である透明電極層3から注入された正孔と陰極1から注入された電子とがエレクトロルミネッセンス層2で再結合し、その再結合エネルギーによって発光中心が励起され、発光するという発光原理を有する。
ELディスプレイにおいては、エレクトロルミネッセンス層2で発光した光が透明基板5側に効率的に取り出されることが好ましいが、図4(b)に示すように、出射角の大きい光11は、透明基板5と空気7との界面で全反射し、透明基板2の内部を面方向に全反射しながら進む導波光12となる。また透明電極層と透明基板との界面で全反射し、透明電極内部、あるいは透明電極とエレクトロルミネッセンス層内部を面方向に進む導波光も存在し、この導波光は素子内部で吸収されて減衰してしまい外部へ取り出されない(非特許文献1,2)。
これらの導波光12により、透明基板2から取り出される光取り出し効率(エレクトロルミネッセンス層2で発生した光がエレクトロルミネッセンス素子の外部取り出される割合のこと。)は20%程度と低い。
こうした問題に対し、図5に示すように、透明基板5のエレクトロルミネッセンス層2側に低屈折率層4を設け、この低屈折率層4で出射角の大きい光11を屈折させて導波光の発生を低減し、光取り出し効率を向上させることが検討されている。例えば、下記特許文献1には、シリカエアロゲル膜技術により形成された屈折率1.01〜1.3の低屈折率層を有するエレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
特開2002−278477号公報(段落番号0010〜0012) チュティナンら 「春季応物学会予稿」2003 27P-A-16 冨士田ら 「春季応物学会予稿」2003 29-YN-13
上記の特開2002−278477号公報のように、透明電極層3と透明基板5との間に低屈折率層4を設けることにより、透明基板5の空気層7との界面における全反射が低減されるが、同号公報では透明電極層3の低屈折率層4との界面における全反射については改善がなされていない。むしろ、低屈折率層4を設けることにより、透明電極層3の低屈折率層4との界面における全反射量は増加してしまうという問題があった。
本発明は、透明基板の空気層との界面に加えて透明電極層の光取出側の界面における全反射が低減され、光の取り出し効率が十分に改善されたエレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のエレクトロルミネッセンス素子は、陰極、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層及び透光体がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、該透明電極層が該エレクトロルミネッセンス層からの光を散乱させる粒子を含有し、該透明電極層と透光体との間に、透光体よりも低い屈折率の低屈折率層を有することを特徴とするものである。
この粒子含有透明電極層は、次のようにして粒子含有透明電極層から透光体に進入する光量を増加させ、光取り出し効率を向上させる。
エレクトロルミネッセンス層で発生した光が透光体に至り、空気中に出光するには屈折率の異なる透明物質を通過し、かつ、透光体から空気中に出なければならないが、各層間での全反射、特に透光体から空気層に出光する際の全反射及び透明電極層から透光体側へ出光する際の全反射は、出光を妨げる大きな要因となる。特に、後者では透明電極層やエレクトロルミネッセンス層に可視領域で吸収があるため導波しながら減衰(光エネルギーが熱や他のエネルギーに変わってしまう)してしまう問題も発生しまう。つまり、全反射する角度で入光した光は出光に至らない故である。
本発明では、エレクトロルミネッセンスを構成する層として必須の層である透明電極層中に透明電極層を構成するマトリックスとは屈折率の異なる粒子、即ち光を散乱させる粒子を存在させる。このようにすることにより本来全反射して封じ込められてしまう光の角度を変化させ、全反射しない角度に変えて出光させるものである。
また、この作用は透明電極層の透光体側表面に低屈折率層(透明電極層より屈折率の小さい材質からなる層)を設けた場合にも作用する。
エレクトロルミネッセンス素子の場合、透明電極層の透光体側表面に低屈折率層を存在させることが多いので、以下の説明は主に低屈折率層が存在する構成で説明を行う。
即ち、粒子含有透明電極層と低屈折率層との界面に入射した光のうち、入射角が臨界角よりも小さい光は、そのまま粒子含有透明電極層から低屈折率層中に進行する。入射角が臨界角よりも大きい光は、該低屈折率層との界面で全反射され、粒子含有透明電極層側に戻る。このように粒子含有透明電極層側に戻った光の一部は、該粒子含有透明電極層中の粒子によって散乱される。この散乱光の一部は直接あるいは、陰極層等での反射を経て間接的に再度低屈折率層との界面に入射される。このうち入射角が臨界角よりも小さい光は、全反射されることなく粒子含有透明電極層から低屈折率層に進入する。該界面に入射する該散乱光のうち入射角が臨界角よりも大きいものは、再々度粒子含有透明電極層側に戻り、その一部は再々度、粒子によって散乱される。これを順次に繰り返すことにより、残部の光も次第に低屈折率層側に進入する。
低屈折率層と粒子含有透明電極層との界面で全反射された光のうちエレクトロルミネッセンス層と粒子含有透明電極層との界面に達した光は、この界面への入射角が臨界角よりも大きいときには、該界面で全反射され、再び低屈折率層と粒子含有透明電極層との界面に向かう。その後のこの光の挙動は上記と同様であり、次第に低屈折率層に進入する。
一方、粒子含有透明電極層とエレクトロルミネッセンス層の界面に粒子含有透明電極層側から臨界角よりも小さい入射角で入射した光は、そのままエレクトロルミネッセンス層に進入し、エレクトロルミネッセンス層と陰極との界面で反射され、再びエレクトロルミネッセンス層及び粒子含有透明電極層を透過し、粒子含有透明電極層と低屈折率層との界面に戻る。その後のこの光の挙動は上記と同様である。
このように、本発明のエレクトロルミネッセンス素子(請求項1)によると、低屈折率層よりも透明電極層側での全反射が低減され、その低減された分が低屈折率層側へ進入し、そこから透明基板層(透光体)内へ透明基板に対し垂直に近い方向へ屈折して進入することにより透明基板の空気層側界面での全反射が抑制され、光取り出し効率が向上する。
本発明(請求項2)のエレクトロルミネッセンス素子は、陰極、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層及び透光体がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、該透明電極層との透光体側との間に、マトリックスと該マトリックス中に分散されたエレクトロルミネッセンス層からの光を散乱させる粒子とからなる粒子含有層が設けられており、該マトリックスは該透明電極層と同等以上の屈折率を有し、該粒子含有層と透光体との間に、透光体よりも低い屈折率の低屈折率層を有することを特徴とするものである。
なお、本明細書において、「屈折率が同等」とは、一方の屈折率と他方の屈折率との差が0.3未満、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下であることをいう。
この透明電極層と透光体との間に設けられた粒子含有層は、次のようにして透明電極層から透光体に移行する光量を増加させ、光取り出し効率を向上させる。即ち、この粒子含有層のマトリックスの屈折率は透明電極層の屈折率と同等であるため、透明電極層と該粒子含有層との界面では全反射はほぼ生じない。
この構成は、上述した透明電極層に粒子を含有させた場合と光学的に同様の作用を奏することは容易に理解されるであろう。
前述の如く、エレクトロルミネッセンス素子の場合、透明電極層の透光体側表面に低屈折率層を存在させることが多いので、以下の説明は主に低屈折率層が存在する構成で説明を行うが、透明電極層から粒子含有層内に進行し、この粒子含有層中を粒子含有透明電極層と低屈折率層界面に入射した光のうち、入射角が臨界角よりも小さい光は、そのまま粒子含有層から低屈折率層中に進行する。
入射角が臨界角よりも大きい光は、該低屈折率層との界面で全反射され、粒子含有層側に戻る。このように粒子含有層側に戻った光の一部は、該粒子含有層中の粒子によって散乱される。この散乱光の一部は直接もしくは陰極のたとえばアルミ反射膜で反射された後再度低屈折率層との界面に入射される。このうち入射角が臨界角よりも小さい光は、全反射されることなく粒子含有層から低屈折率層に進入する。該界面に入射する該散乱光のうち入射角が臨界角よりも大きいものは、再々度粒子含有層側に戻り、その一部は再々度、粒子によって散乱される。これを順次に繰り返すことにより、残部の光も次第に低屈折率層側に進入する。
低屈折率層と粒子含有層との界面で全反射された光のうち粒子含有層と透明電極層との界面に達した光は、この界面で屈折率差が殆どないのでほぼそのまま透明電極層に進入し、透明電極層とエレクトロルミネッセンス層との界面に戻る。この界面への入射角が臨界角よりも大きいときには、該界面で全反射され、再び低屈折率層と粒子含有層との界面に向かう。その後のこの光の挙動は上記請求項1のエレクトロルミネッセンス素子の場合と同様であり、次第に低屈折率層に進入する。
一方、透明電極層とエレクトロルミネッセンス層の界面に透明電極層側から臨界角よりも小さい入射角で入射した光は、そのままエレクトロルミネッセンス層に進入し、エレクトロルミネッセンス層と陰極との界面で反射され、再びエレクトロルミネッセンス層及び透明電極層を透過し、透明電極層と粒子含有層との界面に戻る。その後のこの光の挙動は上記と同様である。
このように、このエレクトロルミネッセンス素子(請求項2)によっても、低屈折率層よりも透明電極層側での全反射が低減され、その低減された分が低屈折率層へ進入し、そこから透明基板層内へ透明基板に対し垂直に近い方向へ屈折して進入することにより、透明基板の空気層側界面での全反射が抑制され、光取り出し効率が向上する。なお、この種の散乱性の粒子を用いる提案以外にグレーティングや平面フォトニクス結晶(これらは回折光を制御する機能を有する)マイクロレンズを形成する等規則的に配置された凹凸を透明電極内あるいは透明電極と透明基板との間に形成するとの提案もあるが、これらはいずれも加工に手間がかかるので、不利である。
本発明によると、エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し効率を著しく向上させることができる。本発明は、無機発光材料、有機発光材料にかかわらず、また、ディスプレー用途、面状発光光源用途にかかわらず、幅広くエレクトロルミネッセンス素子に応用することができる。
以下、実施の形態を参照しながら、本発明についてさらに詳細に説明する。図1及び図2はいずれも本発明の実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子を示す断面図である。
図1(a)は請求項1の実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子を示しており、陰極1、エレクトロルミネッセンス層2、粒子含有透明電極層3’、低屈折率層4及びガラス基板等の透光性の基板5がこの順に積層配置されている。
エレクトロルミネッセンス層2からの光は、そのまま、又は陰極1で反射されエレクトロルミネッセンス層2を通って、粒子含有透明電極層3’側に出射し、その後低屈折率層4及び基板5を通って取り出される。
低屈折率層4を設けた場合、粒子含有透明電極層3’によって散乱され、全反射する光成分が減少する。すなわち、低屈折率層4により基板5の基板面と垂直に近い入射角にて基板5と低屈折率層4との界面に入射するようになり、基板5の空気層側界面での全反射が減少する。
このエレクトロルミネッセンス素子においては、粒子含有透明電極層3’は、次のようにして粒子含有透明電極層3’から低屈折率層4に進入する光量を増加させ、光取り出し効率を向上させる。即ち、粒子含有透明電極層3’と低屈折率層4との界面に入射した光のうち、入射角が臨界角よりも小さい光は、そのまま粒子含有透明電極層3’から低屈折率層4中に進行する。入射角が臨界角よりも大きい光は、該低屈折率層4との界面で全反射され、粒子含有透明電極層側3’に戻る。このように粒子含有透明電極層側3’に戻った光の一部は、該粒子含有透明電極層3’中の粒子によって散乱される。この散乱光の一部は再度低屈折率層4との界面に入射される。このうち入射角が臨界角よりも小さい光は、全反射されることなく粒子含有透明電極層3’から低屈折率層4に進入する。該界面に入射する該散乱光のうち入射角が臨界角よりも大きいものは、再々度粒子含有透明電極層3’側に戻り、その一部は再々度、粒子によって散乱される。これを順次に繰り返すことにより、残部の光も次第に低屈折率層4側に進入する。
低屈折率層4と粒子含有透明電極層3’との界面で全反射された光のうちエレクトロルミネッセンス層2と粒子含有透明電極層3’との界面に達した光は、この界面への入射角が臨界角よりも大きいときには、該界面で全反射され、再び低屈折率層4と粒子含有透明電極層3’との界面に向かう。その後のこの光の挙動は上記と同様であり、次第に低屈折率層4に進入する。
一方、粒子含有透明電極層3’とエレクトロルミネッセンス層2の界面に粒子含有透明電極層3’側から臨界角よりも小さい入射角で入射した光は、そのままエレクトロルミネッセンス層2に進入し、エレクトロルミネッセンス層2と陰極1との界面で反射され、再びエレクトロルミネッセンス層2及び粒子含有透明電極層3’を透過し、粒子含有透明電極層3’と低屈折率層4との界面に戻る。その後のこの光の挙動は上記と同様である。
このようにして、低屈折率層4よりも透明電極層側での全反射が低減され、光取り出し効率が向上する。
次に、基板5及び各層1〜4の好ましい構成について説明する。
A:基板5について
基板としては、その屈折率が1.4〜1.9、好ましくは1.45〜1.70、更に好ましくは1.47〜1.65、最も好ましくは1.48〜1.60の範囲のものが用いられる。
基板の屈折率が1.9を越える場合は、基板と空気との屈折率差が大きいため、ここでの全反射量が大きくなってしまう。基板の厚さは通常100μm厚を越えるので特にELディスプレー用途の場合は、ここでの全反射が大きいと一度全反射した光線が拡散層まで戻り再び散乱されて出射される量が増えるため、通常100μm角以下のサイズである画素間で出射光が混ざり合ってしまい画素滲み、色滲み等の解像度を低下させる現象が発生するので好ましくない。
また基板の屈折率が1.9を越える場合には、基板表面への外光の映りこみが大きくなり、これもディスプレーの解像度を低下させるため好ましくない。
基板の屈折率が1.4を下回る場合には自己支持性の透明基板材料として適切な材料が無いため好ましくない。
この屈折率は、ASTM D−542に基づき、エリプソメーターによる測定で決定される全深さ方向の平均屈折率であり、23℃でのナトリウムD線(589.3nm)に対する値で表される。こうした屈折率を有する基板としては、汎用材料からなる透明基板を用いることができる。例えば、BK7、SF11、LaSFN9、BaK1、F2等の各種ショットガラス、合成フューズドシリカガラス、光学クラウンガラス、低膨張ボロシリケートガラス、サファイヤ、ソーダガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリメチルメタクリレートや架橋アクリレート等のアクリル樹脂、ビスフェノールAポリカーボネート等の芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン等のスチレン樹脂、ポリシクロオレフィン等の非晶性ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。これらのうち、BK7、BaK1等のショットガラス、合成フューズドシリカガラス、光学クラウンガラス、低膨張ボロシリケートガラス、ソーダガラス、無アルカリガラス、アクリル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂が好ましく、BK7のショットガラス、合成フューズドシリカガラス、光学クラウンガラス、低膨張ボロシリケートガラス、ソーダガラス、無アルカリガラス、アクリル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂が特に好ましい。
基板の屈折率が1.9を越える場合は、基板と空気との屈折率差が大きいため、ここでの全反射量が大きくなってしまう。基板の厚さは通常100μm厚を越えるので特にELディスプレー用途の場合は、ここでの全反射が大きいと一度全反射した光線が拡散層まで戻り再び散乱されて出射される量が増えるため、通常100μm角以下のサイズである画素間で出射光が混ざり合ってしまい画素滲み、色滲み等の解像度を低下させる現象が発生するので好ましくない。
また基板の屈折率が1.9を越える場合には、基板表面への外光の映りこみが大きくなり、これもディスプレーの解像度を低下させるため好ましくない。
B:低屈折率層4について
低屈折率層4としては、まずは透光体(透明基板)の屈折率よりも実質的に低いことが重要であるが、屈折率が1.1〜1.5特に1.2〜1.35程度のもの、例えば、シリカ、環状テフロン等の透明フッ化物樹脂、フッ化マグネシウムなどが好適であり、特に多孔性シリカが好適である。シリカにおいては、必要に応じて疎水化、柔軟性付与、クラック防止等のため有機成分を導入してもよい。なお、屈折率が低過ぎると膜の機械的強度に不足が発生し易い。高過ぎると低屈折率層と透光体間あるいは透光体と空気間の全反射光量が増加し、その取り出し効率が低下する。なお、後述の図3に示す態様(トップエミッションタイプ)に限っては、低屈折率層はエアー(空隙)であってもデバイス構成上問題無い。この場合の屈折率は1.0である。
低屈折率層4として好適な多孔性シリカ膜は、例えば以下の工程により形成される。
(1) 多孔性シリカ膜形成用の原料液を準備する工程
(2) その原料液を基板上に塗布して一次膜を形成する工程
(3) 塗布された一次膜が高分子量化して中間体膜が形成される工程
(4) 中間体膜に水溶性有機溶媒を接触させて多孔性シリカ膜を形成する工程
(5) 多孔性シリカ膜を乾燥する工程
以下、各工程について説明する。
ただし、目的は低屈折率膜を形成することにあるので、本発明において、低屈折率層4の形成方法は、その要件を満たす限り特にこの製法に限定されるものではない。例えば、下記文献に示すような製造プロセスによる多孔膜(メソポーラス膜)も低屈折率層としての要件を満たす限り用いることができる。
特開2002−278477号公報
USP Pat.No.US6592764B1(BLOCK COPOLYMER PROCESSING FOR MESOSTRUCTURED INORGANIC
OXIDE MATERIALS Inventors;Galen D.Stucky et al.)
アルバック社技報 57号 2002年9月発行 34〜36頁
IDW2002予稿集 1163〜1166頁
Application of Low Refractive Materials for Optical Windows of Displays T.Nakayama
Et al.ULVAC
(1)多孔性シリカ膜形成用の原料液を準備する工程;
多孔性シリカ膜形成用の原料液は、アルコキシシラン類を主体とするものであり、加水分解反応及び脱水縮合反応により高分子量化を起こすことができる原料化合物を含む含水有機溶液である。
原料液である含水有機溶液は、アルコキシシラン類、親水性有機溶媒、水、及び、必要に応じて加えられる触媒を含有する。
アルコキシシラン類としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン等のテトラアルコキシシラン類、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン類、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3,5−トリス(トリメトキシシリル)ベンゼン等の有機残基が2つ以上のトリアルコキシシリル基を結合したもの、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−カルボキシプロピルトリメトキシシランなどのケイ素原子に置換するアルキル基が反応性官能基を有するものが挙げられ、更にこれらの部分加水分解物やオリゴマーであってもよい。
これらの中でも特に好ましいのが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン若しくはテトラエトキシシランのオリゴマーである。特に、テトラメトキシシランのオリゴマーは、反応性とゲル化の制御性から最も好ましく用いられる。
さらに、前記アルコキシシラン類には、ケイ素原子上に2〜3個の水素、アルキル基またはアリール基を持つモノアルコキシシラン類を混合することも可能である。モノアルコキシシラン類を混合することにより、得られる多孔性シリカ膜を疎水化して耐水性を向上させることができる。モノアルコキシシラン類としては、例えば、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、ジフェニルメチルメトキシシラン、ジフェニルメチルエトキシシラン、等が挙げられる。モノアルコキシシラン類の混合量は、全アルコキシシラン類の70モル%以下となるようにすることが望ましい。その混合量が70モル%を超えると、ゲル化しない場合がある。
また、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン等のフッ化アルキル基やフッ化アリール基を有するアルコキシシラン類を併用すると、優れた耐水性、耐湿性、耐汚染性等が得られる場合がある。
この原料液において、オリゴマーとは、架橋、カゴ型分子(シルセスキオキサンなど)でもよい。実用的には、含水有機溶液が含む縮合物の程度の上限として、溶液の透明性が、例えば波長400nm、23℃、光路長10mmの光線透過率として、90〜100%の範囲のものが好ましく用いられる。溶液の光線透過率の下限値は、好ましくは92%以上、更に好ましくは95%以上である。
なお、上記した原料液を塗布する際には、すでにある程度の高分子量化(つまり縮合がある程度進んだ状態)が達成されていることが必要であり、その高分子量化の程度としては、見た目に不溶物ができない程度の高分子量化が達成されていることが好ましい。その理由としては、塗布前の原料液中に目視可能な不溶物が存在していると、大きな表面凹凸が確実にでき膜質を低下させてしまうからである。
有機溶媒は、原料液を構成するアルコキシシラン類、水、及び後述する、沸点80℃以上の親水性有機化合物を混和させる能力を持つものが好ましく用いられる。使用可能な有機溶媒としては、炭素数1〜4の一価アルコール、炭素数1〜4の二価アルコール、グリセリンやペンタエリスリトールなどの多価アルコール等のアルコール類;ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等、前記アルコール類のエーテルまたはエステル化物;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−アセチルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−アセチルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルピロリジン、N,N’−ジホルミルピペラジン、N,N’−ジホルミルピペラジン、N,N’−ジアセチルピペラジンなどのアミド類;γ−ブチロラクトンのようなラクトン類;テトラメチルウレア、N,N’−ジメチルイミダゾリジンなどのウレア類;ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの水溶性有機溶媒を、単独または混合物として用いてもよい。この中で、基板への成膜性(特に、揮発性)の点で好ましい有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、炭素数1〜4の一価アルコールなどが挙げられる。中でも、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトンが更に好ましく、メタノールまたはエタノールが最も好ましい。
沸点が80℃以上の親水性有機化合物とは、水酸基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、カルボキシル基、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合等の親水性官能基を分子構造中に有する有機化合物のことである。この親水性有機化合物には、これらのうちの複数個の親水性官能基を分子構造中に有していてもよい。ここでいう沸点とは、760mmHgの圧力下での沸点である。沸点が80℃に満たない親水性有機化合物を用いた場合には、多孔性シリカ膜の空孔率が極端に減少することがある。沸点が80℃以上の親水性有機化合物としては、炭素数3〜8のアルコール類、炭素数2〜6の多価アルコール類、フェノール類を好ましく挙げることができる。より好ましい親水性有機化合物としては、炭素数3〜8のアルコール類、炭素数2〜8のジオール類、炭素数3〜8のトリオール類、炭素数4〜8のテトラオール類が挙げられる。更に好ましい親水性有機化合物としては、n−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、シクロペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の炭素数4〜7のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の炭素数2〜4のジオール類、グリセロールやトリスヒドロキシメチルエタン等の炭素数3〜6のトリオール類、エリスリトールやペンタエリストール等の炭素数4〜5のテトラオール類が挙げられる。この親水性有機化合物において、炭素数が大すぎると、親水性が低下しすぎる場合がある。
触媒は、必要に応じて配合される。触媒としては、上述したアルコキシシラン類の加水分解及び脱水縮合反応を促進させる物質を挙げることができる。具体例としては、塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸などの酸類;アンモニア、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ピリジンなどの塩基類;アルミニウムのアセチルアセトン錯体などのルイス酸類;などが挙げられる。
触媒として用いる金属キレート化合物の金属種としては、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、スズ、アンチモン等が挙げられる。具体的な金属キレート化合物としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
アルミニウム錯体としては、ジ−エトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジイソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−tert−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、モノ−tert−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物等を挙げることができる。
チタン錯体としては、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリイソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−tert−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−tert−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノイソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−tert−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリイソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−tert−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−tert−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノイソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−tert−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン等を挙げることができる。
また、これらの触媒以外に、弱アルカリ性の化合物、例えばアンモニアなどの塩基性の触媒を使用してもよい。この際には、シリカ濃度調整、有機溶媒種等を適宜調整することが好ましい。また、含水有機溶液を調整する際には、溶液中の触媒濃度を急激に増加させないことが好ましい。具体例としては、アルコキシシラン類と有機溶媒の一部を混合し、次いでこれに水を混合し、最後に残余の有機溶媒、及び塩基を混合するという順序にて混合する方法が挙げられる。
特に、高揮発性で除去が容易な塩酸や、アルミニウムのアセチルアセトン錯体などのルイス酸類が好ましい。触媒の添加量は、アルコキシシラン類1モルに対して、通常0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.1モルである。触媒の添加量が1モルを超えると、粗大ゲル粒子からなる沈殿物が生成し、均一な多孔性シリカ膜が得られない場合がある。
多孔性シリカ膜形成用の原料液は、上述した原料を配合して形成される。アルコキシシラン類の配合割合は、原料液全体に対して、10〜60重量%であることが好ましく、20〜40重量%であることがより好ましい。アルコキシシラン類の配合割合が60重量%を超える場合には、成膜時に多孔性シリカ膜が割れることがある。一方、アルコキシシラン類の配合割合が10重量%未満の場合は、加水分解反応及び脱水縮合反応が極端に遅くなり、成膜性の悪化(膜ムラ)が起きることがある。
水は、使用するアルコキシシラン類の重量の0.01〜10倍、好ましくは0.05〜7倍、更に好ましくは0.07〜5倍配合される。水の配合量がアルコキシシラン類の重量の0.01倍未満の場合には、加水分解縮合反応の進行度が不十分となり、膜が白濁することがある。一方、水の配合量がアルコキシシラン類の重量の10倍を超える場合には、原料液の表面張力が極端に大きくなり、成膜性が悪く(液のハジキ等)なることがある。
水は、アルコキシシラン類の加水分解に必要であり、目的である多孔性シリカ膜の造膜性向上という観点から重要である。よって好ましい水の量をアルコキシド基量に対するモル比で規定すると、アルコキシシラン中のアルコキシド基1モルに対して0.1〜1.6モル倍量、中でも0.3〜1.2モル倍量、特に0.5〜0.7モル倍量であることが好ましい。
水の添加はアルコキシシラン類を有機溶媒に溶解させた後であればいつでもよいが、望ましくはアルコキシシラン類、触媒及びその他の添加物を十分、溶媒に分散させた後、水を添加する方が最も好ましい。
用いる水の純度は、イオン交換、蒸留、いずれか一方または両方の処理をしたものを用いればよい。本発明の多孔性シリカ膜を半導体材料や光学材料など、微小不純物を特に嫌う用途分野に用いる際には、より純度の高い多孔性シリカ膜が必要とされるため、蒸留水をさらにイオン交換した超純水を用いるのが望ましく、この際には例えば0.01〜0.5μmの孔径を有するフィルターを通した水を用いればよい。
含水有機溶液に沸点80℃以上の親水性有機化合物を用いる際には、沸点80℃以上の親水性有機化合物の含有量が、有機溶媒と沸点80℃以上の親水性有機化合物の合計含有量に対して、特定量以下であることが重要である。この合計含有量に対する、沸点80℃以上の親水性有機化合物の含有量は90重量%以下であり、好ましくは85重量%以下である。
沸点80℃以上の親水性有機化合物の配合割合が少なすぎると、多孔性シリカ膜の空孔率が極端小さくなり、多孔性シリカ膜の低屈折率化を達成することが困難な場合があるので、一般的には有機溶媒と沸点80℃以上の親水性有機化合物の合計含有量の30重量%以上、中でも50重量%以上、特に60重量%以上であることが好ましい。一方、親水性有機化合物の配合割合が該合計含有量の90重量%を超える場合には、成膜途中で塗膜が白濁したり、多孔性シリカ膜が割れることがある。よって含水有機溶液における沸点80℃以上の親水性有機化合物の含有量は、該合計含有量の30重量%以上90重量%以下、中でも50重量%以上85重量%以下、特に60重量%以上85重量%以下であることが好ましい。
塗布液の調製における雰囲気温度や、混合順序は任意であるが、塗布液中での均一な構造形成を得るため、水は最後に混合するのが好ましい。また、塗布液中でのシリコンアルコキシドの極端な加水分解や縮合反応を抑えるため、塗布液の調整は0〜60℃、中でも15〜40℃、特に15〜30℃の温度範囲条件下で行うことが好ましい。
調液時においては、塗布液の攪拌操作は任意であるが、混合毎にスターラーにより攪拌を行うのがより好ましい。
さらに塗布液調製後、シリコンアルコキシド類を加水分解、脱水縮合反応を進行させるため、溶液の熟成をすることが好ましい。この熟成期間中においては、生成するシリコンアルコキシド類の加水分解縮合物が、塗布液内においてより均一に分散した状態であることが好ましいので、液を攪拌することが好ましい。
熟成期間中の温度は任意であり、一般的には室温、若しくは連続的または断続的に加熱してもよい。中でも、シリコンアルコキシド類の加水分解縮合物による3次元ナノポーラス構造を形成させるために、急速な加熱熟成を行うことが好ましい。さらに、加熱熟成する際には、塗布液調整直後の加熱熟成が好ましく、塗布液調整後15日以内、更には12日以内、中でも3日以内、特に1日以内の加熱熟成開始が好ましい。
具体的には、40〜70℃で1〜5時間の加速熟成が好ましく、その際、均一なポーラス構造を得るため、攪拌を行うことが好ましい。特に多孔化という観点では、60℃近傍の温度で2〜3時間の加速熟成が好ましい。
原料液の粘度は、0.1〜1000センチポイズ、好ましくは0.5〜500センチポイズ、さらに好ましくは1〜100センチポイズであり、この範囲の粘度の原料液を用いることが製造上の観点から好ましい。
(2)原料液から一次膜を形成する工程;
一次膜は、原料液である含水有機溶液を基板上に塗布して形成される。基板としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体、ガリウム−砒素、インジウム−アンチモン等の化合物半導体、セラミックス、金属等の基板、さらにはガラス基板、合成樹脂基板等の透明基板等が挙げられる。
本発明の多孔性シリカ膜を基板上に形成する際、基板表面の性質が多孔性シリカ膜の性質を左右する可能性がある。よって基板表面の洗浄だけではなく、場合によっては基板の表面処理を行ってもよい。基板表面洗浄としては、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸等の酸類、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ類、過酸化水素と濃硫酸、塩酸、アンモニア等の酸化性を有する混合液への浸漬処理が挙げられる。特に多孔性シリカ膜との密着性という観点からは、シリコン基板、透明ガラス基板に対して硫酸、硝酸等の酸類による表面処理を行うことがより好ましい。
原料液を塗布する手段としては、原料液をバーコーター、アプリケーターまたはドクターブレードなどを使用して基板上に延ばす流延法、原料液に基板を浸漬し引き上げるディップ法、または、スピンコート法などの周知を挙げることができる。これらの手段のうち、流延法とスピンコート法が原料液を均一に塗布することができるので好ましく採用される。
流延法で原料液を塗布する場合における流延速度は、0.1〜1000m/分、好ましくは0.5〜700m/分、更に好ましくは1〜500m/分である。
スピンコート法で原料液を塗布形成する場合における回転速度は、10〜100000回転/分、好ましくは50〜50000回転/分、更に好ましくは100〜10000回転/分である。
ディップコート法においては、任意の速度で、基板を塗布液に浸漬し引き上げればよい。この際の引き上げ速度は0.01〜50mm/秒、中でも0.05〜30mm/秒、特に0.1〜20mm/秒の速度で引き上げるのが好ましい。基板を塗布液中に浸漬する速度に制限はないが、引き上げ速度と同程度の速度で基板を塗布液中に浸漬することが好ましい場合がある。基板を塗布液中に浸漬し引き上げるまでの間、適当な時間浸漬を継続してもよく、この継続時間は通常1秒〜48時間、好ましくは3秒〜24時間、更に好ましくは5秒〜12時間である。また、塗布中の雰囲気は、空気中または窒素やアルゴン等の不活性気体中でもよく、温度は通常0〜60℃、好ましくは10〜50℃、更に好ましくは20〜40℃であり、雰囲気の相対湿度は通常5〜90%、好ましくは10〜80%、更に好ましくは15〜70%である。なお、ディップコート法ではスピンコート法に比べ、乾燥速度が遅いため、塗布後のゾルーゲル反応でより歪みの少ない安定な膜を形成する傾向にある。従って、基板の表面処理により好ましく膜構造を制御できる場合がある。
成膜温度は、0〜100℃、好ましくは10〜80℃、更に好ましくは20〜70℃である。
(3)塗布された膜が高分子量化されて中間体膜が形成される工程;
塗布された膜は高分子量化され、中間体膜が形成される。この反応はいわゆるゾル−ゲル法と呼ばれ、その素反応は、アルコキシシラン類の加水分解反応、その加水分解反応で生成するシラノール基同士の脱水縮合反応の二つの素反応からなる。
加水分解反応は、水を添加することによって引き起こされるが、水は液体のまま、アルコール水溶液として、または、水蒸気として加えることができ特に限定されない。水の添加を急激に行うと、アルコキシシランの種類によっては加水分解反応と脱水縮合反応とが速く起こりすぎ、沈殿が生じることがある。そのため、そのような沈殿が起こらないように、水の添加に十分な時間をかけること、アルコール溶媒を共存させて水を均一に添加する状態にすること、水を低温で添加して添加時の反応を抑制すること、等の手段を単独でまたは組み合わせて用いることが好ましい。
ゾル−ゲル法によるアルコキシシラン類の加水分解縮合反応が進行すると、アルコキシシラン類の縮合物が徐々に高分子量化する。加水分解縮合反応においては、相平衡の変化に起因すると考えられる相分離が起こる場合があるが、本発明においては、原料液の組成、使用するアルコキシシラン類及び沸点80℃以上の親水性有機化合物の親水性の程度の兼ね合いにより、相分離がナノメートルスケールで起こるように制御される。その結果、親水性有機化合物の分離相が、アルコキシシラン類縮合物のゲル網目の中に保持されたまま基板上に成膜され、中間体膜を構成する。
このようなことから、沸点が80℃以上の親水性有機化合物の親水性の制御は重要であり、その親水性有機化合物を比誘電率で表すと、好ましくは10〜20、更に好ましくは13〜19と規定できる。
こうした親水性の程度の兼ね合いの観点から、原料液である含水有機溶液が、比誘電率23以上の有機溶媒(具体的には、メタノール、エタノール等)を含有することが望ましい。特に、比誘電率が23以上の有機溶媒と沸点80℃以上の親水性有機化合物との重量比(有機溶媒の重量/親水性有機化合物の重量)を5/5〜2/8の範囲にすると、更に望ましい相分離挙動を達成する。この重量比については、4/6〜2/8が最も好ましい。
(4)中間体膜に水溶性有機溶媒を接触させて多孔性シリカ膜を形成する工程(抽出工程);
中間体膜に水溶性有機溶媒を接触させることにより、中間体膜中の上記親水性有機化合物が抽出除去されると共に、中間体膜中の水が除去される。中間体膜中に存在する水は、有機溶媒に溶けているだけでなく膜構成物質の内壁にも吸着しているので、中間体膜中の水を効果的に除去するためには、有機溶媒中の水の含有量をコントロールする。したがって、有機溶媒中の水の含有量は、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0〜3重量%である。脱水が十分に行われない場合には、その後に行われる膜の加熱または乾燥工程で空孔が崩壊して消滅または小さくなることがある。
中間体膜中の親水性有機化合物の抽出除去手段としては、例えば、中間体膜を水溶性有機溶媒に浸漬すること、中間体膜の表面を水溶性有機溶媒で洗浄すること、中間体膜の表面に水溶性有機溶媒を噴霧すること、中間体膜の表面に水溶性有機溶媒の蒸気を吹き付けること等の手段を挙げることができる。これらのうち、浸漬手段と洗浄手段が好ましい。中間体膜と水溶性有機溶媒との接触時間は、1秒〜24時間の範囲で設定できるが、生産性の観点から、接触時間の上限値は、12時間が好ましく、6時間がより好ましい。一方、接触時間の下限値は、前記の沸点80℃以上の親水性有機化合物及び水の除去が十分に行われることが必要であることから、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。
(5)多孔性シリカ膜を乾燥する工程;
乾燥工程は、多孔性シリカ膜に残存する揮発成分を除去する目的及び/またはアルコキシシラン類の加水分解縮合反応を促進する目的で行われる。乾燥温度は、20〜500℃、好ましくは30〜400℃、更に好ましくは50〜350℃であり、乾燥時間は、1分〜50時間、好ましくは3分〜30時間、更に好ましくは5分〜15時間である。乾燥方式は、送風乾燥、減圧乾燥等の公知の方式で行うことができ、それらを組み合わせてもよい。なお、乾燥が強すぎて揮発成分を急激に除去すると多孔性シリカ膜に割れが発生するので、送風乾燥のような緩やかな乾燥方式が好ましい。送風乾燥の後は、揮発成分の十分な除去を目的とした減圧乾燥を追加することもできる。
なお、この乾燥工程を、上述した抽出工程の代わりとすることもできる。すなわち、上記(3)の工程で形成された中間体膜から沸点80℃以上の親水性有機化合物を除去する工程として、上述の(4)の抽出工程によらず、ここで説明した乾燥工程で実施することができる。
こうした乾燥工程で上記親水性有機化合物を除去することができる積層基板の製造方法は、加水分解反応及び脱水縮合反応を起こすアルコキシシラン類を主体とした原料化合物と沸点80℃以上の親水性有機化合物とを含む含水有機溶液を基板上に塗布して一次膜を形成する工程、前記一次膜を形成する含水有機溶液が加水分解反応及び脱水縮合反応を起こして中間体膜が形成される工程、前記中間体膜に加水分解反応及び脱水縮合反応を促進させる触媒物質を接触させて当該中間体膜の表層領域に緻密層を形成する工程、及び、前記中間体膜を乾燥させて前記の沸点80℃以上の親水性有機化合物を除去して多孔性シリカ膜を形成する工程、を少なくとも含む構成で特定できる。
C:粒子含有透明電極層3’について
粒子含有透明電極層3’は、エレクトロルミネッセンス素子の陽極として作用する。粒子含有透明電極層3’のマトリックスとしては、錫を添加した酸化インジウム(通称ITOと呼ばれている。)、アルミニウムを添加した酸化亜鉛(通称AZOと呼ばれている。)インジウムを添加した酸化亜鉛(通称IZOと呼ばれている)等の複合酸化物薄膜が好ましく用いられる。特にITOであることが好ましい。
粒子含有透明電極層3’は、エレクトロルミネッセンス層からの光を散乱させる粒子(以下「光散乱粒子」と称す場合がある。)を含有した原料液を塗布する塗布法により形成することができる。形成された粒子含有透明電極層3’の可視光波長領域における光線透過率は大きいほど好ましく、例えば50〜99%である。好ましい下限値としては60%、更に好ましくは70%である。粒子含有透明電極層3’の電気抵抗は、面抵抗値として小さいほど好ましいが、通常1〜100Ω/□(=1cm)であり、その上限値は好ましくは70Ω/□、更に好ましくは50Ω/□である。また、粒子含有透明電極層3’の厚さは、上述した光線透過率及び面抵抗値を満足する限りにおいて、通常0.01〜10μm、導電性の観点からその下限値は、0.03μmが好ましく、0.05μmが更に好ましい。一方、光線透過率の観点からその上限値は、1μmが好ましく、0.5μmが更に好ましい。粒子含有透明電極層3’を形成するための塗布液は、例えばITOなどの導電性材料あるいは半導体材料の微粒子を導電性ポリマーあるいはその他の樹脂バインダーと共に有機溶媒などに分散させたもの、あるいは導電性ポリマーそのものなどが使用できるが、これに限定されない。なお、この塗布液中に光散乱粒子を含有させておく。
粒子含有透明電極層3’に含有させる光散乱粒子としては、粒子の重量比(重量百分率)で60%以上(「60%重量比径」という事がある)が粒径20〜400nm、好ましくは30〜300nm、特に40〜200nmとりわけ60〜120nm程度のシリカ、コロイダルシリカ、チタニア、ITO、ATO、アルミナ、ジルコニアなどが好ましい。粒子のサイズや形状は光を散乱する機能を有すれば使用可能であるが、特にミー散乱を起こすものが好ましく、そのために粒子サイズは光学的サイズで散乱させる光の波長λ(通常は可視光:400〜700nm)に対して1/20λ以上、好ましくは1/10λ以上であることが好ましく、マトリクス材料との屈折率差が大きいことが好ましい。
なお、この光散乱粒子の粒子径が大きくなり過ぎると拡散膜の平坦性に問題が出易くなるので好ましくない。拡散膜の平坦性に問題が発生するとEL発光層内の電界が不均一となり、素子の輝度低下、寿命低下等の問題が発生し易くなる。また小さ過ぎる粒子は散乱効果が少ないので好ましくない。以上の理由より、物理的な粒子径として、60%重量比径が20〜400nm、好ましくは40〜200nm、最も好ましくは60〜120nmの範囲にあることが望まれる。
なお、本発明において、光散乱粒子の60%重量粒子径の測定は以下のようにして実施される。
[1]FIB−SEMで拡散層の断面観察を実施した。
FIB(focused ion beam)は収束イオンビーム加工観察装置の略であり、装置は日立製作所製「FB−2000A」を用いた。断面加工条件は次の通りである。
(1) FIB加工前にPt(プラチナ)スパッタ膜を製膜した。
(2) FIBにて断面作製前に当該箇所にW(タングステン)膜を局所製膜した。
(3) FIBで観察用の穴(20μ×30μ角程度)を開け、観察に用いる面をイオンビーム電流を下げて仕上げた。イオン種はGa+、イオンビーム加速電圧は30kVとした。
SEM観察は、日立製作所製「S4100」で実施した。観察条件は加速電圧5.0kVとして、試料膜垂直方向より約80度傾斜(膜断面をほぼその正面から観察することに相当)させてFIBにて作製した穴の観察面を画像を撮影した。倍率は×10000であった。
上記の断面観察画像について、下記要領で観察を実施した。
試料膜の面方向に20μ幅の画像を試料膜よりランダムに20箇所採集し、その画像中の観察される粒子について粒子径を観察した。粒子断面形状がいびつな形状である場合は、ほぼ同面積の円形断面の粒子とみなした場合の粒子径を以って該粒子の粒子径とした。
ここで観察された各粒子について、粒子径の3乗が粒子の重量に比例するとして重量換算し、全粒子についてその60重量%以上が上記に規定する粒子径換算でどの範囲にあるかを導いた。
粒子が凝集して塊り状になっている場合には、これを一つの粒子として扱った(基本的に本法による測定を採用する)。
試料膜が脆い、あるいはSEMやTEMで粒子形状がわかりにくい等の理由で上記手法が適用できない場合には、次の手段を用いて粒子径を測定した。
[2]試料膜を形成する前の塗液を調合する段階において粒子の懸濁液を粒度分布計に通して粒度分布を測定した。
粒度分布計は、日機装株式会社のMICROTEC粒度分布計型式「9230 UPA」を使用した。粒子を懸濁させる溶媒については懸濁させることができれば特に制限されるものでは無いが、チタニア粒子をシリケート溶液に分散させゾルゲル法で製膜する場合には、アルコール系溶媒が望ましい。
測定された粒度分布からは、粒子径と頻度と累積比率のデータが得られる。このデータから粒子径をほぼ球状粒子の径であるとみなして上記と同様にして60%重量粒子径がどの範囲にあるかを導いた。
光散乱粒子の平均粒子径は、上記に示す方法(FIB−SEM、適用しない場合は、塗布前の粒子分散液の粒度分布測定)によって粒度分布を測定し、その50体積%となる値を用いた。
粒子含有透明電極層3’中の光散乱粒子の含有量は0.1〜40体積%特に1〜10体積%程度が好ましい。光散乱粒子含有量が少な過ぎる場合は十分な散乱効果が得られない。多過ぎる場合は隠蔽効果が高くなり、光を取り出せる割合が減少する。
粒子含有透明電極層3’は、このような光散乱粒子を含有する塗布液を用い、フォトリソグラフィ法やインクジェット法などの印刷法等により、エレクトロルミネッセンス素子の電極として必要なパターンに形成される。パターニング後の線幅は1〜10μm程度が標準的であるが、これに限定されるものではない。
D:エレクトロルミネッセンス層2について
エレクトロルミネッセンス層2は、電界が印加されることにより発光現象を示す物質により成膜されたものであり、その物質としては、付活酸化亜鉛ZnS:X(但し、Xは、Mn、Tb、Cu,Sm等の付活元素である。)、CaS:Eu、SrS:Ce,SrGa:Ce、CaGa:Ce、CaS:Pb、BaAl:Eu等の従来より使用されている無機EL物質、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体、芳香族アミン類、アントラセン単結晶等の低分子色素系の有機EL物質、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリビニルカルバゾールなどの共役高分子系の有機EL物質等、従来より使用されている有機EL物質を用いることができる。エレクトロルミネッセンス層の厚さは、通常10〜1000nm、好ましくは30〜500nm、更に好ましくは50〜200nmである。エレクトロルミネッセンス層は、蒸着やスパッタリング等の真空成膜プロセス、あるいはクロロフォルム等を溶媒とする塗布プロセスにより形成することができる。
E:陰極について
陰極1は、上述した透明電極層3と対向し、エレクトロルミネッセンス層2を挟むように設けられている。この陰極1は、アルミニウム、錫、マグネシウム、インジウム、カルシウム、金、銀、銅、ニッケル、クロム、パラジウム、白金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等で形成される。特にアルミニウムで形成することが好ましい。陰極の厚さは、通常10〜1000nm、好ましくは30〜500nm、更に好ましくは50〜300nmである。陰極は、蒸着やスパッタリング等の真空成膜プロセスにより形成することができる。
F:その他の層について
エレクトロルミネッセンス層2と透明電極層3との間には、正孔注入層や正孔輸送層を更に積層することができ、エレクトロルミネッセンス層2と陰極1との間には、電子注入層や電子輸送層を更に積層することができる。また、これら以外の公知の層を適用しても構わない。
次に、図2を参照して請求項2の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、透明電極層3として粒子を含有しないものが設けられている。この透明電極層3と低屈折率層4との間に粒子含有透明電極層3''が設けられている。透明電極層3及び粒子含有透明電極層3''のマトリックス成分は同等の屈折率を有する。図2のエレクトロルミネッセンス素子のその他の構成は図1と同じであり、同一符号は同一部分を示している。
図2の透明電極層3''のマトリックス成分は、透明電極層3と同様のものを用いることができる。この透明電極層3''のマトリックス成分は、透明電極層3と同一組成であることが好ましいが、異なっていてもよい。
粒子含有透明電極層3''のマトリックス成分と透明電極層3との屈折率差は0.3未満であり、特に0.2以下とりわけ0.1以下であることが好ましい。
この粒子含有透明電極層3''は、上記図1の粒子含有透明電極層3’と同様にして成膜することができる。粒子を含有しない透明電極層3は、粒子を含有しない塗布液を用いて上記図1の粒子含有透明電極層3’と同様に形成することができる。また、蒸着やスパッタリング等の成膜プロセスによっても形成することができる。
粒子を含有しない透明電極層3の厚さは100〜5000nm特に200〜1000nmであることが好ましい。粒子含有透明電極層3''の厚さは100〜5000nm特に200〜1000nmであることが好ましい。
このエレクトロルミネッセンス素子においては、透明電極層3と低屈折率層4との間に設けられた粒子含有透明電極層3''は、次のようにして透明電極層3から低屈折率層4に進入する光量を増加させ、光取り出し効率を向上させる。即ち、この粒子含有透明電極層3''のマトリックスの屈折率は透明電極層3の屈折率と同等であるため、透明電極層3と該粒子含有透明電極層3''との界面では全反射は生じない。
透明電極層3から粒子含有透明電極層3''内に進行し、この粒子含有透明電極層3''中を粒子含有透明電極層3''と低屈折率層4との界面に入射した光のうち、入射角が臨界角よりも小さい光は、そのまま粒子含有透明電極層3''から低屈折率層4中に進行する。入射角が臨界角よりも大きい光は、該低屈折率層4との界面で全反射され、粒子含有透明電極層3''側に戻る。このように粒子含有透明電極層3''側に戻った光の一部は、該粒子含有透明電極層3''中の粒子によって散乱される。この散乱光の一部は再度低屈折率層4との界面に入射される。このうち入射角が臨界角よりも小さい光は、全反射されることなく粒子含有透明電極層3''から低屈折率層4に進入する。該界面に入射する該散乱光のうち入射角が臨界角よりも大きいものは、再々度粒子含有透明電極層3''側に戻り、その一部は再々度、粒子によって散乱される。これを順次に繰り返すことにより、残部の光も次第に低屈折率層4側に進入する。
低屈折率層4と粒子含有透明電極層3''との界面で全反射された光のうち粒子含有透明電極層3''と透明電極層4との界面に達した光は、この界面で屈折率差がないのでそのまま透明電極層3に進入し、透明電極層3とエレクトロルミネッセンス層2との界面に戻る。この界面への入射角が臨界角よりも大きいときには、該界面で全反射され、再び低屈折率層4と粒子含有透明電極層3''との界面に向かう。その後のこの光の挙動は上記と同様であり、次第に低屈折率層に進入する。
一方、透明電極層3とエレクトロルミネッセンス層2の界面に透明電極層3側から臨界角よりも小さい入射角で入射した光は、そのままエレクトロルミネッセンス層2に進入し、エレクトロルミネッセンス層2と陰極1との界面で反射され、再びエレクトロルミネッセンス層2及び透明電極層3を透過し、透明電極層3と粒子含有透明電極層3''との界面に戻る。その後のこの光の挙動は上記と同様である。
このようにして、このエレクトロルミネッセンス素子によっても、低屈折率層4よりも透明電極層3側での全反射が低減され、光取り出し効率が向上する。
なお、図2では粒子含有透明電極層3''が設けられているが、この代りに粒子を含有しない透明電極層3と同等の屈折率の材料をマトリックスとした粒子含有層を形成してもよい。このような材料としては、マトリクス材料としてポリエーテルスルホン等の芳香族樹脂、あるいはそれらにチタニア、ジルコニア等の高屈折率材料の微粒子を分散させて透明化したもの、光散乱粒子としては、チタニア、ジルコニア、シリカ、エア(空気)等を光が散乱するサイズで散乱させたものなどが例示される。
上記図1,2実施の形態では、基板5がエレクトロルミネッセンス層2から見て最表層に設けられているが、陰極の外側に基板が設けられ、エレクトロルミネッセンス層から見て最表層となる層には保護カバーが設けられてもよい。前者の態様をボトムエミッションタイプ、後者の態様をトップエミッションタイプと称することがある。
図3は、図1の態様においてかかる構成とした実施の形態を示すものであり、陰極1が基板5上に形成され、その上に順次にエレクトロルミネッセンス層2、粒子含有透明電極層3’及び低屈折率層4が形成され、この低屈折率層4の上に保護カバー6が形成されている。この保護カバー6の材料としては、透明で平坦化できる材料であれば使用することができるが、前記基板5に用いられる各種ガラス、樹脂材料に加えて、自己支持性の無い透明コーティング材料、例えばUV硬化又は熱硬化アクリル樹脂、ゾルゲル反応材料(シリケート材料)などが例示される。保護カバー6の厚さは100〜1000μm特に100〜200μm程度が好ましい。
図3は図1の実施の形態において基板5を陰極1側に配置したものであるが、図2においても同様に基板5を陰極1側に配置してもよい。
以下、実施例に相当する参考例1〜5と比較例1〜3について説明する。なお、以下の参考例1〜5と比較例1〜3においては陰極及びエレクトロルミネッセンス層を形成せず、透明電極層上に蛍光色素層を形成し、この蛍光色素層に蛍光色素側から励起光を照射し、蛍光を基板側から取り出した。
〈参考例1(図1の実施の形態に相当)〉
旭硝子(株)製無アルカリガラスAN100よりなる厚さ0.7mm、75mm角のガラス基板の表面を0.1N硝酸に1時間程浸漬して脱脂処理した上で、純水で洗浄し、60℃オーブン中で乾燥した。
一方、三菱化学(株)製MS51(テトラメトキシシランのオリゴマー)30wt%、BtOH50wt%、脱塩水8wt%、MeOH12wt%に酸触媒(アルミアセチルアセトナート)を少量加え、60℃で3時間撹拌し、1週間放置して熟成した。
これを上述のガラス基板1上にディップコーターで塗布、15分乾燥後メタノール中に5分浸漬、引き上げて5分乾燥後、150℃オーブン中で15分加熱して低屈折率層4を得た。なおディップコート時には裏面に保護フィルムを貼り、塗布後に剥離して、片側にのみ塗膜が形成されるようにした。
低屈折率層4の膜の厚さは600nm、ソプラ社のエリプソメーターで膜の屈折率を測定したところ、波長550mmにおいて1.27であった。また米国メトリコン社のプリズムカプラーモデル2010で測定したところ波長633nmで1.31であった。
以下屈折率測定は、原則D542に基づきソプラ社のエリプソメーターで実施したが、メソ(ナノ)ポーラス材料あるいは粒子分散材料のマトリクス部分の屈折率はエリプソメーターでは測定が難しい場合、米国メトリコン社のプリズムカプラー・モデル2010を用いて波長633nmのレーザーにより25℃で屈折率測定を実施した。
膜厚については、蒸着膜やスパッタ膜の膜厚は、検量線からの時間管理もしくは水晶発振式膜厚計により確認した。塗布膜の膜厚は、光干渉式膜厚計もしくは膜に傷をつけて段差測定することにより測定した。ガラス基板等の厚い基材についてはマイクロノギス等により厚さを測定した。
この低屈折率層4の上に粒子含有透明電極層3’を次のようにして形成した。
即ち、平均粒径50nmのITOの微粒子にポリチオフェン系の導電性ポリマー、ポリ(3-アルキルチオフェン)を同量加え、さらにこれらの全体量に対して5wt%となるよう平均粒径約120nm、60%重量比径70〜140nmのチタニア粒子を分散させ、これらをクロロフォルムに溶解、分散させてITO・チタニア粒子含有塗布液を調製した(以下、この塗布液を「塗布液I」と称す。)。この塗布液Iをスピンコーターにより低屈折率層4上に塗布後、乾燥した。形成された粒子含有透明電極層3’の厚さは1000nmで、マトリクス部分の屈折率を測定したところ1.8であった。また、チタニア粒子の含有量は5体積%であった。
この粒子含有透明電極層3’の上にAlQ3(蛍光色素)を1000Å厚で蒸着した。
この積層体の裏面に400nm以下の波長の励起光を照射し、表面の出射角45度の方向に設置したディテクターで420〜750nmの取り出し光強度を測定し、全波長で積分した発光エネルギーを求めた。測定には日立製作所製の蛍光分光輝度計F−4500型を使用した。
取り出し光量を以下の比較例1の場合を100%として、相対的に求めたところ、170%であった。
〈比較例1(図5の従来例に相当)〉
上記参考例1において透明電極層形成用の塗布液にチタニア微粒子を添加しなかったこと以外は全く同様にして、図5に相当する層構成の蛍光発光素子を製造し、同一の取り出し光量測定を行い、この場合の取り出し光量を100%とした。
〈比較例2(図4の従来例に相当)〉
低屈折率層4を省略し、図4(a)に示す層構成としたこと以外は比較例1と同様にして蛍光発光素子を製造し、同一の取り出し光量測定を行ったところ、取り出し光量は比較例1の場合の91%であった。
〈参考例2(図2の実施の形態に相当)〉
参考例1において、低屈折率層4上に塗布液Iを用いて厚さ500nmの粒子含有透明電極層3''を形成し、その上に、チタニア微粒子を添加しなかった以外は塗布液Iと同様にして調製した塗布液を用いて厚さ500nmの透明電極層3を形成し、さらにAlQ3を1000Å厚で蒸着した。
このようにして製造した蛍光発光素子について同様に取り出し光量測定を行ったところ、比較例1の場合の170%であった。
〈参考例3〉
低屈折率層4を設けなかった以外は参考例1と同様にして蛍光発光素子を製造し、同様にして取り出し光量測定を行ったところ、取り出し光量は比較例1の場合の150%であった。
〈参考例4〉
参考例1と同様にしてガラス基板を準備した。
テトライソプロピルオキシチタン(Ti(O−i−C)と無水エタノール(COH)をモル比で1:4で室温で攪拌、混合した。無水エタノール中には、平均粒径200nm、60%重量比径150〜220nmのシリカ粒子をこの際、出来上がった粒子含有層中の重量百分率で10wt%(19体積%)となるように予め分散させた。粒子含有層中の重量百分率は前述の膜中の粒度分布を求めるのと同様の方法で実施した。体積の重量換算は粒子及びマトリクスの密度を調べて実施した。マトリクスが多孔体である場合の密度は屈折率はX線反射率を求めることまたは屈折率を求めることから算定した。
これにエタノール、水、塩酸をモル比で各4:1:0.08として混合した液を0℃でビュレットで加え、加水分解を進行させ、チタニアゾルを得た。
このようにして調整した塗液を、上記ガラス基板の処理面上にディップコートして塗膜を形成した。なお、ディップコート時には裏面に保護フィルムを貼り、塗布後剥離して塗膜が片側にのみ形成されるようにした。その後、300℃で10分間加熱して散乱膜を得た。この散乱膜の厚さは500nmであった。マトリクス部分の屈折率を測定したところ、2.1であった。
この上にITOを常温でスパッタリングし500Åの透明導電膜を形成した。この透明導電膜の屈折率を測定したところ1.9であった。さらに参考例1と同様にしてAlQ3を蒸着して発光層を形成して蛍光発光素子を製造した。
この蛍光発光素子について、同様に取り出し光量測定を実施し、取り出し光量を以下の比較例3の場合を100%として相対的に求めたところ、170%であった。
〈比較例3〉
参考例3において、無水エタノール中にシリカ粒子を添加しなかったことを除いては全く同様にして蛍光発光素子を作製して評価を実施し、この取り出し光量を100%とした。
〈参考例5〉
参考例3において、発光層の形成に先立ち、参考例4と同様にしてITOの透明導電膜を形成したこと以外は同様にして蛍光発光素子を製造し、取り出し光量測定を実施し、取り出し光量を比較例1の場合を100%として相対的に求めたところ、140%であった。
実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。 実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。 実施の形態に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。 従来例に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。 従来例に係るエレクトロルミネッセンス素子の断面図である。
符号の説明
1 陰極
2 エレクトロルミネッセンス層
3 透明電極層
3’,3'' 粒子含有透明電極層
4 低屈折率層
5 ガラス基板
6 保護カバー

Claims (4)

  1. 陰極、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層及び透光体がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、
    該透明電極層が該エレクトロルミネッセンス層からの光を散乱させる粒子を含有し、
    該透明電極層と透光体との間に、透光体よりも低い屈折率の低屈折率層を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  2. 陰極、エレクトロルミネッセンス層、透明電極層及び透光体がこの順に配置されてなるエレクトロルミネッセンス素子において、
    該透明電極層と透光体との間に、マトリックスと該マトリックス中に分散されたエレクトロルミネッセンス層からの光を散乱させる粒子とからなる粒子含有層が設けられており、
    該マトリックスは該透明電極層と同等の屈折率を有し、
    該粒子含有層と透光体との間に、透光体よりも低い屈折率の低屈折率層を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1又は2において、該透光体は透明基板であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1又は2において、該陰極は透明基板上に形成されており、前記透光体は保護カバーであることを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
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